説明

電気化学セル構造及び製造方法

【課題】本発明は、電気化学セル及びその製造方法に関する。
【解決手段】電気化学セルは、第1導電層と、該第一導電層上に形成された金属酸化物層と、ここで該金属酸化物層は、お互いに離間し、隣接した複数の金属酸化物セルを有し、前記金属酸化物層上に形成された機能色素層と、第2導電層と、該機能色素層と該第2導電層の間に電解質を含み、前記第1導電層、該第2導電層の少なくとも一つは透明であり、前記金属酸化物層は金属酸化物粒子分散液からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学セル構造及び製造方法に関する。特に、金属酸化物層の形成において使用される金属酸化粒子分散液に関する。
【背景技術】
【0002】
国際エネルギー機関の「世界エネルギー展望」によれば、全世界の一次エネルギー需要は2000年から2030年で年率1.7%の増加が予測されており、この需要の90%が化石燃料で賄われるであろう事も予測している。その結果、二酸化炭素は2000年から2030年まで年率1.8%で増加し、2030年には380億トンに達するものと思われる。この汚染の増加傾向に対する対策として、太陽電池を含む、よりクリーンで再生可能なエネルギー源が長い間待ち望まれていた。最新のシリコン型太陽電池が現在広く市販されているが、製造コストが高く、堅牢性が不足し、大きな露出面積を必要とすることによる視覚公害のため、その普及は遅れている。
【0003】
結晶型太陽電池よりも安価に製造できる色素増感太陽電池(DSSC)は、結晶型太陽電池の代替物の一つであるが、結晶型太陽電池に比べて効率が悪いため、DSSCを効率的な電力源とするには、広い被覆領域が必要となる。
【0004】
M.グレッツェル等による下記特許文献1には、代表的なDSSCが開示されている。図1に示すように、DSSC10は、第1透明絶縁層1、第1透明導電性酸化物(TCO)電極層2、二酸化チタン(TiO2)からなる透明金属酸化物層3、増感体(色素)の単分子層4、電解質層5、第2透明導電性酸化物(TCO)電極層6、第2透明絶縁層7からなる。
【0005】
DSSCは、可視光を直接吸収することにより電荷を発生する。ほとんどの金属酸化物は、主に電磁スペクトルの紫外域で光を吸収するので、増感体(色素)4は金属酸化物層3の表面に吸収されると、太陽電池の光吸収域を可視光領域に広げる。
【0006】
金属酸化物層3と増感体(色素)層4が吸収できる光量を増加させるために、金属酸化物層3の少なくともいくらかの部分は多孔質に形成され、金属酸化物層3の表面積を増加させる。表面積が増加することによって、増感体(色素)層4の量が増加し、結果的にはDSSCの光吸収が増大してエネルギ変換効率を10%以上向上する。
【0007】
エレクトロクロミック表示体(ECD)は新型の表示体であり、独特な双安定性を持つ。
【0008】
エレクトロクロミック表示体(ECD)は比較的新しい電気化学、双安定表示体である。DSSCと応用分野は異なるが、図1に示すように、両者は多くの物理的特徴を共有し、増感体(色素)層4がエレクトロクロミック材層に交換されたものであり、エレクトロクロミック材層は、電流あるいは電圧が装置両端に印加されると可逆性の色変化を呈する。すなわち、酸化状態では透明になり、還元状態では着色される。
【0009】
第1透明導電性酸化物(TCO)電極層2に十分な負電位が印加され、第2透明導電性酸化物(TCO)電極層6が接地電位に保持されると、電子は金属酸化物層3の伝導帯に注入され、吸着分子を還元する(着色過程)。第1透明導電性酸化物(TCO)電極層2に正電位が印加されると逆の作用が生じ、分子は消色される(透明となる)。
【0010】
平面基板上のエレクトロクロミック単分子層一層では消色と非消色状態の間の明確な色のコントラストを提供するのに十分な光を吸収できない。従って、高多孔質で広い表面積を持つ、ナノ結晶金属酸化物層3が使用され、エレクトロクロモフォをその上に拘束するための広い有効面積を提供することによって、非消色状態での光吸収を促進する。光が厚い金属酸化物層3を通過すると、光は、増感体(色素)4で着色された数百の単分子層を横切るため、強力に吸収される。
【0011】
両電気化学装置の構造は似通っているので、DSSCの製造方法のみを一例として述べる。同様に、本工程は僅かの変更を加えてECDの製造に適用しても良い。
【0012】
図1に示すDSSC10を製造するために、高粘度ペーストのスクリーン印刷、ドクターブレード法、スパッタリング、スプレーコーティング等の各種技術のいずれか一つを用いて、金属酸化物層3を第1透明導電性酸化物(TCO)電極層2上に数ミクロンの厚みに形成する。標準的なペーストは、一般的に水及び有機溶媒性の金属酸化物ナノ粒子(直径5−500nm)懸濁液、二酸化チタン(Ti02)、ポリエチレングリコール(PEG)のような粘度改質バインダー、そしてトリトンXのような界面活性剤からなる。ペーストは塗布後、乾燥させて溶媒を除去し、450度で焼結する。この高温処理により金属酸化物の粒径と密度が変わり、ポリエチレングリコール(PEG)などの有機バインダ成分が確実に除去されて、良好な導電経路と良好な材質の孔が得られる。また、焼結により金属酸化物層3と第1透明導電性酸化物(TCO)電極層2の間に良好な電気的導通が確保される。
【0013】
乾燥及び冷却後、多孔質金属酸化物層3を低濃度(1mM以下)増感体(色素)液に長時間、通常24時間、浸漬して増感体(色素)4で覆い、増感体(色素)4が、カルボン酸誘導体で構成されることが多い機能配位子構造を介して金属酸化物層3上に吸収されるようにする。水系溶媒は、増感体(色素)4が金属酸化物層3表面上へ吸収するのを阻害するため、この工程の代表的な溶液として、アセトニトリルあるいはエタノールが使用される。
【0014】
多孔質金属酸化物層3と増感対(色素)層4が形成されている第1透明導電酸化物(TCO)電極層2を、第2透明導電酸化物(TCO)電極層6と重ね合わせる。電解質層5を充填する前に、2つの電極層2と6を、周辺スペーサー誘電カプセル材料と一緒に重ね合わせて、電極と電極の隙間を少なくとも10μmにする。スペーサーの材料は、一般的にカプセル封入を可能にする熱可塑性物質である。通常は有機溶剤中にヨウ化物/三ヨウ化物塩を含む電解質層5が導入されると、DSSCは、水の浸入を防ぎ、すなわち装置の劣化を防止するために、残りのどの開口部も熱可塑性ガスケット、エポキシ樹脂、UV硬化型樹脂のいずれかで封止することにより完成する。
【0015】
DSSCを加工するために使用される材料は、全てではないが、ほとんどが空気中の大気圧条件下で扱うことが可能であり、結晶型太陽電池の加工に伴う高価な真空プロセスを必要としないので、DSSCは結晶型太陽電池よりも低コストで製造することができる。
【0016】
ECDの加工工程は、幾つかの例外はあるが、DSSCのそれと大変似通っている。多孔質金属酸化物層3は、多くの場合、スクリーン印刷でパターニングされて所望の電極形状を得、そして選択領域を着色あるいは消色する事によって装置が情報を伝達することを可能にする。更に、増感体(色素)層4は、吸収エレクトロクロモフォ材層に置き換えられる。更に、一般的には焼結金属酸化物の大粒子である透過性拡散反射体層は、第1電極層2と第2電極層6の間に置く事ができ、表示画像のコントラストを増す。
【0017】
H.ホフマンによる特許文献2にもDSSC100が開示されている。図2に示すように、DSSC100は、ガラスあるいはプラスチックからなる第1基板101、第1透明導電酸化物(TCO)層102、二酸化チタン(TiO2)層103、色素層104、電解質層105、第2透明導電酸化物(TCO)層106、ガラスあるいはプラスチックからなる第2基板107、絶縁ウェブ108と109、から構成される。絶縁ウェブ108と109は、DSSC100の個別電池110を形成するために使用する。
【0018】
それぞれの隣接する個別電池110内でTiO2層103と電極層105が入れ替わっているので、絶縁ウェブ108と絶縁ウェブ109との間に形成された個別電池110は、絶縁ウェブ109と絶縁ウェブ108との間に形成された隣接する個別電池110とは異なる。従って、隣接する個別電池110同士の電気極性は逆になる。この異なる層の交番区域で、導電層102と106からなる導電層111が形成され、各導電層111は一つの個別電池110の正(負)電極と、隣接する個別電池110の負(正)電極とを接続している。この構造により、重層構造を組み込む必要もなく、DSSCの全体の出力電圧を増加させる方法が得られる。
【0019】
入射光子の電流変換効率を向上しDSSC性能の安定性/再現性を管理するためには、金属酸化物層の物理特性、すなわち増感体(色素)分子の吸収を正確に管理することが重要である。しかし、スクリーン印刷を用いた金属酸化物層の製造では、粘性ペーストから完全に気体を取り除く事が不可能である事から、残渣詰まり又は残渣汚れしたスクリーンセル、基板表面より分離時のスクリーンへの付着、乾燥時の内在気泡の膨張が原因で、多くの場合、膜厚みに±5%のバラツキを生じる。ドクターブレード法のような他の方法も、大幅な空間的バラツキがない良好な厚さの金属酸化物層を提供できない。従って、このような金属酸化物層のいたるところで、多孔率や膜質におけるバラツキが生じ易く、DSSCとECDの其々の効率と画質の劣化を招くことになる。
【0020】
ECDの場合には、画素で構成された表示体のインチ当りドット数(dpi)を増やすなどの、より高品質の画像のために、更なる微細金属酸化物層構造を構築することが求められるため、スクリーン印刷に対する要求はより一層厳しくなる。dpiが増えるにつれ、メッシュ分離幅にスクリーンのメッシュサイズが近づくために最小構成サイズが制約されることになる。
【0021】
従って、機能的に増感された厚い多孔質金属酸化物層に基づき、上述した製造技術を用いた電気化学装置の製造は、DSSC及びECDに関しては、大型の装置の製造に対する装置の再現性及び適応性の観点から不適当である。
【0022】
【特許文献1】米国特許第4927721号「光電気化学電池」
【特許文献2】米国特許第5830597号「光化学電池の製造方法及び製造装置」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明に係るいくつかの態様は、上記の従来技術の電気化学セルの(DSSC及びECDの)製造上の問題を解決するために、それらの製造効率を向上し、更にその製造コストを下げる事を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明に係る電気化学セルは、第1導電層と、前記第1導電層上に形成された金属酸化物層と、前記金属酸化物層上に形成された機能色素層と、第2導電層と、前記機能色素層と前記第2導電層との間に設けられた電解質と、を含み、前記金属酸化物層は、複数の金属酸化物セルを有し、前記第1導電層及び前記第2導電層のうち少なくとも一つは透明であり、前記金属酸化物層は金属酸化物粒子分散液を含むことを特徴とする。
上記の電気化学セルにおいて、前記金属酸化物粒子分散液は水を含むようにしてもよい。
上記の電気化学セルにおいて、前記金属酸化物粒子分散液はアルコールを含むようにしてもよい。
上記の電気化学セルにおいて、前記金属酸化物粒子分散液は、直径がおよそ5nmから500nmの複数の金属酸化物粒子を含むようにしてもよい。
上記の電気化学セルにおいて、前記複数の金属酸化物粒子は直径がおよそ18nmであるようにしてもよい。
上記の電気化学セルにおいて、前記金属酸化物粒子分散液は、粘度調製剤を含むようにしてもよい。
上記の電気化学セルにおいて、前記粘度調整剤の濃度は、5w/w%未満であるようにしてもよい。
上記の電気化学セルにおいて、前記金属酸化物粒子分散液は、バインダーを含むようにしてもよい。
上記の電気化学セルにおいて、前記バインダーは、ポリエチレングリコール、又はポリエチレンオキシドであってもよい。
上記の電気化学セルにおいて、前記バインダーの濃度は、5w/w%未満であってもよい。
上記の電気化学セルにおいて、前記金属酸化物粒子分散液は、界面張力を調整する界面活性剤を更に有していてもよい。
上記の電気化学セルにおいて、前記界面活性剤は、トリトンXであってもよい。
上記の電気化学セルにおいて、前記第1導電層上に形成され、前記複数の金属酸化物セルの各々を取り囲む分離手段を更に含むようにしてもよい。
本発明の第1実施態様である電気化学セルは、第1導電層と、該第一導電層上に形成された金属酸化物層と、ここで該金属酸化物層は、互いに離間し、隣接した複数の金属酸化物セルを有し、前記金属酸化物層上に形成された機能色素層と、第2導電層と、該機能色素層と該第2導電層の間に電解質を含み、前記第1導電層、該第2導電層の少なくとも一つは透明であり、前記金属酸化物層は金属酸化物粒子分散液からなる。
【0025】
一実施態様において、前記金属酸化物粒子分散液は、水性液である。他の実施態様において、前記金属酸化物粒子分散液は、アルコール性液である。他の実施態様において、前期金属酸化物粒子分散液は、直径がおよそ5nmから500nmの複数の金属酸化物粒子を含む。他の実施態様において、前記複数の金属酸化物粒子は直径およそ18nmである。
【0026】
更に他の実施態様において、前記金属酸化物粒子分散液は、粘度調整剤を更に有する。他の実施態様において、前記粘度調整剤は、ポリエチレングリコール、又はポリエチレンオキシドである。他の実施態様において、前記粘度調整剤は濃度が5w/w%以下である。他の実施様態において、前記金属酸化物粒子分散液は、バインダーを更に有する。他の実施態様において、前記バインダーは、ポリエチレングリコール、又はポリエチレンオキシドである。他の実施態様において、前記バインダーは濃度が5w/w%以下である。他の実施様態において、前記金属酸化物粒子分散液は、更に界面張力を調整する界面活性剤を有する。他の実施態様において、前記界面活性剤は、トリトンXである。
【0027】
他の実施態様である電気化学セルは、前記第1導電層上に形成され、前記複数の隣接する金属酸化物セルの其々を取り囲む分離手段を更に含む。他の実施態様において、前記分離手段は、ポリマーパターン、又はポリイミドパターンである。他の実施態様において、前記分離手段の少なくとも一部は、疎水及び/又は疎油性であり、前記第1導電層は、親水及び/又は親油性である他の実施態様において、前記分離手段は、前記第1導電層上にセルのマトリクスを形成する。他の実施態様において、それぞれの前記金属酸化物セルは、実質的に四角形、円形、六角形、矩形状である。他の実施態様において、前記分離手段は、バンクである。
【0028】
一実施態様である電気化学セルは、前記電解質と前記第2導電層間に電気触媒層を更に含む。他の実施態様において、前記電気触媒層は、プラチナ、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウムのいずれか一つである。
【0029】
一実施態様である電気化学セルは、前記第1導電層の、前記金属酸化物層と反対面上に第1絶縁基板を更に含む。他の実施態様である電気化学セルは、前記第2導電層の、前記電解質と反対面上に第2絶縁基板を更に含む。更に他の実施態様において、前記第1及び第2絶縁基板の少なくとも一つがガラス、又はプラスチックである。更に他の実施態様において、前記金属酸化物層は、半導体である。
【0030】
一実施態様において、前記金属酸化物粒子分散液は、複数の二酸化チタン粒子を含む。他の実施態様において、前記金属酸化物粒子分散液は、複数の金属酸化物粒子を含み、前記機能色素層が前記金属酸化物粒子の表面上に形成される。他の実施態様において、前記第1及び第2導電層は、連続層である。他の実施態様において、前記第1導電層は、透明導電酸化物層である。他の実施態様において、前記第2導電層は、透明導電酸化物層である。
【0031】
一実施態様において、前記電気化学セルは、色素増感太陽電池である。他の実施態様において、前記電気化学セルは、エレクトロクロミック表示体である。更に他の実施態様において、前記機能色素層は、エレクトロクロミック層である。
【0032】
本発明の第2実施態様の電気化学セルの形成方法は、第1導電層を形成し、前記第1導電層上に金属酸化物粒子分散液から金属酸化物層を形成し、ここで金属酸化物層は複数の互いに離間して隣接する金属酸化物セルを含み、前記金属酸化物層上に機能色素層を形成し、第2導電層を形成し、前記機能色素層と該第2導電層との間に電解質を備えることと、を含み、前記第1及び第2導電層の少なくとも一つが透明である。
【0033】
一実施態様において、その方法は、前記第1導電層上に、前記複数の隣接する金属酸化物セルの其々を取り囲む分離手段を形成することを更に含む。他の実施態様において、前記金属酸化物層は、前記第1導電層上にインクジェット印刷される。他の実施態様において、前記金属酸化物層は、前記第1導電層上に一回の工程でインクジェット印刷される。
【0034】
一実施態様において、その方法は、前記電解質と前記第2導電層間に電気触媒層を形成することを更に含む。他の実施態様において、その方法は、第1絶縁基板上に前記第1導電層を形成することを更に含み、該第1絶縁基板は、前記第1導電層の、前記金属酸化物層と反対側の面上にある。他の実施態様において、その方法は、第2絶縁基板上に前記第2導電層を形成する工程を更に含み、ここで該第2絶縁基板は、前記第2導電層の、前記電解質と反対側の面上にある。
【0035】
更に他の実施態様において、前記金属酸化物層は、水性金属酸化物粒子分散液からなる。他の実施態様において、前記金属酸化物層は、アルコール性金属酸化物粒子分散液からなる。
【発明の効果】
【0036】
インクジェット印刷を用いる本発明の電気化学セルの製造方法は、フォーマットの拡大、縮小のための機械設備への再投資が不要で、スクリーン印刷を用いる製造より有利である。これは、インクジェットを用いた製造は、ソフトウェアで制御され、新しいスクリーンを発注する費用が発生することなく、再設定することができるからである。更に、パターニングされたスクリーンは100回程度しか使用できないが、インクジェットヘッドは、パターニングされたスクリーンよりかなり耐久性がある。
【0037】
更には、インクジェットを用いた製造により可能になるドロップオンデマンド配置はスクリーン印刷よりも無駄が少ない。各塗布層を乾燥し、それから厚い堆積物となるまで印刷される従来のインクジェット重ね印刷と違って、大量の液体を密閉された区域に送り込み所望の体積厚みを提供するインクジェットフラッド充填技術で、破砕することなく金属酸化物層を形成できることを示した。更には、バンク構造を利用して、フラッド充填を可能にする表面閉じ込めにより、長期的に均一な材料の分配、つまり均一で再現性のある性能が確保される。その上、バンク構造を用いた表面密閉で、異なって着色されたセル同士が色分離し、より質のよい画質とコントラストが確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0039】
本発明は、色素増感型太陽電池(DSSC)やエレクトロクロミック表示体(ECD)等の電気化学セルに関するものである。図3に示す本発明の電気化学セル400は、第1透明絶縁基板層401、第1透明導電性酸化物(TCO)電極層402、金属酸化物層403、増感体(色素)/エレクトロクロミック材層404、電解質層405、第2TCO電極層406、第2透明絶縁基板層407、を有する。
【0040】
第1及び第2透明絶縁基板層401、407は、ガラス又はプラスチックであることが好ましい。金属酸化物層403は、半導体であり、二酸化チタン(TiO2)からなることが好ましい。
【0041】
金属酸化物層403は、その表面に増感体(色素)/エレクトロクロミック材層404を密着させる材料からなることが好ましい。また、金属酸化物層403の粒子は、適度に透過性を有さなければならない。500nmより大きな粒子は不透明であると予測されることから、本発明での使用は一般的に適当ではないと考えられる。そのように大きな粒子は、インクジェットのノズル詰まりを起こしやすくもある。
【0042】
本発明の第1実施形態によれば、バンク構造410は、金属酸化物層403が分離されたセルから成るよう、金属酸化物層403を積層する前に、402上に形成する。一実施形態では、バンク構造410は、ポリマー又はポリイミドから成る。
【0043】
金属酸化物層403の形成に使用される金属酸化物インクの性質により、バンク構造の一部は疎水性及び/又は疎油性であり、またTCO層402は親水性及び/又は親油性であることが好ましい。
【0044】
バンク構造410は、第1TCO層402上で、個別画素セルのマトリクスを形成する如何なる所望の形状も取る事ができ、その中に分離された金属酸化物のセルが形成されるので、ショートの原因となるバンク構造410間を橋渡しする金属酸化物は生じない。
【0045】
電気化学セルがECDであれば、像形成を制御するため、すべての金属酸化物セル(画素)が互いに電気的に分離されていることが不可欠である。電気化学セルがDSSCであれば、金属酸化物セルが電気的に分離される必要はないが、均一な金属酸化物の分布が能動素子領域に渡り維持されることが好ましい。
【0046】
ECD電気化学セルは、複数のマイクロ電気化学セルからなるとみなされ、異なるマイクロ電気化学セルは、異なる色のエレクトロクロモフォ層404を有することができる。それぞれのマイクロ電気化学セルは、バンク構造410により、共にECDを形成する他のマイクロ電気化学セルと分離されている。それぞれのマイクロ電気化学セルは差渡し20μmから500μmであることが好ましい。
【0047】
本発明の更なる実施形態において、電気触媒層は、電解質層405と第2TCO層406の間に形成することができる。電気触媒層は、2nmを超える厚さであることが好ましく、電解質再生を促進するように選択される。DSSCの場合、有効な電気触媒金属としては、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、又はオスミウムの白金族金属より選択することができる。電気触媒層を用いることにより、本発明の前記電気化学セル全体の性能が向上する。
【0048】
本発明は、本発明の電気化学セル400の製造方法にも関する。図4は、本発明の電気化学セル400の製造を示す工程フロー図である。
【0049】
TCO層402は、図4aの第1透明絶縁基板層401上に形成される。TCO層402は、8−10Ω.sq.の面積抵抗を持ち、インジウムスズ酸化物又はフッ素ドープしたスズ酸化物からなるのが好ましい。フッ素ドープしたスズ酸化物は、安価で、高温焼結の段階で不活性であるため好ましい。
【0050】
次に、図4bにおいて、バンク構造410をTCO層402上に形成する。本発明の第1実施形態において、バンク構造410は、正方形の画素セルのマトリクスを形成している。TCO層402上にバンク構造410を形成するため、光反応性ポリイミド原料をTCO層402上に塗布し、乾燥させる。それからTCO層402に、画素セルのマトリクス形状を持つマスクをかける。そのマスクを通して紫外(UV)光を照射し、露光領域にポリイミドの架橋結合を発生させる。化学現像により、露光していない領域を除去し、バンク構造410を熱硬化させる。
【0051】
そして、バンク構造410が形成されたTCO層402は、酸素又は酸素・四フッ化炭素プラズマで処理し、露光領域に残ったポリイミドを除去する。次に、TCO層402の親水性を保ちつつ、ポリイミドバンク構造410が疎水性になるように、四フッ化炭素(CF4)プラズマ処理を施す。
【0052】
それから、金属酸化物層403をバンク構造410が形成されたTCO層402上にインクジェット印刷する。図4cでは、インクジェットヘッドからそれぞれの分離した画素セルの中へ金属酸化物インクが噴射され、金属酸化物層403が形成される。一実施形態では、体積分率(v/v)10%以下の濃度の水性コロイド金属酸化物液体インクを使用する。他の実施形態では、アルコール性コロイド金属酸化物液体インクを使用する。いずれの実施形態においても、液体に分散した金属酸化物粒子は二酸化チタン(TiO2)粒子であり、直径がおよそ18nmであるのが好ましい。ここで、粒子の最大直径はインクジェットヘッドの特性により制限されるが、粒子の直径は5nmから500nmの範囲から選択できる。
【0053】
インクジェットヘッドと金属酸化物インクの適合性を確保するため、他の添加物が添加でき、ひいてはインクジェットヘッドから金属酸化物インクがより確実で正確に噴出されるようになる。例えば、金属酸化物インクにポリエチレングリコール(PEG)のような粘性促進剤を添加してもよい。更に、インクの界面張力を調整するために、金属酸化物インクにトリトンXのような界面活性剤を添加してもよい。
【0054】
インクジェット印刷後に乾燥させた塗布層の構造を管理するために他の添加物を添加することもできる。例えば、ポリエチレン酸化物(PEO)はマトリックスバインダー材料として使用され、対称面から溶媒が蒸散するにつれて、インクに含まれる金属酸化物粒子の間を補間する。続いて、この揮発性の補間材を高温アニールにより除去し、所望の多孔率の金属酸化物膜を残す。
【0055】
これらの金属酸化物インクに含まれるすべての乾燥材料の体積は、同溶液中の金属酸化物粒子の体積の4分の1未満でなければならない。上記の残留材料の割合は、同一サイズ粒子の最密配置を呈している金属酸化物粒子間の体積より大きくなり、乾燥時に粒子間の電気的接続を分離する。例えば、10v/v%の水性TiO2溶液は、2w/w%以上の PEOを含んではならない。
TiO2を供給しないと、3w/w%の純PEO溶液と同等となる。このようにPEOの濃度が高いと、得られるインクは粘性が強すぎて普通インクジェット印刷できない。このように、得られるインクの物理的性質、主に粘性において、乾燥材料添加物の体積割合により制限されるインクではなく、そのような添加物が持つ作用により制限されるインクの有用性が期待される。
【0056】
ひとつの添加物が、金属酸化物インクの粘性加減と、気孔率/バインダー管理の機能を果たすことができる。PEGとPEOの両方がそのような材料の例である。
【0057】
インクジェット印刷した金属酸化物塗布層を乾燥後、金属酸化物層403を形成するため300℃中で焼結する。
【0058】
金属酸化物層403の膜厚は、金属酸化物インクの濃度と塗布量で管理する。金属酸化物層403の最高膜厚の最終的なバラツキは、50cm2の基板面積上の画素セル間で1.5%未満である。
【0059】
次に、TCO層402、バンク構造410、金属酸化物層403から成る基板層401は、増感体(色素)404中に所定時間浸漬される。その結果、増感体(色素)404は、図4dに示すように、金属酸化物膜403の表面に吸収される。DSSCの例では、基板を無水エタノール中のN719(ソラロニクスから得られる)0.3mM溶液に24時間浸漬した。増感体(色素)404の固定化後、基板をエタノール中ですすぎ洗いし、窒素でブロー乾燥する。
【0060】
次に、多孔質金属酸化物層403と増感体(色素)層404が形成された第1TCO層402を、第2TCO層406と組み合わせる。電極層402と406を、電解質層405を注入する前に、電極間ギャップを生じさせるための周辺スペーサを介して重ね合わせる。電解質層405を導入したら、残りの開口部を封止し、DSSCが完成する。
【0061】
本発明の電気化学セルにおいて電気触媒層が必要であれば、電気触媒層を、電極層402と406とを一緒に重ね合わせる前に、第2TCO層406上に形成する。
【0062】
インクジェットヘッドは、TCO層402上の正確な位置に対して体積のばらつきが±1.5%未満の良好な水性コロイド金属酸化物インク滴を供給できる。更に、この体積測定精度1.5%は、市販のプリントヘッドに相当する。この数値を1%以下に低減できる様々な工業用ヘッドや補完技術の利用が可能である。
【0063】
インクジェット塗布により、TCO層402上に、金属酸化物をバンク構造410の各画素セル内に必要とされるとおり正確に配置できる。このようにして、金属酸化物層403の層厚を正確に管理し、均一な多孔率の金属酸化物層403を形成することが出来る。
【0064】
バンク構造410の少なくとも一部が疎水性及び/又は疎油性であり、TCO層402の少なくとも一部が親水性及び/又は親油性であるとき、バンク構造410は金属酸化物インクをはじく。それにより、対称面上へ塗布された金属酸化物インク滴の最終的な位置が補正され、インクジェットノズル軸から本来側方向に±15μm広がる液滴を補正する。このようにインクがはじくことは、ECDの場合には、金属酸化物層403がバンク構造410を橋渡しすることに因る画素ショートを防ぐのに特に有益である。また、バンク構造410により、バンクなしで自由に印刷するときに必要な30μmのスペースが許容される場合より狭いギャップをECD画素間に形成することができるため、ECD内により高い能動面積比を得られ、画質を高めることができる。
【0065】
金属酸化物層403は、効果的に機能するよう数ミクロンの厚さでなければならない。従来のインクジェット印刷では、インクの層厚は、重ね印刷技術により、所望の厚さにされた。当該重ね印刷技術では、各塗布層を乾燥させ、別のインク層などを所望の厚さになるまで重ね印刷する。
【0066】
しかし、本発明はフラッド充填技術を用い、大量の金属酸化物インクをワンパスでバンク構造410の各画素セルに導入する。バンク構造410は、金属酸化物インクが隣接した画素セルに広がるのを防ぐ。この方法を使えば、所望の厚さの金属酸化物層403を形成するのに1回きりの乾燥、焼結工程しか必要としない。
【0067】
図5は、金属酸化物で充填されたバンク構造410のいくつかの画素セルを示している。
【0068】
金属酸化物インクでそれぞれの画素セルを充填するためにフラッド充填技術が使われた場合、正方形の画素セルのマトリクスを有するバンク構造410は、擬似ピラミッド形の乾燥金属酸化物形状を形成する。バンク構造410は、TCO層402上の画素セル内で、区分けされた領域に、塗布された金属酸化物インクを閉じ込める。この閉じ込めがなければ、金属酸化物インクは塗布された後に勝手にTCO層402を横切って流れてしまったり、切れ目のない金属酸化物層403ができたりするであろう。
【0069】
本発明のバンク構造410により、金属酸化物層403は、切れ目のない金属酸化物層403に比べて、曲げ応力に対して破砕することなく適応でき、プラスチックの第1絶縁基板401のような、可撓性の基盤401が利用できるようになる。
【0070】
本発明の第1実施形態において、図5に示すように、バンク構造401は正方形の画素セルのマトリクスからなるが、画素セルは正方形に限定されない。本発明の電気化学セル400がECDであるとき、正方形の画素はアクティブマトリックスバックプレーン形成技術に準拠しているようなものが好ましい。一方、本発明の電気化学セル400がDSSCであるとき、六角形、長方形、円形、正方形のようないくつかの異なる形状の画素セルを用いることができる。六角形や正方形の画素セルが本発明のDSSCに使用するのに好ましい。
【0071】
本発明のDSSCは、エネルギー変換効率(η)が5.0%、開路電圧(VOC)が0.48V、短絡回路電流(ISC)が15mA/em2、充填比(FF)が56%で形成されている。基板面積50cm2にわたる本発明の電気化学セルのエネルギー変換効率のばらつきは、1.5%未満である。このことは、本発明のインクジェットによる製造方法のプロセス安定性による。
【0072】
バンク構造410が広いと、ECDの動作においては画質を低下させ、DSSCの動作においては能動領域が減少することによって効率性が低下する。したがって、バンク構造410の幅は、0.2μmから20μmであることが望ましい。0.2μmはフォトリソグラフィによってバンク構造410をコスト効率良く形成するための解像度限界である。20μmは、一般的な最低表示解像度72dpiに比べて、画像が深刻に悪化し、動作が抑制されない範囲のバンク構造410の最も効率のよい幅であるとみなされている。インクジェット技術を使用すれば、長さは数百ミクロン未満がより好ましいのではあるが、1mm2未満のサイズの親水性画素セルを容易に得ることができる。
【0073】
DSSCの場合、光吸収率が多孔性の金属酸化物層403の厚さに比例する。もし金属酸化物層403が薄すぎたら、入射光線の一部はポテンシャル効率を失い、妨げられることなく金属酸化物層403を通過する。もし金属酸化物層403が厚すぎると、すべての有用な光が完全に吸収された時点で、残りの金属酸化物層403の厚さが不要となる。よって、塗布される金属酸化物層403の厚さは、0.5μmから20μmであることが好ましい。
【0074】
更に、スクリーン印刷より優れたインクジェット印刷によって形成された金属酸化物層403の厚さは均一であるため、最適な金属酸化物層403の厚さはインクジェット印刷の使用により、より薄くなる。
【0075】
更に、スクリーン印刷の場合、インクの粘度がインクジェット印刷に適する粘度よりかなり高くなくてはならない。よって、粘度を増すために添加される材料を焼結工程で除去しなければならない。したがって、塗布されたままで、焼結する前の状態の金属酸化物層403の厚さはインクジェット印刷時よりスクリーン印刷時のほうが厚くなるはずである。
【0076】
バンク構造410は、金属酸化物インクを塗布する前にTCO層402上に分離した画素セルのマトリクスを形成するために使われるが、本発明はバンクに限定されない。TCO層402上に分離した画素セルを形成する方法は、TCO層402に溝を作ったりする等、どんな方法を使ってもよい。
【0077】
また、増感体(色素)4は、所定の時間、金属酸化物層403を増感体(色素)404に浸すことによって、金属酸化物層403上に形成されるが、増感体(色素)404は異なる技術を用いて金属酸化物層の上に形成されてもよい。例えば、増感剤(色素)404は、金属酸化物層403を形成後、金属酸化物層403上にインクジェット印刷されてもよい。
【0078】
更に、第1透明導電性酸化物層402が本発明の電気化学セルの酸化物材料で形成され、機能することは絶対不可欠というわけではない。また、第2透明導電性酸化物層406が透明であり、本発明の電気化学セルの酸化物材料で形成され、機能することは絶対不可欠というわけではない。実際には、第2基板(あるいは完成装置内の基板)を形成することは絶対不可欠というわけではない。
【0079】
バンク構造を形成するのにふさわしいどんな材料も過程も用いることができる。一方、ポリマーパターンとしてそれらを塗布することは好ましい。また、ポリイミドパターンとして塗布することは更に好ましい。
【0080】
前述では、液体電解質を扱ったが、個体やゲル電解質も本発明で用いられるのに適している。これに関連して、本明細書中の、導電性又は絶縁性の層ともうひとつの要素の間に電解質を供給するどの論及も、導電性又は絶縁性の層、及び/又は他の要素を電解質上に形成することを含んでいる。
【0081】
本明細書の記載はあくまで一例であり、本発明の範囲から逸脱することなく、変形例を作り得ることは当業者にとって明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、DSSC、ECD等の電気化学セルの製造において利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】従来技術の代表的な色素増感体太陽電池(DSSC)を示す図。
【図2】従来技術のDSSCを詳細に示す図。
【図3】本発明の電気化学セルを示す図。
【図4】本発明の電気化学セルの製造を示す工程フロー図。
【図5】金属酸化物で充填されたバンク構造の画素セルを示す図。
【符号の説明】
【0084】
400…電気化学セル
401…第1透明絶縁基板層
402…第1透明導電性酸化物(TCO)電極層
403…金属酸化物層
404…増感体(色素)/エレクトロクロミック材層
405…電解質層
406…第2TCO電極層
407…第2透明絶縁基板層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電層と、
前記第1導電層上に形成された金属酸化物層と、
前記金属酸化物層上に形成された機能色素層と、
第2導電層と、
前記機能色素層と前記第2導電層との間に設けられた電解質と、を含み、
前記金属酸化物層は、複数の金属酸化物セルを有し、
前記第1導電層及び前記第2導電層のうち少なくとも一つは透明であり、
前記金属酸化物層は金属酸化物粒子分散液を含むこと、
を特徴とする電気化学セル。
【請求項2】
前記金属酸化物粒子分散液は水を含む、
請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項3】
前記金属酸化物粒子分散液はアルコールを含む、
請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項4】
前記金属酸化物粒子分散液は、直径がおよそ5nmから500nmの複数の金属酸化物粒子を含む、
請求項1乃至3のいずれかに記載の電気化学セル。
【請求項5】
前記複数の金属酸化物粒子は直径がおよそ18nmである、
請求項4に記載の電気化学セル。
【請求項6】
前記金属酸化物粒子分散液は、粘度調製剤を含む、請求項2乃至5のいずれか一つに記載の電気化学セル。
【請求項7】
前記粘度調整剤の濃度は、5w/w%未満である、請求項6に記載の電気化学セル。
【請求項8】
前記金属酸化物粒子分散液は、バインダーを含む、請求項2項乃至7のいずれか一つに記載の電気化学セル。
【請求項9】
前記バインダーは、ポリエチレングリコール、又はポリエチレンオキシドである、請求項8に記載の電気化学セル。
【請求項10】
前記バインダーの濃度は、5w/w%未満である、請求項8又は9に記載の電気化学セル。
【請求項11】
前記金属酸化物粒子分散液は、界面張力を調整する界面活性剤を更に有する、請求項2乃至10のいずれか一つに記載の電気化学セル。
【請求項12】
前記界面活性剤は、トリトンXである、請求項11に記載の電気化学セル。
【請求項13】
前記第1導電層上に形成され、前記複数の金属酸化物セルの各々を取り囲む分離手段を更に含む、請求項1に記載の電気化学セル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−149676(P2007−149676A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316007(P2006−316007)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】