説明

電気自動車及びその給電設備

【課題】充電のための停車を必要とせず、長距離の行程を連続的に走行することができる電気自動車を提供する。
【解決手段】電気自動車の前輪及び後輪のタイヤ25の内部空間部26に発電装置Gが配設されている。発電装置Gは、タイヤ25の接地部35の内周面28に配設された複数の発電部材27を有する。発電部材27は、パーマロイ等で形成されたコア31と、コア31の側面に巻き付けられた発電コイル32とを有する。道路に配設された給電設備によって、道路の上方に周期的に変化する磁場が生成されたときに、発電部材27は電力を生成する。発電部材27によって生成された電力は、配電系統Sを介して、電気自動車のモータに供給される。モータは、動力伝達機構を介して前輪を駆動し、電気自動車は、充電スタンド等で充電を行うことなく長距離の行程を連続的に走行することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行中又は停止中に、外部から電磁誘導により又は直接電力が供給される電気自動車と、該電気自動車が走行し又は停止している道路に配設され、該電気自動車に電磁誘導により又は直接電力を供給する給電設備とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
蓄電池を搭載し、この蓄電池に蓄えられた電力を利用してモータを回転させ、モータの回転力で車輪を駆動するようにした電池式電気自動車は従来知られている(例えば、特許文献1参照)。このような電池式電気自動車をはじめとする電気自動車は、一般に構造が簡素であり、窒素酸化物等の大気汚染物質を排出せず、また地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しないので、近年、環境上の観点からその普及が切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−219733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電池式電気自動車では、蓄電池の充電量が下限値まで低下したときには蓄電池を充電しなければならないが、この充電にかなりの時間を必要とするといった問題がある。例えば、充電スタンドで蓄電池をフル充電する場合少なくとも30分の充電時間が必要であり、また家庭用の充電器で充電する場合は数時間の充電時間が必要である。
【0005】
また、電池式電気自動車では、1回のフル充電で走行することができる距離がガソリンエンジン又はディーゼルエンジンを搭載した自動車に比べて非常に短く、現在の市販の電池式電気自動車では、一般に90〜160kmであり、最大でも200km程度である。したがって、電池式電気自動車で長距離の行程を走行する場合、たびたび充電スタンドで停車し、かなりの時間を費やして蓄電池を充電しなければならない。このため、電池式電気自動車は、長距離ドライブを行う機会が少なからずある大半のユーザにとっては利便性が悪いといった問題がある。このような問題のため、蓄電池式電気自動車はその普及が切望されているのにもかかわらず、現実にはなかなか普及しないといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、充電のための停車を必要とせず、とくに長距離の行程を連続的に走行することができ、ユーザの利便性と環境の保全とを両立させることができる電気自動車を提供することを解決すべき課題ないしは目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の第1の態様に係る電気自動車は、タイヤの内部空間部に配置された複数の発電部材と、各発電部材から配電系統を介して供給される電力により回転するモータとを備えている。ここで、複数の発電部材は、所定の幅をもつ輪状のタイヤ内周面の全周にわたって、該タイヤ内周面に当接(又は近接)するように配置されている。そして、各発電部材は、路面側から印加される磁場ないしは磁束密度の周期的な変化に起因して、電磁誘導により電力を生成する。他方、モータは、動力伝達機構を介して車輪を回転駆動する。なお、ここで、「路面」は、電気自動車が走行する道路、広場等の上側の表面を意味する。
【0008】
本発明の第1の態様に係る電気自動車によれば、タイヤ内周面に配置されている各発電部材には、停止時において路面と近接する部位に位置するとき、あるいは走行時において車輪ないしはタイヤの回転に伴って路面と近接する位置を通過するときに、路面側から印加される磁場ないしは磁束密度の変化により誘導電流すなわち電力が生成される。そして、各発電部材によって生成された電力は配電系統を介してモータに供給され、これによりモータは回転する。モータの回転力は動力伝達機構を介して車輪に伝達される。これにより、車輪が駆動され、電気自動車は走行することができる。すなわち、電気自動車は、路面側から供給される電力により連続的に走行することができる。したがって、本発明の第1の態様に係る電気自動車は、充電のための停車を必要とせず、とくに充電スタンド等で充電サービスを受けることなく長距離の行程を連続的に走行することができ、ユーザの利便性と環境の保全とを両立させることができる。
【0009】
本発明の第1の態様に係る電気自動車において、各発電部材は、強磁性体材料、例えば比透磁率が非常に高いパーマロイ又はスーパーマロイで形成されたコアと、コアの側面に巻き付けられた発電コイルとを有しているのが好ましい。この場合、コアは、一方の端面がタイヤ内周面に当接(又は近接)し、他方の端面がタイヤの回転中心に対向するように配置される。また、発電コイルは、導電性材料で形成され、その両端は配電系統に電気的に接続されている。この態様の発電部材は、簡素かつコンパクトな構造でもって大きな電力を生成することができる。
【0010】
本発明の第1の態様に係る電気自動車において、タイヤの接地部(トレッド部)は、強磁性体材料を含んでいるのが好ましい。具体的には、タイヤの接地部は、強磁性体材料、例えばパーマロイ又はスーパーマロイの粉末、繊維又は網状体を含む弾性材料、例えばゴムで形成されているのが好ましい。この場合、路面と発電部材との間のタイヤの接地部の比誘電率が非常に大きくなるので、発電部材はより大きい電力を生成することができる。
【0011】
本発明の第1の態様に係る電気自動車は、発電部材によって生成された電力のうちの余剰の電力を蓄える蓄電池を備えているのが好ましい。この場合、蓄電池は、整流器及びインバータを介して配電系統に電気的に接続される。そして、蓄電池は、発電部材によって生成された電力のうちモータによって消費されなかった余剰の電力を蓄える。他方、発電部材によって生成されている電力がモータの要求電力より少ないとき、又は発電部材が電力を生成していないときには、蓄電池は、蓄えている電力をモータに供給する。この態様の電気自動車は、路面の上方に磁場を生成する設備を備えていない普通の道路でも、蓄電池から供給される電力でもって走行することができる。
【0012】
本発明の第1の態様に係る電気自動車に電磁誘導により電力を供給するための給電設備は、路面近傍において路面下に配置された磁場生成手段を備えている。磁場生成手段は、所定の方向、例えば道路の伸びる方向に関して予め設定された範囲にわたって路面の上方に、周期的に変化する磁場ないしは磁束を生成する。
【0013】
上記給電設備において、磁場生成手段は、所定の方向、例えば道路の伸びる方向に互いに離間して配置されそれぞれ磁芯と巻線とを有する複数の起磁部材と、各起磁部材の巻線に交流又は脈流の電力を供給する電源とを備えているのが好ましい。この場合、磁芯は、強磁性体材料で形成される。そして、磁芯は、その一方の端面が路面に露出するように配置される。また、巻線は、導電性材料で形成され、磁芯の側面に巻き付けられる。巻線の両端は、電源に電気的に接続されている。
【0014】
上記給電設備の磁場生成手段として、上記複数の起磁部材に代えて、導電性材料で形成され、路面近傍において道路の内部に配置され、道路の伸びる方向に沿って伸びる互いに平行な複数の縦置き導線を設けてもよい。この場合、電源は各縦置き導線に交流又は脈流の電力を供給する。
【0015】
また、上記給電設備の磁場生成手段として、上記複数の起磁部材に代えて、導電性材料で形成され、路面近傍において路面下に配置され、道路の伸びる方向と交差する方向に伸びる互いに平行な複数の横置き導線を設けてもよい。この場合、電源は各横置き導線に交流又は脈流の電力を供給する
【0016】
本発明の第2の態様に係る電気自動車は、動力伝達機構を介して車輪を回転駆動するモータと、車輪に取り付けられた導電性材料からなるタイヤと、モータとタイヤとを電気的に接続する配電系統とを備えている。ここで、モータは、路面上に配置された給電プレートからタイヤを介して供給される電力により駆動される。
【0017】
本発明の第2の態様に係る電気自動車によれば、路面上に配置された給電プレートからタイヤを介してモータに電力が供給され、これによりモータは回転する。モータの回転力は動力伝達機構を介して車輪に伝達される。これにより、車輪が駆動され、電気自動車は走行することができる。すなわち、電気自動車は、路面側から供給される電力により連続的に走行することができる。したがって、本発明の第2の態様に係る電気自動車は、充電のための停車を必要とせず、とくに充電スタンド等で充電サービスを受けることなく長距離の行程を連続的に走行することができ、ユーザの利便性と環境の保全とを両立させることができる。
【0018】
本発明の第2の態様に係る電気自動車においては、モータが前側の車輪と後側の車輪のうちの一方の車輪(例えば、左右の前輪)を回転駆動する一方、導電性材料からなるタイヤが他方の車輪(例えば、左右の後輪)に取り付けられているのが好ましい。また、この電気自動車は、給電プレートから電気自動車に電力が供給されるときには該電力の一部又は全部を蓄える一方、給電プレートから電気自動車に電力が供給されないときには、蓄えている電力をモータに供給する蓄電池を備えているのが好ましい。
【0019】
本発明の第2の態様に係る電気自動車に電力を供給するための給電設備は、路面の一方の側に配置された第1の給電プレートと、路面の他方の側に配置された第2の給電プレートと、第1の給電プレートと第2の給電プレートとの間に配置され両給電プレートを電気的に絶縁する絶縁部と、第1の給電プレートと第2の給電プレートとの間に電圧を印加する電源とを備えている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、充電のための停車を必要とせず、とくに長距離の行程を連続的に走行することができ、ユーザの利便性と環境の保全とを両立させることができる電気自動車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態1に係る電気自動車の構成を模式的に示す平面図である。
【図2】発電部材を備えたタイヤの模式的な一部断面側面図である。
【図3】発電部材を備えたタイヤの模式的な一部断面正面図である。
【図4】道路に配設された、図1に示す電気自動車のための給電設備の模式的な斜視図である。
【図5】道路上を走行している図1に示す電気自動車の模式的な側面図である。
【図6】道路に配設された給電設備の変形例の模式的な斜視図である。
【図7】道路に配設された給電設備のもう1つの変形例の模式的な斜視図である。
【図8】本発明の実施形態2に係る電気自動車の構成を模式的に示す平面図である。
【図9】道路に配設された、図8に示す電気自動車のための給電設備の模式的な斜視図である。
【図10】本発明の実施形態2に係る電気自動車の変形例の構成を模式的に示す平面図である。
【図11】道路に配設された、図10に示す電気自動車のための給電設備の模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態1>
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態1に係る電気自動車及び給電設備を具体的に説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る電気自動車1には、車体2の前部においてその左端部に左前輪3が設けられ、その右端部に右前輪4が設けられている。また、車体2の後部において、その左端部に左後輪5が設けられ、その右端部に右後輪6が設けられている。この電気自動車1では、左前輪3及び右後輪4は駆動輪であり、それぞれ、1つの前輪駆動軸7の左端部及び右端部に同軸に取り付けられている。また、左後輪5及び右後輪6は従動輪であり、それぞれ、左後輪車軸8及び右後輪車軸9に同軸に取り付けられている。なお、両前輪3、4ないしは前輪駆動軸7、及び、両後輪5、6ないしは後輪車軸8、9は、それぞれ、図示していないサスペンション(懸架装置)を介して車体2に取り付けられている。
【0023】
電気自動車1には、その原動機として交流電力で回転駆動されるモータ10が搭載されている。モータ10の出力軸11には、減速ギヤ対12の構成要素である駆動ギヤ12aが同軸に取り付けられている。他方、前輪駆動軸7には、減速ギヤ対12の構成要素である被駆動ギヤ12bが同軸に取り付けられている。ここで、駆動ギヤ12aと被駆動ギヤ12bは互いに噛み合い、減速ギヤ対12は所定の減速比(例えば、トルク比で2〜6)でモータ10の出力軸11の回転を減速して前輪駆動軸7に伝達する。かくして、モータ10の出力軸11が回転すると、その出力トルク(回転力)が、減速ギヤ対12と前輪駆動軸7とを介して左前輪3及び右前輪4に伝達され、電気自動車1が走行する。
【0024】
以下、モータ10に電力を供給する電力供給システムを説明する。電気自動車1においては、モータ10を駆動するための電力は、両前輪3、4及び両後輪5、6の各々に設けられた発電装置Gによって生成される。なお、発電装置Gの具体的な構成及び機能は後で説明する。各発電装置Gは、モータ制御器14が介設された配電系統Sを介して、モータ10に電気的に接続されている。
【0025】
電力供給システムには、配電系統Sから分岐して伸びる蓄電池用導線15が設けられている。この蓄電池用導線15の先端は、2次電池である蓄電池16(バッテリ)に接続されている。蓄電池用導線15には、交流電力を整流する整流器17と、切替スイッチ18とが介設されている。さらに、電力供給システムには、切替スイッチ18とモータ制御器14とを接続するインバータ用導線19が設けられ、このインバータ用導線19に、直流電力を任意の周波数の交流電力に変換するインバータ20が介設されている。回転する車輪側の配電系統Sから、回転しない車体側の配電系統Sへ電力を支障なく伝達するために、前輪駆動軸7及び後輪車軸8、9に取り付けられたリング状端子22と、このリング状端子22と摺接するブラシ23とが設けられている。
【0026】
かくして、この電力供給システムでは、各発電装置Gで生成された交流電力は、基本的には、モータ制御器14を介してモータ10に供給される。ここで、モータ制御器14は、アクセルペダル(図示せず)の踏込量、ブレーキ操作の有無等に応じてコントローラ21から印加される指令信号に従って、モータ10に供給される電力を制御する。したがって、モータ10は、基本的にはアクセルペダル(図示せず)の踏込量、すなわち要求トルクに相応するトルクを出力する。なお、コントローラ21は、コンピュータを備えた電気自動車1の総合的な制御装置である。
【0027】
そして、各発電装置Gで生成された交流電力の総和が、モータ10で必要とされる電力すなわち要求電力よりも多いときには、余剰の交流電力は整流器17によって整流された上で、切替スイッチ18を介して蓄電池16に供給される。これにより、蓄電池16は充電される。このとき、インバータ用導線19は、コントローラ21によって制御される切替スイッチ18によって遮断される。したがって、蓄電池16からインバータ20ひいてはモータ10へは電力は供給されない。
【0028】
他方、各発電装置Gで生成された交流電力の総和が、モータ10の要求電力よりも少ないとき、又は各発電装置Gが電力を生成していないときには、蓄電池16に蓄えられている直流電力が、切替スイッチ18を介してインバータ20に供給される。そして、インバータ20は、コントローラ21から印加される指令信号に従って、モータ10に供給するための適切な周波数の交流電力を生成する。
【0029】
具体的には、インバータ20は、モータ10の要求電力と各発電装置Gで生成されている電力の総和との差、すなわち不足している電力をモータ10に供給する。このとき、蓄電池用導線15は、コントローラ21によって制御される切替スイッチ18によって遮断される。したがって、各発電装置Gから整流器17ひいては蓄電池16へは電力は供給されない。なお、各発電装置Gが電力を生成していないときには、モータ10の要求電力は、すべて蓄電池16からインバータ20を介してモータ10に供給される。
【0030】
以下、両前輪3、4及び両後輪5、6の各々に設けられた発電装置Gの具体的な構成及び機能を説明する。なお、以下では、左前輪3に設けられた発電装置Gを一例として説明を行うが、この説明はその他の発電装置Gについても当てはまることはもちろんである。
【0031】
図2及び図3に示すように、左前輪3においては、発電装置Gはタイヤ25の内部空間部26に配置されている。そして、発電装置Gは、複数の発電部材27によって構成されている。なお、図2及び図3に示す実施形態では、発電装置Gは16個の発電部材27で構成されているが、発電部材27の個数は16個に限定されるものではなく、これより多くてもまた少なくてもよいのはもちろんである。なお図2中の仮想線(2点鎖線)は、タイヤ25の内側の縁部を示している。
【0032】
これらの発電部材27は、所定の幅をもつ輪状のタイヤ内周面28の全周にわたって、その一方の端部がタイヤ内周面28に当接するようにして、タイヤ円周方向に等間隔で一列に並んで配置されている。つまり、16個の発電部材27は、タイヤ25の回転中心29に対する中心角が互いに22.5°隔たった位置に、円環状に配置されている。なお、タイヤ円周方向に関して、各発電部材27は所定の距離、例えば2〜5cmの距離を隔てて配置されている。また、各発電部材27のタイヤ幅方向の寸法は可及的に長くなるように設定され、例えば2つのタイヤ内側面30の間隔の80〜90%となるように設定されている。
【0033】
発電部材27は、強磁性体材料で形成された略角錐台状ないしは略直方体状のコア31と、導電性材料(例えば銅)で形成されコア31の側面に巻き付けられた発電コイル32とを有している。発電コイル32の外周面は絶縁膜ないしは絶縁材料で被覆されている。ここで、コア31の一方の端面33(以下「コア外端面33」という。)はタイヤ内周面28に当接している。なお、コア外端面33は、タイヤ内周面28と係合するように、やや湾曲した形状に形成されている。また、コア31の他方の端面34(以下「コア内端面34」という。)は、タイヤ25の回転中心29と対向している。コア内端面34は平面状に形成されている。
【0034】
コア31を形成する強磁性体材料としてはパーマロイ又はスーパーマロイを用いるのが好ましい。パーマロイ又はスーパーマロイは、比透磁率が非常に高いので(例えば100000〜1000000)、鉄等の普通の強磁性体材料を用いる場合に比べて、コア31を小型化・軽量化することができ、あるいは発電部材27の発電性能を大幅に高めることができる。しかしながら、コア31を形成する強磁性体材料はパーマロイ又はスーパーマロイに限定されるものではなく、発電部材27の発電性能はある程度低くなるが、他の安価な強磁性体材料、例えば、鉄、コバルト、ニッケルあるいはこれらの普通の合金を用いてもよい。
【0035】
発電コイル32は、1本(複数本でもよい)の導線で形成され、発電部材27の発電性能を高めるために、コア31の側面に、密にないしは隙間なく、かつ多層で巻き付けられている(例えば、10〜20層巻き)。そして、発電コイル32の2つの端部は、配線系統S(図1参照)に電気的に接続されている。したがって、発電部材27は、その周囲に周期的ないしは経時的に変化又は変動する磁場ないしは磁束(以下「交番磁場」という。)が生成されれば、電磁誘導により電力を生成し、この電力を配電系統Sに出力する。
【0036】
タイヤ25の接地部35ないしはトレッド部、すなわちタイヤ25の所定の幅をもつ輪状の周部は、強磁性体材料の粉末、繊維又は網状体を含む弾性材料で形成されている。ここで、強磁性体材料には、比透磁率が非常に高いことから、パーマロイ又はスーパーマロイを用いるのが好ましい。また、弾性材料には、接地性が良好なことから、ゴムを用いるのが好ましい。接地部35における強磁性体材料の含有率ないしは含有量は、該接地部35の比透磁率を高めるために、タイヤ25の走行性能を損なわない限り、可及的に多くするのが好ましい。なお、タイヤ25の全体を、強磁性体材料を含む弾性材料で形成してもよい。また、パーマロイ又はスーパーマロイ以外の強磁性材料、例えば鉄、コバルト、ニッケルあるいはこれらの普通の合金を用いてもよい。
【0037】
発電部材27は、道路側から印加される交番磁場に起因して電磁誘導により電力を生成する。そして、前記のとおり、強磁性体材料を含む弾性材料で接地部35を形成してその比透磁率を非常に大きくしているので、道路側から発電部材27に印加される磁場の最大磁束密度を非常に大きくすることができ、発電部材27の発電性能を大幅に高めることができる。ここで、「最大磁束密度」は、周期的に変化する磁束密度の最大値を意味する。なお、最大磁束密度が大きいほど磁束密度の変化幅又は変化速度が大きくなるので、発電部材27の発電性能が高くなる。
【0038】
以下、図4を参照しつつ、道路内に設けられ、路面の上方に交番磁場を生成する給電設備の具体的な構成及び機能を説明する。図4に示すように、給電設備40は、道路41の伸びる方向に互いに離間して配置された複数ないしは多数(例えば、100万〜1000万個)の起磁部材42と、各起磁部材42に交流電力を供給する電源43とを備えている。ここで、交流電源に代えて、脈流電力を供給する直流電源を用いてもよい。なお、図4は、電源43が1つの起磁部材42にのみ電力を供給するように省略して記載されているが、電源43はその他の起磁部材42にも電力を供給することはもちろんである。
【0039】
これらの起磁部材42は、道路41の伸びる方向に一列に並んで、所定の距離(例えば、10〜50cm)を隔てて等間隔で配置されている。各起磁部材42は、道路41の伸びる方向には所定の長さ(例えば、5〜20cm)を有する一方、道路41の幅方向には、ほぼ道路41の全幅にわたる長さを有する。
【0040】
起磁部材42は、強磁性体材料で形成された直方体ないしは略直方体の磁芯44と、導電性材料(例えば銅)で形成され磁芯44の側面に巻き付けられた巻線45とを有している。巻線45の外周面は絶縁膜ないしは絶縁材料で被覆されている。ここで、磁芯44は、一方の端面46(以下「磁芯上端面46」という。)と他方の端面47(以下「磁芯下端面47」という。)とが道路41の路面と平行又はほぼ平行となるように配置されている。
【0041】
そして、磁芯上端面46は、その周囲の路面との間に段差を生じさせないような態様で路面に露出している。したがって、道路41の表面は全体として平坦であり、磁芯44は電気自動車1の走行に何ら支障を生じさせない。なお、磁芯44を保護するために、磁芯上端面46に、例えば合成樹脂等で保護コーティングを施してもよい。磁芯44を形成する強磁性体材料としては、膨大な量の材料を必要とすることから、比較的安価な鉄、コバルト、ニッケルあるいはこれらの普通の合金等を用いるのが好ましい。
【0042】
各起磁部材42において、巻線45は1本(複数本でもよい)の導線で形成され、起磁部材42の磁場生成性能を高めるために、磁芯42の4つの側面(磁芯上端面46及び磁芯下端面47以外の面)に、密にないしは隙間なく、かつ多層で巻き付けられている(例えば、50〜100層巻き)。そして、巻線45の2つの端部は、電力供給導線48を介して電源43に電気的に接続されている。したがって、起磁部材42は、電源43から交流電力が供給されたときには、路面の上方に、電磁誘導により交番磁場を生成する。
【0043】
以下、図5を参照しつつ、給電設備40を備えた道路41を電気自動車1が走行するメカニズムないしは蓄電池16を充電するメカニズムを説明する。図5に示すように、電気自動車1が道路41上で停止しているとき、又は道路41上を走行しているときに、電源43(図4参照)から給電設備40の各起磁部材42に交流電力が供給されると、道路41の全領域にわたって、路面の上方に交番磁場が生成される。この交番磁場においては、最大磁束密度は、路面に近接した領域(例えば、路面から10cmまでの高さの領域)では非常に大きいが、この位置から上方へ離れるのに伴って急激に減少する
【0044】
このように、道路41の上方の路面に近接した位置には、最大磁束密度が非常に大きい交番磁場が生成されているので、電気自動車1のタイヤ25内に配置された複数の発電部材27のうち、路面に近接した部位に位置している特定の発電部材27、例えばタイヤ25の接地部35(図2参照)の路面と当接している部分の直上に位置する発電部材27は、電磁誘導により電力を生成する。
【0045】
そして、前記のとおり、路面と発電部材27のコア外端面33との間に位置しているタイヤ25の接地部35の比透磁率が非常に大きいので、この特定の発電部材27の周囲の磁場の最大磁束密度ないしは磁束密度変化速度が大きくなり、この特定の発電部材27は比較的大きい電力を生成する。電気自動車1が走行しているときには、複数の発電部材27は、順次に繰り返して、路面に近接した部位に位置し、その際に電力を生成する。したがって、電気自動車1が停止しているとき及び走行しているときのいずれにおいても、いずれかの発電部材27が電力を生成する。
【0046】
かくして、給電設備40を備えた道路41上の電気自動車1は、両前輪3、4及び両後輪5、6の各発電装置Gで電力を生成するので、生成される総電力は電気自動車1を普通に走行させるのに十分なものとなる。なお、前記のとおり、各発電装置Gで生成された余剰の電力は蓄電池16に蓄えられるので、電気自動車1は、高速走行時等のモータ10の要求電力が各発電装置Gの発電電力の総和より大きいとき、あるいは道路41が給電設備40を備えていないところでも、支障なく走行することができる。また、電気自動車1が停止しているときには、各発電装置Gで生成された電力はすべて蓄電池16に供給され、蓄電池16を急速に充電する。
【0047】
このように、電気自動車1は、道路41に設けられた給電設備40から供給される電力により、長距離の行程を連続的に走行することができる。したがって、本発明に係る電気自動車1は、ユーザの利便性と環境の保全とを両立させることができる。
【0048】
前記の実施形態では、道路41に設けられる給電設備40は、複数ないしは多数の起磁部材42と電源43とを備えたものである。しかしながら、給電設備40は、このような形態のものに限定されるものではなく、電源43から交流又は脈流の電力が供給されたときに、電気自動車1に十分な電力を供給することができる交番磁場を路面の上方に生成することができれば、どのような形態のものであってもよい。
【0049】
例えば図6に示すように、路面近傍において道路41の内部に配置され道路41の伸びる方向に沿って伸びる互いに平行な複数の縦置き導線50と、各縦置き導線50に交流又は脈流の電力を供給する電源43とを備えた給電設備40’を用いてもよい。この場合、給電設備40’の構造は非常に簡素なものとなる。
【0050】
また、図7に示すように、路面近傍において道路41の内部に配置され道路41の伸びる方向と交差する方向、例えば道路幅方向に伸びる互いに平行な複数の横置き導線51と、各横置き導線51に交流又は脈流の電力を供給する電源43とを備えている給電設備40”を用いてもよい。この場合も、給電設備40”の構造は非常に簡素なものとなる。
【0051】
前記の実施形態では、発電装置Gを、前輪3、4及び後輪5、6の全てに設けているが、前輪3、4のみに設け、又は後輪5、6のみに設けてもよい。また、前記の実施形態では、発電部材27はタイヤ内周面28の円周方向に一列に並んでいるが、各発電部材27のタイヤ幅方向の寸法を小さくし、これらの発電部材27をタイヤ内周面28の円周方向に複数列で並ぶようにしてもよい。なお、前記の実施形態では、給電設備40、40’、40”は道路に配設されているが、給電設備40、40’、40”を道路以外の電気自動車1が走行する地面、例えば広場、グランド、遊園地の通路等に配設してもよい。
【0052】
<実施形態2>
以下、図8〜図11を参照しつつ、本発明の実施形態2に係る電気自動車及び給電設備を説明する。なお、実施形態2において、図1〜図7に示す実施形態1と共通する構成要素には、説明の重複を避けるため、実施形態1の場合と同様の参照番号を付し、その詳しい説明は省略する。したがって、本明細書における実施形態1に関する記載は、基本的には、以下の記載と矛盾しない限り実施形態2にも当てはまる。
【0053】
前記のとおり、実施形態1では、タイヤ25内に配設された発電装置Gによって電磁誘導により生成された電力でモータ10を駆動し、又は蓄電池16を充電する。すなわち、道路41側から電気自動車1へは、直接的には電力ないしは電流は供給されない。これに対して、実施形態2では、左後輪5及び右後輪6の各タイヤ25を導電性材料で形成した上で、道路41上に設けられた左右1対の給電プレート53、54(図9、図11参照)から、各タイヤ25を介してモータ10又は蓄電池16に直接的に電力ないしは電流を供給する。
【0054】
図8及び図9に示すように、実施形態2に係る電気自動車1では、左後輪5及び右後輪6の各タイヤ25は、導電性材料、例えば導電性ゴムで形成されている。他方、左前輪3及び右前輪4の各タイヤ25は普通のタイヤであり、導電性材料で形成されていない。なお、電気自動車1では、モータ10は、実施形態1と同様に左前輪3及び右前輪4を駆動する。そして、左後輪5及び右後輪6の各タイヤ25は互いに絶縁され、それぞれ、配電系統Sの対応する端子に接続されている。すなわち、左後輪5及び右後輪6の各タイヤ25は、配電系統Sにより、それぞれ、モータ制御器14の対応する入力端子に電気的に接続されている。さらに、左後輪5及び右後輪6の各タイヤ25は、配電系統Sにより、実施形態1と同様に、整流器17と蓄電池用導線15と切替スイッチ18とを介して、蓄電池16に電気的に接続されている。
【0055】
道路41には、電気自動車1に交流電力を供給する給電設備40aが配設されている。この給電設備40aは、交流電源43と、電力供給導線48と、第1及び第2の給電プレート53、54と、絶縁部55とを備えている。ここで、第1の給電プレート53は、道路41の左側の半部に配置され、道路41の伸びる方向に伸びている。この第1の給電プレート53は、電力供給導線48を介して交流電源43の一方の端子に接続されている。他方、第2の給電プレート54は、道路41の右側の半部に配置され、道路41の伸びる方向に伸びている。この第2の給電プレート54は、電力供給導線48を介して交流電源43の他方の端子に接続されている。
【0056】
また、絶縁部55は、道路41の左右方向のほぼ中央位置において、両給電プレート53、54と隣接して配置され、両給電プレート53、54を互いに電気的に絶縁させている。交流電源43は、電力供給導線48を介して、第1の給電プレート53と第2の給電プレート54との間に電圧を印加する。ここで、道路41の幅は、電気自動車1が道路41の左右のどの部位に位置しても、左後輪5のタイヤ25が道路41の右側の半部には入らず(すなわち、左側の半部にのみに位置する)、かつ右後輪6のタイヤ25が道路の左側の半部には入らない(すなわち、右側の半部にのみ位置する)ように好ましく設定される。このため、道路41の幅は、例えば電気自動車1の幅の1.5〜1.8倍に設定される。これにより、電気自動車1の位置の如何にかかわらず、両給電プレート53、54から電気自動車1に確実に電力を供給することができる。
【0057】
かくして、電気自動車1が、給電設備40aが配設された道路41上を走行し、又は道路41上で停止しているときには、両給電プレート53、54から、両後輪5、6の各タイヤ25を介して電気自動車1の配電系統Sに交流電力が供給される。そして、配電系統Sに供給された電力は、実施形態1と同様に、モータ制御器14を介してモータ10に供給される。この電力、さらに整流器17と蓄電池用導線15と切替スイッチ18とを介して蓄電池16にも供給される。なお、実施形態2に係る電気自動車1は、配電系統Sへの電力供給手法が異なる点を除けば、実施形態1に係る電気自動車1とほぼ同様である。
【0058】
前記のとおり、図8及び図9に示す電気自動車1では、給電設備40aから電気自動車1に交流電力が供給される。また、電気自動車1の駆動源であるモータ10は交流電力で駆動される交流モータである。しかしながら、実施形態2では、モータ10として直流モータを用い、給電設備40aから電気自動車1に直流電力を供給するようにしてもよい。
【0059】
図10及び図11に、それぞれ、モータ10として直流モータを用いた電気自動車1及びこの電気自動車1に直流電力を供給する給電設備40bの構成を示す。この電気自動車1では、用いられる電力はすべて直流電力であり、交流電力は用いられない。したがって、この電気自動車1では、図8に示す電気自動車1とは異なり、整流器17及びインバータ20は設けられていない。また、給電設備40bには直流電源56が設けられている。
【0060】
このように、実施形態2によれば、道路41に配置された両給電プレート53、54からタイヤ25を介してモータ10に交流又は直流の電力が供給され、これにより電気自動車1は走行することができる。すなわち、電気自動車1は、道路側から供給される電力により連続的に走行することができる。したがって、電気自動車1は、充電のための停車を必要とせず、とくに充電スタンド等で充電サービスを受けることなく長距離の行程を連続的に走行することができ、ユーザの利便性と環境の保全とを両立させることができる。
【符号の説明】
【0061】
G 発電装置、S 配電系統、1 電気自動車、2 車体、3 左前輪、4 右前輪、5 左後輪、6 右後輪、7 前輪駆動軸、8 左後輪車軸、9 右後輪車軸、10 モータ、11 出力軸、12 減速ギヤ対、12a 駆動ギヤ、12b 被駆動ギヤ、14 モータ制御器、15 蓄電池用導線、16 蓄電池、17 整流器、18 切替スイッチ、19 インバータ用導線、20 インバータ、21 コントローラ、22 リング状端子、23 ブラシ、25 タイヤ、26 タイヤの内部空間部、27 発電部材、28 タイヤ内周面、29 タイヤの回転中心、30 タイヤ内側面、31 コア、32 発電コイル、33 コア外端面、34 コア内端面、35 タイヤの接地部(トレッド部)、40 給電設備、40’ 給電設備、40” 給電設備、40a 給電設備、40b 給電設備、41 道路、42 起磁部材、43 電源、44 磁芯、45 巻線、46 磁芯上端面、47 磁芯下端面、48 電力供給導線、50 縦置き導線、51 横置き導線、53 第1の導電プレート、54 第2の導電プレート、55 絶縁部、56 直流電源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤの内部空間部において輪状のタイヤ内周面の全周にわたって該タイヤ内周面に当接するように配置され、路面側から印加される磁場の周期的な変化に起因して電磁誘導により電力を生成する複数の発電部材と、
上記各発電部材から配電系統を介して供給される電力により回転する一方、動力伝達機構を介して車輪を回転駆動するモータとを備えていることを特徴とする電気自動車。
【請求項2】
上記各発電部材が、
強磁性体材料で形成され、一方の端面が上記タイヤ内周面に当接し、他方の端面がタイヤの回転中心に対向するように配置されたコアと、
導電性材料で形成され、上記コアの側面に巻き付けられる一方、その両端が上記配電系統に電気的に接続された発電コイルとを有することを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車。
【請求項3】
上記コアがパーマロイ又はスーパーマロイで形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の電気自動車。
【請求項4】
上記タイヤの接地部が強磁性体材料を含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の電気自動車。
【請求項5】
上記タイヤの接地部が、強磁性体材料の粉末、繊維又は網状体を含む弾性材料で形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の電気自動車。
【請求項6】
上記タイヤの接地部に含まれる強磁性体材料がパーマロイ又はスーパーマロイであり、上記弾性材料がゴムであることを特徴とする、請求項5に記載の電気自動車。
【請求項7】
整流器及びインバータを介して上記配電系統に電気的に接続され、上記発電部材によって生成された電力のうち上記モータによって消費されなかった電力を蓄える一方、上記発電部材によって生成されている電力が上記モータの要求電力より少ないとき、又は上記発電部材が電力を生成していないときには、蓄えている電力を上記モータに供給する蓄電池を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の電気自動車に、電磁誘導により電力を供給するための給電設備であって、
路面近傍において路面下に配置され、所定の方向に関して予め設定された範囲にわたって路面の上方に、周期的に変化する磁場を生成する磁場生成手段を備えていることを特徴とする給電設備。
【請求項9】
上記磁場生成手段が、所定の方向に互いに離間して並んで配置されそれぞれ磁芯と巻線とを有する複数の起磁部材と、上記各起磁部材の巻線に交流又は脈流の電力を供給する電源とを備えていて、
上記磁芯は、強磁性体材料で形成され、該磁芯の一方の端面が路面に露出し又は路面の近傍に位置するように配置され、
上記巻線は、導電性材料で形成され、上記磁芯の側面に巻かれる一方、その両端が上記電源に電気的に接続されていることを特徴とする、請求項8に記載の給電設備。
【請求項10】
上記複数の起磁部材が、道路の伸びる方向に互いに離間して並んで配置されていることを特徴とする、請求項9に記載の給電設備。
【請求項11】
上記磁場生成手段が、
導電性材料で形成され、路面近傍において道路の内部に配置され、道路の伸びる方向に沿って伸びる互いに平行な複数の縦置き導線と、
上記各縦置き導線に交流又は脈流の電力を供給する電源とを備えていることを特徴とする、請求項8に記載の給電設備。
【請求項12】
上記磁場生成手段が、
導電性材料で形成され、路面近傍において道路の内部に配置され、道路の伸びる方向と交差する方向に伸びる互いに平行な複数の横置き導線と、
上記各横置き導線に交流又は脈流の電力を供給する電源とを備えていることを特徴とする、請求項8に記載の給電設備。
【請求項13】
動力伝達機構を介して車輪を回転駆動するモータと、
上記車輪に取り付けられた、導電性材料からなるタイヤと、
上記モータと上記タイヤとを電気的に接続する配電系統とを備えていて、
上記モータが、路面上に配置された給電プレートから上記タイヤを介して供給される電力により駆動されることを特徴とする電気自動車。
【請求項14】
上記モータが前側の車輪と後側の車輪のうちの一方の車輪を回転駆動する一方、上記導電性材料からなるタイヤが他方の車輪に取り付けられていることを特徴とする、請求項13に記載の電気自動車。
【請求項15】
上記給電プレートから該電気自動車に電力が供給されるときには該電力の一部又は全部を蓄える一方、上記給電プレートから該電気自動車に電力が供給されないときには、蓄えている電力を上記モータに供給する蓄電池を備えていることを特徴とする、請求項13に記載の電気自動車。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれか1つに記載の電気自動車に電力を供給するための給電設備であって、
路面の一方の側に配置された第1の給電プレートと、
路面の他方の側に配置された第2の給電プレートと、
上記第1の給電プレートと上記第2の給電プレートとの間に配置され、両給電プレート を電気的に絶縁する絶縁部と、
上記第1の給電プレートと上記第2の給電プレートとの間に電圧を印加する電源とを備えていることを特徴とする給電設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−135772(P2011−135772A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286372(P2010−286372)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(508259559)ラスク・インテレクチュアル・リザーブ・アクチェンゲゼルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】RUSK Intellectual Reserve AG
【Fターム(参考)】