説明

電池の搭載構造

【課題】電池が装着されていないときにダクトを流れる気流を止める必要がない電池の搭載構造の提供。
【解決手段】冷却風を通す冷却ダクト4と、この冷却ダクト4内と連通する電池ホルダ3と、この電池ホルダ3内に装着可能な交換式電池2とを備え、前記の冷却ダクト4を通る冷却風と前記の交換式電池2との熱交換によりこの交換式電池2の温度を調節する電池の搭載構造であって、仕切弁43,43が冷却ダクト4内と電池ホルダ3内とを開閉可能に仕切っており、交換式電池2を電池ホルダ3内に装着した場合にはこの装着の動作により仕切弁43,43が開いて冷却風の流れFにより交換式電池2が冷却され、交換式電池2を電池ホルダ3内に装着していない場合には仕切弁43,43が閉じている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の搭載構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電池とモータとを搭載し、電池のエネルギによりモータを作動させて駆動する自動車がある。このような自動車には、一つまたは複数の電池ホルダが設置され交換可能な電池をこの電池ホルダに挿入して装着可能となっているものが知られている。
一方で、電池を正常に作動させるためには、作動条件となる温度範囲に電池の温度を調節する必要がある。このような技術としては、例えば下記特許文献1に記載されているように、電池まで冷却風を導くダクトを設け、この冷却風により電池を冷却する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−324041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、交換式電池の温度調節を上記特許文献1のようなダクトにより導入される気流によって行うことを考えた場合、この電池が電池ホルダに装着されたときのみ温度調節ができれば良いため、交換式電池が装着されていないときにはダクトを流れる気流を止める構造が必要であった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、電池が装着されていないときにダクトを流れる気流を止める必要がない電池の搭載構造の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る電池の搭載構造は次の手段をとる。
本発明の第1の発明に係る電池の搭載構造は、気流を通す送風ダクトと、該送風ダクト内と連通する電池ホルダと、該電池ホルダ内に装着可能な電池とを備え、前記送風ダクトを通る気流と前記電池との熱交換により該電池の温度を調節する電池の搭載構造であって、前記送風ダクト内と前記電池ホルダ内とを開閉可能に仕切る仕切弁を備え、前記電池を前記電池ホルダ内に装着した場合にはこの装着の動作により前記仕切弁が開いて前記気流により該電池の温度が調節され、前記電池を前記電池ホルダ内に装着していない場合には前記仕切弁が閉じていることを特徴とする。
【0006】
第1の発明に係る電池の搭載構造によれば、仕切弁が送風ダクト内と電池ホルダ内とを開閉可能に仕切っており、電池を前記電池ホルダ内に装着した場合にはこの装着の動作により仕切弁が開いて気流によりこの電池の温度が調節され、電池を電池ホルダ内に装着していない場合にはこの仕切弁が閉じている。したがって、電池が装着されていないときに送風ダクトを流れる気流を止める必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ラゲージスペースに搭載される交換式電池を示す斜視図。
【図2】交換式電池を電池ホルダに挿入する途中を示す左前方からの斜視図。
【図3】第1の実施形態に係る交換式電池の背面側を示す斜視図。
【図4】第1の実施形態に係る冷却風の流れを示す平面図。
【図5】ロック部材による電池本体のロック構造を示す左側面図。
【図6】第2の実施形態に係る交換式電池の背面側を示す斜視図。
【図7】第2の実施形態に係る冷却風の流れを示す側面図。
【図8】第2の実施形態に係る冷却風の流れを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための第1の形態を、図面を参照しながら説明する。本実施形態の自動車は、図1に示すように、後部座席11の後部の空間が荷物積載用のラゲージスペース12となっている。ラゲージスペース12内には、この空間を上下に仕切る間仕切りとしてラゲージボード13が設けられている。このラゲージボード13は上下に可動であり、図1にはその後部を持ち上げられた状態が示されている。このラゲージボード13の下側には、交換式電池2を搭載するための構造が設けられている。以下、この構造を単に電池の搭載構造14という。この電池の搭載構造14は、以下に説明する交換式電池2と、電池ホルダ3と、冷却ダクト4(図4参照)とを備える。
【0009】
交換式電池2は、通常の走行時に使用するために自動車に常時搭載される電池とは別に、長距離走行用の追加電池あるいは非常時用の予備電池として必要に応じて用いられるものである。ラゲージスペース12には複数の電池ホルダ3が設けられており、交換式電池2はこの電池ホルダ3内に手前側から奥側へ挿入し、後述の方法によってロック状態とすることによって装着される。交換式電池2が電池ホルダ3内に装着されると、交換式電池2と電池ホルダ3のそれぞれに設けられた後述の電池側コネクタ26,26とホルダ側コネクタ32,32とが接続され、交換式電池2のエネルギが自動車の走行に利用可能となる。図1には、交換式電池2が装着された電池ホルダ3と、交換式電池2が装着されていない電池ホルダ3とが示されている。
【0010】
交換式電池2は、直方体形状の電池本体20を備える。まず、この交換式電池2の手前側の構造を、図1および図2を参照しながら説明する。図2は、電池ホルダ3内へ挿入する途中の電池本体20を示す斜視図である。交換式電池2は、電池本体20の電池ホルダ3内への挿入状態をロックするためのロック部材21を備える。ロック部材21は、電池本体20の手前側の左右両側面に、支軸22を中心として回動可能に設けられている。図1に示すロック部材21は下に回動した状態であり、図2に示すロック部材21は上に回動した状態である。後述のように、このロック部材21の回動によりロック状態と解除状態との切替がなされる。
【0011】
ロック部材21は左右対称形状であり、左右両側の側板部21a,21aと、手前側の取手部21bとを有する。側板部21a,21aは、電池本体20の左右側面からそれぞれ隔てて平行に設けられ、前記の支軸22を受けている。取手部21bは、この両側板部21a,21aを連結するように設けられ、この取手部21bを操作することにより両側板部21a,21aが同様に回動される。側板部21aには、ガイド溝23が形成されている。このガイド溝23については後に詳述する。
【0012】
次に、交換式電池2の奥側の構造を、図3を参照しながら説明する。図3は、この交換式電池2の奥側の構造を示す斜視図である。電池本体20の背後面には、電池本体20から発生する熱を放出する金属製の放熱板24が複数設けられている。各放熱板24は、高さ方向に長い長方形板形状に形成されており、電池本体20の背後面に対して垂直に設けられている。この放熱板24が後述の冷却風と熱交換することにより、電池本体20はこの放熱板24を介して冷却される。また、電池本体20の背後面には、左右一対の突出部25,25が設けられている。各突出部25は、上下一対の当接部25a,25aと、中間部の補強部25bとを有する。当接部25aは前記の放熱板24より多く電池本体20から張り出し、補強部25bは前記の放熱板24と同程度に電池本体20から張り出している。当接部25a,25aは、後述のように、冷却ダクト4の仕切弁43,43に当接して押し開くための部分である。また、電池本体20の左右側面には、電池側コネクタ26,26が設けられている。この電池側コネクタ26,26は、交換式電池2が電池ホルダ3内に装着されると、電池ホルダ3側に設けられた後述のホルダ側コネクタ32,32と電気的に接続される。
【0013】
次に、電池ホルダ3を図2および図4を参照しながら説明する。電池ホルダ3は、前記の電池本体20を収容可能な箱型形状に形成されたホルダ本体30を有している。図2に示すように、ホルダ本体30の手前側は電池本体20を挿入するための開口となっており、図4に示すように、ホルダ本体30の奥側の面は後述の冷却ダクト4と連通している。
図2に示すように、ホルダ本体30の左右側面には、短いガイドピン31,31がそれぞれ外側に向かって設けられている。この2つのガイドピン31,31は、交換式電池2を電池ホルダ3内に装着する際に、左右の側板部21a,21aに設けられたガイド溝23,23にそれぞれ嵌合可能となるように配設されている。また、ホルダ本体30内部の左右壁面にはにはホルダ側コネクタ32,32が設けられている。前記のように電池側コネクタ26,26がこのホルダ側コネクタ32,32と接続されると、交換式電池2のエネルギがこのホルダ側コネクタ32,32を介して自動車の走行用に供給可能となる。
【0014】
次に、図4を参照しながら、冷却ダクト4を説明する。冷却ダクト4は、電池を冷却するための冷却風を通風可能な、筒形状に形成された部材であり、車室内の後部座席下15から車外16までを連通して設けられている。冷却ダクト4は、電池ホルダ3の奥側の面に沿って延びる主流部40と、後部座席下15からこの主流部40までを繋ぐ導入部41と、この主流部40から車外16までを繋ぐ排出部42とを有する。図示しない空調により車室内に放出された冷気は、図4(A)中の矢印で示す流れFのように、後部座席下15からこの導入部41を経て冷却ダクト4内に取り込まれ、主流部40へ送られ、最終的には排出部42を経て車外16へと排出される。このように車室内の冷気は常時冷却ダクト4内を通風されており、交換式電池2が装着されている場合にはこの冷気を冷却風として交換式電池2の冷却を行うことができる。主流部40と電池ホルダ3との間には、これらの主流部40と電池ホルダ3とを開閉可能に仕切る2つの仕切弁43,43が、それぞれ上流側と下流側に設けられている。仕切弁43,43は垂直に設けられた支軸44,44を中心に回動可能となっている。図4(A)は、両仕切弁43,43が閉じ主流部40と電池ホルダ3とが連通していない状態を示し、図4(B)は、両仕切弁43,43が開き主流部40と電池ホルダ3とが連通している状態を示している。また、仕切弁43,43は、図示しない付勢手段により常に閉じる方向に付勢されている。両仕切弁43,43が開く際には、図4(B)に示すように、主流部40の内部へ回動する。このため、主流部40と電池ホルダ3とが上流側と下流側の2箇所で連通すると同時に、この開いた両仕切弁43,43によって主流部40の一部が閉塞される。したがって、冷却ダクト4に通風されている冷却風の流れFは、図4(A)に示す主流部40内の流路49を通らず、図4(B)に示す電池ホルダ3内の流路39を通るようになる。仕切弁43,43は、交換式電池2を電池ホルダ3に挿入する際に、突出部25,25の当接部25a,25a(図3参照)によって押し開けられる。交換式電池2が電池ホルダ3内に装着完了すると、図4(B)に示す状態となる。このとき、電池ホルダ3内の流路39に出入りする冷却風の流れFは、仕切弁43,43の支軸44,44と突出部25,25の補強部25b,25b(図3参照)との隙間を通過可能となっている。
【0015】
次に、図1、図2、図4および図5を参照しながら、交換式電池2を電池ホルダ3に装着する方法を説明する。まず、交換式電池2の電池本体20部分を電池ホルダ3内に挿入していく。図2はこの挿入途中の状態における交換式電池2の手前側の様子を示しており、図4(A)は同じ状態における交換式電池の後ろ側の様子を示している。このとき、図2に示すように、左右の側板部21a,21aにそれぞれ形成されたガイド溝23の入口部23aからコーナー部23bまで(図5参照)が水平となるように、取手部21bを持ち上げてロック部材21を上に回動させた状態で挿入していく。さらに電池本体20を電池ホルダ3内に挿入していくと、ガイドピン31が入口部23aからガイド溝23に入り、コーナー部23bまで嵌合した時点でそれ以上電池本体20を挿入できない状態となる。図5(A)は、このようにガイドピン31がガイド溝23のコーナー部23bにある状態(ロック部材21の解除状態)を示している。
【0016】
次に、この図5(A)の状態から、取手部21bを押し下げてロック部材21を下に回動させていく。このロック部材21の回動過程で、ガイドピン31はガイド溝23のコーナー部23bからウェーブ部23cを経て終端部23dに至る。図5(B)は、このようにガイドピン31がガイド溝23の終端部23dにある状態(ロック部材21のロック状態)を示している。ロック部材21をこの図5(B)に示すロック状態とすることで、交換式電池2の電池ホルダ3内への装着が完了する。この交換式電池2の装着により、図4(B)に示すように、交換式電池2に設けられた電池側コネクタ26,26が、電池ホルダ3に設けられたホルダ側コネクタ32,32と電気的に接続される。これによって、交換式電池2のエネルギがこのホルダ側コネクタ32,32を介して自動車の走行用に供給可能となる。また、電池本体20の後背面に設けられた突出部25,25の当接部25aが仕切弁43,43を押し開ける。これによって、前記のように、冷却ダクト4内を通風されている冷却風の流れFは、主流部40内の一部の流路49を通らず電池ホルダ3内の流路39を通るようになる。よって、交換式電池20の後背面に設けられた放熱板24は冷却風の流れFにさらされて熱を放出し、もって交換式電池20が冷却される。
【0017】
図5(B)に示す交換式電池2の装着状態においては、ガイドピン31がガイド溝23の終端部23dに嵌合しており、ガイドピン31の両脇及び下側の三方がロック部材21の側板部21aによって囲われている。したがって、このガイドピン31の存在により、側板部21aを含む交換式電池2全体の移動が規制される。これにより、自動車の走行中に慣性力が働いても、交換式電池2が電池ホルダ3に対してずれることがなく、電池側コネクタ26,26とこのホルダ側コネクタ32,32との接続状態が確実に保たれる。ガイド溝23のコーナー部23bから終端部23dまでは、概して支軸22を中心とする円弧状に形成されている。しかしウェーブ部23cの位置は、コーナー部23bおよび終端部23dの位置と比べて、より支軸22の近くに設定されている。このため、ガイドピン31はガイド溝23をスムーズには通らず、ロック部材21の回動操作には多少の抵抗が伴う。この回動時の抵抗と取手部21bの重量のため、自動車の走行時に衝撃力が働いたとしても、図5(B)に示すロック状態にあるロック部材21は図5(A)に示す解除状態に容易に回動することはない。
【0018】
以上のようにして電池ホルダ3に装着された交換式電池2は、上記の操作を逆順に行うことによって電池ホルダ3から取り外される。この取り外しにより、図4(A)に示すように、交換式電池2に設けられた電池側コネクタ26,26と、電池ホルダ3に設けられたホルダ側コネクタ32,32との接続が解除され、交換式電池2のエネルギ供給が停止する。また、電池本体20の後背面に設けられた突出部25,25の当接部25aが仕切弁43,43から離れる。仕切弁43,43は図示しない付勢手段によって閉じられ、冷却ダクト4の主流部40と電池ホルダ3とが連通しない状態となる。これによって、前記のように、電池ホルダ3内の流路39を通っていた冷却風の流れFは、主流部40内の流路49に戻り、交換式電池20の冷却が停止する。
【0019】
本発明を実施するための第1の形態は以上のようにして構成される。この構成によれば、仕切弁43,43が冷却ダクト4内と電池ホルダ3内とを開閉可能に仕切っており、交換式電池2を電池ホルダ3内に装着した場合にはこの装着の動作により仕切弁43,43が開いて冷却風の流れFにより交換式電池2が冷却され、交換式電池2を電池ホルダ3内に装着していない場合には仕切弁43,43が閉じている。したがって、交換式電池2が装着されていないときに冷却ダクト4を流れる気流を止める必要がない。
【0020】
次に、本発明を実施するための第2の形態を、図6から図8までを参照しながら説明する。以下では、前記の第1の実施形態と同様の部分については同一の符号を付すことにより説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。図6に示すように、交換式電池2の電池本体20の奥側には、左側面から右側面までを貫通する通路27が設けられている。この通路27内には、電池本体20から発生する熱を放出する金属製の放熱板28が複数設けられている。この放熱板28が冷却風と熱交換することにより、電池本体20はこの放熱板24を介して冷却される。図7に示すように、電池本体20の上面と下面には、電池側コネクタ29,29が設けられている。また、ホルダ本体30内部の上面と下面にはホルダ側コネクタ33,33が設けられている。この電池側コネクタ29,29は、交換式電池2が電池ホルダ3内に装着されると、電池ホルダ3側に設けられた後述のホルダ側コネクタ33,33と電気的に接続される。このように電池側コネクタ29,29がホルダ側コネクタ33,33と接続されると、交換式電池2のエネルギがこのホルダ側コネクタ33,33を介して自動車の走行用に供給可能となる。
【0021】
冷却ダクト4の主流部40と電池ホルダ3との間には、これらの主流部40と電池ホルダ3とを開閉可能に仕切る仕切弁45が設けられている。仕切弁45は水平に設けられた支軸46を中心に回動可能となっている。図7(A)及び図8(A)は、仕切弁45が閉じ主流部40と電池ホルダ3とが連通していない状態を示し、図7(B)及び図8(B)は、仕切弁45が開き主流部40と電池ホルダ3とが連通している状態を示している。また、仕切弁45は、図示しない付勢手段により常に閉じる方向に付勢されている。仕切弁45が開く際には、図7(B)に示すように、主流部40内の上部へ回動する。仕切弁45は、交換式電池2を電池ホルダ3に挿入する際に、電池本体20の後背面20aによって押し開けられる。交換式電池2が電池ホルダ3内に装着完了すると、図7(B)及び図8(B)に示すように、電池本体20の後部が完全に冷却ダクト4の主流部40内に入り込んだ状態となる。このとき、冷却ダクト4に通風されている冷却風の流れFは、図7(B)に示すように、電池本体20の後部に設けられた通路27を通る。
【0022】
交換式電池2を電池ホルダ3に装着する方法は、前記の第1の実施形態と同様である。この交換式電池2の装着により、図7(B)に示すように、交換式電池2に設けられた電池側コネクタ29,29が、電池ホルダ3に設けられたホルダ側コネクタ33,33と電気的に接続される。これによって、交換式電池2のエネルギがこのホルダ側コネクタ33,33を介して自動車の走行用に供給可能となる。また、電池本体20の後背面20aが仕切弁45を押し開ける。これによって、前記のように、冷却ダクト4に通風されている冷却風の流れFは、図7(B)に示すように、電池本体20の後部に設けられた通路27を通るようになる。よって、交換式電池20の通路27内部に設けられた放熱板28は冷却風の流れFにさらされて熱を放出し、もって交換式電池20が冷却される。
【0023】
また、交換式電池2を電池ホルダ3から取り外す方法も前記の第1の実施形態と同様である。この取り外しにより、図7(A)に示すように、交換式電池2に設けられた電池側コネクタ29,29と、電池ホルダ3に設けられたホルダ側コネクタ33,33との接続が解除され、交換式電池2のエネルギ供給が停止する。また、電池本体20の後背面20aが仕切弁45から離れる。仕切弁45は図示しない付勢手段によって閉じられ、冷却ダクト4の主流部40と電池ホルダ3とが連通しない状態となる。これによって、前記のように、電池本体20の通路27内を通っていた冷却風の流れFは、主流部40内の流路49に戻り、交換式電池20の冷却が停止する。
【0024】
本発明を実施するための第2の形態は以上のようにして構成される。この構成によれば、仕切弁45が冷却ダクト4内と電池ホルダ3内とを開閉可能に仕切っており、交換式電池2を電池ホルダ3内に装着した場合にはこの装着の動作により仕切弁45が開いて冷却風の流れFにより交換式電池2が冷却され、交換式電池2を電池ホルダ3内に装着していない場合には仕切弁45が閉じている。したがって、交換式電池2が装着されていないときに冷却ダクト4を流れる気流を止める必要がない。
【0025】
なお本発明は、上記の第1および第2の実施形態に限定されるものではなく、その他各種の形態で実施できるものである。上記の実施形態においては、冷却ダクト4に通風される気流は冷却風であったが、これに限定されず温風を通風することによって交換式電池2を適温に保温可能な構成としても良い。また、冷却ダクトの導入部41または排出部42内にブロアを設け冷却風を強制送風する構成としても良い。
また、上記の実施形態においては、仕切弁43,45は支軸44,46を中心に回動することにより開閉する構成であったが、スライドにより開閉する構成であっても良い。このように構成する場合においても、仕切弁は付勢手段により閉じる方向に付勢され、交換式電池2が装着されていないときに冷却ダクト4と電池ホルダ3とが連通されていない必要がある。
【符号の説明】
【0026】
2 交換式電池
3 電池ホルダ
4 冷却ダクト
43 仕切弁



【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流を通す送風ダクトと、該送風ダクト内と連通する電池ホルダと、該電池ホルダ内に装着可能な電池とを備え、前記送風ダクトを通る気流と前記電池との熱交換により該電池の温度を調節する電池の搭載構造であって、前記送風ダクト内と前記電池ホルダ内とを開閉可能に仕切る仕切弁を備え、前記電池を前記電池ホルダ内に装着した場合にはこの装着の動作により前記仕切弁が開いて前記気流により該電池の温度が調節され、前記電池を前記電池ホルダ内に装着していない場合には前記仕切弁が閉じていることを特徴とする電池の搭載構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−216346(P2012−216346A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79693(P2011−79693)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(308013436)小島プレス工業株式会社 (386)
【Fターム(参考)】