説明

電源装置および画像形成装置

【課題】省エネルギー状態の待機モード時の効率がより向上した電源装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】交流電源より直流電圧を得る電源装置において、前記交流電源に接続して該交流電圧を整流および平滑する整流平滑手段と、前記整流平滑手段からの直流電圧を変換して第一の直流電圧を出力する第一のDCDCコンバータAと、前記第一のDCDCコンバータからの前記第一の直流電圧を受けて、スイッチング手段のスイッチング動作により前記第一の直流電圧よりも低い第二の直流電圧を出力する第二のDCDCコンバータBと、前記第一のDCDCコンバータの出力電圧を前記第一の直流電圧から前記第二の直流電圧よりも低い第三の直流電圧にするとともに、前記第二のDCDCコンバータの前記スイッチング手段を連続導通状態で駆動する状態に移行する状態移行手段746とを有することを特徴とする電源装置により前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常動作モードと省エネルギー状態の待機モードを有する装置の電源に好適な、商用交流電源より安定化直流電圧を得るに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から知られている安定化直流電源を得るための電源装置の構成を図13に示す。
この電源装置が搭載される機器は、例えばモータやソレノイド等を含む比較的動作に必要な電圧が高い駆動系への第一の直流電圧と、CPUやASIC等の動作に必要な電圧が低い制御系への第二の直流電圧の2系統の電圧を供給する構成である。
【0003】
また、装置が省エネルギー状態である待機モードにおいて駆動系は動作させないため、駆動系の負荷には電圧を供給しない。このため待機モード時にはロードスイッチ(不図示)等によって駆動系の負荷への電圧供給を遮断する構成となっている。図13において、Aが駆動系電源電圧を供給する第一のDCDCコンバータであり、Bが制御系電源電圧を供給する第二のDCDCコンバータである。
【0004】
次に、図13の詳細説明を行う。図13の各部位の構成は以下のとおりである。
700は商用交流電源、702は整流器、703は平滑コンデンサ、705は起動抵抗、707はスイッチング素子、710は電源制御用IC、711はトランス、712はダイオード、713はコンデンサである。720は二次整流ダイオード、721は二次平滑コンデンサ、722,723,724は抵抗、750はシャントレギュレータである。714−bはフォトカプラのLED側、728はコンデンサ、732は第一の直流電圧から第二の直流電圧を生成するDCDCコンバータのスイッチング手段であるFETである。734はゲート抵抗、733,735はFET駆動トランジスタ、738は第二のDCDCコンバータを制御する制御用IC、739はインダクタ、740はダイオード、741はコンデンサ、742,743は抵抗である。731は第一の直流電圧の負荷(駆動系)であり、746は第2の直流電圧の負荷としてのCPU(制御系)である。
【0005】
まず、第一のDCDCコンバータ装置の動作について説明する。
商用交流電源700から交流電圧(AC電圧)が印加されると、整流器702により整流された電圧によってコンデンサ703の充電を行う。この整流器702とコンデンサ703は交流電源からのAC電圧を整流し平滑する整流平滑回路として機能している。コンデンサ703の電圧が上昇すると起動抵抗705を介して電源制御用IC710に電源が供給され、電源制御用IC710はFET707をオンする。FET707がオンするとトランス711の一次巻線Npに電流が流れ、トランス711のNp巻線に印加された電圧によってNs,Nb各巻線にも電圧が現れる。Nb巻線に現れる電圧はダイオード712によって電流が流れないよう阻止され、Ns巻線の電圧も同じくダイオード720によって電流が流れないようになっている。電源制御用IC710の内部回路により定められる所定の時間経過後にFET707はオフする。するとNp巻線のFET707のドレイン側の電圧が上昇する。またNs巻線にはダイオード720を通じてコンデンサ721を充電する方向に電流が流れてコンデンサ721が充電されコンデンサ721の電圧が上昇していく。電源制御用IC710の内部回路により定まる所定の時間経過後、FET707はオンとなりコンデンサ703から再びトランス711に電流が供給される。電源制御用IC710により所定時間経過後にFET707がオフすると再びNs巻線電圧によりダイオード720を通じてコンデンサ721が充電される。コンデンサ721の電圧は抵抗723,724により分圧されており、抵抗724の電圧がシャントレギュレータ750の制御端子に印加される。シャントレギュレータ750のカソード電流は、フォトカプラ714を介して電源制御用IC710に伝達されている。
【0006】
シャントレギュレータ750の内部の基準電圧と、抵抗723、724により分圧された抵抗724の電圧を比較して、抵抗724の電圧が基準電圧よりも高ければFET707のオン幅またはオンデューティを減少して出力電圧を下げるように動作する。抵抗724の電圧がシャントレギュレータ750の基準電圧よりも低ければFET707のオン時間またはオンデューティを増加して出力電圧を上昇するようなフィードバック動作をしている。
【0007】
次に第二のDCDCコンバータ装置の動作について説明する。
第二のDCDCコンバータは、第一のDCDCコンバータの出力電圧から第二の直流電圧を生成している。通常モード時、第二のDCDCコンバータ制御用IC738はトランジスタ733、735、抵抗734を介してFET732を断続的に駆動する。抵抗742、743は第二のDCDCコンバータの出力電圧を分圧しており、第二のDCDCコンバータ制御用IC738に抵抗743の電圧を入力している。第二のDCDCコンバータ制御用IC738は内部に基準電圧Vref2を有しており、Vref2と抵抗743の電圧が等しくなるようにFET732のオンデューティを制御することにより安定した第二の直流電圧を生成する。この構成において待機モード時の電力を低下させるために駆動系の電源電圧を出力する出力側にロードスイッチを設け、制御系電源により動作しているCPUやASICといった制御回路によって待機モード時にロードスイッチをオフする構成としている。
【0008】
しかしながら、図13の構成では負荷低減に伴うDCDCコンバータの効率の低下は免れ得ない。このような効率の低下を解決する例として特許文献1には、特にRCC方式のスイッチング電源装置において、待機モード時(軽負荷時)に出力電圧を降下して後続のDCDCコンバータによって所望の値に昇圧された出力電圧を負荷に供給する構成が開示されている。特許文献1の構成では、RCC方式のコンバータ装置において出力電圧を低下させることにより、スイッチ素子がオフしている期間の補助巻線のリンギング電圧をスイッチ素子の閾値以下とする。これによりフライバック電圧によるスイッチ素子のターンオンが阻止されて主スイッチング素子のオフが延長され発振周波数を低下する。この結果、スイッチング損失が減少し回路効率が向上するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−278946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、機器が待機モード時の期間は制御系の負荷電流も低減する。従って機器の待機時には前述した第二のDCDCコンバータの効率も低下する。特許文献1の構成では、負荷電流の低減に伴う第一のDCDCコンバータの効率の低下を改善する対策はなされているが、第二のDCDCコンバータについて効率の低下を改善する対策はなされていない。
【0011】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、省エネルギー状態の待機モード時の効率がより向上した電源装置および画像形成装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本発明では、電源装置を次の(1)のとおりに構成する。
【0013】
(1)交流電源より直流電圧を得る電源装置において、
前記交流電源に接続して該交流電圧を整流および平滑する整流平滑手段と、
前記整流平滑手段からの直流電圧を変換して第一の直流電圧を出力する第一のDCDCコンバータと、
前記第一のDCDCコンバータからの前記第一の直流電圧を受けて、スイッチング手段のスイッチング動作により前記第一の直流電圧よりも低い第二の直流電圧を出力する第二のDCDCコンバータと、
前記第一のDCDCコンバータの出力電圧を前記第一の直流電圧から前記第二の直流電圧よりも低い第三の直流電圧にするとともに、前記第二のDCDCコンバータの前記スイッチング手段を連続導通状態で駆動する状態に移行する状態移行手段と
を有する電源装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従来の構成では効率が悪かった省エネルギー状態である待機モード時の電源効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1の電源装置の構成を示す回路図
【図2】実施例2の電源装置の構成を示す回路図
【図3】実施例1と従来例の電源の効率を比較した図
【図4】実施例1の電源装置の待機モードから通常モード移行時の各部の波形を示す図
【図5】実施例1の電源装置の通常モードから待機モード移行時の各部の波形を示す図
【図6】実施例3における第二のDCDCコンバータの構成を示す回路図
【図7】実施例3における第二のDCDCコンバータの他の構成を示す回路図
【図8】実施例4の電源装置における第一のDCDCコンバータの構成を示す回路図
【図9】実施例5における電源装置の構成を示す回路図
【図10】実施例5におけるレーザプリンタの制御部から電源装置への接続構成を示す図
【図11】実施例5における省エネルギーモード移行時の動作を示すフローチャート
【図12】実施例5における省エネルギーモードからの復帰時の動作を示すフローチャート
【図13】従来例の構成を示す回路図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、電源装置および画像形成装置の実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0017】
実施例1である“電源装置”について説明する。
本実施例の電源装置は、第一のDCDCコンバータにおいて、特に、バーストモードやオフ時間制御等の駆動方式のような、待機モード時(軽負荷時)にスイッチング周波数が低下する制御および制御用のICを用いた構成を前提としている。
【0018】
図1は、本実施例の電源装置の回路図である。図1において、前述した従来例の構成と重複する部分は同じ符号で示している。従来例と同様である、交流電源からの交流電圧を整流および平滑する整流平滑回路の動作、第一のDCDCコンバータ、第二のDCDCコンバータによる電圧を変換する動作等、従来例と重複する部分は説明を省略する。なお、Aが駆動系電源電圧を供給する第一のDCDCコンバータであり、Bが制御系電源電圧を供給する第二のDCDCコンバータである。Cはロードスイッチである。
図1において、125、126は抵抗、127はトランジスタである。本電源装置は搭載される機器の状態に従って通常モードと待機モードの2つの状態に備えており、この2つの状態を切り換え可能である。
【0019】
第二のDCDCコンバータの負荷であるCPU746は、機器の状態を制御するとともに本電源装置の動作モード、即ち通常モードと待機モードの各モード時の動作を制御している。本電源装置を通常モードにする場合、CPU746はトランジスタ127をオンし、待機モードにする場合はトランジスタ127をオフする。なお、通常モードとは駆動系の負荷731に直流電圧を供給している状態であり、待機モードとは駆動系の負荷731に直流電圧を供給していない状態である。
【0020】
(1)電源装置が通常モード時の動作説明
通常モード時、CPU746はトランジスタ127をオンすると、シャントレギュレータ750の制御端子−アノード間には抵抗724と抵抗125が並列接続される。シャントレギュレータ750は制御端子−アノード間の電圧をあらかじめ定められた基準電圧値にするようにカソード−アノード間の電流を流す。このため第一のDCDCコンバータの出力電圧Voutは抵抗723と制御端子−アノード間の抵抗で分圧した結果が基準電圧値Vrefとなるような電圧になるようにFET707を制御する。出力電圧Voutは以下の式によって示される。
Vout=[(抵抗723+R)/R]×Vref
ここでRは抵抗724と抵抗125の並列接続による抵抗値であり、以下の式で示される。
R=抵抗724×抵抗125/(抵抗724+抵抗125)
【0021】
(2)電源装置が待機モード時の動作説明
省エネルギー状態である待機モード時、CPU746はトランジスタ127をオフする。トランジスタ127がオフするとシャントレギュレータ750の制御端子−アノード間の抵抗は抵抗724のみとなる。前述したようにシャントレギュレータ750は制御端子−アノード間電圧を予め定められた基準電圧値とするよう動作するため、出力電圧Vout3は
Vout3=[(抵抗723+抵抗724)/抵抗724]×Vref
とするように動作する。シャントレギュレータの制御端子−アノード間の抵抗が通常モード時より高くなるため、出力電圧は低下する。
【0022】
第二のDCDCコンバータは前述したように第一のDCDCコンバータの出力電圧から第二の直流電圧を生成している。待機時の動作により第一のDCDCコンバータの出力電圧が低下するとFET732のオン時間を長く(オンデューティを大きく)して出力電圧を第二の直流電圧に一定に維持するように動作する。第一のDCDCコンバータの出力電圧が第二の電源電圧以下になると、第二のDCDCコンバータのFET232はオン状態に固定となる(オンデューティ100%状態)。さらに第一のDCDCコンバータ電圧は低下し、第三の直流電圧にまで低下する。つまり、第二のDCDCコンバータは連続導通状態になり、第1のDCDCコンバータの出力電圧はより低い直流電圧(第三の直流電圧)になる。
【0023】
第三の直流電圧がVout3、第二の直流電圧をVout2とおくと、
Vout2>Vout3
という関係になる。
従って抵抗742、抵抗743、Vref2と抵抗723、抵抗724、Vrefの関係は以下の関係式で示される。
[(抵抗742+抵抗743)/抵抗743]×Vref2>[(抵抗723+抵抗724)/抵抗724]×Vref
【0024】
以上のように構成した場合の電源の効率と、従来構成(図13)の効率を比較した図を図3に示す。図3では、横軸を負荷電流、縦軸を効率として本実施例と従来構成との負荷電流に対する効率を示している。従来構成では第一のDCDCコンバータとともに第二のDCDCコンバータの効率も低下していくため効率が良くない。本実施例によれば、第二のDCDCコンバータでの損失はFET732のオン抵抗のみとなるため電源の効率が向上する。
【0025】
また、シャントレギュレータによる制御ではシャントレギュレータの耐圧が不足する場合には、シャントレギュレータを基準電圧源として用い、オペアンプ(誤差増幅器)により制御回路を構成しても良い。また、基準電圧にはシャントレギュレータ内の電圧を使用しているが、ツェナダイオードによって基準電圧を構成しても良い。
【0026】
(3)モード移行時の動作の説明
次に待機モードから通常モード、また、通常モードから待機モードへの状態移行について説明する。
【0027】
図4に待機モードから通常モードへの移行時の各部の電圧を示す。図4に示したように待機モードから通常モードへの移行時にはC(コンデンサ)741の両端電圧、即ち、第二のDCDCコンバータからの出力電圧は第三の直流電圧から第二の直流電圧へとスムーズに移行している。これは待機モードから通常モードへの移行時に第一のDCDCコンバータの出力電圧が第二の直流電圧よりも大きくなると第二のDCDCコンバータが動作して出力電圧の制御を行うためである。図で示されているように、コンデンサ741の両端電圧が第三の直流電圧から第二の直流電圧に移行するとともにFET707、FET732が動作し、コンデンサ728の両端電圧が第1の直流電圧にスムーズに移行する。
【0028】
次に図5に通常モードから待機モードに移行する場合の状態を示す。
図では、通常モードから待機モードに移行する際の、第一のDCDCコンバータ出力電圧と第一のDCDCコンバータにおけるFET707および第二のDCDCコンバータにおけるFET732のゲート電圧と第二のDCDCコンバータの出力電圧を示す。
【0029】
第一のDCDCコンバータの出力電圧が低下してくるとFET707のGS間電圧はオフとなり、FET707は停止する。第一のDCDCコンバータのFET707が停止しているのに負荷電流は流れ出るので第一のDCDCコンバータの出力電圧は低下する。即ち、第二のDCDCコンバータの入力電圧が低下してくるため、第二のDCDCコンバータはFET732のゲートのオン幅(オンデューティ)を大きくしながら第二のDCDCコンバータの出力電圧を一定になるよう制御する。第二のDCDCコンバータの入力電圧が第二の直流電圧以下になると、第二のDCDCコンバータのFET732はオン状態のままになる(図のFET732 GS間電圧)。
【0030】
第一のDCDCコンバータ出力電圧が第三の直流電圧となったところで第一のDCDCコンバータのFET707がオン/オフ動作を行うために第二のDCDCコンバータの出力電圧は第三の直流電圧で制御される(図の点線Bで示す状態)。
【0031】
以上のとおり、本実施例おいて、待機モードと通常モードの移行時(切り替え時)に第二のDCDCコンバータ出力電圧は急峻な電圧変化を発生しないよう構成している。
【0032】
このように、本実施例によれば待機モード時における第一および第二のDCDCコンバータの効率を向上させることができる。また、待機モードから通常モードへ、通常モードから待機モードへの切り替え時にも出力電圧の急峻な電圧変化が発生しないようにできるので、回路の誤動作等の発生が抑制できる。
【実施例2】
【0033】
実施例2である“電源装置”について説明する。
本実施例の電源装置は、第一のDCDCコンバータにおいて、特に、RCC方式や周波数制御方式のような、待機モード時(軽負荷時)にスイッチング周波数が上昇する制御、および制御用ICを用いた構成を前提としている。なおRCC(Ringing Choke Converter)方式とは、フライバック型コンバータの一種で、自励発振によってスイッチング動作を行うコンバータのことである。
【0034】
図2は本実施例の電源装置の回路図である。本実施例において、従来例の構成と重複する部分は同じ符号で示しており、その説明は省略する。Aが駆動系電源電圧を供給する第一のDCDCコンバータであり、Bが制御系電源電圧を供給する第二のDCDCコンバータである。
【0035】
図2において、742、743、747、248、237、251,252は抵抗、250はコンパレータ、249はシャントレギュレータ、253、254はトランジスタである。
【0036】
通常モード時、CPU746はトランジスタ253をオンしている。トランジスタ253がオンするとトランジスタ254がオフとなるため、第一のDCDCコンバータはコンパレータ250の動作に関わらずシャントレギュレータ750の動作によって第一の直流電圧を出力している。また、第二のDCDCコンバータは第二のDCDCコンバータ制御用IC738によりFET732を断続的に駆動して第二の直流電圧を出力している。
【0037】
待機モードとなってCPU746がトランジスタ253をオフすると、トランジスタ254はコンパレータ250の出力によって動作する。コンパレータ250の出力はトランジスタ254、フォトカプラ714を介して第一のDCDCコンバータ制御用IC210に接続されており、第一のDCDCコンバータの出力は、第二のDCDCコンバータの出力電圧が第三の直流電圧となるように制御する。
【0038】
第二のDCDCコンバータの出力電圧は通常モード時に第二の直流電圧となるように定めており、第三の直流電圧は該第二の直流電圧よりも低い電圧に設定しているので、第一のDCDCコンバータの出力電圧は第一の直流電圧から第三の直流電圧へと低下していく。
【0039】
第二のDCDCコンバータは入力電圧が低下しても出力を第二の直流電圧に保つためにFET732のオンデューティを大きくしながら動作を続け、入力電圧が第二の直流電圧となったときにオンデューティが100%となり、FET732はオンしたままとなる。さらに第一のDCDCコンバータの出力電圧は第三の直流電圧まで低下させてはじめてコンパレータ250が動作してFET707をスイッチング動作させる。この結果、第一のDCDCコンバータ出力電圧は第三の直流電圧となる。
【0040】
本実施例によれば、実施例1と同様に待機モード時における第一および第二のDCDCコンバータの効率を向上させることができる。
【実施例3】
【0041】
実施例3である“電源装置”に付いて説明する。
実施例1、2では、第二のDCDCコンバータの制御用ICとしてオンデューティを100%にすることができるICを用いることを前提としている。本実施例では、第二のDCDCコンバータの制御用ICとしてオンデューティを100%にすることができないようなICを使用した場合の構成を前提としており、第二のDCDCコンバータのFETをオンするための外部回路を設けることを特徴としている。
【0042】
第二のDCDCコンバータの制御に用いる制御用ICの保護機能として、デューティガード機能や発振器の下限周波数を有している場合(オンデューティ100%設定できない場合)がある。従って第二のDCDCコンバータの入力電圧が低くなっても第二のDCDCコンバータのFETはオンし続けることができない。このため出力電圧の変動が大きくなったり出力電圧が低下したりしてしまい、実施例1、2のような動作ができなくなってしまう。このような場合には第一のDCDCコンバータの出力電圧を検出し、検出した電圧が予め定められた電圧となったときに第二のDCDCコンバータのFETをオンする外部回路を設けることで待機モード時に第二のDCDCコンバータのFETをオン状態とすることができる。
【0043】
この具体例の回路を図6に示す。本実施例は、実施例1における第1のDCDCコンバータに、図6に示す第2のDCDCコンバータを接続した構成の電源装置である。
【0044】
なお、図6における第二のDCDCコンバータBのFET501を駆動する回路としては、トランジスタ558、抵抗555、556、557、559、560等から構成され、その他、コンデンサ551、572、530、抵抗536、549、ダイオード529、インダクタ528から構成される。この回路の基本的な動作は、従来例の構成で説明したものと略同様であるため説明は省略し、本実施例の外部回路D1の構成、動作のみを説明する。
【0045】
本実施例における外部回路D1は、待機モード時に第二のDCDCコンバータBのFET501をオン状態にする回路である。600は第二のDCDCコンバータの制御用ICである。REFは制御目標とする電圧を入力する端子、Cはコレクタ、Eはエミッタであり、C端子の先にFET501のゲート端子を接続することにより、FET501を駆動している。GNDは制御用ICのGND端子である。
【0046】
また、外部回路D1は、抵抗601,604、608、609、611、トランジスタ602、603、606、610、ダイオード605、607から構成される回路である。
【0047】
通常モード時は、第一のDCDCコンバータの出力電圧が第一の直流電圧となっており、第二のDCDCコンバータの出力電圧(第二の直流電圧)よりも高い。このためトランジスタ606がオンし、ダイオード607から抵抗609を通して電流が流れダイオード605は逆バイアスとなるためにトランジスタ602は動作しない。またトランジスタ603、トランジスタ610ともにオフとなるため、IC600の制御出力がそのままFET501に印加される。従って第二のDCDCコンバータはIC600の制御によるDCDCコンバータ動作を続ける。
【0048】
待機モードとなったとき、負荷である不図示の装置は、端子174をLowにするとともに第一のDCDCコンバータの出力電圧を低下させる。端子174がLowになり、かつ第一のDCDCコンバータの出力電圧が第二の直流電圧よりも低くなると、トランジスタ602および603がオンする。これによりトランジスタ610はオンとなり、FET501のゲートをLowとするためFET501はオンし続けることになる。
【0049】
通常モードに復帰する場合には、負荷である不図示の装置は、第一のDCDCコンバータを通常モード出力となるようにするとともに端子174をHighまたは高インピーダンスとする。するとトランジスタ603がオフとなるため、トランジスタ610もオフとなり、IC600は再びFET501を駆動できるようになる。同時に第一のDCDCコンバータの出力電圧は上昇し始めるため、IC600はFET501のオン時間を徐々に短く駆動し始める。この間の電圧変動は、待機モードから通常モードへの切り替え直後にIC600の最大デューティ範囲と第一のDCDCコンバータの電圧上昇による変動があるだけなので負荷の装置としては充分に許容できる範囲となる。以上により制御切り替え時の電圧変動の小さい切り替えが可能となる。
【0050】
なお、図6ではディスクリート部品を用いた例を示した。しかしながら、コンパレータを用いればより簡単に回路を構成することが可能である。そのような回路を図7に示す。
【0051】
図7は外部回路の構成が図6とは異なっている。図7における外部回路D2では、通常モード時、装置は端子174をHighにする。コンパレータ1405の−端子がLowとなるため、コンパレータ出力端子はOPENとなり、FET501に影響は及ぼさない。待機モードとなったとき、装置は電源装置の出力電圧を低下させるとともに端子174をLowにする。入力電圧が低下してコンパレータ1405の−入力端子電圧が+入力端子電圧よりも高くなるとコンパレータ出力がLowとなり、第2のDCDCコンバータのFET501をオンする。
【0052】
なお、図6、図7の回路において、端子172、173、174には実施例1、2で説明した制御系の負荷としてのCPU746が接続されている。
【0053】
本実施例によれば、第二のDCDCコンバータの制御用ICとして100%オンデューティ動作ができない場合でも、待機モード時における第一および第二のDCDCコンバータの効率を向上させることができる。
【実施例4】
【0054】
実施例4である“電源装置”に付いて説明する。
【0055】
本実施例は、第一のDCDCコンバータがRCC方式の回路により構成した場合の例を示すものである。本実施例では、第二のDCDCコンバータとしては、図1に示す第二のDCDCコンバータB部分で、CPU746によるトランジスタ127の制御部分を除いて同様のDCDCコンバータを想定している。よって、第二のDCDCコンバータについては、実施例1の説明を援用しここでの説明は省略する。
【0056】
以下に図8に基づき本実施例における第一のDCDCコンバータの動作について説明する。図8において、800は商用交流電源、801はフィルタ回路、802はダイオードブリッジ、803はコンデンサ、804はスイッチングトランスである。また、805は起動抵抗、806−aは第1のフォトカプラの一端であるフォトトランジスタ、807はスイッチング素子、808、809、811、813、816、817は抵抗、810はトランジスタである。また、812、818はコンデンサ、814−aは第二のフォトカプラの一端であるフォトトランジスタ、815,819はダイオードである。
【0057】
820は二次整流ダイオード、821は電解コンデンサ、822、824、825は抵抗、823はシャントレギュレータである。また、835、836、839は抵抗、833はコンパレータ、806−bはフォトカプラのLED、834は抵抗、833はコンパレータ、876はトランジスタである。また、838は基準電圧を生成するツェナダイオードである。
【0058】
商用交流電源800よりフィルタ回路801を介してダイオードブリッジ802にAC電源が印加されると、ブリッジダイオード802により両波整流がなされ、コンデンサ803に充電が行なわれ、コンデンサ803の両端にDC電圧を生成する。
【0059】
電源起動時に通常モードとなる場合の動作を説明する。通常モード時には端子874はHighの信号が入力される。このためトランジスタ876はオンとなり、フォトカプラのLED806−bは点灯しない状態となっている。フォトカプラのトランジスタ806−aはインピーダンスが高い状態となっているため、抵抗851による電流がトランジスタ850のベースエミッタ間に流れトランジスタ850はオンとなる。この結果、起動抵抗805とゲートソース間に接続された抵抗808の分圧によりスイッチング素子807のゲート−ソース間に電圧が印加され、スイッチング素子807がオンする。スイッチング素子807がオンするとトランス804の一次巻線Npに電流が流れ始める。するとトランス104の補助巻線Nbにさらにスイッチング素子807のゲート電圧を高くする方向に電圧が発生する。この電圧により抵抗817を通じてコンデンサ818が充電される。コンデンサ818の両端電圧はトランジスタ810のベース−エミッタ間にも印加されるため、充電が開始され一定時間経過するとトランジスタ810に充分なベース電圧が発生し、ベース電流が流れるようになってトランジスタ810がオンする。
【0060】
トランジスタ810がオンするとスイッチング素子807がオフし、スイッチング素子807のドレイン−ソース間電圧が上昇し始める。この結果、補助巻線Nbのダイオード815のカソード側の電圧が降下し、逆方向に電圧が発生する。
二次巻線Nsにはダイオード820が導通する方向に電流が流れ、コンデンサ821の電圧とダイオード820の順方向電圧の和以上の電圧となったときにコンデンサ821を充電する。同時に補助巻線Nbに現れた電圧はコンデンサ818を放電する。ダイオード819はトランジスタ810のベース−エミッタ間の逆方向耐圧以上に電圧が印加されないよう保護のために接続されている。抵抗816、ダイオード815はコンデンサ818を放電する方向に電流を流し、抵抗817による放電よりも高速に放電するために接続している。このようになるとトランジスタ810はオフするため、スイッチング素子807のゲート電圧はこの後、起動抵抗805により供給される電流と、抵抗811とコンデンサ812を介して供給される補助巻線Nbに流れ込む電流により決まるようになる。スイッチング素子807のオフを高速化するために抵抗841とダイオード842を接続している。
【0061】
スイッチング素子807がオフの期間、トランス804に蓄えられたエネルギーは、コンデンサ821に移動するため,時間とともにNs巻線の電圧が減少する。Ns巻線電圧は補助巻線Nbの出力電圧にも反映されるためNb巻線のダイオード819アノード端子側の電圧も小さくなる。起動抵抗805より流入する電流によりバイアスされてスイッチング素子807のゲート電圧が上昇してくる。
【0062】
スイッチング素子807のゲート電圧が閾値よりも高くなると、スイッチング素子807はオンし、Np巻線にコンデンサ803からトランス804を介し、スイッチング素子807を通ってコンデンサ803の−端子の方向に電流が流れる。またNb巻線には,Nb巻線よりコンデンサ812、抵抗811、抵抗808、Nb巻線といった方向に電流が流れるためスイッチング素子807のゲート電圧がさらに上昇する。そうして前述したようにNb巻線の電圧と抵抗817によりコンデンサ818が充電され、トランジスタ810をオンすることでスイッチング素子807がオフする。
【0063】
以上のような一連の発振動作が継続されてスイッチング素子807のオン期間にトランス804に蓄えられたエネルギーが、スイッチング素子807のオフ期間にコンデンサ821に蓄えられ、コンデンサ821の両端電圧は上昇していく。
【0064】
コンデンサ821の電圧は抵抗824と825により分圧され、抵抗825の両端電圧がシャントレギュレータ823の基準電圧よりも高くなると、シャントレギュレータ823はカソード−アノード間に電流を流し始め、フォトカプラのフォトダイオード814−bが発光する。
フォトカプラの受光側のトランジスタ814−aは、抵抗813とトランジスタ810のベースに接続されており、フォトカプラ814のLEDが発光するとフォトトランジスタ814−aのインピーダンスが低下する。このため、トランジスタ810がオンしてスイッチング素子807をオフする。このようにして抵抗825の両端電圧がシャントレギュレータ823の基準電圧となるようにコンデンサ821の両端電圧は制御される。
【0065】
待機モード時は、端子874がLowとされる。端子874がLowとされるとトランジスタ875がオフとなる。するとコンパレータ833の出力信号によりフォトカプラのフォトダイオード106−bの点灯を制御できるようになる。
コンパレータ833は−入力端子に出力電圧を抵抗835、抵抗834により分圧した電圧を入力する。また+入力端子には抵抗836によりバイアスされたツェナダイオード838の基準電圧を入力する。コンパレータ833は入力電圧を基準電圧と比較し、ツェナダイオード838の電圧よりも抵抗834の電圧が高い場合に出力端子をLowとする。コンパレータ833の出力端子がLowとなるとフォトカプラのフォトダイオード806−bが点灯する。するとフォトカプラのトランジスタ806−aのインピーダンスが低下しトランジスタ850がオフとなる。抵抗851は起動抵抗805よりも高い抵抗としているため、起動時のゲート電圧が低下してスイッチング素子807はオンできなくなる。抵抗851は高抵抗のため、少なくとも2つ以上の複数の抵抗を直列接続している。起動抵抗805も同様である。このままではNb巻線の電圧によってスイッチング素子807がオンしてしまう場合がある。このためにコンパレータ833の出力により、フォトカプラのLED814−bも点灯させて、フォトカプラのトランジスタ814−aのインピーダンスを低下させ、スイッチ素子807を確実にオフする構成としても良い。
【0066】
スイッチング素子807がオフとなると、端子872と端子873の間の電圧である第一のDCDCコンバータの出力電圧は降下していく。第一のDCDCコンバータ出力電圧が抵抗835と抵抗834により分圧された値がツェナダイオード838の電圧よりも低くなると、コンパレータ833がオフし、フォトカプラのLED806−b、814−bが点灯しなくなる。(なお、このときの出力電圧は実施例1で説明した第三の直流電圧となっている。)この結果トランジスタ850のインピーダンスが低下し起動電流が流れ始める。またトランジスタ810のインピーダンスが上昇してスイッチング素子807のゲート端子電圧が上昇可能になる。
【0067】
第一のDCDCコンバータが通常モード時に機能する電圧フィードバック用のシャントレギュレータ823のカソード−アノード間は第一のDCDCコンバータ出力電圧が低下しているためハイインピーダンスとなっている。このためフォトカプラのLED814−bは点灯しない。
【0068】
従ってスイッチング素子807は電源起動時と同じく、最大オン時間で駆動される。
実施例1ではシャントレギュレータに入力する抵抗の分圧比を待機/通常モードで切り替える構成であった。しかしながらRCC方式で同様に構成すると待機モード時の周波数がはるかに高い周波数になってしまう。するとスイッチング損失が大きくなり、かえって効率を低下させていた。
【0069】
第一のDCDCコンバータがRCC回路により構成される場合には、本実施例のようにすることで待機モード時の低電圧出力時、起動抵抗に接続したトランジスタ850をスイッチング動作させるので起動抵抗による損失も低減することが可能となる。従って、さらなる電源装置の効率の向上を図ることが可能となる。
【実施例5】
【0070】
実施例5である“レーザビームプリンタ”について説明する。本実施例は、実施例4で説明したRCC方式の電源装置をレーザビームプリンタに適用する場合について説明する。実施例4と共通する部分については同一の符号を示して説明は省略し、本実施例の特徴部のみを説明する。
【0071】
本実施例における第一のDCDCコンバータの動作を説明する。
図9は、本実施例のレーザビームプリンタにおける、第一のDCDCコンバータおよび第二のDCDCコンバータの構成を示す回路図である。図9において、FET927より左側が第一のDCDCコンバータ部分であり、FET927を含む右側が第二のDCDCコンバータ部分である。
図9において、927は第二のDCDCコンバータのメインスイッチングFET、928はインダクタ、929は回生ダイオード、930はコンデンサ、926、934〜937は抵抗、938はツェナダイオードである。また、939は抵抗、932および933はコンパレータである。
【0072】
まず、通常時の動作説明を行う。コンパレータ932はツェナダイオード938の電圧を基準電圧として、抵抗934および939で分圧された電圧と比較する。ツェナダイオード938の電圧よりも抵抗939の電圧が低くなると、コンパレータ932の出力はLowとなるため、FET927のゲート電圧が低下しFET927はオンする。このためインダクタ928に電流が流れコンデンサ930を充電しコンデンサ両端電圧が上昇する。次に電圧が上昇して抵抗939の電圧がツェナダイオード938の電圧よりも高くなるとコンパレータ932の出力がHighとなるためFET927はゲート電圧が高くなりFET927はオフとなる。インダクタ928はさらに電流を流し続けようとするためダイオード929がオンしインダクタ928に蓄えられたエネルギーをコンデンサ930に充電する。このときダイオード980が導通しコンパレータ932の+入力端子の電圧を低くするためコンパレータ932は反転動作を行ってFET927をオンにする。以上のような一連の動作を繰り返すことにより、図示の第一のDCDCコンバータは発振を継続している。
【0073】
図10にレーザプリンタの制御部から電源装置への省エネルギーモード信号ラインの接続図を示す。図10において、188が制御回路の出力トランジスタ、190がCPU、もしくはASICからなる制御回路である。185〜187、271,272は抵抗である。FET270を用いたロードスイッチで駆動系(+24V)の出力をオンオフしている。FET270のドレインは、図9のD端すなわち駆動系電源に接続されている。このように構成することで、制御回路190出力がHighの時には出力トランジスタ188はローインピーダンスとなってロードスイッチであるFET270がオンする。また、制御回路190出力がLowとなることで出力トランジスタ188はハイインピーダンス状態となりロードスイッチであるFET270がオフする。
【0074】
省エネルギーモードに入る場合の動作について、図11のフローチャートに基づき説明する。省エネルギーモード時、制御回路190からの信号は、第一の直流電圧の供給を停止するためステップ11(図ではS11と略記する、以下同様)で出力トランジスタ188をオフし抵抗272より出力されているゲート端子をHighもしくはハイインピーダンス状態とする。このようになると、ロードスイッチのFET270がオフするため、第一のDCDCコンバータは第一の直流電圧を端子171から電源外部に出力しなくなる。
【0075】
然る後にステップ12で端子184がローになり省エネルギーモード信号が端子174から図9に示す電源装置に入力されると、トランジスタ175がオフしてフォトカプラのLED906−bに電流が流れる状態になり、電源のコンパレータ933の動作が有効になる。コンパレータ933は、抵抗935と937の分圧電圧をツェナダイオード938の電圧と比較するように構成されている。コンパレータ933は、抵抗937の電圧がツェナダイオード938の電圧よりも高い状態でオン状態となり、フォトカプラ906−bのLEDに電流を流しLEDを発光させる。フォトカプラ906の受光側のトランジスタ906−aは、トランジスタ850のベースエミッタ間に接続されており、フォトカプラ906のLED発光によりトランジスタ850をオフ、LED消灯によりトランジスタ850をオンとする。このようにして第二のDCDCコンバータの出力電圧が第三の直流電圧となるように第一のDCDCコンバータの起動抵抗805とスイッチング素子807をオン,オフする。このようにすることで、第二のDCDCコンバータのフィードバック回路は常に出力電圧が目標値以下の値となっているためにFET927をオンし続けるよう動作する。このようにして第二のDCDCコンバータのFET927をオン固定としてスイッチング損失が発生しなくなり、第二のDCDCコンバータでの損失はFET927とインダクタ928の抵抗分による損失だけとなる。同時に第一のDCDCコンバータは3.3Vの増減にあわせた長い周期での休止が入ることになるためスイッチング損失が減少して電源効率が飛躍的に上昇する。
【0076】
次に省エネルギーモードからの復帰について図12に基づき説明する。ステップ21で端子184をHighにすることで、トランジスタ175をオンし、コンパレータ933による起動抵抗805とFET907の制御が停止し、第一のDCDCコンバータ出力電圧が第一の直流電圧(+24V)に向かって上昇を始める。ステップ22で第一のDCDCコンバータ出力電圧が第一の直流電圧に達する頃まで数ms待ち合わせた後に、ステップ23で出力トランジスタ188をオンする。すると、ロードスイッチであるFET270がオンして端子171から駆動系の負荷に第一の直流電圧が供給される。なお駆動系の負荷で中途半端な電圧が加わって誤動作するような素子が無ければロードスイッチであるFET270も無くして第一の直流電圧をオンオフしないようにしても良い。
【0077】
以上説明したように本実施例によれば、レーザビームプリンタに本発明に係る電源装置を適用した構成において、待機モード時の電源装置の効率を向上することができる。
【符号の説明】
【0078】
702 整流ダイオード
703 一次平滑コンデンサ
711 スイッチングトランス
720 二次整流ダイオード
728 二次平滑コンデンサ
732 スイッチング素子
746 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源より直流電圧を得る電源装置において、
前記交流電源に接続して該交流電圧を整流および平滑する整流平滑手段と、
前記整流平滑手段からの直流電圧を変換して第一の直流電圧を出力する第一のDCDCコンバータと、
前記第一のDCDCコンバータからの前記第一の直流電圧を受けて、スイッチング手段のスイッチング動作により前記第一の直流電圧よりも低い第二の直流電圧を出力する第二のDCDCコンバータと、
前記第一のDCDCコンバータの出力電圧を前記第一の直流電圧から前記第二の直流電圧よりも低い第三の直流電圧にするとともに、前記第二のDCDCコンバータの前記スイッチング手段を連続導通状態で駆動する状態に移行する状態移行手段と
を有することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記状態移行手段は、前記第一のDCDCコンバータ出力電圧を検出してフィードバックを行う誤差増幅器の基準電圧または検出した電圧を分圧する抵抗を切り替える手段によって、前記第一のDCDCコンバータの出力電圧を前記第一の直流電圧から前記第三の直流電圧にすることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記状態移行手段は、前記第二のDCDCコンバータの出力電圧が前記第三の直流電圧となるように前記第一のDCDCコンバータを制御する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項4】
前記第一のDCDCコンバータは起動抵抗を有するRCC方式の電源装置により構成され、
前記第一のDCDCコンバータの出力電圧を前記第二の直流電圧よりも低い前記第三の直流電圧にするための、前記起動抵抗をスイッチング動作させる手段を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電源装置。
【請求項5】
前記第一のDCDCコンバータの出力電圧である前記第一の直流電圧を負荷へ供給または停止するロードスイッチを有し、
前記ロードスイッチをオフして前記負荷への前記第一の直流電圧の供給を停止した後に、前記第一のDCDCコンバータの出力電圧を前記第三の直流電圧に低下させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電源装置。
【請求項6】
前記第一のDCDCコンバータの出力電圧である前記第一の直流電圧を負荷へ供給または停止するロードスイッチを有し、
前記ロードスイッチをオンする際に、前記第一のDCDCコンバータの出力電圧を前記第一の直流電圧に復帰させた後に前記ロードスイッチをオンすることを特徴とした請求項1ないし5のいずれかに記載の電源装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の電源装置を備え、前記第一のDCDCコンバータの出力を駆動系の負荷に供給し、前記第二のDCDCコンバータの出力を制御系の負荷に供給することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−102689(P2013−102689A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−29413(P2013−29413)
【出願日】平成25年2月18日(2013.2.18)
【分割の表示】特願2008−318322(P2008−318322)の分割
【原出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】