電源装置
【課題】電力貯蔵装置や発電設備等に使用される電源装置において、系統の電圧上昇を抑制すると同時に、過剰電力の再利用や発電設備による発電電力を有効利用することを目的とする。
【解決手段】フルブリッジコンバータ5、及びフルブリッジインバータ6、コンデンサ7、直列変圧器10、主回路制御部11を備えた電圧安定化装置1に対し、蓄電手段12を具備することで、負荷に対して安定した電圧にて電力供給すると共に、電圧安定化のための過剰な電力でかつ交流電源8の電圧が高い場合、蓄電手段12へ過剰電力を充電することができる効果が得られる。
【解決手段】フルブリッジコンバータ5、及びフルブリッジインバータ6、コンデンサ7、直列変圧器10、主回路制御部11を備えた電圧安定化装置1に対し、蓄電手段12を具備することで、負荷に対して安定した電圧にて電力供給すると共に、電圧安定化のための過剰な電力でかつ交流電源8の電圧が高い場合、蓄電手段12へ過剰電力を充電することができる効果が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ技術を利用した電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭の負荷の増加による化石燃料の枯渇、地球温暖化問題などが生じており、太陽光発電システムや節電装置、あるいは系統電圧の安定化装置などによる、クリーンエネルギーの利用や省エネルギー装置が求められている。
【0003】
従来、この種の電源装置は、発電装置の発電電力を系統側に連系する系統連系電力変換装置として、進相無効成分を含む電流を出力し、需要家負荷の消費電力を低減可能とするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、その電源装置について図16及び図17を参照しながら説明する。
【0005】
図16に示すように、系統連系インバータ101から配電系統102へ進相無効成分を含む電流Iinvを出力すると、需要家一般負荷103への供給電圧Vline=Vinvは、系統電圧Vgに系統インピーダンス104(R+j×L)における電圧降下分Vdifを加えた値となる。図17の(a)は太陽光の照射があり直流電源が配電系統102に有効電力を供給している有効電力調整モードで、系統連系インバータ101は直流電源からの直流電力を交流電力に変換し、配電系統102および需要家一般負荷103に電力供給した場合のベクトル図を示す。この運転モードでは、通常負荷電圧Vlineは系統電圧Vgより高くなる。次に図17の(b)では、系統連系インバータ101の制御を変えて同時に無効電力を配電系統102および需要家一般負荷103に供給している場合のベクトル図を示す。この場合、図に示すように、負荷電圧Vlineが系統電圧Vgより低くなり、系統インピーダンス104の定数を加味して有効電力および無効電力を適切に制御することにより、需要家一般負荷103に供給する負荷電圧Vlineをその運転可能下限電圧以上の範囲で定格電圧より低い電圧値に制御することができることとなる。よって、需要家一般負荷103への供給電圧をその定格電圧未満に制御することができ、需要家一般負荷103の消費電力を低減可能としている。
【特許文献1】特開2003−153444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の電源装置では、発電装置による発電電力が増加し、進相無効成分を含む電流出力のみでは不十分となり、系統電圧の上昇を抑制することができないという課題があり、確実に系統電圧の上昇を抑制し、かつ発電装置により発電した電力を有効に利用することが要求されている。
【0007】
また通常時、力率1制御を基本としており、系統電圧が上昇したことを検出し、フィードバック制御により系統電圧を下げるように制御しているため、制御応答性や必要以上に抑制することで、発電電力の有効利用率が低下するという課題があり、系統の保護協調と発電電力の有効利用を両立させることが要求されている。
【0008】
さらに、負荷に供給する電源電圧、及び交流電源側の電源電圧を同時に規定範囲に自動で制御することができず、負荷に供給する電源電圧が上昇し、負荷の消費電力が増加するという課題があり、系統の保護協調と同時に負荷で消費する電力量を同時に削減する電源装置が要求されている。
【0009】
また、系統電圧が規定値以上になった結果によるフィードバック制御のため、系統電圧に対する応答性に起因して発生する過渡的な電圧上昇が発生するという課題があり、規定値に到達する前に系統電圧を制御できるフィードフォワード制御が要求されている。
【0010】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、発電装置に相当する節電装置、あるいは電圧安定化装置による節約した過剰電力が増加した際であっても、過剰電力を蓄電池に充電を実施し、かつ負荷への供給電圧を最適な電圧に制御することができる電源装置を提供することを目的としている。
【0011】
また、本発明は、負荷に供給する電源電圧、及び交流電源側の電源電圧を同時に規定範囲に自動で制御することができる電源装置を提供することを目的としている。
【0012】
さらに、本発明は、系統のインピーダンスを自動で検出し、検出したインピーダンスと系統電圧から系統電圧を規定値以上に上昇させることない出力電力を判定し、系統側の電圧上昇を発生させること無く、かつ節電装置あるいは電圧安定化装置により節約した過剰電力を有効に利用することができる電源装置を提供することを目的としている。
【0013】
また、系統電圧が規定値以上になった結果によるフィードバック制御でなく、規定値に到達する前のフィードフォワード制御を行なうことができる電源装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の電源装置は上記目的を達成するために、スイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジコンバータ、及びスイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジインバータと、前記4つのアームに並列に接続したコンデンサと、交流電源と一次巻線を直列に接続し、かつフルブリッジインバータの出力からリアクトルを通して二次巻線を直列に接続した直列変圧器と、前記フルブリッジコンバータ、フルブリッジインバータを制御する主回路制御部により構成される節電装置、あるいは電圧安定化装置において、前記コンデンサに並列接続し、かつ交流電源の電圧の上下変動に応じて充放電を行なう蓄電手段を備える構成としたものである。
【0015】
この手段により、フルブリッジインバータからの過剰電力を蓄電手段に蓄電することができ、交流電源の電圧が低下した時に負荷側へ供給、あるいは交流電源側に逆潮流することができ、また負荷側の電源電圧を安定化することができる電源装置が得られる。
【0016】
また、フルブリッジコンバータの制御部と蓄電手段の充放電制御部を、相異なるコンデンサ電圧に制御する構成としたものである。
【0017】
この手段により、コンデンサ電圧の上昇、あるいは低下による制御時定数を設けることができ、蓄電手段の充放電制御とフルブリッジコンバータの電流制御を円滑に行ない、コンデンサの過電圧、過小電圧を発生させることを無くすることができる。
【0018】
さらに、蓄電手段の充電時におけるコンデンサ制御電圧を、放電時におけるコンデンサ制御電圧と相異なるようにする構成としたものである。
【0019】
この手段により、蓄電手段の充電、放電の切り換えを円滑に行なうことができる。
【0020】
また、フルブリッジコンバータの回生時のコンデンサ制御電圧は、力行時におけるコンデンサ制御電圧と相異なる電圧となるように構成したものである。
【0021】
この手段により、フルブリッジコンバータの回生、及び力行の切替制御を円滑に行ない、コンデンサの過電圧、過小電圧を発生させることを無くすることができる。
【0022】
さらに、交流電源のインピーダンスを判定するインピーダンス判定手段と、インピーダンス判定手段により判定したインピーダンスからフルブリッジコンバータの出力を制限するコンバータ出力制限手段を備える構成としたものである。
【0023】
この手段により、予め交流電源のインピーダンスが自動で検出されることとなり、交流電源側への過剰な電力出力を避けることができ、交流電源の電圧上昇を発生することを無くすることができる。
【0024】
さらに、インピーダンス判定手段は、交流電源の電圧上昇とコンバータ出力の相関から判定するように構成したものである。
【0025】
この手段により、交流電源のインピーダンスは内部演算で判定することができるため、通信による交流電源のインピーダンスを入力するなどの必要性がなく、回路構成を簡略化することができる。
【0026】
また、交流電源のインダクタンスを判定するインダクタンス判定手段と、インダクタンス判定手段により判定したインダクタンスで、フルブリッジコンバータから出力する無効電力量を制御する無効電力制御手段を備える構成としたものである。
【0027】
この手段により、交流電源のインピーダンスは内部演算で自動判定することができ、無効電力の出力を必要最小限でかつ、優れた応答性を確保することができる。
【0028】
さらに、交流電源の電源電圧を常時監視する電圧監視手段と、前記電圧監視手段により検出した電源電圧が上昇した時にフルブリッジコンバータから出力する無効電力量を制御する第二無効電力制御手段を備える構成としたものである。
【0029】
この手段により、交流電源のインピーダンスの自動判定による、無効電力出力で交流電源の電圧上昇抑制のフィードフォワード制御と、電圧監視手段により検出した電源電圧上昇からフィードバック制御とにより構成されるため、よりきめ細かで必要最小限かつ、より優れた応答性を確保することができる。
【0030】
また、フルブリッジコンバータの出力制限により生じた余剰電力を蓄電手段に蓄電する余剰電力制御手段を備える構成としたものである。
【0031】
この手段により、フルブリッジコンバータの出力制限が生じた際であっても、蓄電手段に一時的に余剰電力を蓄電でき、かつ出力制限解除あるいは出力制限値を下回った場合に蓄電してある過去の節約した過剰電力を出力することができ、節電装置あるいは電圧安定化装置により得られた過剰電力の有効利用をすることができる。
【0032】
さらに、フルブリッジコンバータの出力制限、及び蓄電手段に蓄電する余剰電力制御の限界時に、フルブリッジインバータの出力を制限するインバータ制限手段を備える構成としたものである。
【0033】
この手段により、フルブリッジコンバータの出力制限、及び蓄電池が満充電に近い状態となった場合であっても節約する過剰電力を制限することで、交流電源の電源電圧を規定範囲内で運用することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、スイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジコンバータ、及びスイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジインバータと、前記4つのアームに並列に接続したコンデンサと、交流電源と一次巻線を直列に接続し、かつフルブリッジインバータの出力からリアクトルを通して二次巻線を直列に接続した直列変圧器と、前記フルブリッジコンバータ、フルブリッジインバータを制御する主回路制御部により構成される節電装置、あるいは電圧安定化装置において、前記コンデンサに並列接続し、かつ交流電源の電圧の上下変動に応じて充放電を行なう蓄電手段を備える構成とすることで、フルブリッジインバータからの過剰電力を蓄電手段に蓄電することができ、交流電源の電圧が低下した時に負荷側へ供給、あるいは交流電源側に逆潮流することができ、交流電源の電圧を最適電圧に制御することができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0035】
また、フルブリッジコンバータの制御部と蓄電手段の充放電制御部を、相異なるようにコンデンサ電圧に制御する構成とすることで、コンデンサ電圧の上昇、あるいは低下による制御時定数を設けることができ、蓄電手段の充放電制御とフルブリッジコンバータの電流制御を円滑に行ない、コンデンサの過電圧、過小電圧を発生させることを無くすることができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0036】
さらに、蓄電手段の充電時におけるコンデンサ制御電圧を、放電時におけるコンデンサ制御電圧と相異なる電圧に制御する構成とすることで、蓄電手段の充電、放電の切り換えを円滑に行なうことができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0037】
また、フルブリッジコンバータの回生時のコンデンサ制御電圧は、力行時におけるコンデンサ制御電圧と相異なる電圧となるように制御する構成とすることで、蓄電手段の充放電指令をコンデンサの電圧で代用することができ、通信手段を必要とせず、構成を簡略化することができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0038】
さらに、交流電源のインピーダンスを判定するインピーダンス判定手段と、インピーダンス判定手段により判定したインピーダンスからフルブリッジコンバータの出力を制限するコンバータ出力制限手段を備える構成とすることで、予め交流電源のインピーダンスが既知であるため、過剰な逆潮流を避けることができ、交流電源の電圧上昇を発生することを無くすることができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0039】
また、交流電源の電圧上昇、あるいは低下を未然に防止するフィードフォワード制御手段は、インピーダンス判定手段とコンバータ出力制限手段による構成とすることで、系統電圧が規定値以上になった結果によるフィードバック制御でなく、規定値に到達する前のフィードフォワード制御を行なうことができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0040】
また、インピーダンス判定手段は、交流電源の電圧上昇とコンバータ出力の相関から判定するように構成することで、交流電源のインピーダンスは内部演算で判定することができるため、回路構成を簡略化することができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0041】
さらに、交流電源のインダクタンスを判定するインダクタンス判定手段と、インダクタンス判定手段により判定したインダクタンスで、フルブリッジコンバータから出力する無効電力量を制御する無効電力制御手段を備える構成とすることで、交流電源のインピーダンスは内部演算で自動判定することができ、無効電力の出力を必要最小限でかつ、優れた応答性を確保することができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0042】
さらにフルブリッジコンバータの出力制限により生じた余剰電力を蓄電手段に蓄電する余剰電力制御手段を備える構成とすることで、フルブリッジコンバータの出力制限が生じた際であっても、蓄電手段に一時的に余剰電力を蓄電でき、かつ出力制限解除あるいは出力制限値を下回った場合に蓄電してある過去の節約した過剰電力を出力することができ、節電装置あるいは電圧安定化装置により得られた節約した過剰電力の有効利用をすることができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0043】
また、フルブリッジコンバータの出力制限、及び蓄電手段に蓄電する余剰電力制御の限界時に、フルブリッジインバータの出力を制限するインバータ制限手段を備える構成とすることで、交流電源側への出力が不可で、かつ蓄電池が満充電に近い状態となった場合であってもフルブリッジインバータの電力を制限することで、交流電源の電源電圧を規定範囲内で運用することができるという効果のある電源装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明の請求項1記載の発明は、スイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジコンバータ、及びスイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジインバータと、前記4つのアームに並列に接続したコンデンサと、交流電源と一次巻線を直列に接続し、かつフルブリッジインバータの出力からリアクトルを通して二次巻線を直列に接続した直列変圧器と、前記フルブリッジコンバータ、フルブリッジインバータを制御する主回路制御部により構成される節電装置、あるいは電圧安定化装置において、前記コンデンサに並列接続し、かつ交流電源の電圧の上下変動に応じて充放電を行なう蓄電手段を備える構成としたものであり、フルブリッジインバータからの過剰電力を蓄電手段に蓄電することができ、交流電源の電圧が低下した時に負荷側へ供給、あるいは交流電源側に逆潮流することができるという作用を有する。
【0045】
また、フルブリッジコンバータの制御部と蓄電手段の充放電制御部を、相異なるコンデンサ電圧に制御する構成としたものであり、コンデンサ電圧の上昇、あるいは低下による制御時定数を設けることができ、蓄電手段の充放電制御とフルブリッジコンバータの電流制御を円滑に行ない、コンデンサの過電圧、過小電圧を発生させることを無くすることができるという作用を有する。
【0046】
さらに、蓄電手段の充電時におけるコンデンサ制御電圧を、放電時におけるコンデンサ制御電圧と相異なる電圧に制御する構成としたものであり、蓄電手段の充電、放電の切り換えを円滑に行なうことができるという作用を有する。
【0047】
また、フルブリッジコンバータの回生時のコンデンサ制御電圧を、力行時におけるコンデンサ制御電圧と相異なる電圧となるように制御する構成としたものであり、蓄電手段の充放電指令をコンデンサの電圧で代用することができ、通信手段を必要とせず、構成を簡略化することができるという作用を有する。
【0048】
さらに、交流電源のインピーダンスを判定するインピーダンス判定手段と、インピーダンス判定手段により判定したインピーダンスからフルブリッジコンバータの出力を制限するコンバータ出力制限手段を備える構成としたものであり、予め交流電源のインピーダンスが既知であるため、過剰な逆潮流を避けることができ、交流電源の電圧上昇を発生することを無くすることができるという作用を有する。
【0049】
また、交流電源の電圧上昇、あるいは低下を未然に防止するフィードフォワード制御手段は、インピーダンス判定手段とコンバータ出力制限手段による構成としたものであり、系統電圧が規定値以上になった結果によるフィードバック制御でなく、規定値に到達する前のフィードフォワード制御を行なうことができるという作用を有する。
【0050】
さらに、インピーダンス判定手段は、交流電源の電圧上昇とコンバータ出力の相関から判定するように構成したものであり、交流電源のインピーダンスは内部演算で判定することができるため、回路構成を簡略化することができるという作用を有する。
【0051】
また、交流電源のインダクタンスを判定するインダクタンス判定手段と、インダクタンス判定手段により判定したインダクタンスで、フルブリッジコンバータから出力する無効電力量を制御する無効電力制御手段を備える構成としたものであり、交流電源のインピーダンスは内部演算で自動判定することができ、無効電力の出力を必要最小限でかつ、優れた応答性を確保することができるという作用を有する。
【0052】
また、フルブリッジコンバータの出力制限により生じた余剰電力を蓄電手段に蓄電する余剰電力制御手段を備える構成としたものであり、フルブリッジコンバータの出力制限が生じた際であっても、蓄電手段に一時的に余剰電力を蓄電でき、かつ出力制限解除あるいは出力制限値を下回った場合に蓄電してある過去の節約した過剰電力を出力することができ、節電装置あるいは電圧安定化装置により節約した過剰電力の有効利用をすることができるという作用を有する。
【0053】
さらに、フルブリッジコンバータの出力制限、及び蓄電手段に蓄電する余剰電力制御の限界時に、フルブリッジインバータの出力を制限するインバータ制限手段を備える構成としたものであり、フルブリッジコンバータの出力制限、及び蓄電池が満充電に近い状態となった場合であってもフルブリッジインバータの電力を制限することで、交流電源の電源電圧を規定範囲内で運用することができるという作用を有する。
【0054】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0055】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1における電源装置の構成図を示す。
【0056】
図に示すように、負荷側への供給電圧を制御する負荷電圧制御手段としての電圧安定化装置1は、スイッチング素子2と逆並列したダイオード3を上下に直列接続した2つのアーム4aから4bにより構成したフルブリッジコンバータ5、及びスイッチング素子2と逆並列したダイオード3を上下に直列接続した2つのアーム4cから4dにより構成したフルブリッジインバータ6と、前記4つのアーム4aから4dに並列に接続したコンデンサ7と、交流電源8と一次巻線を直列に接続し、かつフルブリッジインバータ6の出力からリアクトル9を通して二次巻線を直列に接続した直列変圧器10と、前記フルブリッジコンバータ5、フルブリッジインバータ6を制御する主回路制御部11により構成される。また電圧安定化装置1のコンデンサ7と並列に、交流電源8の電源電圧が上昇した際には充電し、電源電圧が低下した際には放電制御を行なう交流電源8の電圧を制御する系統電圧制御手段としての蓄電手段12を備えている。
【0057】
次に図2に、主回路制御部11の制御フローチャートを示す。
【0058】
図に示すように、主回路制御部11のフルブリッジインバータ6の制御は、負荷に供給する電源電圧を入力し、設定電圧との偏差を算出する。設定電圧との偏差をPI制御器に入力し、フルブリッジインバータ6の出力電圧を演算する。また、主回路制御部11のフルブリッジコンバータ5の制御は、コンデンサ7の電圧を一定に制御するよう構成している。コンデンサ7の電圧を入力し、コンデンサ7の目標電圧との差分値からPI制御を行なうことで、コンデンサ7の電圧が一定となるように制御する。交流電源8への電流出力の指令値は、前記コンデンサ7の電圧Vtと目標電圧Vt*との偏差をPI制御器に入力することで指令値として計算する。この時の目標電圧Vt*は、力行時をVta*とし、回生時をVtb*としており、Vta*はVtb*より低い電圧となる。
【0059】
次に、電圧安定化装置1としての動作について、図3を参照しながら説明する。図において、フルブリッジインバータ6の出力端にはリアクトル9を通して直列変圧器10が接続されており、直列変圧器10の一次巻線、二次巻線の巻数比はN1対N2としていることから、直列変圧器10の一次巻線側の電圧は、フルブリッジインバータ6の出力電圧のN1/N2倍の電圧となる。従って、交流電源8の電圧位相と一次巻線側の電圧位相が同相であった場合、交流電源8の電源電圧から一次巻線の電圧を差し引いた電圧が負荷に印加されることとなる。逆に交流電源8の電圧位相と一次巻線側の電圧位相が逆相であれば、交流電源8の電源電圧に一次巻線の電圧を加算した電圧が負荷に印加されることとなる。従って、負荷への供給する設定電圧と、交流電源8の相関によって、フルブリッジインバータ6の目標電圧を決定することとなる。フルブリッジコンバータ5はコンデンサ7の電圧を一定となるように制御すると同時に、負荷へ供給する設定電圧が交流電源8の電源電圧より低い場合は交流電源8に力率1で電流出力する。また、フルブリッジコンバータ5は、負荷へ供給する設定電圧が交流電源8の電源電圧より高い場合は、交流電源8に力率1で電流を引き込む制御を基本とする。
【0060】
次に、蓄電手段12の制御フローチャートについて図4を参照しながら説明する。
【0061】
蓄電手段12は、鉛蓄電池12aと双方向コンバータ12bにより構成されており、コンデンサ7の電圧Vtと蓄電手段12の制御に使用する目標電圧Vt2*との偏差をPI制御器に入力することで、充放電電流指令値を計算する。この時、蓄電手段12の充電時の目標電圧Vcha*は、放電時の目標電圧Vdis*より高い電圧に設定している。またフルブリッジコンバータ5によるコンデンサ7の目標電圧Vt*は、Vcha*とVdis*の間の電圧に設定している。この充放電の目標電圧をVcha*、Vdis*で分離することで、交流電源8の電源電圧の上下変動に応じて、充放電の制御を行なうこととなる。
【0062】
以上のように、本実施の形態1によれば、負荷に対して安定した電圧にて電力供給すると共に、電圧安定化のための過剰な電力でかつ交流電源8の電圧が高い場合、蓄電手段12へ過剰電力を充電することができる。また、電圧安定化のための不足電力が生じ、交流電源8の電圧が低い場合、蓄電手段12から不足電力を放電することができる。また、コンデンサ7の電圧は、フルブリッジコンバータ5の目標電圧と、蓄電手段12の目標電圧を相異なる電圧に制御することで、コンデンサ電圧の上昇、あるいは低下による制御時定数を設けることができ、蓄電手段の充放電制御とフルブリッジコンバータの電流制御を円滑に行ない、コンデンサの過電圧、過小電圧を発生させることを無くすることができる。また、力行時は、コンデンサ7の目標電圧は低くし、回生時は高くすることで、蓄電手段12はフルブリッジコンバータ5及びフルブリッジインバータ6の制御部の力行回生動作をコンデンサ7の電圧監視で判別することができる。
【0063】
なお、本実施の形態においては、蓄電手段12の蓄電媒体として鉛蓄電池としたが、電気二重層コンデンサ、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等であってもよい。
【0064】
(実施の形態2)
図5は、本実施の形態2における電源装置の構成図を示す。
【0065】
図に示すように、電圧安定化装置1には、交流電源8のインピーダンスを検出判定するインピーダンス判定手段13及び検出したインピーダンスによりフルブリッジコンバータ5から交流電源8に出力する電力の制限を行なうコンバータ出力制限手段14を備えている。
【0066】
図6にインピーダンス判定手段13のフローチャートを示す。図に示すように、インピーダンス判定手段13は、フルブリッジコンバータ5からの出力電流を最大Iwとするように主回路制御部11へ出力有効電流Iwを指令する。フルブリッジコンバータ5の出力有効電流Iw時の交流電源8の電源電圧V1を検出、及び記憶する。次にインピーダンス判定手段13は、主回路制御部11へ出力電流に力率を0.85まで変動させ、有効電流はIwで、かつ無効電流Iqを同時に出力するようフルブリッジコンバータ5に指令を出力する。この時の変動した交流電源8の電源電圧V2を検出する。次にフルブリッジコンバータ5の出力をゼロとし、その時の交流電源8の電源電圧Voを検出する。この時、Vo、V1、V2、Iw、Iqの関係は、交流電源8のインピーダンスをRs+jXsとすると、数式1にて連立方程式が成立する。数式1をRs、Xsについて解くと、数式2を導くことができる。
【0067】
【数1】
【0068】
【数2】
【0069】
さらに、求めたRs、Xsと交流電源8の許容できる最大電圧Vmaxと、フルブリッジコンバータ5からの出力がゼロの時の交流電源8の電源電圧Voから、フルブリッジコンバータ5から回生できる電流最大値Iw_maxは、数式3にて演算することができる。
【0070】
【数3】
【0071】
次にコンバータ出力制限手段14のフローチャートについて図7を参照しながら説明する。図に示すように、コンバータ出力制限手段14は、インピーダンス判定手段13により演算した回生できる電流最大値Iw_maxを入力する。入力した電流最大値Iw_maxとフルブリッジコンバータ5の出力定格電流Icon_maxを比較する。何れか低い電流値を最大出力電流リミッタとして主回路制御部11に設定値を出力する。
【0072】
以上のように、本実施の形態2によれば、インピーダンス判定手段13により交流電源8のインピーダンスを検出判定することができる。また、インピーダンス判定手段13により検出判定した交流電源8のインピーダンスから、フルブリッジコンバータ5から回生できる電流最大値を演算し、コンバータ出力制限手段14により出力電流をリミットすることとなる。この出力電流リミットにより、過剰な逆潮流を避けることができ、交流電源8の電圧上昇の発生を無くすることができる。
【0073】
(実施の形態3)
図8は、本実施の形態3における電源装置の構成図を示す。
【0074】
図に示すように、実施の形態3における電源装置は、交流電源8のインダクタンスを判定するインダクタンス判定手段15と、インダクタンス判定手段15により判定したインダクタンスで、フルブリッジコンバータ5から無効電力を出力する無効電力制御手段16を備えている。
【0075】
図9にインダクタンス判定手段15のフローチャートを示す。図に示すように、インダクタンス判定手段15は、フルブリッジコンバータ5からの出力電流を最大Iwとするように主回路制御部11へ出力有効電流Iwを指令する。フルブリッジコンバータ5の出力有効電流Iw時の交流電源8の電源電圧V1を検出、及び記憶する。次にインダクタンス判定手段15は、主回路制御部11へ出力電流に力率を0.85まで変動させ、有効電流はIwで、かつ無効電流Iqを同時に出力するようフルブリッジコンバータ5に指令を出力する。この時の変動した交流電源8の電源電圧V2を検出する。次にフルブリッジコンバータ5の出力をゼロとし、その時の交流電源8の電源電圧Voを検出する。この時、Vo、V1、V2、Iw、Iqの関係は、交流電源8のインピーダンスをRs+jXsとすると、数式4にて連立方程式が成立する。数式4をXsについて解くと、数式5を導くことができる。
【0076】
【数4】
【0077】
【数5】
【0078】
さらに、求めたRs、Xsと交流電源8の許容できる最大電圧Vmaxと、フルブリッジコンバータ5からの出力がゼロの時の交流電源8の電源電圧Voから、力率0.85とした場合の無効電力の最大値Iq_maxを計算する。
【0079】
次に、無効電力制御手段16のフローチャートについて、図10を参照しながら説明する。図に示すように、無効電流Iq_maxは、力率0.85のためIw_maxに定数0.62を乗じた値となる。これにより、無効電力制御手段16は、無効電力の最大値Iq_maxと有効電力の最大値Iw_maxとのベクトル和が、フルブリッジコンバータ5の定格電流を超えていないか判定する。判定した結果、定格電流を超えていれば、ベクトル和を定格電流に更新し、更に定格電流に0.85を乗じた値をIw_max、更新したIw_maxに0.62を乗じた値をIq_maxに更新する。
【0080】
以上のように、本実施の形態3によれば、インダクタンス判定手段15により交流電源8のインダクタンスを検出判定することができる。また、インダクタンス判定手段15により検出判定した交流電源8のインダクタンスから、フルブリッジコンバータ5から回生できる電流最大値を演算し、無効電力制御手段16により出力電流をリミットすることとなる。この出力電流リミットにより、過剰な逆潮流を避けることができると同時に、無効電力の出力を必要最小限とし、交流電源8の電圧上昇の発生を無くすることができる。
【0081】
(実施の形態4)
図11は、本実施の形態4における電源装置の構成図を示す。
【0082】
図に示すように、実施の形態4における電源装置は、交流電源8の電源電圧を常時監視する電圧監視手段17としての電圧センサ17aと電圧センサ17aによる検出信号を電圧値に変換する電圧変換部17bと、前記電圧監視手段17により検出した電源電圧が上昇した時にフルブリッジコンバータ5から無効電力を出力する第二無効電力制御手段18を備える構成としている。
【0083】
次に、第二無効電力制御手段18の制御ブロックについて、図12を参照しながら説明する。図に示すように、第二無効電力制御手段18は、交流電源8のインピーダンスの自動判定による無効電力出力で交流電源8の電圧上昇抑制のフィードフォワード制御部と、電圧監視手段17により検出した電源電圧上昇から制御を行なうフィードバック制御部とにより構成している。インピーダンスの自動判定によるフィードフォワード制御により、定常出力制限を行ない、電圧監視手段17により検出した電源電圧上昇からフィードバック制御により、過渡制限を行なうこととなる。
【0084】
以上のように、本実施の形態4によれば、電圧監視手段17と第二無効電力制御手段18とにより、交流電源8の電源電圧上昇を抑制することができる。このフィードフォワード制御、及びフィードバック制御により、よりきめ細かで必要最小限かつ、より優れた無効電力制御の応答性を確保することができることとなる。
【0085】
(実施の形態5)
図13は、本実施の形態4における電源装置の構成図を示す。
【0086】
図に示すように、実施の形態4における電源装置は、フルブリッジコンバータ5の出力制限により生じた余剰電力を、蓄電手段12に蓄電する余剰電力制御手段19と、フルブリッジコンバータ5の出力制限、及び蓄電手段12に蓄電する余剰電力制御の限界時に、電圧安定化装置1の節約する過剰電力を制限するインバータ制限手段20を備える構成としている。
【0087】
次に、余剰電力制御手段19の制御ブロックについて、図14を参照しながら説明する。
【0088】
図に示すように、余剰電力制御手段19は、フルブリッジコンバータ5の出力指令を入力する。入力した出力指令をPI制御器に入力し、蓄電手段12に蓄電する充電電流指令値のフィードフォワード項を算出する。次に、コンデンサ7の電圧情報を入力し、コンデンサ7の電圧を一定電圧Vconに保つようにPI制御器へ入力し、蓄電手段12に蓄電する充電電流指令値のフィードバック項を算出する。算出した、フィードフォワード項及びフィードバック項を加算することで最終的な充電電流指令値を算出する。また、余剰電力制御手段19により放電側に電流指令値が計算された場合は、放電指令として電流制御を行なうこととなる。
【0089】
次に、インバータ制限手段20のフローチャートについて、図15を参照しながら説明する。図に示すように、インバータ制限手段20は、フルブリッジコンバータ5の指令電流値を入力し、さらにフルブリッジコンバータ5の定格電流値を比較する。比較した結果、定格電流値を上回る場合、フルブリッジインバータ6の電圧指令値を下げるように制御する。
【0090】
以上のように、本実施の形態5によれば、フルブリッジコンバータ5の出力制限が生じた際であっても、蓄電手段12に一時的に余剰電力を蓄電でき、かつ出力制限解除あるいは出力制限値を下回った場合に蓄電してある過去の節約した過剰電力を出力することができ、電圧安定化装置1により得られた節約した過剰電力の有効利用をすることができることとなる。また、フルブリッジコンバータ5の出力制限、及び蓄電池が満充電に近い状態となった場合であっても節約する過剰電力を制限することで、交流電源8の電源電圧を規定範囲内で運用することができることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
太陽電池や燃料電池を用いた発電手段を、コンデンサに対して並列接続したシステムに対して、蓄電手段を用いて容易に発電電力のピークシフトができるため、発電電力の平準化あるいは負荷の平準化が必要となる家庭向けにも適用でき、また、交流電源側のインピーダンスを自動判定することにより、系統連系の際の出力抑制を未然に予測することができるため、系統側との調和を図る必要のある集中連系の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態1の電源装置の構成図
【図2】同主回路制御部11の制御フローチャート
【図3】同電圧安定化装置1としての動作説明図
【図4】同蓄電手段12の制御フローチャート
【図5】本発明の実施の形態2の電源装置の構成図
【図6】同インピーダンス判定手段13のフローチャート
【図7】同コンバータ出力制限手段14のフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3の電源装置の構成図
【図9】同インダクタンス判定手段15のフローチャート
【図10】同無効電力制御手段16のフローチャート
【図11】本発明の実施の形態4の電源装置の構成図
【図12】同第二無効電力制御手段18の制御ブロック図
【図13】本発明の実施の形態5の電源装置の構成図
【図14】同余剰電力制御手段19の制御ブロック図
【図15】同インバータ制限手段20のフローチャート
【図16】従来の電源装置(系統連系インバータ)のブロック図
【図17】同供給電圧制御時のベクトル図
【符号の説明】
【0093】
1 電圧安定化装置
2 スイッチング素子
3 ダイオード
4 アーム
5 フルブリッジコンバータ
6 フルブリッジインバータ
7 コンデンサ
8 交流電源
9 リアクトル
10 直列変圧器
11 主回路制御部
12 蓄電手段
13 インピーダンス判定手段
14 コンバータ出力制限手段
15 インダクタンス判定手段
16 無効電力制御手段
17 電圧監視手段
18 第二無効電力制御手段
19 余剰電力制御手段
20 インバータ制限手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ技術を利用した電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭の負荷の増加による化石燃料の枯渇、地球温暖化問題などが生じており、太陽光発電システムや節電装置、あるいは系統電圧の安定化装置などによる、クリーンエネルギーの利用や省エネルギー装置が求められている。
【0003】
従来、この種の電源装置は、発電装置の発電電力を系統側に連系する系統連系電力変換装置として、進相無効成分を含む電流を出力し、需要家負荷の消費電力を低減可能とするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、その電源装置について図16及び図17を参照しながら説明する。
【0005】
図16に示すように、系統連系インバータ101から配電系統102へ進相無効成分を含む電流Iinvを出力すると、需要家一般負荷103への供給電圧Vline=Vinvは、系統電圧Vgに系統インピーダンス104(R+j×L)における電圧降下分Vdifを加えた値となる。図17の(a)は太陽光の照射があり直流電源が配電系統102に有効電力を供給している有効電力調整モードで、系統連系インバータ101は直流電源からの直流電力を交流電力に変換し、配電系統102および需要家一般負荷103に電力供給した場合のベクトル図を示す。この運転モードでは、通常負荷電圧Vlineは系統電圧Vgより高くなる。次に図17の(b)では、系統連系インバータ101の制御を変えて同時に無効電力を配電系統102および需要家一般負荷103に供給している場合のベクトル図を示す。この場合、図に示すように、負荷電圧Vlineが系統電圧Vgより低くなり、系統インピーダンス104の定数を加味して有効電力および無効電力を適切に制御することにより、需要家一般負荷103に供給する負荷電圧Vlineをその運転可能下限電圧以上の範囲で定格電圧より低い電圧値に制御することができることとなる。よって、需要家一般負荷103への供給電圧をその定格電圧未満に制御することができ、需要家一般負荷103の消費電力を低減可能としている。
【特許文献1】特開2003−153444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の電源装置では、発電装置による発電電力が増加し、進相無効成分を含む電流出力のみでは不十分となり、系統電圧の上昇を抑制することができないという課題があり、確実に系統電圧の上昇を抑制し、かつ発電装置により発電した電力を有効に利用することが要求されている。
【0007】
また通常時、力率1制御を基本としており、系統電圧が上昇したことを検出し、フィードバック制御により系統電圧を下げるように制御しているため、制御応答性や必要以上に抑制することで、発電電力の有効利用率が低下するという課題があり、系統の保護協調と発電電力の有効利用を両立させることが要求されている。
【0008】
さらに、負荷に供給する電源電圧、及び交流電源側の電源電圧を同時に規定範囲に自動で制御することができず、負荷に供給する電源電圧が上昇し、負荷の消費電力が増加するという課題があり、系統の保護協調と同時に負荷で消費する電力量を同時に削減する電源装置が要求されている。
【0009】
また、系統電圧が規定値以上になった結果によるフィードバック制御のため、系統電圧に対する応答性に起因して発生する過渡的な電圧上昇が発生するという課題があり、規定値に到達する前に系統電圧を制御できるフィードフォワード制御が要求されている。
【0010】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、発電装置に相当する節電装置、あるいは電圧安定化装置による節約した過剰電力が増加した際であっても、過剰電力を蓄電池に充電を実施し、かつ負荷への供給電圧を最適な電圧に制御することができる電源装置を提供することを目的としている。
【0011】
また、本発明は、負荷に供給する電源電圧、及び交流電源側の電源電圧を同時に規定範囲に自動で制御することができる電源装置を提供することを目的としている。
【0012】
さらに、本発明は、系統のインピーダンスを自動で検出し、検出したインピーダンスと系統電圧から系統電圧を規定値以上に上昇させることない出力電力を判定し、系統側の電圧上昇を発生させること無く、かつ節電装置あるいは電圧安定化装置により節約した過剰電力を有効に利用することができる電源装置を提供することを目的としている。
【0013】
また、系統電圧が規定値以上になった結果によるフィードバック制御でなく、規定値に到達する前のフィードフォワード制御を行なうことができる電源装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の電源装置は上記目的を達成するために、スイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジコンバータ、及びスイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジインバータと、前記4つのアームに並列に接続したコンデンサと、交流電源と一次巻線を直列に接続し、かつフルブリッジインバータの出力からリアクトルを通して二次巻線を直列に接続した直列変圧器と、前記フルブリッジコンバータ、フルブリッジインバータを制御する主回路制御部により構成される節電装置、あるいは電圧安定化装置において、前記コンデンサに並列接続し、かつ交流電源の電圧の上下変動に応じて充放電を行なう蓄電手段を備える構成としたものである。
【0015】
この手段により、フルブリッジインバータからの過剰電力を蓄電手段に蓄電することができ、交流電源の電圧が低下した時に負荷側へ供給、あるいは交流電源側に逆潮流することができ、また負荷側の電源電圧を安定化することができる電源装置が得られる。
【0016】
また、フルブリッジコンバータの制御部と蓄電手段の充放電制御部を、相異なるコンデンサ電圧に制御する構成としたものである。
【0017】
この手段により、コンデンサ電圧の上昇、あるいは低下による制御時定数を設けることができ、蓄電手段の充放電制御とフルブリッジコンバータの電流制御を円滑に行ない、コンデンサの過電圧、過小電圧を発生させることを無くすることができる。
【0018】
さらに、蓄電手段の充電時におけるコンデンサ制御電圧を、放電時におけるコンデンサ制御電圧と相異なるようにする構成としたものである。
【0019】
この手段により、蓄電手段の充電、放電の切り換えを円滑に行なうことができる。
【0020】
また、フルブリッジコンバータの回生時のコンデンサ制御電圧は、力行時におけるコンデンサ制御電圧と相異なる電圧となるように構成したものである。
【0021】
この手段により、フルブリッジコンバータの回生、及び力行の切替制御を円滑に行ない、コンデンサの過電圧、過小電圧を発生させることを無くすることができる。
【0022】
さらに、交流電源のインピーダンスを判定するインピーダンス判定手段と、インピーダンス判定手段により判定したインピーダンスからフルブリッジコンバータの出力を制限するコンバータ出力制限手段を備える構成としたものである。
【0023】
この手段により、予め交流電源のインピーダンスが自動で検出されることとなり、交流電源側への過剰な電力出力を避けることができ、交流電源の電圧上昇を発生することを無くすることができる。
【0024】
さらに、インピーダンス判定手段は、交流電源の電圧上昇とコンバータ出力の相関から判定するように構成したものである。
【0025】
この手段により、交流電源のインピーダンスは内部演算で判定することができるため、通信による交流電源のインピーダンスを入力するなどの必要性がなく、回路構成を簡略化することができる。
【0026】
また、交流電源のインダクタンスを判定するインダクタンス判定手段と、インダクタンス判定手段により判定したインダクタンスで、フルブリッジコンバータから出力する無効電力量を制御する無効電力制御手段を備える構成としたものである。
【0027】
この手段により、交流電源のインピーダンスは内部演算で自動判定することができ、無効電力の出力を必要最小限でかつ、優れた応答性を確保することができる。
【0028】
さらに、交流電源の電源電圧を常時監視する電圧監視手段と、前記電圧監視手段により検出した電源電圧が上昇した時にフルブリッジコンバータから出力する無効電力量を制御する第二無効電力制御手段を備える構成としたものである。
【0029】
この手段により、交流電源のインピーダンスの自動判定による、無効電力出力で交流電源の電圧上昇抑制のフィードフォワード制御と、電圧監視手段により検出した電源電圧上昇からフィードバック制御とにより構成されるため、よりきめ細かで必要最小限かつ、より優れた応答性を確保することができる。
【0030】
また、フルブリッジコンバータの出力制限により生じた余剰電力を蓄電手段に蓄電する余剰電力制御手段を備える構成としたものである。
【0031】
この手段により、フルブリッジコンバータの出力制限が生じた際であっても、蓄電手段に一時的に余剰電力を蓄電でき、かつ出力制限解除あるいは出力制限値を下回った場合に蓄電してある過去の節約した過剰電力を出力することができ、節電装置あるいは電圧安定化装置により得られた過剰電力の有効利用をすることができる。
【0032】
さらに、フルブリッジコンバータの出力制限、及び蓄電手段に蓄電する余剰電力制御の限界時に、フルブリッジインバータの出力を制限するインバータ制限手段を備える構成としたものである。
【0033】
この手段により、フルブリッジコンバータの出力制限、及び蓄電池が満充電に近い状態となった場合であっても節約する過剰電力を制限することで、交流電源の電源電圧を規定範囲内で運用することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、スイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジコンバータ、及びスイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジインバータと、前記4つのアームに並列に接続したコンデンサと、交流電源と一次巻線を直列に接続し、かつフルブリッジインバータの出力からリアクトルを通して二次巻線を直列に接続した直列変圧器と、前記フルブリッジコンバータ、フルブリッジインバータを制御する主回路制御部により構成される節電装置、あるいは電圧安定化装置において、前記コンデンサに並列接続し、かつ交流電源の電圧の上下変動に応じて充放電を行なう蓄電手段を備える構成とすることで、フルブリッジインバータからの過剰電力を蓄電手段に蓄電することができ、交流電源の電圧が低下した時に負荷側へ供給、あるいは交流電源側に逆潮流することができ、交流電源の電圧を最適電圧に制御することができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0035】
また、フルブリッジコンバータの制御部と蓄電手段の充放電制御部を、相異なるようにコンデンサ電圧に制御する構成とすることで、コンデンサ電圧の上昇、あるいは低下による制御時定数を設けることができ、蓄電手段の充放電制御とフルブリッジコンバータの電流制御を円滑に行ない、コンデンサの過電圧、過小電圧を発生させることを無くすることができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0036】
さらに、蓄電手段の充電時におけるコンデンサ制御電圧を、放電時におけるコンデンサ制御電圧と相異なる電圧に制御する構成とすることで、蓄電手段の充電、放電の切り換えを円滑に行なうことができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0037】
また、フルブリッジコンバータの回生時のコンデンサ制御電圧は、力行時におけるコンデンサ制御電圧と相異なる電圧となるように制御する構成とすることで、蓄電手段の充放電指令をコンデンサの電圧で代用することができ、通信手段を必要とせず、構成を簡略化することができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0038】
さらに、交流電源のインピーダンスを判定するインピーダンス判定手段と、インピーダンス判定手段により判定したインピーダンスからフルブリッジコンバータの出力を制限するコンバータ出力制限手段を備える構成とすることで、予め交流電源のインピーダンスが既知であるため、過剰な逆潮流を避けることができ、交流電源の電圧上昇を発生することを無くすることができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0039】
また、交流電源の電圧上昇、あるいは低下を未然に防止するフィードフォワード制御手段は、インピーダンス判定手段とコンバータ出力制限手段による構成とすることで、系統電圧が規定値以上になった結果によるフィードバック制御でなく、規定値に到達する前のフィードフォワード制御を行なうことができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0040】
また、インピーダンス判定手段は、交流電源の電圧上昇とコンバータ出力の相関から判定するように構成することで、交流電源のインピーダンスは内部演算で判定することができるため、回路構成を簡略化することができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0041】
さらに、交流電源のインダクタンスを判定するインダクタンス判定手段と、インダクタンス判定手段により判定したインダクタンスで、フルブリッジコンバータから出力する無効電力量を制御する無効電力制御手段を備える構成とすることで、交流電源のインピーダンスは内部演算で自動判定することができ、無効電力の出力を必要最小限でかつ、優れた応答性を確保することができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0042】
さらにフルブリッジコンバータの出力制限により生じた余剰電力を蓄電手段に蓄電する余剰電力制御手段を備える構成とすることで、フルブリッジコンバータの出力制限が生じた際であっても、蓄電手段に一時的に余剰電力を蓄電でき、かつ出力制限解除あるいは出力制限値を下回った場合に蓄電してある過去の節約した過剰電力を出力することができ、節電装置あるいは電圧安定化装置により得られた節約した過剰電力の有効利用をすることができるという効果のある電源装置を提供できる。
【0043】
また、フルブリッジコンバータの出力制限、及び蓄電手段に蓄電する余剰電力制御の限界時に、フルブリッジインバータの出力を制限するインバータ制限手段を備える構成とすることで、交流電源側への出力が不可で、かつ蓄電池が満充電に近い状態となった場合であってもフルブリッジインバータの電力を制限することで、交流電源の電源電圧を規定範囲内で運用することができるという効果のある電源装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明の請求項1記載の発明は、スイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジコンバータ、及びスイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジインバータと、前記4つのアームに並列に接続したコンデンサと、交流電源と一次巻線を直列に接続し、かつフルブリッジインバータの出力からリアクトルを通して二次巻線を直列に接続した直列変圧器と、前記フルブリッジコンバータ、フルブリッジインバータを制御する主回路制御部により構成される節電装置、あるいは電圧安定化装置において、前記コンデンサに並列接続し、かつ交流電源の電圧の上下変動に応じて充放電を行なう蓄電手段を備える構成としたものであり、フルブリッジインバータからの過剰電力を蓄電手段に蓄電することができ、交流電源の電圧が低下した時に負荷側へ供給、あるいは交流電源側に逆潮流することができるという作用を有する。
【0045】
また、フルブリッジコンバータの制御部と蓄電手段の充放電制御部を、相異なるコンデンサ電圧に制御する構成としたものであり、コンデンサ電圧の上昇、あるいは低下による制御時定数を設けることができ、蓄電手段の充放電制御とフルブリッジコンバータの電流制御を円滑に行ない、コンデンサの過電圧、過小電圧を発生させることを無くすることができるという作用を有する。
【0046】
さらに、蓄電手段の充電時におけるコンデンサ制御電圧を、放電時におけるコンデンサ制御電圧と相異なる電圧に制御する構成としたものであり、蓄電手段の充電、放電の切り換えを円滑に行なうことができるという作用を有する。
【0047】
また、フルブリッジコンバータの回生時のコンデンサ制御電圧を、力行時におけるコンデンサ制御電圧と相異なる電圧となるように制御する構成としたものであり、蓄電手段の充放電指令をコンデンサの電圧で代用することができ、通信手段を必要とせず、構成を簡略化することができるという作用を有する。
【0048】
さらに、交流電源のインピーダンスを判定するインピーダンス判定手段と、インピーダンス判定手段により判定したインピーダンスからフルブリッジコンバータの出力を制限するコンバータ出力制限手段を備える構成としたものであり、予め交流電源のインピーダンスが既知であるため、過剰な逆潮流を避けることができ、交流電源の電圧上昇を発生することを無くすることができるという作用を有する。
【0049】
また、交流電源の電圧上昇、あるいは低下を未然に防止するフィードフォワード制御手段は、インピーダンス判定手段とコンバータ出力制限手段による構成としたものであり、系統電圧が規定値以上になった結果によるフィードバック制御でなく、規定値に到達する前のフィードフォワード制御を行なうことができるという作用を有する。
【0050】
さらに、インピーダンス判定手段は、交流電源の電圧上昇とコンバータ出力の相関から判定するように構成したものであり、交流電源のインピーダンスは内部演算で判定することができるため、回路構成を簡略化することができるという作用を有する。
【0051】
また、交流電源のインダクタンスを判定するインダクタンス判定手段と、インダクタンス判定手段により判定したインダクタンスで、フルブリッジコンバータから出力する無効電力量を制御する無効電力制御手段を備える構成としたものであり、交流電源のインピーダンスは内部演算で自動判定することができ、無効電力の出力を必要最小限でかつ、優れた応答性を確保することができるという作用を有する。
【0052】
また、フルブリッジコンバータの出力制限により生じた余剰電力を蓄電手段に蓄電する余剰電力制御手段を備える構成としたものであり、フルブリッジコンバータの出力制限が生じた際であっても、蓄電手段に一時的に余剰電力を蓄電でき、かつ出力制限解除あるいは出力制限値を下回った場合に蓄電してある過去の節約した過剰電力を出力することができ、節電装置あるいは電圧安定化装置により節約した過剰電力の有効利用をすることができるという作用を有する。
【0053】
さらに、フルブリッジコンバータの出力制限、及び蓄電手段に蓄電する余剰電力制御の限界時に、フルブリッジインバータの出力を制限するインバータ制限手段を備える構成としたものであり、フルブリッジコンバータの出力制限、及び蓄電池が満充電に近い状態となった場合であってもフルブリッジインバータの電力を制限することで、交流電源の電源電圧を規定範囲内で運用することができるという作用を有する。
【0054】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0055】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1における電源装置の構成図を示す。
【0056】
図に示すように、負荷側への供給電圧を制御する負荷電圧制御手段としての電圧安定化装置1は、スイッチング素子2と逆並列したダイオード3を上下に直列接続した2つのアーム4aから4bにより構成したフルブリッジコンバータ5、及びスイッチング素子2と逆並列したダイオード3を上下に直列接続した2つのアーム4cから4dにより構成したフルブリッジインバータ6と、前記4つのアーム4aから4dに並列に接続したコンデンサ7と、交流電源8と一次巻線を直列に接続し、かつフルブリッジインバータ6の出力からリアクトル9を通して二次巻線を直列に接続した直列変圧器10と、前記フルブリッジコンバータ5、フルブリッジインバータ6を制御する主回路制御部11により構成される。また電圧安定化装置1のコンデンサ7と並列に、交流電源8の電源電圧が上昇した際には充電し、電源電圧が低下した際には放電制御を行なう交流電源8の電圧を制御する系統電圧制御手段としての蓄電手段12を備えている。
【0057】
次に図2に、主回路制御部11の制御フローチャートを示す。
【0058】
図に示すように、主回路制御部11のフルブリッジインバータ6の制御は、負荷に供給する電源電圧を入力し、設定電圧との偏差を算出する。設定電圧との偏差をPI制御器に入力し、フルブリッジインバータ6の出力電圧を演算する。また、主回路制御部11のフルブリッジコンバータ5の制御は、コンデンサ7の電圧を一定に制御するよう構成している。コンデンサ7の電圧を入力し、コンデンサ7の目標電圧との差分値からPI制御を行なうことで、コンデンサ7の電圧が一定となるように制御する。交流電源8への電流出力の指令値は、前記コンデンサ7の電圧Vtと目標電圧Vt*との偏差をPI制御器に入力することで指令値として計算する。この時の目標電圧Vt*は、力行時をVta*とし、回生時をVtb*としており、Vta*はVtb*より低い電圧となる。
【0059】
次に、電圧安定化装置1としての動作について、図3を参照しながら説明する。図において、フルブリッジインバータ6の出力端にはリアクトル9を通して直列変圧器10が接続されており、直列変圧器10の一次巻線、二次巻線の巻数比はN1対N2としていることから、直列変圧器10の一次巻線側の電圧は、フルブリッジインバータ6の出力電圧のN1/N2倍の電圧となる。従って、交流電源8の電圧位相と一次巻線側の電圧位相が同相であった場合、交流電源8の電源電圧から一次巻線の電圧を差し引いた電圧が負荷に印加されることとなる。逆に交流電源8の電圧位相と一次巻線側の電圧位相が逆相であれば、交流電源8の電源電圧に一次巻線の電圧を加算した電圧が負荷に印加されることとなる。従って、負荷への供給する設定電圧と、交流電源8の相関によって、フルブリッジインバータ6の目標電圧を決定することとなる。フルブリッジコンバータ5はコンデンサ7の電圧を一定となるように制御すると同時に、負荷へ供給する設定電圧が交流電源8の電源電圧より低い場合は交流電源8に力率1で電流出力する。また、フルブリッジコンバータ5は、負荷へ供給する設定電圧が交流電源8の電源電圧より高い場合は、交流電源8に力率1で電流を引き込む制御を基本とする。
【0060】
次に、蓄電手段12の制御フローチャートについて図4を参照しながら説明する。
【0061】
蓄電手段12は、鉛蓄電池12aと双方向コンバータ12bにより構成されており、コンデンサ7の電圧Vtと蓄電手段12の制御に使用する目標電圧Vt2*との偏差をPI制御器に入力することで、充放電電流指令値を計算する。この時、蓄電手段12の充電時の目標電圧Vcha*は、放電時の目標電圧Vdis*より高い電圧に設定している。またフルブリッジコンバータ5によるコンデンサ7の目標電圧Vt*は、Vcha*とVdis*の間の電圧に設定している。この充放電の目標電圧をVcha*、Vdis*で分離することで、交流電源8の電源電圧の上下変動に応じて、充放電の制御を行なうこととなる。
【0062】
以上のように、本実施の形態1によれば、負荷に対して安定した電圧にて電力供給すると共に、電圧安定化のための過剰な電力でかつ交流電源8の電圧が高い場合、蓄電手段12へ過剰電力を充電することができる。また、電圧安定化のための不足電力が生じ、交流電源8の電圧が低い場合、蓄電手段12から不足電力を放電することができる。また、コンデンサ7の電圧は、フルブリッジコンバータ5の目標電圧と、蓄電手段12の目標電圧を相異なる電圧に制御することで、コンデンサ電圧の上昇、あるいは低下による制御時定数を設けることができ、蓄電手段の充放電制御とフルブリッジコンバータの電流制御を円滑に行ない、コンデンサの過電圧、過小電圧を発生させることを無くすることができる。また、力行時は、コンデンサ7の目標電圧は低くし、回生時は高くすることで、蓄電手段12はフルブリッジコンバータ5及びフルブリッジインバータ6の制御部の力行回生動作をコンデンサ7の電圧監視で判別することができる。
【0063】
なお、本実施の形態においては、蓄電手段12の蓄電媒体として鉛蓄電池としたが、電気二重層コンデンサ、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等であってもよい。
【0064】
(実施の形態2)
図5は、本実施の形態2における電源装置の構成図を示す。
【0065】
図に示すように、電圧安定化装置1には、交流電源8のインピーダンスを検出判定するインピーダンス判定手段13及び検出したインピーダンスによりフルブリッジコンバータ5から交流電源8に出力する電力の制限を行なうコンバータ出力制限手段14を備えている。
【0066】
図6にインピーダンス判定手段13のフローチャートを示す。図に示すように、インピーダンス判定手段13は、フルブリッジコンバータ5からの出力電流を最大Iwとするように主回路制御部11へ出力有効電流Iwを指令する。フルブリッジコンバータ5の出力有効電流Iw時の交流電源8の電源電圧V1を検出、及び記憶する。次にインピーダンス判定手段13は、主回路制御部11へ出力電流に力率を0.85まで変動させ、有効電流はIwで、かつ無効電流Iqを同時に出力するようフルブリッジコンバータ5に指令を出力する。この時の変動した交流電源8の電源電圧V2を検出する。次にフルブリッジコンバータ5の出力をゼロとし、その時の交流電源8の電源電圧Voを検出する。この時、Vo、V1、V2、Iw、Iqの関係は、交流電源8のインピーダンスをRs+jXsとすると、数式1にて連立方程式が成立する。数式1をRs、Xsについて解くと、数式2を導くことができる。
【0067】
【数1】
【0068】
【数2】
【0069】
さらに、求めたRs、Xsと交流電源8の許容できる最大電圧Vmaxと、フルブリッジコンバータ5からの出力がゼロの時の交流電源8の電源電圧Voから、フルブリッジコンバータ5から回生できる電流最大値Iw_maxは、数式3にて演算することができる。
【0070】
【数3】
【0071】
次にコンバータ出力制限手段14のフローチャートについて図7を参照しながら説明する。図に示すように、コンバータ出力制限手段14は、インピーダンス判定手段13により演算した回生できる電流最大値Iw_maxを入力する。入力した電流最大値Iw_maxとフルブリッジコンバータ5の出力定格電流Icon_maxを比較する。何れか低い電流値を最大出力電流リミッタとして主回路制御部11に設定値を出力する。
【0072】
以上のように、本実施の形態2によれば、インピーダンス判定手段13により交流電源8のインピーダンスを検出判定することができる。また、インピーダンス判定手段13により検出判定した交流電源8のインピーダンスから、フルブリッジコンバータ5から回生できる電流最大値を演算し、コンバータ出力制限手段14により出力電流をリミットすることとなる。この出力電流リミットにより、過剰な逆潮流を避けることができ、交流電源8の電圧上昇の発生を無くすることができる。
【0073】
(実施の形態3)
図8は、本実施の形態3における電源装置の構成図を示す。
【0074】
図に示すように、実施の形態3における電源装置は、交流電源8のインダクタンスを判定するインダクタンス判定手段15と、インダクタンス判定手段15により判定したインダクタンスで、フルブリッジコンバータ5から無効電力を出力する無効電力制御手段16を備えている。
【0075】
図9にインダクタンス判定手段15のフローチャートを示す。図に示すように、インダクタンス判定手段15は、フルブリッジコンバータ5からの出力電流を最大Iwとするように主回路制御部11へ出力有効電流Iwを指令する。フルブリッジコンバータ5の出力有効電流Iw時の交流電源8の電源電圧V1を検出、及び記憶する。次にインダクタンス判定手段15は、主回路制御部11へ出力電流に力率を0.85まで変動させ、有効電流はIwで、かつ無効電流Iqを同時に出力するようフルブリッジコンバータ5に指令を出力する。この時の変動した交流電源8の電源電圧V2を検出する。次にフルブリッジコンバータ5の出力をゼロとし、その時の交流電源8の電源電圧Voを検出する。この時、Vo、V1、V2、Iw、Iqの関係は、交流電源8のインピーダンスをRs+jXsとすると、数式4にて連立方程式が成立する。数式4をXsについて解くと、数式5を導くことができる。
【0076】
【数4】
【0077】
【数5】
【0078】
さらに、求めたRs、Xsと交流電源8の許容できる最大電圧Vmaxと、フルブリッジコンバータ5からの出力がゼロの時の交流電源8の電源電圧Voから、力率0.85とした場合の無効電力の最大値Iq_maxを計算する。
【0079】
次に、無効電力制御手段16のフローチャートについて、図10を参照しながら説明する。図に示すように、無効電流Iq_maxは、力率0.85のためIw_maxに定数0.62を乗じた値となる。これにより、無効電力制御手段16は、無効電力の最大値Iq_maxと有効電力の最大値Iw_maxとのベクトル和が、フルブリッジコンバータ5の定格電流を超えていないか判定する。判定した結果、定格電流を超えていれば、ベクトル和を定格電流に更新し、更に定格電流に0.85を乗じた値をIw_max、更新したIw_maxに0.62を乗じた値をIq_maxに更新する。
【0080】
以上のように、本実施の形態3によれば、インダクタンス判定手段15により交流電源8のインダクタンスを検出判定することができる。また、インダクタンス判定手段15により検出判定した交流電源8のインダクタンスから、フルブリッジコンバータ5から回生できる電流最大値を演算し、無効電力制御手段16により出力電流をリミットすることとなる。この出力電流リミットにより、過剰な逆潮流を避けることができると同時に、無効電力の出力を必要最小限とし、交流電源8の電圧上昇の発生を無くすることができる。
【0081】
(実施の形態4)
図11は、本実施の形態4における電源装置の構成図を示す。
【0082】
図に示すように、実施の形態4における電源装置は、交流電源8の電源電圧を常時監視する電圧監視手段17としての電圧センサ17aと電圧センサ17aによる検出信号を電圧値に変換する電圧変換部17bと、前記電圧監視手段17により検出した電源電圧が上昇した時にフルブリッジコンバータ5から無効電力を出力する第二無効電力制御手段18を備える構成としている。
【0083】
次に、第二無効電力制御手段18の制御ブロックについて、図12を参照しながら説明する。図に示すように、第二無効電力制御手段18は、交流電源8のインピーダンスの自動判定による無効電力出力で交流電源8の電圧上昇抑制のフィードフォワード制御部と、電圧監視手段17により検出した電源電圧上昇から制御を行なうフィードバック制御部とにより構成している。インピーダンスの自動判定によるフィードフォワード制御により、定常出力制限を行ない、電圧監視手段17により検出した電源電圧上昇からフィードバック制御により、過渡制限を行なうこととなる。
【0084】
以上のように、本実施の形態4によれば、電圧監視手段17と第二無効電力制御手段18とにより、交流電源8の電源電圧上昇を抑制することができる。このフィードフォワード制御、及びフィードバック制御により、よりきめ細かで必要最小限かつ、より優れた無効電力制御の応答性を確保することができることとなる。
【0085】
(実施の形態5)
図13は、本実施の形態4における電源装置の構成図を示す。
【0086】
図に示すように、実施の形態4における電源装置は、フルブリッジコンバータ5の出力制限により生じた余剰電力を、蓄電手段12に蓄電する余剰電力制御手段19と、フルブリッジコンバータ5の出力制限、及び蓄電手段12に蓄電する余剰電力制御の限界時に、電圧安定化装置1の節約する過剰電力を制限するインバータ制限手段20を備える構成としている。
【0087】
次に、余剰電力制御手段19の制御ブロックについて、図14を参照しながら説明する。
【0088】
図に示すように、余剰電力制御手段19は、フルブリッジコンバータ5の出力指令を入力する。入力した出力指令をPI制御器に入力し、蓄電手段12に蓄電する充電電流指令値のフィードフォワード項を算出する。次に、コンデンサ7の電圧情報を入力し、コンデンサ7の電圧を一定電圧Vconに保つようにPI制御器へ入力し、蓄電手段12に蓄電する充電電流指令値のフィードバック項を算出する。算出した、フィードフォワード項及びフィードバック項を加算することで最終的な充電電流指令値を算出する。また、余剰電力制御手段19により放電側に電流指令値が計算された場合は、放電指令として電流制御を行なうこととなる。
【0089】
次に、インバータ制限手段20のフローチャートについて、図15を参照しながら説明する。図に示すように、インバータ制限手段20は、フルブリッジコンバータ5の指令電流値を入力し、さらにフルブリッジコンバータ5の定格電流値を比較する。比較した結果、定格電流値を上回る場合、フルブリッジインバータ6の電圧指令値を下げるように制御する。
【0090】
以上のように、本実施の形態5によれば、フルブリッジコンバータ5の出力制限が生じた際であっても、蓄電手段12に一時的に余剰電力を蓄電でき、かつ出力制限解除あるいは出力制限値を下回った場合に蓄電してある過去の節約した過剰電力を出力することができ、電圧安定化装置1により得られた節約した過剰電力の有効利用をすることができることとなる。また、フルブリッジコンバータ5の出力制限、及び蓄電池が満充電に近い状態となった場合であっても節約する過剰電力を制限することで、交流電源8の電源電圧を規定範囲内で運用することができることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
太陽電池や燃料電池を用いた発電手段を、コンデンサに対して並列接続したシステムに対して、蓄電手段を用いて容易に発電電力のピークシフトができるため、発電電力の平準化あるいは負荷の平準化が必要となる家庭向けにも適用でき、また、交流電源側のインピーダンスを自動判定することにより、系統連系の際の出力抑制を未然に予測することができるため、系統側との調和を図る必要のある集中連系の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態1の電源装置の構成図
【図2】同主回路制御部11の制御フローチャート
【図3】同電圧安定化装置1としての動作説明図
【図4】同蓄電手段12の制御フローチャート
【図5】本発明の実施の形態2の電源装置の構成図
【図6】同インピーダンス判定手段13のフローチャート
【図7】同コンバータ出力制限手段14のフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3の電源装置の構成図
【図9】同インダクタンス判定手段15のフローチャート
【図10】同無効電力制御手段16のフローチャート
【図11】本発明の実施の形態4の電源装置の構成図
【図12】同第二無効電力制御手段18の制御ブロック図
【図13】本発明の実施の形態5の電源装置の構成図
【図14】同余剰電力制御手段19の制御ブロック図
【図15】同インバータ制限手段20のフローチャート
【図16】従来の電源装置(系統連系インバータ)のブロック図
【図17】同供給電圧制御時のベクトル図
【符号の説明】
【0093】
1 電圧安定化装置
2 スイッチング素子
3 ダイオード
4 アーム
5 フルブリッジコンバータ
6 フルブリッジインバータ
7 コンデンサ
8 交流電源
9 リアクトル
10 直列変圧器
11 主回路制御部
12 蓄電手段
13 インピーダンス判定手段
14 コンバータ出力制限手段
15 インダクタンス判定手段
16 無効電力制御手段
17 電圧監視手段
18 第二無効電力制御手段
19 余剰電力制御手段
20 インバータ制限手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジコンバータ、及びスイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジインバータと、前記4つのアームに並列に接続したコンデンサと、交流電源と一次巻線を直列に接続し、かつフルブリッジインバータの出力からリアクトルを通して二次巻線を直列に接続した直列変圧器と、前記フルブリッジコンバータ、フルブリッジインバータを制御する主回路制御部により構成される節電装置、あるいは電圧安定化装置において、前記コンデンサに並列接続し、かつ交流電源の電圧の上下変動に応じて充放電を行なう蓄電手段を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
フルブリッジコンバータの制御部と蓄電手段の充放電制御部を、相異なるコンデンサ電圧に制御することを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
蓄電手段の充電時におけるコンデンサ制御電圧を、放電時におけるコンデンサ制御電圧と相異なるようにすることを特徴とする請求項2記載の電源装置。
【請求項4】
フルブリッジコンバータの回生時のコンデンサ制御電圧を、力行時におけるコンデンサ制御電圧と相異なるようにすることを特徴とする請求項1,2,あるいは3記載の電源装置。
【請求項5】
交流電源のインピーダンスを判定するインピーダンス判定手段と、インピーダンス判定手段により判定したインピーダンスからフルブリッジコンバータの出力を制限するコンバータ出力制限手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,あるいは4に記載の電源装置。
【請求項6】
インピーダンス判定手段は、交流電源の電圧上昇とコンバータ出力の相関から判定することを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
【請求項7】
交流電源のインダクタンスを判定するインダクタンス判定手段と、インダクタンス判定手段により判定したインダクタンスで、フルブリッジコンバータから出力する無効電力量を制御する無効電力制御手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,あるいは6に記載の電源装置。
【請求項8】
交流電源の電源電圧を常時監視する電圧監視手段と、前記電圧監視手段により検出した電源電圧が上昇した時にフルブリッジコンバータから出力する無効電力量を制御する第二無効電力制御手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,あるいは7に記載の電源装置。
【請求項9】
フルブリッジコンバータの出力制限により生じた余剰電力を、蓄電手段に蓄電する余剰電力制御手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,あるいは8に記載の電源装置。
【請求項10】
フルブリッジコンバータの出力制限、及び蓄電手段に蓄電する余剰電力制御の限界時に、フルブリッジインバータの出力を制限するインバータ制限手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,あるいは9に記載の電源装置。
【請求項1】
スイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジコンバータ、及びスイッチング素子と逆並列したダイオードを上下に直列接続した2つのアームにより構成したフルブリッジインバータと、前記4つのアームに並列に接続したコンデンサと、交流電源と一次巻線を直列に接続し、かつフルブリッジインバータの出力からリアクトルを通して二次巻線を直列に接続した直列変圧器と、前記フルブリッジコンバータ、フルブリッジインバータを制御する主回路制御部により構成される節電装置、あるいは電圧安定化装置において、前記コンデンサに並列接続し、かつ交流電源の電圧の上下変動に応じて充放電を行なう蓄電手段を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
フルブリッジコンバータの制御部と蓄電手段の充放電制御部を、相異なるコンデンサ電圧に制御することを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
蓄電手段の充電時におけるコンデンサ制御電圧を、放電時におけるコンデンサ制御電圧と相異なるようにすることを特徴とする請求項2記載の電源装置。
【請求項4】
フルブリッジコンバータの回生時のコンデンサ制御電圧を、力行時におけるコンデンサ制御電圧と相異なるようにすることを特徴とする請求項1,2,あるいは3記載の電源装置。
【請求項5】
交流電源のインピーダンスを判定するインピーダンス判定手段と、インピーダンス判定手段により判定したインピーダンスからフルブリッジコンバータの出力を制限するコンバータ出力制限手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,あるいは4に記載の電源装置。
【請求項6】
インピーダンス判定手段は、交流電源の電圧上昇とコンバータ出力の相関から判定することを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
【請求項7】
交流電源のインダクタンスを判定するインダクタンス判定手段と、インダクタンス判定手段により判定したインダクタンスで、フルブリッジコンバータから出力する無効電力量を制御する無効電力制御手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,あるいは6に記載の電源装置。
【請求項8】
交流電源の電源電圧を常時監視する電圧監視手段と、前記電圧監視手段により検出した電源電圧が上昇した時にフルブリッジコンバータから出力する無効電力量を制御する第二無効電力制御手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,あるいは7に記載の電源装置。
【請求項9】
フルブリッジコンバータの出力制限により生じた余剰電力を、蓄電手段に蓄電する余剰電力制御手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,あるいは8に記載の電源装置。
【請求項10】
フルブリッジコンバータの出力制限、及び蓄電手段に蓄電する余剰電力制御の限界時に、フルブリッジインバータの出力を制限するインバータ制限手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,あるいは9に記載の電源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−67672(P2006−67672A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245600(P2004−245600)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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