説明

電話機、制御方法、制御プログラム、および記録媒体

【課題】 不正受信の疑いのある着信番号にも発信する場合、自らの電話番号を相手側に誤って通知してしまわないようにした電話機等を提供する。
【解決手段】 P制御部56が、履歴電話番号を複数種類に分別してRAM52に記憶させる一方、その複数種類に分けられた履歴電話番号のうち「不明瞭な電話番号」に発信が行われようとする場合、自らの発信電話番号を発信先で非通知とする非通知処理を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話機(例えば携帯電話機)、およびその電話機の制御方法等に関するものであり、特に、不正着信(俗にいう「ワン切り」)に対する防御対策となっている。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機に対して、迷惑電話や悪意のある着信が多く行われている現状がある。特に、「ワン切り」と呼ばれる不正着信が多くなっている。
【0003】
この「ワン切り」とは、故意に着信時の呼出回数を少なくして回線を切断し、相手側の携帯電話機に対して、発信者の電話番号を着信履歴として残させ、折り返し電話をさせるというものである。
【0004】
そして、この折り返しユーザーのかけた電話は、有料サービスであるダイヤルQ2等の回線に接続されるようになっている。そのため、ユーザーに、知らない間に高額な請求がされてしまうおそれがある。
【0005】
かかるような事態を防止すべく、特許文献1の携帯電話機(携帯電話装置)では、相手側の着信時間が予め定めた設定時間以内であれば、その着信を不正着信とみなし(具体的には、不正着信番号として登録し)、次にその相手側からの電話を(着信を)拒否するようになっている。
【特許文献1】特開2004−48264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような特許文献1の携帯電話機では、予め定めた設定時間内の着信を不正着信とみなしてしまう。そのため、着信時の呼出回数を少なくせざるをえなかった善意の相手側の着信までも不正着信とみなしてしまう。つまり、あらゆる短時間での着信が不正着信とみなされ、不正着信番号として登録されてしまうようになっている。
【0007】
特に、この携帯電話機では、不正着信番号はユーザーによって視認できないようになっているので、ユーザーが善意の相手側に電話しようとしても、電話できないという問題が生じ得る。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、不正受信の疑いのある着信番号にも発信できる一方、かかる場合、自らの電話番号を相手側に誤って通知してしまわないようにした電話機(例えば携帯電話機)等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、着信電話番号を履歴電話番号として、記憶部に記憶するとともに、この履歴電話番号に基づいて発信命令を出す制御部が備えられた電話機であって、上記制御部は、上記の履歴電話番号を複数種類に分別して上記記憶部に記憶させる一方、上記の複数種類に分けられた履歴電話番号の少なくとも1種における履歴電話番号に発信が行われる場合には、上記制御部は、自らの発信電話番号を発信先で非通知とする非通知処理を施すことを特徴としている。
【0010】
また、本発明は、着信電話番号を履歴電話番号として、記憶部に記憶するとともに、この履歴電話番号に基づいて発信命令を出す制御部と、その発信命令の可否を決定づける操作部とが備えられた電話機であって、上記制御部が、上記の履歴電話番号を複数種類に分別して上記記憶部に記憶させ、上記の複数種類に分けられた履歴電話番号の少なくとも1種における履歴電話番号に発信が行われる場合、上記操作部によって、上記制御部に対し、自らの発信電話番号を発信先で非通知とする非通知処理を施すか否かが選択可能になっている。
【0011】
これらの発明によると、例えば不正受信の疑いのある着信電話番号も不明瞭な履歴電話番号として、一応登録されるようになっている。つまり、あらゆる着信電話番号は登録されるものの、種類を分けて記憶されるようになっている。
【0012】
そして、不明瞭な履歴電話番号に該当する種類に発信しようとする場合、自らの電話番号を相手側に通知させないようにできる。つまり、本発明の電話機では、不正受信の疑いのある着信電話番号にも発信できる一方、かかる場合、自らの電話番号を相手側に誤って通知できないようになっている。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、相手先が不明瞭な場合(例えば、「ワン切り」を行った業者の疑いがある場合)、自らの電話番号を相手側に通知させないようにできる。つまり、本発明の電話機では、不明瞭な相手先にも発信は可能であるが、かかる場合、自らの電話番号を相手側に誤って通知できないようになっている。そのため、情報流出を確実に防止できる安全性の高い電話機となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
[実施の形態1]
図2は、本発明の携帯電話機(電話機)69の内部構成を示すブロック図である。
〔携帯電話機の構成について〕
図2に示すように携帯電話機69は、無線ユニット11、通話ユニット15、報知ユニット21、カメラユニット25、入力ユニット31、外部機器接続端子部35、電源ユニット41、おとび制御ユニット45を含むように構成されている。
【0015】
無線ユニット11は、ベースバンド部12、携帯電話機通信部13、およびアンテナ(携帯電話機用アンテナ)14を含むように構成されている。
【0016】
そして、ベースバンド部12は、CDMA(Code Division Multiple Access)処理回路12aおよび音声CODEC処理回路12bを含むように構成されている。
【0017】
CDMA処理回路12aは、符号分割多重接続を行う回路である。つまり、不図示の基地局からの電波信号(複数の発信者の音声信号にそれぞれ異なる符号を乗算し、すべての音声信号を合成して1つの周波数を使って送られてきた信号)を受信し、所望の相手の符号を合成信号に乗算することにより、相手の音声信号のみを取り出すようになった回路である。
【0018】
音声CODEC処理回路12bは、音声信号を圧縮(符号化)・伸長(復号化)させたり、A/D(アナログ/デジタル)変換・D/A変換させたりするものである。
【0019】
また、携帯電話機通信部13は、アンテナ14を介して基地局(不図示)からの電波信号を受信したり、ベースバンド部12からの送信信号を基地局に向けて発信させたりするものである。
【0020】
そして、通話ユニット15は、通話用スピーカー16、通話用マイクロフォン17、および外部用スピーカー18と、これらの通話用スピーカー16、通話用マイクロフォン17、および外部用スピーカー18のそれぞれにつながる増幅回路16a・17a・18aとを含むように構成されている。
【0021】
通話用スピーカー16は、ユーザーが通話等のための音声を発するものである。なお、この通話用スピーカー16につながる増幅回路(TS増幅回路)16aは、ベースバンド部12からの電気信号を音声(音声信号)に変換するようになっている。
【0022】
通話用マイクロフォン17は、ユーザーの発する声(音声)等を集音するものである。なお、この通話用マイクロフォン17につながる増幅回路(TM増幅回路)17aは、音声(音声信号)を電気信号に変換して、ベースバンド部12へと送信するようになっている。
【0023】
外部用スピーカー18は、例えば通話内容の音声を周囲の人に聞かせたり、着信音(基地局からの電波信号を受信したときに鳴らす音)を鳴動(放音)させたりするものである。したがって、周囲の人等にも聞き取りやすくするために、この外部用スピーカー18は、例えば通話用スピーカー16の配設面に対する背面側に設置されるようになっている。
【0024】
なお、この外部用スピーカー18につながる増幅回路(OS増幅回路)18aは、TS増幅回路16aと同様に、ベースバンド部12からの電気信号を音声(音声信号)に変換するようになっている。
【0025】
そして、この外部用スピーカー18は、放音によってユーザーに対して知らしめる機能を有するともいえるので、後述の報知ユニット21と表現してもよい
また、通話用スピーカー16の通話音量や通話用マイクロフォン17の集音感度は、音声CODEC処理回路12Bによって、適宜変更されるようになっている。
【0026】
そして、報知ユニット21は、LED22、表示部23、およびバイブレーター24を含むように構成されている。
【0027】
LED(Light Emitting Diode)22は、携帯電話機69が基地局からの電波信号を受信したとき等に光らせる発光部である。
【0028】
表示部23は、例えばバックライト装置・液晶表示パネルから構成されており、発着信の電話番号や時刻、内蔵充電池43(後述)の残量、通話圏内か否かの判別結果表示、文字メッセージ(メール内容等)、または音声メッセージの有無等の文字情報等を表示させるものである。
【0029】
バイブレーター24は、携帯電話機69が基地局からの電波信号を受信したとき等に、本体(携帯電話機69)を振動させるための振動部である。
【0030】
そして、カメラユニット25は、レンズ・CCD(Charge Coupled Devices)等を含めた撮影部26、およびフラッシュ部(補助光源)27を含むように構成されている。
【0031】
撮影部26はレンズを介して取得した光像をCCDによって電気信号に変換させるものである。フラッシュ部27は、光像を取得するための補助光源である。
【0032】
なお、このフラッシュ部27も発光することから、ユーザーに対して知らしめる機能を有するともいえるので、報知ユニット21と表現してもよい。
【0033】
そして、入力ユニット(操作部)31は、種々の入力動作を行うためのキー群であり、少なくとも、テンキー31a、通話キー31b、終話キー31c、ライトキー31d、および4方向キー31e・ENTERキー31fを含むように構成されている。
【0034】
テンキー31aは、例えば電話番号等の数字の入力や、メール内容等の文字の入力等を行うためのキーである。
【0035】
通話キー31bは、通話用スピーカー16による通話内容の放音、および通話用マイクロフォン17によるユーザーの声等の集音を開始させるためのキーである。
【0036】
終話キー31cは、通話用スピーカー16・通話用マイクロフォン17の動作を停止させるためのキーである。
【0037】
ライトキー31dは、ユーザーによって、フラッシュ部27を発光させるためのキーである。
【0038】
4方向キー31e ・ENTERキー31fは、各種操作を行わせるものである。
【0039】
そして、外部機器接続端子部35は、例えば外付けスピーカー36や外付けマイクロフォン37(これらを外部機器とする)を本体(携帯電話機69)に接続するための端子部である。なお、このような外付けスピーカー36や外付けマイクロフォン37の一例としては、車両に乗ったユーザーによって使用されるハンズフリー通話セット等が挙げられる。
【0040】
そして、電源ユニット41は、充電装置接続部42、内蔵充電池(蓄電地)43、および切替スイッチ44を含むように構成されている。
【0041】
充電装置接続部42は、充電装置79から供給される電力(例えばDC12V)を受けて、内蔵充電池43の電圧(例えばDC3.6V)よりも若干高い電圧(例えば4.1V)に変換するものである。
【0042】
内蔵充電池43は、充電装置79から供給される電力を充電装置接続部42を介して蓄電するものである。
【0043】
切替スイッチ44は、携帯電話機69の「駆動電力」(図2参照)として、充電装置79からの供給電力を用いるか、内蔵充電池43からの供給電力を用いるかを選択するものである。
【0044】
そして、制御ユニット59は、切替回路51、RAM(Random Access Memory)52、ROM(Read Only Memory)53、タイマー54、カウンター55、および携帯電話機制御部(P制御部)56を含むように構成されている。
【0045】
切替回路51は、P制御部56の命令に基づいて、3つの増幅回路(TS増幅回路16a・TM増幅回路17a・OS増幅回路18a)および外部機器接続端子部35と、ベースバンド部12との接続を切り替える(ON/OFF)ものである。
【0046】
RAM52は、P制御部56による処理結果等を記憶するものである。特にこのRAM52では、P制御部56によって、着信電話番号を記憶するようになっている。
【0047】
具体的には、着信電話番号を、複数種類に分けて記憶している(記憶工程)。例えば、ユーザーの知人等の電話番号(明瞭電話番号)と、ユーザー自身が知人等であるか否か判別できていない電話番号(不明瞭電話番号)との種類に分けて記憶されている。
【0048】
なお、このように、RAM52に記憶された電話番号を履歴電話番号と表現する。
【0049】
ROM53は、携帯電話機69を動作させるための制御プログラム等を記憶するものである。
【0050】
タイマー54は、相手側の電話を受けたとき(すなわち着信したとき)からの呼出時間を計測するものである。
【0051】
カウンター55は、相手側の電話を受けたとき(すなわち着信したとき)からの呼出回数をカウント(計数)するものである。
【0052】
P制御部(端末制御部)49は、携帯電話機69全体の動作制御等を行う中枢部分となっており、携帯電話機69の各部材の駆動を有機的に制御して、統括制御するものである。
【0053】
例えば、P制御部49は、切替回路46に切替信号を送信したり、電源ユニット41の切替スイッチ44に対して、切替信号を送信したりするようになっている。
〔携帯電話機での着信時の制御について〕
ここで、本発明の携帯電話機69での着信時の制御について、図2、および図3〜図5のフローチャートを用いて説明する。具体的には、携帯電話機69に電話がかかってきた場合(着信を受けた場合)、P制御部56が、相手側の電話番号をどのようにRAM52に記憶するかについて説明する。なお、フローチャートにおけるステップについては「S」と表記し、同一のステップには同番を付すものとする。
【0054】
図3に示すように、相手側から本発明の携帯電話機69に電話がかかってきた場合、すなわち携帯電話機通信部13が電波信号を受信した場合、まず、P制御部56は、外部用スピーカー8に着信音を放音させる。つまり、ユーザーに着信の旨を知らしめるようになっている(S1)。
【0055】
すると、この着信を契機に、P制御部56は、タイマー54によって、相手側による呼出時間を計測する(S2)。そして、P制御部56は、この計測された呼出時間(計測呼出時間)が予め規定しておいた閾呼出時間(およそ1〜2秒)を超えたか否かを判断する(S3)。
【0056】
そして、この計測呼出時間が閾呼出時間を超えるような場合、通常、相手側はユーザーに目的等があって、電話をかけてきたものといえる。そこで、かかるような場合、この相手側の電話番号(着信電話番号)を明瞭な電話番号(明瞭電話番号;例えばユーザーの知人等の電話番号)としてRAM52に記憶するようになっている(S4)。
【0057】
一方、この計測呼出時間が閾呼出時間より短い場合、通常、相手側はユーザーに目的等があって、電話をかけてきたものとは考えづらい。例えば、故意に着信時の呼出回数を少なくして回線を切断し、相手側の携帯電話機に対して、発信者の電話番号を着信履歴として残させ、折り返し電話をさせるという、いわゆる「ワン切り」である可能性がある。
【0058】
そこで、かかるような場合、この相手側の電話番号を不明瞭な電話番号(不明瞭電話番号;例えばワン切りをした先の電話番号)としてRAM52に記憶するようになっている(S5)。
【0059】
つまり、本発明の携帯電話機69では、P制御部56が、着信電話番号を複数種類(例えば、明瞭電話番号と不明瞭電話番号と)に分別して、RAM52に記憶させるようになっている(つまり、「S2・S3・S4」の工程、および「S2・S3・S5」の工程を経ることで、種類分けして記憶するようになっている;記憶工程)。
【0060】
また、本発明の携帯電話機69では、図3に示されるような種別方式のみで、着信電話番号を複数種類に分けているのではない。例えば図4に示すような種別方式でもよい。
【0061】
具体的には、相手側からの着信を契機に、P制御部56が、カウンター55によって、相手側による呼出回数をカウント(計数)する(S12)。そして、P制御部56は、このカウントされた呼出回数(呼出カウント)が予め規定しておいた閾呼出カウント(1回)を超えたか否かを判断する(S13)。
【0062】
そして、この呼出カウントが閾呼出カウントよりも多い場合、この相手側の電話番号(着信電話番号)を明瞭な電話番号としてRAM52に記憶するようにする一方、呼出カウントが閾呼出カウントより少ない場合、この相手側の電話番号を不明瞭な電話番号としてRAM52に記憶するようになっている(S5;つまり、「S2・S13・S4」の工程、および「S2・S13・S5」の工程を経ることで、種類分けして記憶するようになっている;記憶工程)。
【0063】
また、上述のような、タイマー54やカウンター55を設けることなく、着信電話番号を種類分けして記憶する方式(種別方式)であってもよい。例えば図5に示すように、P制御部56が、相手側からの着信を契機に、RAM52に既に登録されている電話番号(具体的には、明瞭電話番号として記憶された履歴電話番号)か否かを確認する(S21)。
【0064】
そして、この確認によって、着信電話番号が明瞭電話番号として登録されていなければ、P制御部56は、その着信電話番号を不明瞭な電話番号として、RAM52に記憶するようにしてもよい(S22;「S21」の工程、および「S21・S22」の工程を経ることで、種類分けして記憶するようになっている;記憶工程)。
【0065】
なお、図3〜図5に示す種別方式を適宜組み合わせるようにしてもよいことはいうまでもない。
〔携帯電話機での発信時の制御について〕
次に、本発明の携帯電話機69での発信時の制御について、図6、および図7のフローチャートを用いて説明する。具体的には、携帯電話機69で電話をかけようとする場合(発信する場合)、P制御部56が、自らの携帯電話機69の電話番号を相手側の携帯電話機等に報知させるか否かについて説明する。なお、フローチャートにおけるステップについては「S」と表記し、同一のステップには同番を付すものとする。
【0066】
図1に示すように、ユーザーがRAM52に記憶された電話番号(履歴電話番号)に基づいて、電話をかけようとする場合、まず、表示部23等に表示された履歴電話番号からかけたい相手側の電話番号を選択する(S31)。
【0067】
すると、P制御部56は、選択された履歴電話番号が不明瞭な電話番号(不明瞭電話番号)として記憶されていたか否かについて判断する(S32)。そして、この判断において、相手側の電話番号が不明瞭な電話番号であった場合、P制御部56は、強制的に、その不明瞭な電話番号先の電話機に、自らの携帯電話機69の電話番号を非通知とさせる処理(非通知処理)を行う。
【0068】
具体的には、相手側の電話番号(履歴電話番号)の先端に「184」という番号を付加させる(S33;非通知処理工程)。すると、ユーザーは、この付加を行った後で、相手側の電話機へ発呼(発信)、すなわち、P制御部56が携帯電話機通信部13へと発信命令を出すようになっている(S34;発信工程)。
【0069】
したがって、本発明の携帯電話機69では、着信時の相手が知人等以外の疑わしい相手(例えば「ワン切り」等を行う業者)の場合、すなわち不明瞭電話番号として記憶されている電話番号の場合、その電話番号先の電話機に自らの電話番号を非通知とさせることができる。
【0070】
なお、S32の判断において、不明瞭な電話番号でなかった場合、すなわち明瞭な履歴電話番号と判断された場合(S35)、表示部23には「184」という番号が付加されることなく、相手側の電話番号が表示されるようになっている(S36)。そして、ユーザーは、その相手先へと通常通りに電話できるようになっている(S34)。
【0071】
つまり、P制御部56は、履歴電話番号を複数種類に分別してRAM52に記憶させる一方、その複数種類に分けられた履歴電話番号のうち「不明瞭な電話番号」に発信が行われようとする場合、自らの発信電話番号を発信先で非通知とする非通知処理を施すようになっている。
【0072】
このような本発明の携帯電話機69であれば、不正受信の疑いのある着信番号も不明瞭な電話番号として、一応登録されるようになっている。つまり、あらゆる着信電話番号は登録されるものの、種類を分けて記憶されるようになっている。
【0073】
そして、不明瞭な電話番号に発信しようとする場合、自らの電話番号を相手側に通知させないようにできる。つまり、本発明の携帯電話機69では、不正受信の疑いのある着信番号にも発信できる一方、かかる場合、自らの電話番号を相手側に誤って通知してしまわないようになっている。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた・ステップと同様の機能を有する部材・ステップについては、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0074】
実施の形態1では、不明瞭な履歴番号に電話する場合、強制的に、P制御部56が、「184」を相手側の電話番号に付加し、その相手側にユーザーの携帯電話機69の電話番号を知らせないようになっていた。しかし、本発明の携帯電話機69で「184」の番号を付加することが、強制である必要はない。
【0075】
つまり、図6に示すように、ユーザーが不明瞭な電話番号に電話しようとする場合(S32)、P制御部56が表示部23を使って、ユーザーに「184」を付加するか否かについて判断を促すような構成であってもよい(S43;選択工程)。
【0076】
このような判断可能なS43がある場合、ユーザーは、入力ユニット31を用いて、自ら「184」を付加させることができる(S44)。一方、ユーザーが入力ユニット31を用いて「184」を付加させなかった場合(S45)、P制御部56は、表示部23に「184」を付加していない旨を表示(警告)させるようになっている(S46)。
【0077】
このように、ユーザーによる任意選択で「184」を選択できるようにしておけば、相手側への自らの電話番号通知における選択幅が広がることになる。
【0078】
なお、S43のステップにおいて、「184」を付加する選択を行わなかった場合、P制御部56が、強制的に相手側への発信を停止させるようになっていてもよい(発信停止工程)。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば上述では携帯電話機を用いて説明しているが、固定電話機であってももちろんよい。
【0079】
また、上述の説明では、相手先の電話番号の頭に「184」の番号を付加することで、自らの電話番号を相手先に電話機にて非通知とさせるサービス、すなわち、NTT(日本電信電話)提供の電話番号非通知サービスを利用した場合について説明している。
【0080】
しかし、これに限定されるものではなく、他の処理を施すものであってもよい。要は、自らの電話機の電話番号を相手側の電話機等にて確認できないような処理であればよい。
【0081】
また、図7に示すように、相手側への発信(発呼)完了後、その相手側からの今後の電話(着信)を拒否するか否かについて、設定できるようになっていてもよい(S37)。つまり、ユーザーが、入力ユニット31を用いて、着信拒否設定(S38)、または着信可能設定(S39)を行えるようになっている。
【0082】
また、表示部23での表示をもって、ユーザーは種々情報(例えば「184」を付加すべきか否か等)を知ることができるようになっているが、これに限定されるものではない。例えば、外部スピーカー18やLED22、バイブレーター24やフラッシュ部27等による音声、発光等を利用して、種々情報を取得できるようになっていてもよい。
【0083】
なお、本発明の携帯電話機69の各部(例えばP制御部49等)は、それらを機能させるためのプログラム(例えば制御プログラム)でも実現される。そして、このプログラムは、コンピューターに実行させるためのプログラムであり、コンピューターに読み取り可能な記録媒体に記録することもできる。
【0084】
その結果、報知制御プログラムを、記録媒体として、持ち運び自在に提供することができる。
【0085】
なお、この記録媒体としては、マイクロコンピューターで処理が行われるために、メモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであってもよい。また、外部記憶装置(不図示)として、プログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0086】
いずれの場合においても、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサー(例えばP制御部56)によるアクセスで実行させる構成であってもよい。あるいは、いずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、不図示のプログラム記憶エリアにダウンロードされた後に実行される方式であってもよい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置(携帯電話機69)に格納されているものとする。
【0087】
ここで、上記プログラムメディアは、本体(携帯電話機69)と例えば分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0088】
また、本発明の携帯電話機69では、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能な構成とすることもできる。そのため、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0089】
なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置(携帯電話機69)に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、携帯端末(例えば携帯電話機)と、それを充電させる充電装置とにおいて、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の携帯電話機での発信時の工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明の携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の携帯電話機での着信時の工程を示すフローチャートである。
【図4】図3の他の一例を示すフローチャートである。
【図5】図3・図4の他の一例を示すフローチャートである。
【図6】図1の他の一例を示すフローチャートである。
【図7】図1・図6の他の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
11 無線通信ユニット
13 携帯電話機通信部
18 外部用スピーカー(放音部)
21 報知ユニット(報知部)
22 LED(報知部)
23 表示部(報知部)
24 バイブレーター(報知部)
27 フラッシュ部(報知部)
31 入力ユニット(操作部)
31a テンキー(操作部)
31e 4方向キー(操作部)
31f ENTERキー(操作部)
59 制御ユニット
52 RAM(記憶部)
53 ROM
54 タイマー(呼出時間計測部)
55 カウンター(呼出回数カウント部)
56 携帯電話機制御部(制御部)
69 携帯電話機
79 充電装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信電話番号を履歴電話番号として、記憶部に記憶するとともに、この履歴電話番号に基づいて発信命令を出す制御部が備えられた電話機において、
上記制御部は、上記の履歴電話番号を複数種類に分別して上記記憶部に記憶させる一方、上記の複数種類に分けられた履歴電話番号の少なくとも1種における履歴電話番号に発信が行われる場合には、上記制御部は、自らの発信電話番号を発信先で非通知とする非通知処理を施すことを特徴とする電話機。
【請求項2】
着信電話番号を履歴電話番号として、記憶部に記憶するとともに、この履歴電話番号に基づいて発信命令を出す制御部と、その発信命令の可否を決定づける操作部とが備えられた電話機において、
上記制御部が、上記の履歴電話番号を複数種類に分別して上記記憶部に記憶させ、上記の複数種類に分けられた履歴電話番号の少なくとも1種における履歴電話番号に発信が行われる場合、上記操作部によって、上記制御部に対し、自らの発信電話番号を発信先で非通知とする非通知処理を施すか否かが選択可能になっていることを特徴とする電話機。
【請求項3】
上記操作部によって、非通知処理を施さない選択がされた場合、
上記制御部は、発信を停止させるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の電話機。
【請求項4】
上記の複数種類に分けられた履歴電話番号の少なくとも1種における履歴電話番号に発信が行われる場合、その発信の旨を報知する報知部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項5】
上記の複数種類に分けられた履歴電話番号の少なくとも1種における履歴電話番号に発信が行われた後、上記制御部が、その発信した履歴番号からの着信を拒否するか否かの決定を催促する旨を上記報知部に報知させることを特徴とする請求項4に記載の電話機。
【請求項6】
上記報知部が、表示部または放音部であることを特徴とする請求項4に記載の電話機。
【請求項7】
着信を受けたとき、その着信による呼出時間を計測する呼出時間計測部が設けられ、上記制御部は、上記の計測された呼出時間に応じて、その着信電話番号の種類を決定し、上記履歴電話番号として記憶させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項8】
着信を受けたとき、その着信による呼出回数をカウントする呼出回数カウント部が設けられ、上記制御部は、上記のカウントされた呼出回数に応じて、その着信電話番号の種類を決定し、上記履歴電話番号として記憶させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項9】
着信を受けたとき、
上記制御部は、その着信電話番号が上記記憶部に既に履歴電話番号として登録されているか否かに応じて、その着信電話番号の種類を決定し上記履歴電話番号として記憶させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項10】
着信電話番号を履歴電話番号として記憶するとともに、この履歴電話番号に基づいて発信を行う電話機の制御方法において、上記の履歴電話番号を複数種類に分別して記憶させる記憶工程と、上記の複数種類に分けられた履歴電話番号の少なくとも1種における履歴電話番号に発信させる発信工程と、上記発信工程での自らの発信電話番号を、発信先で非通知とする非通知処理を施す非通知処理工程と、を含むことを特徴とする電話機の制御方法。
【請求項11】
着信電話番号を履歴電話番号として記憶するとともに、この履歴電話番号に基づいて発信を行う電話機の制御方法において、上記の履歴電話番号を複数種類に分別して記憶させる記憶工程と、上記の複数種類に分けられた履歴電話番号の少なくとも1種における履歴電話番号に発信させる発信工程と、上記発信工程での自らの発信電話番号を、発信先で非通知とする非通知処理を施すか否かを選択する選択工程と、を含むことを特徴とする電話機の制御方法。
【請求項12】
上記選択工程において、非通知処理を施さない選択がされた場合、上記発信を停止させる発信停止工程が行われることを特徴とする請求項11に記載の電話機の制御方法。
【請求項13】
上記記憶工程では、着信を受けたとき、その着信による呼出時間を計測し、その計測された呼出時間に応じて、その着信電話番号の種類を決定し、上記履歴電話番号として記憶されていることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の電話機の制御方法。
【請求項14】
上記記憶工程では、着信を受けたとき、その着信による呼出回数をカウントし、そのカウントされた呼出回数に応じて、その着信電話番号の種類を決定し、上記履歴電話番号として記憶されていることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の電話機の制御方法。
【請求項15】
上記記憶工程では、着信を受けたとき、その着信電話番号が既に履歴電話番号として登録されているか否かに応じて、その着信電話番号の種類を決定し、上記履歴電話番号として記憶されていることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の電話機の制御方法。
【請求項16】
着信電話番号を履歴電話番号として、記憶部に記憶するとともに、この履歴電話番号に基づいて発信命令を出す制御部が備えられた電話機の制御プログラムにおいて、上記制御部に、上記の履歴電話番号を複数種類に分別して上記記憶部に記憶させる一方、上記の複数種類に分けられた履歴電話番号の少なくとも1種における履歴電話番号に発信が行われた場合、上記制御部に、自らの発信電話番号を発信先で非通知とする非通知処理を施すように機能させることを特徴とする電話機の制御プログラム。
【請求項17】
着信電話番号を履歴電話番号として、記憶部に記憶するとともに、この履歴電話番号に基づいて発信命令を出す制御部と、その発信命令の可否を決定づける操作部とが備えられた電話機の制御プログラムにおいて、上記制御部に、上記の履歴電話番号を複数種類に分別して上記記憶部に記憶させる一方、上記の複数種類に分けられた履歴電話番号の少なくとも1種における履歴電話番号に発信が行われたる場合、上記操作部での操作を受け、上記制御部に、自らの発信電話番号を発信先で非通知とする非通知処理を施すか否かを選択させるように機能させることを特徴とする電話機。
【請求項18】
上記操作部での操作を受け、非通知処理を施さない選択がされた場合、上記制御部に、発信を停止させるように機能させることを特徴とする請求項17に記載の電話機の制御プログラム。
【請求項19】
着信を受けたとき、その着信による呼出時間を計測する呼出時間計測部が設けられ、上記制御部に、上記の計測された呼出時間に応じて、その着信電話番号の種類を決定し、上記履歴電話番号として記憶させるように機能させることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載の電話機の制御プログラム。
【請求項20】
着信を受けたとき、その着信による呼出回数をカウントする呼出回数カウント部が設けられ、上記制御部に、上記のカウントされた呼出回数に応じて、その着信電話番号の種類を決定し、上記履歴電話番号として記憶させるように機能させることを特徴とする請求項16〜19のいずれか1項に記載の電話機の制御プログラム。
【請求項21】
着信を受けたとき、上記制御部に、その着信電話番号が上記記憶部に既に履歴電話番号として登録されているか否かに応じて、その着信電話番号の種類を決定し上記履歴電話番号として記憶させるように機能させることを特徴とする請求項16〜20のいずれか1項に記載の電話機の制御プログラム。
【請求項22】
請求項16〜21のいずれか1項に記載の電話機の制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−217345(P2006−217345A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−28960(P2005−28960)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】