露光装置、基準反射板、反射率計測センサの校正方法及びマイクロデバイスの製造方法
【課題】 反射率計測センサの校正を短時間で行うことができる露光装置を提供する。
【解決手段】 マスクMのパターンを投影光学系PLを介して感光性基板P上に露光する露光装置において、前記感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサ19と、前記反射率計測センサの校正を行うために用いられ、前記感光性基板を載置する基板ステージPST上とは別の位置に配置される基準反射板26と、必要に応じて前記基準反射板を前記基板ステージ上に設置する設置手段と、前記設置手段により設置された前記基準反射板の反射率を前記反射率計測センサにより計測し、計測された前記反射率に基づいて前記反射率計測センサの校正値を算出する算出手段20と、前記算出手段により算出された前記校正値に基づいて前記反射率計測センサの校正を行う校正手段とを備える。
【解決手段】 マスクMのパターンを投影光学系PLを介して感光性基板P上に露光する露光装置において、前記感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサ19と、前記反射率計測センサの校正を行うために用いられ、前記感光性基板を載置する基板ステージPST上とは別の位置に配置される基準反射板26と、必要に応じて前記基準反射板を前記基板ステージ上に設置する設置手段と、前記設置手段により設置された前記基準反射板の反射率を前記反射率計測センサにより計測し、計測された前記反射率に基づいて前記反射率計測センサの校正値を算出する算出手段20と、前記算出手段により算出された前記校正値に基づいて前記反射率計測センサの校正を行う校正手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示素子などのフラットパネル表示素子等のマイクロデバイスをリソグラフィ工程で製造するための露光装置、該露光装置が備える反射率計測センサの校正に用いられる基準反射板、該基準反射板を用いた反射率計測センサの校正方法及び該露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子及び液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、マスク(レチクル)のパターンを投影光学系を介してウエハ(ガラスプレート等)上に転写する投影露光装置が用いられる。投影露光装置においては、投影光学系の倍率変動等がパターンの重ね合わせ精度の悪化の要因となるため、投影光学系の高い結像性能(倍率、フォーカス、ディストーション等)を維持した状態で露光を行うことが好ましく、この結像性能に影響を与える装置本体を収納するチャンバ内の大気圧変化、温度変化、露光光の照射状態等を制御する必要がある。
【0003】
露光光の照射状態等を制御するために、投影光学系への照射量を測定するインテグレータセンサ、照射量センサ、反射率計測センサ等が投影露光装置内に設けられている(例えば、特許文献1参照)。インテグレータセンサは投影露光装置が備える照明光学系内に設けられているハーフミラーにより分割された照明光(露光光)を受光する光電変換素子であり、照明光(露光光)の光強度を検出する。照射量センサは基板ステージ上に搭載された光電変換素子であり、ウエハに対する露光光の照射量を検出する。
【0004】
反射率計測センサは照明光学系内に設けられており、露光中のウエハの反射率を検出する。ウエハにより反射され投影光学系及びマスクを通過して照明光学系内に逆進した露光光を反射率計測センサにより受光し、その受光光量に基づいてウエハの反射率が算出される。ここで、反射率計測センサにより受光される受光光量に基づいてウエハの反射率を算出するためには、マスクの反射率、透過率、パターン密度等の情報が必要となる。そこで、マスクの反射率を算出するために基板ステージ上に2つの異なる既知の反射率を有する基準反射板を設置し、各基準反射板により反射された反射光を反射率計測センサで受光し、反射率と受光光量の関係を求め、この関係に基づき反射率計測センサの校正を行う。従って、反射率計測センサにより受光された光量に基づいて、露光時にウエハの反射率を正確に求めることができる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−135400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、スループットを向上させるため、ウエハやプレートのサイズ、露光フィールドが拡大化しており、特に液晶用の露光装置ではプレートのサイズが1m以上のものや露光フィールドが100mm×100mm以上のものが開発されている。ここで、反射率計測センサの校正を行う際には、基板ステージ上に設置されている基準反射板を露光光が照射される位置に配置するために基板ステージを移動させなければならないが、プレートサイズ、ひいては基板ステージの大型化に伴い、その移動距離及び移動時間が長くなっている。
【0007】
また、露光フィールドの拡大化に伴い基準反射板のサイズも大きくなるため、基準反射板を基板ステージ上に設置すること自体が困難となってきた。更に、1つのプレート上に複数のパターンをそれぞれ露光する場合、各パターン毎に反射率計測センサの校正を行う必要があり、各パターン毎に基板ステージを移動させて基準反射板を所定の位置に配置しなければならず、タクトが悪化していた。
【0008】
この発明の課題は、反射率計測センサの校正を短時間で行うことができる露光装置、該反射率計測センサの校正を行なうための基準反射板、該基準反射板を用いた反射率計測センサの校正方法及び該露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の露光装置は、マスクのパターンを投影光学系を介して外径が500mmより大きい感光性基板上に露光する露光装置において、前記感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサと、前記反射率計測センサの校正を行うために用いられ、前記感光性基板を載置する基板ステージ上とは別の位置に配置される基準反射板と、必要に応じて前記基準反射板を前記基板ステージ上に設置する設置手段と、前記設置手段により設置された前記基準反射板の反射率を前記反射率計測センサにより計測し、計測された前記反射率に基づいて前記反射率計測センサの校正値を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記校正値に基づいて前記反射率計測センサの校正を行う校正手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
この発明の露光装置によれば、拡大化傾向にある感光性基板のサイズと略同一またはそれより大きいサイズを有する基準反射板が基板ステージ上とは別の位置に配置され、必要に応じて基板ステージ上の感光性基板が配置される位置に設置することができるため、基板ステージ上に基準反射板を設けるスペースを確保する必要がない。
【0011】
また、この発明の基準反射板は、感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサの校正を行うために用いられる基準反射板であって、反射率の異なる少なくとも2つの反射領域を備え、前記感光性基板が載置される基板ステージ上に前記感光性基板と交換可能な形状であることを特徴とする。
【0012】
この発明の基準反射板によれば、従来の基準反射板のように露光装置内の基板ステージ上に固定されておらず感光性基板と交換可能な形状であるため、必要に応じて基板ステージ上の感光性基板が配置される位置に設置することができる。
【0013】
また、この発明の反射率計測センサの校正方法は、マスクのパターンを投影光学系を介して感光性基板上に露光する露光装置に用いられる反射率計測センサの校正方法であって、前記感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサの校正を行うために用いられ、前記感光性基板を載置する基板ステージ上とは別の位置に配置される基準反射板を、反射率計測位置に設置する設置工程と、前記設置工程により設置された前記基準反射板の反射率を前記反射率計測センサにより計測し、計測された前記反射率に基づいて前記反射率計測センサの校正値を算出する算出工程と、前記算出工程により算出された前記校正値を記憶する記憶工程と、前記記憶工程により記憶された前記校正値に基づいて前記反射率計測センサの校正を行う校正工程とを含むことを特徴とする。
【0014】
この発明の反射率計測センサの校正方法によれば、露光を行う前に基板ステージとは別の位置に配置されている基準反射板を用いて各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し記憶するため、露光時に露光パターン毎の反射率計測センサの校正値を算出するために基準反射板を基板ステージ上に設置する必要がない。従って、反射率計測センサの校正に割く時間を短縮することができ、露光装置による露光を高いスループットで行うことができる。
【0015】
また、この発明のマイクロデバイスの製造方法は、この発明の露光装置またはこの発明の反射率計測センサの校正方法により校正された反射率計測センサを備える露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
【0016】
この発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、予め基準反射板を用いて各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し記憶するため、反射率計測センサの校正に割く時間を短縮することができる。従って、露光装置による露光を高いスループットで行うことができ、マイクロデバイスを効率良く得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明の露光装置によれば、拡大化傾向にある感光性基板のサイズと略同一またはそれより大きいサイズを有する基準反射板が基板ステージ上とは別の位置に配置され、必要に応じて基板ステージ上の感光性基板が配置される位置に設置されるため、基板ステージ上に基準反射板を設けるスペースを確保する必要がない。また、露光を行う前に基準反射板を用いて各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し記憶するため、反射率計測センサの校正に割く時間を短縮することができ、高いスループットで露光を行うことができる。
【0018】
このように、本発明は、大型感光性基板、特に外径が500mmより大きい感光性基板に対して露光を行う装置、方法に対して有効である。ここで、基板の外径とは基板の一辺もしくは基板の対角線を示している。
【0019】
また、この発明の基準反射板によれば、従来の基準反射板のように露光装置内の基板ステージ上に固定されておらず感光性基板と交換可能な形状であるため、必要に応じて基板ステージ上の感光性基板が配置される位置に設置することができる。
【0020】
また、この発明の反射率計測センサの校正方法によれば、露光を行う前に基板ステージとは別の位置に配置されている基準反射板を用いて各パターンにおける反射率計測センサの校正値を算出し記憶するため、露光時に露光パターン毎の反射率計測センサの校正値を算出するために基準反射板を基板ステージ上に設置する必要がない。従って、反射率計測センサの校正に割く時間を短縮することができ、露光装置による露光を高いスループットで行うことができる。
【0021】
また、この発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、予め基準反射板を用いて各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し記憶するため、反射率計測センサの校正に割く時間を短縮することができる。従って、露光装置による露光を高いスループットで行うことができ、マイクロデバイスを効率良く得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、この発明の第1の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、この実施の形態にかかる投影露光装置においては、楕円鏡2の第1焦点位置に配置されている高圧水銀ランプ等からなる光源4から射出された光束は、楕円鏡2、ミラー6により反射され、楕円鏡2の第2焦点位置に集光する。楕円鏡2の第2焦点位置に集光した光束は、シャッタ8、図示しないレンズ等を介して、反射率が数%のハーフミラー10に入射する。
【0023】
ハーフミラー10により反射された一部の光束は、インテグレータセンサ11に入射する。インテグレータセンサ11は、インテグレータセンサ11に入射した光束、即ち照明光(露光光)の光強度を検出する。インテグレータセンサ11は、検出した照明光の光強度を後述する制御部20に対して出力する。また、ハーフミラー10を通過した大部分の光束は、コリメートレンズ12、ブラインド14によりマスクM上の所定の領域を照明する形状に整形されて、ミラー16に入射する。ミラー16により反射された光束は、コンデンサレンズ18により集光されて、マスクMをほぼ均一に照明する。ここで、マスクMはマスクステージMSTに載置されており、マスクステージMSTはマスクM面に対して水平方向及び垂直方向に移動可能に構成されている。
【0024】
マスクMからの光束は、投影光学系PLに入射し、マスクMのパターンを外径が500mmより大きいプレートP上に投影露光する。ここで、プレートPはプレートステージPSTに載置されており、プレートステージPSTはプレートP面に対して水平方向及び垂直方向に移動可能に構成されている。
【0025】
また、この投影露光装置は、プレートPにより反射される光の光量を検出する反射率計測センサ19を備えている。プレートPにより反射される反射光は、投影光学系PLを介して、マスクM、コンデンサレンズ18を通過し、ミラー16により反射されて、ブラインド14及びコリメートレンズ12を通過し、ハーフミラー10により反射されて、反射率計測センサ19に入射する。反射率計測センサ19は、ハーフミラー10により反射された光束(反射光)の光量を検出し、検出した反射光の光量を制御部20に対して出力する。
【0026】
また、この投影露光装置は、投影露光装置とコータ・デベロッパ装置(現像装置及び塗布装置)との間のプレートPの受け渡しを行うポート部22、及びプレートステージPSTとポート部22との間のプレートPの搬送を行うプレートローダ部24を備えている。ポート部22は、プレートローダ部24により搬送された露光済のプレートを受け取り、コータ・デベロッパ装置に引き渡す。また、コータ・デベロッパ装置から搬送されてきた新たなプレートを受け取り、プレートローダ部24に引き渡す。プレートローダ部24は、露光済のプレートをプレートステージPST上からポート部22へ搬送する。また、新たなプレートをポート部22からプレートステージPST上へ搬送する。
【0027】
また、ポート部22の上部には基準反射板26及び基準反射板26を載置可能なトレイ28が備えられている。基準反射板26は、反射率計測センサ19の校正を行うために用いられ、プレートステージPST上のプレートPと交換可能な形状を有している。即ち、基準反射板26は、反射率計測センサ19の校正を行うときのみプレートステージPST上に設置され、反射率計測センサ19の校正を行わないときにはプレートステージPSTとは別の位置(ポート部22の上部のトレイ28上)に設置されている。図2は、基準反射板26の構成を示す図である。図2に示すように、基準反射板26は反射率の異なる2つの反射領域(高反射領域26a,低反射領域26b)を備えており、高反射領域26aは低反射領域26bよりも高い反射率を有している。また、高反射領域26a及び低反射領域26bのそれぞれは最大露光範囲以上の面積を有しており、高反射領域26aの反射率及び低反射率領域26bの反射率は後述する記憶部30に予め記憶されている。
【0028】
図3は、基準反射板26の製造方法について説明するための図である。図3(a)に示すように、この実施の形態にかかる投影露光装置の最大露光範囲以上の面積を有するガラス等の基板26cを準備する。次に、図3(b)に示すように、基板26c上に低反射クロム層26dを形成し、図3(c)に示すように、図2に示す低反射領域26b上にマスク26eを形成する。次に、図3(d)に示すように、低反射クロム層26d上にアルミニウム層26fを形成する。マスク26eが形成されている部分にはアルミニウム層が形成されず、マスク26eが形成されていない部分にアルミニウム層26f、即ち図2に示す高反射領域26aが形成される。次に、図3(e)に示すように、マスク26eを取り除き、酸化防止層(二酸化ケイ素(SiO2)層)26gを形成する。
【0029】
この投影露光装置は、基準反射板26を用いた反射率計測センサ19の校正等の制御を行う制御部20を備えている。制御部20には記憶部30が接続されており、制御部20は反射率計測センサ19から出力されるプレートPまたは基準反射板26により反射された反射光の光量、インテグレータセンサ11から出力された照明光(露光光)の光強度等を記憶部30に対して出力する。記憶部30は、制御部20から出力された反射率計測センサ19により検出された反射光の光量、インテグレータセンサ11により検出された照明光の光強度等を記憶する。
【0030】
また、制御部20にはプレートステージ駆動部32が接続されており、制御部20はプレートステージ駆動部32に対して制御信号を出力する。プレートステージ駆動部32は、制御部20から出力される制御信号に基づいて、プレートステージPSTを駆動させる。また、制御部20にはローダ駆動部34が接続されており、制御部20はローダ駆動部34に対して制御信号を出力する。ローダ駆動部34は、制御部20から出力される制御信号に基づいて、プレートローダ部24を駆動させる。また、制御部20にはトレイ駆動部36が接続されており、制御部20はトレイ駆動部36に対して制御信号を出力する。トレイ駆動部36は、制御部20から出力される制御信号に基づいて、トレイ28を上下方向に移動させる。また、制御部20には調整機構駆動部38が接続されており、制御部20は調整機構駆動部38に対して制御信号を出力する。調整機構駆動部38は、制御部20から出力される制御信号に基づいて、投影光学系PLが備える調整機構(図示せず)を駆動させることにより、投影光学系PLの倍率変動、ディストーション等の光学特性の調整を行う。
【0031】
また、制御部20にはインテグレータセンサ11が接続されており、インテグレータセンサ11は検出した照明光(露光光)の光強度を制御部20に対して出力する。また、制御部20には反射率計測センサ19が接続されており、反射率計測センサ19は検出した反射光の光量を制御部20に対して出力する。
【0032】
反射率計測センサ19の校正を行う際には、ポート部22は、基準反射板26をプレートステージPST上に載置するために、トレイ28に載置されている基準反射板26をトレイ28から受け取り、プレートローダ部24に引き渡す。プレートローダ部24は、ポート部22から受け取った基準反射板26をプレートステージPST上に搬送する。プレートステージPSTは、プレートローダ部24により搬送された基準反射板26が反射率計測位置、即ち投影光学系PLを介した露光光が照射される位置に設置されるように移動する(設置手段)。
【0033】
制御部20は、反射率計測センサ19により検出される基準反射板26の高反射領域26aにより反射された光の光量及び同時にインテグレータセンサ11により検出された照明光の光強度、反射率計測センサ19により検出される基準反射板26の低反射領域26bにより反射された光の光量及び同時にインテグレータセンサ11により検出された照明光の光強度、予め記憶部30に記憶されている高反射領域26a及び低反射領域26bの反射率に基づいて、各パターン毎の反射率計測センサ19の校正値を算出する(算出手段)。算出された各パターン毎の反射率計測センサ19の校正値は記憶部30に記憶される。制御部20は、算出された各パターン毎の反射率計測センサ19の校正値に基づいて反射率計測センサ19の校正を行う(校正手段)。
【0034】
即ち、露光時において、制御部20は、反射率計測センサ19により検出される反射光の光量及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度等に基づいて、予め算出され記憶されている露光パターンの反射率計測センサ19の校正値を加味してプレートPの反射率を算出する。そして、算出されたプレートPの反射率(プレートPにより反射される反射光)に基づいて、投影光学系PLの倍率変動、フォーカス位置のずれ、ディストーション等を算出し、算出された投影光学系PLの倍率変動、ディストーション等に基づいて調整機構駆動部38に対して制御信号を出力する。調整機構駆動部38は、制御部20からの制御信号に基づいて、投影光学系PLの光学特性、即ち倍率変動、ディストーション等の調整を行う図示しない調整機構(調整手段)を駆動させることにより、投影光学系PLの光学特性の調整を行う。また、算出された投影光学系PLの結像位置とプレートPの表面との位置のずれ、即ちフォーカス位置のずれは、プレートステージPSTを投影光学系PLの光軸に沿って移動させることで調整される。なお、投影光学系PLにフォーカス調整機構を設け、このフォーカス調整機構によりフォーカス位置のずれを調整するようにしてもよい。
【0035】
次に、図4に示すフローチャートを参照して、第1の実施の形態にかかる投影露光装置が備える基準反射板26を用いた反射率計測センサ19の校正方法について説明する。
【0036】
まず、基準反射板26をプレートステージPST上に設置する(ステップS10、設置工程)。具体的には、制御部20は、トレイ駆動部36に対して制御信号を出力し、トレイ駆動部36を駆動させることによりトレイ28をポート部22の位置まで下降させ、トレイ28に載置されている基準反射板26をポート部22上に載置させる。次に、制御部20は、ローダ駆動部34に対して制御信号を出力し、ローダ駆動部34を駆動させることによりプレートローダ部24をポート部22の位置まで移動させ、ポート部22に保持されている基準反射板26をプレートローダ部24に保持させる。そして、更にローダ駆動部34を駆動させることにより、基準反射板26を保持した状態でプレートローダ部24を基板交換位置まで移動させる。
【0037】
次に、制御部20は、プレートステージ駆動部32に対して制御信号を出力し、プレートステージ駆動部32を駆動させることによりプレートステージPSTを基板交換位置まで移動させる。なお、プレートステージPSTは予め基板交換位置まで移動させておいてもよい。
【0038】
次に、プレートローダ部24に保持されている基準反射板26をプレートが載置されていないプレートステージPST上に載置させる。なお、プレートステージPST上にプレートが載置されている場合には、ステップS10の前に予めプレートステージPSTに載置されているプレートを退避させる。
【0039】
次に、制御部20は、プレートステージ駆動部32に対して制御信号を出力し、プレートステージ駆動部32を駆動させることにより、基準反射板26を載置しているプレートステージPSTを基板交換位置から露光位置まで移動させる。
【0040】
次に、基準反射板26上の所定の4点、例えば図2に示す4点m1,m2,m3,m4における反射光の光量を反射率計測センサ19により検出する(ステップS11)。反射率計測センサ19により検出された4点m1〜m4それぞれにおける反射光の光量は、制御部20に対して出力される。次に、制御部20は、ステップS11において検出された基準反射板26上の所定の4点m1〜m4における反射光の光量に基づいて、高反射領域26aと低反射領域26bの配置位置を検出する(ステップS12)。即ち、検出された4つの光量を比較し、高い光量が検出される2点m3,m4を含む領域が高反射領域26a、低い光量が検出される2点m1,m2を含む領域が低反射領域26bとして検出される。
【0041】
次に、反射率計測センサ19の校正値を算出するためにマスクMをロードする(ステップS13)。即ち、制御部20は、図示しないマスクステージ駆動部を駆動させることにより、マスクステージMSTを照明位置からマスク交換位置まで移動させ、マスクMを受け取り、マスクステージMSTをマスク交換位置から照明位置まで移動させる。次に、制御部20は、図示しないブラインド駆動部を駆動させることにより、照明光(露光光)がマスクM上の所定の領域(反射率計測センサ19の校正値を算出する領域)を照明する形状となるようにブラインド14を設定する(ステップS14)。
【0042】
次に、反射率計測センサ19により基準反射板26により反射される光の光量を計測する。まず、基準反射板26の高反射領域26aを露光光が照射される位置に配置して、高反射領域26aにより反射され、投影光学系PL、マスクM、コンデンサレンズ18を通過して、ミラー16により反射され、ブラインド14、コリメートレンズ12を通過して、ハーフミラー10により反射された光の光量Vhを反射率計測センサ19により検出する(ステップS15)。反射率計測センサ19により検出された反射光の光量Vhは、制御部20に対して出力される。また、反射率計測センサ19により光量Vhを検出すると同時にインテグレータセンサ11により検出された照明光(露光光)の光強度Phも制御部20に対して出力される。なお、検出精度を向上させるために、反射率計測センサ19及びインテグレータセンサ11による検出を複数回行い、その複数回における検出結果の平均値を算出するようにしてもよい。
【0043】
次に、制御部20は、ステップS15において検出された反射光の光量Vh、及びインテグレータセンサ11により検出された照明光の光強度Ph(以下、校正パラメータVh,Phという。)を記憶部30に対して出力し、記憶部30に記憶させる(ステップS16)。
【0044】
次に、基準反射板26の低反射領域26bを露光光が照射される位置に移動して、低反射領域26bにより反射され、投影光学系PL、マスクM、コンデンサレンズ18を通過して、ミラー16により反射され、ブラインド14、コリメートレンズ12を通過して、ハーフミラー10により反射された光の光量Vlを反射率計測センサ19により検出する(ステップS17)。反射率計測センサ19により検出された反射光の光量Vlは、制御部20に対して出力される。また、反射率計測センサ19により光量Vlを検出する同時にインテグレータセンサ11により検出された照明光の光強度Plも制御部20に対して出力される。なお、検出精度を向上させるために、反射率計測センサ19及びインテグレータセンサ11による検出を複数回行い、その複数回における検出結果の平均値を算出するようにしてもよい。
【0045】
次に、制御部20は、ステップS17において検出された反射光の光量Vl、及びインテグレータセンサ11により検出された照明光の光強度Pl(以下、校正パラメータVl,Plという。)を記憶部30に対して出力し、記憶部30に記憶させる(ステップS18)。
【0046】
次に、制御部20は、ステップS16において記憶された校正パラメータVh,Ph及びステップS18において記憶された校正パラメータVl,Plに基づいて、マスクMの所定の領域における反射率計測センサ19の校正値を算出する(ステップS19、算出工程)。具体的には、ステップS16において記憶された校正パラメータVh,PhからVh/Ph(高反射領域26aにおける反射光の光量/照明光の光強度)、及びステップS18において記憶された校正パラメータVl,PlからVl/Pl(低反射領域26bにおける反射光の光量/照明光の光強度)を算出する。算出された反射光の光量/照明光の光強度(Vh/Ph、Vl/Pl)と、予め記憶部30に記憶されている高反射領域26aの反射率Rh及び低反射領域26bの反射率Rlとの関係は、図5に示すグラフのように1次の関係となる。ここで、反射率計測センサ19の校正値は、図5に示すグラフの傾きk=(Rh−Rl)/(Vh/Ph−Vl/Pl)、及び切片(オフセット値)m=Rh−(Vh/Ph)・kとなる。即ち、算出された傾きk及びオフセット値mは、記憶部30に記憶されているマスクMの指定のパターン領域における反射率計測センサ19の校正値となる。
【0047】
次に、制御部20は、ステップS19において算出された反射率計測センサ19の校正値(傾きk、オフセット値m)を記憶部30に対して出力し、記憶部30に記憶させる(ステップS20、記憶工程)。次に、制御部20は、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域があるか否か判別する(ステップS21)。マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がある場合には、ステップS14に戻り、図示しないブラインド駆動部を駆動させ、照明光(露光光)がマスクM上の他の領域(反射率計測センサ19の校正値を算出する領域)を照明する形状となるようにブラインド14を設定し、ステップS15〜ステップS21の動作を繰り返す。
【0048】
一方、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がない場合には、基準反射板26をプレートステージPST上からアンロードさせる(ステップS22)。具体的には、制御部20は、ローダ駆動部34及びプレートステージ駆動部32を駆動させることにより、プレートローダ部24及びプレートステージPSTを基板交換位置まで移動させる。次に、プレートステージPST上に載置されている基準反射板26をプレートローダ部24に保持させて、再びローダ駆動部34を駆動させることによりプレートローダ部24をポート部22の位置まで移動させる。次に、プレートローダ部24に保持されている基準反射板26をポート部22に受け渡し、トレイ駆動部36を駆動させることによりトレイ28をポート部22の位置まで下降させる。次に、ポート部22に載置されている基準反射板26をトレイ28に受け渡し、再びトレイ駆動部36を駆動させることによりトレイ28をポート部22の上部に移動させる。
【0049】
次に、マスクMをアンロードする(ステップS23)。即ち、制御部20は、図示しないマスクステージ駆動部を駆動させることにより、マスクMを載置しているマスクステージMSTを照明位置からマスク交換位置まで移動させ、マスクMを退避させる。なお、この実施の形態にかかる投影露光装置を用いてマスクMとは別のマスクまたはレチクルにより露光を行う場合には、マスクMとは別のマスクまたはレチクルにおいて、図4のフローチャートに示す動作を行う。即ち、制御部20は、マスクMとは別のマスクまたはレチクルの所定の領域における反射率計測センサ19の校正値を算出し、記憶部30に記憶させる。
【0050】
露光時には、制御部20は、記憶部30に記憶されている各パターン毎における反射率計測センサ19の校正値から露光を行うパターンの反射率計測センサ19の校正値を取得し、取得した校正値に基づいて反射率計測センサ19の校正を行い(校正工程)、プレートPの反射率を算出する。具体的には、反射率計測センサ19により検出されるプレートPにより反射される光の光量及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度に基づいて、露光しているパターンにおける反射率計測センサ19の校正値を加味して、プレートPの反射率を算出する。ここで、プレートPの反射率Rpは、Rp=k・V/P+mにより算出される。なお、Vはインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度、Pは反射率計測センサ19により検出される反射光の光量、k,mは反射率計測センサ19の校正値(傾き、オフセット値)を示している。
【0051】
次に、算出されたプレートPの反射率Rp及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度Vに基づいて、投影光学系PLに照射される光エネルギを算出し、算出された光エネルギによる投影光学系PLの倍率変動等を算出する。次に、制御部20は、算出された投影光学系PLの倍率変動等に基づいて、調整機構駆動部38を駆動させることにより投影光学系PLが備える図示しない調整機構を駆動させることにより、投影光学系PLの倍率変動等の調整を行う。
【0052】
この第1の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、拡大化傾向にあるプレートのサイズと略同一またはそれより大きいサイズを有する基準反射板がプレートステージ上ではなくポート部の近傍に配置され、必要に応じてプレートステージ上のプレートが配置される位置に設置されるため、プレートステージ上に基準反射板を設けるスペースを確保する必要がない。また、露光前に各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し、算出された校正値を記憶部に記憶させるため、露光時に露光パターンに応じた反射率計測センサの校正値を記憶部から取得することにより反射率計測センサの校正を行うことができる。従って、露光時に基準反射板を露光光の照射位置に移動させるための時間、及び反射率計測センサの校正を行うための時間を短縮することができ、高いスループットで露光を行うことができる。
【0053】
また、この第1の実施の形態にかかる基準反射板によれば、従来の基準反射板のようにプレートステージ上に固定されておらずプレートと交換可能な形状であるため、必要に応じて基板ステージ上の感光性基板が配置される位置に設置することができる。また、破損や著しい反射率変化等により基準反射板26を交換する場合においては、所定期間(設定期間)が経過したときにマスクを照明位置に設置していない状態で基準反射板26の高反射領域26a及び低反射領域26bにより反射される光の光量を反射率計測センサ19により検出し、高反射領域26a及び低反射領域26bの反射率を算出する。算出された高反射領域26aまたは低反射領域26bの反射率が所定の範囲内にないと判別された場合には、制御部20は、例えば図示しない表示部等にその旨を表示する(報知手段)。基準反射板の交換を行う場合には、交換前の基準反射板と交換後の基準反射板の反射率を計測する装置を同一にし、基準反射板の反射率の計測誤差を低減させることにより反射率計測センサの校正を高精度に行うことができる。
【0054】
なお、この第1の実施の形態においては、反射率の異なる2つの反射領域を有する基準反射板を備えているが、反射率の異なる3つ以上の反射領域を有する基準反射板を備えるようにしてもよい。例えば、図6に示すような反射率の異なる3つの反射領域40a,40b,40c(高反射領域40a>40b>低反射領域40c)を有する基準反射板40を備えるようにしてもよく、図7に示すような反射率の異なる4つの反射領域42a,42b,42c,42d(高反射領域42a>42b>42c>低反射領域42d)を有する基準反射板42を備えるようにしてもよい。この場合には、2つの反射領域を有する基準反射板と比較して校正に用いるデータ数を多くすることができるため、反射率計測センサの校正値をより高精度に算出することができる。
【0055】
また、この第1の実施の形態においては、反射率計測センサの校正を行なわないときにはポート部の上部に基準反射板を設置しているが、ポート部の上部に限らずポート部の左側または右側等に基準反射板を設置するようにしてもよい。
【0056】
また、この第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法においては、高反射領域における反射光の光量を検出し、その後に低反射領域における反射光の光量を検出しているが、最初に低反射領域における反射光の光量を検出し、その後に高反射領域における反射光の光量を検出するようにしてもよい。
【0057】
次に、図面を参照して、この発明の第2の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図8は、第2の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。この第2の実施の形態にかかる投影露光装置においては、基準反射板の配置位置が第1の実施の形態にかかる投影露光装置の基準反射板26の配置位置と異なる。また、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明を省略する。なお、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行う。
【0058】
この投影露光装置においては、投影光学系PLを収納する鏡筒を支持する架台50にアーム52が取り付けられている。また、アーム52の先端には第1の実施の形態にかかる基準反射板26と同様の形状を有する基準反射板26が取り付けられている。アーム52は移動可能に構成されており、アーム52を移動させることにより基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間(反射率計測位置)に挿入することができ、投影光学系PLとプレートPとの間から退避させることができる。
【0059】
制御部20にはアーム駆動部54が接続されており、制御部20はアーム駆動部54に対して制御信号を出力する。アーム駆動部54は、制御部20から出力される制御信号に基づいて、アーム52を駆動させることにより基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間(反射率計測位置)に挿入する。または、アーム52を駆動させることにより基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間(反射率計測位置)から退避させる。
【0060】
次に、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置が備える基準反射板26を用いた反射率計測センサ19の校正方法について説明する。なお、第2の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法においては、第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法における基準反射板26の設置(図4のステップS10)及びアンロード(退避、図4のステップS22)以外の動作は第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法における動作と同一であるため、第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法における動作と同一の動作については説明を省略する。
【0061】
まず、制御部20は、アーム駆動部54に対して制御信号を出力し、アーム駆動部54を駆動させることにより、アーム52に保持されている基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間に挿入する(設置工程)。
【0062】
次に、制御部20は、図4に示す第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法のステップS11〜ステップS21の動作を行い、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がない場合には、基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間から退避させる。具体的には、制御部20は、アーム駆動部54に対して制御信号を出力し、アーム駆動部54を駆動させることにより、アーム52に保持されている基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間から退避させる。次に、制御部20は、マスクMをアンロードさせる。また、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がある場合には、図4に示すステップS11〜ステップS21の動作を繰り返す。
【0063】
露光時には、制御部20は、記憶部30に記憶されている各パターン毎における反射率計測センサ19の校正値から露光を行うパターンの反射率計測センサ19の校正値を取得し、取得した校正値に基づいて反射率計測センサ19の校正を行い(校正工程)、プレートPの反射率を算出する。具体的には、反射率計測センサ19により検出されるプレートPにより反射される光の光量及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度に基づいて、露光しているパターンにおける反射率計測センサ19の校正値を加味して、プレートPの反射率を算出する。
【0064】
次に、算出されたプレートPの反射率及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度に基づいて、投影光学系PLに照射される光エネルギを算出し、算出された光エネルギによる投影光学系PLの倍率変動等を算出する。次に、制御部20は、算出された投影光学系PLの倍率変動等に基づいて、調整機構駆動部38を駆動させることにより投影光学系PLが備える図示しない調整機構を駆動させることにより、投影光学系PLの倍率変動等の調整を行う。
【0065】
この第2の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、拡大化傾向にあるプレートのサイズと略同一またはそれより大きいサイズを有する基準反射板がプレートステージ上ではなく投影光学系の近傍に配置され、必要に応じてプレートステージの近傍に設置されるため、プレートステージ上に基準反射板を設けるスペースを確保する必要がない。
【0066】
また、基準反射板を投影光学系の近傍に配置されているため、反射率計測センサの校正時に基準反射板の移動距離及び移動時間を短縮することができる。また、露光前に各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し、算出された校正値を記憶部に記憶させるため、露光時に露光パターンに応じた反射率計測センサの校正値を記憶部から取得することにより反射率計測センサの校正を行うことができる。従って、露光時に基準反射板を露光光の照射位置に移動させるための時間、及び反射率計測センサの校正を行うための時間を短縮することができ、高いスループットで露光を行うことができる。
【0067】
なお、この第2の実施の形態においては、第1の実施の形態にかかる基準反射板と同様の基準反射板、即ち片面に反射率の異なる2つ以上の反射領域(高反射領域及び低反射領域)を有する基準反射板を備えているが、表面に高反射領域または低反射領域、裏面に低反射領域または高反射領域を有する基準反射板を備えるようにしてもよい。また、表面に2つ以上の反射領域、裏面に2つ以上の反射領域を有する基準反射板を備えるようにしてもよい。この場合には、基準反射板を保持するアームを基準反射板の表裏面が反転するように回転可能に構成する。また、反射率計測センサの校正時には、基準反射板を投影光学系PLとプレートPとの間に挿入して、表面の高反射領域(または低反射領域)により反射される光の光量及び照明光の光強度を検出し、基準反射板を投影光学系PLとプレートPとの間から退避させて、アームを回転させることにより基準反射板の表裏面を反転させる。再び、基準反射板を投影光学系PLとプレートPとの間に挿入して、裏面の低反射領域(または高反射領域)により反射される光の光量及び照明光の光強度を検出し、反射率計測センサの校正値を算出する。この場合においては、片面に反射率の異なる2つ以上の反射領域を有する基準反射板よりも、基準反射板を小さくすることができ、設置するスペースを小さくすることができる。
【0068】
次に、図面を参照して、この発明の第3の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図9は、第3の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。この第3の実施の形態にかかる投影露光装置においては、基準反射板の配置位置が第1の実施の形態にかかる投影露光装置の基準反射板26の配置位置と異なる。また、第3の実施の形態においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明を省略する。なお、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行う。
【0069】
プレートローダ部24のプレートステージPST側の先端には、第1の実施の形態にかかる基準反射板26と同様の形状を有する基準反射板26が取り付けられている。プレートローダ部24を移動させることにより基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間(反射率計測位置)に挿する。また、プレートローダ部24を移動させることにより基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間から退避させる。
【0070】
次に、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置が備える基準反射板26を用いた反射率計測センサ19の校正方法について説明する。なお、第3の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法においては、第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法における基準反射板26の設置(図4のステップS10)及びアンロード(退避、図4のステップS22)以外の動作は第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法における動作と同一であるため、第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法における動作と同一の動作については説明を省略する。
【0071】
まず、制御部20は、ローダ駆動部34に対して制御信号を出力し、ローダ駆動部34を駆動させ、プレートローダ部24の先端に取り付けられている基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間に挿入する(設置工程)。
【0072】
次に、制御部20は、図4に示す第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法のステップS11〜ステップS21の動作を行い、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がない場合には、基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間から退避させる。具体的には、制御部20は、ローダ駆動部34に対して制御信号を出力し、ローダ駆動部34を駆動させることにより、プレートローダ部24の先端に取り付けられている基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間から退避させる。次に、制御部20は、マスクMをアンロードさせる。また、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がある場合には、図4に示すステップS11〜ステップS21の動作を繰り返す。
【0073】
露光時には、制御部20は、記憶部30に記憶されている各パターン毎における反射率計測センサ19の校正値から露光を行うパターンの反射率計測センサ19の校正値を取得し、取得した校正値に基づいて反射率計測センサ19の校正を行い(校正工程)、プレートPの反射率を算出する。具体的には、反射率計測センサ19により検出されるプレートPにより反射される光の光量及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度に基づいて、露光しているパターンにおける反射率計測センサ19の校正値を加味して、プレートPの反射率を算出する。
【0074】
次に、算出されたプレートPの反射率及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度に基づいて、投影光学系PLに照射される光エネルギを算出し、算出された光エネルギによる投影光学系PLの倍率変動等を算出する。次に、制御部20は、算出された投影光学系PLの倍率変動等に基づいて、調整機構駆動部38を駆動させることにより投影光学系PLが備える図示しない調整機構を駆動させることにより、投影光学系PLの倍率変動等の調整を行う。
【0075】
この第3の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、拡大化傾向にあるプレートのサイズと略同一またはそれより大きいサイズを有する基準反射板がプレートステージ上ではなくプレートローダ部の先端に設置され、必要に応じてプレートステージの近傍に設置されるため、プレートステージ上に基準反射板を設けるスペースを確保する必要がない。また、プレートローダ部を用いることにより基準反射板を移動させることができるため、コスト面での負荷を少なくすることができる。
【0076】
また、露光前に各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し、算出された校正値を記憶部に記憶させ、露光時に露光パターンに応じた反射率計測センサの校正値を記憶部から取得することにより反射率計測センサの校正を行うことができる。従って、基準反射板を露光光の照射位置に移動させるための時間、及び反射率計測センサの校正を行うための時間を短縮することができ、高いスループットで露光を行うことができる。
【0077】
次に、図面を参照して、この発明の第4の実施の形態にかかる露光システムについて説明する。図10は、第4の実施の形態にかかる露光システムの概略構成を示す図である。図10に示すように、第4の実施の形態にかかる露光システムは、露光装置A,B,C,D…を備えている。露光装置A,B,C,D…のそれぞれは、露光を行うための光源、照明光学系、投影光学系等、及び露光を行なうプレートにより反射される光の光量を検出する反射率計測センサ、照明光(露光光)の光強度を検出するインテグレータセンサ等を備えている。
【0078】
また、この露光システムは、プレートをストックするプレートストッカ60を備えている。プレートストッカ60は、プレートをストックするためのボックスa,b,c…を備えており、ボックスaには第1の実施の形態にかかる基準反射板26と同一の形状を有する基準反射板26がストックされている。また、この露光システムは、プレートストッカ60にストックされているプレートを露光装置A,B,C,D…に搬送するための搬送装置62を備えている。
【0079】
この露光システムはこの露光システム全体の制御を行うホストコンピュータHを備えており、ホストコンピュータHは露光装置A,B,C,D…及びプレートストッカ60のそれぞれに接続されている。
【0080】
露光装置Aが備える反射率計測センサの校正を行う場合、ホストコンピュータHはプレートストッカ60に対して制御信号を出力する。プレートストッカ60はホストコンピュータHからの制御信号に基づいてボックスaに格納されている基準反射板26を搬送装置62に受け渡す。搬送装置62は、基準反射板26を露光装置Aまで搬送する。
【0081】
次に、ホストコンピュータHは、図4に示す第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法のステップS11〜ステップS21の動作を行い、露光装置Aのマスク上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がない場合には、基準反射板26を露光装置Aから退避させ、搬送装置62を用いてプレートストッカ60のボックスaに格納する。また、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がある場合には、図4に示すステップS11〜ステップS21の動作を繰り返す。なお、露光装置B,C,D…が備える反射率計測センサの校正方法も、露光装置Aが備える反射率計測センサの校正方法と同様である。
【0082】
露光時には、ホストコンピュータHは、搬送装置62を用いてプレートストッカ60のボックスb,c…にストックされているプレートを露光装置A,B,C,D…に搬送させ、プレート上に露光を行う。その際、ホストコンピュータHは、図示しない記憶部に記憶されているパターン毎における露光装置A,B,C,D…の反射率計測センサの校正値から露光パターンの反射率計測センサの校正値を取得し、取得した校正値に基づいて、露光装置A,B,C,D…の反射率計測センサの校正を行い(校正工程)、プレートの反射率を算出する。次に、算出されたプレートの反射率及びインテグレータセンサにより検出される照明光の光強度に基づいて、露光装置Aが備える投影光学系に照射される光エネルギを算出し、算出された光エネルギによる露光装置Aが備える投影光学系の倍率変動等を算出する。次に、ホストコンピュータHは、算出された露光装置Aが備える投影光学系の倍率変動等に基づいて、投影光学系の倍率変動等の調整を行う。
【0083】
この第4の実施の形態にかかる露光システムによれば、システム内に各露光装置が備える反射率計測センサの校正に用いられる1つの基準反射板を備えているため、それぞれの露光装置が基準反射板を備える必要がなく、システム管理を容易に行うことができ、かつコスト面での負荷を少なくすることができる。
【0084】
なお、この第4の実施の形態においては、ホストコンピュータが基準反射板の反射率、各指定パターンにおける反射率計測センサの校正値等を一元的に管理し、反射率計測センサの校正を制御しているが、それぞれの露光装置が反射率計測センサの管理及び制御を行なうようにしてもよい。
【0085】
また、上述の各実施の形態においては、反射率が異なる複数の基準反射板を用いてもよく、その際、各基準反射板の反射率の管理を行うにはバーコード等のIDを各基準反射板に取り付け、そのバーコード等のIDを備え付けられている読み込み装置で確認した上で計測を行うようにしてもよい。
【0086】
上述の各実施の形態にかかる露光装置では、照明光学系によってレチクル(マスク)を照明し、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板(プレート)に露光することにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて感光性基板としてプレート等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図11のフローチャートを参照して説明する。
【0087】
まず、図11のステップS301において、1ロットのプレート上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、その1ロットのプレート上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS303において、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて、マスク上のパターン像が投影光学系を介して、その1ロットのプレート上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップS304において、その1ロットのプレート上のフォトレジストの現像が行なわれた後、ステップS305において、その1ロットのプレート上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行なうことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各プレート上の各ショット領域に形成される。
【0088】
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述のマイクロデバイス製造方法によれば、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、反射率計測センサによる感光性基板の反射率を正確に検出することができ、投影光学系の高い結像性能を維持することができる。従って、良好なマイクロデバイスを得ることができる。なお、ステップS301〜ステップS305では、プレート上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、プレート上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
【0089】
また、上述の各実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図12のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図12において、パターン形成工程S401では、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S402へ移行する。
【0090】
次に、カラーフィルタ形成工程S402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S402の後に、セル組み立て工程S403が実行される。セル組み立て工程S403では、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程S403では、例えば、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0091】
その後、モジュール組み立て工程S404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、反射率計測センサによる感光性基板の反射率を正確に検出することができ、投影光学系の高い結像性能を維持することができる。従って、良好なマイクロデバイス(液晶表示素子)を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】第1の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる基準反射板の構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態にかかる基準反射板の製造方法を説明するための図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる基準反射板を用いた反射率計測センサの校正方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態にかかる基準反射板の反射率と、基準反射板により反射される光の光量/照明光の光強度との1次関係を示すグラフである。
【図6】第1の実施の形態にかかる基準反射板とは別の基準反射板の構成を示す図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる基準反射板とは別の基準反射板の構成を示す図である。
【図8】第2の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。
【図9】第3の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。
【図10】第4の実施の形態にかかる露光システムの概略構成を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子の製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0093】
2…楕円鏡、4…光源、6…ミラー、8…シャッタ、10…ハーフミラー、11…インテグレータセンサ、12…コリメートレンズ、14…ブラインド、16…ミラー、18…コンデンサレンズ、20…制御部、22…ポート部、24…プレートローダ部、26…基準反射板、28…トレイ、30…記憶部、32…駆動部、34…ローダ駆動部、36…、M…マスク、MST…マスクステージ、P…プレート、PST…プレートステージ、PL……投影光学系。
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示素子などのフラットパネル表示素子等のマイクロデバイスをリソグラフィ工程で製造するための露光装置、該露光装置が備える反射率計測センサの校正に用いられる基準反射板、該基準反射板を用いた反射率計測センサの校正方法及び該露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子及び液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、マスク(レチクル)のパターンを投影光学系を介してウエハ(ガラスプレート等)上に転写する投影露光装置が用いられる。投影露光装置においては、投影光学系の倍率変動等がパターンの重ね合わせ精度の悪化の要因となるため、投影光学系の高い結像性能(倍率、フォーカス、ディストーション等)を維持した状態で露光を行うことが好ましく、この結像性能に影響を与える装置本体を収納するチャンバ内の大気圧変化、温度変化、露光光の照射状態等を制御する必要がある。
【0003】
露光光の照射状態等を制御するために、投影光学系への照射量を測定するインテグレータセンサ、照射量センサ、反射率計測センサ等が投影露光装置内に設けられている(例えば、特許文献1参照)。インテグレータセンサは投影露光装置が備える照明光学系内に設けられているハーフミラーにより分割された照明光(露光光)を受光する光電変換素子であり、照明光(露光光)の光強度を検出する。照射量センサは基板ステージ上に搭載された光電変換素子であり、ウエハに対する露光光の照射量を検出する。
【0004】
反射率計測センサは照明光学系内に設けられており、露光中のウエハの反射率を検出する。ウエハにより反射され投影光学系及びマスクを通過して照明光学系内に逆進した露光光を反射率計測センサにより受光し、その受光光量に基づいてウエハの反射率が算出される。ここで、反射率計測センサにより受光される受光光量に基づいてウエハの反射率を算出するためには、マスクの反射率、透過率、パターン密度等の情報が必要となる。そこで、マスクの反射率を算出するために基板ステージ上に2つの異なる既知の反射率を有する基準反射板を設置し、各基準反射板により反射された反射光を反射率計測センサで受光し、反射率と受光光量の関係を求め、この関係に基づき反射率計測センサの校正を行う。従って、反射率計測センサにより受光された光量に基づいて、露光時にウエハの反射率を正確に求めることができる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−135400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、スループットを向上させるため、ウエハやプレートのサイズ、露光フィールドが拡大化しており、特に液晶用の露光装置ではプレートのサイズが1m以上のものや露光フィールドが100mm×100mm以上のものが開発されている。ここで、反射率計測センサの校正を行う際には、基板ステージ上に設置されている基準反射板を露光光が照射される位置に配置するために基板ステージを移動させなければならないが、プレートサイズ、ひいては基板ステージの大型化に伴い、その移動距離及び移動時間が長くなっている。
【0007】
また、露光フィールドの拡大化に伴い基準反射板のサイズも大きくなるため、基準反射板を基板ステージ上に設置すること自体が困難となってきた。更に、1つのプレート上に複数のパターンをそれぞれ露光する場合、各パターン毎に反射率計測センサの校正を行う必要があり、各パターン毎に基板ステージを移動させて基準反射板を所定の位置に配置しなければならず、タクトが悪化していた。
【0008】
この発明の課題は、反射率計測センサの校正を短時間で行うことができる露光装置、該反射率計測センサの校正を行なうための基準反射板、該基準反射板を用いた反射率計測センサの校正方法及び該露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の露光装置は、マスクのパターンを投影光学系を介して外径が500mmより大きい感光性基板上に露光する露光装置において、前記感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサと、前記反射率計測センサの校正を行うために用いられ、前記感光性基板を載置する基板ステージ上とは別の位置に配置される基準反射板と、必要に応じて前記基準反射板を前記基板ステージ上に設置する設置手段と、前記設置手段により設置された前記基準反射板の反射率を前記反射率計測センサにより計測し、計測された前記反射率に基づいて前記反射率計測センサの校正値を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記校正値に基づいて前記反射率計測センサの校正を行う校正手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
この発明の露光装置によれば、拡大化傾向にある感光性基板のサイズと略同一またはそれより大きいサイズを有する基準反射板が基板ステージ上とは別の位置に配置され、必要に応じて基板ステージ上の感光性基板が配置される位置に設置することができるため、基板ステージ上に基準反射板を設けるスペースを確保する必要がない。
【0011】
また、この発明の基準反射板は、感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサの校正を行うために用いられる基準反射板であって、反射率の異なる少なくとも2つの反射領域を備え、前記感光性基板が載置される基板ステージ上に前記感光性基板と交換可能な形状であることを特徴とする。
【0012】
この発明の基準反射板によれば、従来の基準反射板のように露光装置内の基板ステージ上に固定されておらず感光性基板と交換可能な形状であるため、必要に応じて基板ステージ上の感光性基板が配置される位置に設置することができる。
【0013】
また、この発明の反射率計測センサの校正方法は、マスクのパターンを投影光学系を介して感光性基板上に露光する露光装置に用いられる反射率計測センサの校正方法であって、前記感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサの校正を行うために用いられ、前記感光性基板を載置する基板ステージ上とは別の位置に配置される基準反射板を、反射率計測位置に設置する設置工程と、前記設置工程により設置された前記基準反射板の反射率を前記反射率計測センサにより計測し、計測された前記反射率に基づいて前記反射率計測センサの校正値を算出する算出工程と、前記算出工程により算出された前記校正値を記憶する記憶工程と、前記記憶工程により記憶された前記校正値に基づいて前記反射率計測センサの校正を行う校正工程とを含むことを特徴とする。
【0014】
この発明の反射率計測センサの校正方法によれば、露光を行う前に基板ステージとは別の位置に配置されている基準反射板を用いて各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し記憶するため、露光時に露光パターン毎の反射率計測センサの校正値を算出するために基準反射板を基板ステージ上に設置する必要がない。従って、反射率計測センサの校正に割く時間を短縮することができ、露光装置による露光を高いスループットで行うことができる。
【0015】
また、この発明のマイクロデバイスの製造方法は、この発明の露光装置またはこの発明の反射率計測センサの校正方法により校正された反射率計測センサを備える露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
【0016】
この発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、予め基準反射板を用いて各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し記憶するため、反射率計測センサの校正に割く時間を短縮することができる。従って、露光装置による露光を高いスループットで行うことができ、マイクロデバイスを効率良く得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明の露光装置によれば、拡大化傾向にある感光性基板のサイズと略同一またはそれより大きいサイズを有する基準反射板が基板ステージ上とは別の位置に配置され、必要に応じて基板ステージ上の感光性基板が配置される位置に設置されるため、基板ステージ上に基準反射板を設けるスペースを確保する必要がない。また、露光を行う前に基準反射板を用いて各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し記憶するため、反射率計測センサの校正に割く時間を短縮することができ、高いスループットで露光を行うことができる。
【0018】
このように、本発明は、大型感光性基板、特に外径が500mmより大きい感光性基板に対して露光を行う装置、方法に対して有効である。ここで、基板の外径とは基板の一辺もしくは基板の対角線を示している。
【0019】
また、この発明の基準反射板によれば、従来の基準反射板のように露光装置内の基板ステージ上に固定されておらず感光性基板と交換可能な形状であるため、必要に応じて基板ステージ上の感光性基板が配置される位置に設置することができる。
【0020】
また、この発明の反射率計測センサの校正方法によれば、露光を行う前に基板ステージとは別の位置に配置されている基準反射板を用いて各パターンにおける反射率計測センサの校正値を算出し記憶するため、露光時に露光パターン毎の反射率計測センサの校正値を算出するために基準反射板を基板ステージ上に設置する必要がない。従って、反射率計測センサの校正に割く時間を短縮することができ、露光装置による露光を高いスループットで行うことができる。
【0021】
また、この発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、予め基準反射板を用いて各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し記憶するため、反射率計測センサの校正に割く時間を短縮することができる。従って、露光装置による露光を高いスループットで行うことができ、マイクロデバイスを効率良く得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、この発明の第1の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、この実施の形態にかかる投影露光装置においては、楕円鏡2の第1焦点位置に配置されている高圧水銀ランプ等からなる光源4から射出された光束は、楕円鏡2、ミラー6により反射され、楕円鏡2の第2焦点位置に集光する。楕円鏡2の第2焦点位置に集光した光束は、シャッタ8、図示しないレンズ等を介して、反射率が数%のハーフミラー10に入射する。
【0023】
ハーフミラー10により反射された一部の光束は、インテグレータセンサ11に入射する。インテグレータセンサ11は、インテグレータセンサ11に入射した光束、即ち照明光(露光光)の光強度を検出する。インテグレータセンサ11は、検出した照明光の光強度を後述する制御部20に対して出力する。また、ハーフミラー10を通過した大部分の光束は、コリメートレンズ12、ブラインド14によりマスクM上の所定の領域を照明する形状に整形されて、ミラー16に入射する。ミラー16により反射された光束は、コンデンサレンズ18により集光されて、マスクMをほぼ均一に照明する。ここで、マスクMはマスクステージMSTに載置されており、マスクステージMSTはマスクM面に対して水平方向及び垂直方向に移動可能に構成されている。
【0024】
マスクMからの光束は、投影光学系PLに入射し、マスクMのパターンを外径が500mmより大きいプレートP上に投影露光する。ここで、プレートPはプレートステージPSTに載置されており、プレートステージPSTはプレートP面に対して水平方向及び垂直方向に移動可能に構成されている。
【0025】
また、この投影露光装置は、プレートPにより反射される光の光量を検出する反射率計測センサ19を備えている。プレートPにより反射される反射光は、投影光学系PLを介して、マスクM、コンデンサレンズ18を通過し、ミラー16により反射されて、ブラインド14及びコリメートレンズ12を通過し、ハーフミラー10により反射されて、反射率計測センサ19に入射する。反射率計測センサ19は、ハーフミラー10により反射された光束(反射光)の光量を検出し、検出した反射光の光量を制御部20に対して出力する。
【0026】
また、この投影露光装置は、投影露光装置とコータ・デベロッパ装置(現像装置及び塗布装置)との間のプレートPの受け渡しを行うポート部22、及びプレートステージPSTとポート部22との間のプレートPの搬送を行うプレートローダ部24を備えている。ポート部22は、プレートローダ部24により搬送された露光済のプレートを受け取り、コータ・デベロッパ装置に引き渡す。また、コータ・デベロッパ装置から搬送されてきた新たなプレートを受け取り、プレートローダ部24に引き渡す。プレートローダ部24は、露光済のプレートをプレートステージPST上からポート部22へ搬送する。また、新たなプレートをポート部22からプレートステージPST上へ搬送する。
【0027】
また、ポート部22の上部には基準反射板26及び基準反射板26を載置可能なトレイ28が備えられている。基準反射板26は、反射率計測センサ19の校正を行うために用いられ、プレートステージPST上のプレートPと交換可能な形状を有している。即ち、基準反射板26は、反射率計測センサ19の校正を行うときのみプレートステージPST上に設置され、反射率計測センサ19の校正を行わないときにはプレートステージPSTとは別の位置(ポート部22の上部のトレイ28上)に設置されている。図2は、基準反射板26の構成を示す図である。図2に示すように、基準反射板26は反射率の異なる2つの反射領域(高反射領域26a,低反射領域26b)を備えており、高反射領域26aは低反射領域26bよりも高い反射率を有している。また、高反射領域26a及び低反射領域26bのそれぞれは最大露光範囲以上の面積を有しており、高反射領域26aの反射率及び低反射率領域26bの反射率は後述する記憶部30に予め記憶されている。
【0028】
図3は、基準反射板26の製造方法について説明するための図である。図3(a)に示すように、この実施の形態にかかる投影露光装置の最大露光範囲以上の面積を有するガラス等の基板26cを準備する。次に、図3(b)に示すように、基板26c上に低反射クロム層26dを形成し、図3(c)に示すように、図2に示す低反射領域26b上にマスク26eを形成する。次に、図3(d)に示すように、低反射クロム層26d上にアルミニウム層26fを形成する。マスク26eが形成されている部分にはアルミニウム層が形成されず、マスク26eが形成されていない部分にアルミニウム層26f、即ち図2に示す高反射領域26aが形成される。次に、図3(e)に示すように、マスク26eを取り除き、酸化防止層(二酸化ケイ素(SiO2)層)26gを形成する。
【0029】
この投影露光装置は、基準反射板26を用いた反射率計測センサ19の校正等の制御を行う制御部20を備えている。制御部20には記憶部30が接続されており、制御部20は反射率計測センサ19から出力されるプレートPまたは基準反射板26により反射された反射光の光量、インテグレータセンサ11から出力された照明光(露光光)の光強度等を記憶部30に対して出力する。記憶部30は、制御部20から出力された反射率計測センサ19により検出された反射光の光量、インテグレータセンサ11により検出された照明光の光強度等を記憶する。
【0030】
また、制御部20にはプレートステージ駆動部32が接続されており、制御部20はプレートステージ駆動部32に対して制御信号を出力する。プレートステージ駆動部32は、制御部20から出力される制御信号に基づいて、プレートステージPSTを駆動させる。また、制御部20にはローダ駆動部34が接続されており、制御部20はローダ駆動部34に対して制御信号を出力する。ローダ駆動部34は、制御部20から出力される制御信号に基づいて、プレートローダ部24を駆動させる。また、制御部20にはトレイ駆動部36が接続されており、制御部20はトレイ駆動部36に対して制御信号を出力する。トレイ駆動部36は、制御部20から出力される制御信号に基づいて、トレイ28を上下方向に移動させる。また、制御部20には調整機構駆動部38が接続されており、制御部20は調整機構駆動部38に対して制御信号を出力する。調整機構駆動部38は、制御部20から出力される制御信号に基づいて、投影光学系PLが備える調整機構(図示せず)を駆動させることにより、投影光学系PLの倍率変動、ディストーション等の光学特性の調整を行う。
【0031】
また、制御部20にはインテグレータセンサ11が接続されており、インテグレータセンサ11は検出した照明光(露光光)の光強度を制御部20に対して出力する。また、制御部20には反射率計測センサ19が接続されており、反射率計測センサ19は検出した反射光の光量を制御部20に対して出力する。
【0032】
反射率計測センサ19の校正を行う際には、ポート部22は、基準反射板26をプレートステージPST上に載置するために、トレイ28に載置されている基準反射板26をトレイ28から受け取り、プレートローダ部24に引き渡す。プレートローダ部24は、ポート部22から受け取った基準反射板26をプレートステージPST上に搬送する。プレートステージPSTは、プレートローダ部24により搬送された基準反射板26が反射率計測位置、即ち投影光学系PLを介した露光光が照射される位置に設置されるように移動する(設置手段)。
【0033】
制御部20は、反射率計測センサ19により検出される基準反射板26の高反射領域26aにより反射された光の光量及び同時にインテグレータセンサ11により検出された照明光の光強度、反射率計測センサ19により検出される基準反射板26の低反射領域26bにより反射された光の光量及び同時にインテグレータセンサ11により検出された照明光の光強度、予め記憶部30に記憶されている高反射領域26a及び低反射領域26bの反射率に基づいて、各パターン毎の反射率計測センサ19の校正値を算出する(算出手段)。算出された各パターン毎の反射率計測センサ19の校正値は記憶部30に記憶される。制御部20は、算出された各パターン毎の反射率計測センサ19の校正値に基づいて反射率計測センサ19の校正を行う(校正手段)。
【0034】
即ち、露光時において、制御部20は、反射率計測センサ19により検出される反射光の光量及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度等に基づいて、予め算出され記憶されている露光パターンの反射率計測センサ19の校正値を加味してプレートPの反射率を算出する。そして、算出されたプレートPの反射率(プレートPにより反射される反射光)に基づいて、投影光学系PLの倍率変動、フォーカス位置のずれ、ディストーション等を算出し、算出された投影光学系PLの倍率変動、ディストーション等に基づいて調整機構駆動部38に対して制御信号を出力する。調整機構駆動部38は、制御部20からの制御信号に基づいて、投影光学系PLの光学特性、即ち倍率変動、ディストーション等の調整を行う図示しない調整機構(調整手段)を駆動させることにより、投影光学系PLの光学特性の調整を行う。また、算出された投影光学系PLの結像位置とプレートPの表面との位置のずれ、即ちフォーカス位置のずれは、プレートステージPSTを投影光学系PLの光軸に沿って移動させることで調整される。なお、投影光学系PLにフォーカス調整機構を設け、このフォーカス調整機構によりフォーカス位置のずれを調整するようにしてもよい。
【0035】
次に、図4に示すフローチャートを参照して、第1の実施の形態にかかる投影露光装置が備える基準反射板26を用いた反射率計測センサ19の校正方法について説明する。
【0036】
まず、基準反射板26をプレートステージPST上に設置する(ステップS10、設置工程)。具体的には、制御部20は、トレイ駆動部36に対して制御信号を出力し、トレイ駆動部36を駆動させることによりトレイ28をポート部22の位置まで下降させ、トレイ28に載置されている基準反射板26をポート部22上に載置させる。次に、制御部20は、ローダ駆動部34に対して制御信号を出力し、ローダ駆動部34を駆動させることによりプレートローダ部24をポート部22の位置まで移動させ、ポート部22に保持されている基準反射板26をプレートローダ部24に保持させる。そして、更にローダ駆動部34を駆動させることにより、基準反射板26を保持した状態でプレートローダ部24を基板交換位置まで移動させる。
【0037】
次に、制御部20は、プレートステージ駆動部32に対して制御信号を出力し、プレートステージ駆動部32を駆動させることによりプレートステージPSTを基板交換位置まで移動させる。なお、プレートステージPSTは予め基板交換位置まで移動させておいてもよい。
【0038】
次に、プレートローダ部24に保持されている基準反射板26をプレートが載置されていないプレートステージPST上に載置させる。なお、プレートステージPST上にプレートが載置されている場合には、ステップS10の前に予めプレートステージPSTに載置されているプレートを退避させる。
【0039】
次に、制御部20は、プレートステージ駆動部32に対して制御信号を出力し、プレートステージ駆動部32を駆動させることにより、基準反射板26を載置しているプレートステージPSTを基板交換位置から露光位置まで移動させる。
【0040】
次に、基準反射板26上の所定の4点、例えば図2に示す4点m1,m2,m3,m4における反射光の光量を反射率計測センサ19により検出する(ステップS11)。反射率計測センサ19により検出された4点m1〜m4それぞれにおける反射光の光量は、制御部20に対して出力される。次に、制御部20は、ステップS11において検出された基準反射板26上の所定の4点m1〜m4における反射光の光量に基づいて、高反射領域26aと低反射領域26bの配置位置を検出する(ステップS12)。即ち、検出された4つの光量を比較し、高い光量が検出される2点m3,m4を含む領域が高反射領域26a、低い光量が検出される2点m1,m2を含む領域が低反射領域26bとして検出される。
【0041】
次に、反射率計測センサ19の校正値を算出するためにマスクMをロードする(ステップS13)。即ち、制御部20は、図示しないマスクステージ駆動部を駆動させることにより、マスクステージMSTを照明位置からマスク交換位置まで移動させ、マスクMを受け取り、マスクステージMSTをマスク交換位置から照明位置まで移動させる。次に、制御部20は、図示しないブラインド駆動部を駆動させることにより、照明光(露光光)がマスクM上の所定の領域(反射率計測センサ19の校正値を算出する領域)を照明する形状となるようにブラインド14を設定する(ステップS14)。
【0042】
次に、反射率計測センサ19により基準反射板26により反射される光の光量を計測する。まず、基準反射板26の高反射領域26aを露光光が照射される位置に配置して、高反射領域26aにより反射され、投影光学系PL、マスクM、コンデンサレンズ18を通過して、ミラー16により反射され、ブラインド14、コリメートレンズ12を通過して、ハーフミラー10により反射された光の光量Vhを反射率計測センサ19により検出する(ステップS15)。反射率計測センサ19により検出された反射光の光量Vhは、制御部20に対して出力される。また、反射率計測センサ19により光量Vhを検出すると同時にインテグレータセンサ11により検出された照明光(露光光)の光強度Phも制御部20に対して出力される。なお、検出精度を向上させるために、反射率計測センサ19及びインテグレータセンサ11による検出を複数回行い、その複数回における検出結果の平均値を算出するようにしてもよい。
【0043】
次に、制御部20は、ステップS15において検出された反射光の光量Vh、及びインテグレータセンサ11により検出された照明光の光強度Ph(以下、校正パラメータVh,Phという。)を記憶部30に対して出力し、記憶部30に記憶させる(ステップS16)。
【0044】
次に、基準反射板26の低反射領域26bを露光光が照射される位置に移動して、低反射領域26bにより反射され、投影光学系PL、マスクM、コンデンサレンズ18を通過して、ミラー16により反射され、ブラインド14、コリメートレンズ12を通過して、ハーフミラー10により反射された光の光量Vlを反射率計測センサ19により検出する(ステップS17)。反射率計測センサ19により検出された反射光の光量Vlは、制御部20に対して出力される。また、反射率計測センサ19により光量Vlを検出する同時にインテグレータセンサ11により検出された照明光の光強度Plも制御部20に対して出力される。なお、検出精度を向上させるために、反射率計測センサ19及びインテグレータセンサ11による検出を複数回行い、その複数回における検出結果の平均値を算出するようにしてもよい。
【0045】
次に、制御部20は、ステップS17において検出された反射光の光量Vl、及びインテグレータセンサ11により検出された照明光の光強度Pl(以下、校正パラメータVl,Plという。)を記憶部30に対して出力し、記憶部30に記憶させる(ステップS18)。
【0046】
次に、制御部20は、ステップS16において記憶された校正パラメータVh,Ph及びステップS18において記憶された校正パラメータVl,Plに基づいて、マスクMの所定の領域における反射率計測センサ19の校正値を算出する(ステップS19、算出工程)。具体的には、ステップS16において記憶された校正パラメータVh,PhからVh/Ph(高反射領域26aにおける反射光の光量/照明光の光強度)、及びステップS18において記憶された校正パラメータVl,PlからVl/Pl(低反射領域26bにおける反射光の光量/照明光の光強度)を算出する。算出された反射光の光量/照明光の光強度(Vh/Ph、Vl/Pl)と、予め記憶部30に記憶されている高反射領域26aの反射率Rh及び低反射領域26bの反射率Rlとの関係は、図5に示すグラフのように1次の関係となる。ここで、反射率計測センサ19の校正値は、図5に示すグラフの傾きk=(Rh−Rl)/(Vh/Ph−Vl/Pl)、及び切片(オフセット値)m=Rh−(Vh/Ph)・kとなる。即ち、算出された傾きk及びオフセット値mは、記憶部30に記憶されているマスクMの指定のパターン領域における反射率計測センサ19の校正値となる。
【0047】
次に、制御部20は、ステップS19において算出された反射率計測センサ19の校正値(傾きk、オフセット値m)を記憶部30に対して出力し、記憶部30に記憶させる(ステップS20、記憶工程)。次に、制御部20は、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域があるか否か判別する(ステップS21)。マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がある場合には、ステップS14に戻り、図示しないブラインド駆動部を駆動させ、照明光(露光光)がマスクM上の他の領域(反射率計測センサ19の校正値を算出する領域)を照明する形状となるようにブラインド14を設定し、ステップS15〜ステップS21の動作を繰り返す。
【0048】
一方、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がない場合には、基準反射板26をプレートステージPST上からアンロードさせる(ステップS22)。具体的には、制御部20は、ローダ駆動部34及びプレートステージ駆動部32を駆動させることにより、プレートローダ部24及びプレートステージPSTを基板交換位置まで移動させる。次に、プレートステージPST上に載置されている基準反射板26をプレートローダ部24に保持させて、再びローダ駆動部34を駆動させることによりプレートローダ部24をポート部22の位置まで移動させる。次に、プレートローダ部24に保持されている基準反射板26をポート部22に受け渡し、トレイ駆動部36を駆動させることによりトレイ28をポート部22の位置まで下降させる。次に、ポート部22に載置されている基準反射板26をトレイ28に受け渡し、再びトレイ駆動部36を駆動させることによりトレイ28をポート部22の上部に移動させる。
【0049】
次に、マスクMをアンロードする(ステップS23)。即ち、制御部20は、図示しないマスクステージ駆動部を駆動させることにより、マスクMを載置しているマスクステージMSTを照明位置からマスク交換位置まで移動させ、マスクMを退避させる。なお、この実施の形態にかかる投影露光装置を用いてマスクMとは別のマスクまたはレチクルにより露光を行う場合には、マスクMとは別のマスクまたはレチクルにおいて、図4のフローチャートに示す動作を行う。即ち、制御部20は、マスクMとは別のマスクまたはレチクルの所定の領域における反射率計測センサ19の校正値を算出し、記憶部30に記憶させる。
【0050】
露光時には、制御部20は、記憶部30に記憶されている各パターン毎における反射率計測センサ19の校正値から露光を行うパターンの反射率計測センサ19の校正値を取得し、取得した校正値に基づいて反射率計測センサ19の校正を行い(校正工程)、プレートPの反射率を算出する。具体的には、反射率計測センサ19により検出されるプレートPにより反射される光の光量及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度に基づいて、露光しているパターンにおける反射率計測センサ19の校正値を加味して、プレートPの反射率を算出する。ここで、プレートPの反射率Rpは、Rp=k・V/P+mにより算出される。なお、Vはインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度、Pは反射率計測センサ19により検出される反射光の光量、k,mは反射率計測センサ19の校正値(傾き、オフセット値)を示している。
【0051】
次に、算出されたプレートPの反射率Rp及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度Vに基づいて、投影光学系PLに照射される光エネルギを算出し、算出された光エネルギによる投影光学系PLの倍率変動等を算出する。次に、制御部20は、算出された投影光学系PLの倍率変動等に基づいて、調整機構駆動部38を駆動させることにより投影光学系PLが備える図示しない調整機構を駆動させることにより、投影光学系PLの倍率変動等の調整を行う。
【0052】
この第1の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、拡大化傾向にあるプレートのサイズと略同一またはそれより大きいサイズを有する基準反射板がプレートステージ上ではなくポート部の近傍に配置され、必要に応じてプレートステージ上のプレートが配置される位置に設置されるため、プレートステージ上に基準反射板を設けるスペースを確保する必要がない。また、露光前に各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し、算出された校正値を記憶部に記憶させるため、露光時に露光パターンに応じた反射率計測センサの校正値を記憶部から取得することにより反射率計測センサの校正を行うことができる。従って、露光時に基準反射板を露光光の照射位置に移動させるための時間、及び反射率計測センサの校正を行うための時間を短縮することができ、高いスループットで露光を行うことができる。
【0053】
また、この第1の実施の形態にかかる基準反射板によれば、従来の基準反射板のようにプレートステージ上に固定されておらずプレートと交換可能な形状であるため、必要に応じて基板ステージ上の感光性基板が配置される位置に設置することができる。また、破損や著しい反射率変化等により基準反射板26を交換する場合においては、所定期間(設定期間)が経過したときにマスクを照明位置に設置していない状態で基準反射板26の高反射領域26a及び低反射領域26bにより反射される光の光量を反射率計測センサ19により検出し、高反射領域26a及び低反射領域26bの反射率を算出する。算出された高反射領域26aまたは低反射領域26bの反射率が所定の範囲内にないと判別された場合には、制御部20は、例えば図示しない表示部等にその旨を表示する(報知手段)。基準反射板の交換を行う場合には、交換前の基準反射板と交換後の基準反射板の反射率を計測する装置を同一にし、基準反射板の反射率の計測誤差を低減させることにより反射率計測センサの校正を高精度に行うことができる。
【0054】
なお、この第1の実施の形態においては、反射率の異なる2つの反射領域を有する基準反射板を備えているが、反射率の異なる3つ以上の反射領域を有する基準反射板を備えるようにしてもよい。例えば、図6に示すような反射率の異なる3つの反射領域40a,40b,40c(高反射領域40a>40b>低反射領域40c)を有する基準反射板40を備えるようにしてもよく、図7に示すような反射率の異なる4つの反射領域42a,42b,42c,42d(高反射領域42a>42b>42c>低反射領域42d)を有する基準反射板42を備えるようにしてもよい。この場合には、2つの反射領域を有する基準反射板と比較して校正に用いるデータ数を多くすることができるため、反射率計測センサの校正値をより高精度に算出することができる。
【0055】
また、この第1の実施の形態においては、反射率計測センサの校正を行なわないときにはポート部の上部に基準反射板を設置しているが、ポート部の上部に限らずポート部の左側または右側等に基準反射板を設置するようにしてもよい。
【0056】
また、この第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法においては、高反射領域における反射光の光量を検出し、その後に低反射領域における反射光の光量を検出しているが、最初に低反射領域における反射光の光量を検出し、その後に高反射領域における反射光の光量を検出するようにしてもよい。
【0057】
次に、図面を参照して、この発明の第2の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図8は、第2の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。この第2の実施の形態にかかる投影露光装置においては、基準反射板の配置位置が第1の実施の形態にかかる投影露光装置の基準反射板26の配置位置と異なる。また、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明を省略する。なお、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行う。
【0058】
この投影露光装置においては、投影光学系PLを収納する鏡筒を支持する架台50にアーム52が取り付けられている。また、アーム52の先端には第1の実施の形態にかかる基準反射板26と同様の形状を有する基準反射板26が取り付けられている。アーム52は移動可能に構成されており、アーム52を移動させることにより基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間(反射率計測位置)に挿入することができ、投影光学系PLとプレートPとの間から退避させることができる。
【0059】
制御部20にはアーム駆動部54が接続されており、制御部20はアーム駆動部54に対して制御信号を出力する。アーム駆動部54は、制御部20から出力される制御信号に基づいて、アーム52を駆動させることにより基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間(反射率計測位置)に挿入する。または、アーム52を駆動させることにより基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間(反射率計測位置)から退避させる。
【0060】
次に、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置が備える基準反射板26を用いた反射率計測センサ19の校正方法について説明する。なお、第2の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法においては、第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法における基準反射板26の設置(図4のステップS10)及びアンロード(退避、図4のステップS22)以外の動作は第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法における動作と同一であるため、第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法における動作と同一の動作については説明を省略する。
【0061】
まず、制御部20は、アーム駆動部54に対して制御信号を出力し、アーム駆動部54を駆動させることにより、アーム52に保持されている基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間に挿入する(設置工程)。
【0062】
次に、制御部20は、図4に示す第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法のステップS11〜ステップS21の動作を行い、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がない場合には、基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間から退避させる。具体的には、制御部20は、アーム駆動部54に対して制御信号を出力し、アーム駆動部54を駆動させることにより、アーム52に保持されている基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間から退避させる。次に、制御部20は、マスクMをアンロードさせる。また、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がある場合には、図4に示すステップS11〜ステップS21の動作を繰り返す。
【0063】
露光時には、制御部20は、記憶部30に記憶されている各パターン毎における反射率計測センサ19の校正値から露光を行うパターンの反射率計測センサ19の校正値を取得し、取得した校正値に基づいて反射率計測センサ19の校正を行い(校正工程)、プレートPの反射率を算出する。具体的には、反射率計測センサ19により検出されるプレートPにより反射される光の光量及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度に基づいて、露光しているパターンにおける反射率計測センサ19の校正値を加味して、プレートPの反射率を算出する。
【0064】
次に、算出されたプレートPの反射率及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度に基づいて、投影光学系PLに照射される光エネルギを算出し、算出された光エネルギによる投影光学系PLの倍率変動等を算出する。次に、制御部20は、算出された投影光学系PLの倍率変動等に基づいて、調整機構駆動部38を駆動させることにより投影光学系PLが備える図示しない調整機構を駆動させることにより、投影光学系PLの倍率変動等の調整を行う。
【0065】
この第2の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、拡大化傾向にあるプレートのサイズと略同一またはそれより大きいサイズを有する基準反射板がプレートステージ上ではなく投影光学系の近傍に配置され、必要に応じてプレートステージの近傍に設置されるため、プレートステージ上に基準反射板を設けるスペースを確保する必要がない。
【0066】
また、基準反射板を投影光学系の近傍に配置されているため、反射率計測センサの校正時に基準反射板の移動距離及び移動時間を短縮することができる。また、露光前に各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し、算出された校正値を記憶部に記憶させるため、露光時に露光パターンに応じた反射率計測センサの校正値を記憶部から取得することにより反射率計測センサの校正を行うことができる。従って、露光時に基準反射板を露光光の照射位置に移動させるための時間、及び反射率計測センサの校正を行うための時間を短縮することができ、高いスループットで露光を行うことができる。
【0067】
なお、この第2の実施の形態においては、第1の実施の形態にかかる基準反射板と同様の基準反射板、即ち片面に反射率の異なる2つ以上の反射領域(高反射領域及び低反射領域)を有する基準反射板を備えているが、表面に高反射領域または低反射領域、裏面に低反射領域または高反射領域を有する基準反射板を備えるようにしてもよい。また、表面に2つ以上の反射領域、裏面に2つ以上の反射領域を有する基準反射板を備えるようにしてもよい。この場合には、基準反射板を保持するアームを基準反射板の表裏面が反転するように回転可能に構成する。また、反射率計測センサの校正時には、基準反射板を投影光学系PLとプレートPとの間に挿入して、表面の高反射領域(または低反射領域)により反射される光の光量及び照明光の光強度を検出し、基準反射板を投影光学系PLとプレートPとの間から退避させて、アームを回転させることにより基準反射板の表裏面を反転させる。再び、基準反射板を投影光学系PLとプレートPとの間に挿入して、裏面の低反射領域(または高反射領域)により反射される光の光量及び照明光の光強度を検出し、反射率計測センサの校正値を算出する。この場合においては、片面に反射率の異なる2つ以上の反射領域を有する基準反射板よりも、基準反射板を小さくすることができ、設置するスペースを小さくすることができる。
【0068】
次に、図面を参照して、この発明の第3の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図9は、第3の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。この第3の実施の形態にかかる投影露光装置においては、基準反射板の配置位置が第1の実施の形態にかかる投影露光装置の基準反射板26の配置位置と異なる。また、第3の実施の形態においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明を省略する。なお、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行う。
【0069】
プレートローダ部24のプレートステージPST側の先端には、第1の実施の形態にかかる基準反射板26と同様の形状を有する基準反射板26が取り付けられている。プレートローダ部24を移動させることにより基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間(反射率計測位置)に挿する。また、プレートローダ部24を移動させることにより基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間から退避させる。
【0070】
次に、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置が備える基準反射板26を用いた反射率計測センサ19の校正方法について説明する。なお、第3の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法においては、第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法における基準反射板26の設置(図4のステップS10)及びアンロード(退避、図4のステップS22)以外の動作は第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法における動作と同一であるため、第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法における動作と同一の動作については説明を省略する。
【0071】
まず、制御部20は、ローダ駆動部34に対して制御信号を出力し、ローダ駆動部34を駆動させ、プレートローダ部24の先端に取り付けられている基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間に挿入する(設置工程)。
【0072】
次に、制御部20は、図4に示す第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法のステップS11〜ステップS21の動作を行い、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がない場合には、基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間から退避させる。具体的には、制御部20は、ローダ駆動部34に対して制御信号を出力し、ローダ駆動部34を駆動させることにより、プレートローダ部24の先端に取り付けられている基準反射板26を投影光学系PLとプレートPとの間から退避させる。次に、制御部20は、マスクMをアンロードさせる。また、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がある場合には、図4に示すステップS11〜ステップS21の動作を繰り返す。
【0073】
露光時には、制御部20は、記憶部30に記憶されている各パターン毎における反射率計測センサ19の校正値から露光を行うパターンの反射率計測センサ19の校正値を取得し、取得した校正値に基づいて反射率計測センサ19の校正を行い(校正工程)、プレートPの反射率を算出する。具体的には、反射率計測センサ19により検出されるプレートPにより反射される光の光量及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度に基づいて、露光しているパターンにおける反射率計測センサ19の校正値を加味して、プレートPの反射率を算出する。
【0074】
次に、算出されたプレートPの反射率及びインテグレータセンサ11により検出される照明光の光強度に基づいて、投影光学系PLに照射される光エネルギを算出し、算出された光エネルギによる投影光学系PLの倍率変動等を算出する。次に、制御部20は、算出された投影光学系PLの倍率変動等に基づいて、調整機構駆動部38を駆動させることにより投影光学系PLが備える図示しない調整機構を駆動させることにより、投影光学系PLの倍率変動等の調整を行う。
【0075】
この第3の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、拡大化傾向にあるプレートのサイズと略同一またはそれより大きいサイズを有する基準反射板がプレートステージ上ではなくプレートローダ部の先端に設置され、必要に応じてプレートステージの近傍に設置されるため、プレートステージ上に基準反射板を設けるスペースを確保する必要がない。また、プレートローダ部を用いることにより基準反射板を移動させることができるため、コスト面での負荷を少なくすることができる。
【0076】
また、露光前に各パターン毎における反射率計測センサの校正値を算出し、算出された校正値を記憶部に記憶させ、露光時に露光パターンに応じた反射率計測センサの校正値を記憶部から取得することにより反射率計測センサの校正を行うことができる。従って、基準反射板を露光光の照射位置に移動させるための時間、及び反射率計測センサの校正を行うための時間を短縮することができ、高いスループットで露光を行うことができる。
【0077】
次に、図面を参照して、この発明の第4の実施の形態にかかる露光システムについて説明する。図10は、第4の実施の形態にかかる露光システムの概略構成を示す図である。図10に示すように、第4の実施の形態にかかる露光システムは、露光装置A,B,C,D…を備えている。露光装置A,B,C,D…のそれぞれは、露光を行うための光源、照明光学系、投影光学系等、及び露光を行なうプレートにより反射される光の光量を検出する反射率計測センサ、照明光(露光光)の光強度を検出するインテグレータセンサ等を備えている。
【0078】
また、この露光システムは、プレートをストックするプレートストッカ60を備えている。プレートストッカ60は、プレートをストックするためのボックスa,b,c…を備えており、ボックスaには第1の実施の形態にかかる基準反射板26と同一の形状を有する基準反射板26がストックされている。また、この露光システムは、プレートストッカ60にストックされているプレートを露光装置A,B,C,D…に搬送するための搬送装置62を備えている。
【0079】
この露光システムはこの露光システム全体の制御を行うホストコンピュータHを備えており、ホストコンピュータHは露光装置A,B,C,D…及びプレートストッカ60のそれぞれに接続されている。
【0080】
露光装置Aが備える反射率計測センサの校正を行う場合、ホストコンピュータHはプレートストッカ60に対して制御信号を出力する。プレートストッカ60はホストコンピュータHからの制御信号に基づいてボックスaに格納されている基準反射板26を搬送装置62に受け渡す。搬送装置62は、基準反射板26を露光装置Aまで搬送する。
【0081】
次に、ホストコンピュータHは、図4に示す第1の実施の形態にかかる反射率計測センサの校正方法のステップS11〜ステップS21の動作を行い、露光装置Aのマスク上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がない場合には、基準反射板26を露光装置Aから退避させ、搬送装置62を用いてプレートストッカ60のボックスaに格納する。また、マスクM上に反射率計測センサ19の校正値を算出する他の領域がある場合には、図4に示すステップS11〜ステップS21の動作を繰り返す。なお、露光装置B,C,D…が備える反射率計測センサの校正方法も、露光装置Aが備える反射率計測センサの校正方法と同様である。
【0082】
露光時には、ホストコンピュータHは、搬送装置62を用いてプレートストッカ60のボックスb,c…にストックされているプレートを露光装置A,B,C,D…に搬送させ、プレート上に露光を行う。その際、ホストコンピュータHは、図示しない記憶部に記憶されているパターン毎における露光装置A,B,C,D…の反射率計測センサの校正値から露光パターンの反射率計測センサの校正値を取得し、取得した校正値に基づいて、露光装置A,B,C,D…の反射率計測センサの校正を行い(校正工程)、プレートの反射率を算出する。次に、算出されたプレートの反射率及びインテグレータセンサにより検出される照明光の光強度に基づいて、露光装置Aが備える投影光学系に照射される光エネルギを算出し、算出された光エネルギによる露光装置Aが備える投影光学系の倍率変動等を算出する。次に、ホストコンピュータHは、算出された露光装置Aが備える投影光学系の倍率変動等に基づいて、投影光学系の倍率変動等の調整を行う。
【0083】
この第4の実施の形態にかかる露光システムによれば、システム内に各露光装置が備える反射率計測センサの校正に用いられる1つの基準反射板を備えているため、それぞれの露光装置が基準反射板を備える必要がなく、システム管理を容易に行うことができ、かつコスト面での負荷を少なくすることができる。
【0084】
なお、この第4の実施の形態においては、ホストコンピュータが基準反射板の反射率、各指定パターンにおける反射率計測センサの校正値等を一元的に管理し、反射率計測センサの校正を制御しているが、それぞれの露光装置が反射率計測センサの管理及び制御を行なうようにしてもよい。
【0085】
また、上述の各実施の形態においては、反射率が異なる複数の基準反射板を用いてもよく、その際、各基準反射板の反射率の管理を行うにはバーコード等のIDを各基準反射板に取り付け、そのバーコード等のIDを備え付けられている読み込み装置で確認した上で計測を行うようにしてもよい。
【0086】
上述の各実施の形態にかかる露光装置では、照明光学系によってレチクル(マスク)を照明し、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板(プレート)に露光することにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて感光性基板としてプレート等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図11のフローチャートを参照して説明する。
【0087】
まず、図11のステップS301において、1ロットのプレート上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、その1ロットのプレート上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS303において、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて、マスク上のパターン像が投影光学系を介して、その1ロットのプレート上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップS304において、その1ロットのプレート上のフォトレジストの現像が行なわれた後、ステップS305において、その1ロットのプレート上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行なうことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各プレート上の各ショット領域に形成される。
【0088】
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述のマイクロデバイス製造方法によれば、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、反射率計測センサによる感光性基板の反射率を正確に検出することができ、投影光学系の高い結像性能を維持することができる。従って、良好なマイクロデバイスを得ることができる。なお、ステップS301〜ステップS305では、プレート上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、プレート上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
【0089】
また、上述の各実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図12のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図12において、パターン形成工程S401では、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S402へ移行する。
【0090】
次に、カラーフィルタ形成工程S402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S402の後に、セル組み立て工程S403が実行される。セル組み立て工程S403では、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程S403では、例えば、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0091】
その後、モジュール組み立て工程S404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、反射率計測センサによる感光性基板の反射率を正確に検出することができ、投影光学系の高い結像性能を維持することができる。従って、良好なマイクロデバイス(液晶表示素子)を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】第1の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる基準反射板の構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態にかかる基準反射板の製造方法を説明するための図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる基準反射板を用いた反射率計測センサの校正方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態にかかる基準反射板の反射率と、基準反射板により反射される光の光量/照明光の光強度との1次関係を示すグラフである。
【図6】第1の実施の形態にかかる基準反射板とは別の基準反射板の構成を示す図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる基準反射板とは別の基準反射板の構成を示す図である。
【図8】第2の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。
【図9】第3の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。
【図10】第4の実施の形態にかかる露光システムの概略構成を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子の製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0093】
2…楕円鏡、4…光源、6…ミラー、8…シャッタ、10…ハーフミラー、11…インテグレータセンサ、12…コリメートレンズ、14…ブラインド、16…ミラー、18…コンデンサレンズ、20…制御部、22…ポート部、24…プレートローダ部、26…基準反射板、28…トレイ、30…記憶部、32…駆動部、34…ローダ駆動部、36…、M…マスク、MST…マスクステージ、P…プレート、PST…プレートステージ、PL……投影光学系。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクのパターンを投影光学系を介して外径が500mmより大きい感光性基板上に露光する露光装置において、
前記感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサと、
前記反射率計測センサの校正を行うために用いられ、前記感光性基板を載置する基板ステージ上とは別の位置に配置される基準反射板と、
必要に応じて前記基準反射板を前記基板ステージ上に設置する設置手段と、
前記設置手段により設置された前記基準反射板の反射率を前記反射率計測センサにより計測し、計測された前記反射率に基づいて前記反射率計測センサの校正値を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記校正値に基づいて前記反射率計測センサの校正を行う校正手段と、
を備えることを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記校正手段により校正が行われた前記反射率計測センサにより前記基板ステージ上に載置された前記感光性基板の反射率を計測し、計測された前記反射率に基づいて前記投影光学系の光学特性を調整する調整手段を備えることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
【請求項3】
前記基準反射板の反射面は、反射率の異なる2つ以上の領域を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の露光装置。
【請求項4】
前記基準反射板は、前記感光性基板を前記基板ステージ上にロードするローダ部の近傍に配置され、
前記設置手段は、前記ローダ部の近傍から前記基板ステージ上に前記基準反射板を搬送することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項5】
前記投影光学系の近傍に前記基準反射板を保持するアームを更に備え、
前記設置手段は、前記アームを移動させることにより前記アームに保持されている前記基準反射板を反射率計測位置に移動させることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項6】
前記反射率計測センサによる前記基準反射板の反射率の計測値に基づき、前記基準反射板の反射率が所定の範囲内にないと判別された場合、その旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項7】
感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサの校正を行うために用いられる基準反射板であって、
反射率の異なる少なくとも2つの反射領域を備え、前記感光性基板が載置される基板ステージ上の前記感光性基板と交換可能な形状であることを特徴とする基準反射板。
【請求項8】
マスクのパターンを投影光学系を介して感光性基板上に露光する露光装置に用いられる反射率計測センサの校正方法であって、
前記感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサの校正を行うために用いられ、前記感光性基板を載置する基板ステージ上とは別の位置に配置される基準反射板を、反射率計測位置に設置する設置工程と、
前記設置工程により設置された前記基準反射板の反射率を前記反射率計測センサにより計測し、計測された前記反射率に基づいて前記反射率計測センサの校正値を算出する算出工程と、
前記算出工程により算出された前記校正値を記憶する記憶工程と、
前記記憶工程により記憶された前記校正値に基づいて前記反射率計測センサの校正を行う校正工程と、
を含むことを特徴とする反射率計測センサの校正方法。
【請求項9】
前記設置工程は、前記感光性基板を前記基板ステージ上にロードするローダ部の近傍に配置される前記基準反射板を、前記ローダ部の近傍から前記基板ステージ上の前記反射率計測位置に搬送する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の反射率計測センサの校正方法。
【請求項10】
前記設置工程は、前記投影光学系の近傍に配置され、前記基準反射板を保持するアームを移動させることにより前記アームに保持されている前記基準反射板を前記反射率計測位置に移動させる工程を含むことを特徴とする請求項8記載の反射率計測センサの校正方法。
【請求項11】
請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光工程と、
前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程と、
を含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
【請求項12】
請求項8乃至請求項10の何れか一項に記載の反射率計測センサの校正方法により校正された反射率計測センサを備える露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光工程と、
前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程と、
を含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
【請求項1】
マスクのパターンを投影光学系を介して外径が500mmより大きい感光性基板上に露光する露光装置において、
前記感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサと、
前記反射率計測センサの校正を行うために用いられ、前記感光性基板を載置する基板ステージ上とは別の位置に配置される基準反射板と、
必要に応じて前記基準反射板を前記基板ステージ上に設置する設置手段と、
前記設置手段により設置された前記基準反射板の反射率を前記反射率計測センサにより計測し、計測された前記反射率に基づいて前記反射率計測センサの校正値を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記校正値に基づいて前記反射率計測センサの校正を行う校正手段と、
を備えることを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記校正手段により校正が行われた前記反射率計測センサにより前記基板ステージ上に載置された前記感光性基板の反射率を計測し、計測された前記反射率に基づいて前記投影光学系の光学特性を調整する調整手段を備えることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
【請求項3】
前記基準反射板の反射面は、反射率の異なる2つ以上の領域を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の露光装置。
【請求項4】
前記基準反射板は、前記感光性基板を前記基板ステージ上にロードするローダ部の近傍に配置され、
前記設置手段は、前記ローダ部の近傍から前記基板ステージ上に前記基準反射板を搬送することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項5】
前記投影光学系の近傍に前記基準反射板を保持するアームを更に備え、
前記設置手段は、前記アームを移動させることにより前記アームに保持されている前記基準反射板を反射率計測位置に移動させることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項6】
前記反射率計測センサによる前記基準反射板の反射率の計測値に基づき、前記基準反射板の反射率が所定の範囲内にないと判別された場合、その旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項7】
感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサの校正を行うために用いられる基準反射板であって、
反射率の異なる少なくとも2つの反射領域を備え、前記感光性基板が載置される基板ステージ上の前記感光性基板と交換可能な形状であることを特徴とする基準反射板。
【請求項8】
マスクのパターンを投影光学系を介して感光性基板上に露光する露光装置に用いられる反射率計測センサの校正方法であって、
前記感光性基板の反射率を計測する反射率計測センサの校正を行うために用いられ、前記感光性基板を載置する基板ステージ上とは別の位置に配置される基準反射板を、反射率計測位置に設置する設置工程と、
前記設置工程により設置された前記基準反射板の反射率を前記反射率計測センサにより計測し、計測された前記反射率に基づいて前記反射率計測センサの校正値を算出する算出工程と、
前記算出工程により算出された前記校正値を記憶する記憶工程と、
前記記憶工程により記憶された前記校正値に基づいて前記反射率計測センサの校正を行う校正工程と、
を含むことを特徴とする反射率計測センサの校正方法。
【請求項9】
前記設置工程は、前記感光性基板を前記基板ステージ上にロードするローダ部の近傍に配置される前記基準反射板を、前記ローダ部の近傍から前記基板ステージ上の前記反射率計測位置に搬送する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の反射率計測センサの校正方法。
【請求項10】
前記設置工程は、前記投影光学系の近傍に配置され、前記基準反射板を保持するアームを移動させることにより前記アームに保持されている前記基準反射板を前記反射率計測位置に移動させる工程を含むことを特徴とする請求項8記載の反射率計測センサの校正方法。
【請求項11】
請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光工程と、
前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程と、
を含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
【請求項12】
請求項8乃至請求項10の何れか一項に記載の反射率計測センサの校正方法により校正された反射率計測センサを備える露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光工程と、
前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程と、
を含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−222346(P2006−222346A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−35774(P2005−35774)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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