露光装置、画像形成装置、及び露光制御プログラム
【課題】画像形成に使用しない発光素子が画像形成中に発光することを防止する。
【解決手段】各LDは、画像形成に使用するときは、変調信号に応じて、駆動電流とバイアス電流とのうちの一方をLDに流し、他方を負荷105に流す。そして、画像形成に使用しないLDに対してもバイアス電流を流す。
【解決手段】各LDは、画像形成に使用するときは、変調信号に応じて、駆動電流とバイアス電流とのうちの一方をLDに流し、他方を負荷105に流す。そして、画像形成に使用しないLDに対してもバイアス電流を流す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置、画像形成装置、及び露光制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、面発光レーザに印加するバイアス電流の設定方法であり、試験電流を全チャネルに共通して供給し、端子電圧が所定電圧となるようにバイアス電流を制御する点について開示されている。
【0003】
特許文献2には、時定数の高い面発光レーザで立ち上がり、立ち下がり時に電圧駆動を行い、端子電圧の立ち上がり後には電流駆動することで温度変化に対する光量の変動を抑制する点について開示されている。
【0004】
特許文献3には、面発光レーザダイオードと略等価な擬似負荷への相補出力配線方法であり、所定電流を常に印加することで電流源の電位変動を抑制することで変調速度を上げる点について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004‐193376号公報
【特許文献2】特開2002‐335038号公報
【特許文献3】特開2005‐059216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、画像形成に使用しない発光素子が画像形成中に発光することを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、複数の発光素子と、負荷と、前記複数の発光素子のうち画像形成に使用するものについては、変調信号に応じて前記発光素子と前記負荷とのうち一方に駆動電流を供給し他方にバイアス電流を供給する第1の供給手段と、前記複数の発光素子のうち画像形成に使用しないものについては、前記変調信号にかかわらず前記バイアス電流を前記発光素子に供給する第2の供給手段と、を備えている露光装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の露光装置において、前記複数の発光素子の消灯の際の各端子間電圧を平均化処理した前記複数の発光素子で共通のバイアス電圧を前記各発光素子に供給する第3の供給手段をさらに備え、前記第1及び第2の供給手段は、前記バイアス電圧の供給後、前記バイアス電圧に基づいて設定された前記バイアス電流を前記発光素子又は前記負荷に供給する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、感光体と、前記感光体を露光して静電潜像を形成する複数の発光素子を有する露光装置と、前記静電潜像をトナーで現像する現像器と、を備え、前記露光装置は、複数の発光素子を有する露光部と、負荷と、前記複数の発光素子のうち画像形成に使用するものについては、変調信号に応じて前記発光素子と前記負荷とのうち一方に駆動電流を供給し他方にバイアス電流を供給する第1の供給手段と、前記複数の発光素子のうち画像形成に使用しないものについては、前記変調信号にかかわらず前記バイアス電流を前記発光素子に供給する第2の供給手段と、を備えている画像形成装置である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、複数の発光素子のうち画像形成に使用するものについては、変調信号に応じて前記発光素子と負荷とのうち一方に駆動電流を供給し他方にバイアス電流を供給する第1の供給手段と、前記複数の発光素子のうち画像形成に使用しないものについては、前記変調信号にかかわらず前記バイアス電流を前記発光素子に供給する第2の供給手段と、をコンピュータに実行させるコンピュータに読み取り可能な露光制御プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、画像形成に使用しない発光素子が画像形成中に発光することを防止することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、各発光素子の端子間電圧を平均化処理するときの平均化誤差の発生を防止することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、画像形成に使用しない発光素子が画像形成中に発光することを防止することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、画像形成に使用しない発光素子が画像形成中に発光することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態の画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態の画像形成装置における光ビーム走査装置の光学系の構成を説明する図である。
【図3】本発明の一実施の形態の画像形成装置における光ビーム走査装置の光学系の構成を説明する図である。
【図4】本発明の一実施の形態の画像形成装置における発光素子駆動装置の回路図である。
【図5】本発明の一実施の形態の画像形成装置における感光体への露光を説明する説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態の画像形成装置におけるドライバの回路構成を示す回路図である。
【図7】本発明の一実施の形態の画像形成装置における発光素子駆動装置と発光素子との接続関係を示す回路図である。
【図8】本発明の一実施の形態の画像形成装置における発光素子の状態と対応する電流との関係を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態の画像形成装置における発光素子の配置の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態の画像形成装置における発光素子駆動装置と発光素子との別の接続関係を示す回路図である。
【図11】本発明の一実施の形態の画像形成装置における各発光素子の電圧電流駆動にかかわる回路の回路図である。
【図12】本発明の一実施の形態の画像形成装置における制御系の電気的な接続を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態の画像形成装置1010の全体構成を示す説明図である。
【0018】
画像形成装置1010は、筐体1014によって被覆されており、筐体1014内は、カラー画像を用紙に形成するための画像形成部1018及び画像形成部1018での画像処理全般を制御する画像処理制御部1080を備えている。
【0019】
画像形成部1018は、画像を形成し静電的に吸着された現像材を図1の矢印Bで示す搬送方向に搬送するための記録媒体としての中間転写体1030(ローラ1032、1034、1036、1038のそれぞれに巻き掛けられて周回するベルト構造)、中間転写体1030の搬送方向(図1の矢印B方向)に沿って上流側から下流側に向かってタンデム状に配設されるY(イエロー)色の画像、並びにM(マゼンタ)色の画像を形成するためのYM画像形成ユニット2022、C(シアン)色の画像、並びにK(黒)色の画像を形成するためのCK画像形成ユニット2426、用紙1050を用紙収納部1054より送り出し、搬送するための用紙搬送路と搬送ローラ、転写された用紙を定着処理するための定着装置1046、を備えている。CK画像形成ユニット2426の搬送方向(図1の矢印B方向)の下流側には、位置検出手段としての検知部1027が設けられている。
【0020】
YM画像形成ユニット2022は、Y色及びM色共通の露光装置である光ビーム走査装置2022Aを備えている。光ビーム走査装置2022Aは、画像データに基づいて変調したY色レーザ光及びM色レーザ光を照射する。
【0021】
Y色に関しては、感光体ドラム1020C、感光体ドラム1020Cを所定の電位に帯電させるための帯電装置1020D、光ビーム走査装置2022Aにより出力されるY色レーザ光によって形成された潜像を現像する現像器1020B、現像器1020BにY色のトナーを供給するトナー供給部1020G、感光体ドラム1020C上の黄色のトナー画像を中間転写体1030に転写する転写器1020F、及び感光体ドラム1020Cの外周面からトナーを除去するクリーニング装置1020Eを備えている。
【0022】
また、M色に関しては、感光体ドラム1022C、帯電装置1022D、現像器1022B、トナー供給部1022G、転写器1022F、及びクリーニング装置1022Eを含んで構成されている。
【0023】
CK画像形成ユニット2426は、C色及びK色共通の露光装置となる光ビーム走査装置2426Aを備えている。光ビーム走査装置2426Aは、画像データに基づいて変調したC色レーザ光及びK色レーザ光を照射する。
【0024】
C色に関しては、感光体ドラム1024C、感光体ドラム1024Cを所定の電位に帯電させるための帯電装置1024D、光ビーム走査装置2426Aにより出力されるC色レーザ光によって形成された潜像を現像する現像器1024B、現像器1024BにC色のトナーを供給するトナー供給部1024G、感光体ドラム1024C上のC色のトナー画像を中間転写体30に転写する転写器1024F、及び感光体ドラム1024Cの外周面からトナーを除去するクリーニング装置1024Eを備えている。
【0025】
また、K色に関しては、感光体ドラム1026C、帯電装置1026D、現像器1026B、トナー供給部1026G、転写器1026F、及びクリーニング装置1026Eを含んで構成されている。
【0026】
各光ビーム走査装置2022A、光ビーム走査装置2426Aから各感光体ドラム1020C、感光体ドラム1022C、感光体ドラム1024C、及び感光体ドラム1026Cへの光ビームの走査露光は、中間転写体1030の搬送速度や各感光体ドラム1020C、感光体ドラム1022C、感光体ドラム1024C、及び感光体ドラム1024C間の距離等に応じて決定される予め定められた時間だけ間隔を置いて行われる。
【0027】
図1に示される如く、中間転写体1030の下方には用紙1050を収容した用紙収容部1054が設けられており、用紙収容部1054の最上層の用紙1050は送り出しロール1052により用紙搬送路へ送り出される。送り出された用紙1050は、搬送ロール1055、搬送ロール1056、及び搬送ロール1058により用紙搬送路を搬送され、中間転写体1030の近傍に至る。
【0028】
用紙搬送路上には、中間転写体1030を挟んで搬送ロール1036と対向する転写ロール1060が設けられており、搬送ロール1036(実際には、中間転写体1030)と転写ロール1060との対峙部を用紙1050が搬送されるときに、中間転写体1030上に各色のトナー像が重ねられて形成されたカラー画像が用紙1050に転写される。
【0029】
カラー画像が転写された用紙1050は、搬送ロール1062により定着装置1046へ搬送され、定着装置1046により定着処理(加熱処理及び加圧処理)が施された後、用紙トレイ1064へ排出される。
【0030】
図2、図3は、光ビーム走査装置2022Aの光学系の構成を説明する図である。
【0031】
光ビーム走査装置2022A(光ビーム走査装置2426Aも同様の構成である)は、複数の光ビームを同時に、単一の回転多面鏡ユニット1150に入射させ、fθレンズ1152を透過した後の光ビームを、図3に示す、Y色用の感光体ドラム1020C及びM色用の感光体ドラム1022C(或いは、C色用の感光体ドラム1024C及びK色用の感光体ドラム1026C)へ案内する光学系を備えている。
【0032】
なお、回転多面鏡ユニット1150とは、周面に平面性を有した鏡面を備えたポリゴンミラーと、このポリゴンミラーの回転軸と連結され高速回転させるモータとで構成されたアッセンブリである。
【0033】
図2の光ビーム走査装置2022Aはイエロー(Y)色及びマゼンタ(M)色の画像データに対応するものである。また、光ビーム走査装置2426Aはシアン(C)色及びブラック(K)色の画像データに対応するものである。
【0034】
図2に示すように、回路基板1160に取り付けられた光源(レーザ発光アレイ)1140YM(140CK)からは、複数(32個)の発光素子(詳細は後述)からそれぞれ光ビームが照射され、コリメータレンズ1162を透過してハーフミラー1164で反射光と透過光とに分解される。
【0035】
反射光はレンズ1166を介してフォトディテクタ1168に入力され、プロセスコントロール処理における予め定められた光量に調整されるようになっている。
【0036】
また、ハーフミラー1164を透過する透過光は、シリンドリカルレンズ1170を介して、回転多面鏡ユニット1150へ入射され、その反射光(走査光)がfθレンズ1152を透過する。
【0037】
ここで、このfθレンズ1152を透過した光ビームの一部は、シリンドリカルミラー1172、反射ミラー1174を介してM用シリンドリカルミラー(K用シリンドリカルミラー)1176に入射し、感光体ドラム1022C(1026C)へと案内される。
【0038】
また、fθレンズ1152を透過した光ビームの他の一部は、反射ミラー1178を介してY用シリンドリカルミラー(C用シリンドリカルミラー)1180に入射し、感光体ドラム1020C(1024C)へと案内される。
【0039】
このとき、何れかの色の光ビームが反射ミラー77を介してSOS(Start of
Scan)センサ1078に入射する構成となっている。
【0040】
レーザ発光アレイ1140YM,1140CK(以下、総称して単に「レーザ発光アレイ1140」という)は、レーザ光源となる発光素子が主走査方向に複数個、副走査方向にも複数個、アレイ状に配列されて構成されていて、感光体ドラム1020C,1022C,1024C,1026C(以下、各感光体ドラムを代表して「感光体ドラム1020C」という)の表面上に潜像を形成する面発光レーザダイオードである。
【0041】
次に、露光装置である光ビーム走査装置2022A,2426Aの回路構成を中心に説明する。
【0042】
図4は、光ビーム走査装置2022A,2426Aが有する発光素子駆動装置10の全体構成を示す図である。
【0043】
図4において、発光素子駆動装置10は複数個の発光素子を駆動して、光量制御を行う。図4の構成では、発光素子駆動装置10は32個の発光素子LD1〜LD32を駆動する。換言すれば、発光素子駆動装置10は32チャネル構成である。各発光素子LD1〜LD32は面発光レーザダイオード(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)で形成され、マトリクス状に配置されている。発光素子駆動装置10は例えばICチップで形成され、内部に以下に説明する回路を備える。
【0044】
発光素子駆動装置10はチャネル毎に、つまり発光素子LD1〜LD32毎にドライバ1001〜10032を有する。また、発光素子駆動装置10は各チャネルに共通の制御部として、共通制御電位設定回路200、電流アンプ300、光量モニタ400、強制点灯回路500、APC(Automatic Power Control)回路600を有する。
【0045】
ドライバ1001〜10032は、上記各チャネルに共通の制御部からの信号を、バス150を介して受け取り、それぞれ発光素子LD1〜LD32を駆動制御するための制御を行う。具体的には、ドライバ1001〜10032は各発光素子LD1〜LD32の光量制御を行うAPC(Auto Power Control)制御と、APC制御後の変調制御とを行う。後述するように、APC制御では、ドライバ1001〜10032は発光素子LD1〜LD32に印加する電圧と電流との両方を制御する。電圧駆動時、ドライバ1001〜10032は各端子COUTを介して、発光素子LD1〜LD32のカソードにそれぞれ接続されているコンデンサCd1〜Cd32を制御する。電流駆動時、ドライバ1001〜10032は各端子LDOUTを介して、各発光素子LD1〜LD32に流れる電流量を制御する。
【0046】
ドライバ1001〜10032は複数個ずつ、端子LDCOMを介して共通に接続されるとともに、負荷105に接続されている。図4の構成では、ドライバ1001〜1004のLDCOM端子は共通に接続され、一端がグランドに接続された負荷105の他端に接続されている。各ドライバ1001〜10032は対応する発光素子を駆動していないときには、駆動電流に対応する電流(相補出力)を出力する。この電流を負荷105に流すことにより、発光素子の点灯の数等に依存することなく常にほぼ一定の電流が発光素子駆動装置10に流れる。
【0047】
発光素子駆動装置10は、各発光素子LD1〜LD32のレーザ光量をAPC制御で適切な値に設定した後、変調制御を行う。APC制御の概略は次の通りである。まず、発光素子LD1のレーザ光量を調整する。ドライバ1001は発光素子LD1を駆動する。各発光素子LD1〜LD32に共通に設けられた受光器(例えば、フォトダイオードであって、前述の受光器11に相当する)PDには、発光素子LD1のレーザ光量に応じた電流が流れる。電流アンプ300は受光器PDに流れる電流に対し、スイッチSWSaをオンし、電流源450からの加算電流を加算した電流を低インピーダンスで受けて増幅する。この場合、スイッチSWSbがオンすることで電流源460から供給される基準電流で加算電流を相殺し、残った電流を基準電圧Vref2に接続された抵抗に供給して電流アンプ300が出力する電流を電圧に変換し、この電圧(検出電圧という)を、スイッチSW19を介してAPC回路600に出力する。APC回路600はオペアンプ61と、1つのスイッチ(SWfb1〜SWfb32の何れか1つ)とコンデンサ(Cfb1〜Cfb32の何れか1つ)との直列回路とを複数個備える。各直列回路はオペアンプ61の出力端子と反転入力端子との間に接続されている。各直列回路はサンプルホールド回路を構成する。1つのサンプルホールド回路が1つの発光素子に対応する。例えば、スイッチSWfb1とコンデンサCfb1とのサンプルホールド回路は、発光素子LD1に対応する。同様に、スイッチSWfb32とコンデンサCfb32とのサンプルホールド回路は、発光素子LD32に対応する。
【0048】
オペアンプ61は、発光素子LD1を駆動したときの差電圧を増幅しバス150の対応する信号線に出力する。ドライバ1001はこの差電圧がゼロになるように発光素子LD1に与える駆動電流を変化させる。これにより、発光素子LD1のレーザ光量が変化し、受光器PDに流れる電流量が変化する。受光器PDに流れる電流に応じた検出電圧が電流アンプ300からAPC回路600に出力される。このようなフィードバック制御により、電流アンプ300の入力出力に加えられた加算電流は相殺される結果消え、APC基準電圧Vrefで発生した基準電流に対応するレーザ光量となるように発光素子LD1の駆動状態を設定する。なお、この駆動状態の設定とは、発光素子LD1に与える駆動電圧と駆動電流の両方をAPC基準電圧Vrefに対応する値に調整することを意味している。
【0049】
このようにして発光素子LD1を制御している間、APC回路600の32個のサンプルホールド回路のうち、スイッチSWfb1のみがオンとなっており、発光素子LD1のレーザ光量がAPC基準電圧Vrefに相当する値に収束する際の電圧がコンデンサCfb1に蓄積される。以下同様に、発光素子LD2〜LD32を順番に1つずつAPC制御する。
【0050】
なお、後述するように、APC制御は2回行うことが好ましい。2回目のAPC制御では、1回目のAPCでオンしていたスイッチSWSaをオフする。電流アンプ300の出力側に供給されている相殺電流は基準電流+加算電流がそのままであるため、受光電流は基準電流+加算電流に対応する電流で制御が行われる。APC回路600中の32個のサンプルホールド回路を1回目及び2回目のAPC制御で共通に用いることができるが、2回目のAPC制御用に新たに32個のサンプルホールド回路を設けてもよい。
【0051】
光量モニタ400は、電流アンプ300に流れる電流から各発光素子LD1〜LD32のレーザ光量を示す光量モニタ信号を出力する。
【0052】
強制点灯回路500は、APC制御を行う前に必要となる同期信号を生成する回路である。光量制御装置10が組み込まれる複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置では、画像を描画する位置を正確に決定するために、描画開始位置の少し手前に光センサを設け、発光素子が出力する光が光センサを横切るタイミングに基づき描画開始位置を決定している。
【0053】
図2の光学系では、各発光素子LD1〜LD32から出射されたレーザ光は、図2を参照して前述した光学系を介して感光体ドラム1020C,1022C,1024C,1026C(以下、代表して「感光体ドラム1020C」という)に照射される。そして、ポリゴンミラー1150の回転により、上記レーザ光が感光体ドラム1020C表面を繰り返し走査する。また、各発光素子LD1〜LD32から出射されたレーザ光の一部は、SOSセンサ1078に入力する。
【0054】
図5は、このときレーザ光Sを受光したSOSセンサ1078の出力を光量制御センサ出力として示している。
【0055】
ここでは、描画開始位置の少し手前に設けられたSOSセンサ1078の出力をSOSセンサ出力として示す。
【0056】
前述したように、発光素子LD1〜LD32の個々のレーザ光量は端面レーザに比べ小さいので、複数個を同時にONさせて、SOSセンサ1078上を走査する。この場合、特に二次元に配列された発光素子のうち、中央部分に位置する複数の発光素子のみをONすることが好ましい。しかしながら、APC制御では発光素子を1つずつONさせて条件設定(フィードバックループのゲイン)を行っているため、所定数の発光素子を同時にONさせてしまっては、APC制御のフィードバックループが発振してしまう可能性がある。
【0057】
従って、この問題点を解決するために、強制点灯回路500は、変調信号(変調データ)に応じて電流アンプ300の負荷の大きさを変化させる。つまり、ONすべき発光素子の数に応じた負荷を電流アンプ300の出力に接続する。図示する構成では、複数の抵抗がスイッチを介して電流アンプの出力に接続されている。オペアンプ61に着目すれば、強制点灯回路500は、ONすべき発光素子の数に応じて電流電圧変換ゲインを小さくし全体として負帰還のゲインが変わらないようにする。このような構成により、常に1つの発光素子のみをONさせた状態と等価な状態が得られるため、換言すれば、フィードバックループのゲインは1つの発光素子のみをONさせた状態の値となる。
【0058】
共通制御電位設定回路200は、各ドライバ1001〜10032内で必要とされる各種の電流を生成するために必要な制御電位を生成する回路である。図4の構成では、共通制御電位設定回路200は、各ドライバ1001〜10032内で流れるバイアス電流を設定するための共通電位を生成する回路と、オフセット電流を生成するための共通電位を生成する回路とを備えている。バイアス電流とオフセット電流とは典型的な例であって、各ドライバ1001〜10032は駆動と制御に必要なその他の電流を生成するために必要な制御電位を設定することができる。バイアス電流設定用の共通制御電位は、演算増幅器(オペアンプ)211、電流源212,213及び負荷214,215を含む回路で生成される。オフセット電流設定や他の電流設定用の共通制御電位もそれぞれ同様の回路で生成される。外部からのバイアス電流設定信号に応じて、電流源212は指示された電流を負荷214に供給する。負荷214の端子電圧がオペアンプ211のプラス側端子に与えられる。定電圧源216に接続された定電流源213は、オペアンプ211の出力に応じた電流を負荷215に流す。負荷215の端子電圧がオペアンプ211のマイナス側端子に与えられる。オペアンプ211は、電流源213がバイアス電流設定信号で設定されたバイアス電流と同一の電流を流すように電流源213を制御する。このときのオペアンプ211の出力信号は、バス150の対応するバス線に出力される。他方、定電圧源216のプラス側電圧がバス150の対応するバス線に出力される。このバス線は、夫々の共通制御電位に共通であって、かつ各ドライバ1001〜10032に共通である。このように、外部から設定されたバイアス電流値が差分電圧の形でバス150を介して各ドライバ1001〜10032に供給される。各ドライバ1001〜10032は後述するように、受け取った差分電圧からバイアス電流を生成する。この結果、たとえ定電圧源216の電源電圧が変動しても、上記電位差はほぼ一定となる。なお、オペアンプ211の出力電圧と定電圧源216の電圧とは、平衡二線で伝送することが好ましい。
【0059】
次に、図6を参照してドライバ1001〜10032の内部構成について説明する。各ドライバ1001〜10032は同一構成なので、以下では1〜32の添え字を省略し、単にドライバ100として説明する。
【0060】
ドライバ100は2つの乗算器21、22を有する。乗算器21は電流源30を制御するために設けられ、乗算器22は図4に示すコンデンサCd1〜Cd32のうちの対応する1つを制御するために設けられている。以下、便宜上、対応する1つのコンデンサをCdとし、図6に破線で示す。コンデンサCdはレーザへの駆動電圧が立ち上がる短い時間電圧源として機能する。電流源30は対応する発光素子LDに流す電流を生成し、電圧源として機能するコンデンサCdは対応する発光素子LDに駆動電圧を与える。
【0061】
ここで、面発光レーザダイオードの駆動電流と駆動電圧(端子電圧)との関係(電圧−電流特性)は、面発光レーザダイオードの内部抵抗が高いことから実用的な範囲では比例関係(直線関係)となり、また、駆動電流とレーザ光量との関係も実用的な範囲で比例関係(直線関係)となる。このような特性を踏まえて、1回目のAPC制御において電流源30の電流量は発光素子LDのレーザ光量が基準光量(第1の光量)となるように決められ、2回目のAPC制御においてレーザ光量が第2の光量となるように決められる。同様に、1回目のAPC制御においてコンデンサCdが蓄積する駆動電圧は発光素子LDのレーザ光量が基準光量(第1の光量)となるように決められ、2回目のAPC制御においてレーザ光量が第2の光量となるように決められる。これらの2つの値を用いた内挿又は外挿処理により、レーザ光量を任意の光量に補正することができるようになる。
【0062】
乗算器21と22は4象限アナログ乗算器を用いることができ、その乗算器に接続されるべき電圧源としてコンデンサを用いることができる。各乗算器21、22の入力は差動構成となっている。各乗算器21、22の+と−で表記された2つの差動入力をそれぞれV1a、V1b及びV2a、V2bとすると、差動構成の各乗算器21、22は“Iout=α(V1a-V1b)(V2a-V2b)”で記述される電流を出力する。ただし、αは定数である。
【0063】
このようなレーザ駆動装置では、各乗算器21及び22の一方の入力端子(乗数端子)には補正信号が入力し、他方の入力端子(被乗数端子)には制御電圧が入力する。通常差動で構成する乗算器の相補出力の+側出力を利用した場合オフセット電流が存在するが上記各乗算器21及び22にオフセットが存在してもその出力に接続されたコンデンサC1、C2によりAPC時当該オフセットがキャンセルされる。補正信号は、レーザ光の走査位置によりレーザ光量が異なる状況を考慮したもので、レーザ光の走査位置に応じた制御電圧を有する。
【0064】
まず、第1のAPC制御により、第1の光量(基準値とする)を次のように設定する。スイッチSWSaはオン、SASbはオフ、SW1はオフ、SW2はオフ、SW3はオフ、SW5−1はオン、SW5−2はオフ、SW5−3はオフ、SW5−4はオン、SW6−1はオン、SW6−2はオフ、SW6−3はオフ、SW6−4はオン、SW7はオフ、SW8はオン、SW11はオン、SW11−1はオン、SW11−2はオフ、SW12はオフ、SW13はオン、SW15−1はオフ、SW15−2はオン、SW16はオフ、スイッチSWSaをオンに設定する。また、第1の光量を設定する際には、各乗算器21及び22の乗数端子に0Vの補正信号を与える。この状態では、乗数が0であるため、被乗数端子にどのような制御電圧が入力されても各乗算器21及び22はオフセット電圧を出力する。また、図4に示すAPC回路600のオペアンプ61には、第1のAPC基準電圧Vref1が与えられる。オペアンプ61は、発光素子LDのレーザ光量が第1のAPC基準電圧Vref1となるような制御電圧を出力する。この制御電圧は図6のスイッチSW8、オペアンプ26、インバータ28及びスイッチSW11を通り、電流源30に与えられる。電流源30は受け取った制御電圧に応じた電流を発光素子LDに与える。また、オペアンプ26が出力する制御電圧はサンプルホールド回路のコンデンサC3−1に格納される。補正信号は0Vに設定されているため、乗算器21はオフセット電圧を出力する。よって、コンデンサC1は、上記制御電圧と乗算器21から出力されるそのオフセット電圧との差電圧で充電される。他方、図4のオペアンプ61が出力する制御電圧は、コンデンサC2に与えられるとともに、サンプルホールド回路のコンデンサC4−1に格納される。補正信号は0Vに設定されているため、乗算器22はオフセット電圧を出力する。よって、コンデンサC2には制御電圧と乗算器22のオフセット電圧との差電圧で充電される。
【0065】
そして、第2のAPC制御により第2の光量(これを補正光量という)を次のように設定する。スイッチSW1はオフ、SW2はオフ、SW3はオフ、SW5−1はオフ、SW5−2はオン、SW5−3はオン、SW5−4はオフ、SW6−1はオフ、SW6−2はオン、SW6−3はオン、SW6−4はオフ、SW7はオフ、SW8はオフ、SW11はオフ、SW11−1はオン、SW11−2はオフ、SW12はオフ、SW13はオン、SW15−1はオフ、SW15−2はオフ、SW16はオフ、SWSaをオフに設定する。また、第2の光量を設定する際には、各乗算器21及び22の乗数端子に所定電圧の補正信号を与える。更に、スイッチSWSaがオフになっていることからオペアンプ61は、第1のAPC制御に対し、電流源450の加算電流分、受光器PDからの光量が増大するように制御電圧を出力する。この制御電圧は図6のスイッチSW8、オペアンプ26、インバータ28及びスイッチSW5−2、SW5−3、乗算器21、抵抗R11、キャパシタC1を通り、電流源30に与えられる。電流源30は、受け取った制御電圧に応じ、受光器PDからの電流を、基準電流から、この基準電流に加算電流を加えた電流へと変化させる。また、オペアンプ26が出力する制御電圧はサンプルホールド回路のコンデンサC3−2に格納される。コンデンサC1は、上記制御電圧と乗算器21の出力との差電圧で充電される。第1のAPC制御において発光素子LDに与えられる電流をIとすれば、第2のAPC制御において発光素子LDに与えられる電流はI+ΔIと記述することができる。他方、図4のオペアンプ61が出力する制御電圧は、コンデンサC2に与えられるとともに、サンプルホールド回路のコンデンサC4−2に格納される。コンデンサC2には制御電圧と乗算器22の出力との差電圧で充電される。第1のAPC制御においてコンデンサC2に格納される電圧をVとすれば、第2のAPC制御においてコンデンサC2に格納される電圧はV+ΔVと記述することができる。
【0066】
ここではスイッチSW6−1、SW6−4をオン、SW6−2、SW6−3をオフしたが、2回目以降のAPCではSW6−3、SW6−1をオン、SW6−2、SW6−4をオフとしてもよく、この方が変調時と同じ条件のため精度向上が期待できる。
【0067】
発光素子LDの変調時には、レーザ光の走査位置に応じた光量補正量に対応した補正電圧が各乗算器21、22の乗数端子に入力される。それにより、乗算器22、コンデンサC2及びオペアンプ26で構成される電圧源から面発光レーザダイオードに印加される駆動電圧、及び電流源30から発光素子LDに供給される駆動電流の双方が同時に制御され、上記レーザ光の走査位置に応じて補正された光量にて発光素子LDの発光がなされる。
【0068】
コンデンサC1には直列に抵抗R11を接続する。すなわち、本実施形態では、コンデンサC1を含むサンプルホールド回路をローパスフィルタで構成する。また、このローパスフィルタにはコンデンサC11を並列に接続する。同様に、コンデンサC2に直列に抵抗R21を接続することで、これを含むサンプルホールド回路をローパスフィルタで構成する。更に、コンデンサC2及び抵抗R21で構成されたローパスフィルタに、負帰還ループの位相遅れを防止するためのコンデンサC21を並列に接続している。
【0069】
電圧印加時間調整回路800は、スイッチSW2を制御して発光素子LDに電圧を印加する時間を調整する。この電圧はコンデンサCdに蓄積された電圧である。前述したように、本実施形態では、発光素子LDに与える電圧と電流との両方を制御して発光素子LDを駆動する。発光素子LDを駆動する際、まず電圧で駆動し次に電流で駆動する。このように、電圧駆動の電圧印加時間を調整可能としている。
【0070】
電圧印加時間調整回路800は、遅延回路81と排他的論理和回路82とを2組有する。2つの遅延回路81は、インバータ83で図示するように接続されている。遅延回路81は、電圧印加時間信号と変調信号とを受け取り、電圧印加時間信号に従って変調信号を遅延させる。一方の遅延回路81の出力信号と変調信号との排他的論理和をとり、その出力信号でスイッチSW2をオンさせる。この結果、出力信号は変調信号の立ち上がりで立ち上がり、遅延した変調信号の立ち上がりで立ち下がる第1のパルスと、変調信号の立ち下がりで立ち上がり、遅延した変調信号の立ち下がりで立ち下がる第2のパルスを発生する。つまり、遅延回路81の遅延時間と同じパルス幅で電圧を変調信号の立ち上がり時と立ち下り時に印加するようになる。このようにして、電圧印加時間を設定している。同様に、他方の遅延回路81と排他的論理和回路82の作用によりスイッチSW1を制御しOFFバイアスを供給することで、発光素子LDがオンからオフへの動作を制御する(高速化する)。
【0071】
電流生成回路700は、図4に示す共通制御電位設定回路200が出力する電流毎の差分電圧を受け取り、差分電圧に応じた電流を生成する。電流生成回路700のオペアンプ34と定電流源32とは基準共通電位と基準オフセット電位で形成される差分電圧を受け取り、差分電圧に応じたオフセット電流を生成する。オフセット電流はスイッチSW16を介して負荷24に流れる。オフセット電流に応じてコンデンサC2の端子電位が決まり、これにより電圧源として機能するコンデンサC2が発光素子LDに与える駆動電圧を調整する。駆動電圧を調整することで、駆動パルスをオーバーシュートさせ、短いパルス幅までレーザを追従させることでハイライトの再現性を高めることができ、駆動電圧を少し大きめに設定することで画像の輪郭を強調できるなど、画像に合わせてこれらを適宜設定することで画質の調整にも使用することができる。オペアンプ35と電流源31とは、基準共通電位と基準バイアス電位で形成される差分電圧を、スイッチ750を介して受け取り、差分電圧に応じたバイアス電流を生成する。また、スイッチ750に接続される図中の電圧源が設定するOFFバイアス電圧を受けた電流源31は、OFFバイアス電圧に応じたレーザ駆動電流を生成する。ここで生成されたバイアス電流はOFFバイアス電圧を決定する際の試験電流であり、APCの前あるいは後にOFFバイアス電圧決定のための期間を設けておき、その期間に試験電流を、SW15−1を経由して各レーザに供給し、そのときの各レーザ端子電圧を元に全レーザ共通のOFFバイアス電圧を決定する。さらに決定した共通のOFFバイアス電圧をレーザ端子電圧に印加した際に流れる電流を元にスイッチ750に接続される図中の電圧源の値が設定され、変調時にはこの図中の電圧源によりOFFバイアス電流が制御される。
【0072】
図7は、図4及び図6に示す発光素子駆動装置10と発光素子LD1〜LD8との接続関係の詳細を示す図である。
【0073】
前述したように、本発光素子駆動装置では、ドライバ1001〜10032は複数個ずつ、端子LDCOMを介して共通に接続されるとともに、負荷105に接続されている。図4の構成では、ドライバ1001〜1004のLDCOM端子は共通に接続され、一端がグランドに接続された負荷105の他端に接続されている。各ドライバ1001〜10032は対応する発光素子を駆動していないときには、駆動電流に対応する電流(相補出力)を出力する。この電流を負荷105に流すことにより、発光素子の点灯の数等に依存することなく常にほぼ一定の電流が発光素子駆動装置10に流れるようにしている。
【0074】
図7において、スイッチSW1a、SW1bは図4に示すドライバ1001内部のスイッチSW11−1とSW11−2(図6)に相当する。同様に、SW2a、SW2b〜SW8a、SW8bはそれぞれ、ドライバ1002〜1008内部のスイッチSW11−1とSW11−2(図6)に相当する。スイッチSWnaとSWnbはそれぞれ相補的に動作する。図示するように、SWnaが発光素子を駆動するための駆動電流(図6の電流源30が生成する電流)を発光素子LDに印加する働きをする。スイッチSW1b〜SW4bはそれぞれ共通線に接続されており端子PAD33を介し外部負荷に接続される。同様にSW5b〜SW8Bはそれぞれ共通線712に接続されており、端子PAD34を介し外部負荷105に接続される。今、スイッチSWnaを第1のスイッチとし、SWnbを第2のスイッチとすれば、第2のスイッチSWnbを、共通配線を介して複数個まとめ、外部にはこれらに共通の単一の端子を用いて外部に取り出す構成である。
【0075】
この構成において、端子PAD33とPAD34は共通化している配線の中央に接続していることが望ましい。各ドライバには、電源端子(VDD)から電源電圧が供給されている。図示していない他のドライバ1009〜10032にも定常的に電流が流れているが、簡略化のため駆動部の消費電流は出力電流値で決まるものとして説明する。
【0076】
図8に示すように、発光素子LD1がオンしている場合、発光素子LD2〜LD8の状態によらず電源電流は一定であり、電源配線の抵抗による電圧降下分も一定となる。従ってDC的には電源変動による各駆動回路の特性変動もない。なお、図7では、発光状態の一部のみ表示しており、LD9〜LD32については省略してある。
【0077】
ここで、過渡的に端子PAD33を経由し共通に接続された配線抵抗が、発光素子間でクロストークを生じる可能性がある。この可能性を小さくするために、以下の構成を採用することが好ましい。なお、以下の説明では端子PAD33に関するものであるが、端子PAD34も同様である。
【0078】
まず、複数の発光素子LD1〜LD32の光量ばらつきを無くし、基準光量になるように光量制御を行う(前述したAPC制御)。複数の発光素子LD1〜LD32の光量制御は、前述したように、各発光素子LD1〜LD32を1個ずつ発光させて制御を行う。発光素子LD1をAPC制御する場合、スイッチSW1aをオン、その他のLD2〜LD32については、スイッチSWnb側をオンにした状態で、発光素子LD1を発光させ、前述したようにして、図7に示す電流I1を決定する。次に、スイッチSW2aをオンし、スイッチSWnb側をオンにした状態で、発光素子LD2を発光させ、同様に電流I2を決定する。このようにして、順次すべての電流値I1〜I32を決定する。このとき、発光素子は1個ずつ発光しているが、ドライバ1001〜10032で消費する電流値は各駆動電流の総和に等しくなる。
【0079】
次に、印字モード(変調制御)に移行する。印字モードでは、同時に発光する発光素子数は画像によって変化する。しかし、発光していない発光素子に対しても共通配線を介して駆動電流に相当する電流値が外部負荷105に流れるために、印字モード時にドライバで消費される電流値は、光量制御モード時同様、各駆動電流の総和に等しくなる。従って、印字モードで発光する発光光量は、光量制御時に設定した光量に等しくなる。
【0080】
ところで、本実施の形態において、端子数を一番減らす方法はすべての相補出力を共通化することであるが、発光素子数が非常に多い場合は、以下のような問題が発生する。例えば32個の発光素子LD1〜LD32を有し、発光素子あたり最大5mA流れると仮定すると、共通の相補出力線には最大160mA流れることになる。信頼性を確保するためには、配線幅の広幅化が必要であり、LSIチップ(発光素子駆動装置10)内部での配線の引き回し面積が増えてしまう。また、各スイッチSna、Snbの切り換え時間差が原因で電源変動がみられるが、共通に接続されている個数が多い場合、出力特性に影響を与える。さらに、共通線に連なる各スイッチの状態によってクロストークが発生し、図7に示すノードN1〜N4の電圧が変動することも考えられる。このノードの電圧は、発光素子を駆動する場合のスタート電圧に相当する。スタート電圧が変動することで、発光素子の立ち上がり波形が変化し画像筋の要因となる。
【0081】
従って、共通にする相補出力はこれらを鑑み特性に影響が出ない範囲で、主力端子が一番少なくなる構成にすればよい。このために、第1に、32個の発光素子LD1〜LD32を複数のグループ(又はブロック)に分割し、グループごとに第2のスイッチSWnbを共通に接続する。図9の例では、4つずつ8分割している。例えば、発光素子LD1〜LD4は同じグループに属し、共通線711を介して共通に接続されている。つまり、同じグループに属する第2のスイッチSW1b〜SW4bに対応する第1のスイッチSW1a〜SW4aに接続する発光素子LD1〜DL4が感光体1020C(図5)上に形成する光ビームは互いに隣接するように配置されている。この共通線711は外部接続用の端子PAD33に接続されている。32個の発光素子LD1〜LD32が図9に示すように、主走査方向に4個、副走査方向に8個のアレイ状に配列されている場合、同一グループの発光素子LD1〜LD4が形成する走査ビームは、副走査方向に隣接している。同様に、発光素子LD5〜LD9は同じグループに属し、共通線712を介して共通に接続されている。発光素子LD5〜LD9が形成する走査ビームは、副走査方向に隣接している。そして、共通線712は外部接続用の端子PAD34に接続されている。
【0082】
上記配置の場合、共通線711、712を外部端子PAD33、PAD34に接続する接続位置は、共通化されている中央付近が望ましい。例えば、端子PAD33との接続は、共通線711の中央付近で行う。言い換えれば、端子PAD33からの信号線は、共通線711の中央付近に接続されている。
【0083】
また、第2のスイッチSWnbの共通接続数が等しくなるように分割することが好ましい。
【0084】
また、共通に接続されている第2のスイッチSWnbにそれぞれ対応する第1のスイッチによって駆動される発光素子により感光体1020C(図5)上に形成されるビームの空間周波数が、人間の目で感知できる空間周波数以下となるように前記第2のスイッチSWnBの分割数を決定することが好ましい。今、空間周波数f(cycle/mm)以下の周波数であれば人間の目で感知できないとすると、ビームピッチをd(μm)、ブロック数をnとすると、
f<1000÷(d×n)
となるように、ブロック数を決定する。この条件を満足する限り、変動が起きたとしても露光量の変動の周期が感知できる周波数以下である。
【0085】
また、共通に接続されている第2のスイッチSWnbにそれぞれ対応する第1のスイッチによって駆動される発光素子により感光体16上に形成されるビームの空間周波数が、人間の目で感知できる空間周波数以下となるように第2のスイッチSWnbと発光素子LDとの関係を決定することとしてもよい。つまり、図7のように、隣接している発光素子に対応した第1のスイッチSWnaや第2のスイッチSWnbをグループ化する以外に、隣接していない第1のスイッチSWnaや第2のスイッチSWnbをグループ化してもよく、更には一部のみ隣接しているようなグループ分けであってもよい。
【0086】
図10は、別のグループ化の例を示す図である。
【0087】
図示するグループ化は、同じグループに属する第2のスイッチSWnbに対応する第1のスイッチSWnaに接続する発光素子は、当該発光素子により走査装置を介して感光体1020C上に形成されるビームが形成する走査ラインが隣接していないように配置されている。図示する構成では、32個の発光素子LD1〜LD32を4分割している。従って、1グループは8個の発光素子からなる。32個の発光素子LD1〜LD32は図9に示すように8行4列配置で、8つの行はそれぞれLD1〜LD4;LD5〜LD8;・・・、LD29〜LD32で構成され、4つの列はLD1、LD5、LD9、・・・、LD29;LD2、LD6、LD10、・・・、LD30;LD3、LD7、LD11、・・・、LD31及びLD4、LD8、LD12、・・・、LD32で構成されている。この配置において、以下のようにして、発光素子LD1〜LD324つのグループに分ける。例えば、発光素子LD1、LD5、LD9、LD13・・・を1つのグループとし、また、LD2、LD6、LD10、LD14・・・を1つのグループとする。このようにグループ化した場合、発光素子は行又は列方向に隣り合わない。そして、対応する第2スイッチをグループ化する。上記例の場合、第2のスイッチSW1b、SW5b、SW9b、SW13b・・・をグループ化し、共通配線721で共通に接続する。同様に、第2のスイッチSW2b、SW6b、SW10b、SW14b・・・を共通配線722で共通に接続する。以下同様にして、共通配線723、724が設けられている。そして、各共通配線721、722、723、724はそれぞれ対応する接続端子PAD33、PAD34、PAD35、PAD36に接続され、これらのパッドを外部の共通負荷105に接続する。このようなグループ化であっても、隣接する発光素子に対応する第2のスイッチをグループ化した場合と同様の作用を奏する。
【0088】
なお、図7に示す回路であっても、パッドPD1〜PD32に接続する発光素子LD1〜LD32を変更することで、実質的に図10に示すような接続関係を実現することができる。つまり、各発光素子LD1〜LD32がアレイ上で隣接しないようにパッドPD1〜PD32に接続すればよい。
【0089】
前述のとおり、図7又は図10に示す回路を用いて、各ドライバ1001〜10032は対応する発光素子を駆動していないときには、駆動電流に対応する電流(相補出力)を負荷105に出力している。
【0090】
本実施の形態では、さらに図7又は図10に示す回路をもう1台備えていて、この回路により、各ドライバ1001〜10032は対応する発光素子に駆動電流を流さずに、その駆動電流を負荷105に流すときは、その発光素子にはバイアス電流を流し、各ドライバ1001〜10032は対応する発光素子に駆動電流を流すときは、バイアス電流を負荷105に出力するようにしている。すなわち、ある発光素子について画像形成する画像データに基づいて変調信号(変調データ)がONになるとき(その発光素子で画素を形成するとき)には、その発光素子には駆動電流を流し、負荷105にバイアス電流を流す。逆に変調信号(変調データ)がOFFになるとき(その発光素子で画素を形成しないとき)には、その発光素子にはバイアス電流を流し、負荷105に駆動電流を流す。
【0091】
また、前述のとおり、図4を参照して共通制御電位設定回路200について説明したが、前述の共通制御電位設定回路200におけるバイアス電流の生成は、一般的、概括的なバイアス電流の生成の説明にとどまるものである。本実施の形態では、各発光素子LD1〜LD32を電圧電流駆動している。以下では、発光素子駆動装置10に設けられている各発光素子LD1〜LD32の電圧電流駆動にかかわる回路について説明する。
【0092】
図11は、本実施の形態における各発光素子LD1〜LD32の電圧電流駆動にかかわる回路の回路図である。
【0093】
図11においては、面発光レーザダイオードの多数の発光素子について、図面の簡略化のため、32個の発光素子のうち2つの発光素子LD1,LD2を代表して示している。
【0094】
図11において、2つの発光素子LD1,LD2に対して、試験電流供給回路3013−1,3013−2、バイアス電流供給回路3018−1,3018−2およびバイアス電流設定部3019−1,3019−2がそれぞれ対応して設けられ、試験電流設定部3132およびバイアス電圧設定回路3014が共通に設けられている。なお、試験電流設定部3132については、試験電流供給回路3013−1,3013−2ごとに設けることも可能である。また、本実施形態では、バイアス電圧設定回路3014でのバイアス電圧Vbiasの設定に当たって、2つの発光素子LD1,LD2の各端子電圧の演算結果を用いるようにしている。そのため、バイアス電圧設定回路3014の前段に演算回路3021を備えている。
【0095】
この演算回路3021は、試験電流供給回路3013−1,3013−2から発光素子LD1,LD2に対して各発光閾値電流よりも低い、好ましくは僅かに低い試験電流が供給されているときの発光素子LD1,LD2の各端子電圧V1,V2を用いて、例えば“平均値(V1+V2)/2”の演算を行う。ただし、電圧値の算出に当たっては、平均値の算出に限られるものではなく、各端子電圧の最小値と最大値の間でかつ最小値と最大値を除く電圧値、具体的にはメジアン、モードなど、発光素子の特性ばらつきのできるだけ中心値が望ましい。
【0096】
演算回路3021の演算結果である電圧値“(V1+V2)/2”は、バイアス電圧設定回路3014に与えられる。バイアス電圧設定回路3014では、この電圧値“(V1+V2)/2”をスイッチSW42でサンプリングし、コンデンサC41にホールドする。このコンデンサC41にホールドされた電圧は、発光素子LD1,LD2の消灯時にスイッチSW41−1,SW41−2がオン状態になることにより、発光素子LD1,LD2の各アノードにバイアス電圧Vbiasとして印加される。
【0097】
コンデンサC41にホールドされた電圧はさらに、バイアス電流設定部19−1,19−2にも供給される。バイアス電流設定部3019−1,3019−2は、例えば差動アンプおよびサンプルホールド回路によって構成され、発光素子LD1,LD2の消灯時にこれら発光素子LD1,LD2の各端子電圧V1,V2が、バイアス電圧設定回路3014で設定されたバイアス電圧Vbiasに一致するように負帰還制御して電流源3181−1,3181−2の各電流、即ちバイアス電流Ibiasを設定する。このような負帰還制御の構成を採ることにより、発光素子LD1,LD2ごとに消灯時の端子電圧が、算出された共通のバイアス電圧Vbiasに一致するように制御を行う。
【0098】
ここで、発光素子の電圧電流駆動(電圧駆動→電流駆動)を行う際には、先ずスイッチSW41−1,SW41−2をオン状態にすることで、バイアス電圧設定回路3014で設定された電圧値“(V1+V2)/2”のバイアス電圧Vbiasが、スイッチSW41−1,SW41−2を介して発光素子LD1,LD2のアノードに印加される(電圧駆動)。その後、スイッチSW41−1,SW41−2をオフ状態にし、バイアス電流供給回路3018−1,3018−2のスイッチSW81−1,SW81−2をオン状態にすることで、バイアス電流設定部3019−1,3019−2でバイアス電圧Vbiasを基に設定されたバイアス電流Ibiasが電流源3181−1,3181−2から発光素子LD1,LD2に供給される(電流駆動)。
【0099】
この電圧電流駆動の場合には、バイアス電圧Vbiasの電圧値と、当該バイアス電圧Vbiasを基に設定されたバイアス電流Ibiasの電流値とが対応しているため、電圧駆動から電流駆動へ移行する際に発光素子LD1,LD2の端子電圧V1,V2の電圧値が速やかに電流駆動の電圧値に収束することになる。
【0100】
ここで、本例で面発光ダイオードに設けられている32個の発光素子が常にすべて画像形成に使用されるときは限らない。例えば、単色の黒トナーのみを使用して高速に画像形成するときは32個の発光素子を全て使用し、フルカラー画像を形成するときは32個の発光素子のうちの一部を使用する場合など、32個の発光素子のうちの一部は画像形成に使用せずに休止させる場合がある。
【0101】
この場合、図4に示すように、ディセーブル信号(DSBL信号)を発光素子駆動装置10のAPC回路600などに出力して、休止させる発光素子に対応しているスイッチSWfb1〜SWfb32を開いておいて、休止させる発光素子についてAPCを行わないようにしている。
【0102】
しかし、休止させる発光素子についてAPCを行わないようにしても、それはAPCを行わないというだけであって、休止させた発光素子についてAPCを行わないがために保持電圧がどの程度になっているかは定かではない。変調データ同士や外乱などによるクロストークに起因して、休止させるべき発光素子が何らかの電圧を保持していて発光してしまう可能性もある。そして、休止させるべき発光素子が発光してしまったのでは、形成する画像の画質劣化を引き起こすことになる。そこで、休止させるべき発光素子は確実に発光しないようにして、画質劣化を防止しなければならない。
【0103】
また、図11を参照して説明したように、本実施の形態における発光素子の電圧電流駆動においては、バイアス電圧設定回路3014を各発光素子で共通化している。そして、各発光素子でばらつきがでないように、この共通化されたバイアス電圧Vbiasに基づいて全ての発光素子のバイアス電流Ibiasを制御しており、バイアス電流Ibiasは個別には制御していない。
【0104】
そこで、バイアス電圧設定回路3014で印加された各発光素子の各端子電圧を前述のとおり平均化処理して、バイアス電圧Vbiasを基に設定された各発光素子で共通のバイアス電流Ibiasが各発光素子に供給されるようにしている。
【0105】
しかし、バイアス電圧設定回路3014で印加された各発光素子の各端子電圧を平均化処理するので、休止する発光素子にバイアス電流Ibiasが流れないことになると、平均化の誤差がでる。
【0106】
そこで、これらの不具合を解決するための本実施の形態の構成について説明する。
【0107】
図12は、発光素子駆動装置10を制御する制御系の電気的な接続のブロック図である。
【0108】
この制御系は、各部を集中的に制御するCPU4001に、CPU4001が実行する制御プログラム4004や固定データを記憶したROM4002と、CPU4001の作業エリアとなるRAM4003と、発光素子駆動装置10などと通信を行う通信インターフェイス(I/F)4005とが接続されている。
【0109】
制御プログラム4004は、画像形成装置の製造当初からセットアップされていてもよいが、後発的に、制御プログラム4004を記憶している記憶媒体から読み取って不揮発性メモリや磁気記憶装置などにセットアップし、あるいは、インターネットなどの通信手段から搬送波の形態でダウンロードして不揮発性メモリや磁気記憶装置などにセットアップするようにしてもよい。
【0110】
前述のとおり、面発光ダイオードの各発光素子の制御は、駆動すべき(画像形成を行うべき)発光素子には駆動電流を流し、そのときにはバイアス電流は負荷105に流して、駆動しない(画像形成を行わない)発光素子にはバイアス電流を流し、そのときには駆動電流は負荷105に流すように、相補的な動作を行っている。
【0111】
このときに、前述のとおり、作像モードによって面発光レーザダイオードの各発光素子のうち一部を休止させるときは、CPU4001は各ドライバ1001〜10032のうち、作像モードに応じて休止させる発光素子にかかるものに対して前述のディセーブル信号(DSBL信号)を出力する(図4参照)。このDSBL信号を受けたドライバでは、内部のスイッチの切り替えにより、その休止させる発光素子に対して変調信号とは無関係にバイアス電流を流し、駆動電流を負荷105に流す。すなわち、図7又は図10の回路において、発光素子を休止させている間は、その発光素子には変調信号とは無関係にバイアス電流を流し、駆動電流を負荷105に流すように固定している。これによって、画像形成に使用しない発光素子に対してもバイアス電流を供給するため、バイアス電流の設定の際に端子電圧を平均化する場合の平均化誤差が生じないように制御することができる。この場合に休止させる発光素子に対して流すバイアス電流は、発光素子の発光閾値以下に設定されているので、休止させる発光素子が発光することはない。
【符号の説明】
【0112】
10 発光素子駆動装置
1001〜10032 ドライバ
105 負荷
LD1〜LD32 発光素子
3019−1,3019−2 バイアス電流設定部
3014 バイアス電圧設定回路
4001 CPU
4004 制御プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置、画像形成装置、及び露光制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、面発光レーザに印加するバイアス電流の設定方法であり、試験電流を全チャネルに共通して供給し、端子電圧が所定電圧となるようにバイアス電流を制御する点について開示されている。
【0003】
特許文献2には、時定数の高い面発光レーザで立ち上がり、立ち下がり時に電圧駆動を行い、端子電圧の立ち上がり後には電流駆動することで温度変化に対する光量の変動を抑制する点について開示されている。
【0004】
特許文献3には、面発光レーザダイオードと略等価な擬似負荷への相補出力配線方法であり、所定電流を常に印加することで電流源の電位変動を抑制することで変調速度を上げる点について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004‐193376号公報
【特許文献2】特開2002‐335038号公報
【特許文献3】特開2005‐059216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、画像形成に使用しない発光素子が画像形成中に発光することを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、複数の発光素子と、負荷と、前記複数の発光素子のうち画像形成に使用するものについては、変調信号に応じて前記発光素子と前記負荷とのうち一方に駆動電流を供給し他方にバイアス電流を供給する第1の供給手段と、前記複数の発光素子のうち画像形成に使用しないものについては、前記変調信号にかかわらず前記バイアス電流を前記発光素子に供給する第2の供給手段と、を備えている露光装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の露光装置において、前記複数の発光素子の消灯の際の各端子間電圧を平均化処理した前記複数の発光素子で共通のバイアス電圧を前記各発光素子に供給する第3の供給手段をさらに備え、前記第1及び第2の供給手段は、前記バイアス電圧の供給後、前記バイアス電圧に基づいて設定された前記バイアス電流を前記発光素子又は前記負荷に供給する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、感光体と、前記感光体を露光して静電潜像を形成する複数の発光素子を有する露光装置と、前記静電潜像をトナーで現像する現像器と、を備え、前記露光装置は、複数の発光素子を有する露光部と、負荷と、前記複数の発光素子のうち画像形成に使用するものについては、変調信号に応じて前記発光素子と前記負荷とのうち一方に駆動電流を供給し他方にバイアス電流を供給する第1の供給手段と、前記複数の発光素子のうち画像形成に使用しないものについては、前記変調信号にかかわらず前記バイアス電流を前記発光素子に供給する第2の供給手段と、を備えている画像形成装置である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、複数の発光素子のうち画像形成に使用するものについては、変調信号に応じて前記発光素子と負荷とのうち一方に駆動電流を供給し他方にバイアス電流を供給する第1の供給手段と、前記複数の発光素子のうち画像形成に使用しないものについては、前記変調信号にかかわらず前記バイアス電流を前記発光素子に供給する第2の供給手段と、をコンピュータに実行させるコンピュータに読み取り可能な露光制御プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、画像形成に使用しない発光素子が画像形成中に発光することを防止することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、各発光素子の端子間電圧を平均化処理するときの平均化誤差の発生を防止することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、画像形成に使用しない発光素子が画像形成中に発光することを防止することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、画像形成に使用しない発光素子が画像形成中に発光することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態の画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態の画像形成装置における光ビーム走査装置の光学系の構成を説明する図である。
【図3】本発明の一実施の形態の画像形成装置における光ビーム走査装置の光学系の構成を説明する図である。
【図4】本発明の一実施の形態の画像形成装置における発光素子駆動装置の回路図である。
【図5】本発明の一実施の形態の画像形成装置における感光体への露光を説明する説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態の画像形成装置におけるドライバの回路構成を示す回路図である。
【図7】本発明の一実施の形態の画像形成装置における発光素子駆動装置と発光素子との接続関係を示す回路図である。
【図8】本発明の一実施の形態の画像形成装置における発光素子の状態と対応する電流との関係を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態の画像形成装置における発光素子の配置の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態の画像形成装置における発光素子駆動装置と発光素子との別の接続関係を示す回路図である。
【図11】本発明の一実施の形態の画像形成装置における各発光素子の電圧電流駆動にかかわる回路の回路図である。
【図12】本発明の一実施の形態の画像形成装置における制御系の電気的な接続を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態の画像形成装置1010の全体構成を示す説明図である。
【0018】
画像形成装置1010は、筐体1014によって被覆されており、筐体1014内は、カラー画像を用紙に形成するための画像形成部1018及び画像形成部1018での画像処理全般を制御する画像処理制御部1080を備えている。
【0019】
画像形成部1018は、画像を形成し静電的に吸着された現像材を図1の矢印Bで示す搬送方向に搬送するための記録媒体としての中間転写体1030(ローラ1032、1034、1036、1038のそれぞれに巻き掛けられて周回するベルト構造)、中間転写体1030の搬送方向(図1の矢印B方向)に沿って上流側から下流側に向かってタンデム状に配設されるY(イエロー)色の画像、並びにM(マゼンタ)色の画像を形成するためのYM画像形成ユニット2022、C(シアン)色の画像、並びにK(黒)色の画像を形成するためのCK画像形成ユニット2426、用紙1050を用紙収納部1054より送り出し、搬送するための用紙搬送路と搬送ローラ、転写された用紙を定着処理するための定着装置1046、を備えている。CK画像形成ユニット2426の搬送方向(図1の矢印B方向)の下流側には、位置検出手段としての検知部1027が設けられている。
【0020】
YM画像形成ユニット2022は、Y色及びM色共通の露光装置である光ビーム走査装置2022Aを備えている。光ビーム走査装置2022Aは、画像データに基づいて変調したY色レーザ光及びM色レーザ光を照射する。
【0021】
Y色に関しては、感光体ドラム1020C、感光体ドラム1020Cを所定の電位に帯電させるための帯電装置1020D、光ビーム走査装置2022Aにより出力されるY色レーザ光によって形成された潜像を現像する現像器1020B、現像器1020BにY色のトナーを供給するトナー供給部1020G、感光体ドラム1020C上の黄色のトナー画像を中間転写体1030に転写する転写器1020F、及び感光体ドラム1020Cの外周面からトナーを除去するクリーニング装置1020Eを備えている。
【0022】
また、M色に関しては、感光体ドラム1022C、帯電装置1022D、現像器1022B、トナー供給部1022G、転写器1022F、及びクリーニング装置1022Eを含んで構成されている。
【0023】
CK画像形成ユニット2426は、C色及びK色共通の露光装置となる光ビーム走査装置2426Aを備えている。光ビーム走査装置2426Aは、画像データに基づいて変調したC色レーザ光及びK色レーザ光を照射する。
【0024】
C色に関しては、感光体ドラム1024C、感光体ドラム1024Cを所定の電位に帯電させるための帯電装置1024D、光ビーム走査装置2426Aにより出力されるC色レーザ光によって形成された潜像を現像する現像器1024B、現像器1024BにC色のトナーを供給するトナー供給部1024G、感光体ドラム1024C上のC色のトナー画像を中間転写体30に転写する転写器1024F、及び感光体ドラム1024Cの外周面からトナーを除去するクリーニング装置1024Eを備えている。
【0025】
また、K色に関しては、感光体ドラム1026C、帯電装置1026D、現像器1026B、トナー供給部1026G、転写器1026F、及びクリーニング装置1026Eを含んで構成されている。
【0026】
各光ビーム走査装置2022A、光ビーム走査装置2426Aから各感光体ドラム1020C、感光体ドラム1022C、感光体ドラム1024C、及び感光体ドラム1026Cへの光ビームの走査露光は、中間転写体1030の搬送速度や各感光体ドラム1020C、感光体ドラム1022C、感光体ドラム1024C、及び感光体ドラム1024C間の距離等に応じて決定される予め定められた時間だけ間隔を置いて行われる。
【0027】
図1に示される如く、中間転写体1030の下方には用紙1050を収容した用紙収容部1054が設けられており、用紙収容部1054の最上層の用紙1050は送り出しロール1052により用紙搬送路へ送り出される。送り出された用紙1050は、搬送ロール1055、搬送ロール1056、及び搬送ロール1058により用紙搬送路を搬送され、中間転写体1030の近傍に至る。
【0028】
用紙搬送路上には、中間転写体1030を挟んで搬送ロール1036と対向する転写ロール1060が設けられており、搬送ロール1036(実際には、中間転写体1030)と転写ロール1060との対峙部を用紙1050が搬送されるときに、中間転写体1030上に各色のトナー像が重ねられて形成されたカラー画像が用紙1050に転写される。
【0029】
カラー画像が転写された用紙1050は、搬送ロール1062により定着装置1046へ搬送され、定着装置1046により定着処理(加熱処理及び加圧処理)が施された後、用紙トレイ1064へ排出される。
【0030】
図2、図3は、光ビーム走査装置2022Aの光学系の構成を説明する図である。
【0031】
光ビーム走査装置2022A(光ビーム走査装置2426Aも同様の構成である)は、複数の光ビームを同時に、単一の回転多面鏡ユニット1150に入射させ、fθレンズ1152を透過した後の光ビームを、図3に示す、Y色用の感光体ドラム1020C及びM色用の感光体ドラム1022C(或いは、C色用の感光体ドラム1024C及びK色用の感光体ドラム1026C)へ案内する光学系を備えている。
【0032】
なお、回転多面鏡ユニット1150とは、周面に平面性を有した鏡面を備えたポリゴンミラーと、このポリゴンミラーの回転軸と連結され高速回転させるモータとで構成されたアッセンブリである。
【0033】
図2の光ビーム走査装置2022Aはイエロー(Y)色及びマゼンタ(M)色の画像データに対応するものである。また、光ビーム走査装置2426Aはシアン(C)色及びブラック(K)色の画像データに対応するものである。
【0034】
図2に示すように、回路基板1160に取り付けられた光源(レーザ発光アレイ)1140YM(140CK)からは、複数(32個)の発光素子(詳細は後述)からそれぞれ光ビームが照射され、コリメータレンズ1162を透過してハーフミラー1164で反射光と透過光とに分解される。
【0035】
反射光はレンズ1166を介してフォトディテクタ1168に入力され、プロセスコントロール処理における予め定められた光量に調整されるようになっている。
【0036】
また、ハーフミラー1164を透過する透過光は、シリンドリカルレンズ1170を介して、回転多面鏡ユニット1150へ入射され、その反射光(走査光)がfθレンズ1152を透過する。
【0037】
ここで、このfθレンズ1152を透過した光ビームの一部は、シリンドリカルミラー1172、反射ミラー1174を介してM用シリンドリカルミラー(K用シリンドリカルミラー)1176に入射し、感光体ドラム1022C(1026C)へと案内される。
【0038】
また、fθレンズ1152を透過した光ビームの他の一部は、反射ミラー1178を介してY用シリンドリカルミラー(C用シリンドリカルミラー)1180に入射し、感光体ドラム1020C(1024C)へと案内される。
【0039】
このとき、何れかの色の光ビームが反射ミラー77を介してSOS(Start of
Scan)センサ1078に入射する構成となっている。
【0040】
レーザ発光アレイ1140YM,1140CK(以下、総称して単に「レーザ発光アレイ1140」という)は、レーザ光源となる発光素子が主走査方向に複数個、副走査方向にも複数個、アレイ状に配列されて構成されていて、感光体ドラム1020C,1022C,1024C,1026C(以下、各感光体ドラムを代表して「感光体ドラム1020C」という)の表面上に潜像を形成する面発光レーザダイオードである。
【0041】
次に、露光装置である光ビーム走査装置2022A,2426Aの回路構成を中心に説明する。
【0042】
図4は、光ビーム走査装置2022A,2426Aが有する発光素子駆動装置10の全体構成を示す図である。
【0043】
図4において、発光素子駆動装置10は複数個の発光素子を駆動して、光量制御を行う。図4の構成では、発光素子駆動装置10は32個の発光素子LD1〜LD32を駆動する。換言すれば、発光素子駆動装置10は32チャネル構成である。各発光素子LD1〜LD32は面発光レーザダイオード(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)で形成され、マトリクス状に配置されている。発光素子駆動装置10は例えばICチップで形成され、内部に以下に説明する回路を備える。
【0044】
発光素子駆動装置10はチャネル毎に、つまり発光素子LD1〜LD32毎にドライバ1001〜10032を有する。また、発光素子駆動装置10は各チャネルに共通の制御部として、共通制御電位設定回路200、電流アンプ300、光量モニタ400、強制点灯回路500、APC(Automatic Power Control)回路600を有する。
【0045】
ドライバ1001〜10032は、上記各チャネルに共通の制御部からの信号を、バス150を介して受け取り、それぞれ発光素子LD1〜LD32を駆動制御するための制御を行う。具体的には、ドライバ1001〜10032は各発光素子LD1〜LD32の光量制御を行うAPC(Auto Power Control)制御と、APC制御後の変調制御とを行う。後述するように、APC制御では、ドライバ1001〜10032は発光素子LD1〜LD32に印加する電圧と電流との両方を制御する。電圧駆動時、ドライバ1001〜10032は各端子COUTを介して、発光素子LD1〜LD32のカソードにそれぞれ接続されているコンデンサCd1〜Cd32を制御する。電流駆動時、ドライバ1001〜10032は各端子LDOUTを介して、各発光素子LD1〜LD32に流れる電流量を制御する。
【0046】
ドライバ1001〜10032は複数個ずつ、端子LDCOMを介して共通に接続されるとともに、負荷105に接続されている。図4の構成では、ドライバ1001〜1004のLDCOM端子は共通に接続され、一端がグランドに接続された負荷105の他端に接続されている。各ドライバ1001〜10032は対応する発光素子を駆動していないときには、駆動電流に対応する電流(相補出力)を出力する。この電流を負荷105に流すことにより、発光素子の点灯の数等に依存することなく常にほぼ一定の電流が発光素子駆動装置10に流れる。
【0047】
発光素子駆動装置10は、各発光素子LD1〜LD32のレーザ光量をAPC制御で適切な値に設定した後、変調制御を行う。APC制御の概略は次の通りである。まず、発光素子LD1のレーザ光量を調整する。ドライバ1001は発光素子LD1を駆動する。各発光素子LD1〜LD32に共通に設けられた受光器(例えば、フォトダイオードであって、前述の受光器11に相当する)PDには、発光素子LD1のレーザ光量に応じた電流が流れる。電流アンプ300は受光器PDに流れる電流に対し、スイッチSWSaをオンし、電流源450からの加算電流を加算した電流を低インピーダンスで受けて増幅する。この場合、スイッチSWSbがオンすることで電流源460から供給される基準電流で加算電流を相殺し、残った電流を基準電圧Vref2に接続された抵抗に供給して電流アンプ300が出力する電流を電圧に変換し、この電圧(検出電圧という)を、スイッチSW19を介してAPC回路600に出力する。APC回路600はオペアンプ61と、1つのスイッチ(SWfb1〜SWfb32の何れか1つ)とコンデンサ(Cfb1〜Cfb32の何れか1つ)との直列回路とを複数個備える。各直列回路はオペアンプ61の出力端子と反転入力端子との間に接続されている。各直列回路はサンプルホールド回路を構成する。1つのサンプルホールド回路が1つの発光素子に対応する。例えば、スイッチSWfb1とコンデンサCfb1とのサンプルホールド回路は、発光素子LD1に対応する。同様に、スイッチSWfb32とコンデンサCfb32とのサンプルホールド回路は、発光素子LD32に対応する。
【0048】
オペアンプ61は、発光素子LD1を駆動したときの差電圧を増幅しバス150の対応する信号線に出力する。ドライバ1001はこの差電圧がゼロになるように発光素子LD1に与える駆動電流を変化させる。これにより、発光素子LD1のレーザ光量が変化し、受光器PDに流れる電流量が変化する。受光器PDに流れる電流に応じた検出電圧が電流アンプ300からAPC回路600に出力される。このようなフィードバック制御により、電流アンプ300の入力出力に加えられた加算電流は相殺される結果消え、APC基準電圧Vrefで発生した基準電流に対応するレーザ光量となるように発光素子LD1の駆動状態を設定する。なお、この駆動状態の設定とは、発光素子LD1に与える駆動電圧と駆動電流の両方をAPC基準電圧Vrefに対応する値に調整することを意味している。
【0049】
このようにして発光素子LD1を制御している間、APC回路600の32個のサンプルホールド回路のうち、スイッチSWfb1のみがオンとなっており、発光素子LD1のレーザ光量がAPC基準電圧Vrefに相当する値に収束する際の電圧がコンデンサCfb1に蓄積される。以下同様に、発光素子LD2〜LD32を順番に1つずつAPC制御する。
【0050】
なお、後述するように、APC制御は2回行うことが好ましい。2回目のAPC制御では、1回目のAPCでオンしていたスイッチSWSaをオフする。電流アンプ300の出力側に供給されている相殺電流は基準電流+加算電流がそのままであるため、受光電流は基準電流+加算電流に対応する電流で制御が行われる。APC回路600中の32個のサンプルホールド回路を1回目及び2回目のAPC制御で共通に用いることができるが、2回目のAPC制御用に新たに32個のサンプルホールド回路を設けてもよい。
【0051】
光量モニタ400は、電流アンプ300に流れる電流から各発光素子LD1〜LD32のレーザ光量を示す光量モニタ信号を出力する。
【0052】
強制点灯回路500は、APC制御を行う前に必要となる同期信号を生成する回路である。光量制御装置10が組み込まれる複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置では、画像を描画する位置を正確に決定するために、描画開始位置の少し手前に光センサを設け、発光素子が出力する光が光センサを横切るタイミングに基づき描画開始位置を決定している。
【0053】
図2の光学系では、各発光素子LD1〜LD32から出射されたレーザ光は、図2を参照して前述した光学系を介して感光体ドラム1020C,1022C,1024C,1026C(以下、代表して「感光体ドラム1020C」という)に照射される。そして、ポリゴンミラー1150の回転により、上記レーザ光が感光体ドラム1020C表面を繰り返し走査する。また、各発光素子LD1〜LD32から出射されたレーザ光の一部は、SOSセンサ1078に入力する。
【0054】
図5は、このときレーザ光Sを受光したSOSセンサ1078の出力を光量制御センサ出力として示している。
【0055】
ここでは、描画開始位置の少し手前に設けられたSOSセンサ1078の出力をSOSセンサ出力として示す。
【0056】
前述したように、発光素子LD1〜LD32の個々のレーザ光量は端面レーザに比べ小さいので、複数個を同時にONさせて、SOSセンサ1078上を走査する。この場合、特に二次元に配列された発光素子のうち、中央部分に位置する複数の発光素子のみをONすることが好ましい。しかしながら、APC制御では発光素子を1つずつONさせて条件設定(フィードバックループのゲイン)を行っているため、所定数の発光素子を同時にONさせてしまっては、APC制御のフィードバックループが発振してしまう可能性がある。
【0057】
従って、この問題点を解決するために、強制点灯回路500は、変調信号(変調データ)に応じて電流アンプ300の負荷の大きさを変化させる。つまり、ONすべき発光素子の数に応じた負荷を電流アンプ300の出力に接続する。図示する構成では、複数の抵抗がスイッチを介して電流アンプの出力に接続されている。オペアンプ61に着目すれば、強制点灯回路500は、ONすべき発光素子の数に応じて電流電圧変換ゲインを小さくし全体として負帰還のゲインが変わらないようにする。このような構成により、常に1つの発光素子のみをONさせた状態と等価な状態が得られるため、換言すれば、フィードバックループのゲインは1つの発光素子のみをONさせた状態の値となる。
【0058】
共通制御電位設定回路200は、各ドライバ1001〜10032内で必要とされる各種の電流を生成するために必要な制御電位を生成する回路である。図4の構成では、共通制御電位設定回路200は、各ドライバ1001〜10032内で流れるバイアス電流を設定するための共通電位を生成する回路と、オフセット電流を生成するための共通電位を生成する回路とを備えている。バイアス電流とオフセット電流とは典型的な例であって、各ドライバ1001〜10032は駆動と制御に必要なその他の電流を生成するために必要な制御電位を設定することができる。バイアス電流設定用の共通制御電位は、演算増幅器(オペアンプ)211、電流源212,213及び負荷214,215を含む回路で生成される。オフセット電流設定や他の電流設定用の共通制御電位もそれぞれ同様の回路で生成される。外部からのバイアス電流設定信号に応じて、電流源212は指示された電流を負荷214に供給する。負荷214の端子電圧がオペアンプ211のプラス側端子に与えられる。定電圧源216に接続された定電流源213は、オペアンプ211の出力に応じた電流を負荷215に流す。負荷215の端子電圧がオペアンプ211のマイナス側端子に与えられる。オペアンプ211は、電流源213がバイアス電流設定信号で設定されたバイアス電流と同一の電流を流すように電流源213を制御する。このときのオペアンプ211の出力信号は、バス150の対応するバス線に出力される。他方、定電圧源216のプラス側電圧がバス150の対応するバス線に出力される。このバス線は、夫々の共通制御電位に共通であって、かつ各ドライバ1001〜10032に共通である。このように、外部から設定されたバイアス電流値が差分電圧の形でバス150を介して各ドライバ1001〜10032に供給される。各ドライバ1001〜10032は後述するように、受け取った差分電圧からバイアス電流を生成する。この結果、たとえ定電圧源216の電源電圧が変動しても、上記電位差はほぼ一定となる。なお、オペアンプ211の出力電圧と定電圧源216の電圧とは、平衡二線で伝送することが好ましい。
【0059】
次に、図6を参照してドライバ1001〜10032の内部構成について説明する。各ドライバ1001〜10032は同一構成なので、以下では1〜32の添え字を省略し、単にドライバ100として説明する。
【0060】
ドライバ100は2つの乗算器21、22を有する。乗算器21は電流源30を制御するために設けられ、乗算器22は図4に示すコンデンサCd1〜Cd32のうちの対応する1つを制御するために設けられている。以下、便宜上、対応する1つのコンデンサをCdとし、図6に破線で示す。コンデンサCdはレーザへの駆動電圧が立ち上がる短い時間電圧源として機能する。電流源30は対応する発光素子LDに流す電流を生成し、電圧源として機能するコンデンサCdは対応する発光素子LDに駆動電圧を与える。
【0061】
ここで、面発光レーザダイオードの駆動電流と駆動電圧(端子電圧)との関係(電圧−電流特性)は、面発光レーザダイオードの内部抵抗が高いことから実用的な範囲では比例関係(直線関係)となり、また、駆動電流とレーザ光量との関係も実用的な範囲で比例関係(直線関係)となる。このような特性を踏まえて、1回目のAPC制御において電流源30の電流量は発光素子LDのレーザ光量が基準光量(第1の光量)となるように決められ、2回目のAPC制御においてレーザ光量が第2の光量となるように決められる。同様に、1回目のAPC制御においてコンデンサCdが蓄積する駆動電圧は発光素子LDのレーザ光量が基準光量(第1の光量)となるように決められ、2回目のAPC制御においてレーザ光量が第2の光量となるように決められる。これらの2つの値を用いた内挿又は外挿処理により、レーザ光量を任意の光量に補正することができるようになる。
【0062】
乗算器21と22は4象限アナログ乗算器を用いることができ、その乗算器に接続されるべき電圧源としてコンデンサを用いることができる。各乗算器21、22の入力は差動構成となっている。各乗算器21、22の+と−で表記された2つの差動入力をそれぞれV1a、V1b及びV2a、V2bとすると、差動構成の各乗算器21、22は“Iout=α(V1a-V1b)(V2a-V2b)”で記述される電流を出力する。ただし、αは定数である。
【0063】
このようなレーザ駆動装置では、各乗算器21及び22の一方の入力端子(乗数端子)には補正信号が入力し、他方の入力端子(被乗数端子)には制御電圧が入力する。通常差動で構成する乗算器の相補出力の+側出力を利用した場合オフセット電流が存在するが上記各乗算器21及び22にオフセットが存在してもその出力に接続されたコンデンサC1、C2によりAPC時当該オフセットがキャンセルされる。補正信号は、レーザ光の走査位置によりレーザ光量が異なる状況を考慮したもので、レーザ光の走査位置に応じた制御電圧を有する。
【0064】
まず、第1のAPC制御により、第1の光量(基準値とする)を次のように設定する。スイッチSWSaはオン、SASbはオフ、SW1はオフ、SW2はオフ、SW3はオフ、SW5−1はオン、SW5−2はオフ、SW5−3はオフ、SW5−4はオン、SW6−1はオン、SW6−2はオフ、SW6−3はオフ、SW6−4はオン、SW7はオフ、SW8はオン、SW11はオン、SW11−1はオン、SW11−2はオフ、SW12はオフ、SW13はオン、SW15−1はオフ、SW15−2はオン、SW16はオフ、スイッチSWSaをオンに設定する。また、第1の光量を設定する際には、各乗算器21及び22の乗数端子に0Vの補正信号を与える。この状態では、乗数が0であるため、被乗数端子にどのような制御電圧が入力されても各乗算器21及び22はオフセット電圧を出力する。また、図4に示すAPC回路600のオペアンプ61には、第1のAPC基準電圧Vref1が与えられる。オペアンプ61は、発光素子LDのレーザ光量が第1のAPC基準電圧Vref1となるような制御電圧を出力する。この制御電圧は図6のスイッチSW8、オペアンプ26、インバータ28及びスイッチSW11を通り、電流源30に与えられる。電流源30は受け取った制御電圧に応じた電流を発光素子LDに与える。また、オペアンプ26が出力する制御電圧はサンプルホールド回路のコンデンサC3−1に格納される。補正信号は0Vに設定されているため、乗算器21はオフセット電圧を出力する。よって、コンデンサC1は、上記制御電圧と乗算器21から出力されるそのオフセット電圧との差電圧で充電される。他方、図4のオペアンプ61が出力する制御電圧は、コンデンサC2に与えられるとともに、サンプルホールド回路のコンデンサC4−1に格納される。補正信号は0Vに設定されているため、乗算器22はオフセット電圧を出力する。よって、コンデンサC2には制御電圧と乗算器22のオフセット電圧との差電圧で充電される。
【0065】
そして、第2のAPC制御により第2の光量(これを補正光量という)を次のように設定する。スイッチSW1はオフ、SW2はオフ、SW3はオフ、SW5−1はオフ、SW5−2はオン、SW5−3はオン、SW5−4はオフ、SW6−1はオフ、SW6−2はオン、SW6−3はオン、SW6−4はオフ、SW7はオフ、SW8はオフ、SW11はオフ、SW11−1はオン、SW11−2はオフ、SW12はオフ、SW13はオン、SW15−1はオフ、SW15−2はオフ、SW16はオフ、SWSaをオフに設定する。また、第2の光量を設定する際には、各乗算器21及び22の乗数端子に所定電圧の補正信号を与える。更に、スイッチSWSaがオフになっていることからオペアンプ61は、第1のAPC制御に対し、電流源450の加算電流分、受光器PDからの光量が増大するように制御電圧を出力する。この制御電圧は図6のスイッチSW8、オペアンプ26、インバータ28及びスイッチSW5−2、SW5−3、乗算器21、抵抗R11、キャパシタC1を通り、電流源30に与えられる。電流源30は、受け取った制御電圧に応じ、受光器PDからの電流を、基準電流から、この基準電流に加算電流を加えた電流へと変化させる。また、オペアンプ26が出力する制御電圧はサンプルホールド回路のコンデンサC3−2に格納される。コンデンサC1は、上記制御電圧と乗算器21の出力との差電圧で充電される。第1のAPC制御において発光素子LDに与えられる電流をIとすれば、第2のAPC制御において発光素子LDに与えられる電流はI+ΔIと記述することができる。他方、図4のオペアンプ61が出力する制御電圧は、コンデンサC2に与えられるとともに、サンプルホールド回路のコンデンサC4−2に格納される。コンデンサC2には制御電圧と乗算器22の出力との差電圧で充電される。第1のAPC制御においてコンデンサC2に格納される電圧をVとすれば、第2のAPC制御においてコンデンサC2に格納される電圧はV+ΔVと記述することができる。
【0066】
ここではスイッチSW6−1、SW6−4をオン、SW6−2、SW6−3をオフしたが、2回目以降のAPCではSW6−3、SW6−1をオン、SW6−2、SW6−4をオフとしてもよく、この方が変調時と同じ条件のため精度向上が期待できる。
【0067】
発光素子LDの変調時には、レーザ光の走査位置に応じた光量補正量に対応した補正電圧が各乗算器21、22の乗数端子に入力される。それにより、乗算器22、コンデンサC2及びオペアンプ26で構成される電圧源から面発光レーザダイオードに印加される駆動電圧、及び電流源30から発光素子LDに供給される駆動電流の双方が同時に制御され、上記レーザ光の走査位置に応じて補正された光量にて発光素子LDの発光がなされる。
【0068】
コンデンサC1には直列に抵抗R11を接続する。すなわち、本実施形態では、コンデンサC1を含むサンプルホールド回路をローパスフィルタで構成する。また、このローパスフィルタにはコンデンサC11を並列に接続する。同様に、コンデンサC2に直列に抵抗R21を接続することで、これを含むサンプルホールド回路をローパスフィルタで構成する。更に、コンデンサC2及び抵抗R21で構成されたローパスフィルタに、負帰還ループの位相遅れを防止するためのコンデンサC21を並列に接続している。
【0069】
電圧印加時間調整回路800は、スイッチSW2を制御して発光素子LDに電圧を印加する時間を調整する。この電圧はコンデンサCdに蓄積された電圧である。前述したように、本実施形態では、発光素子LDに与える電圧と電流との両方を制御して発光素子LDを駆動する。発光素子LDを駆動する際、まず電圧で駆動し次に電流で駆動する。このように、電圧駆動の電圧印加時間を調整可能としている。
【0070】
電圧印加時間調整回路800は、遅延回路81と排他的論理和回路82とを2組有する。2つの遅延回路81は、インバータ83で図示するように接続されている。遅延回路81は、電圧印加時間信号と変調信号とを受け取り、電圧印加時間信号に従って変調信号を遅延させる。一方の遅延回路81の出力信号と変調信号との排他的論理和をとり、その出力信号でスイッチSW2をオンさせる。この結果、出力信号は変調信号の立ち上がりで立ち上がり、遅延した変調信号の立ち上がりで立ち下がる第1のパルスと、変調信号の立ち下がりで立ち上がり、遅延した変調信号の立ち下がりで立ち下がる第2のパルスを発生する。つまり、遅延回路81の遅延時間と同じパルス幅で電圧を変調信号の立ち上がり時と立ち下り時に印加するようになる。このようにして、電圧印加時間を設定している。同様に、他方の遅延回路81と排他的論理和回路82の作用によりスイッチSW1を制御しOFFバイアスを供給することで、発光素子LDがオンからオフへの動作を制御する(高速化する)。
【0071】
電流生成回路700は、図4に示す共通制御電位設定回路200が出力する電流毎の差分電圧を受け取り、差分電圧に応じた電流を生成する。電流生成回路700のオペアンプ34と定電流源32とは基準共通電位と基準オフセット電位で形成される差分電圧を受け取り、差分電圧に応じたオフセット電流を生成する。オフセット電流はスイッチSW16を介して負荷24に流れる。オフセット電流に応じてコンデンサC2の端子電位が決まり、これにより電圧源として機能するコンデンサC2が発光素子LDに与える駆動電圧を調整する。駆動電圧を調整することで、駆動パルスをオーバーシュートさせ、短いパルス幅までレーザを追従させることでハイライトの再現性を高めることができ、駆動電圧を少し大きめに設定することで画像の輪郭を強調できるなど、画像に合わせてこれらを適宜設定することで画質の調整にも使用することができる。オペアンプ35と電流源31とは、基準共通電位と基準バイアス電位で形成される差分電圧を、スイッチ750を介して受け取り、差分電圧に応じたバイアス電流を生成する。また、スイッチ750に接続される図中の電圧源が設定するOFFバイアス電圧を受けた電流源31は、OFFバイアス電圧に応じたレーザ駆動電流を生成する。ここで生成されたバイアス電流はOFFバイアス電圧を決定する際の試験電流であり、APCの前あるいは後にOFFバイアス電圧決定のための期間を設けておき、その期間に試験電流を、SW15−1を経由して各レーザに供給し、そのときの各レーザ端子電圧を元に全レーザ共通のOFFバイアス電圧を決定する。さらに決定した共通のOFFバイアス電圧をレーザ端子電圧に印加した際に流れる電流を元にスイッチ750に接続される図中の電圧源の値が設定され、変調時にはこの図中の電圧源によりOFFバイアス電流が制御される。
【0072】
図7は、図4及び図6に示す発光素子駆動装置10と発光素子LD1〜LD8との接続関係の詳細を示す図である。
【0073】
前述したように、本発光素子駆動装置では、ドライバ1001〜10032は複数個ずつ、端子LDCOMを介して共通に接続されるとともに、負荷105に接続されている。図4の構成では、ドライバ1001〜1004のLDCOM端子は共通に接続され、一端がグランドに接続された負荷105の他端に接続されている。各ドライバ1001〜10032は対応する発光素子を駆動していないときには、駆動電流に対応する電流(相補出力)を出力する。この電流を負荷105に流すことにより、発光素子の点灯の数等に依存することなく常にほぼ一定の電流が発光素子駆動装置10に流れるようにしている。
【0074】
図7において、スイッチSW1a、SW1bは図4に示すドライバ1001内部のスイッチSW11−1とSW11−2(図6)に相当する。同様に、SW2a、SW2b〜SW8a、SW8bはそれぞれ、ドライバ1002〜1008内部のスイッチSW11−1とSW11−2(図6)に相当する。スイッチSWnaとSWnbはそれぞれ相補的に動作する。図示するように、SWnaが発光素子を駆動するための駆動電流(図6の電流源30が生成する電流)を発光素子LDに印加する働きをする。スイッチSW1b〜SW4bはそれぞれ共通線に接続されており端子PAD33を介し外部負荷に接続される。同様にSW5b〜SW8Bはそれぞれ共通線712に接続されており、端子PAD34を介し外部負荷105に接続される。今、スイッチSWnaを第1のスイッチとし、SWnbを第2のスイッチとすれば、第2のスイッチSWnbを、共通配線を介して複数個まとめ、外部にはこれらに共通の単一の端子を用いて外部に取り出す構成である。
【0075】
この構成において、端子PAD33とPAD34は共通化している配線の中央に接続していることが望ましい。各ドライバには、電源端子(VDD)から電源電圧が供給されている。図示していない他のドライバ1009〜10032にも定常的に電流が流れているが、簡略化のため駆動部の消費電流は出力電流値で決まるものとして説明する。
【0076】
図8に示すように、発光素子LD1がオンしている場合、発光素子LD2〜LD8の状態によらず電源電流は一定であり、電源配線の抵抗による電圧降下分も一定となる。従ってDC的には電源変動による各駆動回路の特性変動もない。なお、図7では、発光状態の一部のみ表示しており、LD9〜LD32については省略してある。
【0077】
ここで、過渡的に端子PAD33を経由し共通に接続された配線抵抗が、発光素子間でクロストークを生じる可能性がある。この可能性を小さくするために、以下の構成を採用することが好ましい。なお、以下の説明では端子PAD33に関するものであるが、端子PAD34も同様である。
【0078】
まず、複数の発光素子LD1〜LD32の光量ばらつきを無くし、基準光量になるように光量制御を行う(前述したAPC制御)。複数の発光素子LD1〜LD32の光量制御は、前述したように、各発光素子LD1〜LD32を1個ずつ発光させて制御を行う。発光素子LD1をAPC制御する場合、スイッチSW1aをオン、その他のLD2〜LD32については、スイッチSWnb側をオンにした状態で、発光素子LD1を発光させ、前述したようにして、図7に示す電流I1を決定する。次に、スイッチSW2aをオンし、スイッチSWnb側をオンにした状態で、発光素子LD2を発光させ、同様に電流I2を決定する。このようにして、順次すべての電流値I1〜I32を決定する。このとき、発光素子は1個ずつ発光しているが、ドライバ1001〜10032で消費する電流値は各駆動電流の総和に等しくなる。
【0079】
次に、印字モード(変調制御)に移行する。印字モードでは、同時に発光する発光素子数は画像によって変化する。しかし、発光していない発光素子に対しても共通配線を介して駆動電流に相当する電流値が外部負荷105に流れるために、印字モード時にドライバで消費される電流値は、光量制御モード時同様、各駆動電流の総和に等しくなる。従って、印字モードで発光する発光光量は、光量制御時に設定した光量に等しくなる。
【0080】
ところで、本実施の形態において、端子数を一番減らす方法はすべての相補出力を共通化することであるが、発光素子数が非常に多い場合は、以下のような問題が発生する。例えば32個の発光素子LD1〜LD32を有し、発光素子あたり最大5mA流れると仮定すると、共通の相補出力線には最大160mA流れることになる。信頼性を確保するためには、配線幅の広幅化が必要であり、LSIチップ(発光素子駆動装置10)内部での配線の引き回し面積が増えてしまう。また、各スイッチSna、Snbの切り換え時間差が原因で電源変動がみられるが、共通に接続されている個数が多い場合、出力特性に影響を与える。さらに、共通線に連なる各スイッチの状態によってクロストークが発生し、図7に示すノードN1〜N4の電圧が変動することも考えられる。このノードの電圧は、発光素子を駆動する場合のスタート電圧に相当する。スタート電圧が変動することで、発光素子の立ち上がり波形が変化し画像筋の要因となる。
【0081】
従って、共通にする相補出力はこれらを鑑み特性に影響が出ない範囲で、主力端子が一番少なくなる構成にすればよい。このために、第1に、32個の発光素子LD1〜LD32を複数のグループ(又はブロック)に分割し、グループごとに第2のスイッチSWnbを共通に接続する。図9の例では、4つずつ8分割している。例えば、発光素子LD1〜LD4は同じグループに属し、共通線711を介して共通に接続されている。つまり、同じグループに属する第2のスイッチSW1b〜SW4bに対応する第1のスイッチSW1a〜SW4aに接続する発光素子LD1〜DL4が感光体1020C(図5)上に形成する光ビームは互いに隣接するように配置されている。この共通線711は外部接続用の端子PAD33に接続されている。32個の発光素子LD1〜LD32が図9に示すように、主走査方向に4個、副走査方向に8個のアレイ状に配列されている場合、同一グループの発光素子LD1〜LD4が形成する走査ビームは、副走査方向に隣接している。同様に、発光素子LD5〜LD9は同じグループに属し、共通線712を介して共通に接続されている。発光素子LD5〜LD9が形成する走査ビームは、副走査方向に隣接している。そして、共通線712は外部接続用の端子PAD34に接続されている。
【0082】
上記配置の場合、共通線711、712を外部端子PAD33、PAD34に接続する接続位置は、共通化されている中央付近が望ましい。例えば、端子PAD33との接続は、共通線711の中央付近で行う。言い換えれば、端子PAD33からの信号線は、共通線711の中央付近に接続されている。
【0083】
また、第2のスイッチSWnbの共通接続数が等しくなるように分割することが好ましい。
【0084】
また、共通に接続されている第2のスイッチSWnbにそれぞれ対応する第1のスイッチによって駆動される発光素子により感光体1020C(図5)上に形成されるビームの空間周波数が、人間の目で感知できる空間周波数以下となるように前記第2のスイッチSWnBの分割数を決定することが好ましい。今、空間周波数f(cycle/mm)以下の周波数であれば人間の目で感知できないとすると、ビームピッチをd(μm)、ブロック数をnとすると、
f<1000÷(d×n)
となるように、ブロック数を決定する。この条件を満足する限り、変動が起きたとしても露光量の変動の周期が感知できる周波数以下である。
【0085】
また、共通に接続されている第2のスイッチSWnbにそれぞれ対応する第1のスイッチによって駆動される発光素子により感光体16上に形成されるビームの空間周波数が、人間の目で感知できる空間周波数以下となるように第2のスイッチSWnbと発光素子LDとの関係を決定することとしてもよい。つまり、図7のように、隣接している発光素子に対応した第1のスイッチSWnaや第2のスイッチSWnbをグループ化する以外に、隣接していない第1のスイッチSWnaや第2のスイッチSWnbをグループ化してもよく、更には一部のみ隣接しているようなグループ分けであってもよい。
【0086】
図10は、別のグループ化の例を示す図である。
【0087】
図示するグループ化は、同じグループに属する第2のスイッチSWnbに対応する第1のスイッチSWnaに接続する発光素子は、当該発光素子により走査装置を介して感光体1020C上に形成されるビームが形成する走査ラインが隣接していないように配置されている。図示する構成では、32個の発光素子LD1〜LD32を4分割している。従って、1グループは8個の発光素子からなる。32個の発光素子LD1〜LD32は図9に示すように8行4列配置で、8つの行はそれぞれLD1〜LD4;LD5〜LD8;・・・、LD29〜LD32で構成され、4つの列はLD1、LD5、LD9、・・・、LD29;LD2、LD6、LD10、・・・、LD30;LD3、LD7、LD11、・・・、LD31及びLD4、LD8、LD12、・・・、LD32で構成されている。この配置において、以下のようにして、発光素子LD1〜LD324つのグループに分ける。例えば、発光素子LD1、LD5、LD9、LD13・・・を1つのグループとし、また、LD2、LD6、LD10、LD14・・・を1つのグループとする。このようにグループ化した場合、発光素子は行又は列方向に隣り合わない。そして、対応する第2スイッチをグループ化する。上記例の場合、第2のスイッチSW1b、SW5b、SW9b、SW13b・・・をグループ化し、共通配線721で共通に接続する。同様に、第2のスイッチSW2b、SW6b、SW10b、SW14b・・・を共通配線722で共通に接続する。以下同様にして、共通配線723、724が設けられている。そして、各共通配線721、722、723、724はそれぞれ対応する接続端子PAD33、PAD34、PAD35、PAD36に接続され、これらのパッドを外部の共通負荷105に接続する。このようなグループ化であっても、隣接する発光素子に対応する第2のスイッチをグループ化した場合と同様の作用を奏する。
【0088】
なお、図7に示す回路であっても、パッドPD1〜PD32に接続する発光素子LD1〜LD32を変更することで、実質的に図10に示すような接続関係を実現することができる。つまり、各発光素子LD1〜LD32がアレイ上で隣接しないようにパッドPD1〜PD32に接続すればよい。
【0089】
前述のとおり、図7又は図10に示す回路を用いて、各ドライバ1001〜10032は対応する発光素子を駆動していないときには、駆動電流に対応する電流(相補出力)を負荷105に出力している。
【0090】
本実施の形態では、さらに図7又は図10に示す回路をもう1台備えていて、この回路により、各ドライバ1001〜10032は対応する発光素子に駆動電流を流さずに、その駆動電流を負荷105に流すときは、その発光素子にはバイアス電流を流し、各ドライバ1001〜10032は対応する発光素子に駆動電流を流すときは、バイアス電流を負荷105に出力するようにしている。すなわち、ある発光素子について画像形成する画像データに基づいて変調信号(変調データ)がONになるとき(その発光素子で画素を形成するとき)には、その発光素子には駆動電流を流し、負荷105にバイアス電流を流す。逆に変調信号(変調データ)がOFFになるとき(その発光素子で画素を形成しないとき)には、その発光素子にはバイアス電流を流し、負荷105に駆動電流を流す。
【0091】
また、前述のとおり、図4を参照して共通制御電位設定回路200について説明したが、前述の共通制御電位設定回路200におけるバイアス電流の生成は、一般的、概括的なバイアス電流の生成の説明にとどまるものである。本実施の形態では、各発光素子LD1〜LD32を電圧電流駆動している。以下では、発光素子駆動装置10に設けられている各発光素子LD1〜LD32の電圧電流駆動にかかわる回路について説明する。
【0092】
図11は、本実施の形態における各発光素子LD1〜LD32の電圧電流駆動にかかわる回路の回路図である。
【0093】
図11においては、面発光レーザダイオードの多数の発光素子について、図面の簡略化のため、32個の発光素子のうち2つの発光素子LD1,LD2を代表して示している。
【0094】
図11において、2つの発光素子LD1,LD2に対して、試験電流供給回路3013−1,3013−2、バイアス電流供給回路3018−1,3018−2およびバイアス電流設定部3019−1,3019−2がそれぞれ対応して設けられ、試験電流設定部3132およびバイアス電圧設定回路3014が共通に設けられている。なお、試験電流設定部3132については、試験電流供給回路3013−1,3013−2ごとに設けることも可能である。また、本実施形態では、バイアス電圧設定回路3014でのバイアス電圧Vbiasの設定に当たって、2つの発光素子LD1,LD2の各端子電圧の演算結果を用いるようにしている。そのため、バイアス電圧設定回路3014の前段に演算回路3021を備えている。
【0095】
この演算回路3021は、試験電流供給回路3013−1,3013−2から発光素子LD1,LD2に対して各発光閾値電流よりも低い、好ましくは僅かに低い試験電流が供給されているときの発光素子LD1,LD2の各端子電圧V1,V2を用いて、例えば“平均値(V1+V2)/2”の演算を行う。ただし、電圧値の算出に当たっては、平均値の算出に限られるものではなく、各端子電圧の最小値と最大値の間でかつ最小値と最大値を除く電圧値、具体的にはメジアン、モードなど、発光素子の特性ばらつきのできるだけ中心値が望ましい。
【0096】
演算回路3021の演算結果である電圧値“(V1+V2)/2”は、バイアス電圧設定回路3014に与えられる。バイアス電圧設定回路3014では、この電圧値“(V1+V2)/2”をスイッチSW42でサンプリングし、コンデンサC41にホールドする。このコンデンサC41にホールドされた電圧は、発光素子LD1,LD2の消灯時にスイッチSW41−1,SW41−2がオン状態になることにより、発光素子LD1,LD2の各アノードにバイアス電圧Vbiasとして印加される。
【0097】
コンデンサC41にホールドされた電圧はさらに、バイアス電流設定部19−1,19−2にも供給される。バイアス電流設定部3019−1,3019−2は、例えば差動アンプおよびサンプルホールド回路によって構成され、発光素子LD1,LD2の消灯時にこれら発光素子LD1,LD2の各端子電圧V1,V2が、バイアス電圧設定回路3014で設定されたバイアス電圧Vbiasに一致するように負帰還制御して電流源3181−1,3181−2の各電流、即ちバイアス電流Ibiasを設定する。このような負帰還制御の構成を採ることにより、発光素子LD1,LD2ごとに消灯時の端子電圧が、算出された共通のバイアス電圧Vbiasに一致するように制御を行う。
【0098】
ここで、発光素子の電圧電流駆動(電圧駆動→電流駆動)を行う際には、先ずスイッチSW41−1,SW41−2をオン状態にすることで、バイアス電圧設定回路3014で設定された電圧値“(V1+V2)/2”のバイアス電圧Vbiasが、スイッチSW41−1,SW41−2を介して発光素子LD1,LD2のアノードに印加される(電圧駆動)。その後、スイッチSW41−1,SW41−2をオフ状態にし、バイアス電流供給回路3018−1,3018−2のスイッチSW81−1,SW81−2をオン状態にすることで、バイアス電流設定部3019−1,3019−2でバイアス電圧Vbiasを基に設定されたバイアス電流Ibiasが電流源3181−1,3181−2から発光素子LD1,LD2に供給される(電流駆動)。
【0099】
この電圧電流駆動の場合には、バイアス電圧Vbiasの電圧値と、当該バイアス電圧Vbiasを基に設定されたバイアス電流Ibiasの電流値とが対応しているため、電圧駆動から電流駆動へ移行する際に発光素子LD1,LD2の端子電圧V1,V2の電圧値が速やかに電流駆動の電圧値に収束することになる。
【0100】
ここで、本例で面発光ダイオードに設けられている32個の発光素子が常にすべて画像形成に使用されるときは限らない。例えば、単色の黒トナーのみを使用して高速に画像形成するときは32個の発光素子を全て使用し、フルカラー画像を形成するときは32個の発光素子のうちの一部を使用する場合など、32個の発光素子のうちの一部は画像形成に使用せずに休止させる場合がある。
【0101】
この場合、図4に示すように、ディセーブル信号(DSBL信号)を発光素子駆動装置10のAPC回路600などに出力して、休止させる発光素子に対応しているスイッチSWfb1〜SWfb32を開いておいて、休止させる発光素子についてAPCを行わないようにしている。
【0102】
しかし、休止させる発光素子についてAPCを行わないようにしても、それはAPCを行わないというだけであって、休止させた発光素子についてAPCを行わないがために保持電圧がどの程度になっているかは定かではない。変調データ同士や外乱などによるクロストークに起因して、休止させるべき発光素子が何らかの電圧を保持していて発光してしまう可能性もある。そして、休止させるべき発光素子が発光してしまったのでは、形成する画像の画質劣化を引き起こすことになる。そこで、休止させるべき発光素子は確実に発光しないようにして、画質劣化を防止しなければならない。
【0103】
また、図11を参照して説明したように、本実施の形態における発光素子の電圧電流駆動においては、バイアス電圧設定回路3014を各発光素子で共通化している。そして、各発光素子でばらつきがでないように、この共通化されたバイアス電圧Vbiasに基づいて全ての発光素子のバイアス電流Ibiasを制御しており、バイアス電流Ibiasは個別には制御していない。
【0104】
そこで、バイアス電圧設定回路3014で印加された各発光素子の各端子電圧を前述のとおり平均化処理して、バイアス電圧Vbiasを基に設定された各発光素子で共通のバイアス電流Ibiasが各発光素子に供給されるようにしている。
【0105】
しかし、バイアス電圧設定回路3014で印加された各発光素子の各端子電圧を平均化処理するので、休止する発光素子にバイアス電流Ibiasが流れないことになると、平均化の誤差がでる。
【0106】
そこで、これらの不具合を解決するための本実施の形態の構成について説明する。
【0107】
図12は、発光素子駆動装置10を制御する制御系の電気的な接続のブロック図である。
【0108】
この制御系は、各部を集中的に制御するCPU4001に、CPU4001が実行する制御プログラム4004や固定データを記憶したROM4002と、CPU4001の作業エリアとなるRAM4003と、発光素子駆動装置10などと通信を行う通信インターフェイス(I/F)4005とが接続されている。
【0109】
制御プログラム4004は、画像形成装置の製造当初からセットアップされていてもよいが、後発的に、制御プログラム4004を記憶している記憶媒体から読み取って不揮発性メモリや磁気記憶装置などにセットアップし、あるいは、インターネットなどの通信手段から搬送波の形態でダウンロードして不揮発性メモリや磁気記憶装置などにセットアップするようにしてもよい。
【0110】
前述のとおり、面発光ダイオードの各発光素子の制御は、駆動すべき(画像形成を行うべき)発光素子には駆動電流を流し、そのときにはバイアス電流は負荷105に流して、駆動しない(画像形成を行わない)発光素子にはバイアス電流を流し、そのときには駆動電流は負荷105に流すように、相補的な動作を行っている。
【0111】
このときに、前述のとおり、作像モードによって面発光レーザダイオードの各発光素子のうち一部を休止させるときは、CPU4001は各ドライバ1001〜10032のうち、作像モードに応じて休止させる発光素子にかかるものに対して前述のディセーブル信号(DSBL信号)を出力する(図4参照)。このDSBL信号を受けたドライバでは、内部のスイッチの切り替えにより、その休止させる発光素子に対して変調信号とは無関係にバイアス電流を流し、駆動電流を負荷105に流す。すなわち、図7又は図10の回路において、発光素子を休止させている間は、その発光素子には変調信号とは無関係にバイアス電流を流し、駆動電流を負荷105に流すように固定している。これによって、画像形成に使用しない発光素子に対してもバイアス電流を供給するため、バイアス電流の設定の際に端子電圧を平均化する場合の平均化誤差が生じないように制御することができる。この場合に休止させる発光素子に対して流すバイアス電流は、発光素子の発光閾値以下に設定されているので、休止させる発光素子が発光することはない。
【符号の説明】
【0112】
10 発光素子駆動装置
1001〜10032 ドライバ
105 負荷
LD1〜LD32 発光素子
3019−1,3019−2 バイアス電流設定部
3014 バイアス電圧設定回路
4001 CPU
4004 制御プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子と、
負荷と、
前記複数の発光素子のうち画像形成に使用するものについては、変調信号に応じて前記発光素子と前記負荷とのうち一方に駆動電流を供給し他方にバイアス電流を供給する第1の供給手段と、
前記複数の発光素子のうち画像形成に使用しないものについては、前記変調信号にかかわらず前記バイアス電流を前記発光素子に供給する第2の供給手段と、
を備えている露光装置。
【請求項2】
前記複数の発光素子の消灯の際の各端子間電圧を平均化処理した前記複数の発光素子で共通のバイアス電圧を前記各発光素子に供給する第3の供給手段をさらに備え、
前記第1及び第2の供給手段は、前記バイアス電圧の供給後、前記バイアス電圧に基づいて設定された前記バイアス電流を前記発光素子又は前記負荷に供給する、
請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
感光体と、
前記感光体を露光して静電潜像を形成する複数の発光素子を有する露光装置と、
前記静電潜像をトナーで現像する現像器と、
を備え、
前記露光装置は、
複数の発光素子を有する露光部と、
負荷と、
前記複数の発光素子のうち画像形成に使用するものについては、変調信号に応じて前記発光素子と前記負荷とのうち一方に駆動電流を供給し他方にバイアス電流を供給する第1の供給手段と、
前記複数の発光素子のうち画像形成に使用しないものについては、前記変調信号にかかわらず前記バイアス電流を前記発光素子に供給する第2の供給手段と、
を備えている画像形成装置。
【請求項4】
複数の発光素子のうち画像形成に使用するものについては、変調信号に応じて前記発光素子と負荷とのうち一方に駆動電流を供給し他方にバイアス電流を供給する第1の供給手段と、
前記複数の発光素子のうち画像形成に使用しないものについては、前記変調信号にかかわらず前記バイアス電流を前記発光素子に供給する第2の供給手段と、
をコンピュータに実行させるコンピュータに読み取り可能な露光制御プログラム。
【請求項1】
複数の発光素子と、
負荷と、
前記複数の発光素子のうち画像形成に使用するものについては、変調信号に応じて前記発光素子と前記負荷とのうち一方に駆動電流を供給し他方にバイアス電流を供給する第1の供給手段と、
前記複数の発光素子のうち画像形成に使用しないものについては、前記変調信号にかかわらず前記バイアス電流を前記発光素子に供給する第2の供給手段と、
を備えている露光装置。
【請求項2】
前記複数の発光素子の消灯の際の各端子間電圧を平均化処理した前記複数の発光素子で共通のバイアス電圧を前記各発光素子に供給する第3の供給手段をさらに備え、
前記第1及び第2の供給手段は、前記バイアス電圧の供給後、前記バイアス電圧に基づいて設定された前記バイアス電流を前記発光素子又は前記負荷に供給する、
請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
感光体と、
前記感光体を露光して静電潜像を形成する複数の発光素子を有する露光装置と、
前記静電潜像をトナーで現像する現像器と、
を備え、
前記露光装置は、
複数の発光素子を有する露光部と、
負荷と、
前記複数の発光素子のうち画像形成に使用するものについては、変調信号に応じて前記発光素子と前記負荷とのうち一方に駆動電流を供給し他方にバイアス電流を供給する第1の供給手段と、
前記複数の発光素子のうち画像形成に使用しないものについては、前記変調信号にかかわらず前記バイアス電流を前記発光素子に供給する第2の供給手段と、
を備えている画像形成装置。
【請求項4】
複数の発光素子のうち画像形成に使用するものについては、変調信号に応じて前記発光素子と負荷とのうち一方に駆動電流を供給し他方にバイアス電流を供給する第1の供給手段と、
前記複数の発光素子のうち画像形成に使用しないものについては、前記変調信号にかかわらず前記バイアス電流を前記発光素子に供給する第2の供給手段と、
をコンピュータに実行させるコンピュータに読み取り可能な露光制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−221608(P2010−221608A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73104(P2009−73104)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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