説明

静電荷像現像用トナー、製造方法、及び製造装置、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び画像形成装置

【課題】転写性、クリーニング性が良好で、鮮明な高画質画像の形成が可能なだけでなく、高温高湿下においても帯電が安定しており、環境や経時を問わず安定して高画質・高品位のカラー画像を形成できる静電荷像現像用トナー等の提供。
【解決手段】少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子断面を20nm角で分割した時に、表面を含む区分と該表面を含む区分に隣接する区分でのフッ素原子と炭素原子との比率(F/C)の平均値が0.8以上1.2未満であり、表面から500nm以上離れた任意の20nm角の区分でのフッ素原子と炭素原子との比率(F/C)の平均値が0.02以下である静電荷像現像用トナーである。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子断面を20nm角で分割した時に、表面を含む区分と該表面を含む区分に隣接する区分でのフッ素原子と炭素原子との比率(F/C)の平均値が0.8以上1.2未満であり、表面から500nm以上離れた任意の20nm角の区分でのフッ素原子と炭素原子との比率(F/C)の平均値が0.02以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【請求項2】
表面を含む区分と該表面を含む区分に隣接する区分でのフッ素原子と炭素原子との比率(F/C)の平均値の0.8倍以上のフッ素原子と炭素原子との比率(F/C)を示す層の厚みが20nm以上400nm未満である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項3】
フッ素原子を有する界面活性剤を含むトナー組成液を吐出孔より吐出し、トナー組成液を液滴化し、液滴を造粒空間において固体粒子にすることにより得られる請求項1から2のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項4】
フッ素原子を有する界面活性剤は、下記一般式(1)で表される構造を含有する請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
【化1】

(式中、Rは、水素原子もしくはメチル基、RはC1〜C2のアルキレン基、RfはC4〜C20のパーフルオロアルキル基を表す。)
【請求項5】
フッ素原子を有する界面活性剤が一般式(1)で表される構造を含有するブロック共重合体である請求項3から4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項6】
フッ素原子を有する界面活性剤は、下記一般式(2)で表される構造である請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
(化2)
Rf−X 一般式(2)
(式中、Xは、−COOM、SOM、−O−C−SOM、−N(R、又は−SO−N−Yを表し、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Mは、Na、K、Li等のアルカリ金属及びNH等のアンモニウム塩のいずれかを表し、Yは、水素原子又は末端に水酸基、カルボキシ基もしくはその塩、アミノ基もしくはその塩を有してよいアルキル基を表し、Rfは、C5〜C8のパーフルオロアルキル基を表す。ここでR及びYは同一の基でも異なる基でも良い)
【請求項7】
フッ素原子を有する界面活性剤の含有量が、トナー組成物100重量部に対して0.03〜3重量部である請求項3から6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項8】
超臨界流体中もしくは亜臨界流体中で、少なくとも重合性単量体を重合させ、造粒することにより得られる請求項1から2のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項9】
超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、フッ素原子を有する界面活性剤を含有し、前記重合性単量体の重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶である請求項8に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項10】
超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、少なくとも二酸化炭素を含む請求項9に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項11】
フッ素原子を有する界面活性剤が、下記一般式(1)で表される構成単位を有する化合物である請求項9から10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【化3】

ただし式中、Rは水素原子もしくはメチル基、RはC1〜C2のアルキレン基、RfはC4〜C20のパーフルオロアルキル基を表す。
【請求項12】
フッ素原子を有する界面活性剤中の上記一般式(1)で表される構成単位の組成比率が、50〜100モル%である請求項11に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項13】
フッ素原子を有する界面活性剤が、下記一般式(3)で表される化合物を反応させることにより得られる化合物である請求項9から10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【化4】

前記一般式(3)中、Rは水素原子もしくはメチル基、RはC1〜C2のアルキレン基、RfはC4〜C20のパーフルオロアルキル基を表す。
【請求項14】
反応が、超臨界二酸化炭素の中で行われる請求項13に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項15】
反応が、塊状重合及びリビングラジカル重合のいずれかである請求項13から14のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項16】
フッ素原子を有する界面活性剤の重量平均分子量が、5,000〜50万である請求項9から15のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項17】
フッ素原子を有する界面活性剤の含有量が、重合性単量体100重量部に対し0.1〜20重量部である請求項9から16のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項18】
8〜100MPaの加圧下で重合性単量体を重合する請求項9から17のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項19】
30〜150℃の加熱下で重合性単量体を重合する請求項9から18のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項20】
超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中に、離型剤を含有する請求項9から19のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項21】
重量平均粒径が1〜10μmであり、該重量平均粒径と個数平均粒径との比(重量平均粒径/個数平均粒径)が1.00〜1.15である請求項9から20のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項22】
請求項1から8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを製造する製造方法であって、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有し、トナー粒子表面に、フッ素含有層が形成されており、フッ素原子を有する界面活性剤を含むトナー組成液をノズルの吐出孔から吐出する吐出工程と、トナー組成液を液滴化する液滴化工程と、液滴を造粒空間において固体粒子にする粒子形成工程とを有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項23】
吐出工程において、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー組成物を液状にしたトナー組成液に圧力を付与することによって前記トナー組成液を連続的にノズルの吐出孔から吐出して柱状状態を形成し、前記液滴化工程において、前記トナー組成液に振動を付与することによって前記トナー組成液を液滴化する請求項22に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項24】
ノズル板が、厚み5〜50μmの金属板で形成され、かつ、前記ノズル板上の吐出孔の開口径が3〜35μmである請求項22から23のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項25】
ノズル板上に、吐出孔が複数個存在する請求項22から24のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項26】
トナー組成液は、有機溶剤を含有し、前記液滴化されたトナー組成液の固化は、前記有機溶剤を除去することにより行われる請求項22から25のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項27】
液滴吐出方向と同方向に乾燥気体を流すことにより気流を発生させ、該気流により、液滴を溶媒除去設備内で搬送させると共に、該搬送中に前記液滴中の溶媒を除去させることにより、トナー粒子を形成する請求項26に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項28】
乾燥気体が、空気及び窒素ガスのいずれかである請求項27に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項29】
乾燥気体の温度が、40〜200℃である請求項27から28のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項30】
溶媒除去設備が、液滴の電荷とは逆極性に帯電された静電カーテンで周囲が覆われた搬送路を有してなり、該搬送路内に液滴を通過させる請求項22から29のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項31】
トナー粒子の体積平均粒径/数平均粒径(Dv/Dn)が、1.00〜1.15の範囲にある請求項22から30のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項32】
体積平均粒径が1〜10μmである請求項22から31のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項33】
請求項1から2及び8から21のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを製造する製造方法であって、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有し、トナー粒子表面に、フッ素含有層が形成されている静電荷像現像用トナーの製造方法であって、超臨界流体中もしくは亜臨界流体中で、少なくとも重合性単量体を重合させ、造粒することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項34】
超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、フッ素原子を有する界面活性剤を含有し、前記重合性単量体の重合物が、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに不溶である請求項33に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項35】
超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、少なくとも二酸化炭素を含む請求項34に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項36】
フッ素原子を有する界面活性剤の重量平均分子量が、5,000〜50万である請求項34から35のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項37】
フッ素原子を有する界面活性剤の含有量が、重合性単量体100重量部に対し0.1〜20重量部である請求項34から36のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項38】
8〜100MPaの加圧下で重合性単量体を重合する請求項34から37のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項39】
30〜150℃の加熱下で重合性単量体を重合する請求項34から38のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項40】
超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれか中に、離型剤を含有する請求項34から39のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項41】
請求項1から7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを製造する製造装置であって、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー組成物を液状にしたトナー組成液を、一定の周波数で振動させたノズル板から吐出させて、液滴を形成する液滴形成手段と、該液滴中に含まれる溶媒を除去することにより前記液滴を乾燥させ、トナー粒子を形成するトナー粒子形成手段とを有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項42】
液滴形成手段が、ノズル板を直接振動させる振動手段を有する請求項41に記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項43】
振動手段が、ノズル板を、前記トナー組成物を液状としたトナー組成液が通過するのと同時に振動させる請求項42に記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項44】
トナー組成物を液状としたトナー組成液が貯留され、該トナー組成物を液状としたトナー組成液を液滴形成手段に供給する貯留手段を有する請求項41から43のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項45】
ノズル板が圧電体の伸縮により一定の周波数で振動され、かつ、一の圧電体により振動されるノズル板の吐出孔の個数が1乃至5,000である請求項41から44のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項46】
一定の周波数が、50kHz乃至50MHzである請求項41から45のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項47】
一定の周波数が、100kHz乃至10MHzである請求項41から46のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項48】
請求項1から7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを製造する製造装置であって、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー組成物を液状としたトナー組成液を貯留する貯留手段と、一定の周波数で振動させた貯留手段から供給されたトナー組成液を、吐出孔から吐出させて、液滴を形成する液滴形成手段と、該液滴中に含まれる溶媒を除去することにより前記液滴を乾燥させ、トナー粒子を形成するトナー粒子形成手段とを有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項49】
液滴形成手段が、前記貯留手段を直接振動させる振動手段を有する請求項48に記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項50】
ノズル板を複数個有し、各ノズル板から吐出される液滴を、一の溶媒除去設備で乾燥させる請求項41から49のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項51】
液滴を、搬送路内に通過させることにより形成したトナー粒子の電荷を、除電器により一時的に中和させた後、該トナー粒子をトナー捕集部に収容させる請求項41から50のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項52】
除電器による除電が、軟X線照射により行われる請求項51に記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項53】
除電器による除電が、プラズマ照射により行われる請求項51に記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項54】
トナー粒子を捕集するトナー捕集部が、開口径が漸次縮小するテーパー面を有してなり、該開口径が入口部より縮小した出口部から、トナー粒子を、乾燥気体を用い、該乾燥気体の流れを形成し、該乾燥気体の流れにより、トナー粒子をトナー貯蔵容器に移送させる請求項41から53のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項55】
乾燥気体の流れが渦流である請求項54に記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項56】
トナー捕集部及びトナー貯蔵容器が、導電性の材料で形成され、かつ、これらがアース接続された請求項41から55のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項57】
防曝仕様である請求項41から56いずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造装置。
【請求項58】
請求項1から21のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする現像剤。
【請求項59】
請求項1から21のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーが容器に収容されていることを特徴とするトナー入り容器。
【請求項60】
静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に請求項1から21のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーで静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段を少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項61】
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項1から21のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像をローラ状又はベルト状の定着部材を用いて加熱加圧し、定着する定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項62】
静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を請求項1から21のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像をローラ状又はベルト状の定着部材を用いて加熱加圧し、定着する定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2007−108731(P2007−108731A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−250106(P2006−250106)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】