説明

非アルコール性脂肪肝炎の治療

本発明は、式(I):


の化合物又はそれらの生理的に許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、インスリン抵抗性、肥満症又は高脂血症の対象の治療法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願
本出願は、2006年10月4日に出願された米国特許仮出願第60/849,251号、及び2007年2月28日に出願された米国特許仮出願第60/904,116号の利益を主張するものである。これらの出願の内容全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
発明の背景
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、単純な脂肪肝(脂肪症)から、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝硬変(不可逆性の進行した肝瘢痕化)まで及ぶ、広いスペクトルの肝疾患をいう。NAFLDの病期は全て共通して、肝臓の細胞(肝細胞)内の脂肪の蓄積(脂肪の浸潤)を有する。NASHにおいて、脂肪蓄積は、変動する炎症の程度及び肝瘢痕化に関連している。
【0003】
NASHは女性においてより一般的であり、最も一般的な原因は肥満症である。内臓脂肪分布、インスリン抵抗性、脂質異常症及び高血圧も随伴することが多い。NASHは、線維化、脂肪肝炎へと進行し、かつ肝硬変、最終病期の肝疾患及び肝細胞癌を誘発し得る。NASHは、肝硬変へと進みつつある多くの患者におけるC型肝炎にのみ随伴する肝疾患の最も一般的な原因として認められ始めている。
【0004】
現在、NASH/NAFLDに特異的な療法は存在しない。本疾患の患者に与えられる最も重要な推奨法は、減量(肥満又は過体重の場合)であり、それにバランスのとれた健康な食事、身体活動の増加、禁酒、及び不必要な薬物治療の回避が続く。NASH患者において評価中の実験的アプローチは、ビタミンE、セレン、及びベタインなどの抗酸化薬を含む。別のNASHを治療するための実験的アプローチは、比較的新しい抗糖尿病薬の薬物治療の−非糖尿病患者であっても−使用である。しかしこれらの薬物の有効性は不明である。従ってNASHの新規治療の必要性が存在している。
【発明の概要】
【0005】
発明の概要
本発明は、脂肪肝(脂肪症)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、及び肝硬変(進行した肝瘢痕化)を含む、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の治療法を提供する。
【0006】
本方法は、式I:
【0007】
【化1】

【0008】
の化合物又はそれらの医薬として許容される塩の有効量を、対象へ投与することを含む。この種の化合物は、食餌が誘発したNASHの動物モデルにおいて、NASHの進行を有意に低下させることが示されている。具体的には、食餌が誘発したNASHのマウスへの式Iの化合物の投与は、肥満症(実施例1)、インスリン抵抗性(実施例2)、内臓脂肪蓄積(実施例3)、炎症(実施例4)、脂質蓄積(実施例5)、脂質異化作用(実施例6)、酸化的ストレス(実施例7)並びに肝細胞アポトーシス及び肝線維症(実施例8)の明らかな改善を生じた。
【0009】
本発明の好ましい実施態様は、化合物A:
【0010】
【化2】

【0011】
又はそれらの生理的に許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の対象の治療法である。
【0012】
別の実施態様において、本発明は、式Iの化合物又はそれらの生理的に許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、対象におけるインスリン抵抗性の治療法であり、ここで該対象は、2型糖尿病以外の障害に罹患している。
【0013】
別の実施態様において、本発明は、式Iの化合物又はそれらの生理的に許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、対象における肥満症の治療法である。
別の実施態様において、本発明は、式Iの化合物又はそれらの生理的に許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、対象における高脂血症の治療法である。
【0014】
別の実施態様において、本発明は、式Iの化合物又はそれらの生理的に許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、対象におけるアルコール性脂肪肝炎の治療法である。
別の実施態様において、本発明は、式Iの化合物又はそれらの生理的に許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、対象における急性肝不全の治療法である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、a)HSD食餌で飼育した対照マウス、b)HSD食餌で飼育し、かつ化合物1で処置したマウス、及びc)固形飼料食餌で飼育しかつビヒクルのみで処置したマウスにおける、体重増加の割合、血清ブドウ糖及び血清インスリンを比較する棒グラフを示す。これらのグラフは、(A)体重増加、(B)血中ブドウ糖の上昇、(C)血清インスリンレベルの上昇に対する、化合物A活性の作用を示している。値は、1時点及び1処置につき少なくとも4匹の動物の平均である。*p<0.05(ビヒクル、対、対照)、#p<0.05(ビヒクル、対、化合物1)。
【図2】図2は、a)HSD食餌で飼育した対照マウス、b)HSD食餌で飼育し、かつ化合物Aで処置したマウス、及びc)固形飼料食餌で飼育しかつビヒクルのみで処置したマウスにおける、脂肪症スコアを比較する、HSD誘発した肝脂肪症に対する化合物Aの作用の棒グラフである。値は、1時点及び1処置につき少なくとも4匹の動物の平均である。**p<0.01(ビヒクル、対、対照)、##p<0.01(ビヒクル、対、化合物A)。
【図3】図3は、HSD誘発したNF−κB活性化及びプロ炎症サイトカイン発現における、化合物Aの作用の棒グラフを示す。(A)及び(B)は、a)HSD食餌で飼育した対照マウス、b)HSD食餌で飼育し、かつ化合物Aで処置したマウス、及びc)固形飼料食餌で飼育しかつビヒクルのみで処置したマウスにおける、リアルタイムRT−PCRにより分析されたIL−6及びTNFの発現を示す。(C)及び(D)は、a)HSD食餌で飼育した対照マウス、b)HSD食餌で飼育し、かつ化合物Aで処置したマウス、及びc)固形飼料食餌で飼育しかつビヒクルのみで処置したマウスにおける、ELISAによる血清及び肝臓のアジポネクチン発現を示す。全てのリアルタイム値は、GAPDH値により正規化し、時間対対照として表した。値は、1時点及び1処置群につき少なくとも4匹の動物の平均である。*p>0.05;**p<0.01(ビヒクル、対、対照)、#p<0.05;##p<0.01(ビヒクル、対、化合物A)。
【図4】図4は、a)HSD食餌で飼育した対照マウス、b)HSD食餌で飼育し、かつ化合物Aで処置したマウス、及びc)固形飼料食餌で飼育しかつビヒクルのみで処置したマウスにおける、脂質異化作用関連遺伝子に対するHSD/化合物Aの作用の棒グラフを示す。(A)は、PPARα発現に関するリアルタイムRT−PCRにより測定されたmRNAレベルを示し;(B)及び(C)は、CPT−1及びアシル−CoAオキシダーゼmRNA発現を示し;(D)は、PPARγをそのmRNA及びタンパク質レベルで示し;(E)は、脂肪酸トランスロカーゼ/CD36遺伝子発現を示す。全てのリアルタイム値は、GAPDH値により内部補正し、時間対対照として表した。値は、1時点及び1処置群につき少なくとも4匹の動物の平均である。*p<0.05;**p<0.01(化合物A、対、対照);#p<0.05;##p<0.01(化合物A、対、ビヒクル)。
【図5】図5は、a)HSD食餌で飼育した対照マウス、b)HSD食餌で飼育し、かつ化合物Aで処置したマウス、及びc)固形飼料食餌で飼育しかつビヒクルのみで処置したマウスにおける、HSDが引き金を引いたミトコンドリア機能障害及び酸化的ストレスに対する、化合物Aの作用の棒グラフを示す。(A)は、CYP2E1アップレギュレーションのリアルタイムRT−PCRを示し;(B)は、MnSODのリアルタイムRT−PCRを示し、及び(C)は、カタラーゼmRNAレベルを示す。*p<0.05(化合物A、対、対照);#p<0.05;##p<0.01(ビヒクル、対、化合物A);+p<0.05(ビヒクル、対、対照)。
【図6】図6は、a)HSD食餌で飼育した対照マウス、b)HSD食餌で飼育し、かつ化合物Aで処置したマウス、及びc)固形飼料食餌で飼育しかつビヒクルのみで処置したマウスにおける、HSDが誘導した肝細胞アポトーシス及び肝線維症の阻止による、NASHの進行に対する化合物Aの作用の棒グラフを示す。(A)は、全肝臓抽出物において測定されたカスパーゼ−3活性を示し、(B)は、組織切片において評価された線維症を示す。**p<0.01(ビヒクル、対、対照)、#p<0.05;##p<0.01(ビヒクル、対、化合物A)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
「アリール」は、単環(例えばフェニル)又は多縮合環(例えばナフチル)を有する、炭素原子6〜14個の不飽和の芳香族炭素環式基をいう。好ましいアリールは、フェニル、ナフチル、フェナントレニルなどである。
「アルキルアリール」は、アリール部分で置換された少なくとも1個のアルキル水素原子を有するアルキル、例えばベンジル、−(CH22フェニル、−(CH23フェニル、−CH(フェニル)2などをいう。
【0017】
「アルキル」は、炭素原子1〜10個を有する環式又は非環式炭化水素の、直鎖又は分枝した、飽和又は不飽和のアルキルをいい、一方「低級アルキル」又は「C1−C6−アルキル」は、炭素原子わずか1〜6個を有すること以外は、同じ意味を有する。代表的飽和直鎖アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどを含み;一方、飽和分枝したアルキルは、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチルなどを含む。不飽和アルキルは、隣接炭素原子間に少なくとも1個の二重結合又は三重結合を含む(各々、「アルケニル」又は「アルキニル」とも称される)。代表的直鎖及び分枝したアルケニルは、エチレニル、プロピレニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル、2−ブテニルなどを含み;一方、代表的直鎖及び分枝したアルキニルは、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニルなどを含む。代表的飽和「環式アルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含み;一方、不飽和環式アルキルは、シクロペンテニル及びシクロヘキセニルなどを含む。シクロアルキルは、本明細書において、「炭素環式」環システムとも称され、これは炭素原子8〜14個を有する二−及び三−環式環システム、例えば1個又は複数の芳香族炭素環(例えばフェニル)又は非芳香族炭素環(例えばシクロヘキサン)に縮合されたシクロアルキル(シクロペンタン又はシクロヘキサンなど)などを含む。
【0018】
「アルコキシ」は、−O−(アルキル)又は−O−(アリール)、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソ−ブチルオキシ、フェノキシなどをいう。
「C2−C6−アルケニル」は、好ましくは炭素原子2〜6個を有し、かつアルケニル不飽和を少なくとも1又は2部位に有するアルケニル基をいう。好ましいアルケニル基は、エテニル(−CH=CH2)、n−2−プロペニル(−CH2CH=CH2)などである。
【0019】
「C2−C6−アルキニル」は、好ましくは炭素原子2〜6個を有し、かつアルキニル不飽和を少なくとも1〜2部位に有するアルキニル基をいい、好ましいアルキニル基は、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CH2C≡CH)などである。
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素をいう。
「ケト」は、カルボニル基(すなわちC=O)をいう。
【0020】
「ヘテロアリール」は、単環式及び二環式の両方の環システムを含む、窒素、酸素及びイオウから選択されたヘテロ原子を少なくとも1個有し、並びに炭素原子を少なくとも1個含む、5−〜10−員の芳香族ヘテロ環式環をいう。代表的ヘテロアリールは、ピリジル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルである。
【0021】
「ヘテロアルキルアリール」は、ヘテロアリール部分で置換されたアルキル水素原子を少なくとも1個有するアルキル、例えば−CH2−ピリジニル、−CH2−ピリミジニルなどをいう。
【0022】
「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロ環」は、環原子5〜10個を含むヘテロ環式環をいう。具体的には、5−〜7−員の単環式、又は7−〜10−員の二環式のヘテロ環式環であり、これは飽和、不飽和、又は芳香族のいずれかであり、かつこれは窒素、酸素及びイオウから独立して選択されたヘテロ原子を1〜4個含み、ここでこの窒素及びイオウヘテロ原子は、任意に酸化されてよく、並びに窒素ヘテロ原子は、任意に4級化されてよく、これは前述のヘテロ環のいずれかがベンゼン環に縮合されている二環式環を含む。ヘテロ環は、任意のヘテロ原子又は炭素原子を介して結合されてよい。ヘテロ環は、先に定義されたヘテロアリールを含む。従ってヘテロ環は、先に列記されたヘテロアリールに加え、モルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどを含む。
【0023】
「アルキルヘテロシクロアルキル」は、ヘテロ環で置換されたアルキル水素原子を少なくとも1個有するアルキル、例えば2−(1−ピロリジニル)エチル、4−モルホリニルメチル、(1−メチル−4−ピペリジニル)メチルなどをいう。
【0024】
本明細書において使用される用語「置換された」は、少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されている、前述の基のいずれか(すなわちアルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロ環式及びヘテロシクロアルキル)をいう。ケト置換基(「C(=O)」)の場合、2個の水素原子が置換されている。置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル(例えばハロアルキル、一−又は全−置換されたアミノアルキル、アルキルオキシアルキルなど)、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−NRab、−NRaC(=O)Rb、−NRaC(=O)NRab、−NRaC(=O)ORb、−NRaSO2b、−ORa、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=0)NRab、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、−0C(=O)NRab、−NRaS02b、又は式Y−Z−Raのラジカル(式中、Yは、アルカンジイル、置換アルカンジイル、又は直接結合であり、Zは、−0−、−S−、S(=O)−、−S(=O)2−、−N(Rb)−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−N(Rb)C(=O)−、−C(=O)N(Rb)−又は直接結合である。)であり、ここでRa及びRbは同じ又は異なり、並びに独立して水素、アミノ、アルキル、置換アルキル(ハロゲン化されたアルキルを含む)、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキルもしくは置換アルキルヘテロシクロアルキルであるか、又はRa及びRbはそれらが結合した窒素原子と一緒にヘテロ環もしくは置換ヘテロ環を形成する。
【0025】
「ハロアルキル」は、ハロゲンで置換された水素原子を1個又は複数有するアルキル、例えば−CF3をいう。
「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシで置換された水素原子を1個又は複数有するアルキル、例えば−CH2OHを意味する。
【0026】
「スルホニル」は、Rが、H、アリール、ヘテロアリール、C1−C6−アルキル、ハロゲンで置換されたC1−C6−アルキル(例えば−SO2−CF3基)、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、C3−C6−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C1−C6−アルキルアリール、C1−C6−アルキルヘテロアリール、C2−C6−アルケニルアリール、C2−C6−アルケニルヘテロアリール、C2−C6−アルキニルアリール、C2−C6−アルキニルヘテロアリール、C1−C6−アルキルシクロアルキル、又はC1−C6−アルキルヘテロシクロアルキルから選択されている、「−SO2−R」基をいう。
【0027】
「スルフィニル」は、Rが、H、C1−C6−アルキル、ハロゲンで置換されたC1−C6−アルキル(例えば−SO2−CF3基)、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、C3−C8−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C1−C6−アルキルアリール、C1−C6−アルキルヘテロアリール、C2−C6−アルケニルアリール、C2−C6−アルケニルヘテロアリール、C2−C6−アルキニルアリール、C2−C6−アルキニルヘテロアリール、C1−C6−アルキルシクロアルキル、又はC1−C6−アルキルヘテロシクロアルキルから選択されている、「−S(=O)−R」基をいう。
【0028】
「スルファニル」は、Rが、H、C1−C6−アルキル、ハロゲンで置換されたC1−C6−アルキル(例えば−SO2−CF3基)、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、C3−C8−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C1−C6−アルキルアリール、C1−C6−アルキルヘテロアリール、C2−C6−アルケニルアリール、C2−C6−アルケニルヘテロアリール、C2−C6−アルキニルアリール、C2−C6−アルキニルヘテロアリール、C1−C6−アルキルシクロアルキル、又はC1−C6−アルキルヘテロシクロアルキルから選択されている、「−S−R」基をいう。好ましいスルファニル基は、メチルスルファニル、エチルスルファニルなどを含む。
【0029】
「カルボキシル」は、−COOHをいう。
「アミノ」は、R、R’の各々が独立して、水素又はC1−C6−アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1−C6−アルキルアリール、C1−C6−アルキルヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり、並びにここでR及びR’が、それらが結合した窒素原子と一緒に、任意に3〜8−員のヘテロシクロアルキル環を形成することができる、−NRR’基をいう。
【0030】
「アンモニウム」は、R、R’、R”の各々が独立して、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルキルアリール、C1−C6−アルキルヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり、並びにここでR及びR’が、それらが結合した窒素原子と一緒に、任意に3〜8−員のヘテロシクロアルキル環を形成することができる、正帯電した−N+RR’R”基をいう。
【0031】
「HCl」は、それらの化学構造により示された化合物の塩酸塩を意味する。
「窒素含有非芳香族ヘテロ環」は、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどを意味する。
【0032】
「医薬として許容される塩又は錯体」は、本明細書において開示された化合物の塩又は錯体をいう。このような塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)により形成される塩に加え、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パルモン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、及びポリガラクツロン酸などの有機酸により形成される塩、更にはリシン又はアルギニンなどの塩基性アミノ酸により形成される塩を含むが、これらに限定されるものではない。
【0033】
加えて、カルボン酸又は他の酸性官能基(類)を含む化合物の塩を、好適な塩基と反応することにより調製することができる。このような医薬として許容される塩は、医薬として許容される陽イオンを提供する塩基により作製することができ、これはアルカリ金属塩(特にナトリウム及びカリウム)、アルカリ土類金属塩(特にカルシウム及びマグネシウム)、アルミニウム塩及びアンモニウム塩、更には生理的に許容される有機塩基、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、コリジン、キニーネ、キノリン、並びにリシン及びアルギニンなどの塩基性アミノ酸などから作製された塩を含む。
【0034】
本発明は、脂肪肝(脂肪症)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、及び肝硬変(進行した肝瘢痕化)を含む、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の対象を治療する方法に関する。本方法は、式I:
【0035】
【化3】

【0036】
の化合物又はそれらの医薬として許容される塩の有効量を、対象へ投与することを含む。
【0037】
肝臓の機能のひとつは、消化した食品から脂肪及びタンパク質を処理することである。脂肪肝疾患は、肝臓細胞内の脂肪の集積(build-up)が存在する広範な状態を対象としている。肝臓細胞(肝細胞)は通常、若干の脂肪を含み、脂肪化学物質(トリグリセリド、脂肪酸など)に関連している。過剰な脂肪は通常、肝臓細胞の外へ、血流へと送られ、その後全身の脂肪の細胞(脂肪細胞)内に取り込まれ貯蔵される。脂肪性肝疾患において、過剰な脂肪は、肝臓細胞において集積される。これは、肝臓細胞において脂肪及び関連した脂肪化学物質の正常な処理過程に若干の問題又は破壊が存在する場合に生じると考えられる。単純な脂肪肝(「肝性脂肪症」とも称される)は、肝臓細胞内部の脂肪含量が、肝臓の重量の5〜10%を超える場合に存在する。単純な脂肪肝は、肝臓の重篤な損傷又は危害には関連していない。
【0038】
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、
i)肝臓に脂肪蓄積した、単純脂肪肝(脂肪症);
ii)肝臓への脂肪蓄積が、肝臓の炎症及び損傷と共に存在する、非アルコール性脂肪肝炎(NASH);並びに、
iii)不可逆的で進行した肝瘢痕化である、肝硬変:の範囲に及ぶ広いスペクトルの肝疾患をいう。
【0039】
NAFLDの病期は全て共通して、肝臓の細胞(肝細胞)内の脂肪の蓄積(脂肪の浸潤)を有する。脂肪肝(脂肪症)は、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)へ進行し得る。NASHにおいて、脂肪蓄積は、変動する炎症の程度及び肝瘢痕化に関連しており、多くの場合において、インスリン抵抗性、脂質異常症及び高血圧に関連している。NASHは、線維化、脂肪肝炎へと進行し、肝硬変、最終病期の肝疾患、急性肝不全及び肝細胞癌を誘発し得る。過体重のヒトにおいて、コレステロール及びトリグリセリドなどの血中脂質の上昇、及びインスリン抵抗性が、最も頻繁に起こる。
【0040】
本発明は、急性肝不全の治療法も提供する。急性肝不全は、肝臓内の細胞が短期間に死滅するか又は損傷し始める場合に生じる。これは、肝臓が正常に働かなくなることを引き起こし、致命的であり得る。肝硬変などの進行性肝疾患は、肝不全を生じ得る。肝不全の徴候は、脳症(変更された脳機能、黄疸、肝性口臭及び凝血障害)を含む。
【0041】
単純脂肪肝のヒトの多くは、脂肪肝が合併症である他の状態を有する。単純脂肪肝の多くの症例は、推奨される限界量を超えるアルコールを飲むヒトで発生する。大量に飲酒するヒトの半分以上が、単純脂肪肝を発症する。これらの症例において、単純脂肪肝は、アルコール性脂肪肝炎へと進行し得る。この状態において、肝臓細胞内の過剰な脂肪は、肝臓の炎症に付随するか、又はこれを引き起こすことがある。アルコール性脂肪肝炎は、最終的に、肝瘢痕化(肝硬変)を引き起こすことがある。
【0042】
インスリン抵抗性は、本人の体自身のインスリンに対する代謝反応が損なわれることであり、その結果活性筋細胞は、それらが取り込むべき程容易にブドウ糖を取り込むことができない。その結果、ブドウ糖は、細胞へ侵入することが妨げられ、血流中に残存する。膵臓は、より多くのインスリンを産生することによりその需要を維持しようとする。最終的に膵臓は、体が必要とするインスリンを維持することができず、過剰なブドウ糖が血流中に集積する。多くのインスリン抵抗性の患者は、高レベルの血中ブドウ糖及び高レベルのインスリン循環をそれらの血液中に同時に有する。
【0043】
正常よりも高い血中ブドウ糖レベルを有するが依然糖尿病範囲ではない患者は、「前糖尿病状態」(空腹時血糖異常(IFG)又は耐糖能異常(IGT))を有する。前糖尿病状態は、2型糖尿病発症のリスクを増大する。
【0044】
前糖尿病状態は、糖尿病を診断するために現在使用されている2種の標準試験のいずれかにより検出することができる。空腹時血糖試験(FPG)において、正常な空腹時血糖レベルは、約100mg/dl以下であり、約100〜約125mg/dlの範囲の空腹時血糖値は、空腹時血糖異常(IFG)、又は前糖尿病状態を示す。約125mg/dlを超える空腹時血糖レベルは、糖尿病を示す。経口糖負荷試験(OGTT)において、正常血糖値は、約140mg/dl未満であり;約140〜約199mg/dlの範囲の上昇した血糖レベルは、耐糖能異常、又は前糖尿病状態を示す。約200mg/dl又はそれよりも高い血糖レベルは、糖尿病を示す。
【0045】
妊娠糖尿病は、それまでは糖尿病と診断されたことがない女性において、妊娠中にブドウ糖レベルが上昇し、かつ他の糖尿病性症状が明らかになる状態である。糖尿病性症状は典型的には、分娩後に消失する。妊娠糖尿病は、膵臓により生成されるインスリンに対する他のホルモンの作用をブロックすることにより(インスリン抵抗性)引き起こされる。
【0046】
インスリン抵抗性は、症候群Xにも関連している。症候群Xは、代謝障害の組み合わせである。具体的には、「メタボリック症候群」、「インスリン抵抗性症候群」又は「メタボリック症候群X」としても公知である症候群Xは、一部のヒトをクラスター化するための心疾患のリスク因子のグループをいう。これは、3種又はそれよりも多い以下の状態の存在として定義される:
i)インスリン抵抗性又は耐糖性
ii)上昇した血圧
iii)上昇したトリグリセリド
iv)低レベルのHDL(高密度コレステロール)コレステロール
v)中心性(腹部)肥満症
症候群Xの他の症状は、プロトロンビン性状態(prothrombotic state)(例えば血中の高いフィブリノゲン又はプラスミノーゲン活性化因子阻害剤)及び前炎症性状態(例えば血中の上昇した高感受性C−反応性タンパク質)を含んでよい。
【0047】
成人について、過体重及び肥満症の範囲は、「ボディマスインデックス(BMI)」と称される数値を計算するために、体重及び身長を使用し、決定される。ボディマスインデックス(BMI)は、個人の体重及び身長から、下記式を用い、算出される数値である:体重(kg)/[身長(m)]2(計算:[体重(kg)/身長(m)/身長(m)])。メートル法により、このBMI式は、キログラム体重を、メートル身長の二乗で除算する。BMIは、ほとんどのヒトについて、それらの体脂肪量と相関するので、これが使用される。BMIが25〜29.9の成人は、過体重とみなされる。BMIが30以上の成人は、肥満とみなされる。
【0048】
高脂血症は、血流中の脂質(脂肪)の上昇である。これらの脂質は、コレステロール、コレステロールエステル(化合物)、リン脂質及びトリグリセリドを含む。これらは、リポタンパクと称される巨大分子の一部として、血液中を輸送される。高脂血症が、血中の上昇したリポタンパクの1種又は複数のクラスに関して規定される場合、用語高リポタンパク血症が使用される。高コレステロール血症は、血中の高コレステロールレベルに関する用語である。高トリグリセリド血症は、血中の高トリグリセリドレベルをいう。
【0049】
本発明は、式Iの化合物を用い、先に列記された疾患、障害及び症候群の全てを治療する方法を提供する。そのような化合物の有効量が、これらの1種又は複数の状態の対象へ投与される。
【0050】
本明細書において使用される「治療する」は、以下の結果の1つ又は複数を、部分的又は実質的に達成することを含む:疾患、障害又は症候群の程度の部分的又は全体的低下(例えば、脂肪蓄積の低下、インスリン活性の増大、体重の減少);臨床症状又はその障害に関連した指標の回復又は改善;疾患、障害又は症候群の進行の遅延、阻害又は予防;もしくは、障害の開始又は発症の部分的又は全体的遅延、阻害又は予防。疾患、障害又は症候群の進行の遅延、阻害又は予防は、例えば、脂肪肝のNASHへの進行の遅延、阻害又は予防;NASHの肝硬変、末期肝疾患及び/又は肝細胞癌への進行の遅延、阻害又は予防;並びに、前糖尿病の糖尿病への進行の遅延、阻害又は予防を含む。
【0051】
「対象」は、哺乳類、好ましくはヒトであるが、獣医学的治療の必要がある動物、例えばペット(例えばイム、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなど)及び実験動物(例えばラット、マウス、モルモットなど)などであることもできる。
【0052】
式Iの化合物は、単独で、又は例えば補助療法のように、少なくとも1種の他の治療薬と組み合わせて使用することができる。式Iの化合物は、請求される化合物を含有する組成物と、同じ組成物又は異なる組成物の一部であることができる、他の治療薬の投与と同時に投与することができる。あるいは、式Iの化合物は、別の治療薬の投与の前又はそれに続けて投与することができる。
【0053】
本発明の方法をNASHの対象を治療するために使用する場合、式Iの化合物は、血中ブドウ糖レベルを制御するために使用される作用物質、脂質レベルを制御するために使用される作用物質、例えばコレステロールを低下するために使用される作用物質、抗酸化薬、食欲抑制する作用物質、抗肥満薬、抗生物質又は抗炎症薬を含むが、これらに限定されるものではない、NASHの1種又は複数の症状を軽減するために使用される治療薬と同時投与することができる。このような作用物質の例は、本明細書に列記されており、これは血中ブドウ糖レベルを制御するために使用される作用物質、スルホニル尿素など、例えばクロルプロパミド(商品名Diabinese)、グリピジド(商品名Glucotrol及びGlucotrol XL)、グリブリド(商品名Micronase、Glynase、及びDiabeta)、及びグリメピリド(Amaryl);メグリチニド、例えばレパグリニド(商品名Prandin)及びナテグリニド(商品名Starlix);ビグアニド、例えばメトホルミン(商品名Glucophage(登録商標))及びアカルボース(Precose);チアゾリジンジオン、例えばロシグリタゾン(商品名Avandia(登録商標))、トログリタゾン(商品名Rezulin(登録商標))、及びピオグリタゾン(商品名Actos(登録商標));α-グルコシダーゼ阻害薬、例えばアカルボース(商品名Precose(登録商標))及びメグリトール(商品名Glyset);並びに、インスリン、例えばプラムリンチド(商品名Symlin)、エクセナチド(商品名Byetta)、ヒューマログ(商品名Lispro)、ノボログ(商品名Aspart)、ヒュームリン、ノボリン、ウルトラレンテ、及びランタス(商品名Glargine);脂質レベルを制御するために使用される作用物質、例えばバイトリン、LXRアゴニスト(WO 01/03705を参照し、その内容全体は参照により本明細書に組み入れられる)、クロフィブラート及びゲンフィブロジル;血漿HDL−上昇薬、コレステロール低下薬、例えばウルソデオキシコール酸(合成胆汁酸塩Actigall(登録商標)、URSO(登録商標)、又はUrsodiol(登録商標))、コレステロール生合成阻害薬、例えばHMG−CoA還元酵素阻害薬(例えば、スタチン、例としてアトルバスタチン(Lipitor)、フルバスタチン(Lescol)、ロバスタチン(Altocor、Mevacor)、プラバスタチン(Pravacol)、ロスバスタチン(Crestor)、シムバスタチン(Zocor)及びロスバスタチンカルシウム)、HMG−CoA合成酵素阻害薬、スクアレンエポキシダーゼ阻害薬、又はスクアレンシンテターゼ阻害薬(スクアレン合成酵素阻害薬としても公知)、アシル−CoA:コレステロールアシル転移酵素(ACAT)阻害薬、例えばメリナミド;プロブコール、ナイアシン(ニコチン酸、ビタミン-B-3)、ニコチン酸及びそれらの塩及びナイアシンアミド;コレステロール吸収阻害薬、例えばβ-シトステロール、及びエゼチミブ(Zatia)、胆汁酸金属イオン封鎖剤、例えばコレスチラミン(Questran)、コレスチポール(Colestid)、及びコレセベラム(WelChol)、又は架橋したデキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;並びに、LDL(低密度リポタンパク)受容体誘導体、フィブラート、例えばクロフィブラート、フェノフィブラート、及びゲムフィブリゾール、ビタミンB6(ピリドキシンとしても公知)並びにそれらの生理的に許容される塩、例えばHCl塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとしても公知)、及びアンジオテンシンIIアンタゴニスト転換酵素阻害薬;並びに、血小板凝集阻害薬、例えばフィブリノゲン受容体アンタゴニスト(すなわち、糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノゲン受容体アンタゴニスト);抗生物質、例えばポリミキシンB;並びに、抗酸化薬、例えばセレン、ベタイン、ビタミンC、ビタミンE及びβカロテン;β-遮断薬;減量又は食欲抑制のために使用される作用物質、例えばシブトラミン(Meridia)、オルリスタット(Xenical)、食欲減退薬(Anorexigenics)、デキセドリン、ジゴキシン、カンナビノイド(CB1)受容体アンタゴニスト、リモナバン、アンフェタミン、リパーゼ阻害薬、ブプロピオン、トピラマート、ゾニサミド、フェンフルラミン、フェンテルミン(Adipex-P、Fastin、Ionamin、Oby-trim、Pro-Fast、Zantryl)、フェンジメトラジン(Bontril、Plegine、Prelu-2、X-Trozine、Adipost)、ジエチルプロピオン(Tenuate、Tenuate dospan)、フルオキセチン/フェンテルミン、フェンジメトラジン/フェンテルミン、及びオルリスタット/シブトラミンも含む。
【0054】
アルコール性脂肪肝炎の対象の治療のために本発明の方法が使用される場合、式Iの化合物は、先に説明されたもののような血中ブドウ糖レベルを制御するために使用される作用物質、脂質レベルを制御するために使用される作用物質、例えばコレステロールをより低く制御するために使用される作用物質、抗酸化薬、食欲抑制する作用物質、抗肥満薬、抗生物質又は抗炎症薬を含むが、これらに限定されるものではないアルコール性脂肪肝炎の症状の1つ又は複数を軽減するために使用される治療薬と同時投与することができる。
【0055】
急性肝不全の対象の治療のために本発明の方法が使用される場合、式Iの化合物は、先に説明されたもののような血中ブドウ糖レベルを制御するために使用される作用物質、脂質レベルを制御するために使用される作用物質、例えばコレステロールをより低く制御するために使用される作用物質、抗酸化薬、食欲抑制する作用物質、抗肥満薬、抗生物質又は抗炎症薬を含むが、これらに限定されるものではないアルコール性脂肪肝炎の症状の1つ又は複数を軽減するために使用される治療薬と同時投与することができる。
【0056】
インスリン抵抗性の対象の治療のために本発明の方法が使用される場合、式Iの化合物は、血中ブドウ糖レベルを制御するために使用される治療薬と同時投与することができる。そのような化合物の例は、スルホニル尿素、例えばクロルプロパミド(商品名Diabinese)、グリピジド(商品名Glucotrol及びGlucotrol XL)、グリブリド(商品名Micronase、Glynase、及びDiabeta)、並びにグリメピリド(Amaryl)など;メグリチニド、例えばレパグリニド(商品名Prandin)及びナテグリニド(商品名Starlix)など;ビグアニド、例えばメトホルミン(商品名Glucophage(登録商標))及びアカルボース(Precose)など;チアゾリジンジオン、例えばロシグリタゾン(商品名Avandia(登録商標))、トログリタゾン(商品名Rezulin(登録商標))、及びピオグリタゾン(商品名Actos(登録商標))など;α-グルコシダーゼ阻害薬、例えばアカルボース(商品名Precose(登録商標))及びメグリトール(商品名Glyset)など;並びに、インスリン、例えばプラムリンチド(商品名Symlin)、エクセチナド(商品名Byetta)、ヒューマログ(商品名Lispro)、ノボログ(商品名Aspart)、ヒュームリン、ノボリン、ウルトラレンテ、及びランタス(商品名Glargine)などを含む。
【0057】
妊娠糖尿病の対象の治療のために本発明の方法が使用される場合、式Iの化合物は、血中ブドウ糖レベルを制御するために使用される治療薬と同時投与することができる。例は、前段に列記されたものを含む。
【0058】
症候群Xの対象の治療のために本発明の方法が使用される場合、式Iの化合物は、血中ブドウ糖レベルを制御するために使用される作用物質、脂質レベルを制御するために使用される作用物質、例えばコレステロールをより低く制御するために使用される作用物質、食欲抑制する作用物質、抗肥満薬、抗酸化薬、抗生物質又は抗炎症薬を含むが、これらに限定されるものではない症候群Xの症状の1つ又は複数を治療するために使用される治療薬と同時投与することができる。そのような作用物質の例は、本明細書に列記されており、血中ブドウ糖レベルを制御するために使用される作用物質、例としてスルホニル尿素、例えばクロルプロパミド(商品名Diabinese)、グリピジド(商品名Glucotrol及びGlucotrol XL)、グリブリド(商品名Micronase、Glynase、及びDiabeta)、並びにグリメピリド(Amaryl)など;メグリチニド、例えばレパグリニド(商品名Prandin)及びナテグリニド(商品名Starlix)など;ビグアニド、例えばメトホルミン(商品名Glucophage(登録商標))及びアカルボース(Precose)など;チアゾリジンジオン、例えばロシグリタゾン(商品名Avandia)、トログリタゾン(商品名Rezulin(登録商標))、及びピオグリタゾン(商品名Actos)など;α-グルコシダーゼ阻害薬、例えばアカルボース(商品名Precose(登録商標))及びメグリトール(商品名Glyset)など;並びに、インスリン、例えばプラムリンチド(商品名Symlin)、エクセチナド(商品名Byetta)、ヒューマログ(商品名Lispro)、ノボログ(商品名Aspart)、ヒュームリン、ノボリン、ウルトラレンテ、及びランタス(商品名Glargine)など;脂質レベルを制御するために使用される作用物質、例えばバイトリン、LXRアゴニスト(WO 01/03705を参照し、その内容全体は参照により本明細書に組み入れられる)、クロフィブラート及びゲンフィブロジル、血漿HDL−上昇薬、コレステロール低下薬、例えばウルソデオキシコール酸(合成胆汁酸塩Actigall(登録商標)、URSO(登録商標)、又はUrsodiol(登録商標))、コレステロール生合成阻害薬、例えばHMG−CoA還元酵素阻害薬(例えば、スタチン、例としてアトルバスタチン(Lipitor)、フルバスタチン(Lescol)、ロバスタチン(Altocor、Mevacor)、プラバスタチン(Pravacol)、ロスバスタチン(Crestor)、シムバスタチン(Zocor)及びロスバスタチンカルシウム)、HMG−CoA合成酵素阻害薬、スクアレンエポキシダーゼ阻害薬、又はスクアレン合成酵素阻害薬(スクアレンシンターゼ阻害薬としても公知)、アシル−CoA:コレステロールアシル転移酵素(ACAT)阻害薬、例えばメリナミド;プロブコール、ナイアシン(ニコチン酸、ビタミン-B-3)、ニコチン酸及びそれらの塩及びナイアシンアミド;コレステロール吸収阻害薬、例えばβ-シトステロール、及びエゼチミブ(Zatia)、胆汁酸金属イオン封鎖剤、例えばコレスチラミン(Questran)、コレスチポール(Colestid)、及びコレセベラム(WelChol)、又は架橋したデキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;並びに、LDL(低密度リポタンパク)受容体誘導体、フィブラート、例えばクロフィブラート、フェノフィブラート、及びゲムフィブリゾール、ビタミンB6(ピリドキシンとしても公知)並びにそれらの生理的に許容される塩、例えばHCl塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとしても公知)、及びアンジオテンシンIIアンタゴニスト転換酵素阻害薬;並びに、血小板凝集阻害薬、例えばフィブリノゲン受容体アンタゴニスト(すなわち、糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノゲン受容体アンタゴニスト);抗酸化薬、例えばセレン、ベタイン、ビタミンC、ビタミンE及びβカロテン;β-遮断薬;減量又は食欲抑制のために使用される作用物質、例えばシブトラミン(Meridia)、オルリスタット、(Xenical)、食欲減退薬(Anorexigenics)、デキセドリン、ジゴキシン、カンナビノイド(CB1)受容体アンタゴニスト、リモナバン、アンフェタミン、リパーゼ阻害薬、ブプロピオン、トピラマート、ゾニサミド、フェンフルラミン、フェンテルミン(Adipex-P、Fastin、Ionamin、Oby-trim、Pro-Fast、Zantryl)、フェンジメトラジン(Bontril、Plegine、Prelu-2、X-Trozine、Adipost)、ジエチルプロピオン(Tenuate、Tenuate dospan)、フルオキセチン/フェンテルミン、フェンジメトラジン/フェンテルミン、及びオルリスタット/シブトラミン;並びに、アスピリンも含む。
【0059】
高脂血症の対象の治療のために本発明の方法が使用される場合、式Iの化合物は、先に説明されたもののような、脂質レベルを制御するために使用される治療薬と同時投与することができる。
肥満症の対象の治療のために本発明の方法が使用される場合、式Iの化合物は、減量又は食欲を抑制するために使用される治療薬と共に投与することができる。例は、シブトラミン(Meridia)、オルリスタット(Xenical)、食欲減退薬(Anorexigenics)、デキセドリン、ジゴキシン、カンナビノイド(CB1)受容体アンタゴニスト、リモナバン、アンフェタミン、リパーゼ阻害薬、ブプロピオン、トピラマート、ゾニサミド、フェンフルラミン、フェンテルミン(Adipex-P、Fastin、Ionamin、Oby-trim、Pro-Fast、Zantryl)、フェンジメトラジン(Bontril、Plegine、Prelu-2、X-Trozine、Adipost)、ジエチルプロピオン(Tenuate、Tenuate dospan)、フルオキセチン/フェンテルミン、フェンジメトラジン/フェンテルミン、及びオルリスタット/シブトラミンからなる群より選択されるものを含む。
【0060】
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に罹患している対象の治療法は、式(I):
【0061】
【化4】

【0062】
のアニリノピリミジン誘導体である化合物の有効量を対象へ投与することを含む。
【0063】
前記化合物は、WO 02/46171(Signal Pharmaceuticals Inc.)に開示されており、これは特に、自己免疫疾患、炎症疾患、心臓血管疾患、感染症、脳卒中又は癌の治療に関して開示されている。
【0064】
前述のその医薬として許容されるそれらの塩を含む式(I)の化合物において、置換基は、以下のように定義される:
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールのいずれかであり;
2は、水素であり;
3は、水素又は低級アルキルのいずれかであり;
4は、各場合において、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシからなる群より独立して選択され;ここで、nは、0〜4の整数であり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、−(CH2aOR9、−(CH2aSOc9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;並びに、R5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒に、ヘテロ環又は置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR89、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及び置換もしくは非置換のフェニルへ縮合した置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒に、ヘテロ環又は置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。
【0065】
本発明の一実施態様において、R1は、置換又は非置換のアリール又はヘテロアリールのいずれかである。R1が置換されている場合、これは以下に定義された1個又は複数の置換基により置換されている。好ましくは、置換されている場合、R1は、ハロゲン、スルホニル又はスルホンアミドにより置換される。
【0066】
別の本発明の実施態様において、R1は、置換又は非置換のアリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル及びキナゾリニルからなる群より選択される。
【0067】
別の本発明の実施態様において、R1は、置換又は非置換のアリール、好ましくは置換又は非置換のフェニルである。R1が置換アリールである場合、このアリールは、以下に定義された1個又は複数の置換基により置換される。
好ましくは、R1が置換アリールである場合、これは、ハロゲン、スルホニル又はスルホンアミドにより置換される。
【0068】
別の本発明の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒に、置換又は非置換の窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成し、好ましくは置換又は非置換のモルホリニル、置換又は非置換のチオモルホリニル、置換又は非置換のピロジノニル、置換又は非置換のピロリジニル、置換又は非置換のピペリジニル、置換又は非置換のホモピペリジニル、置換又は非置換のピペラジニル、置換又は非置換のホモピペラジニル、置換又は非置換のヒダントイニル、置換又は非置換のテトラヒドロピリジニル、置換又は非置換のテトラヒドロピリミジニル、置換又は非置換のオキサゾリジニル、置換又は非置換のチアゾリジニル、置換又は非置換のインドリニル、置換又は非置換のイソインドリニル、置換又は非置換のテトラヒドロキノリニル、もしくは置換又は非置換のテトラヒドロイソキノリニルを形成する。
【0069】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒に、置換又は非置換のピペラジニル、置換又は非置換のピペリジニル(piperadinyl)もしくは置換又は非置換のモルホリニルを形成する場合、置換されたピペラジニル、置換されたピペリジニル(piperadinyl)又は置換されたモルホリニルは、以下に定義された1個又は複数の置換基により置換される。
好ましくは、置換された場合、この置換基は、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、アルキルエーテル、アシル、ピロリジニル又はピペリジニルである。
【0070】
本発明の一実施態様において、R2、R3及びR4は水素であり、本発明の化合物は、下記式(II):
【0071】
【化5】

【0072】
を有する。
【0073】
本発明のより具体的な実施態様において、R1は、R7で任意に置換されたフェニルであり、下記式(III):
【0074】
【化6】

【0075】
を有する。
【0076】
本発明のより更なる実施態様において、R7は、下記式(IV):
【0077】
【化7】

【0078】
により表されるように、フェニル環のパラ位である。
【0079】
本発明のより更なる実施態様において、本アニリノピリミジン誘導体において、化合物Aは、1−(4−{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゾイル}−ピペラジン−1−イル)−エタノンである:
【0080】
【化8】

【0081】
式I−IVの化合物及び化合物Aは、WO 02/46171 A2(Signal Pharmaceuticals Inc.)に開示された方法により調製することができ、この特許の内容全体は引用により本明細書中に組み込まれている。
【0082】
更に本発明は、活性成分として、式I、II、III、IVの化合物、もしくは化合物A、又はそれらの医薬として許容される塩を、医薬として許容される担体と共に含有する医薬組成物を提供する。
別の本発明の実施態様は、化合物A又はそれらの医薬として許容される塩は含まないことを条件として、式(I)、(II)、(III)もしくは(V)の化合物、又はそれらの医薬として許容される塩である。
【0083】
「医薬組成物」は、1種又は複数の活性成分、及び担体を作製する1種又は複数の不活性成分に加え、更には任意の2種又はそれよりも多い成分の組み合わせ、錯体形成又は凝集から、もしくは1種又は複数の成分の解離から、もしくは1種又は複数の成分のその他の種類の反応又は相互作用から、直接又は間接に生じる任意の生成物を意味する。従って本発明の医薬組成物は、本発明の化合物及び医薬として許容される担体の混合により作製された任意の組成物を包含している。
【0084】
これらの組成物は、経口、経直腸、局所的、非経口(皮下、筋肉内、及び静脈内を含む)、眼内(眼科用)、経肺(鼻又は口腔内吸入)、又は経鼻投与に適した組成物を含むが、任意の所与の症例において最も好適な経路は、治療される状態の性質及び重症度、並びにその活性成分の性質により決まるであろう。これらは好都合なことに、単位剤形で提供され、かつ調剤の技術分野において周知の方法のいずれかにより調製されてよい。
【0085】
実際の使用において、式Iの化合物は、通常の医薬配合技術に従い医薬担体と混合される活性成分として組み合わせることができる。この担体は、例えば経口又は非経口(静脈内を含む)のような投与に望ましい調製物の形に応じて、多種多様な形をとってよい。経口剤形のための組成物の調製において、例えば懸濁剤、エリキシル剤及び液剤などの経口液体調製物の場合には、例えば、水、グリコール、油類、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤など;又は、例えば散剤、硬及び軟カプセル剤並びに錠剤などの経口固形調製物の場合は、デンプン、糖質、微晶質セルロースなどの担体、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などの、通常の医薬媒体のいずれかを使用することができ、固形経口調製物が、液体調製物よりも好ましい。
【0086】
錠剤及びカプセル剤の投与は容易であるので、それらが、固形医薬担体が明らかに使用されるような最も有利な経口単位剤形である。望ましいならば、錠剤は、標準の水性又は非水性技術によりコーティングされてよい。このような組成物及び調製物は、活性化合物を少なくとも0.1%含有しなければならない。これらの組成物中の活性化合物の割合は、当然、変動してよく、かつ好都合なことにその単位剤形(unit)の重量の約2%〜約60%の間であってよい。このような治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、有効な用量が得られるものである。式Iの活性化合物は、例えば液体点鼻薬又はスプレーとして、鼻腔内投与することもできる。
【0087】
錠剤、丸剤、カプセル剤などは、トラガカントガム、アカシアガム、トウモロコシデンプン又はゼラチンなどの結合剤;リン酸水素カルシウムなどの賦形剤;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;及び、ショ糖、乳糖又はサッカリンなどの甘味剤も含有してよい。単位剤形がカプセル剤である場合、これは、前述の種類の物質、脂肪油などの液体担体を含有してよい。
【0088】
様々な他の物質が、コーティングとして、又は単位剤形の物理的形状を修飾するために存在してよい。例えば錠剤は、セラック、糖質又は両方でコーティングされてよい。シロップ剤又はエリキシル剤は、活性成分に加え、甘味剤としてショ糖、保存剤としてメチル及びプロピルパラベン、色素、及びチェリー又はオレンジ香料などの香料を含有してよい。
【0089】
式Iの化合物は、非経口的に投与されてもよい。本活性化合物の液剤又は懸濁剤は、ヒドロキシ−プロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合され水中で調製することができる。同じく分散剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及び油中のそれらの混合物中に調製することができる。通常の貯蔵及び使用条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するために、保存剤を含有する。
【0090】
注射用途に適した医薬剤形は、無菌水性溶液又は分散液、及び無菌注射用溶液又は分散液のその場での調製のための無菌散剤を含む。全ての場合において、この剤形は、無菌でなければならず、かつ容易に注射することができる程度に流動しなければならない。これは、製造及び貯蔵の条件下で安定していなければならず、かつ細菌及び真菌などの微生物の夾雑作用に対し保存されなければならない。この担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、それらの好適な混合物、及び植物油を含む、溶媒又は分散媒であることができる。
【0091】
本発明の化合物の有効量を哺乳類、特にヒトへ提供するために、いずれか好適な投与経路を使用してよい。例えば、経口、経直腸、局所的、非経口、眼内、経肺、経鼻などを使用してよい。剤形は、錠剤、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、液剤、カプセル剤、クリーム剤、軟膏、エアロゾルなどを含む。式Iの化合物は、経口投与されることが、好ましい。
【0092】
用語「有効量」は、化合物が対象へ投与された場合に、恩恵のある臨床転帰が達成される化合物の量である。「恩恵のある臨床転帰」とは、疾患、障害もしくは症候群の臨床症状の回復もしくは改善、疾患の症状のもしくは疾患それ自身の再発の予防、阻害もしくは遅延、並びに/又は治療しない対象と比べた対象の寿命の延長、又は例えばNASHから肝硬変への進行のような、疾患の症状のもしくは疾患それ自身の進行の予防、阻害もしくは遅延を含む。対象へ投与される化合物(又は他の治療薬)の正確な量は、疾患又は状態の種類及び重症度、並びに全身の健康状態、年齢、性別、体重及び薬物耐性のような、対象の特徴に応じて決まるであろう。これは、障害の程度、重症度及び種類によっても決まるであろう。当業者は、これら及び他の要因に応じ、適量を決定することができるであろう。他の治療薬と同時投与される場合、第二の作用物質の「有効量」は、使用される薬物の種類に応じて決まるであろう。有効量は、投与様式に応じて変動してよい。
【0093】
式Iの化合物は、約0.1mg〜約100mg/kg動物体重の1日量で投与することができ、単回1日量又は1日2〜6回の分割量として、又は徐放型で投与されることが好ましい。最も大型の哺乳類について、総1日量は、約1.0mg〜約1000mgであり、好ましくは約1mg〜約50mgである。70kgの成人の場合、総1日量は一般に、約7mg〜約350mgであろう。本投薬計画は、最適な治療反応を提供するように、調節されてよい。
【0094】
本発明は、いかなる意味においても限定を意図するものではない、以下の実施例により例示される。
【実施例】
【0095】
実験
実施例及び図面において使用される化合物Aは、1−(4−{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゾイル}−ピペラジン−1−イル)−エタノンである。
【化9】

【0096】
動物、飼育及び処置。8週齢の雄のC56BL/6マウス2群を、高ショ糖含有食餌下で、1%オロチン酸(HSD)と共に4週間飼育した(TD 02366, Tekland Mills) (Feldsteinら, J Hepatol, 39:978-983(2003))。全ての動物は、Jackson Laboratoriesから購入し、米国科学アカデミー(NAS)判定基準(NIH publication 86-23 改訂1985)に従い処置しかつ取り扱った。第一群の動物は、化合物Aの皮下注射を濃度30mg/kgで毎日受け取り(化合物A)、第二群は、同じ頻度でビヒクルを受け取った(ビヒクル)。加えて、第三群のマウスを、通常の固形飼料食餌下で飼育した(対照)。
【0097】
血清分析。絶食後、マウスから血液を採取し、Ascensia Eliteセンサー(Bayer)により、ブドウ糖レベルを測定した。血清インスリンレベル(Linco Research)及びアジポネクチンレベル(R&D systems)は、ELISAにより定量した。
【0098】
組織学的評価。マウスから肝臓を摘出し、ホルムアルデヒドで固定した後、更なる組織学的評価のために、パラフィン内に包埋した。肝臓切片において、ヘマトキシリン・エオシン染色を行い、半定量的なスコア化システムに従い、脂肪症を評価した。オイルレッドO染色を行い、細胞内脂肪の存在を証明した。肝線維症は、コラーゲン繊維を染色するシリウスレッドにより決定した。線維症のスコア化は、Bruntシステムに従い行った。加えて免疫組織化学(IHC)を、1/50希釈のポリクローナル抗−P65(A)抗体及び1/20希釈の抗−TNFα抗体に関して、凍結切片について行った(両方共Santa Cruz Biotechnology Inc.から)。IHCは、1:50希釈のニトロチロシン(C−3NT)抗体(Upstate)に関して、パラフィン−包埋された材料で行った。iNOSに関して、パラフィン切片を、98.5℃の温水浴中で、クエン酸緩衝液(pH6.0)中で30分間前処理した。
【0099】
引き続き、これらのスライドを、抗-ウサギペルオキシダーゼ-複合EnVision抗体(Dako Corp.)と共に、室温で30分間インキュベーションした。この反応生成物を、クリオスタット切片については3−アミノ−9−エチルカルバゾール及びH22、0.01%を用い、並びにパラフィン包埋切片については3,3−ジアミノベンジジン四塩酸塩及びH22、0.01%を用いて、発色した。陰性対照は、一次抗体を省いたものからなった。
【0100】
ウェスタンブロット解析。全肝タンパク質抽出物を、氷冷した緩衝液(20mMトリスpH7.5、150mM NaCl、1mM EGTA、1mM EDTA、1%トリトンX−100、2.5mMピロリン酸ナトリウム及びプロテアーゼインヒビターカクテル)を用い入手した。イムノブロット解析のために、10%SDSポリアクリルアミド−ゲル電気泳動を行った。メンブレンを、以下の抗体でプロービングした:Cell Signaling Technologyから入手した1−κBα(#9162s)、AbCamから入手したPPARα(ab8934)及びPPARγ(ab19481)、並びにSigmaから入手したチューブリン(10806)。二次抗体として、本発明者らは、Cell Signaling Technologyから入手した抗−ウサギ−IgG−HRP−連結した(#7074)、及びSanta Cruz Biotechnologyから入手した抗−マウス−IgG−HRP−連結した(sc-2005)を使用した。
【0101】
RNA単離及び定量的リアルタイムPCR。凍結した肝組織由来のRNAを、PeqGOLD−RNAPureキット(Peqlab)により抽出した。第一鎖合成は、Oligo dTプライマーで行い、M-MLV逆転写酵素(Invitrogen Corp.)により逆転写した。定量的リアルタイムPCRは、Applied Biosystemsから入手したAbbyPrism 7300 Real-Time PCRシステムにおいて、SYBR Green Reagent(Applied biosystems)を用い行った。リアルタイム反応は、3つ組で2回行った。全ての値は、GAPDHレベルに対し正規化した。プライマー配列は、表1に詳述している。
【0102】
アポトーシスの検出。アポトーシス的細胞死は、2つの異なる戦略を用い、肝臓組織において決定した。カスパーゼ3活性は、全肝臓抽出物について分析した。タンパク質は、1M Hepes、10%CHAPS、0.5 EDTA、1m DTT及び0.1M Pefablockを含有する細胞溶解緩衝液により抽出し、更に蛍光基質Ac-DEVD-AMC(Biomol)と共にインキュベーションした。その後酵素活性を、λ励起390nm及びλ発光510nmで測定し、その結果をタンパク質濃度で補正した。加えて本発明者らは、凍結肝臓切片について、「インサイチュ細胞死検出キット、POD」(Roche Diagnostics Corp.)を製造業者の指示に従い用い、TUNELアッセイを行った。
【0103】
統計解析。データは、平均±平均の標準偏差(sdm)として表した。統計学的有意性を決定するために、二元配置分散分析、引き続きスチューデントT検定を使用した。
【0104】
実施例1 化合物Aを使用する高ショ糖食で誘導された肥満症の阻害
4週間のHSD飼育の後のビヒクル処置マウスにおいて、化合物A処置マウス及び固形飼料対照動物と比べ、有意な体重増加が認められた(図1A)。ビヒクル処置マウスは、腹腔内により高い脂肪蓄積を示したのに対し、化合物Aを受け取った動物は、より少ない量の脂肪が証明され、これは肉眼で見える脂肪蓄積を示さなかった対照固形飼料マウスと比べ、有意差はなかった。
【0105】
実施例2 化合物Aを使用する高ショ糖食で誘導されたインスリン抵抗性の阻害
血中ブドウ糖レベルが、HSD/ビヒクルマウスの群において、HSD/化合物Aで処置した動物又は固形飼料食餌のいずれかのマウスと比べ、有意に高かった(図1B)ので、インスリン抵抗性の証拠が、HSD/ビヒクルマウスにおいて認められた。従って、血清インスリンレベルは、対照動物と比べた場合、HSD/ビヒクル処置動物において有意に高かったのに対し、HSD/化合物Aマウスは、HSD/ビヒクル処置動物のそれに対しほぼ有意に低い血液インスリンを示した(p=0.06)(図1C)。
【0106】
実施例3 化合物Aを使用する高ショ糖食で誘導されたNASHの阻害
肝臓切片のヘマトキシリン・エオシン(H&E)染色は、HSD/ビヒクル処置した動物において、脂肪小滴に加え、核崩壊(caryorexis)及びアポトーシス小体の豊富な存在を明らかにした。脂肪症は、半定量的な病理基準に従い数値によりスコア化し、かつ微小−から中間−小胞脂肪症として定義した(図2)。HSD/化合物A処置したマウスは、脂肪蓄積の明確な証拠を伴わず、固形飼料対照動物に類似した肝臓組織学を示した(図2)。オイルレッドO染色は、H&E分析の結果を確認し、巨大−から中間−小胞脂肪症の形で、HSD/ビヒクル処置したマウス由来の肝臓内での脂肪沈着の高い存在を示したのに対し、分析したHSD/化合物Aマウスの一部では、少量の微小−小胞脂肪小滴のみが認められた。固形飼料食餌で飼育したマウスは、オイルレッドO染色の完全な陰性を示した。
【0107】
実施例4 化合物Aは肝臓におけるHSD誘導した炎症反応を減弱する
NF−κBは、I−κBαを介し細胞質内にとどまり(draped in)、I−κBαのリン酸化及び更なる分解は、NF−αBの核移行及び標的遺伝子転写を生じる。I−κBα蛍光体−状態を、HSD(処置)及び固形飼料食餌(対照)飼育動物において調べた。全肝臓抽出物のウェスタンブロット解析は、HSD/ビヒクル処置した動物におけるより低いレベルのI−κBαを明らかにしたのに対し、HSD/化合物A及び固形飼料飼育対照動物において、I−κBαが明らかに存在した。従ってp65抗体を使用する肝切片の免疫組織化学は、HSD/ビヒクルマウスの非−実質細胞において強力なNF−κB活性化を示したのに対し、HSD/化合物A及び対照動物において、染色は実質上陰性であった。従ってHSDは、ビヒクル処置した動物においてNF−κB活性化の引き金を引くのに対し、その誘導は、化合物Aで処置したマウスにおいて低下される。
【0108】
脂肪症は、肝臓を、壊死性炎症及び線維症の引き金を引く様々な「第二の一撃(second hit)」に対して感受性にする。炎症及び酸化的ストレスは、単純脂肪症の肝細胞損傷及びNASHへの進行に関与した必須の要因である(Farrellら, Hepatology, 43:S99-S112 (2006))。IL−6及びTNFの発現を、リアルタイムRT−PCRにより調べた。HSD/ビヒクル処置した動物において、HSD/化合物A及び固形飼料対照群と比べ、IL−6及びTNF mRNA発現のアップレギュレーションが認められた(図3A及び3B)。TNF抗体を使用する免疫組織化学は、非実質細胞におけるTNF陽性により証明されるように、HSD/ビヒクル処置した動物におけるこの前−炎症性サイトカインのより高度な存在を確認した。これらの結果は、HSDは、肝臓炎症を誘発し、かつこの反応は、化合物Aを使用することにより戻すことができることを明らかにしている。
【0109】
実施例5 化合物Aは肝臓におけるHSD誘導した脂質蓄積を減弱する
NASHは、アジポネクチンレベルのダウンレギュレーションに随伴した高度のTNF発現に関係している(Mussoら, Hepatology, 42:1175-1183(2005))。アジポネクチンは、抗炎症性及び抗-線維形成性作用と共に、強力な抗−脂質生成活性を持つアジポキンであり、これはTNFを負に調節しかつ脂質蓄積から肝臓を保護する(Huiら, Hepatology 40:46-54 (2004))(Kamadaら, Gastroenterology 125: 1796-1807(2003))(Maedaら, Nat. Med, 8:731-737 (2002))。4週間HSD飼育した後の、HSD/化合物A処置動物では、固形飼料対照と比べ、血清及び肝臓におけるアジポネクチン発現において、有意な変化は認められなかった。しかしアジポネクチンの血清及び肝臓レベルの有意な減少が、HSD/ビヒクル群において認められた。従ってアジポネクチンレベルは、これらの肝臓において認められるより高度なTNF発現と負に相関している(図3C及び3D)。
【0110】
実施例6 化合物Aは脂質異化作用を改善する
空腹時、又は食餌が誘導した肥満症及びインスリン抵抗性のような病態生理学的状態において、遊離脂肪酸(FFA)が、脂肪組織から放出される。次に肝臓は、循環FFAを取り込み、これはβ−酸化のためにCPT−1によりミトコンドリアへ輸送される。アセチル−CoAから誘導されたマロニル−CoAは、ミトコンドリアへのCPT−1媒介したFFA輸送を阻害し、肝臓におけるその蓄積及びトリグリセリドの更なる転換を促進する(Pessayreら, Am. J. Physiol. Gastrointest Liver Physiol , 282:G193-199(2002))。核受容体PPARαは、抗−炎症性及び抗−線維形成性作用を有し、脂質代謝の主要なレギュレーターのひとつである。PPARαは、ミトコンドリア及びペルオキシソームにおけるβ−酸化を増強するCPT−1及びアシル−CoAオキシダーゼ(ACOX)の転写を調節し、その結果肝臓におけるFFA蓄積を制限する(Aoyamaら, J Biol Chem, 273:5678-5684 (1998))(Farrellら, Hepatology, 38:123-132 (2003))(Tugwoodら, Embo J, 11 :433-439 (1992))(Fanら, J Biol. Chem., 273:15639-15645 (1998))。
【0111】
PPARαリアルタイムRT−PCR分析は、化合物Aで処置したHSD飼育マウス由来の肝臓において有意に高い発現を明らかにしたが、HSD/ビヒクル群と固形飼料対照動物の間で有意差は認められなかった(図4A)。従ってmRNA発現による、ウェスタンブロット分析は、HSD/化合物Aマウス由来の肝臓における、HSD/ビヒクル動物よりもより高いPPARαの存在を示した。付随して、CPT−1及びACOXは、リアルタイムRT−PCRにより示されたように、化合物Aを受け取ったマウス由来の肝臓において、ビヒクル処置した動物と比べ、アップレギュレーションされた(図4B及び4C)。従ってこれらの結果は、PPARα発現及び脂質代謝に関連したそれらの標的遺伝子は、HSD下で化合物A−処置した動物において明確にアップギュレーションされることを示している。加えて、PPARγは、これらの動物由来の肝臓においてアップレギュレーションされるが、これはビヒクル注射された動物においては有意にダウンレギュレーションされた(図4D)。ウェスタンブロット分析は、HSD/ビヒクル動物におけるより低いPPARγタンパク質発現、並びに化合物Aマウスにおけるより顕著な存在を明確に示した。加えて、FFAの取り込み及び肝臓インスリン抵抗性に関連した脂肪酸トランスロカーゼであるCD36(Aitmanら, Nat Genet, 21 :76-83 (1999)) (Goudriannら, J Lipid Res, 44:2270-2277 (2003))も、リアルタイムRT−PCRにより示されたように、HSD/化合物Aマウスにおいてアップレギュレーションされた(図4E)。これらのデータは、化合物AマウスにおけるNF−κBの阻害は、PPARの両方の発現を促進し、結果的に炎症及び脂質代謝を改善することを示唆している。
【0112】
実施例7 化合物AはHSD飼育マウスにおいて酸化的ストレス及びROS形成を改善する
炎症に加え、酸化的ストレス及びROS形成は、脂肪症からNASHへの進行を媒介する。シトクロムP450 2E1(CYP2E1)は、NASHのヒト疾患及び動物モデルの両方において上昇し、かつこれは損なわれた肝臓インスリンシグナル伝達に密接に関連している(Schattenbergら, J Biol Chem, 280:9887-9894 (2005))(Weltmanら, Gastroenterology, 111:1645-1654 (1996))。HSD/ビヒクル動物において、固形飼料対照マウスと比べ、CYP2E1 mRNA発現の有意な増加が認められた。化合物A処置は、HSDで誘導されたCYP2E1アップレギュレーションを減少し、かつその発現は、固形飼料対照群とは有意差はなかった(図5A)。
【0113】
CYP2E1は、増強されたNAPDHオキシダーゼ活性を有し、これは超酸化物陰イオン(O2)及びH22形成を誘導する(Ekstromら, Biocehm Pharmacol, 38:131301319 (1989))。ROS生成は更に、過酸化脂質により増強され、及び両方の機序は共に、NASHの増悪に寄与する。SODなどの抗酸化酵素は、遺伝的肥満(ob/ob)マウスにおいてダウンレギュレーションされ、かつ抗酸化薬療法は、有益な作用があることが証明されている(Laurentら, Hepatology, 39:1277-1285 (2004))。従って本発明者らは、抗酸化酵素MnSOD及びカタラーゼのmRNA発現を試験した。両方の酵素は、化合物A処置した動物において、ビヒクル処置したマウス及び固形飼料対照よりも有意に高かった(図5B)。酸化的ストレス及び炎症は、iNOSなどの遺伝子を誘導し、その結果NO生成を誘導する。iNOS及びNOは、ペルオキシ亜硝酸などの代謝産物の生成を誘発する(Jaeschkeら, Am J Physiol Gastroenterol Liver Physiol, 284:G15-26 (2003))。3−ニトロチロシン(3-NytroTirosine)抗体による免疫組織化学は、小葉中心領域に局在化された、HSD/ビヒクル処置動物の肝臓におけるペルオキシ亜硝酸の高い発生を示した(図5C)。
【0114】
実施例8 化合物Aは肝細胞アポトーシス及び肝臓線維症を減弱することによりNASH進行を防止する
アポトーシスは、NASH患者において増大され、かつ肝線維症の疾患活動性及び程度に直接影響を有する(Canbayら, Heptaology 39:273-278 (2004))。前述の3群における細胞死の割合を決定するために、カスパーゼ−3活性を測定した。HSDは、固形飼料対照マウスと比べ、カスパーゼ3活性の2.5倍の増強を生じた。化合物A処置は、カスパーゼ3活性を、固形飼料対照マウスにおいて認められるレベルにまで、強力に低下した(図6A)。これらの結果は更に、TUNELアッセイにより確認した。HSD/ビヒクル飼育は、TUNEL−陽性細胞の増加を誘導し、このことは化合物Aを使用し、ブロックすることができる。
【0115】
肝臓切片のシリウスレッド染色を行い、肝臓コラーゲン発現を可視化した。HSD/ビヒクル動物は、小葉中心領域の周囲の細網線維の蓄積及び細かい肥厚化(fine thickening)を証明した。対照的に、HSD/化合物A処置動物及び対照マウスにおいては、有意な程度のコラーゲン発現は検出されなかった(図6B)。線維症は、定量され、かつBruntスコアに従いスコア化した(Bruntら, Semin Liver Dis, 21 :3-16 (2001))。スコア1.6が、HSD/ビヒクル処置動物において認められるのに対し、このレベルは、HSD/化合物A及び固形飼料飼育動物においては事実上0であった。従って本発明者らの結果は、化合物Aは、肝細胞アポトーシスの程度を阻害することにより、NASH進行を低下し、結果的にコラーゲン蓄積の量を減少することを明らかにしている。
【0116】
本発明は、それらの実施例の実施態様を参照し特に示され説明されているが、添付された「特許請求の範囲」に包含された本発明の精神から逸脱することなく、形式及び詳細の様々な変化を行うことができることは当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中:
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールのいずれかであり;
2は、水素であり;
3は、水素又は低級アルキルのいずれかであり;
4は、各場合において、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシからなる群より独立して選択され;ここで、nは、0〜4の整数であり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、−(CH2aOR9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aSOc9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒に、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR89、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒に、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされる化合物又はそれらの生理的に許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の対象を治療する方法。
【請求項2】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項1又は2のいずれか1項記載の方法。
【請求項4】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
1が、フェニルである、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニルである、請求項3〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペリジニルである、請求項3〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記窒素含有ヘテロ環が、モルホリニルである、請求項3〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎の治療のための前記化合物が、式(II):
【化2】

[式中:
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールであり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aSOc9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、(CH2aOR9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒に、ヘテロ環又は置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−NR89、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒に、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされる化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項1記載の方法。
【請求項11】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒に、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項10又は11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項10〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項10〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
1が、フェニルである、請求項10〜14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニルである、請求項11〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペリジニルである、請求項11〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
前記窒素含有ヘテロ環が、モルホリニルである、請求項11〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療に有効な前記化合物が、式(III):
【化3】

の化合物又は、それらの医薬として許容される塩である、請求項10〜18のいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療に有効な前記化合物が、式(IV):
【化4】

の化合物又は、それらの医薬として許容される塩である、請求項10〜18のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
構造式:
【化5】

により表される1−(4−{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゾイル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン又はそれらの医薬として許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に罹患している対象を治療する方法。
【請求項22】
前記NAFLD/NASHが、非アルコール性脂肪肝炎である、請求項1〜21のいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
前記NAFLD/NASHが、脂肪肝(脂肪症)である、請求項1〜21のいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記NAFLD/NASHが、肝硬変である、請求項1〜21のいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質、脂質レベルを制御するために使用される作用物質、抗酸化薬、及び抗炎症薬からなる群より選択される治療薬の有効量を、対象へ投与することを更に含む、請求項1〜21のいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
前記作用物質が、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、メトホルミン、ウルソデオキシコール酸、セレン、ベタイン、ビタミンE、クロフィブラート及びゲンフィブロジルからなる群より選択される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
式I:
【化6】

[式中、
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールのいずれかであり;
2は、水素であり;
3は、水素又は低級アルキルのいずれかであり;
4は、各場合において、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシからなる群より独立して選択され;ここで、nは、0〜4の整数であり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、−(CH2aOR9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aSOc9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒に、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR89、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされ化合物又はそれらの生理的に許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、但しこの対象は、2型糖尿病以外の障害に罹患していることを条件とする、対象においてインスリン抵抗性を治療する方法。
【請求項28】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項27又は28のいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項27〜29のいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項27〜30のいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
1が、フェニルである、請求項27〜31のいずれか1項記載の方法。
【請求項33】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニルである、請求項29〜32のいずれか1項記載の方法。
【請求項34】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペリジニルである、請求項29〜32のいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
前記窒素含有ヘテロ環が、モルホリニルである、請求項29〜32のいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
インスリン抵抗性の治療のための前記化合物が、式(II):
【化7】

[式中:
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールであり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aSOc9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、(CH2aOR9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、ヘテロ環又は置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−NR89、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされる化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項27記載の方法。
【請求項37】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項36又は37のいずれか1項記載の方法。
【請求項39】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項36〜38のいずれか1項記載の方法。
【請求項40】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項36〜39のいずれか1項記載の方法。
【請求項41】
1が、フェニルである、請求項36〜40のいずれか1項記載の方法。
【請求項42】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニルである、請求項37〜41のいずれか1項記載の方法。
【請求項43】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペリジニルである、請求項37〜41のいずれか1項記載の方法。
【請求項44】
前記窒素含有ヘテロ環が、モルホリニルである、請求項37〜41のいずれか1項記載の方法。
【請求項45】
インスリン抵抗性の治療に有効な前記化合物が、式(III):
【化8】

の化合物である、請求項36〜44のいずれか1項記載の方法。
【請求項46】
インスリン抵抗性の治療に有効な前記化合物が、式(IV):
【化9】

の化合物である、請求項36〜44のいずれか1項記載の方法。
【請求項47】
構造式:
【化10】

により表される1−(4−{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゾイル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン又はそれらの医薬として許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、インスリン抵抗性に罹患している対象を治療する方法。
【請求項48】
前記対象が、空腹時ブドウ糖減損に罹患している、請求項27〜47のいずれか1項記載の方法。
【請求項49】
血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質の有効量を、対象へ投与することを更に含む、請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記の血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質が、インスリン、スルホニル尿素、メグリチニド、ビグアニド、チアゾリジンジオン、及びα−グルコシダーゼ阻害薬からなる群より選択される、請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記対象が、妊娠糖尿病に罹患している、請求項27〜50のいずれか1項記載の方法。
【請求項52】
血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質の有効量を、対象へ投与することを更に含む、請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記の血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質が、インスリン、スルホニル尿素、メグリチニド、ビグアニド、チアゾリジンジオン、及びα−グルコシダーゼ阻害薬からなる群より選択される、請求項52記載の方法。
【請求項54】
前記対象が、症候群Xに罹患している、請求項27〜48のいずれか1項記載の方法。
【請求項55】
脂質レベルを制御するために使用される作用物質、血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質、食欲抑制作用物質、抗−肥満薬、及び抗炎症薬からなる群より選択される治療薬の有効量を、対象へ投与することを更に含む、請求項54記載の方法。
【請求項56】
インスリン、スルホニル尿素、メグリチニド、ビグアニド、チアゾリジンジオン、及びα−グルコシダーゼ阻害薬、HMG−CoA還元酵素阻害薬、胆汁酸金属イオン封鎖剤、ナイアシン、フィブレート、シブトラミン、オルリスタット、食欲減退薬、デキセドリン、ジゴキシン、カンナビノイド(CB1)受容体アンタゴニスト、リモナバン、アンフェタミン、ブプロピオン、トピラマート、ゾニサミド、フェンフルラミン、フェンテルミン、フェンジメトラジン、フルオキセチン/フェンテルミン、フェンジメトラジン/フェンテルミン、及びオルリスタット/シブトラミンからなる群より選択される治療薬の有効量を対象へ投与することを更に含む、請求項54記載の方法。
【請求項57】
式I:
【化11】

[式中、
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールのいずれかであり;
2は、水素であり;
3は、水素又は低級アルキルのいずれかであり;
4は、各場合において、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシからなる群より独立して選択され;ここで、nは、0〜4の整数であり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、−(CH2aOR9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aSOc9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR89、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされる化合物又はそれらの医薬として許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、対象において肥満症を治療する方法。
【請求項58】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項57記載の方法。
【請求項59】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項57又は58記載の方法。
【請求項60】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項57〜59のいずれか1項記載の方法。
【請求項61】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項57〜60のいずれか1項記載の方法。
【請求項62】
1が、フェニルである、請求項57〜61のいずれか1項記載の方法。
【請求項63】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニルである、請求項57〜62のいずれか1項記載の方法。
【請求項64】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペリジニルである、請求項57〜62のいずれか1項記載の方法。
【請求項65】
前記窒素含有ヘテロ環が、モルホリニルである、請求項57〜62のいずれか1項記載の方法。
【請求項66】
肥満症の治療のための前記化合物が、式(II):
【化12】

[式中:
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールであり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aSOc9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、(CH2aOR9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、ヘテロ環又は置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−NR89、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされる化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項57記載の方法。
【請求項67】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項66記載の方法。
【請求項68】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項66又は67のいずれか1項記載の方法。
【請求項69】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項66〜68のいずれか1項記載の方法。
【請求項70】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項66〜69のいずれか1項記載の方法。
【請求項71】
1が、フェニルである、請求項66〜70のいずれか1項記載の方法。
【請求項72】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニルである、請求項66〜71のいずれか1項記載の方法。
【請求項73】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペリジニルである、請求項66〜71のいずれか1項記載の方法。
【請求項74】
前記窒素含有ヘテロ環が、モルホリニルである、請求項66〜71のいずれか1項記載の方法。
【請求項75】
肥満症の治療に有効な前記化合物が、式(III):
【化13】

の化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項66〜74のいずれか1項記載の方法。
【請求項76】
肥満症の治療に有効な前記化合物が、式(IV):
【化14】

の化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項66〜74のいずれか1項記載の方法。
【請求項77】
構造式:
【化15】

で表わされる1−(4−{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゾイル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン又はそれらの医薬として許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、肥満症に罹患している対象を治療する方法。
【請求項78】
体重減少又は食欲抑制するために使用される治療薬の有効量を、対象へ投与することを更に含む、請求項57〜77のいずれか1項記載の方法。
【請求項79】
前記治療薬が、シブトラミン、オルリスタット、食欲減退薬、デキセドリン、ジゴキシン、カンナビノイド(CB1)受容体アンタゴニスト、リモナバン、アンフェタミン、ブプロピオン、トピラマート、ゾニサミド、フェンフルラミン、フェンテルミン、フェンジメトラジン、フルオキセチン/フェンテルミン、フェンジメトラジン/フェンテルミン、及びオルリスタット/シブトラミンからなる群より選択される、請求項78記載の方法。
【請求項80】
式I:
【化16】

[式中、
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールのいずれかであり;
2は、水素であり;
3は、水素又は低級アルキルのいずれかであり;
4は、各場合において、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシからなる群より独立して選択され;ここで、nは、0〜4の整数であり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、−(CH2aOR9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aSOc9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR89、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされる化合物又はそれらの医薬として許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、対象において高脂血症を治療する方法。
【請求項81】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項80記載の方法。
【請求項82】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項80又は81記載の方法。
【請求項83】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項80〜82のいずれか1項記載の方法。
【請求項84】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項80〜83のいずれか1項記載の方法。
【請求項85】
1が、フェニルである、請求項80〜84のいずれか1項記載の方法。
【請求項86】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニルである、請求項80〜85のいずれか1項記載の方法。
【請求項87】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペリジニルである、請求項80〜85のいずれか1項記載の方法。
【請求項88】
前記窒素含有ヘテロ環が、モルホリニルである、請求項80〜85のいずれか1項記載の方法。
【請求項89】
高脂血症の治療のための該化合物が、式(II):
【化17】

[式中:
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールであり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aSOc9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、(CH2aOR9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、ヘテロ環又は置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−NR89、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされる化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項80〜88のいずれか1項記載の方法。
【請求項90】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項89記載の方法。
【請求項91】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項89又は90のいずれか1項記載の方法。
【請求項92】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項89〜91のいずれか1項記載の方法。
【請求項93】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項89〜92のいずれか1項記載の方法。
【請求項94】
1が、フェニルである、請求項89〜93のいずれか1項記載の方法。
【請求項95】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニルである、請求項89〜94のいずれか1項記載の方法。
【請求項96】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペリジニルである、請求項89〜94のいずれか1項記載の方法。
【請求項97】
前記窒素含有ヘテロ環が、モルホリニルである、請求項89〜94のいずれか1項記載の方法。
【請求項98】
高脂血症の治療に有効な前記化合物が、式(III):
【化18】

の化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項80〜97のいずれか1項記載の方法。
【請求項99】
高脂血症の治療に有効な前記化合物が、式(IV):
【化19】

の化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項80〜98のいずれか1項記載の方法。
【請求項100】
構造式:
【化20】

で表される1−(4−{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゾイル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン又はそれらの医薬として許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、高脂血症に罹患している対象を治療する方法。
【請求項101】
脂質レベルを制御するために使用される作用物質を、対象へ投与することを更に含む、請求項80〜100のいずれか1項記載の方法。
【請求項102】
前記の脂質レベルを制御するために使用される作用物質が、HMG−CoA還元酵素阻害薬、胆汁酸金属イオン封鎖剤、ナイアシン、及びフィブレートからなる群より選択される、請求項101記載の方法。
【請求項103】
前記の脂質レベルを制御するために使用される作用物質が、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シムバスタチン、コレスチラミン、コレセベラム、コレスチポール、エゼチミブ、バイトリン、フェノフィブラート、ゲンフィブロジル、及びナイアシンからなる群より選択される、請求項102記載の方法。
【請求項104】
式I:
【化21】

[式中、
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールのいずれかであり;
2は、水素であり;
3は、水素又は低級アルキルのいずれかであり;
4は、各場合において、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシからなる群より独立して選択され;ここで、nは、0〜4の整数であり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、−(CH2aOR9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aSOc9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR89、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされる化合物又はそれらの医薬として許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、アルコール性脂肪肝炎の対象を治療する方法。
【請求項105】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項104記載の方法。
【請求項106】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項104又は105記載の方法。
【請求項107】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項104〜106のいずれか1項記載の方法。
【請求項108】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項104〜107のいずれか1項記載の方法。
【請求項109】
1が、フェニルである、請求項104〜108のいずれか1項記載の方法。
【請求項110】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニルである、請求項104〜109のいずれか1項記載の方法。
【請求項111】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペリジニルである、請求項104〜109のいずれか1項記載の方法。
【請求項112】
前記窒素含有ヘテロ環が、モルホリニルである、請求項104〜109のいずれか1項記載の方法。
【請求項113】
アルコール性脂肪肝炎の治療のための前記化合物が、式(II):
【化22】

[式中:
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールであり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aSOc9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、(CH2aOR9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、ヘテロ環又は置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−NR89、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされる化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項104〜112のいずれか1項記載の方法。
【請求項114】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項113記載の方法。
【請求項115】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項113又は114のいずれか1項記載の方法。
【請求項116】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項113〜115のいずれか1項記載の方法。
【請求項117】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項113〜116のいずれか1項記載の方法。
【請求項118】
1が、フェニルである、請求項113〜117のいずれか1項記載の方法。
【請求項119】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニルである、請求項114〜118のいずれか1項記載の方法。
【請求項120】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペリジニルである、請求項114〜118のいずれか1項記載の方法。
【請求項121】
前記窒素含有ヘテロ環が、モルホリニルである、請求項114〜118のいずれか1項記載の方法。
【請求項122】
アルコール性脂肪肝炎の治療に有効な前記化合物が、式(III):
【化23】

の化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項113〜121のいずれか1項記載の方法。
【請求項123】
アルコール性脂肪肝炎の治療に有効な前記化合物が、式(IV):
【化24】

の化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項113〜122のいずれか1項記載の方法。
【請求項124】
構造式:
【化25】

で表される1−(4−{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゾイル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン又はそれらの医薬として許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、アルコール性脂肪肝炎に罹患している対象を治療する方法。
【請求項125】
血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質、脂質レベルを制御するために使用される作用物質、抗酸化薬、及び抗炎症薬からなる群より選択される治療薬の有効量を、対象へ投与することを更に含む、請求項104〜124のいずれか1項記載の方法。
【請求項126】
式I:
【化26】

[式中、
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールのいずれかであり;
2は、水素であり;
3は、水素又は低級アルキルのいずれかであり;
4は、各場合において、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシからなる群より独立して選択され;ここで、nは、0〜4の整数であり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、−(CH2aOR9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aSOc9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR89、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされる化合物又はそれらの医薬として許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、急性肝不全の対象を治療する方法。
【請求項127】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項126記載の方法。
【請求項128】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項126又は127記載の方法。
【請求項129】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項126〜128のいずれか1項記載の方法。
【請求項130】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項126〜129のいずれか1項記載の方法。
【請求項131】
1が、フェニルである、請求項126〜130のいずれか1項記載の方法。
【請求項132】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニルである、請求項126〜131のいずれか1項記載の方法。
【請求項133】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペリジニルである、請求項126〜131のいずれか1項記載の方法。
【請求項134】
前記窒素含有ヘテロ環が、モルホリニルである、請求項126〜131のいずれか1項記載の方法。
【請求項135】
急性肝不全の治療のための前記化合物が、式(II):
【化27】

[式中:
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールであり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aSOc9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、(CH2aOR9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、ヘテロ環又は置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−NR89、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされる化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項126〜134のいずれか1項記載の方法。
【請求項136】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項135記載の方法。
【請求項137】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項135又は136のいずれか1項記載の方法。
【請求項138】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項135〜137のいずれか1項記載の方法。
【請求項139】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項135〜138のいずれか1項記載の方法。
【請求項140】
1が、フェニルである、請求項135〜139のいずれか1項記載の方法。
【請求項141】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニルである、請求項135〜140のいずれか1項記載の方法。
【請求項142】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペリジニルである、請求項135〜140のいずれか1項記載の方法。
【請求項143】
前記窒素含有ヘテロ環が、モルホリニルである、請求項135〜140のいずれか1項記載の方法。
【請求項144】
急性肝不全の治療に有効な前記化合物が、式(III):
【化28】

の化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項126〜143のいずれか1項記載の方法。
【請求項145】
急性肝不全の治療に有効な前記化合物が、式(IV)の:
【化29】

化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項126〜144のいずれか1項記載の方法。
【請求項146】
構造式:
【化30】

で表される1−(4−{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゾイル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン又はそれらの医薬として許容される塩の有効量を対象へ投与することを含む、急性肝不全に罹患している対象を治療する方法。
【請求項147】
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を治療するための医薬組成物の調製のための、式I:
【化31】

[式中、
1は、R7から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されたアリール又はヘテロアリールのいずれかであり;
2は、水素であり;
3は、水素又は低級アルキルのいずれかであり;
4は、各場合において、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル及び低級アルコキシからなる群より独立して選択され;ここで、nは、0〜4の整数であり;
5及びR6は、同じもしくは異なり、かつ−R8、−(CH2aC(=O)R9、−(CH2aC(=O)OR9、−(CH2aC(=O)NR910、−(CH2aC(=O)NR9(CH2bC(=O)R10、−(CH2aNR11C(=O)NR910、−(CH2aNR910、−(CH2aOR9、−(CH2aNR9C(=O)R10、−(CH2aSOc9、及び−(CH2aSO2NR910からなる群より独立して選択されるか;又は、
5及びR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
7は、各出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、スルファニルアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、置換アルキルヘテロシクロアルキル、−C(=O)OR8、−OC(=O)R8、−C(=O)NR89、−C(=O)NR8OR9、−SOc8、−SOcNR89、−NR8SOc9、−NR89、−NR8C(=O)R9、−NR8C(=O)(CH2bOR9、−NR8C(=O)(CH2b9、−O(CH2bNR89、及びフェニルへ縮合したヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
8、R9、R10及びR11は、同じ又は異なり、かつ各出現において、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル及び置換アルキルヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか;又は
8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロ環を形成し;
a及びbは、同じ又は異なり、かつ各出現において、0、1、2、3及び4からなる群より独立して選択され;並びに
cは、各出現において、O、1又は2である。]
で表わされる化合物又はそれらの生理的に許容される塩の使用。
【請求項148】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項147記載の使用。
【請求項149】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項147又は148のいずれか1項記載の使用。
【請求項150】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項147〜149のいずれか1項記載の使用。
【請求項151】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項147〜150のいずれか1項記載の使用。
【請求項152】
1が、フェニルである、請求項147〜151のいずれか1項記載の使用。
【請求項153】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニル、ピペリジニル、又はモルホリニルである、請求項149〜152のいずれか1項記載の使用。
【請求項154】
前記化合物(I)が、式(II):
【化32】

(式中、R1、R5及びR6は、請求項147において規定されたものである。)
の化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項147〜153のいずれか1項記載の使用。
【請求項155】
5及びR6が、それらが結合した窒素原子と一緒になって、任意に置換された窒素含有非芳香族ヘテロ環を形成する、請求項154記載の方法。
【請求項156】
前記窒素含有非芳香族ヘテロ環が、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ヒダントイニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル、及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群より選択される、請求項154又は155のいずれか1項記載の方法。
【請求項157】
1が、アリール又はヘテロアリールのいずれかである、請求項154〜156のいずれか1項記載の方法。
【請求項158】
1が、アリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルからなる群より選択される、請求項154〜157のいずれか1項記載の方法。
【請求項159】
1が、フェニルである、請求項154〜158のいずれか1項記載の方法。
【請求項160】
前記窒素含有ヘテロ環が、ピペラジニル、ピペリジニル、又はモルホリニルである、請求項155〜159のいずれか1項記載の方法。
【請求項161】
前記化合物(II)が、式(III):
【化33】

(式中、R5、R6及びR7は、請求項154において規定されたものである。)
の化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項154〜160のいずれか1項記載の使用。
【請求項162】
前記化合物(III)が、式(IV):
【化34】

(式中、R5、R6及びR7は、請求項154において規定されたものである。)
の化合物又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項154〜160のいずれか1項記載の使用。
【請求項163】
前記化合物(IV)が、構造式:
【化35】

で表される1−(4−{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゾイル}−ピペラジン−1−イル)−エタノン又はそれらの医薬として許容される塩である、請求項162記載の使用。
【請求項164】
前記NAFLD/NASHが、非アルコール性脂肪肝炎である、請求項147〜163のいずれか1項記載の使用。
【請求項165】
前記NAFLD/NASHが、脂肪肝(脂肪症)である、請求項147〜163のいずれか1項記載の使用。
【請求項166】
前記NAFLD/NASHが、肝硬変である、請求項147〜163のいずれか1項記載の使用。
【請求項167】
前記医薬組成物が、血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質、脂質レベルを制御するために使用される作用物質、抗酸化薬、及び抗炎症薬からなる群より選択される治療薬を更に含有する、請求項147〜163のいずれか1項記載の使用。
【請求項168】
前記作用物質が、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、メトホルミン、ウルソデオキシコール酸、セレン、ベタイン、ビタミンE、クロフィブラート及びゲンフィブロジルからなる群より選択される、請求項167記載の使用。
【請求項169】
インスリン抵抗性を治療するための医薬組成物の製造のための、請求項147〜163のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項170】
医薬組成物が、空腹時ブドウ糖減損に罹患している患者のためである、請求項169記載の使用。
【請求項171】
前記医薬組成物が、血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質を更に含む、請求項170記載の使用。
【請求項172】
前記の血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質が、インスリン、スルホニル尿素、メグリチニド、ビグアニド、チアゾリジンジオン、及びα−グルコシダーゼ阻害薬からなる群より選択される、請求項171記載の使用。
【請求項173】
前記医薬組成物が、妊娠糖尿病の治療のためである、請求項169〜172のいずれか1項記載の使用。
【請求項174】
前記医薬組成物が、血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質を更に含む、請求項173記載の使用。
【請求項175】
前記の血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質が、インスリン、スルホニル尿素、メグリチニド、ビグアニド、チアゾリジンジオン、及びα−グルコシダーゼ阻害薬からなる群より選択される、請求項173記載の使用。
【請求項176】
前記医薬組成物が、症候群Xの治療のためである、請求項169〜170のいずれか1項記載の使用。
【請求項177】
前記医薬組成物が、脂質レベルを制御するために使用される作用物質、血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質、食欲抑制する作用物質、抗肥満薬、及び抗炎症薬からなる群より選択される治療薬を更に含む、請求項176記載の使用。
【請求項178】
前記医薬組成物が、インスリン、スルホニル尿素、メグリチニド、ビグアニド、チアゾリジンジオン、及びα−グルコシダーゼ阻害薬、HMG−CoA還元酵素阻害薬、胆汁酸金属イオン封鎖剤、ナイアシン、フィブレート、シブトラミン、オルリスタット、食欲減退薬、デキセドリン、ジゴキシン、カンナビノイド(CB1)受容体アンタゴニスト、リモナバン、アンフェタミン、ブプロピオン、トピラマート、ゾニサミド、フェンフルラミン、フェンテルミン、フェンジメトラジン、フルオキセチン/フェンテルミン、フェンジメトラジン/フェンテルミン、及びオルリスタット/シブトラミンからなる群より選択される治療薬を更に含む、請求項176記載の使用。
【請求項179】
肥満症を治療するための医薬組成物の製造のための、請求項147〜163のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項180】
前記医薬組成物が、体重減少又は食欲抑制するために使用される治療薬を更に含む、請求項179記載の使用。
【請求項181】
前記治療薬が、シブトラミン、オルリスタット、食欲減退薬、デキセドリン、ジゴキシン、カンナビノイド(CB1)受容体アンタゴニスト、リモナバン、アンフェタミン、ブプロピオン、トピラマート、ゾニサミド、フェンフルラミン、フェンテルミン、フェンジメトラジン、フルオキセチン/フェンテルミン、フェンジメトラジン/フェンテルミン、及びオルリスタット/シブトラミンからなる群より選択される、請求項180記載の方法。
【請求項182】
高脂血症を治療するための医薬組成物の製造のための、請求項147〜163のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項183】
前記医薬組成物が、脂質レベルを制御するために使用される作用物質を更に含む、請求項182記載の使用。
【請求項184】
前記の脂質レベルを制御するために使用される作用物質が、HMG−CoA還元酵素阻害薬、胆汁酸金属イオン封鎖剤、ナイアシン、及びフィブレートからなる群より選択される、請求項183記載の使用。
【請求項185】
前記の脂質レベルを制御するために使用される作用物質が、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シムバスタチン、コレスチラミン、コレセベラム、コレスチポール、エゼチミブ、バイトリン、フェノフィブラート、ゲンフィブロジル、及びナイアシンからなる群より選択される、請求項184記載の使用。
【請求項186】
アルコール性脂肪肝炎を治療するための医薬組成物の製造のための、請求項147〜163のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項187】
前記医薬組成物が、血中ブドウ糖を低下するために使用される作用物質、脂質レベルを制御するために使用される作用物質、抗酸化薬、及び抗炎症薬からなる群より選択される治療薬を更に含む、請求項186記載の使用。
【請求項188】
急性肝不全を治療するための医薬組成物の製造のための、請求項147〜163のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項189】
請求項147〜163のいずれか1項記載の医薬組成物、及び更に請求項167、168、171、172、174、175、177、178、180、181、183、184、185及び187のいずれか1項記載の治療薬を含む医薬組成物、を含むキット部品(kit-of-parts)であって、ここで各医薬組成物は、個別に、順次又は同時に使用される、前記キット部品。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−505783(P2010−505783A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530804(P2009−530804)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008627
【国際公開番号】WO2008/040548
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(504104899)アレス トレーディング ソシエテ アノニム (59)
【Fターム(参考)】