説明

非常に大きい規模の固定化されたポリマーの合成

【課題】支持体上で多くのポリマー配列を合成するための反応器システムの提供。
【解決手段】支持体上で多くのポリマー配列を合成するための反応器システムであって:
a)前記支持体に反応流体を接触するための反応器;b)前記反応器に選択された反応流体を送るためのシステム;c)少なくとも第1相対位置から第2相対位置に対してマスク又は支持体を移動するための並進段階;d)マスクを通して前記支持体を選択された時間で照射するための光;e)前記反応器システムからの流体の流れを選択的に方向付けし、前記並進段階を選択的に活性化し、そして前記支持体上で多くの多様なポリマー配列を予定された位置で形成するために前記支持体を選択的に照射するための適切にプログラムされたディジタル型コンピューターを含んで成る反応器システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は次の米国特許出願に関係する:米国特許出願第492,462号、出願日1990年3月7日;米国特許出願第362,901号、出願日1989年6月7日;米国特許出願第624,120号、出願日1990年12月6日;米国特許出願第626,730号、出願日1990年12月6日;および米国特許出願第624,114号、出願日1990年12月6日。これらの出願の各々をすべての目的のためにここに引用によって加える。この出願は、また、1990年12月13日に公開されたPCT出願WO90/15070号に関係し、そしてこれをまたすべての目的のためにここに引用によって加える。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本発明はポリマーの合成の分野に関する。さらに詳しくは、本発明は反応器システム、マスキング法、光除去可能な保護基、データの収集およびプロセシング技術、および支持体上の多様なポリマー一配列の光統制(1ight directed)合成のための応用を提供する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(項目1) 支持体上で多くのポリマー配列を合成するための反応器システムであって:
a)前記支持体に反応流体を接触するための反応器;
b)前記反応器に選択された反応流体を送るためのシステム;
c)少なくとも第1相対位置から第2相対位置に対してマスク又は支持体を移動するための並進段階;
d)マスクを通して前記支持体を選択された時間で照射するための光;
e)前記反応器システムからの流体の流れを選択的に方向付けし、前記並進段階を選択的に活性化し、そして前記支持体上で多くの多様なポリマー配列を予定された位置で形成するために前記支持体を選択的に照射するための適切にプログラムされたディジタル型コン
ピューターを含んで成る反応器システム。
(項目2) ポリマー配列の初期スクリーニングのために使用される前記支持体に反応流体における多くのモノマーを供給するように適合される第1項記載の反応器システム。
(項目3) 試薬の連続的な添加により多くのポリマー配列を形成するための規則方法であって、二段階合成手段を用いて前記多くのポリマー配列の一部を前記ポリマー配列の他の一部の添加のために連続的に保護し、そして保護解除する段階を含んで成る方法。
(項目4) 前記二段階合成手段が二段階マスキング手段である第3項記載の方法。
(項目5) 前記マスキング手段が、マスクが、前もって照射された部分の一部を光から保護し、そして前もって保護された部分の一部を光に照射することによって、前のマスクの代理をする、少なくとも2つの連続的段階を提供する第4項記載の方法。
(項目6) 前記マスキング手段における少なくとも2つの連続的段階が前記支持体上の対象の領域の約半分を照射することを含んで成る第4項記載の方法。
(項目7) 前記マスキング手段が単一の支持体上に多くのポリマー配列を形成することを含んで成る第4項記載の方法。
(項目8) 前記マスクが、多くの合成部位の個々上に1つの端面照射を有するグレイコードマスキング手段により配置される第4項記載の方法。
(項目9) 前記マスキング手段が、多くの合成されるポリマーのために最少数のマスキング段階に起因する第4項記載の方法。
(項目10) 長さ1のすべての可能なポリマーが与えられた基本組のモノマーにより形成される第4項記載の方法。
(項目11) 前記マスキング手段が、ポリマーの少なくとも所望する基本組及び長さを入力する適切にプログラムされたディジタル型コンピューターで開発される第4項記載の方法。
(項目12) 1よりも短い又は1に等しい長さのすべての可能なポリマーが与えられた基本組のモノマーにより形成される第4項記載の方法。
(項目13) 非二段階マスキング手段により前記ポリマーの一部を形成する段階をさらに含んで成る第4項記載の方法。
(項目14) マスキング手段を出力する段階をさらに含んで成る第10項記載の方法。
(項目15) 前記支持体上に合成されたポリマーの地図を出力する段階をさらに含んで成る第10項記載の方法。
(項目16) 前記地図が図9の形で存在する第15項記載の方法。
(項目17) 結合親和性研究への使用のために多くのリンカーポリマーをスクリーニングするための方法であって:
a)選択された領域における支持体上に多くのリンカーポリマーを形成し、ここで前記ポリマーが:
i)支持体の表面上で、保護基を除去するために前記選択された領域の一部を照射し;そして
ii)前記表面とモノマーとを接触せしめる回帰的段階により形成され;
b)前記多くのリンカーポリマーとリガンドとを接触せしめ;そして
c)前記リガンドとラベルされたレセプターとを接触せしめる段階を含んで成る方法。
(項目18) 前記リガンドがポリペプチドである第17項記載の方法。
(項目19) 前記レセプターが抗体である第17項記載の方法。
(項目20) 前記段階ii)で添加されるモノマーが前記回帰的段階の個々において同じであり、前記選択された領域が異なった長さのリンカー分子を含んで成る第17項記載の方法。
(項目21) 前記ラベルされたレセプターがフルオレセイン化されたレセプターである第17項記載の方法。
(項目22) リガンドに対するレセプターの親和性を決定するためのシステムであって:
a)予定された位置で多くのリガンドを含んで成る支持体の表面に光を適用するための手段、ここで前記直接光を適用するための手段が前記多くの予定された位置で同時照射を提供し;及び
b)前記多くの予定された位置で螢光を検出するためのずらりと並んだ検出器を含んで成るシステム。
(項目23) 前記光を適用するための手段が点光源及び実質的に直線路にそって前記点光源の焦点を合わすための円柱状レンズを含んで成る第22項記載のシステム。
(項目24) 前記ずらりと並んだ検出器が直線状アレイを含んで成る第22項記載のシステム。
(項目25) 前記ずらりと並んだ検出器が直線状CCDアレイを含んで成る第22項記載のシステム。
(項目26) ディジタルコンピューターにおいて、リガンドに対して結合レセプターの傾向を検出するための方法であって:
a)既知位置での領域において多くのリガンドを含んで成る支持体に螢光ラベルされたレセプターを暴露し;
b)前記個々の領域内の多くのデータ収集点で、前記データ収集点から螢光の量を決定し;
c)予定された統計学的分布から設定量からずれる前記データ収集点を除去し;そして
d)残存するデータ収集点に対する前記レセプターの相対的結合親和性を決定することを含んで成る方法。
(項目27) 前記予定された統計学的分布が正規分布である第26項記載の方法。
(項目28) 下記式:
【0004】
【化1】

【0005】
[式中、n=0又は1であり;Yは天然又は非天然のアミノ酸のカルボキシル基の酸素原子、天然又は非天然のアミノ酸のアミノ基、又は天然又は非天然のデオキシリボ核酸又はリボ核酸のC−5’酸素基から成る群から選択され;R’及びRは独立して、水素原子、低級アルキル、アリール、ベンジル、ニトロ、カルボキシル、ホルメート、ホルムアミド、スルフィド、又はホスフィド基であり;そしてRはアルコキシ、アルキル、アリール、水素又はアルケニル基である]で表わされる化合物。
(項目29) 前記Yが天然又は非天然のデオキシリボ核酸又はリボ核酸のC−5’酸素基である第28項記載の化合物。
(項目30) 前記nがゼロである第29項記載の化合物。
(項目31) 前記R及びRがそれぞれ水素原子である第29項記載の化合物。
(項目32) 前記Rが水素原子である第31項記載の化合物。
(項目33) 前記Rがメチル基である第31項記載の化合物。
(項目34) 前記Yがアミノ酸のカルボキシル基の酸素原子であり、そしてn−0である第28項記載の化合物。
(項目35) 前記R及びRがそれぞれ水素原子である第34項記載の化合物。
(項目36) 前記Rが水素原子である第35項記載の化合物。
(項目37) 前記Rがメチル基である第35項記載の化合物。
(項目38)下記式:
【0006】
【化2】

【0007】
[式中、n−0又は1であり;Yは天然又は非天然のアミノ酸のアミノ基又は天然又は非天然のデオキシリボ核酸又はリボ核酸のC−5’酸素基から成る群から選択され;R,R及びRが独立して、水素原子、低級アルキル、アリール、ベンジル・ハロゲン・ヒ
ドロキシル、アルコキシル、チオール、チオエーテル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、ホルメート、ホルムアミド、スルフィド又はホスフィド基であり;R及びRは独立して、アルコキシ、アルキル、水素原子、ハロ、アリール又はアルケニル基である]で表わされる化合物。
(項目39) 前記R〜Rがそれぞれ水素原子である第38項記載の化合物。
(項目40) 前記R及びRがそれぞれ水素原子である第39項記載の化合物。
(項目41) 前記R及びRがそれぞれメチル基である第39項記載の化合物。
(項目42) 下記式:
【0008】
【化3】

【0009】
[式中、n−0又は1であり;Yは天然又は非天然のデオキシリボ核酸又はリボ核酸のC−5’酸素基であり;R〜Rが独立して、水素原子、低級アルキル、アリール、ベンジル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、チオール、チオエーテル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、ホルメート、ホルムアミド、スルフィド又はホスフィド基であり;そしてRがアルコキシ、アルキル、アリール又はアルケニル基である)で表わされる化合物。
(項目43) 前記R及びRがそれぞれメトキシ基である第42項記載の化合物。
(項目44) 前記R及びRがそれぞれ水素原子である第43項記載の化合物。
(項目45) 前記Rがメチル基である第44項記載の化合物。
(項目46) 下記式:
【0010】
【化4】

【0011】
[式中、n−0又は1であり;Yは保護されるべき原子であり;R及びRは独立して、水素原子、低級アルキル、アリール、ベンジル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、チオール、チオエーテル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、ホルメート、ホルムアミド、スルフィド又はホスフィド基であり;そしてRはアルコキシ、アルキル、アリール又はアルケニル基である]で表わされる化合物。
(項目47) 前記Yが天然又は非天然のアミノ酸のカルボキシル基の酸素原子又は天然又は非天然のデオキシリボ核酸又はリボ核酸のC−5’酸素基、又は天然又は非天然のアミノ酸のアミノ基から成る群から選択される第46項記載の化合物。
(項目48) 前記R及びRが水素原子である第47項記載の化合物。
(項目49) 前記Rがメチル基である第48項記載の化合物。
(項目50) 下記式:
【0012】
【化5】

【0013】
[式中、Rは天然又は非天然のアミノ酸の側鎖であり、そしてXは光除去できる保護基である]で表わされる化合物。
(項目51) 前記Xが下記式:
【0014】
【化6】

【0015】
[式中、R,R,R及びRは独立して、水素原子、低級アルキル、アリール、ベンジル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、チオール、チオエーテル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、ホルメート、ホルムアミド又はホスフィド基であり、又は隣接する置換基は環状アセタール又はケタールを一緒に形成する置換された酸素基であり;そしてRは水素原子、アルコキシル、アルキル、ハロ、アリール、又はアルケニル基である]で表わされる第50項記載の化合物。
(項目52) 前記R及びRがそれぞれ水素原子であり、そしてR及びRがそれぞれメトキシ基である第51項記載の化合物。
(項目53) 前記Rがメチル基である第52項記載の化合物。
(項目54) 前記R及びRが環状アセタールを一緒に形成する置換された酸素基である第51項記載の化合物。
(項目55) 前記R及びRがそれぞれ水素原子である第54項記載の化合物。
(項目56) 前記Rがメチル基である第55項記載の化合物。
発明の要約
支持体上の多様なポリマーの配列の合成の方法、装置および組成物、および技術の使用、ならびにそれらの応用を開示する。
【0016】
本発明の1つの面によると、支持体上の多様なポリマーの配列のための改良された反応器システムが提供される。この態様に従い、本発明は支持体へ反応流体を接触させる反応器;選択した反応流体を反応器に供給するシステム;マスクまたは支持体を少なくとも第1の相対位置から第2の相対位置に動かす並進段階;選択した時間にマスクを通して支持体を照明する光;および流体の流れを反応器システムから選択的に向け、並進段階を選択的に活性化し、そして支持体を選択的に照明して、支持体上に前以て決定した位置において複数の多様なポリマーの配列を形成するための適当にプログラミングされたディジタルニンピューターを提供する。
【0017】
本発明は、また、VLSIPSの中のリンカー分子を選択する技術を提供する。本発明のこの面によれば、本発明は結合親和性の研究において使用するための複数のリンカーポリマーをスクリーニングする方法を提供する。本発明は、複数のリンカーポリマーを支持体上に選択した領域において形成し、リンカーポリマーはこの工程により支持体の表面上に反復的に形成され、選択した領域の一部分を照射して保護基を除去し、そして前記表面をモノマーと接触させ;複数のリンカーポリマーをリガンドと接触させ;そして前記リガンドを標識したレセプターと接触させる;工程を包含する。本発明の他の面によれば、改良された光除去可能な保護基が提供される。
【0018】
本発明のこの面によれば、式:
【0019】
【化7】

【0020】
式中、n−0または1;Yは天然または天然以外のアミノ酸のカルボキシル基の酸素、天然または天然以外のアミノ酸のアミノ基、または天然または天然以外のデオキシリボ核酸またはリボ核酸のC−5’酸素基から選択され;RおよびRは独立に水素原子、低級アルキル、アリール、ベンジル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、チオール、チオエーテル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、ホルメート、ホルムアミド、スルフィドまたはボスフィド基であり;そしてRはアルコキシ、アルキル、アリール、水素またはアルケニル基である、
を有する化合物が提供される。
【0021】
本発明は、また、VLSIPSのための改良されたマスキング技術を提供する。マスキング技術の1つの面によれば、本発明は、バイナリー合成法を使用して、未リマーの配列の他の部分の添加のために、複数のポリマーの配列の一部分を系統的に保護および脱保護する工程からなる、試薬の順次の添加により複数のポリマーの配列を形成する順序づけられた方法を提供する。
【0022】
改良されたデータ収集の装置および技術が、また、提供される。
【0023】
1つの態様によれば、計装は、光を支持体の表面に適用する手段、支持体は前以て決定した位置における複数のリガンドからなる、光を向けて複数の前以て決定した位置を同時に照射する手段;および前記複数の前以て決定した位置において蛍光を検出する配列からなるリガンドに対するレセプターの親和性を決定するシステムを提供する。さらに、本発明は、蛍光標識したレセプターを支持体に暴露し、前記支持体は領域の中の既知の位置における複数のリガンドからなる;前記領域の各々内の複数のデータ収集点において、前記データ収集点からの蛍光の量を決定し;前以て決定した統計学的分布から逸脱するデータ収集点を除去し;そして残りのデータ収集点からのレセプターの相対結合親和性を決定する;工程を含む、改良されたデータ分析技術を提供する。
【0024】
ポリマーの合成において使用するための保護されたアミノ酸N一カルボキシ無水物が、また、提供される。本発明のこの面によれば、次の式を有する化合物が提供される:
【0025】
【化8】

【0026】
式中、Rは天然または天然以外のアミノ酸の側鎖であり、そしてXは光除去可能な保護基である。
【0027】
ここにおける本発明の性質および利点のそれ以上の理解は、明細書の残りの部分および添付図面を参照することによって実現するであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
好ましい態様の説明
内容
I.定義
II.一般
A.脱保護および添加
1.実施例
2.実施例
III.合成
A.反応器システム
B.バイナリー合成法
1.実施例
2.実施例
3.実施例
4.実施例
5.実施例
6.実施例
C.リンカーの選択
D.保護基
1.ペプチドの固相合成の問の光除去可能な保護基の使用
2.オリゴヌクレオチドの固相合成の間の光除去可能な保護基の使用
E.光除去可能な基で保護されたアミノ酸N一カルボキシ無水物
IV.データ収集
A.データ収集システム
B.データの分析
V.他の代表的な応用
A.オリゴヌクレオチドの合成
1.実施例
VI.結論
1.定義
ここにおいて使用するある種の用語は次の一般的定義を有することを意図する:
1.相補性:リガンド分子およびそのレセプターの相互作用する表面のトポロジー的相補性または一緒に合致することを意味する。こうして、レセプターおよびそのリガンドは相補性として記載することができ、そしてさらに、接触表面の特性は互いに相補的である。
【0029】
2.エピトープ3抗体として知られているレセプターのサブクラスとの相互作用の区域により描写される、抗原分子の部分。
【0030】
3.リガンド:リガンドは特定のレセプターにより認識される分子である。本発明により研究することができるリガンドの例は、次のものを包含するが、これらに限定されない:細胞膜のレセプターのための作動物質および拮抗物質、毒素および毒液、ウイルスのエピトープ、ホルモン(例えば、オピェート、ステロイドなど)、ホルモンのレセプター、ペプチド、酵素、酵素の基質、コファクター、薬物、レクチン、糖類、オリゴヌクレオチド、核酸、オリゴ糖、タンパク質、およびモノクローナル抗体。
【0031】
4.モノマー:一緒に接合してポリマーを形成することができる小さい分子の組の構成員。モノマーの組は次のものを包含するが、これらに限定されない:例えば、普通のL一アミノ酸の組、D一アミノ酸の組、合成アミノ酸の組、ヌクレオチドの組およびペントースおよびヘキソースの組。ここで使用するとき、モノマーはポリマーの合成のための基本的組の任意の構成員を呼ぶ。例えば、20の天然に見いだされるL一アミノ酸の2量体は、ポリペプチドの合成のための400のモノマーの基本的組を形成する。モノマーの異なる基本的組をポリマーの合成において連続する工程において使用することができる。さらに、組の各々は合成後に修飾される保護された構成員を包含することができる。
【0032】
5.ペプチド:モノマーがアルファアミノ酸でありかつアミド結合を通して一緒に接合されておりそして二者択一的にポリペプチドと呼ばれるポリマー。この明細書に関係して、アミノ酸はL一光学的異性体またはD一光学的異性体であることができることを理解すべきである。ペプチドはしばしば2またはそれ以上のモノマーの長さであり、そしてしばしば20より大きいアミノ酸モノマーの長さである。アミノ酸の標準の略号を使用する(例えば、プロリンについてP)。これらの略号はStryer,Biochemstry,第3版、1988、の中に含まれており、これをすべての目的のためにここに引用によって加える。
【0033】
6.放射線:10−14〜10メートルの波長を有するエネルギーを含む、選択的に適用することができるエネルギー、例えば、電子ビ一ム放射線、ガンマ放射線、X線放射線、紫外線放射線、可視光、赤外放射線、マイクロ波放射線、およびラジオ波。「照射」は表面に放射線を適用することを意味する。
【0034】
7.レセプタ:所定のリガンドに対して親和性を有する分子。レセプターは天然に見いだされる分子または合成分子であることができる。また、それらは変更しない状態であるいは他の種との集合体として使用することができる。レセプターは結合する構成員に、直接にあるいは特定の結合物質を介して、取り付け、共有結合または非共有結合することができる。本発明において使用できるレセプターの例は、次のものを包含するが、これらに限定されない;抗体、細胞膜のレセプター、特定の抗原性決定基(例えば、ウイルス、細胞、または他の物質)と反応性のモノクローナル抗体および抗血清、薬物、ポリヌクレオチド、核酸、ペプチド、コファクター、レクチン、糖類、多糖、細胞、細胞膜、および細胞小器官。レセプターは時にはこの分野において抗リガンドと呼ばれる。用語レセプターをここにおいて使用するとき、意味の差を意図しない。2つの高分子が分子の認識を通して組み合って複合体を形成するとき、「リガンドレセプターの対」が形成される。
【0035】
本発明により研究することができるレセプターの他の例は、次のものを包含するが、これらに限定されない:
a)微生物のレセプター:レセプターに結合するリガンド、例えば、微生物の生き残りに対して必須の特定の輸送タンパク質または酵素の決定は抗体の新しいクラスのために有用である。日和見性の菌類、原生動物、および現在の使用における抗体に対して耐性のバクテリアに対する抗体はとくに価値があるであろう。
b)酸素:例えば、酵素、例えば、神経伝達物質を切断することに関係する酵素の結合部位の決定は有用情報を提供する。ある種のレセプターに結合して、異なる神経伝達物質を切断する酵素の作用を変調するリガンドの決定は、神経伝達物質の障害の処置において使用できる薬物の開発において有用である。
c)抗体:例えば、本発明は問題の抗原のエピトープと結合する抗体分子上のリガンド結合部位の研究において有用である;抗原のエピトープをまねる配列を決定することは、免疫原が1種または2種以上のこのような物質に基づくワクチンの開発に導くことができるか、あるいは治療的処置、例えば、自己免疫病において有用である(例えば、「自己」抗体の結合をブロックすることによって)関係する診断剤または化合物の開発に導くことができる。
d).核酸:核酸の配列を合成して、DNAまたはRNAの結合性配列を確立することができる。
e)触媒のポリペプチド:1種または2種以上の反応成分を1種または2種以上の生成物に変換することを包含する化学的反応を促進することができるポリマー、好ましくはポリペプチド。このようなポリペプチドは、一般に、少なくとも1つの反応成分または反応の中間体に対して特異的な結合部位および、官能性が結合した反応成分を化学的修飾することができる、結合部位に近接した活性な官能性を含む。触媒のポリペプチドは、例えば、米国特許第404,920号(これをすべての目的のためにここに引用によって加える)に記載されている。
f)ホルモンのレセプター:例えば、インスリンおよび成長ホルモンのためのレセプター。高い親和性をもってレセプターに結合するリガンドの決定は、例えば、糖尿病患者が糖尿病の症状を解放しなくてはならない毎日の注射の経口的代替物、および他の場合において、死体からか、あるいは組み換えDNA技術によってのみ得ることができる、稀なホモ成長ホルモンの代替物の開発において有用である。他の例は脈管収縮性ホルモンのレセプターである;レセプターに結合するそれらのリガンドの決定は、血圧をコントロールする薬物の開発に導くことができる。
g)オピエートレセプター:脳の中のオピエートのレセプターに結合するリガンドの決定は、モルフィンおよび関係する薬物のための嗜癖性が低い代替物の開発において有用である。
【0036】
8.支持体:剛性または半剛性の表面を有する材料。多数の態様において、支持体の少なくとも1つの表面は実質的に平らであるが、ある態様において、異なるポリマーのために、例えば、ウェル、上昇した領域、エッチングした溝などで合成領域を物理的に分離することが望ましいことがある。他の態様によれば、合成が完結したとき解放することができる、小さいビーズを表面上に準備することができる。
【0037】
9.保護基:モノマー単位に化学的に結合しそしてアクチベーター、例えば、電磁輻射線に選択的に暴露したとき除去することができる物質。ここにおいて実用性をもつ保護基の例は、次のものを包含する:ニトロピペロニル、ピレニルメトキシ−カルボニル、ニトロベラトリル、ニトロベンジル、ジメチルジメトキシベンジル、5−ブロモ−7−エトロインドリニル、o−ヒドロキシ−α−メチルシンナモイルおよび2−オキシメチレンアントラキノン。
【0038】
10.前以って規定した領域:前以て規定した領域は表面上の、ポリマーの形成のために活性化する、活性化した、あるいは活性化を意図する、局在化した区域である。前以て規定した領域は任意の便利な形状、例えば、円形、長方形、楕円形、クサビ形などを有することができる。ここにおいて簡潔さを目的として、「前以て規定した領域」は時には単に「領域」と呼ぶ。
【0039】
11.実質的に純粋:ある支持体の前以て規定した領域がそれを他の前以て規定した領域と区別する特性を示すとき、ポリマーはその前以て規定した領域内で「実質的に純粋」であると考えられる。典型的には、純度は均一な配列の結果として生物学的活性または機能により測定されるであろう。このような特性は、典型的には、選択したリガンドまたはレセプターとの結合により測定されるであろう。
【0040】
12.アクチベーター:基を活性とすることができそしてある源から支持体上の前以て規定した位置に向けられるエネルギー源を呼ぶ。アクチベーターの主な例示は光である。アクチベーターの他の例は、イオンビーム、電場、磁場、電子ビーム、X線などを包含する。
【0041】
13.バイナリー合成法:反応成分のマトリックス、およびスイッチのマトリックス(その生成物は生成物のマトリックスである)により代表することができる試薬の順次の添加により、多様なポリマーの配列を平行に合成する順序づけられた方法を呼ぶ。反応成分のマトリックスは添加すべき構成ブロックの1×mマトリックスである。スイッチのマトリックスは、列で配置された1とmとの間の、野ましくは順序づけられた、バイナリー数のすべてまたはサブセットである。好ましい態様において、バイナリー法は少なくとも2つの連続する工程が支持体上の問題の領域の半分を照明する方法である。最も好ましい態様において、バイナリー合成は、また、前の添加工程を実行する合成法を呼ぶ。例えば、マスキング法のためのスイッチのマトリックスが前に照明した領域を半分にし、前に照明した領域の約半分を照明し、そして残りの半分を保護する(同時にまた前に保護された領域の約半分を保護し、そして前に保護された領域の約半分を照明する)方法。バイナリーのラウンドを非バイナリーのラウンドと相互に分散させることができ、そして支持体の一部分のみをバイナリー法にかけることができるのが認識されるであろうが、なおここにおける定義内のバイナリーマスキング法であると考慮される。バイナリー「マスキング」法は、他の物質、例えば、アミノ酸の添加のために、物質から保護基を除去するために長さを使用するバイナリー合成である。好ましい態様において、スイッチのマトリックスの選択した列をスイッチのマトリックスの列においてバイナリー数が増加する碩序で配置する。
【0042】
14.リンカー・:支持体に取り付けられそして合成されたポリマーを暴露/レセプターへの結合のために支持体から間隔を置いて配置する分子または分子の群を呼ぶ。
II.一般
本発明は、大規模の化学的多様性をつくる合成法および装置を提供する。固相の化学、光不安定性保護基、および写真平版を一緒にして、光統制された空間的にアドレス可能な平行の化学的合成を好ましい態様において達成する。
【0043】
本発明は、ここにおいて、ペプチドおよびヌクレオチドの調製に主として関して例示の目的で記載するが、他のポリマーに容易に応用することができるであろう。このようなポリマーは、例えば、次のものを包含する3核酸の線状および環状のポリマー、多糖類、り1ン脂質、およびα−,β−またはω−アミノ酸を有するペプチド、既知の薬物が上の任意のものに共有結合したヘテロポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ尿素、ポリアミド、ポリエチレンイミン、ポリアリーレンサルファイド、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリアセテート、あるいはこの開示を見て明らかになるであろう他のポリマー。さらに、認識されるように、ここにおける例示は主としてC末端→N末端の合成について参照するが、本発明はその範囲から逸脱しないでN末端→C末端の合成に容易に応用することができる。
【0044】
A.脱保護および添加
本発明は、マスクした抗原または他のアクチベーターを使用して、多数の異なる化学的化合物の同時の合成を統制する。第1図は、本発明の1つの態様に従う化学的化合物を形成する方法を示すフローチャートである。合成は固体の支持体2上で起こる。光源6を使用してマスク4aを通る照明のパターンは、支持体のどの領域が化学的カップリングのために活性化されるかを決定する。1つの好ましい態様において、活性化は光を使用して、支持体の選択した区域から光不安定性保護基を除去することによって達成される。
【0045】
脱保護後、構成ブロックの組の第1のもの(第1図において「A」で示す)、各々は光不安定性保護基(「X」で示す)を有する、を支持体の表面に対して暴露し、そしてそれは前の工程において光でアドレスされた領域と反応する。次いで支持体を第2のマスク4bを通して照明し、これは第2の保護された構成ブロックrB」との反応のための他の領域を活性化する。これらの照明において使用したマスクのパターンおよび反応成分の順序は究極の生成物およびそれらの位置を定め、第1図の下部において配列ACEGおよびBDFHで示すように、前以て規定した位置に多様な配列を生ずる。本発明の好ましい態様は、小さい数の化学的工程において多数の化合物を形成するという、組み合わせのマスキング法の利点を得る。化合物の密度は主としてアクチベーターの空間的アドレス可能性、1つの場合において光の回折に関して決定されるので、高度の小型化は可能である。各化合物は物理的にアクセス可能であり、そしてその位置は正確に知られている。それゆえ、配列は空間的にアドレス可能であり、そして他の分子とのその相互作用を評価することができる。
【0046】
第1図に示す特定の態様において、支持体は光不安定性保護基でブロックされたアミノ基を含有する。アミノ酸の配列は光保護基の除去によリレセプターとのカップリングのためにアクセス可能とされる。
【0047】
合成すべきポリマーの配列が、例えば、ポリペプチドであるとき、ガラスの支持体に取り付けられたリンカーの末端のアミノ基はニトロベアトリルオキシカルボニル(醒OC)、光除去可能な保護基で誘導化される。リンカーの分子は、例えば、アリールアセチレン、2〜10のモノマーからのエチレングリコールのオリゴマー、ジアミン、二酸、アミノ酸、またはそれらの組み合わせであることができる。光脱保護は、例えば、マスクを通して支持体を照明することによって実施され、ここでパターンは、例えば、1cmより小、10−1cm、10−2cm、10−3cm、10−4cm、10−5cm、10−6cm、10−7cm、10−8cm、10−9、または10−10の寸法をもつ透明な領域を有する。好ましい態様において、領域は約10×10μm〜500×500μmである。ある態様に従うと、マスクはポリマーのチェッカー盤状の配列を生成するように配置されるが、種々の幾何学的形状の任意の1つを利用することができる。
【0048】
1.本発明の1つの実施例において、全体の支持体表面を光脱保護後蛍光性イソチオシアネート(FITC)で処理することによって、遊離アミノ基を蛍光標識した。ガラスの顕微鏡スライドを清浄にし、95%のエタノール中の0.1%のアミノプロピルトリエトキシシランで処理してアミン化し、そして110℃において20分間インキュベーションした。次いで、スライドのアミン化された表面をDMF中のNVOC−GABA(ニトロベアトリルオキシカルボユルーγ一アミノ酪酸)のN一ヒドロキシスクシンイミドエステルの30mMの溶液に暴露する。Hgアークランプからの365nmのアウトプットを、ガラスの100μmのチェッカー盤状のマスク上のクロムを通して支持体上に、12mW/cmの電力密度で画像形成することによって、WOC保護基を光分解的に除去した。次いで、露出された表面をDMF中の1mMのFITCで処理した。支持体表面をepi一蛍光顕微鏡(Zeiss Axioskop 20)でアルゴンイオンのレーザー(Spectra−Physics 2025型)からの488nmの励起を使用して走査した。光子計数モードで作動する冷却した光電子増倍管(Hamamatsu 943−02)により、520nm以上の蛍光の放射を光検出した。蛍光の強度の区域において赤色でおよび最低の強度の区域において黒色で色表示に、光の強度を変換した。100×100μmの要素の高いコントラストの蛍光性チェッカー盤状のパターンの存在は、空間的に局在化した光脱保護により特定の領域において遊離アミノ基が発生したことを明らかにした。
【0049】
2.実施例
第2図は、本発明の他の実施例を例示するフローチャートである,カルボキシ活性化されたNVOC一ロイシンをアミン化された支持体と反応させた。この合成において使用したロイシンおよび他のアミノ酸のカルボキシ活性化されたHOBTエステルは、2.5mlの脳F中で0.25ミリモルのNVOCアミノ保護されたアミノ酸を37mgのHOBT(1一ヒドロキシベンゾトリアゾール)、111mgのBop(ベンゾトリアゾリル−n−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサ−フルオロホスフェート)および86μ1のDIEA(ジイソプロピルエチルアミン)と混合することによって形成した。NVOC保護基は均一な照明により除去した。カルボキシ活性化されたNVOC−フェニルアラニンを暴露されたアミノ基に室温において2時間の間カップリングさせ、次いでDMFおよび塩化メチレンで洗浄した。光脱保護のマスク除去のサイクルおよびカルボキシ活性化されたNVOC一グリシンとのカップリングを実施した。次いで表面をガラスの50μmのチェッカー盤状のパターンのマスク上のクロムを通して照明した。次いでカルボキシ活性化されたNα−tBOC−o−t一ブチル−L−チロシンを添加した。全体の表面を均一に照明して、残りのNVOC基を光分解した。最後に、カルボキシ活性化されたNVOC−L一プロリンを添加し、NVOC基を照明により除去し、そしてt−BOCおよびt一ブチル保護基をTFAで除去した。保護基の除去後、表面はTyr−Gly−Gly−Phe−Leu(YGGFL)およびPro−Gly−Gly−Phe−Leu(PGGFL)の50μmのチェッカー盤状の配列から成っていた。参照、また、配列識別番号:1および配列識別番号:2。
【0050】
B.抗体の標識
1つの好ましい態様において、支持体を使用して、複数のアミノ酸配列のどれが問題の抗体により認識されるかを決定する。
【0051】
1.実施例
1つの実施例において、第2図に示す実雄例におけるペンタペプチドの配列をβ一エンドルフィンに対して向けられたマウスモノクローナル抗体でプロービングした。この抗体(3E7と呼ぶ)はナノモルの親和性でYGGFLおよびYGGFM(参照、また、配列識別番号:1および配列識別番号321)に結合することが知られており、そしてMeoら、Proc.Nat1.Acad.Sci.USA(1983)80:4084、これをすべての目的のためにここに引用によって加える、の中で論じられでいる。この抗体は高い親和性の結合のためにアミノ末端のチロシンを必要とする。第2図に記載するように形成したペプチドの配列を、YGGFLを認識することが知られている2μg/mlのマウスモノクローナル抗体(3E7)とインキュベーションした。参照、また、配列識別番号:1。3E7はPGGFLと結合しなかった。参照、また、配列識別番号2。蛍光化ヤギ抗マウス抗体との第2インキュベーションは3E7と結合した領域を標識した。表面をepi−蛍光顕微鏡で走査した。結果は交互する輝いたおよび暗い50μmの正方形を示し、YGGFL(配列識別番号:1)およびPGGFL(配列識別番号:2)がマスクにより決定された幾何学的配列で合成されたことが示された。高いコントラスト(>12:1の強度の比)の蛍光性チェッカー盤状の画像が示すように、(a)YGGFL(配列識別番号:1)およびPGGFL(配列識別番号:2)は交互する50μmの正方形で合成され、(b)表面に取り付けられたYGGFL(配列識別番号:1)は抗体3E7への結合のためにアクセス可能であり、そして(c)抗体3E7はPGGFL(配列識別番号:2)に結合しない。
【0052】
チェッカー盤の2正方形×4正方形の部分における蛍光強度のデータの3次元の表示が生成された。それは合成部位の境界が鋭いことを示す。この表示における各スパイク波形の高さは、2.5μmの絵素で統合された蛍光強度に直線的に比例する。PGGFLとYGGFLとの間のトランジションは2スパイク波形(5μm)内で起こる。異なるYGGFLの正方形の蛍光強度の変動はほとんど存在しない。16のYGGFL合成部位の平均の強度は2.03×10の計数であり、そして標準偏差は9.6×10の計数であった。
【0053】
III.合成
A.反応器システム
第3図は、支持体上で多様なポリマーの配列を合成するために使用する装置を概略的に示す。この装置は自動化されたペプチド合成装置401を含む。自動化されたペプチド合成装置は、コンピューター401の指令下にフローセル402を通して選択した反応流体を流す。好ましい態様において、合成装置はABIペプチド合成装置、型No.431Aである。コンピューターは広範な種類のコンピューターまたは離散的ロジック、例えば、ペプチド合成装置における適当な内部のコントロールシステムと連係した1聞PC−ATまたは同様なコンピューターから選択することができる。PCは、例えばカップリングサイクルの終わりを示すボードコンピューターからのシグナルを供給される。
【0054】
支持体406をフローセルの上に取り付け、支持体とフローセルとの間に空洞を形成する。選択した試薬はこの空洞を通してペプチド合成装置から選択した時間に流れ、支持体の面上に空洞の中にペプチドの配列を形成する。マスク408は支持体の上に、好ましくは支持体と接触して取り付けられる。マスク408は選択した領域において光の選択した波長に対して透明であり、そして他の領域において光の選択した波長に対して不透明である。マスクを光源410、例えば、紫外線の光源で照明する。特定の態様において、光源410はオリエル(Oriel)製の型No.82420である。マスクはx−y−zの並進ステージ412、例えば、ニューポート・コーポレーション(New−port Cor.)製のx−y並進ステージにより保持および並進される。コンピューターはペプチド合成装置、x−y並進ステージおよび光源の作用と共同する。もちろん、本発明はある態様においてマスクの代わりに支持体の並進で使用することができる。
【0055】
操作において、支持体をフローセル上に取り付ける。マスクを位置決定しそして光を光源から、マスクを通して、支持体上に所望の期間(例えば、ペプチド合成の場合において1秒〜60分)の間向けることによって、適当な光除去可能な保護基によりその表面が保護された支持体を光に選択した位置において露出する。支持体上の選択した位置において結合するために、ペプチド合成装置により、選択したペプチドまたは他のモノマー/ポリマーを反応器の空洞を通して送る。選択した反応時間(例えば、ペプチド反応の場合において約1秒〜300分)後、モノマーをシステムから洗浄除去し、マスクを適当に再位置決定または置換し、そしてサイクルを反復する。本発明のほとんどの態様において、反応は周囲温度またはその付近において実施することができる。
【0056】
第4a図および第4b図は、反応器システムの操作において使用するソフトウェアのフローチャートである。ステップ502において、ペプチド合成のソフトウェアを初期化する。ステップ504において、システムはx−y並進ステージ上の位置を目盛り定めし、そして主要なループを開始する。ステップ506において、システムは、存在する場合、コンピューター上のファンクションキーのどれがプレスされているかを決定する。F1がプレスされている場合、システムは所望の合成方法をインプットするようにユーザーを促す。ユーザーがF2をエンターすると、システムはステップ510において合成法のためにファイルの編集を可能とする。ユーザーがF3をエンターする場合、システムはステップ512におけるディスクからのプロセスを負荷する。ユーザーがF4をエンターする場合、システムはエンターまたは編集されたプロセスをステップ514におけるディスクにセーブする。ユーザーがF5を選択する場合、現在のプロセスはステップ516において表示されるが、F6の選択はプログラムの主要な部分、すなわち、選択したプロセスに従う実際の合成を開始する。ユーザーがF7を選択すると、システムは合成されたペプチドの位置を表示するが、F10をプレスすると、ディスクの操作システムに戻る。
【0057】
第4b図は合成ステップ518をより詳細に示す。このプログラムの主要なループは開始され、ここでシステムはまずマスクをステップ526の次の位置に動かす。プログラムの主要なループの間に、ペプチド合成装置の中のオン−ボードコンピューターの指示下に必要な化学物質は反応セルを通して流れる。ズテップ528において、次いでシステムは露出の指令のために待機しそして、露出の指令を受け取ると、ステップ530において所望の時間の間支持体耀出する。完全な露出の肯定応答がステップ532において受け取られると、システムはこのプロセスがステップ534において完結されたかどうかを決定しそして、そこにある場合、ステップ536における追加のキーボードのインプットのために待機しそして、その後、実行合成プロセスを出る。
【0058】
前述のシステムの操作のために使用するコンピュータープログラムはターボ(Turbo)C(Borland Int’1)に記載されており、そしてIBMコンパティブルシステムにおいて実行された。モーターコントロールのソフトウェアは、ニューポート・コーポレーション(New−port Cor.)により製造されたソフトウェアから採用される。認識さるように、広範な種類のプログラム言語をここにおいて本発明の範囲を逸脱しないで利用することができる。ある種の呼び出しは「PCおよびPS2ビデオシステムに対するプログラマーのガイド(Programmer Guide to PC and PS2 Video System)」(Wilton,Microsoft Press,1987)(これをすべての目的のためにここに引用によって加える)においてグラフィックスプログラムに対してなされている。
【0059】
マスクの整列は好ましい態様において2つの方法の1つにより達成される。第1の態様において、システムは変法成分の相対的整列に頼り、これはx−y−z並進ステージがここにおける目的のために十分な制度をもつことができるので通常許容される。別の態様において、支持体上の整列のマークを適当な整列のためにCCD装置に連結する。
【0060】
ある態様によれば、純粋な試薬を各工程において添加しないか、あるいは保護基の完全な光分解を各工程において設けない。これらの態様によれば、多数の生成物が各合成部位において形成される。例えば、モノマーAおよびBを合成工程の間に混合し、AおよびBは、おおよそ溶液の中のそれらの濃度に比例して、脱保護された領域に結合するであろう。それゆえ、化合物の混合物は合成領域において形成されるであろう。変法合成領域における化合物の混合物とともに形成された支持体は、例えば、多数の化合物の初期のスクリーニングを実施するために使用することができ、その後、高い親和性を示す領域における小さい数の化合物をさらにスクリーニングする。ある領域を部分的にのみ光分解し、第1モノマーを添加し、同一領域を再光分解し、そしてその領域を第2モノマーに暴露することによって、同様な結果を得ることができる。
【0061】
B.二段階合成法
光統制された化学的合成において、形成する生成物はマスクのパターンおよび順序、および反応成分の順序に依存する。1組の生成物をつくるために、一般に有限の数可能な方法が存在するであろう。本発明の好ましい態様において、二段階合成法を利用する。二段階合成法はここにおいて主としてマスキング法に関して例示するが、それは他のポリマーの合成、例えば、ピン法などに適用することができるであろう。
【0062】
二段階合成法において、支持体を第1マスクで照射し、第1構成ブロックに対して暴露し、第2マスクで照射し、第2構成ブロックに暴露する。マスクした照射および構成ブロックへの露出の各組み合わせをここにおいて「サイクル」と呼ぶ。
【0063】
好ましい二段階マスキング法において・各サイクルのためのマスクは支持体上の問題の領域の半分の照明を可能とし、そして問題の領域の残りの半分を照明しない。「半分」はここにおいて問題の領域の正確な半分を意味せず、その代わり問題の領域の大きい部分、例えば、問題の領域の約30〜70%を意味する。理解されるように、全体のマスキング法は必ずしも二段階の形態を取ることは必要ではない;その代わり、非二段階サイクルを必要に応じて二段階サイクルの間に導入することができる。
【0064】
二段階マスキング法の好ましい態様において、所定のサイクルは前のサイクルにおいて照明された領域の約半分のみを照明するが、前のサイクルからの照明された残りの半分を照明しない。逆に、このような好ましい態様において、所定のサイクルは前のサイクルにおいて照明されなかった領域の半分を照明し、そして前のサイクルにおいて照明されなかった領域の半分を照明しない。
【0065】
ここに開示する合成法において、合成されるポリマーの最長の長さ(l)はl=n/aである;ここでnはサイクルの数でありそしてaは化学的構成ブロックの数である(所定の構成ブロックを反復一することができることに注意すべきである)。
【0066】
合成法はマトリックスの表示法で最も容易に例示および取り扱われる。各合成部位において、所定のモノマーを添加するかどうかの決定は二段階プロセスである。したがって、各生成物の要素Pは2つのベクトル、すなわち、化学的反応成分のベクトル、例えば、C=[A,B,C,D]およびバイナリーベクトルσの点の生成物により与えられる。4工程の合成についての下の実施例における生成物を見ると、示されるように、1つの4工程の合成において、σ=[1,0,1,0]、σ=[1,0,0,0]、σ=[0,1,1,0]およびσ=[0,1,0,1]、ここで1は照明を示し、そして0は照明なしを示す。したがって、列のベクトルσから「スイッチのマトリックス」Sを構成することが可能となる(j=1,kここでkは生成物の数である)。
【0067】
【数1】

【0068】
合成の結果Pは単にP=CS、化学的反応成分のマトリックスおよびスイッチのマトリックスの生成物である。
【0069】
kの生成物を生ずるnサイクルの合成のためにスイッチのマトリックスはn行およびk列を有する。Sの属性は各行がマスクを特定することである。合成の第jの化学的工程のための2次元のマスクmはSの第j行から、要素Sji,…Sjkを、例えば、平方のフォーマットの中に配置することによって直接得られる。下の特定の配置は正方形のフォーマットを提供するが、線状または他の配置を利用することができる。
【0070】
【数2】

【0071】
もちろん、光活性化された合成において形成した化合物は任意の規定された幾何学的配列で配置することができる。正方形または長方形のマトリックスは便利であるが、不必要である。スイッチのマトリックスの行は、同等の転位を各行のために使用するかぎり、任意の便利な配列に転位することができる。
【0072】
例えば、4工程の合成におけるマスクは次いで次により表される:
【0073】
【数3】

【0074】
ここで1は照明(活性化)を意味しそして0は照明なしを意味する。
【0075】
好ましい態様において、マトリックスの表示を使用して生成物の所望の組および生成物の地図を発生させる。各化合物は化学的ベクトルおよび特定のスイッチのベクトルの生成物により定義される。したがって、各合成のアドレスについて、単にスイッチのベクトルをセーブし、これらのすべてをスイッチのマトリックスにアセンブリングし、そして行の各々を抽出してマスクを形成する。ある場合において、特定の生成物の分布または生成物の最大数が要求される。例えば、C=[A,B,C,D]について、スイッチのベクトル(σ)は4ビットから成る。16の4ビットのベクトルが存在する。16の異なる生成物の最大は反応成分[A,B,C,D]の順次の添加によりつくることができる。これらの16列のベクトルは16の異なる方法でアセンブリングしてスイッチのマトリックスを形成することができる。列のベクトルの順序はマスキングのパターンを規定し、したがって、生成物の空間的順序を規定するが、それらの構成を規定しない。これらの列の1つの順序は次のスイッチのマトリックスを与える(ここで「零」(
【0076】
【数4】

【0077】
)の付加を完全性を目的一として括弧内に含めるが、このような零の付加はここにおいてどこかで無視されている):
【0078】
【数5】

【0079】
本発明のこの面に従うSの列は数15〜0のバイナリー表示である。この二段階合成の16の生成物は、ABCD,ABC,ABD,AB,ACD,AC,AD,A,BCD,BC,BD,B,CD,C,D、および
【0080】
【数6】

【0081】
(零)である。また、上の4工程の合成マスクからのスイッチのベクトルの各々(およびそれゆえ合成生成物)は4ビットのバイナリースイッチのマトリックスの中に存在することに注意すべきである。(参照、列6,7,10、および11)
この合成手順は完成した生成物をマッピングする容易な方法を提供する。支持体上の種々の位置における生成物は、スイッチのマトリックスの列により簡単に規定される(第1列は、例えば、生成物ABCDが支持体の上左の位置に存在するであろうことを示す)。さらに、選択した所望の生成物のみをつくる場合、マスクの配列は列を所望の配列で抽出することによって誘導することができる。例えば、生成物の組ABCD,ABD,ACD,AD,BCD,BD,CD、およびDを形成するために、第1、第3、第5、第7、第9、第11、第13、および第15の列がスイッチのマトリックスに配置されたスイッチのマトリックスを使用することによって、マスクを形成する:
【0082】
【数7】

【0083】
長さ4のポリマーの全てを形成するために、反応成分のマトリックス[ABCDABCDABCDABCD)を使用する。スイッチのマトリックスは列に配置された0〜216のバイナリー数のマトリックスから形成されるであろう。次いで4モノマーを有する列を選択し、そしてスイッチのマトリックスに配置する。したがって、理解されるように、バイナリースイッチのマトリックスは一般にn工程の合成からつくることができるすべての生成物を表示し、次いでこれから所望の生成物を抽出する。
【0084】
バイナリースイッチのマトリックスの行は、好ましい態様において、各マスキング工程が合成区域の半分を照明するという性質を有する。各マスキング工程は、また、先行するマスキング工程を実行する;すなわち、先行する工程において照明された領域の半分を再び照明するが、他方の半分を照明しない。先行する工程において照明されなかった領域の半分はまた照明されるが、他方の半分は照明されない。こうして、マスキングは反復される。マスクは、前述したように、各行の要素を抽出し、そしてそれらを正方形の配列に配置することによらて構成される。例えば、4工程の合成についてのSにおける4つのマスクは、次の通りである:
【0085】
【数8】

【0086】
マスクの反復する実行は、光統制された合成の生成物の多項式による表現を可能とする。(ある光活性化された合成は、約されない、すなわち、素数の多項式によってのみ表示することができる。)例えば、第8a図の上の合成(下に記載する)に相当する多項式は、次の通りである:
P=(A+B)(C+D)
反応の多項式は、それが代数学の表現であるように、展開することができるが、ただし反応成分X、およびXを接合する順序は保存される(X、X、≠X、X)、すなわち、生成物は交換可能ではないことを条件とする。次いで生成物はAC+AD+BC+BDである。多項式は反応成分を明瞭に特定し、そして各工程のためのマスクを暗示的に特定する。括弧の各対は合成のラウンドを証明する。あるラウンドの化学的反応成分(例えば、AおよびB)はオーバーラッピングしない部位において反応し、それゆえ互いに組み合わせることができない。合成区域はラウンドの要素の間で等しく分画される(例えば、Aはその区域の1つの半分に向けられ、そしてBは他方の半分に向けられる)。それゆえ、あるラウンドにためのマスク(例えば、マスクmおよびm)は直交し、そして正規直交の組を形成する。多項式の表示は、また、あるラウンドにおける各要素が次のラウンドの各要素に対して接合すべきであることを意味する(例えば、AとC、AとD、BとC、およびBとD)。これはmをmおよびmと等しくオーバーラッピングし、そしてmについて同様にオーバーラッピングすることによって達成される。CおよびDはあるラウンドの要素であるので、mおよびmは互いに対して直交し、そして正規直交の組を形成する。
【0087】
16の生成物が4つの反応成分から作られる、前述のバイナリー合成の多項式の表示は、次の通りである:
【0088】
【数9】

【0089】
これは展開するとABCD,ABC,ABD,AB,ACD,AC,AD,A,BCD,BC,BD,B,CD,C,D、および
【0090】
【数9A】

【0091】
を与える(
【0092】
【数10】

【0093】
であるという規則であり、そして接合は順序づけられていることを思い起こす)。二段階合成において、各ラウンドは1つの反応成分および1つの零(
【0094】
【数11】

【0095】
により表示される)を含有する。合成区域の半分は反応成分を受け取り、そして他方の半分はゼロを受け取る。各マスクはすべての他のマスクと等しくオーバーラップする。二段階のラウンドおよび非二段階のラウンドは、次のように、必要に応じて相互に分散させることができる:
【0096】
【数12】

【0097】
形成される18の化合物は、ABCE,ABCF,ABCG,ABDE,ABDF,ABDG,ABE,ABF,ABG,BCE,BCF,BCG,BDR,BDF,BDG,BE,BFおよびBGである。この7工程のためのスイッチのマトリックスSは、次の通りである:
【0098】
【数13】

【0099】
(B)により表示されるラウンドはすべての生成物の中にBを配置する。なぜなら、反応区域は均一に活性化されるからである(Bのためのマスクは完全に1から成る)。
【0100】
第iラウンドがbの化学的反応成分およびZの零を有する、rラウンドから成る合成において形成される化合物Kの数は、
K:=Σ(b+Z
であり、そして化学的工程nの数は
n=Eb
である。すべてのラウンドにおいてb=a(化学的構成ブロックの数)およびz=0であるとき合成される化合物の数はan/aであり、これに対して二段階合成については2である。n−20かつa=5について、625の化合物(すべてテトラマー)が形成し、これに対して同一の数の化学的工程をもつ二段階合成において1,049×10の化合物が形成するであろう。また、多項式におけるラウンドは、
【0101】
【数14】

【0102】
におけるように、集合させることができることに注意すべきである。生成物はAD,BCD,BD,CD,D,A,BC,B,Cおよび
【0103】
【数15】

【0104】
である。
【0105】
二段階合成は2つの理由で魅力的である。第1に、それらは所定の数の化学的工程(n)について最大の数の生成物(2)を発生する。4つの反応成分について、16の化合物が二段階合成において形成するが、各ラウンドが2つの反応成分を有するとき、わずかに4つがつくられる。10工程の二段階合成は1,024の化合物を生じ、そして20工程の合成は1,048,576を生ずる。第2に、二段階合成において形成する生成物は0からnの長さの範囲をもつ完全な集合した組である。最長の生成物(nマー)から1または2以上の単位を欠失させることによって形成できるすべての化合物が存在する。二段階の組内のより小さい組が含有され、これらの組は任意の他のマスクの組を使用して同一の反応成分から形成されるであろう(例えば、第5図に示す合成において形成するAC,AD,BCおよびBDは、二段階合成により形成する16の組の中に存在する)。しかしながら、ある場合において、実験的に達成することができる空間的分割は形成するすべての化合物を収容するために十分でないことがある。したがって、実際の制限は、所定の合成のために可能なスイッチのベクトルの特定のサブセットの選択を必要とすることがある。
【実施例】
【0106】
1.実施例
第5図は、二段階マスキング法を使用する合成を示す。二段階マスキング法は、所定数のサイクルについて最大数の配列を提供する。この態様によれば、マズクmは支持体の半分の照明を可能とする。次いで支持体を構成ブロックに対して露出し、これは照明された領域において結合する。
【0107】
次いでmは前に照明された領:域の半分の照明を可能とするが、それは前に照明された領域の半分を照明しない。次いで構成ブロックBを添加し、これはmからの照明された領域において結合する。このプロセスをマスクm,mおよびmを使用して続け、この図面の下部に示す生成物の配列を生ずる。このプロセスは5(モノマーの数)サイクルで32(モノマーの数の基数で2を累乗した)サイクルを発生する。
【0108】
2.実施例
第6図は、ここにおいてグレイコードのマスキング法と呼ぶ他の好ましい二段階マスキング法を例示する。この態様によれば、任意の所定の合成領域の側面が1つだけのマスクのへりにより規定されたように、マスクm〜mを選択する。例えば、配列BCDEが形成される部位は、mにより規定されたその右へりおよびマスクmにより形成されたその左側を有する(そして他のマスクはこの部位の側面で整列されていない)。したがって、非整列、マスクの下の光の拡散などにより発生する問題は最小とされるであろう。
【0109】
3.実施例
第7図は、他の二段階マスキング法を例示する。ここにおいて変更されたグレイコードの二段階マスキング法と呼ぶ、このスキームによれば、必要なマスクの数は最小とされる。例えば、マスクmはmと同一のマスクであり、そして単に横方向に並進させることができる。同様に、マスクmはmと同一のマスクであり、そして単に横方向に並進させることができる。
【0110】
4.実施例
4工程の合成は第8a図に示されている。反応成分は順序づけられた組である{A,B,C,D}。第1サイクルにおいて、mを通した照明は合成区域の上半分を活性化する。次いで構成ブロックAを添加して分布602を与える。マスクmを通して照明し(これは下半分を活性化する)、次いでBを添加すると、次の照明分布604が生ずる。mを通して照明し(これは左半分を活性化する)次いでCを添加すると、分布604が得られ、そしてmを通して照明し(これは右半分を活性化する)次いでDを添加すると、最終の生成物のパターン608が得られる{AC,AD,BC,BD}。
【0111】
5.実施例
合成の上のマスキング法を、第8b図に示すように、20の天然に見いだされるアミノ酸からのすべての400ジペプチドのために拡張することができる。この合成は2ラウンドから成り、20の光分解および化学的カップリング/ラウンドを使用する。ラウンド1の第1サイクルにおいて、マスク1は20のアミノ酸の第1とのカップリングのために支持体の1/20を活性化する。ラウンド1において19の引き続く照明/カップリングのサイクルは、各々が20アミノ酸の離散した構成員を有する、20の長方形のストライプから成る支持体を生ずる。ラウンド2のマスクはラウンド1のマスクに対して垂直であり、したがって、ラウンド2における単一の照明/カップリングのサイクルは20のジペプチドを生ずる。ラウンド2の20の照明/カップリングのサイクルは400のジペプチドの合成を完結する。
【0112】
6.実施例
2段階マスキング法の力は、1,024ペプチドを生成した10工程の合成の結果から理解することができる。この10工程の二段階合成のための多項式の表現は、次の通りであった:
【0113】
【数16】

【0114】
各ペプチドは400×400μmの正方形を占有した。32×32のペプチドの配列(1,024のペプチド、l=1の零のペプチドおよび10ペプチド、および制限された数の複製を含む)は、側面の基の脱保護および抗体3E7および蛍光化抗体による処理後に、蛍光走査により明瞭に明らかであった。各合成部位は400×400μmの正方形であた。
【0115】
走査は、3,300の計数のバックグラウンド値から最も明るい正方形(x−20,y−9)における22,400の計数の、蛍光強度の範囲を示した。わずかに15の化合物は12,300の計数より大きい強度を示した。この配列の平均値は4,800の計数であった。
【0116】
この配列における各ペプチドの同一性は第9図のそのxおよびy座標(各々0〜31の範囲)および地図から決定することができた。位置2,5,6,9および10における化学的単位はy座標により特定され、そして位置1,3,4,7,8におけるそれらはx座標により特定されている。ペプチドの1つの除外するすべては10残基より短かった。例えば、x=12および=3におけるペプチドはYGAGFである(配列識別番号:3;位置1,6,8,9および10は零である)。YGAFLS(配列識別番号:4)、この配列の最も明るい要素はx=20およびy=9に存在する。
【0117】
測定した蛍光強度から所定のペプチドの結合親和性を推定することがしばしば望ましい。考えられることには、最も簡単な場合は単一のペプチドが1価の抗体分子に結合する場合である。蛍光走査は、スライドを緩衝液で規定された時間の問洗浄した後、実施する。次いで、蛍光強度の順序は抗体−ペプチド複合体の相対的解離速度の測度である。速度定数が同一である場合(すなわち、それらが拡散コントロールされている場合)、蛍光強度の順序は典型的には結合親和性の順序に相当するであろう。しかしながら、立場は時にはいっそう複雑である。なぜなら、2価の一次抗体および2価の二次抗体を使用するからである。合成区域におけるペプチドの密度は約7nmの平均の分離に相当し、これは多価の抗体−ペプチドの相互作用を可能とするであろう。それゆえ、ここにおける方法に従い得られた蛍光強度はしばしば結合親和性の定量的インジケーターであろう。
【0118】
他の重要な考察は合成の信頼性である。不完全光脱保護または不完全なカップリングにより、欠失が生成される。これらの実験におけるカップリングの収率/サイクルは典型的には85%〜95%である。マスキングによリスイッチのマトリックスを実施することは、光の拡散、内部反射および散乱のために、不完全である。結局、積み込み(内蔵ではない化学的ユニット)が、暗くあるべき領域の意図しない照明により生ずる。二段階合成配列は、合成の信頼性を評価するために必要な多数のコントロールを含有する。例えば、公称テトラペプチドABCDを含有する合成区域からの蛍光シグナルはトリペプチド欠失不純物、例えば、ACDから来ることがある。このような人工物は、ACD部位の蛍光強度がABCD部位のそれより低いという発見により除外されるであろう。
【0119】
前述の1,024ペプチドの合成で得られた配列の中の15の最も高度に蛍光性のペプチドは、次の通りであった:YGFLS(配列番号:4)、YGAFS(配列番号:5)、YGAFL(配列番号:6)、YGGFLS(一配列番号73)、YGAF(配列番号:8)、YGALS(配列番号:9)、YGGFS(配列番号:10)、YGAL(配列番号:11)、YGAFLF(配列番号:12)、YGAF(配列番号:8)、UGAFF(配列番号:13)、YGGLS(配列番号:14)、YGGFL(配列番号:1および配列番号:15)、YGAFSF(配列番号:16)、およびYGAFLSF(配列番号:17)。顕著な特徴は、すべての15がYGで開始するということであり、これはアミノ末端のチロシンが3E7への結合の主要な決定基であることを示す前の研究と一致する。この組の残基3はAまたはGであり、そして残基4はFまたはLである。これらの位置からのSおよびTの排除は明瞭な切断である。好ましい配列はYG(A/G)(F/L)であるという発見は、組み換えDNA方法により発生したファージ上のペプチドの非常に大きいライブラリーを抗体3E7への結合についてスクリーニングした研究の結果とよく合致する(参照、Cwirlaら、Proc.Nat1.Acad.Sci.USA(1900)87:6378、ここに引用によって加える)。ファージの実験でペプチドからの手がかりに基づく追加のバイナリー合成は、YGAMQ(配列番号:18)、YGAFM(配列識別番号:19)およびYGAFQ(配列識別番号:20)がYGGFM(配列番号:21)(抗体3E7を得るために使用した免疫原)より強い蛍光シグナルを与えることを示す。
【0120】
上のマスキング法についての変法はある種の場合において価値があるであろう。例えば、問題の「中心部(kerne1)」配列がXYZから分離したPQRから成る場合、目的はこれらの単位が可変数の異なる残基により分離されているペプチドを合成することである。中心部はどこかに1を有するマスクを使用することによって各ペプチドの中に配置することができる。適当な合成の多項式の表示は、次の通りである:
【0121】
【数17】

【0122】
6マーのPQRXYZから10マーのPQRABCDXYZまでの長さの範囲の、16のペプチドが形成されるであろう。
【0123】
いくつかの他のマスキング法は、また、選択した場合において価値を見いだすであろう。1より多い特定のマスクを使用することによって、2またはそれ以上の反応成分が同一の組の生成物の中に現れるであろう。例えば、8工程の合成のためのマスクが、
A11110000
B00001111
C11001100
D00110011
E10101010
F01010101
G11110000
H00001111
であると仮定する。
【0124】
生成物はACEG,ACFG,ADEG,ADFG,BCEH,BCFH,BDEHおよびBDFHである。AおよびGは常に同一の生成物の中に現れるが、必ずしも互いに隣接しない。なぜなら、それらの添加は同一マスクにより方向づけられていたからであり、そしてBおよびHについても同様であった。
【0125】
C.リンカーの選択
好ましい態様によれば、合成されたポリマーと支持体との間の中間体として使用するリンカー分子は、レセプターとの改良された結合相互作用のために最適な長さまたは型について選択される。本発明のこの面に従い、変化する長さおよび/または型の種々のリンカーの長さおよび型の変動により、固定化されたリガンドおよびそのレセプターとの間の結合相互作用を最適化することが可能となる。
【0126】
リガンド(ペプチド、インヒビター、ハプテン、薬物など)およびその(酵素、抗体など)との間の結合の程度は、相手の一方を支持体上に固定化すると、ある態様において、溶液の中のレセプターの固定化されたリガンドへのアクセス可能性に依存する。引き続いてアクセス可能性は、相手の一方を固定化するために使用したリンカー分子の長さおよび/または型に依存するであろう。したがって、本発明の好ましい態様は、ここに記載するVLSIPS技術を使用して、変化する長さおよび/または型のリンカーの配列を発生させ、好ましくはリンカーを不活性化または不活性とし、光化学的保護を使用して支持体の異なる領域を選択的に暴露し、そして化学的活性な基を構成する。
【0127】
この概念の最も簡単な態様において、同一の単位をVLSIPS技術により支持体上の既知の位置において変化する多重度または長さで支持体に取り付けて、変化する長さのポリマーの配列を発生する。単一のリガンド(ペプチド、薬物、ハプテンなど)をそれらの各々に取り付け、そして結合部位を使用してアッセイを実施して、リガンドに結合することが知られているレセプターとの結合の程度を評価する。リンカーの長さがリガンドに結合するレセプターの能力を衝撃する場合において、変化するレベルの結合が観察されるであろう。一般に、最高の結合を提供するリンカーは引き続いて使用して、ここにおける技術に従い合成された他のリガンドをアッセイする。
【0128】
他の態様に従い、単一のリガンド/レセプターの対の間の結合を種々のモノマー配列のリンカーについて評価する。これらの態様によると、リンカーをここにおける技術に従い配列で合成し、そしてリンカーは異なるモノマーの配列(および、必要に応じて、異なる長さ)を有する。したがって、リンカー分子のすべては所定のレセプターに対する結合親和性を少なくともある程度もつことが知られているリガンドを有する。次いで、所定のレセプターをリガンドに暴露し、そして結合親和性を推定する。次いで、リガンドとレセプターとの間の適切な結合を提供するリンカー分子をスクリーニングの研究において利用する。
【0129】
D.保護基
前述したように、選択的に除去可能な保護基は異なる反応性を有する支持体表面のよく規定された区域の発生を可能とする。好ましくは、保護基は特定のアクチベーター、例えば、特定の波長および強度の電磁輻射線を適用することによって表面から選択的に除去する。さらに詳しくは、特定のアクチベーターは表面の選択した区域を暴露して、暴露された区域における保護基を除去する。
【0130】
本発明の保護基は固相オリゴマー合成、例えば、天然または天然以外のアミノ酸を使用するペプチド合成、デオキシリボ核酸およびリボ核酸を使用するヌクレオチド合成、オリゴ糖合成などに関連して使用される。支持体表面を不必要な反応から保護することに加えて、保護基はモノマーの反応性末端をブロックして自己重合を防止する。例えば、活性化されたアミノ酸、例えばN一ヒドロキシスクシンイミド活性化されたアミノ酸のエステルのアミノ末端に保護基を取り付けると、1つのモノマーのアミノ末端はペプチド合成の間に他の活性化されたエステル部分との反応から防止される。あるいは、保護基をアミノ酸のカルボキシル基に取り付けて、この部位における反応を防止することができる。大部分の保護基はアミノ酸のアミノ基またはカルボキシル基に取り付けることができ、そして化学的合成の性質はどの反応性基が保護基を必要とするかを支配するであろう。同様に、合成の間、例えば、ホスフェート−トリエステルカップリング化学を使用してヌクレオシドの5’−ヒドロキシル基に保護基を取り付けると、1つのヌクレオシドの5’−ヒドロキシル基は他の3’−活性化ボスフェート−トリエステルとの反応から防止される。
【0131】
特定の使用に無関係に、保護基を使用してある分子のある部分を他の試薬との反応から保護する。本発明の保護基は次の特性を有する:保護基は選択した試薬がそれらが取り付けられている基を修飾するのを防止する:保護基は合成反応条件に対して安定である(すなわち、それらは分子の結合したままである):それらは残りの構造に悪影響を及ぼさない条件下に除去可能である:そしていったん除去されると、それらは表面または表面に結合したオリゴマーと感知し得る程度に反応しない。適当な保護基の選択は、もちろん、モノマー単位およびオリゴマーの化学的性質、ならびにそれらが保護を目的とする特定の試薬に依存するであろう。
【0132】
好ましい態様において、保護基は光活性化可能である。光活性保護の化合物の性質および使用は概観されてきている。参照、McCrayら、Ann.Rev.of Biophys.and Biophys.Chem.(1988)18:239−270、その開示をここに引用によって加える。好ましくは、光感受性保護基は電磁スペクトルの紫外線(uV)または可視部分における放射線により除去可能である。より好ましくは、保護基はスペクトルの近UVまたは可視部分における放射線により除去可能であろう。しかしながら、ある態様において、活性化は他の方法、例えば、局在化加熱、電子ビームの平板印刷法、レーザーポンピング、微小電極を使用する酸化または還元などにより実施することができる。スルホニル化合物は電子ビームの平板印刷法のために適当な群である。酸化的または還元的除去は、好ましくは活性化しようとする表面の前以て規定した領域に向けられた微小電極を使用して、電源に保護基を暴露することによって達成される。他の方法はこの開示に照らして使用することができる。
【0133】
光除去可能な保護基の、すべてではないが、多数は近UVまたは可視放射線を吸収する芳香族化合物であろう。適当な光除去可能な保護基は、例えば、McCrayら、Patchornik、J.Am.Chem.Soc.(1970)92:6333、およびAmitら、J.Org,Chem.(1974)39:192、その開示をここに引用によって加える、に記載されている。
【0134】
光除去可能な保護基の好ましいクラスは次の一般式を有する:
【0135】
【化9】

【0136】
,R,RおよびRは独立に水素原子、低級アルキル、アリール、ベンジル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、チオール、チオエーテル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、ホルメート、ホルムアミド、またはホスフィド基であるか、あるいは隣接する置換基(すなわち、R−R,R−R,R−R)は一緒になって環状アセタールまたはケタールを形成する置換された酸素基であり;Rは水素原子、アルコキシル、アルキル、ハロ、アリール、またはアルケニル基であり、そしてn=0または1。
【0137】
アミノ酸のカルボキシル末端またはヌクレオチドのヒドロキシル基を保護するために使用する、好ましい保護基である6−ニトロベラトリル(NV)は、RおよびRの各々がメトキシ基であり、R,RおよびRの各々が水素原子であり、そしてn=0であるとき、形成する:
【0138】
【化10】

【0139】
アミノ酸のアミノ末端を保護するために使用する、好ましい保護基である6−ニトロベラトリルオキシカルボニル(NVOC)は、例えば、RおよびRの各々がメトキシ基であり、R,RおよびRの各々が水素原子であり、そしてn=1であるとき、形成する:
【0140】
【化11】

【0141】
アミノ酸のカルボキシル末端またはヌクレオチドのヒドロキシル基を保護するために使用する、他の好ましい保護基である6−ニトロピペロニル(NP)は、RおよびRが一緒になってメチレンアセタールを形成し、R,RおよびRの各々が水素原子であり、そしてn=0であるとき、形成する:
【0142】
【化12】

【0143】
アミノ酸のアミノ末端を保護するために使用する、他の好ましい保護基である6−ニトロピペロニルオキシカルボニル(NPOC)は、例えば、RおよびRが一緒になってメチレンアセタールを形成し、R,RおよびRの各々が水素原子であり、そしてn=1であるとき、形成する:
【0144】
【化13】

【0145】
アミノ酸のカルボキシル末端またはヌクレオチドのヒドロキシル基を保護するために使用する、最も好ましい保護基であるメチル−6−ニトロベラトリル(MeNV)は、RおよびRの各々がメトキシ基であり、RおよびRの各々が水素原子であり、Rはメチル基であり、そしてn=0であるとき、形成する:
【0146】
【化14】

【0147】
アミノ酸のアミノ末端を保護するために使用する、最も好ましい保護基であるメチル−6−ニトロベラトリルオキシカルボニル(MeNVOC)は、例えば、RおよびR0)各々がメトキシ基であり、RおよびRの各々が水素原子であり、Rがメチル基であり、そしてn=1であるとき、形成する:
【0148】
【化15】

【0149】
アミノ酸のカルボキシル末端またはヌクレオチドのヒドロキシル基を保護するために使用する、他の最も好ましい保護基であるメチル−6−ニトロピペロニル(MeNP)は、RおよびRが一緒になってメチレンアセタールを形成し、RおよびRの各々が水素原子であり、Rがメチル基であり、そしてn=0であるとき、形成する:
【0150】
【化16】

【0151】
アミノ酸のアミノ末端を保護するか、あるいはヌクレオシドの5’ヒドロキシルを保護するために使用する、他の最も好ましい保護基であるメチル−6−ニトロピペロニルオキシカルボニル(MeNPOC)は、例えば、RおよびRが一緒になってメチレンアセタールを形成し、RおよびRの各々が水素原子であり、Rがメチル基であり、そしてn=1であるとき、形成する:
【0152】
【化17】

【0153】
アミノ末端上に光活性化可能な保護基、例えば、NVOCまたはNPOVCまたはそれらの対応するメチル誘導体、それぞれ、MeNVOCまたはMeNPOCVを有する保護されたアミノ酸は、アミノ酸のアミンを保護基の活性化されたオキシカルボニルエステルでアシル化することによって形成される。NVOCおよびMeNVOCの活性化されたオキシカルボニルエステルの例は、次の一般式を有する:
【0154】
【化18】

【0155】
式中Xはハロゲン、混合された無水物、フェノキシ、p−ニトロフェノキシ、N−ヒドロキシスクシンイミドなどである。
【0156】
アミノ酸のカルボキシ末端またはヌクレオチドの5’−ヒドロキシル末端上に光活性化可能な保護基、例えば、NVまたはNPまたはそれらの対応するメチル誘導体、結果MeNVまたはMeNPを有する保護されたアミノ酸またはヌクレオチドは、カルボキシ末端または5’−〇Hを保護基の活性化されたベンジル誘導体でアシル化することによって形成される。MeNVまたはMeNPの活性化された誘導体の例は、次の一般式を有する:
【0157】
【化19】

【0158】
式中Xはハロゲン、ヒドロキシル、トシル、メシル・トリフルオロメチル、ジアゾ、アジドなどである。
【0159】
保護されたモノマーを発生させる他の方法は、保護基のベンジルアルコール誘導体をモノマーの活性化エステルと反応させることである。例えば、アミノ酸のアミノ末端を保護するために、アミノ酸の活性化エステルを保護基のアルコール誘導体、例えば、6−ニトロベラトロ一ル(NVOH)と反応させる.このような使用に適当な活性化エステルの例は、ハロ−ホルメート、混合無水物、イミダゾイルホルメート、アシルハライドを包含し、そしてまた活性化エステルのその場の形成および普通の試薬、例えば、DCCなどの使用を包含する。活性化エステルの他の例については、Athertonらを参照のこと。
【0160】
保護されたモノマーを発生する他の方法は、保護基のベンジルアルコール誘導体をモノマーの活性化された炭素と反応させることである。例えば、核酸の5’−ヒドロキシルを保護するために、5’−活性化炭素を有する誘導体を保護基のアルコール誘導体、例えばメチル−6−ニトロピペロノール(MePyROH)と反応させる。5’−ヒドロキシル基に結合した活性化基を有するヌクレオチドの例は、次の一般式を有する:
【0161】
【化20】

【0162】
式中Yはハロゲン原子、トシル、メシル、トリフルオロメチル、アジド、またはジアゾ基などである。
【0163】
好ましい光化学的保護基の他のクラスは、次の式を有する:
【0164】
【化21】

【0165】
式中、R,RおよびRは独立に水素原子、低級アルキル、アリール、ベンジル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、チオール、チオエーテル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、ホルメート、ホルムアミド、スルファネート、スルフィドまたはホスフィド基であり、RおよびRは独立に水素原子、アルコキシ、アルキル、ハロ、アリール、またはアルケニル基であり、そしてn=0または1。
【0166】
アミノ酸のアミノ末端を保護するために使用する、好ましい保護基である1一ピレニルメチルオキシカルボニル(PyRPC)は、例えば、R〜Rの各々が水素原子であり、そしてn=1であるとき形成する:
【0167】
【化22】

【0168】
アミノ酸のカルボキシ末端またはヌクレオチドのヒドロキシル基を保護するために使用する、他の好ましい保護基である1−ピレニルメチル(PyR)は、例えば、R〜Rの各々が水素原子であり、そしてn=0であるとき形成する:
【0169】
【化23】

【0170】
そのアミノ末端上にピレニルメチルオキシカルボニル保護基を有するアミノ酸は、アミノ酸の遊離アミンをピレニル保護基の活性化オキシカルボニルエステルでアシル化することによって形成される。PyROCの活性化オキシカルボニルエステルの例は、次の一般式を有する:
【0171】
【化24】

【0172】
式中Xはハロゲンまたは混合無水物、p−ニトロフェノキシまたはN−ヒドロキシスクシンイミド基などである。
【0173】
それぞれ、アミノ酸のカルボキシ末端または核酸の5’−ヒドロキシ末端上に光活性化可能な保護基、例えば、PyRを有する保護されたアミノ酸またはヌクレオチドは、カルボキシ末端または5’−〇Hを保護基の活性化ピレニルメチル誘導体でアシル化することによって形成される。PyROCの活性化ピレニルメチル誘導体の例は、次の一般式を有する:
【0174】
【化25】

【0175】
式中Xはハロゲン原子、ヒドロキシル、ジアゾ、またはアジド基などである。
【0176】
保護されたモノマーを発生する他の方法は、保護基のピレニルメチルアルコール部分をモノマーの活性化エステルと反応させることである。例えば、アミノ酸の活性化エステルは、保護基のアルコール誘導体、例えば、ピレニルメチルアルコール(PyROH)と反応させて、アミノ酸のカルボキシ末端の保護された誘導体を形成することができる。活性化エステルの例は、ハロ−ホルメート、混合無水物、イミダゾイルホルメート、アシルハライドを包含し、そしてまた活性化エステルのその場の形成および普通の試薬、例えば、DCCなどの使用を包含する。
【0177】
明らかなように、多数の光感受性保護基は本発明において適当である。
【0178】
好ましい態様において、支持体を照射して光不安定性保護基を除去し、そして遊離の反応性部分および保護基から生ずる副生物を有する領域をつくる。保護基の除去速度は、入射放射線の波長および強度、ならびに保護基それ自体の物理的および化学的性質に依存する。好ましい保護基は、より速い速度でかつより低い強度の放射線で除去される。例えば、所定の組の条件において、MeNVOCおよびMeNPOCは、それらの非置換の親化合物、結果NVOCおよびNPOCより速く、ペプチド鎖のN末端から光分解的に除去される。
【0179】
保護基の除去は、照射により反応性基および保護基から誘導された分解生成物を分離することによって達成される。理論により拘束されたくないが、NVOCおよびMeNVOCで保護されたオリゴマーの照射は次の反応スキームにより起こると信じられる:
NVOC−AA→3,4−ジメトキシ−6−ニトロソベンズアルデヒド+CO+AA
MeNVOC−AA→3,4−ジメトキシ−6−ニトロソアセトフェノン+CO+AAここでAAはアミノ酸オリゴマーのN末端を表す。
【0180】
保護されないアミノ酸と一緒に、他の生成物は溶液の中に遊離する:二酸化炭素および2,3−ジメトキシ−6−ニトロソフェニルカルボニル化合物、これはオリゴマーの親核部分と反応して不必要な二次反応を形成する。NVOC保護されたアミノ酸の場合において、分解生成物はニトロソベンズアルデヒドであるが、他方の分解生成物はニトロソフェニルケトンである。例えば、NVOCからの生成物のアルデヒドは遊離アミンと反応してシッフ塩基(イミン)を形成し、これは残りのポリマーの合成に影響を与える。好ましい光除去可能な保護基の支持体上のオリゴマーをゆっくりまたは逆に反応する。
【0181】
再び理論により拘束されたくないが、MeNVOC保護されたオリゴマーの照射からの生成物であるケトンは、同一のNVOC保護されたオリゴマーの生成物であるアルデヒドよりゆっくりした速度で、オリゴマー上の親核成分と反応すると信じられる。明瞭には決定されないが、この反応速度の差は、立体的および電子的効果のための親核物質に向かうアルデヒドとケトンとの間の全体の反応性の差のためである。本発明の光除去可能な保護基は容易に除去される。例えば、異なる光除去可能な保護基を有する溶液中のN−保護されたL−フェエルアラニンの光分解を分析し、そして結果を下表に表す:
【0182】
〔表〕

【0183】
半減期t1/2は、出発量の保護基の50%を除去するために要求される時間(秒)である。NBOCは6一ニトロベンジルオキシカルボニル基であり、NVOCは6−ニトロベラトリルオキシカルボニル基であり、MeNVOCはメチル−6−ニトロベラトリルオキシカルボニル基であり、そしてMeNPOCはメチル−6−ニトロピペロニルオキシカルボニル基である。光分解は示した溶媒の中で10mW/cmの強度を有する362/364nmの波長の照射を使用して実施し、そして各保護されたフェニルアラニンの濃度は0.10mMであった。
【0184】
この表が示すように、NVOC,MeNVOCおよびMeNPOCで保護されたフェニルアラニンの脱保護はNBOCの脱保護より速く進行した。さらに、ベンジル炭素上で置換された2つの誘導体であるMeNVOCおよびMeNPOCは、ジオキサンおよび酸性化されたジオキサンの両者の中で最高速度で光分解された。
【0185】
1.ペプチドの固相合成の間の光除去可能な基の使用
固相支持体上のペプチドの形成は、支持体に結合した成長する鎖にアミノ酸を段階的に取り付けることを必要とする。反応条件下のモノマーのアミノ酸の不都合な重合を防止するために、アミノ酸のアミノ末端の保護を必要とする。モノマーをペプチドの末端にカップリングさせた後、N末端の保護基を除去し、そして他のアミノ酸をこの鎖にカップリングさせた。カップリングおよび脱保護のこのサイクルはペプチド配列の中の各アミノ酸について続けられる。参照、Merrifield,J.Am.Chem.Soc.(1963)85:2149、およびAthertonら、「固相ペプチド合成(Solid Phase Peptide Synthesis)」、1989,IRL Press,ロンドン、それらの両者をすべての目的のためにここに引用によって加える。前述したように、光除去可能な保護基の使用は、固相合成の脱保護サイクルの聞に、パターン化された照射により、支持体表面の選択した部分の除去を可能とする。これは合成の窒間的コントロールを選択的に可能とする−一次のアミノ酸を照射された区域にのみカップリングされる。
【0186】
1つの態様において、本発明の光除去可能な保護基はアミノ末端におけるアミノ酸の活性化エステルに取り付けられる:
【0187】
【化26】

【0188】
式中Rは天然または天然以外のアミノ酸の側鎖であり、Xは光除去可能な保護基であり、そしてYは活性カルボン酸誘導体である。光除去可能な保護基であるXは、好ましくは前述したようにNVOC,NPOC,PyROC,MeNVOC,MeNPOCなどである。活性化エステルであるYは、好ましくは高いカップリング効率を有する反応性誘導体、例えば、アシルハライド、混合無水物、N一ヒドロキシスクシンイミドエステル、パーフルオロフェニルエステル、またはウレタン保護された酸などである。他の活性化エステルおよび反応条件はよく知られている(参照、Athertonら)。
【0189】
2.オリゴヌクレオチドの.固相合成の間の光除去可能な基の使用
固相支持体上のヌクレオチドの形成は、支持体に結合した成長するオリゴマーへのヌクレオチドの段階的取り付けを必要とする。反応条件下のモノマーのヌクレオチドの不都合な重合を防止するために、ヌクレオチドの5’−ヒドロキシル基の保護を必要とする。モノマーをオリゴマーの末端にカップリングした後、5’−ヒドロキシル保護基を除去し、そして他のヌクレオチドをこの鎖にカップリングする。カップリングおよび脱保護のこのサイクルはオリゴマー配列の中の各ヌクレオチドについて統ける。参照、Gait,「オリゴヌクレオチドの合成:実際のアプローチ(Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach)」、1984,IRL Press,ロンドン、これをすべての目的のためにここに引用によって加える。前述したように、光除去可能な保護基の使用は、固相合成の脱保護サイクルの間に、支持体表面の選択した部分の、パターン化された照射により、除去を可能とする。これは選択的に合成の空間的コントロールを可能とする−一次のヌクレオチドは照射された区域にのみカップリングされる。
【0190】
ヌクレオチドの合成は、一般に、ヌクレオチドの3’−ヒドロキシル基上の活性化されたリン誘導体を固体の支持体に結合したオリゴマーの5’−ヒドロキシル基にカップリングすることを包含する。このカップリングを実施する2つの主要な化学的方法が存在する:ホスフェート−トリエステル法およびホスホルアミダイト法(参照、Gait)。本発明の保護基はいずれの方法における使用にも適する。
【0191】
好ましい態様において、光除去可能な保護基を5’−ヒドロキシル基上の活性化されたヌクレオチドに取り付ける;
【0192】
【化27】

【0193】
式中Bは糖環に結合した塩基であり;Rは糖がデオキシリボースであるとき水素原子であるか、あるいはRは糖がリボースであるときヒドロキシルであり;Pは活性化されたリンの基であり;そしてXは光除去可能な保護基である。光除去可能な保護基であるXは前述したように好ましくはNV,NP,PyR,MeNV,MeNP,NVOC,NPOC,PyROC,MeNVOC,MeNPOCなどである。活性化されたリンの基であるPは、好ましくは高いカップリング効率を有する反応性誘導体、例えば、ホスフェート−トリエステル、ホスホルアミダイトなどである。他の活性化リン誘導体、ならびに反応条件はよく知られている(参照、Gait)。
【0194】
E.光除去可能な基で保護されたアミノ酸N−カルボキシ無水物
Merrifieldのペプチド合成の間に、アミノ酸の活性化エステルを支持体に結合したオリゴマーの遊離アミノ末端とカップリングさせる。固相合成に適当なアミノ酸の活性化エステルは、ハロ−ホルメート、混合無水物、イミダゾイルホルメート、アシル化ハライドを包含し、そしてまた活性化エステルの’その場の形成および普通の試薬、例えば、DCCなどの使用を包含する(参照、Athertonら)。好ましい保護されかつ活性化されたアミノ酸は、次の一般式を有する:
【0195】
【化28】

【0196】
式中Rはアミノ酸の側鎖であり、そしてXは光除去可能な保護基である。この化合物はアミンに結合した光除去可能な保護基を有するウレタン保護アミノ酸である。より好ましい活性化アミノ酸は、光除去可能な保護基が次の一般式を有するとき形成する:
【0197】
【化29】

【0198】
式中R,R,RおよびRは独立に水素原子、低級アルキル、アリール、ベンジル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、チオール、チオエーテル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、ホルメート、ホルムアミドまたはホスフィド基であるか、あるいは隣接する置換基(すなわち、R−R,R−R,R−R)は一緒になって環状アセタールまたはケタールを形成し;そしてRは水素原子、アルコキシル、アルキル、ハロ、アリール、またはアルケニル基である。
【0199】
好ましい活性化アミノ酸は、光除去可能な保護基が6−ニトロベラトリルオキシカルボニルであるとき、形成する。すなわち、RおよびRの各々は水素原子であり、そしてRおよびRの各々はメトキシ基であり、そしてRは水素原子である。他の好ましい活性化アミノ酸は、光除去可能な基が6−ニトロピペロニルであるとき、形成する;すなわち、RおよびRの各々は水素原子であり、RおよびRは一緒になってメチレンアセタールを形成し、そしてRは水素原子である。他の保護基は可能である。他の活性化アミノ酸は、光除去可能な基がメチル−6−ニトロベラトリルまたはメチル−6−ニトロピペロニルであるとき、形成する。
【0200】
他の好ましい活性化アミノ酸は、光除去可能な保護基が次の一般式を有するとき、形成する:
【0201】
【化30】

【0202】
式中R,RおよびRは独立に水素原子、低級アルキル、アリール、ベンジル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、チオール、チオエーテル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、ホルメート、ホルムアミド、スルファネート、スルフィドまたはホスフィド基であり、そしてRおよびRは独立に水素原子、アルコキシ、アルキル、ハロ、アリールまたはアルケニル基である。生ずる化合物はアミンに結合したプレニルメチルオキシカルボニル保護基を有するウレタン保護されたアミノ酸である。より好ましい態様は、R〜Rの各々が水素原子であるとき、形成される。
【0203】
本発明の光除去可能な保護基を有するウレタン保護されたアミノ酸は、N−保護アミノ酸をアシル化剤、例えば、アシル化ハライド、無水物、クロロホルメートなどと縮合することによって調製される(参照、Fullerら、米国特許第4,946,942号およびFullerら、J.Am.Chem.Soc.(1990)112:7414−7416、両者をすべての目的のためにここに引用によって加える)。
【0204】
光除去可能な保護基を有するウレタン保護されたアミノ酸は、一般に、固相ペプチド合成の間の試薬として有用でありそして、光除去可能な保護基を使用して空間的選択性が可能であるために、空間的にアドレスするペプチド合成のためにことに有用である。これらのアミノ酸は2官能性である:ウレタン基はまず表面に結合したアミンとの反応のためにカルボキシ末端を活性化し、そして、いったんペプチド結合が形成すると、光除去可能な保護基はここで形成したアミノ末端をそれ以上の反応から防止する。これらのアミノ酸は、また、親核物質、例えば、固体の支持体の表面上の脱保護されたアミンに対して高度に反応性であり、そしてこの高い反応性のために、固相のペプチドのカップリング時間は有意に減少し、そして収率は典型的にはより高い。
【0205】
IV.データ収集
A.データ収集システム
前述したように調製された支持体を1つの態様において使用して、支持体上の複数の配列のどれが問題のレセプターに結合するかを決定する。第10図は、蛍光性マスクを含有する支持体の領域を検出するために使用する装置の1つの態様を例示する。この装置は、例えば、蛍光標識したレセプター、例えば、支持体上の合成されたポリマーに結合している抗体の存在または不存在を検出するために使用されるであろう。
【0206】
光は光源1002、例えば、当業者によく知られている型のレーザー光源、例えば、スペクトラ・フィジカ(Spectra Physica)製の型 No.2025から支持体に向けられる。光源からの光はレンズ1004で向けられ、このレンズは好ましくは当業者によく知られている型の円筒形レンズである。レンズ1004から生ずる出力は光のスポットするよりむしろ直線のビームである。こうして、データは絵素×絵素の基準するよりむしろ絵素の線状の配列に沿って実質的に同時に検出することができる。理解されるように、ここにおいて表面上に直線のビームを発生する1つの技術の例示として円筒形レンズを使用するが、他の技術をまた利用することができる。
【0207】
円筒形レンズからのビームを二色性ミラーまたはプリズム通過させ、そして適当に調製された支持体1008の表面に向ける。支持体1008をx−y並進ステージ1009、例えば、ニューポート製の型 No.PM500−8上に配置する。支持体上のある位置は蛍光を発し、そして蛍光はダッシュ線により示された通路に沿って二色性ミラーを通して伝送しもどされ、そして線状の検出器上の適当なレンズ1010、例えば、f/1.4のカメラのレンズで可変fストップ収束レンズ1014を経て収束される。直線の光のビームの使用により、支持体上の個々の点からよりむしろ、支持体に沿って絵素の線(例えば、約1cm)にわたってデータを発生させることができるようになる。別の態様において、光は支持体の2次元の区域に向けられ、そして蛍光は2次元のCCDの配列により検出される。線状の検出は、実質的により高い電力密度が得られるので、好ましい。
【0208】
検出器1012は支持体から放射される蛍光量を位置の関数として検出する。1つの態様によれば、検出器は当業者に普通に知られている型の線状のCCDの配列である。x−y並進ステージ、光源および検出器1012のすべてはコンピューター1016、例えば、装置およびCCDの配列からのデータ収集をコントロールするIBM PC−ATまたは同等のコンピューターに操作的に接続されている。
【0209】
操作において、支持体を並進ステージにより適当に位置決定する。次いで光源を照明し、そして蛍光強度のデータを検出器を介してコンピューターで集める。
【0210】
別の態様において、支持体およびx−y並進テーブルを1または2以上の対物レンズを含む顕微鏡の下に配置する。レーザー(これにある態様において型 No.2020−05のアルゴンイオンのレーザー、Spectraphysics製)からの光(約488nm)を二色性ミラーにより支持体に向け、この二色性ミラーは約520nmより大きい光を通過させるが、488nmの光を反射する。二色性ミラーは、例えば、カール・ツァイス(Carl Zeiss)製の型 No.FT510であることができる。鎖から反射した光は顕微鏡に入り、この顕微鏡は、例えば、カール・ツァイス(Carl Zeiss)製の型 No.Axioscop20であることができる。支持体上の蛍光でマークされた物質は>488nmの光の蛍光を発し、そしてこの蛍光した光は顕微鏡により集められ、そして鏡を通過する。次いで支持体からの蛍光は波長フィルターに向けられ、その後、開ロプレートを通過する。波長フィルターは、例えば、メレス・グリオット(Melles Griot)製の型 No.0G530であることができ、そして開ロプレートは、カール・ツァイス(Carl Zeiss)製の型 No.477352/477380であることができる。
【0211】
次いで蛍光した光は光電子増倍管に入り、この光電子増倍管はある態様においてハママツ(Hamamatsu)製の型 No.R943−02であり、信号は前置増幅器において増幅され、そしてフォトンはフォトンカウンターにより計数される。フォトンの数をコンピューターにおいて位置の関数として記録される。前置増幅器は、例えば、スタンフォード・リサーチ・システム(Stanford Research Systems)製の型 No.SR440であることができ、そしてフォトンカウンターはスタンフォード・リサーチ・システム(Stanford Research Systems)製の型No.SR440であることができる。次いで支持体を引き続く位置に動かし、そしてこのプロセスを反復する。好ましい態様において、データを1〜100μm毎に獲得し、ここで約0.8〜10μmのデータ収集直径が好ましい。十分に高い蛍光を使用する態様において、広い場の照明をもつCCD検出器を利用する。
【0212】
第11図は、データ収集システムの構成をより詳細に例示する。このシステムの操作はフォトン計数プログラム1102の指示のもとに実施される。ユーザーは走査の次元、ある領域の絵素または点の数、および計数プログラムに対する走査速度をインプットする。GP1Bバス1104を介して、プログラム(例えば、IBHPCコンパーチブルコンピユーター)はマルチチャンネルのスケーラー1106、例えば、スタンフォード・リサーチのSR430およびx−y並進ステージのコントローラー1108、例えば、ニューポートPM500とインターフェースする。蛍光を発生する支持体からの光からの信号は光電子増倍管1110に入り、スケーラー1106の出力を与える。所定の領域における計数の数を示すデータはスケーラーから出力される。選択した区域を走査した後、ステージコントローラーは加速および速度のために命令で活性化され、これは引き続いて走査ステージ1112、例えば、ニューポートPM500−Aを他の領域に推進する。
【0213】
データは画像データのファイル1114において収集され、そしてスケーリングプログラム1116においてプロセシングされる。スケールされた画像は、例えば、VGAディスプレー1118上の表示のために出力される。画像は絵素/クリップの百分率および表すべき絵素レベルの最小および最大の入力に基づいてスケールされる。このシステムは使用のために生データにおける最小および最大の絵素レベルを出力する。
【0214】
B.データの分析
データ収集システムからの出力は、蛍光強度/支持体上の位置を示すデータの配列である。データは、典型的には、所定のポリマーの合成が起こった区域より実質的に小さい領域にわたって採取される。単に例として、ポリマーが500ミクロン×500ミクロンの寸法を有する支持体上の正方形で合成された場合、データは5ミクロン×5ミクロンの寸法を有する領域にわたって採取することができる。最も好ましい態様において、支持体を横切って蛍光のデータを取る領域は、個々のポリマーが合成される領域の区域の約1/2より小さく、妊ましくは単一のポリマーが合成される領域の区域の約1/10より小さく、最も好ましくは単一のポリマーが合成される領域の区域の約1/100より小さい。それゆえ、所定のポリマーが合成された任意の区域内で、多数の蛍光のデータ点が集められる。
【0215】
セルが、例えば、標識した抗体に暴露されたとき、セルの走査のための絵素の数/蛍光強度のプロットは、典型的には、ベル状の曲線の形態を取るが、もっともらしいデータは、とくにより高い強度において、観察される.相対的結合親和性を決定するとき所定の合成領域にわたって蛍光強度の平均を使用することが望ましいので、これらのもっともらしいデータは望ましくないようにデータをゆがめる傾向がある。
【0216】
したがって、本発明の1つ態様において、データをこれらのもっともらしいデータ点を除去するために補正し、その後データ点の平均は相対的結合の効率の決定において利用する。
【0217】
第12図は、1組の蛍光のデータ、例えば、親和性のスクリーニングの研究において使用するデータからのもっともらしいデータの除去のためのシステムの1つの態様を例示する。ユーザーまたはシステムは、工程1302におけるチップの位置およびセルのコーナーに関するデータを入力する。この情報および画像のファイルから、このシステムは工程1304におけるヒストグラムのコンピューターの表示をつくり、このヒストグラム(少なくともコンピューターのファイルの形態)はデータの絵素の数/強度をプロットする。
【0218】
各セルについて、次いで主要なデータ分析ループを実施する。各セルについて、工程1306において、このシステムは変化するレベル付近に集中したバンド幅について、合計の蛍光強度または絵素の数を計算する。例えば、プロットにおいて工程1306の右に示すように、こシステムは幅wのバンド内の絵素の数を計算する。このシステムはこのバンド幅をより高い中心の強度に「動かし」、そして再びこのバンド幅において絵素の数を計算する。このプロセスを強度の全体の範囲が走査されてしまうまで反復し、そして工程1308において、このシステムはどのバンドが最高の合計の数の絵素を有するかを決定する。このバンド幅内のデータはそれ以上の分析のために使用される。このバンド幅を合理的に小さいように選択すると仮定すると、この手順はより高い強度のレベルに位置するもっともらしいデータを排除する効果を有する。次いでこのシステムは、すべてのセルが評価された場合、工程1310において反復されるか、あるいは次のセルについて反復される。
【0219】
工程1312において、次いでこのシステムは選択したセルの各々についてバンド幅内のデータを積分し、工程1314において合成手順のファイルを使用してデータを分類し、そしてユーザーに対して、例えば、ビデオのディスプレーまたはプリンター上にデータを表示する。
【0220】
V.代表的な応用
A.オリゴヌクレオチドの合成
光統制された空間的にアドレス可能な平行の化学的合成の一般性を、核酸の合成への応用により証明する。
【0221】
1.実施例
チミジン−シチジンの2量体の光活性化された形成を実施した。ジヌクレオチドの光統制された合成により発生された7つの正方形×4つの正方形のチェッカー盤状のパターンを示す蛍光の走査の3次元の表示を生成した。5’−ニトロベラトリルチミジンを合成支持体に3’ヒドロキシ基を通して取り付けた。ニトロベラトリル保護基を500μmのチェッカー盤状のマスクを通す照明により除去した。次いで、支持体をホスホルアミダイト活性化2’−デオキシシチジンで処理した。反応を蛍光測定的に追跡するために、デオキシシチジンはエキソサイクリックアミンに取り付けられたFMOC保護されたアミノヒドロキシルリンカーで修飾されていた(5’−〇−ジメトキシトリチル−4−N−(6−N−フルオレニルメチルカルバモイル−ヒドロキシルカルボキシ)−2’−デオキシシチジン)。FMOC保護基を塩基で除去した後、支持体をDMF中の1mMのFITCで1時間の間処理することによって、ジヌクレオチドを含有する領域を蛍光標識した。
【0222】
輝いた上昇した絵素の交互する正方形を示す蛍光強度のデータの3次元の表示は、支持体の光分解の間に使用したチェッカー盤状の照明のパターンを再現する。この結果が示すように、オリゴヌクレオチドならびにペプチドは光統制された方法により合成することができる。
【0223】
他の実施例において、チミジン−シチジン−シチジンの光活性化された形成を第13図に示すように実施した。ここで、前の実施例におけるように、5’−ニトロベラトリルチミジンを支持体にホスホルアミダイト化学を経て[ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルシロキサン]を含有する表面に取り付けた。次いでスライドをジオキサンの存在下に10分間均一に照明した(362nm、約14mW/m)。乾燥後、次いで表面をN,4一ジメトキシトリチル−5’−ニトロベラトリル−2’−デオキシシチジン−3’−〇−(2−シアノエチル)ーN,N−ジイソプロピルホスホルアミダイトでテトラゾールの存在下に処理した(標準のホスホルアミダイトのカップリング化学)。酸化および乾燥後、プレートを再び前述のように照明したが、ただし500μmのチェッカー盤状のマスクを光源とスライドとの間に配置した。次いで表面を5’−O−(4,4’一ジメトキシ)−N−4−(6−(ビオチノイル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ)ヘキサノイル、アミノヘキシル)−5−メチル−2’−デオキシシチジン−3’−〇−(シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイトおよびテトラゾールに暴露した。酸化および乾燥後、トリヌクレオチドを含有する区域はFITC標識したストレプトアビジンで処理することによって蛍光標識した。蛍光強度のデータの生ずる表示は、光分解の間に使用した500μmおよびチェッカー盤状の照明のパターンに相当する交互する輝いた正方形および暗い正方形を示した。
【0224】
VI.結論
ここにおける本発明は、多数の化合物を同時に合成する新規なアプローチを提供する。この方法は、固相のフォーマットでカップリングすることができる化学的構成ブロックを有するとき、および光を使用して反応性基を発生させることができるとき、いつでも応用することができる。
【0225】
上の記載は例示でありそして限定的ではない。本発明の多数の変化は当業者にとってこの開示を見ると明らかであろう。単に例として、本発明をペプチドおよびヌクレオチドの合成に主として関して例示したが、本発明はそのように限定されない。したがって、本発明の範囲は上の記載を参照せず、その代わりに添付する請求の範囲ならびにそれらの同等の態様の完全な範囲を参照して決定されるべきである。
(2)配列番号1についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号1:
Tyr Gly Gly Phe Leu
1 5
(2)配列番号2についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(il)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号2:
Pro Gly Gly Phe Leu
1 5
(2)配列番号3についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号3:
Tyr Gly Ala Gly Phe
1 5
(2)配列番号4についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号4:
Tyr Gly Ala Phe Leu Ser
1 5
(2)配列番号5についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号5:
Tyr Gly Ala Phe Ser
1 5
(2)配列番号6についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号6:
Tyr Gly Ala Phe Leu
1 5
(2)配列番号7についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号7:
Tyr Gly Gly Phe Leu Ser
1 5
(2)配列番号8についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:4個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号8:
Tyr Gly Ala Phe

(2)配列番号9についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号9:
Tyr Gly Ala Leu Ser
1 5
(2)配列番号10についての情報;
(i)配列特徴
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号10:
Tyr Gly Gly Phe Ser
1 5
(2)配列番号11についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:4個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号11:
Tyr Gly Ala Leu

(2)配列番号12についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号12:
Tyr Gly Ala Phe Leu Phe
1 5
(2)配列番号13についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号13;
Tyr Gly Ala Phe Phe
1 5
(2)配列番号14についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(il)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号14:
Tyr Gly Gly Leu Ser
1 5
(2)配列番号15についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号15:
Tyr Gly Gly Phe Leu
1 5
(2)配列番号16についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号16:
Tyr Gly Ala Phe Ser Phe
1 5
(2)配列番号17についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列=配列番号17:
Tyr Gly Ala Phe Leu Ser Phe
1 5
(2)配列番号18についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ;6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数::一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号18:
Tyr Gly Ala Phe Met Gln
1 5
(2)配列番号19についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号19:
Tyr Gly Ala Phe Met
1 5
(2)配列番号20についての情報:
(i)配列特致
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号20:
Tyr Gly Ala Phe Gln
1 5
(2)配列番号21についての情報:
(i)配列特徴
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号21:
Tyr Gly Gly Phe Met
1 5
【図面の簡単な説明】
【0226】
【図1】第1図は、光統制された空間的にアドレ:ス可能な平行の化学的合成を概略的に示す。
【図2】第2図は、光統制されたペプチドの合成の1つの実施例を概略的に示す。
【図3】第3図は、多様なポリマーの配列を合成する自動化されたシステムのためのソフトウェアを概略的に示す。
【図4】第4a図および第4b図はポリマーの合成のためのプログラムの操作を示す。
【図5−1】第5図は、「純粋な」バイナリーマスキング法を概略的に示す。
【図5−2】第5図は、「純粋な」バイナリーマスキング法を概略的に示す。
【図6−1】第6図は、グレイコードのバイナリーマスキング法を概略的に示す。
【図6−2】第6図は、グレイコードのバイナリーマスキング法を概略的に示す。
【図7−1】第7図は、変更されたグレイコードのバイナリーマスキング法を概略的に示す。
【図7−2】第7図は、変更されたグレイコードのバイナリーマスキング法を概略的に示す。
【図8】第8a図は、4工程の合成のためのマスキング法を概略的に示す。第8b図は、すべての400のペプチドの2量体の合成を概略的に示す。
【図9】第9図は、10工程のバイナリー合成のための座標地図である。
【図10】第10図は、データ収集システムを概略的に示す。
【図11】第11図は、データ収集システムの構成を示すブロック線図である。
【図12】第12図は、データ収集/分析システムのためのソフトウェアの操作を示すフローチャートである。
【図13】第13図は、光統制されたオリゴヌクレオチドの合成の1つの実施例を概略的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上で、ポリマーの配列を複数合成するための反応器システムであって:
a)前記支持体に反応流体を接触するための反応器;
b)前記反応器に選択された反応流体を送るためのシステム;
c)少なくとも第1相対位置から第2相対位置に対してマスク又は支持体を移
動するための並進ステージ;
d)マスクを通して前記支持体を選択された時間で照射するための光;
e)前記反応器システムからの流体の流れを選択的に方向付けし、前記並進段
階を選択的に活性化し、そして前記支持体上で複数の多様なポリマー配列を予定された位置で形成するために前記支持体を選択的に照射するための適切にプログラムされたディジタル型コンピューターを含んで成る反応器システム。
【請求項2】
前記システムは、ポリマーの配列の初期スクリーニングのために使用される、前記支持体に、反応流体において複数のモノマーを供給するように適合される、請求項1に記載の反応器システム。
【請求項3】
結合親和性研究への使用のために複数のリンカーポリマーを基板上でスクリーニングするための方法であって:
a)選択された領域における支持体上に複数のリンカーポリマーを形成し、ここで前記リンカーポリマーが:
i)支持体の表面上で、保護基を除去するために前記選択された領域の一部を照射し;そして
ii)前記表面とモノマーとを接触せしめる再帰的段階により形成され;
b)前記複数のリンカーポリマーとリガンドとを接触せしめ;そして
c)前記リガンドとラベルされたレセプターとを接触せしめる段階を含んで成る方法。
【請求項4】
前記リガンドがポリペプチドである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記レセプターが抗体である請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記段階ii)で添加されるモノマーが前記再帰的段階の個々において同じであり、前記選択された領域が異なった長さのリンカー分子を含んで成る請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記ラベルされたレセプターがフルオレセイン化されたレセプターである請求項3に記載の方法。
【請求項8】
下記式で表わされる化合物:
【化1A】



[式中、n=0又は1であり;Yは、天然又は非天然のアミノ酸のカルボキシル基の酸素原子、天然又は非天然のアミノ酸のアミノ基、又は天然又は非天然のデオキシリボ核酸およびリボ核酸のC−5’酸素基から成る群から選択され;R、R、およびRは、独立して、水素原子、低級アルキル、アリール、ベンジル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、チオール、チオエーテル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、ホルメート、ホルムアミド、スルフィド、又はホスフィド基であり;RおよびRは、独立して、アルコキシ、アルキル、水素、ハロ、アリール又はアルケニル基である]。
【請求項9】
前記R〜Rがそれぞれ水素原子である請求項第8に記載の化合物。
【請求項10】
前記R及びRがそれぞれ水素原子である請求項第8に記載の化合物。
【請求項11】
前記R及びRがそれぞれメチル基である請求項第8に記載の化合物。
【請求項12】
下記式を有する化合物:
【化2A】


[式中、Rは、天然または非天然のアミノ酸の側鎖であり、そして、Xは、光除去可能な保護基である]。
【請求項13】
前記Xが下記式:
【化3A】


[式中、R,R,R及びRは独立して、水素原子、低級アルキル、アリール、ベンジル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、チオール、チオエーテル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、ホルメート、ホルムアミド又はホスフィド基であり、又は隣接する置換基は環状アセタール又はケタールを一緒に形成する置換された酸素基であり;そしてRは水素原子、アルコキシル、アルキル、ハロ、アリール、又はアルケニル基である]を有する、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
前記R及びRがそれぞれ水素原子であり、そしてR及びRがそれぞれメトキシ基である請求項第13に記載の化合物。
【請求項15】
前記Rがメチル基である請求項第14に記載の化合物。
【請求項16】
前記R及びRが環状アセタールを一緒に形成する置換された酸素基である請求項第13に記載の化合物。
【請求項17】
前記R及びRがそれぞれ水素原子である請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
前記Rがメチル基である請求項17に記載の化合物。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図1】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−188495(P2006−188495A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−351375(P2005−351375)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【分割の表示】特願平4−503660の分割
【原出願日】平成3年11月20日(1991.11.20)
【出願人】(399125757)アフィメトリックス インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】