説明

非接触ラビリンスシールアセンブリおよびその構築方法

非接触ラビリンスシールアセンブリ、それを有する軸受アセンブリ、およびその構築方法は、外側剛性キャリアと、内側スリーブとを有する。キャリアは、外側円筒フランジと、径方向内向きに延びる脚部とを有し、スリーブは、円筒壁と、径方向外向きに延びるフランジとを有する。本体は、脚部およびフランジのうちの少なくとも一方に取付けられ、本体は、キャリアとスリーブとの間に延びる純粋に非接触のラビリンス通路を少なくとも部分的に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2007年11月20日に出願された米国仮出願連続番号第60/989,190号の利益を主張し、米国仮出願連続番号第60/989,190号は、全文が引用によって本明細書に援用される。
【0002】
発明の背景
1.技術分野
この発明は、一般にシールアセンブリに関し、より特定的には、ころ軸受のための非接触シールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
予め設定されたクリアランスおよび潤滑を有するシール非分離形軸受アセンブリのためのシールを提供することは公知である。予め設定され、潤滑された上で、これらの軸受はハウジング内において車軸ジャーナルに嵌めることができ、車軸とハウジングとの相対的な回転を可能にする。これらの軸受は、鉄道車両の車軸で広く用いられてきたが、たとえばクレーンの車輪、テーブルロールおよびせん断機、さらには圧延機のワークロールなどの他の用途でも用いられる。鉄道車両の用途で用いられる場合、軸受は、湿気、埃および破片などの高いレベルの汚染物質に晒される。軸受の耐用寿命を維持するためには、汚染物質は軸受のオイル側の外側に留まっている必要がある。したがって、これらの軸受におけるシールは、軸受の耐用寿命を長くするのに極めて重要な役割を果たすことになる。
【0004】
鉄道用軸受のためのシールは、軸受の外輪に取付けられるように構成された外側ケースと、シールケースに接着された弾性シール要素とを有することが知られている。シール要素は、一般に、軸受のオイル側に隣接した外側ケースから、軸受の内輪に隣接して位置する摩耗リングの軸方向に延びる面に支えられている第1のリップまで、径方向内向きに延びている。シール要素は、時には、摩耗リングの径方向に延びる脚部に支えられるように軸受の空気側に隣接して軸方向外向きに構成された第2のリップを含む。第1のリップと摩耗リングとの封止係合を維持する目的で、第1のリップを取囲んで第1のリップを摩耗リングにぴったりと押付けるためにガーターばねが通常用いられる。第2のリップは、一般に、シール要素を構築するエラストマー材料のバイアス下で摩耗リングと接触した状態で維持される。第1のリップはバイアスがかかって摩耗リングと係合するため、第1のリップは一般に、摩耗リングに沿って軸受内部から潤滑油が流出することに対する効果的な障壁を提供し、第2のリップは、潤滑を渇望し、過熱することが知られている。これによって、第2のリップは硬化する可能性があり、それによって、シールの全体的な有効性は減少する。さらに、第1および第2のシールリップが摩耗リングに対して発生させる摩擦は、ある程度の回転抵抗を与え、これは、シールに対して過度の摩耗を引起す傾向があり、さらに、克服するにはさらなるエネルギが必要であり、それによって、鉄道車両に動力を供給するエンジンの効率は減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
とりわけ本明細書に記載されるさまざまな実施例を構築することによって実現される経済的利益を含む本発明のシールは、上述の軸受とともに現在利用されているタイプの従来のシールよりも大幅に少ないトルクで動作する。さらに、本発明のシールは、汚染物質の進入を防ぐために、シールの空気側からシールのオイル側までの、概して連続的な幅のラビリンス通路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
この発明の一局面によれば、非接触ラビリンスシールアセンブリは、概して円筒形の外側フランジからアセンブリの中心軸に向かって径方向内向きに延びる脚部を有する、中心軸に対して軸方向に延びる外側フランジを有する外側剛性キャリアを有する。本体は、脚部に取付けられ、本体は、径方向外側のリップと径方向内側のリップとを有する。リップは、脚部からアセンブリの空気側に向かって軸方向に延びており、径方向外側のリップは、中心軸から外向きに分岐して、リップ同士の間に第1の環状チャネルを提供し、径方向外側のリップと脚部との間に第2の環状チャネルを提供する。第1の環状チャネルは、軸方向にアセンブリの空気側の方に向いており、第2の環状チャネルは、中心軸から径方向外向きに向いている。アセンブリはさらに、軸方向に延びる円筒壁と、当該壁から径方向外向きに延びる環状の第1のフランジとを有するスリーブを有する。第1のフランジは、軸方向に第1の環状チャネルに及ぶ環状突出部を有して、リップと環状突出部との間の蛇行した経路に沿って延びる非接触ラビリンス通路を提供する。
【0007】
この発明の別の局面によれば、鉄道用ころ軸受非接触ラビリンスシールアセンブリは、概して円筒形の外側フランジからアセンブリの中心軸に向かって径方向内向きに延びる脚部を有する、中心軸に対して軸方向に延びる外側フランジを有する外側剛性キャリアを含む。シール本体は、脚部に取付けられる。シール本体は、径方向外側のリップと径方向内側のリップとを有し、径方向外側のリップおよび径方向内側のリップは、脚部から軸方向に延び、アセンブリの空気側に向かって互いに分岐して、リップ同士の間に第1の環状チャネルを提供し、径方向外側のリップと脚部との間に第2の環状チャネルを提供する。アセンブリはさらに、円筒壁と、当該壁から径方向外向きに延びる環状の第1のフランジとを有するスリーブを含む。第1のフランジは、リップと非接触の関係で、軸方向にリップ間の第1の環状チャネルに及ぶ環状突出部を有して、リップと環状突出部との間に延びる非接触の概して□形状のラビリンス通路を提供する。
【0008】
この発明のさらに別の局面によれば、鉄道用ころ軸受非接触ラビリンスシールアセンブリを提供する。シールアセンブリは、概して円筒形の外側フランジからアセンブリの中心軸に向かって径方向内向きに延びる脚部を有する、中心軸に対して軸方向に延びる外側フランジを有する外側剛性キャリアを有する。さらに、アセンブリは、円筒壁から径方向外向きに延びる環状突出部を有する当該壁を有するスリーブを含む。さらに、アセンブリは、脚部または突出部のうちの一方に取付けられたシール本体を有し、シール本体は、シールアセンブリのオイル側とシールアセンブリの空気側との間の非接触ラビリンスシール通路を提供するために、脚部またはリップのうちの他方に向かって延び、脚部またはリップのうちの他方と非接触状態のままである。
【0009】
この発明のさらに別の局面によれば、純粋に非接触のラビリンスシールアセンブリを構築する方法を提供する。当該方法は、概して円筒形の外側フランジからアセンブリの中心軸に向かって径方向内向きに延びる脚部を有する、中心軸に対して軸方向に延びる外側フランジを有する外側剛性キャリアを形成するステップを含む。さらに、当該方法は、円筒壁から径方向外向きに延びる環状突出部を有する当該壁を有するスリーブを形成するステップを含む。次いで、当該方法は、脚部および突出部のうちの少なくとも一方にシール本体を取付け、シールアセンブリのオイル側とシールアセンブリの空気側との間に延びる非接触ラビリンスシール通路を提供するために、脚部および突出部のうちの他方に向かって延ばし、脚部および突出部のうちの他方と非接触状態のままにするステップを含む。
【0010】
本発明のこれらのならびに他の局面、特徴および利点は、現状の好ましい実施例および最良の形態の以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、ならびに添付の図面に関連して考慮すると、より容易に理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の1つの現状の好ましい実施例に従って構築された非接触ラビリンスシールアセンブリを有するシャフト・ころ軸受アセンブリの部分断面図である。
【図2】図1の非接触ラビリンスシールアセンブリの拡大断面図である。
【図3】この発明の別の現状の好ましい実施例に従って構築された非接触ラビリンスシールアセンブリを有するシャフト・ころ軸受アセンブリの部分断面図である。
【図4】この発明のさらに別の現状の好ましい局面に従って構築された非接触ラビリンスシールアセンブリを有する軸受アセンブリの断面図である。
【図4A】図4の非接触ラビリンスシールアセンブリの拡大断面図である。
【図4B】この発明のさらに別の現状の好ましい局面に従って構築された非接触ラビリンスシールアセンブリの拡大断面図である。
【図4C】この発明のさらに別の現状の好ましい局面に従って構築された非接触ラビリンスシールアセンブリの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
現状の好ましい実施例の詳細な説明
さらに詳細に図面を参照して、図1は、非分離形の、事前に潤滑された、予め設定された軸受アセンブリ10を示し、軸受アセンブリ10は、シャフト14およびアセンブリ10の中心軸17周りで車軸14とハウジング16とを相対的に回転させるために、シャフトまたは車軸14のジャーナル12の周りであってハウジング16内に配置される。たとえば鉄道用軸受の用途などの図示される用途では、軸受アセンブリ10は、ハウジングに受けられた単一の外輪18と、スペーサ21によって切離され、支持リング22と端部キャップ24との間にクランプされた1対の内輪20とを有し、複数のローラ26が、内輪20と外輪18との間に維持される。支持リング22および端部キャップ24は、各々、時にはシール摩耗リングと称されるスペーサリング28に支えられており、スペーサリング28は順に内輪20に支えられている。軸受アセンブリ10は、シールアセンブリ30のオイル側31であって軸受アセンブリ10内での潤滑を維持するために、ならびに、埃および破片などの汚染がシールアセンブリ30の空気側33から軸受アセンブリ10に進入することを防ぐために、この発明の一局面に従って図1および図2に示される1対の純粋に非接触のラビリンスシールアセンブリ30を軸受アセンブリ10の両側に有する。したがって、以下にさらに詳細に記載するように完全に非接触のラビリンス構造を有するシールアセンブリ30は、潤滑の流出および汚染の進入を効果的に防ぎながら、使用時に発生させる摩擦が最小限であり、したがって、軸受アセンブリ10の性能が向上し、耐用寿命が長くなる。
【0013】
図2に最もよく示されるように、各々の非接触ラビリンスシールアセンブリ30は、弾性シール本体34が取付けられた、スタンピング作業において鋼などの金属から好ましくは構築された外側剛性キャリア32と、金属内側スリーブ36とを有する。キャリア32は、概して円筒形の外側フランジ38からアセンブリ30の中心軸17に向かって径方向内向きに延びる環状脚部40を有する、中心軸17に対して軸方向に延びる外側フランジ38を有する。外側フランジ38は、自由端42まで軸方向に延びており、自由端42は、軸受アセンブリ10の外輪18に直接取付けられるように好ましくは構成されるが、ハウジング16に取付けられるようにまたはその他の態様で構成され得るであろう。脚部40は、軸受アセンブリ10のオイル側および空気側31、33にそれぞれ対応し、オイル側および空気側31、33に対面する、自由端46まで延びる対向するオイル側および空気側44、45を有する。オイル側および空気側44、45の一方または両方は、所望であれば、たとえばエッチングまたはサンドブラスト/ビードブラスト作業などにおいて、シール本体34をそこに接着させることを容易にするように処理されることができる。
【0014】
弾性シール本体34は、好適な接着剤を用いるかまたは脚部40に直接成形することなどによって脚部40に取付けられる。本体34は、ここでは、一例としておよび非限定的に、脚部40に接着させた関係で脚部40の自由端46の周りに成形され、脚部40の空気側45を実質的に覆うように示されている。本体34は、径方向外側のリップ48と、径方向内側のリップ50とを有する。リップ48、50は、脚部40からアセンブリ30の空気側33に向かって横方向に延びている。径方向外側のリップ48は、内側のリップ50からおよび中心軸17から外向きに分岐して、リップ48と50との間に第1の環状チャネル54を提供し、径方向外側のリップ48とキャリア32の脚部40との間に、以後チャネル56と称される第2の環状溝を提供する。したがって、第1の環状チャネル54は、軸方向にアセンブリ30の空気側33の方に向いており、第2の環状チャネル56は、中心軸17から径方向外向きに向いており、軸受アセンブリ10への汚染の進入を抑制するように作用する。本体はまた、径方向内向きに中心軸17の方に向いた波状面58を有する。波状面58は、本体34の内底面に沿って軸方向に延びており、ここでは、内側のリップ50によって部分的に提供されるように示されている。リップ50は、軸17から離れてアセンブリ30の空気側33に向かって分岐する、径方向内向きに向いた面51を有し、その結果、キャリア32と内側スリーブ36との相対的な動きの間、面51は軸受アセンブリ10への汚染の進入を寄せ付けないように作用する。波状面50はまた、複数の径方向内向きに向いた面53を、面51から軸方向内側に有する。面53は、軸17から離れてアセンブリ30のオイル側31に向かって分岐し、その結果、キャリア32と内側スリーブ36との相対的な動きの間、面53は軸受アセンブリ10からの潤滑の流出を寄せ付けないように作用する。本体34はさらに、脚部40からアセンブリ30の空気側33に向かって軸方向に延びる排除リップ60を含む。排除リップ60は、第2の環状チャネル56から径方向外側に、第2の環状チャネル56と部分的に重なる関係で位置する。加えて、本体34はさらに、アセンブリ30のオイル側31に向かって軸方向に延びる封じ込めリップ61を含む。封じ込めリップ61は、ここでは、一例としておよび非限定的に、概して脚部40の自由端46からアセンブリ30のオイル側31に向かって軸方向に延びるように示されている。
【0015】
金属内側スリーブ36はスタンピング作業において鋼から好ましくは構築されるが、他の金属材料およびプロセスを用いることができるであろう。内側スリーブ36は、シャフト14周りに動作可能に配置されるように構成された内面64を有する、軸方向に延びる円筒壁62を有し、内面64は、図1および図2では、一例としておよび非限定的に、スペーサリング28に受けられるように示されている。内側スリーブ36はまた、内面64と反対側に外面65を有する。スリーブ36は、壁62から排除フランジ68まで径方向外向きに延びる、フランジとも称される環状壁、または、リップ66を有する。排除フランジ68は、円筒壁62に対して径方向外側で重なる関係で障壁66から自由端69まで軸方向に延びており、壁62および排除フランジ68は、ここでは、互いに実質的に平行であるように示されている。障壁66は、円筒壁62と排除フランジ68との間に軸方向に延びる環状突出部70を有し、ここでは、スリーブ36の材料において据え込み加工された結果、突出部70が障壁66において塑性的に変形しているように示されている。突出部70は、図2に示されるように概して□形状をしており、円筒壁62と重なる関係で径方向外側に間隔があいた環状下方脚部72を有して、突出部70と円筒壁62との間に環状ポケット74を提供する。突出部70は、下方脚部72から空気側33に向かって径方向外向きに分岐する環状上方脚部76を有し、上方脚部76は、シールアセンブリ30から径方向外向きに汚染を寄せ付けないように油切りの役割を果たす。上方脚部76は、逆方向に折り返された部分77において排除フランジ68に移行する。したがって、別の環状ポケット78が上方脚部76と排除フランジ68との間に形成され、ポケット78は、径方向内側のポケット74と径方向外側で整列する。さらに、スリーブ36は、円筒壁62から径方向外向きに延びる封じ込めフランジ80を有する。封じ込めフランジ80は、アセンブリ30を組立てられた状態に維持することに加えて、軸受アセンブリ10内の潤滑がオイル側31から漏れ出るのを防ぐことを手助けし、また、如何なる汚染もオイル側31に進入することを防ぐように作用する。
【0016】
キャリア32が外輪18に組立てられ、スリーブ36が車軸14周りに配置されると、軸受アセンブリ10は、シールアセンブリ30を純粋に非接触のラビリンスシール構成で維持しながら、予め設定された状態で維持される。したがって、シール本体34およびその関連の特徴は、スリーブ36から間隔があいた関係のままである。たとえば、完全に組立てられると、スリーブ36の環状突出部70は、軸方向に第1の環状チャネル54に及んで、それぞれの径方向外側および径方向内側のリップ48、50と環状突出部70との間の蛇行した経路に沿って延びる非接触ラビリンス通路82を提供する。さらに、径方向内側のリップ50は、スリーブ36と非接触の関係でポケット74に及んで、ラビリンス通路82から開放連通状態で延びる非接触ラビリンス通路83を提供し、ラビリンス通路83は、ポケット74内で概してU字型のまたは蛇行した経路にわたっている。さらにまた、シール本体34の波状面58は、スリーブ壁62の外面65から間隔があいた関係で軸方向に延びて、ラビリンス通路83から開放連通状態で軸方向に延びる非接触ラビリンス通路84を提供する。さらに、スリーブ36の排除フランジ68は、第2の環状チャネル56に対して径方向外側で重なる関係で延びており、排除フランジ68は、径方向外側のリップ48から径方向外側に間隔があいている。同時に、シール本体34の排除リップ60は、排除フランジ68の自由端69と間隔があいて重なる関係で延びており、排除リップ60は、排除フランジ68から径方向外側に間隔があいて隙間を提供するように示されており、この隙間は、第2の環状チャネル56と開放連通状態に構成された、概して水平に延びる非接触ラビリンス通路81を提供する。したがって、溝またはチャネル56は、重力および求心力の助けを借りて、シールアセンブリ30の径方向上半分セクションで汚染を封じ込めることができ、シールアセンブリ30の径方向下半分でラビリンス通路81を通る汚染を排出または消散させることができる。しかも、さらに、封じ込めフランジ80は、弾性本体34の少なくとも一部を越えて径方向に円筒壁62から径方向外向きに延びており、ここでは波状面58を越えて径方向に延びるように示されているが、ラビリンス通路84から延びる非接触ラビリンス通路85を維持するために、波状面58からは軸方向に間隔があいたままである。封じ込めリップ61は、封じ込めフランジ80に対して径方向外側で重なる関係でオイル側31に向かって軸方向に延びている。封じ込めリップ61は、アセンブリ30のオイル側31と開放連通状態で非接触ラビリンス通路85を延長するために、封じ込めフランジ80から径方向外側に間隔があいている。したがって、シールアセンブリ30は完全に非接触の構造を維持するように構成され、連続的に延びるラビリンス通路81、82、83、84、85は、汚染の進入および潤滑の流出を防ぎながら、使用時の摩擦が最小限である。図示されるように、約0.010〜0.100″の間などの概してまたは実質的に一定の幅(W)を有する、径方向外側のリップ48、径方向内側のリップ50および波状面58に沿って延びるラビリンス通路82、83、84および85が提供される。たとえば波状面58に沿って本来生じるであろう、ラビリンス通路82、83、84、85に沿った幅Wの何らかの変更が予期されることを認識されたい。
【0017】
図3には、別の現状の好ましい構造に従う非分離形の、事前に潤滑された、予め設定された軸受アセンブリ110が示され、ここでは、類似の特徴を識別するために、上で用いたものと同じ参照数字を100だけずらして用いている。軸受アセンブリ110は、前に記載した軸受アセンブリ10と概して同じように構築され、ラビリンスシールアセンブリ130は、軸受アセンブリ110に動作可能に結合されることによって、完全に非接触のラビリンスシール構造を提供するが、シールアセンブリ130の内側スリーブ136がスペーサリングに装着されるのではなく、内側スリーブ136が内輪120のスラストリブ21の外面に直接装着されるように構成されている。したがって、シールアセンブリ130のキャリア132の構成は、内側スリーブ136の構成の変更に対応するように変更される。示される実施例では、キャリア132は断面が概してL字型であり、キャリア132の脚部140は、アセンブリ110の円筒外側フランジ138から直接径方向内向きに垂れ下がっている。その他の点では、シールアセンブリ130は前に記載したシールアセンブリ30と同じであるため、さらなる説明は必要でないと考える。
【0018】
図4には、別の現状の好ましい実施例に従って構築された非接触ラビリンスシールアセンブリ230を有する非分離形の、事前に潤滑された、予め設定された軸受アセンブリ210が示され、ここでは、類似の特徴を識別するために、上で用いたものと同じ参照数字を200だけずらして用いている。図4Aに最もよく示されるように、シールアセンブリ230は、スタンピング作業において鋼などの金属から好ましくは構築された外側剛性キャリア232と、キャリア232に取付けられたシール本体234と、金属内側スリーブ236と、一体型の内側スリーブサブアセンブリを提供するために内側スリーブ236に取付けられた、以後弾性本体または単に本体87と称される弾性シール本体とを有する。キャリア232は、概して円筒形の外側フランジ238からアセンブリ230の中心軸217に向かって径方向内向きに延びる脚部240を有する、中心軸217に対して軸方向に延びる外側フランジ238を有する。外側フランジ238は、自由端242まで軸方向に延びており、自由端242は、軸受アセンブリの外輪に直接取付けられるように好ましくは構成されるが、軸受アセンブリ以外に取付けられるように構成され得るであろう。脚部240は、オイル側231および空気側233にそれぞれ対面する、対向するオイル側および空気側244、245を有し、脚部240は自由端246まで延びている。
【0019】
弾性シール本体234は、脚部240の自由端246に取付けられ、シール本体34に関連して上述したものと概して同じように構成される。したがって、シール本体は1対のリップ248、250を有し、径方向外側のリップ248は、径方向内側のリップ250からおよび中心軸217から外向きに分岐して、リップ248と250との間に第1の環状チャネル254を提供し、径方向外側のリップ248とキャリア232の脚部240との間に第2の環状チャネル256を提供する。さらに、本体はまた、径方向内側に中心軸217の方に向いており、かつ、本体234の内底面に沿って軸方向に延びる、内側のリップ250によって部分的に提供される波状面258を有する。本体234はさらに、脚部240からアセンブリ230の空気側233に向かって軸方向に延びる排除リップ260を含む。排除リップ260は、第2の環状チャネル256から径方向外側に、第2の環状チャネル256と部分的に重なる関係で位置する。加えて、本体234はさらに、アセンブリ230のオイル側231に向かって軸方向に延びる封じ込めリップ261を含む。封じ込めリップ261は、ここでは、一例としておよび非限定的に、波状面258に対して径方向外側の関係で脚部240の自由端246から概して延びるように示されている。
【0020】
上述の内側スリーブ36と概して類似した断面形状を有する金属内側スリーブ236および弾性本体87が構成される。したがって、内側スリーブ236および弾性本体87サブアセンブリは、外側金属キャリア232およびシール本体234と協働して、シールアセンブリ30に関連して上述したものと同様に非接触ラビリンスシールアセンブリを提供する。しかしながら、弾性本体87は、キャリア32の上述の据え込み加工された環状突出部70および排除フランジ68を形成するために用いられる漸進的な製造プロセスのうちの多くのプロセスを不要にする。内側スリーブ236は、スタンピング作業などにおいて鋼から好ましくは構築されるが、他の製造プロセスが意図される。内側スリーブ236は、内面264と外面265とを有する軸方向に延びる円筒壁262を有し、内面264は、シャフト、軸受の内輪、または図示されるように、一例としておよび非限定的に、スペーサリング228(図4)の周りに動作可能に配置されるように構成される。スリーブ236は、軸方向の断面が概してU字型であり、円筒壁262から径方向外向きに延びる、フランジとも称される環状壁、障壁、突出部またはリップ266を有する。さらに、スリーブ236は、円筒壁262から径方向外向きに延びる封じ込めフランジ280を有する。封じ込めフランジ280は、封じ込めフランジ80に関連して上述したものと同様に機能する。
【0021】
弾性本体87は、好ましくは内側スリーブ236のリップ266に成形され、本体87はエラストマー材料またはポリマー材料から形成されるが、たとえば接着剤などによってその他の態様で取付けられることができるであろう。弾性本体87は、金属リップ266から自由端269まで円筒壁262に対して径方向外側で重なる関係で軸方向に延びる排除フランジ268を形成し、壁262および排除フランジ268は、ここでは、互いに実質的に平行であるように示されている。本体87は、リップ266から円筒壁262と排除フランジ268との間に軸方向内向きに延びる環状突出部270を有する。突出部270は、概して鼻の形状をしており、上述の突出部70と概して同じ内側輪郭を有する。したがって、突出部は、円筒壁262と重なる関係で径方向外側に間隔があいた径方向内側の環状下方内面272を有して、突出部270と円筒壁262との間に環状ポケット274を提供する。突出部270は、下方内面272から空気側233に向かって径方向外向きに分岐する径方向外側の環状上方内面276を有し、上方内面276は、逆方向に成形された部分277において排除フランジ268に移行する。したがって、別の環状ポケット278が上方内面276と排除フランジ268との間に形成され、ポケット278は、径方向内側のポケット274と径方向外側に整列する。
【0022】
図4に示されるように、キャリア232が外輪218に組立てられ、スリーブ236が車軸214周りに配置されると、軸受アセンブリ210は、シールアセンブリ230を純粋に非接触のラビリンスシール構成で維持しながら、予め設定された状態で維持される。したがって、シール本体234およびその関連の特徴は、スリーブ236および弾性本体87から間隔があいた関係のままである。たとえば、完全に組立てられると、弾性本体87の環状突出部270は、軸方向に第1の環状チャネル254に及んで、それぞれの径方向外側および径方向内側のリップ248、250と環状突出部270との間の蛇行した経路に沿って延びる非接触ラビリンス通路282を提供する。さらに、径方向内側のリップ250は、スリーブ236および弾性本体87と非接触の関係でポケット274に及んで、ラビリンス通路282から開放連通状態で延びる非接触ラビリンス通路283を提供し、ラビリンス通路283は、ポケット274内で概してU字型のまたは蛇行した経路にわたっている。さらにまた、シール本体234の波状面258は、スリーブ壁262の外面265から間隔があいた関係で軸方向に延びて、ラビリンス通路283から開放連通状態で軸方向に延びる非接触ラビリンス通路284を提供する。さらに、弾性本体87の排除フランジ268は、第2の環状チャネル256に対して径方向外側で重なる関係で延びており、排除フランジ268は、径方向外側のリップ248から径方向外側に間隔があいている。同時に、シール本体234の排除リップ260は、排除フランジ268の自由端269と間隔があいて重なる関係で延びており、排除リップ260は、排除フランジ268から径方向外側に間隔があいて隙間を提供するように示されており、この隙間は、第2の環状チャネル256と開放連通状態に構成された、概して水平に延びる非接触ラビリンス通路281を提供する。しかも、さらに、封じ込めフランジ280は、弾性シール本体234の少なくとも一部を越えて径方向に円筒壁262から径方向外向きに延びており、ここでは波状面258を越えて径方向に延びるように示されているが、ラビリンス通路284から延びる非接触ラビリンス通路285を維持するために、波状面258からは軸方向に間隔があいたままである。封じ込めリップ261は、封じ込めフランジ280に対して径方向外側で重なる関係でオイル側231に向かって軸方向に延びている。封じ込めリップ261は、アセンブリ230のオイル側231と開放連通状態で非接触ラビリンス通路285を延長するために、封じ込めフランジ280から径方向外側に間隔があいている。したがって、シールアセンブリ230は完全に非接触の構造を維持するように構成され、連続的に延びるラビリンス通路281、282、283、284、285は、汚染の進入および潤滑の流出を防ぎながら、使用時の摩擦が最小限である。図示されるように、概してまたは実質的に一定の幅(W)を有する、径方向外側のリップ248、径方向内側のリップ250および波状面258に沿って延びるラビリンス通路282、283、284および285が提供される。たとえば波状面58に沿って本来生じるであろう、ラビリンス通路282、283、284、285に沿った幅Wの何らかの変更が予期されることを認識されたい。
【0023】
図4Bには、別の現状の好ましい実施例に従って構築された非接触ラビリンスシールアセンブリ330が示され、ここでは、類似の特徴を識別するために、上で用いたものと同じ参照数字を300だけずらして用いている。軸方向の断面形状が前のアセンブリ30、130、230と概して同じであるシールアセンブリ330が構成され、シールアセンブリ330は、外側剛性キャリア332と、キャリア332に取付けられたシール本体334と、内側スリーブ336とを含む。しかしながら、キャリア332およびシール本体334は、アセンブリを構築する1つの方法に従って別個の材料から構築されるのではなく、たとえば成形プロセスなどにおいて材料の単一の部品としてキャリア332およびシール本体334を形成することによってアセンブリを構築する別の方法に従って構築される。好ましくは、キャリア332およびシール本体334は、ハウジング内に、たとえば鉄道用軸受アセンブリの外輪などに取付けられるまたは受けられることができるように十分に剛性のあるポリマー材料から成形される。さらに、内側スリーブ336は、シャフト周りに受けられることができるように十分に剛性のあるポリマー材料から成形される。
【0024】
キャリア332は、概して円筒形の外側フランジ338から径方向内向きに延びる脚部340を有する、中心軸317に対して軸方向に延びる外側フランジ338を有する。脚部340は、オイル側331および空気側333に対面する、対向するオイル側および空気側344、345を有する。
【0025】
シール本体334は、上述のように互いに分岐する1対のリップ348、350を有して、リップ348と350との間に第1の環状チャネル354を提供し、径方向外側のリップ348と脚部340との間に第2の環状チャネル356を提供する。さらに、本体は、径方向内側に中心軸317の方に向いている波状面358を有し、前の実施例に関連して上述したように排除リップ360と封じ込めリップ361とをさらに含む。
【0026】
内側スリーブ336は、内面364と外面365とを有する軸方向に延びる円筒壁362を有し、内面364は、シャフト、軸受の内輪またはスペーサリングの周りに動作可能に配置されるように構成される。スリーブ336は、円筒壁362から径方向外向きに延びる封じ込めフランジ380を有し、封じ込めフランジ380は上述のものと同様に機能する。スリーブ336はさらに、排除フランジ368と、円筒壁362および排除フランジ368の間に軸方向内向きに延びる環状突出部370とを含む。突出部370は、概して鼻の形状をしており、上述の突出部270と概して同じ内側輪郭を有する。したがって、突出部370は、円筒壁362と重なる関係で径方向外側に間隔があいた径方向内側の環状下方内面372を有して、突出部370と円筒壁362との間に環状ポケット374を提供する。突出部370は、下方内面372から空気側333に向かって径方向外向きに分岐する径方向外側の環状上方内面376を有し、上方内面376は、逆方向に成形された部分377において排除フランジ368に移行する。したがって、別の環状ポケット378が上方内面376と排除フランジ368との間に形成される。
【0027】
組立てられると、環状突出部370は、軸方向に第1の環状チャネル354に及んで、それぞれの径方向外側および径方向内側のリップ348、350と環状突出部370との間の蛇行した経路に沿って延びる非接触ラビリンス通路382を提供する。さらに、径方向内側のリップ350は、非接触の関係でポケット374に及んで、ラビリンス通路382から開放連通状態で延びる非接触ラビリンス通路383を提供し、ラビリンス通路383は、ポケット374内で概してU字型のまたは蛇行した経路にわたっている。さらにまた、波状面358は、スリーブ壁362の外面365から間隔があいた関係で軸方向に延びて、ラビリンス通路383から開放連通状態で軸方向に延びる非接触ラビリンス通路384を提供する。さらに、排除フランジ368は、第2の環状チャネル356に対して径方向外側に、間隔があいて重なる関係で延びており、排除リップ360は、排除フランジ368と間隔があいて重なる関係で延びて隙間を提供し、この隙間は、第2の環状チャネル356と開放連通状態に構成された、概して水平に延びる非接触ラビリンス通路381を提供する。さらに、前の実施例と同様に、封じ込めフランジ380は、円筒壁362から波状面358を越えて径方向外向きに延びているが、ラビリンス通路384から開放連通状態で延びる非接触ラビリンス通路385を維持するために、波状面358からは軸方向に間隔があいたままである。
【0028】
図4Cには、別の現状の好ましい実施例に従って構築された非接触ラビリンスシールアセンブリ430が示され、ここでは、類似の特徴を識別するために、上で用いたものと同じ参照数字を400だけずらして用いている。軸417に沿った軸方向の断面形状が前のアセンブリ30、130、230、330と概して同じであるシールアセンブリ430が構成され、シールアセンブリ430は、外側剛性キャリア432と、キャリア432に取付けられたシール本体434と、内側スリーブ436と、内側スリーブ436に取付けられたポリマー本体487とを含む。アセンブリ330と同様に、シールアセンブリ430はポリマー材料から成形されるが、キャリア432およびシール本体434は、同じ材料から構築されるのではなく、キャリア432およびシール本体434を互いに取付けられた別個の部品として成形することによってこのアセンブリを構築する別の方法に従って構築され、したがって、異なるタイプのポリマー材料を用いて成形することができる。したがって、キャリア432は、1つの剛性のあるポリマー材料を用いて成形することによって形成できる一方、シール本体434は、たとえばゴムなどの第2の弾性のあるポリマー材料を用いて成形することによって形成できる。同様に、内側スリーブ436は、シャフト周りに受けられることができるように十分に剛性のあるポリマー材料から成形できる一方、ポリマー本体487は、たとえばゴムなどの第2の弾性のあるポリマー材料から成形できる。
【0029】
組立てられると、前の実施例と同様に、概してまたは実質的に一定の幅(W)を有する、径方向外側のリップ448、径方向内側のリップ450および波状面458に沿って延びるラビリンス通路482、483、484および485が提供される。さらに、非接触ラビリンス通路481は環状チャネル456と開放連通状態に構成され、環状チャネル456は順にラビリンス通路482と開放連通する。最後に、汚染の進入および潤滑の流出をさらに抑制するために、好適な重量のグリース89などの潤滑油を、波状面458と内側スリーブ436との間のラビリンス通路484に供給することができる。
【0030】
明らかに、上述の教示に鑑みて、本発明の多くの変形および変更が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、この発明は具体的に記載したものとは異なる態様で実施されてもよいことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触ラビリンスシールアセンブリであって、
概して円筒形の外側フランジから前記アセンブリの中心軸に向かって径方向内向きに延びる脚部を有する、前記中心軸に対して軸方向に延びる前記外側フランジを有する外側剛性キャリアと、
前記脚部に取付けられた本体とを備え、前記本体は、径方向外側のリップと径方向内側のリップとを有し、前記リップは、前記脚部から前記アセンブリの空気側に向かって軸方向に延びており、前記径方向外側のリップは、前記中心軸から外向きに分岐して、前記リップ同士の間に第1の環状チャネルを提供し、前記径方向外側のリップと前記脚部との間に第2の環状チャネルを提供し、前記第1の環状チャネルは、軸方向に前記空気側の方に向いており、前記第2の環状チャネルは、前記中心軸から径方向外向きに向いており、前記非接触ラビリンスシールアセンブリはさらに、
軸方向に延びる円筒壁から径方向外向きに延びる環状の第1のフランジを有する前記壁を有するスリーブを備え、前記第1のフランジは、軸方向に前記第1の環状チャネルに及ぶ環状突出部を有して、前記リップと前記環状突出部との間の蛇行した経路に沿って延びる非接触ラビリンス通路を提供する、非接触ラビリンスシールアセンブリ。
【請求項2】
前記ラビリンス通路は、前記リップと前記環状突出部との間で実質的に一定の幅を維持する、請求項1に記載のシールアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のフランジは、実質的に一定の幅を有する直立した壁を有し、前記環状突出部は、前記直立した壁において塑性的に変形している、請求項1に記載のシールアセンブリ。
【請求項4】
前記本体は、径方向内側に前記中心軸の方に向いた波状面を有し、前記波状面は、前記スリーブの壁の外面から間隔があいた関係で軸方向に延びている、請求項1に記載のシールアセンブリ。
【請求項5】
前記ラビリンス通路は、前記リップと前記環状突出部との間で、および、前記波状面と前記スリーブの壁の前記外面との間で、概して一定の幅を維持する、請求項4に記載のシールアセンブリ。
【請求項6】
前記スリーブは、前記第2の環状チャネルに対して径方向外側で重なる関係で前記第1のフランジから軸方向に延びる排除フランジを有する、請求項1に記載のシールアセンブリ。
【請求項7】
前記排除フランジは、前記径方向外側のリップから間隔があいている、請求項6に記載のシールアセンブリ。
【請求項8】
前記本体は、前記排除フランジと重なる関係で前記脚部から軸方向に延びる排除リップを有する、請求項6に記載のシールアセンブリ。
【請求項9】
前記排除リップは、前記排除リップと前記排除フランジとの間にラビリンス通路を提供するために、前記排除フランジから間隔があいている、請求項8に記載のシールアセンブリ。
【請求項10】
前記排除リップは、前記排除フランジの径方向外側にある、請求項9に記載のシールアセンブリ。
【請求項11】
前記スリーブは、前記壁から径方向に前記波状面を越えて径方向外向きに延びる封じ込めフランジを有する、請求項4に記載のシールアセンブリ。
【請求項12】
前記本体は、前記封じ込めフランジと径方向に重なる関係で前記アセンブリのオイル側に向かって軸方向に延びる封じ込めリップを有する、請求項11に記載のシールアセンブリ。
【請求項13】
前記キャリアおよび前記本体は、同じ材料の単一の部品として形成される、請求項1に記載のシールアセンブリ。
【請求項14】
前記スリーブおよび前記環状突出部は、同じ材料の単一の部品として形成される、請求項13に記載のシールアセンブリ。
【請求項15】
前記キャリアおよび前記本体は、異なる材料の別個の部品として形成される、請求項1に記載のシールアセンブリ。
【請求項16】
前記スリーブおよび前記環状突出部は、異なる材料の別個の部品として形成される、請求項15に記載のシールアセンブリ。
【請求項17】
鉄道用ころ軸受非接触ラビリンスシールアセンブリであって、
概して円筒形の外側フランジから前記アセンブリの中心軸に向かって径方向内向きに延びる脚部を有する、前記中心軸に対して軸方向に延びる前記外側フランジを有する外側剛性キャリアと、
前記脚部に取付けられたシール本体とを備え、前記本体は、径方向外側のリップと径方向内側のリップとを有し、前記径方向外側のリップおよび径方向内側のリップは、前記脚部から軸方向に延び、前記アセンブリの空気側に向かって互いに分岐して、前記リップ同士の間に第1の環状チャネルを提供し、前記径方向外側のリップと前記脚部との間に第2の環状チャネルを提供し、前記鉄道用ころ軸受非接触ラビリンスシールアセンブリはさらに、
円筒壁から径方向外向きに延びる環状の第1のフランジを有する前記壁を有するスリーブを備え、前記第1のフランジは、前記リップと非接触の関係で、軸方向に前記リップ間の前記第1の環状チャネルに及ぶ環状突出部を有して、前記リップと前記環状突出部との間に延びる非接触の概して□形状のラビリンス通路を提供する、鉄道用ころ軸受非接触ラビリンスシールアセンブリ。
【請求項18】
前記シール本体は、前記スリーブと完全に非接触の関係で間隔があいている、請求項17に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記スリーブの前記突出部は、前記突出部と前記円筒壁との間に環状ポケットを提供するために、前記円筒壁と重なる関係で径方向外側に間隔があいた脚部を有し、前記径方向内側のリップは、前記ポケット全体にわたって前記非接触ラビリンス通路を延長するために非接触の関係で前記ポケットに及ぶ、請求項17に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記シール本体は、波状面と前記スリーブ壁との間の前記非接触ラビリンス通路を延長するために、前記スリーブの壁から間隔があいた関係で径方向内向きに向いた前記波状面を有する、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記スリーブは、前記第2の環状チャネルと径方向に重なる関係で、および、前記径方向外側のリップと非接触の関係で、前記第1のフランジから軸方向に延びる排除フランジを有する、請求項17に記載のアセンブリ。
【請求項22】
鉄道用ころ軸受非接触ラビリンスシールアセンブリであって、
概して円筒形の外側フランジから前記アセンブリの中心軸に向かって径方向内向きに延びる脚部を有する、前記中心軸に対して軸方向に延びる前記外側フランジを有する外側剛性キャリアと、
円筒壁から径方向外向きに延びる環状突出部を有する前記壁を有するスリーブと、
前記脚部および前記突出部のうちの少なくとも一方に取付けられたシール本体とを備え、前記シール本体は、前記シールアセンブリのオイル側と前記シールアセンブリの空気側との間に延びる非接触ラビリンスシール通路を提供するために、前記脚部および前記突出部のうちの他方に向かって延び、前記脚部および前記突出部のうちの他方と非接触状態のままである、鉄道用ころ軸受非接触ラビリンスシールアセンブリ。
【請求項23】
前記シール本体の第1のシール本体は、前記突出部に取付けられ、前記脚部から間隔があいた自由端まで前記脚部の方に延びるリップを有し、前記非接触ラビリンスシール通路は、前記自由端と前記脚部との間に延びている、請求項22に記載のシールアセンブリ。
【請求項24】
前記シール本体の第2のシール本体は、前記脚部に取付けられ、前記第1のシール本体から完全に間隔があいたリップを有し、前記非接触ラビリンスシール通路は、前記第1のシール本体と第2のシール本体との間に延びている、請求項23に記載のシールアセンブリ。
【請求項25】
前記第2のシール本体は、各々が前記第1のシール本体から完全に間隔があいた複数のリップを有し、前記非接触ラビリンスシール通路は、前記リップと前記第1のシール本体との間に連続的な非接触通路として延びている、請求項24に記載のシールアセンブリ。
【請求項26】
環状チャネルは、1対の前記リップの間に形成され、前記第1のシール本体は、前記1対のリップの間で前記チャネルに及ぶ環状突出部を有し、前記非接触ラビリンスシール通路の少なくとも一部は、前記1対のリップと前記環状突出部との間に設けられる、請求項25に記載のシールアセンブリ。
【請求項27】
純粋に非接触のラビリンスシールアセンブリを構築する方法であって、
概して円筒形の外側フランジからアセンブリの中心軸に向かって径方向内向きに延びる脚部を有する、前記中心軸に対して軸方向に延びる前記外側フランジを有する外側剛性キャリアを形成するステップと、
円筒壁から径方向外向きに延びる環状突出部を有する前記壁を有するスリーブを形成するステップと、
脚部および突出部のうちの少なくとも一方の上に本体を形成し、シールアセンブリのオイル側とシールアセンブリの空気側との間に延びる非接触ラビリンスシール通路を提供するために、脚部および突出部のうちの他方に向かって延び、脚部および突出部のうちの他方と非接触状態のままであるように本体を構成するステップとを備える、方法。
【請求項28】
脚部および突出部のうちの少なくとも一方とともに本体を材料の一体部品として成形するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
本体と、脚部および突出部のうちの少なくとも一方とを、同じタイプの材料から成形するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公表番号】特表2011−503493(P2011−503493A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535051(P2010−535051)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/084120
【国際公開番号】WO2009/067575
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【出願人】(502065217)ザ ティムケン カンパニー (11)
【Fターム(参考)】