説明

非水系蓄電デバイス

【課題】大容量・高電圧であって信頼性に優れた非水系蓄電デバイスを提供すること。
【解決手段】この非水系蓄電デバイス11は、正極21、負極31及びセパレータ41を積層してなる電極積層体51をケース61内に収容し、そのケース61内に有機電解質を注入してなる。負極31には負極側貫通孔36が設けられている。正極電極22において負極側貫通孔36に対応した位置には、負極側貫通孔36よりも面積の大きな正極側貫通孔26または電極非存在領域27が設けられている。負極側貫通孔36内には、プレドープのためのリチウム金属16が配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大容量・高電圧の非水系蓄電デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電や風力発電等の負荷平準化装置、コンピュータ等に代表される電子機器の瞬時電圧低下対策装置、電気自動車やハイブリッドカーのエネルギー回生装置などのような蓄電システムにおいては、エネルギー容量が大きくてかつ急速充放電が可能な蓄電デバイスが必要とされる。そして、このような用途に有望な蓄電デバイスの一種として、近年、非水系蓄電デバイスが注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
現在、この種の蓄電デバイスの主流は、電気二重層機能を使用したキャパシタ(いわゆる電気二重層キャパシタ)である。しかしながら、電気二重層キャパシタは、容量が小さくて電圧が低いため、大容量・高電圧を実現しようとすると装置全体が大型化するという問題がある。そこで、この問題を解決しうる新たな蓄電デバイスとして、リチウムプレドープ型リチウムイオンキャパシタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このタイプのリチウムイオンキャパシタでは、リチウムの吸蔵及び放出が可能な材料からなる負極電極を用い、その負極電極にリチウムをプレドープすることにより、負極電位を下げている。その結果、電池として高い電圧を得ることができ、これによりエネルギー容量も大きくすることができるようになっている。
【0004】
上記従来のリチウムイオンキャパシタは、正極、負極及びセパレータを積層してなる電極積層体を備えている。電流集中によるリチウム金属の析出を避けるため、一般的に負極は正極よりも大きく形成される。かかる電極積層体は例えば柔らかいアルミラミネート箔からなるバッグ内に収容され、そのバッグ内はリチウムイオンを含んだ有機電解質で満たされている。
【0005】
ところで、負極電極に対するリチウムのプレドープは、一般的に、負極集電体における所定領域(例えば負極集電体における張出部分)にリチウム金属箔を貼り付けることにより行われている。その具体例としては、全ての負極集電体の表裏面にリチウム金属箔を貼り付けるといった方法などが従来採用されている。
【特許文献1】特許第385935号公報(図1等参照)
【特許文献2】特開2006−286919号公報(図1等参照)
【特許文献3】特許第3485935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のリチウムイオンキャパシタには下記の問題点があった。
【0007】
全ての負極集電体の表裏面にリチウム金属箔を貼り付ける従来技術の場合、リチウム金属を確実にドープさせることができるという利点がある。その反面、リチウム金属箔は薄い小片であるため取り扱い性が悪く、これを負極集電体に直接貼り付けるのには非常に手間が掛かるという欠点がある。従って、生産性向上等の観点から、もっと簡単にプレドープができて困難なく製造可能な構造のリチウムイオンキャパシタが望まれていた。同時に、リチウム金属をできるだけ早く均一にドーピングできる構造が望まれていた。
【0008】
また、アルミラミネート箔からなるバッグを収容体として用いる従来技術の場合、負極外縁部と正極外縁部との位置が大きく異なっていて段差が生じているので、電極積層体の収容時に積層体外周部が応力集中することによって、大きく歪んでしまう。そのため、電極間でショートが発生する可能性があり、信頼性が低かった。従って、信頼性の向上の観点から、電極間ショートをもたらす原因をできるだけ排除しておくことが望まれている。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、大容量・高電圧であって信頼性に優れ、しかも比較的製造しやすい非水系蓄電デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、炭素材料からなる正極電極を正極集電体上に形成した構造の正極と、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な材料からなる負極電極を負極集電体上に形成した構造の負極と、前記負極及び前記正極の間に介在されたセパレータとを備え、前記正極、前記負極及び前記セパレータを積層してなる電極積層体がケース内に収容され、前記ケース内にリチウムイオンを含んだ有機電解質が注入されている非水系蓄電デバイスにおいて、前記負極には負極側貫通孔が設けられ、前記正極電極において前記負極側貫通孔に対応した位置には前記負極側貫通孔よりも面積の大きな正極側貫通孔または電極非存在領域が設けられ、前記負極側貫通孔内にはリチウム金属が配置されることを特徴とする非水系蓄電デバイスをその要旨とする。
【0011】
従って、請求項1に記載の発明によると、負極に設けられた負極側貫通孔のスペースにリチウム金属が配置されるため、そのすぐ周囲に存在する負極電極に対して当該リチウム金属を早く均一にドーピングすることができる。また、正極電極においてリチウム金属に対向した位置には、正極側貫通孔または電極非存在領域が設けられており、そこには正極電極が存在していない。このため、当該リチウム金属と正極とが接触するリスクは小さく、電極間ショートが未然に回避され、信頼性が向上する。また、正極側貫通孔または電極非存在領域の面積を負極側貫通孔の面積よりも大きく設定したことにより、充放電を行ったときでも負極側貫通孔の開口縁にリチウム金属が析出しにくくなり、結果として信頼性が向上する。
【0012】
以上のことから、本発明によれば、大容量・高電圧であって信頼性に優れた非水系蓄電デバイスを提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記負極側貫通孔内に配置されるリチウム金属は、プレドープ用リチウム金属であることをその要旨とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記負極集電体には、その片側面または両側面に前記プレドープ用リチウム金属が貼付されたプレドープ用リチウム金属支持板が接合されることをその要旨とする。
【0015】
従って、請求項3に記載の発明によれば、プレドープ用リチウム金属が貼付されたプレドープ用リチウム金属支持板を用いることから取り扱い性が向上し、リチウム金属を配置する労力が軽減される。よって、比較的製造しやすい非水系蓄電デバイスとすることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記負極集電体は、前記負極側貫通孔よりも開口面積の小さい複数の孔を有する多孔性導電板であることをその要旨とする。
【0017】
従って、請求項4に記載の発明によれば、プレドープ用リチウム金属イオンが負極集電体中において三次元的に拡散されるため、負極電極に対して当該リチウム金属を早く均一にドーピングすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記正極側貫通孔内には、前記正極の厚さ以下の厚さを有する凹部解消層が配置されていることをその要旨とする。
【0019】
従って、請求項5に記載の発明によると、正極側貫通孔内に凹部解消層を配置することにより、その部分にできやすい凹部を解消することができる。ゆえに、積層体上下方向に押圧力を加えたときに、押圧力が積層体全体に確実にかつ均等に作用しやすくなり、大容量・高電圧のデバイスが実現しやすくなる。凹部解消層の材料は特に限定されず、導電性材料でも絶縁性材料であってもよい。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記凹部解消層は前記セパレータに対して固定されていることをその要旨とする。
【0021】
従って、請求項6に記載の発明によると、凹部解消層が孔内部で動かず安定した状態となるため、信頼性を向上させることが可能となる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項において、前記正極集電体に電気的に接続された正極外部端子と、前記負極集電体に電気的に接続された負極外部端子とを備え、前記正極外部端子及び前記負極外部端子が、平面視で矩形状をなす前記ケースにおける対向した二辺から突出していることをその要旨とする。
【0023】
例えば、正極外部端子及び負極外部端子がケースにおける一辺から突出している構造の場合、集電体と外部端子との溶接部の抵抗が大きくなりやすいため、大きな電位差の発生を防ぐための工夫が必要となる。これに対して請求項7に記載の発明によれば、集電体と外部端子との溶接部の抵抗が大きくなりにくいため、大きな電位差の発生を防ぐための工夫が不要になり、比較的容易に設計することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項において、前記ケースは、ケース本体と蓋とにより構成されていることをその要旨とする。
【0025】
従って、請求項8に記載の発明によると、別に作製されたケース本体と蓋とにより1つのケースを構成しているため、個々のケース構成部品を単純形状とすることができ、結果的に構造が簡単で安価なケースとすることができる。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項において、前記ケースは、前記電極積層体の側面を包囲するケース本体と、前記ケース本体とは別に作製され開口を塞ぐように前記ケース本体に接合された蓋とを含んで構成され、前記ケース本体は、前記蓋よりも剛性の高い材料を用いて形成されていることをその要旨とする。
【0027】
従って、請求項9に記載の発明によると、電極積層体の側面を包囲するケース本体は蓋よりも剛性の高い材料からなるため、電極積層体上下方向に押圧力を加えたときでも、ケース内の電極積層体外周部への応力集中が回避される。よって、電極積層体外周部の潰れが未然に防止され、信頼性低下の原因となる電極間ショートが起こりにくくなる。また、ケース本体と蓋とを接合して1つのケースを構成しているため、個々のケース構成部品を単純形状とすることができ、結果的に構造が簡単で安価なケースとすることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上詳述したように、請求項1〜9に記載の発明によると、大容量・高電圧であって信頼性に優れた非水系蓄電デバイスを提供することができる。また、請求項3等に記載の発明によると、比較的製造しやすい非水系蓄電デバイスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[第1の実施形態]
【0030】
以下、本発明の非水系蓄電デバイスを、リチウムプレドープ型リチウムイオンキャパシタに具体化した一実施の形態を図1〜図7に基づき詳細に説明する。図1は本実施形態のリチウムイオンキャパシタ11の斜視図、図2は上記リチウムイオンキャパシタ11の断面図、図3はその分解断面図である。図4は上記リチウムイオンキャパシタ11を構成する電極積層体51の平面図、図5,図6は電極積層体51及びその構成部材の平面図、図7は図5に示した電極積層体51(プレドープ前)の部分拡大断面図である。
【0031】
図2,図3等に示されるように、本実施形態のリチウムプレドープ型リチウムイオンキャパシタ11は、正極21、負極31及びセパレータ41を積層してなる電極積層体51を備えている。なお、正極21(負極31)の枚数は図示されたものに限定されず、これよりも多くても少なくてもよい。
【0032】
正極21は、炭素材料からなる正極電極22を正極集電体23上に形成した構造を有している。
【0033】
正極電極22を形成する炭素材料の例としては、適度な粉砕処理が施された各種の天然黒鉛、合成黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛材料、炭素化処理されたメソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、熱分解炭素、石油コークス、ピッチコークス及びニードルコークス等の炭素材料に黒鉛化処理を施した合成黒鉛材料、またはこれらの混合物等が挙げられる。これらの炭素材料は、必要に応じて導電剤及びバインダとともに混練され、成形される。
【0034】
上記導電剤としては各種黒鉛材料やカーボンブラックが挙げられるが、なかでも導電性カーボンブラック類を使用することが好ましい。その具体例としては、チャンネルブラック、オイルファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等があるが、液体保持力に優れかつ電気抵抗が低いという点でアセチレンブラックを選択することが特に好ましい。
【0035】
上記バインダとしては、有機電解質に対して不溶のものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素系樹脂、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸ソーダ等の有機高分子化合物が好適である。
【0036】
上記正極集電体23は、正極電極22を支持しつつ集電を行うための部材であって、例えばアルミニウム、ステンレス等のような導電性金属箔あるいは導電性金属板の使用が好適である。ステンレスは、リチウムと合金化せず、かつ、電気化学的酸化が起こりにくいという点で、好適な材料であるといえる。
【0037】
正極集電体23はケース61内に収容可能な大きさであれば基本的に任意の平面視形状とすることができるが、通常はケース61の外形形状と同様の形状とされる。例えば、平面視矩形状のケース61を使用する場合には、それに合わせて正極集電体23も平面視矩形状とされる。正極集電体23の有する四辺のうちの一辺からは、接続部としてのタブ24が突出している。このタブ24は、導電性金属材料からなる正極外部端子25に対して溶接により接合される。
【0038】
負極31は、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な材料からなる負極電極32を負極集電体33上に形成した構造を有している。ここで、リチウムイオンを供給する金属としては、リチウム金属単体のみを指すばかりでなく、リチウム−アルミニウム合金のように、少なくともリチウムを含有し、リチウムイオンを供給することができる物質全てを広く指している。
【0039】
負極電極32はリチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な材料によって形成される。その具体例としては、リチウム金属、リチウム−アルミニウム合金、黒鉛材料、易黒鉛化性炭素材料、難黒鉛化性炭素材料、五酸化ニオブ(Nb)、チタン酸リチウム(LiTi12)、一酸化珪素(SiO)、一酸化錫(SnO)、錫とリチウムとの複合酸化物(LiSnO)、リチウム・リン・ホウ素の複合酸化物(例えばLiP0.40.62.9)、等がある。これらのなかでも、黒鉛材料、易黒鉛化性炭素材料、難黒鉛化性炭素材料等の炭素材料は、可逆性が高い等の性質を有するため、負極材料として好適である。
【0040】
負極電極32を形成する炭素材料の例としては、適度な粉砕処理が施された各種の天然黒鉛、合成黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛材料、炭素化処理されたメソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、熱分解炭素、石油コークス、ピッチコークス及びニードルコークス等の炭素材料、またはこれらの混合物等がある。ここに列挙した負極電極32用の炭素材料は、必要に応じて導電剤及びバインダとともに混練され、成形される。なお、導電剤及びバインダとしては、正極電極22の説明の際に例示した材料をそのまま使用することができる。
【0041】
負極31及び正極21の間に介在されるセパレータ41は、有機電解質や電極活物質等に対して耐久性があり、連通気孔を有する非導電性の多孔体等からなる。通常、ガラス繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる布、不織布あるいは多孔体が用いられる。セパレータ41の厚さは、キャパシタの内部抵抗を小さくするために薄いほうが好ましいが、有機電解質の保持量、流通性、強度等を勘案して適宜設定することができる。
【0042】
かかるセパレータ41には通常液状の有機電解質が含浸されているが、漏液を防止するためにゲル状または固体状にした有機電解質を用いることもできる。ここで前記有機電解質は、ドーピングされうるリチウムイオンを生成しうる化合物を、非プロトン性有機溶媒に溶解させてなるものである。上記化合物としては有機リチウム塩を挙げることができ、その好適例としては、LiPFと表記されるリチウムヘキサフルオロフォスフェート、LiN(CFSOと表記されるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、LiN(CSOと表記されるリチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド等がある。また、上記非プロトン性有機溶媒の好適例としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ビニレンカーボネート(VC)、アセトニトリル(AN)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)及びこれらの誘導体、あるいはそれらの混合溶媒等がある。
負極集電体33は負極電極32を支持しつつ集電を行うための部材であって、例えば銅、ニッケル、ステンレス等のような導電性金属箔あるいは導電性金属板の使用が好適である。負極集電体33はケース61内に収容可能な大きさであれば基本的に任意の平面視形状とすることができるが、通常はケース61の外形形状と同様の形状とされる。例えば、平面視矩形状のケース61を使用する場合には、それに合わせて負極集電体33も平面視矩形状とされる。また、負極電極32の大きさは、電流集中によるリチウム金属の析出を避けるために、正極電極22よりも若干大きく形成されている。負極集電体33の有する四辺のうちの一辺からは、接続部としてのタブ34が突出している。このタブ34は、導電性金属材料からなる負極外部端子35に対して溶接により接合される。
【0043】
図4,図5に示されるように、本実施形態のリチウムイオンキャパシタ11では、正極21及び負極31が特徴的構成を備えている。
【0044】
負極31にはその表裏面を貫通する負極側貫通孔36が設けられている。負極側貫通孔36の大きさ及び形状は任意であるが、ここでは2個の長方形状の負極側貫通孔36を一列に配置するようにして設けている。これらの負極側貫通孔36は、負極電極32の中央部を横断して当該負極電極32をほぼ二等分しており、タブ34のある辺及びそれに対向する辺の位置までそれぞれ延びている。
【0045】
正極21を構成する正極電極22において上記2つの負極側貫通孔36に対応した位置には、上記2つの負極側貫通孔36よりも面積の大きな長方形状の正極側貫通孔26が1つ設けられている。正極側貫通孔26は、正極電極22の中央部を横断して当該正極電極22をほぼ二等分しており、タブ24のある辺及びそれに対向する辺の位置までそれぞれ延びている。即ち、セパレータ41を介して正極21と負極31とを重ね合わせた場合、2つの負極側貫通孔36が正極側貫通孔26に包含されるような大小関係となっている。そして、このような大小関係を設定したことにより、充放電中におけるリチウム金属の析出が回避されるようになっている。なお、図6に示すように、正極側貫通孔26の代わりに、これと同形状の電極非存在領域27を設けるようにしてもよい。別の言い方をすると、正極電極22の一部をその位置にある正極集電体23とともに除去してしまう上記構成ではなく、正極電極22の一部を除去するもののその位置にある正極集電体23を残しておく構成としてもよい。後者の構成の利点は電極積層体51において生じる段差が小さくなることである。
【0046】
負極側貫通孔36内には、プレドープ用リチウム金属としてのリチウム金属箔16が配置される。プレドープ用リチウム金属としてのリチウム金属箔16は、長方形状に形成された金属製の支持板17の片側面または両側面に貼付され支持されている。なお、プレドープが完了すると、通常、このリチウム金属箔16は溶解して消失してしまう。このような支持板17は例えば負極集電体33と同じ材料を用いて形成されるとともに、その端部が負極集電体33に対して溶接または接着剤によって接合される。支持板17は最終的には負極集電体33の一部として機能しうる。
【0047】
図7に示されるように、正極側貫通孔26内には、正極21の厚さ以下の厚さを有する凹部解消層18が配置されている。このような凹部解消層18の材料は特に限定されず、所定の厚ささえ有していれば、導体及び絶縁体を問わず選択することが可能である。本実施形態では、絶縁体である樹脂製の凹部解消層18を用いている。このような凹部解消層18は、セパレータ41に対して固定されていても固定されていなくてもよいが、固定した場合には凹部解消層18が孔内部で動かず安定した状態となるため、信頼性の向上につながる。
【0048】
次に、上記のように構成された電極積層体51を収容するためのケース61について説明する。
【0049】
図1〜図3に示されるように、本実施形態のケース61は、硬質のケース本体71と上蓋91とにより構成され、その内部に電極積層体51よりも若干大きな収容空間を有している。ケース本体71は、上側開口72を有する平面視矩形の箱状(カップ状)を呈している。電極積層体51の収容時には、ケース本体71によって電極積層体51の側面及び底面が全体的に包囲される。ケース本体71の上側開口72のある側には、上蓋91が接合される上側鍔部74が突設形成されている。矩形状に形成された上蓋91は、ケース本体71の上側鍔部74の上面側に接着剤で接合されることにより、上側開口72を塞いでいる。このとき使用する接着剤は、有機電解質の溶媒に不溶性であることが好ましい。
【0050】
ケース本体71の形成材料としては、ある程度硬質であって剛性の高いものであれば従来公知の任意の材料が使用可能であり、例えば、樹脂材料、金属材料、セラミック材料などの中から任意に選択することが可能である。ケース本体71は、上蓋91よりも剛性の高い材料を用いて形成されることが好ましく、少なくとも従来のアルミラミネート箔より硬質の材料からなることが好ましい。樹脂材料の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、フッ素系樹脂などが使用可能である。この場合、水分を通さない、あるいは水分を通しにくい樹脂材料を使用することが好ましい。金属材料の例としては、アルミニウムやステンレスなどが好適である。金属材料を用いるメリットは高温時の耐久性を向上できる点である。かかるケース本体71は、例えば金属材料を成形素材としこれを金型でプレス成形(例えばインパクト成形等)することにより、作製することができる。樹脂材料を成形素材としこれを射出成形してケース本体71を作製してもよい。導電性金属材料を選択してケース本体71を作製した場合、その内側面には絶縁コートを施しても施さなくてもよいが、施すことで信頼性が高くなる。
【0051】
上蓋91の形成材料は、従来公知の任意の材料が使用可能であり、例えば、樹脂材料、金属材料、セラミック材料などの中から任意に選択することが可能である。上蓋91は、例えば板材を所定形状にカットすることにより容易に作製することが可能である。なお、ケース本体71に比べて異なり硬さに関する制約が小さいので、例えば、樹脂材料にアルミニウム等の金属箔をラミネートしてなる従来公知のラミネート箔を使用することも勿論許容される。なお、ケース本体71を金属製とし、かつ、上蓋91も金属製とした場合には、溶接によってこれらを接合することが可能である。このように接合すれば、確実に耐久性を向上させることができる。
【0052】
各正極集電体23から突出する各タブ24は同じ辺の側に配置されるとともに、それらタブ24は溶接部45を介して1枚の正極外部端子25に溶接されている。その結果、各正極21が正極外部端子25に対して電気的に接続されている。各負極集電体33から突出する各タブ34は、各正極集電体23から突出する各タブ24と対向する辺の側に配置されるとともに、それらタブ34は溶接部45を介して1枚の負極外部端子35に溶接されている。その結果、各負極電極32が負極外部端子35に対して電気的に接続されている。正極外部端子25及び負極外部端子35はいずれも略L字状に屈曲形成されていて、それらの一端はケース61における対向した二辺から突出している。
【0053】
図2,図3に示されるように、ケース61内には電極積層体51の他に内蓋85が収容されている。内蓋85は電極積層体51の高さとケース61の内部空間の高さとの差を解消するための部材であって、電極積層体51の上面と上蓋91の下面との間に配置される。この場合、電極積層体51の高さ及び内蓋85の高さの和のほうが、ケース61の内部空間の高さよりも若干大きくなるように設計されることがよい。即ち、この構成であると、上蓋91をケース本体71に接合したときに、電極積層体51の上下方向に押圧力を均等に加えることができ、充放電が安定するからである。なお、このような内蓋85は、少なくとも上蓋91より硬質で剛性のある材料によって形成される。
【0054】
次に、本実施形態のリチウムイオンキャパシタ11を製造する方法の一例を図5等に基づいて説明する。
【0055】
まず、ケース本体71及び上蓋91を準備しておく。上述したようにケース本体71は金型成形法により作製可能である。上蓋91は、板材を所定形状にカットすることにより作製可能である。また同時に、正極21、負極31及びセパレータ41を積層してなる電極積層体51を準備しておく。
【0056】
正極21の作製は下記の手順で行う。まず、炭素材料、導電剤及びバインダを含む混合スラリーを用意し、これを正極集電体23である厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布して、正極電極22を形成する。正極電極22の乾燥及びプレスを行った後、金型で所定サイズに裁断して、正極21とする。この裁断時に併せて正極側貫通孔26を打ち抜き形成すれば、工数増を伴わずに所望の正極21を確実にかつ容易に得ることができる(図5(a)参照)。なお、正極側貫通孔26に代えて電極非存在領域27を採用する場合には、例えば、正極電極22用スラリーの塗布、乾燥後にその一部分を掻き取ることで電極非存在領域27としてもよい(図6(a)参照)。また、正極電極22用スラリーを塗布する際に部分的に塗らない領域を設定し、これを電極非存在領域27としてもよい。
【0057】
負極31の作製は下記の手順で行う。まず、炭素材料及びバインダを含む混合スラリーを用意し、これを負極集電体33である厚さ12μmの銅箔に塗布して、負極電極32を形成する。負極電極32の乾燥及びプレスを行った後、金型で所定サイズに裁断して、負極31とする。この裁断時に併せて負極側貫通孔36を打ち抜き形成すれば、工数増を伴わずに所望の負極31を確実にかつ容易に得ることができる(図5(b)参照)。
【0058】
この後、リチウム金属箔16を貼付した銅箔製の支持板17を用意し(図5(c)参照)、リチウム金属箔16が負極側貫通孔36内に配置されるような形となるように、その支持板17を負極集電体33にあらかじめ接合しておく(図5(d)参照)。つまり本実施形態では、リチウム金属箔16を薄い箔のまま取り扱うのではなく、支持板17で補強したうえで取り扱うことができる。よって、リチウム金属箔16の取り扱い性が向上し、リチウム金属箔16を配置する労力、換言するとプレドープのために払う労力が従来に比べて軽減される。かかる労力の軽減は、リチウムイオンキャパシタ11の製造の容易化を図るうえで大きく貢献している。
【0059】
セパレータ41は、正極21及び負極31と同じ矩形状であるが、それらよりも若干大きくカットしたものを用いる。そして、正極21及びリチウム金属箔16付きの負極31間にセパレータ41を介在させて積層し、電極積層体51とする(図5(e),図7参照)。このとき、セパレータ41上の所定位置に凹部解消層18を接着剤で固定する。その後、各正極集電体23の各タブ24を正極外部端子25に超音波溶接し、かつ、各負極集電体33の各タブ34を負極外部端子35に超音波溶接する。
【0060】
次に、ケース本体71の中に、端子付きの電極積層体51を収容するとともに、その上に内蓋85を載置する。そして、ケース本体71の上側鍔部74の上面側に上蓋91を接着し、上側開口72を塞ぐようにする(図3参照)。その結果、電極積層体51がケース61内に完全に収容された状態となり、かつ、電極積層体51に対してその上下方向に適度な押圧力が負荷した状態となる。この後、真空引きを行いつつ有機電解質を注入し、ケース61内の収容空間を有機電解質で確実に満たすようにする。さらに、ケース61を密閉して所定時間保持し、プレドープを進行させる。本実施形態においては、正極21及び負極31の両方についてその中央部に大きな孔が開いているので、それらの両面にリチウムイオンを行き渡らせることができ、プレドープを速やかに進行させることができる。以上の結果、図1に示すリチウムイオンキャパシタ11が完成する。
【0061】
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0062】
(1)本実施形態では、負極31に設けられた負極側貫通孔36のスペースにリチウム金属箔16が配置されるため、そのすぐ周囲に存在する負極電極32に対してリチウムを早く均一にドーピングすることができる。また、正極電極22においてリチウム金属箔16に対向した位置には、正極側貫通孔26または電極非存在領域27が設けられており、そこには正極電極22が存在していない。このため、リチウム金属箔16と正極21とが接触するリスクは小さく、電極間ショートが未然に回避され、信頼性が向上する。また、正極側貫通孔26または電極非存在領域27の面積を負極側貫通孔36の面積よりも大きく設定したことにより、充放電を行ったときでも負極側貫通孔36の開口縁にリチウム金属が析出しにくくなり、結果として信頼性が向上する。
【0063】
以上のことから、本実施形態によれば、大容量・高電圧であって信頼性に優れたリチウムイオンキャパシタ11を提供することができる。
【0064】
(2)本実施形態では、プレドープ用のリチウム金属箔16をあらかじめ貼付した支持板17を用意し、これを負極集電体33に接合するという方法を採用している。従って、プレドープ用のリチウム金属箔16の取り扱い性が向上し、それを負極集電体33上に配置する労力が軽減される。よって、従来に比べて簡単にプレドープができ、困難なく製造可能なリチウムイオンキャパシタ11とすることができる。
【0065】
(3)本実施形態では、正極集電体23の各タブ24に溶接された正極外部端子25及び負極集電体33の各タブ34に溶接された負極外部端子35が、平面視で矩形状をなすケース61における対向した二辺から突出している。そしてこの構成によると、正極集電体23と正極外部端子25との溶接部45、負極集電体33と負極外部端子35との溶接部45の抵抗が大きくなりにくい。そのため、大きな電位差の発生を防ぐための工夫が不要になり、比較的容易に設計することができる。
【0066】
(4)本実施形態では、箱状のケース本体71と、それとは別に作製された上蓋91とにより1つのケース61を構成しているため、個々のケース構成部品を単純形状とすることができ、結果的に構造が簡単で安価なケース61とすることができる。また、電極積層体51の側面を包囲するケース本体71は上蓋91よりも剛性の高い材料からなるため、電極積層体51の上下方向に押圧力を加えたときでも、ケース61内の電極積層体51の外周部への応力集中が回避される。よって、電極積層体51の外周部の潰れが未然に防止され、信頼性低下の原因となる電極間ショートが起こりにくくなる。さらに本実施形態では、凹部解消層18や内蓋85を配設しているため、電極積層体51の上下方向に加えた押圧力を電極積層体51の全体に確実にかつ均等に作用させることができる。よって、大容量・高電圧のリチウムイオンキャパシタ11が実現しやすくなる。
【0067】
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
【0068】
・上記実施形態の負極集電体33に代え、例えば、負極側貫通孔36よりも開口面積の小さい複数の孔を有する多孔性導電板、具体的にはミクロンオーダーのポアを多数有する銅箔などを使用してもよい。この構成によると、プレドープ用のリチウムイオンが負極集電体33中において三次元的に拡散されるため、負極電極32に対してリチウムイオンを早く均一にドーピングすることができる。よって、性能のよいリチウムイオンキャパシタを困難なく製造することが可能となる。
【0069】
・上記実施形態では、箱状のケース本体71と上蓋91とからなるケース61を用いてリチウムイオンキャパシタを構成したが、当該ケース61に代わる収容体として従来公知のラミネートフィルム製の容器を用いてもよい。
【0070】
・上記実施形態では、正極外部端子25及び負極外部端子35をケース61における対向した二辺から突出させた構成としたが、例えば、図8に示す別の実施形態の電極積層体151のように、正極外部端子25及び負極外部端子35をケース61における一辺から突出させるような構成とすることもできる。このような構成は、大きな電位差の発生を防止する工夫をする必要があるものの、複数個用いて組電池を作製する場合に有利である。
【0071】
・正極側貫通孔26及び負極側貫通孔36の数は上記実施形態のみに限定されず変更してもよい。例えば、図9に示す別の実施形態では、負極31Aに2個の長方形状の負極側貫通孔36を並列配置し、正極21Aにおいてこれら負極側貫通孔36に対応した位置にそれよりも大きい2個の正極側貫通孔26を並列配置している。また、図10に示す別の実施形態では、負極31Bに長方形状の負極側貫通孔36を2個ずつ3列配置し、合計6個としている。また、正極21Bにおいてこれら負極側貫通孔36に対応した位置にそれよりも大きい正極側貫通孔26を3個配置している。これらのような構成は、例えば、外形寸法が大型のリチウムイオンキャパシタにおいて採用することが好ましい。
【0072】
・上記実施形態では、本発明をリチウムプレドープ型リチウムイオンキャパシタ11,111に具体化したが、リチウム以外のアルカリ金属をプレドープさせるタイプのアルカリ金属イオンキャパシタに具体化することもできる。あるいは、本発明を非水系二次電池や電気二重層キャパシタなどに具体化することもできる。
【0073】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0074】
(1)請求項7において、前記負極側貫通孔は、前記負極電極の中央部を横断して前記負極電極を二等分し、前記負極外部端子が接続された辺及びそれに対向する辺の位置までそれぞれ延びていることを特徴とする非水系蓄電デバイス。
【0075】
(2)請求項7において、前記負極側貫通孔は、前記負極電極を横断するような状態で複数列並列に配置されていることを特徴とする非水系蓄電デバイス。
【0076】
(3)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記正極集電体に電気的に接続された正極外部端子と、前記負極集電体に電気的に接続された負極外部端子とを備え、前記正極外部端子及び前記負極外部端子が、平面視で矩形状をなす前記ケースにおける一辺から突出していることを特徴とする非水系蓄電デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本実施形態のリチウムイオンキャパシタの斜視図。
【図2】上記リチウムイオンキャパシタの断面図。
【図3】上記リチウムイオンキャパシタの分解断面図。
【図4】上記リチウムイオンキャパシタを構成する電極積層体の平面図。
【図5】(a)は正極、(b)は負極、(c)はリチウム金属箔を貼付した支持板、(d)は前記支持板を接合した状態の負極、(d)は電極積層体の平面図。
【図6】(a)は正極、(b)は負極、(c)はリチウム金属箔を貼付した支持板、(d)は前記支持板を接合した状態の負極、(d)は電極積層体の平面図。
【図7】図5に示した電極積層体の部分拡大断面図。
【図8】別の実施形態のリチウムイオンキャパシタを構成する電極積層体の平面図。
【図9】(a)は別の実施形態の正極、(b)は負極の平面図。
【図10】(a)は別の実施形態の正極、(b)は負極の平面図。
【符号の説明】
【0078】
11…非水系蓄電デバイスとしてのリチウムプレドープ型リチウムイオンキャパシタ
16…(プレドープ用)リチウム金属としてのリチウム金属箔
17…プレドープ用リチウム金属支持板
18…凹部解消層
21,21A,21B…正極
22…正極電極
23…正極集電体
25…正極外部端子
26…正極側貫通孔
27…電極非存在領域
31,31A,31B…負極
32…負極電極
33…負極集電体
35…負極外部端子
36…負極側貫通孔
41…セパレータ
51,151…電極積層体
61…ケース
71…ケース本体
72…開口としての上側開口
91…蓋としての上蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素材料からなる正極電極を正極集電体上に形成した構造の正極と、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な材料からなる負極電極を負極集電体上に形成した構造の負極と、前記負極及び前記正極の間に介在されたセパレータとを備え、前記正極、前記負極及び前記セパレータを積層してなる電極積層体がケース内に収容され、前記ケース内にリチウムイオンを含んだ有機電解質が注入されている非水系蓄電デバイスにおいて、
前記負極には負極側貫通孔が設けられ、前記正極電極において前記負極側貫通孔に対応した位置には前記負極側貫通孔よりも面積の大きな正極側貫通孔または電極非存在領域が設けられ、前記負極側貫通孔内にはリチウム金属が配置されることを特徴とする非水系蓄電デバイス。
【請求項2】
前記負極側貫通孔内に配置されるリチウム金属は、プレドープ用リチウム金属であることを特徴とする請求項1に記載の非水系蓄電デバイス。
【請求項3】
前記負極集電体には、その片側面または両側面に前記プレドープ用リチウム金属が貼付されたプレドープ用リチウム金属支持板が接合されることを特徴とする請求項2に記載の非水系蓄電デバイス。
【請求項4】
前記負極集電体は、前記負極側貫通孔よりも開口面積の小さい複数の孔を有する多孔性導電板であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の非水系蓄電デバイス。
【請求項5】
前記正極側貫通孔内には、前記正極の厚さ以下の厚さを有する凹部解消層が配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非水系蓄電デバイス。
【請求項6】
前記凹部解消層は前記セパレータに対して固定されていることを特徴とする請求項5に記載の非水系蓄電デバイス。
【請求項7】
前記正極集電体に電気的に接続された正極外部端子と、前記負極集電体に電気的に接続された負極外部端子とを備え、前記正極外部端子及び前記負極外部端子が、平面視で矩形状をなす前記ケースにおける対向した二辺から突出していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の非水系蓄電デバイス。
【請求項8】
前記ケースは、ケース本体と蓋とにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の非水系蓄電デバイス。
【請求項9】
前記ケースは、前記電極積層体の側面を包囲するケース本体と、前記ケース本体とは別に作製され開口を塞ぐように前記ケース本体に接合された蓋とを含んで構成され、前記ケース本体は、前記蓋よりも剛性の高い材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の非水系蓄電デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−305928(P2008−305928A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151042(P2007−151042)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(000237721)FDK株式会社 (449)
【Fターム(参考)】