説明

音源制御装置及び音源制御プログラム

【課題】音源を制御して短いフレーズを繰り返し演奏させる音源制御装置及び音源制御プログラムであって、演奏が単調になるのを防止した音源制御装置及び音源制御プログラムを提供する。
【解決手段】リズムパターンを選択するパターンボタンを設ける。リズムパターンは、ゲートタイムデータGD、及びベロシティデータVD11〜VD48のうちの複数のデータによってそれぞれ規定される。選択したリズムパターンをグラフ化して表示するグラフウィンドウを設ける。グラフウィンドウ上に配置されたタッチパネルにおける操作に応じて、ゲートタイムデータ及びベロシティデータの値を変更する。楽音信号を発生する音源装置に、演奏ボタンに割り当てた音高と選択したリズムパターンとによって規定されるフレーズを演奏させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽音信号を発生する音源装置を制御する音源制御装置及び音源制御装置に適用されるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、下記特許文献1に示されているように、同一の打楽器を連打するロール奏法を簡単に模擬できる電子楽器は知られている。この電子楽器においては、ロール奏法の複数種類のリズムパターンを記憶している。それぞれのリズムパターンは、複数のパターンデータによって規定されている。ロール演奏モードにおいて、1つのリズムパターンを選択し、演奏ボタンを押した状態に保持すると、パターンデータに基づいて、音源回路に発音指示を繰り返し供給する。このようにして、ロール奏法を模擬している。なお、この電子楽器においては、パターンデータとして、それぞれの打奏音の強さ及び長さを記憶している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−173568
【発明の概要】
【0004】
しかし、上記従来の電子楽器においては、ロール奏法による演奏中に、選択したリズムパターンを構成するパターンデータをユーザが変更することができない。すなわち、予め決められたパターンを繰り返すだけなので、演奏が単調になることがあった。また、即興的な演奏が困難であった。本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、音源を制御して短いフレーズを繰り返し演奏させる音源制御装置及び音源制御装置に適用されるコンピュータプログラムであって、演奏が単調になるのを防止した音源制御装置及び音源制御装置に適用されるコンピュータプログラムを提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、音高が割り当てられていて、演奏者によって操作されて発音することを指示する演奏操作子(P1〜P16)と、演奏操作子によって発音することが指示されているとき、複数のパターンデータ(GD、VD11〜VD48)によって規定されたリズムパターンに従って前記演奏操作子に割り当てられた音高の楽音を発音するフレーズを、楽音信号を発生する音源装置(20)に演奏させる演奏指示手段(S18)と、音源装置に演奏させるフレーズのリズムパターンをグラフ化したリズムパターン図を表示する表示部を有する表示器(12)と、前記表示部に重なるように配置され、演奏者によって操作される平面状の操作領域を備えていて、タッチ操作により前記操作領域内における1つ又は複数のポイントを指定可能なタッチパネル(14)と、前記フレーズの演奏中に、前記タッチ操作の態様に応じて、複数のパターンデータうちの1つ又は複数のパターンデータの値を変更するパターンデータ変更手段(S21)とを備えたことにある。
【0006】
この場合、複数のパターンデータは、音源装置に演奏させるフレーズを構成する複数の楽音にそれぞれ対応していて、前記複数の楽音の発生態様を規定する1つ又は複数の楽音データ(GD、VD11〜VD48)をそれぞれ含み、リズムパターン図は、前記楽音の発音タイミングを横軸方向とし、音源装置に演奏させるフレーズのリズムパターンを規定する複数のパターンデータにそれぞれ対応した複数の印であって、複数のパターンデータにそれぞれ含まれる前記楽音データの値の大きさをそれぞれ表わす複数の印を表示したグラフであるとよい。
【0007】
さらに、この場合、複数のパターンデータは、楽音データとして、対応する楽音の強さを表すベロシティデータ(VDm)をそれぞれ含み、前記グラフの横軸方向に垂直な縦軸方向における前記印の高さが、ベロシティデータの値の大きさを表わしていて、パターンデータ変更手段は、前記タッチ操作により1つのポイントが指定されているとき、前記グラフの横軸方向における前記指定された1つのポイントの位置に対応するパターンデータのベロシティデータの値を、前記グラフの縦軸方向における前記指定された1つのポイントの位置に応じた値に変更するとよい。
【0008】
また、この場合、前記複数のパターンデータは、複数のパターンデータは、楽音データとして、対応する楽音の長さを表すゲートタイムデータをそれぞれ含み、前記グラフの横軸方向における前記印の幅が、ゲートタイムデータの値の大きさをそれぞれ表していて、パターンデータ変更手段は、前記タッチ操作により異なる2つのポイントが指定されているとき、前記グラフの横軸方向における前記指定された2つのポイントの距離の変化に応じて、前記複数のパターンデータのゲートタイムデータの値を変更してもよい。
【0009】
上記のように構成した音源制御装置によれば、フレーズを演奏している間に、パターンデータの値をリアルタイムに変更できる。すなわち、フレーズを構成する楽音の発生態様をリアルタイムに変更する即興的な演奏が可能である。これにより、演奏が単調になるのを防止できる。また、タッチパネルにおける、リズムパターン図に重ねて配置された操作領域をタッチして、タッチした点の位置、タッチした2点の間の距離の変化などに応じて、パターンデータの値を変更できるので、直感的に操作できる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、演奏操作子とは異なる操作子であって、演奏者によって操作される制御操作子を備え、演奏指示手段は、前記複数のパターンデータによって規定されるリズムパターンのうち、制御操作子の操作の態様に応じた一部の区間のリズムパターンを、音源装置に演奏させるフレーズのリズムパターンとして採用するリズムパターン決定手段(S21)を備えたことにある。これによれば、制御操作子を用いて、リズムパターンを異なるリズムパターンに変形できるので、演奏をより複雑に変化させることができる。
【0011】
さらに、本発明の実施にあたっては、楽音制御装置の発明に限定されることなく、同装置に適用されるコンピュータプログラムの発明としても実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る音源制御装置としての携帯情報端末の全体ブロック図である。
【図2】表示器に表示される基本画像である。
【図3】演奏ボタンの設定を編集する手順を説明する説明図である。
【図4】演奏ボタンセットのデータ構成を示すメモリマップである。
【図5】ゲートタイムデータ及びベロシティデータの構成を示すメモリマップである。
【図6】ロール演奏モードにおいて、ベロシティデータを変更する手順を説明する説明図である。
【図7A】異なる演奏パターンを選択したときのベロシティデータの更新について説明する第1の段階の説明図である。
【図7B】図7Aの状態から、単位時間当たりの発音回数がより少ない演奏パターンに変更した例を説明する説明図である。
【図7C】図7Bの状態から、単位時間当たりの発音回数がより多い演奏パターンに変更した例を説明する説明図である。
【図8】ロール演奏モードにおいて、ゲートタイムデータを変更する手順を説明する説明図である。
【図9A】異なる演奏パターンを選択したときのゲートタイムデータの更新について説明する第1の段階の説明図である。
【図9B】図7Aの状態から、単位時間当たりの発音回数がより多い演奏パターンに変更した例を説明する説明図である。
【図10】ロール演奏モードにおいて、コントロールボタンを用いてエンドポイントを変更する手順を説明する説明図である。
【図11】音源制御プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る音源制御装置として動作する携帯情報端末10の全体構成について図1を用いて説明する。この携帯情報端末10は、複数種類のプログラムを記憶しており、ユーザによって選択されたプログラムを実行することにより、前記選択されたプログラムに応じた機能を発揮する。前記複数種類のプログラムのうちの1つのプログラムが、音源装置20を制御する音源制御装置としてこの携帯情報端末10を動作させる音源制御プログラムである。
【0014】
携帯情報端末10は、設定操作子11、表示器12、表示制御回路13、タッチパネル14、操作子インターフェース回路15、バス16、コンピュータ部17及び通信インターフェース回路18を備えている。設定操作子11は、携帯情報端末10の電源をオン・オフするための電源スイッチ、ソフトウェアの実行中に他のソフトウェアを選択する選択画面を表示器12に表示するためのホームボタンなどからなる。設定操作子11は、操作子インターフェース回路15に接続されていて、操作子インターフェース回路15によって、設定操作子11の操作状態が検出される。
【0015】
表示器12は、液晶ディスプレイ(LCD)によって構成され、表示画面上に文字、図形などを表示する。この表示器12の表示は、表示制御回路13によって制御される。表示制御回路13は、バス16を介して、後述のコンピュータ部17から表示器12に表示する画像を表す画像データを入力する。
【0016】
タッチパネル14は、表示器12の表示画面に重なるようにして配置されている。タッチパネル14も操作子インターフェース回路15に接続されていて、操作子インターフェース回路15によって制御されて、ユーザによってタッチされた位置の座標を表す座標データを操作子インターフェース回路15に出力する。以降の説明において、表示器12に表示されたアイコンであって、オン・オフ操作が可能なボタン型のアイコンを単にボタンという。また、ボタン型のアイコンの表示領域に対応するタッチパネル14の操作領域を指、ペンなどでタッチすることを、単に「ボタンを押す」という。また、ボタンを押した指、ペンなどをタッチパネル14から離すことを、単に「ボタンを離す」という。また、ボタンを押した状態で、前記指、ペンなどを上下又は左右に移動させることを、単に「ボタンをスライドさせる」という。また、詳しくは後述するように、表示器12には、MIDIチャンネルの番号を表すチャンネルナンバCN、ボタン名を表す文字列などがリスト形式で表示されることがあるが、これらのパラメータの値、文字列などの表示領域に対応するタッチパネル14の操作領域を指、ペンなどでタッチして、値、文字列などを選択することを、単に「チャンネルナンバCNを選択する」、「ボタン名を選択する」などという。
【0017】
操作子インターフェース回路15は、設定操作子11の操作及びタッチパネル14の操作に関する各種データを、バス16を介して、コンピュータ部17に供給する。
【0018】
コンピュータ部17は、CPU17a、タイマ17b、ROM17c及びRAM17dからなる。CPU17aは、音源制御プログラムを実行して、演奏情報(ノートオン情報、ノートオフ情報、ノート番号、ベロシティなど)を、バス16に接続された通信インターフェース回路18を介して、音源装置20に供給する。タイマ17bは、予めCPU17aによって設定された周期で、割り込み信号をCPU17aに出力する。ROM17cは、携帯情報端末10に予め組み込まれている半導体メモリ(例えば、書き換え可能なフラッシュメモリ)、及びハードディスク、並びにこの携帯情報端末10に装着可能なHDD、FDD、CD−ROM、MO、DVDなどの大容量の不揮発性記録媒体と、同各記録媒体に対応するドライブユニットを含むものであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。これらの各種プログラム及び各種データは予め各記録媒体に記録されていてもよいし、後述する通信インターフェース回路18を介して外部から取り込んでもよい。
【0019】
RAM17dは、各種プログラムの実行過程において必要なデータを一時的に記憶する半導体メモリである。
【0020】
通信インターフェース回路18は、携帯情報端末10を音源装置20、パーソナルコンピュータなどのMIDI対応の外部機器に、無線又は有線で接続可能にするとともに、インターネットなどの通信ネットワークに接続可能にしている。携帯情報端末10には、一台の外部機器が接続されるようにしてもよいし、複数の外部機器が接続され、携帯情報端末10及び複数の外部機器によってネットワークが形成されるようにしてもよい。
【0021】
また、音源装置20は、CPU17aから通信インターフェース回路18を介して供給された演奏情報に基づいて、楽音信号を発生する。音源装置20は、アンプ、スピーカなどからなるサウンドシステムを備えている。前記発生された楽音信号は、このサウンドシステムに供給され、音響信号に変換されて放音される。
【0022】
携帯情報端末10の電源を投入すると、CPU17aは、基本プログラムを実行してオペレーティングシステムを起動し、表示器12に、プログラム選択画面を表示する。プログラム選択画面には、携帯情報端末10に記憶されている各種プログラムのアイコンが表示される。そして、ユーザが、音源制御プログラムのアイコンにタッチして音源制御プログラムを選択すると、CPU17aは、音源制御プログラムを実行し、図2に示すような、基本画像を表示器12に表示する。
【0023】
基本画像の中央やや左寄りの位置から右端にかけた領域には、演奏ボタンP1〜P16が配置されている。演奏ボタンP1〜P16は、縦方向及び横方向に4つずつ配置されていて、格子状に表示されている。本実施形態においては、16個の演奏ボタンを備えているが、演奏ボタンの数を、より多くしてもよいし、逆により少なくしてもよい。
【0024】
これらの演奏ボタンP1〜P16には、ボタンの名称を表わす演奏ボタン名BNが割り当てられている。また、音源装置20に送信される楽音情報として、MIDIチャンネルの番号を表すチャンネルナンバCN、音高を表すノートナンバNN、音の強さを表すベロシティVLがそれぞれ割り当てられている。1つの演奏ボタンには、最大5個の楽音情報M1〜M5を割り当てることができる。ただし、1つの演奏ボタンに割り当て可能な楽音情報の数を、より多くしてもよいし、逆により少なくしてもよい。演奏ボタンP1〜P16の中央には、演奏ボタン名BN、及びノートナンバNNに対応する文字列がそれぞれ表示されている。すなわち、ノートナンバNNに対応する音名(C、C#・・・B)とオクターブ番号(「1」、「2」・・・「8」)とからなる文字列が表示されている。このように、演奏ボタンに割り当てられている音高を、演奏者に分かり易いように表示している。図2の例においては、演奏ボタンP1には、演奏ボタン名BNが「Kick」と設定され、ノートナンバNNが「35」と設定されているので、ボタンの中央には、「Kick」及び「B1」と表示されている。なお、1つの演奏ボタンに複数の楽音情報を割り当てた場合には、それぞれの楽音情報のノートナンバNNに対応する文字列が、並列に表示される。
【0025】
ユーザは、これらのチャンネルナンバCN、ノートナンバNN及びベロシティVLの値を変更可能である。例として、演奏ボタンP1のチャンネルナンバCN、ノートナンバNN及びベロシティVLの値を変更する操作について説明する。他の演奏ボタンの楽音情報を編集する操作も同様である。基本画像における演奏ボタンP1〜P16の表示領域の左側の領域には、編集ボタンEDが配置されている。編集ボタンEDの中央には「EDIT」と表示されている。
【0026】
編集ボタンEDを押してから、演奏ボタンP1を押すと、図3に示すように、基本画像の全体が上方へスライドし、表示器12の下端部に2オクターブの鍵域に属するそれぞれの鍵に対応した複数の鍵ボタンからなる鍵盤ボタンKBが表示される。すなわち、鍵盤ボタンKBは、白鍵を表したボタンである白鍵ボタンWK1〜WK14と、黒鍵を表したボタンである黒鍵ボタンBK1〜BK10から構成されている。白鍵ボタンWK1〜WK14及び黒鍵ボタンBK1〜BK10には、音高がそれぞれ割り当てられていて、白鍵ボタンWK1〜WK14及び黒鍵ボタンBK1〜BK10は、後述するように、演奏ボタンP1に割り当てる音高を設定するために用いられる。
【0027】
図3の状態においては、白鍵ボタンWK1〜WK14には、音高として、「C1」〜「B2」がそれぞれ割り当てられていて、黒鍵ボタンBK1〜BK10には、音高として、「C#1」〜「A#2」がそれぞれ割り当てられている。また、表示されている鍵盤ボタンKBの音域を示すために、白鍵ボタンWK1及び白鍵ボタンWK8には、「C1」及び「C2」とそれぞれ表示されている。白鍵ボタンWK2〜WK7、白鍵ボタンWK9〜WK14及び黒鍵ボタンBK1〜BK10には、音高が表示されていない。鍵盤ボタンKBの領域を指、ペンなどでタッチした状態から、その指、ペンなどを左右へスライドさせることにより、鍵盤ボタンKBの画像を左右にスクロールさせて、鍵盤ボタンKBの音域を変更することができる。なお、編集ボタンEDが押されている状態をエディットモードと言い、編集ボタンEDが押されていない状態を演奏モードと言う。
【0028】
また、表示器12の右上の領域であって、編集する演奏ボタンである演奏ボタンP1に重ならない領域の表示が、演奏ボタンP1の設定の編集のための表示に切り替わる。この編集する演奏ボタンの設定の内容を表示する領域を編集ウィンドウEWと言う。編集ウィンドウEWの上端部には、編集ウィンドウEWであることを表すタイトル「Pad Edit」が表示されている。
【0029】
編集ウィンドウEWのタイトルの下方には、名称編集ボタンENが配置されている。名称編集ボタンENの中央には、演奏ボタンP1に割り当てられている演奏ボタン名BNが表示されている。この例においては、「Kick」と表示されている。名称編集ボタンENを押すと、編集ウィンドウの下方に、文字入力のためのキーボードが表示される。このキーボードは、それぞれ文字が割り当てられた複数のボタンからなり、これらのボタンを用いて、演奏ボタンP1の演奏ボタン名BNを変更することができる。
【0030】
また、名称編集ボタンENの下方には、演奏ボタンP1に割り当てられている楽音情報を表示する楽音情報表示領域が設けられている。この楽音情報表示領域は、5行の領域からなり、1行目〜5行目は、楽音情報M1〜M5にそれぞれ対応している。すなわち、それぞれの楽音情報を構成するチャンネルナンバCN、ノートナンバNN及びベロシティVLがこの順に横方向にそれぞれ配置されて表示されている。この例においては、演奏ボタンP1には、楽音情報M1が割り当てられているだけなので、2行目以降のチャンネルナンバCN、ノートナンバNN及びベロシティVLの値は「・・・」と表示されている。
【0031】
チャンネルナンバCNの値を変更するときには、まず、変更しようとする楽音情報のチャンネルナンバCNの表示領域にタッチする。すると、前記タッチした表示領域の周辺(例えば、下側)に、それぞれチャンネル番号を表す「1」〜「16」がリスト形式で表示され、表示された「1」〜「16」のうちのいずれかにタッチして選択すると、チャンネルナンバCNの値が前記選択したチャンネルに変更される。
【0032】
また、ノートナンバNNの値を変更するときには、変更しようとする楽音情報のノートナンバNNの表示領域にタッチして、ノートナンバNNの値を変更可能な状態に設定する。そして、鍵盤ボタンKBにおける、所望の音高に対応する鍵ボタンを押す。これにより、ノートナンバNNの値が、前記所望の音高に変更される。
【0033】
また、ベロシティVLの値を変更するときには、まず、変更しようとする楽音情報のベロシティVLの表示領域にタッチして、ベロシティVLの値を変更可能な状態に設定する。楽音情報の下方には、左右にスライド可能な入力ボタンINが配置されていて、前記変更可能な状態に設定された楽音情報のベロシティVLの値は、入力ボタンINの左右方向の位置に応じて設定される。すなわち、入力ボタンINをスライドさせて、その可動範囲の左端に位置させると、ベロシティVLの値は、最小の「0」に設定され、入力ボタンINを、その可動範囲の中央に位置させると、ベロシティVLの値は、中央の「64」に設定される。また、入力ボタンINを、その可動範囲の右端に位置させると、ベロシティVLの値は、最大の「127」に設定される。
【0034】
楽音情報を追加する場合には、「・・・」と表示されている領域にタッチし、値を変更する場合と同様にして、それぞれの値を入力する。また、各楽音情報のベロシティVLの値の右側には、削除ボタンDLがそれぞれ配置されている。削除ボタンDLの中央には「×」が表示されている。削除ボタンDLを押すと、その行の楽音情報が削除される。
【0035】
また、編集ウィンドウEWの右上端部には、完了ボタンDNが配置されている。完了ボタンDNの中央には「Done」と表示されている。完了ボタンDNを押すと、演奏ボタンP1の編集された設定内容を記憶して、演奏ボタンP1の設定の編集を終了し、再び基本画像を表示する。また、編集ウィンドウの左上端部には、破棄ボタンCLが配置されている。破棄ボタンCLの中央には「Clear」と表示されている。破棄ボタンCLを押すと、ボタンP1の設定の編集を破棄して、再び基本画像を表示する。
【0036】
演奏ボタンP1〜P16の設定は、これらを1セットとした演奏ボタンセットとしてRO17c(例えば、フラッシュメモリ)に不揮発に記憶されている。ROM17cには、複数の演奏ボタンセットを記憶することができる。演奏ボタンセットには演奏ボタンセット番号n(n=1,2・・・)及び演奏ボタンセット名SNが割り当てられている。すなわち、各演奏ボタンセットの内容を表す演奏ボタンセット情報S1〜Sn(n=1,2・・・)は、図4に示すように、演奏ボタンセット名SN、及び演奏ボタンP1〜P16の設定をそれぞれ表す演奏ボタン情報B1〜B16から構成されている。各演奏ボタン情報は、各演奏ボタンの名称を表す演奏ボタン名BN、及び楽音情報M1〜M5からなり、各楽音情報は、チャンネルナンバCN、ノートナンバNN及びベロシティVLからなる。
【0037】
再び基本画像の説明に戻る。基本画像の上端部には、演奏ボタンセット選択ボタンSBが配置されている。演奏ボタンセット選択ボタンSBには、演奏ボタンセット番号n及び演奏ボタンセット名SNが表示されている。演奏ボタンセット選択ボタンSBを押すと、ROM17cに記憶されている各演奏ボタンセットの演奏ボタンセット名SNがリスト形式で表示される。そして、いずれか1つの演奏ボタンセット名SNを選択すると、前記選択した演奏ボタンセットの演奏ボタン情報B1〜B16が読み出され、前記読み出された演奏ボタン情報B1〜B16に基づいて、演奏ボタンP1〜P16の設定が更新される。なお、演奏ボタンセット選択ボタンSBの右側には、インクリメントボタンINCが配置され、演奏ボタンセット選択ボタンSBの左側には、デクリメントボタンDECが配置されている。インクリメントボタンINCには「+」と表示され、デクリメントボタンDECには「−」と表示されている。インクリメントボタンINCを押すと、選択している演奏ボタンセット番号nが1つ大きくなり、デクリメントボタンDECを押すと、選択している演奏ボタンセット番号nが1つ小さくなる。
【0038】
この音源制御装置は、演奏ボタンP1〜P16を押すごとに、押された演奏ボタンP1〜P16に割り当てられた楽音情報に対応する楽音を1回ずつ発音させて演奏する通常演奏モードを備えている。すなわち、通常演奏モードにおいては、演奏ボタンを押すと、押したボタンに割り当てられた楽音情報に対応する発音開始情報が、通信インターフェース回路18を介して、音源装置20に送信される。発音開始情報は、前記演奏ボタンに割り当てられた、チャンネルナンバCNを含むノートオン情報、ノートナンバNN、及びベロシティVLとからなる。そして、押していたボタンを離すと、前記楽音情報に対応する発音停止情報が、通信インターフェース回路18を介して、音源装置20に送信される。発音停止情報は、演奏ボタンに割り当てられた、チャンネルナンバCNを含むノートオフ情報、ノートナンバNN、及びベロシティとからなり、この場合のベロシティの値は、「0」である。演奏ボタンに複数の楽音情報が割り当てられている場合は、その演奏ボタンを押すと、それらの楽音情報にそれぞれ対応する発音開始情報が同時に送信され、その演奏ボタンを離すと、それらの楽音情報にそれぞれ対応する発音停止情報が同時に送信される。なお、「同時に送信する」ことには、所定の短い時間(例えば、数ミリ秒)内に、各楽音情報に対応する発音開始情報及び発音停止情報を順次送信することが含まれる。
【0039】
また、この音源制御装置は、6種類のリズムパターンを切り替えながら、選択したリズムパターンに従った連打演奏が可能である。すなわち、この音源制御装置は、演奏ボタンP1〜P16のいずれか1つ又は複数の演奏ボタンを押した状態に保持している間、前記押した状態に保持している演奏ボタンに割り当てられた音高情報と、前記6種類のリズムパターンから選択された1つのリズムパターンとによって規定される1小節のフレーズを繰り返し演奏するロール演奏モードを備えている。リズムパターンの詳細については後述する。
【0040】
基本画像の左下端部には、通常演奏モードからロール演奏モードへ切り替えるとともに、ロール演奏モードにおけるリズムパターンを選択するパターンボタンRB1〜RB6が配置されている。パターンボタンRB1〜RB6は、1小節あたりの連打回数(分解能)を選択するボタンである。パターンボタンRB1〜RB6のうちのいずれのボタンも押されていないときが通常演奏モードであり、パターンボタンRB1〜RB6のうちのいずれかのボタンが押されているときがロール演奏モードである。以下、パターンボタンRB1〜RB6にそれぞれ対応するリズムパターンをリズムパターンPT1〜PT6という。なお、ロール演奏モードにおけるリズムパターンのテンポ(1分間あたりの拍数)は、後述するテンポ設定ボタンTBを用いて設定される。
【0041】
パターンボタンRB1には、4分音符が表示されていて、パターンボタンRB1と演奏ボタンP1〜P16のいずれかが押されているとき、テンポ設定ボタンTBによって設定されたテンポで演奏する1小節の期間を4等分したそれぞれの期間の先頭のタイミングで、発音開始を表していて、前記押されている演奏ボタンに割り当てられた楽音情報に対応する発音開始情報が、通信インターフェース回路18を介して、音源装置20に送信される。このロール演奏モードにおける発音開始情報は、チャンネルナンバCNを含むノートオン情報、ノートナンバNN、及び後述するリズムパターンデータを構成するベロシティデータVDmとからなる。そして、前記設定されたテンポ及びリズムパターンデータによって規定されたタイミングで、前記演奏ボタンに割り当てられた楽音情報に対応する発音停止情報が、通信インターフェース回路18を介して、音源装置20に送信される。この発音停止情報は、通常演奏モードにおける発音停止情報と同様である。
【0042】
パターンボタンRB1と同様に、パターンボタンRB2、パターンボタンRB3及びパターンボタンRB4には、8分音符、16分音符及び32分音符がそれぞれ表示されていて、押されているパターンボタンに応じて、それぞれ前記1小節の期間を8等分、16等分及び32等分したそれぞれの期間の先頭のタイミングで、発音開始演奏情報が、音源装置20に送信される。そして、前記設定されたテンポ及びリズムパターンデータによって規定されたタイミングで、発音停止情報が、音源装置20に送信される。
【0043】
また、パターンボタンRB5及びパターンボタンRB6には、1拍3連(4分3連)音符及び半拍3連(8分3連)音符がそれぞれ表示されていて、押されているパターンボタンに応じて、前記1小節を12等分及び24等分したそれぞれの期間の先頭のタイミングで、発音開始情報が、音源装置20に送信される。また、前記設定されたテンポ及びリズムパターンデータによって規定されたタイミングで、発音停止情報が、音源装置20に送信される。上記のように、ロール演奏モードにおける発音開始の指示においては、各演奏ボタンP1〜P16にそれぞれ割り当てられているベロシティVLの値は用いられず、リズムパターンデータを構成するベロシティデータVDmが用いられる。また、1つの演奏ボタンに複数の楽音情報が割り当てられている場合において発音開始を指示するとき、それらの楽音情報に対応する演奏情報が、テンポの設定及びリズムパターンデータに従ったタイミングで、同時に音源装置20に送信されるが、この場合、楽音の強さを表わすデータとして、楽音情報ごとに設定されたベロシティVLは用いられず、ベロシティデータVDmが、同時に発音させる全ての楽音に共通に適用される。
【0044】
また、パターンボタンRB1〜RB6の上方には、ラッチボタンLBが配置されている。パターンボタンRB1〜RB6のうちのいずれか1つのボタンを押したまま、ラッチボタンLBを押して、次に両者を離したとしても、前記押していたパターンボタンRB1〜RB6のうちの1つのボタンを押した状態に保持することができる。そして、再び、ラッチボタンLBを押すと、前記1つのボタンを離した状態に戻すことができる。
【0045】
リズムパターンPT1〜PT6は、図5に示すように、RAM17dに記憶された、リズムパターンデータによって規定される。リズムパターンデータは、フレーズを構成するそれぞれの楽音(以下、構成音という)の長さを表わすゲートタイムデータGDと、各構成音の強度を表わすベロシティデータVDm(m=11〜18,21〜28,31〜38,41〜48)のうちの一部のデータ又は全部のデータとからなる。なお、ゲートタイムデータGDは、リズムパターンPT1〜PT6について共通であり、かつフレーズの全ての構成音について共通であって、1拍(4分音符)を「480」とした相対値として表される。ただし、パターンボタンRB1が押されているときのゲートタイムの最大値は「480」であり、パターンボタンRB2,RB3,RB4,RB5,RB6が押されているときのゲートタイムの最大値は、それぞれ「240」,「120」,「60」,「160」,「80」である。また、ベロシティデータVDmの最大値は、「127」である。リズムパターンPT4に対応するフレーズの構成音が最も多く、32個の構成音からなるので、ベロシティデータVDmを記憶するための32個の記憶領域がRAM17dに確保されている。
【0046】
すなわち、リズムパターンPT1を規定するリズムパターンデータは、ゲートタイムデータGDと、ベロシティデータVD11,VD21,VD31,VD41からなる。リズムパターンPT2を規定するリズムパターンデータは、ゲートタイムデータGDと、ベロシティデータVD11,VD15,VD21,VD25・・・VD45からなり、リズムパターンPT3を規定するリズムパターンデータは、ゲートタイムデータGDと、ベロシティデータVD11,VD13,VD15,VD17,VD21,VD23,VD25,VD27・・・VD47からなる。リズムパターンPT4を規定するリズムパターンデータは、ゲートタイムデータGDと、ベロシティデータVD11〜VD48からなる。また、リズムパターンPT5を規定するリズムパターンデータは、ゲートタイムデータGDと、ベロシティデータVD11,VD13,VD16,VD21,VD23,VD26,VD31,VD33,VD36,VD41,VD43,VD46からなる。また、リズムパターンPT6を規定するリズムパターンデータは、ゲートタイムデータGDと、ベロシティデータVD11,VD12,VD14,VD15,VD16,VD18,VD21,VD22,VD24,VD25,VD26,VD28・・・VD48からなる。上記のように、各パターンデータには、音高を表わす情報は含まれていない。
【0047】
また、パターンボタンRB1〜RB6の下方には、ロール演奏モードにおけるリズムパターンデータをグラフ化して表示するグラフウィンドウGWが配置されている。グラフウィンドウGWには、各構成音の発音開始タイミング、発音停止タイミング及び音の強度を表わすグラフが表示される。このグラフは、横軸方向を前記フレーズの演奏開始からの経過時間とし、縦軸方向を音の強度(ベロシティ)とした棒グラフである。すなわち、グラフウィンドウGWの横幅が、1小節分の長さに相当する。また、前記フレーズの各構成音が、縦方向に長いバーとして表示され、このバーの高さが、ベロシティデータVDmによって表された音の強さに相当し、バーの幅が、ゲートタイムデータGDによって表された音の長さに相当する。また、このバーの左端の位置が発音開始タイミングに相当し、右端の位置が発音停止タイミングに相当する。上記のように、ロール演奏モードにおいては、パターンボタンRB1〜RB6に対応する単位時間あたりの発音回数で発音を繰り返すので、押されているパターンボタンRB1〜RB6によって、グラフウィンドウGWに表示されるバーの数は異なる。すなわち、フレーズの構成音の数に応じた数のバーがグラフウィンドウGWに表示される。例えば、パターンボタンRB1が押されているとき、4本のバーが等間隔に表示され、パターンボタンRB2が押されているとき、8本のバーが等間隔に表示される。なお、1拍目、2拍目、3拍目及び4拍目のそれぞれの拍頭に相当するバーの色は他のバーの色と異なっている。
【0048】
ベロシティデータVDm及びゲートタイムデータGDの値は、ロール演奏中モードにおける演奏中に、タッチパネル14における、グラフウィンドウGW上の操作領域内のタッチ操作によりリアルタイムに変更可能である。まず、ベロシティデータVDmを変更する操作について説明する。前記操作領域内の1点を指、ペンなどでタッチすると、そのタッチ位置の横軸方向の座標に対応するベロシティデータVDmの値が、前記タッチ位置の縦軸方向の座標に応じた値に設定される。そして、図5に破線で示したように、前記操作領域内の1点を指、ペンなどでタッチした状態で、前記指、ペンなどを左右に移動させると、タッチ位置の軌跡に、各バーの高さが揃うように、ベロシティデータVDmの値が変更される。
【0049】
また、ロール演奏モードにおける演奏中に、パターンボタンを押し替えて、リズムパターンを変更することができる。1小節における発音回数がより少ないリズムパターンに変更した場合、変更前のリズムパターンを構成していたベロシティデータVDmのうちのいくつかのベロシティデータVDmは、変更後のリズムパターンを構成しないデータである。この変更後のリズムパターンを構成しないベロシティデータVDmの値は、変更後のリズムパターンに対応したフレーズを構成する楽音であって、拍頭側に最も近い楽音の強さを表わすベロシティデータVDmの値と同じ値にそれぞれ設定される。なお、変更前のリズムパターンを構成していて、かつ変更後のリズムパターンをも構成しているベロシティデータVDmの値は、リズムパターンが変更されても変化しない。
【0050】
例えば、図7Aに示すように、リズムパターンPT3から、図7Bに示すように、リズムパターンPT1に変更したとき、ベロシティデータVD12〜VD18の値は、ベロシティデータVD11と同じ値に設定される。2拍目、3拍目及び4拍目についても、1拍目と同様に、ベロシティデータVD22〜VD28の値が、ベロシティデータVD21と同じ値に設定され、ベロシティデータVD32〜VD38の値が、ベロシティデータVD31と同じ値に設定され、ベロシティデータVD42〜VD48の値が、ベロシティデータVD41と同じ値に設定される。したがって、再びリズムパターンPT3に戻したときには、グラフウィンドウGWには、図7Cに示すように、1拍目、2拍目、3拍目及び4拍目のそれぞれにおいて、高さが同一の4本のバーが表示される。
【0051】
つぎに、ロール演奏モードにおいてゲートタイムデータGDを変更する操作について説明する。図8に示すように、ロール演奏モードにおいて、前記操作領域内の2点をタッチし、前記2点間の横方向の距離を小さくするピンチイン操作により、ゲートタイムデータGDの値を小さくすることができる。また、その前記2点間の横方向の距離を大きくするピンチアウト操作によりゲートタイムデータGDの値を大きくすることができる。
【0052】
また、ロール演奏モードにおいて、リズムパターンを変更しても、RAM17dのゲートタイムデータGDの値は変更されない。そして、ゲートタイムデータGDの値が、選択されているリズムパターンのゲートタイムの最大値を超える場合には、フレーズの構成音のゲートタイムとして、前記最大値が用いられる。一方、ゲートタイムデータGDの値が、前記最大値以下である場合には、フレーズの構成音のゲートタイムとして、ゲートタイムデータGDの値が用いられる。
【0053】
例えば、単位時間あたりの連打回数がより多いリズムパターンに変更した場合であって、変更前のリズムパターンのゲートタイムデータGDの値が、変更後のリズムパターンのゲートタイムの最大値よりも大きい場合は、フレーズの構成音のゲートタイムとしては、前記最大値が用いられる。逆に、変更前のリズムパターンのゲートタイムデータGDの値が、前記最大値以下である場合は、フレーズの構成音のゲートタイムとして、ゲートタイムデータGDの値がそのまま用いられる。
【0054】
より具体的な例を挙げて説明する。例えば、図9Aに示すように、変更前のリズムパターンが、リズムパターンPT1であり、RAM17dに記憶されているゲートタイムデータGDの値が「400」であるとする。そして、図9Bに示すように、リズムパターンPT3に変更した場合、リズムパターンPT3におけるゲートタイムの最大値は「120」であるので、RAM17dに記憶されているゲートタイムデータGDよりも小さい。したがって、図9Bに示すように、フレーズ構成音のゲートタイムの値は「120」であるとして、発音停止情報を送信するタイミングが決定される。この状態から、再びリズムパターンPT1に戻すと、リズムパターンPT1におけるゲートタイムの最大値は「480」であるところ、ゲートタイムデータGDの値は「400」であるので、フレーズの構成音のゲートタイムの値は「400」であるとして、発音停止情報を送信するタイミングが決定される(図9A参照)。
【0055】
また、演奏ボタンセット選択ボタンSBの左方には、楽音の発生態様をリアルタイムに変更するための操作子としてのボタンであって、上下にスライド可能なコントロールボタンCBが配置されている。コントロールボタンCBは、楽音の音高、楽音の強さ及びロール演奏モードにおけるループポイントのいずれかをリアルタイムに変更するためのボタンである。ループポイントの詳細については後述する。コントローラボタンCBの右方には、機能選択ボタンFBが配置されていて、機能選択ボタンFBを押すごとに、楽音の音高、楽音の強さ及びループポイントのうちの1つが順次選択され、コントロールボタンCBの機能として割り当てられる。機能選択ボタンFBの右方には、各機能(すなわち、楽音の音高、楽音の強さ及びループポイント)の名称をそれぞれ表す「PITCH」、「VELOCITY」及び「ROLL LENGTH」が表示されていて、選択されている機能名の左方に丸印が点灯する。図2の例においては、「PITCH」が選択されている。
【0056】
「PITCH」を選択した状態で、演奏ボタンを押して発音させ、コントロールボタンCBを上下に動かすと、発音中の楽音の音高を、コントロールボタンCBの位置に応じた音高に変更するコントロールチェンジ情報が音源装置20に送信される。
【0057】
また、「VELOCITY」を選択した状態で、通常演奏モードにおいて演奏ボタンを押したとき、その演奏ボタンに設定されている楽音情報に基づく演奏情報が音源装置20に送信されるが、この演奏情報のベロシティの値は、演奏ボタンに設定されているベロシティVLの値にコントロールボタンCBの位置に応じた値を乗じた値である。ロール演奏モードにおける発音開始の指示においては、リズムパターンデータに基づいて複数の演奏情報が時間間隔をおいて、音源装置20に送信されるが、その演奏情報のベロシティの値は、リズムパターンデータを構成するベロシティVDmの値にコントロールボタンCBの位置に応じた値を乗じた値である。
【0058】
また、「ROLL LENGTH」を選択した状態で、ロール演奏モードにおいて演奏ボタンを押したとき、リズムパターンのエンドポイントがコントロールボタンCBの位置に応じて変更される。エンドポイントとは、演奏ボタンに割り当てられた音高と選択したリズムパターンとによって規定されるフレーズの構成音のうち、最終の楽音として採用する楽音のベロシティデータVDmを指し示すポインタである。すなわち、パターンボタンによって選択されたリズムパターンを規定するパターンデータを構成するベロシティデータVDmのうち、先頭のベロシティデータからエンドポイントによって示されたベロシティデータまでを用いて、繰り返し再生するフレーズを構成する。これにより、コントロールボタンCBの位置に応じて、演奏ボタンに割り当てられた音高と選択したリズムパターンとによって規定されるフレーズのうちの先頭の一部を、音源装置20に繰り返し演奏させる。
【0059】
例えば、図10に示すように、リズムパターンPT3に対応するフレーズの演奏中に、「ROLL LENGTH」を選択した状態で、コントロールボタンCBを操作すると、エンドポイントが、コントロールボタンCBの位置に応じて設定される。例えば、エンドポイントが、ベロシティデータVD33に設定されたとする。この場合、リズムパターンは、ベロシティデータVD11,VD13,VD15,VD17,VD21,VD23,VD25,VD27,VD31,VD33とゲートタイムデータGDによって規定される。グラフウィンドウGWにおいても、リズムパターンを構成するベロシティデータVDmのみが表示される。なお、図10のグラフウィンドウGWにおいて、ベロシティデータVD35,VD37,VD41,VD43,VD45,VD47が用いられないことを示すために破線の矢印を示したが、この矢印は、実際には、グラフウィンドウGWに表示されない。
【0060】
また、演奏ボタンセット選択ボタンSBの右方には、テンポ設定ボタンTBが配置されている。テンポ設定ボタンTBには、「TAP」と表示されている。テンポ設定ボタンTBを複数回繰り返して押すことにより、その繰り返しの速さ(単位時間あたりの操作回数)を用いて、ロール演奏のテンポを設定する。現在のテンポの値が、テンポ設定ボタンTBの右方に表示されている。
【0061】
つぎに、音源制御プログラムについて図11を用いて説明する。CPU17aは、ステップS10にて、音源制御プログラムの実行を開始すると、ステップS11にて、各種データを初期化する。例えば、ゲートタイムデータGDを最大値である「480」に初期化し、ベロシティデータVDmを最大値である「127」に初期化する。また、音源制御プログラムを終了するか否かを表わす終了指示フラグをRAM17dに記憶していて、CPU17aは、この終了指示フラグを「実行」に初期化する。
【0062】
つぎに、CPU17aは、ステップS12にて、基本画像を表示器12に表示する。そして、CPU17aは、ステップS13にて、演奏者による操作を検出し、次に実行する処理を決定する。
【0063】
ステップS13において、演奏ボタンP1〜P16のいずれかのボタンが操作されたことを検出すると、CPU17aは、ステップS14にて、現在の動作モードが演奏モード又はエディットモードのいずれのモードであるか判定する。エディットモードであるときには、CPU17aは、ステップS15にて、前記ステップS13にて検出した演奏ボタンの設定を編集するための編集ウィンドウEWを表示して、後述するステップS19に処理を進める。一方、演奏モードであるときには、ステップS16にて、さらに、現在の演奏モードが通常演奏モード又はロール演奏モードのいずれのモードであるか判定する。
【0064】
現在のモードが通常演奏モードであるときには、CPU17aは、ステップS17にて、操作された演奏ボタンに対応する楽音を1回発音させる単独発音処理を実行する。すなわち、上述したように、演奏ボタンが押されたとき、発音開始情報を音源装置20に1回送信し、後述のステップS22に処理を進める。また、演奏ボタンが離されたとき、発音停止情報を音源装置20に1回送信して、後述のステップS22に処理を進める。一方、現在のモードがロール演奏モードであるときには、CPU17aは、ステップS18にて、図5を用いて説明したように、押されているパターンボタン及び演奏ボタンに対応するフレーズを繰り返し演奏させるパターン演奏処理を実行する。すなわち、ゲートタイムデータGD及びテンポに基づいて、前記フレーズの構成音の発音開始タイミング及び発音停止タイミングを計算する。そして、タイマ17bを用いて計測した現在時刻と前記計算した発音開始タイミング又は発音停止タイミングとが一致する構成音に関する発音開始情報及び発音停止情報を音源装置20に送信し、ステップS22に処理を進める。現在時刻が前記計算した発音開始タイミング及び発音停止タイミングのうちのいずれのタイミングとも一致しないときには、そのままステップS22に処理を進める。
【0065】
また、ステップS13にて、編集ボタンEDが押されたことを検出したときには、ステップS19にて、エディットモードに設定し、ステップS22に処理を進め、その後、演奏ボタンが押されると、ステップS14にて、エディットモードであると判定し、ステップS15にて、その演奏ボタンの設定を編集するための編集ウィンドウEWを表示する。また、ステップS13にて、編集ウィンドウEW内が操作されたことを検出したときには、CPU17aは、ステップS20にて、図3を用いて説明したように、前記操作に応じて、選択されている演奏ボタンの設定を変更し、ステップS22に処理を進める。
【0066】
また、ステップS13にて、その他の操作を検出すると、CPU17aは、ステップS21にて、その操作に応じた処理を実行する。例えば、グラフウィンドウGWにおける操作を検出したときは、図5及び図8を用いて説明したように、CPU17aは、ベロシティデータVDm又はゲートタイムデータGDを変更して、ステップS22に処理を進める。
【0067】
また、例えば、コントロールボタンCBの操作を検出したときには、CPU17aは、コントロールボタンCBに割り当てられている機能に応じて、楽音の発生態様を変更して、ステップS22に処理を進める。また、演奏ボタンセット選択ボタンSBが押されたことを検出したときには、CPU17aは、上述のように、演奏ボタンセットを切り替え、テンポ設定ボタンTBが押されたことを検出したときには、CPU17aは、上述のように、ロール演奏モードにおけるテンポを変更して、ステップS22に処理を進める。
【0068】
また、ホームボタンが押されたことを検出したときは、終了指示フラグを「終了」に設定して、ステップS22に処理を進める。ホームボタンが押されていないときには、終了指示フラグを操作せず(すなわち「実行」のまま)、ステップS22に処理を進める。そして、CPU17aは、ステップS22にて、音源制御プログラムの終了指示の有無を判定する。すなわち、終了指示フラグが「終了」であれば、ステップS23に処理を進め、ステップS23にて音源制御プログラムを終了する。一方、終了指示フラグが「実行」であれば、CPU17aは、ステップS13に処理を進め、以降、上述した処理を繰り返す。
【0069】
上記のように構成した音源制御装置によれば、ロール演奏モードにおいて、ベロシティデータVDm及びゲートタイムデータGDの値をリアルタイムに変更して、楽音の発生態様を変化させることができる。したがって、即興演奏し易く、演奏が単調になるのを防止できる。しかも、ベロシティデータVDm及びゲートタイムデータGDをグラフ化してグラフウィンドウGWに表示し、グラフウィンドウGW上におけるタッチ操作に応じて、ベロシティデータVDm及びゲートタイムデータGDの値を変更するようにした。具体的には、指、ペンなどのタッチ位置の軌跡にベロシティデータVDmを表わすバーの高さが揃うように変更するようにした。また、タッチした2点間の幅を狭くする操作に応じてゲートタイムデータGDを小さくし、前記2点間の幅を広くする操作に応じてゲートタイムデータGDを大きくするようにした。このように、タッチ位置の動きとデータの変化の仕方とが関連付けられているので、直感的に操作できる。また、コントロールボタンCBの位置に応じて、パターンボタンによって選択されたリズムパターンに対応するフレーズの先頭の一部のみを、音源装置20に繰り返し演奏させることができるようにしたので、より変化に富んだ演奏が可能である。
【0070】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0071】
上記実施形態においては、ゲートタイムデータGDは、選択されたリズムパターンに対応するフレーズを構成するすべての楽音について共通としたが、それぞれの楽音についてゲートタイムデータを個別に記憶するようにしてもよい。そして、グラフウィンドウGW上をタッチして、1つ又は複数のバーを選択し、ピンチイン操作及びピンチアウト操作により、前記選択したバーに対応するゲートタイムデータの値を変更してもよい。この場合、例えば、ベロシティデータと、ゲートタイムデータを別々のグラフとして表示してもよい。例えば、横軸方向を発音タイミングとし、縦軸方向をベロシティデータの値の大きさとした折れ線グラフと、横軸方向を発音タイミングとし、縦軸方向をゲートタイムデータの値の大きさとした折れ線グラフとしてもよい。また、例えば、各楽音のベロシティデータの値及びゲートタイムデータの値の大きさにそれぞれ応じた色彩の印(図形、記号など)を表示してもよい。
【0072】
また、上記実施形態においては、演奏ボタンとパターンボタンとが同時に押されている間において、前記押されたボタンに対応するフレーズを繰り返し演奏するようにしたが、これに代えて、演奏ボタンとパターンボタンが同時に押されたとき、前記押されたボタンに対応するフレーズを1回だけ演奏するようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態においては、ゲートタイムデータGDは、1拍を「480」としたときの相対値としたが、これに替えて、選択したリズムパターンにおける、楽音の長さの最大値に対する相対値としてもよい。すなわち、前記最大値の何パーセントに相当するかをゲートタイムデータGDとして記憶してもよい。
【0074】
また、上記実施形態においては、コントロールボタンCBの機能が「VELOCITY」に設定されているとき、コントロールボタンCBの位置をリズムパターンに反映するようにした。しかし、これに代えて、ロール演奏モードにおいて、コントロールボタンCBの機能が「VELOCITY」に設定されているとき、コントロールボタンCBの操作を無効としてもよい。すなわち、ベロシティデータVDmの値をそのまま用いてもよい。
【0075】
また、上記実施形態においては、コントロールボタンCBの位置に応じて、エンドポイントを設定するようにしたが、コントロールボタンCBの位置ではなく、コントロールボタンCBの移動速度、加速度などに応じて、エンドポイントを設定してもよい。また、グラフウィンドウGW上の操作によって、エンドポイントを設定するようにしてもよい。この場合、ベロシティデータVDmを変更する操作及びゲートタイムデータGDを変更する操作と、エンドポイントを設定する操作とを区別して検出する必要がある。例えば、タッチ位置の移動方向によって操作を区別するとよい。具体的には、グラフの右端を指、ペンなどでタッチして、グラフの左端側へタッチ位置を移動させ、グラフの左端に達する前に前記指、ペンなどを離したとき、前記指、ペンなどを離した位置に対応するベロシティデータVDmをエンドポイントが指し示すデータとして採用するとよい。この場合も、指、ペンなどの移動速度、加速度などに応じてエンドポイントを設定してもよい。なお、上記のように、タッチ位置がグラフの右端から左端へ向かう場合、ベロシティデータVDmの値を変更しない。逆に、グラフの左端にタッチして、タッチ位置を右側に移動させたとき、ベロシティデータVDmを変更すればよい。
【0076】
また、上記実施形態においては、コントロールボタンCBに、「ROLL LENGTH」が割り当てられているとき、コントロールボタンCBの位置に応じて、フレーズの先頭の一部を繰り返し演奏するようにしたが、これに替えて、コントロールボタンCBの位置に応じて、フレーズの末尾の一部を繰り返し演奏するようにしてもよい。また、コントロールボタンCBの可動領域において、上下に離間した2点をタッチしたとき、その2点の間に対応する、フレーズの中間部分を繰り返し演奏するようにしてもよい。この場合、タッチしている2点に対応してボタンをそれぞれ表示してもよい。
【0077】
また、上記実施形態においては、リズムパターンPT1〜PT6は1小節のフレーズを規定しているが、ベロシティデータVDmの数を増やして、2小節のフレーズ、3小節のフレーズなどのより長いフレーズを規定してもよいし、逆に、ベロシティデータVDmの数を減らして、2拍分のフレーズ、3拍分のフレーズなどのより短いフレーズを規定してもよい。
【0078】
また、上記実施形態においては、フレーズを構成する複数の楽音にそれぞれ対応するベロシティデータVDmを記憶するようにしたが、1小節のリズムパターンにおけるベロシティの変化を表わすエンベロープを規定するエンベロープデータをパターンデータとして記憶しておいてもよい。例えば、拍頭のベロシティを表わす拍頭データと、それぞれの拍内におけるベロシティの変化率(カーブ)を表わす変化率データを記憶しておき、発音タイミングにおいて、前記エンベロープデータから算出されるベロシティを音源装置20に出力してもよい。この場合、タッチパネル14における、グラフウィンドウGW上の操作に応じて、拍頭データと変化率データとを変更すればよい。
【0079】
また、上記実施形態においては、音源装置20は、携帯情報端末10の外部に設けられているが、携帯情報端末10に内蔵されていてもよい。また、音源制御プログラムは、携帯情報端末10に限られず、電子楽器、パーソナルコンピュータなどに適用されてもよく、それらの機器を音源制御装置として動作させるようにしてもよい。また、タッチパネル14に代えて、マウスを用いてもよい。この場合、表示器12に1つ又は複数のカーソルを表示し、表示器12に表示された各種ボタン、各種ウィンドウなどにカーソルを合わせてクリック操作及びドラッグ操作することが、上記実施形態におけるタッチ操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作などに対応する。また、演奏ボタンP1〜P16、コントロールボタンCBを、タクトスイッチ、可変抵抗器などを用いて構成してもよい。
【符号の説明】
【0080】
12・・・表示器、14・・・タッチパネル、17・・・コンピュータ部、20・・・音源装置、P1〜P16・・・演奏ボタン、GW・・・グラフウィンドウ、CB・・・コントロールボタン、PT1〜PT6・・・リズムパターン、RB1〜RB6・・・パターンボタン、VDm・・・ベロシティデータ、GD・・・ゲートタイムデータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
音高が割り当てられていて、演奏者によって操作されて発音することを指示する演奏操作子と、
前記演奏操作子によって発音することが指示されているとき、複数のパターンデータによって規定されたリズムパターンに従って前記演奏操作子に割り当てられた音高の楽音を発音するフレーズを、楽音信号を発生する音源装置に演奏させる演奏指示手段と、
前記音源装置に演奏させるフレーズのリズムパターンをグラフ化したリズムパターン図を表示する表示部を有する表示器と、
前記表示部に重なるように配置され、前記演奏者によって操作される平面状の操作領域を備えていて、タッチ操作により前記操作領域内における1つ又は複数のポイントを指定可能なタッチパネルと、
前記フレーズの演奏中に、前記タッチ操作の態様に応じて、前記複数のパターンデータうちの1つ又は複数のパターンデータの値を変更するパターンデータ変更手段とを備えたことを特徴とする音源制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音源制御装置において、
前記複数のパターンデータは、前記音源装置に演奏させるフレーズを構成する複数の楽音にそれぞれ対応していて、前記複数の楽音の発生態様を規定する1つ又は複数の楽音データをそれぞれ含み、
前記リズムパターン図は、前記楽音の発音タイミングを横軸方向とし、前記音源装置に演奏させるフレーズのリズムパターンを規定する複数のパターンデータにそれぞれ対応した複数の印であって、前記複数のパターンデータにそれぞれ含まれる前記楽音データの値の大きさをそれぞれ表わす複数の印を表示したグラフであることを特徴とする音源制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の音源制御装置において、
前記複数のパターンデータは、前記楽音データとして、対応する前記楽音の強さを表すベロシティデータをそれぞれ含み、
前記グラフの横軸方向に垂直な縦軸方向における前記印の高さが、前記ベロシティデータの値の大きさを表わしていて、
前記パターンデータ変更手段は、前記タッチ操作により1つのポイントが指定されているとき、前記グラフの横軸方向における前記指定された1つのポイントの位置に対応する前記パターンデータのベロシティデータの値を、前記グラフの縦軸方向における前記指定された1つのポイントの位置に応じた値に変更することを特徴とする音源制御装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の音源制御装置において、
前記複数のパターンデータは、前記楽音データとして、対応する前記楽音の長さを表すゲートタイムデータをそれぞれ含み、
前記グラフの横軸方向における前記印の幅が、前記ゲートタイムデータの値の大きさをそれぞれ表していて、
前記パターンデータ変更手段は、前記タッチ操作により異なる2つのポイントが指定されているとき、前記グラフの横軸方向における前記指定された2つのポイントの距離の変化に応じて、前記複数のパターンデータのゲートタイムデータの値を変更することを特徴とする音源制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載の音源制御装置において、
前記演奏操作子とは異なる操作子であって、前記演奏者によって操作される制御操作子を備え、
前記演奏指示手段は、前記複数のパターンデータによって規定されるリズムパターンのうち、前記制御操作子の操作の態様に応じた一部の区間のリズムパターンを、前記音源装置に演奏させるフレーズのリズムパターンとして採用するリズムパターン決定手段を備えたことを特徴とする音源制御装置。
【請求項6】
音高が割り当てられた演奏操作子であって、演奏者によって操作されて発音することを指示する演奏操作子と、
画像を表示する表示部を備えた表示器と、
前記表示部に重なるように配置され、前記演奏者によって操作される平面状の操作領域を備えていて、タッチ操作により前記操作領域内における1つ又は複数のポイントを指定可能なタッチパネルとを有する音源制御装置に適用されるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、
前記演奏操作子によって発音することが指示されているとき、複数のパターンデータによって規定されたリズムパターンに従って前記演奏操作子に割り当てられた音高の楽音を発音するフレーズを、楽音信号を発生する音源装置に演奏させる演奏指示機能と、
前記表示器の表示部に、前記音源装置に演奏させるフレーズのリズムパターンをグラフ化したリズムパターン図を表示する表示機能と、
前記フレーズの演奏中に、前記タッチ操作の態様に応じて、前記複数のパターンデータうちの1つ又は複数のパターンデータの値を変更するパターンデータ変更機能とを実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−54227(P2013−54227A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192820(P2011−192820)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】