説明

顕微鏡装置

【課題】 カンチレバーを容易に交換することができ、かつ光学像の十分な鮮明度および解像度を確保することができる顕微鏡装置を提供する。
【解決手段】 保持機構400はカンチレバー保持機構400Aおよびミラー保持機構400Bから構成されている。カンチレバー保持機構400Aは保持機構保持部11cの下部からZ方向に延びるように設けられている。カンチレバー保持機構400Aは、その下端部においてカンチレバー100を着脱可能に保持する。ミラー保持機構400Bは側壁部11Aの内面11xからX方向に延びるように設けられている。ミラー保持機構400Bは、先端部においてミラー固定部材450を着脱可能に保持する。ミラー固定部材450にはミラー25が固定されている。カンチレバー保持機構400Aとミラー保持機構400Bとは互いに分離されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学顕微鏡および走査型プローブ顕微鏡を一体的に備えた顕微鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来の光学顕微鏡または電子顕微鏡等とは全く異なる原理を利用した走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope:SPM)が開発され、注目を浴びている。
【0003】
走査型プローブ顕微鏡は、プローブと呼ばれる鋭く尖った探針を自由端に有するカンチレバーを備えている。上記の走査型プローブ顕微鏡の一例である原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)においては、探針を試料に近づけると、探針の先端を構成している原子と試料を構成している原子との間に原子間力が生じる。この原子間力によりカンチレバーの自由端が変位する。
【0004】
このカンチレバーの自由端の変位量を電気的に測定しながら、探針を試料に沿って走査させることにより、試料の表面形状を示す三次元的な情報を得ることができる。例えば、カンチレバーの自由端の変位を一定に保つように探針と試料との距離を制御しながら探針を走査させると、探針の先端は試料表面の凹凸に沿って移動するので、探針の先端の位置情報から試料の表面形状を示す三次元的な情報を得ることができる。
【0005】
なお、走査型プローブ顕微鏡のその他の例としては、探針の原子と試料表面の原子との間に生じる原子間力を用いる代わりに、探針と試料との間に流れるトンネル電流を利用することにより試料表面の三次元的な情報を得ることも可能な走査型トンネル顕微鏡もある。
【0006】
また、光学顕微鏡と走査型プローブ顕微鏡とが一体化された顕微鏡装置が開発されている。
【0007】
ここで、従来の顕微鏡装置の概略を図面を参照しながら説明する。なお、下記に示す顕微鏡装置は、光学顕微鏡と走査型プローブ顕微鏡の一例である原子間力顕微鏡とが一体的に構成されたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
図10は、従来の顕微鏡装置を示す模式図である。
【0009】
図10に示すように、支持台201には、図示しないリニアガイドを介して光学系支持台202が上下方向に移動可能に設けられている。
【0010】
光学系支持台202には、対物レンズ207、変位計測光学系206および観察光学系204が取り付けられている。
【0011】
光学系支持台202上に設けられた光学系支持台粗動マイクロメーター203を調整することにより、対物レンズ207、変位計測光学系206および観察光学系204が一体的に上下に移動させることができる。
【0012】
また、光学系支持台202には、図示しないリニアガイドを介してスキャナ支持台215が上下方向に移動可能に設けられている。
【0013】
スキャナ支持台215には、探針微動用円筒型圧電素子208が固定されている。探針微動用円筒型圧電素子208の下端に探針支持リング209が設けられている。
【0014】
この探針支持リング209にカンチレバー218が取り付けられており、カンチレバー218の自由端に探針210が設けられている。なお、探針210は、探針支持リング209の中央の開口部分から突出するように設けられている。
【0015】
スキャナ支持台215上に設けられたスキャナ支持台粗動マイクロメーター214を調整することにより、スキャナ支持台215を光学系支持台202に対して上下方向に移動させることができる。
【0016】
一方、支持台201上には、試料走査用円筒型圧電素子213が固定されている。試料走査用円筒型圧電素子213上には試料台212が設けられており、試料台212上に試料211が載置される。
【0017】
上記のような構成により、光学顕微鏡による試料の観察と走査型プローブ顕微鏡による試料の観察とを一台の顕微鏡装置により行うことができる。
【特許文献1】特開平5−157554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、上記従来の顕微鏡装置では、光学顕微鏡と走査型プローブ顕微鏡とを一体的に構成すると、顕微鏡装置の高さが非常に高くなる。そのため、顕微鏡装置が大型化するとともに除振性に乏しい。その結果、試料の測定および評価の信頼性が損なわれる。
【0019】
そこで、顕微鏡装置の高さを低くするために、光学顕微鏡の鏡筒を傾斜させて設けた顕微鏡装置が提案されている。この顕微鏡装置においては、試料の上部にミラーが設けられる。この場合、図示しない照明源から発せられる照明光が試料に照射され、その試料からの反射光がミラーを介して傾斜された鏡筒に導かれる。それにより、試料表面のマクロ的な観察が行われる。
【0020】
さらに、この顕微鏡装置においては、光学顕微鏡による試料の観察位置と、走査型プローブ顕微鏡による試料の観察位置とを一致させることにより、使用者は光学顕微鏡により試料をマクロ的に観察し、走査型プローブ顕微鏡によるミクロ的な観察のために試料の位置決めを行うことができる。
【0021】
このように、光学顕微鏡および走査型プローブ顕微鏡による試料の観察位置を一致させるためには、試料上部に設けられる光学顕微鏡のミラーと走査型プローブ顕微鏡のカンチレバーとを近づけて配置する必要がある。
【0022】
上述のように、カンチレバーには探針が設けられている。この探針は、試料表面で走査されることにより磨耗する。また、カンチレバーは使用により変形する場合がある。このような探針の磨耗またはカンチレバーの変形等があった場合には、カンチレバーを交換する必要がある。
【0023】
このカンチレバーの交換時において、光学顕微鏡のミラーと走査型プローブ顕微鏡のカンチレバーとが近い位置に設けられている場合には、光学顕微鏡のミラーによりカンチレバーの交換のためのスペースが制限されてしまう。それにより、カンチレバーの交換が困難となる。
【0024】
特に、光学顕微鏡によるマクロ的な光学像の鮮明度および解像度を向上させるためには、試料からの反射光をより多く取り入れるためにミラーをより大きくすることが好ましいが、ミラーがより大きくなると、さらにカンチレバーの交換が困難となる。
【0025】
本発明の目的は、カンチレバーを容易に交換することができ、かつ光学像の十分な鮮明度および解像度を確保することができる顕微鏡装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明に係る顕微鏡装置は、試料が載置される試料載置台と、光学顕微鏡と、探針を有するカンチレバーと試料載置台とを相対的に移動させることにより探針を試料の表面に沿って走査させる走査型プローブ顕微鏡と、探針の位置を含む試料の領域からの光を光学顕微鏡に導く反射部材と、カンチレバーおよび反射部材をそれぞれ着脱可能に保持する保持機構とを備えたものである。
【0027】
その顕微鏡装置においては、試料載置台に載置された試料が光学顕微鏡および走査型プローブ顕微鏡により観察される。これにより、使用者は走査型プローブ顕微鏡により試料の表面形状を高倍率でミクロ的に観察することができる。また、使用者は光学顕微鏡により試料の表面形状を低倍率でマクロ的に観察することができる。
【0028】
走査型プローブ顕微鏡による試料の観察時には、カンチレバーの探針が試料の表面に沿って走査される。また、光学顕微鏡による試料の観察時には、反射部材により探針の位置を含む試料の領域からの光が光学顕微鏡に導かれる。これにより、使用者は走査型プローブ顕微鏡によるミクロ的な観察を行うために光学顕微鏡によるマクロ的な観察に基づいて試料の位置決めを行うことができる。
【0029】
カンチレバーおよび反射部材はそれぞれ着脱可能に保持機構により保持されている。これにより、カンチレバーの交換時に反射部材を保持機構から取り外すことができるので、カンチレバーの交換のためのスペースが確保され、カンチレバーを容易に交換することができる。
【0030】
また、カンチレバーの交換を容易にするために反射部材を小さくする必要がない。これにより、マクロ的な観察に十分な大きさの反射部材を用いることができる。その結果、光学顕微鏡によるマクロ的な光学像の鮮明度および解像度が十分に確保される。
【0031】
保持機構は、カンチレバーを着脱可能に保持する第1の保持部と、反射部材を着脱可能に保持する第2の保持部とを備え、第1および第2の保持部は互いに分離されてもよい。
【0032】
この場合、第1および第2の保持部が互いに分離されているので、試料の表面に対するカンチレバーの探針の走査時に第1の保持部が移動しても、第2の保持部は移動しない。それにより、走査型プローブ顕微鏡における探針の走査に影響を受けることなく光学顕微鏡による光学像を得ることができる。
【0033】
第2の保持部は係合部を有し、反射部材は係合部に係合可能な第1の被係合部を有してもよい。この場合、第2の保持部の係合部に反射部材の第1の被係合部が係合される。これにより、第2の保持部に反射部材が着脱可能に保持される。それにより、使用者は、容易に第2の保持部に対する反射部材の着脱作業を行うことができる。
【0034】
第1の保持部は嵌合部を有し、第2の保持部は走査型プローブ顕微鏡に固定された固定部材と、係合部を有するとともに固定部材に接合される連結部材とを含み、第1の保持部材および連結部材は、嵌合部に嵌合可能な被嵌合部および係合部に係合可能な第2の被係合部を有する共通の治具により位置決め可能であってもよい。
【0035】
この場合、固定部材への連結部材の接合時に、第1の保持部および連結部材が共通の治具により位置決めされることにより、連結部材が第1の保持部に対して正確に位置決めされる。それにより、反射部材とカンチレバーとの相対的な位置関係が正確に保たれる。
【0036】
反射部材は、磁力により第2の保持部に着脱可能に保持されてもよい。これにより、使用者は反射部材の第2の保持部への着脱が容易となる。
【0037】
保持機構へのカンチレバーの着脱時にカンチレバーを把持する把持部材をさらに備え、保持機構は、カンチレバーの着脱時に把持部材に把持されたカンチレバーが保持機構に対して所定の角度に保たれ、かつカンチレバーの差込量が制限されるように把持部材を案内してもよい。
【0038】
この場合、カンチレバーの着脱時において、把持部材はカンチレバーが保持機構に対して所定の角度に保たれ、かつカンチレバーの差込量が制限されるように保持機構へ案内される。
【0039】
これにより、使用者はカンチレバーを容易に所定の角度で保持機構に差し込むことができるとともに、カンチレバーを保持機構に差し込みすぎることによる破損を防止することができる。それにより、使用者はカンチレバーを容易に保持機構へ着脱することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明に係る顕微鏡装置において、カンチレバーおよび反射部材はそれぞれ着脱可能に保持機構により保持されている。これにより、カンチレバーの交換時に反射部材を保持機構から取り外すことができるので、カンチレバーの交換のためのスペースが確保され、カンチレバーを容易に交換することができる。
【0041】
また、カンチレバーの交換を容易にするために反射部材を小さくする必要がない。これにより、マクロ的な観察に十分な大きさの反射部材を用いることができる。その結果、光学顕微鏡によるマクロ的な光学像の鮮明度および解像度が十分に確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
本発明の一実施の形態に係る顕微鏡装置について説明する。
【0043】
図1は、本実施の形態に係る顕微鏡装置を示す斜視図である。ここで、水平面内で直交する2方向をX方向およびY方向とし、X方向およびY方向に垂直な方向をZ方向とする。また、後述の図2〜図9においても、上記同様にX方向、Y方向およびZ方向を定義する。
【0044】
図1に示すように、本実施の形態に係る顕微鏡装置1は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)10および光学顕微鏡20を一体的に備える。原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20はベース筐体部50により保持されている。
【0045】
ベース筐体部50は、X方向およびY方向からなる平面上に位置する底部54を有する。
【0046】
底部54の四隅からZ軸方向に支持脚52a,52b,52c,52d(52cは図示せず)が延びている。支持脚52a,52dの上端には、被支持部53a,53dがそれぞれ設けられている。
【0047】
支持脚52b,52c上には平面視でL字状に形成された被支持部53が設けられている。
【0048】
ベース筐体部50の被支持部53a,53dは、それぞれZ軸方向に延びる円筒状の脚部S1,S4(S4は図示せず)により支持されている。また、ベース筐体部50の被支持部53は、Z軸方向に延びる円筒状の脚部S2および脚部S3により支持されている。
【0049】
原子間力顕微鏡10は、AFMスキャナ11および試料載置台30を備える。被支持部53は、水平な上面を有する。この上面上にAFMスキャナ11が支持されている。なお、AFMスキャナ11の後述するカンチレバーに設けられている探針を試料表面上に沿って走査させる構成については後述する。
【0050】
AFMスキャナ11は、Y方向およびZ方向に平行な側壁部11A、X方向およびZ方向に平行な側壁部11B、ならびにX方向およびY方向に平行な天板部11Cにより構成される。側壁部11Aと側壁部11Bとは、X方向およびY方向に平行な面においてL字状となるように形成されている。
【0051】
図1に示すように、AFMスキャナ11の天板部11Cの下面に保持機構保持部11cが設けられている。
【0052】
ベース筐体部50内部の中央に試料載置台30が設けられている。試料載置台30は、XY方向移動機構30aおよびZ方向移動機構30bを含む。XY方向移動機構30aはZ方向移動機構30b上に設けられている。Z方向移動機構30bはXY方向移動機構30aをZ方向に上下動可能に保持する。
【0053】
XY方向移動機構30aの上部には、試料Mを載置するための移動プレート330が設けられている。XY方向移動機構30aの側面側からY方向に延びるようにX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350が互いに平行に設けられている。
【0054】
XY方向移動機構30aにおいて、使用者がX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350を回転操作することにより、移動プレート330がX方向およびY方向に移動する。
【0055】
なお、移動プレート330のX方向およびY方向への移動時において、X方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350はX方向およびY方向に移動しない。
【0056】
AFMスキャナ11の保持機構保持部11cの下部には保持機構400が設けられている。
【0057】
保持機構400は、光学顕微鏡20のミラー25および後述のミラー固定部材(図2参照)を保持する。保持機構400において、ミラー25は試料Mの上方に位置する。この場合、図示しない照明源から発せられる照明光が試料Mに照射され、その試料Mからの反射光がミラー25に照射される。さらに、保持機構400はカンチレバーを保持する。保持機構400およびカンチレバーの詳細については後述する。
【0058】
ベース筐体部50には、光学顕微鏡20が取り付けられている。光学顕微鏡20は、レンズ格納部21、光軸変換部22、電動ズーム鏡筒23およびCCD(Charge Coupled Device)カメラボックス24を備える。光軸変換部22は光軸変換ミラー22aを内蔵する。
【0059】
光学顕微鏡20のレンズ格納部21は、光軸変換部22に取り付けられ、光軸変換部22は、電動ズーム鏡筒23の上端部に取り付けられている。電動ズーム鏡筒23の下端部にCCDカメラボックス24が設けられている。
【0060】
ここで、光学顕微鏡20の電動ズーム鏡筒23は、試料載置台30の側方においてZ軸方向に延びるように配置され、光軸変換ミラー22aは電動ズーム鏡筒23の上端部に配置されている。
【0061】
この光学顕微鏡20において、試料Mからの反射光は、ミラー25により反射され、レンズ格納部21のレンズを通して光軸変換部22内の光軸変換ミラー22aにより反射される。光軸変換ミラー22aによる反射光は、電動ズーム鏡筒23を通してCCDカメラボックス24に取り込まれ、CCDカメラボックス24内のCCDカメラに試料Mの光学像が形成される。
【0062】
顕微鏡装置1の制御系についての詳細は後述する。
【0063】
図2は、図1のAFMスキャナ11に設けられる保持機構400の基本構成を説明するための図である。図2(a)は保持機構400のY方向から見た側面図であり、図2(b)は保持機構400のX方向から見た拡大側面図である。
【0064】
図2に示すように、保持機構400はカンチレバー保持機構400Aおよびミラー保持機構400Bから構成されている。
【0065】
図2(a),(b)に示すように、カンチレバー保持機構400Aは保持機構保持部11cの下部からZ方向に延びるように設けられている。カンチレバー保持機構400Aは、その下端部においてカンチレバー100を着脱可能に保持する。
【0066】
原子間力顕微鏡10による試料Mの観察時においては、カンチレバー保持機構400AがX方向、Y方向およびZ方向に動作する。これにより、カンチレバー100が試料M上で走査される。
【0067】
図2(b)に示すように、ミラー保持機構400Bは側壁部11Aの内面11xからX方向に延びるように設けられている。ミラー保持機構400Bは、先端部においてミラー固定部材450を着脱可能に保持する。ミラー固定部材450にはミラー25が固定されている。
【0068】
ここで、カンチレバー保持機構400Aとミラー保持機構400Bとは互いに分離されている。それにより、カンチレバー保持機構400Aが動作した場合であっても、ミラー保持機構400Bはその動作に影響されない。
【0069】
すなわち、カンチレバー保持機構400Aが動作することによりカンチレバー100の探針が試料Mの表面上で移動しても、ミラー保持機構400Bはカンチレバー保持機構400Aの動作の影響を受けない。
【0070】
それにより、ミラー25およびミラー固定部材450は原子間力顕微鏡10による試料Mの観察時においてもミラー保持機構400Bにより確実に固定される。
【0071】
このように、本実施の形態に係る顕微鏡装置1においては、試料載置台30に載置された試料Mが光学顕微鏡20および原子間力顕微鏡10により観察される。これにより、使用者は原子間力顕微鏡10により試料Mの表面形状を高倍率でミクロ的に観察することができる。また、使用者は光学顕微鏡20により試料の表面形状を低倍率でマクロ的に観察することができる。
【0072】
原子間力顕微鏡10による試料Mの観察時には、カンチレバー100の探針が試料Mの表面に沿って走査される。また、光学顕微鏡20による試料Mの観察時には、ミラー25およびミラー固定部材450により探針の位置を含む試料Mの領域からの反射光が光学顕微鏡20に導かれる。これにより、使用者は原子間力顕微鏡10によるミクロ的な観察を行うために光学顕微鏡20によるマクロ的な観察に基づいて試料Mの位置決めを行うことができる。
【0073】
カンチレバー100ならびにミラー25およびミラー固定部材450はそれぞれ着脱可能に保持機構400により保持されている。これにより、カンチレバー100の交換時にミラー25およびミラー固定部材450を保持機構400から取り外すことができるので、カンチレバー100の交換のためのスペースが確保され、カンチレバー100を容易に交換することができる。
【0074】
また、カンチレバー100の交換を容易にするためにミラー25を小さくする必要がない。これにより、マクロ的な観察に十分な大きさのミラー25を用いることができる。その結果、光学顕微鏡20によるマクロ的な光学像の鮮明度および解像度が十分に確保される。
【0075】
さらに、本実施の形態に係る顕微鏡装置1においては、カンチレバー保持機構400Aおよびミラー保持機構400Bが互いに分離されているので、試料Mの表面に対するカンチレバー100の探針の走査時にカンチレバー保持機構400Aが移動しても、ミラー保持機構400Bは移動しない。それにより、原子間力顕微鏡10における探針の走査に影響を受けることなく光学顕微鏡20による光学像を得ることができる。
【0076】
続いて、図3〜図6に基づいて本発明の一実施の形態に係る顕微鏡装置1の保持機構400の具体的構成例を説明する。図3〜図6は、図1の保持機構400の組立て斜視図である。
【0077】
図3〜図6に示すように、保持機構400はカンチレバー保持機構400A、固定部材420および連結部材430から構成されている。固定部材420および連結部材430が図2のミラー保持機構400Bを構成する。
【0078】
図3に示すように、AFMスキャナ11においては、保持機構保持部11cの一部から下方に延びるように支持柱11zが形成されている。支持柱11zは中空の円筒形状を有する。
【0079】
カンチレバー保持機構400Aは、走査軸411、板状の水平連結片412および逆T字状のカンチレバーホルダ413から形成されている。
【0080】
走査軸411は支持柱11zの内部でZ方向に延びる。走査軸411の下端に水平連結片412が形成されている。水平連結片412はY方向に延びる。水平連結片412の一端側からZ方向に延びるようにカンチレバーホルダ413が形成されている。
【0081】
カンチレバーホルダ413のX方向およびZ方向に平行な一側面には、Y方向に突出した突起413a,413bが形成されている。カンチレバーホルダ413の下端にカンチレバー保持孔410hが形成されている。
【0082】
固定部材420はZ方向およびY方向に平行な面を有する固定板420Bを備える。固定板420Bの略中央部にはX方向に延びる2つの貫通孔420p,420qが形成されている。
【0083】
固定板420Bの一面からX方向に階段状の固定突起421が突出している。固定突起421の下段側にはZ方向に延びる孔部420zが形成されている。
【0084】
連結部材430はZ方向およびX方向に平行な面を有する後壁431および前壁433ならびにZ方向およびY方向に平行な面を有する中壁432から形成されている。
【0085】
後壁431にはY方向に延びる突起431a,431bが形成されている。後壁431のZ方向に沿った一辺からY方向に延びるように中壁432が形成され、中壁432のZ方向に沿った他辺からX方向に延びるように前壁433が形成されている。
【0086】
前壁433の略中央部には、貫通孔433hが形成されている。前壁433の下部にはZ方向に延びる係止突起433zが形成されている。
【0087】
保持機構400の組立て時においては、AFMスキャナ11の内面11xに固定部材420が取り付けられる。固定部材420の取り付けは、ねじ420m,420nを固定部材420の貫通孔420p,420qを介して予め内面11xに設けられたねじ孔11p,11qに螺合させることにより行う。これにより、図4に示すように、固定部材420がAFMスキャナ11の内面11xに固定される。固定部材420の孔部420zには連結部材430の係止突起433zが挿入される。
【0088】
固定部材420の孔部420zに連結部材430の係止突起433zが挿入された状態で、カンチレバー保持機構400Aおよび連結部材430に位置決め部材440が取り付けられる。位置決め部材440は4つの貫通孔440a,440b,440c,440dを有する。
【0089】
貫通孔440aは連結部材430の突起431aと係合し、貫通孔440bは連結部材430の突起431bと係合する。貫通孔440cはカンチレバー保持機構400Aの突起413bと係合し、貫通孔440dはカンチレバー保持機構400Aの突起413aと係合する。
【0090】
カンチレバー保持機構400Aおよび連結部材430に位置決め部材440が取り付けられることにより、カンチレバー保持機構400Aに対する連結部材430の位置関係が固定される。
【0091】
この状態で、固定部材420の孔部420zと係止突起433zとの係合部に硬化性の樹脂(接着剤)が充填される。それにより、連結部材430が固定部材420に接合されるとともに、カンチレバー保持機構400Aに対して正確に位置決めされる。
【0092】
固定部材420に連結部材430が接合されると、位置決め部材440が取り外される。その後、ミラー25を有するミラー固定部材450が連結部材430に取り付けられる。
【0093】
ミラー固定部材450は、ミラー連結部453、第1の保持壁452および第2の保持壁451から形成されている。ミラー連結部453はX方向に延びる板状部材である。ミラー連結部453の一端には、ミラー25が傾斜するように固定されている。
【0094】
ミラー連結部453の他端側には、Y方向に延びる板状の第1の保持壁452が形成されている。第1の保持壁452のZ方向に沿う一辺からX方向に延びるように第2の保持壁451が形成されている。
【0095】
第2の保持壁451には貫通孔451a,451bが形成されている。貫通孔451a,451bは、連結部材430の突起431a,431bと係合可能である。
【0096】
図5に示すように、光学顕微鏡20による試料Mの観察時には、連結部材430の突起431a,431bに、ミラー固定部材450の貫通孔451a,451bが係合される。それにより、連結部材430にミラー固定部材450が取り付けられる。
【0097】
図5および図6に示すように、原子間力顕微鏡10による試料Mの観察時には、カンチレバー保持機構400Aのカンチレバー保持孔410hにカンチレバー100が取り付けられる。
【0098】
カンチレバー100の取り付け時においては、カンチレバー交換治具460が用いられる。カンチレバー交換治具460は、挿入片461、平面部材462、挟持片463および可動挟持片465を含む。
【0099】
カンチレバー交換治具460において、平面部材462はX方向およびY方向に平行な面を有する板状部材である。平面部材462の一の隅部からZ方向に延びるとともに所定の高さでY方向に延びるように挿入片461が形成されている。
【0100】
平面部材462の他の隅部には、切り欠き部464が設けられている。切り欠き部464には、Y方向に延びる可動挟持片465がX方向へ移動可能に取り付けられている。可動挟持片465の先端部の内側には図示しない溝部が形成されている。可動挟持片465の詳細は後述する。
【0101】
平面部材462のX方向に沿う一辺側からY方向に延びるように挟持片463が突出している。挟持片463の先端部の内側には溝部が形成されている。可動挟持片465の溝部および挟持片463の溝部は互いに対向している。
【0102】
使用者が可動挟持片465および平面部材462を把持することにより、可動挟持片465がX方向に移動する。これにより、可動挟持片465の溝部と挟持片463の溝部との間隔が短くなる。それにより、可動挟持片465の溝部および挟持片463の溝部により、板状のカンチレバー100が把持される。
【0103】
このようにカンチレバー100が把持された状態で、カンチレバー100がカンチレバー保持機構400Aのカンチレバー保持孔410hに挿入される。このとき、カンチレバー交換治具460の挿入片461が連結部材430の貫通孔433hに挿入される。
【0104】
貫通孔433hは、予め挿入片461が所定の傾斜角度で挿入されるように形成されている。また、貫通孔433hは挿入片461が所定の長さ以上挿入されないように形成されている。
【0105】
これにより、カンチレバー交換治具460によるカンチレバー100の交換時においては、カンチレバー保持孔410hへのカンチレバー100の挿入角度および挿入量が挿入片461および貫通孔433hにより制限される。それにより、カンチレバー100に過剰な負荷がかからない。その結果、使用者はカンチレバー100の破損等を気にすることなく、カンチレバー100の交換を容易に行うことができる。
【0106】
本実施の形態に係る顕微鏡装置1においては、図6に示すように、カンチレバー交換治具460の交換時にミラー固定部材450を取り外すことが可能である。
【0107】
この場合、使用者は広い角度でカンチレバー100のカンチレバー保持孔410hへの取り付けを視認することができるので、カンチレバー100のを容易に交換することができる。
【0108】
また、カンチレバー100の交換時にミラー固定部材450を取り外すことができるので、カンチレバー100の交換のためのスペースを確保するためにミラー25を小さくする必要がない。それにより、ミラー25を試料Mからの反射光をより多く光学顕微鏡20へ導くことができるような十分な大きさにすることができる。その結果、光学顕微鏡によるマクロ的な光学像の十分な鮮明度および解像度が確保される。
【0109】
上述のように、本実施の形態に係る顕微鏡装置1の保持機構400(図1および図2)において、ミラー保持機構400B(図2)の連結部材430は突起431a,431bを有し、ミラー固定部材450は貫通孔451a,451bを有する。
【0110】
連結部材430の突起431a,431bにミラー固定部材450の貫通孔451a,451bが係合されることにより、ミラー固定部材450が連結部材430に着脱可能に保持される。それにより、使用者は容易に連結部材430に対するミラー固定部材450の着脱作業を行うことができる。
【0111】
また、本実施の形態に係る顕微鏡装置1の保持機構400においては、固定部材420への連結部材430の接合時に、カンチレバー保持機構400Aおよび連結部材430が位置決め部材440により位置決めされる。それにより、連結部材430がカンチレバー保持機構400Aに対して正確に位置決めされる。その結果、ミラー固定部材450とカンチレバー100との相対的な位置関係が正確に保たれる。
【0112】
さらに、図5および図6を用いて説明したように、カンチレバー100のカンチレバー保持機構400Aに対する着脱時において、カンチレバー交換治具460はカンチレバー100がカンチレバー保持機構400Aおよび連結部材430に対して所定の角度に保たれ、かつカンチレバー100のカンチレバー保持孔410hへの差込量が制限されるように連結部材430の貫通孔433hにより案内される。
【0113】
これにより、使用者はカンチレバー100を容易に所定の角度で貫通孔433hに差し込むことができるとともに、カンチレバー100をカンチレバー保持孔410hに差し込みすぎることによる破損を防止することができる。それにより、使用者はカンチレバー100を容易にカンチレバー保持機構400Aへ着脱することができる。
【0114】
本実施の形態において、図3〜図6の連結部材430、ミラー固定部材450およびカンチレバー交換治具460はさらに以下の構成を有する。
【0115】
図7は、連結部材430およびミラー固定部材450のより詳細な構成を説明するための図である。図7には、連結部材430およびミラー固定部材450を光学顕微鏡20側から見た場合の側面図が示されている。
【0116】
連結部材430の後壁431において、2つの突起431a,431bの間には磁石430Mが設けられている。一方、ミラー固定部材450の2つの貫通孔451a,451bの間には磁石450Mが設けられている。
【0117】
連結部材430へのミラー固定部材450の取り付け時には、連結部材430の突起431a,431bがミラー固定部材450の貫通孔451a,451bに係合される。連結部材430とミラー固定部材450とが、磁石430Mおよび磁石450Mの磁力により正確かつ確実に固定される。
【0118】
このように、ミラー固定部材450が磁力により連結部材430に着脱可能に保持されるので、使用者は連結部材430へのミラー固定部材450の着脱が容易となる。
【0119】
図8は、カンチレバー交換治具460のより詳細な構成を説明するための図である。図8には、カンチレバー交換治具460を上方から見た場合の平面図が示されている。
【0120】
図6を用いて説明したように、挟持片463の先端部一側面側には、Y方向に沿った溝部463Kが形成されている。また、可動挟持片465の先端部一側面側にも溝部465Kが形成されている。挟持片463の溝部463Kおよび可動挟持片465の溝部465Kは互いに対向している。
【0121】
可動挟持片465の後端部一側面側に切り欠き部466が形成されている。切り欠き部466からX方向に突出するように可動連結軸465a,465bが形成されている。一方、切り欠き部464には可動連結軸465a,465bを挿入可能な孔部464a,464bが形成されている。
【0122】
可動挟持片465の可動連結軸465a,465bは、バネ465Dを介して切り欠き部464の孔部464a,464bに挿入される。これにより、可動連結軸465a,465bがX方向に移動可能に切り欠き部464の孔部464a,464bにより保持される。
【0123】
上記構造により、使用者が可動挟持片465および平面部材462を把持すると、溝部463K,465Kの間隔が狭まる。その結果、図5および図6に示すように、カンチレバー100がカンチレバー交換治具460により把持される。
【0124】
次に、本実施の形態に係る顕微鏡装置1の制御系について説明する。なお、後述の図9に示す原子間力顕微鏡10の制御系はコンタクトモードを用いる場合の制御系を示している。
【0125】
ここで、コンタクトモードとは、原子間力顕微鏡10において、探針を試料に接触する位置まで近付けて試料表面に沿って走査させる測定モードである。
【0126】
図9は、本実施の形態に係る顕微鏡装置1のコンタクトモードを用いる場合の制御系を示すブロック図である。図9においても、図1と同様にX方向、Y方向およびZ方向を定義する。
【0127】
原子間力顕微鏡10は、板バネ状のカンチレバー100、探針101、圧電素子110、光源121、反射鏡122,123、光検出器124および制御部130を含む。
【0128】
原子間力顕微鏡1においては、探針101と試料Mとの間に生じる原子間力、すなわちカンチレバー100の変位量を検出する。
【0129】
カンチレバー100の先端には探針101が設けられている。この探針101を試料Mに近付けると、探針101と試料Mとの間に原子間力が生じ、カンチレバー100が上下方向にたわむ。
【0130】
AFMスキャナ11内に設けられた圧電素子110により試料M表面に沿った探針101の走査が行われる。圧電素子110は、試料M表面に沿って探針101を走査させるために、カンチレバー100をX方向およびY方向に移動させる。
【0131】
なお、探針101を固定した状態で試料載置台30(移動プレート330)をX方向およびY方向に移動させることにより、試料M表面に沿った探針101の走査を行ってもよい。また、圧電素子110の代わりにボイスコイルモータを用いてもよい。
【0132】
圧電素子110は、カンチレバー100の変位を一定に保つように、すなわち、探針101と試料Mとの間に生じる原子間力を一定に保つようにカンチレバー100をZ軸方向に動作させる。探針101と試料Mとの間の原子間力を一定に保つために圧電素子110に印加した電圧値の変化に基づいて、試料Mの3次元的な形状情報を画像化することが可能となる。
【0133】
なお、圧電素子110は、制御部130により制御される。制御部130は、中央演算処理装置(CPU)131、変位量検出部132、Z方向サーボ回路133およびX−Y方向サーボ回路134を含む。
【0134】
Z方向サーボ回路133は、カンチレバー100の探針101がZ方向に動作するように圧電素子110を制御する。また、X−Y方向サーボ回路134は、カンチレバー100の探針101がX方向およびY方向に移動するように圧電素子110を制御する。変位量検出部132については後述する。
【0135】
ここで、試料M表面の凹凸により生じるカンチレバー100の変位量を一定に保つための原子間力顕微鏡10における動作について説明する。
【0136】
カンチレバー100の微小なたわみ量(変位)を検出するために、光源121によりレーザ光がカンチレバー100の先端に照射される。なお、カンチレバー100の変位を検出するために、一般的に下記の光てこ方式が用いられる。
【0137】
光てこ方式とは、カンチレバー100の変位を測定する方法の一例であり、レーザ光をカンチレバー100に照射し、カンチレバー100からの反射光を光検出器124により検出するものである。
【0138】
カンチレバー100の微小な変位が、カンチレバー100からの反射光のわずかな角度変化に反映され、この角度変化が光検出器124により検出される。なお、光検出器124としては、2分割フォトセル、4分割フォトセルまたはフォトセルアレイ等が用いられる。また、カンチレバー100としては、半導体微細加工技術によりウエハ単位で生産されたカンチレバーの他、カンチレバーの一部に微小な反射用ガラス(反射鏡)を設けたものまたは光ファイバプローブ型カンチレバーの背面をフラットにして反射面を設けたもの等が用いられる。
【0139】
なお、本実施の形態では、光源121から出射されたレーザ光は、反射鏡122を介してカンチレバー100に照射され、カンチレバー100に照射されたレーザ光は反射光として反射鏡123を介して光検出器124により検出されるが、これに限定されるものではなく、反射鏡122および反射鏡123を設けずに、光源121から出射されたレーザ光を直接カンチレバー100に照射し、カンチレバー100に照射されたレーザ光を反射光として直接光検出器124により検出してもよい。
【0140】
光検出器124の出力信号は、制御部130の変位量検出部132に与えられる。変位量検出部132は、光検出器124の出力信号に基づいてカンチレバー100の変位量を検出する。
【0141】
制御部130のCPU131は、変位量検出部132により検出されたカンチレバー100の変位量に基づいて、この変位量を一定に保つように圧電素子110を制御する。
【0142】
制御部130にはCRT(陰極線管)等のディスプレイ40が接続されている。ディスプレイ40は、試料Mの3次元形状の画像を映し出す。
【0143】
なお、本実施の形態においては、原子間力顕微鏡10の測定モードとして、コンタクトモードを用いているが、これに限定されるものではなく、探針101を試料Mに接触させることなく探針101を共振させ、試料M表面の近傍を走査させるノンコンタクトモードを用いてもよい。
【0144】
以上、本発明の一実施の形態に係る顕微鏡装置において、試料載置台30は試料載置台に相当し、光学顕微鏡20は光学顕微鏡に相当し、探針101は探針に相当し、カンチレバー100はカンチレバーに相当する。
【0145】
また、原子間力顕微鏡10は走査型プローブ顕微鏡に相当し、ミラー25およびミラー固定部材450は反射部材に相当し、保持機構400は保持機構に相当する。
【0146】
さらに、カンチレバー保持機構400Aは第1の保持部に相当し、ミラー保持機構400B、固定部材420および連結部材430は第2の保持部に相当し、突起431a,431bは係合部に相当し、貫通孔451a,451bは第1の被係合部に相当し、突起413a,413bは嵌合部に相当する。
【0147】
固定部材420は固定部材に相当し、連結部材430は連結部材に相当し、貫通孔440c,440dは被嵌合部に相当し、貫通孔440a,440bは第2の被係合部に相当し、カンチレバー交換治具460は把持部材に相当し、位置決め部材440は共通の治具に相当する。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、各種試料の表面形状の観察等に有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本実施の形態に係る顕微鏡装置を示す斜視図である。
【図2】図1のAFMスキャナに設けられる保持機構の基本構成を説明するための図である。
【図3】図1の保持機構の組立て斜視図である。
【図4】図1の保持機構の組立て斜視図である。
【図5】図1の保持機構の組立て斜視図である。
【図6】図1の保持機構の組立て斜視図である。
【図7】連結部材およびミラー固定部材のより詳細な構成を説明するための図である。
【図8】カンチレバー交換治具のより詳細な構成を説明するための図である。
【図9】本実施の形態に係る顕微鏡装置のコンタクトモードを用いる場合の制御系を示すブロック図である。
【図10】従来の顕微鏡装置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0150】
1 顕微鏡装置
10 原子間力顕微鏡
20 光学顕微鏡
25 ミラー
30,31 試料載置台
50 ベース筐体部
52a,52b,52c,52d 支持脚
53a,53d 被支持部
54 底部
101 探針
100 カンチレバー
400 保持機構
420 固定部材
430 連結部材
440 位置決め部材
450 ミラー固定部材
400A カンチレバー保持機構
400B ミラー保持機構
413a,413b,431a,431b 突起
440a,440b,440c,440d,451a,451b 貫通孔
460 カンチレバー交換治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料が載置される試料載置台と、
光学顕微鏡と、
探針を有するカンチレバーと前記試料載置台とを相対的に移動させることにより前記探針を前記試料の表面に沿って走査させる走査型プローブ顕微鏡と、
前記探針の位置を含む前記試料の領域からの光を前記光学顕微鏡に導く反射部材と、
前記カンチレバーおよび前記反射部材をそれぞれ着脱可能に保持する保持機構とを備えたことを特徴とする顕微鏡装置。
【請求項2】
前記保持機構は、前記カンチレバーを着脱可能に保持する第1の保持部と、前記反射部材を着脱可能に保持する第2の保持部とを備え、
前記第1および第2の保持部は互いに分離されたことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。
【請求項3】
前記第2の保持部は係合部を有し、
前記反射部材は前記係合部に係合可能な第1の被係合部を有することを特徴とする請求項2記載の顕微鏡装置。
【請求項4】
前記第1の保持部は嵌合部を有し、前記第2の保持部は前記走査型プローブ顕微鏡に固定された固定部材と、前記係合部を有するとともに前記固定部材に接合される連結部材とを含み、
前記第1の保持部材および前記連結部材は、前記嵌合部に嵌合可能な被嵌合部および前記係合部に係合可能な第2の被係合部を有する共通の治具により位置決め可能であることを特徴とする請求項3記載の顕微鏡装置。
【請求項5】
前記反射部材は、磁力により前記第2の保持部に着脱可能に保持されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の顕微鏡装置。
【請求項6】
前記保持機構への前記カンチレバーの着脱時に前記カンチレバーを把持する把持部材をさらに備え、
前記保持機構は、前記カンチレバーの着脱時に前記把持部材に把持されたカンチレバーが前記保持機構に対して所定の角度に保たれ、かつカンチレバーの差込量が制限されるように前記把持部材を案内することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の顕微鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−72081(P2006−72081A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−256780(P2004−256780)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】