説明

顧客装置管理システム、顧客装置管理方法及び顧客装置管理プログラム

【課題】ソフトウェアのインストールや更新を効率的に行ない、ウィルス対策やセキュリティ管理等の保安管理をより確実に行なうことのできる顧客装置管理システム、顧客装置管理方法及び顧客装置管理プログラムを提供する。
【解決手段】データセンタ10の顧客管理サーバ20は、顧客毎に、顧客マスタデータ220、顧客のライセンス数データ領域を有する契約管理マスタデータ230、ライセンス識別子データ領域及び有効期限データ領域を有するメンテナンスマスタデータ250を記録している。データセンタ10のウェブサーバ40には、顧客毎のポータルサイトが登録されている。データセンタ10のウィルス対策サーバ50は、コントロールマネジャ52を介して顧客端末60に接続されている。顧客端末60は、ポータルサイトを介してインストールパッケージをダウンロードし、完了するとクライアント情報をウィルス対策サーバ50に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人や企業などの顧客が保有するクライアント端末やサーバなどの顧客装置を管理する顧客装置管理システム、顧客装置管理方法及び顧客装置管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、企業内においては多くのコンピュータ端末が利用されている。このようなコンピュータ端末の使用にあたっては、コンピュータ毎にソフトウェアのインストールやアップデートを行なう必要がある。特に、新たにソフトウェアをインストールする場合には、ソフトウェアの販売会社から提供されるライセンス等も必要である。
【0003】
更に、このようなコンピュータ端末には障害が発生する場合があり、各端末の状況を把握する必要がある。特に、組織が大きい場合、サーバ、クライアント端末及び画像形成装置等の情報機器が、LAN等のネットワークで接続されていることが多い。複数の情報機器が接続されてネットワークが複雑化してくると、いずれかの情報機器で障害があった場合、障害の発生を特定することが困難である。そこで、ネットワークに接続されるサーバやクライアント端末などを、監視システムにより遠隔監視を行なう技術がある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の技術では、LANに接続されている監視対象機器は、同じLANに接続されている監視装置により監視されている。この監視装置は、監視対象機器が異常を示した場合に、インターネットを介して接続されている監視サーバにアラートを通知する。そして、監視サーバは、監視対象機器のPing未応答を検出した場合には、その監視ログを記録するとともに、異常が発生したことを連絡する。
【特許文献1】特開2005−027040号公報(図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、今日では、セキュリティ管理やコンピュータウィルスに対する対策も必須である。具体的には、コンピュータ端末毎にウィルス対策ソフトウェアをインストールすることで、コンピュータウィルス感染を予防していることが多い。更に、セキュリティホールに対する修正プログラム(セキュリティパッチ)を配布することにより、脆弱性回避を行なっていることも多い。
【0005】
しかし、ウィルス対策ソフトウェアの更新や、セキュリティパッチの適用は多様であるため、煩雑であり手当を逸することがある。また、システム管理者において、各端末の状況を効率的かつ的確に把握したいというニーズがある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、ソフトウェアのインストールや更新を効率的に行ない、ウィルス対策やセキュリティ管理等の保安管理を、より確実に行なうことのできる顧客装置管理システム、顧客装置管理方法及び顧客装置管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、顧客が保有する顧客装置にインストールされるソフトウェアに関する情報と、このソフトウェアのライセンスに関するライセンス情報とを前記顧客毎に記憶するライセンス管理記憶手段と、前記ソフトウェアを記録するソフトウェア記憶手段と、前記顧客装置とに接続され、前記顧客装置を管理する顧客装置管理システムであって、前記ライセンス管理記憶手段に記憶されたライセンス
情報に基づいて、前記ソフトウェア記憶手段において特定された前記ソフトウェアを前記顧客装置にインストールするインストール手段と、前記ソフトウェアがインストールされた前記顧客装置から、この顧客装置を特定するための識別子を受信して、前記顧客に関する顧客情報と関連付けて登録する登録手段と、登録した前記顧客装置を監視する監視手段と、を備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の顧客装置管理システムにおいて、前記顧客装置管理システムは、前記顧客を認証するための認証データを管理する認証データ記憶手段と、前記顧客装置に関するウェブページを提供するために、顧客毎にポータルサイトを保持するウェブサーバとに接続されており、前記顧客装置管理システムは、前記顧客装置から前記顧客に応じた認証データを受信し、この認証データが前記認証データ記憶手段に記憶された認証データと一致する場合には、ウェブサーバに保持された前記顧客のポータルサイトへのアクセスを許可することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の顧客装置管理システムにおいて、前記顧客装置の履歴情報を記憶し、前記ポータルサイトに表示させる掲載手段を更に備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の顧客装置管理システムにおいて、前記顧客装置管理システムが、前記顧客装置に前記ソフトウェアをダウンロードするためのインストールパッケージを前記顧客のライセンス情報に応じてカスタマイズして生成し、このインストールパッケージを、前記ポータルサイトに保持させるインストールパッケージアップロード手段を更に備え、前記インストールパッケージアップロード手段は、前記顧客に対応するライセンス情報を前記インストールパッケージに含ませて生成し、前記顧客装置管理システムは、前記顧客装置から前記顧客に応じた認証データを受信し、この認証データが前記認証データ記憶手段に記憶された認証データと一致する場合には、前記ポータルサイトを経由して前記インストールパッケージを前記顧客装置に送信する送信手段を更に備えることを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、顧客が保有する顧客装置にインストールされるソフトウェアに関する情報と、このソフトウェアのライセンスに関するライセンス情報とを前記顧客毎に記憶するライセンス管理記憶手段と、前記ソフトウェアを記録するソフトウェア記憶手段と、前記顧客装置とに接続される顧客装置管理システムを用いて、前記顧客装置を管理する顧客装置管理方法であって、前記顧客装置管理システムが、前記ライセンス管理記憶手段に記憶されたライセンス情報に基づいて、前記ソフトウェア記憶手段において特定された前記ソフトウェアを前記顧客装置にインストールするインストール段階、前記ソフトウェアがインストールされた前記顧客装置から、この顧客装置を特定するための識別子を受信して、前記顧客に関する顧客情報と関連付けて登録する登録段階、及び登録した前記顧客装置を監視する監視段階を実行することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、顧客が保有する顧客装置にインストールされるソフトウェアに関する情報と、このソフトウェアのライセンスに関するライセンス情報とを前記顧客毎に記憶するライセンス管理記憶手段と、前記ソフトウェアを記録するソフトウェア記憶手段と、前記顧客装置とに接続される顧客装置管理システムを用いて、前記顧客装置を管理する顧客装置管理プログラムであって、前記顧客装置管理システムを、前記ライセンス管理記憶手段に記憶されたライセンス情報に基づいて、前記ソフトウェア記憶手段において特定された前記ソフトウェアを前記顧客装置にインストールするインストール手段、前記ソフトウェアがインストールされた前記顧客装置から、この顧客装置を特定するための識別子を受信して、前記顧客に関する顧客情報と関連付けて登録する登録手段、及び登録した前記顧客装置を監視する監視手段として機能させることを要旨とする。
【0013】
(作用)
本発明によれば、顧客装置管理システムは、ライセンス情報に基づいて、顧客装置にソフトウェアをインストールする。このため、顧客装置管理システムは、顧客が保有するライセンスに応じて顧客の顧客装置のソフトウェアを管理することができる。また、顧客装置管理システムは、ソフトウェアがインストールされた顧客装置から、この顧客装置を特定する識別子を受信し、顧客情報と関連付けて登録し、この顧客装置の監視を行なう。このため、顧客のライセンス情報及び顧客装置を顧客毎に管理できるため、顧客毎にサービス利用状況を把握することができる。従って、顧客に適したソフトウェアのインストールや更新を効率的に行なって、ウィルス対策やセキュリティ管理等の保安管理をより確実に行なうことができる。
【0014】
本発明によれば、顧客装置管理システムは、認証データを管理する認証データ記憶手段と、顧客毎にポータルサイトを保持するウェブサーバとに接続されており、認証データが一致する場合には、ウェブサーバに保持された顧客のポータルサイトのアクセスを許可する。このため、顧客に関する情報を、顧客毎に適切に管理することができる。
【0015】
本発明によれば、顧客装置管理システムは、顧客装置の履歴情報をウェブサイトに表示させる。このため、顧客は、表示された履歴情報を参照して、ワンストップで顧客装置の履歴を効率よく把握することができる。
【0016】
本発明によれば、顧客装置管理システムは、顧客のライセンス情報に応じてカスタマイズして生成したインストールパッケージを、ポータルサイトに保持させる。顧客装置管理システムは、認証データが一致する場合には、ポータルサイトを経由してインストールパッケージを顧客装置に送信する。このため、顧客は、カスタマイズされたインストールパッケージをポータルサイトからワンストップで取得することができる。従って、ライセンス情報の設定等を簡略化し、効率的にソフトウェアのインストールを効率よく行なうことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ソフトウェアのインストールや更新を効率的に行ない、ウィルス対策やセキュリティ管理等の保安管理をより確実に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態では、企業内に設置されたコンピュータ端末をワンストップで管理するサービスを提供するための顧客装置管理システム、顧客装置管理方法、顧客装置管理プログラムとして説明する。本実施形態では、図1に示すように、複数の企業の顧客装置である顧客端末60を管理する顧客装置管理システムとしてのデータセンタ10を用いる。
【0019】
データセンタ10は、ライセンス管理記憶手段及び認証データ記憶手段としての顧客管理サーバ20、統合システム30、ウェブサーバ40及びウィルス対策サーバ50を備えている。データセンタ10は、図示しない制御手段(CPU)、記憶手段(RAM、ROM、ハードディスク等)、通信手段等を備えており、後述する処理(インストール段階、登録段階、監視段階、掲載段階、インストールパッケージアップロード段階及び送信段階等を含む処理)を行なう。そして、そのための顧客装置管理プログラムを実行することにより、データセンタ10は、インストール手段、登録手段、監視手段、掲載手段、インストールパッケージアップロード手段及び送信手段等として機能する。
【0020】
そして、このデータセンタ10は、顧客端末60に接続されており、図2に示すように
、顧客端末60と、インターネット80を介してVPN(Virtual Private Network )によりデータの送受信を行なう。
【0021】
図1に示すように、顧客管理サーバ20は、コンピュータを管理する企業(顧客)に関するデータを記録したり更新したりすることによりデータを管理するコンピュータサーバである。この顧客管理サーバ20は、登録手段として機能し、ソフトウェアがインストールされた顧客端末60から、この顧客端末60を特定するための識別子を受信して、顧客に関する顧客情報と関連付けて登録する。顧客管理サーバ20には、顧客マスタデータ220、図示しない商品マスタデータ、契約管理マスタデータ230、販売管理マスタデータ240、メンテナンスマスタデータ250が記録されている。
【0022】
顧客マスタデータ220は、顧客に関するデータであり、後述するように、顧客からの利用申請があった場合に登録される。この顧客マスタデータ220は、企業名、企業識別子、連絡先、動作環境情報、ドメイン名及びパスワードに関するデータを含んで構成されている。
【0023】
企業名データ領域には、企業(顧客)の名称に関するデータが記録されている。
企業識別子データ領域には、この企業(顧客)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0024】
連絡先データ領域には、この顧客の連絡先に関するデータが記録されている。連絡先としては、電話番号、電子メールアドレス、住所及び郵便番号等がある。
動作環境情報データ領域には、この顧客端末60の動作環境情報に関するデータが記録されている。この動作環境情報には、この顧客の顧客端末60に用いるオペレーティングシステム(OS)に関する情報、顧客端末60を特定するためのクライアント情報等が含まれる。
【0025】
ドメイン名データ領域には、この顧客に付与したドメイン名に関するデータが記録される。このドメイン名は、顧客の企業名に基づいて生成され、顧客毎に異なるドメイン名となっている。そして、このドメイン名により、この顧客に関する各種情報や、顧客端末にダウンロードするプログラム等を格納したポータルサイトを特定することができる。
【0026】
パスワードデータ領域には、この企業に付与されたパスワードに関するデータが記録される。このパスワードデータは、企業識別子データとともに、顧客を認証するときに用いられる。
【0027】
商品マスタデータは、データセンタ10が取り扱っているソフトウェア商品に関するデータである。
契約管理マスタデータ230は、システムやソフトェアのライセンス等について顧客との契約の管理に関するデータである。契約管理マスタデータ230は、日付、ライセンス数及び企業識別子に関するデータを含んで構成されている。
【0028】
日付データ領域には、契約を行なった日付に関するデータが記録されている。
ライセンス数データ領域には、契約によりその顧客が取得したライセンスの数に関するデータが記録されている。
企業識別子データ領域には、契約した顧客(企業)を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
【0029】
販売管理マスタデータ240は、顧客に対する販売情報を管理するデータである。この販売管理マスタデータ240は、顧客端末60にソフトウェアがインストールされて作業
が完了したときに記録され、売上処理に使われる。この販売管理マスタデータ240は、企業識別子、作業日及びインストール済クライアント数などに関するデータを含む。
【0030】
企業識別子データ領域には、サービスを提供した顧客(企業)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
作業日データ領域には、インストール作業のサービス提供を行った年月日に関するデータが記録される。
【0031】
インストール済クライアント数データ領域には、このサービス提供によりインストールが済んだクライアントの数に関するデータが記録される。
メンテナンスマスタデータ250は、保守管理に関するデータである。このメンテナンスマスタデータ250は、契約管理マスタデータ230が登録されると設定される。メンテナンスマスタデータ250は、企業識別子、ライセンス識別子、有効期限及び履歴に関するデータを含んで構成されている。
【0032】
企業識別子データ領域には、顧客(企業)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
ライセンス識別子データ領域には、顧客が保有するライセンスを特定するための識別子に関するデータが記録されている。
【0033】
有効期限データ領域には、顧客が取得したライセンスの有効期限に関するデータが記録されている。
履歴データ領域には、顧客端末60における履歴情報に関するデータが記録される。この履歴情報は、顧客端末60の稼動内容や時刻などのサービス利用情報、トラブルが発生したときのトラブル情報及びこの対処方法を含むサポート情報などを含む。なお、サービス利用情報やトラブル情報は、これらの内容が、顧客端末60を特定するクライアント情報に対応可能に、履歴データ領域に記憶される。
【0034】
統合システム30は、顧客管理サーバ20、ウェブサーバ40、ウィルス対策サーバ50及び顧客端末60に接続され、これらのシステム間におけるデータの送受信を管理する。また、この統合システム30は、図示しないコールセンタ、監視センタ及び作業者端末に接続されている。
【0035】
コールセンタは、電話などにより顧客からの連絡を受け付けるセンタである。このコールセンタは、顧客端末60のトラブル発生の連絡を受け付けた場合には、その内容をデータ化して統合システム30に通知する。
【0036】
監視センタは、顧客端末60の動作を一括して保守管理する監視センタである。この監視センタは、顧客端末60に発生したトラブルがウィルス対策ソフトウェアにより駆除できなかった場合には、遠隔操作や作業員の派遣などを行なって、顧客端末60のトラブルを解消するように機能する。
作業者端末は、顧客端末60において作業を行なう作業者の端末である。
【0037】
ウェブサーバ40は、顧客毎にワンストップで各種情報を提供するためのウェブを管理しているサーバである。このウェブサーバ40は、顧客用ポータルサイト及び作業者用ポータルサイトに関するデータ等を記憶している。また、このウェブサーバ40は、送信手段として機能し、後述するように認証データが一致する場合には、ポータルサイトを経由してインストールパッケージを顧客端末60に送信する。
【0038】
顧客用ポータルサイトは、顧客端末60に対するソフトウェアのインストール又は更新
を行なうためのウェブサイトや、顧客に対して顧客端末60のソフトウェアのバージョン情報やトラブルに関する情報を通知するためのウェブサイトである。なお、顧客端末60に対してソフトウェアのインストールを行なう場合には、この顧客に対してカスタマイズされたインストールパッケージを、この顧客用ポータルサイトにアップロードする。また、顧客用ポータルサイトには、認証を行なうために顧客の企業識別子及びパスワードを入力する入力欄を表示するデータが含まれている。
【0039】
作業者用ポータルサイトは、顧客端末60に対して作業を行なう作業者が用いるウェブサイトである。このウェブサイトには、顧客端末60にソフトウェアのインストールや更新について手順や質問回答書(FAQ;frequently asked question)をアップロードする。
【0040】
一方、ウィルス対策サーバ50は、メンテナンスマネジャ51、ソフトウェア記憶手段としてのコントロールマネジャ52及び対策モジュール53を備えている。
メンテナンスマネジャ51は、各顧客端末60のサービス利用履歴を管理する管理手段である。このサービス提供履歴としては、例えば発生したトラブルに関する情報(その内容や解消策等)がある。このメンテナンスマネジャ51は、統合システム30を介して顧客管理サーバ20と、データ送受信を行ない、サービス利用履歴を顧客管理サーバ20に送信する。更に、メンテナンスマネジャ51は、図2に示すように、ソフトウェアメーカサーバ90に接続されている。ソフトウェアメーカサーバ90において、メンテナンスマネジャ51を稼動させるソフトウェアが更新されると、そのソフトウェアを自動的に更新する。
【0041】
図1に示すように、コントロールマネジャ52は、インストール手段、掲載手段及びインストールパッケージアップロード手段として機能する。インストール手段は、顧客管理サーバ20に記憶されたライセンス情報に基づいて、特定されたソフトウェアを顧客端末60にインストールする。掲載手段は、顧客端末60の履歴情報を記憶し、ポータルサイトに表示させる。インストールパッケージアップロード手段は、顧客端末60にソフトウェアをダウンロードするためのインストールパッケージを顧客端末60のライセンス情報に応じてカスタマイズして生成し、このインストールパッケージを、ポータルサイトに保持させる。
【0042】
コントロールマネジャ52は、対策モジュール53に接続され、この対策モジュール53を介して顧客端末60に対しソフトウェアのインストールや更新を制御する管理手段である。
【0043】
このコントロールマネジャ52は、図2に示すように、ソフトウェアメーカサーバ90に接続されている。コントロールマネジャ52は、ウィルス対策のためにソフトウェアが更新されると、ソフトウェアメーカサーバ90から更新されたソフトウェアを取得する。また、コントロールマネジャ52は、図1に示す統合システム30を介して顧客管理サーバ20に接続されている。コントロールマネジャ52は、対策モジュール53を介して顧客端末60に対し、ソフトウェアの更新やインストールを制御する。ここで、コントロールマネジャ52は、顧客管理サーバ20から顧客のライセンスに関する情報や動作環境情報などを取得し、インストールパッケージの作成も行なう。
【0044】
対策モジュール53は、登録した顧客端末60を監視するための監視手段である。この対策モジュール53を介して、データセンタ10は、顧客端末60と接続されている。この対策モジュール53は、顧客端末60がデータセンタ10に対して送受信するデータを取得して、顧客端末60の動作を監視する。なお、この対策モジュール53は、顧客が管理サーバを保有する場合、この管理サーバにより代用することもできる。
【0045】
対策モジュール53を介してデータセンタ10に接続されている顧客端末60は、顧客のコンピュータ端末である。この顧客端末60は、入力手段としてのキーボードやマウス、表示手段としてのディスプレイ等を備えている。
【0046】
次に、上記のように構成されたシステムにおいて、データセンタ10が、ウィルス対策サーバ50を介して顧客端末60を監視する場合の処理手順を図3に基づいて説明する。ここでは、まず、顧客から申込があった場合の申込処理について説明し、その後、顧客端末60においてトラブルが発生したときの処理手順を図4に基づいて説明する。
【0047】
(サービス利用申込処理)
顧客から申込が申請されると、顧客管理サーバ20は、まず、顧客申込の登録処理を行なう(ステップS1−1)。具体的には、顧客管理サーバ20は、申込時に顧客から取得した情報を電子化して、顧客マスタデータ220、契約管理マスタデータ230及びメンテナンスマスタデータ250として記録する。ここでは、企業名、連絡先、動作環境情報、ライセンスを取得しているソフトウェア、そのライセンス数、そのライセンス識別子及び有効期限等に関する情報が記録される。このとき、データセンタ10は、申込をした顧客を特定するための顧客識別子を付与して、この顧客識別子データを顧客マスタデータ220、契約管理マスタデータ230及びメンテナンスマスタデータ250に記録する。更に、データセンタ10の顧客管理サーバ20は、顧客名からドメイン名を生成し、このドメイン名を顧客マスタデータ220に記録する。
【0048】
そして、登録処理が完了した顧客管理サーバ20は、ウェブサーバ40に対して顧客識別子を送信する。また、顧客管理サーバ20は、ウィルス対策サーバ50に対し生成したドメイン名や動作環境情報等を送信する。
【0049】
顧客識別子を受信したウェブサーバ40は、顧客のポータルの設定を行なう(ステップS1−2)。具体的には、ウェブサーバ40は、予め定められたフォーマットで、顧客ポータルサイト及び作業者用ポータルサイトをウェブサーバ40に登録する。このとき、ウェブサーバ40は、その顧客について固有のパスワードを生成し、顧客管理サーバ20に送信する。
【0050】
一方、ウィルス対策サーバ50は、顧客管理サーバ20から受信したドメイン名、動作環境情報等のデータに基づいて、インストールパッケージを作成する(ステップS1−3)。具体的には、ウィルス対策サーバ50のコントロールマネジャ52は、インストールパッケージを生成する。ここで、コントロールマネジャ52は、ソフトウェアをダウンロードする顧客端末60の動作環境情報に基づいてカスタマイズを行なうとともに、ライセンス情報をインストールパッケージに埋め込む。更に、コントロールマネジャ52は、生成したインストールパッケージを、格納するポータルサイトのドメイン名とともにウェブサーバ40に供給する。
【0051】
ウェブサーバ40は、取得したインストールパッケージを保存する(ステップS1−4)。具体的には、ウェブサーバ40は、顧客用ポータルサイトに関連付けて、インストールパッケージに関するデータを保存する。これにより、ウェブサーバ40には、顧客用ポータルサイトにおいてソフトウェアがアップロードされ、インストール指示に基づいてインストールパッケージのダウンロードが可能になる。
【0052】
一方、顧客管理サーバ20は、ウェブサーバ40から取得したパスワードを登録する(ステップS1−5)。
その後、顧客管理サーバ20は、作業者端末に対してインストールの設定指示を行なう。具体的には、作業マニュアルや登録したパスワード等を作業者端末に送信する。
【0053】
作業者端末を介してパスワードを取得した作業者は、顧客端末60にインストール作業を行なうために顧客を訪問する訪問日を決定し、データセンタ10に送信する。データセンタ10では、顧客管理サーバ20に、作業者の訪問日を登録する。そして、訪問時には、顧客端末60に格納されたブラウザプログラムを起動し、この顧客のドメイン名を入力する。これにより、顧客端末60は、インターネット80を介してデータセンタ10のウェブサーバ40にアクセスする。この場合、顧客端末60は、この顧客用ポータルサイトに接続され、ディスプレイには顧客用ポータルサイトにログインするためにウェブページが表示される。
【0054】
このウェブページには、企業識別子及びパスワードを入力する入力欄が表示される。そして、作業者は、企業識別子及びパスワード入力欄に、企業識別子や顧客管理サーバ20から受信したパスワードを入力する(ステップS1−6)。
【0055】
次に、顧客端末60は、インストールパッケージを取得するための処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、顧客端末60は、入力されたパスワードと企業識別子とをインターネット80を介してウィルス対策サーバ50に送信する。ウィルス対策サーバ50のコントロールマネジャ52は、対策モジュール53を介して受信したパスワードと企業識別子が、顧客管理サーバ20の顧客マスタデータ220のそれらと一致するかを認証する。そして、データセンタ10は、認証が完了すると、動作環境チェックツールを用いて、ウェブサーバ40に顧客端末60の動作環境をチェックさせる。ウェブサーバ40は、動作環境に問題がなければ、顧客の作業者用ポータルサイトを顧客端末60に送信する。これにより顧客端末60は、インストールパッケージをダウンロードする。
【0056】
その後、顧客端末60は、インストールパッケージのダウンロードの完了通知を、ウィルス対策サーバ50及び顧客管理サーバ20に対して行なう(ステップS1−8)。具体的には、顧客端末60は、ダウンロードを完了した顧客端末60を特定するクライアント情報を、対策モジュール53を介してコントロールマネジャ52に送信する。コントロールマネジャ52は、受信したクライアント情報を登録する(ステップS1−9)。更に、コントロールマネジャ52は、登録したクライアント情報から特定される顧客端末60の監視を行なうように対策モジュール53に指示する。これにより、ウィルス対策サーバ50は、インストールパッケージをダウンロードした顧客端末60のトラブルについて監視を行なう。
【0057】
一方、コントロールマネジャ52を介して、顧客端末60の完了通知は、顧客管理サーバ20にも送信される。顧客管理サーバ20は、作業完了に関する情報を販売管理マスタデータ240に登録する(ステップS1−10)。ここで、販売管理マスタデータ240には、作業日及びインストール済みクライアント数等に関する情報が記録される。
【0058】
一方、ウィルス対策サーバ50に登録が行なわれると(ステップS1−9)、ウィルス対策サーバ50のコントロールマネジャ52は、ウェブサーバ40の顧客用ポータルサイトに、インストールパッケージをダウンロードしたクライアント端末に関する情報を掲載する(ステップS1−11)。これにより、顧客は、ウェブサーバ40の顧客用ポータルサイトを用いて、顧客端末60のソフトウェアに関する情報を閲覧することが可能となる。以上により、サービス利用申込処理が完了する。
【0059】
(サービス利用中の処理)
次に、ウィルス対策サーバ50を介して顧客端末60を監視する場合の処理手順を図4に基づいて説明する。
【0060】
対策モジュール53は、上記申込処理により登録が完了すると、顧客端末60の監視を行なう。具体的には、対策モジュール53は、顧客端末60の使用の履歴情報を取得し、メンテナンスマネジャ51に供給する。メンテナンスマネジャ51は、取得した履歴情報に基づく履歴レポートを顧客管理サーバ20及びウェブサーバ40に供給する。そして、ウェブサーバ40は、顧客用ポータルサイトに、履歴レポートを掲載する。
【0061】
次に、顧客端末60においてトラブルが発生したときの対応処理について説明する。
対策モジュール53は、上述したように、顧客の顧客端末60について、トラブルが発生したか否かを監視している。ここで、顧客端末60にトラブルが発生した場合には、対策モジュール53は、トラブル検知を行なう(ステップS2−1)。この場合、対策モジュール53は、検知したトラブルに関する情報を顧客管理サーバ20に通知する。
【0062】
また、顧客からコールセンタにトラブルが発生した旨の連絡を受ける場合もある(ステップS2−2)。この場合には、コールセンタのオペレータは、発生したトラブルの内容をデータ入力し、顧客管理サーバ20に通知する。
【0063】
通知を受けた顧客管理サーバ20は、トラブル情報を履歴として、メンテナンスマスタデータ250に登録する(ステップS2−3)。
そして、顧客管理サーバ20は、トラブルを解消するために必要なデータをウィルス対策サーバに供給する(ステップS2−4)。具体的には、顧客管理サーバ20は、メンテナンスマスタデータ250から、そのトラブルに対応するサポート情報を取得し、このサポート情報を対策モジュール53に供給する。
【0064】
サポート情報を取得した対策モジュール53は、トラブルを解消するための対処を行なう(ステップS2−5)。具体的には、対策モジュール53は、トラブルに対して、ウィルス対策ソフトを用いて自動駆除動作を行なう。そして、対策モジュール53は、この自動駆除動作が完了すると、トラブルが解決したか否かという対応結果を顧客管理サーバ20に通知する。
【0065】
顧客管理サーバ20は、対策モジュール53から取得した自動駆除動作による対応結果を登録する(ステップS2−6)。
そして、対策モジュール53は、自動駆除動作によりトラブルが解決しなかった場合(ステップS2−7において「NO」の場合)には、サポート処理を行なう(ステップS2−8)。具体的には、ウィルス対策サーバ50は、顧客管理サーバ20の顧客マスタデータ220から顧客情報を取得する。そして、顧客管理サーバ20は、取得した顧客情報、トラブル情報及びサポート情報を監視センタに送信する。
【0066】
監視センタでは、受信した情報に基づいて、対処を行なう(ステップS2−9)。監視センタでは、作業者端末を介して作業者に指示を出したり、遠隔操作によりトラブルが発生した顧客端末60を制御したりすることにより、トラブルが生じた顧客端末60に対して対処を行なう。そして、対処によりトラブルが解消した場合には、その対応結果を顧客管理サーバ20に送信する。
【0067】
顧客管理サーバ20は、監視センタから受信した対応結果をメンテナンスマスタデータ250に登録する(ステップS2−10)。
そして、顧客管理サーバ20は、トラブルが解決した場合(ステップS2−7において「YES」又はステップS2−10)、登録した内容をウェブサーバに通知する。
【0068】
この通知を受けたウェブサーバは、この顧客のポータルサイトに処理内容を掲載する(ステップS2−11)。以上により、トラブルが発生したときの対応処理が完了する。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0069】
・ 本実施形態では、データセンタ10のウェブサーバ40は、申込顧客の登録処理により顧客管理サーバ20から顧客識別子を受信したウェブサーバ40は、顧客のポータルの設定を行なう(ステップS1−2)。そして、顧客管理サーバ20における顧客マスタデータ220には、顧客である企業識別子毎にドメイン名に関するデータが記録される。更に、メンテナンスマスタデータ250には、企業識別子毎にライセンス、有効期限及び履歴に関するデータが記録される。この顧客管理サーバ20に記録された管理情報や顧客端末60にインストールするソフトウェアは、ウェブサーバ40に設定されたポータルサイトを介して供給される。これにより、顧客はワンストップでサービスを利用することができる。
【0070】
・ 本実施形態では、顧客管理サーバ20は、顧客毎に、動作環境情報データを記憶する顧客マスタデータ220、顧客のライセンス数データ領域を有する契約管理マスタデータ230、ライセンスデータ領域及び有効期限データ領域を有するメンテナンスマスタデータ250を記録している。このため、顧客が顧客端末60にインストールするソフトウェアを、顧客が取得したライセンス数に対応して適切に管理することができる。また、顧客端末60は、インストールパッケージのダウンロードの完了通知を、ダウンロードを完了した顧客端末60を特定するクライアント情報を、対策モジュール53を介してコントロールマネジャ52に送信する。コントロールマネジャ52は、受信したクライアント情報を登録し(ステップS1−9)、登録したクライアント情報の顧客端末60の監視を行なうように対策モジュール53に指示する。これにより、データセンタ10は、顧客毎にサービス利用状況を把握することができる。よって、顧客に適したソフトウェアのインストールや更新を効率的に行なって、ウィルス対策やセキュリティ管理等の保安管理をより確実に行なうことができる。
【0071】
・ 本実施形態では、データセンタ10のウィルス対策サーバ50は、顧客端末60の動作環境情報等のデータに基づいて、インストールパッケージを作成し(ステップS1−3)、カスタマイズしたインストールパッケージをウェブサーバ40に保存させる(ステップS1−4)。このため、顧客端末60において、ウェブサーバ40のポータルサイトにアクセスするだけで、カスタマイズされたインストールパッケージを取得することができる(ステップS1−7)。従って、顧客は、ライセンス情報の設定を簡略化して、効率的にソフトウェアのインストールを行なうことができる。
【0072】
・ 本実施形態では、顧客管理サーバ20は、顧客に応じたドメイン名を生成する。コントロールマネジャ52は、生成したインストールパッケージを、格納するポータルサイトのドメイン名とともにウェブサーバ40に供給する。顧客端末60は、入力されたパスワードを送信して、インストールパッケージの取得を行なう(ステップS1−7)。このとき、ウィルス対策サーバ50は、受信したパスワードが顧客マスタデータ220のそれと一致した場合に、その顧客のインストールパッケージを取得する(ステップS1−7)。このため、顧客毎に適切にインストールパッケージのライセンス状況を管理することができる。
【0073】
・ 本実施形態では、ウェブサーバ40の作業者用ポータルサイトには、作業者が顧客端末60にソフトウェアのインストールや更新について、手順や質問回答書がアップロードされる。このため、作業者は、作業者用ポータルサイトを参考することができるので、顧客端末60に対してソフトウェアのインストールや更新などの処理を、より確実かつ効率的に行なうことができる。
【0074】
・ 本実施形態では、コントロールマネジャ52は、顧客用ポータルサイトに、インス
トールパッケージをダウンロードしたクライアント端末に関する情報を掲載する(ステップS1−11)。これにより、顧客は、ウェブサーバ40の顧客用ポータルサイトにアクセスすることにより、ワンストップで顧客端末60に関する情報を閲覧することが可能となる。また、トラブルが発生した場合(ステップS2−1,S2−2)には、顧客管理サーバは、対策モジュール53又は監視センタに、そのトラブルについての対処を行なわせる(ステップS2−5、S2−9)。そして、顧客管理サーバ20は、トラブルが解決すると、ウェブサーバ40に通知して顧客のポータルサイトに掲載させる(ステップS2−11)。これにより、ワンストップで顧客端末のソフトウェアのインストール状況やトラブル等についての情報を効率よく把握することができる。
【0075】
・ 本実施形態では、データセンタ10は、コールセンタに接続されている。このため、このコールセンタを介して顧客からのトラブル連絡を受けることができる。従って、ウィルス対策サーバ50がトラブルを検知しない場合でも、より迅速にトラブルを解決することができる。
【0076】
・ 本実施形態では、データセンタ10は、監視センタに接続されている。顧客管理サーバ20は、ウィルス対策サーバ50が、自動駆除動作による対処によりトラブルを解決できなかった場合には、サポート処理を行なう(ステップS2−8)。具体的には、ウィルス対策サーバ50は、顧客情報、トラブル情報及びサポート情報を顧客管理サーバ20から取得して、監視センタに送信する。監視センタでは、作業者端末を介して作業者に指示を出したり、遠隔操作により顧客端末60を制御したりして、トラブルの対処を行なう。これにより、トラブルに対して、個別に、かつ迅速に対応を行なうことができる。
【0077】
・ 本実施形態では、顧客端末60は、対策モジュール53を介して、ウィルス対策サーバ50のコントロールマネジャ52に接続されている。このため、企業がサーバを保有している場合には、このサーバを対策モジュール53として用いることができる。従って、既存の構成を有効活用して顧客端末60を管理することができる。
【0078】
・ 本実施形態では、データセンタ10は、顧客端末60とインターネットを用いるVPN(仮想専用線)を介して接続している。このため、専用線を用いる場合に比べて簡易に、またインターネットを用いる場合に比べて安全に、データセンタ10と顧客端末60とのデータ通信を行なうことができる。
【0079】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態においては、データセンタ10は、顧客管理サーバ20において、顧客が保有するソフトウェアのライセンス数や有効期限に関するデータを管理する。ここで、データセンタ10は、ソフトウェアをインストールする顧客端末60の数に対して、ソフトウェアのライセンス数が不足しているときには、自動的にライセンス数を増加させるようにしてもよい。具体的には、顧客端末60が、顧客用ポータルサイトを表示し、作業者の指示によりインストールパッケージの取得の指示が行なわれる。このとき、ウィルス対策サーバ50は、顧客管理サーバの契約管理マスタデータ230に記憶されているライセンス数と、販売管理マスタデータ240として記録されているインストール済の顧客端末60の数とを比較する。比較した結果、ライセンス数が少なかった場合には、顧客端末60に、ライセンスを増加させるか否かの表示を行なう。これにより、顧客端末60から増加指示を受けた場合には、ウィルス対策サーバ50は、顧客のライセンス数を順次、契約により増加させて、顧客端末60の数に応じたライセンスを取得し、管理することができる。
【0080】
○ 上記実施形態においては、作業者は、顧客端末60にインストール作業を行なうために顧客を訪問する訪問日を決定し、データセンタ10に送信する。データセンタ10で
は、顧客管理サーバ20に、作業者の訪問日を登録する。訪問によるインストール作業に限らず、顧客自身が顧客端末60にソフトウェアをインストールする作業を行なってもよい。この場合には、作業を行なう顧客の顧客端末60を作業用端末として用いるため、顧客端末60に、作業マニュアルや登録したパスワード等を送信する。
【0081】
○ 上記実施形態においては、顧客管理サーバ20に、ライセンスに関するデータを記録した。ライセンスに関するデータに限らず、顧客管理サーバ20に、顧客毎のセキュリティポリシーを記憶させてもよい。ソフトウェアを更新するときに、このセキュリティポリシーに適応するように、顧客端末60のソフトウェアの更新を行なうようにしてもよい。
【0082】
○ 上記実施形態においては、顧客端末60としてコンピュータ端末を説明した。顧客装置の顧客端末60は、これに限られず、顧客が使用したいコンピュータ機器、例えばサーバ等をであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施形態におけるデータセンタの内部構成を示す概略図。
【図2】実施形態におけるデータセンタ及びその接続関係を示すシステム図。
【図3】実施形態における申込処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図4】実施形態における対応処理の処理手順を説明するための流れ図。
【符号の説明】
【0084】
10…顧客装置管理システムとしてのデータセンタ、20…ライセンス管理記憶手段及び認証データ記憶手段としての顧客管理サーバ、40…ウェブサーバ、60…顧客装置である顧客端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が保有する顧客装置にインストールされるソフトウェアに関する情報と、このソフトウェアのライセンスに関するライセンス情報とを前記顧客毎に記憶するライセンス管理記憶手段と、前記ソフトウェアを記録するソフトウェア記憶手段と、前記顧客装置とに接続され、前記顧客装置を管理する顧客装置管理システムであって、
前記ライセンス管理記憶手段に記憶されたライセンス情報に基づいて、前記ソフトウェア記憶手段において特定された前記ソフトウェアを前記顧客装置にインストールするインストール手段と、
前記ソフトウェアがインストールされた前記顧客装置から、この顧客装置を特定するための識別子を受信して、前記顧客に関する顧客情報と関連付けて登録する登録手段と、
登録した前記顧客装置を監視する監視手段と、
を備えたことを特徴とする顧客装置管理システム。
【請求項2】
前記顧客装置管理システムは、前記顧客を認証するための認証データを管理する認証データ記憶手段と、前記顧客装置に関するウェブページを提供するために、顧客毎にポータルサイトを保持するウェブサーバとに接続されており、
前記顧客装置管理システムは、前記顧客装置から前記顧客に応じた認証データを受信し、この認証データが前記認証データ記憶手段に記憶された認証データと一致する場合には、ウェブサーバに保持された前記顧客のポータルサイトへのアクセスを許可することを特徴とする請求項1に記載の顧客装置管理システム。
【請求項3】
前記顧客装置の履歴情報を記憶し、前記ポータルサイトに表示させる掲載手段を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の顧客装置管理システム。
【請求項4】
前記顧客装置管理システムが、前記顧客装置に前記ソフトウェアをダウンロードするためのインストールパッケージを前記顧客のライセンス情報に応じてカスタマイズして生成し、このインストールパッケージを、前記ポータルサイトに保持させるインストールパッケージアップロード手段を更に備え、
前記インストールパッケージアップロード手段は、前記顧客に対応するライセンス情報を前記インストールパッケージに含ませて生成し、
前記顧客装置管理システムは、前記顧客装置から前記顧客に応じた認証データを受信し、この認証データが前記認証データ記憶手段に記憶された認証データと一致する場合には、前記ポータルサイトを経由して前記インストールパッケージを前記顧客装置に送信する送信手段を更に備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の顧客装置管理システム。
【請求項5】
顧客が保有する顧客装置にインストールされるソフトウェアに関する情報と、このソフトウェアのライセンスに関するライセンス情報とを前記顧客毎に記憶するライセンス管理記憶手段と、前記ソフトウェアを記録するソフトウェア記憶手段と、前記顧客装置とに接続される顧客装置管理システムを用いて、前記顧客装置を管理する顧客装置管理方法であって、
前記顧客装置管理システムが、
前記ライセンス管理記憶手段に記憶されたライセンス情報に基づいて、前記ソフトウェア記憶手段において特定された前記ソフトウェアを前記顧客装置にインストールするインストール段階、
前記ソフトウェアがインストールされた前記顧客装置から、この顧客装置を特定するための識別子を受信して、前記顧客に関する顧客情報と関連付けて登録する登録段階、及び
登録した前記顧客装置を監視する監視段階を
実行することを特徴とする顧客装置管理方法。
【請求項6】
顧客が保有する顧客装置にインストールされるソフトウェアに関する情報と、このソフトウェアのライセンスに関するライセンス情報とを前記顧客毎に記憶するライセンス管理記憶手段と、前記ソフトウェアを記録するソフトウェア記憶手段と、前記顧客装置とに接続される顧客装置管理システムを用いて、前記顧客装置を管理する顧客装置管理プログラムであって、
前記顧客装置管理システムを、
前記ライセンス管理記憶手段に記憶されたライセンス情報に基づいて、前記ソフトウェア記憶手段において特定された前記ソフトウェアを前記顧客装置にインストールするインストール手段、
前記ソフトウェアがインストールされた前記顧客装置から、この顧客装置を特定するための識別子を受信して、前記顧客に関する顧客情報と関連付けて登録する登録手段、及び
登録した前記顧客装置を監視する監視手段
として機能させることを特徴とする顧客装置管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−141168(P2007−141168A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337521(P2005−337521)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(596017761)リコーテクノシステムズ株式会社 (37)
【Fターム(参考)】