飲料供給装置
【課題】
飲料の種類に応じて各々に好適な温度の湯をその飲料原料に供給することができるようにし、低温状態の飲料を生成する場合も、抽出後の飲料に水を加えずに味が薄くならない飲料供給装置を提供する。
【解決手段】
茶葉を供給する茶葉供給手段8と、茶葉供給手段8から供給される茶葉を溜める茶漉部10と、湯を保温して貯留する温水タンク5と、冷水を供給する冷水供給部7と、温水タンク5から供給される湯と冷水供給部7から供給される冷水を混合して茶漉部10に注ぐ注湯部12と、飲料生成温度設定手段52と、制御手段50とを備え、制御手段50は、注湯部12において混合される温水タンク5から供給される湯と冷水供給部7から供給される冷水のそれぞれの供給量を制御し、それらが混合される温度を飲料生成温度設定手段52により設定された温度に調節することを特徴とする飲料供給装置。
飲料の種類に応じて各々に好適な温度の湯をその飲料原料に供給することができるようにし、低温状態の飲料を生成する場合も、抽出後の飲料に水を加えずに味が薄くならない飲料供給装置を提供する。
【解決手段】
茶葉を供給する茶葉供給手段8と、茶葉供給手段8から供給される茶葉を溜める茶漉部10と、湯を保温して貯留する温水タンク5と、冷水を供給する冷水供給部7と、温水タンク5から供給される湯と冷水供給部7から供給される冷水を混合して茶漉部10に注ぐ注湯部12と、飲料生成温度設定手段52と、制御手段50とを備え、制御手段50は、注湯部12において混合される温水タンク5から供給される湯と冷水供給部7から供給される冷水のそれぞれの供給量を制御し、それらが混合される温度を飲料生成温度設定手段52により設定された温度に調節することを特徴とする飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯水と飲料原料により所望の飲料を生成する給茶機や飲料自動販売機などの飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の飲料供給装置としては、先に出願公開された特開2004−305524号公報(特許文献1)や、特開平11―56635号公報(特許文献2)に記載されるようなものが知られている。ここで、特許文献1に記載される飲料抽出装置は、一端が給水源に接続され他端から水が給水される分岐継手と、その分岐継手の他端に接続する給水管路と、その給水管路を通じて給水された水を貯留する湯タンクと、その湯タンク内の貯留された水を加熱するヒータと、そのヒータの加熱により沸き上げられた湯を給湯電磁弁を介して飲料原料混合部に給湯する給湯管と、前記分岐継手に分岐し給水電磁弁を介して給水源の水を抽出飲料に直接給水する給水管とを設けたものである。これによれば、例えばヒータの加熱により沸き上げられた湯タンクの湯によって抽出された熱いお茶の温度を下げたい場合、その場で給水管から水を供給してお茶の温度を下げることができる。
また、特許文献2に記載の装置は、貯湯タンクに貯留された湯を吐出口から吐出して、飲料の原料を通過または溶解させて飲料を生成し、これを容器に注出するようにした飲料供給装置において、水を貯留した貯水タンクを備えて、この貯水タンクから引き出した水供給管を、飲料を注出する容器の設置位置に臨ませ、飲料の注出時にその水供給管を通して水を容器に混入させる混入手段を設けたものである。これによれば、例えば飲料の生成に適した温度の湯タンクの湯で飲料を美味しく生成するとともに、生成された飲料に水供給管から水を混入させて、それを顧客の嗜好に応じて低温状態にすることができる。
【特許文献1】特開2004−305524号公報
【特許文献2】特開平11−56635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1、及び特許文献2に記載される飲料供給装置においては、湯タンクに貯留された熱い湯を飲料原料に注いで飲料を生成し、その後に水を混合して飲料の温度を下げるものであるから、その低温状態の飲料の味が薄くなり、味覚が良くない問題があった。また、飲料の生成に好適な湯の温度は、その飲料原料の種類に応じて異なるが、湯タンク内の湯の温度は一定であるから、複数の種類の飲料を生成する場合には、それぞれの飲料原料に応じて異なる好適な温度の湯を供給することができない問題があった。
本発明は、このような問題に対応するため、湯タンクから供給される湯を、飲料原料に注ぐ前に、容易に温度調節可能にするものである。これにより、複数の種類の飲料を提供する場合に、それぞれの飲料原料に応じて異なる好適な温度の湯を飲料原料に供給することができるようにし、また、低温状態の飲料を提供する場合も、飲料原料に供給する湯を事前にその低温状態に順じた温度に調整してから飲料原料に供給することで、後に水を混合して温度を下げる必要がなく、したがって飲料の味が薄くならない飲料を提供することができる。本発明は、このような特徴を備える給茶機や飲料自動販売機などの飲料供給装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、飲料供給装置であって、茶葉を供給する茶葉供給手段と、前記茶葉供給手段から供給される茶葉を溜める茶漉部と、湯を保温して貯留する温水タンクと、冷水を供給する冷水供給部と、前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水を混合して茶漉部に注ぐ注湯部と、飲料生成温度設定手段と、制御手段とを備え、前記制御手段は、前記注湯部において混合される前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水のそれぞれの供給量を制御し、それらが混合される温度を前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節するものである。
これによれば、前記注湯部において、前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水を混合して、前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節し、前記茶漉部に注ぐことができる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の飲料供給装置において、前記茶葉供給手段は複数の種類の茶葉を供給し、前記飲料生成温度設定手段は、前記茶葉のそれぞれの種類に応じて飲料の生成温度を設定し、前記制御手段は、前記茶葉供給手段から前記茶漉部に供給される茶葉の種類に応じて、前記注湯部において混合される湯水の温度を、当該茶葉の種類に応じて前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節するものである。
【0005】
これによれば、前記注湯部において前記温水タンクの湯と前記冷水供給部の冷水を混合し、これを前記複数の種類の茶葉のそれぞれの抽出に好適な温度に調節し、前記茶漉部に注ぐことができる。
請求項3に係る発明は、飲料原料を供給する飲料原料供給手段と、湯を保温して貯留する温水タンクと、冷水を供給する冷水供給部と、前記飲料原料、湯、および冷水を撹拌混合して飲料を調整するミキシングボール部と、を備え、前記ミキシングボール部は前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水のそれぞれの投入口を有し、前記湯と前記冷水を同時に投入可能とするものである。
これによれば、前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水を、遅滞なくまたその量を少量に制限することなく前記ミキシングボール部に同時に投入可能とし、短時間に飲料を調整することができる。また、湯水の混合部を特に設ける必要がない。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の飲料供給装置において、飲料の調整温度を可変に設定する飲料生成温度設定手段と、制御手段とを備え、前記制御手段は、飲料を調整するとき前記ミキシングボール部に同時に供給される前記温水タンクからの湯と前記冷水供給部からの冷水のそれぞれの供給量を制御し、調整される飲料の温度を前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節するものである。
【0006】
これによれば、前記ミキシングボール部において、前記飲料原料供給手段から供給される飲料原料、前記温水タンクから供給される湯、および前記冷水供給部から供給される冷水を撹拌混合して、前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に飲料を短時間で調整し供給することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1または請求項4に記載の飲料供給装置において、前記温水タンクから供給される湯と、前記冷水供給部から供給される冷水の温度をそれぞれ検知する温度検知手段を備え、前記制御手段は前記温度検知手段の検出結果に基づいて、前記ミキシングボール部に供給される前記温水タンクからの湯と前記冷水供給部からの冷水のそれぞれの前記供給量を制御するものである。
これによれば、前記注湯部において混合される湯水の温度、または前記ミキシングボール部において撹拌混合される飲料の温度を、前記飲料生成温度設定手段により設定した温度に精度良く調節することができる。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、この飲料供給装置は、注湯部において、温水タンクから供給される湯と冷水供給部から供給される冷水を混合して、飲料生成温度設定手段により設定された温度に調整し、これを茶漉部に注ぐことができるから、湯水を茶漉部の茶葉に注ぐ前に、供給する飲料に応じた温度に調整して、茶漉部の茶葉に注ぐことができる。すなわち、飲料の生成の後に水を混合して温度を下げる必要がないから、飲料の味が薄くならない飲料供給装置を提供することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、注湯部において温水タンクの湯と冷水供給部の冷水を混合し、これを複数の種類の茶葉のそれぞれの抽出に好適な温度に調整して、茶漉部に注ぐことができるから、複数の種類の飲料を提供する場合に、それぞれの種類の飲料に応じて最も美味しい飲料を生成することができる飲料供給装置を提供することができる。
請求項3に係る発明によれば、温水タンクから供給される湯と冷水供給部から供給される冷水を、遅滞なく、また量を制限することなくミキシングボール部に同時に投入可能とすることにより短時間に飲料を調整することができるから、飲料供給時間が短く使い勝手の良い飲料供給装置を提供することができる。また、湯水の混合部を特別に設ける必要がないから、構造が簡単でコストの安い飲料供給装置を提供することができる。
【0008】
請求項4に係る発明によれば、ミキシングボール部において、飲料原料供給手段から供給される飲料原料、温水タンクから供給される湯、および冷水供給部から供給される冷水を撹拌混合して、飲料生成温度設定手段により設定された温度に飲料を短時間で調整し供給することができるから、利用者の嗜好に応じて好適な温度の飲料を容易に供給することができる汎用性に優れた飲料供給装置を提供することができる。
請求項5に係る発明によれば、注湯部において混合される湯水の温度、またはミキシングボール部において撹拌混合される飲料の温度を、飲料生成温度設定手段により設定した温度に精度良く調節することができるから、品質が良く顧客満足度の高い飲料供給装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明を適用する飲料供給装置の主要な構成を示す概略構成図である。図に示すようにこの飲料供給装置1は、水を加熱して貯留する温水タンク5と、水を冷却して貯留する冷水タンク6と、冷水タンク6内に設けられ内部を通過する飲料水を冷却する冷却コイル(冷水供給部)7と、これらの温水タンク5及び冷却コイル7等に飲料水を補給する給水タンク3と、飲料を抽出するための茶葉を貯留するキャニスタ部(茶葉供給手段)8と、キャニスタ部8から送出される茶葉を受け溜める茶漉器(茶漉部)10と、温水タンク5から供給される温水と冷却コイル7を介して供給される冷水とを混合して茶漉器10の茶葉に注ぐための注湯部12と、飲料を収容する容器13を載置するベンドステージ15と、ベンドステージ15の下方に配設され排水を集める排水トレイ16と、排水トレイ16等からの排水を溜める排水タンク17と、冷水タンク6内の水を冷却するための冷却装置21等を備えている。
このように構成される飲料供給装置1において、温水タンク5は飲料水を加温するヒータ22と、湯の温度を検知する湯温センサ(温度検知手段)25と、温水タンク5の過熱を防止する過昇温防止サーモ26と、温水タンク5内の湯量を検知する水位スイッチ28と、内部の温水の沸騰を検知する沸騰検出センサ27と、温水タンク5内の温水を後述の注湯部12に供給するための給湯弁31と、同様に温水タンク5内の温水をベンドステージ上の容器に直接に注ぐための注湯弁32と、温水タンク5内部の温水を排水する排湯バルブ33と、温水タンク5から溢れる温水を排水トレイ16に導くオーバーフローパイプ34等を備えている。
【0011】
また、冷水タンク6は、冷却装置21に接続されて冷水タンク6内に冷却氷を生成するための蒸発パイプ23と、冷却氷の生成状態を検出するアイスバンクセンサ29と、冷却氷により冷却される冷水の温度を検知する水温センサ(温度検知手段)24と、冷水タンク6内の水量を検知する冷却水位スイッチ30と、冷水タンク6内の冷水を撹拌する撹拌モータ20と、内部の冷水を排水する排水バルブ35と、冷水タンク6から溢れる冷水を排水トレイ16に導くオーバーフローパイプ36等を備えている。ここで、冷水タンク6内に設けられる冷却コイル7には、給水タンク3から供給される水を冷水タンク6に補給する補給バルブ37と、冷却された飲料水を注湯部12またはベンドステージ15上の容器13に注ぐための三方給水弁38が接続されている。
注湯部12は、温水タンク5から供給される湯と冷却コイル7を介して供給される冷水を一様に混合して、茶漉器10の茶葉に注ぐように構成されている。なお、注湯部12内に湯と冷水を均質に撹拌混合するための螺旋溝や突起、撹拌羽根等の撹拌手段を設ければ好都合である。また、茶漉器10に茶葉を供給するキャニスタ部8は、複数の種類の茶葉をそれぞれ別々に貯留し、後述の飲料選択ボタン45によって選択された種類の茶葉を茶漉器10に送出するものである。
【0012】
給水タンク3内の飲料水は、給水ポンプ40により、水フィルター装置41を介して、温水タンク5、及び冷水コイル7にそれぞれ供給される。ここで、給水タンク3内の飲料水の供給経路において、水フィルター装置41の下流側には一次側給水弁42が設けられ、この一次側給水弁42の下流側は2経路に分岐され、一方は二次給水弁43を介して温水タンク5の上部に臨み、他方は流量センサ44を介して冷却コイル7に接続されている。
そして、これらの装置は、以下に説明する制御手段50によって制御される。
図2は、このように構成される本発明の飲料供給装置1の制御構成を示す制御ブロック図である。ここで、図中に示される複数の飲料選択ボタン45、冷水ボタン46、温水ボタン47、表示器48は、本発明の飲料供給装置1の図示しない本体表面に設けられる操作部等に配設され、顧客によって操作、視認されるものである。すなわち、複数の飲料選択ボタン45、冷水ボタン46、温水ボタン47は、ベンドステージ上の容器13に供給する飲料の種類および水の冷温の区別を選択するものであり、表示器48は、飲料の貯蔵温度や装置の稼動状態などを表示するものである。また、テンキー部(飲料生成温度設定手段)52は同様に図示しない本体内部に設けられ、管理者等によって飲料の供給温度や、飲料原料の投入量等の各種の設定データの入力や、売り上げデータ等の出力指示を行うものである。
【0013】
このように構成される本実施形態の飲料供給装置1において、顧客に各種の飲料を提供する場合について説明する。先ず、カップ等の容器13をベンドステージ15上の所定の位置に載置する。そして、提供を希望する飲料の種類に対応する飲料選択ボタン45を押す。そうすると、主制御部51の制御により、その飲料選択ボタン45により選択された飲料に対応する種類の茶葉が、キャニスタ部8から原料シュータ9(図1参照)を介して茶漉器10に供給される。さらに、温水タンク5の湯と、冷却コイル7を介して冷却された飲料水とが(テンキー部52で飲料の種類に応じて設定された温度に応じた)所定の割合で注湯部12に供給され、それらが一様に混合されて所定の温度に調節される。そして、この注湯部12内の湯がシャワーヘッド11を介して茶漉器10の茶葉に注がれて飲料が抽出され、その飲料がベンドステージ15上に載置されたカップ等の容器13に注入されて顧客に提供される。
ここで、この注湯部12で混合される湯は、それが茶漉器10の茶葉に注がれたとき、その茶葉による飲料の抽出に最も適するような温度に調節される。なお、注湯部12で混合される湯水の温度は、飲料を抽出する茶葉の種類に応じて(すなわち、操作された飲料選択ボタン45に対応して)テンキー部52により設定され、制御手段50の記憶部53に記憶される。例えば、抽出する飲料の種類が「玉露」の場合は、注湯部12で混合される湯水の温度は50〜60℃に、飲料の種類が「煎茶」の場合は、その温度は70℃前後にそれぞれ設定される。そして、主制御部51は注湯部12で混合される湯がこの設定温度に調節されるように、温水タンク5の湯温センサ25や冷水タンク6内の水温センサ24の検知結果等を参照して、注湯部12に供給する湯と冷却飲料水の供給量を算出し、これに基づいて温水タンク5の給湯弁31と、冷却コイル7に接続される三方給水弁38と、水フィルター装置41の下流側の一次側給水弁42等を制御し、適宜な量の湯と冷却飲料水を注湯部12に供給する。
【0014】
以上のように、本発明の飲料供給装置1は、注湯部12において、温水タンク5から供給される湯と冷却コイル7を介して供給される冷却飲料水を混合して、テンキー部52により設定された温度に調整し、これを茶漉部12に注ぐことができるから、茶漉部12の茶葉に注ぐ湯を、事前に所望する飲料の温度に調整して、茶漉部12の茶葉に注ぐことができる。すなわち、飲料の生成の後に水を混合して温度を下げる必要がないから、飲料の味が薄くならない飲料供給装置1を提供することができる。
また、本発明の飲料供給装置1は、注湯部12において温水タンク5の湯と冷却コイル7を介して供給される冷水を混合し、これを、テンキー部52により設定された複数の種類の茶葉のそれぞれの抽出に好適な温度に調整して、茶漉部10に注ぐことができるから、複数の種類の飲料を提供する場合に、それぞれの種類の飲料に応じて最も美味しい飲料を生成することができる飲料供給装置1を提供することができる。
さらに、本発明の飲料供給装置1は、温水タンク5から供給される湯と、冷却コイル7を介して供給される冷水の温度をそれぞれ検知する湯温センサ25と水温センサ24を備え、主制御部51はこれらの温度検知手段の検出結果に基づいて、温水タンク5からの湯と冷却コイル7からの冷水のそれぞれの供給量を制御するものであるから、注湯部12において混合される湯水の温度を、テンキー部52により設定した温度に精度良く調節することができ、品質が良く顧客満足度の高い飲料供給装置1を提供することができる。
【0015】
なお、本発明の飲料供給装置1は、本実施の形態に示す装置にのみ限定されず、その趣旨の包含する範囲で応用変更が可能である。例えば、注湯部12に冷水を供給する手段は、冷却コイル12を利用するものに代わり、直接に冷水タンク等の冷水を供給するものであっても良い。また、冷水タンク6や温水タンク5に飲料水を補給する装置は、給水タンク3に限らず水道水を直接に給水するものであってももちろん良い。
【実施例2】
【0016】
図3は本発明を適用する飲料供給装置であって、図1に示すものを応用し、一部を変更したものの構成を示す概略構成図である。この図3に示す飲料供給装置(応用例)2の構成は、図1に示す飲料供給装置の注湯部12、および茶漉器10に替えてミキシングボール部19を備えたものである。また、この装置のキャニスタ部(飲料原料供給手段)18は、茶飲料を抽出するための茶葉に替えて、例えば湯水と撹拌混合される粉末状の飲料原料が収納される。
ここで、このミキシングボール部19は、温水タンク5から供給される湯と冷却コイルを介して供給される冷水を投入する投入口19a、19bをそれぞれ供え、これらの湯と冷水を遅滞なく、同時に投入可能に構成されている。そして、このようにして供給される湯水とキャニスタ部18から原料シュータ9を介して供給される例えば粉末状の飲料原料を撹拌混合して飲料を調整する。なお、このように構成される飲料供給装置2は、図2に示される制御手段50と同様の制御手段により、図1に示す飲料供給装置1と同様に制御される。この場合、テンキー部51は飲料の調整温度を可変に設定することができれば好都合である。
このように構成される飲料供給装置2において、顧客に各種の飲料を提供する場合について説明する。先ず、カップ等の容器13をベンドステージ15上の所定の位置に載置する。そして、提供を希望する飲料の種類に対応する飲料選択ボタン45を押す。そうすると、主制御部51の制御により、温水タンク5の湯と、冷却コイル7を介して冷却された飲料水とが(テンキー部52で飲料の種類に応じて設定された温度に応じた)所定の割合でミキシングボール部19に遅滞なく同時に供給される。さらに、飲料選択ボタン45により選択された飲料に対応する種類の飲料原料が、キャニスタ部18から原料シュータ9を介してミキシングボール部19に供給され、それらが撹拌混合されて所定の温度の飲料が調整される。そして、その飲料がベンドステージ15上に載置されたカップ等の容器13に注入されて顧客に提供される。
【0017】
以上のように、本発明の飲料供給装置2においては、ミキシングボール部19は温水タンク5から供給される湯と冷却コイル7を介して供給される冷水のそれぞれの投入口19a、19bを有し、その湯と冷水を同時に投入可能とするものであるから、それらの湯水を遅滞なく、またその量を少量に制限することなくミキシングボール部19に投入可能とし、短時間に飲料を調整することができる。これにより、飲料供給時間が短く使い勝手の良い飲料供給装置を提供することができる。また、この場合、飲料供給装置1に設けられる注湯部12のような湯水の混合部を特別に設ける必要がないから、構造が簡単でコストの安い飲料供給装置を提供することができる。
また、ミキシングボール部19において、キャニスタ部18から供給される飲料原料、温水タンク5から供給される湯、および冷却コイル7を介して供給される冷水を撹拌混合して、テンキー部52により設定された温度に飲料を短時間で調整し供給することができるから、利用者の嗜好に応じて好適な温度の飲料を容易に供給することができる汎用性の優れた飲料供給装置2を提供することができる。
さらに、この飲料供給装置2は、図1に示す飲料供給装置と同様に、温水タンク5から供給される湯と、冷却コイル7を介して供給される冷水の温度をそれぞれ検知する湯温センサ25と水温センサ24を備え、主制御部51はこれらの温度検知手段の検出結果に基づいて、温水タンク5からの湯と冷却コイル7からの冷水のそれぞれの供給量を制御するものであるから、ミキシングボール部19において調整される飲料の温度を、テンキー部52により設定した温度に精度良く調節することができる。すなわち、品質が良く顧客満足度の高い飲料供給装置2を提供することができる。
【0018】
なお、この実施例2に示す飲料供給装置2は、ミキシングボール部19を一箇所のみ備えるが、飲料原料の種類に応じて設けられる複数個のキャニスタ部18に対応して、湯と冷水の投入口19a、19bをそれぞれ有するミキシングボール部19を複数箇所設けても当然良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用する飲料供給装置の主要な構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明を適用する飲料供給装置の制御構成を示す制御ブロック図である。
【図3】本発明を適用する飲料供給装置であって、図1に示すものを応用し、一部を変更したものの構成を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0020】
1 飲料供給装置
2 飲料供給装置(応用例)
5 温水タンク
6 冷水タンク
7 冷却コイル(冷水供給部)
8 キャニスタ部(茶葉供給手段)
10 茶漉器(茶漉部)
12 注湯部
18 キャニスタ部(飲料原料供給手段)
19 ミキシングボール部
19a 投入口(湯)
19b 投入口(冷水)
21 冷却装置
22 ヒータ
24 水温センサ(温度検知手段)
25 湯温センサ(温度検知手段)
31 給湯弁
38 三方給水弁
45 飲料選択ボタン
50 制御手段
52 テンキー部(飲料生成温度設定手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯水と飲料原料により所望の飲料を生成する給茶機や飲料自動販売機などの飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の飲料供給装置としては、先に出願公開された特開2004−305524号公報(特許文献1)や、特開平11―56635号公報(特許文献2)に記載されるようなものが知られている。ここで、特許文献1に記載される飲料抽出装置は、一端が給水源に接続され他端から水が給水される分岐継手と、その分岐継手の他端に接続する給水管路と、その給水管路を通じて給水された水を貯留する湯タンクと、その湯タンク内の貯留された水を加熱するヒータと、そのヒータの加熱により沸き上げられた湯を給湯電磁弁を介して飲料原料混合部に給湯する給湯管と、前記分岐継手に分岐し給水電磁弁を介して給水源の水を抽出飲料に直接給水する給水管とを設けたものである。これによれば、例えばヒータの加熱により沸き上げられた湯タンクの湯によって抽出された熱いお茶の温度を下げたい場合、その場で給水管から水を供給してお茶の温度を下げることができる。
また、特許文献2に記載の装置は、貯湯タンクに貯留された湯を吐出口から吐出して、飲料の原料を通過または溶解させて飲料を生成し、これを容器に注出するようにした飲料供給装置において、水を貯留した貯水タンクを備えて、この貯水タンクから引き出した水供給管を、飲料を注出する容器の設置位置に臨ませ、飲料の注出時にその水供給管を通して水を容器に混入させる混入手段を設けたものである。これによれば、例えば飲料の生成に適した温度の湯タンクの湯で飲料を美味しく生成するとともに、生成された飲料に水供給管から水を混入させて、それを顧客の嗜好に応じて低温状態にすることができる。
【特許文献1】特開2004−305524号公報
【特許文献2】特開平11−56635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1、及び特許文献2に記載される飲料供給装置においては、湯タンクに貯留された熱い湯を飲料原料に注いで飲料を生成し、その後に水を混合して飲料の温度を下げるものであるから、その低温状態の飲料の味が薄くなり、味覚が良くない問題があった。また、飲料の生成に好適な湯の温度は、その飲料原料の種類に応じて異なるが、湯タンク内の湯の温度は一定であるから、複数の種類の飲料を生成する場合には、それぞれの飲料原料に応じて異なる好適な温度の湯を供給することができない問題があった。
本発明は、このような問題に対応するため、湯タンクから供給される湯を、飲料原料に注ぐ前に、容易に温度調節可能にするものである。これにより、複数の種類の飲料を提供する場合に、それぞれの飲料原料に応じて異なる好適な温度の湯を飲料原料に供給することができるようにし、また、低温状態の飲料を提供する場合も、飲料原料に供給する湯を事前にその低温状態に順じた温度に調整してから飲料原料に供給することで、後に水を混合して温度を下げる必要がなく、したがって飲料の味が薄くならない飲料を提供することができる。本発明は、このような特徴を備える給茶機や飲料自動販売機などの飲料供給装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、飲料供給装置であって、茶葉を供給する茶葉供給手段と、前記茶葉供給手段から供給される茶葉を溜める茶漉部と、湯を保温して貯留する温水タンクと、冷水を供給する冷水供給部と、前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水を混合して茶漉部に注ぐ注湯部と、飲料生成温度設定手段と、制御手段とを備え、前記制御手段は、前記注湯部において混合される前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水のそれぞれの供給量を制御し、それらが混合される温度を前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節するものである。
これによれば、前記注湯部において、前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水を混合して、前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節し、前記茶漉部に注ぐことができる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の飲料供給装置において、前記茶葉供給手段は複数の種類の茶葉を供給し、前記飲料生成温度設定手段は、前記茶葉のそれぞれの種類に応じて飲料の生成温度を設定し、前記制御手段は、前記茶葉供給手段から前記茶漉部に供給される茶葉の種類に応じて、前記注湯部において混合される湯水の温度を、当該茶葉の種類に応じて前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節するものである。
【0005】
これによれば、前記注湯部において前記温水タンクの湯と前記冷水供給部の冷水を混合し、これを前記複数の種類の茶葉のそれぞれの抽出に好適な温度に調節し、前記茶漉部に注ぐことができる。
請求項3に係る発明は、飲料原料を供給する飲料原料供給手段と、湯を保温して貯留する温水タンクと、冷水を供給する冷水供給部と、前記飲料原料、湯、および冷水を撹拌混合して飲料を調整するミキシングボール部と、を備え、前記ミキシングボール部は前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水のそれぞれの投入口を有し、前記湯と前記冷水を同時に投入可能とするものである。
これによれば、前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水を、遅滞なくまたその量を少量に制限することなく前記ミキシングボール部に同時に投入可能とし、短時間に飲料を調整することができる。また、湯水の混合部を特に設ける必要がない。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の飲料供給装置において、飲料の調整温度を可変に設定する飲料生成温度設定手段と、制御手段とを備え、前記制御手段は、飲料を調整するとき前記ミキシングボール部に同時に供給される前記温水タンクからの湯と前記冷水供給部からの冷水のそれぞれの供給量を制御し、調整される飲料の温度を前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節するものである。
【0006】
これによれば、前記ミキシングボール部において、前記飲料原料供給手段から供給される飲料原料、前記温水タンクから供給される湯、および前記冷水供給部から供給される冷水を撹拌混合して、前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に飲料を短時間で調整し供給することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1または請求項4に記載の飲料供給装置において、前記温水タンクから供給される湯と、前記冷水供給部から供給される冷水の温度をそれぞれ検知する温度検知手段を備え、前記制御手段は前記温度検知手段の検出結果に基づいて、前記ミキシングボール部に供給される前記温水タンクからの湯と前記冷水供給部からの冷水のそれぞれの前記供給量を制御するものである。
これによれば、前記注湯部において混合される湯水の温度、または前記ミキシングボール部において撹拌混合される飲料の温度を、前記飲料生成温度設定手段により設定した温度に精度良く調節することができる。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、この飲料供給装置は、注湯部において、温水タンクから供給される湯と冷水供給部から供給される冷水を混合して、飲料生成温度設定手段により設定された温度に調整し、これを茶漉部に注ぐことができるから、湯水を茶漉部の茶葉に注ぐ前に、供給する飲料に応じた温度に調整して、茶漉部の茶葉に注ぐことができる。すなわち、飲料の生成の後に水を混合して温度を下げる必要がないから、飲料の味が薄くならない飲料供給装置を提供することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、注湯部において温水タンクの湯と冷水供給部の冷水を混合し、これを複数の種類の茶葉のそれぞれの抽出に好適な温度に調整して、茶漉部に注ぐことができるから、複数の種類の飲料を提供する場合に、それぞれの種類の飲料に応じて最も美味しい飲料を生成することができる飲料供給装置を提供することができる。
請求項3に係る発明によれば、温水タンクから供給される湯と冷水供給部から供給される冷水を、遅滞なく、また量を制限することなくミキシングボール部に同時に投入可能とすることにより短時間に飲料を調整することができるから、飲料供給時間が短く使い勝手の良い飲料供給装置を提供することができる。また、湯水の混合部を特別に設ける必要がないから、構造が簡単でコストの安い飲料供給装置を提供することができる。
【0008】
請求項4に係る発明によれば、ミキシングボール部において、飲料原料供給手段から供給される飲料原料、温水タンクから供給される湯、および冷水供給部から供給される冷水を撹拌混合して、飲料生成温度設定手段により設定された温度に飲料を短時間で調整し供給することができるから、利用者の嗜好に応じて好適な温度の飲料を容易に供給することができる汎用性に優れた飲料供給装置を提供することができる。
請求項5に係る発明によれば、注湯部において混合される湯水の温度、またはミキシングボール部において撹拌混合される飲料の温度を、飲料生成温度設定手段により設定した温度に精度良く調節することができるから、品質が良く顧客満足度の高い飲料供給装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明を適用する飲料供給装置の主要な構成を示す概略構成図である。図に示すようにこの飲料供給装置1は、水を加熱して貯留する温水タンク5と、水を冷却して貯留する冷水タンク6と、冷水タンク6内に設けられ内部を通過する飲料水を冷却する冷却コイル(冷水供給部)7と、これらの温水タンク5及び冷却コイル7等に飲料水を補給する給水タンク3と、飲料を抽出するための茶葉を貯留するキャニスタ部(茶葉供給手段)8と、キャニスタ部8から送出される茶葉を受け溜める茶漉器(茶漉部)10と、温水タンク5から供給される温水と冷却コイル7を介して供給される冷水とを混合して茶漉器10の茶葉に注ぐための注湯部12と、飲料を収容する容器13を載置するベンドステージ15と、ベンドステージ15の下方に配設され排水を集める排水トレイ16と、排水トレイ16等からの排水を溜める排水タンク17と、冷水タンク6内の水を冷却するための冷却装置21等を備えている。
このように構成される飲料供給装置1において、温水タンク5は飲料水を加温するヒータ22と、湯の温度を検知する湯温センサ(温度検知手段)25と、温水タンク5の過熱を防止する過昇温防止サーモ26と、温水タンク5内の湯量を検知する水位スイッチ28と、内部の温水の沸騰を検知する沸騰検出センサ27と、温水タンク5内の温水を後述の注湯部12に供給するための給湯弁31と、同様に温水タンク5内の温水をベンドステージ上の容器に直接に注ぐための注湯弁32と、温水タンク5内部の温水を排水する排湯バルブ33と、温水タンク5から溢れる温水を排水トレイ16に導くオーバーフローパイプ34等を備えている。
【0011】
また、冷水タンク6は、冷却装置21に接続されて冷水タンク6内に冷却氷を生成するための蒸発パイプ23と、冷却氷の生成状態を検出するアイスバンクセンサ29と、冷却氷により冷却される冷水の温度を検知する水温センサ(温度検知手段)24と、冷水タンク6内の水量を検知する冷却水位スイッチ30と、冷水タンク6内の冷水を撹拌する撹拌モータ20と、内部の冷水を排水する排水バルブ35と、冷水タンク6から溢れる冷水を排水トレイ16に導くオーバーフローパイプ36等を備えている。ここで、冷水タンク6内に設けられる冷却コイル7には、給水タンク3から供給される水を冷水タンク6に補給する補給バルブ37と、冷却された飲料水を注湯部12またはベンドステージ15上の容器13に注ぐための三方給水弁38が接続されている。
注湯部12は、温水タンク5から供給される湯と冷却コイル7を介して供給される冷水を一様に混合して、茶漉器10の茶葉に注ぐように構成されている。なお、注湯部12内に湯と冷水を均質に撹拌混合するための螺旋溝や突起、撹拌羽根等の撹拌手段を設ければ好都合である。また、茶漉器10に茶葉を供給するキャニスタ部8は、複数の種類の茶葉をそれぞれ別々に貯留し、後述の飲料選択ボタン45によって選択された種類の茶葉を茶漉器10に送出するものである。
【0012】
給水タンク3内の飲料水は、給水ポンプ40により、水フィルター装置41を介して、温水タンク5、及び冷水コイル7にそれぞれ供給される。ここで、給水タンク3内の飲料水の供給経路において、水フィルター装置41の下流側には一次側給水弁42が設けられ、この一次側給水弁42の下流側は2経路に分岐され、一方は二次給水弁43を介して温水タンク5の上部に臨み、他方は流量センサ44を介して冷却コイル7に接続されている。
そして、これらの装置は、以下に説明する制御手段50によって制御される。
図2は、このように構成される本発明の飲料供給装置1の制御構成を示す制御ブロック図である。ここで、図中に示される複数の飲料選択ボタン45、冷水ボタン46、温水ボタン47、表示器48は、本発明の飲料供給装置1の図示しない本体表面に設けられる操作部等に配設され、顧客によって操作、視認されるものである。すなわち、複数の飲料選択ボタン45、冷水ボタン46、温水ボタン47は、ベンドステージ上の容器13に供給する飲料の種類および水の冷温の区別を選択するものであり、表示器48は、飲料の貯蔵温度や装置の稼動状態などを表示するものである。また、テンキー部(飲料生成温度設定手段)52は同様に図示しない本体内部に設けられ、管理者等によって飲料の供給温度や、飲料原料の投入量等の各種の設定データの入力や、売り上げデータ等の出力指示を行うものである。
【0013】
このように構成される本実施形態の飲料供給装置1において、顧客に各種の飲料を提供する場合について説明する。先ず、カップ等の容器13をベンドステージ15上の所定の位置に載置する。そして、提供を希望する飲料の種類に対応する飲料選択ボタン45を押す。そうすると、主制御部51の制御により、その飲料選択ボタン45により選択された飲料に対応する種類の茶葉が、キャニスタ部8から原料シュータ9(図1参照)を介して茶漉器10に供給される。さらに、温水タンク5の湯と、冷却コイル7を介して冷却された飲料水とが(テンキー部52で飲料の種類に応じて設定された温度に応じた)所定の割合で注湯部12に供給され、それらが一様に混合されて所定の温度に調節される。そして、この注湯部12内の湯がシャワーヘッド11を介して茶漉器10の茶葉に注がれて飲料が抽出され、その飲料がベンドステージ15上に載置されたカップ等の容器13に注入されて顧客に提供される。
ここで、この注湯部12で混合される湯は、それが茶漉器10の茶葉に注がれたとき、その茶葉による飲料の抽出に最も適するような温度に調節される。なお、注湯部12で混合される湯水の温度は、飲料を抽出する茶葉の種類に応じて(すなわち、操作された飲料選択ボタン45に対応して)テンキー部52により設定され、制御手段50の記憶部53に記憶される。例えば、抽出する飲料の種類が「玉露」の場合は、注湯部12で混合される湯水の温度は50〜60℃に、飲料の種類が「煎茶」の場合は、その温度は70℃前後にそれぞれ設定される。そして、主制御部51は注湯部12で混合される湯がこの設定温度に調節されるように、温水タンク5の湯温センサ25や冷水タンク6内の水温センサ24の検知結果等を参照して、注湯部12に供給する湯と冷却飲料水の供給量を算出し、これに基づいて温水タンク5の給湯弁31と、冷却コイル7に接続される三方給水弁38と、水フィルター装置41の下流側の一次側給水弁42等を制御し、適宜な量の湯と冷却飲料水を注湯部12に供給する。
【0014】
以上のように、本発明の飲料供給装置1は、注湯部12において、温水タンク5から供給される湯と冷却コイル7を介して供給される冷却飲料水を混合して、テンキー部52により設定された温度に調整し、これを茶漉部12に注ぐことができるから、茶漉部12の茶葉に注ぐ湯を、事前に所望する飲料の温度に調整して、茶漉部12の茶葉に注ぐことができる。すなわち、飲料の生成の後に水を混合して温度を下げる必要がないから、飲料の味が薄くならない飲料供給装置1を提供することができる。
また、本発明の飲料供給装置1は、注湯部12において温水タンク5の湯と冷却コイル7を介して供給される冷水を混合し、これを、テンキー部52により設定された複数の種類の茶葉のそれぞれの抽出に好適な温度に調整して、茶漉部10に注ぐことができるから、複数の種類の飲料を提供する場合に、それぞれの種類の飲料に応じて最も美味しい飲料を生成することができる飲料供給装置1を提供することができる。
さらに、本発明の飲料供給装置1は、温水タンク5から供給される湯と、冷却コイル7を介して供給される冷水の温度をそれぞれ検知する湯温センサ25と水温センサ24を備え、主制御部51はこれらの温度検知手段の検出結果に基づいて、温水タンク5からの湯と冷却コイル7からの冷水のそれぞれの供給量を制御するものであるから、注湯部12において混合される湯水の温度を、テンキー部52により設定した温度に精度良く調節することができ、品質が良く顧客満足度の高い飲料供給装置1を提供することができる。
【0015】
なお、本発明の飲料供給装置1は、本実施の形態に示す装置にのみ限定されず、その趣旨の包含する範囲で応用変更が可能である。例えば、注湯部12に冷水を供給する手段は、冷却コイル12を利用するものに代わり、直接に冷水タンク等の冷水を供給するものであっても良い。また、冷水タンク6や温水タンク5に飲料水を補給する装置は、給水タンク3に限らず水道水を直接に給水するものであってももちろん良い。
【実施例2】
【0016】
図3は本発明を適用する飲料供給装置であって、図1に示すものを応用し、一部を変更したものの構成を示す概略構成図である。この図3に示す飲料供給装置(応用例)2の構成は、図1に示す飲料供給装置の注湯部12、および茶漉器10に替えてミキシングボール部19を備えたものである。また、この装置のキャニスタ部(飲料原料供給手段)18は、茶飲料を抽出するための茶葉に替えて、例えば湯水と撹拌混合される粉末状の飲料原料が収納される。
ここで、このミキシングボール部19は、温水タンク5から供給される湯と冷却コイルを介して供給される冷水を投入する投入口19a、19bをそれぞれ供え、これらの湯と冷水を遅滞なく、同時に投入可能に構成されている。そして、このようにして供給される湯水とキャニスタ部18から原料シュータ9を介して供給される例えば粉末状の飲料原料を撹拌混合して飲料を調整する。なお、このように構成される飲料供給装置2は、図2に示される制御手段50と同様の制御手段により、図1に示す飲料供給装置1と同様に制御される。この場合、テンキー部51は飲料の調整温度を可変に設定することができれば好都合である。
このように構成される飲料供給装置2において、顧客に各種の飲料を提供する場合について説明する。先ず、カップ等の容器13をベンドステージ15上の所定の位置に載置する。そして、提供を希望する飲料の種類に対応する飲料選択ボタン45を押す。そうすると、主制御部51の制御により、温水タンク5の湯と、冷却コイル7を介して冷却された飲料水とが(テンキー部52で飲料の種類に応じて設定された温度に応じた)所定の割合でミキシングボール部19に遅滞なく同時に供給される。さらに、飲料選択ボタン45により選択された飲料に対応する種類の飲料原料が、キャニスタ部18から原料シュータ9を介してミキシングボール部19に供給され、それらが撹拌混合されて所定の温度の飲料が調整される。そして、その飲料がベンドステージ15上に載置されたカップ等の容器13に注入されて顧客に提供される。
【0017】
以上のように、本発明の飲料供給装置2においては、ミキシングボール部19は温水タンク5から供給される湯と冷却コイル7を介して供給される冷水のそれぞれの投入口19a、19bを有し、その湯と冷水を同時に投入可能とするものであるから、それらの湯水を遅滞なく、またその量を少量に制限することなくミキシングボール部19に投入可能とし、短時間に飲料を調整することができる。これにより、飲料供給時間が短く使い勝手の良い飲料供給装置を提供することができる。また、この場合、飲料供給装置1に設けられる注湯部12のような湯水の混合部を特別に設ける必要がないから、構造が簡単でコストの安い飲料供給装置を提供することができる。
また、ミキシングボール部19において、キャニスタ部18から供給される飲料原料、温水タンク5から供給される湯、および冷却コイル7を介して供給される冷水を撹拌混合して、テンキー部52により設定された温度に飲料を短時間で調整し供給することができるから、利用者の嗜好に応じて好適な温度の飲料を容易に供給することができる汎用性の優れた飲料供給装置2を提供することができる。
さらに、この飲料供給装置2は、図1に示す飲料供給装置と同様に、温水タンク5から供給される湯と、冷却コイル7を介して供給される冷水の温度をそれぞれ検知する湯温センサ25と水温センサ24を備え、主制御部51はこれらの温度検知手段の検出結果に基づいて、温水タンク5からの湯と冷却コイル7からの冷水のそれぞれの供給量を制御するものであるから、ミキシングボール部19において調整される飲料の温度を、テンキー部52により設定した温度に精度良く調節することができる。すなわち、品質が良く顧客満足度の高い飲料供給装置2を提供することができる。
【0018】
なお、この実施例2に示す飲料供給装置2は、ミキシングボール部19を一箇所のみ備えるが、飲料原料の種類に応じて設けられる複数個のキャニスタ部18に対応して、湯と冷水の投入口19a、19bをそれぞれ有するミキシングボール部19を複数箇所設けても当然良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用する飲料供給装置の主要な構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明を適用する飲料供給装置の制御構成を示す制御ブロック図である。
【図3】本発明を適用する飲料供給装置であって、図1に示すものを応用し、一部を変更したものの構成を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0020】
1 飲料供給装置
2 飲料供給装置(応用例)
5 温水タンク
6 冷水タンク
7 冷却コイル(冷水供給部)
8 キャニスタ部(茶葉供給手段)
10 茶漉器(茶漉部)
12 注湯部
18 キャニスタ部(飲料原料供給手段)
19 ミキシングボール部
19a 投入口(湯)
19b 投入口(冷水)
21 冷却装置
22 ヒータ
24 水温センサ(温度検知手段)
25 湯温センサ(温度検知手段)
31 給湯弁
38 三方給水弁
45 飲料選択ボタン
50 制御手段
52 テンキー部(飲料生成温度設定手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶葉を供給する茶葉供給手段と、前記茶葉供給手段から供給される茶葉を溜める茶漉部と、湯を保温して貯留する温水タンクと、冷水を供給する冷水供給部と、前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水を混合して前記茶漉部に注ぐ注湯部と、飲料生成温度設定手段と、制御手段とを備え、前記制御手段は、前記注湯部において混合される前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水のそれぞれの供給量を制御し、それらが混合される温度を前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節することを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
前記茶葉供給手段は複数の種類の茶葉を供給し、前記飲料生成温度設定手段は、前記茶葉のそれぞれの種類に応じて飲料の生成温度を設定し、前記制御手段は、前記茶葉供給手段から前記茶漉部に供給される茶葉の種類に応じて、前記注湯部において混合される湯水の温度を、当該茶葉の種類に応じて前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節することを特徴とする請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項3】
飲料原料を供給する飲料原料供給手段と、湯を保温して貯留する温水タンクと、冷水を供給する冷水供給部と、前記飲料原料、湯、および冷水を撹拌混合して飲料を調整するミキシングボール部と、を備え、前記ミキシングボール部は前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水のそれぞれの投入口を有し、前記湯と前記冷水を同時に投入可能とすることを特徴とする飲料供給装置。
【請求項4】
飲料の調整温度を可変に設定する飲料生成温度設定手段と、制御手段とを備え、前記制御手段は、飲料を調整するとき前記ミキシングボール部に同時に供給される前記温水タンクからの湯と前記冷水供給部からの冷水のそれぞれの供給量を制御し、調整される飲料の温度を前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節することを特徴とする請求項3に記載の飲料供給装置。
【請求項5】
前記温水タンクから供給される湯と、前記冷水供給部から供給される冷水の温度をそれぞれ検知する温度検知手段を備え、前記制御手段は前記温度検知手段の検出結果に基づいて、前記ミキシングボール部に供給される前記温水タンクからの湯と前記冷水供給部からの冷水のそれぞれの前記供給量を制御することを特徴とする請求項1または請求項4に記載の飲料供給装置。
【請求項1】
茶葉を供給する茶葉供給手段と、前記茶葉供給手段から供給される茶葉を溜める茶漉部と、湯を保温して貯留する温水タンクと、冷水を供給する冷水供給部と、前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水を混合して前記茶漉部に注ぐ注湯部と、飲料生成温度設定手段と、制御手段とを備え、前記制御手段は、前記注湯部において混合される前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水のそれぞれの供給量を制御し、それらが混合される温度を前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節することを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
前記茶葉供給手段は複数の種類の茶葉を供給し、前記飲料生成温度設定手段は、前記茶葉のそれぞれの種類に応じて飲料の生成温度を設定し、前記制御手段は、前記茶葉供給手段から前記茶漉部に供給される茶葉の種類に応じて、前記注湯部において混合される湯水の温度を、当該茶葉の種類に応じて前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節することを特徴とする請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項3】
飲料原料を供給する飲料原料供給手段と、湯を保温して貯留する温水タンクと、冷水を供給する冷水供給部と、前記飲料原料、湯、および冷水を撹拌混合して飲料を調整するミキシングボール部と、を備え、前記ミキシングボール部は前記温水タンクから供給される湯と前記冷水供給部から供給される冷水のそれぞれの投入口を有し、前記湯と前記冷水を同時に投入可能とすることを特徴とする飲料供給装置。
【請求項4】
飲料の調整温度を可変に設定する飲料生成温度設定手段と、制御手段とを備え、前記制御手段は、飲料を調整するとき前記ミキシングボール部に同時に供給される前記温水タンクからの湯と前記冷水供給部からの冷水のそれぞれの供給量を制御し、調整される飲料の温度を前記飲料生成温度設定手段により設定された温度に調節することを特徴とする請求項3に記載の飲料供給装置。
【請求項5】
前記温水タンクから供給される湯と、前記冷水供給部から供給される冷水の温度をそれぞれ検知する温度検知手段を備え、前記制御手段は前記温度検知手段の検出結果に基づいて、前記ミキシングボール部に供給される前記温水タンクからの湯と前記冷水供給部からの冷水のそれぞれの前記供給量を制御することを特徴とする請求項1または請求項4に記載の飲料供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2008−264486(P2008−264486A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247280(P2007−247280)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】
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