説明

香料系

本発明は、香料系、このような系を含む製品及びこの使用に関するものである。残念なことに、現行の香料系は、所望される知覚体験を常には提供しない。したがって現行の香料技術の問題点を解消した1つ以上の香料系に対して必要性が存在する。本発明の系は、消費者製品であって、a.)0.01%〜20%、好ましくは0.03%〜15%、より好ましくは0.5%〜10%、最も好ましくは0.1%〜5%の未希釈香料であって、未希釈香料の重量に基づいて、(i)1重量%〜30重量%、好ましくは2重量%〜20重量%、より好ましくは3重量%〜15重量%、最も好ましくは4重量%〜10重量%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、(ii)5重量%〜70重量%、好ましくは10重量%〜60重量%、より好ましくは15重量%〜50重量%、最も好ましくは20重量%〜c0重量%の、e以下の沸点を有する香料原材料、である共生的な組み合わせを採用するときに、上述した必要性を満たす。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
消費者製品などの製品は香料系を包含するように設計及び/又は構成されることが一般的である。このような製品を選択及び使用する消費者は通常、少なくとも3回のモーメント・オブ・トゥルース(決定的瞬間)を体験する。第1のモーメント・オブ・トゥルースは通常購買時点であり、第2のモーメント・オブ・トゥルースは通常、製品の適用及び使用と共に始まり、第3のモーメント・オブ・トゥルースは通常、製品の適用及び使用の直後に始まる。残念なことに、現行の香料系は、このようなモーメント・オブ・トゥルースの間に所望される知覚体験を提供しない。それはなぜなら、このような系が、このようなモーメントの3つ全て(特に第1のモーメント・オブ・トゥルース)において所望されている香料のレベル及びバランスを提供しないからである。更に、現行の香料系は経済性及び所望される配合可撓性を提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
したがって、現行の香料技術の問題点を解消する1つ以上の香料系に対して必要性が存在する。本発明の系は上記の必要性に応える。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、香料系、このような系を含む製品及びその使用に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
定義
本明細書で使用するとき、「FMOT」とは、第1のモーメント・オブ・トゥルースを意味する。
【0005】
本明細書で使用するとき、「SMOT」とは、第2のモーメント・オブ・トゥルースを意味する。
【0006】
本明細書で使用するとき、「TMOT」とは、第3のモーメント・オブ・トゥルースを意味する。
【0007】
本明細書で使用するとき、「PRM」とは香料原材料を意味する。
【0008】
本明細書で使用するとき、「香料系」は、単一の香料技術及び香料技術の組み合わせを包含する。
【0009】
本明細書で使用するとき、「消費者製品」には、特に断りのない限り、販売される形態での使用又は消費を意図し、後の商業的製造又は改変を意図しない物品、ベビーケア、ビューティケア、衣類及びホームケア、ファミリーケア、フェミニンケア、ヘルスケア、スナック及び/又は飲料製品又は装置が包含される。このような製品には、これらに限定されるものではないが、おむつ、よだれかけ、拭取り布;漂白、着色、染色、コンディショニング、シャンプー、スタイリングといった毛髪処理(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)のための製品、及び/又はこれに関する方法;脱臭剤及び制汗剤;洗浄剤、保湿洗浄剤、及びこれらの組み合わせを含む個人用洗浄製品;化粧品;クリーム、ローション、ムース、美容パック、角質除去剤、剥離剤、及びこれらの組み合わせなどを含むスキンケア製品;装置補助型毛髪除去製品を含む毛髪除去製品;ヒゲソリ製品;並びに消費者用の他の局所適用製品;空気のケア、自動車のケア、皿洗い、衣類のコンディショニング(柔軟化など)、洗濯用洗剤、洗濯用及びリンス用添加剤及び/又はケア、硬質表面のクリーニング及び/又は処理、並びに消費者又は業務用の他のクリーニング製品などの、衣類、硬質表面、並びに衣類及びホームケアの分野の他のあらゆる表面の処理のための製品、及び/又はこれに関する方法;トイレットペーパー、フェイシャルティシュー、ペーパーハンカチーフ、及び/又はペーパータオルに関する製品及び/又は方法;タンポン、女性用ナプキン;歯磨き粉、歯磨き用ジェル、歯磨き用リンス、入れ歯用接着剤、歯の漂白剤を含む口腔ケアに関する製品及び/又は方法;咳及び風邪の治療薬、痛み止め、ペットの健康及び栄養、並びに、浄水などの市販ヘルスケア製品;主として普段の食事の間における消費又は食事の付け合わせ食品としての消費を意図した加工食品(非限定的な例としては、ポテトチップス、トルティーヤチップス、ポップコーン、プレッツェル、コーンチップ、シリアルバー、野菜チップス又はクリスプ、スナックミックス、パーティミックス、マルチグレインチップス、スナッククラッカー、チーズスナック、豚の皮揚げ、コーンスナック、ペレットスナック、押出し加工スナック、及びベーグルチップス)、及びコーヒー、並びにクリーニング及び/又はトリートメント組成物が包含される。
【0010】
本明細書で使用するとき、用語「クリーニング及び/又はトリートメント組成物」には、特に断りのない限り、錠剤、顆粒、又は粉末状の多目的、すなわち「強力」洗浄剤、特にクリーニング洗剤;液体、ゲル、又はペースト状の多目的洗浄剤、特にいわゆる強力液体型;液体高級衣類用洗剤;手洗い用食器洗剤又は軽質食器洗剤、特に泡立ちの良いもの;家庭用又は業務用の錠剤、顆粒、液体、及びすすぎ補助剤型を含む食器洗い機用洗剤;抗菌手洗い用洗剤、手洗い石鹸、マウスウォッシュ、入れ歯洗浄剤、自動車又はカーペット用シャンプー、トイレクリーナーを含む液状洗浄及び殺菌剤;ヘアシャンプー及びヘアリンス;シャワー用ジェル、発泡入浴剤、及び金属洗浄剤;並びに、漂白添加剤及び「ステイン−スティック」などのクリーニング補助剤又は乾燥機に添加されるシート、乾燥及び湿潤型拭取り布及びパッドなどの前処理型基材付与製品、不織基材、及びスポンジ;並びに、スプレー剤及びミスト剤が含まれる。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「衣類ケア組成物」には、特に断りのない限り、衣類柔軟化組成物、衣類改善組成物、衣類フレッシュニング組成物、及びこれらの組み合わせが包含される。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「固体」には、顆粒、粉末、塊、及び錠剤の製品形態が包含される。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「部位(situs)」には、紙製品、繊維、衣服、硬い表面、毛髪、及び皮膚が包含される。
【0014】
本明細書で使用するとき、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、請求項で使用する場合、請求されているもの又は記載されているものの1つ以上を意味するものと理解される。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「包含する/含む/挙げられる(include)」、「包含する/含む/挙げられる(includes)」、及び「包含している/含んでいる/挙げられている(including)」は、限定することを意図しない。
【0016】
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0017】
百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、重量で計算されている。全ての百分率及び比率は、特に断りのない限り製品及び製品のマトリックス組成物を包含する、パッケージ化された製品の全体に基づいて計算される。
【0018】
本明細書を通じての所与のあらゆる最大数値限定は、より小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、より小さい全ての数値限定を包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる最小数値限定は、より大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、より大きい全ての数値限定を包含する。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる数値範囲は、より狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように、より広い数値範囲内に入る、より狭いあらゆる数値範囲を包含する。
【0019】
消費者製品
香料添加製品を選択及び使用する消費者は、製品使用プロファイルにおける複数の接触点において、製品にどの程度満足しているかに関して決定的な判断を下す。多くの接触点が知られているが、3つの製品モーメント・オブ・トゥルースが消費者によって典型的に体験される。FMOTは通常、購入時点であり、SMOTは通常、製品の適用及び使用で始まり、TMOTは通常、製品の適用及び使用の直後に始まる。出願人らは、製品の包装が知覚体験を阻害することによって消費者のFMOTが悪影響を受けることを認識するに到った。例えば、製品の包装によって製品の開封が困難となったり、開封した際にこぼれやすい製品が露出したりする。更に、配合成分が未希釈の製品の匂いを抑制及び/又は変質させる可能性がある。更に出願人らは、製品の保存時に揮発性及び高衝撃性PRMが失われていくにつれて、使用中にブルームの不足が生じることで消費者のSMOTが悪影響を受け、香料ブルームが製品使用時に最初に生じることがあっても使用経験を通して持続しないことを認識するに到った。TMOTのために高濃度の香料を添加することで、これらの上記の難点を克服した場合、使用時の香り体験を変質させ、香料のブルームが刺激性となったり、強くなりすぎたり、及び/又は香料の性質が好ましいものでなくなる可能性がある。また、出願人らは、香料が処理部位から放出されていくにつれて、消費者のFMOTが悪影響を受けること、とりわけ乾燥布地は、第1及び第2のモーメント・オブ・トゥルースの間に香り体験を変質し得る製品中の香料濃度を長時間にわたって必要とすることを認識するに到った。更に、SMOT及びTMOTのために高濃度の香料を添加することによって未希釈の製品の匂いを変質させ、なおまだ洗浄時に十分な香料の蓄積が実現されない場合がある。更に、乾燥時に起こる香料の蒸発によって衣類の香料濃度が低下し及び/又は、乾燥衣類に残留する香料によって初期には乾燥衣類の匂いの効果をもたらすもののこのような香料は速やかに放散し十分な香り持続性の効果が得られない場合がある。最後に、出願人らは、1つ又は2つのモーメント・オブ・トゥルースに関連する問題に対する解決策が、残りのモーメント・オブ・トゥルースに関連する問題を解決するのに不十分であるか、他のモーメント・オブ・トゥルースに悪影響を与えることがあるということを認識した。したがって、必要とされるものは、設計された未希釈香料及び香料送達系を含む消費者製品である。
【0020】
1つの態様では、消費者製品であって、
a.)約0.01%〜約20%、約0.03%〜約15%、約0.05%〜約10%又は約0.1%〜約5%の未希釈香料であって、未希釈香料の重量に基づいて、
(i)約1重量%〜約30重量%、約2重量%〜約20重量%、約3重量%〜約15重量%、又は約4重量%〜約10重量%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)約5重量%〜約70重量%、約10重量%〜約60重量%、約15重量%〜約50重量%、又は約20重量%〜約40重量%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、
(iii)約1重量%〜約30重量%、約2重量%〜約20重量%、約3重量%〜約15重量%、又は約4重量%〜約10重量%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、を含む未希釈香料と、
b.)約0.01%〜約20%、約0.03%〜約15%、約0.5%〜約10%、又は約0.1%〜約5%の香料送達系と、
c.)消費者製品成分である、消費者製品の残部と、を含む。
【0021】
1つの態様では、香料送達系が香料マイクロカプセルを含むとき、このようなマイクロカプセルは総香料マイクロカプセルの重量に基づいて、約50重量%〜約95重量%、約60重量%〜約90重量%、約75重量%〜約85重量%の香料を含んでもよく、香料の少なくとも50%、75%、85%又は更には100%が、1以上のClogP及び350℃以下の沸点、1.5以上のClogP及び300℃以下の沸点、又は更には2以上のClogP及び280℃以下の沸点を有する香料原材料である。
【0022】
1つの態様では、香料送達系が、マイクロカプセル及びアミン支援型送達系を含むとき、未希釈香料は、
(i)約2%〜約40%、約4%〜約30%、又は約8%〜約20%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)約4%〜約60%、約7%〜約50%、約10%〜約40%、又は約15%〜約30%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、並びに
(iii)約1%〜約20%、約1%〜約15%、約2%〜約10%、又は約3%〜約6%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、を含む。
【0023】
1つの態様では、アミン支援型送達系は、ポリアルキルアミンを含む。
【0024】
1つの態様では、ポリアルキルアミンはポリエチレンアミンを含む。
【0025】
1つの態様では、ポリエチレンアミンは、マルバーン・インストルメンツ社(Malvern Instruments Ltd)(英国WR14 1XZ、ウスターシャー州マルバーングローブウッドロード、エニグマビジネスパーク(Enigma Business Park, Grovewood Road Malvern Worcestershire WR14 1XZ United Kingdom))により供給されるマルバーン・ゼータサイザー・ナノ−ZS(Malvern Zetasizer Nano-ZS)を使用して動的光散乱(DLS)により測定するとき、約500〜約5,000,000ダルトン、約1000〜約1,000,000ダルトン、又は約7,000〜約200,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0026】
1つの態様では、消費者製品が、未希釈香料、香料マイクロカプセル、及び、
(i)0%〜100%、約1%〜約30%、約2%〜約20%、約3%〜約15%、又は約4%〜約10%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)0%〜100%、約5%〜約70%、約10%〜約60%、約15%〜約50%、又は約20%〜約40%の250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、並びに
(iii)約0%〜約100%、約1%〜約30%、約2%〜約20%、約3%〜約15%、又は約4%〜約10%の250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、を含む香料を含むポリマー支援型送達マトリックス系を含む香料送達系を含むパッケージ化された製品であるとき、
未希釈香料は、
(i)約1%〜約30%、約2%〜約20%、約3%〜約15%、又は約4%〜約10%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)約10%〜約90%、約15%〜約80%、約20%〜約70%、又は約25%〜約60%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、並びに
(iii)約1%〜約30%、約2%〜約20%、約3%〜約15%、又は約4%〜約10%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、を含む。
【0027】
1つの態様では、ポリマー支援型送達マトリックス系は、全体又は部分のいずれかで、(例えば固着して)パッケージ化された製品の包装及び/又はパッケージ化されている製品の容器の外側、例えば、容器を蓋しているか、容器に取り付けられている任意のキャップと連通している。1つの態様では、ポリマー支援型送達マトリックス系は、全体又は部分のいずれかで、上記キャップの下面と連通している。
【0028】
1つの態様では、消費者製品が、未希釈香料、香料マイクロカプセル、アミン支援型香料送達系及びポリマー支援型送達マトリックス系を含む香料送達系を含むパッケージ化されている製品であるとき、未希釈香料は、
(i)約2%〜約40%、約4%〜約30%又は約8%〜約20%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)約4%〜約60%、約7%〜約50%、約10%〜約40%、又は約15%〜約30%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、並びに
(iv)約1%〜約20%、約1%〜約15%、約2%〜約10%、又は約3%〜約6%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、を含む。
【0029】
1つの態様では、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する好適な香料原材料は、下記の表1に列記されている材料であり、このような材料を表1香料原材料と定義する。
【表1−1】

【表1−2】

【0030】
1つの態様では、好適な表1香料原材料は、番号1〜番号39の香料原材料及びこれらの混合物を包含する。
【0031】
1つの態様では、好適な表1香料原材料は、番号1〜番号29の香料原材料及びこれらの混合物を包含する。
【0032】
1つの態様では、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する好適な香料原材料は、下記の表2に列記されている材料であり、このような材料を表2香料原材料と定義する。
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【0033】
1つの態様では、好適な表2香料原材料は、番号1〜番号116の香料原材料及びこれらの混合物を包含する。
【0034】
1つの態様では、好適な表2香料原材料は、番号1〜番号79の香料原材料及びこれらの混合物を包含する。
【0035】
1つの態様では、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する好適な香料原材料は、下記の表3に列記されている材料であり、このような材料を表3香料原材料と定義する。
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【0036】
1つの態様では、好適な表3香料原材料は、番号1〜番号58の香料原材料及びこれらの混合物を包含する。
【0037】
1つの態様では、好適な表3香料原材料は、番号1〜番号39の香料原材料及びこれらの混合物を包含する。
【0038】
好適な香料原材料及びアコードは以下の企業、フィルメニッヒ(Firmenich)(スイス、ジュネーブ(Geneva))、ジボダン(Givaudan)(フランス、アルジャントゥイユ(Argenteuil))、IFF(米国、ニュージャージー州ハズレット(Hazlet))、クェスト(Quest)(米国、ニュージャージー州マウントオリーブ(Mount Olive))、ベドウキアン(Bedoukian)(コネチカット州ダンブリー(Danbury))、シグマ・アルドリッチ(Sigma Aldrich)(米国、ミズーリ州セントルイス(St. Louis))、ミレニアム・スペシャリティ・ケミカルズ(Millennium Specialty Chemicals)(米国、イリノイ州オリンピアフィールズ(Olympia Fields))、ポラロン・インターナショナル(Polarone International)(米国、ニュージャージー州ジャージーシティ(Jersey City))、フレグランス・リソーシズ(Fragrance Resources)(米国、ニュージャージー州キーポート(Keyport))、及びアロマ&フレーバー・スペシャルティーズ(Aroma & Flavor Specialties)(米国、コネチカット州ダンブリー(Danbury))、の1社以上から入手してもよい。
【0039】
本明細書で開示されている消費者製品において、これらの混合物を包含する任意の組み合わせで使用してもよい好適な香料送達系の非限定的な例は、以下のものである。
【0040】
ポリマー支援型送達(PAD):この技術は、ポリマー性材料を使用して、香料材料を送達する。古典的なコアセルベーション、水溶性又は部分的に可溶である荷電ポリマー、液晶、ホットメルト、ヒドロゲル、香料付与プラスチック、マイクロカプセル、ナノラテックス、及びマイクロラテックスなどが例である。PADにはこれらに限定されるものではないが、以下のものが包含される。
【0041】
マトリックス系:芳香剤はポリマーマトリックス又は粒子中に溶解又は分散される。香料は、1)製品に配合する前にポリマー中に分散する、又は2)製品の配合時又は配合後にポリマーとは別に添加することができる。香料の拡散は、所望の表面(部位)に付着又は塗布されたマトリックス系からの香料の放出を可能とする、あるいはその放出速度を増大させる一般的な誘因であるが、香料の放出を制御できる他の多くの誘因も知られている。ポリマー性粒子中又は上への吸収もまたこの技術を表す。有機材料(例、ラテックス)からなるナノ粒子又はマイクロ粒子がその例である。好適な粒子は、スチレン−ブタジエンコポリマー(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、ポリクロロプレン、アクリルポリマー、ビニルアセテートポリマー、ビニルアセテート−エチレンポリマー、塩化ビニルポリマー、及びコポリマー、ポリブタジエン及びポリイソプレンを包含するがこれらに限定されない広範囲の材料を包含する。「標準的な」系とは、ポリマーに結合した予備充填された香料を、香料の放出の瞬間まで保持することを意図して香料で予備充填されたもののことを指す。このようなポリマーはまた、未希釈の製品の匂いを抑制し、香料の放出速度に応じてブルーム及び/又は持続性の効果を与えることができる。このような系における課題の1つは、1)製品内安定性(必要時まで担体内部に香料を保持すること)と、2)適時放出(使用時又は乾燥部位から)との理想的なバランスを実現することである。このような安定性の実現は、製品内保存時及び製品のエイジング時に特に重要である。この課題は、強力液体洗濯用洗剤などの、水ベースの界面活性剤含有製品において特に明らかである。利用可能な多くの「標準的」マトリックスは、水ベースの製品に配合した場合に効果的に「平衡」系となる。許容される製品内拡散安定性及び放出のための利用可能な誘因(例、摩擦)を有し得る「平衡」系又はリザーバ系を選択することができる。「平衡」系とは、香料及びポリマーを製品に別々に添加することができ、香料とポリマーとの間の平衡相互作用によって1つ以上の消費者接触点において効果をもたらすものである(これに対して、ポリマー支援型送達技術を有さない自由香料制御がある)。このポリマーも香料で予備充填することができるが、香料の一部又は全部が製品内保存時に拡散し、所望の香料原材料(PRM)がポリマーに結合するなどの平衡状態に達する場合がある。するとポリマーは香料を表面へと輸送し、典型的には、単純に香料が拡散することで放出が行われる。このような平衡系ポリマーの使用は、未希釈の製品の未希釈の匂いの強度を低下させる可能性を有する(予備充填された標準系の場合に特にそうした傾向がある)。このようなポリマーの蓄積は放出プロファイルを「平坦化」し、持続性を高めることができる。上記に示したように、このような持続性は初期の強度を抑制することによって得られ、配合者が、より高衝撃性のPRMを用いて、初期の強度が強過ぎたり、変質したりすることなしに、FMOTの効果を得ることが可能となる。所望の消費者の接触点に影響を与えるためには香料の放出は、適用の時間枠内で起きることが重要である。好適なマイクロ粒子及びマイクロラテックス、並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980 A1号に見出すことができる。マトリックス系はホットメルト接着剤及び芳香性プラスチックも包含する。好適なホットメルト接着剤及び香料プラスチックには、米国特許出願第2003/0109628 A1号、同第2004/0018950 A1号、同第2004/0063865 A1号、同第2004/0059310 A1号、同第2004/0059018 A1号、同第2005/0026801 A1号、同第2005/0106200 A1号、同第2005/0272878 A1号、2005/0147523 A1号、同第2006/0029564 A1号、同第2006/0099168 A1号、並びに米国特許第6,498,201 B1号及び同第6,534,561 B1号に記載されているものが挙げられる。更に、疎水的に改質された多糖を香料添加製品に配合することによって、香料蓄積を増大させ、並びに/又は香料放出を改変することができる。例えば、多糖及びナノラテックスなどの、全てのこのようなマトリックス系は、香料マイクロカプセルなどの他のPDTと組み合わせることができる。
【0042】
PDTとして使用することが可能なポリマーの例としてはシリコーンもあり、ポリマー支援型送達マトリックス系と同様にして香料効果を与えるものである。このようなPDTはシリコーン支援型送達(SAD)と呼ばれる。シリコーンを予備充填するか、シリコーンをPADについて述べたような平衡系として使用することができる。好適なシリコーン並びにその製造方法は、PCT国際公開特許第2005/102261号、米国特許出願第2005/0124530 A1号、同第2005/0143282 A1号、及びPCT国際公開特許第2003/015736号に見出すことができる。米国特許出願第2006/003913 A1号に記載されるように、機能化したシリコーンを使用することも可能である。シリコーンの例としては、ポリジメチルシロキサン及びポリアルキルジメチルシロキサンが挙げられる。他の例にはアミン機能性を有するものが挙げられ、これを用いてアミン支援型送達(AAD)及び/又はポリマー支援型送達(PAD)及び/又はアミン反応生成物(ARP)に関連した効果を与えることができる。他の例には、米国特許第4,911,852号、米国特許出願第2004/0058845 A1号、及び同第2004/0092425 A1号などが挙げられる。
【0043】
リザーバ系:リザーバ系はコア/シェル型技術、すなわち芳香剤が香料放出制御膜によって包囲される技術(保護シェル)として記載することができる。マイクロ粒子又は感圧カプセルはこの技術の例である。使用可能なシェル材料は水に対する安定性が大きく異なる。最も安定したものとして、水溶液(又は製品)中に特定のPRMをより長期にわたって保持することができるポリオキシメチレン尿素(PMU)系材料がある。このような系にはこれらに限定されるものではないが、尿素−ホルムアルデヒド及び/又はメラミン−ホルムアルデヒドが包含される。例えば架橋度に応じて水に速やかに又はゆっくりと溶解するように、ゼラチン系マイクロカプセルを調製することができる。多くの他のカプセル壁材料が入手可能であり、観察される香料の拡散安定性の程度が異なっている。カプセルからの香料の放出速度は、例えば、いったん表面に付着したものであれば、典型的には、製品内安定性の逆の次数である。このため、例えば尿素−ホルムアルデヒド及びメラミン−ホルムアルデヒドマイクロカプセルは典型的には、機械力(例、摩擦力)などの、カプセルを破壊して香料(芳香剤)の放出速度を増大させる、拡散以外又は拡散に加えての放出機構を必要とする。予備充填されたマイクロカプセルの使用には、製品内安定性及び使用時及び/又は表面上(部位上)放出の適正な比に加えて、PRMの適切な選択が求められる。尿素−ホルムアルデヒド及び/又はメラミン−ホルムアルデヒドに基づいたマイクロカプセルは、特に中性に近い水溶液中で比較的安定している。これらの材料は摩擦誘因を必要とする場合があるが、これは全ての製品用途に適用できるものではない。他のマイクロカプセル材料(例、ゼラチン)は、水中では不安定な場合があり、製品内エイジングしたときに(自由香料制御に対して)効果が低下する場合さえある。香料マイクロカプセル(PMC)には、以下の参照、米国特許公開第2003/01215222 A1号、同第2003/215417 A1号、同第2003/216488 A1号、同第2003/158344 A1号、同第2003/165692 A1号、同第2004/071742 A1号、同第2004/071746 A1号、同第2004/072719 A1号、同第2004/072720 A1号、同第2006/0039934 A1号、同第2003/203829 A1号、同第2003/195133 A1号、同第2004/087477 A1号、同第2004/0106536 A1号、並びに米国特許第6,645,479 B1号、同第6,200,949 B1号、同第4,882,220号、同第4,917,920号、同第4,514,461号及び同第4,234,627号、並びに米国再発行特許第32713号に記載されているものを挙げることができる。1つの態様では、香料マイクロカプセルは、総香料マイクロカプセルの重量に基づいて、約50重量%〜約95重量%、約60重量%〜約90重量%、約75重量%〜約85重量%の香料を含み、香料の少なくとも50%、75%、85%、又は更には100%が、1以上のClogP及び350℃以下の沸点、1.5以上のClogP、及び300℃以下の沸点、又は更には2以上のClogP及び280℃以下の沸点を有する香料原材料である。本発明の目的において及び特に断りのない限り、用語「香料ナノカプセル」及び「マイクロカプセル」は、用語「香料マイクロカプセル」の範囲内にある。
【0044】
モノマー支援型送達(MAD):非ポリマー材料又は分子も、香料の送達を向上させるために機能することができる。理論に束縛されるものではないが、香料は有機材料と非共有結合的に相互作用することができ、蓄積及び/又は放出の変動に影響する。このような有機材料の非限定的な例には、有機油、鉱油、ペトロラタム、脂肪酸若しくはエステル、糖、界面活性剤、及び更に他の香料原材料(香油)などの疎水性材料が挙げられるが、これらに限定されない。有用な非ポリマー性材料又は分子には、約2を超えるCLogPを有するものが挙げられる。
【0045】
アミン支援型送達(AAD):アミン支援型送達技術の手法は、アミン基を有する材料を使用することによって香料の蓄積量を増大させ、すなわち製品使用時の香料放出性を改変するものである。この手法では、製品への添加に先立って香料原材料とアミンとを予め複合又は予め反応させる必要がない。アミン基を含有することができ、本明細書に用いるのに好適である材料は、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)などのポリアルキルイミン若しくはポリビニルアミン(PVAm)といった非芳香族、又は例えばアントラニレートといった芳香族であってもよい。このような材料はポリマー性又は非ポリマー性であってよい。1つの態様では、このような材料には少なくとも1種類の第一級アミンが含まれる。この技術は、アミンの機能性によって低ODTの香料の香り(例、アルデヒド、ケトン、エノン)の持続性を高めると共にその放出制御を可能とし、理論に束縛されるものではないが、更にポリマー性アミンのポリマー支援型送達による他のPRMの送達を可能とするものである。この技術を用いない場合、揮発性のトップノートが失われるのが早過ぎ、トップノートに対するミドル及びベースノートの比が高くなってしまう。ポリマー性アミンの使用により、より高濃度のトップノート及び他のPRMを使用することで未希釈の製品の匂いが理想よりも強くなりすぎないように新鮮さを持続したり、トップノート及び他のPRMをより効率的に利用することが可能となる。好適なAAD系並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980 A1号、同第2003/0199422 A1号、同第2003/0036489 A1号、及び米国特許第6,103,678号に見出すことができる。
【0046】
シクロデキストリン(CD):この技術の手法は、香料の送達を向上させるために、シクロデキストリンを使用する。典型的には香料とシクロデキストリン(CD)との錯体を形成する。このような錯体は、予め形成すること、その場で形成すること、又は更には部位の表面上で形成することができる。理論に束縛されるものではないが、特に他の添加剤(例えば、界面活性剤)がシクロデキストリンの内腔をめぐって香料と競合するような高濃度で存在しない場合には、水の損失によって平衡状態がCD−香料錯体側に移動することができる。水の曝露がより後の時点で生じるならば、ブルーム効果を達成することができる。更に、シクロデキストリンによって香料の配合者によるPRMの選択の柔軟性が高められる。シクロデキストリンは所望の香料安定性、蓄積又は放出効果を得るために、香料で予備充填するか又は香料とは別に添加することができる。好適なCD並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980 A1号並びに米国特許第5,552,378号、同第3,812,011号、同第4,317,881号、同第4,418,144号、及び同第4,378,923号に見出すことができる。
【0047】
デンプン封入アコード(SEA):デンプン封入アコード(SEA)技術の使用により、例えばデンプンなどの成分を加えて液体香料を固体に変換することによって、香料の性質を改変することができる。その効果としては、製品保存時の香料の保持率が特に非水性条件下において向上することがある。水分への曝露時には香料のブルームを引き起こすことができる。デンプンによって製品の配合者は、SEAの非存在下では通常使用できないPRM又はPRMの濃度を選択することが可能となることから、他のモーメント・オブ・トゥルースにおける効果もまた得ることができる。別の技術の例としては、香料を液体から固体に変換するうえでシリカなどの他の有機及び無機材料を使用することがある。好適なSEA並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980 A1号及び米国特許第6,458,754 B1号に見出すことができる。
【0048】
無機担体(IC):この技術は、香料を送達するために多孔質のゼオライト又は他の無機材料を使用することに関する。香料で充填したゼオライトを、例えば香料充填ゼオライト(PLZ)をコーティングするために用いられる添加剤と共に又はこのような添加剤なしで使用して、製品保存時若しくは使用時の、又は乾燥した部位からの、香料放出特性を変化させることができる。好適なゼオライト及び無機担体、並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980 A1号並びに米国特許第5,858,959号、同第6,245,732B1号、及び同第6,048,830号に見出すことができる。好適な無機担体の別の例としては無機チューブがあり、その場合香料又は他の活性物質がナノチューブ又はマイクロチューブの内腔内に収容される。1つの態様では、香料で充填した無機チューブ(香料充填チューブすなわちPLT)は、ハロイサイト又はハロイサイトと他の無機材料(他の粘土など)との混合物のような、鉱物性のナノチューブ又はマイクロチューブである。PLT技術はまた、製品内拡散安定性、所望の部位への蓄積を向上させる目的で、あるいは充填された香料の放出速度を制御する目的で、チューブの内側及び/又は外側に追加的な成分を含むこともできる。デンプン封入体などのモノマー性材料及び/又はポリマー性材料を用いてPLTをコーティング、プラギング、キャッピング、又は封入することができる。好適なPLT並びにその製造方法は米国特許第5,651,976号に見出すことができる。
【0049】
プロ香料(PP):この技術は、PRMと担体との間に共有結合を有する材料を形成するために香料材料と他の基材又は化学物質とを反応させることから得られる香料技術を指す。PRMはプロPRM(すなわちプロ香料)と呼ばれる新たな材料へと変換され、次にこれが水や光などの誘因に曝露されると最初のPRMを放出する。プロ香料は、増大した香料蓄積量、持続性、安定性、及び保持率などの向上した香料送達特性を供給することができる。プロ香料には、モノマー性又はポリマー性のものがあり、予め形成することができ、あるいは製品内保存時又は湿潤若しくは乾燥部位に存在するものように平衡条件下でその場で形成することができる。プロ香料の非限定的な例には、ミカエル付加物(例えば、β−アミノケトン)、芳香族又は非芳香族イミン(シッフ塩基)、オキサゾリジン、β−ケトエステル、及びオルトエステルが挙げられる。香料の放出に対しての典型的な誘因は水への曝露であるが、他の誘因には、酵素、熱、光、pH変化、自動酸化、平衡の移動、及び濃度変化などを挙げてもよい。水ベースの製品では、光誘因プロ香料が特に適している。このような光プロ香料(PPP)には、誘発時にクマリン誘導体及びプロ香料を放出するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。放出されたプロ香料は、上述した誘因のいずれかの方法により、PRMを放出することができる。好適なプロ香料及びその製造方法は、米国特許第7,018,978 B2号、同第6,987,084 B2号、同第6,956,013 B2号、同第6,861,402 B1号、同第6,544,945 B1号、同第6,093,691号、同第6,277,796 B1号、同第6,165,953号、同第6,316,397 B1号、同第6,437,150 B1号、同第6,479,682 B1号、同第6,096,918号、同第6,218,355 B1号、同第6,133,228号、同第6,147,037号、及び同第5,958,870号に見出すことができる。
【0050】
アミン反応生成物(ARP):アミン官能基がPRMと予備反応してアミン反応生成物(ARP)を生成することから、「反応性」ポリマー性アミンという呼び方をすることもできる。典型的には、反応性アミンは第一級及び/又は第二級アミンであり、ポリマー又はモノマーの一部であることができる。このようなARPは更なるPRMと混合することでポリマー支援型送達及び/又はアミン支援型送達の効果を与えることもできる。モノマー性アミンの非限定的な例には、ヒドロキシルアミン及びアントラニレートなどの芳香族アミンが挙げられる。ARPは香料と予め混合するか、あるいはリーブオン又はリンスオフの用途で香料と別に添加することができる。その効果には、香料の送達向上及び放出制御を挙げることができる。好適なARP並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980 A1号及び米国特許第6,413,920 B1号に見出すことができる。
【0051】
好適な洗濯ケア成分としては、本明細書に記載されているような補助剤物質を包含する、本発明の有用な態様として本明細書に記載された物質が挙げられるがこれらに限定されない。
【0052】
液体洗濯洗剤組成物
1つの態様では、本明細書に開示されている洗濯ケア組成物は、液体洗濯洗剤組成物の形態をとってもよい。1つの態様では、このような組成物は強力液体組成物であってもよい。このような組成物は、所望のレベルの1つ以上の洗浄特性を供給するために十分な量の界面活性剤を含んでもよく、典型的には総組成物の約5重量%〜約90重量%、約5重量%〜約70重量%、又は更には約5重量%〜約40重量%である。
【0053】
液体洗剤組成物は水性非界面活性液体キャリアを含む。一般的に、本明細書の組成物中に使用される水性非界面活性液体キャリアの量は、組成物構成成分を可溶化し、懸濁し、あるいは分散するのに有効である。例えば、組成物は、約5重量%〜約90重量%、約10重量%〜約70重量%又は更には約20重量%〜約70重量%の水性非界面活性液体キャリアを含んでよい。
【0054】
最もコスト効率のよい種類の水性非界面活性液体キャリアは水であってよい。したがって、水性非界面活性液体キャリア構成成分は一般に、完全でないとしても、大部分が水であってよい。従来から、アルカノール、ジオール、他のポリオール、エーテル、アミンなどのような他の種類の水相溶性液体が、共溶媒又は安定剤として液体洗剤組成物に添加されてきたが、本発明の目的のためには、そのような水相溶性液体の利用は、組成物コストを抑制するため最小限となされてよい。それ故に、本明細書における液体洗剤製品の水性液体キャリア構成成分は一般に、組成物の約5重量%〜約90重量%、又は更には約20重量%〜約70重量%の範囲の濃度で存在する水を含む。
【0055】
本明細書における液体洗剤組成物は、界面活性剤及びその他の特定の任意成分の水溶液又は均一分散液若しくは懸濁液の形態をとってもよく、それらの成分のいくつかは通常固形の形態であってもよく、それが液体アルコールエトキシレート非イオン性物質、水性液体キャリア、及びいずれかの他の通常液体の任意成分のような通常液体の組成物構成成分と組み合わされている。このような溶液、分散液、若しくは懸濁液は許容できるように相安定であり及び典型的に約0.1〜0.6Pa・s(100〜600cps)又は更には約0.15〜0.4Pa・s(150〜400cps)の範囲の粘度を有する。本発明の目的のためには、粘度は#21スピンドルを使用したブルックフィールド(Brookfield)LVDV−II+の粘度計で測定する。
【0056】
好適な界面活性剤はアニオン性、非イオン性、カチオン性、双極性及び/又は両性界面活性剤であってよい。1つの態様では、洗剤組成物はアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤又はこれらの混合物を含む。
【0057】
好適なアニオン性界面活性剤は、液体洗剤製品で典型的に用いられる従来のアニオン性界面活性剤のいかなる種類のものであってもよい。このような界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの塩、並びにアルコキシル化又は非アルコキシル化アルキルサルフェート材料が挙げられる。
【0058】
代表的なアニオン性界面活性剤は、C11〜C14アルキルベンゼンスルホン酸を包含するC10〜C16アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩である。1つの態様では、アルキル基は直鎖である。このような直鎖アルキルベンゼンスルホンサン塩は「LAS」として公知である。そのような界面活性剤及びそれらの製造は、例えば、米国特許第2,220,099号及び同第2,477,383号に記載されている。1つの態様では、アルキル基の炭素原子の平均数が約11〜14である線状直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びカリウムを使用してもよい。ナトリウムC11〜C14、例えば、C12LASはそのような界面活性剤の具体的な例である。
【0059】
他の代表的な種類のアニオン性界面活性剤にはエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤が含まれる。アルキルエーテルサルフェート又はアルキルポリエトキシレートサルフェートとしても既知のそのような材料は、式:R’−O−(CO)n−SOMに従うものであり、式中、R’はC〜C20アルキル基であり、nは約1〜20であり、並びにMは塩生成カチオンである。具体的な実施形態では、R’はC10〜C18アルキルであり、nは約1〜15であり、並びにMはナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウム、又はアルカノールアンモニウムである。より具体的な実施形態では、R’はC12〜C16であり、nは約1〜6であり、Mはナトリウムである。
【0060】
アルキルエーテルサルフェートは、一般に、種々のR’鎖長及び種々のエトキシル化度を含む混合物の形態で使用する。しばしばそのような混合物はまた、必然的にいくつかの非エトキシル化アルキルサルフェート物質、すなわち、上記エトキシル化アルキルサルフェート式で、式中、n=0である界面活性剤も含有することになる。非エトキシル化アルキルサルフェートもまた本発明の組成物に別途加え、存在してよいいずれかのアニオン性界面活性剤構成成分として又は構成成分中で使用してよい。非アルコキシル化、例えば非エトキシル化、アルキルエーテルサルフェート界面活性剤の具体例は、高級C〜C20脂肪族アルコールの硫酸化により製造されるものである。従来の第一級アルキルサルフェート界面活性剤は、次の一般式、ROSO−M+を有し、式中、Rは、典型的には線状C〜C20ヒドロカルビル基であり、これは直鎖又は分枝鎖であり、Mは水溶性化カチオンである。特定の実施形態では、RはC10〜C15アルキルであり、Mはアルカリ金属であり、より特定的にはRはC12〜C14であり、Mはナトリウムである。
【0061】
本明細書で有用なアニオン性界面活性剤の特定的であるが非限定的である例には、a)C11〜C18アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、b)C10〜C20第一級、分枝鎖及びランダムアルキル硫酸塩(AS)、c)式(I)及び式(II)を有するC10〜C18第二級(2,3)アルキル硫酸塩:
【化1】

式(I)及び(II)中のMは、水素か又は電気的中性を供給するカチオンであり、全M単位は、界面活性剤又は添加剤成分に結合しているかどうかによらず、当業者により単離された形態に又は化合物が使用される系の相対的pHに依存して水素原子又はカチオンのいずれかであることができ、カチオンの非限定的な例には、ナトリウム、カリウム、アンモニウム及びこれらの混合物が挙げられ、xは少なくとも約7又は更には少なくとも約9の整数であり、yは少なくとも8又は更には約9の整数である)、d)C10〜C18アルキルアルコキシ硫酸塩(AExS)(式中、xは1〜30であってもよい)、e)C10〜C18アルキルアルコキシカルボン酸塩又は更には1〜5エトキシ単位を含む、f)米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載されているような中鎖分枝状アルキル硫酸塩、g)米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載されているような中鎖分枝状アルキルアルコキシ硫酸塩、h)PCT国際公開特許第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号に記載されているような変性アルキルベンゼンスルホン酸塩(MLAS)、i)メチルエステルスルホン酸塩(MES)、並びにj)α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)が挙げられる。
【0062】
本明細書で有用な好適な非イオン性界面活性剤は、液体洗剤製品で通常使用される従来の非イオン性界面活性剤のいかなる種類をも含むことができる。これらには、アルコキシル化脂肪族アルコール及びアミンオキシド界面活性剤が挙げられる。1つの態様では、通常液体であるこれらの非イオン性界面活性剤が使用される。
【0063】
本明細書に用いるのに適した非イオン性界面活性剤には、アルコールアルコキシラート非イオン性界面活性剤が挙げられる。アルコールアルコキシレートは次の一般式:R1(CmHmO)nOHに相当する材料であり、式中、R1はC〜C16アルキル基であり、mは2〜4であり、nは約2〜12の範囲である。1つの態様では、R1は、第一級又は第二級でもよいアルキル基であり、約9〜15個の炭素原子又は更には約10〜14個の炭素原子を含有する。1つの実施形態では、アルコキシル化脂肪族アルコールはまた、分子当たり約2〜12個のエチレンオキシド部分又は更には分子当たり約3〜10個のエチレンオキシド部分を含有するエトキシル化材料である。
【0064】
本明細書の液体洗剤組成物に有用なアルコキシル化脂肪族アルコール材料はしばしば約3〜17の範囲の親水性−親油性バランス(HLB)を有している。1つの態様では、この材料のHLBは約6〜15又は更には約8〜15の範囲となる。アルコキシル化脂肪族アルコール非イオン性界面活性剤は、シェル・ケミカル社(Shell Chemical Company)により商標名ネオドール(Neodol)(登録商標)で市販されている。
【0065】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の他の好適な種類にはアミンオキシド界面活性剤が含まれている。アミンオキシドは、しばしば当該技術分野において「半極性」非イオン性物質と呼ばれる材料である。アミンオキシドは次の式:R(EO)x(PO)y(BO)zN(O)(CH2R’).qHOを有する。この式中、Rは、飽和又は不飽和、直鎖又は分枝状であることができる比較的長鎖のヒドロカルビル部分であり、8〜20個、好ましくは10〜16個の炭素原子を含有することができ、又は更にはC12〜C16第一級アルキルである。R’は、短鎖部分であり、1つの態様では、水素、メチル及び−CHOHから選択される。x+y+zが0と異なる場合、EOはエチレンオキシ、POはプロピレンオキシ及びBOはブチレンオキシである。アミンオキシド界面活性剤は、C12〜C14アルキルジメチルアミンオキシドで表される。
【0066】
非イオン性界面活性剤の非限定的な例には以下、a)シェル(Shell)からのネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤のようなC12〜C18アルキルエトキシレート、b)C6〜C12アルキルフェノールアルコキシラート(ここで、アルコキシラート単位はエチレンオキシ及びプロピレンオキシ単位の混合物である)、c)BASFからのプルロニック(Pluronic)(登録商標)のようなエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーを有するC12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノール縮合体、d)米国特許第6,150,322号で議論されているようなC14〜C22中鎖分枝状アルコール、BA、e)米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号、及び同第6,093,856号で議論されているようなC14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシラート、BAEx(式中、xは1〜30である)、f)米国特許第4,565,647号(レナード(Llenado)、1986年1月26日発行)で議論されているようなアルキル多糖、具体的には米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号で議論されているようなアルキルポリグリコシド、g)米国特許第5,332,528号、PCT国際公開特許第92/06162、同第93/19146号、同第93/19038号及び同第94/09099号で議論されているようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド及びh)米国特許第6,482,994号及びPCT国際公開特許第01/42,408号で議論されているようなエーテル末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0067】
本明細書の洗濯洗剤組成物において、洗浄性界面活性剤構成成分は、アニオン性及び非イオン性界面活性剤材料の組み合わせを含んでいてよい。この場合、アニオン性と非イオン性との重量比は、典型的には10:90〜90:10、より典型的には30:70〜70:30の範囲である。
【0068】
カチオン性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、これらの非限定例としては26個までの炭素原子を有することができる四級アンモニウム界面活性剤が挙げられる。追加の例としては、a)米国特許第6,136,769号で説明されたようなアルコキシラート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤、b)米国特許第6,004,922号で説明されたようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム、c)PCT国際公開特許第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号、及び同第98/35006号で説明されたようなポリアミンカチオン性界面活性剤、d)米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号、及び同第6,022,844号で説明されたようなカチオン性エステル界面活性剤、並びにe)米国特許第6,221,825号及びPCT国際公開特許第00/47708号で説明されたようなアミノ界面活性剤、具体的にはアミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。
【0069】
双極性界面活性剤の非限定的な例としては、二級及び三級アミンの誘導体、複素環式二級及び三級アミンの誘導体又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。双極性界面活性剤の例については、米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)19段38行〜22段48行を参照のこと;アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタイン、C〜C18(1つの態様ではC12〜C18)アミンオキシド並びにスルホ及びヒドロキシベタインなどのベタイン、例えば、アルキル基がC〜C18又は更にはC10〜C14であることができるN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ−1−プロパンスルホン酸塩が挙げられる。
【0070】
両性界面活性剤の非限定的な例としては、二級若しくは三級アミンの脂肪族誘導体又は、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる、複素環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。脂肪族置換基のうち1つは、少なくとも約8個の炭素原子、典型的には約8〜約18個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1つが、アニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基を含有する。両性界面活性剤の例については、米国特許第3,929,678号(1975年12月30日発行、ラフリン(Laughlin)ら)の19段18行〜35行を参照のこと。
【0071】
粒状洗濯洗剤組成物
1つの態様では、本明細書に開示されている洗濯ケア組成物は、粒状の洗濯洗剤組成物の形態をとってもよい。本発明の粒状洗剤組成物は、従来の洗剤成分をいくつでも包含していてよい。例えば、洗剤組成物の界面活性剤系は、アニオン性、非イオン性、双極性、両性及びカチオン性の部類、並びにこれらの適合性の混合物を包含していてよい。粒状組成物のための洗浄性界面活性剤は、米国特許第3,664,961号(ノリス(Norris)、1972年5月23日発行)及び同第3,919,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)に記載されている。カチオン性界面活性剤には、米国特許第4,222,905号(コクレル(Cockrell)、1980年9月16日発行)及び同第4,239,659号(マーフィー(Murphy)、1980年12月16日発行)に記載されているものが挙げられる。
【0072】
界面活性剤系の非限定的な例には、従来のC11〜C18アルキルベンゼンスルホン酸塩(「LAS」)及び第一級、分枝鎖及びランダムC10〜C20アルキル硫酸塩([AS」)、式CH(CH)x(CHOSO−M+)CH及びCH(CH)y(CHOSOM+)CHCHのC10〜C18第二級(2,3)アルキル硫酸塩(式中、x及び(y+1)は少なくとも約7又は更には少なくとも約9の整数であり、Mは水溶性化カチオンであり、特にナトリウムである)、オレイル硫酸などの不飽和硫酸塩、C10〜C18アルキルアルコキシ硫酸塩(「AExS」、特にEO 1〜7エトキシ硫酸塩)、C10〜C18アルキルアルコキシカルボン酸塩(特にEO 1〜5エトキシカルボン酸塩)、C10〜C18グリセロールエーテル、C10〜C18アルキルポリグリコシド及びこれらの相当する硫酸化ポリグリコシド、並びにC12〜C18α−スルホン酸化脂肪酸エステルが挙げられる。所望される場合、従来の非イオン性及び両性界面活性剤、例えば、いわゆる狭いピークを有するアルキルエトキシレートが挙げられるC12〜C18アルキルエトキシレート(「AE」)及びC〜C12アルキルフェノールアルコキシラート(特にエトキシレート及び混合エトキシ/プロポキシ)、C12〜C18ベタイン及びスルホベタイン(「スルタイン」)、C10〜C18アミンオキシドなどもまた界面活性剤系に包含されることができる。C10〜C18N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミドもまた使用できる。PCT国際公開特許第9,206,154号を参照のこと。糖から誘導される他の界面活性剤には、C10〜C18N−(3−メトキシプロピル)グルカミドなどのN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドが挙げられる。低発泡性のためには、N−プロピル〜N−ヘキシルC12〜C18グルカミドを使用することができる。C10〜C20の従来型石鹸を使用してもよい。高い泡立ちが望まれる場合には、分枝鎖のC10〜C16石鹸を使用してもよい。アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の混合物が特に有用である。他の従来の有用な界面活性剤は、標準テキストに列挙されている。
【0073】
洗剤組成物は洗剤ビルダーを包含することができ、1つ以上の態様で実際にそうしている。ビルダーは一般に、種々の水溶性、アルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウムリン酸塩、ポリリン酸塩、ホスホン酸塩、ポリホスホン酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、ポリヒドロキシスルホン酸塩、ポリアセテート、カルボン酸塩、及びポリカルボン酸塩から選択される。1つの態様では、好適なビルダーには、上記のものの、アルカリ金属塩、特にナトリウム塩が挙げられる。1つの態様では、リン酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、C10〜C18脂肪酸、ポリカルボン酸塩、及びこれらの混合物を使用してもよい。別の態様では、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、クエン酸塩、酒石酸塩、モノ及びジコハク酸塩、ケイ酸ナトリウム、並びにこれらの混合物を使用してもよい。
【0074】
無機ホスホン酸塩ビルダーの具体的な例は、ナトリウム及びカリウムトリポリホスフェート、ピロホスフェート、約6〜21の重合度を有する多価メタホスフェート、及びオルトホスフェートである。ポリホスホン酸塩ビルダーの例は、エチレンジホスホン酸のナトリウム及びカリウム塩、並びにエタン1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸のナトリウム及びカリウム塩、並びにエタン,1,1,2−トリホスホン酸のナトリウム及びカリウム塩である。他のリン系ビルダー化合物は、米国特許第3,159,581号、同第3,213,030号、同第3,422,021号、同第3,422,137号、同第3,400,176号、及び同第3,400,148号に開示されている。非リン系無機ビルダーの例は、ナトリウム及びカリウム炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、四ホウ酸塩重水和物、並びにSiOとアルカリ金属酸化物の重量比が約0.5〜約4.0、好ましくは約1.0〜約2.4のケイ酸塩である。本明細書で有用な水溶性非リン系有機ビルダーとしては、様々なアルカリ金属、アンモニウム及び置換アンモニウムのポリアセテート、カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩、並びにポリヒドロキシスルホン酸塩が挙げられる。ポリアセテートビルダー及びポリカルボキシレートビルダーの例は、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、オキシジコハク酸、メリト酸、ベンゼンポリカルボン酸及びクエン酸の、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩である。
【0075】
ポリマー性ポリカルボン酸塩ビルダーは、米国特許第3,308,067号(ディール(Diehl)、1967年3月7日発行)に記載されている。このような材料には、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、アコニット酸、シトラコン酸、及びメチレンマロン酸のような脂肪族カルボン酸の、ホモ−及びコポリマーの水溶性塩が挙げられる。これらの物質のいくつかは後述するように水溶性アニオン性ポリマーとして有用であるが、非石鹸アニオン性界面活性剤と完全に混合された場合に限る。本明細書に用いるのに好適な他のポリカルボン酸塩は、米国特許第4,144,226号(クラッチフィールド(Crutchfield)ら、1979年3月13日発行)及び同第4,246,495号(クラッチフィールドら、1979年3月27日発行)に記載されているポリアセタールカルボキシレートである。
【0076】
式SiO・MOによって表される水溶性ケイ酸塩固体であって、Mがアルカリ金属であり、SiO:MOの重量比が約0.5〜約4.0であるものが、本発明の洗剤顆粒において、無水の重量基準で約2%〜約15%の濃度で有用な塩である。無水又は水和微粒子ケイ酸塩も同様に利用することができる。
【0077】
粒状洗剤組成物の構成成分として、追加の成分をいくつでも包含させることができる。これらには、他の洗浄性ビルダー、漂白剤、漂白活性化剤、泡促進剤又は泡抑制剤、色褪せ防止及び腐食防止剤、汚れ懸濁剤、汚れ放出剤、殺菌剤、pH調整剤、非ビルダーアルカリ源、キレート化剤、スメクタイト粘土、酵素、酵素安定剤、及び香料が挙げられる。米国特許第3,936,537号(バスカービル・Jr(Baskerville, Jr.)ら、1976年2月3日発行)を参照のこと。
【0078】
漂白剤及び活性化剤は、米国特許第4,412,934号(チャン(Chung)ら、1983年11月1日発行)及び同第4,483,781号(ハートマン(Hartman)、1984年11月20日発行)に記載されている。キレート化剤はまた、米国特許第4,663,071号(ブッシュ(Bush)ら)の17段54行〜18段68行に記載されている。泡改質剤もまた任意成分であり、米国特許第3,933,672号(バルトレッタ(Bartoletta)ら、1976年1月20日発行)及び同第4,136,045号(ゴールト(Gault)ら、1979年1月23日発行)に記載されている。本明細書に用いるのに好適なスメクタイト粘土は、米国特許第4,762,645号(タッカー(Tucker)ら、1988年8月9日発行)の6段3行〜7段24行に記載されている。本明細書で用いるのに好適な追加の洗浄性ビルダーは、バスカービル(Baskerville)の特許、13段54行〜16段16行及び米国特許第4,663,071号(ブッシュ(Bush)ら、1987年5月5日発行)に列挙されている。
【0079】
すすぎ添加型の布地コンディショニング組成物
1つの態様では、本明細書に開示されている洗濯ケア組成物は、すすぎ添加型の布地コンディショニング組成物の形態をとってもよい。このような組成物は布地柔軟化活性物質を含む。別の実施形態では、組成物はすすぎ添加型の布地コンディショニング組成物である。典型的なすすぎ添加型のコンディショニング組成物の例は、米国特許仮出願第60/687582号(2004年10月8日出願)に見出すことができる。
【0080】
本発明の1つの実施形態では、布地柔軟化活性物質(以後「FSA」という)はすすぎ工程において布地を柔軟化するのに好適な第四級アンモニウム化合物である。1つの実施形態では、FSAは、脂肪酸とアミノアルコールとの反応生成物から形成され、これはモノ−、ジ−、及び一実施形態でのトリエステル化合物を生じる。別の実施形態では、FSAは、モノアルキル(monoalky)四級アンモニウム化合物、ジアミド四級化合物、及びジエステル四級アンモニウム化合物、又はこれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない、1種以上の柔軟剤第四級アンモニウム化合物を含む。
【0081】
本発明の1つの態様では、FSAは、ジエステル四級アンモニウム(以後、「DQA」と称す)化合物組成物を含む。本発明の特定の実施形態では、DQA化合物の組成物はまた、ジアミドFSA及び混合アミド及びエステル連鎖並びに前述のジエステル連鎖を有するFSAの種類も包含し、これらの全てを本明細書ではDQAと称する。
【0082】
本CFSC中でFSAとして好適な第1の種類のDQA(「DQA(1)」)は次の式:
{R4−m−N+−[(CH2)n−Y−R1]m}X−
を含む化合物を包含し、式中、各R置換基は、水素、短鎖C〜C又は更にはC〜Cアルキル若しくはヒドロキシアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、及びヒドロキシエチルなど、ポリ(C〜C¬アルコキシ)、ポリエトキシ基、ベンジル、又はこれらの混合物のいずれかであり、各mは2又は3であり、各nは1〜約4又は2であり、各Yは−O−(O)C−、−C(O)−O−、−NR−C(O)−、又は−C(O)−NR−であり、各Yは同一でも、異なっていても許容可能であり、Yが−O−(O)C−又は−NR−C(O)−であるときの各R1中の炭素の合計プラス1は、C12〜C22又はC14〜C20であって、各R1はヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル基であり、R1が不飽和又は飽和であること、並びに分枝状又は直鎖状であることが許容可能であり、1つの態様ではR1は直鎖状であり、各R1は同一でも異なっていても許容可能であり、1つの態様ではR1は同一であり、X−は任意の柔軟剤適合性アニオンであることができ、1つの態様では、塩化物、臭化物、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、硫酸塩、リン酸塩、及び硝酸塩であり、あるいは、塩化物又はメチル硫酸塩である。好適なDQA化合物は、MDEA(メチルジエタノールアミン)及びTEA(トリエタノールアミン)などのアルカノールアミンを脂肪酸と反応させることによって製造することができる。典型的にこのような反応から得られるいくつかの材料には、N,N−ジ(アシル−オキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド又はN,N−ジ(アシル−オキシエチル)−N,N−メチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートが挙げられ、アシル基は、動物性脂肪、不飽和及び多不飽和の脂肪酸、例えば、タロウ、硬化タロウ、オレイン酸及び/又は部分硬化脂肪酸から誘導され、植物油及び/又は部分硬化植物油、例えば、キャノーラ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、トール油、米糠油、パーム油などからも誘導される。適した脂肪酸の非限定例は、米国特許第5,759,990号、第4段、45〜66行目に列記されている。1つの実施形態では、FSAは、DQA(1)又はDQAに加えて、その他の活性物質を含む。更に別の実施形態では、FSAは、DQA(1)又はDQAのみを含み、任意のその他の四級アンモニウム化合物若しくはその他の活性物質を含まないか又は実質的にそれを含まない。更に別の実施形態では、FSAは、DQAを製造するために使用される前駆体アミンを含む。
【0083】
本発明の別の態様では、FSAは次式:
[R4−m−N(+)−R1m]A−
を含むDTTMACとして同定される化合物を含み、式中、各mは2又は3であり、各R1はC〜C22又はC14〜C20であるが、1つ以下が約C12未満であり、そのとき他のものは少なくとも約16のヒドロカルビル又は置換されたヒドロカルビル置換基であり、例えば、C10〜C20アルキル又はアルケニル(多価不飽和アルキルを包含する不飽和アルキル、「アルキレン」と称される場合もある)、1つの態様では、C12〜C18アルキル又はアルケニル及び分枝状又は非分枝状である。1つの実施形態では、FSAのヨウ素価(IV)は約1〜70であり、各RはH又はC〜Cアルキル若しくはヒドロキシアルキル基などの短鎖C〜Cであり、例えば、メチル、エチル、プロピル、及びヒドロキシエチルなど、ベンジル、あるいは(R2 O)−4H(式中、各R2はC〜Cアルキレン基である)であり、A−は柔軟剤適合性のアニオンであり、1つの態様では、塩化物、臭化物、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、硫酸塩、リン酸塩、又は硝酸塩であり、別の態様では塩化物又はメチル硫酸塩である。これらのFSAの例としては、ジアルキルジメチルアンモニウム塩及びジアルキレンジメチルアンモニウム塩、例えばジタロウジメチルアンモニウム及びジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェートが挙げられる。本発明にて使用可能な市販のジアルキレンジメチルアンモニウム塩の例は、ジ−水素添加タロウジメチル塩化アンモニウム及びジタロウジメチル塩化アンモニウム(各々、アドゲン(Adogen)(登録商標)442及びアドゲン(登録商標)470の商標名でデグッサ(Degussa)から入手可能)である。1つの実施形態では、FSAは、DTTMACに加えて他の活性物質を含む。更に別の実施形態では、FSAはDTTMACの化合物のみを含み、かついずれの他の四級アンモニウム化合物又は他の活性物質も含まないか、あるいは本質的に含まない。
【0084】
1つの実施形態では、FSAは、米国特許公開第2004/0204337 A1号(2004年10月14日公開、コロナ(Corona)ら、パラグラフ30〜79)に記載されたFSAを含む。
【0085】
別の実施形態では、FSAは、米国特許公開第2004/0229769 A1号(2005年11月18日公開、スミス(Smith)ら、パラグラフ26〜31)又は米国特許第6,494,920号(第1段、51行以下参照)に記載されているものであり、詳細には「エステルクワット」又は四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩である。
【0086】
1つの実施形態では、FSAは以下、ジタロウオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジ水素添加タロウオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジタロウジメチルアンモニウムクロライド、ジタロウオイルオキシエチルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジ水素添加タロウオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジ水素添加タロウオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、又はこれらの組み合わせの少なくとも1つから選択される。
【0087】
1つの実施形態では、FSAはまた、アミド含有化合物の組成物を包含してもよい。ジアミドを含む化合物の例としては、メチル−ビス(タロウアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート(デグサ(Degussa)から商標名バリソフト(Varisoft)110及びバリソフト222で入手可能)を挙げられるが、それらに限定されない。アミドエステル含有化合物の例には、N−[3−(ステアロイルアミノ)プロピル]−N−[2−(ステアロイルオキシ)エトキシ)エチル)]−N−メチルアミンがある。
【0088】
本発明の別の具体的な実施形態は、カチオンデンプンを更に含む、すすぎ添加型の布地ケア組成物を提供する。カチオンデンプンは、米国特許公開第2004/0204337 A1号に開示されている。1つの実施形態では、布地ケア組成物は洗濯ケア組成物の約0.1重量%〜約7重量%のカチオンデンプンを含む。1つの実施形態では、カチオンデンプンはナショナル・スターチ(National Starch)からのHCP401である。
【0089】
補助物質
本発明の目的には必須でないが、以下に例示されている補助剤の非限定的なリストは、本明細書に開示されている消費者製品中で使用するのに好適であり、例えば、性能を補助若しくは向上させるために、洗浄すべき基材の処理のために、又は香料、着色剤及び染料などを用いる場合のように組成物の審美性を改質するために、このような製品の特定の実施形態に組み込むのが望ましい場合がある。香料原材料又は香料送達系以外の、前述の構成成分が実施形態用に列挙されているとき、このような補助剤は任意の特定の実施形態用に既に列挙されている構成成分に添加されるということが分かる。このような補助剤の総量は、消費者製品の約0.1重量%〜約50重量%又は更には約1重量%〜約30重量%の範囲であってもよい。
【0090】
これらの追加的構成成分の明確な性質及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用されるべき作業の性質によって決まる。好適な補助剤物質には、ポリマー、例えばカチオン性ポリマー、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒作用性物質、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、並びに/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。下記の開示に加え、このような他の補助剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812 B1号、及び同第6,326,348 B1号に記載されており、これらは参照により組み込まれる。
【0091】
上述のように、補助剤成分は、本出願人らの洗浄及び洗濯ケア組成物には必須ではない。したがって、本出願人らの組成物の特定の実施形態は、以下、漂白活性化剤、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー系分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、柔軟剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、並びに/又は顔料の補助物質の1つ以上を含有しない。しかしながら、1つ以上の補助剤が存在するとき、1つ以上の補助剤は、以下に詳細に記載されるように存在してもよい。
【0092】
界面活性剤−本発明による組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含むことができ、界面活性剤は、非イオン性及び/若しくはアニオン性、及び/若しくはカチオン性界面活性剤並びに/又は両性及び/若しくは双極性及び/若しくは半極性非イオン性界面活性剤から選択できる。界面活性剤は、典型的には、洗浄組成物の約0.1重量%から、約1重量%から又は更には約5重量%から、洗浄組成物の約99.9重量%まで、約80重量%まで、約35重量%まで、又は更には約30重量%までの濃度で存在する。
【0093】
ビルダー−本発明の組成物は、1つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含むことができる。存在する場合、組成物は、典型的に、少なくとも約1重量%のビルダー又は約5重量%若しくは10重量%から約80重量%まで、50重量%まで、又は更には30重量%までのビルダーを含む。ビルダーとしては、ポリホスフェートの、アルカリ金属、アンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属炭酸塩、アルミノシリケートビルダー、ポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の種々のアルカリ金属、アンモニウム及び置換アンモニウム塩並びにメリット酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、並びにこれらの可溶性塩のようなポリカルボン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
キレート化剤−本明細書の組成物はまた、任意で1つ以上の銅、鉄及び/又はマンガンのキレート化剤を含有してもよい。使用される場合、キレート化剤は、一般に本明細書の組成物の約0.1重量%〜約15重量%又は更には本明細書の組成物の約3.0重量%〜約15重量%を構成する。
【0095】
移染防止剤−本発明の組成物はまた、1つ以上の移染防止剤を包含してもよい。好適なポリマー移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書の組成物中に存在する場合、移染防止剤は、洗浄組成物の約0.0001重量%から、約0.01重量%から、約0.05重量%から、洗浄組成物の約10重量%まで、約2重量%まで又は更には約1重量%までの濃度で存在する。
【0096】
分散剤−本発明の組成物は分散剤も含むことができる。好適な水溶性有機物質は、ホモポリマー又はコポリマーの酸又はこれらの塩であり、それらのうちのポリカルボン酸は、互いに2個を超えない炭素原子によって離間されている少なくとも2個のカルボキシル基を含んでよい。
【0097】
酵素−組成物は、洗浄性能効果及び/又は布地ケア効果を提供する1つ以上の洗浄性酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素をアミラーゼと組み合わせた混液である。
【0098】
酵素安定剤−組成物、例えば洗剤において使用するための酵素は、種々の技術によって安定化することができる。本明細書で採用される酵素は、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する、最終組成物中のカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。
【0099】
触媒金属錯体−本出願人らの組成物は、触媒金属錯体を包含してもよい。金属含有漂白触媒の1つの種類は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンのカチオンのような規定された漂白触媒活性の遷移金属カチオン、亜鉛又はアルミニウムのカチオンのような漂白触媒活性をほとんど又は全く有さない補助金属カチオン並びに触媒金属及び補助金属のカチオンに対して規定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤(sequestrate)、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びこれらの水溶性塩を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示される。
【0100】
必要に応じて、本明細書の組成物は、マンガン化合物を用いて触媒され得る。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されるマンガン系触媒が挙げられる。
【0101】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、既知の手順、例えば、米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号において教示されているような手順によって容易に調製される。
【0102】
また本明細書の組成物は、マクロ多環式の剛性配位子(「MRL」と省略される)の遷移金属錯体を適切に包含してもよい。実用的な事柄として、限定するためではないが、本明細書の組成物及び洗浄方法は、水性洗浄媒体において少なくとも1億分の1のオーダーの有益剤MRL種を提供するように調整することができ、MRLを洗浄溶液中に約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は更には約0.1ppm〜約5ppmに設定できる。
【0103】
当該遷移金属漂白剤触媒中の好適な遷移金属には、マンガン、鉄及びクロムが挙げられる。1つの態様では、本明細書で好適なMRLは、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサ−デカンなどの、架橋されている特殊な種類の超固定配位子である。
【0104】
好適な遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、PCT国際公開特許第00/32601号及び米国特許第6,225,464号で教示されているような手順によって容易に製造される。
【0105】
洗濯ケア組成物の製造方法
本発明の洗濯ケア組成物は、任意の好適な形態に配合することができ、配合者により選択される任意のプロセスにより調製することができ、その非限定的な例は、米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号及び同第5,486,303号に記載されている。
【0106】
1つの態様では、本明細書に開示されている液体洗剤組成物は、その構成成分を、いずれかの簡便な順番で組み合わせることによって、並びに得られた構成成分の組み合わせを混合、例えば攪拌して相安定液体洗剤組成物を形成することによって、調整することができる。1つの態様では、液体構成成分、例えば非イオン性界面活性剤、非界面活性液体キャリア及び他の任意の液体構成成分の少なくとも主要部分又は更には実質的に全てを含有する液体マトリクスが形成され、この液体構成成分はこの液体の組み合わせに剪断力攪拌を付与することにより完全に混合される。例えば、機械的攪拌器での高速攪拌を用いるのが有用である場合もある。剪断力攪拌を維持しながら、任意のアニオン性界面活性剤及び固体成分の実質的に全てを加えることができる。混合物の攪拌を継続し、必要であればその時点で増大し、液相内に不溶性固相粒子状物質の溶液又は均一な分散体を形成することができる。固形形態の物質のいくらか又は全てを攪拌混合物に添加した後、包含されるべき任意の酵素物質の粒子、例えば酵素プリルが組み込まれる。上述した組成物製造手順の変形として、1つ以上の固形構成成分を1つ以上の液体構成成分の微量部分と予め混合した粒子の溶液又はスラリーとして攪拌混合物に添加してよい。全ての組成物構成成分が加えられた後、混合物の攪拌は、必要な粘度及び相安定度特性を有する組成物を形成するために十分な時間継続される。しばしば、これには約30分〜60分の間の攪拌を伴う。
【0107】
そのような固形形態の洗剤組成物を形成する種々の技術は当該技術分野において周知であり及び本明細書で使用されてよい。1つの態様では、洗濯ケア組成物が粒状粒子の形態であるとき、所望により、洗濯洗剤組成物の追加的だが全部ではない構成成分を包含する。
【0108】
洗濯ケア組成物の使用方法
本明細書に開示されている洗濯ケア組成物は、布地を洗浄又は処理するために使用されてよい。典型的には布地の少なくとも一部分を前述の洗濯ケア組成物の実施形態と無希釈な形態で又は液体、例えば洗浄溶液中に希釈された形態で接触させ、その後布地を任意に洗浄し及び/又はすすいでもよい。1つの態様では、布地を任意に洗浄及び/又はすすぎ、前述の洗濯ケア組成物の実施形態と接触させ及びその後任意に洗浄し及び/又はすすぐ。本発明の目的上、洗浄には、擦ること及び機械的攪拌が挙げられるが、これらに限定されない。布地は洗濯又は処理できるほとんどあらゆる布地を含んでよい。
【0109】
本明細書に開示されている洗濯ケア組成物を使用して、布地の洗濯に使用するための水性洗浄溶液を形成することができる。一般に、このような水性洗濯溶液を形成するために、水、例えば従来の布地洗濯自動洗濯機中の水に、このような組成物の有効量を加える。次に、このように形成された水性洗浄溶液を、1つの態様では攪拌下で、それにより洗濯すべき布地と接触させる。本明細書に開示されている液体洗剤組成物のような洗濯ケア組成物の有効量を水に加えて、約500〜約7,000ppm又は更には約1,000〜約3,000ppmの洗濯ケア組成物を含んでよい水性洗濯溶液を形成してよい。
【0110】
1つの態様では、洗濯ケア組成物は洗濯添加剤として、前処理組成物として及び/又は後処理組成物として使用されてもよい。
【0111】
試験方法
1.)ClogP値:本発明の用途では、ClogP値は、ClogP計算値である。このような値は、ケミカル・アブストラクト・サービス(Chemical Abstract Services)(CAS)(オハイオ州43210コロンバス私書箱3102(P.O. Box 3102, Columbus, OH 43210))を通じて、アメリカ化学会(American Chemical Society)によるサイファイナー(SciFiner)データベースから得てもよい。ClogP値がサイファイナーから入手できない場合、ハンシュ(Hansch)及びレオ(Leo)(A.レオ(Leo)「総合医薬品化学(comprehensive medicinal chemistry)」(C.ハンシュ(Hansch)、P.G.サメンス(Sammens)、J.B.テイラー(Taylor)、及びC.A.ランスデン(Ransden)編、295ページ、パーガモン出版(Pergamon Press)、1990年、第4巻)のフラグメント法に従ってこの値を計算する。
2.)沸点:本発明の用途では、香料材料の沸点は、ケミカル・アブストラクト・サービス(Chemical Abstract Services)(CAS)(オハイオ州43210コロンバス私書箱3102(P.O. Box 3102, Columbus, OH 43210))を通じて、アメリカ化学会(American Chemical Society)によるサイファイナー(SciFiner)データベースから得てもよい。ClogP値がサイファイナーから入手できない場合、D.T.スタントン(Stanton)ら「フラン、テトラヒドロフラン及びチオフェンの標準沸点の、コンピュータ補助による予測(Computer-Assisted Prediction of Normal Boiling Points of Furans, Tetrahydrofurans, and Thiophenes)」(「ジャーナル・オブ・ケミカル・インフォメーション・アンド・コンピュータ・サイエンシズ(J. Chem. Inf. Comput. Sci.)」、1992年、第31巻、301〜310ページ)に見出されるプロトコルに従って、この値を計算する。
【実施例】
【0112】
以下の実施例は本発明の組成物を説明するが、本明細書の発明の範囲を限定する又は別の方法で定義することを必ずしも意味しない。
【0113】
(実施例1)
以下の未希釈香料組成物を作製する。
【表4】

【0114】
(実施例2)
以下の香料組成物を作製し、香料マイクロカプセルのコアとして使用する。
【表5】

【0115】
(実施例3)
以下の香料組成物を作製し、ポリマー補助送達マトリックス系に関連した又は充填された又は吸収された香料として、使用する。
【表6】

【0116】
(実施例4):メラミン系ポリ尿素カプセル(85%コア/15%壁)
第1の混合物を、水208グラムとアルキルアクリレート−アクリル酸コポリマー(ポリサイエンス社(Polysciences, Inc.)(米国ペンシルバニア州ウォリントン(Warrington))5グラムを混合することにより調製する。この第一の混合物を水酸化ナトリウムを使用してpH5.0に調整する。
【0117】
実施例2A、B、C又はDの芳香剤油を含むカプセルコア材料178グラムを第一の混合物に65℃の温度で加え、エマルションを作る。高速ブレンドを使用して体積平均粒径15マイクロメートルを得る。カプセル壁材料を形成する成分を、次のようにして調製する。相当するカプセル壁材料コポリマープレポリマー(ブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー)9グラムと水90グラムを混合し、pH5.0に調整する。この混合物に部分メチル化メチロールメラミン樹脂溶液(「サイメル(Cymel)385」80%固形分、サイテック社(Cytec))28グラムを添加する。この混合物を上記芳香剤油−水エマルションに65℃の温度で攪拌しながら加える。連続的に攪拌しながらこの混合物の温度をこの温度で8時間にわたって維持してカプセル封入を開始し、完了させる。
【0118】
アクリル酸−アルキルアクリレートコポリマーカプセル壁を形成するために、アルキル基はエチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、又は1〜約16個の炭素を有するか、更には1〜8個の炭素を有する他のアルキル基から選択できる。
【0119】
(実施例5)布地コンディショニング組成物
以下は本発明の布地コンディショニング組成物の非限定例である。
【表7】

N,N−ジ(タロウオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド。
商品名CATO(登録商標)でナショナル・スターチ(National Starch)社から市販されるカチオン性高アミローストウモロコシデンプン。
米国特許第5,574,179号、第15段、1〜5行目に記載の式を有するエチレンオキシドとテレフタレートとのコポリマーであって、式中、各Xはメチルであり、各nは40であり、uは4であり、各R1は基本的に1,4−フェニレン部分であり、各R2は、基本的にエチレン、1,2−プロピレン部分、又はこれらの混合物である。
ジエチレントリアミン五酢酸。
ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas Co.)から入手可能なケーソン(KATHON)(登録商標)CG。「PPM」は、「百万分の一」。
DC2310の商標名でダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)から入手可能なシリコーン消泡剤。
ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas Co.)から商品名アクラン(Aculan)44で市販される、疎水変性エトキシル化ウレタン。
【0120】
(実施例6)布地コンディショニング組成物
以下は本発明の布地コンディショニング組成物の非限定例である。
【表8】

残部
** 上記の製品をキャップを有する容器からなる包装で包装する。1つの態様における包装は、上記のPADマトリックス系をホットメルト接着剤の形態で含む。上記の例におけるホットメルト接着剤の形態のPADはキャップの下又は近くに配する。
【0121】
洗剤組成物において成分名の略称は以下の意味を有する。
【表9−1】

【表9−2】

【表9−3】

【0122】
(実施例7)
以下の高密度粒状洗濯洗剤組成物A〜Fは、本発明に従って調製される。
【表10】

【0123】
(実施例8)重質液体洗剤組成物
以下の液体洗剤配合は本発明に従って調製される(濃度は重量部で与えられる)。
【表11】

【0124】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、このような各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0125】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において、本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0126】
本発明の特別な実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者製品であって、
a.)0.01%〜20%、好ましくは0.03%〜15%、より好ましくは0.5%〜10%、最も好ましくは0.1%〜5%の未希釈香料であって、前記未希釈香料の重量に基づいて、
(i)1重量%〜30重量%、好ましくは2重量%〜20重量%、より好ましくは3重量%〜15重量%、最も好ましくは4重量%〜10重量%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)5重量%〜70重量%、好ましくは10重量%〜60重量%、より好ましくは15重量%〜50重量%、最も好ましくは20重量%〜40重量%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、
(iv)1重量%〜30重量%、好ましくは2重量%〜20重量%、より好ましくは3重量%〜15重量%、最も好ましくは4重量%〜10重量%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、
を含む未希釈香料と、
b.)0.01%〜20%、好ましくは0.03%〜15%、より好ましくは0.5%〜10%、最も好ましくは0.1%〜5%の香料送達系と、
c.)消費者製品成分である、前記消費者製品の残部と、
を含む、消費者製品。
【請求項2】
a.)250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する前記香料原材料が、表1の香料原材料及びこれらの混合物から選択され、好ましくは250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する前記香料原材料が、表1の香料原材料の番号1〜39及びこれらの混合物から選択され、より好ましくは250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する前記香料原材料が、表1の香料原材料の番号1〜29及びこれらの混合物から選択され、
b.)250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する前記香料原材料が、表2の香料原材料及びこれらの混合物から選択され、好ましくは250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する前記香料原材料が、表2の香料原材料の番号1〜116及びこれらの混合物から選択され、より好ましくは250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する前記香料原材料が、表3の香料原材料の番号1〜58及びこれらの混合物から選択され、かつ
c.)250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する前記香料原材料が、表3の香料原材料及びこれらの混合物から選択され、好ましくは250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する前記香料原材料が、表3の香料原材料の番号1〜58及びこれらの混合物から選択され、より好ましくは250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する前記香料原材料が、表3の香料原材料の番号1〜58及びこれらの混合物から選択される、
請求項1に記載の消費者製品。
【請求項3】
前記香料送達系が、ポリマー支援型送達系、リザーバ系、モノマー支援型送達系、アミン支援型送達系、シクロデキストリン系、デンプン封入アコード系、無機担体系、プロ香料、アミン反応生成物、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料送達系を含む、請求項1又は2に記載の消費者製品。
【請求項4】
前記香料送達系が、香料マイクロカプセルを含み、好ましくは前記香料マイクロカプセルが、総香料マイクロカプセルの重量に基づいて、50重量%〜95重量%、好ましくは60重量%〜90重量%、より好ましくは75重量%〜85重量%の香料を含み、前記香料の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも100%が、1以上のClogP及び350℃以下の沸点、好ましくは1.5以上のClogP及び300℃以下の沸点、より好ましくは2以上のClogP及び280℃以下の沸点を有する香料原材料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の消費者製品。
【請求項5】
前記香料送達系が、マイクロカプセル及びアミン支援型送達系を含み、好ましくは前記アミン支援型送達系が、ポリアルキルアミン、より好ましくはポリエチレンアミン、最も好ましくは、500〜5,000,000ダルトン、好ましくは1000〜1,000,000ダルトン、より好ましくは7,000〜200,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリエチレンアミンを含み、前記未希釈香料が、
(i)2%〜40%、好ましくは4%〜30%、より好ましくは8%〜20%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)4%〜60%、好ましくは7%〜50%、より好ましくは10%〜40%、最も好ましくは15%〜30%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、並びに
(v)1%〜20%、好ましくは1%〜15%、2〜10%、より好ましくは3〜6%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、
を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の消費者製品。
【請求項6】
製品、容器、好ましくはキャップを有する前記容器を含み、未希釈香料、香料マイクロカプセル、及び香料送達系をパッケージ化し、前記香料送達系が、
(i)0%〜100%、好ましくは1%〜30%、より好ましくは2%〜20%、3%〜15%、最も好ましくは4%〜10%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)0%〜100%、好ましくは5%〜70%、より好ましくは10%〜60%、15%〜50%、最も好ましくは20%〜40%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、並びに
(iii)0%〜100%、好ましくは1%〜30%、より好ましくは2%〜20%、更に好ましくは3%〜15%、最も好ましくは4%〜10%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、
を含む香料を含むポリマー支援型送達マトリックス系を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の消費者製品であって、
前記未希釈香料が、
(i)1%〜30%、好ましくは2%〜20%、より好ましくは3%〜15%、最も好ましくは4%〜10%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)10%〜90%、好ましくは15%〜80%、より好ましくは20%〜70%、最も好ましくは25%〜60%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料、並びに
(iv)1%〜30%、好ましくは2%〜20%、より好ましくは3%〜15%、最も好ましくは4%〜10%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、
を含み、
好ましくは前記ポリマー支援型送達マトリックス系が、全体又は部分のいずれかで、前記パッケージ化された製品の包装及び/又は前記パッケージ化された製品の容器の外側と連通しており、より好ましくは前記ポリマー支援型送達マトリックス系が、全体又は部分のいずれかで、前記キャップの下面と連通している、消費者製品。
【請求項7】
製品、容器を含み、未希釈香料、香料マイクロカプセル、並びにアミン支援型送達系及びポリマー支援型送達マトリックス系を含む香料送達系をパッケージ化する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の消費者製品であって、前記未希釈香料が、
(i)2%〜40%、好ましくは4%〜30%、より好ましくは8%〜20%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原材料、
(ii)4%〜60%、好ましくは7%〜50%、より好ましくは10%〜40%、最も好ましくは15%〜30%の、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する香料原材料並びに
(iii)1%〜20%、好ましくは1%〜15%、より好ましくは2%〜10%、最も好ましくは3%〜6%の、250℃を超えるが280℃以下の沸点を有する香料原材料、
を含む、消費者製品。

【公表番号】特表2010−518271(P2010−518271A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549103(P2009−549103)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/001641
【国際公開番号】WO2008/100411
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】