説明

駆動ベルトのロック構造及び車両用表示器

【課題】 所定の位置で確実に固定することができ、ソレノイドの破損を防ぐことができる駆動ベルトのロック構造及び車両用表示器を提供すること。
【解決手段】 駆動ベルト53と、往路側ロック部61aと、復路側ロック部61bと、往路側ロック部61aと復路側ロック部61bを復帰させる構造にしたロック部材61と、往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの間に進入すると、往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの間の間隔を押し拡げる進入部64と、駆動ベルト53の張り渡し方向と交差する方向から進入部64を駆動で進退させるソレノイド63とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に取り付けられ、表示により情報を乗員に伝達する表示部の固定に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
従来の技術においては、円盤状の駆動ギアに穴を設け、その穴にソレノイドの進退するシャフトを差し込むことで、駆動ギアを固定し、駆動ギアと連動するディスプレイの角度位置を固定保持している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平5−96999号公報(第1−7頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来では、ディスプレイに大きな力が加わった場合、ソレノイドのシャフトに、シャフトの軸方向と交差する横方向の力が加わってしまいソレノイドが破損してしまう問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、所定の位置で確実に固定することができ、ソレノイドの破損を防ぐことができる駆動ベルトのロック構造及び車両用表示器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明では、内周に駆動歯車と係合する歯面を有し、張り渡して往路と復路を構成する駆動ベルトと、前記駆動ベルトの往路と復路の間に位置し、前記駆動ベルトの歯面と係合する歯面を有し、前記駆動ベルトの往路と間隔を空けた位置と前記駆動ベルトの往路の歯面と係合する位置の間を移動自在な往路側ロック部と、前記駆動ベルトの往路と復路の間で、且つ前記往路側ロック部と間隔を空けて対向するよう位置し、前記駆動ベルトの歯面と係合する歯面を有し、前記駆動ベルトの復路と間隔を空けた位置と前記駆動ベルトの復路の歯面と係合する位置の間を移動自在な復路側ロック部と、前記往路側ロック部と前記復路側ロック部を前記駆動ベルトと間隔を空けた位置へ復帰させる復帰手段と、前記往路側ロック部と前記復路側ロック部の間に進入すると、前記往路側ロック部と前記復路側ロック部の間の間隔を押し拡げる進入部材と、前記駆動ベルトの張り渡し方向と交差する方向から進入部材を駆動で進退させる進退駆動手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明では、所定の位置で確実に固定することができ、ソレノイドの破損を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明の車両用表示器を実現する実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず構造を説明する。
【0009】
図1は車両用表示器の起動状態の側面図である。図2は車両用表示器の動作を示す説明図である。図3は車両用表示器の一部拡大図である。図4は図3のA−A断面図である。図5はロック状態の車両用表示器の一部拡大図である。図6は図5のB−B断面図である。
【0010】
車両用表示器は、図1〜図6に示すように、表示器本体1、モニタ2、ヒンジ部3、スライド機構部4、駆動機構部5、ロック機構部6を主要な構成としている。
実施例1の車両用表示器は、モニタ2の収納状態では、表示器本体1の上面と、モニタ2の背面が、およそ1面を成すものである。つまり、車両用表示器のモニタ2の収納状態では、車両のインストルメントパネルの1面と一体化が可能となる。また、一体化しない場合であっても、ドライバの視界を妨げないよう高さの低い収納状態となる(図8,図9参照)。
表示器本体1の底面に相当する大きさの1面と、両側の側面で、上方が開口するコ字状の本体ブラケット11を設ける。
【0011】
次に、スライド機構部4について説明する。
スライド機構部4は、スリット111、スライダ41、シャフト42を主要な構成とする。
まず、本体ブラケット11で両端を支持して、前後方向に長くなるよう表示器本体1の両側にシャフト42を設ける。さらに、本体ブラケット11の側面には、前後に長いスリット111を設ける。スライダ41は、前後に貫通する穴を有し、この穴にシャフト42を貫通させるようする。これによりスライダ41は前後にスライド自在となる。
【0012】
ここで、モニタ2の取り付け構造を説明しておく。
モニタ2は下端をスリット111に移動自在に係合させて、スリット111に沿って、スリット111の長さのみ下端が移動できるようにする。さらに、モニタ2の下端は、スライダ41に回転自在に取り付けて、スライダ41の動きで、モニタ2の下端を動作させるようにする。
表示器本体1の両側に、モニタ2の起立・収納の回転方向に回転自在にヒンジ部3の一端を取り付け、反対側の端は、モニタ2の側部中央付近に回転自在に取り付ける。
さらに、起立させた状態のモニタ2の側部下端部をスライダ41に回転自在に取り付ける。
【0013】
次に、駆動機構部5について説明する。
駆動機構部5は、プーリ51,52、駆動ベルト53、駆動モータ54、制御基板、回転軸55を主要な構成とする。
まず本体ブラケット11の両側の側面を前後の位置で貫通するように回転軸55を設ける。後方の回転軸55の両端には、プーリ51を取り付け、前方の回転軸55の両端には、プーリ52を取り付ける。
プーリ51,52の外周には、駆動ベルト53の歯面と係合する歯面を設けるようにする。
駆動ベルト53は、内周にラックのように歯面を設け、前後のプーリ51,52に掛け渡すようにして、左右にそれぞれ設ける。
また、本体ブラケット11の平面上には、図示しない制御基板と、後方の回転軸55を駆動する駆動モータ54を設ける。
さらに、駆動ベルト53の上側の往路の一部をスライダ41に取り付け、駆動ベルト53によりスライダ41を移動させるようにする。
【0014】
次にロック機構部6について説明する。
ロック機構部6は、ロック部材61、固定部62、ソレノイド63、進入部64、制限部65を主要な構成としている。
ロック部材61は、図3,図5に示すように、略U字状の部分と、上下に狭い部分と、上下に肉厚な部分とで構成させる。略U字状の部分の上方の片持ち部分を往路側ロック部61aとし、その上面に駆動ベルト53の歯面と係合する歯面を設ける。また、略U字状の部分の下方の片持ち部分を復路側ロック部61bとし、その下面に駆動ベルト53の歯面と係合する歯面を設ける。
上下に狭い部分を取り付け部61cとし、上下に肉厚な部分をカウンタ部61dとする。
なお、実施例1において、ロック部材61の材質として、工業樹脂を挙げておく。
固定部62は、本体ブラケット11の側部の上下の2箇所から側方へ突出し、かつ対向する内側に爪を突出させたものである。
【0015】
ソレノイド63は、電磁力により出力軸を進退させるものである。
進入部64は、先端から基端に向かうに従って拡径するテーパ形状である。
【0016】
ここで、表示器本体1へのロック機構部6の取り付け構造について説明しておく。
ロック部材61は、上下に狭い部分を固定部62の間に差し込むようにする。すると、対向する爪によって、ロック部材61の側方方向が固定され、上下に厚い部分の前方壁面と固定部62の後方壁面が当接することにより、ロック部材61の前後回転方向が固定される。
ソレノイド63は、本体ブラケット11の側面の内側に固定し、出力軸が本体ブラケット11の側面を側方へ向かって貫通するようにし、この貫通して突出した部分に、進入部64を取り付けるようにする。
制限部65は、ロック部材61によって拡げられる駆動ベルト53の外周に位置し、通常は駆動ベルトと間隔を空けて接触しないようにし、且つ駆動ベルト53が往路と復路の間隔を拡げる動きを所定範囲に抑えるようにする。
【0017】
次に作用を説明する。
[モニタの起動作用及び収納作用]
車両用表示器が収納状態において、起動状態へ移行するには、駆動モータ54を駆動させる。すると、駆動力が回転軸で伝達され、左右後方のプーリ51が駆動し、左右の駆動ベルト53が回転する。
駆動ベルト53が回転すると、スライダ41がシャフト42、スリット111に沿って前方へ移動する。すると、モニタ2の下端とスライダ41は回転自在に取り付けられているので、モニタ2の下端がスリット111に沿って前方へ移動することになる。ここで、ヒンジ部3は、表示器本体1に後端を回転自在に取り付けられており、前端をモニタ2の側面に回転自在に取り付けられているので、モニタ2の下端に前方へ移動する力が加わると、ヒンジ部3の動きは、後端を中心に、回転する動きのみが許容されているため、モニタ2との接続部を上方に押し上げる動きをすることになる。つまり、この動きにより、モニタ2が起立する動きを行うことになる(図8参照)。
【0018】
また、モニタ2が起立した状態から、駆動ベルト53を回転させ、スライダ41を後方へ移動させると、モニタ2の下端がスリット111に沿って後方へ移動することで、モニタ2は、ヒンジ部3への取り付け部に対して回転することになり、表示面を下にして閉じるように収納状態となる(図9参照)。
【0019】
[ロック作用]
実施例1においては、収納状態、及び使用する状態である起立状態において、モニタ2を固定するロックを行う。
ロックのタイミングは、図7に示すように、駆動モータ54の駆動時間の前後に余裕を持たせた時間以外において、ロックをONにすることになる。
ソレノイド63の駆動は、図示しない制御基板により制御される。
ソレノイド63がONになると、発生した電磁力と内部のスプリング力の加減により、出力軸が進行する。ソレノイド63は、駆動ベルト53に対して軸方向が直交するように配置しているので、出力軸は、駆動ベルト53の張り渡し方向から直角に側方外部に向かうように進行する。
この進行する出力軸には、テーパ形状の進入部64が取り付けられ、ロック部材61の往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの間に進入する。
【0020】
すると、進入部64の進入が進むにつれて、往路側ロック部61aと復路側ロック部61bに接する径が、大きくなるため、往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの間隔が押し拡げられる(図5,図6参照)。
これにより、往路側ロック部61aは駆動ベルト53の往路へ近づき、往路側ロック部61aの歯面と駆動ベルト53の往路の歯面が噛み合うよう係合することになる。
また、復路側ロック部61bは駆動ベルト53の復路へ近づき、復路側ロック部61bの歯面と駆動ベルト53の復路の歯面が噛み合うよう係合することになる。
【0021】
さらに、往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの間隔が拡げられ、駆動ベルト53に押し付けられることで、歯面が強く係合する。
また、駆動ベルト53の内側から外側に向かって、往路側ロック部61aと復路側ロック部61bが拡げる力を駆動ベルト53に加えるが、この部分の駆動ベルト53の外周には、制限部65を配置しているので、駆動ベルト53の外周方向への伸びが制限され、歯面の係合がより強く行われる。
この状態では、駆動ベルト53の往路と復路のいずれも歯面の係合で、回転することができない。よって、スライダ41を介して取り付けられているモニタ2を、所定の起立状態、又は収納状態で、確実に固定する。
【0022】
さらに、ロック位置において、駆動ベルト53の歯面と、往路側ロック部61a及び復路側ロック部61bの歯面がずれているような場合には、駆動ベルト53がより外周側へ膨らもうとすることになるが、外周側の制限部65により動きを制限されるために、歯面を係合させようとする力がさらに強くなり、ずれが小さい場合には、この力でずれが矯正され歯面が噛み合うことになる。ずれが大きく、ずれが矯正しきれない場合には、その位置で固定されることになるが、振動等の外力が加わることで、歯面が噛み合うよう矯正されることになる。このような場合でも、わずかな位置ずれを生じるだけで、確実な固定が行われる。
【0023】
[組み付けの容易化]
実施例1の車両用表示器では、ロック部材61は、固定部62の2つの部材の間に差し込むだけで、組み付けが完了する。非常に容易な組み付けである。
この組み付け完了の状態では、図4に示すように進入部64のテーパの一部に当接していることにより、ロック部材61の往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの位置決めが成される。また、当接させない場合であっても、進入部64が往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの間へ進入し当接すれば位置決めが成される。
よって、組み付け時の位置精度に余裕を持たせることができ、より容易な組み付けになる。
【0024】
[ソレノイド破損の防止作用]
モニタ2に大きな力が加わった場合において、モニタ2が起立又は収納方向へ力を受けると、スライダ41が強制的に移動させられ、駆動ベルト53が回転しようと力が大きく生じる。駆動ベルト53には、ある程度の弾性があるため、有利であるが、その限度を超えると、ロック部材61が破損することになる。この際、ロック部材61の往路側ロック部61a及び復路側ロック部61bが破損して、駆動ベルト53の移動方向へ移動しても、進入部64へ力を加えることは、生じにくい。そのため、この場合において、ソレノイド63が破損することは極めて生じにくい。
【0025】
よって、この場合の修理において、交換するのは、ロック部材61に留まり、ソレノイド63を交換する必要がないので、従来のようにソレノイドが破損してしまうものに比べて、非常に有利である。
【0026】
次に効果を説明する。
本実施の形態の車両用表示器にあっては、次に列挙する効果を得ることができる。
(1)内周にプーリ51,52と係合する歯面を有し、張り渡して往路と復路を構成する駆動ベルト53と、駆動ベルト53の往路と復路の間に位置し、駆動ベルト53の歯面と係合する歯面を有し、駆動ベルト53の往路と間隔を空けた位置と駆動ベルト53の往路の歯面と係合する位置の間を移動自在な往路側ロック部61aと、駆動ベルト53の往路と復路の間で、且つ往路側ロック部61aと間隔を空けて対向するよう位置し、駆動ベルト53の歯面と係合する歯面を有し、駆動ベルト53の復路と間隔を空けた位置と駆動ベルト53の復路の歯面と係合する位置の間を移動自在な復路側ロック部61bと、往路側ロック部61aと復路側ロック部61bを駆動ベルト53と間隔を空けた位置へ復帰させるよう往路側ロック部61aと復路側ロック部61bを片持ち構造にしたロック部材61と、往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの間に進入すると、往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの間の間隔を押し拡げる進入部64と、駆動ベルト53の張り渡し方向と交差する方向から進入部64を駆動で進退させるソレノイド63とを備えるため、所定の位置で確実に固定することができ、ソレノイドの破損を防ぐことができる。
【0027】
(2)並行した2つの片持ち部材である往路側ロック部61a及び復路側ロック部61bと、往路側ロック部61a及び復路側ロック部61bを接続する接続部を有するロック部材61を設け、ロック部材61の接続部を伸長して設けた取り付け部61cを駆動ベルト53の往路と復路の間に固定し、片持ち部材の弾性で復帰するため、非常にコストを抑制したロック部材を用いた構成によって、所定の位置で確実に固定することができ、ソレノイドの破損を防ぐことができる。
【0028】
(3)進入部64で往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの間の間隔を押し拡げた際の駆動ベルト53の外周方向への移動を制限する制限部65を設けたため、駆動ベルト53と、往路側ロック部61a及び復路側ロック部61bとの係合をより確実なものにできる。
【0029】
(4)モニタ2が見やすく起立した起立状態と、モニタ2が倒れた収納状態を、スライド機構部4とリンク機構により可動にする車両用表示装置において、(1)〜(3)のいずれかの駆動ベルト53のロック構造を設け、スライド機構部4は、前後に長く張り渡した駆動ベルト53の一部にスライダ41を取り付けたものであり、リンク機構は、モニタ2の一部を起立、収納方向に回転自在にヒンジ部3で支持し、モニタ2の下端をスライダ41に取り付けたものであるため、モニタ2を所定の起立位置、収納位置で確実に固定でき、大きな力がモニタ2に加わる場合であっても、車両用表示器の中で比較的コストが高いソレノイドの破損を防ぐことができる。
【0030】
(5)ロック部材61は、往路側ロック部61aと復路側ロック部61b、接続部を構成する略U字形部と、接続部を往路側ロック部61aと復路側ロック部61bと反対側へ伸長させ、凹み部分を設けた取り付け部61c,カウンタ部61dとからなり、取り付け部61cの凹み部分と勘合し、且つ爪部と凹み部分との係合でロック部材61を駆動ベルト53の往路と復路の間に固定する固定部62を設け、ロック部材61を駆動ベルト53の往路と復路の間に押し付けることのみで、ロック部材61を組み付けるようにしたため、部品組み付けや部品交換の非常に容易な車両用表示器にできる。
【0031】
(6)進入部64は、先端を往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの間よりも細くし、基端側に行くに従って往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの間より太くする形状にし、進入するに従って、往路側ロック部61aと復路側ロック部61bの間の間隔を押し拡げるため、往路側ロック部61a及び復路側ロック部61bの位置決めを進入部64で行うことができ、組み付けをより容易にすることができ、ロック部材61の破損の際にソレノイド63へ影響がないようにできる。
【0032】
(その他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態を実施例1に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、往路側ロック部と復路側ロック部は別体として設けるものであってもよい。
復帰手段は、弾性体を用いるものであってもよい。
進退駆動手段は、モータ等、ソレノイド以外のアクチュエータであってもよい。
2つの片持ち部材を有するロック部材において、復帰手段として、弾性体などの別の復帰手段を設けてもよい。
駆動ベルトは、モニタ2の左右に設けることが好ましいが、一方に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本願の駆動ベルトのロック構造及び車両用表示器は、鉄道車両や船舶などの移動体の表示器に利用が可能である。また、装置の開閉部、建物の開閉部などにも利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】車両用表示器の起動状態の側面図である。
【図2】車両用表示器の動作を示す説明図である。
【図3】車両用表示器の一部拡大図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】ロック状態の車両用表示器の一部拡大図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】ソレノイドとモータの駆動信号のタイムチャートである。
【図8】モニタの起立状態の斜視図である。
【図9】モニタの収納状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 表示器本体
11 本体ブラケット
111 スリット
2 モニタ
3 ヒンジ部
4 スライド機構部
41 スライダ
42 シャフト
5 駆動機構部
51 プーリ
52 プーリ
53 駆動ベルト
54 駆動モータ
55 回転軸
6 ロック機構部
61 ロック部材
61a 往路側ロック部
61b 復路側ロック部
61c 取り付け部
61d カウンタ部
62 固定部
63 ソレノイド
64 進入部
65 制限部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周に駆動歯車と係合する歯面を有し、張り渡して往路と復路を構成する駆動ベルトと、
前記駆動ベルトの往路と復路の間に位置し、前記駆動ベルトの歯面と係合する歯面を有し、前記駆動ベルトの往路と間隔を空けた位置と前記駆動ベルトの往路の歯面と係合する位置の間を移動自在な往路側ロック部と、
前記駆動ベルトの往路と復路の間で、且つ前記往路側ロック部と間隔を空けて対向するよう位置し、前記駆動ベルトの歯面と係合する歯面を有し、前記駆動ベルトの復路と間隔を空けた位置と前記駆動ベルトの復路の歯面と係合する位置の間を移動自在な復路側ロック部と、
前記往路側ロック部と前記復路側ロック部を前記駆動ベルトと間隔を空けた位置へ復帰させる復帰手段と、
前記往路側ロック部と前記復路側ロック部の間に進入すると、前記往路側ロック部と前記復路側ロック部の間の間隔を押し拡げる進入部材と、
前記駆動ベルトの張り渡し方向と交差する方向から進入部材を駆動で進退させる進退駆動手段と、
を備えることを特徴とする駆動ベルトのロック構造。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動ベルトのロック構造において、
並行した2つの片持ち部材と両片持ち部材を接続する接続部を有するロック部材を設け、
前記ロック部材の接続部を前記駆動ベルトの往路と復路の間に固定し、両片持ち部材で前記往路側ロック部と前記復路側ロック部を構成し、
前記片持ち部材の弾性を前記復帰手段とした、
ことを特徴とする駆動ベルトのロック構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の駆動ベルトのロック構造において、
前記進入部材で前記往路側ロック部と前記復路側ロック部の間の間隔を押し拡げた際の駆動ベルトの外周方向への移動を制限する制限手段を設けた、
ことを特徴とする駆動ベルトのロック構造。
【請求項4】
表示パネルが見やすく起立した起立状態と、
前記表示パネルが倒れた収納状態を、
前後のスライド手段とリンク機構により可動にする車両用表示装置において、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の駆動ベルトのロック構造を設け、
前記スライド手段は、前後に長く張り渡した前記駆動ベルトの一部にスライダを取り付けたものであり、
前記リンク機構は、前記表示パネルの一部を起立、収納方向に回転自在に支持し、前記表示パネルの下端を前記スライダに取り付けたものである、
ことを特徴とする車両用表示器。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用表示器において、
前記ロック部材は、
前記往路側ロック部と前記復路側ロック部、前記接続部を構成する略U字形部と、
前記接続部を前記往路側ロック部と前記復路側ロック部と反対側へ伸長させ、凹み部分を設けた係合部と、
からなり、
前記係合部の凹み部分と勘合し、且つ爪部と前記凹み部分との係合で前記ロック部材を前記駆動ベルトの往路と復路の間に固定する固定具を設け、
前記ロック部材を前記駆動ベルトの往路と復路の間に押し付けることのみで、前記ロック部材を組み付けるようにした、
ことを特徴とする車両用表示器。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の車両用表示器において、
前記進入部材は、先端を前記往路側ロック部と前記復路側ロック部の間よりも細くし、基端側に行くに従って前記往路側ロック部と前記復路側ロック部の間より太くする形状にし、進入するに従って、前記往路側ロック部と前記復路側ロック部の間の間隔を押し拡げる、
ことを特徴とする車両用表示器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−329410(P2006−329410A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−157895(P2005−157895)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】