説明

駆動信号出力回路

【課題】負荷、電源などの動作条件が変化しても、電磁妨害等を引き起こす周波数帯域の成分が除去された駆動信号を出力する。
【解決手段】負荷5に与えられる駆動信号をハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタからなる検出用フィルタ17を介して検出し、その検出駆動信号をバンドギャップ回路18に入力する。バンドギャップ回路18は、固有の周波数特性を有し、検出駆動信号に固有の周波数帯域内の周波数成分が含まれていると出力電圧が低下する特性を持つ。制御回路28は、バンドギャップ回路18の出力電圧を基準電圧と比較し、検出駆動信号に固有の周波数帯域内の信号成分が含まれるか否かを判定する。含まれる場合には、ローパスフィルタ13により駆動信号から当該周波数帯域内の信号成分を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁妨害等を引き起こす周波数帯域成分が除去された駆動信号を出力する駆動信号出力回路に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される電子制御装置(ECU;Electronic Control Unit)は、モータや電磁弁などのアクチュエータ、ランプ、スイッチング素子などの負荷に対し駆動信号(駆動電圧、駆動電流)を出力する駆動信号出力回路を備えている。図12に示すように、一般的な駆動信号出力回路1は、PWM信号などの矩形波信号を生成するドライバ2、矩形波信号から電磁妨害等を引き起こす高周波成分を除去するローパスフィルタ3および負荷5に対する駆動能力を高めるバッファ4から構成されている。電子制御装置には、駆動信号出力回路1を内蔵するICとともに種々のIC、デバイス、素子などを搭載した回路基板および他の回路基板が配設されている。そして、これらの回路基板は、電源ラインと信号ラインにより相互に接続されている。
【0003】
駆動信号出力回路1が出力する矩形波信号は、PWM周波数などの基本波成分の他に、より高い周波数成分を含んでいる。この高周波成分は、伝導ノイズまたは輻射ノイズとなって伝搬し、他の電子部品、他の回路基板、他の電子制御装置、ラジオなどに電磁妨害を引き起こす。また、高周波成分を含む駆動信号は、駆動対象の負荷自体を誤動作させる虞もある。そこで、従来は電磁妨害等を引き起こす高周波成分をローパスフィルタを通して低減し、或いは立ち上がり時間と立ち下がり時間を制御した台形波状の駆動信号を用いることで防いでいる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3685108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図13は、電子制御装置の設計、製作の手順を示している。はじめに仕様書に基づきICやデバイスを設計、製作し、それらの部品を載せる回路基板を設計、製作する。続いて、電子制御装置、ハーネス、負荷などのアセンブリ(組立品)を設計、製作し、負荷、電源などの動作条件を変化させて部品およびアセンブリのEMC試験を実施する。このEMC試験が基準を満たせば、最終的に車両全体に対してEMC試験を実施し、この全体的なEMC試験が基準を満たすことにより製品の完成となる。
【0006】
これに対し、EMC試験で例えばEMIが基準を満たさない場合には、基板の設計、製作段階に戻ってパターンの修正、パスコンの追加などの対策を施す。そして、基板対策が功を奏さない場合にはICやデバイスの設計、製作段階まで戻る必要が生じる。このように、ノイズに対する評価は、IC、デバイス等を製作した後にアセンブリ化した状態で、負荷、電源などの動作条件を変化させながら実機試験により行っているのが現状である。そのため、基準に満たない場合に再設計までの手戻りが大きく、電子制御装置の設計、製作が非常に非効率となる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、負荷、電源などの動作条件が変化しても、電磁妨害等を引き起こす周波数帯域の成分が除去された駆動信号を出力可能な駆動信号出力回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載した駆動信号出力回路は、駆動信号生成回路、検出用フィルタ、バンドギャップ回路および制御回路を備えている。駆動信号生成回路は、高周波除去指令信号に応じて、例えば矩形波信号をローパスフィルタに通し、或いは台形波信号を生成することにより、矩形波から特定の高周波成分が除去された周期的な駆動信号を出力する。検出用フィルタは、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタなどから構成されており、駆動信号を入力し、その駆動信号の基本周波数よりも高い周波数範囲内の全てまたは一部の信号成分を通過させて検出駆動信号を出力する。
【0009】
バンドギャップ回路は、一般に温度特性に優れた直流電圧を生成する目的で用いられている。しかし、本駆動信号出力回路では、固有の周波数帯域に含まれる周波数成分を持つ信号が入力されると出力電圧が低下するというバンドギャップ回路の特性を利用している。上記検出用フィルタから出力される検出駆動信号をバンドギャップ回路に入力する。
【0010】
制御回路は、バンドギャップ回路の出力電圧を基準電圧と比較することにより、検出駆動信号に固有の周波数帯域内の信号成分が含まれるか否かを判定する。そして、含まれると判定した場合には駆動信号から当該固有の周波数帯域内の信号成分の除去を指令する高周波除去指令信号を出力する。
【0011】
本手段によれば、検出用フィルタに設定された通過周波数帯域とバンドギャップ回路に設定された固有の周波数帯域との組み合わせにより、駆動信号における特定の周波数帯域の成分の有無を検出することができる。そこで、この特定の周波数帯域を、電磁妨害や駆動対象負荷の誤動作などを引き起こす高周波帯域に設定することにより、動作中に負荷、電源などの動作条件が変化して当該高周波帯域の信号成分が発生した場合でも、駆動信号から当該高周波帯域の信号成分を除去することができる。
【0012】
請求項2に記載した手段によれば、検出用フィルタは、バンドギャップ回路の固有の周波数帯域内において通過周波数帯域が互いに異なる複数のフィルタを備えている。これら複数のフィルタから出力される各検出駆動信号は、同一特性を持つバンドギャップ回路に入力される。この場合、同一特性を持つバンドギャップ回路を複数備えてもよいし、1つのバンドギャップ回路を共用してもよい。
【0013】
制御回路は、複数のフィルタから出力される各検出駆動信号を入力信号としたときのバンドギャップ回路の出力電圧をそれぞれ基準電圧と比較する。この比較結果を用いると、バンドギャップ回路の固有の周波数帯域は、上記フィルタの数に応じた数の周波数帯域に区分することが可能になる。制御回路は、比較結果に基づいて当該区分された各周波数帯域の信号成分が含まれるか否かを判定し、その判定結果に基づいて駆動信号から当該区分された各周波数帯域の信号成分の除去を指令する高周波除去指令信号を出力する。
【0014】
本手段によれば、区分された個々の周波数帯域の幅がフィルタの数(区分の数)に応じて狭まるので、バンドギャップ回路の固有の周波数帯域が広い場合でも、電磁障害等を引き起こす高周波帯域の信号成分の有無を精度よく判定することができる。
【0015】
請求項3に記載した手段によれば、バンドギャップ回路は、固有の周波数帯域が互いに異なる複数のバンドギャップ回路から構成されている。検出用フィルタから出力される検出駆動信号は、当該複数のバンドギャップ回路に入力される。制御回路は、複数のバンドギャップ回路の出力電圧をそれぞれ基準電圧と比較することにより、検出駆動信号に各固有の周波数帯域内の信号成分が含まれるか否かを判定し、この判定結果に基づいて当該各固有の周波数帯域内の信号成分の除去を指令する高周波除去指令信号を出力する。
【0016】
本手段によれば、複数のバンドギャップ回路がそれぞれ有する固有の周波数帯域ごとに信号成分の有無を判定できるので、ノイズ障害を引き起こす高周波帯域の信号成分の有無を精度よく判定することができる。
【0017】
請求項4に記載した手段によれば、バンドギャップ回路は、バンドギャップバイアス回路と増幅回路と定電流出力回路とを備えて構成されている。バンドギャップバイアス回路は、2つのトランジスタの動作状態に応じて出力される第1および第2の参照電圧が互いに等しくなるバイアス条件の下で、2つのトランジスタが互いに異なる電流密度で駆動されて基準電圧出力線からバンドギャップ基準電圧を出力する。
【0018】
増幅回路は、第1の参照電圧と第2の参照電圧とを入力して差動増幅し、その出力電圧を基準電圧出力線を介してバンドギャップバイアス回路にフィードバックする。定電流出力回路は、電源線から電源電圧を入力し、基準電圧出力線に対し定電流を出力する。この構成において、検出用フィルタから出力される検出駆動信号を基準電圧出力線、電源線(グランド線を含む)に入力する。
【0019】
この構成によれば、バンドギャップ回路に入力される検出駆動信号に固有の周波数帯域内の周波数成分が含まれていると、出力電圧が規定電圧(例えば1.2V)よりも低下する。この出力電圧は温度係数が小さいので、上記周波数成分の有無を高精度に判定できる。
【0020】
請求項5に記載した手段によれば、バンドギャップ回路は、電源線とグランド線との間、定電流出力回路および基準電圧出力線とグランド線との間の少なくとも1箇所にコンデンサを接続することにより固有の周波数帯域が設定される。従って、コンデンサの静電容量および接続位置を種々に変更することにより、固有の周波数帯域を所望の帯域に設定することができる。
【0021】
請求項6に記載した手段によれば、駆動信号生成回路は、矩形波信号を生成する矩形波信号生成回路と、高周波除去指令信号に応じて矩形波信号から特定の高周波成分を除去するローパスフィルタとから構成されている。
【0022】
請求項7に記載した手段によれば、ローパスフィルタは、スイッチ回路と抵抗との直列回路が複数並列に接続された抵抗回路と、スイッチ回路とコンデンサとの直列回路が複数並列に接続されたコンデンサ回路とを備えて構成されている。制御回路は、抵抗回路が開放状態となる期間が生じないように抵抗回路のスイッチ回路とコンデンサ回路のスイッチ回路を切り換える高周波除去指令信号を生成する。
【0023】
請求項8に記載した手段によれば、駆動信号生成回路は、高周波除去指令信号に応じた立ち上がり時間と立ち下がり時間を持つ台形波信号を生成する。本手段は、台形波信号(矩形波信号の一種)からローパスフィルタを用いて特定の高周波成分を除去する手段と組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す駆動信号出力回路のブロック構成図
【図2】ローパスフィルタの構成図
【図3】バンドギャップ回路の構成図
【図4】バンドギャップ回路の出力電圧の周波数特性を示す図
【図5】第2の実施形態を示す図1相当図
【図6】図2相当図
【図7】バンドギャップ回路の周波数特性とフィルタの通過周波数帯域との関係を示す説明図
【図8】ローパスフィルタを構成するスイッチの切り換えシーケンス図
【図9】第3の実施形態を示す図1相当図
【図10】バンドギャップ回路の周波数特性を示す説明図
【図11】第4の実施形態を示す図1相当図
【図12】従来技術を示す図1相当図
【図13】電子制御装置の設計、製作の手順を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図4を参照しながら説明する。図1は、駆動信号出力回路の電気的構成を機能ブロックにより示している。各機能ブロックのうちドライバ2、バッファ4および負荷5については、図12に示した従来構成と同一であるため同一符号を付している。この駆動信号出力回路11はICとして構成されており、そのICチップは車載用の電子制御装置(ECU)に収容された回路基板に搭載されている。
【0026】
駆動信号生成回路12は、ドライバ2とローパスフィルタ13とから構成されており、PWM信号の矩形波から特定の高周波成分を除去した周期的な駆動信号を出力する。ドライバ2は、図示しないPWM回路から与えられる信号に応じてPWM信号(矩形波信号)を生成する矩形波信号生成回路である。ローパスフィルタ13は、後述する高周波除去指令信号に応じてフィルタ作用の有無を切り換え可能に構成されている。
【0027】
図2は、ローパスフィルタ13の構成を示している。スイッチ14a、14bは、高周波除去指令信号に応じてオンオフ動作する。スイッチ14aがオン、スイッチ14bがオフのときは入出力間が短絡されるのでフィルタ作用は生じない。スイッチ14aがオフ、スイッチ14bがオンのときには、抵抗15とコンデンサ16とにより高域遮断作用を生じ、PWM信号から特定の高周波成分を除去した駆動信号を出力する。
【0028】
バッファ4は、ローパスフィルタ13から出力された駆動信号を入力し、その波形を保ったまま負荷5を駆動する。負荷5は、上述したようにモータや電磁弁などのアクチュエータ、ランプ、MOSトランジスタなどのスイッチング素子等である。検出用フィルタ17は、バッファ4から出力された駆動信号を入力し、その駆動信号の基本周波数(すなわちPWM周波数)よりも高い周波数範囲内の信号成分を通過させる。この検出用フィルタ17は、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタから構成されている。
【0029】
バンドギャップ回路18は、図3に示すようにバンドギャップバイアス回路19、オペアンプ20、定電流出力回路21、ボルテージフォロアとして動作するオペアンプ22などから構成されている。バンドギャップバイアス回路19は、抵抗R1とダイオード接続されたトランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間との直列回路および抵抗R2とトランジスタQ2のコレクタ・エミッタ間と抵抗R3との直列回路が、基準電圧出力線23と電源線24(グランド線)との間に接続された構成を備えている。トランジスタQ1とQ2とはベース同士が接続されており、このベース電位およびトランジスタQ2のコレクタ電位が第1の参照電圧および第2の参照電圧となる。基準電圧出力線23は、抵抗R4を介して定電圧出力線25に接続されている。
【0030】
オペアンプ20(増幅回路)は、第1の参照電圧と第2の参照電圧とを入力して差動増幅し、その出力電圧を基準電圧出力線23を介してバンドギャップバイアス回路19にフィードバックする。定電流出力回路21は、電源線26にエミッタ接地されてカレントミラー回路を構成するトランジスタQ3、Q4と、トランジスタQ3と電源線24との間に設けられた定電流回路27とから構成されている。トランジスタQ4は、基準電圧出力線23に対し定電流を出力する。
【0031】
オペアンプ20からのフィードバックにより、第1の参照電圧と第2の参照電圧が等しくなるバイアス条件が確立され、トランジスタQ1、Q2が互いに異なる電流密度で駆動される。その結果、基準電圧出力線23にバンドギャップ基準電圧が生成され、その電圧はバッファ回路であるオペアンプ22を介して出力される。
【0032】
本実施形態のバンドギャップ回路18は、上記構成に加えてコンデンサC1〜C4のうちの少なくとも1つを備えている。コンデンサC1、C2、C3、C4は、それぞれ電源線26と電源線24との間、電源線26とトランジスタQ3、Q4のベースとの間、トランジスタQ3、Q4のベースと電源線24との間、オペアンプ20の出力端子と電源線24との間に接続される。
【0033】
さらに、オペアンプ20の出力端子に高周波信号(ここでは検出用フィルタ17から出力される検出駆動信号)が入力(注入)される。高周波信号を注入するノードは、電源線24または電源線26であってもよい。この構成によれば、バンドギャップ回路18は、コンデンサC1〜C4の有無および静電容量に応じて定まる固有の周波数特性を持つようになる。固有の周波数帯域に含まれる周波数成分を持つ検出駆動信号が入力されると、本来1.2V(バンドギャップ電圧)であるべき出力電圧が低下する特性を示す。
【0034】
制御回路28は、コンパレータ29とロジック回路30とから構成されている。コンパレータ29は、バンドギャップ回路18の出力電圧と基準電圧とを比較する。ロジック回路30は、比較結果に基づいて検出駆動信号に固有の周波数帯域内の信号成分が含まれるか否かを判定する。含まれないと判定したときには、スイッチ14aをオン、スイッチ14bをオフする高周波除去指令信号を出力し、含まれると判定したときには、スイッチ14aをオフ、スイッチ14bをオンする高周波除去指令信号を出力する。なお、切り換え時には、スイッチ14a、14bがともにオフする期間が生じないようにオン重なり期間を設けている。
【0035】
次に、図4も参照しながら本実施形態の作用について説明する。駆動信号出力回路11は、負荷5に対し駆動信号を出力する。この駆動動作中に負荷5の状態、例えば回転速度、トルク、電流、電圧、温度などが変化すると、負荷5のインピーダンスが変化し、駆動信号(駆動電圧、駆動電流)に含まれる高周波成分が変化する。駆動信号に特定の高周波成分が含まれていると、伝導ノイズや輻射ノイズにより他の電子部品、回路基板、電子制御装置、ラジオなどに電磁妨害を与える。また、特定の高周波成分を含む駆動信号は、負荷5を誤動作させる虞もある。
【0036】
そこで、検出用フィルタ17とバンドギャップ回路18とコンパレータ29により、駆動信号に電磁妨害等を引き起こす高周波成分が含まれているか否かを判定する。検出用フィルタ17は、電磁妨害等を引き起こす高周波成分を通過させるように通過帯域が設定されている。
【0037】
図4は、バンドギャップ回路18の出力電圧の周波数特性を示している。特性1は、コンデンサC1〜C4のうち10pFの容量値を持つコンデンサC1のみが付加された構成1が示す特性であり、300MHzから2GHzの固有の周波数帯域内の周波数成分を持つ信号が入力されると出力電圧が1.2Vよりも低下する。特性2は、20pFの容量値を持つコンデンサC2、C4のみが付加された構成2が示す特性であり、80MHzから2GHzの固有の周波数帯域内の周波数成分を持つ信号が入力されると出力電圧が1.2Vよりも低下する。
【0038】
この例によれば、電磁妨害等を引き起こす周波数が300MHzから2GHzまでの範囲内である場合には構成1の回路を採用してICを製作し、さらに80MHzから200MHzまでの周波数も電磁妨害等を引き起こす場合には、構成2の回路を採用してICを製作すればよい。実際にはコンデンサC1〜C4の有無および静電容量を種々に組み合わせることにより、電磁妨害等を引き起こす主要な周波数範囲を含むように上記固有の周波数帯域を設定すればよい。
【0039】
コンパレータ29が用いる基準電圧は、バンドギャップ電圧である1.2Vに接近して設定することができる。バンドギャップ回路18の出力電圧の温度係数は非常に小さいので、基準電圧をバンドギャップ電圧1.2Vに接近して設定しても、温度変化による誤判定が生じにくいからである。コンパレータ29は、バンドギャップ回路18の出力電圧が基準電圧よりも高い場合にはHレベル(固有の周波数帯域内の信号成分を含まない)を出力し、バンドギャップ回路18の出力電圧が基準電圧以下の場合にはLレベル(固有の周波数帯域内の信号成分を含む)を出力する。
【0040】
ローパスフィルタ13を構成する抵抗15とコンデンサ16の定数は、上記電磁妨害等を引き起こす主要な周波数成分が遮断されるように定められている。ロジック回路30は、コンパレータ29の出力信号がLレベルとなっている期間に限り、ローパスフィルタ13のスイッチ14aをオフ、スイッチ14bをオンしてフィルタ作用を生じさせる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の駆動信号出力回路11は、電磁妨害(EMI)等を引き起こす周波数成分が駆動信号に含まれているか否かを判定し、含まれている場合にはローパスフィルタ13により当該周波数成分を遮断した上で駆動信号を出力する機能を備えている。これにより、駆動信号出力回路11を内蔵したICおよびその他の電子部品を回路基板に搭載し、当該回路基板およびその他の回路基板を接続して製造した電子制御装置は、負荷5の状態変化や負荷5の交換にかかわらず、装置内の電子部品や回路基板および他の電子制御装置やラジオへの伝導ノイズおよび輻射ノイズを低減できる。その結果、図13に示した電子制御装置の設計、製作の手順において、EMC試験が基準を満たし易くなり、基板の設計、製作段階への手戻りを大幅に低減できる。
【0042】
負荷5がスイッチング素子の場合、矩形波からなる駆動信号をなまらせるとスイッチング損失が増加する。駆動信号出力回路11は、駆動信号に上記不要な高周波成分が含まれているときに限りローパスフィルタ13を作用させるので、こうした損失の発生を最小限に抑えることができる。
【0043】
駆動信号出力回路11は、バンドギャップ回路18が固有に持つ出力電圧の周波数特性を利用して駆動信号に含まれる特定の周波数成分を検出している。この場合、出力電圧がバンドギャップ電圧1.2Vに対し低下する固有の周波数帯域を、コンデンサC1〜C4の静電容量および接続位置に応じて所望値に設定することができる。また、バンドギャップ回路18の出力電圧は温度係数が非常に小さいので、当該出力電圧と基準電圧とを精度よく比較することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図5ないし図8を参照しながら説明する。図5において図1と同一構成部分には同一符号を付している。本実施形態の駆動信号出力回路31は、第1の実施形態で説明した駆動信号出力回路11に対し、互いに異なる遮断特性を持つ複数の検出用フィルタを設けることにより、バンドギャップ回路が有する固有の周波数帯域を実質的に複数の周波数帯域に区分して信号成分の有無を判定可能とした構成において異なる。
【0045】
駆動信号生成回路32は、ドライバ2とローパスフィルタ33とから構成されている。ローパスフィルタ33は、図6に示すように、2つのスイッチ34xと抵抗35x(xはa、b、…)との直列回路が複数並列に接続された抵抗回路36と、2つのスイッチ37yとコンデンサ38y(yはa、b、…)との直列回路が複数並列に接続されたコンデンサ回路39とからなるCRフィルタである。ただし、抵抗35aは短絡要素であるため、同図において抵抗として表されていない。ローパスフィルタ33は、高周波除去指令信号に応じてスイッチ34x、37yを切り換えることにより複数の遮断特性を持つことができる。
【0046】
検出用フィルタ40は、通過周波数帯域が互いに異なる3つのハイパスフィルタ40a、40b、40c(フィルタA、B、C)を備えている。3つのバンドギャップ回路18a、18b、18cは、同一構成であり同一の周波数特性を有している。図7は、バンドギャップ回路18a〜18cの出力電圧の周波数特性と、フィルタ40a〜40cの通過周波数帯域との関係を示している。フィルタ40a〜40cの各通過周波数帯域は、バンドギャップ回路18a〜18cの固有の周波数帯域[f1〜f2]の間において互いに異なる。このため、フィルタ40a〜40cのカットオフ周波数fa〜fcは、上記固有の周波数帯域[f1〜f2]の間で互いに異なる値に設定されている。
【0047】
制御回路41はセレクタ42を備えている。制御回路41は、セレクタ42を切り換えながらバンドギャップ回路18a〜18cの出力電圧を順次入力してコンパレータ29に出力する。ロジック回路30は、コンパレータ29の比較結果に基づいて、周波数帯域[f1〜f2]内で区分された帯域Aから帯域Cの何れの信号成分が存在するか否かを判定する。
【0048】
例えば、帯域Aにのみ信号成分が存在する場合には、コンパレータ29は、バンドギャップ回路18aの出力電圧に対してのみLレベルを出力する。帯域Bまたは帯域AとBに信号成分が存在する場合には、コンパレータ29は、バンドギャップ回路18a、18bの出力電圧に対してのみLレベルを出力する。帯域Cに信号成分が存在する場合には、コンパレータ29は、バンドギャップ回路18a〜18cの出力電圧に対して全てLレベルを出力する。ロジック回路30は、電磁妨害等を引き起こす帯域A、B、Cの各周波数成分のうち検出した最も低い周波数帯域の信号成分を除去できるように、ローパスフィルタ33のスイッチ34x、37yを切り換える。
【0049】
具体的には、ローパスフィルタ33の抵抗35x(xはb、c、…)とコンデンサ38y(yはa、b、…)が全て等しい定数を持つ場合、除去すべき信号成分が含まれる帯域が低いほど、抵抗35xの並列接続数を減らし、或いはコンデンサ38yの並列接続数を増やす。逆に、除去すべき信号成分が含まれる帯域が高いほど、抵抗35xの並列接続数を増やし、或いはコンデンサ38yの並列接続数を減らす。また、帯域A、B、Cの何れにも信号成分が検出されない場合には、スイッチ34aのみをオンにし、その他のスイッチを全てオフにする。このときフィルタ作用は生じない。
【0050】
図8は、帯域A、B、Cの何れかに信号成分が検出されている状態から帯域A、B、Cの何れにも信号成分が検出されない状態に変化した時のスイッチ34xの切り換えシーケンスを示している。ロジック回路30は、スイッチ34bをオンに保持したままスイッチ34aをオンし、その後駆動信号の1周期以上遅れた時点でスイッチ34bをオフするように高周波除去指令信号を出力する。これは、抵抗回路36の入出力間が開放状態となる期間が生じないようにするためである。
【0051】
以上説明した本実施形態によれば、フィルタ40a〜40cの遮断特性を互いにずらすことにより、バンドギャップ回路18a〜18cが有する固有の周波数帯域を3つの周波数帯域A、B、Cに区分して識別することができ、各周波数帯域内の信号成分の有無を判定可能となる。区分された各帯域幅は、バンドギャップ回路18a〜18cが有する固有の周波数帯域の幅に対し狭まるので、電磁妨害等を引き起こす成分が存在する周波数帯域を精度よく検出することができる。その結果、駆動信号から当該周波数成分を除去する場合、ローパスフィルタ33のカットオフ周波数を極力高く設定することができるので、矩形波をなまらせることにより生じる損失を最小限に抑えることができ、EMIの改善と効率の向上を両立させることができる。
【0052】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図9および図10を参照しながら説明する。図9において図1または図5と同一構成部分には同一符号を付している。本実施形態の駆動信号出力回路51は、第1の実施形態で説明した駆動信号出力回路11に対し、固有の周波数帯域が互いに異なる複数のバンドギャップ回路52a〜52cを設けることにより、その固有の周波数帯域ごとに信号成分の有無を判定可能とした構成において異なる。バンドギャップ回路52a〜52cは、それぞれ図3に示す構成においてコンデンサC1〜C4の静電容量および接続の有無を変更した構成を備えている。
【0053】
図10は、バンドギャップ回路18a〜18cの出力電圧の周波数特性を示している。バンドギャップ回路18a〜18cの固有の周波数帯域は、それぞれ帯域A[f1〜f2]、帯域B[f2〜f3]、帯域C[f3〜f4]である。検出用フィルタ17は、電磁妨害等を引き起こす周波数であるf1からf4の範囲を含む通過帯域を有している。制御回路41は、セレクタ42を切り換えながらバンドギャップ回路52a〜52cの出力電圧を順次入力してコンパレータ29に出力する。ロジック回路30は、コンパレータ29の比較結果に基づいて、帯域Aから帯域Cの何れの信号成分が存在するか否かを判定し、検出した最も低い帯域の信号成分を除去できるように、ローパスフィルタ33のスイッチ34x、37yを切り換える。スイッチ34xの切り換えシーケンスは第2の実施形態と同様である。
【0054】
以上説明した本実施形態によれば、それぞれ互いに異なる固有の周波数帯域A〜Cを持つバンドギャップ回路52a〜52cを備えることにより、各固有の周波数帯域A〜C内の信号成分の有無を区別して判定可能となる。従って、電磁妨害等を引き起こす成分が存在する周波数帯域を精度よく検出することができる。その結果、第2の実施形態と同様に、高周波ノイズの低減と損失の低減とのバランスを図り、以てEMIの改善と効率の向上を両立させることができる。
【0055】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について図11を参照しながら説明する。図11において図5と同一構成部分には同一符号を付している。駆動信号出力回路61が備える駆動信号生成回路62は、高周波除去指令信号に応じた立ち上がり時間と立ち下がり時間を持つ台形波状の駆動信号(PWM信号)を出力する台形波信号生成回路から構成されている。
【0056】
この構成は、例えばコンデンサに対する充電電流の大きさと放電電流の大きさを高周波除去指令信号に応じて変更することにより実現できる。さらに、上述した先行技術文献1に記載された構成としてもよい。この場合には、駆動信号生成回路62は、バッファ4から負荷5に流れる駆動電流を検出し、その電流検出信号と高周波除去指令信号に応じた台形波状の電流指令信号との比較に基づいて台形波状の駆動電流を出力する。そして、負荷電流の立ち上がり時間および立ち下がり時間の計測値が基準値と等しくなるように、電流検出信号の立ち上がり時間および立ち下がり時間を制御する。本実施形態によっても第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0057】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、拡張を行うことができる。
【0058】
検出用フィルタ40は、通過周波数帯域が互いに異なる複数のバンドパスフィルタから構成してもよい。この場合には、駆動信号に含まれる周波数成分の有無をバンドパスフィルタの通過周波数帯域ごとに判定可能となる。
【0059】
第2、第4の実施形態において、1つのバンドギャップ回路18を備え、セレクタ42をフィルタ40a〜40cとバンドギャップ回路18との間に設け、セレクタ42を切り換えながらフィルタ40a〜40cの出力電圧を順次バンドギャップ回路18に入力する構成としてもよい。
【0060】
第3の実施形態において、バンドギャップ回路52a〜52cが有する固有の周波数帯域は、互いに重複する周波数範囲があってもよい。
第4の実施形態において、駆動信号生成回路62は、高周波除去指令信号に応じて立ち上がり時間と立ち下がり時間の一方を制御して台形波状の駆動信号を生成してもよい。
【0061】
第2(または第4)の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせてもよい。すなわち、検出用フィルタを通過周波数帯域が互いに異なる3つのハイパスフィルタ40a、40b、40cから構成し、且つ、バンドギャップ回路を固有の周波数帯域が互いに異なる複数のバンドギャップ回路52a〜52cから構成してもよい。上記第2ないし第4の実施形態も含め、検出用フィルタに設定された通過周波数帯域とバンドギャップ回路に設定された固有の周波数帯域との組み合わせにより、駆動信号における特定の周波数帯域の成分の有無を検出することができる。なお、上述した各場合において、検出用フィルタを構成するフィルタの数およびバンドギャップ回路の数は3に限られない。
【0062】
第2の実施形態と第4の実施形態とを組み合わせてもよい。すなわち、駆動信号生成回路は、高周波除去指令信号に応じて立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を制御して台形波状の駆動信号を生成し、その駆動信号をさらにローパスフィルタに通して特定の高周波成分を除去する構成としてもよい。
【0063】
ローパスフィルタ13、33の構成は、CR一次フィルタに限らず二次、三次フィルタなど種々に変更してもよい。
バンドギャップ回路18、18a〜18c、52a〜52cは、図3に示す回路構成に限らず他の回路構成を採用してもよい。
駆動信号生成回路が生成する駆動信号は、PWM信号に限らず周期的なパルス状の波形であればよい。
【符号の説明】
【0064】
図面中、2はドライバ(矩形波信号生成回路)、11、31、51、61は駆動信号出力回路、12、32、62は駆動信号生成回路、13、33はローパスフィルタ、17、40は検出用フィルタ、18、18a、18b、18c、52a、52b、52cはバンドギャップ回路、19はバンドギャップバイアス回路、20はオペアンプ(増幅回路)、21は定電流出力回路、23は基準電圧出力線、24は電源線(グランド線)、26は電源線、28、41は制御回路、34x、37xはスイッチ(スイッチ回路)、35xは抵抗、36は抵抗回路、38yはコンデンサ、39はコンデンサ回路、40a、40b、40cはフィルタ、C1〜C4はコンデンサである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波除去指令信号に応じて矩形波から特定の高周波成分が除去された周期的な駆動信号を出力する駆動信号生成回路と、
前記駆動信号を入力し、その駆動信号の基本周波数よりも高い周波数範囲内の信号成分を通過させる検出用フィルタと、
固有の周波数帯域に含まれる周波数成分を持つ信号が入力されると出力電圧が低下する特性を有し、前記検出用フィルタから出力される検出駆動信号を入力信号とするバンドギャップ回路と、
前記バンドギャップ回路の出力電圧を基準電圧と比較することにより、前記検出駆動信号に前記固有の周波数帯域内の信号成分が含まれるか否かを判定し、含まれる場合には前記駆動信号から当該固有の周波数帯域内の信号成分の除去を指令する前記高周波除去指令信号を出力する制御回路とを備えたことを特徴とする駆動信号出力回路。
【請求項2】
前記検出用フィルタは、前記バンドギャップ回路の固有の周波数帯域内において通過周波数帯域が互いに異なる複数のフィルタを備えており、
これら複数のフィルタから出力される各検出駆動信号は同一特性を持つ前記バンドギャップ回路に入力され、
前記制御回路は、前記複数のフィルタから出力される各検出駆動信号を入力信号としたときの前記バンドギャップ回路の出力電圧をそれぞれ基準電圧と比較することにより、前記検出駆動信号に前記固有の周波数帯域内の区分された各周波数帯域の信号成分が含まれるか否かを判定し、この判定結果に基づいて当該区分された各周波数帯域の信号成分の除去を指令する前記高周波除去指令信号を出力することを特徴とする請求項1記載の駆動信号出力回路。
【請求項3】
前記バンドギャップ回路は、前記固有の周波数帯域が互いに異なる複数のバンドギャップ回路から構成されており、
前記検出用フィルタから出力される検出駆動信号は当該複数のバンドギャップ回路に入力され、
前記制御回路は、前記複数のバンドギャップ回路の出力電圧をそれぞれ基準電圧と比較することにより、前記検出駆動信号に前記各固有の周波数帯域内の信号成分が含まれるか否かを判定し、この判定結果に基づいて当該各固有の周波数帯域内の信号成分の除去を指令する前記高周波除去指令信号を出力することを特徴とする請求項1記載の駆動信号出力回路。
【請求項4】
前記バンドギャップ回路は、
2つのトランジスタの動作状態に応じて出力される第1および第2の参照電圧が互いに等しくなるバイアス条件の下で、前記2つのトランジスタが互いに異なる電流密度で駆動されて基準電圧出力線からバンドギャップ基準電圧を出力するバンドギャップバイアス回路と、
前記第1の参照電圧と前記第2の参照電圧とを入力して差動増幅し、その出力電圧を前記基準電圧出力線を介して前記バンドギャップバイアス回路にフィードバックする増幅回路と、
電源線から電源電圧を入力し、前記基準電圧出力線に対し定電流を出力する定電流出力回路とを備えて構成され、
前記検出用フィルタから出力される検出駆動信号を前記基準電圧出力線、前記電源線またはグランド線に入力することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の駆動信号出力回路。
【請求項5】
前記バンドギャップ回路は、前記電源線と前記グランド線との間、前記定電流出力回路および前記基準電圧出力線と前記グランド線との間の少なくとも1箇所にコンデンサを接続することにより前記固有の周波数帯域が設定されていることを特徴とする請求項4記載の駆動信号出力回路。
【請求項6】
前記駆動信号生成回路は、矩形波信号を生成する矩形波信号生成回路と、前記高周波除去指令信号に応じて前記矩形波信号から特定の高周波成分を除去するローパスフィルタとから構成されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の駆動信号出力回路。
【請求項7】
前記ローパスフィルタは、スイッチ回路と抵抗との直列回路が複数並列に接続された抵抗回路と、スイッチ回路とコンデンサとの直列回路が複数並列に接続されたコンデンサ回路とを備えて構成され、
前記制御回路は、前記抵抗回路が開放状態となる期間が生じないように前記抵抗回路のスイッチ回路と前記コンデンサ回路のスイッチ回路を切り換える前記高周波除去指令信号を生成することを特徴とする請求項6記載の駆動信号出力回路。
【請求項8】
前記駆動信号生成回路は、前記高周波除去指令信号に応じた立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を持つ台形波信号を生成することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の駆動信号出力回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−106136(P2013−106136A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247511(P2011−247511)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】