説明

駐車場における車両の検知システムおよび検知方法

【課題】屋外においても認識率が高い駐車場の車両検知方法を提供する。
【解決手段】撮影用カメラによる撮影画像から車室を切り出すと共に切り出された画像データから複数の代表値を取得して正規化し、正規化された代表値よりなる画像データをベクトル化し、ベクトル化されたベクトルデータの次元を圧縮し、圧縮されたベクトルデータの予め訓練用データで求められたクラスター中心に対するマハラノビス距離を求め、マハラノビス距離を下記(1)式に示すメンバーシップ関数(u)に代入するとともにこの関数値を下記(2)式に代入してメンバーシップ(チルダu)を求め、求められたメンバーシップを用いて車室内に車両が存在するか否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の駐車室に車両が存在しているか否か、すなわち駐車状態または空車状態を判断し得る車両の検知システムおよび検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場を管理する際に、駐車状況を把握する必要があり、既に、駐車状況を測定し得る駐車状況測定方法などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この駐車状況測定方法は、駐車場の特定駐車エリアにおける駐車台数からニューラルネットワークを用いて駐車場全体の駐車率を推定する駐車状況測定方法において、特定駐車エリアの駐車台数を各車種別に設けた車種別用ニューラルネットワークに入力して車種別の駐車率を求め、その求めた各駐車率を全体用ニューラルネットワークに入力して駐車場全体の駐車率を推定する方法である。
【0003】
ところで、この測定方法において、車両の有無を検出するのに、テレビカメラを用いており、すなわちテレビカメラで駐車場を撮影するとともに、この撮影画像に画像処理を施し、駐車場に車両が駐車しているか否かが判断されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−182187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、車両を検出するのに、画像処理が用いられており、通常は、エッジ抽出などが行われるとともに、この抽出画像と参照用画像データとが比較されて、車両の有無が判断されている。
【0006】
ところで、撮影画像から車両を抽出するようにしているが、駐車場が屋内である場合には、太陽光線の影響をそれ程受けることはないが、駐車場が屋外である場合には、太陽光線の影響、すなわち天候の影響を受けるため、認識率が低下するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、屋外の駐車場における撮影画像であっても認識率が高い駐車場における車両の検知システムおよび検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る駐車場における車両の検知システムは、駐車場を撮影した画像データに対してファジィクラスタリングを行い車室が駐車状態であるか空車状態であるかを判断する車両の検知システムであって、
撮影用カメラにより撮影された撮影画像から車室を切り出すとともにこの切り出された車室毎の画像データから複数の代表値を取得して正規化する正規化部と、この正規化部で得られた代表値よりなる画像データをベクトル化するベクトル化部と、このベクトル化部でベクトル化されたベクトルデータの次元を圧縮する次元圧縮部と、この次元圧縮部で圧縮されたベクトルデータの予め訓練用データで求められたクラスター中心に対するマハラノビス距離を求めるマハラノビス距離計算部と、このマハラノビス距離計算部で求められたマハラノビス距離を下記(1)式に示すメンバーシップ関数(u)に代入するとともにこの関数値を下記(2)式に代入してメンバーシップ(チルダu)を求めるメンバーシップ計算部と、このメンバーシップ計算部で求められたメンバーシップを用いて駐車状態または空車状態のいずれかのクラスにクラスタリングを行い車室内に車両が存在するか否かを判断する在車判断部とを具備したものである。
【0009】
【数1】

但し、上記式中、αqjはクラスq内のクラスターjの混合比率、Sは分散共分散行列、πはクラスqの混合比率である。
【0010】
また、請求項2に係る駐車場における車両の検知システムは、請求項1に記載の検知システムにおいて、次元圧縮部にて次元を圧縮する際に、主成分分析法を用いたものである。
【0011】
さらに、請求項3に係る駐車場における車両の検知システムは、請求項1に記載の検知システムにおいて、(1)式にて示すメンバーシップ関数(u)における各パラメータ(m,γ,ν,α)の最適化を行う際に、粒子群最適化法を用いたものである。
【0012】
さらに、本発明の請求項4に係る駐車場における車両の検知方法は、駐車場を撮影した画像データに対してファジィクラスタリングを行い車室が駐車状態であるか空車状態であるかを判断する車両の検知方法であって、
撮影用カメラにより撮影された撮影画像から車室を切り出すとともにこの切り出された車室毎の画像データから複数の代表値を取得して正規化し、この正規化された代表値よりなる画像データをベクトル化し、このベクトル化されたベクトルデータの次元を圧縮し、この圧縮されたベクトルデータの予め訓練用データで求められたクラスター中心に対するマハラノビス距離を求め、この求められたマハラノビス距離を下記(3)式に示すメンバーシップ関数(u)に代入するとともにこの関数値を下記(4)式に代入してメンバーシップ(チルダu)を求め、この求められたメンバーシップを用いて車室内に車両が存在するか否かを判断する方法である。
【0013】
【数2】

但し、上記式中、αqjはクラスq内のクラスターjの混合比率、Sは分散共分散行列、πはクラスqの混合比率である。
【0014】
また、請求項5に係る駐車場における車両の検知方法は、請求項4に係る検知方法において、
(3)式に示すメンバーシップ関数(u)の各パラメータについては、訓練用データに基づき予め決定し、
且つこの決定に際しては、
まず訓練用データを用いて駐車状態および空車状態を示すクラス毎にセミハードクラスタリングを行うことにより、各クラス毎における各クラスターの中心およびメンバーシップを求め、
次に評価用データにより、(3)式に示すメンバーシップ関数(u)および(4)式に示すメンバーシップ(チルダu)を用いて当該メンバーシップが正しいクラスに所属するように、(3)式における各パラメータ(m,γ,ν,α)の最適化を図る方法である。
【0015】
さらに、請求項6に係る駐車場における車両の検知方法は、請求項4に係る検知方法において、
(3)式にて示すメンバーシップ関数(u)における各パラメータ(m,γ,ν,α)の最適化を行う際に、粒子群最適化法を用いる方法である。
【発明の効果】
【0016】
上記検知システムおよび検知方法によると、撮影用カメラにより撮影された撮影画像から車室を切り出すとともにこの切り出された車室毎の画像データから複数の代表値を取得して正規化し、この画像データをベクトル化し、このベクトル化されたベクトルデータの次元を圧縮し、この次元圧縮されたベクトルデータの予め訓練用データで求められたクラスター中心に対するマハラノビス距離を求め、この求められたマハラノビス距離をメンバーシップ関数に代入するとともにこの関数値に基づきメンバーシップを求め、そしてこの求められたメンバーシップを用いて車室内に車両が存在するか否かを判断するようにしたので、駐車場がたとえ屋外であっても、精度良く、高い識別率でもって、駐車状態および空車状態を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例に係る車両の検知システムが用いられる駐車場の概略斜視図である。
【図2】同検知システムの概略全体構成を示すブロック図である。
【図3】同検知システムにおける車室設定部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】同検知システムにおけるデータ等作成・調整部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】同検知システムにおける画像圧縮係数計算部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】同検知システムにおけるパラメータ調整部の概略構成を示すブロック図である。
【図7】同検知システムにおける駐・空判断部の概略構成を示すブロック図である。
【図8】同検知システムにおけるファジィクラスタリングの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る駐車場における車両の検知システムおよび検知方法を、具体的に示した実施例に基づき説明する。
本実施例に係る駐車場は、屋外に設けられているものとして説明する。
【0019】
この駐車場は、図1に示すように、地上に多数の駐車スペース(駐車場所であり、以下、車室という)Sが配置されたものであり、例えば適当な複数個所に支柱1が立設されるとともに、所定の支柱1に撮影用カメラ(例えば、CCDカメラが用いられる)2が固定され、この撮影用カメラ2からの撮影画像を用いて車室Sに車両Cが存在しているか否かを判断する、すなわち駐車状態であるか空車状態であるかを判断して車両Cの検知を効率的に行う検知システムが具備されている。
【0020】
以下、車両の検知システムおよび検知方法を、図2〜図8に基づき説明する。
ところで、この車両の検知システムおよび検知方法(これらを、検知システム等ともいう)には、ファジィクラスタリング法が用いられる。
【0021】
まず、この検知システム等で用いられるファジィクラスタリング法を概略的に説明すると、最初に訓練用データを用いて駐車状態(クラス1と称す)と空車状態(クラス2と称す)とにクラス分けを行う、つまり分類するとともに、クラス毎についても、例えば2つのクラスターに分類し、そしてこのとき得られたクラスター中心位置(以下、クラスター中心という)、分散共分散行列などのデータおよび評価用データを用いて、メンバーシップ関数(後述する)の各パラメータの最適化を図るようにしたものである。なお、訓練用データは、予め、撮影された車室の駐車状態および空車状態の画像データであり、評価用データについても、撮影用カメラにて撮影された車室の画像データである。
【0022】
次に、このファジィクラスタリング法(FCM:fuzzy c−means)を詳しく説明する。
このファジィクラスタリング法は繰返し重み付き最小二乗法を用いるので目的関数Jは下記(1)式のように設定される。
【0023】
【数3】

但し、(1)式中、Dはマハラノビス距離で、下記(2)式にて表わされる。
【0024】
【数4】

は分散共分散行列(ファジィ分散共分散行列)、vはデータの平均値つまりクラスター(i)の中心で、それぞれ下記(3)式および(4)式にて表わされる。なお、kはデータ番号である。
【0025】
【数5】

ここで、クラスター(i)の混合比率αを下記(5)式のように表わす。
【0026】
【数6】

上記(2)式〜(5)式を(1)式で示す目的関数値が収束するまで繰り返すのがFCMクラスタリング法である。
【0027】
そして、この車両検知システムにおいては、マハラノビス距離を計算するためのクラスター中心と分散共分散行列を求めるために訓練用データのクラスタリングをクラス毎に行う第1フェーズと、メンバーシップ関数のパラメータの最適化を行うために評価用データを各クラスに分類(識別)する第2フェーズとが具備されている。
【0028】
ところで、k番目のデータxのクラスqへのメンバーシップ(値)(チルダuqk)は下記(6)式にて表わされる。式中では、uの頭に、チルダの記号(〜)を付加しており、この「チルダu」を文章中では、「*u」として表記する。なお、メンバーシップ関数については、下記に示すように「u」と表記する。
【0029】
【数7】

(6)式中、uqkjはクラスターjに対するメンバーシップ関数で、下記(7)式で表わされる。
【0030】
πはクラスqの混合比率(訓練用データの混合比率)、すなわち事前確率であり、cはクラス毎のクラスターjの数で、本実施例ではc=2である。
【0031】
【数8】

上記(7)式のメンバーシップ関数uqkjには複数のパラメータが含まれており、これらのパラメータは、上述したように、訓練用データおよび評価用データを用いて最適化が行われる。
【0032】
そして、クラスタリングを行う際に、計算時間の短縮化を図るために、セミハードクラスタリングが行われる。このセミハードクラスタリングにおいては、メンバーシップとして離散値(例えば、0.6とか、0.8など)が用いられる。
【0033】
また、このセミハードクラスタリングにおいては、上述したように、クラスを2つ、つまり駐車状態をクラス1にするとともに空車状態をクラス2とし、さらにこれら各クラスを2つのクラスターに分けるものとする。これは、経験上、各クラスを2つのクラスターに分割するのが、効率良くクラスタリングを行うことが判っているからである。なお、クラスター個数については、2つに限定されるものでもなく、例えば1つまたは3つ以上であってもよい。例えば、上記離散値を0.5とすると、クラスター数は1となり、離散値を1.0とすると、ハード(ファジィではない)な2つのクラスターとなる。
【0034】
第1フェーズでは、訓練用データを用いて、クラス毎に、つまり駐車状態の画像データおよび空車状態の画像データに対して、セミハードクラスタリングを行う。
ハードとファジイの中間的なセミハードクラスタリングをするために、メンバーシップukiを下記(8)式のように設定する。
【0035】
【数9】

以下、具体的な手順について説明する(クラスター数(i)は2個とする)。なお、βは上述した離散値で指定される。
【0036】
まず、クラスター毎の初期メンバーシップ(uk1,uk2)を下記(9)式および(10)式のように設定する。
【0037】
【数10】

なお、上記式中、fは1つのクラスの画像データxの主成分得点である。
【0038】
上記の式により、メンバーシップが与えられると、(4)式からvを、(3)式からSを求め、そして(2)式と(3)式とからマハラノビス距離Dを求め、(8)式でメンバーシップuを更新する。この更新は、メンバーシップが収束するまで繰り返し行われる。
【0039】
次に、訓練用データを用いて、クラス毎(クラス1→駐車状態;クラス2→空車状態)にクラスタリングする。すなわち、各クラスをそれぞれ2つのクラスターに分割する。
このとき、目的関数Jを用いてセミハードクラスタリングを行う。
【0040】
すなわち、目的関数Jが最小となるような訓練用データ毎のメンバーシップuを求める。これにより、各クラスターの中心vとそのメンバーシップuとが求められる。
そして、上記求められたメンバーシップuに基づき、各クラス毎にクラスタリングが行われる。
【0041】
第2フェーズでは、評価用データを用いて識別(クラシフィケーション)が行われる。
すなわち、第1フェーズにて求められた各クラスターの中心vに対して、マハラノビス距離Dを求める。このとき、第1フェーズで求められたメンバーシップuが用いられる。
【0042】
そして、予め定められた(6)式にて示すメンバーシップ関数uに、上記求められたマハラノビス距離Dを適用して(用いて)、メンバーシップ関数uにおける各パラメータ(m,γ,ν,α;これらを自由パラメータまたはハイパーパラメータともいう)の最適化を図る。この最適化においては、粒子群最適化法(PSO)が用いられる。
【0043】
ここで、この粒子群最適化法を簡単に説明しておく。
この粒子群最適化法は、メンバーシップ関数uにおける3つのパラメータ(m,γ,ν)と同じくパラメータであるクラスターの混合比率αの最適化が行われる。
【0044】
すなわち、この粒子群最適化法では、粒子群の最良位置の探索が、以下に示す(11)式および(12)式の更新式により行われる。
【0045】
【数11】

上記式中、Paraは粒子の位置を示すパラメータで、α,m,γ,νからなるベクトルである。Veloは粒子の速度ベクトルである。Randは「0」と「1」との間の乱数の対角行列である。w,c,cはスカラー定数である。pbset とgbest はそれぞれpbset とgbestの位置ベクトルである。
【0046】
そして、これらの自由パラメータは、評価用データの誤識別率を最小にするように決定される。
すなわち、上記メンバーシップ関数uを用いたメンバーシップ*uが、正しいクラスに属するように、言い換えれば、正しいクラスのメンバーシップ*uの方が大きくなるように、最適化が図られる。
【0047】
上述した準備工程にて、メンバーシップ関数uが求められる。
そして、実際に、駐車の有無を判断する判断工程の概略について説明する。
すなわち、撮影されて所定の処理(後述する)が施された画像データの、上記準備工程で求められた各クラスターの中心vに対するマハラノビス距離Dを求めるとともに、このマハラノビス距離を上記(6)式に代入して求められるメンバーシップ関数値uを上記(5)式に代入し、各クラスにおけるクラスターに対するメンバーシップ*uを求める。そして、クラスター毎に求められたメンバーシップ*uを加算し、クラス毎のメンバーシップ*u,*uを求める。
【0048】
そして、クラス1のメンバーシップ*uとクラス2のメンバーシップ*uとを比較し、値の大きい方が、当該画像データが所属するクラスと判断できる。つまり、クラス1のメンバーシップ*uが大きい場合には、駐車状態であると判断される。逆に、クラス2のメンバーシップ*uが大きい場合には、空車状態であると判断される。
【0049】
以下、上述した準備工程および判断工程を実行する車両の検知システムについて説明する。
なお、以下の説明では、自由パラメータ(m,γ,ν,α)およびクラスター中心v,分散共分散行列S、クラスの混合比率πなどが識別に関わる要素であるため、判断用パラメータと称して説明する。
【0050】
この検知システム(プログラムとして)には、図2に示すように、大きく分けて、車室設定部(車室設定プログラム)11と、例えば画像圧縮係数(後述する)などの必要データの作成および車両の有無の判断に用いる判断用パラメータの調整を行うためのデータ等作成・調整部(データ等作成・調整用プログラム)12と、設定された車室Sが駐車状態か空車状態かを判断する駐・空判断部(駐・空判断用プログラム)13と、基本データ、各種パラメータなどを記憶しておくデータベース部14とが具備されている。なお、上記車室設定部11、データ等作成・調整部12は準備用であり、駐・空判断部13が実稼動用である。勿論、データベース部14は準備用と実稼動用の両方に用いられる。
【0051】
上記車室設定部11は、図3に示すように、例えば支柱1に固定された撮影用カメラ2で撮影された画像データを入力して当該画像データ内(つまり、撮影画面内)に車両の有無を判断(判定)するための車室Sを設定する車室位置設定部21と、この車室位置設定部21で設定された(位置が決められた)車室位置情報を取得する車室位置情報取得部22とから構成され、この車室位置情報取得部22で取得された車室位置情報は、データベース部14に記憶される。
【0052】
上記データ等作成・調整部12は、図4に示すように、既に撮影された画像データに基づき画像データを圧縮するための画像圧縮係数を計算する画像圧縮係数計算部31と、同じく既に撮影された画像データに基づき判断用パラメータの調整を行うパラメータ調整部32とから構成され、画像圧縮係数計算部31で求められた画像圧縮係数とパラメータ調整部32で調整された判断用パラメータは、データベース部14に記憶される。
【0053】
上記画像圧縮係数計算部31は、図5に示すように、予め撮影された画像データを読み込む(取り込む)画像読込部31aと、この画像読込部31aにて読み込まれた画像データから車室1を切り出す(例えば、平行四辺形などの矩形状にて切り出す)車室切出部31bと、この車室切出部31bにて切り出された車室1を正規化する正規化部31cと、この正規化部31cにて正規化された画像データを入力して主成分分析を行うことによりデータの次元を少なくして(例えば、1024次元から50次元程度にして)データの圧縮を行う主成分分析部31dと、この主成分分析部31dで得られた主成分ベクトル(基底ベクトル)および画像データの平均ベクトルを画像圧縮係数として取得する画像圧縮係数取得部31eとから構成されている。なお、上述した正規化とは、例えば撮影した画像データ上では、車室の位置(特に、遠近の違い)により、車室であると判断される画面の大きさが異なるため、これらを全て同一の画素データ(同一のデータ数)にすることである。具体的には、カラーの画像データを白黒データに変換し、つまり輝度値(例えば、0〜255の数値)に変換した画像データを縦横とも例えば32分割して1024(=32×32)個の画素値を得る(正規化である)。実際には、1024個の各分割領域(複数領域)における一つの画素(例えば、分割領域の中心画素)の輝度値が代表値として用いられる(代表値として、各分割領域の平均輝度値を用いることもできる)。これにより、1024次元のデータが得られる。したがって、この正規化部31cは、画像データを入力して複数箇所(例えば、1024箇所)にて画像データの代表値を取得するデータ取得部により構成されている。なお、この正規化部31cは、画像データを入力して複数領域に分割するデータ領域分割部と、このデータ領域分割部で分割された分割領域での画像データの代表値を取得するデータ取得部とから構成されているともいえる。
【0054】
また、上記データ等作成・調整部32は、図6に示すように、予め撮影された画像データを読み込む(取り込む)画像読込部32aと、上記画像圧縮係数取得部31eにて取得された画像圧縮係数を用いて上記画像読込部32aにて読み込まれた画像データの次元を低次元に、すなわち次元圧縮を行う次元圧縮部32bと、この次元圧縮部32bで次元圧縮された画像データを訓練用画像として蓄積する訓練画像蓄積部32cと、この訓練画像蓄積部32cで蓄積された画像データを入力して訓練を行うことにより判断用パラメータを取得するパラメータ取得部32dとから構成されている。なお、このデータ等作成・調整部32にて取得される判断用パラメータは、稼動時における初期パラメータとして用いられ、また訓練時における初期値としても用いられる。
【0055】
次に、実際の稼動時に実行される駐・空判断部13について説明する。
なお、この駐・空判断部13は、単独で作動するものであるため、画像データを読み込み、次元圧縮などの構成部分については、上述したものと同一のものが具備されており、当然ながら、この構成部分も再度説明する。
【0056】
この駐・空判断部13は、図7に示すように、撮影用カメラ2で撮影された撮影画像である画像データを読み込む画像読込部41と、この画像読込部41にて読み込まれた画像データから車室を切り出す(特定する)車室切出部42と、この車室切出部42にて切り出された車室の画像データを正規化する、つまり画像データを1024に分割する正規化部43と、この正規化部43で正規化された画像データを1024次元のベクトルにするベクトル化部44と、このベクトル化部44でベクトル化されたベクトルデータの次元を例えば50次元に圧縮する次元圧縮部45と、この次元圧縮部45で次元圧縮された画像データの予め求められたクラスターの中心に対するマハラノビス距離を求めるマハラノビス距離計算部46と、このマハラノビス距離計算部46で求められたマハラノビス距離に基づきメンバーシップ関数uおよびメンバーシップ*uを求める上記(7)式および(6)式が具備されたメンバーシップ計算部47と、このメンバーシップ計算部47で求められたメンバーシップ*uに基づき、当該画像データが、いずれのクラスつまり駐車状態か空車状態であるかを判断する在車判断部48とから構成されている。上記車室切出部42、次元圧縮部45、マハラノビス距離計算部46、メンバーシップ計算部47および在車判断部48での計算に際しては、データベース部14から適切な車室位置情報、画像圧縮係数、判断用パラメータなどが読み込まれて使用される。なお、実稼動時において、読み込まれる判断用パラメータは訓練などにより最適に調整された値である。ところで、駐車場が広い場合には、当然、撮影用カメラで撮影する範囲が限られるため、グループ分けが行われる。したがって、これらグループ毎にファジィクラスタリングが行わることになるため、判断用パラメータについても、各グループ毎に調整される。また、画像圧縮係数については、少し広い範囲に対して求められる。例えば、グループ毎ではなく、駐車場毎に求められる。
【0057】
具体的には、マハラノビス距離計算部46では、画像データの予め求められているクラスター中心に対するマハラノビス距離Dが求められ、そしてメンバーシップ計算部47では、マハラノビス距離Dに基づきメンバーシップ関数u(関数値)が求まり、このメンバーシップ関数uに基づきメンバーシップ*uが求められる。つまり、各クラスターに対してメンバーシップ*u,*uが求められる。そして、各クラス毎において、メンバーシップが加算されて、クラスにおけるメンバーシップ*uc1,*uc2が求められる。
【0058】
そして、在車判断部48において、これら求められた各クラスでのメンバーシップ*uc1,*uc2同士が比較されて、その値が大きい方に、この画像データが属していると判断される。
【0059】
例えば、この判断時の各クラスにおけるメンバーシップを図8に示す。図8は、2つのクラス1およびクラス2に、それぞれ2つのクラスター1およびクラスター2をそれぞれ形成したもので、クラス1側には、v11のクラスター1とv12のクラスター2とがあり、またクラス2側にも、v21のクラスター1と、v22のクラスター2とがある。図8において、Xの地点が判断すべき画像データであるとすると、クラス1における一方のクラスター1に対するXのメンバーシップをu11、他方のクラスター2に対するXのメンバーシップをu12とし、またクラス2の一方のクラスター1に対するXのメンバーシップをu21、他方のクラスター2に対するXのメンバーシップをu22とすると、Xのクラス1に対するメンバーシップuは、u11+u12となり、またXのクラス2に対するメンバーシップuは、u21+u22となる。つまり、各クラスにおける各クラスターのメンバーシップの合計値(両クラスターに対するメンバーシップの高さの合計である)が各クラスに対するメンバーシップとなる。そして、そのメンバーシップu,uのうち、大きい方のクラスに所属していることになる。クラス1に所属していれば、駐車状態であり、またクラス2に所属していれば、空車状態を示している。
【0060】
なお、上述した粒子群最適化法にて誤識別率が最小となるように自由パラメータが探索されるが、例えばクラスターの混合比率αを変化させると、図8のクラスターの領域(等高線で示す)の形状が変化することになり、したがって2つのクラスの境界線も非線形に変化する。
【0061】
ここで、全体のシステムの設置から稼動開始までの概略工程について説明する。
まず、この検知システムの設置に際しては、下記に示すように、二つの場合が考えられ、以下、この設置に際しての手順を概略的に説明した後、一つの場合に基づき具体的に説明する。
【0062】
一つ目は、現地(駐車場)のカメラ画像すなわち画像データをシステム稼動前に入手できる場合(既設カメラ流用時)で、二つ目は、現地の画像データをシステム稼動前に入手できない場合(カメラ新設時)である。
【0063】
一つ目の場合;
前もって入手した画像データを用いて、車室位置の設定、画像圧縮係数の計算および判断用パラメータの生成(訓練)を実施しておき、これらを用いてシステムを稼動させる。
【0064】
そして、システム稼動後も、現地の画像データを収集して、判断用パラメータの訓練を続けることにより、識別精度の向上が図られる。
なお、駐車場で用いる画像圧縮係数および判断用パラメータは、データベース部14に登録される(別の駐車場でも利用される)。
【0065】
二つ目の場合;
撮影用カメラが設置されて画像データの取り込みが可能になると、画像データを取り込み、車室位置を仮に設定する。
【0066】
しかし、画像データの取り込みが可能になっても、駐車場がオープンするまで車両は駐車しないので、現地での画像データの収集を行うことができず、したがって現地での画像データを使って判断用パラメータの訓練をすることができない。
【0067】
そこで、駐車場オープン当初は、データベース部14の中から当該駐車場に条件が似ている駐車場の画像圧縮係数および判断用パラメータを使って、システムを稼動させる。
これと同時に、この駐車場での画像データを収集しておき、この画像データを使って車室位置を詳細に設定し、新たに画像圧縮係数の計算および判断用パラメータの生成(訓練)を実施する。
【0068】
そして、この判断用パラメータによる識別精度が、現在使っている他の駐車場の判断用パラメータよりも良くなった段階で、判断用パラメータを入れ替える。
その後も、現地の画像データを収集して判断用パラメータを訓練し続け、識別精度を向上させる。勿論、この場合も、駐車場で使用する画像圧縮係数および判断用パラメータはデータベース部に登録される(別の駐車場でも利用される)。
【0069】
次に、一つ目の場合について、さらに具体的に説明する。
すなわち、データベース部14には、既設駐車場の画像データにより得られた画像圧縮係数および判断用パラメータが記憶されている。
【0070】
画像圧縮係数は、上述したように、画像データを主成分分析で圧縮する際の主成分ベクトル(基底ベクトル)と画像データの平均ベクトルである。この主成分ベクトルは、圧縮する次元数だけ存在する。すなわち、次元の数がm個(例えば、50個)で、画素の数がn個(例えば、32×32=1024個)であれば、画像圧縮係数は、n×(m+1(平均ベクトル分))個存在することになる。
【0071】
また、判断用パラメータは、最初に求められている各クラスターに対するマハラノビス距離を求めるためのデータで、例えば各クラスターの中心などである。
そして、新しい駐車場の検知システムにおいては、新しく設置された撮影用カメラにより画像データを収集して、判断用パラメータの精度の向上が図られる。
【0072】
すなわち、撮影用カメラ2にて新しい駐車場を撮影し、この撮影された画像データに基づき車室Sの位置を特定する。
車室Sの位置が特定されると、撮影用カメラ2から画像データを読み込み、この画像データを正規化およびベクトル化した後、データベース部14に記憶されている画像圧縮係数に基づき次元を、例えば1024次元から50次元に圧縮する。そして、この次元圧縮された画像データに対して、マハラノビス距離を求めるとともに、このマハラノビス距離を用いてメンバーシップ関数を求め、この求められたメンバーシップ関数値を用いて、各クラスに対するメンバーシップを求める。
【0073】
これら求められたメンバーシップについては、各クラス毎に加算してクラス毎のメンバーシップを求め、メンバーシップが大きい方のクラスに所属すると判断される。この工程を全ての画像データに繰り返して行うことにより、判断用パラメータが修正される。
【0074】
次に、駐車状態であるか否かの判断について、具体的に説明する。
すなわち、撮影用カメラ2にて撮影された車室Sの画像データが画像読込部41に読み込まれ、この画像データは車室切出部42、正規化部43およびベクトル化部44で例えば1024次元データにベクトル化された後、次元圧縮部45で次元が圧縮される。この次元圧縮部45では、データベース部14に記憶されている画像圧縮係数に基づき、その次元が1024次元から50次元に圧縮される。次に、この次元圧縮された画像データはマハラノビス距離計算部46にてマハラノビス距離が求められ、そしてメンバーシップ計算部47において、マハラノビス距離を用いてメンバーシップ関数が求められた後、この求められたメンバーシップ関数値を用いて、各クラスに対するメンバーシップが求められる。そして、これら求められたメンバーシップの内、各クラス毎に加算してクラス毎のメンバーシップが求められる。
【0075】
次に、これらクラス毎のメンバーシップが、在車判断部48に入力されて、当該画像データに係るメンバーシップがいずれのクラスに所属するかが判断される。すなわち、撮影した画像が、駐車状態であるか空車状態であるかが判断される。
【0076】
なお、上記説明におけるデータ等作成・調整部、各種計算部、圧縮部、各判断部などの殆どの構成部分は、プログラムにより、その機能が実現されるものである。
また、上記説明においては、駐車場を屋外として説明したが、撮影条件が良い屋内にも、当然に、この検知システムを適用することができる。
【0077】
ここで、この検知システムを実際に適用した実験結果について説明しておく。
屋上駐車場に設置されている監視カメラ(撮影用カメラである)の画像から27車室の駐車状況の識別を行った。実験には、天候や時間帯の異なる様々な条件下の3週間分の画像データから、2600枚の画像を選んで用いた。
【0078】
性能評価を行った手順を以下に説明する。
最初にカメラ番号や用いる画像の枚数、車室数やそのグループ分けを指定し、次に車室の切り出し箇所を画面上で指定した。
【0079】
まず、最初の100枚(2700件)の画像データから50の主成分ベクトルを求めた。訓練用データは第1週目の1000枚と第3週目の600枚から選び、テストとして第2週目の1000枚(27000件)で評価した。第1週から20枚(50枚飛び)の画像を選び各駐車スペースの駐・空(クラス)を入力することで、訓練用データを集め、識別器の学習・訓練を行った。
【0080】
次に、第1週の画像で誤識別のあるものを訓練データに追加し、最後にもう一度、識別器の学習・訓練を行った。さらに、第3週目についても同様に訓練データを追加した。
下記に示す(表1)および(表2)の下段に、第2週目の1000枚(27000件)で評価した誤識別率を示す。なお、各表は、昼夜を分けた場合の誤識別率を示す。
【0081】
すなわち、カメラ画像から空の一部を切り取り、その平均輝度の閾値で昼夜を判定した。(表1)は訓練用データを第1週目の1000枚から111枚(2997件)選び、(表2)は第3週目の600枚から44枚(1188件)を追加して第1週目と第3週目のデータから合計155枚(4185件)を訓練用データとした。第3週目の訓練用データを追加した場合(表2)は、追加しない場合に比べて(表1)、昼は2.53%から1.42%に減少し、昼夜全体では2.04%で実用化可能な誤識別率になった。誤識別の評価には正しいクラス情報の入った第2週目のテストデータ27000件を用いた。
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

このように、屋外では1台の撮影用カメラで多くの駐車スペースをカバーできるため、室内用に比べて低コストの検知システムを実現することができる。また、センサー方式に比べても安価であり、既設駐車場への適用も容易であり、上記のように、性能評価実験では2.04%という実用化可能な誤識別率となった。
【0084】
上述したように、この検知システムおよび検知方法によると、撮影用カメラにより撮影された撮影画像すなわち画像データから車室を切り出すとともにこの切り出された車室毎の画像データから複数の代表値を取得して正規化し、この正規化された代表値としての画像データをベクトル化し、このベクトル化されたベクトルデータの次元を圧縮し、この圧縮されたベクトルデータの予め訓練用データで求められたクラスター中心に対するマハラノビス距離を求め、この求められたマハラノビス距離をメンバーシップ関数に代入するとともにこの関数値に基づきメンバーシップを求め、この求められたメンバーシップを用いて車室内に車両が存在するか否かを判断するようにしたので、駐車場が屋外であっても、効率良く、すなわち高い識別率でもって(誤識別が少ない状態で)、駐車状態および空車状態を判断することができる。
【0085】
また、画像データの次元を主成分分析法により圧縮するようにしたので、画像の特徴を維持した状態で画素データを少なくすることができる。言い換えれば、構成としては安価な構成である撮影用カメラを用いて、精度良く駐車状態または空車状態を検知することができる。
【0086】
さらに、判断用パラメータのうち、メンバーシップ関数の自由パラメータについては、粒子群最適化法により最適化を図るようにしているので、迅速且つ効率的に、その最適化を図ることができる。つまり、誤識別率を低下させることができる。性能評価実験で示したように、訓練用データを追加して再最適化することで、さらに誤識別率を大幅に低減させることができる。
【符号の説明】
【0087】
S 駐車スペース
1 支柱
2 撮影用カメラ
11 車室設定部
12 データ等作成・調整部
13 駐・空判断部
14 データベース部
21 車室位置設定部
22 車室位置情報取得部
31 画像圧縮係数計算部
31a 画像読込部
31b 車室切出部
31c 正規化部
31d 主成分分析部
31e 画像圧縮係数取得部
32 パラメータ調整部
32a 画像読込部
32b 画像圧縮部
32c 訓練画像蓄積部
32d パラメータ取得部
41 画像読込部
42 車室切出部
43 正規化部
44 ベクトル化部
45 次元圧縮部
46 マハラノビス距離計算部
47 メンバーシップ計算部
48 在車判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場を撮影した画像データに対してファジィクラスタリングを行い車室が駐車状態であるか空車状態であるかを判断する車両の検知システムであって、
撮影用カメラにより撮影された撮影画像から車室を切り出すとともにこの切り出された車室毎の画像データから複数の代表値を取得して正規化する正規化部と、この正規化部で得られた代表値よりなる画像データをベクトル化するベクトル化部と、このベクトル化部でベクトル化されたベクトルデータの次元を圧縮する次元圧縮部と、この次元圧縮部で圧縮されたベクトルデータの予め訓練用データで求められたクラスター中心に対するマハラノビス距離を求めるマハラノビス距離計算部と、このマハラノビス距離計算部で求められたマハラノビス距離を下記(1)式に示すメンバーシップ関数(u)に代入するとともにこの関数値を下記(2)式に代入してメンバーシップ(チルダu)を求めるメンバーシップ計算部と、このメンバーシップ計算部で求められたメンバーシップを用いて駐車状態または空車状態のいずれかのクラスにクラスタリングを行い車室内に車両が存在するか否かを判断する車両判断部とを具備したことを特徴とする駐車場における車両の検知システム。
【数1】

但し、上記式中、αqjはクラスターq内のクラスターjの混合比率、Sは分散共分散行列、πはクラスqの混合比率である。
【請求項2】
次元圧縮部にて次元を圧縮する際に、主成分分析法を用いたことを特徴とする請求項1に記載の駐車場における車両の検知システム。
【請求項3】
(1)式にて示すメンバーシップ関数(u)における各パラメータ(m,γ,ν,α)の最適化を行う際に、粒子群最適化法を用いたことを特徴とする請求項1に記載の駐車場における車両の検知システム。
【請求項4】
駐車場を撮影した画像データに対してファジィクラスタリングを行い車室が駐車状態であるか空車状態であるかを判断する車両の検知方法であって、
撮影用カメラにより撮影された撮影画像から車室を切り出すとともにこの切り出された車室毎の画像データから複数の代表値を取得して正規化し、この正規化された代表値よりなる画像データをベクトル化し、このベクトル化されたベクトルデータの次元を圧縮し、この圧縮されたベクトルデータの予め訓練用データで求められたクラスター中心に対するマハラノビス距離を求め、この求められたマハラノビス距離を下記(3)式に示すメンバーシップ関数(u)に代入するとともにこの関数値を下記(4)式に代入してメンバーシップ(チルダu)を求め、この求められたメンバーシップを用いて車室内に車両が存在するか否かを判断することを特徴とする駐車場における車両の検知方法。
【数2】

但し、上記式中、αqjはクラスターq内の混合比率、Sは分散共分散行列、πはクラスqの混合比率である。
【請求項5】
(3)式に示すメンバーシップ関数(u)の各パラメータについては、訓練用データに基づき予め決定し、
且つこの決定に際しては、
まず訓練用データを用いて駐車状態および空車状態を示すクラス毎にセミハードクラスタリングを行うことにより、各クラス毎における各クラスターの中心およびメンバーシップを求め、
次に評価用データにより、(3)式に示すメンバーシップ関数(u)および(4)式に示すメンバーシップ(チルダu)を用いて当該メンバーシップが正しいクラスに所属するように、(3)式における各パラメータ(m,γ,ν,α)の最適化を図るようにしたことを特徴とする請求項4に記載の駐車場における車両の検知方法。
【請求項6】
(3)式にて示すメンバーシップ関数(u)における各パラメータ(m,γ,ν,α)の最適化を行う際に、粒子群最適化法を用いたことを特徴とする請求項5に記載の駐車場における車両の検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−13924(P2011−13924A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157372(P2009−157372)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年2月21日 日本知能情報ファジィ学会主催の「東海ファジィ研究会」において文書をもって発表
【出願人】(505127721)公立大学法人大阪府立大学 (688)
【出願人】(000134925)株式会社ニチゾウテック (22)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】