説明

骨治療システムおよび方法

本発明はいくつかの実施形態では、脊柱圧迫骨折などの骨形成術を扱う医療用装置に関する。より詳細には、本発明の実施形態は海綿骨へ案内する充填材料の幾何学を調節することによって椎体高さを調節可能に回復させる器具および方法に関する。システム100は、充填材料120の幾何形状、および充填材料120の流入により生じる力を加えるのを調節するため、流入した噴出流165の表面を重合化するように、導電性骨充填材料120と組み合わせてRfエネルギーを利用する。別の実施形態では、骨を治療する方法は、ある量の充填材料120を骨に注入するステップと、骨90内の充填材料120の流れの方向を調節するように骨充填材料120の選択した部分の粘度を選択的に変更するステップとを含む。この方法はまた、骨充填材料120の流れの少なくとも1つの流れパラメータを調節するステップを含む。この方法を使用して骨を治療するシステム100は、骨90内に充填材料120を運ぶ案内装置110A、110Bと、案内装置110A、110Bから流れるときに充填材料120の粘度を変えるように充填材料120に選択的に結合可能であるエネルギー源125Aとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年12月6日出願の米国仮特許出願第60/633,509号、2005年6月24日出願の米国特許出願第11/155,651号、2005年6月24日出願の米国特許出願第11/255,652号、2005年8月2日出願の米国特許出願第11/196,045号、2005年8月2日出願の米国特許出願第11/196,089号、2005年8月20日出願の米国特許出願第11/208,448号、および2005年8月22日出願の米国特許出願第11/209,035号の特典を請求し、これらは全て参照として引用され、本明細書の一部と考えられるべきものである。
【0002】
本発明はいくつかの実施形態では、脊柱圧迫骨折などの骨成形術を扱う医療用装置に関する。より詳細には、本発明の実施形態は脊柱内部への骨充填材料流を調節することによって椎体高さを調節可能に回復させる器具および方法に関する。一実施形態では、システムは、導電性骨充填材料と、流入した噴出流の表面を選択的に重合して、充填材料の幾何形状および充填材料の流入により生じる力の付加を調節する、または膨張力を骨に加え、骨充填材料の幾何形状を調節する高い加速度比を有するパルス化された骨充填材料流を提供するための骨充填材料流パラメータおよびエネルギー運搬パラメータを調節するコントローラと組み合わせて、Rfエネルギーを利用している。
【背景技術】
【0003】
骨粗鬆症による骨折は高齢者に多く起こり、米国だけでも年間推定として1,500,000件の骨折がある。これらは、750,000件の脊柱圧迫骨折(VCFs)および250,000件の股関節部骨折を含む。米国における骨粗鬆症による骨折の年間費用は、13,800,000,000ドルであると推定されている。50歳以上の女性のVCFsの罹患率は、26%であると推定されている。罹患率は年齢と共に増加し、80歳の女性では40%にまで到達する。加齢による骨量損失を遅らせるまたは止めることを目的とした医療の進歩は、この問題に対する解決法を提供していない。さらに、この病気に冒されている人口は平均寿命が長くなると共に着実に増える。骨粗鬆症は骨格全体を冒し、最も一般的には脊柱および股関節部の骨折を引き起こす。脊柱または脊柱骨折はまた他の深刻な副作用をもたらし、患者は身長の損失、変形および持続する痛みに苦しみ、これらは移動性および生活の質を明らかに悪くする可能性がある。骨折の痛みは普通、骨折部位の強烈な痛みを伴い4〜6週間続く。1つの脊柱レベルが大きく崩壊された場合、または多数のレベルが崩壊された場合に、慢性的な痛みがしばしば起こる。
【0004】
閉経後の女性は、閉経後骨粗鬆症に伴う骨ミネラル密度の減少による、脊柱などの骨折が起こりやすい。骨粗鬆症は、文字通り「多孔質骨」を意味する病理状態である。骨格骨は、コラーゲン、カルシウム塩、および他のミネラルを含んだ薄い皮質および強い内側網目、または海綿骨でできている。海綿骨は、空間内に血管および骨髄を含むハニカムと同様である。骨粗鬆症は、骨折の危険性が高い脆い骨につながる少ない骨量の状態を説明している。骨粗鬆症の骨では、スポンジ状の海綿骨は寸法が大きい孔または空洞を有し、骨が極めて脆くなる。若い健康な骨組織では、骨の崩壊は破骨細胞の活動の結果、頻繁に起こるが、崩壊は骨芽細胞による新しい骨の形成によって均衡がとれている。高齢の患者では、骨吸収は骨形成を超え、それによって骨密度が損なわれる結果になる可能性がある。骨粗鬆症は、骨折が起こるまで、大部分は症状がなく起こる。
【0005】
椎体形成術および亀背形成術は、脊柱圧迫骨折を治療するための最近開発された技術である。経皮的椎体形成術は、有痛性血管種の治療のために、1987年にフランスの団体によって最初に報告された。1990年代には、経皮的椎体形成術は骨粗鬆症の脊柱圧迫骨折、外傷性圧迫骨折、および有痛性脊柱転移を含む兆候まで拡大された。椎体形成術は、トロカールおよびカニューレを介して骨折した椎体内にPMMA(polymethylmethacrylate:ポリメチルメタクリレート)を経皮注入することである。対象となる脊柱は蛍光透視法により特定される。針は、蛍光透視制御により椎体内に案内されて、直接的な視認が可能になる。双方向経椎弓根的(脊柱の椎弓根を通した)方法は普通であるが、処置は一方向的に行うことができる。双方向経椎弓根的方法は、脊柱のより均一なPMMA充填を可能にする。
【0006】
双方向的方法では、約1から4mlのPMMAが脊柱の各側部で使用される。PMMAは海綿骨内に押し入れる必要があるので、この技術は高い圧力と、適正に低い粘度のセメントが必要である。対象となる脊柱の皮質骨は最近の骨折がある可能性があるので、PMMA漏洩の潜在性がある。PMMAセメントは放射線不透過性材料を含有しており、それによって有効な蛍光透過法により注入される場合、セメントの局所化および漏洩が観察される可能性がある。PMMA注入および注出の視覚化はこの技術に重要であり、外科医は漏洩が明らかな場合にPMMA注入を終了する。セメントは注射器を使用して注入されて、外科医が注入圧力を手動で調節することが可能になる。
【0007】
亀背形成術は、経皮的椎体形成術の変更形態である。亀背形成術は、椎体中の膨張式バルーンタンプ(balloon tamp)の経皮的定置からなる予備ステップを必要とする。バルーンの膨張により、セメント注入の前に骨の中に空洞が作り出される。経皮的亀背形成術の提案者は、高圧バルーンタンプ膨張は椎体高さを少なくとも部分的に回復させることができると提案していた。亀背形成術では、一部の外科医は、従来の椎体形成術と比較した場合に空隙が存在するので、PMMAは崩壊した脊柱内により低い圧力で注入することができることを述べている。
【0008】
あらゆる形態の椎体形成術の重要な兆候は、衰弱させるような痛みを伴う骨粗鬆症脊柱崩壊である。放射線透過およびコンピュータ断層撮影法は、脊柱崩壊の程度、骨断片後進により生じる硬膜外または椎間孔狭窄の存在、皮質破壊または破砕の存在、および椎弓根の関係の視認性および程度を判断するために、治療の数日前に行わなければならない。
【0009】
椎体形成術中のPMMAの漏洩により、緊急減圧手術を必要とする隣接する構造物の圧迫を含む、極めて深刻な合併症につながる可能性がある。非特許文献1を参照のこと。PMMAの漏洩または注出は重要な問題であり、脊柱傍漏洩、静脈侵入、硬膜外漏洩、および椎間板内漏洩に分けることができる。PMMAの発熱反応は、熱損傷が硬膜嚢、索、および神経根まで広がる場合に、潜在的な破滅的結果を有する。脊柱管内の漏洩セメントの手術による排出が報告されている。PMMAの漏洩は、脊柱圧迫パターン、皮質破断、骨ミネラル密度、怪我から手術までの間隔、注入したPMMAの量、および注射器先端の位置などの様々な重要な臨床要素に関連していることが分かった。最近の研究の1つでは、椎体形成術の事例の50%近くが、椎体からのPMMAの漏洩につながる結果となった。非特許文献2を参照のこと。
【0010】
最近の別の研究は、最初に治療された椎体に隣接した新しいVCFの発生率を対象としていた。椎体形成術患者はしばしば、新しい椎体骨折によって生じる新しい痛みに戻る。椎体形成術中の隣接した椎間腔内へのセメントの漏洩により、隣接する椎体の新しい骨折の危険性が高くなる。非特許文献3を参照のこと。この研究により、セメント漏洩を伴なう椎間板に隣接した椎体の58%が、セメント漏洩を伴わない椎間板に隣接した椎体の12%と比較して、フォローアップ期間中に骨折することが分かった。
【0011】
椎体形成術の別の命に関わる合併症は、肺塞栓症である。非特許文献4を参照のこと。PMMA調合および注入による蒸気はまた心配の原因である。非特許文献5を参照のこと。
【0012】
より高圧のセメント注入(椎体形成術)およびバルーンタンプセメント処置(亀背形成術)の両方で、この方法は椎体高さの十分調節された増加を行わない。骨セメントの直接注入は単に、骨折した骨内の最も少ない抵抗の経路につながる。バルーンの膨張はまた、崩壊した海綿骨内の最も少ない抵抗の線に沿って圧縮成形力を加える。したがって、脊柱圧迫骨折の減少は高圧バルーンでは最適化または調節されない。というのは、バルーン膨張の力が多数の方向に生じるからである。
【0013】
亀背形成術処置では、外科医はしばしば海綿骨を粉砕および圧縮成形するバルーンを膨張させるために、極めて高い圧力(例えば、最大200または300psi)を使用する。皮質骨の近くでの高圧によるバルーンの拡張は、皮質骨、普通は端板を骨折させ、それによって皮質骨壊死の危険を伴う皮質骨への局所損傷を生じる可能性がある。このような皮質骨損傷は、端板および隣接する構造が椎間板に栄養を与えるので、非常に望ましくない。
【0014】
亀背形成術はまた、100%の脊柱高さの回復を可能にする骨延長機構を提供しない。さらに、極めて高い圧力における亀背形成術バルーンは普通、端板上に力を分配するのではなく、弱くてもよい海綿骨の中心領域内で脊柱端板に力を加える。
【特許文献1】米国特許第5119555号明細書
【非特許文献1】「Anatomical and Pathological Considerations in Percutaneous Vertebroplasty and Kyphoplasty; A Reappraisal of the Vertebral Venous System」,Greon, R.他、Spine第29巻、第13号、1465〜1471頁、2004年
【非特許文献2】Hyun-Woo Do他、The Analysis of Polymethylmethacrylate Leakage after Vertebroplasty for Vertebral Body Compression Fractures、Jour. of Korean Neurosurg. Soc.,第35巻、第5号(2004年5月)、478〜82頁、(http://www.jkns.or.kr/htm/abstract.asp?no-0042004086)
【非特許文献3】Am. J. Neuroradiol. 2004年2月;25(2):175〜80頁
【非特許文献4】Bernhard, J.他、Asymptomatic diffuse pulmonary embolism caused by acrylic cement: an unusual complication of percutaneous vertebroplasty、Ann. Rheum. Dis.,2003年、62、85〜86頁
【非特許文献5】Kirby, B他、Acute bronchospasm due to exposure to polymethylmethacrylate vapors during percutaneous vertebroplasty、Am. J. Roentgenol.,2003年、180、543〜544頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
骨支持材料の導入に対してより大きな程度の制御を行い、より優れた結果を提供する脊柱圧迫骨折の治療に使用されるシステムおよび方法を提供する全体的な必要がある。本発明は、この要求を満たし、新規かつ非自明の方法でいくつかの他の利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のいくつかの実施形態は、導電性充填材を担持する骨充填材料を組み合わせてRfエネルギーを利用するシステムおよび方法を提供する。コントローラは、流入した噴出流の表面部を選択的に重合するセメント運搬パラメータおよびエネルギー運搬パラメータを調節して、流れの方向および流動可能な現場硬化可能組織の最終幾何形状を調節する。このシステムおよび方法はさらに、患者の血流内へのモノマー、脂肪または塞栓の移動を防ぐように、脊柱の内部で組織を密封する手段を備える。本発明のいくつかの実施形態は、海綿骨の対象領域内での組織の密封または凝集の調節を可能にする骨充填材料を提供する。本発明の他の実施形態は、骨内部成長を促進するように、骨誘導剤、成長因子、および化学療法剤を運搬する脊柱圧迫骨折用の骨充填材料を提供する。
【0017】
一実施形態によると、骨を治療する方法が提供される。この方法は、骨の内部領域に充填材料を案内するステップと、充填材料の流動性を選択的に変えるように充填材料が案内されるときに、エネルギー源からエネルギーを同時に加えるステップとを含む。
【0018】
別の実施形態によると、骨を治療する方法が提供される。この方法は、エネルギー吸収性およびエネルギー伝達性の少なくとも一方を有する組織を含む、骨充填材料を提供するステップを含む。この方法はまた、骨部材の内部にある充填材料の量を案内するステップと、遠隔エネルギー源から組織にエネルギーを加えるステップとを含んでおり、エネルギー吸収またはエネルギー伝達性はしたがって、骨部材の内部の充填材料および隣接する部分の少なくとも一方に熱変更を生じさせる。
【0019】
別の実施形態によると、少なくとも1つの器具作動端部を骨部材の内部領域に案内するステップを含む、骨を治療する方法が提供される。この方法はまた、骨部材の内部領域に充填材料を案内するステップと、エネルギー源から少なくとも1つの作動端部を通して充填材料にエネルギーを加えて、充填材料の表面周りで組織を密封するステップとを含み、密封された組織は塞栓の血液流内への侵入を防ぐ。
【0020】
別の実施形態によると、骨を治療する方法が提供される。この方法は、ある量の重合可能な骨充填材料を骨に案内するステップを含む。この方法はまた、流動性の相違を作り出すようにある量の少なくとも一部の性状を変更するステップを含み、選択した第1の領域は実質的に非流動性であり、選択した第2の領域は流動性である。この方法はまた、追加の量の充填材料を案内するステップを含み、追加の量の流れの方向が前記流動性の相違によって調節される。
【0021】
別の実施形態によると、脊柱中の骨充填材料の流れの方向を調節する方法が提供される。この方法は、ある量の骨充填材を脊柱中に注入するステップと、流れの方向を調節するように充填材料の選択した部分の粘度を選択的に変更するステップとを含み、前記変更が充填材料の少なくとも1つの粘度がより高い部分、および少なくとも1つの粘度がより低い部分を画定する。
【0022】
別の実施形態によると、海綿骨に入り込む骨充填材料を椎体の内部に案内するステップを含む、椎体を治療する方法が提供される。この方法はまた、椎体内に実質的に流れ不浸透性領域を形成するように、椎体の内部の選択領域で骨充填材料の粘度を大きくするステップと、膨張力を骨充填材料内に加えるステップとを含む。
【0023】
別の実施形態によると、身体構造を移動させる方法が提供される。この方法は、流動性材料を身体構造の内部に案内するステップを含む。この方法はまた、身体構造の内部の流動性材料の選択部分を身体構造によって少なくとも部分的に囲まれた弾性部分に選択的に変性させるステップと、前記弾性部分内に膨張力を加え、それによって身体構造を移動させるように弾性部分を膨張させるステップとを含む。
【0024】
別の実施形態によると、骨を治療するシステムが提供される。このシステムは、骨の内部に充填材料を注入するように、そこを通して延びる流路を備えた作動端部を有する細長い案内装置を備える。充填材料源は流路に結合され、充填材料は少なくとも1つのエネルギー吸収性およびエネルギー伝達性を有する組織を含む。エネルギー源は、エネルギー吸収またはエネルギー伝達組織にエネルギーを加えて、注入した充填材料の近くで充填材料および骨構造物の少なくとも一方を変更するように構成される。
【0025】
別の実施形態によると、骨形成システムが提供される。骨形成システムは、骨部分に充填材料を案内するようにそこから延びた流路を有する細長い案内装置を備える。加圧可能な充填材料源は流路に結合され、充填材料は導電性充填材を含む。高周波(Rf)源は、充填材料にRfエネルギーを運ぶように、案内装置の作動端部で少なくとも1つの電極に動作可能に連結される。
【0026】
別の実施形態によると、現場硬化可能成分、および骨充填材料が電極として機能することを可能にする導電性充填材成分を含む、骨充填材料が提供される。
【0027】
別の実施形態によると、現場硬化可能成分、および充填材成分を含む組織を有する骨充填材料が提供される。充填材成分は、エネルギーを吸収して組織を重合する、またはエネルギーを伝達して組織に隣接した組織を加熱する遠隔エネルギー源と協働するように、エネルギー吸収性およびエネルギー伝達性の少なくとも一方を有する。
【0028】
別の実施形態では、現場硬化可能セメント成分を含む骨充填材料が提供される。骨充填材料はまた、生体適合性導電金属を含む導電性充填材成分を含み、充填材成分は骨充填材料が電極として働くことを可能にするマイクロフィラメントを含む。
【0029】
別の実施形態によると、身体を治療する方法が提供される。この方法は、案内装置を椎体内に前進させるステップと、骨充填材料を案内装置から椎体内に注入するステップとを含む。この方法はまた、Rfエネルギーを案内装置の遠位部で骨充填材料に加えるステップを含み、Rfエネルギーは骨充填材料の粘度を前記遠位部で大きくし、それによって骨充填材料が前記大きな粘度で案内装置から出る。
【0030】
別の実施形態によると、異常脊柱を治療する方法が提供される。この方法は、骨充填材料流入を椎体内に提供するように構成された流源を提供するステップを含む。この方法はまた、骨充填材料を椎体に流入させるステップと、骨充填材料の特徴を測定するステップと、骨充填材料の測定した特徴に応じて骨充填材料流入の流入パラメータを調節するステップとを含む。
【0031】
別の実施形態によると、異常脊柱を治療する方法が提供される。この方法は、案内装置を椎体内に前進させるステップと、骨充填材料を案内装置を通して椎体内に注入するステップと、骨充填材料を椎体内に注入しながら、センサで骨充填材料の特徴を測定するステップとを含む。この方法はまた、骨充填材料の測定した特徴に応じて骨充填材料の流入パラメータを調節するステップと、調節した流入パラメータを使用して椎体内への案内装置を通した骨充填材料の注入を継続するステップとを含む。
【0032】
別の実施形態によると、異常椎体を治療するシステムが提供される。このシステムは、脊柱内に挿入されるように構成された細長い案内装置と、案内装置に結合されると共に、案内装置の経路を通した椎体内への骨充填材料の加圧流を提供するように構成された流動性骨充填材料源とを備える。このシステムはまた、骨充填材料の特徴を測定するように構成されたセンサと、骨充填材料の測定した特徴に応じて骨充填材料流の少なくとも1つの流れパラメータを調節するように構成されたコントローラとを備える。
【0033】
別の実施形態によると、異常脊柱を治療する方法が提供される。この方法は、少なくとも一部の骨充填材料が海綿骨に入り込むことができるのに十分な流れパラメータで、ある量の骨充填材料を椎体内に流入させるステップを含む。この方法はまた、椎体内へ追加の量の骨充填材料を流入させることによって、海綿骨への骨充填材料の入り込みが実質的に防止されるように少なくとも1つの前記流れパラメータを調節するステップを含み、追加の量の骨充填材料はそれによって、骨充填材料の表面周りで海綿骨および入り込んだ充填材料に力を加える。
【0034】
別の実施形態によると、異常脊柱を治療する方法が提供される。この方法は、案内装置を通して脊柱の内部に骨充填材料流入を提供するように構成された流れ源、および骨充填材料流入を調節するように構成されたコントローラを提供するステップと、脊柱の内部へパルスで骨充填材料を流入させるステップとを含む。
【0035】
別の実施形態によると、異常脊柱を治療する方法が提供される。この方法は、椎体内に骨充填材料流を注入するステップを含み、前記流れは流れが海綿骨に入り込むことができるのに十分なパラメータで注入される。この方法はまた、椎体内への骨充填材料の流れを継続するステップを含み、継続された流れは入り込んだ骨充填材料で海綿骨を膨張させる。
【0036】
別の実施形態によると、異常脊柱を治療するシステムが提供される。このシステムは、脊柱内に挿入するように構成された細長い案内装置と、案内装置に結合されると共に、案内装置を通して骨充填材料の加圧流を提供するように構成された流動性骨充填材料源とを備える。このシステムはまた、脊柱内の骨充填材料の少なくとも1つの流れパラメータを調節するように構成されると共に、骨充填材料が海綿骨に入り込むことが可能な第1の設定と骨充填材料が海綿骨に入り込むのを実質的に防がれる第2の設定との間で調節可能であるコントローラを備える。
【0037】
本発明のこれらおよび他の目的は、以下の図面および明細書をさらに検討すれば、すぐに明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明をより良く理解し、実際にどのように実行することができるかを理解するため、添付の図面を参照して、非限定的な例としてのみ、いくつかの好ましい実施形態を次に説明する。同様の参照文字は、添付の図面中の同様の実施形態全体を通して一貫して対応する機構を示す。
【0039】
図1は、脊柱部分を治療する本発明の一実施形態を示しており、椎体90は、94で示した楔圧迫骨折を有する。一実施形態では、本発明のシステムおよび方法は、(i)痛みを取り除くように骨折中の微動を防ぎ、(ii)脊柱を支持し、椎体高さを高くするように、望ましくない方向への充填材料の注出なく、脊柱の海綿骨内に骨充填材料を安全に案内することを対象としている。さらに、本発明は、モノマー、脂肪、充填材料およびその他の塞栓が治療中に静脈系に入るのを防ぐため、海綿骨(例えば、血管、脂肪組織など)を密封するシステムおよび方法を含む。
【0040】
図1は、骨折した脊柱、および図2Aに示す、細長い案内装置110Aまで延びるハンドル端部106および作動端部115Aを有するプローブ105を備えた骨充填システム100を示す。案内装置は図では、骨粗鬆症の海綿骨122にアクセスするように脊柱の椎弓根118を通して案内される(図2A参照)。措置の初期の形態は、患者が手術台上でうつ伏せ位置に置かれる従来の経皮的椎体形成術と同様である。患者は普通、意識が鎮静された状態であるが、一般的な麻酔は代替物である。外科医は対象となる1つまたは複数の椎弓根にかぶさる領域と、(1つまたは複数の) 椎弓根の骨膜に局部麻酔薬(例えば、1%リドカイン)を注入する。その後、外科医は各対象となる椎弓根の上に1から5mmの皮膚切開部を作るために外科用メスを使用する。その後、案内装置110Aは、普通は最も大きな圧迫および骨折領域である、椎体の前方領域内に椎弓根を通して前進される。外科医は、前後および横方向X線投射透視図によって椎弓根を通して椎体内で、椎弓根の後ろで案内装置経路を確認する。以下に説明する充填材料の案内は、画像化方法によって治療中に、数回または連続して画像化することができる。
【0041】
案内装置はまた、例えば図1と同様に椎体114の壁面を通して軸113に沿って、または前部方法(図示せず)で、他の角度から脊柱内に案内することができることを理解すべきである。さらに、第1および第2の協働案内装置を双方向経椎弓根的方法で使用することができる。加えて、切開外科手術を含む、椎体90の内部にアクセス開口を作り出すための当業界で知られているあらゆる機構を使用することができる。
【0042】
定義
「骨充填材料、充填材料または組織」は、その通常の意味を含み、現場硬化可能材料を含む骨を充填するあらゆる材料として定義される。充填材料はまた、フィラメント(filaments)、マイクロスフィア(microspheres)、粉末、粒状要素、フレーク、チップ、細管など、自家移植片または同種移植片材料と、他の化学物質、薬物または他の生体活性剤などの他の「充填材」を含むことができる。
【0043】
「流動性材料」は、その通常の意味を含み、回収可能な変形で剪断応力に応じる弾性材料またはエラストマーとは異なり、静的剪断応力に耐えることが不可能であり、回収不能な流れ(流体)に反応する材料連続体として定義される。流動性材料は、第1および第2の成分の性状に関わらず流体(第1の)成分、および流れで応力に反応する弾性または非弾性材料(第2の)成分を含み、上記剪断試験は第2の成分だけには適用されない。
【0044】
「エラストマー」は、その通常の意味を含み、変形力が取り除かれた場合に材料が元の形状に向かって戻るまたは移動する、天然ゴムの弾性性状をある程度有する材料として定義される。
【0045】
「実質的に」または「実質的」は、大部分を意味するが、全体ではない。例えば、実質的には、約10%から約99.999%、約25%から約99.999%、または約50%から約99.999%までを意味してもよい。
【0046】
「骨形成術」は、その通常の意味を含み、充填材料が骨の内部に運ばれるあらゆる処置を意味する。
【0047】
「椎体形成術」は、その通常の意味を含み、充填材料が骨の内部に運ばれるあらゆる処置を意味する。
【0048】
次に図2Aおよび図2Bを参照すると、案内装置110Aの端部は120で示した充填材料の流入で海綿骨122内に案内した後で略図的に示されている。海綿骨はあらゆる骨、例えば脊柱であってもよい。案内装置110Aおよび作動端部115Aは、近接ハンドル端部106(図1参照)からそこを通して延びる流路118を有する金属で製造されていることが好ましいスリーブまたはシャフトを備えることが分かる。一実施形態では、案内装置のシャフトは約3.5から4.5mmまでの間の範囲の外径を有するステンレス鋼管123であるが、他の寸法も可能である。別の実施形態では、スリーブまたはシャフトはプラスチック製である。図2Aおよび3Aから分かるように、流路118は作動端部115A内の単一の遠位開口終端または出口124aで終端することができる、または図3Bの作動端部115Aの径方向外側表面周りに角度付けして構成された複数の流れ出口またはポート124bがあってもよい。作動端部の出口はしたがって、充填材料の遠位方向または径方向噴射を可能にする、または作動端部は径方向および遠位方向端部出口の組合せを有することができる。図3Cから分かるように、作動端部115Aの遠位端はまた、作動端部を回転させることによって出口からの充填材料の流れを案内する角度付けされた遠位端出口124cを提供することができる。
【0049】
図2Aおよび2Bでは、システム100は遠隔エネルギー源125Aと、作動端部からの充填材料の噴射と同時およびその後に充填材料120にエネルギーを加えるように、作動端部115Aでエネルギー放射装置128に動作可能に結合されたコントローラ125Bとを備えることが分かる。図2Aに示すように、好ましいエネルギー源125Aは、中に放射線感受性組織を担持する注入した充填材料120と接触する少なくとも1つの電極(図2Aおよび2Bの132aおよび132b)に連結された、当業界で知られている高周波(Rf)源である。(i)作動端部で抵抗加熱要素に結合された電気源、(ii)作動端部で終端する光ファイバまたは他の光路に結合された(干渉性または広帯域)光エネルギー源、(iii)作動端部で放射装置に結合された超音波源、または(iv)作動端部でアンテナに結合されたマイクロ波源などの、本発明の範囲内に含まれる作動端部で他の遠隔エネルギー源および放射装置128を使用することが同等に可能である。さらに別の実施形態では、エネルギー源は磁気源であってもよい。充填材料は、選択したエネルギー源からのエネルギー運搬と協働するエネルギー吸収材料またはエネルギー伝達材料で構成される。例えば、エネルギー吸収またはエネルギー伝達材料は、Rf源と協働する放射線感受性または導電材料、光源と協働する発色団、磁気源と協働する強磁性粒子などであってもよい。一実施形態では、充填材料120は、遠隔エネルギー源125Aと協働するエネルギー吸収性およびエネルギー伝達性を有する組織を含むことができる。例えば、組織は複合物を重合化するように遠隔エネルギー源125Aからエネルギーを吸収することができる、または複合物に隣接した組織を加熱するようにエネルギーを伝達することができる。
【0050】
図2Aおよび2Bから理解することができるように、案内装置110Aは、骨内に案内装置110Aを通して充填材料120を運ぶように(矢印参照)、充填材料源上で動作する圧力源または機構150と共に骨充填材料120の源145に動作可能に結合することができる。圧力源150は、ピストンポンプ、スクリューポンプまたは他の油圧ポンプ機構などのあらゆるタイプのポンプ機構を含むことができる。図2Bでは、ポンプ機構は案内装置110Aの経路118内で摺動可能であるピストンまたはプランジャ152として示されている。図2Cでは、ポンプ機構は、経路118を通して充填材料を移動させるように経路118内で回転するスクリューポンプ152’である。一実施形態では、圧力源150は、圧力源150によって加えられた圧力を調節するコントローラ150Bを備える(図2A参照)。例えば、圧力源150はモータ駆動されたピストンポンプまたはスクリューポンプである場合、コントローラ150Bは骨充填材料120の流入に圧力源150によって加えられた圧力を変えるようにモータ速度を調節することができる。一実施形態では、コントローラ150Bはまた、骨部分に案内される骨充填材料120の量を調節する。別の実施形態では、コントローラ150B、または別個のコントローラはまた、骨部分に案内される骨充填材料120の量を調節する。例えば、コントローラ150Bは弁開口を選択可能に変えるように骨充填源145に取り付けられた弁を操作することができ、それによって骨部分に案内される骨充填材料120の量を変えることができる。
【0051】
図2Aおよび2Bに示すように、案内装置110Aは、内部流路118を画定する電気および熱絶縁内部スリーブ154を有することが好ましい。スリーブは、PEEK、Teflon(登録商標)またはポリイミドなどの、当業界で知られているあらゆる適切なポリマーであってもよい。図2Bから分かるように、内部スリーブ154はエネルギー放射装置128として働く、より詳細には間隔を置いて配置された対向する極性電極132aおよび132bを備えた導電性表面を担持する。電極132aおよび132bは、あらゆる間隔を置いた構成を有することができ、経路118の遠位終端周り、または出口124aの表面周りに配置されている。電極構造は別の方法では、経路118の内部に第1の電極、および案内装置110Aの外部に第2の電極を備えることができる。例えば、金属スリーブ123またはその遠位部は1つの電極を備えることができる。好ましい一実施形態では、電極132aおよび132bは、絶縁スリーブ154を通して対向する極性電極まで延びる、(+)および(−)に対応した導線158aおよび158bを備えた電気ケーブル156によってRfエネルギー源125Aおよびコントローラ125Bに連結される。一実施形態では、電気ケーブル156は雄雌プラグ(図示せず)によってプローブ105のハンドル端部106に脱着可能に結合されている。電極132aおよび132bは、ステンレス鋼、ニッケルチタン合金、および金、銀、白金などの合金といったような、当業者に知られているあらゆる適切な材料で製造することができる。
【0052】
一実施形態では、図示しないが、作動端部115Aはまた、エネルギー運搬中の充填材料120の温度に関するデータをコントローラ125Bに提供するように、あらゆる適切な熱電対または温度センサを担持することができる。1つまたは複数の熱電対は、骨内の異なる位置で温度読取りを行うために、案内装置の遠位先端で、または案内装置の外側表面に沿って位置決めすることができ、遠位端から離すことができる。熱電対はまた、案内装置の長さに沿って摺動可能である。別の実施形態では、作動端部は冷却剤源と連通する少なくとも1つの側部口(図示略)で有することができ、口は温度センサからの温度読取りに応じて海綿骨を冷却するように、海綿骨122内にそこを通して冷却剤(例えば、生理食塩水)を提供するように構成される。
【0053】
次に図4を参照すると、作動端部115Aの断面図は、出口124aから噴出されているときに、充填材料120にエネルギーを加えることを示している。充填材料120は経路118の近接部では、混合したがいかなる重合もない、例えば約50,000cps未満の粘度を有する2部硬化可能ポリマー(例えば、PMMA)などの低粘度の流動性材料であってもよい。このような低粘度充填材料により、案内装置110Aを通した簡単なより低圧での注入が可能になる。さらに、このシステムにより、外科医の長時間を省くことができる、低粘度充填材料120の使用が可能になる。
【0054】
好ましい一実施形態では、注入前に骨セメントが部分的に重合化するのを待つ必要はもはやない。図4に示すように、出口124aからの噴射と同時に充填材料120への電極132aおよび132bからの選択したパラメータでのエネルギー運搬は選択的に、120’で示す充填材料の性状を変更する。一実施形態では、変更された流れの性状は粘度である。例えば、充填材料120’の粘度は、約100,000cps以上、1,000,000cps以上から2,000,000cps以上の範囲のより高い粘度まで大きくすることができる。別の実施形態では、流れ性状はヤング率である。例えば、充填材料120’のヤング率は、約10kPaから約10GPaの間で変更することができる。さらに別の実施形態では、流れ性状はデュロメータ、硬度および伸展性の1つであってもよい。
【0055】
充填材料は、さらに以下に示すように、Rf源125Aと協働する放射線感受性組織を担持している。所定の充填材料流速、および選択したRfエネルギー運搬パラメータでは、噴出後の変更した充填材料120’は、高粘度材料またはエラストマーを含むことができる。さらに別の所定の充填材料流速および他のRfエネルギー運搬パラメータでは注入後に変更した充填材料120’は実質的に中実な材料または中実な材料を含むことができる。図2Aおよび5Bに示すように椎体形成術に使用されるシステム実施形態では、コントローラは、さらに海綿骨を透過することが可能である実質的に高粘度充填材料または高粘度充填材料を提供するように、充填材料の選択流速と同時にRfエネルギーを運搬するようになっている。骨の壊死の治療などの他の骨形成術治療では、システムコントローラ125Bは出口124aからの噴出の際に、より固い充填材料120’を提供するようにすることができる。さらに、システムは連続的に、またはパルス形態で、または流速、プリセットに基づくあらゆる選択した間隔、または温度センサからのフィードバック、インピーダンス測定、または当業者に知られている他の適切な信号に応じてRfエネルギーを充填材料に加えるようにすることができる。
【0056】
一実施形態では、コントローラ125Bはエネルギー源125Aによって加えられる電力運搬を調節するアルゴリズムを備える。例えば、一実施形態では、コントローラ125Bは、骨部分に案内される充填材料120’のインピーダンス測定に基づき電力伝達を調節するアルゴリズムを備える。別の実施形態では、コントローラ125Bは骨部分に運ばれる骨充填材料120の量に基づき電力運搬を調節するアルゴリズムを備える。さらに別の実施形態では、コントローラ125Bは骨部分に案内される骨充填材料120’の温度に基づき電力運搬を調節するアルゴリズムを備える。さらに別の実施形態では、コントローラ150Bまたは別個のコントローラは、上に論じたアルゴリズムを備えることができる。
【0057】
図5Aおよび5Bは、作動端部110Aが海綿骨122内の骨折94の領域に前進される、本発明の一実施形態の関連する態様を説明するのに有用な脊柱90の図である。図5Aは、例えばは磨き粉の濃度を有する、従来の椎体形成術または亀背形成術と同様の粘度を有する流れ材料で脊柱内に流れ材料120を注入するのに使用されるシステム100を示している。図5Aは、低粘度材料の高圧注入により調節されない方法で前方に移動するように、最近の骨折平面160に沿って最小抵抗の経路に簡単に続くことができる。充填材料の侵入は、脊柱管に向かった後側、または骨折の性質による椎間板内を含む、あらゆる方向であってもよい。
【0058】
図5Bは、RF源125Aの作動を含むシステム100を示しており、上述の粘度のような、海綿骨122内への、選択したより高い粘度を伴うように変更した充填材料120’を噴出するために、コントローラ125Bによって充填材料を同時に加熱している。選択したより高い粘度では、図5Bは、皮質骨脊柱端板166aおよび166bと係合する噴出流165と海綿骨を交換するのではなく、充填材料の注出を防ぎ、海綿骨122に調節可能に透過し入り込むシステムの能力を示している。充填材料は、端板の上に圧力を分配するように皮質端板の表面と広く係合する。好ましい一実施形態では、充填材料は海綿骨122に調節可能に透過し、海綿骨122に入り込むのに適当な粘度で噴射される。約100,000cpsから2,000,000cpsの範囲の粘度の充填材料を噴射することができるが、さらに低いまたは高い粘度も効率的である可能性がある。RF源は、案内装置115Aから噴出されるときに、約10%以上だけ充填材料の粘度を選択的に大きくすることができる。他の実施形態では、粘度は約20%、50%、100%、500%または1000%以上だけ大きくすることができる。
【0059】
さらに図5Bを参照すると、高粘度の充填材料120’の連続流入、および噴出流165の拡張の結果が、少なくとも部分的に脊柱高さを回復するように、端板166aおよび166bに力が加えられることが分かる。作動端部115Aは、充填材料120’の噴出中と、上記タイプ(図3A〜3C)のいずれであってもよい作動端部115Aを回転させる間に、ほぼ椎体の前部3分の1と椎体の後部3分の1の間で軸方向に水平移動することができることが理解できる。
【0060】
図6は、RF源125Aおよびコントローラ125Bが追加の機能を与えるようにエネルギー運搬を多重化するように構成される、システム100の代替実施形態の斜視図である。一動作モードでは、システムは作動端部115Aから噴出されるときに、流動性充填材料120’の流れ性状を変更するように、上に説明し、図4および5Bに示すように機能する。図6から分かるように、システムはさらに170で示す戻り電極または接地パッドを備える。したがって、このシステムは、電極132aおよび132bが共通の極性に切り換えられて(または、スリーブ123の遠位部がこのような電極を備えることができて)設置パッド170と共に単極の方法で働く、第2の動作モードで作動することができる。この第2の動作モードは有利には、噴出流165の表面周りの高エネルギー密度を作り出し、それによって噴出流165の界面の組織および身体構造をオーム加熱する。
【0061】
図6では、オーム加熱された組織は172で示されていて、組織効果は、血液の凝集、膠原組織の収縮、および海綿骨内の骨髄、脈管構造および脂肪の密封および切除である。Rfエネルギーのレベルは、例えば、噴出流165の表面積が変わるインピーダンスフィードバックに基づいて、電力を運搬するコントローラで組織を凝集、密封または切除する十分に高いレベルに設定することができる。特に、噴出流165の表面は海綿骨122内に膨張する波面を有する電極として使用される。したがって、椎体内の脈管構造は、充填材料120’が海綿骨に透過するのと同時に制御オーム加熱によって密封することができる。椎体内には、椎体(海綿体部/赤色骨髄)内の多くの静脈経路内に連結する弁のない静脈である椎体(脊柱内)静脈である。椎体静脈は、外部椎骨静脈叢(EVVP:external vertebra venous plexus)および上下大静脈内に直接排出する。骨セメントおよびモノマー塞栓は椎体形成術および亀背形成術で頻繁に観察されたので、脈管構造および椎体静脈の密封は特に重要である(非特許文献1参照)。したがって、システム100を使用する方法は、充填材料の噴出流165が膨張するときに膨張する凝塊の「波面」を作り出し、膨張させることが分かる。塞栓から組織を密封する他に、膨張可能な凝塊層172は噴出流表面周りにある量の充填材料120’の圧力を含み、分配する。
【0062】
図6に示す方法は、オーム(ジュール)加熱により組織を密封する効果的な手段を提供する。骨セメントの発熱反応から受動的な熱伝達は、脊柱内脈管構造を密封するのに必要な深さまたは温度に組織を適当に加熱しないことが分かる。使用の際、組織をオーム加熱および密封する単極方法でのシステム100の動作モードは、注入した充填材料の粘度を調節するように単独で、または双極動作モードと組み合わせて選択した間隔で行うことができる。
【0063】
一般に、本明細書で開示した実施形態の1つによる椎体形成術または骨形成術の一態様は、流動性充填材料の流れの現場調整を可能にし、より詳細には、海綿骨内に案内装置スリーブの作動端部を案内するステップと、選択した粘度を有するある量の流動性充填材料を噴射するステップと、エネルギー(例えば、Rfエネルギー)を外部源から充填材料に同時に加え、それによって充填注出を防ぐようにその量の少なくとも一部の粘度を大きくするステップとを含む。好ましい一実施形態では、システムは約20%以上だけ粘度を大きくする。別の好ましい実施形態では、システムは約50%以上だけ粘度を大きくする。
【0064】
椎体形成術方法の一実施形態の別の態様では、システム100は脊柱内脈管構造を効果的に密封して塞栓が静脈系に入るのを防ぐように、充填材料の膨張する噴出流165の表面周りで身体構造をオーム加熱する手段を提供する。この方法はさらに、流入圧力を含み、脊柱端板の上にさらなる膨張力を分配するように、充填材料周りに凝塊の膨張可能層を提供する。好ましい一実施形態では、凝塊は脊柱の端板と係合し、これに力を加えるように、充填材料の少なくとも一部と共に膨張する。
【0065】
特に、本明細書(図2A、4、5A〜5Bおよび6)に記載したシステムで使用されるような充填材料120の一実施形態は、組織が分散可能電極(図6)として働くことができるのに十分な量で、現場硬化可能または重合化可能セメント成分174および導電性充填材成分175を含む組織である。1つのタイプの組織では、導電性充填材成分はあらゆる生体適合性導電性金属である。別のタイプの組織では、導電性充填材成分は炭素の形態である。生体適合性金属は、チタン、タンタル、ステンレス鋼、銀、金、白金、ニッケル、錫、ニッケルチタン合金、パラジウム、マグネシウム、鉄、モリブデン、タングステン、ジルコニウム、亜鉛、コバルトまたはクロム、およびその合金の少なくとも1つを含むことができる。導電性充填材成分は、フィラメント、粒子、マイクロスフィア、球体、粉末、粒、フレーク、顆粒、結晶、ロッド、細管、ナノチューブ、足場などの少なくとも1つの形をしている。一実施形態では、導電性充填材は炭素ナノチューブを備える。このような導電性充填材成分は、図7Aに示す導電性フィラメント176aおよび図7Bに示す導電性粒子176bを備えた、剛性、非剛性、中実、多孔質または中空の少なくとも1つであってもよい。
【0066】
好ましい一実施形態では、導電性充填材は、約0.0005”から0.01”までの範囲の長軸にわたる直径または断面寸法を有する、図7Aと同様に金属の細断されたマイクロフィラメントまたはリボンを備える。マイクロフィラメントまたはリボンの長さは、約0.01”から0.50”の範囲である。マイクロフィラメントまたはリボンは、ステンレス鋼またはチタンのものであり、任意選択で無電解メッキ法によって被着させることができる薄い金層または銀層で被覆されている。特に、図7Aの充填材料120は、第1の低粘度を有するよりも現場硬化可能セメント成分174を有し、細長いマイクロフィラメント導電性充填材成分175を加えることにより、組織120がマイクロフィラメントの高い表面領域、およびセメント成分174との相互作用により実質的に高いまたは高い見かけ粘度を有するようになる。一実施形態では、マイクロフィラメントは、ステンレス鋼でできており、金でメッキされ、約12マイクロンの直径および約6mmの長さをしている。上および下に記載した他の寸法はまた、これらのマイクロフィラメントに利用することができる。
【0067】
骨充填材料120の別の実施形態では、導電性充填材成分は、電気外科機能を提供する導電性クラッド部を備えた非導電性芯部を有する要素を備える。非導電性芯部は、ガラス、セラミックまたはポリマー材料からなる群から選択される。クラッドは、無電解メッキ法によって被着させることができる、上記のようなあらゆる適切な導電性金属であってもよい。
【0068】
粒子、マイクロスフィア、球体、粉末、粒子、フレーク、粒、結晶などを使用する骨充填材料のいずれかの実施形態では、このような要素は約0.5ミクロンから約2000ミクロンまでの範囲の主軸にわたって平均寸法を有することができる。主軸にわたる平均寸法は、約50ミクロンから1000ミクロンまでの範囲にわたることがより好ましい。約800ミクロンの寸法を有する金属マイクロスフィアは、電極として働くことができる導電性骨セメントを作り出すのに有用であることが分かった。
【0069】
一実施形態では、充填材料は約0.5重量%から20重量%のマイクロフィラメントを有する細長いマイクロフィラメントを備える。フィラメントは充填材料の約1重量%から10重量%までの間であることがより好ましい。導電性充填材が粒子または球体を含む他の実施形態では、導電性充填材は合計重量の約5%から材料の重量の約80%までを含むことができる。
【0070】
充填材料120の別の実施形態では、硬化可能成分は、PMMA、リン酸一カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムまたはハイドロキシアパタイトの少なくとも1つなどのあらゆる現場硬化可能組織であってもよい。
【0071】
次に図8Aおよび8Bを参照すると、充填材料の性状に非対称を作り出し、椎体形成術で力を加えるように構成されたシステム100および方法である代替方法が示されている。図8Aでは、圧力機構150は、上記のように作動端部110A内の粘度が普通変更される充填材料120’の初期容量または部分を注入させるように作動されるが、この方法はあらゆる適切な粘度を有する充填材料の流れを含む。充填材料は、図8Aおよび8Bでは、一方向弓根的方法で運ばれると示されているが、あらゆる椎弓根外後部方法と、あらゆる双方向後部方法が可能である。図8A〜8Bのシステムはまた、165で示す膨張噴出流または周辺を備えた海綿骨122内に圧力により流入する充填材料120’を通る垂直面を示している。噴出流165は図8Bから分かるように3次元構造を有し、加圧流は最初に、垂直ではなくより水平方向に流れる傾向がある。本発明の方法の一実施形態は、作動端部を僅かに平行移動させるおよび/または作動端部を回転させる外科医を含み、それによって流れ出口124aは選択した径方向に設けられる。好ましい一実施形態では、外科医は上記のように蛍光透視画像化により流れを断続的に監視する。
【0072】
図8Bは、外科医が、少なくとも1つのエネルギー放射装置128からのRF電流供給を生じさせて、組織のオーム(ジュール)加熱と、流入する充填材料120’ の内部加熱を生じさせるようにRF電源125Aおよびコントローラ125Bを作動させる方法の同時またはその後のエネルギー運搬ステップを示している。この実施形態では、スリーブ123の外部表面は、絶縁体コーティング178を有する案内装置110Aの近接部を備えた電極または放射装置128として示されている。別の実施形態では、案内装置110Aの近接部は非導電性プラスチックの領域を有する。Rfエネルギーは、組織を凝集させ、組織内の最も高いエネルギー密度に近い最初の量の充填材料の表面部180の流動性を変える量および時期に加えることが好ましい。
【0073】
好ましい一実施形態では、充填材料120は特に高圧により海綿骨122内に注入される材料の量の増加で導電性充填材の分配の際に勾配を作り出すように設計されている。方法のこのような態様は、順々に充填量の非対称内部加熱を作り出すのに有利に使用することができる。この実施形態では、充填材料120は細長い導電性マイクロフィラメント176aの導電性充填材(図7A)を備える。フィラメントは充填材料の約2重量%から5重量%までであり、フィラメントは約0.001”から0.010”までの範囲の短軸にわたる平均直径または平均断面寸法、および約1mmから約10mm、より好ましくは約1mmから5mmにわたる長さをしている。別の実施形態では、フィラメントは約1ミクロンから500ミクロン、より好ましくは約1ミクロンから50ミクロン、さらに好ましくは約1ミクロンから20ミクロンにわたる短軸にわたる平均直径または平均寸法を有する。細長い導電性マイクロフィラメント176aは、このようなマイクロフィラメントを出口124aに近接した脊柱の中心に集められた最も活動的な媒体流から離れて集める、その周りの流れに対する耐性につながることが分かった。したがって、導電性マイクロフィラメント176aは噴出流の周辺または表面部180でより高い濃度を得て、その後、導電性フィラメントのこのような高い濃度を有する充填部のより大きな内部加熱につながる。活動的な流れはまた、例えば垂直ではなく、図8Aおよび8Bに示すように横方向に、材料を優先的に噴出するように案内装置110Aの回転によって制御される。プローブ105のハンドル106は、出口124bの回転方向を示すマーキングを有することが好ましい。
【0074】
図8Aは、電極の放射装置128と接地パッド170の間に単極方法でRfエネルギーを加え、それによって表面部180の加熱がその中のより大きな重合化につながる、非対称加熱が生じることを示している。図8Aから分かるように、充填材料の量は、流動性の勾配、例えば表面領域180が出口124aから噴出されるときの流入材料120’より高い粘度を有することを示している。一実施形態では、勾配が続く。そのような噴出流周辺165での加熱は変更した高粘度表面領域180を作ることができる。方法のこのステップは、約5秒から500秒の間隔で流動性の勾配を有するように充填材料を変質させることができ、表面部180は高粘度流動可能層、または膨張可能であるエラストマーのいずれかである。好ましい実施形態では、選択した非対称状態に充填材料を変更するのに、エネルギー運搬の間隔は約120秒未満である必要がある。本発明の別の態様では、流動性の勾配を作り出すためにRfエネルギーを加えることは、隣接した組織を凝集および密封するように最適化することもできる。
【0075】
粘性表面部180および組織凝塊172の組合せは、充填材料のその後の高圧流入を含むように、現場で作り出された伸張可能であるが、実質的に流れ不浸透性または流れ不浸透性層として働くことができる。したがって、本発明の方法の次のステップが図8Bに示され、高粘度の膨張可能表面を有する初期量の充填材料120の内部に高圧により追加の充填材料120’を注入するステップを含む。粘度のある膨張可能表面は、皮質骨を囲むことが望ましい。この手段により、充填材料のその後の注入は、図8Bの矢印によって示すように、脊柱高さを回復させるために、皮質骨をそらす垂直引き上げ力を提供するために、脊柱端板166aおよび166b上に引張力を加えるように充填容量を拡張することができる。システムは、骨折が完全治癒までいかない場合に、脊柱圧迫骨折周りの海綿骨内の仮骨を破壊することが可能な力を作り出すことができる。
【0076】
一実施形態では、この方法はある容量の充填材料内に高粘度領域を作り出すようにRfエネルギーを加えるステップと、その後充填容量を調節可能に拡張し、力を加える方向を調節するように追加の充填材料120を注入するステップとを含む。この方法の範囲はさらに、多数の間隔で、または充填材料の連続した流れと同時にRfエネルギーを加えるステップを含む。この方法の範囲はまた、充填材料の望ましくない流れを防ぐように、画像化手段と合わせてRFを加えるステップを含む。本発明の範囲はまた、望ましくない量の充填材料が骨に注入された後に、全体の充填量の硬化を重合化および加速させるようにRfエネルギーを加えるステップを含む。
【0077】
別の実施形態では、この方法は、椎体の特別な特徴に基づき非対称充填性を作り出すように、充填材料120の容量の選択した部分にRF電流密度を作り出すステップを含む。例えば、海綿骨および皮質骨のインピーダンス変化は、充填材料120内に変化させたRfエネルギー密度を作り出してその中に非対称性を作り出すのに使用することができる。充填材料120の連続注入はしたがって、皮質の端板166aおよび166bに対して非対称引張力を加えるように誘導され、流れ方向はより低い粘度部分の移動または変形に向かって、より高い粘度部分から離れるようになっている。図9A〜9Cでは、椎体形成術では、図6に示すような単極方法でRfエネルギーを加えることにより、185および185’で示す横周辺充填量の表面により高い粘度でより深い「変更された」性状が、また充填材料120の上下領域186および186’により低い粘度でより薄い変更された表面が自然におよび優先的に作り出されることが分かる。主にRF電流密度が高い導電性の海綿骨122aおよび122bに近接した位置にある最小抵抗経路周りで局所化されるので、この効果が起こる。RF電流密度は、166aおよび166bで示す導電性が小さい皮質骨に近接した位置では小さい。したがって、充填材料120の第1の流れの横周辺部185および185’は、より薄い上下領域より粘度が大きく、流れおよび膨張抵抗が大きいことが図9Bで分かる。図9Cでは、充填材料120の初期流れの非対称性状により、連続流れがほぼ垂直方向または垂直方向に引張力を加えて、脊柱骨折を少なくし、例えばVH(図9B)から図9CのVH’まで脊柱高さを高くすることが可能になる。
【0078】
図10Aおよび10Bは、椎体形成術の際に、皮質骨、例えば脊柱の端板に対して引張力を加えるように海綿骨を膨張させるステップを含む、図9Bおよび9Cに対応する方法をさらに示す略図である。図10Aから分かるように、初期量の流動性充填材料120が海綿骨に注入され、表面領域180は上に記載したように、粘度が高くなるように、または内部流れに対して実質的に不浸透性または不浸透性であるが、さらに膨張可能であるエラストマーを含むように変更される。表面領域180は、海綿骨に入り込む充填材料120’のその後の流れを囲む。その後、図10Bに示すように、充填材料の内部への連続した高圧流入は、それによって入り込んだ充填材料120’と共に海綿骨122を膨張させる。したがって、図10Bから分かるように、海綿骨122および充填材料120’の膨張は、皮質骨の端板166aおよび166bを移動させるように引張力を加える。海綿骨を膨張させる方法は、脊柱圧迫骨折などの骨折を少なくするに使用することができ、骨折した脊柱の高さを増加するまたは回復させることができる。したがって、このシステムは、皮質骨および海綿骨を引っ張り支持するのに使用することができる。この方法はまた、腫瘍によって損傷を受けたものなどの、異常脊柱の形状を回復させることができる。手術中の画像化が望ましくない方向またはベクトルにおいて流れる充填材料を示す場合、充填材料を重合化するようにRfエネルギーを加えることができ、それによってある量の充填材料の内部より大きく表面に影響を与える。その後、外科医は出口124bを案内して所望の方向にそらす力を作り出すように、案内装置110Aを平行移動させるおよび/または回転させることができる。これらのステップは、脊柱骨折を少なくし、材料流れの方向を調節するように数回繰り返すことができる。
【0079】
図9A〜9C、および10A〜10Bに示すように充填材料120を案内し、変更し、任意選択で硬化するのにシステム100を利用した後、案内装置110Aを骨から引っ張り出すことができる。別の方法では、案内装置110Aは、近接案内装置部分から作動端部の噛み合いを外すように、190で示す解放および離脱構造を有することができる。解放または離脱構造は、ねじ山、解放可能クランプ、熱犠牲ポリマー、破砕可能要素、または拡張力によって破壊される引っかき傷のついた脆弱性構造などのあらゆる適切な機構であってもよい。別の実施形態では、離脱構造は、医療用の使用に適合させることができる宇宙船用に発明したシステムを含むことができる。このような実施形態では、このシステムは、衛星展開において爆発ボルトを交換するように開発された、当業界で知られているような、ニッケルチタン(NiTi)作動フランジボルトシステムである。このシステムは、移植可能な医療用装置の作動端部を案内装置110Aから離す抵抗加熱されたNiTiアクチュエータ、または本明細書に参照として全体を援用する特許文献1に開示され、カリフォルニア州、San LeandroのTiNi Aerospace,Inc.によって商品化されたフランジボルト設計に基づくカテーテルを備える。したがって、このシステムは案内装置110Aの近接部をその遠位部から外して、作動端部を脊柱に残す。解放または離脱構造に関するさらなる詳細は、本明細書に参照として全体が組み込まれている、2005年5月16日出願の米国特許出願第11/130,843号で分かる。
【0080】
流れ方向を調節し、非対称性を作り出す別のシステム実施形態200が図11Aおよび11Bに示され、上記のものと同様の第1および第2の案内装置110Aおよび110Bが、双方向の方法で充填材料120の第1および第2の独立した量202aおよび202bを案内するのに使用される。この実施形態では、2つの充填量は作動端部の電極205aおよび205bと接触した反対の極性電極として働く。電極間の電流の流れはしたがって、(+)と(−)記号によって示された正負極性で双極性の方法で動作する。この方法では、最も高い電流密度は互いに面する量202aおよび202bの三次元表面で生じることも分かる。これにより、中間、前部および後部領域中に最も厚く高い粘度表面208が、横向き外側領域に最も小さい「変更した」表面が作り出されることになる。この方法は、後部および前部の流れを防ぎ、引張力を上下に案内するのによく適している。というのは、横方向の流れは脊柱の横方向の態様で皮質骨に含まれるからである。このシステムはさらに、前に説明した双極方法と単極方法の間でオーム加熱効果を切り換えるようにすることができる。
【0081】
次に図12を参照すると、電極として働く平行移動可能部材210が案内装置110Aに担持される別の実施形態が示される。好ましい実施形態では、部材210は湾曲した記憶形状を有する超弾性ニッケルチタン形状記憶ワイヤである。部材210は、放射線不透過性マーキングを備えた裸電極先端212を有することができる、あるいは薄い絶縁体コーティングによって被覆されている。図12では、案内装置を回転させることができ、部材を画像化において作動端部115Aでポート214から前進させることができることも分かる。電極先端212を所望の位置まで移動させ、その後RF電流を作動させることによって、充填材料120の局所粘性または硬化領域216を作り出すことが可能である。例えば、画像が、充填材料120が望ましくない方向に流れていることを示している場合、注入は停止することができ、Rfエネルギーを選択した位置を硬化するのに加えることができる。
【0082】
図12に示すのと同様の別の実施形態では、平行可能部材210は薬剤(例えば、触媒)を注入して、充填材料120の局所硬化を加速させる中空針を備えることができる。別の方法では、中空針は、マイクロカプセルを犠牲にするようにRfエネルギー運搬によって放出されるマイクロカプセル入りの薬剤を運搬することができる。
【0083】
図13A〜13Dは、極めて高い圧力が骨充填材料120を注入するのに使用される場合に近接方向に移動するのを実質的に防ぐ、または防ぐ、例えばVCFを治療する場合に脊柱高さを大きくするように、作動端部115Aを骨に係合させる構造を備えた案内装置110Aの他の実施形態を示している。図13Aは、案内装置を骨内に固定する案内装置を螺旋状に前進させるねじ山220を備えた作動端部を示している。図13Bは、ゴム部材などの弾力性要素224を曲げ、径方向に膨張させるのに使用することができる第1および第2の同心スリーブ222aおよび222bを備えた作動端部を示している。別の方法では、図13Bのシステムは少なくとも1つの金属要素を曲げるように構成することができる。図13Cは、構造が近接方向に移動された場合に骨と係合する返し225を備えた作動端部を示している。図示した実施形態では、このような作動端部は上記のように、190で示される離脱機構を使用して取り外すことができる。別の実施形態では、案内装置の返し225は回転によりいくらか崩壊し、それによって案内装置を回転させ、骨から引き出すように構成することができる。図13Dは、膨張源から管腔228を通して膨張される骨を把持する膨張可能バルーン構造226を備えた作動端部を示している。
【0084】
図14は、要求に応じて硬化可能な充填材料120が、骨スクリュー、ピン、シャフト、関節復元体などの移植片300と組み合わされた、本発明の別の実施形態を示している。移植片の一例として、図14はねじを螺旋状に駆動するドライバ部材305と協働する金属骨ねじ302を示している。骨ねじ302は、移植片本体内の複数の出口310と連通する管腔308を有する。一実施形態では、ドライバ305は上記のように、導電性充填材料120の源145に結合された協働孔312を有する。さらに、このシステムはRfエネルギーを加えて要求に応じて充填材料を硬化するように、RF源125Aおよびコントローラ125Bを備える。一実施形態では、RF源は接触によってRF電流を骨ねじに運ぶ導電性ドライバ305に結合されている。図14から分かるように、本発明の方法は、骨内に骨ねじを駆動するステップと、その後移植片内に出口310(矢印参照)を通して流れる充填材料120を注入するステップとを含む。その後、RF源は充填材料120を硬化させ、それによって移植片を骨に固定するように作動される。
【0085】
図14のシステムは、臀部、膝、肩など用の関節回復成分を含むあらゆるタイプの骨移植片、骨内に固定される索または腱、再建外科用移植片、およびあらゆる他のねじ、ピン、または板などに結合することができることを理解すべきである。
【0086】
図15は、案内装置の長さを通して骨セメントを案内するための圧力要求を小さくすることを可能にする断面寸法の移行を含む、案内装置110Aの別の実施形態を示している。図15の実施形態では、近接ハンドル端部106は、椎体に挿入するように構成されたより小さな直径の遠位端部218bに移行するより大きな直径の近接端部218aを有する案内装置110Aに結合される。遠位端部218bは、セメントが椎体または他の骨に注入される場合に案内装置が近接方向に移動するのを防ぐように、例えば、VCFを治療する場合に脊柱高さを大きくするように、骨内で螺旋状前進および係合する外部ねじ山220を備える。案内装置110Aを通して延びる骨は同様に、より大きな直径の孔部分224aからより小さな直径の孔部分224bまで移行する。図15の実施形態は、案内装置の軸226から選択した径方向角度で骨セメントを噴出させて椎体内にセメント流出を向けるように、作動端部115Aの側壁内の孔終端またはスロット225を利用する。
【0087】
さらに図15を参照すると、案内装置110Aは、コントローラ125Bによって調節される前に記載したような、骨セメント源145および圧力源150に結合されている。さらに、エネルギー源125A(例えば、RF源)は孔224b内でエネルギーをセメント流に加えるように、作動端部115A内のエネルギー運搬機構に結合されている。図15の実施形態では、案内装置は図3Aに示す電極128と同様に、孔224a内および孔終端スロット225の内側のスリーブ電極228で、ポリイミド組織などの強い強化プラスチックで作ることができる。図15の電極228は、170で示す戻り接地パッドと協働して単極方法で動作するように、RF源125Aに結合されている。コントローラ125Bはまた、孔124a内の熱電対235からのフィードバックに応じて、またはセメント流のインピーダンスの測定に応じてエネルギー運搬パラメータを調節するように、RF源125Aに動作可能に連結される。図15では、コントローラ125Bはさらに、脊柱の内部に吸引力を加えて脊柱内の圧力を緩和するおよび/または静脈系内に移動することができる流体、骨髄などを抽出するように、骨に挿入することができる針状案内装置スリーブ242に結合される吸気源240に動作可能に連結される。このような吸気システムの使用を以下にさらに説明する。
【0088】
図15では、案内装置110Aは約4mmから10mmまでの範囲である、好ましくは約5mmから6mmの範囲にあるより大きな直径の孔224aを有する。より小さい直径の孔224bは、約1mmから3mmまでの範囲であってもよく、好ましくは約1.5mmから2.5mmの範囲である。外部ねじ山220は、海綿骨を把持するように構成された単一または二重射程を備えたあらゆる適切な高さであってもよい。小さな直径部218bのねじ山高さおよび長さは、脊柱内に挿入するように構成されており、それによってポート225を椎体に前部または中心で配置することができる。作動端部115Aはさらに、案内装置および骨終端ポート225の径方向角度を方向付けるように放射線不透過性マーキング244を担持する。図15では、放射線不透過性マーキング244は細長く、案内装置の側壁でポート225を囲む。ハンドル106はまた、外科医がハンドルを観察することによってポートを方向付けることを可能にするようにポート225の径方向角度を示すマーキング245を担持する。
【0089】
次に図16A〜16Cを参照すると、脊柱90内の海綿骨122内に案内した後の図15の案内装置の作動端部115Aが示されている。図16Aは、脊柱の海綿骨122および上部皮質端部板248に対して力を加えるようにセメント流入を案内するように骨終端ポート225が上部に向けられている、脊柱90の水平断面図を示している。本発明の方法は、骨セメント流入用の流れ源250(圧力源150およびセメント源145は組み合わせて、図15に流れ源250として特定されている)、および骨セメント流入の調節用コントローラ125Bを提供するステップと、骨セメントを椎体に流入させるステップにおいて、コントローラはセメントの測定した特徴に応じて流入パラメータを調節するステップとを含む。1つの方法では、測定した特徴は作動端部115Aの熱電対235によって測定される骨セメントの温度である。コントローラ125Bはあらゆるカスタム電子化コントローラであってもよい。一実施形態では、このシステムは流れ調節のためにEFD Inc., East Providence, RI02914などの、米国によって製造されている市販のコントローラであってもよく、容積式分配システムまたは空気電力式分配システムのいずれかを流れ源250に結合することができる。コントローラ125Bによって読み取られた熱電対235からのフィードバックに応じて、例えば、セメント注入圧力、骨セメント流れの流入量および速度、または骨セメント流れの加速度などの骨セメント流れのあらゆる流入パラメータを調節することができる。コントローラ125Bはまた、例えばセメント流入にパルス化して、それによって脊柱骨折を少なくする、または海綿骨または皮質骨を移動させる際に、時間と共にあらゆる流入パラメータを変化させることもできる(図16A〜16B参照)。セメント120は、骨折を治療するまたは脊柱を予防的に治療するのに適した量および幾何形状で案内することができる。
【0090】
本発明に対応する別の方法では、流れ源250、コントローラ125BおよびRfエネルギー源125Aが図15で示すように設けられている。コントローラ125Bはまた、インピーダンスおよび/または温度に応じてあらゆる骨セメント運搬パラメータを調節することが可能である。コントローラ125Bは流入セメントのセメント量、圧力、速度および加速度から選択される少なくとも1つのセメント運搬パラメータを調節する。コントローラ125Bはまた、流入するセメントの圧力を変更する、またはセメント流入をパルス化することができる。この実施形態では、コントローラ125Bはまた、上記のようにセメント粘度を変えるようにインピーダンス、温度、セメント粘度フィードバック、またはセメント流れパラメータに応じてRfエネルギー源125Aから流入セメント120まで運ばれるエネルギーを調節することが可能である。セメント粘度は、温度および圧力信号からコントローラ125Bによって算出することができる。コントローラ125Bは、1つまたは複数のステップで電力を増減させるようにアルゴリズムでプログラミングすることが可能である、または骨セメント120に電力運搬をパルス化するようにプログラミングすることができる(図16A〜16B参照)。
【0091】
図16Bおよび16Cから分かるように、流入セメント120は脊柱の海綿骨122および上部皮質端板248に対して力を加えるように案内することができる、または作動端部はセメント120を案内し、力を他の方向に加えるように回転させることができる。本実施形態では、海綿骨内の作動端部115Aの延長部は、膨張圧力をセメント流入の方向に案内させる支持体として働く。脊柱を治療する方法は、案内装置110Aを(螺旋状前進により)平行移動および回転させ、それによってセメント案内方向を変更するステップを含む。別の実施形態(図示せず)では、案内装置110Aは第1および第2の同心スリーブのアセンブリを備えることができ、外側スリーブは骨内にアセンブリを係止するねじ山220を有し、内側スリーブはポート225の角度方向を調節するように回転可能であり、スリーブは軸方向に互いに係止されている。本実施形態は、外側スリーブの螺旋状移動がポート225の軸方向位置およびセメント流出を調節しながら、セメント流出の方向を断続的に角度調節するのに使用することができる。
【0092】
本発明の別の方法では、再び図16Aを参照すると、吸気案内装置スリーブ242は例えば、対向する椎弓根を通して椎体に挿入することができる。コントローラ125Bは、あらゆる骨セメント流入パラメータと連携して吸気パラメータを変更するようにプログラミングすることができる。例えば、セメント流入をパルス化することができ、且つ吸気力を流体および潜在的に塞栓材料を抽出するように協調的にパルス化することができ、パルスは同期されている。1つの方法では、セメント流入は骨髄、脂肪、血液および同様の材料を移動させることが可能にする強い高加速度パルスで約1毎秒から500毎秒の間の範囲の周波数でパルス化され、同時に吸気パルスは吸気スリーブ242内に一部の移動骨髄などを抽出するように強い。図16Aでは、吸気スリーブ242はその遠位端で単一のポートを備えることを示している。本発明の範囲、およびその使用方法はスリーブの長さに沿って複数の流入ポートを有する吸気スリーブ242を備え、スリーブはまた湾曲させることができる、または図16Aの線260および260’で示すような椎体の後部領域の前部の湾曲経路に案内するための形状記憶合金(例えば、ニチノール:Nitinol)であってもよいと理解すべきである。別の実施形態では、吸気スリーブ242は案内装置110Aを通して延びることができる、または案内装置110A周りに外側同心スリーブを備えることができる。
【0093】
図17Aおよび17Bは、コントローラ125Bおよび圧力源150が、任意選択で(i)海綿骨内へのまたこれを通したセメント流れおよび入り込みを可能にする遅い第1の流速を提供し、(ii)海綿骨内へのおよびこれを通したセメントの入り込みおよび流れを不可能にするより高い第2の流速を提供するように、幅広く変化する加速速度および量により脊柱の内部に流動性セメントを案内するように構成される、本発明に対応する別の方法を示している。適切な高加速度および流速で、例えば骨内へのセメント流れのパルスでは、加速した流れは、セメントを海綿骨に流すことを可能にするのではなく、海綿骨を変位させることができるセメント噴出流の表面にわたって骨に力を加える。図16Aは、コントローラ125Bおよび圧力源150が作動されて、ある量のセメント120を適切な低圧により海綿骨122に流入させて、セメントを海綿骨に入り込ませ流入させることを可能にする使用法での図15のシステムを示している。図16Aに示すセメントの流れは、上記のように吸気力を加えることによって達成することができる。図17Bは、コントローラ125Bおよび圧力源150が作動されて、セメントが海綿骨の孔に流入することを不可能にする高加速量および速度でセメントを流す、方法の別の態様を示している。加速度および速度は、セメント噴出流265の表面にわたって骨に力を加えさせるセメントの入り込みを不可能にするように選択されている(図17B)。セメント噴出流265の表面にわたってこのような力を加えることはさらに、そこへのエネルギー運搬の手段によるセメント粘度を選択的に増加させることを含む、上記のような適切な高粘度セメントを提供することによって可能になる。本発明の方法は、最初にセメント入り込みを起こし(図17A)、その後に少なくとも1つの高加速度流れ(図17B)によって膨張力を骨に加えるように、セメントを骨に流入させる1つまたは複数のシーケンスを含むことができる。特に、例えばパルス内で高加速度流れを使用する方法により、セメント量が機械的エキスパンダまたはバルーンエキスパンダが骨に力を加える方法と同様に骨に力を加える。すなわち、膨張力は機械的器具が器具の骨係合表面にわたって膨張力を加える方法と同様にセメント噴出流265の表面全体にわたって加えられる。この方法は、脊柱骨折を少なくし、選択的に力を加えて海面骨および皮質骨を移動させるようになっている。
【0094】
本発明の範囲はさらに、椎間板核移植片に使用することができる要求に応じた硬化充填材料におよび、導電性充填材料は空間の形状に一致するように注入され、RF電流はその後動的安定化に適応された所望のレベルに要求に応じて材料の係数を大きくするように加えられる。したがって、RF導電性充填材料120は骨支持のために使用される硬化された充填材料のものより小さい所望の係数に到達するように設計することができる。本実施形態では、充填材料は椎間板またはその部分を支持するのに使用される。要求に応じた硬化充填材料はまた、破損およびヘルニアが生じた場合に椎間板輪を修復または継ぎ当てするように注入可能材料として構成することができる。
【0095】
本発明の範囲はさらに、椎間内融合のために脊柱間の空間内に注入するのに使用することができる硬化充填材料におよぶ。充填材料の注入は、2つの隣接する脊柱間に作り出される空間と一致することができる、または2つの隣接する脊柱間の切り欠きまたは孔および介在空間に注入することができ、その後骨融合を生じさせるように実質的に高い係数ブロックまたは高い係数ブロックを提供するようにRF電流を加えることによって硬化することができる。
【0096】
脊柱内溶融、およびVCF中の骨支持のためなどのあらゆる実施形態では、システムはさらに高圧源から注入される前に、充填材料内に気体(二酸化炭素など)を注入することを含むことができる。その後、気体は充填材料内の急速な骨内部成長を可能にするように、硬化した充填材料中に気孔率を作り出すように硬化されるときに充填材料内に空隙を形成するように膨張することができる。
【0097】
本発明の関連する方法では充填材料120は、各量が導電性充填材の異なるタイプ、例えば導電性充填材の異なる量比率または導電性充填材の異なる寸法と異なるアリコート(aliquots)内の海綿骨122に案内することができる。一実施形態では、充填材料の第2のアリコートは非導電である。
【0098】
本発明の関連する方法では、本発明のシステムは、充填材料120の粘度を変更する目的を達成するように、高周波エネルギー以外のあらゆる適切なエネルギー源を使用することができる。充填材料を変更する方法は、高周波源、レーザ源、マイクロ波源、磁気源、および超音波源の少なくとも1つであってもよい。これらのエネルギー源はそれぞれ、充填材料によって担持された協働するエネルギー感度充填材成分にエネルギーを優先的に運ぶように構成することができる。例えば、このような充填材は光源と協働する適切な発色団、磁気誘導加熱手段と協働する強磁性材料、またはマイクロ波エネルギーに熱反応する流体であってもよい。
【0099】
本発明の範囲は、多孔質足場要素などの追加の充填材料、および骨内成長を可能にするまたは加速させる材料を使用することを含む。あらゆる実施形態では、充填材料は、本明細書に全体を参照として援用し、本明細書の一部であると考えるべきである「骨治療用移植片および方法」という名称の2005年6月7日出願の米国同時係属特許出願第11/146,891号に開示されたタイプの網目状または多孔質要素を備えることができる。このような充填材はまた、生体活性剤を担持する。追加の充填材、または導電性充填材はまた、普通の骨セメント成分内で発熱反応により骨への熱伝達を少なくするようにガラスまたは他の材料の熱遮断中実または中空マイクロスフィアを備えることができる。
【0100】
本発明の上記説明は例示的なものであり、排他的であることを意図したものではない。特許請求の範囲の従属項にある特定の特徴、特性、寸法などは組み合わせることができ、本発明の範囲内にあってもよい。本発明はまた、独立請求項が別の方法では他の独立請求項を参照して多従属請求項の形式で書かれている場合の実施形態を含む。本発明の特定の特徴および機構、およびその方法は一部の図面のみに関連して記載されているが、これは簡単にするためだけである。本発明の原理は説明および実施形態の組合せで明らかにしたが、本発明の実施で変更形態を利用することができる、あるいは本発明の原理から逸脱することなく特定の環境および動作要件に適合されていることが当業者には自明であろう。追記の特許請求の範囲は、本発明の正確な権限、精神および範囲の制限のみで、あらゆる全てのこのような変更形態を含み、包含することを意図している。
【0101】
もちろん、前述の説明は、本発明の特定の特性、態様および利点の説明であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更および変形を加えることができる。さらに、骨治療システムおよび方法は、上に論じた目的、利点、特性および態様全てを特徴付ける必要はない。したがって、例えば、当業者は本明細書で教示または提示することができる他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示された1つの利点または利点の群を達成するまたは最適化する方法で具体化または実施することができることが分かるだろう。加えて、本発明のいくつかの変更形態を詳細に示し説明したが、本発明の範囲内にある使用の他の変更形態および方法は本開示に基づき当業者にはすぐに明らかになるだろう。実施形態のこれらの特定の特性および態様の様々な組合せまたは小さい組合せを行うことができ、本発明の範囲内にあることが考えられる。したがって、開示した実施形態の様々な特性および態様は、論じた骨治療システムおよび方法の様々な形態を形成するために、互いに組み合わせるまたは置換することができることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本明細書に開示した一実施形態による、圧迫骨折した脊柱を示す脊柱部分、および案内装置の略側面図である。
【図2A】一実施形態による、骨を治療するシステムの略斜視図である。
【図2B】図2Aの線2B−2Bに沿った、案内装置の作動端部の略斜視断面図である。
【図2C】脊柱の内部に充填材料を運搬するように、案内装置の一実施形態で使用するねじポンプの略図である。
【図3A】一実施形態による、プローブの作動端部の略斜視図である。
【図3B】別の実施形態による、プローブの作動端部の略斜視図である。
【図3C】さらに別の実施形態による、プローブの作動端部の略斜視図である。
【図4】一実施形態による、プローブの作動端部の一実施形態の略側断面図である。
【図5A】椎体内に挿入され、椎体内に流動性充填材料を注入するプローブの略側面図である。
【図5B】本発明の一実施形態による、椎体内に比較的高い粘度の量の流動性充填材料を注入する、図5Aのプローブの略側面図である。
【図6】別の実施形態による、骨を治療するシステムの略斜視図である。
【図7A】一実施形態による、充填材料の略断面図である。
【図7B】別の実施形態による、充填材料の略断面図である。
【図8A】別の実施形態による、骨を治療するシステムの略斜視図である。
【図8B】椎体内に追加の量の充填材料を注入する、図8Aのシステムの略斜視図である。
【図9A】一実施形態による、骨を治療する方法における1つのステップの略断面図である。
【図9B】一実施形態による、骨を治療する方法における別のステップの略断面図である。
【図9C】一実施形態による、骨を治療する方法におけるさらに別のステップの略断面図である。
【図10A】別の実施形態による、骨を治療する方法における1つのステップの略断面図である。
【図10B】別の実施形態による、骨を治療する方法における別のステップの略断面図である。
【図11A】別の実施形態による、骨を治療するシステムの略斜視図である。
【図11B】エネルギーを充填材料に加える、図11Aのシステムの略斜視図である。
【図12】別の実施形態による、骨を治療するシステムの略斜視図である。
【図13A】一実施形態による、案内装置の作動端部の側面図である。
【図13B】別の実施形態による、案内装置の作動端部の側面図である。
【図13C】さらに別の実施形態による、案内装置の作動端部の側面図である。
【図13D】さらに別の実施形態による、案内装置の作動端部の側面図である。
【図14】別の実施形態による、骨を治療するシステムの斜視図である。
【図15】一実施形態による、吸引源および案内装置の作動端部と共に、骨充填材料運搬システムの別の実施形態の斜視図である。
【図16A】脊柱のセメント注入口の方向を示す、図15と同様の、案内装置の作動端部の断面図である。
【図16B】骨セメントの初期流入を示す、図16Aの作動端部の断面図である。
【図16C】脊柱骨折を少なくするための骨セメントの追加流入を示す、図16Bの作動端部の断面図である。
【図17A】海綿骨内へのセメントの入り込みを可能にする、選択した流れパラメータで骨セメントの初期流れが与えられる、第1の動作モードを示す脊柱の断面図である。
【図17B】海綿骨内へのセメントの入り込みを不可能にする高加速度パルスでセメントの流れが与えられる、第2の動作モードを示す、図17Aと同様の脊柱の断面図である。
【符号の説明】
【0103】
90 椎体、脊柱
94 楔圧迫骨折
100 骨充填システム
105 プローブ
106 ハンドル端部
110A 案内装置
113 軸
114 椎体
115A 作動端部
118 椎弓根、流路、経路
120 充填材料、セメント
120’ 充填材料
122 海綿骨
123 ステンレス鋼管、金属スリーブ
124a 遠位終端または出口
124b 流れ出口またはポート
124c 遠位端出口
125A 遠隔エネルギー源、RF源
125B コントローラ
128 エネルギー放射装置、電極
132a 極性電極
132b 極性電極
145 源
150 圧力源または機構
150B コントローラ
152 ピストンまたはプランジャ
152’ スクリューポンプ
154 スリーブ
156 電気ケーブル
160 骨折平面
165 噴出流
166a 皮質骨
166b 皮質骨
170 戻り電極または接地パッド
172 凝塊層
174 現場硬化可能セメント成分
176a マイクロフィラメント
180 周辺または表面部
185 横周辺部
200 システム
202a 第1の量
202b 第2の量
205a 電極
205b 電極
208 表面
210 平行移動可能部材
212 電極先端
214 ポート
216 領域
218a 近接端部
218b 遠位端部
220 ねじ山
222a 同心スリーブ
222b 同心スリーブ
224 弾力性要素
224a 孔部分
224b 孔部分
225 返し、スロット、ポート
226 膨張可能バルーン構造、軸
228 管腔
235 熱電対
240 吸気源
242 針状案内装置スリーブ
244 放射線不透過性マーキング
245 マーキング
248 上部皮質端部板
250 流れ源
265 セメント噴出流
300 移植片
302 骨ねじ
305 ドライバ部材
308 管腔
310 出口
312 協働孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨の内部に充填材料を注入するために、貫通して延びる流路を備えた作動端部を有する細長い案内装置と、
前記流路に結合された充填材料源であって、前記充填材料は少なくとも1つのエネルギー吸収性およびエネルギー伝達性を有する組織を含む源と、
前記エネルギー吸収またはエネルギー伝達組織にエネルギーを加えて、前記注入した充填材料に隣接している前記充填材料、および骨構造物の少なくとも一方を変更するように構成されるエネルギー源と、
を備えたことを特徴とする骨治療システム。
【請求項2】
前記エネルギー源は、少なくとも1つの高周波源、抵抗熱源、レーザ源、マイクロ波源、磁気源、および超音波源であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記充填材料は導電性充填材を含み、前記エネルギー源は高周波(Rf)エネルギー源であり、該高周波エネルギー源は、前記充填材料にRfエネルギーを運ぶように前記案内装置の前記作動端部で少なくとも1つの電極に動作可能に連結されていることを特徴とする、請求項1および2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項4】
前記組織は、少なくとも1つの導電性媒体、発色団、強磁性組織、熱伝導組織、および高周波組織であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記エネルギー源は、前記流路内でエネルギー放出装置に動作可能に連結されていることを特徴とする、請求項1〜4および29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記エネルギー源は、前記作動端部の外部でエネルギー放射装置に動作可能に連結されていることを特徴とする、請求項1〜4および29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記エネルギー源は、第2の案内装置の作動端部により担持されるエネルギー放出装置に動作可能に連結されていることを特徴とする、請求項1〜4および29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記充填材料はさらに、重合可能成分を硬化させるように現場重合可能成分を含んでいることを特徴とする、請求項1〜7および29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記重合可能成分は、少なくとも1つのPMMA、リン酸一カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムまたはハイドロキシアパタイトを含んでいることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記作動端部内に担持された少なくとも1つの電極をさらなる特徴とする、請求項1および3〜8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電極は、前記流路内に担持されていることを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記エネルギー源からのエネルギーの適用を調節するコントローラをさらなる特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記充填材料の少なくとも1つのパラメータを監視するために前記コントローラに結合された監視手段をさらなる特徴とする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記監視手段は、少なくとも1つの温度監視手段およびインピーダンス監視手段を備えていることを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記エネルギー源は、少なくとも1つの前記充填材料の粘度、ヤング率、表面硬度、およびデュロメータを変更することが可能であることを特徴とする、請求項1〜14および29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記エネルギー源は少なくとも20%以下だけ前記充填材料の粘度を大きくすることが可能であることを特徴とする、請求項1〜15および29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記エネルギー源は、少なくとも100%以下だけ前記充填材料の粘度を大きくすることが可能であることを特徴とする、請求項1〜16および29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記エネルギー源は、少なくとも500%以下だけ前記充填材料の粘度を大きくすることが可能であることを特徴とする、請求項1〜17および29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記エネルギー源は、少なくとも1つの密封、凝集、収縮および切除する構造を含む骨構造を変更することが可能である、請求項1〜18および29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記充填材料源は、前記経路を通して脊柱内に骨充填材料の加圧流を提供するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜19および29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記骨充填材料の特徴を測定するために構成されたセンサをさらなる特徴とする、請求項1〜20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記骨充填材料の前記測定した特徴に応じて、前記骨充填材料の少なくとも1つの流れパラメータを調節するように構成されたコントローラをさらなる特徴とする、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記流れパラメータは、少なくとも1つの骨充填材料流れの速度、加速度および量であることを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記流れパラメータは圧力であることを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記センサは、温度またはインピーダンスセンサであることを特徴とする、請求項21〜24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
前記センサは、前記案内装置の遠位部に配置されていることを特徴とする、請求項21〜25のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項27】
前記案内装置は遠位端を具備しており、該遠位端は、前記細長い案内装置の軸と非平行な方向に骨充填材料流れを放射するように構成されたポートを備えていることを特徴とする、請求項1〜26のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項28】
前記ポートに近接した放射線不透過性マーカをさらなる特徴とする、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
骨の内部に充填材料を注入するように、貫通して延びる流路を備えた細長い案内装置と、
前記流路に結合された充填材料加圧源であって、前記充填材料は導電性充填材を含む源と、
前記充填材料にRfエネルギーを運ぶように前記案内装置の前記作動端部で少なくとも1つの電極に動作可能に連結された高周波(Rf)源と、
を備える骨形成システム。
【請求項30】
前記充填材料源の圧力を調節するためのコントローラをさらなる特徴とする、請求項1〜23および25〜29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項31】
前記充填材料まで運ばれるRfエネルギーの量を調節するコントローラをさらなる特徴とする、請求項2〜11、13〜28および29〜30のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項32】
前記骨部に案内される前記充填材料の量を調節するコントローラをさらなる特徴とする、請求項1〜28および29〜31のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項33】
前記骨部に案内される前記充填材料のインピーダンスに基づき電力輸送を調節するアルゴリズムを含んだコントローラをさらなる特徴とする、請求項1〜28および29〜32のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項34】
前記骨部に案内される前記充填材料の体積に基づき電力輸送を調節するアルゴリズムを含むコントローラをさらなる特徴とする、請求項1〜28および29〜33のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項35】
前記骨部に案内される前記充填材料の温度に基づき電力輸送を調節するアルゴリズムを含むコントローラをさらなる特徴とする、請求項1〜28および29〜34のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項36】
前記コントローラに動作可能に結合された前記作動端部の温度センサをさらなる特徴とする、請求項29〜35のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項37】
少なくとも1つの電極を担持するそれぞれの作動端部を備えた第1および第2の案内装置をさらなる特徴とする、請求項29〜36のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項38】
骨を把持するための前記作動端部の突出ねじ山構造をさらなる特徴とする、請求項29〜37のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項39】
膨張可能構造が、骨を把持するために、前記作動端部内においてその断面を膨張させていることをさらなる特徴とする、請求項29〜37のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項40】
骨を把持する前記作動端部の羽枝構造をさらなる特徴とする、請求項29〜37のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項41】
少なくとも1つのピストンポンプおよびスクリューポンプを含む、前記充填材料源を加圧する手段をさらなる特徴とする、請求項29〜40のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項42】
離脱機構が、その隣接部から前記案内装置の作動端部を取り外すことをさらなる特徴とする、請求項29〜41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
脊柱内の前記充填材料の少なくとも1つの流れパラメータを調節するように構成されると共に、前記充填材料が海綿骨に入り込むことが可能であることを特徴とする第1の設定と前記充填材料が海綿骨に入り込むのが防がれることを特徴とする第2の設定の間で調節可能であるコントローラをさらなる特徴とする、請求項29〜42のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項44】
前記コントローラは、調節可能な流速を提供するように構成されていることを特徴とする、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記コントローラは、調節可能な流れ加速度を提供するように構成されていることを特徴とする、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記コントローラは、充填材料の前記加圧流をパルス化するように構成されていることを特徴とする、請求項43〜45のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項47】
前記コントローラは、1パルス毎秒から500パルス毎秒の間の速度で前記加圧流をパルス化していることを特徴とする、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
現場硬化可能成分と、
骨充填材料が電極として働くことを可能にする導電性充填材成分と、
を含んでいることを特徴とする骨充填材料。
【請求項49】
前記現場硬化可能成分は、少なくとも1つのPMMA、リン酸一カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムまたはハイドロキシアパタイトを含んでいることを特徴とする、請求項48に記載の骨充填材料。
【請求項50】
前記導電性充填材成分は生体適合性金属または炭素であることを特徴とする、請求項48および49のいずれか1項に記載の骨充填材料。
【請求項51】
前記金属は、少なくとも1つのチタン、タンタル、ステンレス鋼、銀、金、白金、ニッケル、錫、ニッケルチタン合金、パラジウム、マグネシウム、鉄、モリブデン、タングステン、ジルコニウム、亜鉛、コバルトまたはクロム、およびその合金を含んでいることを特徴とする、請求項50に記載の骨充填材料。
【請求項52】
前記導電性充填材成分は、少なくとも1つのフィラメント、粒子、マイクロスフィア、球体、粉末、粒、フレーク、顆粒、結晶、ロッド、細管の形状をしていることを特徴とする、請求項48〜51のいずれか1項に記載の骨充填材料。
【請求項53】
前記導電性充填材成分は、中実、多孔質および中空の少なくとも1つであることを特徴とする、請求項48〜52のいずれか1項に記載の骨充填材料。
【請求項54】
前記導電性充填材成分は、導電性クラッドを備えた非導電性芯部を備えていることを特徴とする、請求項48〜53のいずれか1項に記載の骨充填材料。
【請求項55】
前記非導電性芯部は、ガラス、セラミック、およびポリマー材料からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項54に記載の骨充填材料。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【公表番号】特表2008−522667(P2008−522667A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544613(P2007−544613)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/044055
【国際公開番号】WO2006/062939
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(507185451)ディーエフアイエヌイー・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】