説明

高い安定性を有する高分子電解質、電気化学的システムにおけるその使用

少なくとも1種の4分枝重合体、少なくとも1種のポリ(ビニリルジエンフルオリド)、ポリ(ビニルジエンフルオロ−コ−ヘキサフルオロプロペン)共重合体、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−コ−プロピレン−コ−5−メチレン−2−ノルボルネン)またはエチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリオール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、SiOAl、或いは有機材料で被覆されたまたは被覆されていないナノTiOを含む、電気化学的発電装置のための高分子電解質。この電解質は、高性能の電気化学的装置に用途がある電解質組成物の製造を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
本発明は、高性能、特に高安定性を有する電解質および電解質組成物に、およびこれらの電解質および/またはこれらの電気化学的組成物を使用する電気化学的システムに関する。
技術状態
3rd Rechargeable Battery Seminar, Beerfield Beach, F1(1990)においてT. Naguraによって説明されたソニー社製リチウムイオン電池のマーケティングは、電話およびコンピュータのような携帯電子装置の分野においてそれら電池の拡大と重要な前進を可能にした。Liイオン電池の技術はリチウムのインターカレーションがある電極に基づく;アノードはグラファイトより成り、そしてカソードは金属酸化物(LiCoO、LiMnO、LiNiO)より成る。第一充電中に炭素表面において不動態皮膜が形成される。この不動態皮膜の化学および組成は複雑である。この皮膜の電気化学的プロトコルは工業秘密である。1990年から1999年まで、Liイオン電池の化学は液体電解質の使用に本質的に基づいていた。同じ化学を電気自動車の分野における応用のための大きな容積に対して外挿することは、この電池の安全確保を大きな規模で必要とする液体電解質の反応性の故に疑問なままである。
【0002】
1999年の初めに、所謂《Liイオン重合体》技術が、特に日本の企業によって市場に出された。この技術はゲル化重合体(《ゲル》)を電解質として用いるもので、電解質中の重合体の割合は5重量%から10重量%まで変わる。アノードはグラファイトタイプのものであり、カソードはLiCoO2タイプのものである。この技術の平均電圧は3.6ボルトである。この技術の利点の1つは、特にプリズム形状の発電装置(generators)の、要求がますます多くなっている単純化にある。遊離液体がないことは、可撓性かつ不浸透性である、質量および容積の比エネルギーの増加を伴うタイプ《金属プラスチックラミネート》の包装材料の使用を可能にする。この技術を利用することによって得られる電気化学的な動力は、しかし、放電速度<2C(30分での充電−放電)に制限される。
【0003】
発電装置におけるポリエーテルの電解質としての使用は、米国特許−A−第5,356,553号明細書においてDKS社によって、米国特許−A−第5,436,090号明細書においてYuasa Inc.によって、および米国特許−A−第6,280,882号明細書においてHydro-Quebec社によって説明された。これらの特許明細書に挙げられているポリエーテルは電圧<3.9ボルトにおいて安定であって、バナジウム酸化物タイプのカソードを2.2〜3.4ボルトの間で使用するか、または、最近では、3.5ボルトの一定電圧で動作するLiFePOタイプのカソードを使用する、Hydro-Quebec社によって開発されたもののような高分子電解質技術に適合性である。代わって、このタイプのポリエーテルは、LiMnまたはLiCoPO系カソードを用いる4または5ボルトタイプのカソードでは不安定であるように思われた。
【0004】
これらの技術は、12Cの収率(yield)(5分での充電−放電)まで達するエネルギーおよび電力を有することを可能にする。この技術は、Li/Liに対しては4ボルトより高い電圧において機能する。この技術を使用する発電装置の安全確保を高め、そして有効エネルギー密度をさらに増大させるために、安定な高分子ゲル電解質は>4ボルトの電圧で使用されなければならない。
【0005】
他方、星型の重合体は、ポリエーテルの場合を含めて、不安定性を示す結晶化する傾向を減少させるのを可能にすることが知られている。グリセロールまたはトリメチロールプロパンから誘導される、3つの分枝鎖を持つ星型の重合体が、アクリレートまたはメタクリレート末端基を介して架橋できる高分子電解質を構成するために使用されてきた。
【0006】
従って、従来技術の電解質の欠点の一部を取り除いている、良好なサイクリング中安定性を有する電解質および電解質組成物の必要があった。
発明の要旨
本発明は、実質的な電気化学的安定性を有する少なくとも1種の4分枝重合体に基づく高分子電解質に関する。HVSP(High Voltage Stable Polymer:高電圧安定性重合体)とも称されるこの高分子電解質は、電気化学的システムで有利に使用することができる。
【0007】
本発明は、また、本発明の高分子電解質を架橋させることによって得られる電解質組成物に関する。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、乾燥または可塑性重合体の製造を可能にする方法、および、特にハイブリッドスーパーコンデンサーおよび電気化学的発電装置の分野におけるその使用に関する。
【0009】
最後に、本発明は、本発明による少なくとも1種の電解質および/または少なくとも1つの電解質組成物を含む電気化学的装置、特にスーパーコンデンサーに関する。
【0010】
本発明は、また、乾燥または可塑性重合体の製造を可能にする方法、並びに、特にハイブリッドスーパーコンデンサーおよび電気化学的発電装置の分野におけるその使用に関する。
発明の一般的説明
本発明の範囲内で、表現・電気化学的装置は、特に電池、スーパーコンデンサーおよびハイブリッドスーパーコンデンサーをカバーする。
【0011】
電池は、挿入物質または導電性重合体を用いて製造された少なくとも1つのアノードおよび1つのカソードを含む電気化学的装置である。
【0012】
スーパーコンデンサーは、挿入なしの少なくとも2つの二重層電極を含み、そしてそれは挿入反応には頼らない。
【0013】
ハイブリッドスーパーコンデンサーは、少なくとも1つの挿入電極および少なくとも1つの二重層電極を含む。
【0014】
電池またはスーパーコンデンサーは、一般に、次のとおり表される:
【0015】
【化1】

【0016】
本発明の第一の目的は電気化学的発電装置用の高分子電解質の族に存し、その高分子電解質は:
−好ましくはハイブリッド末端基、なおもさらに好ましくはハイブリッドアクリレート(好ましくはメタクリレート)およびアルコキシ(好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ、なおもさらに好ましくはメトキシまたはエトキシ)末端基またはビニル末端基を有する少なくとも1種の4分枝重合体にして、その4分枝重合体の少なくとも1つの分枝鎖(好ましくは少なくとも2分枝した)は架橋を起こすことが可能であるそのような少なくとも1種の4分枝重合体;
次のファミリーから選ばれる少なくとも1つの成分:
化学式(CH−CF(式中、nは、好ましくは1,000〜4,000の間で変わり、好ましくはnは150付近となるように)の(PVDF)とも称されるポリ(ビニリルジエンフルオリド)であって、好ましくは10,000〜1,000,000の平均分子量を有するもの、より好ましくはさらに100,000〜250,000の平均分子量を有するものと;
式[(CH−CF(CF−CF(CH))1−x(式中、nは1,000〜4,000の間で変わり、好ましくはnは2,000から3,000まで変わり、より好ましくはさらにnは150付近であり、そしてxは好ましくは0.15〜0.5の間で変わる)の(PVDF−HFP)とも称されるポリ(ビニリジエンフルオロ−コ−ヘキサフルオロプロペン)共重合体であって、好ましくは10,000〜1,000,000の平均分子量を有するもの、より好ましくはさらに100,000〜250,000の平均分子量を有するものと;
化学式(CF−CF(式中、nは5から20,000まで変わり、好ましくはnは50から10,000まで変わる)の(PTFE)とも称されるポリ(テトラフルオロエチレン)であって、好ましくは500〜5,000,000の平均分子量を有するもの、より好ましくはさらに5,000〜1,000,000、好ましくは約200,000の平均分子量を有するものと;
ポリ(エチレン−コ−プロピレン−コ−5−メチレン−2−ノルボルネン)またはEPDMとも称されるエチレン−プロピレン−ジエン共重合体であって、好ましくは10,000〜250,000、好ましくは20,000〜100,000の平均分子量を有するものと;
ポリオール、好ましくは:
好ましくは50,000〜1,000,000の平均分子量を有するポリビニルアルコール、またはOH基の一部がOCH、OC、OCHOH、OCHCH(CH)OH、OC(=O)CHまたはOC(=O)Cで置換されている、好ましくは5,000〜250,000の平均分子量を有するセルロース、および/または
エチレンオキシド縮合生成物であって、好ましくは1,000〜5,000の平均分子量を有する、好ましくは純粋な、またはグリセロール若しくはトリメチロールプロパン上のプロピレンオキシドと混合状態にあり、そして場合により式(O=C=N)−R(式中、2<x<4であり、そしてRは基(O=C=N)による多官能性を保証するアリール基またはアルキル基を表す)のジまたはトリ−イソシアネートにより多分架橋されているもの、などのポリオールと
から選ばれる少なくとも1種の成分;
式[(CH−C(CH))/(COCH)](式中、nは、好ましくは100〜10,000の間で変わり、より好ましくはさらにnは500から5,000まで変わる)の(PMMA)とも称されるポリ(メチルメタクリレート)であって、好ましくは10,000〜1,000,000の平均分子量を有するもの、好ましくは50,000〜500,000の平均分子量を有するもの;
化学式[(CH−CH(CN))](式中、nは150から18,800まで変わり、なおもさらに好ましくはnは300から4,000まで変わる)の(PAN)とも称されるポリ(アクリロニトリル)、好ましくは10,000〜1,000,000の平均分子量を有するもの、なおもさらに好ましくは20,000〜200,000の平均分子量を有するもの;
SiO−Al;および
被覆されていない、または、好ましくは米国特許−A−第6,190,804号明細書の第1欄および第2欄において定義されている重合体の1種または2種以上と相溶性である(即ち、安定であるおよび/または二次的寄生反応を生じさせない)有機物質であって、好ましくは少なくとも1種のポリオールおよび/または1種のポリエチレン−ポリオキシエチレン共重合体を含む群から選ばれる該有機物質、および/または好ましくはSiOおよび/またはAlである無機物質で被覆されているナノTiO
に基づく上記高分子電解質。
【0017】
4分枝重合体は、米国特許−A−第6,190,804号明細書の第1欄および第2欄において定義されているものの1つであるのが好ましい。この米国特許明細書は言及することによって本出願に含められる。
【0018】
この重合体は、次の基:アクリレート若しくはメタクリレートおよびアルコキシ、アリルオキシおよび/またはビニルオキシ(これら基の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つは架橋を可能にするために活性である)を含む末端基を持つ少なくとも4つの分枝鎖を有するポリエーテルタイプの星形状重合体であるのが好ましい。この重合体を含む本発明による電解質組成物の安定性電圧は、明らかに4ボルトより高い。
【0019】
本発明の1つの好ましい態様によれば、4分枝重合体は、好ましくは高分子量を有し、そして式(I)
【0020】
【化2】

【0021】
に相当する4官能性重合体である:但し、上記の式において、RおよびRは各々水素原子または低級アルキル(好ましくは、炭素原子1〜7個)を表し;Rは水素原子またはメチル基を表し;mおよびnは0に等しいかまたは0より大きい整数を表し;各高分子量鎖において、m+n≧35であり;そして各R、R、R、並びにmおよびnパラメーターの各々は4つの高分子量鎖において同一または異なることができる。
【0022】
本発明のもう1つの好ましい態様によれば、高電圧安定性重合体(HVSP)は、ハイブリッド末端基(アクリレート若しくはメタクリレートおよびアルコキシ、アリルオキシ、ビニルオキシ)を持つ少なくとも4つの分枝鎖を有する星型ポリエーテルより成る。その安定性電圧は明らかに4ボルトより高い。
【0023】
本発明の1つの好ましい態様によれば、高分子電解質は、好ましくは、LiTFSIのようなリチウム塩、または塩類と、好ましくは有機溶媒より成る可塑剤との混合物をさらに含んでいる。
【0024】
もう1つの有利な態様によれば、溶媒または可塑剤の非存在下における高分子電解質は、その重合体マトリックス中に(イオン伝導性を保証する)リチウム塩または塩類の混合物を加えることによって得られる乾燥形態(溶媒を含まない)をしている。好ましリチウム塩は、タイプ:LiN(SOCF;LiTFSI、LiN(SO;BETI、LiC(SOCF、LiBF、LiPF、LiClO、LiSOCF、LiAsFのものである。
【0025】
もう1つの有利な態様によれば、本発明の高分子電解質は、好ましくはエチレンカーボネート類、プロピレンカーボネート類、γ−ブチロラクトン類、ジメチルカーボネート類、ジエチルカーボネート類、テトラエチル−スルホンアミド類およびメチル−エチルカーボネート(EMC)類より成る群から選ばれる有機溶媒の少なくとも1つの混合物より成る可塑剤を含む。
【0026】
本発明の第二の目的は、本出願の第一の目的による少なくとも1種の高分子電解質から得られる、好ましくはその電解質の成分をそれらの架橋を可能にする条件に付すことによって得られる電解質組成物より成る。
【0027】
1つの有利な態様によれば、架橋はUVによって、熱処理によって、および/または電子ビーム(EB)によって行われる。
【0028】
少なくとも1種のリチウム塩の存在下で架橋することによって得られる電解質組成物が特に興味深い。
【0029】
リチウム塩の非存在下で架橋することによって得られるものも興味深い。これらの電解質組成物は反応器中で製造することができるが、電池中でも、或いはハイブリッドスーパーコンデンサー中でも、後者が一旦造られると、製造することができる。単に、電池またはハイブリッドスーパーコンデンサー中に本発明の高分子電解質を導入し、そしてその場で架橋を行うことで十分である。
【0030】
架橋は:
50〜100℃の温度において、好ましくは60〜80℃の温度において;および/または
5分〜8時間の期間、好ましくは1〜4時間の継続期間の間;および/または
好ましくはペルオキシド類、ヒドロペルオキシド類およびペルエステル類を含む群から選ばれる架橋触媒(好ましくは、この触媒はペルオキシカーボネート類のような有機ペルオキシド類(ベンゾイルペルオキシドまたはアゾ化合物)より成る群から選ばれる)の存在下で有利に行われる。
【0031】
1つの有利な態様によれば、上記電解質組成物はゲルの形態をしており、この形態は、好ましくは、ドクターブレード塗布法によって、または射出によって得られる。
【0032】
もう1つの有利な態様によれば、上記の電解質組成物は固体の形態をしており、この形態はドクターブレード塗布法によって、または押し出しによって得られる。
【0033】
本発明の第三の目的は、電池、スーパーコンデンサーまたはハイブリッドスーパーコンデンサーのような電気化学的装置であって:
本発明の少なくとも1種の電解質、および/または本発明による少なくとも1つの電解質組成物;
好ましくはLiTi12タイプの電気活性アノード;および
LiCoPOおよび/またはLi(Mn0.66Ni0.34)O等から製造されたもののような3.5〜5ボルトタイプのカソード
を含む上記の電気化学的装置にある。
【0034】
本発明によるもう1つの有利なスーパーコンデンサーは:
本発明による少なくとも1種の高分子電解質および/または少なくとも1つの電解質組成物;
好ましくはLiTi12タイプの電気活性アノード;および
好ましくは大きな表面積を持つ炭素タイプの電気活性カソード
を含む。
【0035】
炭素は2m/gに等しいかまたはそれより大きく、かつ2500m/gに等しいかまたはそれより小さい比表面積を有する粒子の形態をしている、好ましくは50m/gに等しいかまたはそれより大きい、好ましくは50〜2400m/gの比表面積を有する粒子の形態をしている。
【0036】
1つの有利な態様によれば、電気活性カソードは導電性重合体タイプのものであって、好ましくはポリアニリン類および/またはポリチオフェン類、および/または好ましくは3−アリールチオフェン類の族から選ばれるアリールチオフェン類のような、少なくとも1種の高電圧を有する導電性重合体より成る。
【0037】
好ましくは、電気活性アノードは、好ましくは天然および/または合成グラファイトおよび/または高結晶性炭素から造られたGIC(グラファイトインターカレーション化合物)タイプのものであって、炭素は、好ましくは、電極を構成するために用いられる前に2000℃(摂氏2000度)より低い温度において熱処理される。
【0038】
特に有利な別態様によれば、これらの電気化学的装置において、電気活性アノードは低結晶性タイプの炭素、好ましくは摂氏2000°に等しいかまたはそれより低い温度で処理された炭素、および/または硬質炭素の層より成る。
【0039】
好ましくは、本発明による電気化学的装置またはスーパーコンデンサーは、AlLiおよび/またはLi4.4Sn22等のようなリチウム合金タイプの電気活性アノードを有する。
【0040】
特に興味深い他の電気化学的装置またはスーパーコンデンサーに、電気活性カソードが4ボルトカソードであって、好ましくはLiCoO、LiMnおよび/またはLiNiO、或いはこれら元素のレドックス対を単独でまたは混合物として含んでいる化合物より成る群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から造られているものがある。
【0041】
例として、機能を高度に奏するスーパーコンデンサー装置は金属リチウムタイプの電気活性アノードを用いて製造される。
【0042】
それ故、本発明の1つの目的は、明細書第17頁の説明において定義される方法によって測定される、4ボルトより高いサイクリング中安定性を有する任意の電気化学的装置を提供することである。
発明の好ましい態様の説明
本発明の第一の好ましい態様は図1で説明される。アノードおよびカソードの動作は図中でそれらそれぞれの平均電圧によって描かれている。
【0043】
電池またはスーパーコンデンサーは、一般に、次のように表される:
【0044】
【化3】

【0045】
4つのタイプのアノード、即ち次のアノード:
金属リチウム;
炭素およびグラファイト;
リチウム系合金;および
LiTi12
の動作が図1に描かれている。
【0046】
2つのタイプのカソード、即ち次のカソード:
4ボルト(LiCoO、LiMn、LiNiO);および
5ボルト(LiCoPO、大きな表面積を有する炭素:二重層炭素)
の動作が図1に描かれている。
【0047】
本発明の枠組み内において、大きな表(比)面積を有する炭素は、50m/グラムより大きい比表面積を有する炭素である。さらに詳しくは、図1の場合、大きな表面積を有する炭素は80m/グラムの表面積を有する。
【0048】
図1で言及される電気化学的装置の全てのタイプにおいて試験される、本発明の電解質を前記で定義される式(I)に従って確実に使用できるようにするために、その重合体は還元下および酸化下で安定でなければならない。上記の性質を兼ね備える唯一の重合体は、HVSP(化学名)とも称される本発明による高分子電解質である。この重合体は、ハイブリッド末端基(アクリレートおよびアルコキシ)を持つ少なくとも4つの分枝鎖を有する星形状ポリエステルに基づく。その安定性電圧は明らかに4ボルトより高い。あらゆる予想に反して、この重合体の構造は、その重合体の化学的安定性、従ってその電気化学的安定性に影響を及ぼさないことが認められた。驚くべき、そして解明されていない仕方で、本発明の電解質および電解質組成物中における少なくとも4つの分枝鎖を有する星形状重合体は、前述の線状または3分枝星形状重合体の1つ(<3.9ボルトにおいて安定)よりも明らかに高い安定性範囲を有することが見いだされた。
【0049】
HVSPグラファイトの物理化学的相溶性は、グラファイトの表面において安定な不動態皮膜を形成すること、そして4ボルト以上で動作するカソードにより良好な長期サイクリング性(cycling property)を確実に得ることを可能にする。
【0050】
この発明で使用されるHVSPはDKS社、日本によって製造され、それは商標名・ELEXCEL MP210-1で表される。室温では、この重合体は透明な粘稠液体の形をしており、次の物理化学的性質を有する:
【0051】
【表1】

【0052】
この重合体は、ハイブリッド末端基(アクリレートおよびアルコキシ)を持つ3つの分枝鎖を有する。アクリレート末端基はその重合体を架橋させるのに役立つ。架橋は、UV線によるか、《電子ビーム》について(EB)とも称される電子ビームによるか、または適切な開始剤を選ぶことによる熱的方法によるかのいずれかによる多くの方法を用いることによって行うことができる。
【0053】
アクリレート、メタクリレート、アリルオキシまたはビニルオキシ末端基が重合体の架橋を確実に達成するために利用され、またアルコキシ末端基(1つまたは複数)は酸化中に重合体の安定性を保証するために利用されることは明らかである。酸化電流による重合体の動作電圧限界を検出するために、図2に描かれる新しい電気化学的方法を用いた。本発明の好ましい態様によれば、カソードは、アルミニウム集電装置上に分散された重合体と大表面積炭素との複合材料である。炭素について生じせしめられた表面のため、この材料は検出器として作用し、そして2μA程度の低い電流の強さを持つどんな酸化電流も検出することができる。Celgard(登録商標)のようなポリオレフィンタイプの微孔質膜の中に飽和させた(soaked)固体形態または液体形態の上記電解質は、高電圧において安定である。
【0054】
アノードは参照電極として、および対極として役立つ金属リチウムから造られる。
【0055】
使用される電気化学的方法は、10mV/時の走査速度により使用される徐速シクロボルタンメトリー(slow cyclovoltammetry)である。この方法は酸化電流を電圧の関数として示す:電流がゼロに近い各時間に重合体の作動電圧は安定している。
【0056】
図3は、HVSP重合体系電極に有利に適用することが可能である色々な技術的構成を図解するものである;即ち、
技術(I)−LiTi12/HVSP/炭素:ハイブリッドスーパーコンデンサー
この構成において:
−LiTi12は挿入アノードを表し、HVSPは電解質および隔離板であり、カソードは大きな比面積、即ち50m/グラムより大きい、好ましくは500〜2500m/グラム、なおもさらに好ましくは約2400m/グラム(グラファイトの場合は、グラファイトの内部平面の理論的限界に相当する約1200m/グラム)の比面積を持つ炭素に基づき(好ましくは、グラファイトに基づき);このカソードに関連する機構は二重層(CDL)である;
−電解質は2つの形態で現れることができる:
・乾燥形態であって、40〜85重量%、好ましくは約50重量%の重合体マトリックスを含み、残りがイオン伝導性を確実に達成するためにリチウム塩または塩類の混合物であり、それらの塩が、好ましくは、LiN(SOCF;LiTFSI;LiN(SO;BETI;LiC(SOCF;LiBF;LiPF;LiClO;LiSOCFおよびLiAsFを含む群から選ばれる形態;
・ゲルであって、5〜75重量%のELEXCEL重合体および95〜25重量%の可塑剤を含み、この可塑剤がEC(エチレンカーボネート)、PC(プロピレンカーボネート)、γ−GBL(γ−ブチロラクトン)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、TESA(テトラエチル−スルホンアミド)、エチル−メチルカーボネート(EMC)のような有機溶媒の混合物であり、上記の塩または塩類の混合物は上記可塑剤に対して0.75から2モルまで変わる濃度で存在する形態。
【0057】
技術(I)の使用は、電極材料を4ボルト超で動作させるのを可能にする。また、LiTi12の使用は電気化学的システムを前もって形成することを必要としないことにも注目されたい。
技術(II)−グラファイト/HVSP/炭素:ハイブリッドスーパーコンデンサー
この構成において、グラファイトは挿入アノードを構成し、HVSPは電解質および隔離板であり、カソードは大きな表面積を持つ炭素に基づき、このカソードに関連する機構は二重層タイプ(CDL)のものである。
【0058】
電解質は2つの形態をしている:
−乾燥形態であって、40〜85重量%、好ましくは約50重量%の固体重合体を含み、残りがイオン伝導性を確実に達成するためにリチウム塩または塩類の混合物より成り、それらの塩が、好ましくは、LiN(SOCF;LiTFSI、LiN(SO;BETI;LiC(SOCF;LiBF;LiPF;LiClO;LiSOCFおよびLiAsFより成る群から選ばれる形態;
−ゲルであって、5〜75重量%の重合体材料および95〜25重量%の液体可塑剤を含み、この可塑剤がEC(エチレンカーボネート)、PC(プロピレンカーボネート)、γ−GBL(γ−ブチロラクトン)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、TESA(テトラエチル−スルホンアミド)、エチル−メチルカーボネート(EMC)のような有機溶媒の混合物であり、上記の塩または塩類の混合物は上記溶媒中に上記可塑剤に対して0.75から2モルまで変わる濃度で存在する形態。
【0059】
技術(II)の使用は、材料の安定性を>4.5ボルトに到達させることを可能にする。高分子電解質HVSPは還元下で安定であり、そしてグラファイトの表面において不動態皮膜を多分形成するのを可能にする。それは酸化下で安定であり、そして良好なサイクリング性を確実に得ることができる。《先行電気化学的形成》は、電気化学的発電装置を用いる前に適切なサイクリングシーケンスを通じて行われなければならない。
技術(III)−LiTi12/HVSP/カソード5ボルト(LiCoPO):Liイオン
アノードおよびカソードは挿入材料であり、HVSPは電解質である。
【0060】
電解質は2つの形態をしている:
−乾燥形態であって、40〜85重量%、好ましくは約50重量%の重合体マトリックスを含み、残りがイオン伝導性を与えるためにリチウム塩または塩類の混合物より成り、それらの塩が、好ましくは、LiN(SOCF;LiTFSI;LiN(SO;BETI;LiC(SOCF;LiBF4;LiPF;LiClO;LiSOCFおよびLiAsFより成る群から選ばれる形態;
−ゲルであって、5〜75重量%のゲルおよび重合体マトリックス並びに95〜25重量%の可塑剤を含み、この可塑剤がEC(エチレンカーボネート)、PC(プロピレンカーボネート)、γ−GBL(γ−ブチロラクトン)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、TESA(テトラエチル−スルホンアミド)、エチルメチルカーボネート(EMC)のような有機溶媒の混合物であり、上記の塩または塩類の混合物は上記可塑剤に対して0.75から2モルまで変わる濃度で存在する形態。
【0061】
技術(III)の使用は、材料の安定性を>4.5ボルトに到達させるのを可能にする。LiTi12の使用は電池の先行形成を必要としない。
技術(IV)−グラファイト/HVSP/カソード5ボルト(LiCoPO):Liイオン電池
この構成において、アノード(グラファイト)およびカソードは挿入材料であり、HVSPは電解質および隔離板を構成する。このアノードに関連する機構はGICタイプ(グラファイトインターカレーション化合物)のものである。
【0062】
電解質は2つの形態をしていることができる:
−乾燥形態であって、40〜85重量%、好ましくは50重量%の重合体マトリックスを含み、残りがイオン伝導性を確実に達成するためにリチウム塩または塩類の混合物より成り、それらの塩が、好ましくは、LiN(SOCF;LiTFSI;LiN(SO;BETI;LiC(SOCF;LiBF;LiPF;LiClO;LiSOCFおよびLiAsFより成る群から選ばれる形態;
−ゲルであって、5〜75重量%のゲルおよび重合体マトリックス並びに95〜25重量%の可塑剤を含み、この可塑剤がEC(エチレンカーボネート)、PC(プロピレンカーボネート)、γ−GBL(γ−ブチロラクトン)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、TESA(テトラエチル−スルホンアミド)、エチルメチルカーボネート(EMC)のような有機溶媒の混合物であり、上記の塩または塩類の混合物は上記可塑剤に対して0.75から2モルまで変わる濃度で存在する形態。
【0063】
技術(IV)の使用は、材料の安定性を>4.5ボルトに到達させるのを可能にする。HVSP重合体は還元下で安定であり、そしてグラファイトの表面において不動態皮膜を形成することができる。それは酸化下で安定であり、そして良好なサイクリング性を確実に得ることができる。先行形成がスーパーコンデンサーの前に行われなければならない。
【0064】
次の実施例は例示説明として与えられるだけであって、本発明の目的の何らかの種類の限定を構成すると解されるべきではない。
実施例1−重合体ゲル・ELEXCEL MP210-1:電解質およびバインダーの酸化下における安定性の試験
80重量%の4分枝星形状重合体・ELEXCEL MP210-1を、20重量%の、分子量500,000g/モルのPVDF(KUREHA、日本、KF 1300)と混合して重合体マトリックスを与える。
【0065】
次に、78重量%のこの重合体マトリックスを、22重量%の、100〜250nmの粒径を有するShawinigan炭素と混合する。
【0066】
この混合物をアルミニウム集電装置上に分散させ、その後に窒素の流れの下で12時間中ずっと加熱する。次いで、乾燥を真空下で2時間中に完了させる。かくして得られた電極を、EC+DMC−1M LiClO電極で飽和されたCelgard(商品番号2300)により分離されているリチウム金属電極に対面するように取り付ける。
【0067】
実施される電気化学的試験は、3〜4.5ボルト間での徐速シクロボルタンメトリー(10mV/時)である。3〜5ボルトのこの電圧範囲において、酸化電流が約3.9ボルトにおいて有意に増大する標準の3分枝ポリエーテルと比較して、酸化下における安定性が得られた。
実施例2−重合体ゲル・ELEXCEL MP210-1:電解質の酸化下における安定性の試験
Shawinigan炭素複合材料(20重量パーセント)をタイプPVDFのバインダー(80重量パーセント)と混合する。電極を手作業で作る。この電極を作用電極として使用する。金属リチウムを、化学電池において参照電極としてのみならず対極としても用いる。
【0068】
DKS社ロット8K1201からの重合体・ERM-1 ELEXCEL(4つの分枝鎖)をTomiyamaからのEC/GBL中1.5MのLiBFと混合し、そしてAkzo Nobel社からのPerkadox-16熱開始剤を、割合:100グラムの溶液・ERM1(EC:GBL+LiBF)(ERM1/(EC:GBL+LiBF)の重量比は(90:10)であることを知っている)中0.102グラムのPerkadox-16(1000ppm)で添加することによって高分子電解質を調製する。
【0069】
図4は、赤外線現場重合を80℃の温度において行うのに使用した実験装置を示す。1時間の処理後にゲルが完全に形成され、それは透明な色のものである。上記の3つの電極をMacPile(登録商標)タイプのサイクリング装置に接続する。電気化学的試験を実施例1におけるように行う。図5は、重合体ゲルの酸化壁(oxidation wall)を示す:100μAの電流値で測定された安定性壁(stability wall)の電圧は4.7ボルトである。
実施例3−重合体ゲル・ELEXCEL MP2101 1/TiO2(XP-416):電解質の酸化下における安定性試験
実施例2におけると同じShawinigan炭素複合材料をタイプPVDFのバインダーと混合する。この複合材料から電極を手作業で作る。この電極を3電極タイプの電気化学的装置中で作用電極として使用する。金属リチウムを参照電極としてのみならず対極としても用いる。DKS社ロット8K1201からの重合体・ERM-1 ELEXCEL(4つの分枝鎖)をTomiyamaからのEC/GBL中1.5MのLiBFと混合し、そしてAkzo Nobel社からのPerkadox 16熱開始剤を、割合:0.101グラムのPerkadox 16(1000ppm)、100グラムのERM1/(EC:GBL+LiBF)溶液、および0.506グラムのTiOナノ(Kronos社からのXP-416)で添加することによって高分子電解質を調製する。ERM1/(EC:GBL+LiBF)の重量比は(90:10)である。
【0070】
図4は、80℃の温度における赤外線現場重合のために使用した実験装置を示すもので、1時間後にゲルが完全に形成され、それは白っぽい色のものである。上記の3つの電極をMacPile(登録商標)タイプのサイクリング装置に接続する。安定性試験を実施例1におけるように行った。図5は重合体ゲルの酸化壁を示す:100μAで測定された安定性壁の電圧は4.8ボルトである。
実施例4−重合体ゲル・ELEXCEL MP210-1/TiO(XP-413):電解質の酸化下における安定性の試験
実施例2におけると同じShawinigan炭素複合材料をPVDFタイプのバインダーと混合する。この複合材料からその足をアルミニウム支持体上に置くことによって電極を作る。この電極を3電極タイプの電気化学的システム中で作用電極として使用する。金属リチウムを参照電極としてのみならず電極としても用いる。DKS社ロット8K1201からのERM-1 ELEXCEL(4つの分枝鎖)をTomiyamaからのEC/GBL(1:3)中1.5MのLiBFと混合し、そしてAkzo Nobel社からのPerkadox 16熱開始剤を、0.050グラムのPerkadox 16(500ppm)、100グラムのERM1/(EC:GBL+LiBF)溶液、0.105グラムの、無機表面処理(AlおよびZrO)およびポリオールに基づく第二の有機表面処理によるTiOナノルチル(Kronos社のXP-413)の割合で添加することによって高分子電解質を調製する。ERM1/(EC:GBL+LiBF)の重量比は(90:10)であることを知っている。図4は、摂氏80°の温度における赤外線現場重合のために使用した装置を示すもので、1時間後にゲルが完全に形成され、それは白っぽい色のものである。上記の3つの電極をMacPile(登録商標)タイプのサイクリング装置に接続する。電気化学的安定性の試験を実施例1におけるように行う。図5は、重合体ゲルの酸化壁を示す。100μAの電流を用いて測定された安定性壁の電圧は4.57ボルトである。
実施例5−重合体ゲル・ELEXCEL MP210-1/TiO(XP-415):電解質の酸化下における安定性の試験
Shawinigan炭素複合材料(実施例2におけると同じ)をPVDFタイプのバインダーと混合する。この電極を作用電極として使用する。金属リチウムを参照電極としてのみならず対極としても用いる。DKS社ロット8K1201からの重合体ERM-1 ELEXCEL(4つの分枝鎖)をTomiyamaからのEC/GBL(1:3)中1.5MのLiBFと混合し、そしてAkzo Nobel社からのPerkadox 16熱開始剤を、0.050グラムのPerkadox 16(500ppm)、100グラムの溶液・ERM1/(EC:GBL+LiBF)、および0.105グラムの、無機表面処理(Al、SiOおよびZrO)並びにポリオールに基づく第二の有機処理によるTiOナノルチル(Kronos社のXP-413)の割合で添加することによって高分子電解質を調製する。重量比ERM1/(EC:GBL+LiBF)は(90:10)であることを知っている。図4は赤外線現場重合のために使用した装置を示す。摂氏80°の温度において1時間後にゲルが完全に形成され、それは白っぽい色のものである。上記の3つの電極をMacPile(登録商標)タイプのサイクリング装置に接続する。電気化学的安定性試験を実施例1におけるように行う。図5は重合体ゲルの酸化壁を示す。100μAの電流値において測定された安定性壁の電圧は4.65ボルトである。
実施例6−重合体ゲル・ELEXCEL MP210-1/TiO(XP-414):電解質の酸化下における安定性の試験
実施例2におけると同じShawinigan炭素複合材料をPVDFタイプのバインダーと混合する。この電極を3電極タイプのシステム中で作用電極として使用する。金属リチウムを参照電極としてのみならず対極としても用いる。DKS社ロット8K1201からの重合体ERM-1 ELEXCEL(4つの分枝鎖)をTomiyamaからのEC/GBL(1:3)中1.5MのLiBFと混合し、そしてAkzo Nobel社からのPerkadox 16熱開始剤を、0.050グラムのPerkadox 16(500ppm)、100グラムの溶液・ERM1/(EC:GBL+LiBF)、および0.108グラムの、無機表面処理(Al)およびポリオールに基づく第二の有機処理によるTiOナノルチル(Kronos社からのXP-414)の割合で添加することによって高分子電解質を調製する。重量比ERM1/(EC:GBL+LiBF)は(90:10)であることを知っている。図4は赤外線現場重合試験のために使用した装置を示す。摂氏80°において1時間後にゲルが完全に形成され、それは白っぽい色のものである。上記の3つの電極をMacPile(登録商標)タイプのサイクリング装置に接続する。電気化学的安定性試験を実施例1におけるように行う。図5は重合体ゲルの酸化壁を示す。100μAにおいて測定された安定性壁の電圧は4.608ボルトである。
実施例7−重合体ゲル・ELEXCEL MP210-1/SiO:電解質の酸化下における安定性の試験
実施例2におけると同じShawinigan炭素複合材料をPVDFタイプのバインダーと混合する。この電極を3電極タイプの電気化学的システム中で作用電極として使用する。金属リチウムを参照電極としてのみならず対極としても用いる。DKS社ロット8K1201からのERM-1 ELEXCEL(4つの分枝鎖)をTomiyamaからのEC/GBL(1:3)中1.5MのLiBFと混合し、そしてAkzo Nobel社からのPerkadox 16熱開始剤を、0.050グラムのPerkadox 16(500ppm)、100グラムの溶液・ERM1/(EC:GBL+LiBF)、および0.103グラムの、Degussa社からのナノSiOAerosil(非晶質ヒュームドシリカ)の割合で添加することによって高分子電解質を調製する。重量比・WRM1/(EC:GBL+LiBF)は(90:10)であることを知っている。図4は赤外線現場重合試験のために使用した装置を示す。摂氏80°の温度において1時間後にゲルが完全に形成され、それは白っぽい色のものである。上記の3つの電極をMacPile(登録商標)タイプのサイクリング装置に接続する。電気化学的安定性試験を実施例4におけるように行う。図6は重合体ゲルの酸化壁を示す。100μAの電流値において測定された安定性壁の電圧は4.757ボルトである。
実施例8−重合体ゲル・ELEXCEL MP210-1/PVDF:電解質の酸化下における安定性の試験
実施例8におけると同じShawinigan炭素複合材料をPVDFタイプのバインダーと混合する。この電極を3電極システム中で作用電極として使用する。金属リチウムを参照電極としてのみならず対極としても用いる。DKS社ロット8K1201からのERM-1 ELEXCEL(4つの分枝鎖)をTomiyamaからのEC/GBL(1:3)中1.5MのLiBFと混合し、そしてAkzo Nobel社からのPerkadox 16熱開始剤を、割合・0.050グラムのPerkadox 16(500ppm)、100グラムの溶液・ERM1/(EC:GBL+LiBF)、および0.11グラムのPVDF(Kruha社、日本)で添加することによって高分子電解質を調製する。重量比・ERM1/(EC:GBL+LiBF)は(90:10)であることを知っている。図4は赤外線現場重合試験を行うために使用した装置を示す。80℃の温度において1時間後にゲルが完全に形成され、それは白っぽい色のものである。上記の3つの電極をMacPile(登録商標)タイプのサイクリング装置に接続する。電気化学的安定性試験を実施例1におけるように行う。図7は重合体ゲルの酸化壁を示す。100μAにおいて測定された安定性壁の電圧は4.607ボルトである。
実施例9−重合体ゲル・ELEXCEL MP210-1/PMMA:電解質の酸化下における安定性の試験
実施例2におけると同じShawinigan炭素複合材料をPVDFタイプのバインダーと混合する。この電極を3電極システム中で作用電極として使用する。金属リチウムを参照電極としてのみならず対極としても用いる。DKS社ロット8K1201からのERM-1 ELEXCEL(4つの分枝鎖)をTomiyamaからのEC/GBL(1:3)中1.5MのLiBFと混合し、そしてAkzo Nobel社からのPerkadox 16熱開始剤を、割合・0.050グラムのPerkadox 16(500ppm)、100グラムの溶液・ERM1/(EC:GBL+LiBF)および0.11グラムのPMMA(Aldrich社)で添加することによって高分子電解質を調製する。重量比・ERM1/(EC:GBL+LiBF)は(90:10)であることを知っている。模式図1は赤外線現場重合を行うために使用した配置を示す。80℃において1時間後にゲルが完全に形成され、それは白っぽい色のものである。上記の3つの電極をMacPile(登録商標)タイプのサイクリング装置に接続する。電気化学的安定性試験を実施例1におけるように行う。図7は重合体ゲルの酸化壁を示す。100μAにおいて測定された安定性壁の電圧は4.742ボルトである。
実施例10−ハイブリッドスーパーコンデンサーの製造
アノードを、1%の斜方晶系グラファイトで被覆された、大きさ(被覆後)が20μmである球形グラファイトの粒子から作り、その混合を機械的融解によって、またはハイブリダイザー(Hybridiser)を用いて行い、90%のグラファイトを5%のスチレン・ブタジエンゴム(STYRENE BUTADIENE RUBBER(SBR)Zeon)、および水に溶解されている5%のWSCタイプの増粘剤(DKS社、日本)と混合する。最適な濃度を、銅上にドクターブレードを用いて分散させるのに選択する。
【0071】
カソードを、PICA社(フランス)からの、PICACTIF SuperCap BP10タイプの高比表面積炭素(2000m/g)から作る。20%のこの炭素を60%のスチレン・ブタジエンゴム(STYRENE BUTADIENE RUBBER(SBR)Zeon)、および水に溶解した20%のタイプWSCの増粘剤(DKS社、日本)と混合する。アルミニウム上にドクターブレードを用いて分散させるのに最適な濃度を選択する。
【0072】
高分子電解質を、実施例2に記載される90/10の重量比の溶媒/重合体混合物から形成する。
【0073】
電気化学的発電装置(ハイブリッドスーパーコンデンサー)を原理・アノード/高分子電解質/カソードに従って作る。かくして得られたスーパーコンデンサーの電気化学的性能の評価を2.5〜4.5ボルトの間で行う。平均電位は3.6ボルトであり、そしてその平均キャパシタンスは0.25mAhである。
実施例11−ハイブリッドスーパーコンデンサーの製造
アノードを、6%のKetjenカーボンブラックで被覆されているLiTi12のナノ粒子から作る。混合を機械的融解によって、またはハイブリダイザーを用いて確実に達成する。90%のLiTi12−炭素を、水に溶解した5%のWSCタイプの増粘剤(DKS社、日本)が加えられている5%のスチレン・ブタジエンゴム(STYRENE BUTADIENE RUBBER(SBR)Zeon)と混合する。最適な濃度を、アルミニウム上にドクターブレード技術によって分散させるのに選択する。
【0074】
カソードを、PICA社(フランス)からの、PICACTIF SuperCap BP10タイプの高表面積炭素粒子(2000m/g)から作る。20%のこの炭素を、水に溶解されている20%のWSCタイプの増粘剤(DKS社、日本)が加えられている60%のスチレン・ブタジエンゴム(STYRENE BUTADIENE RUBBER(SBR)Zeon)と混合する。アルミニウム上にドクターブレード法によって分散させるのに最適な濃度を選択する。
【0075】
電解質を、実施例2に記載される90/10重量比の溶媒/重合体混合物から形成する。電気化学的発電装置(ハイブリッドスーパーコンデンサー)を原理・アノード/高分子電解質/カソードに従って作る。
【0076】
その電気化学的性質の評価を1.5〜2.5ボルトの間の電圧限界下で行う。このハイブリッドスーパーコンデンサーの10クーロン(6分)で得られる平均放電電位は2.25ボルトであり、それはその静電容量の90%であり、そしてそれは非常に良好なサイクリング性をさらに示す。
実施例12−Liイオン電池の製造
アノードを、6%のKetjenカーボンブラックで被覆されているLiTi12ナノ粒子から作る。混合を機械的融解によって、またはハイブリダイザーを用いて確実に達成する。90%のLiTi12−炭素を、5%のスチレン・ブタジエンゴム(STYRENE BUTADIENE RUBBER(SBR)Zeon)、および水に溶解されている5%のWSCタイプの増粘剤(DKS社、日本)と混合する。最適な濃度を、アルミニウム上にドクターブレード法によって塗布するのに選択する。
【0077】
カソードを、6%のKetjenカーボンブラックで被覆されているLiCoPOから作る。混合を機械的融解によって、またはハイブリダイザーを用いて確実に達成する。90%のLiTi12−炭素を、5%のスチレン・ブタジエンゴム(STYRENE BUTADIENE RUBBER(SBR)Zeon)、および水に溶解されている5%のWSCタイプの増粘剤(DKS社、日本)と混合する。アルミニウム上にドクターブレード法によって分散させるのに最適な濃度を選択する。
【0078】
電解質を、実施例2に記載される90/10重量比の溶媒/重合体混合物から作る。Liイオン電池を次の原理:アノード/高分子電解質/カソードに従って作る。さらに、その電気化学的性能の評価を1.5〜3.3ボルトの間で行う。平均電位は3.25ボルトであり、そしてその平均静電容量は120mAH/gである。
実施例13−重合体ゲルとの界面Li金属の安定性
重合体ゲル中におけるリチウム金属の機械的安定性を、化学電池;リチウム金属//電解質ゲル//LiFePOを用いることによって確認した。重合体ゲルは実施例1で用いられたものと同じである。サイクリングを充電・放電においてC/1の速度において行う。樹枝状結晶は形成されず、リチウム/重合体ゲル界面は100回を超えるサイクリング後も安定なままである。
【0079】
要約すると、本発明による電解質は、例えば形態をゲルまたは固体に容易に変えることができるという性質を示し、取り扱いが容易であり、安全上の特定の予防措置を必要とせず、高電圧でも電気化学的に安定であり、そして色が透明である。固体形態では、これらの電解質組成物は、例えば、米国特許−A−第6,190,804号明細書に記載されるもののような、例えばこの同じ米国特許明細書の図1に関して同明細書の第2欄に記載されるもののような固体電池の構造において使用することができる。
【0080】
本発明の電気化学的組成物は、例えば色々な物理的形態で、例えばゲルまたは固体の形態で利用でき、電気化学的に安定であり、透明であるという性質を有して、例えば固体形態で良好な機械的性質を有する。他方、本発明の電気化学的装置は、例えばサイクリング中に非常に安定であり、使用が容易であり、かつ危険でないようにその機能を高度に奏することができるという利点を有する。
【0081】
機能を高度に奏することができ、そして4ボルトを超えるサイクリング中安定性を有する電気化学的システムを初めて利用できるようにしている。
【0082】
本発明を特定の用途を参照して説明したけれども、多くの変化および修正はそれらの用途と関係する可能性があり、そして、本発明は、本発明のこのような修正、使用または改変を、一般に本発明の原理に従ってカバーしようと、そして本発明が見いだされる活動分野で知られるようになるかまたは普通になり、かつ前記特許請求の範囲に従って前述の必須要素に適用することができる本発明の説明のどんな変形も含めようと意図するものであることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】異なるアノードおよびカソードの電気化学的安定性の範囲を図示する;各電極の平均電位は、この発明の重合体(HVSP)の安定性の関数として既知のポリエーテル(POC)に比較して示される。
【図2】酸化電流を検出する、本発明による電気化学プロセスを図示するもので、重合体の動作電圧限界を示す。
【図3】電解質としての《高電圧安定性重合体》(HVSP)の、電池およびスーパーコンデンサー用の異なるアノードおよびカソードによる異なる適用を図示する。
【図4】赤外線現場重合を実施するために用いられる実験装置を図示する。
【図5】異なるタイプのTiOの添加があるおよび添加がない異なる重合体の酸化安定性試験の結果を図示する。
【図6】SiOの添加があるおよび添加がない重合体の安定性試験の結果を図示する。
【図7】PVDFの添加があるおよび添加がない、またはPMMAの添加がある安定性試験の結果を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学的発電装置のための高分子電解質であって:
好ましくはハイブリッド末端基、より好ましくはハイブリッドアクリレート(好ましくはメタクリレート)およびアルコキシ(好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ、さらにより好ましくはメトキシまたはエトキシ)、またはビニル末端基を有する少なくとも1種の4分枝重合体であって、前記4分枝重合体の少なくとも1つの分枝(好ましくは少なくとも2つの分枝)が架橋を起こすことが可能である前記4分枝重合体;
次のファミリー:
化学式(CH−CF(式中、nは、好ましくはnが150付近となるように、好ましくは1,000〜4,000の間で変わる)の(PVDF)とも称されるポリ(ビニリルジエンフルオリド)であって、好ましくは10,000〜1,000,000の平均分子量を有するもの、より好ましくはさらに100,000〜250,000の平均分子量を有するものと;
式[(CH−CF(CF−CF(CH))1−x(式中、nは1,000〜4,000の間で変わり、好ましくはnは2,000から3,000まで変わり、より好ましくはさらにnは150付近であり、そしてxは好ましくは0.15〜0.5の間で変わる)の(PVDF−HFP)とも称されるポリ(ビニリジエンフルオロ−コ−ヘキサフルオロプロペン)共重合体であって、好ましくは10,000〜1,000,000の平均分子量を有するもの、より好ましくはさらに100,000〜250,000の平均分子量を有するものと;
化学式(CF−CF(式中、nは5から20,000まで変わり、好ましくはnは50から10,000まで変わる)の(PTFE)とも称されるポリ(テトラフルオロエチレン)であって、好ましくは500〜5,000,000の平均分子量を有するもの、より好ましくはさらに5,000〜1,000,000、好ましくは約200,000の平均分子量を有するものと;
ポリ(エチレン−コ−プロピレン−コ−5−メチレン−2−ノルボルネン)またはEPDMとも称されるエチレン−プロピレン−ジエン共重合体であって、好ましくは10,000〜250,000、好ましくは20,000〜100,000の平均分子量を有するものと;
ポリオール、好ましくは:
好ましくは50,000〜1,000,000の平均分子量を有するポリビニルアルコール、またはOH基の一部がOCH、OC、OCHOH、OCHCH(CH)OH、OC(=O)CHまたはOC(=O)Cで置換されている、好ましくは5,000〜250,000の平均分子量を有するセルロース、および/または
エチレンオキシド縮合生成物であって、好ましくは1,000〜5,000の平均分子量を有するものであり、好ましくは純粋な、またはグリセロール若しくはトリメチロールプロパン上のプロピレンオキシドと混合状態にあり、そして場合により、式(O=C=N)R(式中、2<x<4であり、そしてRは基(O=C=N)による多官能性を保証するアリール基またはアルキル基を表す)のジまたはトリ−イソシアネートにより架橋されているもの、などのポリオールと
から選ばれる少なくとも1種の成分;
式[(CH−C(CH))/(COCH)](式中、nは好ましくは100〜10,000の間で変わり、より好ましくはさらにnは500から5,000まで変わる)の(PMMA)とも称されるポリ(メチルメタクリレート)であって、好ましくは10,000〜1,000,000の平均分子量を有するもの、好ましくは50,000〜500,000の平均分子量を有するもの;
化学式[(CH−CH(CN))](式中、nは150から18,800まで変わり、より好ましくはさらにnは300から4,000まで変わる)の(PAN)とも称されるポリ(アクリロニトリル)であって、好ましくは10,000〜1,000,000の平均分子量を有するもの、より好ましくはさらに20,000〜200,000の平均分子量を有するもの;
SiO−Al;および
被覆されていない、または、好ましくは米国特許−A−第6,190,804号明細書の第1欄および第2欄において定義されている重合体の1種または2種以上と相溶性である(即ち、安定であるおよび/または二次的寄生反応を生じさせない)有機物質であって、好ましくは少なくとも1種のポリオールおよび/または1種のポリエチレン−ポリオキシエチレン共重合体を含む群から選ばれる該有機物質、および/または好ましくはSiOおよび/またはAlである1種の無機物質で被覆されているナノTiO
に基づく上記の高分子電解質。
【請求項2】
追加として、塩、好ましくはLiTFSIのようなリチウム塩、または塩類と可塑剤との混合物を含有する、請求項1記載の高分子電解質。
【請求項3】
イオン伝導性を与えるために重合体の(マトリックス中の)リチウム塩または塩類の混合物を加えることによって得られる乾燥形態(溶媒を含まない)をしている、請求項2記載の高分子電解質。
【請求項4】
リチウム塩が、次のタイプ:LiN(SOCF;LiTFSI、LiN(SO;BETI、LiC(SOCF、LiBF、LiPF、LiCLO、LiSOCF、LiAsFのものである、請求項3に記載の高分子電解質。
【請求項5】
可塑剤が、好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、テトラエチル−スルホンアミドおよびメチル−エチルカーボネート(EMC)より成る群から選ばれる有機溶媒の少なくとも1種の混合物より成る、請求項2〜5のいずれか1項に記載の高分子電解質。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の少なくとも1種の高分子電解質から、前記電解質の成分を重合体の架橋を可能にする条件に付すことによって得られる電解質組成物。
【請求項7】
架橋がUV、熱処理および/または電子ビーム(EB)によって達成される、請求項6に記載の電解質組成物。
【請求項8】
架橋が少なくとも1種のリチウム塩の存在下で行われる、請求項6または7に記載の電解質組成物。
【請求項9】
架橋がリチウム塩の非存在下で行われる、請求項6または7に記載の電解質組成物。
【請求項10】
50〜100℃の温度、好ましくは60〜80℃の温度で行われる架橋によって得られる、請求項6〜9のいずれか1項に記載の電解質組成物。
【請求項11】
5分〜8時間の継続期間、好ましくは1〜4時間の継続期間架橋させることによって得られる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電解質組成物。
【請求項12】
有機ペルオキシド、ヒドロペルオキシドまたはペルエステルより成る群から選ばれる触媒の存在下で架橋させることによって得られ、好ましくは該触媒は有機ペルオキシドより成る群から選ばれる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電解質組成物。
【請求項13】
架橋が、電解質組成物を含有する、電池中または一旦造られたハイブリッドスーパーコンデンサー中のその場における熱処理によって行われる、請求項6〜12のいずれか1項に記載の電解質組成物。
【請求項14】
重合体ゲルの形態をしている、請求項6〜13のいずれか1項に記載の電解質組成物。
【請求項15】
固体形態をしている、請求項6〜13のいずれか1項に記載の電解質組成物。
【請求項16】
電気化学的装置(好ましくは、電池、スーパーコンデンサーまたはハイブリッドスーパーコンデンサー)であって:
請求項1〜5のいずれか1項で定義されるような少なくとも1種の電解質、および/または請求項6〜15のいずれか1項に記載の少なくとも1種の電解質組成物;
好ましくはタイプLiTi12の電気活性アノード;および
LiCoPOおよび/またはLi(Mn0.66Ni0.34)O等から製造されたもののような3.5〜5ボルトタイプのカソード
を含む上記の電気化学的装置。
【請求項17】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の少なくとも1種の高分子電解質、または請求項6〜15のいずれか1項に記載の少なくとも1種の電解質組成物;
好ましくはLiTi12タイプの電気活性アノード;および
好ましくは大表面積炭素タイプの電気活性カソード
を含む、請求項16に記載のスーパーコンデンサー。
【請求項18】
炭素が2m/gに等しいかまたはそれより大きく、かつ2500m/gに等しいかまたはそれより小さい比表面積を有する粒子の形態をしており、好ましくは炭素が50m/gに等しいかまたはそれより大きい、好ましくは50〜2400m/gの比表面積を有する粒子の形態をしている、請求項17に記載のスーパーコンデンサー。
【請求項19】
電気活性カソードが導電性重合体タイプのものであり、好ましくはポリアニリンのような、および/またはポリチオフェンのような、および/または好ましくは3−アリールチオフェンから選ばれるアリールチオフェンのような、少なくとも1種の高電圧における導電性重合体より成る、請求項17または18に記載のスーパーコンデンサー。
【請求項20】
電気活性アノードが、好ましくは天然および/または合成グラファイトから、および/または高結晶性炭素から造られたGICタイプ(グラファイトインターカレーション化合物)のものであって、その炭素が、好ましくは、電極を構成するために用いられる前に2000℃(摂氏2000度)より低い温度において処理されている、請求項16〜19のいずれか1項に記載のスーパーコンデンサー。
【請求項21】
電気活性アノードが低結晶性タイプの炭素、好ましくは2000℃に等しいかまたはそれより低い温度において処理された炭素の、および/または硬質炭素の層より成る、請求項17〜20のいずれか1項に記載のスーパーコンデンサー。
【請求項22】
電気活性アノードがAlLiおよび/またはLi4.4Sn22等のようなリチウム合金タイプのものである、請求項16に記載の電気化学的装置または請求項17〜21のいずれか1項に記載のスーパーコンデンサー。
【請求項23】
電気活性カソードが4ボルトタイプのものであり、好ましくはLiCoO、LiMn、LiNiO、およびこれら元素のレドックス対を単独でまたは混合物として含んでいる化合物より成る群から選ばれる少なくとも1種の酸化物から構成される、請求項16に記載の電気化学的装置または請求項17〜22のいずれか1項に記載のスーパーコンデンサー。
【請求項24】
電気活性アノードが天然および/または合成グラファイトから、および/または高結晶化度を有する炭素から造られたGIC(グラファイトインターカレーション化合物)タイプのものであって、その炭素が、好ましくは、2000℃に等しいかまたはそれより高い温度において熱処理されている、請求項16に記載の電気化学的装置または請求項17〜21のいずれか1項に記載のスーパーコンデンサー。
【請求項25】
電気活性アノードが低結晶化度を有する炭素、好ましくは2000℃より低い温度において処理されている炭素より成る、請求項16に記載の電気化学的装置または請求項17〜21のいずれか1項に記載のスーパーコンデンサー。
【請求項26】
電気活性アノードがAlLiおよび/またはLi4.4Sn22等のようなリチウム合金タイプのものである、請求項16に記載のスーパーコンデンサーまたは装置。
【請求項27】
電気活性アノードが金属リチウムタイプのものである、請求項18〜26のいずれか1項に記載のスーパーコンデンサー。
【請求項28】
明細書第17頁の説明において定義される方法に従って測定される、4ボルトより高いサイクリング中に安定である電気化学的装置。
【請求項29】
請求項28に記載のスーパーコンデンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−501600(P2006−501600A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−563038(P2003−563038)
【出願日】平成15年1月15日(2003.1.15)
【国際出願番号】PCT/CA2003/000052
【国際公開番号】WO2003/063287
【国際公開日】平成15年7月31日(2003.7.31)
【出願人】(597164909)イドロ−ケベック (30)
【氏名又は名称原語表記】Hydro−Quebec
【Fターム(参考)】