説明

高粘性体取り出し装置および高粘性体取り出し方法

【課題】容易かつ重量精度良く少量の高粘性体を取り出すことが可能な高粘性体取り出し装置および高粘性体取り出し方法を提供する。
【解決手段】予め第一ピストンポンプ110に収容された高粘性体1を第一ピストンポンプ110から吐出し、一端が第一ピストンポンプ110に接続された搬送経路を通じて第一ピストンポンプ110から吐出された高粘性体1を搬送し、搬送経路を通じて搬送された高粘性体1を搬送経路の他端に接続されるとともに第一ピストンポンプ110の内径(より厳密には第一シリンダ111の内径)よりも小さい内径の第二ピストンポンプ120に吸入して収容し、搬送経路の中途部を閉塞し、第二ピストンポンプ120と外部とを連通する吐出経路を開放し、第二ピストンポンプ120に収容された高粘性体1を第二ピストンポンプ120から吐出し、第二ピストンポンプ120から吐出された高粘性体1を吐出経路を通じて外部に取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高粘性体を容易かつ重量精度良く取り出す技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体等の流動性を有する物質を所望の重量だけ取り出す方法としては、(a)対象物を搬送する搬送経路の中途部に設けられた流量センサおよび開閉弁を用いる方法、(b)対象物が充填された容器の重量を測定する方法、(c)ピストンポンプを用いる方法、等が知られている。
【0003】
上記(a)の方法としては、搬送経路の一端に既に対象物が充填されている容器(一次容器)を接続し、搬送経路の他端に計量後の対象物が充填される容器(二次容器)を接続し、一次容器の内部を加圧することにより搬送経路を通じて一次容器から二次容器に向かって対象物を搬送し、流量センサにより検出される搬送経路を通過する対象物の流量に基づいて一次容器から二次容器に搬送された対象物の重量を算出し、算出された対象物の重量が所望の重量となった時点で開閉弁を閉じる、といった一連の手順で行われる方法が知られている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0004】
上記(b)の方法としては、対象物が充填される容器を支持するアームにロードセルを設け、当該容器に対象物を充填していき、ロードセルの検出値(容器の重量と対象物の重量の合計値)が所定の値となった時点で当該容器への対象物の充填を停止する方法が知られている。例えば、特許文献2に記載の如くである。
【0005】
上記(c)の方法としては、ピストンポンプとノズルとを連通する経路の中途部にニードルバルブを設け、当該ニードルバルブの開度を調整することによりノズルから吐出される対象物の重量を調整する方法が知られている。例えば、特許文献3に記載の如くである。
また、上記(c)の別の方法としては、ピストンポンプのピストンの移動量をサーボモータで制御することによりピストンポンプから吐出される対象物の重量を調整する方法が知られている。例えば、特許文献4に記載の如くである。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の方法は、例えば重合性樹脂の如く、対象物が流動性を有するが粘性が高いもの(高粘性体)である場合には、流量センサが高粘性体の流量を精度良く検出することが困難であり、結果として当該対象物を少量だけ重量精度良く取り出すことが困難であるという問題を有する。詳細には、以下の理由による。
【0007】
流量センサにはオリフィス式流量センサ、浮き子式流量センサ、羽根車式流量センサ等の種々の形式が存在する。
オリフィス式流量センサは対象物がオリフィスを通過するときに生じる差圧に基づいて対象物の流量を検出するが、オリフィスの断面は小さいので、オリフィスが高粘性体により詰まってしまう場合がある。
浮き子式流量センサはシリンダおよび当該シリンダ内に設けられた浮き子からなり、シリンダと浮き子の隙間を通過する対象物の流量に応じて移動する浮き子のシリンダ内の位置に基づいて対象物の流量を検出するが、シリンダと浮き子の隙間も狭いので、浮き子式流量センサのシリンダが高粘性体により詰まってしまう場合がある。
羽根車式流量センサは対象物の流れに接触して回転する羽根車および羽根車の回転量を検出するセンサ(ロータリエンコーダ)からなるが、羽根車に高粘性体が接触すると羽根車の滑らかな回転が阻害される場合がある。
また、流量センサとしては上記の他にも電磁式流量センサが知られているが、電磁式流量センサは電気伝導性を有する対象物の流れ方向に垂直な磁界を作用させることによりピックアップコイルに生じる電圧に基づいて対象物の流量を検出するため、対象物が絶縁体である場合には流量を検出することができないという問題を有する。
このように、多くの流量センサは、その性質上、高粘性体の流量を精度良く測定することが困難である。
【0008】
特許文献2に記載の方法は、対象物が充填される容器の重量と対象物の重量との合計を計測するため、対象物の重量が容器の重量に比べて小さい場合、あるいは容器の重量と対象物の重量との合計自体が小さい場合には重量精度が低下するという問題を有する。
【0009】
特許文献3に記載の方法は、対象物が高粘性体である場合にはニードルバルブが詰まってしまうという問題を有する。
【0010】
特許文献4に記載の方法は、サーボモータの動作精度が一定である条件下で対象物の吐出量の精度を向上するためにはピストンポンプのシリンダ内径を小さくする必要がある。
しかし、ピストンポンプのシリンダ内径を小さくすると、シリンダの単位長さ当たりの容積が小さくなり、所定量の対象物を繰り返し取り出す用途に用いる場合には当該シリンダに頻繁に対象物を充填し直さなければならない。容積の小さいシリンダに自重で流動しない高粘性体を頻繁に少量ずつ詰め直す作業は煩雑である上に、高粘性体に空気(気泡)を巻き込んで嵩密度が変化し、ピストンポンプから吐出する際の吐出量の精度の低下の原因となる。
上記問題を解消する方法としてはシリンダの全長を長くすることによりシリンダの容積を大きくすることが考えられるが、この方法では装置の大型化(長尺化)、メンテナンス性の低下(清掃困難等)といった問題を招来する。
【特許文献1】特開2006−335382号公報
【特許文献2】特開2005−231664号公報
【特許文献3】特開2000−177702号公報
【特許文献4】特開2000−168703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、容易かつ重量精度良く比較的少量の高粘性体を取り出すことが可能な高粘性体取り出し装置および高粘性体取り出し方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0013】
即ち、請求項1においては、
高粘性体を収容する第一シリンダおよび前記第一シリンダの内周面に液密的かつ摺動可能に当接する第一ピストンを有し、前記第一ピストンが前記第一シリンダに没入する方向に摺動することにより前記第一シリンダに収容された高粘性体を吐出する第一ピストンポンプと、
前記第一シリンダの内径よりも小さい内径を有する第二シリンダおよび前記第二シリンダの内周面に液密的かつ摺動可能に当接する第二ピストンを有し、前記第二ピストンが前記第二シリンダから突出する方向に摺動することにより前記高粘性体を前記第二シリンダに吸入するとともに、前記第二ピストンが前記第二シリンダに没入する方向に摺動することにより前記第二シリンダに吸入された高粘性体を吐出する第二ピストンポンプと、
前記第一シリンダと前記第二シリンダとを連通する搬送経路と、
前記搬送経路の中途部に配置され、前記第一シリンダと前記第二シリンダとを前記搬送経路が連通する開放状態および前記搬送経路の中途部が閉塞された閉塞状態のいずれかの状態に切り替える第一切替弁と、
前記第二シリンダと外部とを連通する吐出経路と、
前記吐出経路の中途部に配置され、前記第二シリンダと外部とを前記吐出経路が連通する開放状態および前記吐出経路の中途部が閉塞された閉塞状態のいずれかの状態に切り替える第二切替弁と、
を具備するものである。
【0014】
請求項2においては、
前記第一切替弁が開放状態かつ前記第二切替弁が閉塞状態のときに前記第一ピストンが前記第一シリンダに没入する方向に摺動するとともに前記第二ピストンが前記第二シリンダから突出する方向に摺動することにより、前記第一シリンダに収容された高粘性体を前記搬送経路を通じて搬送して前記第二シリンダに吸入し、
前記第一切替弁を閉塞状態に切り替えるとともに前記第二切替弁を開放状態に切り替え、前記第二ピストンが前記第二シリンダに没入する方向に摺動することにより前記吐出経路の他端から前記高粘性体を吐出するものである。
【0015】
請求項3においては、
前記吐出経路の他端から吐出される前記高粘性体が所定量に達したときに、前記第二ピストンを前記第二シリンダから突出する方向に摺動させるものである。
【0016】
請求項4においては、
前記第二ピストンポンプと前記搬送経路との接続部において前記第二ピストンポンプと前記搬送経路とを着脱可能とするものである。
【0017】
請求項5においては、
予め第一ピストンポンプに収容された高粘性体を前記第一ピストンポンプから吐出し、一端が前記第一ピストンポンプに接続された搬送経路を通じて前記第一ピストンポンプから吐出された高粘性体を搬送し、前記搬送経路を通じて搬送された高粘性体を前記搬送経路の他端に接続されるとともに前記第一ピストンポンプの内径よりも小さい内径の第二ピストンポンプに吸入する搬送工程と、
前記搬送経路の中途部を閉塞し、前記第二ピストンポンプと外部とを連通する吐出経路を開放し、前記第二ピストンポンプに吸入された高粘性体を前記第二ピストンポンプから吐出し、前記第二ピストンポンプから吐出された高粘性体を前記吐出経路を通じて外部に取り出す取り出し工程と、
を具備するものである。
【0018】
請求項6においては、
前記取り出し工程において、
外部に取り出された前記高粘性体が所定量に達したときに、前記第二ピストンポンプを動作させて前記吐出経路に残留する高粘性体を吸入するものである。
【0019】
請求項7においては、
前記取り出し工程において、
外部に吐出された前記高粘性体を容器に注入し、前記容器に注入された前記高粘性体が所定量に達したときに、前記吐出経路から吐出される高粘性体の吐出方向を中心軸として前記容器を回転させるものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、容易かつ重量精度良く比較的少量の高粘性体を取り出すことが可能である、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下では、図1および図2を用いて本発明に係る高粘性体取り出し装置の実施の一形態である取り出し装置100について説明する。
取り出し装置100は高粘性体1(図2参照)を所望量取り出す装置である。
【0022】
「高粘性体」は本発明に係る高粘性体取り出し装置および本発明に係る高粘性体取り出し方法が取り扱う対象物であり、流動し得る物質であって粘度が高いものを広く含む。また、重量精度良く取り出す観点から、高粘性体は圧力が作用することによって体積が実質的に変化することがないことが好ましい。
高粘性体は通常、液体(複数種類の液体の混合物を含む)、固体(複数種類の固体の混合物を含む)、あるいは液体と固体との混合物からなる。
高粘性体の具体例としては、樹脂、エラストマー、ゴム、粘土、硬化前のセメント、バター、マーガリン、パン生地、餅、水飴等が挙げられる。
高粘性体は、「自重で流動することが不可能な程度」または「自重で流動することが困難な程度」の粘度を有する物質として定義することが可能であり、粘度計により測定される粘度が所定の値以上を示す物質として定義することも可能である。
「自重で流動することが不可能な程度」とは、例えば、静置された対象物が形状を保持し得る程度を指す。
「自重で流動することが困難な程度」とは、例えば、静置された対象物が相当長時間(例えば、数秒以上)にわたって形状を保持し得る程度を指す。
【0023】
図1に示す如く、取り出し装置100は主として第一ピストンポンプ110、第二ピストンポンプ120、連結ブロック130、第一切替弁140、第二切替弁150、オリフィス部材160およびノズル170を具備する。
【0024】
第一ピストンポンプ110は本発明に係る第一ピストンポンプの実施の一形態である。
第一ピストンポンプ110は第一シリンダ111および第一ピストン112を有する。
【0025】
第一シリンダ111は略円筒形状の部材である。
第一シリンダ111の内周面の一端は大きく開口し、第一シリンダ111の内径は第一シリンダ111の内周面の一端から他端の手前まで一定であり、他端の手前から他端に向かって略円錐形状に縮径している。第一シリンダ111の他端には第一シリンダ111の内部空間と外部とを連通する孔である吐出口111aが形成される。
図2に示す如く、第一シリンダ111には高粘性体1が収容される。
【0026】
第一ピストン112はピストン部112aおよびロッド部112bを有する。
ピストン部112aは第一シリンダ111の内周面に液密的かつ摺動可能に当接する部材である。本実施形態のピストン部112aは円柱と円錐とを積層した形状を成し、ピストン部112aの円錐形状の部分は第一シリンダ111の内周面の他端の形状に対応している。
ロッド部112bは棒状の部材である。ロッド部112bの一端は第一シリンダ111の一端の開口部分から外部に突出しており、ロッド部112bの他端はピストン部112aの円柱形状の部分に固定される。
【0027】
ロッド部112bは「第一のサーボモータ(不図示)」に連結される。
「第一のサーボモータ」は、第一ピストン112を第一シリンダ111に没入する方向(ピストン部112aが吐出口111aに接近する方向)および第一シリンダ111から突出する方向(ピストン部112aが吐出口111aから離間する方向)に摺動させることが出来る。
「第一のサーボモータ」は自己の動作量、ひいては第一シリンダ111に対する第一ピストン112の摺動量を制御することが出来る。
【0028】
第一シリンダ111に高粘性体1が収容された状態で第一ピストン112が第一シリンダ111に没入する方向に摺動することにより、第一ピストンポンプ110は第一シリンダ111に収容された高粘性体1を吐出口111aから吐出することが出来る。
このとき、「第一のサーボモータ」の動作量を制御することにより、吐出口111aから吐出される高粘性体1の量(重量)を調整することが出来る。
【0029】
第一シリンダ111および第一ピストン112を構成する材料は高粘性体1の性状、あるいは使用条件(圧力等)に応じて適宜選択することが望ましい。例えば、第一シリンダ111および第一ピストン112を構成する材料は高粘性体1と接触することにより化学反応を起こさない材料であることが望ましく、高粘性体1が所定の波長の光に反応して化学反応を起こす場合には当該波長の光を透過しないことが望ましい。
第一シリンダ111および第一ピストン112を構成する材料の例としては、種々の金属材料、ガラス、石英、樹脂、エラストマー等が挙げられる。
【0030】
第二ピストンポンプ120は本発明に係る第二ピストンポンプの実施の一形態である。
第二ピストンポンプ120は第二シリンダ121および第二ピストン122を有する。
【0031】
第二シリンダ121は略円筒形状の部材である。第二シリンダ121の両端(一端および他端)はいずれも開口し、第二シリンダ121の他端は吐出口121aを成す。第二シリンダ121の吐出口121aの周囲には略円盤形状のフランジ121bが形成される。
図1に示す如く、第二シリンダ121の内径R2は第一シリンダ111の内径R1よりも小さい。
【0032】
第二ピストン122はピストン部122aおよびロッド部122bを有する。
ピストン部122aは第二シリンダ121の内周面に液密的かつ摺動可能に当接する部材である。本実施形態のピストン部122aは円柱形状を成す。
ロッド部122bは棒状の部材である。ロッド部122bの一端は第二シリンダ121の一端の開口部分から外部に突出しており、ロッド部122bの他端はピストン部122aに固定される。
【0033】
ロッド部122bは「第二のサーボモータ(不図示)」に連結される。
「第二のサーボモータ」は、第二ピストン122を第二シリンダ121に没入する方向(ピストン部122aが吐出口121aに接近する方向)および第二シリンダ121から突出する方向(ピストン部122aが吐出口121aから離間する方向)に摺動させることが出来る。
「第二のサーボモータ」は自己の動作量、ひいては第二シリンダ121に対する第二ピストン122の摺動量を制御することが出来る。
【0034】
第二ピストン122が第二シリンダ121から突出する方向に摺動することにより、第二ピストンポンプ120は吐出口121aから高粘性体1を吸入し、第二シリンダ121に収容することが出来る。
このとき、「第二のサーボモータ」の動作量を制御することにより、吐出口121aから吸入する高粘性体1の量(重量)を調整することが出来る。
【0035】
第二シリンダ121に高粘性体1が収容された状態で第二ピストン122が第二シリンダ121に没入する方向に摺動することにより、第二ピストンポンプ120は第二シリンダ121に収容された高粘性体1を第二シリンダ121の吐出口121aから吐出することが出来る。
このとき、「第二のサーボモータ」の動作量を制御することにより、吐出口121aから吐出される高粘性体1の量(重量)を調整することが出来る。
【0036】
第二シリンダ121および第二ピストン122を構成する材料は高粘性体1の性状、あるいは使用条件(圧力等)に応じて適宜選択することが望ましい。例えば、第二シリンダ121および第二ピストン122を構成する材料は高粘性体1と接触することにより化学反応を起こさない材料であることが望ましく、高粘性体1が所定の波長の光に反応して化学反応を起こす場合には当該波長の光を透過しないことが望ましい。
第二シリンダ121および第二ピストン122を構成する材料の例としては、種々の金属材料、ガラス、石英、樹脂、エラストマー等が挙げられる。
【0037】
連結ブロック130は第一ピストン110と第二ピストン120とを連結する部材である。連結ブロック130は第一ブロック131および第二ブロック132を有する。
【0038】
第一ブロック131は直方体形状の部材であり、第一シリンダ111の他端(吐出口111aが形成されている方の端部)に固定される。
第一ブロック131には経路131aが形成される。経路131aの一端は第一ブロック131において第一シリンダ111の他端に当接する面に開口し、吐出口111aに接続され、その結果として第一シリンダ111の内部空間と経路131aとは連通する。経路131aの他端は第一ブロック131において第一シリンダ111の他端に当接する面の反対側の面に開口する。
第一ブロック131には嵌装孔131bが形成される。嵌装孔131bは経路131aの中途部に形成される。嵌装孔131bには後で詳述する第一切替弁140が嵌装される。
第一ブロック131にはさらに嵌装孔131cが形成される。嵌装孔131cは経路131aの他端に形成される。
【0039】
第二ブロック132は直方体形状の部材である。第二ブロック132は図示せぬボルトにより第一ブロック131に着脱可能に固定される。このとき、第二ブロック132は第一ブロック131において経路131aの他端(嵌装孔131c)が開口する面に固定される。
第二ブロック132には嵌装孔132aが形成される。嵌装孔132aは第二ブロック132において第一ブロック131と当接する面に開口する。第二ブロック132に形成された嵌装孔132aと第一ブロック131に形成された嵌装孔131cとを合わせた空間には後で詳述する第二切替弁150が嵌装される。
第二ブロック132には経路132bが形成される。経路132bの一端は嵌装孔132aに接続され、経路132bの他端は第二ブロック132において第一ブロック131に固定される面の反対側の面に開口する。
第二ブロック132にはさらに経路132cが形成される。経路132cの一端は嵌装孔132aに接続され、経路132cの他端は第二ブロック132の下面に開口する。
【0040】
図1および図2に示す如く、第二ピストンポンプ120は第二ブロック132に着脱可能に固定される。本実施形態の場合、第二シリンダ121のフランジ121bに形成された孔にボルトを貫装し、当該ボルトを第二ブロック132に螺装することにより第二ピストンポンプ120を第二ブロック132に固定する。
第二ピストンポンプ120を第二ブロック132に固定したとき、第二シリンダ121の吐出口121aは第二ブロック132に形成された経路132bの他端に接続され、第二シリンダ121(の内部空間)と経路132bとが連通する。
【0041】
第一切替弁140は本発明に係る第一切替弁の実施の一形態である。
本実施形態の第一切替弁140は略円柱形状の部材であり、第一ブロック131の嵌装孔131bに回転可能に嵌装される。
第一切替弁140には経路141が形成される。経路141の両端はそれぞれ第一切替弁140の外周面の異なる位置に開口している。
嵌装孔131bの内部における第一切替弁140の回転、すなわち第一切替弁140の動作は手動で行っても良く、空圧シリンダ、油圧シリンダ等のアクチュエータあるいはモータ等で行っても良い。
【0042】
第二切替弁150は本発明に係る第二切替弁の実施の一形態である。
本実施形態の第二切替弁150は直径の大きい円柱の上下にそれぞれ直径の小さい円柱を積層した形状の部材であり、嵌装孔132aと嵌装孔131cとを合わせた空間に回転可能に嵌装される。
第二切替弁150には経路151が形成される。経路151の一端は第二切替弁150の一方の端面に開口し、経路151の他端は第二切替弁150の他方の端面に開口する。
第二切替弁150にはさらに経路152が形成される。経路152の一端は経路151の中途部に接続され、経路152の他端は第二切替弁150の外周面に開口する。
嵌装孔132aと嵌装孔131cとを合わせた空間内部における第二切替弁150の回転、すなわち第二切替弁150の動作は手動で行っても良く、空圧シリンダ、油圧シリンダ等のアクチュエータあるいはモータ等で行っても良い。
【0043】
オリフィス部材160は内部にオリフィスが形成された略円筒形状の部材であり、第二ブロック132の下面に着脱可能に固定される。オリフィス部材160のオリフィスは第二ブロック132に形成された経路132cの他端に接続される。
【0044】
ノズル170は細長い円管形状の部材であり、ノズル170の一端はオリフィス部材160に着脱可能に固定される。その結果、ノズル170の内部空間とオリフィス部材160のオリフィスとが連通する。ノズル170の他端は取り出し口170aを成す。
【0045】
以下では、図1を用いて取り出し装置100の搬送経路および吐出経路について説明する。
【0046】
「取り出し装置100の搬送経路」は第一ピストンポンプ110の第一シリンダ111と第二ピストンポンプ120の第二シリンダ121とを連通し、第一シリンダ111から第二シリンダ121に高粘性体1を搬送するための経路である。
取り出し装置100の搬送経路は、具体的には経路131a(経路131aの途中に経路141が挟まっている)、経路151および経路132bを合わせたものからなる。
従って、第一切替弁140は「取り出し装置100の搬送経路」の中途部に配置されることとなる。
【0047】
「取り出し装置100の吐出経路」は第二ピストンポンプ120の第二シリンダ121と外部とを連通し、第二ピストンポンプ120から外部に高粘性体1を吐出するための経路である。
取り出し装置100の吐出経路は、具体的には経路132b、経路151、経路152、経路132c、オリフィス部材160およびノズル170を合わせたものからなる。
従って、第二切替弁150は「取り出し装置100の吐出経路」の中途部に配置されることとなる。
【0048】
以下では、図1および図2を用いて第一切替弁140の動作について説明する。
【0049】
第一切替弁140が図1に示す状態にあるとき、第一切替弁140の経路141の両端がそれぞれ経路131aに接続され、取り出し装置100の搬送経路が第一シリンダ111と第二シリンダ121とを連通する。以下、第一切替弁140が図1に示す状態にあるとき、第一切替弁140は「開放状態」であるものとする。
【0050】
第一切替弁140が図2に示す状態にあるとき、第一切替弁140の経路141の両端がいずれも経路131aから遮断され、取り出し装置100の搬送経路の中途部が閉塞される。以下、第一切替弁140が図2に示す状態にあるとき、第一切替弁140は「閉塞状態」であるものとする。
【0051】
このように、第一切替弁140は、第一シリンダ111と第二シリンダ121とを取り出し装置100の搬送経路が連通する「開放状態」および取り出し装置100の搬送経路の中途部が閉塞された「閉塞状態」のいずれかの状態に切り替えることが可能である。
【0052】
以下では、図1および図2を用いて第二切替弁150の動作について説明する。
【0053】
第二切替弁150が図1に示す状態にあるとき、第二切替弁150の経路152の他端が経路132cの一端に接続され、取り出し装置100の吐出経路が第二シリンダ121と外部とを連通する。以下、第二切替弁150が図1に示す状態にあるとき、第二切替弁150は「開放状態」であるものとする。
【0054】
第二切替弁150が図2に示す状態にあるとき、第二切替弁150の経路152の他端が経路132cの一端から遮断され、取り出し装置100の吐出経路の中途部が閉塞される。以下、第二切替弁150が図2に示す状態にあるとき、第二切替弁150は「閉塞状態」であるものとする。
【0055】
このように、第二切替弁150は、第二シリンダ121と外部とを取り出し装置100の吐出経路が連通する「開放状態」および取り出し装置100の吐出経路の中途部が閉塞された「閉塞状態」のいずれかの状態に切り替えることが可能である。
【0056】
以下では、図2から図8を用いて本発明に係る高粘性体取り出し方法の実施の一形態について説明する。
本発明に係る高粘性体取り出し方法の実施の一形態は取り出し装置100を用いて高粘性体1を所望量取り出す方法である。
図8に示す如く、本発明に係る高粘性体取り出し方法の実施の一形態は搬送工程S1100および取り出し工程S1200を具備する。
【0057】
搬送工程S1100は予め第一ピストンポンプ110に収容された高粘性体1を第一ピストンポンプ110から吐出し、取り出し装置100の搬送経路を通じて第一ピストンポンプ110から吐出された高粘性体1を搬送し、取り出し装置100の搬送経路を通じて搬送された高粘性体1を第二ピストンポンプ120に吸入する工程である。
詳細には、搬送工程S1100は以下の手順で行われる。
【0058】
図2に示す如く、搬送工程S1100の開始時点では、第一ピストンポンプ110の第一シリンダ111に高粘性体1が収容(充填)されており、第一切替弁140および第二切替弁150はいずれも「閉塞状態」であり、第二ピストンポンプ120は第二ブロック132から取り外された状態である。
【0059】
まず、図3に示す如く、第一切替弁140を「閉塞状態」から「開放状態」に切り替え、第一サーボモータ(不図示)を動作させて第一ピストンポンプ110の第一ピストン112を第一シリンダ111に没入する方向に摺動させると、第一シリンダ111に収容された高粘性体1が第一シリンダ111から吐出され、取り出し装置100の搬送経路を通じて搬送され、取り出し装置100の搬送経路の終端部である経路132bの他端から高粘性体1の一部が余剰部1aとして外部に突出する。次に、余剰部1aを経路132bの他端で切除する。
【0060】
続いて、図4に示す如く、第二ピストンポンプ120を第二ブロック132に固定する。
なお、第二ピストンポンプ120を第二ブロック132に固定する前に、予めピストン部122aが第二シリンダ121の吐出口121aに対応する位置に到達するまで第二ピストン122を第二シリンダ121に没入する方向に摺動させておく。
【0061】
続いて、図5に示す如く、第一サーボモータ(不図示)を動作させて第一ピストンポンプ110の第一ピストン112を第一シリンダ111に没入する方向に摺動させるとともに第二サーボモータ(不図示)を動作させて第二ピストンポンプ120の第二ピストン122を第二シリンダ121から突出する方向に摺動させると、第一ピストンポンプ110から吐出され取り出し装置100の搬送経路を通じて搬送された高粘性体1が第二シリンダ121に吸入され、第二シリンダ121に収容(充填)される。
搬送工程S1100が終了したら、取り出し工程S1200に移行する。
【0062】
取り出し工程S1200は取り出し装置100の搬送経路の中途部を閉塞し、第二ピストンポンプ120と外部とを連通する取り出し装置100の吐出経路を開放し、第二ピストンポンプ120に吸入された高粘性体1を第二ピストンポンプ120から吐出し、第二ピストンポンプ120から吐出された高粘性体1を取り出し装置100の吐出経路を通じて外部に取り出す工程である。
詳細には、取り出し工程S1200は以下の手順で行われる。
【0063】
まず、図6に示す如く、第一切替弁140を「開放状態」から「閉塞状態」に切り替え、第二切替弁150を「閉塞状態」から「開放状態」に切り替える。
次に、第二サーボモータ(不図示)を動作させて第二ピストンポンプ120の第二ピストン122を第二シリンダ121に没入する方向に摺動させると、第二ピストンポンプ120に吸入された高粘性体1が第二ピストンポンプ120から吐出され、取り出し装置100の吐出経路を通じて取り出し口170aから外部に取り出される。
【0064】
取り出し口170aから外部に取り出された高粘性体1は以下の(1)〜(5)の手順に従って容器2に注入される。
【0065】
(1)図7の(a)に示す如く、高粘性体1がノズル170の取り出し口170aから外部に吐出される前に予めノズル170の先端部を容器2に挿入し、取り出し口170aを容器2の底部近傍に配置する(または、ノズル170の先端部を容器2の底部に当接する位置に配置する)。
【0066】
(2)図7の(b)に示す如く、ノズル170の取り出し口170aから吐出される高粘性体1の最初の部分を容器2の底部で受け、その後ノズル170の取り出し口170aから吐出される高粘性体1の重量の増加に応じて容器2を徐々に下方に引き下げる。
【0067】
ノズル170の取り出し口170aから吐出される高粘性体1の重量の増加に応じて容器2を徐々に下方に引き下げることにより、容器2に注入される高粘性体1に空気が巻き込まれることを防止することが可能であるとともに、高粘性体1の一部がノズル170の外周面に付着することを防止することが可能である。
なお、高粘性体1の一部がノズル170の外周面に付着することを防止することは、取り出し装置100から取り出される高粘性体1の重量精度の低下、容器2の開口部や外周面の汚れ、および清掃作業の繁雑さ、等を回避する観点から望ましい。
【0068】
容器2を徐々に下方に引き下げる作業は手動で(作業者が容器2を手で持って)行っても良く、自動で(例えば、ノズル170の取り出し口170aから吐出される高粘性体1の重量、言い換えれば第二ピストンポンプ120の第二ピストン122を摺動させる第二サーボモータ(不図示)の動作量に応じて下降するアクチュエータ等を用いて)行っても良い。
【0069】
(3)図7の(c)に示す如く、ノズル170の取り出し口170aから吐出され、容器2に収容される高粘性体1の重量が所定量に達した時点で、第二サーボモータ(不図示)の動作を停止して第二ピストン122の摺動を停止させるとともに、容器2の下方への引き下げも停止する。
【0070】
(4)図7の(d)に示す如く、第二サーボモータ(不図示)を動作させて第二ピストンポンプ120の第二ピストン122を第二シリンダ121から突出する方向に僅かに摺動させることにより取り出し装置100の吐出経路に残留する高粘性体1を第二シリンダ121に吸入させる(サックバックさせる)とともに、取り出し装置100の吐出経路から吐出される高粘性体1の吐出方向(本実施形態の場合、上下方向)を中心軸として容器2を回転させる。
このようにすることにより、ノズル170の先端部(取り出し口170a)で高粘性体1がねじ切られ、ノズル170に残留している高粘性体1と容器2に収容された高粘性体1とをきれいに切り分けることが可能である。
【0071】
(5)図7の(e)に示す如く、容器2をさらに引き下げると、取り出し装置100により所定量取り出された高粘性体1が容器2に収容された形で回収される。
【0072】
以上の如く、取り出し装置100は、
高粘性体1を収容する第一シリンダ111および第一シリンダ111の内周面に液密的かつ摺動可能に当接する第一ピストン112を有し、第一ピストン112が第一シリンダ111に没入する方向に摺動することにより第一シリンダ111に収容された高粘性体1を吐出する第一ピストンポンプ110と、
第一シリンダ111の内径R1よりも小さい内径R2を有する第二シリンダ121および第二シリンダ121の内周面に液密的かつ摺動可能に当接する第二ピストン122を有し、第二ピストン122が第二シリンダ121から突出する方向に摺動することにより高粘性体1を第二シリンダ121に吸入するとともに、第二ピストン122が第二シリンダ121に没入する方向に摺動することにより第二シリンダ121に吸入された高粘性体1を吐出する第二ピストンポンプ120と、
第一シリンダ111と第二シリンダ121とを連通する搬送経路(本実施形態の場合、経路131a(経路131aの途中に経路141が挟まっている)、経路151および経路132bを合わせたものが搬送経路に相当する)と、
搬送経路の中途部に配置され、第一シリンダ111と第二シリンダ121とを搬送経路が連通する開放状態および搬送経路の中途部が閉塞された閉塞状態のいずれかの状態に切り替える第一切替弁140と、
第二シリンダ121と外部とを連通する吐出経路(本実施形態の場合、経路132b、経路151、経路152、経路132c、オリフィス部材160およびノズル170を合わせたものが吐出経路に相当する)と、
吐出経路の中途部に配置され、第二シリンダ121と外部とを吐出経路が連通する開放状態および吐出経路の中途部が閉塞された閉塞状態のいずれかの状態に切り替える第二切替弁150と、
を具備する。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、第一ピストンポンプ110の第一シリンダ111の内径R1を第二ピストンポンプ120の第二シリンダ121の内径R2よりも大きく設定することにより、第一シリンダ111に予め大量の高粘性体1を収容しておき、第二ピストンポンプ120に頻繁に高粘性体1を供給することが可能である。
また、第一シリンダ111と第二シリンダ121とを搬送経路で連通することにより、空気が高粘性体1に巻き込まれることを防止しつつ、容易に高粘性体1を第一ピストンポンプ110から第二ピストンポンプ120に供給することが可能である。
また、第二ピストンポンプ120の第二シリンダ121の内径R2を(少なくとも第一シリンダ111の内径R1よりも)小さく設定することにより、第二ピストンポンプ120から吐出される高粘性体1の重量精度を向上することが可能である。
従って、取り出し装置100は、容易かつ重量精度良く比較的少量の高粘性体1を取り出すことが可能である。
【0073】
また、取り出し装置100は、
第一切替弁140が開放状態かつ第二切替弁150が閉塞状態のときに第一ピストン112が第一シリンダ111に没入する方向に摺動するとともに第二ピストン122が第二シリンダ121から突出する方向に摺動することにより、第一シリンダ111に収容された高粘性体1を搬送経路を通じて搬送して第二シリンダ121に吸入し、
第一切替弁140を閉塞状態に切り替えるとともに第二切替弁150を開放状態に切り替え、第二ピストン122が第二シリンダ121に没入する方向に摺動することにより吐出経路の他端(本実施形態の場合、ノズル170の取り出し口170a)から高粘性体1を吐出する。
このように構成することにより、第二シリンダ121に吸入された高粘性体1が搬送経路を通じて第一シリンダ111に戻ることなく、第二シリンダ121に収容された高粘性体1を確実に吐出経路の他端から吐出することが可能である。
【0074】
また、取り出し装置100は、
吐出経路の他端から吐出される高粘性体1が所定量に達したときに、第二ピストン122を第二シリンダ121から突出する方向に摺動させる(吐出経路に残留する高粘性体1をサックバックする)。
このように構成することにより、取り出し装置100の吐出経路の他端において吐出経路に残留する高粘性体1と吐出経路の他端から吐出された高粘性体1とをきれいに切り分けることが可能であり、ひいては取り出された高粘性体1の重量精度の向上に寄与する。
【0075】
また、取り出し装置100は、
第二ピストンポンプ120と搬送経路との接続部(本実施形態の場合、第二シリンダ121と第二ブロック132との当接部)において第二ピストンポンプ120と搬送経路とを着脱可能とする。
このように構成することにより、搬送経路内に高粘性体1が充填されていない状態から第一ピストンポンプ110から第二ピストンポンプ120に供給する作業を行う場合に第二シリンダ121に空気が巻き込まれることを防止することが可能であるとともに、搬送経路の清掃が容易となる。
【0076】
以上の如く、本発明に係る高粘性体取り出し方法の実施の一形態は、
予め第一ピストンポンプ110に収容された高粘性体1を第一ピストンポンプ110から吐出し、一端が第一ピストンポンプ110に接続された搬送経路を通じて第一ピストンポンプ110から吐出された高粘性体1を搬送し、搬送経路を通じて搬送された高粘性体1を搬送経路の他端に接続されるとともに第一ピストンポンプ110の内径(より厳密には第一シリンダ111の内径)よりも小さい内径の第二ピストンポンプ120に吸入する搬送工程S1100と、
搬送経路の中途部を閉塞し、第二ピストンポンプ120と外部とを連通する吐出経路を開放し、第二ピストンポンプ120に吸入された高粘性体1を第二ピストンポンプ120から吐出し、第二ピストンポンプ120から吐出された高粘性体1を吐出経路を通じて外部に取り出す取り出し工程S1200と、
を具備する。
このように構成することにより、容易かつ重量精度良く比較的少量の高粘性体1を取り出すことが可能である。
【0077】
また、本発明に係る高粘性体取り出し方法の実施の一形態は、
取り出し工程S1200において、
外部に取り出された高粘性体1が所定量に達したときに、第二ピストンポンプ120を動作させて吐出経路に残留する高粘性体1を吸入する(サックバックする)。
このように構成することにより、取り出し装置100の吐出経路の他端(ノズル170の先端部)において吐出経路に残留する高粘性体1と吐出経路の他端から吐出された高粘性体1とをきれいに切り分けることが可能であり、ひいては取り出された高粘性体1の重量精度の向上に寄与する。
【0078】
また、本発明に係る高粘性体取り出し方法の実施の一形態は、
取り出し工程S1200において、
外部に吐出された高粘性体1を容器2に収容し、容器2に収容された高粘性体1が所定量に達したときに、吐出経路から吐出される高粘性体1の吐出方向を中心軸として容器2を回転させる。
このように構成することにより、吐出経路の他端(ノズル170の先端部)で高粘性体1がねじ切られるので、吐出経路に残留する高粘性体1と吐出経路の他端から吐出された高粘性体1とをきれいに切り分けることが可能であり、ひいては取り出された高粘性体1の重量精度の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係る高粘性体取り出し装置の実施の一形態を示す側面断面図。
【図2】本発明に係る高粘性体取り出し装置の実施の一形態の搬送工程開始時の状態を示す側面断面図。
【図3】本発明に係る高粘性体取り出し装置の実施の一形態の搬送工程初期の状態を示す側面断面図。
【図4】本発明に係る高粘性体取り出し装置の実施の一形態の搬送工程中期の状態を示す側面断面図。
【図5】本発明に係る高粘性体取り出し装置の実施の一形態の搬送工程後期の状態を示す側面断面図。
【図6】本発明に係る高粘性体取り出し装置の実施の一形態の取り出し工程時の状態を示す側面断面図。
【図7】取り出された高粘性体を容器に収容する手順を示す図。
【図8】本発明に係る高粘性体取り出し方法の実施の一形態を示すフロー図。
【符号の説明】
【0080】
1 高粘性体
2 容器
100 取り出し装置(高粘性体取り出し装置)
110 第一ピストンポンプ
111 第一シリンダ
112 第一ピストン
120 第二ピストンポンプ
121 第二シリンダ
122 第二ピストン
140 第一切替弁
150 第二切替弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高粘性体を収容する第一シリンダおよび前記第一シリンダの内周面に液密的かつ摺動可能に当接する第一ピストンを有し、前記第一ピストンが前記第一シリンダに没入する方向に摺動することにより前記第一シリンダに収容された高粘性体を吐出する第一ピストンポンプと、
前記第一シリンダの内径よりも小さい内径を有する第二シリンダおよび前記第二シリンダの内周面に液密的かつ摺動可能に当接する第二ピストンを有し、前記第二ピストンが前記第二シリンダから突出する方向に摺動することにより前記高粘性体を前記第二シリンダに吸入するとともに、前記第二ピストンが前記第二シリンダに没入する方向に摺動することにより前記第二シリンダに吸入された高粘性体を吐出する第二ピストンポンプと、
前記第一シリンダと前記第二シリンダとを連通する搬送経路と、
前記搬送経路の中途部に配置され、前記第一シリンダと前記第二シリンダとを前記搬送経路が連通する開放状態および前記搬送経路の中途部が閉塞された閉塞状態のいずれかの状態に切り替える第一切替弁と、
前記第二シリンダと外部とを連通する吐出経路と、
前記吐出経路の中途部に配置され、前記第二シリンダと外部とを前記吐出経路が連通する開放状態および前記吐出経路の中途部が閉塞された閉塞状態のいずれかの状態に切り替える第二切替弁と、
を具備する高粘性体取り出し装置。
【請求項2】
前記第一切替弁が開放状態かつ前記第二切替弁が閉塞状態のときに前記第一ピストンが前記第一シリンダに没入する方向に摺動するとともに前記第二ピストンが前記第二シリンダから突出する方向に摺動することにより、前記第一シリンダに収容された高粘性体を前記搬送経路を通じて搬送して前記第二シリンダに吸入し、
前記第一切替弁を閉塞状態に切り替えるとともに前記第二切替弁を開放状態に切り替え、前記第二ピストンが前記第二シリンダに没入する方向に摺動することにより前記吐出経路の他端から前記高粘性体を吐出する請求項1に記載の高粘性体取り出し装置。
【請求項3】
前記吐出経路の他端から吐出される前記高粘性体が所定量に達したときに、前記第二ピストンを前記第二シリンダから突出する方向に摺動させる請求項2に記載の高粘性体取り出し装置。
【請求項4】
前記第二ピストンポンプと前記搬送経路との接続部において前記第二ピストンポンプと前記搬送経路とを着脱可能とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の高粘性体取り出し装置。
【請求項5】
予め第一ピストンポンプに収容された高粘性体を前記第一ピストンポンプから吐出し、一端が前記第一ピストンポンプに接続された搬送経路を通じて前記第一ピストンポンプから吐出された高粘性体を搬送し、前記搬送経路を通じて搬送された高粘性体を前記搬送経路の他端に接続されるとともに前記第一ピストンポンプの内径よりも小さい内径の第二ピストンポンプに吸入する搬送工程と、
前記搬送経路の中途部を閉塞し、前記第二ピストンポンプと外部とを連通する吐出経路を開放し、前記第二ピストンポンプに吸入された高粘性体を前記第二ピストンポンプから吐出し、前記第二ピストンポンプから吐出された高粘性体を前記吐出経路を通じて外部に取り出す取り出し工程と、
を具備する高粘性体取り出し方法。
【請求項6】
前記取り出し工程において、
外部に取り出された前記高粘性体が所定量に達したときに、前記第二ピストンポンプを動作させて前記吐出経路に残留する高粘性体を吸入する請求項5に記載の高粘性体取り出し方法。
【請求項7】
前記取り出し工程において、
外部に吐出された前記高粘性体を容器に注入し、前記容器に注入された前記高粘性体が所定量に達したときに、前記吐出経路から吐出される高粘性体の吐出方向を中心軸として前記容器を回転させる請求項5または請求項6に記載の高粘性体取り出し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−228603(P2009−228603A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76444(P2008−76444)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000137904)株式会社ミューチュアル (37)
【Fターム(参考)】