説明

高純度顆粒状シリコン及びその製造方法

【課題】高いスループット及びより良い収率を達成することができる方法を提供する。
【解決手段】高純度の半導体グレードの顆粒状シリコン、及びそのような顆粒状シリコンを製造する方法を開示する。第1の化学気相蒸着(CVD)反応装置内で、シリコン・シードにシリコンをデポジットさせ、それによってシードをより大きな二次シードに成長させて、商業的品質の顆粒状シリコンを製造することができる。第2の化学気相蒸着反応装置内で、二次シードに追加のシリコンをデポジットさせる。この明細書に記載する方法を用いて、常套の方法よりも高いスループット及びより良い収率を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体産業に用いるための、高純度の顆粒状シリコン粒状物、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業において用いられる大部分の単結晶シリコンは、チョクラルスキー法(Czochralski("Cz")process)によって調製されている。この方法において、単結晶シリコンインゴットは、ルツボ内で高純度ポリシリコンを溶融させ、該シリコンメルト(溶融物(melt))の中に種結晶(seed crystal)を浸漬させ、結晶−メルト界面にて溶融したシリコンを単結晶形態で固化させながら、種結晶をゆっくりと引き上げることによって、製造される。顆粒状シリコン(granular silicon)は、ルツボ内で溶融させる高純度シリコンのソースとして、塊状シリコンと比べていくつかの利点を提供する。例えば、顆粒状シリコンは、ルツボの損傷を低減し、ルツボの中へ装填するための時間をより短くすることができ、結晶成長プロセスの間に、ルツボにシリコンを再装填するために用いることができる。顆粒状シリコンのこれら及びその他の利点は、共に譲渡された米国特許第5,919,303号により詳細に記載されており、その開示事項は参照することによって本明細書に含むことができる。
【0003】
顆粒状シリコンは、流動床反応装置内で、化学気相成長法(CVD(chemical vapor deposition))によって製造することができる。この方法及び関連する技術は、米国特許第5,405,658号、同第5,322,670号、同第4,868,013号、同第4,851,297号、及び同第4,820,587号に記載されており、その開示事項は参照することによって本明細書に含むことができる。一般に、シリコン・シード粒状物(silicon seed particle)を含んでなる粒状物床(particle bed)は、反応装置内で流動化され、シリコン含有化合物の分解温度よりも高い温度で、シリコン含有化合物を含む熱分解性のシリコン・デポジションガス(thermally decomposable silicon deposition gas)に接触させられる。これによって、流動床内において、粒状物の表面にシリコンが析出(デポジット(deposit))する。デポジションガス中のシリコン含有化合物としては、シラン(SiH)がしばしば望ましいが、その他の形態のシラン(Si(2n+2))、例えばジシラン、またはハロシラン(例えば、塩素化シラン)を用いることもできる。シリコン粒状物をシリコン・デポジションガスに接触させ続けることによって、シリコンは粒状物上にデポジット(析出)して、粒状物をより大きく成長させることになる。反応装置から得られた粒状物は、反応装置内において粒状物にデポジットした、かなりの量のシリコンを含んでいる。得られた粒状物と置き換えるために、新しいシード粒状物を反応装置に供給することができる。この方法は、実質的に連続的に行うことができる。例えば、必要な場合には、粒状物の一部(例えば、粒状物の15パーセント)を周期的に取り出し、新たなシード粒状物を添加して、反応装置内の粒状物の全量を、所望の範囲内に保持することができる。
【0004】
流動床反応装置内でのシランからのシリコンの分解は、不均一なデポジット(heterogeneous deposition)(例えば、シリコンがシード粒状物の表面などの表面にデポジットすること)、または均一な分解(homogeneous decomposition)(例えば、シリコンが、新しく、非常に小さい非結晶性の粒状物として分解すること)を結果として生じ得る。一般的に言って、不均一なデポジットは好ましい。均一な分解はいくつかの問題を呈する。第一に、均一な分解によって生成する非結晶性の粒状物は、微細物(fines)としても知られるが、非常に小さい(例えば、10ミクロンまたはそれ以下である)。それらの小さい寸法のため、微細物は、流動床から容易に吹き飛ばされて、反応装置の排気システム(reactor exhaust system)の中に入ったり、または失われたりすることが容易に生じ得る。そのような操作条件下において、微細物を製造することは、方法の歩留まり(process yield)(若しくは収率)(すなわち、シリコン・デポジションガス中の、有用なシリコン粒状物へ転化される分解性シリコンの百分率)を20パーセントまたはそれ以上の割合で低下させ得る。排気中に捨てられない微細物は、それらが生成したシリコン粒状物を被覆して、生成物が微細物を含むようにするため、問題点を提供する。粉塵成分を含む(dusty)流量粒状物は、汚染されていたり、取り扱いが困難であったりする。さらに、CZ結晶成長方法に用いるために、粉塵成分を含むシリコン粒状物をルツボの中に注ぎ入れると、粉塵成分を含むシリコン粒状物は、一時的に結晶引上げ装置の一部に付着したり、その後に、溶融シリコン(molten silicon)の中に落ちたりすることがあり、それによって成長するシリコンインゴットは欠陥を生じ得る。
【0005】
反応装置の操作条件が、デポジションガスがシリコン粒状物の表面と相互作用をする間よりも、気相から直接的に分解が生じるための機会をもたらす場合に、均一な分解はより生じやすい。従って、ガス気泡バイパス化の程度、流動床におけるガス気泡の体積分率(volume fraction)、流動床におけるガス気泡の平均寸法、流動床を通るガス気泡の平均速度、流動床における粒状物全体の表面積、デポジションガス中のシリコン含有化合物の濃度、およびその他種々の要因が、均一な分解の不均一なデポジションに対する割合(the ratio of homogeneous decomposition to heterogeneous deposition)に影響し得る。
【0006】
顆粒状シリコンの製造コストを低減させるために、反応装置スループット(すなわち、シード粒状物にシリコンがデポジット(または蒸着)する割合)を増大させることが一般に望ましい。スループットの増大は、デポジションガス中におけるシリコン含有化合物の濃度を増加させることによって、行うことができる。例えば、シラン濃度が約10モル・パーセントを越える場合には、シラン濃度が約5モル・パーセントもしくはそれ以下である場合よりも、著しく速い割合(若しくは速度)にて、粒状物の表面にシリコンをデポジットさせることができる。残念ながら、シラン濃度を増加させることは、均一な分解の不均一なデポジットに対する割合の望ましくない増加にも関連する。デポジションガスが約12モル・パーセントのシランを含む場合、シリコン全体の例えば15パーセント若しくはそれ以上が均一な分解であり得る。その結果、高いスループット・モードで操作する反応装置は、粉塵成分を相対的に含む生成物を製造したり、失われるシリコン微細物のために低い歩留まりを有したりする傾向がある。
【0007】
この問題への1つのアプローチは、CVD流動床反応装置を、所定の時間、高いスループット・モードにて操作して、粒状物にシリコンを急速にデポジットさせ、その後、いずれかの粒状物を反応装置から取り出す前に、所定の時間、デポジションガス中のシリコン含有化合物の濃度を(例えば、約5モル・パーセント若しくはそれ以下のシランへ)減少させて、反応装置を低いスループット・モードにて操作するというものである。低いスループット・モードで操作する間、収率は95パーセント程度までに及び得る。さらに、低いスループット・フェーズの間の不均一なシリコンデポジションによって、粒状物の表面に微細物が固定化される(cement)傾向がある。粒状物の表面に固定化された微細物は、廃棄物として失われるのではなく、シリコン収量に加えられる。最終生成物中における粉塵成分の量も、大幅に低減される。トレードオフ(代償(tradeoff))は、低スループット・モードで操作する必要があることによって、反応装置のスループットが制限されるということである。粉塵成分の適切な低減(dust reduction)を達成するためには、反応装置の低スループット・モードでの操作を、操作時間全体の15パーセント以上で行うことがしばしば必要とされる。さらに、高いスループット・モードの間に生成した微細物の一部も、排出される。同様に、米国特許第4,784,840号は、高いスループット・モードで操作される反応装置内で成長した粉塵成分を含むシリコン粒状物を他の流動床反応装置へ移送し、低濃度のシランガスに接触させることによってその粒状物を固定化させることができるということを教示している。しかしながら、第2の反応装置によってシステムのスループットが制限されるため、この方法は必ずしも満足できるものではない。低いスループット・モードで操作される第2の反応装置に対して投資をすることを避けることが望ましいと考えられる。高いスループット反応装置にて生成された微細物からの収率損失(yield loss)も、まだ問題である。
【0008】
顆粒状シリコンの純度は、もう1つの問題である。顆粒状シリコン粒状物(granular silicon particles)中における不純物は、シリコンメルトを汚染する可能性があり、結晶インゴットの中に入り込んで欠陥(defect)を生じたりする可能性がある。顆粒状シリコン中の不純物を減少させるために、多くの技術が用いられてきている。例えば、米国特許第4,871,524号は、ホウ素及びリンを除去して、水素を清浄化するために好適である水素清浄化方法に関する。この清浄化された水素は、シリコン含有化合物のためのキャリヤーガスとして用いて、流動床反応装置において製造される顆粒状シリコンの純度を向上させることができる。同様に、顆粒状シリコン粒状物の製造に用いるためのシランガスを清浄化するための技術も開発されている。これらの努力は、流動床CVD反応装置内で、非常に純粋なシリコンを粒状物にデポジットさせることを実現することに関して、大きな成功を収めていた。
【0009】
その一方で、流動床反応装置に供給するために用いられるシード(種、seeds)は、CVD反応装置によってデポジットされるシリコンと比べて、より高いレベルの汚染物質を有することを一般に特徴とするという点で、シリコン・シードを製造するために用いられる技術は後れを取っている。シードは、比較的大きなシリコン粒状物をより小さなシード寸法の粒状物へ砕くことを行うグラインディング、粉砕(smashing)、またはその他の処理によって、一般的に製造されるため、汚染物質を含まずにシードを製造することは困難である。これは、金属によって汚染された表面にシードを接触させることを一般に必要とする。例えば、シリコン・シードを製造するための1つの一般的な方法が米国特許第4,691,866号に開示されており、その開示内容は参照することによって本明細書に含むことができる。上記米国特許第4,691,866号は、コンテナ内に保持される比較的大きなシリコンのピースを、ガン・ターゲット装置によって、高い速度のガスストリーム中に同伴させた300〜2000ミクロンのシリコン粒状物のストリームに衝突させることによって、シリコン・シードを製造する方法に関する。商業的に最良の実施、例えばガン・ターゲットアプローチなどによって、(例えば、Ni、FeおよびCrの濃度の合計で)一般に5〜10ppbaのオーダーの遷移金属濃度を有するシードが一般的に製造されるということが、経験的に示されている。顆粒状シリコンの中には、シード製造段階で消費される必要があるものもあるため、シード製造も経済的ではない。シード製造に用いられるシリコンの約30〜40パーセントは、その方法の中で失われる。
【0010】
シードの製造に関する問題を解決するための努力によって、セルフ・シーディング(self-seeding)CVD反応装置の開発が導かれた。セルフ・シーディング反応装置のアイデアは、反応装置内でシリコン・シードの一部を形成することによって、流動床反応装置のシードの要求(seed requirement)を減少させることができるというものである。均一にデポジットされた微細物の一部が、排出システムへ取り込まれることを防止するのに十分な程度の大きさを有しており、シリコンデポジットを受けるために十分に大きい表面を提供する粒状物へと融合する際に、ある種のセルフ・シーディングは流動床反応装置内で自然に生じている。この自然なセルフ・シーディングは、所望の操作範囲内で、反応装置内の粒状物の数を維持するために必要とされるシードの一部を占めることができるが、それは必ずしも十分ではない。従って、流動床反応装置内で製造されるシードの数を増加させるために、種々のセルフ・シーディング反応装置が開発されている。例えば米国特許第4,424、199号は、反応装置の底部におけるブート分離チャンバ(boot separation chamber)に集められた比較的大きいシリコン粒状物に、高速度のガスジェットを作用させて、より大きいシリコン粒状物の一部を粉砕して、新しいシード粒状物を製造するという流動床反応装置を開示している。新しいシード粒状物の一部は排気に失われる微細物となり得るため、新しいシード粒状物を製造するために反応装置内で、より大きいシリコン粒状物を粉砕することは、あまり経済的ではない。
【0011】
シードの製造に関する問題を解決するためのもう1つの努力は、米国特許第4,314,525号に開示されている。この特許は、フリースペース熱分解反応装置内で、シリコン・デポジションガスを分解させることによって、シリコン・シードを製造する方法に関する。フリースペース反応装置の均一に分解したシリコン微細物は、フリースペース反応装置の中の不均一なデポジットによって増大されて、約0.1〜約5ミクロンの範囲のシード前駆体粒状物を形成する。シード前駆体粒状物は、小さな流動床反応装置に供給されて、シード粒状物を50ミクロン若しくはそれ以上のより適切な大きさに成長させることができる。反応装置の多孔質の側壁を通して熱いガスを注入して、均一に分解された粒状物が側壁に付着することを防止するので、シリコン・シードを製造するために熱分解反応装置を用いることによっても、ある程度の汚染の問題が示される。側壁としての役割を果たすために多孔質にされることができた材料が、ガスを汚染したり、シードに汚染物質を導入したりすることが起こり得る。
【発明の概要】
【0012】
本発明の1つの要旨において、半導体グレードの顆粒状シリコン粒状物を製造する方法は、一般に、破砕(fragmentation)方法にて製造され及び第1の平均寸法を有する一次シード(primary seeds)を、第1の化学気相蒸着(CVD)反応装置の中に導入することを含んでなる。第1のCVD反応装置の中を通って流れるシリコン・デポジションガスから、化学気相成長法によって、追加のシリコンが一次シードにデポジットされて、その寸法を増大させて、二次シード(secondary seeds)が製造される。第1のCVD反応装置内での均一な分解によって、その他の二次シードが形成される。第1のCVD反応装置内で製造され、一次シードの第1の平均寸法よりも大きい第2の平均寸法を有する二次シードは、第2のCVD反応装置に導入される。第2のCVD反応装置の中を通って流れるシリコン・デポジションガスから、化学気相成長法によって、追加のシリコンが二次シードにデポジットされて、その平均寸法を増大させ、二次シードの第2の平均寸法よりも大きい第3の平均寸法を有する顆粒状シリコン粒状物が製造される。
【0013】
本発明のもう1つの要旨において、顆粒状シリコン構成物は、一般に少なくとも約300kgの総重量を有する多数の易流動性シリコン粒状物を有している。粒状物は、0.2ppba未満の平均遷移金属濃度を有している。
【0014】
本発明の更にもう1つの要旨において、顆粒状シリコン構成物は、一般に少なくとも約300kgの総重量を有する多数の易流動性シリコン粒状物を有している。粒状物の少なくとも99%は、約250〜約3500ミクロンの範囲の寸法を有している。
【0015】
本発明の更にもう1つの要旨において、顆粒状シリコン粒状物を製造する方法は、第1の平均寸法を有する一次シード(第1のシード)を第1のCVD反応装置に導入すること、第1のCVD反応装置の中を通って流れるシリコン・デポジションガスから化学気相成長法によって追加のシリコンを一次シードにデポジットしてその寸法を増大させ、一次シードの第1の平均寸法よりも大きい第2の平均寸法を有する二次シード(第2のシード)を製造することを一般に含んでなる。第1のCVD反応装置の中で製造されて、第2の平均寸法を有する二次シードが、第2のCVD反応装置に導入される。第2のCVD反応装置の中を通って流れるシリコン・デポジションガスから化学気相成長法によって追加のシリコンが二次シードにデポジットされて、その平均寸法を増大させ、二次シードの第2の平均寸法よりも大きい第3の平均寸法を有する顆粒状シリコン粒状物が製造される。第2のCVD反応装置のガスは、少なくとも約7モル・パーセントのシリコン化合物を含んでいる。第2のCVD反応装置の中で製造されて、第3の平均寸法を有する顆粒状シリコン粒状物は、第3の反応装置に導入される。第3の平均寸法の顆粒状シリコン粒状物に付随する粉塵成分(dust)は、第3の反応装置では減少する。
【0016】
本発明のその他の目的及び特徴を、以下、部分的に明らかにし及び部分的に指摘する。図面の全体について、対応する部材を対応する参照符号によって示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、破砕方法において製造されたシードを有する顆粒状シリコン粒状物の模式的断面図である。
【図2】図2は、顆粒状シリコンを製造する方法のフロー図である。
【図3】図3は、本発明の顆粒状シリコンを製造するために好適な3反応器システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(詳細な説明)
本発明の顆粒状シリコンは、多数の易流動性シリコン粒状物(顆粒)の形態を有している。粒状物の一部には破砕方法にて製造されたシードも含まれており、他の粒状物の部分には反応装置内で均一に分解した粒状物の融合によって形成されたシードも含まれる。例えば、図1を参照すると、破砕方法にて製造されたシード(全体として符号1で示す)を有する顆粒状シリコン粒状物は、比較的小さいシリコン・シード3を有しており、シリコン・シード3は高純度シリコン5によって包囲されている。シード粒状物3を包囲しているシリコン5は高純度シリコンであって、シードが1組の流動床CVD反応装置の中でシリコン・デポジションガス(例えばシラン)に接触させられた際に、シリコン含有化合物の分解によってシード粒状物上にデポジットされたものである。シード3は、より大きいシリコンのピースを、より小さい寸法のシード粒状物へ(例えば破砕方法によって)破砕することによって形成されたシリコンの小片である。例えば、シード3は、米国特許第4,691,866号に実質的に記載されているように、シリコンのターゲットピースに、シリコンの発射体ピース(a projectile piece of silicon)を衝突させることによって、好適に形成することができる。従って、図1に示す粒状物1のシード3は、流動床反応装置の中で均一に分解された粒状物の融合によって製造されたものではないという点で、外部にて生成したシードである。
【0019】
汚染物質を導入することなく、シリコン粒状物をシード寸法の粒状物まで壊すことが困難であることはよく知られているように、シード3は少なくとも最初は、包囲するシリコン5よりも一般により高いレベルの汚染を有している。特に、シードは、周囲のシリコンと比べて、より高い遷移金属(例えばNi、FeおよびCr)の濃度を有している。シード3と周囲のシリコン5との汚染レベルの違いを、図1において、濃度の異なるドットによって模式的に示している。シード3から周囲のシリコン5へ汚染物質が拡散することによって、時間の経過とともにシード及び周囲のシリコンの汚染のレベルを変化させ得るが、このような拡散は、粒状物1の全体的な汚染レベル、またはそのような粒状物を複数含んでなる顆粒状シリコン生成物の全体的な汚染レベルには、あまり影響を及ぼさない。
【0020】
図1に示す顆粒状シリコン粒状物1は、シード3を包囲しているシリコンの2つの層11、13を有するものとして示されている。以下に記載する製造方法に説明するように、各層11、13は、異なる流動床反応装置内で、シード3にデポジットされたものである。粒状物を通る断面を示すために、粒状物にエッチングを行うことは可能である。実務慣習において、このようにして粒状物にエッチングを行うと、シード3と内側シリコン層11との間、および/または内側シリコン層11と外側シリコン層13との間における境界を示して、識別し得る(discernable)成長リング15を明らかにすることができる。しかしながら、粒状物が、シード3及び包囲シリコンの層11、13を有してなる場合であっても、成長リング(growth ring)15は不明瞭であったり、存在しなかったりし得る。従って、成長リングが存在することは、シリコン粒状物が別個のシリコンデポジット処理によって形成されたということの信頼できる指標であるが、成長リングが存在しないことは、粒状物が単一のシリコンデポジット処理によって形成されたということの信頼できる指標ではない。
【0021】
当業者は、本発明の顆粒状シリコンが、一般に、多数のシリコン粒状物の形態で、処理され、移送され、販売され、及び使用されることになると、理解するであろう。さらに、粒状物は、通常は、寸法、形状および構造について、多少なりとも変動し得る。例えば、粒状物の一部または全体が、ほぼ球形であるというよりも、細長い球形または不規則な形状を有することがある。粒状物はすべてが同じ寸法になるというものではない。その代わりに、粒状物は、ある程度の粒度分布(size distribution)を有することになる。更に、図1に示す粒状物1と対比すると、流動床反応装置の中で生成したシードから形成された粒状物は、一般に、シード及び周囲のシリコンのレベルと同程度の低い汚染レベルを有する。顆粒状シリコン生成物は、両方の種類のシードを有する粒状物からなると考えられる。顆粒状シリコンの純度は、本質的に、構成粒状物の純度の加重平均になると考えられる。
【0022】
本発明の1つの要旨は、顆粒状シリコン中において、破砕方法によって生成したシード中のシリコンの量の、総シリコンに対する割合が、破砕によって形成されたシードから作られた常套の顆粒状シリコン生成物における割合よりも低いということである。従って、破砕によって形成されたシードに起因する汚染の程度は、より純度の高い大量のシリコンによって希釈化される。破砕によって形成されたシードが、顆粒状シリコンの総重量の約7パーセント以下を占めることが好ましい。破砕によって形成されたシードが、顆粒状シリコンの総重量の約5パーセント以下を占めることは、さらに好ましい。破砕によって形成されたシードが顆粒状シリコンの総重量の約2パーセント以下であることは、更により好ましい。破砕によって形成されたシードが、顆粒状シリコンの総重量の約0.5パーセント〜約1.5パーセントの範囲であることは、最も好ましい。
【0023】
破砕によって生成したシードに起因する汚染がより純度の高い大量のCVDシリコンによって希釈化されるので、本発明の顆粒状シリコンは常套の顆粒状シリコンよりも高い純度を有する。破砕によって生成したシードは、遷移金属汚染について知られている。従って、本発明の1つの態様例において、顆粒状シリコンは、0.2ppba未満の遷移金属(すなわち、Ni、Fe、およびCrの合計)を含んでいる。顆粒状シリコンが約0.15〜約0.1ppbaの遷移金属を含むことは、より好ましい。顆粒状シリコンが約0.1ppba以下の遷移金属を含むことは、特に好ましい。顆粒状シリコン中の鉄含量は、約0.13ppba未満であることが好ましい。鉄含量が約0.07ppba〜約0.13ppbaの範囲にあることは、さらに好ましい。鉄含量が約0.07のppba〜約0.1ppbaの範囲にあることは、特に好ましい。顆粒状シリコンが、約0.1ppba以下のホウ素、約0.1ppba以下のリン、0.03ppba以下のその他のドナー汚染物質(例えば、ヒ素及びアンチモン)、約0.02〜約0.1ppmaの範囲の炭素、および約0.3〜約1.5ppmwの範囲の水素を含むことも好ましい。顆粒状シリコンが、本発明の範囲を逸脱することのない範囲で、前述の1又はそれ以上の汚染物質をより高い濃度にて含むことができるということも理解されたい。もう1つの態様において、顆粒状シリコンの重量の約0.01〜約0.02パーセントを表面粉塵成分に帰属させることができる。顆粒状シリコンの重量の約0.006〜約0.02パーセントを表面粉塵成分に帰属させることは、より好ましい。本明細書において用いるように、表面粉塵成分という用語は、粒状物の表面に付着している物質であって、液体洗浄によって除去することができる物質を意味する。
【0024】
粒状物は、CZ結晶引上げ装置において使用するため好適な大きさにされることが望ましい。一定の寸法(例えば50ミクロン)以下のシードが供給される流動床反応装置の操作は非現実的及び非能率的であるため、粒状物の寸法も重要である。しかしながら、破砕方法において得られたより大きいシードには、より多くの汚染物質が導入されている。上述したように、通常、粒状物は寸法及びその他の特性についてある程度変動し得る。従って、粒子寸法は平均として特定される。従って、顆粒状シリコンのシリコン粒状物が約800〜1200ミクロンの範囲の平均寸法を有することが好ましい。粒状物が約900〜1100ミクロンの範囲の平均寸法を有することはより好ましい。粒状物が約950〜1050ミクロンの範囲の平均寸法を有することは特に好ましい。粒状物のうちの少なくとも99%が約250〜約3500ミクロンの範囲の寸法を有しており、顆粒状シリコンの総重量の約0.5パーセント未満のものが約300ミクロン未満の寸法を有することが好ましい。破砕方法によって得られたシードは、約150ミクロン未満の平均寸法を有する。破砕方法によって得られたシードが約50〜150ミクロンの範囲の平均寸法を有することが好ましい。破砕方法によって得られたシードが約75ミクロン〜約125ミクロンの範囲の平均寸法を有することが、さらに好ましい。破砕方法によって得られたシードの平均寸法が約100ミクロンであることが特に好ましい。
【0025】
本発明の顆粒状シリコンは、以下に説明する方法を用いて、商業的に好適な量で製造することもできる。例えば、常套の顆粒状シリコンについての今日の工業的実務に対応して、本発明の顆粒状シリコンを約300kgの重量の量で包装して(例えば、ドラム缶に入れて)移送することができる。同様に、常套の顆粒状シリコンについての今日の工業的実務に対応して、本発明の顆粒状シリコンを約1メートルトンの重量の量で、1つの単位として販売することができる。
【0026】
本発明の顆粒状シリコンは、事実上、通常の顆粒状シリコンと同じ方法で用いることができる。しかしながら、汚染レベルが低いために、常套の顆粒状シリコンが寄与し得る程度と比べて、本発明の顆粒状シリコンは、顆粒状シリコンによって製造されるシリコン生成物(例えば、半導体材料)についてのより低い汚染物質レベルに寄与すると考えられる。このことによって、より高い純度及びより少ない欠陥を有するシリコン生成物の製造が促進される。顆粒状シリコンの相対的に均一な粒度分布及び低い粉塵成分含量によって、取り扱いがより容易になり、ルツボへの顆粒状シリコンの充填及び再充填が促進される。
【0027】
本発明の顆粒状シリコンは、この発明の範囲を逸脱することなく、上述したような特徴の1つ若しくは全体を、又はいずれかのものを実質的にいずれかの組合せで有することができる。顆粒状シリコンが、上述した特徴の1又はそれ以上から逸脱することがあることが望ましいこともある。例えば、この発明の範囲を逸脱することなく、米国特許第4,789,596号の中で提案されているように、シリコンを、p型またはn型キャリヤ(例えばホウ素)によって、意図的にドーピングさせることもできる。当業者は、この発明の範囲を逸脱することなく、種々のその他の理由から、上述した1又はそれ以上の特徴から、外れたり、緩和したりすることが可能であるか又は望ましいと理解するであろう。
【0028】
(製造プロセス)
図2及び3を参照すると、本発明の製造方法は、以下のような基本的ステップを含んでなる。まず、図2に示すように、より大きいシリコン粒状物を破砕して第1の平均寸法のシード寸法のシリコン粒状物とすることによって、一次シリコン・シードを製造する。次に、一次シードを第1の流動床反応装置に供給し、第1の反応装置内でシリコン含有化合物を熱分解することによって、一次シードを第2の平均寸法を有する中間的寸法の二次シードへ成長させる。二次シードを第2の流動床反応装置に供給し、そこで第2の反応装置内でシリコン含有化合物を熱分解することによって、二次シードを第3の平均寸法を有する顆粒状シリコン粒状物へ成長させる。その後、顆粒状シリコンを脱水素化装置(dehydrogenator)へ供給して、シリコン粒状物の水素含量を減少させ、顆粒状の粒状物に付着している表面粉塵成分の一部を取り除く。これらの各ステップについては、以下においてより詳細に説明する。
【0029】
一次シードは、より大きいシリコンピースを破砕して、第1の平均寸法のシード寸法粒状物を含む、より小さい粒状物とすることによって製造される。この工程において製造された一次シードは、通常用いられるシードよりもその一次シードが多少小さく形成されていることを除いて、普通のシリコン・シードと本質的に同じである。従って、1つの態様例において、第1の反応装置の中へ供給される一次シードは、約150ミクロン未満の第1の平均寸法を有している。一次シードが約50〜約150ミクロンの範囲の第1の平均寸法を有していることが好ましい。一次シードが約75〜125ミクロンの範囲の第1の平均寸法を有していることが、より好ましい。一次シードは約100ミクロンの第1の平均寸法を有していることが特に好ましい。また、この態様では、一次シードの約90パーセントが、約10ミクロン〜約300ミクロンの範囲にあることが好ましい。
【0030】
一次シードは、シリコン粒状物をより小さい粒状物へ破砕するために、粉砕、グラインディング、ミリングまたはその他の処理によって製造することができる。シリコン・シードを製造するための1つの特に望ましい方法は、米国特許第4,691,866号に実質的に記載されているように、シリコンターゲット(標的)に、シリコン粒状物(例えば、300〜2000ミクロンの粒状物)のストリームを衝突させることである。得られるシリコン破片は寸法によって分級されて、シードとして使用するのに好適な粒状物をその他の粒状物から分離される。例えば、米国特許第4,857,173号(その開示事項は参照することによって本明細書に含む)に示されている粒状物選別装置を用いて、寸法によってシリコン破片を分別し、好適な寸法のシードの供給を得ることができる。可能な限りほとんど汚染物質を有さない一次シードを製造することが望ましいが、シードは5〜10ppbaの遷移金属濃度を通常は有している。シード製造技術における進歩によって、この発明の範囲を逸脱することなく、現在得ることができる汚染レベルよりも、より低い汚染レベルを有するシードを、将来的に用いることが可能となり得る。さらに、CVD反応装置内でデポジットされたシリコンについて達成することができる汚染レベルを越える汚染レベルを、シリコン・シードが有する時はいつでも、本明細書に記載する方法を用いて、高純度の顆粒状シリコン生成物を製造することができる。
【0031】
図3を参照すると、一次シードは第1の流動床(化学気相蒸着)反応装置201の中へ供給される。反応装置の構成は本発明についてはあまり重要ではないが、図3に示す例の反応装置の基本的構成および操作について、例示のために説明する。反応装置は、全体として円筒形態の容器203を有している。容器203の下側部分におけるディストリビュータ・プレート209へ流動化ガス207を供給するために、反応装置201の底部に、ガス入口205が設けられている。容器203から排気システム(図示せず)へガスを排出させるため、反応装置201の頂部に排気出口215が設けられている。容器およびその内容物を加熱するために、ヒーター217が設けられている。ヒーターは、電気抵抗ヒーター、電磁気ヒーター、磁気誘導ヒーターまたはそれらのいずれかの組み合わせなどの種々のヒーターであってよい。
【0032】
反応装置201の操作は、ディストリビュータ・プレート209の上方の容器203内で、一次シリコン・シードを含んでなる加熱された粒状物床221を形成することを含んでいる。粒状物床221は、完全に一次シードによって形成することもできるが、一般的には、一次シードと、既に二次シードへの成長過程にある、以前に添加されていた一次シードと、均一に分解された粒状物から成長した粒状物の組み合わせになると考えられる。ガス入口205およびディストリビュータ・プレート209を通って上方へ(又は上向きに)流れる加熱されたガス207のストリームによって、粒状物床221の流動化が行われる。例えば、例示する態様において、粒状物床221の流動化に用いられるガス207は、キャリヤーガス(例えば、水素)とシリコン・デポジションガス(例えば、シラン)との混合物である。従って、流動床221内の粒状物は、シリコン・デポジションガスに接触する。さらに、ヒーター217によって提供された熱であって、加熱されたガス207、シリコン粒状物221および反応装置201の構造物に蓄えられた熱によって、ガス207中のシリコン含有化合物は分解する。例えば、反応装置201の内部の温度は、約1100°F〜約1300°Fの範囲であってよい。このことによって、粒状物221の表面にシリコンがデポジット(又は析出)する。
【0033】
本発明の1つの要旨は、第1の流動床反応装置201を実質的に高スループット・モードで連続的に操作することである。例えば、粒状物を、少なくとも約9モル・パーセントのシランを含むガスに接触させることができる。粒状物を、約14モル・パーセント以上のシランを含むガスに接触させることが好ましい。粒状物を約16〜24モル・パーセントの範囲のシランを含むガスに接触させることがより好ましい。粒状物を約18〜20モル・パーセントの範囲のシランを含むガスに接触させることが特に好ましい。特定のシランの濃度を有するシランとキャリヤーガスとの混合物を、図3に示すガス入口205にて反応装置に導入することが好ましい。尤も、本発明の範囲を逸脱することなく、シランとキャリヤーガスとを、それぞれ好適な量にて、独立して反応装置に導入して、反応装置内で混合することもできると、理解されたい。この態様において、反応装置201は、約5psig〜約15psigの範囲の内部圧力にて操作される。しかしながら、内部圧力は、本発明の範囲を逸脱することなく、大気圧以下の圧力から数気圧までの範囲であってもよい。
【0034】
二次シード粒状物は、当業者に知られているいずれかの方法によって、第1の反応装置201から、周期的にまたは実質的に連続的に取り出される。例えば、粒状物の一部(例えば、15パーセント)を、周期的に(例えば、約4時間ごとに)取り出すことができる。追加の一次シードは、反応装置内の粒状物の総数を所望の範囲内に維持するために、周期的にまたは実質的に連続的に、反応装置の中へ供給される。粒状物床は流動化処理によってほぼ完全に混合されるので、第1の反応装置から取り出された二次シードの一部は第1の反応装置内により長い時間だけ留まって、その他の粒子よりも大きく成長し得る。第1の反応装置から取り出された二次シードは、一次シードの第1の平均寸法と比べてより大きい第2の平均寸法を有している。本発明のこの態様では、第1の反応装置から取り出された二次シードは少なくとも約250ミクロンの平均寸法を有している。二次シードの平均寸法が約250ミクロン〜約600ミクロンの範囲にあることがより好ましい。二次シードが約400ミクロン〜約500ミクロンの範囲の平均寸法を有することは、特に好ましい。
【0035】
流動床反応装置についての粒状物成長の程度は、一般に成長比(growth ratio)として表現される。成長比は、反応装置に追加されたシードの質量の、取り出されたシリコン粒状物の質量に対する割合(または比)である。第1の反応装置201の成長比は約13〜約20の範囲にある。その成長ファクターの範囲は、二次シードの質量の約1/13〜1/20が一次シードに起因することを示している。質量の残部はシリコン・デポジションガスの分解に起因し、一次シードよりも高い純度を有している。第1の反応装置201の成長比は、以下により詳細に説明するように、第1の反応装置内で均一に分解された粒状物の融合によって形成される追加のシードが作られることによって、増大する。
【0036】
二次シードは第2の流動床(化学気相蒸着)反応装置301中へ供給され、その反応装置内で、二次シードはより大きい顆粒状シリコン粒状物へ成長する。第1の反応装置201と同様に、第2の反応装置301の構成も本発明にとってそれほど重要ではない。(図3に示す)1つの態様において、第2の反応装置301の基本的構成および操作は、以下に記載することを除いて、第1の反応装置と実質的に同様である。
【0037】
第1の反応装置201と同様に、第2の反応装置301も高いスループット・モードにて実質的に連続的に操作される。第2の反応装置301内において、粒状物321は少なくとも7モル・パーセントのシランを含むガス307に接触する。第2の反応装置301内の粒状物321は、約7モル・パーセントより高いシラン濃度を有しており、第1の反応装置201内での粒状物221の接触に用いられたガス207のシラン濃度よりも低いシラン濃度を有するガス307に接触することが好ましい。第2の反応装置301内の粒状物321は、約7〜約13モル・パーセントの範囲のシラン濃度を有するガス307に接触することがより好ましい。
【0038】
二次シードはより大きい顆粒状シリコン粒状物に成長し、その顆粒状シリコン粒状物は、粒状物が第1の反応装置201から取り出される方法と同様の方法で、第2の反応装置301から周期的にまたは実質的に連続的に取り出される。第2の反応装置301から取り出される顆粒状シリコン粒状物は、約800〜約1200ミクロンの範囲の第3の平均寸法を有することが好ましい。第2の反応装置301から取り出される顆粒状シリコン粒状物は、約900〜約1100ミクロンの範囲の平均寸法を有することがより好ましい。第2の反応装置301から取り出される顆粒状シリコン粒状物が、約950〜約1050ミクロンの範囲の平均寸法を有することが特に好ましい。
【0039】
第2の反応装置301の成長比は、約5〜約10の範囲にある。第1の反応装置201と第2の反応装置301の合成した成長比(即ち、第1の反応装置201に供給された一次シードの質量の、第2の反応装置301から取り出された顆粒状シリコン粒状物の質量に対する比)は、約65〜約200の範囲にある。第1の反応装置201と第2の反応装置301の合成した成長比が約90〜150の範囲にあることは、より好ましい。
【0040】
本発明の1つの要旨は、第1の流動床反応装置201及び第2の流動床反応装置301の操作が、第1の流動床221と第2の流動床321との間での粒状物の平均粒子寸法の違いによって影響を受けるということである。当業者にはよく知られていることであるが、平均粒子寸法は流動床の多くの他の特性に影響を及ぼす。例えば、流動化ガス速度(U)の、流動床を流動化させることができる最小ガス速度(Umf)に対するいずれか所定の割合について、平均粒子寸法がより小さい場合に、気泡バイパスはより大きくなる。気泡バイパスの増加は、均一な分解に好適である。
【0041】
第1の反応装置201内の粒状物の平均粒子寸法は、通常のシリコンを製造する化学気相蒸着(CVD)流動床反応装置内における平均粒子寸法と比べてより小さい。第1の反応装置201内の粒状物の平均粒子寸法は、第2の反応装置301内の粒状物の平均粒子寸法と比べてもより小さい。逆に、第2の反応装置301内の粒状物の平均寸法は、典型的なシリコンを製造する化学気相蒸着(CVD)流動床反応装置内に見出される粒子の平均粒子寸法よりも大きい。例えば、1つの態様例において、第1の反応装置201内の平均粒子寸法は約300〜600ミクロンの範囲にあり、第2の反応装置の内の平均粒子寸法は約800〜1200ミクロンの範囲にある。
【0042】
第1の反応装置201内の粒状物についてより小さい平均粒子寸法は均一な分解について好適であって、第1の反応装置についてより低い最小ガス速度(Umf)が得られる。反対に、第2の反応装置内の平均粒子寸法はより大きいため、第2の反応装置301のUmfは、通常のシリコン製造のための流動床反応装置についてよりも高い。第1の反応装置201についてのU/Umfの割合は1〜約5の範囲にあり、第2の反応装置301についてのU/Umfの割合は1〜約3の範囲にあることが好ましい。第1の反応装置201についてのU/Umfの割合が約2〜約4の範囲にあり、第2の反応装置301についてのU/Umfの割合が1〜約2の範囲にあることがより好ましい。第1の反応装置201と第2の反応装置301との間でU/Umfの割合が重なっているが、平均粒子寸法のUmfの値への影響のために、第2の反応装置についてのガス速度は第1の反応装置についてのガス速度よりも高い。
【0043】
比較的低いUmfのため、流動床反応装置内でシリコンの製造のために通常用いられる速度と比べて、より低いガス速度で第1の反応装置201を操作することができる。このことによって、均一に分解された微細物のかなり大きなフラクションが、排気出口215を通って排気システムへ排出されるよりも、第1の反応装置201の流動床221の中に留まることが可能となる。従って、通常は排気の中に失われる(又は排出される)均一に分解された微細物の一部が反応装置内で融合して、その後に二次シードへ成長する、内部で生成したシードを形成するので、第1の反応装置201はセルフ・シーディングの量の増加を経ることになる。第1の反応装置201内で融合してシードを形成する、均一に分解された粒状物のフラクションが増加すると、方法へのシードの要求も低減し、従って効率が向上する。セルフ・シーディングの利点は、シランの濃度を14モル・パーセント以上に増大させ、第1の反応装置201のスループットを向上させること、及び第1の反応装置の部分的なセルフ・シーディングのために均一に分解された粒状物を生成させることを経済的に行うことである。
【0044】
シラン濃度は、第1の反応装置201内よりも第2の反応装置301内の方が低いことが好ましく、そのことは不均一な分解に好適である。より大きい平均粒子寸法によって第2の粒状物床231についてより高いUmfが得られるので、第2の反応装置301内の粒状物は、第1の反応装置201中で用いられるよりも高い割合で(またはより速い速度で)反応装置を通って上向きに流れる流動化ガス307によって流動化される。第2の反応装置301内の小さい粉塵成分の寸法の粒状物は、相対的により高いガス速度のために、排気出口315を通って流動床から排出されることになる。このことによって第2の反応装置301中でのセルフ・シーディングの程度が低下するが、第2の反応装置301内のより大きい平均粒子寸法によって生じる、不均一な分解の均一な分解に対する割合が大きくなることによって相殺されることになる。さらに、第2の反応装置301内のより高いガス速度は、所定の時間で、所定の濃度について、粒状物床321を通過するより多くのシリコン・デポジションガスに転化(translate)され、従って第2の反応装置301のスループットを増大させる。
【0045】
第2の反応装置301から取り出された顆粒状シリコンは、本発明の範囲を逸脱することのないように、使用することができる。尤も、顆粒状シリコンがCZ結晶引上げ装置内のルツボの再装填のために用いられる場合、顆粒状シリコンの水素含量を低下させることは望ましいと考えられる。さらに、第2の反応装置301から取り出される顆粒状シリコンの粉塵成分含量を低下させることも望ましいと考えられる。水素及び粉塵成分の両者を低下させることは、第2の反応装置301から流動床脱水素化装置401の中へ顆粒状シリコン粒状物を供給することによって達成することができる。例えば、米国特許第5,326,547号(その開示事項は参照することによって本明細書に含む)に記載されているように、流動床脱水素化装置の中に、第2の反応装置301から取り出された顆粒状シリコン粒状物を供給することができる。基本的に、脱水素化装置401は、シリコン含有化合物の分解のためにCVD流動床反応装置内で形成される温度よりも高い温度で、不活性気体407(例えば、水素)によってシリコン粒状物421の床を流動化することによって操作される。このような高温では、水素は時間の経過とともに粒状物から拡散される。従って、本発明の1つの態様において、第2の反応装置301から取り出された顆粒状シリコンは、流動床脱水素化装置401の中へ供給され、顆粒状シリコンの水素含量を約0.3〜約1.5ppmwへ低下させるのに十分な時間で、約1800°F〜約2200の°Fの範囲に保持される。このステップは、顆粒状シリコンの粉塵成分含量をも低下させる。例えば、第2の反応装置301から取り出された顆粒状シリコン粒状物は、約0.1〜約0.4重量パーセントの表面粉塵成分含量を有し得る。脱水素方法は、表面粉塵成分含量を約0.01〜約0.02重量パーセントへ減少させることができる。脱水素方法は、表面粉塵成分含量を約0.01〜約0.006重量パーセントの範囲へ減少させることができることがより好ましい。脱水素方法は、粉塵成分含量を少なくとも約80パーセント低下させることが好ましい。粉塵成分含量は少なくとも約95パーセント低下させることがより好ましい。表面粉塵成分含量の少なくとも約98パーセントを低下させることが特に好ましい。
【0046】
本発明の方法は、生成物純度の観点から利点をもたらす。本発明の方法は、効率性の観点からも多くの利点を提供する。本明細書に記載したように、第1の流動床反応装置と第2の流動床反応装置とを組み合わせることによって、歩留まり(収率)を、最も良好な常套のプラクティスの場合よりも約2〜5パーセント向上させることができる。同時に、スループットを、最も良好な常套のプラクティスの場合よりも、約15〜20パーセント向上させることができる。スループットは、シリコン製造の速度の反応装置容器寸法(反応装置の平均断面積の項で表わされる)に対する割合について測定することができる。第2の反応装置を通るスループットは、少なくとも約140kg/h/mであることが好ましい。本明細書に記載する態様例において、第2の反応装置のスループットは、約140kg/h/m〜約155kg/h/mの範囲にある。この方法は、顆粒状シリコンを製造する最良の常套の慣行と比べて、遷移金属の濃度の著しい減少を結果として生じている。一般に、本発明の方法を実施しようとする者は、本明細書に示したおよび/または本明細書のどこかに記載した利点のすべてを享受することを望むと考えられるが、当業者は、彼らに適するならば、本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書の教示を用いて、全ての利点かまたはその一部を享受することができると考えられる。
【0047】
さらに、シリコン・シードから顆粒状シリコンを成長させるために、種々の流動床反応装置の構成が用いられている。当業者は、実質的にいずれの種類の流動床反応装置であっても、本発明に従って使用するための顆粒状シリコンの製造に好適な常套の流動床反応装置を適応させることができるであろう。例えば、ガスが反応装置の中に流入する方法には、大きな自由度がある。シリコン・デポジションガス(例えば、シラン)は、キャリヤーガス(例えば、水素)とは別々に(又は独立して)導入することができる。この方法は、粒状物からの熱によって加熱されるようになるまで、シリコン・デポジションガスを分解温度以下に維持することは容易であり、それによってガス入口におけるシリコンデポジットの形成を減少させることができるので、この方法を好む者も少なくない。シリコン・デポジションガスの導入は、いくつかの例について無数のバリエーションがあって、反応装置の種々の位置にある複数の入口を通して、または流動床ガスから種々の位置にて反応装置に導入することができる。
【0048】
本発明の要素または本発明の好適な態様例を導入する場合に、「a」(1つの)、「an」(1つの)、「the」(その)、及び「said」(前記の)という冠詞等は、1つ又はそれ以上の要素があることを意図するものである。「comprising」(含有する)、「including」(含む)及び「having」(有する)という用語は、包含することを意図するものであって、記載した事項以外の追加的な要素が存在してもよいことを意味する。
【0049】
この本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の上述した構成、生成物および種々の変更を加えることもできるが、この明細書に記載する事項及び添付図面に示す事項のすべては、示すことを目的とするものであって、限定することを目的とするものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体グレードの顆粒状シリコン粒状物を製造する方法であって、
第1の化学気相蒸着(CVD)反応装置の中に、破砕方法にて製造され、及び第1の平均寸法を有する一次シードを導入する工程;
第1のCVD反応装置の中を通って流れるシリコン・デポジションガスから化学気相成長法によって追加のシリコンを前記一次シードにデポジットさせて、その寸法を増大させ、二次シードを形成する工程;
第1のCVD反応装置内での均一な分解によって、追加の二次シードを形成する工程;
第1のCVD反応装置内で製造され、一次シードの第1の平均寸法よりも大きい第2の平均寸法を有する二次シードを、第2のCVD反応装置に導入する工程;並びに
第2のCVD反応装置の中を通って流れるシリコン・デポジションガスから化学気相成長法によって追加のシリコンを二次シードにデポジットさせて、その平均寸法を増大させ、二次シードの第2の平均寸法よりも大きい第3の平均寸法を有する顆粒状シリコン粒状物を形成する工程
を含んでなることを特徴とする方法。
【請求項2】
第1の化学気相蒸着反応装置に添加される一次シードの質量の、第2の化学気相蒸着反応装置で形成される第3の平均寸法を有する顆粒状シリコン粒状物の質量に対する割合が約0.07未満であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
一次シードの第1の平均寸法が約50〜約150ミクロンの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
二次シードの第2の平均寸法が約300〜約600ミクロンの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
顆粒状シリコン粒状物の第3の平均寸法が約800〜約1200ミクロンの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1のCVD反応装置及び第2のCVD反応装置内で粒状物にシリコンをデポジットさせる工程がそれぞれ前記粒状物に少なくとも1種のシリコン・デポジションガスを接触させることを含んでなり、前記少なくとも1種のシリコン・デポジションガスはシランを含んでなり、第1のCVD反応装置のデポジションガスは約16〜約24モル・パーセントの範囲でシランを含んでおり、第2のCVD反応装置のデポジションガスは約7〜約13モル・パーセントの範囲でシランを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1のCVD反応装置内で追加のシリコンをデポジットさせる工程は、一次シードを含む第1の粒状物床を通してデポジションガスを流して、第1の粒状物床を流動化させることを含んでおり、第2のCVD反応装置内で追加のシリコンをデポジットさせる工程は、二次シードを含む第2の粒状物床を通してデポジションガスを流して、第2の粒状物床を流動化させることを含んでおり、第1のCVD反応装置内で追加のシリコンをデポジットさせる工程は、第1の反応装置についての最小床流動化速度を越える速度で第1の粒状物床の中を上向きにデポジションガスを流れさせることを含んでなり、第1の粒状物床の中を流れるガスの速度の、第1の反応装置についての最小床流動化速度に対する割合は1〜約5の範囲であり、第2のCVD反応装置内で追加のシリコンをデポジットさせる工程は、第2の反応装置についての最小床流動化速度を越える速度で第2の粒状物床の中を上向きにデポジションガスを流れさせることを含んでなり、第2の粒状物床の中を流れるガスの速度の、第2の反応装置についての最小床流動化速度に対する割合は1〜約3の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1のCVD反応装置内で粒状物にシリコンをデポジットさせる工程は、一次シードを含む第1の粒状物床を通して上向きに第1の速度にてガスを流れさせることを含んでなり、第2のCVD反応装置内の第2の粒状物床で二次シードにシリコンをデポジットさせる工程は、第2の粒状物床を通して上向きに第2の速度にてガスを流れさせることを含んでなり、前記第1の速度は第2の速度よりも遅いことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
組み合わせられた第1の反応装置と第2の反応装置は、約65〜約200の範囲の全体としての成長比を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第2の反応装置のスループットは少なくとも約140kg/h/mであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも300kgの顆粒状シリコン粒状物を製造する工程を更に含んでなり、顆粒状シリコン粒状物の10パーセント以下のものが約600ミクロン未満の寸法を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも300kgの総重量を有する複数の易流動性シリコン粒状物を含んでなり、前記粒状物は0.2ppba未満の平均遷移金属濃度を有することを特徴とする顆粒状シリコン構成物。
【請求項13】
粒状物の総重量は少なくとも約1メートルトンであることを特徴とする請求項12に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項14】
粒状物が約0.15ppba〜約0.1ppbaの範囲の平均遷移金属濃度を有することを特徴とする請求項12に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項15】
粒状物が約0.1ppba以下の平均ホウ素濃度を有することを特徴とする請求項12に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項16】
粒状物が約0.1ppba以下の平均リン濃度を有することを特徴とする請求項12に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項17】
粒状物が約0.02〜約0.1ppbaの範囲の平均炭素濃度を有することを特徴とする請求項12に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項18】
粒状物が約0.3〜約1.5ppmwの範囲の平均水素濃度を有することを特徴とする請求項12に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項19】
粒状物が約800〜約1200ミクロンの範囲の平均寸法を有することを特徴とする請求項12に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項20】
重量の約0.006〜約0.02パーセントが表面粉塵成分に起因することを特徴とする請求項12に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項21】
少なくとも300kgの全重量を有する複数の易流動性シリコン粒状物であって、その少なくとも99パーセントが約250〜約3500ミクロンの範囲の寸法である易流動性シリコン粒状物を含んでなることを特徴とする顆粒状シリコン構成物。
【請求項22】
粒状物の全重量は少なくとも1メートルトンであることを特徴とする請求項21に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項23】
粒状物が約0.1ppba以下の平均遷移金属濃度を有することを特徴とする請求項21に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項24】
粒状物が約0.1ppba以下の平均ホウ素濃度を有することを特徴とする請求項21に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項25】
粒状物が約0.1ppba以下の平均リン濃度を有することを特徴とする請求項21に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項26】
粒状物が約0.02〜約0.1ppmaの範囲の平均炭素濃度を有することを特徴とする請求項21に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項27】
粒状物が約0.3〜約1.5ppmwの範囲の平均水素濃度を有することを特徴とする請求項21に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項28】
粒状物が約800〜約1200ミクロンの範囲の平均寸法を有することを特徴とする請求項21に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項29】
重量の約0.006〜約0.02パーセントの範囲が表面粉塵成分に起因することを特徴とする請求項21に記載の顆粒状シリコン構成物。
【請求項30】
顆粒状シリコン粒状物を製造する方法であって、
第1の化学気相蒸着(CVD)反応装置の中に、第1の平均寸法を有する一次シードを導入する工程;
第1のCVD反応装置の中を通って流れるシリコン・デポジションガスから化学気相成長法によって追加のシリコンを前記一次シードにデポジットさせて、その寸法を増大させ、一次シードの第1の平均寸法よりも大きい第2の平均寸法を有する二次シードを形成する工程;
第1のCVD反応装置内で製造され、第2の平均寸法を有する二次シードを、第2のCVD反応装置に導入する工程;
第2のCVD反応装置の中を通って流れるシリコン・デポジションガスから化学気相成長法によって追加のシリコンを二次シードにデポジットさせて、その平均寸法を増大させ、二次シードの第2の平均寸法よりも大きい第3の平均寸法を有する顆粒状シリコン粒状物を形成する工程であって、前記第2のCVD反応装置内のガスは少なくとも約7モル・パーセントのシリコン化合物を含んでなる工程;
第2のCVD反応装置内で製造され、第3の平均寸法を有する顆粒状シリコン粒状物を、第3のCVD反応装置に導入する工程;並びに
第3の反応装置内で第3の平均寸法を有する顆粒状シリコン粒状物に付随する粉塵成分を減少させる工程
を含んでなることを特徴とする方法。
【請求項31】
顆粒状シリコン粒状物に付随する粉塵成分を減少させる工程が、第3の反応装置内で、顆粒状シリコン粒状物に付随する粉塵成分の重量パーセントを少なくとも80パーセント減少させることを含んでなることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
追加のシリコンを一次シードにデポジットさせる工程が、二次シードの第2の平均寸法が少なくとも約250ミクロンであるように追加のシリコンをデポジットさせることを含んでなることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項33】
第1のCVD反応装置内のガスが、少なくとも約16モル・パーセントのシリコン化合物を含んでなることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項34】
第2のCVD反応装置内のガスが、約7〜13モル・パーセントのシリコン化合物を含んでなることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項35】
第1及び第2のCVD反応装置内におけるガスのシリコン化合物がシランであることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
第1の反応装置及び第2の反応装置が、約65〜約200の範囲の合成した成長比を有することを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項37】
一次シードの第1の平均寸法が約50〜約150ミクロンの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項38】
顆粒状シリコン粒状物の第3の平均寸法が約800〜約1200ミクロンの範囲であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項39】
第1のCVD反応装置内で追加のシリコンをデポジットさせる工程が、一次シードを含む第1の流動床の中を通してデポジションガスを通過させて、第1の流動床を流動化状態にすることを含んでなり、並びに第2のCVD反応装置内で追加のシリコンをデポジットさせる工程が、二次シードを含む第2の流動床の中を通してデポジションガスを通過させて、第2の流動床を流動化状態にすることを含んでなることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項40】
第1のCVD反応装置内で追加のシリコンをデポジットさせる工程が、第1の粒状物床の中を通してデポジションガスを上向きに第1の速度にて流れさせることを含んでなり、第2のCVD反応装置内で追加のシリコンをデポジットさせる工程が、第2の粒状物床の中を通してデポジションガスを上向きに第2の速度にて流れさせることを含んでなり、第1の速度は第2の速度よりも遅いことを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
第2の反応装置のスループットが少なくとも約140kg/h/mであることを特徴とする請求項30に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−236768(P2012−236768A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−187792(P2012−187792)
【出願日】平成24年8月28日(2012.8.28)
【分割の表示】特願2007−541287(P2007−541287)の分割
【原出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(392026316)エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド (74)
【氏名又は名称原語表記】MEMC ELECTRONIC MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】