説明

高選択性および経口有効性COX−2インヒビターである3−置換−1,5−ジアリール−2−アルキルピロール

本発明は、式Iで示される3-置換-1,5-ジアリール-2-アルキルピロール、それを含む医薬組成物ならびに痛みおよびCOX-2過剰発現関連障害の薬理学的治療のためのその使用に関する。本発明化合物は、関連するCOX-2作用強度および選択性ならびに著しい経口有効性を化合物に付与する、いくつかの様々な官能基を有する脂肪族でない側鎖をピロール環の3位に有する新規ピロール誘導体である。フェニル環は、1位および5位において様々に置換されるが、特定の対象の化合物は、5位において4-メチルスルホニルフェニルまたは4-アミノスルホニルフェニル基で置換される。


I

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3-置換-1,5-ジアリール-2-アルキルピロール誘導体およびこのような化合物を含む医薬組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、経口で有効であり、痛みおよびCOX-2過剰活性化関連障害の薬理学的治療のために有用な選択的COX-2インヒビターとして作用する化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
シクロオキシゲナーゼ(COX)、またはプロスタグランジンH2(PGH2)シンターゼは、アラキドン酸からのプロスタグランジンの形成を触媒することができる重要な酵素である。COXの産物であるPGH2は、プロスタグランジン、プロスタサイクリンおよびトロンボキサンの生合成のための共通の前駆体である。COXは、多くの関節状態に関連する炎症および痛みを軽減するための第一選択薬として薬一世紀の間用いられている非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の公知の標的である。プロスタグランジン(PGD2、PGI2、PGE2、PGF2α)は、哺乳類生理学において種々の効果を有し、特に、炎症状態において検出される優勢なエイコサノイドであるプロスタグランジンE2(PGE2)は、炎症に関連する痛み、熱およびその他の症状の重要なメディエーターである。したがって、プロスタグランジンの生合成の阻害は、長年にわたって、痛みおよび炎症状態の治療処置のための標的である。NSAIDsの慢性的使用に伴う主な副作用は、大部分の集団にとって、治療が中断されない場合、生命にかかわる病変および潰瘍形成を引き起こす胃腸刺激である。NSAIDsのもう1つのかなり一般的な副作用は、腎毒性である。NSAIDsに代わるものは、副腎皮質ステロイドであるが、これも、慢性的使用において、重篤な副作用をもたらしうる。
【0003】
1990年代の初め、COXが、同じ反応を触媒するが、調節に関して異なる2つの別個のイソ型として存在することが決定された;特に、COX-1がほとんどすべての組織においてハウスキーピング酵素としてどのように構成的に発現されるか、そして、たとえば、消化管の細胞保護作用、血小板凝集、血管緊張などのその生理学的機能にどのように関わるかが明らかにされた。一方、2つ目のイソ型であるCOX-2は、インターロイキン-1β(IL-1β)およびその他の炎症刺激に応答して高度に発現される誘導酵素として同定された。したがって、COX-2は、痛みおよび炎症状態にともなうプロスタグランジンの産生の原因として提案された。COX-2の発現は、実際、大部分の組織において炎症に関与する広範囲のメディエーターによって調節される。リポ多糖および炎症促進性サイトカイン(IL-1β、TNFα)は、COX-2を誘導することができるが、糖質コルチコステロイドおよびインターロイキン-4、-13および-10は、抗炎症刺激に応答するこの酵素の発現を阻害する。したがって、いくつかのラインの証拠は、非選択性NSAIDsと比べて胃腸関連副作用の少ない、炎症関連疾患の治療および急性の痛みの軽減のための潜在的に強い新しいメカニズムとしてCOX-2の選択的阻害を裏付けた。
【0004】
このことは、少ない年月において、異なるCOX-1/COX-2選択性および異なる薬物動態学的および毒物学的プロフィールを付与される多くの化合物(ロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブおよびその後のエトリコキシブおよびルミラコキシブなど)(図表1)を生み出すおびただしい医薬品化学の努力をもたらした。
【0005】
これらの化合物の臨床試験は、関節炎などの炎症性障害の治療におけるそのアプローチおよび成人の急性の痛みの管理のためのそのアプローチの有効性を大いに確認し、胃腸損傷が懸念される範囲内では、これらの薬物の予期される安全性を確認した。セレコキシブおよびロフェコキシブは、厳密な臨床試験において、古典的なNSAIDsと比べて、上部胃腸の副作用(穿孔および潰瘍)の有意に低い発生率を引き起こすことが明らかにされた。
【0006】
1990年代の初めにおいて、COX-2は、炎症性疾患および痛みと関連がある唯一の酵素とみなされたが、その後、他の病変における関与が見出された。
【0007】
1990年代の末期に、疫学的研究が、進行するアルツハイマー病(AD)の危険性が、NSAIDsの使用者の間でどのように有意に引き下げられるかを明らかにした。近年、いくつかのラインの証拠が、ADにおけるCOX-2の危険性を確立した(Arch. Gerontol.Geriatr.、2001、33、13-28)。ADにおいて、老人斑中のβ-アミロイドタンパク質の蓄積の量に相関するCOX-2の量によって、COX-2が記憶に関連する脳領域(海馬、皮質)においてどのようにアップレギュレートされるかが明らかにされた。いくつかの研究は、COX-2活性化とβ-アミロイドの蓄積との間のこの相関関係が明確なメカニズムによってどのように裏付けられるかを実証した。アルツハイマー病のトランスジェニックマウスにおいて、COXが、γ-セクレターゼ活性のPGE2媒介性増強作用を含むメカニズムを介してアミロイド-βペプチド生成に影響を及ぼしていることが明らかにされた(J.Biol。Chem.、2003、278、51、50970)。さらに、アストロサイトにおいて、β-アミロイドペプチド25-35が、COX-2 mRNAおよびタンパク質合成を誘発し、続いてアストロサイトによるPGE2の放出が起こることが報告された。このことは、PGE2がアミロイド-βペプチド生成を増強し、続いてPGE2産生を増強する自己増幅ループを生じさせることを可能にした。ADの初期段階(認知症)の間の海馬ニューロンにおけるCOX-2発現の増加は、後記の神経変性過程に有利に働くとみなされる。さらなる証拠が、COX-2誘導プロスタノイドがグルタミン酸興奮毒性を増強し、それによって神経変性が促進されることを示唆する。したがって、発見の蓄積から、どのようにCOX-2インヒビターがADを予防でき、そして、疾患の進行に対抗することができるかが明らかである(MG Giovannini、Experimental brain inflammation and neurodegeneration as model of Alzheimer's disease:protective effects of selective COX-2 inhibitor)。
【0008】
パーキンソン病(PD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、HIV誘発性認知症および頭部外傷などの多くの脳障害は、炎症をともなう。ミクログリアおよびアストロサイトは、炎症を起こした脳において免疫細胞として働き、特に、ミクログリアは、炎症促進性メディエーター、中でもプロスタグランジンを産生することによって、多くの脳疾患における炎症の発現に寄与する。
【0009】
iNOSとともにCOX-2のアップレギュレーションをともなうミクログリア反応は、PDにおけるドーパミン作動性ニューロン損失において重要な役割を演じることを示唆されており(J.of Neuroinflammation 2004、1:6;J.of Neuroinflammation 2006、3:6)、選択的COX-2阻害が、パーキンソン病のラットモデルにおいて進行性変性を予防することが明らかにされている。
【0010】
近年の研究は、ALS患者の冒された神経組織中の炎症マーカーの存在を指摘し、ALS脊髄中のマクロファージがCOX-2の強い発現を明らかにした。さらなる研究は、ALSの齧歯類モデルにおいてCOX-2が運動ニューロン損失を促進するが、COX-2インヒビターは、ALSのトランスジェニックマウスモデルにおいて運動機能障害の発症を有意に遅延化させうることを示唆した(FASEB J.、2003、17,6、725)。
【0011】
1型ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)関連認知症(HAD)は、脳組織におけるHIV感染および複製を特徴とする神経変性疾患である。HIV感染単球は、インビトロおよびインビボモデルの両方で実証されたように、COX-2を過剰発現する(J.Leukoc.Biol.、2000、68、3 423)。この場合もまた、炎症性プロスタグランジンの過剰生成が、神経損失を生じさせる炎症媒介性神経変性過程の引き金を引くか、または引き金を引くことに寄与する(Current Drug Targets Inflamm.Allergy、2005、3、335)。
【0012】
COX-2阻害のための主要な標的のうち、神経炎症応答を生じさせる、傷つきやすいニューロンおよびミクログリアによるCOX-2発現が(J.Neurotrauma、2002、19、1)、脳傷害の有効な治療のために同定されている。証拠は、適当な治療パラダイムを用いるCOX-2阻害が、これらの3つの標的に影響を及ぼすことができ、したがって、大部分の脳傷害の治療における有用な改良するための助手であることを示唆する。
【0013】
アスピリンおよびスリンダクなどのNASIDsの結腸直腸ガン死亡率を低下させる能力は、1980年代における臨床試験によって明らかにされた。後に、ガンの化学的予防におけるCOX-2インヒビターの臨床的有効性が、前ガン症状の患者における無作為試験によって実証された。固形腫瘍のいくつかの形態におけるCOX-2の関与が、悪性でないコントロールと比べての、胃、肝臓、食道、膵臓、頭部および頸部、結腸直腸、脳、膀胱、皮膚および肺ガンにおけるその過剰発現によって裏付けられる。
【0014】
COX-2インヒビターが関与する5つの大規模臨床試験において、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブが、心筋梗塞および卒中の発病率を増加させることが明らかにされた。2004年の9月に、ロフェコキシブが、心臓血管系リスクのために自発的に市場から引き揚げられ、2005年の4月に、バルデコキシブについても同様の事態が起こった。特に、ナプロキセン治療群と比較した場合のロフェコキシブ治療群における急性心筋梗塞の発病率は5倍であったVIGOR試験(Vioxx Gastrointestinal Outcomes Research;P.Juni、Risk of cardiovascular events and Rofecoxib:cumulative meta-analysis、Lancet、2004、364、2021)の結果を考慮すると、ロフェコキシブによる有害な心臓血管イベントの発病はまったく明らかであるが、同じ副作用を扱う臨床試験の結果は、セレコキシブを古典的なNSAIDsと比較した場合、有意な差異は見られなかった。この予期せぬ心臓血管毒性を説明するために、選択的COX-2インヒビターが、プロスタサイクリン(抗血栓性)の産生をブロックし、トロンボキサン(血栓促進性)の産生を、影響を受けないままにするかもしれないことが推測された。心臓血管系リスクの増加を示唆することができた、この説明は、全種類の選択的COX-2インヒビターの特徴であり、血管内皮および腎臓などのいくつかの組織によってCOX-2が構成的に発現されるという近年の発見によって裏付けられる。この説明にしたがって、選択的COX-2インヒビターは、血小板において構成的であり、トロンボキサンA2(TXA2;血小板凝集および血管収縮の強力なインデューサー)の産生をともなうCOX-1を阻害することができないが、血小板凝集を阻害し、強力な血管平滑筋拡張を生じさせる、プロスタサイクリンを産生している内皮COX-2を阻害することができる。血管収縮薬/凝集促進薬刺激TXA2の阻害が同時に起こることのない(非選択的NSAIDsには通常起こる)、この血管拡張/抗凝集プロモーターの選択的阻害は、選択的COX-2インヒビターを古典的NSAIDsと比較場合の心臓血管系リスクの証拠の増加を説明すべきである。同じ説明が、COX-2インヒビターのそのクラスに起因する潜在的腎毒性に対処することもできた。
【0015】
この仮説は、選択性の低いセレコキシブが、心臓血管系有害事象を示さなかった第一の臨床データに調和しているが、プラセボと比べた処置グループにおける心臓発作の発病率が4倍高い、セレコキシブがADを治療することができるかどうかを確立することを目的とする試験に由来する第二の臨床データには調和していない(JMC、2005、2251-2257)。
【0016】
この仮説とも矛盾しているのは、高度にCOX-2選択的であるインヒビターのエトリコキシブおよびルミラコキシブについて、特別に設計された臨床試験における心臓血管系有害事象のための証拠は、ロフェコキシブについて生み出されたものと比べてより曖昧に見えるという事実である
【0017】
選択的COX-2インヒビターと心臓血管系の事象の間の関係に関するデータの全利用可能な集団を考察すると、少なくとも相反する証拠を認めることができた。COX-2インヒビターの心臓血管系リスクは、同種ではなく、薬物の種類のみならず、薬物の個々の構造および用量によって影響を及ぼされるように見える(Expt.Opin.Drug Saf.2005、4、6、1005)。
【0018】
最もよい公知のインヒビターの構造(図表1)を考慮して、ロフェコキシブ、セレコキシブおよびバルデコキシブは、ジアリール置換複素環式部分を共通で有するが、エトリコキシブはある程度、そして、ルミラコキシブはやや大きい程度、この共通の単純な骨格から次第に違いがでてきていると認識することができた。
【0019】
COX-2インヒビターの化学構造における多様性は、別の心臓血管系の影響にも反映されうるADMEプロフィール(すなわち、非常に親油性の高いセレコキシブは、体脂肪中に封鎖されるが、ルミラコキシブは、酢酸部分のために、より高い循環濃度に達する)における差異の原因となりうるのみならず、COX-2によって媒介されないが、他のメカニズムにより媒介される薬理学的応答にも影響を及ぼしうる。
【0020】
たとえば、アリールスルホンアミド基を多くの炭酸脱水素酵素インヒビターと共通で有する全く同種のジアリール置換複素環式セレコキシブおよびバルデコキシブは、緑内障のウサギにおいて眼内圧を低下させることができる(COX-2依存性効果ではない)が、スルホンアミド基の代わりにメチルスルホニル基を有するロフェコキシブは、効果がない。逆に、ロフェコキシブの構造中のスルホン基は、低密度リポタンパク質の酸化的修飾への感受性を増加させるが、セレコキシブは効果がない(J.Med.Chem.、2005、48、2255)。ジアリール置換複素環は、タンパク質キナーゼのATP部位との相互作用にとって適当な骨格である。たとえば、セレコキシブは、続いて細胞循環に関与するキナーゼであるAkt(タンパク質キナーゼB)を活性化する3-ホスホイノシチド依存性タンパク質キナーゼ-1(PDK-1)をブロックすることによるCOX-2依存性メカニズム(Cancer Research、2004、64、4309)によってアポトーシスを誘発する。これらの例は、少ない関連する構造において、COX-2依存性でない、どれだけの異なる効果が見出されうるかを明らかにする。
【0021】
COX-2インヒビターニア関する上記問題点および先に言及した臨床試験の相反する部分および心臓の事象は、この副作用が完全または部分的に構造に関連することを示唆する。構造的問題点は、好ましくないADMEプロフィールおよび/またはより全体的結果として高いかまたはより低い心臓血管系毒性を生じさせうる他のメカニズムを介する作用にも反映することができる。
【0022】
これらの考慮は、第一および第二世代のこのグループの有効性および有用性の高い薬物で明らかにされた安全性の問題点を場合によっては解消することができる構造的に多様化されたCOX-2インヒビターに対する必要性が依然として存在することを示した。
【0023】
図表1
【化1】

【0024】
図表1の構造を考察すると、エトリコキシブおよびルミラコキシブを除いて、どのようにジアリール置換5原子複素環が、強力で選択的なCOX-2インヒビターを創造するのによい形にしうるかを認識することができた。しかし、たとえば、セレコキシブおよびPDK-1について報告されているように、どのようにこのパターンを、キナーゼのATP部分との相互作用にとってさらにより適したものにしうるかも議論された。さらに、1,2-ジアリール置換パターンは、多くの5原子複素環、特にイミダゾールおよびピラゾールたとえば、MAPキナーゼインヒビターのクラスにおいて認識されうる(Current Topics in Medicinal Chemistry、2002、2、1011;Biorganic Medicinal Chemistry Letters、2004、3581)。完全には好ましくないADME特性をもつ薬物に反映されるセレコキシブの高すぎる親油特性もまた、親油性の高すぎる骨格を回避することを示唆した。
【0025】
親油性の高すぎない骨格を選択しながら、他の標的(特に、キナーゼ)との望ましくない潜在的に安全でない相互作用の可能性を現象させるために、ADME特性を最適化するために、我々は、コア複素環として、ピロール核を好ましいと考える。ピロール核ならびに適当に置換されたピロールは、数種の天然の安全な物質に存在する部分である。この複素環は、代謝的見地から特に不安定ではなく、代謝活性化によって反応性中間体を生じさせず、適当な親油性が不要される。薬物としてピロールは、炎症の治療(Il Farmaco、1984、756-80;ここでは、1,5-ジアリール-3-メチル-ピローが論じられる)、痛みの薬物治療(DE 1972-2261965;ここでは、1-アリール-2,5-ジメチル-3-アミノメチル-ピロールが、鎮痛薬および解熱薬として議論される)、心臓血管系治療処置(EP O323841、ここでは、1-メチルアリール-5-アルキル-2-置換-ピロールならびにピラゾールおよびトリアゾールが、アンギオテンシンIIアンタゴニストとして記載されている)などの種々の使用について記載されている。1,5-ジアリール-2-メチル-3-アミノメチル-ピロールは、抗菌薬および抗カンジダ薬として記載されている(F.Cerreto、Eur.J.Med.Chem.1992、27、701;M.Scalzo、Il Farmaco、1988、43、655)。このピロール誘導体の場合、3位のアミノメチル基の存在が、微生物活性にとって必須であるが、芳香環置換パターンがこの活性を調節する。選択的COX-2インヒビターとしての1,5-ジアリールピロールが、記載されている(WO98/25896);この特許出願では、芳香環の部分的置換を介して、対応するものをマッチングし、この特許出願では、2位における、特に3位におけるピロール環の置換における構造的差異を発見することが、2つの発明の間において認識されうる。1,2-ジアリール-ピロールの合成的製造が、Stetter(H.Stetter、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、1976、15、639)およびより近年ではKhanna(I.K.Khanna、J.Med.Chem.、1997、40、1619)によって報告されている。
【0026】
ルミラコキシブの安全性プロフィールおよびおその好ましいADME特性は、どのように適切に官能化された側鎖が薬物溶解度および親油性全体を調節することができるかならびにCOX-1/2以外の可能な標的との望ましくない相互作用を制限することができたかを示唆する。実際のところ、第1世代のCOX-2選択的インヒビターは、特に官能化された構造によって表されず、それらは、もし一方が高いCOX-1/COX-2選択性を達成することができるならば、他方は数種の他の標的と潜在的に相互作用することができるというむしろ単純な構である。
【0027】
したがって、化合物官能化を増加させることが、活性およびCOX-1/COX-2選択性が保持される場合のための、望ましくない標的との起こりうる相互作用を減少させること、および/または薬物のADME特性を適切に調節することによる、生成物安全性を増加させる手段でありうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
カルボキシレートまたは関連部分で官能化された1,5-ジアリールピロールを有する側鎖が、これまでに報告されている。1,5-ジアリールピロールを2位に有するブタンならびにプロパン鎖が記載されており(I.K.Khanna、前述)が、これらの化合物は、1位および5位における芳香環の置換パターンにおいてエステルおよびカルボン酸の両方として、非常に弱いCOX-2のインヒビターであることが分かっている。ピロールの3位における親油性置換基の存在は、置換基がハロゲン原子またはトリフルオロメチルスルホニル基である場合、強力なCOX-2インヒビターを引き起こす。ヒドロキシメチルまたはジメチルアミノメチルなどの短い側鎖の3位における導入は、COX-2阻害活性(上記)にとって有害であることがわかっているが、より長い、そしてより多く官能化された鎖はまだ報告されていない。
【課題を解決するための手段】
【0029】
発明の要約
本発明は、以下の式I:

(I)
[式中、
ピロール環の1位における置換基は、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、メチルスルホニル(-SO2Me)およびアミノスルホニル(-SO2NHR2)(ここで、R2は、下記で定義される)から独立して選ばれるR'およびR''基でメタまたはパラ位で置換されたフェニルである;ただし、R'およびR''は同時にトリフルオロメチル、メチルスルホニル、アミノスルホニルであることはない;
ピロール環の2位における置換基は、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチルである;
ピロール環の3位における置換基は、2つの炭素原子鎖であり、ここで、X、Y、Zは、以下の意義を有する:
Xは独立して、水素、ヒドロキシ(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれる(ここで、R2は、下記で定義されるアルキル基である);
Yは独立して、カルボニル基(C=O)またはメチレン基(-CH2-)から選ばれる;
Zは独立して、ヒドロキシ(-OH)、アルコキシ(-OR3)、アミノ(-NH2)、アルキルアミノまたはアリールアミノ(-NHR3)、ジアルキルアミノまたはアルキルアリールアミノ(-NR2R3)、アルキルアミドまたはアリールアミド(-NHCOR3)、ジアルキルアミドまたはアルキルアリールアミド(-NR2COR3)、アルキルカルボキシルまたはアリールカルボキシル(-OCOR3)、アルキルまたはアリールカーボネート(-O-CO-OR3)、アルキルまたはアリールカルバメート(-NH-CO-OR3または-O-CO-NR2R3)、ウレイド(-NH-CO-NHR3)、(ここで、R2およびR3基は下記で定義される)から選ばれる;
ただし、
YがC=O基およびXがHである場合、Zはヒドロキシではない;
YがC=O基、ZがアルコキシおよびXがHである場合、R3はメチルおよびエチルではない;
Zが、アルキルアミドまたはアリールアミド(-NHCOR3)、ジアルキルアミドまたはアルキルアリールアミド(-NR2COR3)、アルキルカルボキシルまたはアリールカルボキシル(-OCOR3)、アルキルまたはアリールカーボネート (-O-CO-OR3)、アルキルまたはアリールカルバメート(-NH-CO-OR3または-O-CO-NR2R3)、ウレイド(-NH-CO-NHR3)から選ばれる場合、Yはメチレン基である;
Zが、アミノ(-NH2)、アルキルアミノまたはアリールアミノ(-NHR3)、ジアルキルアミノまたはアルキルアリールアミノ(-NR2R3)から選ばれる場合、YはCO基である;
R2基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチルである;
R3基は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、ベンジル(-CH2Ar)、1-エチルアリール [-CH(Me)Ar]およびアリール(Ar)である;ただし、Z基が、アルキルまたはアリールカーボネート(-O-CO-OR3)およびアルキルまたはアリールカルバメート(NH-CO-OR3)から選ばれる場合、R3基は水素ではない;アリール基(Ar)は、フェニル、置換フェニル、2-チエニル、3-チエニル、2-フリル、3-フリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-イソキサゾリルから独立して選ばれる5原子芳香族複素環である;本明細書において置換フェニルは、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチルおよびトリフルオロメチルから独立して選ばれる1つまたは2つの置換基を有するフェニルを意味する;
R'''基は、水素、メチルスルホニル(-SO2Me)およびアミノスルホニル(-SO2NHR2)、フッ素、塩素、トリフルオロメチルから独立して選ばれる;ただし、式Iで示される各化合物において、R'''およびR'置換基の一方のみがメチルスルホニルまたはアミノスルホニル基であり、R'''およびR'は、同時にメチルスルホニルまたはアミノスルホニルではない]
で示される化合物を提供する。
【0030】
Xが、水素でない場合、側鎖内へのヒドロキシルまたはアルコキシ基の導入が、不斉中心を生じさせるので、式Iの化合物はキラル化合物である;この場合、式Iの化合物は、個々のエナンチオマー(SまたはR)として、またはこのようなエナンチオマーの混合物として存在することができる。エナンチオマーは、YがC=Oであり、Z基がキラルsec-ブチルオキシ基である場合も存在することができ、この場合、式Iの化合物はキラルエステルである。Z基が-NHCH(Me)Arなどのキラルアミンである場合、式Iの化合物は、キラルアミドである。本発明はまた、キラルエステルまたはアミドとしての式Iの化合物のエナンチオマーおよびそれらのラセミ混合物の両方またはエナンチオマーの富んだ混合物(enriched mixture)に関する。X基がヒドロキシルまたはアルコキシ基、Yがカルボニルであり、同時に、Z基がキラルエステルまたはアミンである場合、式Iの化合物は、ジアステレオマーおよびエナンチオマーの両方として存在することができる。本発明はまた、式Iの化合物のあり得るジアステレオマーおよびエナンチオマーのすべてを包含する。
【0031】
式Iの化合物は、COX-2の選択的インヒビターであり、本発明の好ましい化合物は、経口で活性があり、安全なCOX-2インヒビターである。本発明化合物は、鎮痛治療(たとえば、術後疼痛、歯痛、筋肉痛、ガンによる痛み)、関節炎、典型的には関節リウマチおよび骨関節炎、喘息および呼吸器の炎症性疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、ウイルス感染または重篤なアレルギー事象、全身性エリテマトーデス、湿疹、乾癬および皮膚炎などの皮膚疾患、早産、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、クローン病(CD)、過敏性腸症候群(IBS)、術後炎症性合併症などの胃腸の重篤な炎症状態などの炎症性疾患の治療などのCOX-2媒介性障害の治療(これらに限定されるものではない)に有用である。さらに、本発明化合物は、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、ハンティントン病(HD)、HIV誘発性認知症および頭部外傷といったようなCOX-2過剰活性化などの神経変性疾患の治療に有用である。
【0032】
最後に、式Iの化合物は、重篤な前ガン状態が明らかになっている場合における予防的治療として、またはガン治療のための従来の化学療法と併用する支持療法として用いることができる。本発明化合物の典型的使用は、結腸直腸ガン、乳ガン、肺ガン、膀胱ガン、前立腺ガン、頸ガンおよび皮膚ガンの予防および治療のための使用である。
【0033】
もう1つの態様において、本発明は、式Iの化合物の製造方法を提供する。
【0034】
さらなる態様において、本発明は、COX-2の過剰発現が上記の病変の根底にある病状の治療に有用な式Iの化合物を含む医薬組成物を提供する。本発明の範囲内において、用語「医薬組成物(薬物製品)」は、経口または非経口投与のための有効量の少なくとも1つの有効医薬成分(医薬品成分)である式Iの化合物またはその溶媒和物および後記の医薬的に許容しうる担体、賦形剤または希釈剤を含む、上記COX-2媒介性病変の治療に適するいずれかの経口または非経口の投与剤形を意味する。
【0035】
発明の詳細な記載
式Iの定義に包含される化合物を考慮すると、本発明化合物を数種のサブグループに分割することができることが明らかに認識される。そのグループの1つは、Yがカルボニル基(C=O)、Zがヒドロキシ(-OH)またはアルコキシ(-OR3)である式Iの化合物であり、この場合、式Iの化合物は、酸またはエステルのいずれかでありうる。Xの意義に応じて、それらは、Xが水素である場合、ピロール-酢酸誘導体であるか、またはXがそれぞれヒドロキシルおよびアルコキシ(-OR2)である場合、α-ヒドロキシおよびα-アルコキシ酸のいずれかでありうる。
【0036】
Xが水素である場合、Zがヒドロキシ、またはメトキシもしくはエトキシなどの低級アルコキシ基である式Iの化合物は、本発明の対象ではないが、Zがn-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n-ブチルオキシ、sec-ブチルオキシ、イソブチルオキシなどの高級アルコキシ基である式Iの化合物は、本発明の対象である。
【0037】
式I-a:
【化2】

Yがカルボニル、Xが水素、Zがヒドロキシルまたはアルコキシ、R3が高級アルコキシ基である式Iの化合物

前述のように、これらの化合物のいくつかは、強力で選択的なCOX-2のインビトロインヒビターであることが実証された(J.Med.Chem.、2005、48、3428)。より詳しくは:2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸(化合物1a)、2-[1-(4-メチル)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸(化合物2a)、2-[1-(2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-4-(トリフルオロメチル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸(化合物3a)、2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸エチル(化合物1b)、2-[1-(4-メチル)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸エチル(化合物2b)および2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-トリフルオロメチル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸エチル(化合物3b)は、本明細書において参考にすることにより言及されるインビトロにおいて強力で選択的なCOX-2インヒビターである。
【0038】
テーブル1において、これらの化合物のインビトロCOX阻害活性を参考にすることにより記録する。
テーブル1

【0039】
しかし、我々は、驚いたことに、以前に報告されていた化合物1-3aおよび1-3bが、インビボにおける有意な活性を示さないことを発見した。Yがカルボニル(C=O)、Xが水素、Zが高級アルコキシ基(n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n-ブチルオキシ、sec-ブチルオキシ、イソブチルオキシ)である一般式Iの化合物(式I-a)は、同様のCOX-2インビトロ阻害作用強度を示しているにもかかわらず、数個のインビボモデルにおいて予想外に非常に強力で有効である。
【0040】
式I-aの化合物の代表的な非限定的例を以下に挙げる:
[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸イソプロピル(実施例1);[1-(3,4-ジフルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸イソプロピル(実施例2);[1-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸イソプロピル(実施例3);[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸イソプロピル(実施例4);[1-(3,4-ジフルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸n-ブチル(実施例5);[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸n-ブチル(実施例6)。
【0041】
テーブル2において、一例として、代表的な式Iaの化合物のCOXインビトロ阻害活性を記録し、公知のインヒビターと比較する
テーブル2

【0042】
テーブル3において、カラギーナンによって誘発された痛覚過敏および浮腫のラットモデルにおける、本発明において開示される代表的な式Iaの化合物によって生じるインビボ効果を記録し、化合物1-3aおよび1-3bのグループに属する1つの代表的な低級アルキルエステルならびに公知のCOX-2インヒビターと比較する。
テーブル3において、エチルエステル(1-3aおよび1-3b)の以前に言及されたグループに属ずる最もインビトロにおいて有効な化合物ならびに以前に開示されていない類縁エチルエステル4bおよび5b(参考により本明細書に記録される)のインビボ有効性を、本発明化合物と比較するために記録する。
【0043】
化合物4bは以下の化合物である:2-[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸エチル;そのインビトロCOX-2阻害作用強度は、IC50 = 0.01μMであり、選択性は、> 10000である。化合物5bは以下の化合物である:2-[1-(3,4-ジフルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸エチル;そのインビトロCOX-2阻害作用強度は、IC50 = 0.02μMであり、選択性は、> 5000である。
【0044】
テーブル3

MPE:最大有効パーセント。
【0045】
使用したモデルへの2つのグループの化合物の間のインビボ性能の差異に帰するする推測を避けるために、2つのグループの代表的な化合物を、ザイモサンによって誘発された痛覚過敏および浮腫のラットモデルにおいて比較する。
テーブル4において、ラットザイモサンモデルにおける化合物5bおよび本発明の実施例1の化合物を比較する。また、この試験において、化合物1-3aおよび1-3bは、インビボ活性においていずれも有意ではなかった。
【0046】
テーブル4

* 用量:3mg/Kg;** 用量:4 mg/Kg;*** 用量:3mg/Kg。
【0047】
テーブル5において、痛覚過敏の別の動物モデルにおける式I-aの化合物によって生じたインビボ効果(マウス苦悶試験)を記録する。
テーブル5


マウス腹部締め付け試験における本発明化合物の効果(酢酸 0.6%)。
すべての薬物は、試験前30分に投与した。ビヒクル:DMSO:H20 1:3。
【0048】
式Iの化合物のもう1つのグループは、Yがカルボニル基(C=O)、Zがヒドロキシ(-OH)またはアルコキシ(-OR2)、およびXが独立して、ヒドロキシル(-OH)およびアルコキシ(-OR2)から選ばれるグループであり、この場合、式Iの化合物は、R1、R'、R''およびR'''が式Iの化合物と同意義である式I-bのα-ヒドロキシおよびα-アルコキシ酸またはエステルである。
【0049】
式I-bの化合物
【化3】

Yがカルボキシ、Zがヒドロキシまたはアルコキシ、Xがヒドロキシまたはアルコキシである式Iの化合物

式I-bの化合物において、R2およびR3基は独立して、式Iの化合物で詳述した意義から選ばれうる。したがって、式I-bの化合物は、α-ヒドロキシエステルまたはα-アルコキシ酸ならびに、たとえば、式Iの化合物におけるR2およびR3のいくつかの意義によって、α-メトキシ-イソプロピルエステルまたはα-エトキシ-メチルエステルでありうる。
【0050】
式I-bの化合物の代表的な非限定的例を以下に挙げる:
[2-ヒドロキシ-2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル(実施例7);[2-ヒドロキシ-2-[1-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル(実施例8);[2-ヒドロキシ-2-[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル(実施例9);[2-エトキシ-2-[-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル(実施例10);[2-エトキシ-2-[1-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル(実施例11);[2-エトキシ-2-[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル(実施例12)。
【0051】
テーブル6において、一例として、代表的な式I-bの化合物についてのCOXインビトロ阻害活性を記録する。
テーブル6

【0052】
テーブル7において、一例として、ラットモデルにおいてカラギーナンによって誘発された痛覚過敏および浮腫において、代表的な式I-bの化合物によって発揮されるインビボ効果を記録する。
テーブル7

【0053】
式Iの化合物のもう1つのグループは、Yがカルボニル基(C=O)、Zがアミノ(-NH2)、アルキルアミノまたはアリールアミノ(-NHR3)、ジアルキルアミノまたはアルキルアリールアミノ(NR2R3)、Xが独立して、水素、ヒドロキシル(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれる(ここで、R3およびR2基は独立して、式Iの化合物と同意義から選ばれる)グループである。この場合、式Iの化合物は、式I-cのアミドになる(ここで、R'、R''およびR'''は、一般に式Iの化合物と同意義である)。
【0054】
式I-cの化合物:
【化4】

Yがカルボニル、Zがアミノ、アルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、Xが水素、ヒドロキシまたはアルコキシである式Iの化合物

式I-cの化合物の代表的な非限定的例を以下に挙げる:
N-メチル [1-フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド(実施例13);N-エチル-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド(実施例14);N,N-ジメチル-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド(実施例15);N-メチル-N-ベンジル [1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド(実施例16);N-メチル-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-トリフルオロメチル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド(実施例17);N-エチル [1-(4-トリフルオロメチル)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド(実施例18);N-メチル-N-ベンジル [1-(4-トリフルオロメチル)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド(実施例19)。
【0055】
テーブル8において、一例として、代表的な式I-cの化合物についてのCOXインビトロ阻害活性を記録する。
テーブル8

【0056】
式Iの化合物のもう1つのグループは、Yがメチレン基(-CH2-)、Zが独立して、ヒドロキシ(-OH)およびアルコキシ(-OR3)基から選ばれ、Xが独立して、水素、ヒドロキシル(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれる(ここで、R3およびR2基は独立して、式Iの化合物と同意義から選ばれる)グループである。この場合、式Iの化合物は、式I-dのアルコールおよびエステルである(ここで、R'、R''およびR'''は、式Iの化合物と同意義である)。
【0057】
式I-dの化合物:
【化5】

Yがメチレン、Zがヒドロキシまたはアルコキシ、Xが水素、ヒドロキシまたはアルコキシである式Iの化合物

式I-dの化合物の代表的な非限定的例を以下に挙げる:
[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-3-(2-メトキシエチル)-1-フェニル]-1H-ピロール(実施例20);[3-(2-エトキシエチル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル]-1H-ピロール(実施例21);[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-3-(2-n-プロピルオキシエチル)]-1H-ピロール(実施例22);[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-3-(2-メトキシエチル)]-1H-ピロール(実施例23);[3-(2-エトキシエチル)-1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール(実施例24);[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-3-(2-n-プロピルオキシエチル)]-1H-ピロール(実施例25);[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-3-(2-メトキシエチル)-1-(4-トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール(実施例26);[3-(2-エトキシエチル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール(実施例27);[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-3-(2-n-プロピルオキシエチル)-1-(4-トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール(実施例28)。
【0058】
テーブル9において、一例として、代表的な式I-dの化合物についてのCOXインビトロ阻害活性を記録する。
テーブル9

【0059】
テーブル10において、一例として、ラットモデルにおいてカラギーナンによって誘発された痛覚過敏および浮腫において、代表的な式I-dの化合物によって発揮されるインビボ効果を記録する。
テーブル10

【0060】
式Iの化合物のもう1つのグループは、Yがメチレン基(-CH2-)、Zがアルキルカルボキシルまたはアリールカルボキシル(-OCOR3)基、Xが独立して、水素、ヒドロキシル(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれる(ここで、R3およびR2基は独立して、式Iの化合物と同意義から選ばれる)グループである。この場合、式Iの化合物は、式I-eのエステルである(ここで、R'、R''およびR'''は、一般に、式Iの化合物と同意義である)。
【0061】
式I-eの化合物:
【化6】

Yがメチレン、Zがアルキルカルボキシルまたはアリールカルボキシル、Xが水素、ヒドロキシまたはアルコキシである式Iの化合物

式I-eの化合物の代表的な非限定的例を以下に挙げる:
2-[1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチルプロピオネート(実施例29);2-[1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチルブタノエート(実施例30);2-[1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチルベンゾエート(実施例31);2-[1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル-2-フルオロベンゾエート(実施例32);2-[1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル-4-フルオロベンゾエート(実施例33);2-[1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル2-チオフェンカルボキシレート(実施例34);2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチルイドプロピオネート。2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチルイソブチレート。
【0062】
テーブル11において、一例として、代表的な式I-eの化合物についてのCOXインビトロ阻害活性を記録する。
テーブル11

【0063】
式Iの化合物のもう1つのグループは、Yがメチレン基(-CH2-)、Zがアミド(-NH-CO-R3)、Xが独立して、水素、ヒドロキシル(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれる(ここで、R3およびR2基は独立して、式Iの化合物と同意義から選ばれる)グループである。この場合、式Iの化合物は、式I-fのアミドである(ここで、R'、R''およびR'''は、式Iの化合物と同意義である)。
【0064】
式I-fの化合物:
【化7】

Yがメチレン、Zがアミノカルボニルアルキルまたはアミノカルボニルアリール、Xが水素、ヒドロキシまたはアルコキシである式Iの化合物

式I-fの化合物の代表的な非限定的例を以下に挙げる:
N-[2-[1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-1H-ピロール-3-イル]エチル]ベンズアミド(実施例35);N-[2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]プロパンアミド;N-[2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]ブタンアミド;N-[2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル 2-フルオロベンズアミド;N-[2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル 4-フルオロベンズアミド;N-[2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル 2-チエノアミド。
【0065】
式Iの化合物のもう1つのグループは、Yがメチレン基(-CH2-)、Zが独立して、カルバメート基(-O-CO-NHR3)またはカーボネート(-O-CO-OR3)から選ばれ、Xが独立して、水素、ヒドロキシル(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれる(ここで、R2およびR3基は独立して、式Iの化合物と同意義から選ばれる)グループである。この場合、式Iの化合物は、式I-gのカルバメートまたはカーボネートである(ここで、R'、R''およびR'''は、式Iの化合物と同意義である)。
【0066】
式I-gの化合物:
【化8】

式I-gのカルバメート 式I-gのカーボネート
Yがメチレン、Zがアルキルまたはカルバメートまたはカーボネート、Xが水素、ヒドロキシまたはアルコキシである式Iの化合物

式I-gの化合物の代表的な非限定的例を以下に挙げる:
N-プロピル-2-[2-メチル-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カルバメート(実施例36);N-エチル-[2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチルカルバメート;N-プロピル-[2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]-カルバメート;N-フェニル-[2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カルバメート;メチル-[2-[1-フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カーボネート(実施例37);エチル-[2-[1-フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カーボネート;プロピル-[2-[1-フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カーボネート;フェニル-[2-[1-フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カーボネート;メチル-[2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カーボネート。エチル-[2- [1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カーボネート;プロピル-[2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カーボネート;フェニル-[2-[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カーボネート。
【0067】
式Iの化合物の最後のグループは、Yがメチレン基(-CH2-)、Zが独立して、カルバメート基(-NH-CO-OR3)またはウレア基(-NH-CO-NHR3)から選ばれ、Xが独立して、水素、ヒドロキシル(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれる(ここで、R2およびR3基は独立して、式Iの化合物と同意義から選ばれる)グループである。この場合、式Iの化合物は、式I-hのカルバメートまたはウレアである(ここで、R'、R''およびR'''は、式Iの化合物と同意義である)。
【0068】
式I-hの化合物:
【化9】

式I-hのカルバメート 式I-hのウレア
Yがメチレン、Zがアルキルまたはアミノカルバモイルまたはウレア、Xが水素、ヒドロキシまたはアルコキシである式Iの化合物

式I-gの化合物の代表的な非限定的例を以下に挙げる:
プロピル-N-[2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カルバメート(実施例38);メチル-N-[2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カルバメート;エチル-N-2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カルバメート;メチル-N-[2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル]エチル]カルバメート;エチル-N-[2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール -3-イル]エチル]カルバメート;プロピル-N-[2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル]エチル]カルバメート;プロピル N-[2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]ウレア(実施例39);メチル N-[2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]ウレア;エチル N-[2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]ウレア;メチル N-[2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル]エチル]ウレア;エチル N-[2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル]エチル]ウレア;プロピル N-[2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル]エチル]ウレア。
【0069】
本発明化合物の合成
式Iの化合物の代表例の一般的な製造方法を反応工程式1に記載する。
【0070】
反応工程式1
【化10】

【0071】
本発明化合物の合成は、適当に置換された1,4-ジケトン(1;反応工程式1)とアニリン(2)との熱環化からなるパール-クノール(Paal-Knoor)縮合にしたがって、適当に置換された1,5-ジアリール-2-アルキルピロールの製造を含む。3位の官能化は、塩化エトキシオキサリルによるピロール3の位置選択的アシル化から、ケトエステル4を得、次いで、ピロール酢酸誘導体5に変換することを含む。ピロール誘導体5を直接式I-aの化合物に変換し、還元してアルコールにするか、またはアミド7(式I-bの化合物)に変換することができ、次いで、還元してアミン8(式I-hのカルバメートおよびウレアを得るための中間体)にすることができる。別法として、アルコール6から出発して、アミン8を製造することができる。室温にて三臭化リンで処理することにより、アルコールをそれぞれのブロモエチル誘導体に変換し、古典的ガブリエル合成を介して、2-アミノエチル誘導体に変換する。次いで、適当な塩化アシルにより、これらの化合物をアシル化して、式I-fのカルボキサミド誘導体を得る。反応工程式1に示すように、アルコール6をエーテル(式I-dの化合物)、エステル(式I-eの化合物)またはカルバメートおよびカーボネート(式I-gの化合物)に変換することができる。ステッター(Stetter)条件にしたがって、適当に置換されたベンズアルデヒドをメチルビニルケトンと縮合することによって、適当に置換された出発1,4-ジケトン(1)を得る。
【0072】
ケトエステル4の誘導体5への還元は、Xが-OHである場合、tert-ブタノールの存在下、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を用いることにより達成することができる;X=Hである式Iの化合物は、誘導体4をトリエチルシランおよびトリフルオロ酢酸で還元することによって得ることができる(J.Med.Chem.、2005、48、3428)。Xが-OR2である式Iの化合物は、適当なアルコール(-OR2)の存在下、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を用いるケトエステル4の還元によって得ることができる。別法として、Xが-OR2である式Iの化合物は、従来のエーテル合成によって、Xが-OHである化合物5をXが-OR2である化合物5に変換することによって得ることができる。該合成は、ジメチルホルムアミドまたはトルエンなどの適当な溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、適当な臭化またはヨウ化アルキル(R2-BrまたはR2-I)でアルコール5を処理することからなる。別法として、ジメチルホルムアミド、エタノールまたはテトラヒドロフランなどの適当な溶媒中、ナトリウムエトキシド、水素化リチウムまたはt-ブチルリチウムなどの適当な塩基で処理し、次いで、得られるアルコキシドを適当な臭化アルキルと反応させることによって、アルコール5をナトリウムまたはリチウム塩に変換することができる。Xが-OHである中間体から、Xが-OR2である化合物を得るための別の方法は、標準的方法にしたがって、ヒドロキシルをトリフレートまたはトシレートまたはハライド(Br、I)に変換し、それを適当なアルコキシド(M-OR2)(ここで、Mはアルカリ金属である)と反応させることである。式I-aの化合物は、化合物3を塩化オキサリルと反応させ、次いで、得られる塩化アシルに適当なアルコール(-OR3)を加えて反応を停止することによって得ることができる。別法として、式I-aの化合物は、イソプロパノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、トルエン、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒中、適当な量の ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウムn-プロポキシド、ナトリウムsec-ブトキシドまたはナトリウムt-ブトキシドならびに対応するリチウムまたはカリウム塩などのナトリウムまたはリチウムまたはカリウムアルコキシド(M-OR3)と反応させることによって、R3がメチルまたはエチルであるエステル5から得ることができる。別法として、たとえば、無水物、カルボニルジイミダゾールまたはカルボジイミド(DDC、WSC)と混合し、反応性中間体を適当なアルコールと反応させることによって活性化することによって、エステル5を加水分解して、対応する酸にし、次いで、式I-aの化合物に変換することができる。XがOHである、この最後の場合、カルボキシレート活性化の前に保護が必要であり、適当なヒドロキシル保護基は、ジメチル-tert-ブチルシリルエーテル、アリルエーテルまたはベンジルエーテルなどのシリルエーテルである
【0073】
アミド7のアミン8への還元は、上述のガブリエル合成への別のアプローチである。この還元は、テトラヒドロフラン中の水素化リチウムアルミニウム、ボランなどの通常の還元剤によって達成することができる。たとえば、カルボニルジイミダゾールを適当なアルコール、次いで、アミン8と反応させて、カルバメートを得るか、またはアミン8をカルボニルジイミダゾール、次いで、適当なアミンと反応させて、ウレアを得るなどの標準的手順によって、アミン8を式1-hのカルバメートまたはウレアに変換することができる。別法として、アミン8を、有機溶媒中、イソプロピリエチルアミン、トリエチルアミンまたはその他の適当な有機塩基などの塩基の存在下、クロロギ酸ブチルまたはクロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸エチルまたはメチルなどの適当なクロロギ酸エステルと反応させることができ、別法として、ショッテン-バウマン条件を用いて、式1-hのカルバメートを得ることができる。
【0074】
別法として、アルデヒドへ酸化し、次いで、適当なアミンを用いて還元的アミノ化を行うことによって、式6のアルコールから式8のアミンを得ることができる。アルコール6の酸化は、PCCまたはPDC酸化、またはスワーン酸化などの通常の手順によって得ることができる。Xが-OHである式6のアルコールである場合、このヒドロキシルは、エステル5の還元の前に、上述のとおり保護されなければならず、適当な保護基は、ジメチル-tertブチルシリル、ベンジルおよびトリチルである。中間体アルデヒドの還元的アミノ化は、トルエンなどの適当な溶媒中、アミンと反応させて、イミンを得、次いで、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムと反応させるか、または触媒的水素添加によってアミンに還元するなどの標準的手順によって得ることができる。別法として、メタノールまたはエタノールまたはテトラヒドロフラン中、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下、適当なアミンとの、その直接反応による中間体アルデヒドの還元的アミノ化によって、アミン8を直接得ることができる。標準的方法にしたがって、塩基の存在下、適当な塩化アシルまたは混合無水物との反応によって、アルコール6から、式I-eのエステルを得ることができる。別法として、適当な有機溶媒中、DCC、WSCまたはカルボニルジイミダゾールなどの縮合剤、有機塩基の存在下、アルコール6を適当なカルボン酸と反応させることができる。これらのXが-OHである式6のアルコールは、特に、塩化アシルまたは混合無水物を用いる場合、このヒドロキシルを上述のとおり保護しなければならない。ジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒中、カルボニルジイミダゾール、次いで、適当なアミンとの反応によって、アルコール6から、式I-gのカルバメートを得ることができる。同様に、ジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒中、カルボニルジイミダゾール、次いで、適当なアルコールとの反応によって、アルコール6から、式I-gのカーボネートを得ることができる。別法として、アルコール6のカルボニルジイミダゾールアダクトを、ジメチルホルムアミドまたはトルエンなどの溶媒中、適当なリチウム、ナトリウムまたはカリウムアルコキシドで処理することができる。別法として、ホスゲンまたはトリホスゲン、次いで、適当なアルコールとの反応によって、アルコール6から、式I-gのカーボネートを得ることができる。いくつかの式Iの化合物について、合成の少なくとも最終ステップまたは最後から二番目のステップにおいて、スルホニル基の導入が必要である。これらの場合、メタクロロ過安息香酸またはオキソンを用いる対応するメチルチオエーテルの酸化によって、R'またはR'''のいずれかの位置のスルホニル基を得ることができる。
【0075】
以下の実施例により本発明をより詳細に説明する。
【実施例1】
【0076】
実施例1:[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸イソプロピル

窒素下、0℃ にて撹拌しながら、トリフルオロ酢酸(TFA)(9 mL)中のイソプロピル-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-フェニル-1H-ピロール-3-グリオキシレート(2.3 mmol)の溶液に、トリエチルシラン(0.75 mL、4.7 mmol)をゆっくりと加え、混合物を室温にて30分間撹拌する。反応の終わりに、40%アンモニア水で混合物をアルカリ性にし、CHCl3で抽出する。有機溶液を乾燥し、減圧蒸発する。得られる残渣をCHCl3で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーに付して、固体を得、ヘキサン/酢酸エチルから再結晶した後、所望生成物を得る。帯黄色針状晶(収率55%);Mp 112℃。NMR(CDCl3)7.67-7.69(d、2H)、7.43-7.44(m、3H)、7.16-7.18(d、2H)、7.11-7.13(m、2H)、6.50(s、1H)、5.30-5.35(m、1H)、3.45(s、2H)、2.96-2.98(s、3H)、2.04(s、3H)1.24-1.25(d、6H)。元素分析(C23H25NO4S)C、H、N、O、S。
【0077】
イソプロピル -2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-フェニル-1H-ピロール-3-グリオキシレート

2,6-ルチジン(10 mmol)および塩化オキサリル(0.76 mL、10 mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、無水ジクロロメタン(15 mL)中の2-メチル-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-1-フェニル-1H-ピロール(10 mmol)の撹拌溶液に加える。溶液を0℃にて4時間を撹拌する。その後迅速に、溶液にイソプロピルアルコール(20 mmol)を滴下する。溶液を室温にて30分間撹拌する。最後に混合物に氷を注ぎ入れ、ジクロロメタンで抽出する。有機溶液を乾燥し、減圧蒸発する。溶離液として酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製して、固体を得、ヘキサン/酢酸エチルから再結晶して、所望生成物を得る。帯黄色針状晶(収率76%);Mp 160℃。NMR(CDCl3)7.67-7.69(d、2H)、7.43-7.44(m、3H)、7.16-7.18(d、2H)、7.11-7.13(m、2H)、7.04-7.05(s、1H)、5.30-5.35(m、1H)、2.97-2.98(s、3H)、2.43-2.44(s、3H)1.38-1.40(d、6H)。元素分析(C23H23NO5S)C、H、N、O、S。

2-メチル-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-1-フェニル-1H-ピロール(3a) 文献(Biavaら、J.Med.Chem.、2005、48、3428)に報告されているように、80%収率で製造される。
【実施例2】
【0078】
実施例2:[1-(3,4-ジフルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸イソプロピル

実施例1に記載の手順にしたがって、イソプロピル-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-グリオキシレートから出発して、収率45%で製造される。帯黄色針状晶 Mp 143℃;NMR(CDCl3)7.69-7.71(m、2H)、7.16-7.19(m、3H)、6.92-7.10(m、2H)、6.50-6.61(s、1H)、5.26(m、1H)、3.45-3.47(s、2H)、3.01-3.03(s、2H)、2.07- 2.09(s、3H)、1.23-1.30(t、6H)。元素分析(C23H23F2NO4S)C、H、N、F、O、S。
【0079】
イソプロピル-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-グリオキシレート

実施例1に記載の手順にしたがって、2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)-1H-ピロールから出発して、収率65%で製造される。Mp 60℃;NMR(CDCl3)7.74-7.78(m、2H)、7.23-7.26(m、3H)、7.04-7.05(m、3H)、5.26(m、1H)、2.94-3.00(s、3H)、2.42- 2.46(s、3H)、1.33-1.41(d、6H)。元素分析(C23H21F2NO5S)C、H、N、F、O、S。
【0080】
2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)-1H-ピロール

文献(Biavaら、J.Med.Chem.、2005、48、3428)に報告されているように、収率74%で製造される。
【実施例3】
【0081】
実施例3:[1-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸イソプロピル

実施例1に記載の手順にしたがって、イソプロピル-1-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール-3-グリオキシレートから出発して、収率40%で製造される。帯黄色針状晶;Mp 138℃;NMR(CDCl3)7.65-7.68(d、2H)、7.24-7.27(d、2H)、7.14-7.16(d、2H)、7.00-7.02(d、2H)、6.53(s、1H)、4.96(m、1H)、3.83-3.84(s、3H)、3.45(s、2H)、3.02-3.04(s、3H)、2.02-2.05(s、3H)、1.18-1.23(d、6H)元素分析(C24H27NO5S)C、H、N、O、S。
【0082】
イソプロピル 1-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール-3-グリオキシレート

実施例1に記載の手順にしたがって、文献(上記)にしたがって製造された2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-(4-メトキシフェニル)-1H-ピロールから出発して、収率40%で製造される。帯黄色針状晶(収率40%);Mp 124℃;NMR(CDCl3)7.77-7.80(d、2H)、7.65-7.69(m、1H)、7.38-7.41(d、2H)、7.32-7.35(d、2H)、7.24-7.26(d、1H)、6.98-6.99(s、1H)、5.26(m、1H)、3.08-3.09(s、3H)、2.44-2.45(s、3H)、1.38-1.40(d、6H)。元素分析(C23H22FNO5S)C、H、N、O、S。
【実施例4】
【0083】
実施例4:[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸イソプロピル

実施例1に記載の手順にしたがって、イソプロピル-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-グリオキシレートから出発して、収率96%で製造される。帯黄色針状晶;Mp 100℃;NMR(CDCl3)7.71-7.75(m、2H)、7.52-7.56(m、1H)、7.10-7.15(m、3H)、7.09-7.10(m、2H)、6.55-6.57(m、1H)、4.96(m、1H)、3.46-3.47(s、2H)、2.80-2.83(s、3H)、2.04-2.09(s、3H)、1.20-1.24(d、6H)。元素分析(C23H24FNO4S)C、H、N、O、S。
【0084】
イソプロピル-2-メチル- 5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-グリオキシレート

実施例1に記載の手順にしたがって、文献(上記)にしたがって製造された2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロールから出発して、収率40%で製造される。帯黄色針状晶(収率40%);Mp 124℃;NMR(CDCl3)7.77-7.80(d、2H)、7.65-7.69(m、1H)、7.38-7.41(d、2H)、7.32-7.35(d、2H)、7.24-7.26(d、1H)、6.98-6.99(s、1H)、5.26(m、1H)、3.08-3.09(s、3H)、2.44-2.45(s、3H)、1.38-1.40(d、6H)。元素分析(C23H22FNO5S)C、H、N、O、S。
【実施例5】
【0085】
実施例5:[1-(3,4-ジフルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸n-ブチル

実施例1に記載の手順にしたがって、n-ブチル-2-メチル- 5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-グリオキシレートから出発して、収率40%で製造される。帯黄色針状晶;Mp 112℃;NMR(CDCl3)7.68-7.61(d、2H)、7.17-7.20(s、3H)、7.10-7.12(d、2H)、6.49-6.50(s、1H)、4.11-4.12(t、2H)、3.47-3.49(s、2H)、3.00-3.01(s、3H)、2.06-2.07(s、3H)、1.62-1.64(t、2H)1.20-1.30(m、2H)、0.91-0.95(t、3H)。元素分析(C24H26F2NO4S)C、H、N、F、O、S。
【0086】
n-ブチル-2-メチル-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-1-[3,4-(ジフルオロ)フェニル]-1H-ピロール-3-グリオキシレート

実施例1に記載の手順にしたがって、イソプロパノールの代わりにn-ブタノールを用い、文献(上記)にしたがって製造された2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-(3,4-ジフルオロフェニル)-1H-ピロールから出発して、収率65%で製造される。帯黄色針状晶;Mp 45℃;NMR(CDCl3)7.75-7.77(d、2H)、7.20-7.28(s、1H)、7.05-7.07(d、2H)、7.02-7.04(m、2H)、6.92-6.95(s、1H)、4.33-4.37(t、2H)、3.02(s、3H)、2.46(s、3H)、1.52- 1.76(q、2H)1.45-1.47(m、2H)、0.94-0,98(t、3H)。元素分析(C24H23F2NO5S)C、H、N、F、O、S。
【実施例6】
【0087】
実施例6:[1-フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸n-ブチル

実施例1に記載の手順にしたがって、n-ブチル-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-フェニル)-1H-ピロール-3-グリオキシレートから出発して、収率50%で製造される。帯黄色針状晶;Mp 124℃。NMR(CDCl3)7.66-7.68(d、2H)、7.48-7.50(m、5H)、7.23-7.26(d、2H)、6.56(s、1H)、4.08-4.09(t、2H)、3.51(s、2H)、3.04-3.05(s、3H)、2.04-2.06(s、3H)、1.13-1.15(q、2H)1.12-1.13(m、2H)、0.90-0.92(t、3H)。元素分析(C24H27NO4S)C、H、N、O、S。
【0088】
n-ブチル-2-メチル-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-1-フェニル-1H-ピロール-3-グリオキシレート

実施例1に記載の手順にしたがって、イソプロパノールの代わりにn-ブタノールを用い、文献(上記)にしたがって製造された2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-フェニル-1H-ピロールから出発して、収率65%で製造される。
帯黄色針状晶;Mp 100℃。NMR(CDCl3)7.70-7.72(d、2H)、7.47-7.48(m、2H)、7.22-7.27(m、1H)、7.17-7.20(d、2H)、7.15-7.16(m、2H)、7.09-7.10(s、1H)、4.36-5.39(t、2H)、3.01(s、3H)、2.47(s、3H)、1.77-1.79(q、2H)1.47-1.49(m、2H)、0.96-1.00(t、3H)。元素分析(C24H25NO5S)C、H、N、O、S。
【実施例7】
【0089】
実施例7:[2-ヒドロキシ-2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル

室温にて撹拌しながら、ジクロロメタン(CH2Cl2)(9 mL)中のエチル-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-フェニル-1H-ピロール-3-グリオキシレート(1.46 mmol)の溶液に、ZnCl2(2.17 mmol)を加える。5分後、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え、混合物を室温にて撹拌しながら2時間反応させる。最後に、混合物にtert-ブチルアルコールを加え、セライトで濾過し、塩化アンモニウムの6N塩酸溶液で混合物を酸性にし、CHCl3で抽出する。有機溶液を洗浄し、乾燥し、減圧蒸発する。得られる残渣をエーテル/酢酸エチル(1:1)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーに付して、固体を得、アセテートから再結晶した後、所望生成物を得る。Mp 145℃(収率50%);1H NMR(CDCl3)7.62-7.67(m、2H)、7.24-7.27(m、3H)、7.12-7.17(m、4H)、6.47-6.50(m、1H)、5.21(s、1H)、4.24-4.37(m、2H)、3.20-3.22(broad、1H)、2.96-3.01(s、3H)、2.13-2.18(s、3H)、1.28-1.35(t、3H)。元素分析(C22H23NO5S)C、H、N。
【0090】
文献に報告されているように、エチル-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-フェニル-1H-ピロール-3-グリオキシレート(Biavaら、J.Med.Chem.、2005、48、3428)を製造する。
【0091】
Chiral Pack IA、キラル固定相を用い、溶離液としてn-ヘキサン:ジクロロメタン:エタノール(50:50:1)を用いるクロマトグラフィーによって、実施例7に記載の化合物のエナンチオマーを製造する。
【0092】
実施例7a:(+)-[2-ヒドロキシ-2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル
[α]D =+70°(c= 0.049、EtOH)。
【0093】
実施例7b:(-)-[2-ヒドロキシ-2-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル
[α]D =−60°(c= 0.049、EtOH)。
【実施例8】
【0094】
実施例8:[2-ヒドロキシ-2-[1-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル

実施例7の記載にしたがって、エチル-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1-(4-メトキシフェニル)-1H-ピロール-3-グリオキシレートから出発して、収率60%で得る。Mp 130℃;1H NMR(CDCl3):7.65-7.67(d、2H)、7.16-7.18(d、2H)、7.12-7.15(m、2H)、7.06-7.11(m、2H)、6.46(s、1H)、5.02(s、1H)、4.19(m、2H)、3.85(s、3H)、3.20-3.25(broad、1H)、3.00(s、3H)、2.14(s、3H)、1.29-133(t、3H)。元素分析(C23H25NO6S)C、H、N。
【0095】
Chiral Pack IA、キラル固定相を用い、溶離液としてn-ヘキサン:ジクロロメタン:エタノール(50:50:1)を用いるクロマトグラフィーによって、実施例8に記載の化合物のエナンチオマーを製造する。
【0096】
実施例8a:(+)-[2-ヒドロキシ-2-[1-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル
[α]D =+57°(c= 0.086、EtOH)。
【0097】
実施例8b:(-)-[2-ヒドロキシ-2-[1-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル
[α]D =−58°(c= 0.091、EtOH)。
【実施例9】
【0098】
実施例9:[2-ヒドロキシ-2-[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル

実施例7の記載にしたがって、エチル-[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]グリオキシレートから出発して、収率55%で得る。173℃;1H NMR(CDCl3):7.66-7.72(d、2H)、7.37-7.38(m、1H)、7.24-7.25(d、2H)、6.90-6.93(m、3H)、6.46-6.47(s、1H)、5.18(s、1H)、4.22-4.35(m、2H)、2.99-3.20(broad、1 H)2.98(s、3H)、2.15(s、3H)、1.24-1.32(m、3H)。元素分析(C22H22FNO5S)C、H、N。
【0099】
Chiral Pack IA、キラル固定相を用い、溶離液としてn-ヘキサン:ジクロロメタン:エタノール(50:50:1)を用いるクロマトグラフィーによって、実施例9に記載の化合物のエナンチオマーを製造する。
【0100】
実施例9a:(+)-[2-ヒドロキシ-2-[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル
[α]D =+88°(c= 0.019、EtOH)。
【0101】
実施例9b:(-)-[2-ヒドロキシ-2-[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル
[α]D =−81°(c= 0.046、EtOH)。
【実施例10】
【0102】
実施例10:[2-エトキシ-2-[-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル

実施例7の記載にしたがって、t-ブタノールの代わりにエタノールを加えて、収率50%で製造する。Mp 165℃ ;1H NMR(CDCl3)7.62-7.64(m、2H)、7.24-7.27(m、3H)、7.12-7.15(m、4H)、6.47-6.60(m、1H)、4.92(s、1H)、4.15-4.40(m、2H)、3.50-3.70(m、2H)、2.97-3.00(s、3H)、2.13-2.18(s、3H)、1.28-1.32(t、6H)。元素分析(C24H27NO5S)C、H、N。
【0103】
Chiral Pack IA、キラル固定相を用い、溶離液としてn-ヘキサン:ジクロロメタン:エタノール(75:25:0.2)を用いるクロマトグラフィーによって、実施例10に記載の化合物のエナンチオマーを製造する。
【0104】
実施例10a:(+)-[2-エトキシ-2-[-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル
[α]D =+41°(c= 0.027)、EtOH)。
【0105】
実施例10b:(-)-[2-エトキシ-2-[-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル
[α]D =−52°(c= 0.022)、EtOH)。
【実施例11】
【0106】
実施例11:[2-エトキシ-2-[1-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル

実施例7の記載にしたがって、t-ブタノールの代わりにエタノールを加えて、エチル [2-[1-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-y]]グリオキシレートから出発して、収率50%で製造する。Mp 159℃;1H NMR(CDCl3):7.65-7.67(d、2H)、7.14-7.16(d、2H)、7.04-7.08(m、2H)、6.88-6.90(m、2H)、6.56(s、1H)、4.89-490(s、1H)、4.18-4.28(m、2H)、3.77-3.83(s、3H)、3.56-3.65(m、2H)、2.92-2.98(s、3H)、2.14(s、3H)、1.23-131(t、6H)。元素分析(C25H29NO6S)C、H、N。
【0107】
Chiral Pack IA、キラル固定相を用い、溶離液としてn-ヘキサン:ジクロロメタン:エタノール(75:25:0.2)を用いるクロマトグラフィーによって、実施例11に記載の化合物のエナンチオマーを製造する。
【0108】
実施例11a:(+)-[2-エトキシ-2-[1-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチル スルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル
[α]D =+32°(c= 0.040)、EtOH)。
【0109】
実施例11b:(-)-[2-エトキシ-2-[1-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチル スルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル
[α]D =−43°(c= 0.043)、EtOH)。
【実施例12】
【0110】
実施例12:エチル [2-エトキシ-2-[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸

実施例7の記載にしたがって、t-ブタノールの代わりにエタノールを加えて、エチル [2-[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]-グリオキシレートから出発して、収率55%で製造する。Mp 165℃;1H NMR(CDCl3):7.66-7.72(d、2H)、7.37-7.38(m、1H)、7.23-7.25(d、2H)、6.90-6.93(m、3H)、6.55-6.57(s、1H)、4.79-4.82(s、1H)、4.23-4.27(m、2H)、3.43-3.45(m、2H)2.96-3.00(s、3H)、2.16(s、3H)、1.28-1.32(t、6H)。元素分析(C24H26FNO5S)C、H、N。
【0111】
Chiral Pack IA、キラル固定相を用い、溶離液としてn-ヘキサン:ジクロロメタン:エタノール(75:25:0.2)を用いるクロマトグラフィーによって、実施例12に記載の化合物のエナンチオマーを製造する。
【0112】
実施例12a:(+)-[2-エトキシ-2-[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル
[α]D =+45°(c= 0.041)、EtOH)。
【0113】
実施例12b:(-)-[2-エトキシ-2-[1-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチル スルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]]酢酸エチル
[α]D =−34°(c= 0.020)、EtOH)。
【実施例13】
【0114】
実施例13:N-メチル-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド

無水ジクロロメタン(5 mL)中のHOBt(0.3 mmol)の溶液を、同じ溶媒(15 mL)中の[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸(0.3 mmol)(Biavaら、J.Med.Chem.、2005、48、3428)およびメチルアミン(0.4 mmol)の冷(0-5℃)溶液に加える。30分後、ジクロロメタン(5 mL)中のEDC(0.4 mmol)の溶液を滴下し、混合物を室温にて5時間保持する。溶液を2N HCl、飽和NaHCO3溶液およびH2Oで連続的に洗浄し、次いで、乾燥し、溶媒を減圧蒸発する。
【0115】
残渣を、EtOAcを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得る。EtOAcからの帯黄色針状晶 Mp 178-181℃(収率77%)1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.02(s、3H)、2.78(d、3H、J = 4.8)、2.95(s、3H)、3.43(s、2H)、5.93(br s、1H)、6.43(s、1H)、7.10-7.15(m、4H)、7.34-7.42(m、3H)、7.61(m、2H)。MS-ESI:m/z 383(M+H)。
【実施例14】
【0116】
実施例14:N-エチル-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド

エチルアミンを用い、実施例13に記載の手順と同様にして、収率70%で製造される。
黄色油状物 1H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.07(t、3H、J = 7.1)、2.01(s、3H)、2.94(s、3H)、3.19-3.33(m、2H)、3.41(s、2H)、5.89(br s、1H)、6.42(s、1H)、7.09-7.13(m、4H)、7.37(m、3H)、7.61(m、2H)。MS-ESI:m/z 419(M+Na)。
【実施例15】
【0117】
実施例15:N,N-ジメチル-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド

ジメチルアミンを用い、実施例13に記載の手順と同様にして、収率70%で製造される。
EtOAc/ヘキサンからの帯黄色針状晶Mp 175-179℃(収率70%)1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.05(s、3H)、2.95(s、6H)、3.09(s、3H)、3.54(s、2H)、6.64(s、1H)、7.12(m、4H)、7.35-7.40(m、3H)、7.60(m、2H)。MS-ESI:m/z 419(M+Na)。
【実施例16】
【0118】
実施例16:N-ベンジル-N-メチル-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド

実施例13に記載の手順と同様にして、N-メチル-N-ベンジルアミンおよび[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸)(Biavaら、J.Med.Chem.、2005、48、3428)から出発して、収率86%で製造される。溶離液としてEtOAc/ヘキサン(7:3 v/v)を用いて精製する。1H-NMR(CDCl3)スペクトルは、単純化のために、整数は付与されなかった、平衡状態にある2つの異なる回転異性体の存在を示す。δ ppm:1.96(s)、2.06(s)、3.01(m)、3.61(s)、4.62(s)、6.48(s)、7.04-7.18(m)、7.25-7.38(m)、7.61(m)。MS-ESI:m/z 473(M+H)。
【実施例17】
【0119】
実施例17:N-メチル-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-トリフルオロメチル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド

実施例13に記載の手順と同様にして、メチルアミンおよび[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1H-ピロール-3-イル]酢酸(文献にしたがって製造される、上記)から、収率71%で製造される。黄色油状物。1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.06(s、3H)、2.80(d、3H、J = 4.8)、2.99(s、3H)、3.44(s、2H)、5.87(br s、1H)、6.45(s、1H)、7.12(m、2H)、7.27(m、2H)、7.67(m、4H)。MS-ESI:m/z 473(M+Na)。
【実施例18】
【0120】
実施例18:N-エチル-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-トリフルオロメチル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド

実施例13に記載の手順と同様にして、エチルアミンおよび[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1H-ピロール-3-イル]酢酸から、収率69%で製造される。オレンジ色油状物 1H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.11(t、3H、J = 7.2)、2.06(s、3H)、2.99(s、3H)、3.22-3.36(m、2H)、3.42(s、2H)、5.79(br s、1H)、6.46(s、1H)、7.13(m、2H)、7.27(m、2H)、7.68(m、4H)。MS-ESI:m/z 465(M+H)。
【実施例19】
【0121】
実施例19:N-ベンジル-N-メチル-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-トリフルオロメチル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]アセトアミド

実施例13に記載の手順と同様にして、N-メチル-N-ベンジルアミンおよび[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1H-ピロール-3-イル]酢酸から、収率77%で製造される。溶離液としてEtOAc/ヘキサン(7:3 v/v)を用いて精製する。オレンジ色油状物。1H-NMR(CDCl3スペクトルは、単純化のために、整数は付与されなかった、平衡状態にある2つの異なる回転異性体の存在を示す。δ ppm:1.98(s)、2.09(s)、2.97-3.01(m)、3.61(s)、4.63(s)、6.49(d)、7.06-7.16(m)、7.25-7.32(m)、7.61-7.68(m)。
【実施例20】
【0122】
実施例20:[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-3-(2-メトキシエチル)-1-フェニル]-1H-ピロール

DMSO(2 mL)中の粉末KOH(0.7 mmol)の懸濁液を、5分間攪拌する。3-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-1-フェニル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール(0.2 mmol)およびヨウ化メチル(0.3 mmol)を順番に加え、さらに30分間撹拌した後、混合物に水を注ぎ入れ、ジクロロメタンで抽出する。有機抽出物を水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧蒸発乾固する。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 4:6 v/v)により精製して、標記化合物を油状物で得る。淡黄色油状物(収率45%)1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.05(s、3H)、2.75(t、2H、J = 7.1)、2.97(s、3H)、3.40(s、3H)、3.60(t、2H、J = 7.3)、6.45(s、1H)、7.13(m、4H)、7.38(m、3H)、7.61(m、2H)。MS-ESI:m/z 392(M+Na)。
【0123】
3-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-1-フェニル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール

無水THF(5 mL)中のエチル-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸(1.3 mmol)の溶液を、無水THF(20 mL)中の水素化アルミニウムリチウム(2.8 mmol)の撹拌懸濁液に滴下する。窒素雰囲気下で20分間撹拌した後、H2Oを注意深く加えて、過剰の還元剤を分解する。無機物質を濾去し、THFで洗浄する。濾液を乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧蒸発する。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 6:4 v/v)により精製して、所望生成物を得る。EtOAcからの帯黄色針状晶 Mp 141-144℃(収率71%)1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.07(s、3H)、2.77(t、2H、J = 6.3)、2.98(s、3H)、3.85(t、2H、J = 6.3)、6.46(s、1H)、7.13-7.17(m、4H)、7.40(m、3H)、7.64(m、2H)。
【実施例21】
【0124】
実施例21:[3-(2-エトキシエチル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル]-1H-ピロール

実施例20に記載の手順と同様にして、ヨウ化メチルの代わりにヨウ化エチルを用い、収率48%で製造される。淡黄色油状物 1H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.24(t、3H、J = 7.0)、2.06(s、3H)、2.78(t、2H、J = 7.4)、2.98(s、3H)、3.51-3.67(m、4H)、6.45(s、1H)、7.14(m、4H)、7.40(m、3H)、7.62(m、2H)。MS-ESI:m/z 406(M+Na)。
【実施例22】
【0125】
実施例22:[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-フェニル-3-(2-n-プロピルオキシエチル)]-1H-ピロール

実施例20に記載の手順と同様にして、ヨウ化メチルの代わりにヨウ化プロピルを用い、収率46%で製造される。淡黄色油状物 1H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.93(t、3H、J = 7.4)、1.57-1.67(m、2H)、2.05(s、3H)、2.76(t、2H、J = 7.4)、2.97(s、3H)、3.44(t、2H、J = 6.8)、3.62(t、2H、J = 7.4)、6.45(s、1H)、7.13(m、4H)、7.37(m、3H)、7.61(m、2H)。MS-ESI:m/z 420(M+Na)。
【実施例23】
【0126】
実施例23:[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-3-(2-メトキシエチル)]-1H-ピロール

実施例20に記載の手順と同様にして、ヨウ化メチルの代わりに1-(4-フルオロ)フェニル-3-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロールを用い、収率58%で製造される。淡黄色油状物 1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.04(s、3H)、2.75(t、2H、J = 7.1)、2.99(s、3H)、3.40(s、3H)、3.60(t、2H、J = 7.3)、6.44(s、1H)、7.03-7.16(m、6H)、7.65(m、2H)。MS-ESI:m/z 409(M+Na)。
【0127】
1-(4-フルオロ)フェニル-3-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール

実施例20の記載にしたがうが、[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-フルオロ)フェニル -1H-ピロール-3-イル]酢酸エチルを還元することによって、収率80 %で製造される。黄色油状物 1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.05(s、3H)、2.75(t、2H、J = 6.5)、2.99(s、3H)、3.84(t、2H、J = 6.5)、6.44(s、1H)、7.08-7.17(m、6H)、7.66(m、2H)。
【実施例24】
【0128】
実施例24:[3-(2-エトキシエチル)-1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール

実施例23と同様にして、ヨウ化エチルから、収率40 %で製造される。淡黄色油状物 1H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.22(t、3H、J = 6.9)、2.03(s、3H)、2.75(t、2H、J = 7.4)、2.98(s、3H)、3.49-3.65(m、4H)、6.43(s、1H)、7.01-7.15(m、6H)、7.64(m、2H)。MS-ESI:m/z 424(M+Na)。
【実施例25】
【0129】
実施例25:[1-(4-フルオロ)フェニル-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-3-(2-n-プロピルオキシエチル)]-1H-ピロール

実施例23と同様にして、ヨウ化プロピルから、収率45 %で製造される。淡黄色油状物 1H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.93(t、3H、J = 7.4)、1.56-1.67(m、2H)、2.03(s、3H)、2.75(t、2H、J = 7.3)、2.98(s、3H)、3.44(t、2H、J = 6.8)、3.61(t、2H、J = 7.3)、6.44(s、1H)、7.04-7.15(m、6H)、7.64(m、2H)。MS-ESI:m/z 438(M+Na)。
【実施例26】
【0130】
実施例26:[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-3-(2-メトキシエチル)-1-(4-トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール

実施例20と同様にして、1-[(4-トリフルオロメチルフェニル)-3-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロールおよびヨウ化メチルから、収率52 %で製造される。淡黄色油状物。1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.07(s、3H)、2.76(t、2H、J = 7.0)、3.00(s、3H)、3.40(s、3H)、3.60(t、2H、J = 6.7)、6.47(s、1H)、7.13(m、2H)、7.26(m、2H)、7.67(m、4H)。MS-ESI:m/z 459(M+Na)。
【0131】
3-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール

実施例20と同様にして、1-[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-(4-トリフルオロメチル)フェニル-1H-ピロール-3-イル]酢酸エチルおよびヨウ化メチルから、収率71 %で製造される。黄色油状物 1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.07(s、3H)、2.74(t、2H、J = 6.5)、2.98(s、3H)、3.83(t、2H、J = 6.5)、6.46(s、1H)、7.12(m、2H)、7.26(m、2H)、7.66(m、4H)。
【実施例27】
【0132】
実施例27:[3-(2-エトキシエチル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1-(4-トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール

実施例26と同様にして、ヨウ化メチルの代わりにヨウ化エチルを用い、収率48 %で製造される。淡黄色油状物。1H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.22(t、3H、J = 6.9)、2.07(s、3H)、2.76(t、2H、J = 7.2)、2.99(s、3H)、3.49-3.65(m、4H)、6.45(s、1H)、7.11(m、2H)、7.25(m、2H)、7.66(m、4H)。MS-ESI:m/z 474(M+Na)。
【実施例28】
【0133】
実施例28:[2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-3-(2-n-プロピルオキシエチル)-1-(4-トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロール

実施例26と同様にして、ヨウ化メチルの代わりにヨウ化プロピルを用い、収率46 %で製造される。淡黄色油状物 1H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.98(t、3H、J = 7.4)、1.54-1.68(m、2H)、2.07(s、3H)、2.76(t、2H、J = 7.1)、3.00(s、3H)、3.45(t、2H、J = 6.7)、3.62(t、2H、J = 7.2)、6.47(s、1H)、7.12(m、2H)、7.25(m、2H)、7.67(m、4H)。MS-ESI:m/z 466(M+H)。
【実施例29】
【0134】
実施例29:2-(1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル)エチルプロピオネート

窒素雰囲気下、0℃に冷却した無水ジクロロメタン(20 mL)中の1-(4-フルオロ)フェニル-3-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール(実施例23)(0.28 mmol)の溶液に、TEA(0.5 mL)を加え、混合物を10分間撹拌する。次いで、塩化プロピオニル(0.34 mmol)を0℃にて加え、反応物を室温にて30分間撹拌する。反応混合物を水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧蒸発乾固する。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 4:6 v/v)により精製して、所望化合物を得る。黄色油状物(収率72%)1H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.11(t、3H、J = 7.1)、2.03(s、3H)、2.32(q、2H、J = 7.2)、2.78(t、2H、J = 7.3)、2.96(s、3H)、4.22(t、2H、J = 7.1)、6.40(s、1H)、7.06-7.14(m、6H)、7.61-7.66(m、2H)。
【実施例30】
【0135】
実施例30:2-(1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル)エチルブタノエート

実施例29と同様にして、塩化ブチロイルを用い、収率80 %で製造される。黄色油状物。1H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.90(t、3H、J = 7.1)、1.57-1.71(m、2H)、2.02(s、3H)、2.27(t、2H、J = 7.2)、2.78(t、2H、J = 7.1)、2.95(s、3H)、4.22(t、2H、J = 7.3)、6.40(s、1H)、7.09(m、6H)、7.62(m、2H)。
【実施例31】
【0136】
実施例31:2-(1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル)エチルベンゾエート

実施例29と同様にして、塩化ベンゾイルを用い、収率60 %で製造される。黄色油状物 1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.06(s、3H)、2.94(m、5H)、4.49(t、2H、J = 7.1)、6.47(s、1H)、7.06-7.15(m、6H)、7.38-7.45(m、2H)、7.52(m、1H)、7.62-7.67(m、2H)、8.04(m、2H)。
【実施例32】
【0137】
実施例32:2-(1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル)エチル 2-フルオロベンゾエート

実施例29と同様にして、塩化2-フルオロベンゾイルを用い、収率95 %で製造される。黄色油状物。1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.05(s、3H)、2.94(m、5H)、4.50(t、2H、J = 7.04)、6.49(s、1H)、7.07-7.21(m、8H)、7.51(m、1H)、7.65(m、2H)、7.89-7.99(m、1H)。
【実施例33】
【0138】
実施例33:2-(1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル)エチル 4-フルオロベンゾエート

実施例29と同様にして、塩化4-フルオロベンゾイルを用い、収率66 %で製造される。黄色油状物。1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.06(s、3H)、2.94(m、5H)、4.47(t、2H、J = 7.1)、6.45(s、1H)、7.05-7.15(m、8H)、7.65(m、2H)、8.02-8.09(m、2H)。
【実施例34】
【0139】
実施例34:2-(1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-メチルスルホニル)フェニル-1H-ピロール-3-イル)エチル 2-チオフェンカルボキシレート

実施例29と同様にして、塩化2-チエノイルを用い、収率60 %で製造される。黄色油状物 1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.07(s、3H)、2.93(m、5H)、4.45(t、2H、J = 7.0)、6.47(s、1H)、7.02-7.15(m、7H)、7.54(m、1H)、7.63-7.67(m、2H)、7.80(m、1H)。
【実施例35】
【0140】
実施例35:N-[2-[1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-1H-ピロール-3-イル]エチル]ベンズアミド

窒素雰囲気下、0℃に冷却した無水DMF(10 mL)中の2-(1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-1H-ピロール-3-イル)エタンアミン(0.20 mmol)の溶液に、TEA(0.20 mmol)を加え、混合物を10分間撹拌する。次いで、塩化ベンゾイル(0.20 mmol)を0℃にて加え、反応物を室温にて30分間撹拌する。反応混合物を水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧蒸発乾固する。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 7:3 v/v)により精製して、所望化合物を黄色油状物(収率70%)で得る。1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.03(s、3H)、2.80(t、2H、J = 7.1)、2.97(s、3H)、3.67(m、2H)、6.43-6.48(m、2H)、7.10(m、6H)、7.34-7.46(m、3H)、7.64(m、2H)、7.75(m、2H)。
【0141】
3-(2-アミノエチル)-1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール

98%ヒドラジン(3.00 mmol)で処理したMeOH(15 mL)中のフタルイミド誘導体(0.30 mmol)の懸濁液を、室温にて4時間撹拌する。混合物を減圧濃縮する。残渣を、CH2Cl2および氷冷希塩酸水溶液に分配する。有機層を捨て、産生水溶液を、氷冷水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にする。次いで、反応生成物をCH2Cl2で抽出し、有機相を食塩水で洗浄して、中性にし、乾燥(硫酸ナトリウム)する。減圧蒸発して、所望アミンを無色油状物(収率70%)で得、そのまま次の反応に用いる。
1H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:1.97(s、3H)、2.72(m、2H)、2.96(m、2H)、3.11(s、3H)、6.54(s、1H)、7.14-7.29(m、6H)、7.66(m、2H)、7.87(br s、2H)。
【0142】
3-(2-フタルイミドエチル)-1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール

無水DMF(10 mL)中の3-(2-ブロモエチル)-1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール(0.80 mmol)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(0.80 mmol)を加え、得られる混合物を室温にて30分間撹拌する。次いで、カリウムフタルイミド(0.90 mmol)を加え、反応混合物を70℃にて14時間加熱する。冷却した後、混合物を砕氷に注ぎ入れ、CH2Cl2で抽出する。有機相を水で完全に洗浄して、過剰のDMFを除去し、乾燥し、減圧濃縮する。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:1 v/v)により精製して、所望化合物を油状物で得、静置して結晶化する。EtOAcからの帯黄色針状晶 Mp 198-201℃(収率70%)1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.04(s、3H)、2.86(t、2H、J = 7.5)、2.98(s、3H)、3.88(t、2H、J = 7.6)、6.42(s、1H)、7.07(m、6H)、7.61-7.74(m、4H)、7.81-7.85(m、2H)。
【0143】
3-(2-ブロモエチル)-1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール

CHCl3中の1-(4-フルオロ)フェニル-3-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール(実施例23)(1.30 mmol)の溶液に、PBr3(5 mL)を加える。得られる混合物を室温にて2時間撹拌する。溶液を冷却し、氷を加えて反応を停止し、飽和Na2CO3溶液で混合物を塩基性にし、CH2Cl2で抽出する。有機相を食塩水で洗浄して中性にし、乾燥し、減圧蒸発する。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 4:6 v/v)により精製して、所望化合物を黄色油状物(収率36%)で得る。1H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.03(s、3H)、2.96-3.06(m、5H)、3.52(t、2H、J = 7.5)、6.41(s、1H)、7.05-7.15(m、6H)、7.61-7.66(m、2H)。
【実施例36】
【0144】
実施例36:N-プロピル-2[-(2-メチル-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル)]エチル プロピルカルバメート

無水THF(10 mL)中の3-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-1-フェニル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール(実施例20)(0.41 mmol)の溶液に、1,1-カルボニルジイミダゾール(0.82 mmol)を0℃にて加え、混合物を室温にて2時間攪拌する。溶媒を減圧除去し、所望の活性化アルコールを得る。CH3CN(8 mL)中の活性化アルコールの撹拌溶液に、n-プロピルアミン(0.61 mmol)および DMAP(0.61 mmol)を室温にて加え、溶液を3時間撹拌する。NaHCO3の飽和溶液で反応物を加水分解し、CH2Cl2で抽出する。有機層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧蒸発乾固する。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:1 v/v)により精製して、所望化合物を黄色油状物(収率85%)で得る。1H-NMR(CDCl3)スペクトルは、単純化のために、整数は付与されなかった、平衡状態にある2つの異なる回転異性体の存在を示す。δ ppm:0.85(m)、1.43-1.50(m)、2.02(d)、2.76(d)、2.92(d)、3.08(m)、4.19(d)、4.88-4.93(br d)、6.41(d)、7.08(m)、7.33(m)、7.56-7.60(m)。MS-ESI:m/z 463.2(M+Na)。
【実施例37】
【0145】
実施例37:2-(2-メチル-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル)エチルプロピルカーボネート

無水THF(5 mL)中の1-プロパノール(0.82 mmol)の溶液に、1,1-カルボニルジイミダゾール(1.02 mmol)をO℃にて加える。溶液を室温にて2時間撹拌し、次いで、予めNaH(0.41 mmol)で処理した無水THF(10mL)中の3-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-1-フェニル-5-[4-メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロール(実施例20)(0.41 mmol)の溶液に0℃にて加える。混合物を0℃にて2時間撹拌する。溶媒を減圧除去し、残渣をCH2Cl2に溶解し、NaClの飽和水溶液で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧蒸発乾固する。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:1 v/v)により精製して、所望化合物を黄色油状物(収率50%)で得る。1H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.93(t、3H、J = 7.1)、1.67(m、2H)、2.04(s、3H)、2.85(t、2H、J = 7.2)、2.95(s、3H)、4.08(t、2H、J = 6.9)、4.29(t、2H、J = 7.3)、6.43(s、1H)、7.09-7.14(m、4H)、7.35-7.38(m、3H)、7.61(m、2H)。MS-ESI:m/z 464.2(M+Na)。
【実施例38】
【0146】
実施例38:プロピル-N-[2-[2-メチル-5-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチル]カルバメート

無水CH2Cl2(5 mL)中の1-プロパノール(0.42 mmol)の溶液に、1,1-カルボニルジイミダゾール(0.51 mmol)を0℃ にて加え、混合物を室温にて4時間撹拌する。溶媒を減圧除去し、活性化アルコールを得る。CH3CN(8 mL)中の活性化アルコールの撹拌溶液に、2-(2-メチル-5-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル)エチルアミン(0.17 mmol)およびDMAP(0.34 mmol)を室温にて加え、溶液を24時間撹拌する。反応混合物をNaHCO3の飽和溶液で処理し、CH2Cl2で抽出する。有機層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧蒸発乾固する。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 7:3 v/v)により精製して、標記化合物を無色油状物(収率70%)で得る。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.90(m、3H)、1.60(m、2H)、2.03(s,3H)、2.67(m、2H)、2.96(s、3H)、3.39(m、2H)、4.00(m、2H)、4.86(br s、1H)、6.40(s、1H)、7.12(m、4H)、7.36-7.40(m、3H)、7.61(m、2H)。MS-ESI:m/z 463.2(M+Na)。
【実施例39】
【0147】
実施例39:N-[2-(2-メチル-5-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル)エチル]-3-プロピルウレア

無水CH2Cl2(5 mL)中の2-[2-メチル-5-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-1-フェニル-1H-ピロール-3-イル]エチルアミン(0.12 mmol)の懸濁液に、1,1-カルボニルジイミダゾール(0.18 mmol)を0℃にて加え、混合物を室温にて4時間撹拌する。溶媒を減圧除去し、活性化アミンを得る。CH3CN(6 mL)中の活性化アミンの撹拌溶液に、n-プロピルアミン(0.36 mmol)およびDMAP(0.36 mmol)を室温にて加え、溶液を18時間撹拌する。NaHCO3の飽和溶液で反応物を加水分解し、CH2Cl2で抽出する。有機層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧蒸発乾固する。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)により精製して、所望化合物を白色固体(収率70%)で得る。Mp 157-160 ℃。1H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.87(t、3H、J = 7.4)、1.47(m、2H)、2.02(s、3H)、2.66(t、2H、J = 7.0)、2.95(s、3H)、3.09(m、2H)、3.37(m、2H)、4.59(m、1H)、4.71(m、1H)、6.40(s、1H)、7.11(m、4H)、7.35-7.38(m、3H)、7.60(m、2H)。MS-ESI:m/z 462.3(M+Na)。
【0148】
薬理試験の記載(インビトロ試験)
細胞培養
マウス単球/マクロファージJ774細胞株を、2 mM グルタミン、25 mM Hepes、ペニシリン(100 u/mL)、ストレプトマイシン(100 μg/mL)、10%ウシ胎児血清(FBS)および1.2% ピルビン酸Na(Bio Whittaker、Europe)を補足したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)にて増殖させる。細胞を、2.5×105 細胞/mLの密度で24ウエル培養プレートに、または10 cm径培養皿(1×107 細胞/ 10mL/皿)に播き、5% CO2/95% O2中、37℃にて2時間接着させる。実験の直前に、培養培地を、ラジオイムノアッセイによる干渉を避けるためにFBSを含まない新鮮な培地と置き換え、細胞を記載のように(ZingarelliらBrit。J Pharmacology、1997、120、357-366)刺激する。
【0149】
COX-1活性
細胞を標準試料または試験化合物(0.01-10 μM)で15分間前処理し、構成的COX-1を活性化させるために、15 μMのアラキドン酸とともに37℃にて30分間インキュベートする。標準試料または試験化合物のストック溶液をジメチルスルホキシド中で調製し、等量のジメチルスルホキシドをコントロールサンプルに加える。インキュベーションの最後に、ラジオイムノアッセイによるPGEの測定のために上清を集める。
【0150】
COX-2活性の評価
先に述べた濃度にて、試験化合物の不在または存在下で、大腸菌リポ多糖(LPS、10μg/mL)により細胞を24時間刺激する。ラジオイムノアッセイによるPGE2の測定のために、上清を集める。
【0151】
分析
実験が続く間を通して、種々の処理条件に対して、3通りのウエルを用いる。結果は、コントロールサンプルに関する、試験化合物によるPGE2生成の阻害%の3つの実験の平均で表す。S字型用量-反応方程式(可変スロープ)を用いて、データフィットを得る。GraphPad Instatプログラム(GraphPad software)によって、IC50を計算する。
【0152】
実験動物
雄性スイスアルビノマウス(23-25 g)およびスプラーグ・ドーリーまたはウィスターラット(150-200 g)を用いる。実験動物には、標準的実験食および水道水を自由に与え、23±1℃にて、12時間の明暗周期、点灯午前7時で維持する。
【0153】
腹部収縮試験
Kosterら、Fed.Proc.、1959、18、412にしたがって、0.6 %酢酸溶液(10 ml/kg)をマウスに静脈内注射する。酢酸注射の5分後から、伸縮運動を10分間カウントする。
【0154】
足の圧力試験(Paw pressure test)
Leightonら、G.E.;Br.J.Pharmacol.1988、93、553-560に記載の方法にしたがって、無痛覚計を用いて、ラットにおける侵害受容閾値を決定する。処置前、処置後30、60および120分において閾値圧を測定する。250 gの任意遮断値を採用する。ラットの足に炎症過程を誘発するために、試験の4時間前に、カラギーナン(0.1 ml、1%)を腹腔内投与する。
【0155】
カラギーナン誘発性足浮腫
プレチスモメーター(足容積測定装置)を用いて、ラットの足体積を測定する。右後肢に1.0%カラギーナン0.1 mlを注射した4時間後に、被検化合物をラットに投与する。カラギーナンの注射の5時間後(すなわち、被検化合物の投与の1時間後)に、右後肢の足体積を測定し、食塩水/カラギーナン処置コントロールと比較する。結果を、最大効果パーセント(MPE)として記録する。以下の詳細な説明を参照のこと。
【0156】
ザイモサン誘発性足浮腫および痛覚過敏
ザイモサンの足底注射誘発性の機械的痛覚過敏を炎症痛のモデルとして用いることができる(Meller、Neuropharmacology、1994、33、1471-1478)。このモデルでは、典型的に、雄性スプラーグ-ドーリーまたはウィスターラット(200-250 g)は、一方の後肢に4 mg/100 μlのザイモサンの足底注射を受ける。この後肢に著しい炎症が起こる。炎症性損傷が起こる30分前に、有効性の評価のために経口で薬物を投与する。Randal-Selitto法(Arch.Int.Pharmacodyn.、1957、111、409)を用いて、ザイモサン投与によって誘発された痛覚過敏を評価する。鎮痛効果の定量は、炎症を起こした足に重量の増加(130-140 g〜500g)を適用することからなる無痛覚計によって達成される。炎症チャレンジの4時間後に決定する、基底値(一般的に230-250 g)と薬物で処置された実験動物が耐えられる値との間の機械的な痛み閾値を、機械的痛覚過敏として定義する。
【0157】
本発明化合物について、機械的痛覚過敏を、薬物で処置された実験動物とビヒクルのみを投与されたコントロールとの間の痛み閾値の差異(%)を意味する最大効果パーセント(MPE)として表す。
【0158】
結果をMPE(コントロールと比べて、重量の増加した足による侵害受容作用の減少)として記録する。MPEが100%とは、化合物およびザイモサンで処置された実験動物が、ザイモサン処置を受けていないコントロール動物と同じ刺激(重量)に耐えることができることを意味する。MPEが100%よりも大きいことは、化合物およびザイモサンで処置された実験動物が、ザイモサン処置を受けていないコントロール動物よりも大きい刺激(重量)に耐えることができること(痛覚鈍麻)を意味する。
【0159】
本発明化合物によって発揮されるインビボ抗炎症効果を、炎症性物質によって誘発された浮腫の体積を測定することによって、上述の同じザイモサン誘発性炎症試験において評価する。0-2時間のうちにザイモサン注射を受けた足の体積の増加として浮腫を評価する。足の浮腫体積の変化の測定は、ハイドロプレチスモメーターを用いて記録する。結果を、この場合、コントロール(ビヒクルのみを投与されたザイモサン処置実験動物)と比べての処置実験動物の浮腫における減少(%)を意味するMPE(最大効果パーセント)として表す。
【0160】
医薬組成物
式Iの化合物を、経口および/または非経口投与剤形を用いる、痛みの鎮痛療法、関節炎(骨関節炎および関節リウマチ)、喘息および呼吸器の炎症性疾患、胃腸の炎症性疾患、COX-2媒介性神経変性疾患などの炎症性疾患の治療、ガンの予防および治療などのCOX-2媒介性障害の治療処置のための適当な医薬の製造に用いることができる。本発明は、有効量の式Iの化合物を投与することを含む、上述の疾患の治療方法を提供する。式Iの化合物について本明細書において議論されるすべての治療方法にとって、1日用量は、約0.1〜約20 mg/体重Kgであるのが好ましい。当業者であれば、式Iの化合物の個々の用量の最適の量および間隔が、治療される状態の性質および程度によって決定されることも認識するであろう。療法において式Iの化合物を用いるために、現在のガイドラインおよび関連する医薬品安全性試験実施基準および適正製造基準にしたがって、投与剤形に製剤されるのが通常である。したがって、本発明はまた、医薬有効量の式Iの化合物およびその医薬的に許容しうる担体または希釈剤を含む、上述の疾患の治療に適する組成物に関する。
【0161】
本発明化合物は、カプセル剤、錠剤、丸剤、分散性顆粒などの幅広い種類の経口投与剤形に製剤することができる。適当な担体として、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラクトース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0162】
経口製剤を製造するための技術は、慣例の混合、造粒および圧縮またはカプセル充填である。経口投与に適する他の剤形として、乳液剤、シロップ剤および水溶液剤が挙げられる。乳液剤は、たとえば、などの乳化剤を用いて製造することができる。水溶液剤は、水に有効成分を溶解し、適当な着色剤、香味剤、安定化剤を加えることによって製造することができる。
【0163】
本発明化合物は、非経口投与(たとえば、注射または持続的注入)用に製剤してもよく、たとえば、アンプルまたは予め充填された注射器などの単位投与剤形で存在してもよい。製剤は、水性ビヒクル溶液および/または油性乳液を用いて製造してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:

(I)
[式中、
ピロール環の1位における置換基は、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、メチルスルホニルおよびアミノスルホニル(-SO2NHR2)(ここで、R2は、下記で定義される)から独立して選ばれるR'およびR''基で置換されたフェニルである;ただし、式Iの化合物において、R'およびR''は同時にトリフルオロメチル、メチルスルホニル、アミノスルホニルであることはない;
ピロール環の2位における置換基は、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチルまたはイソブチルである;
ピロール環の3位における置換基は、2つの炭素原子鎖であり、ここで、X、Y、Zは、以下の意義を有する:
Xは独立して、水素、ヒドロキシ(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれる(ここで、R2は、下記で定義されるアルキル基である);
Yは独立して、カルボニル基(C=O)またはメチレン基(-CH2-)から選ばれる;
Zは独立して、ヒドロキシ(-OH)、アルコキシ(-OR3)、アミノ(-NH2)、アルキルアミノまたはアリールアミノ(-NHR3)、ジアルキルアミノまたはアルキルアリールアミノ(-NR2R3)、アルキルアミドまたはアリールアミド(-NHCOR3)、ジアルキルアミドまたはアルキルアリールアミド(-NR2COR3)、アルキルカルボキシルまたはアリールカルボキシル(-OCOR3)、アルキルまたはアリールカーボネート(-O-CO-OR3)、アルキルまたはアリールカルバメート(-NH-CO-OR3または-O-CO-NR2R3)、ウレイド(-NH-CO-NHR3)、(ここで、R2およびR3基は下記で定義される)から選ばれる;
ただし、
YがC=O基およびXがHである場合、Zはヒドロキシではない;
YがC=O基、ZがアルコキシおよびXがHである場合、R3はメチルおよびエチルではない;
Zが、アルキルアミドまたはアリールアミド(-NHCOR3)、ジアルキルアミドまたはアルキルアリールアミド(-NR2COR3)、アルキルカルボキシルまたはアリールカルボキシル(-OCOR3)、アルキルまたはアリールカーボネート (-O-CO-OR3)、アルキルまたはアリールカルバメート(-NH-CO-OR3または-O-CO-NR2R3)、ウレイド(-NH-CO-NHR3)から選ばれる場合、Yはメチレン基である;
Zが、アミノ(-NH2)、アルキルアミノまたはアリールアミノ(-NHR3)、ジアルキルアミノまたはアルキルアリールアミノ(-NR2R3)から選ばれる場合、YはCO基である;
R2基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルまたはイソブチルである;
R3基は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、ベンジル(-CH2Ar)、1-エチルアリール [-CH(Me)Ar]およびアリール(Ar)である;ただし、Z基が、アルキルまたはアリールカーボネート(-O-CO-OR3)およびアルキルまたはアリールカルバメート(NH-CO-OR3)から選ばれる場合、R3基は水素ではない;アリール基(Ar)は、フェニル、置換フェニル、2-チエニル、3-チエニル、2-フリル、3-フリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-イソキサゾリルから独立して選ばれる5原子芳香族複素環である;本明細書において置換フェニルは、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチルから独立して選ばれる1つまたは2つの置換基を有するフェニルを意味する;
R'''基は、水素、メチルスルホニル(-SO2Me)およびアミノスルホニル(-SO2NHR2)、フッ素、塩素、トリフルオロメチルから独立して選ばれる;ただし、式Iで示される各化合物において、R'''およびR'置換基の一方のみがメチルスルホニルまたはアミノスルホニル基であり、R'''およびR'は、同時にメチルスルホニルまたはアミノスルホニル基ではない]
で示される化合物。
[ここで、式Iの化合物は、キラル化合物であることができる;この場合、式Iの化合物は、個々のエナンチオマー(SまたはR)として、またはこのようなエナンチオマーの混合物として存在することができる;Z基がキラルである場合、エナンチオマーが存在することができる;式Iの化合物のこのようなエナンチオマーおよびそれらのラセミ混合物またはエナンチオマーの富んだ混合物が包含される;X基が水素でない場合、そして同時にZ基がキラルである場合、式Iの化合物は、ジアステレオマーおよびエナンチオマーの両方で存在することができる;式Iの化合物のすべての可能なジアステレオマーおよびエナンチオマーが包含される]
【請求項2】
Yがカルボニル基(C=O)、Zがアルコキシ(-OR3)、Xが水素(ここで、R3はn-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルおよびイソブチルである)である一般式Iで示される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Yがカルボニル基(C=O)、Zがヒドロキシ(-OH)またはアルコキシ(-OR3)、およびXが独立して、ヒドロキシル(-OH)およびアルコキシ(-OR2)から選ばれる一般式Iで示される請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Yがカルボニル基(C=O)、Zがアミノ(-NH2)、アルキルアミノまたはアリールアミノ(-NHR3)、ジアルキルアミノまたはアルキルアリールアミノ(-NR2R3)、Xが独立して、水素、ヒドロキシル(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれ、R2およびR3基が独立して、請求項1に記載の意義から選ばれる一般式Iで示される請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Yがメチレン基(-CH2-)、Zが独立して、ヒドロキシ(-OH)およびアルコキシ(-OR3)基から選ばれ、Xが独立して、水素、ヒドロキシル(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれ、R3およびR2基が独立して、請求項1に記載の意義から選ばれる一般式Iで示される請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Yがメチレン基(-CH2-)、Zがアルキルカルボキシルまたはアリールカルボキシル(-OCOR3)基、Xが独立して、水素、ヒドロキシル(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれ、R2およびR3基が独立して、請求項1に記載の意義から選ばれる一般式Iで示される請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Yがメチレン基(-CH2-)、Zがアミド基(-NH-COR3)、Xが独立して、水素、ヒドロキシル(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれ、R2およびR3基が独立して、請求項1に記載の意義から選ばれる一般式Iで示される請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Yがメチレン基(-CH2-)、Zが独立して、カルバメート基(-O-CO-NHR3)またはカーボネート(-O-CO-OR3)から選ばれ、Xが独立して、水素、ヒドロキシル(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれ、R2およびR3基が独立して、請求項1に記載の意義から選ばれる一般式Iで示される請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Yがメチレン基(-CH2-)、Zが独立して、カルバメート基(-NH-CO-OR3)またはウレア基(-NH-CO-NHR3)から選ばれ、Xが独立して、水素、ヒドロキシル(-OH)、アルコキシ(-OR2)から選ばれ、R2およびR3基が独立して、請求項1に記載の意義から選ばれる一般式Iで示される請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
治療有効量の請求項1の化合物の群から選ばれる化合物を含む医薬組成物。
【請求項11】
治療有効量の請求項2の化合物の群から選ばれる化合物を含む医薬組成物。
【請求項12】
治療有効量の請求項3の化合物の群から選ばれる化合物を含む医薬組成物。
【請求項13】
治療有効量の請求項の4化合物の群から選ばれる化合物を含む医薬組成物。
【請求項14】
治療有効量の請求項5の化合物の群から選ばれる化合物を含む医薬組成物。
【請求項15】
治療有効量の請求項6の化合物の群から選ばれる化合物を含む医薬組成物。
【請求項16】
治療有効量の請求7項の化合物の群から選ばれる化合物を含む医薬組成物。
【請求項17】
治療有効量の請求項8の化合物の群から選ばれる化合物を含む医薬組成物。
【請求項18】
治療有効量の請求項9の化合物の群から選ばれる化合物を含む医薬組成物。
【請求項19】
ビヒクル、結合剤、香味剤、甘味料、抗凝集薬、保存剤、保湿剤およびその混合物から選ばれる医薬的に許容しうる不活性成分、または経皮または経粘膜吸収を促進するか、または長時間にわたる活性物質の制御放出を可能にする成分をさらに含む請求項10〜18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
ヒトにおけるシクロオキシゲナーゼ-2媒介性障害の治療処置のための一般式Iで示される請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項21】
痛みの鎮痛処置のための一般式Iで示される請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項22】
関節炎痛、術後疼痛、歯痛、筋肉痛、ガンに起因する痛みの治療のための一般式Iで示される請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項23】
骨関節炎および関節リウマチなどの炎症性疾患の治療処置のための一般式Iで示される請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項24】
喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器の炎症性疾患の治療処置のための一般式Iで示される請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項25】
湿疹、乾癬および皮膚炎などの皮膚疾患の治療処置のための一般式Iで示される請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項26】
炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、術後炎症性合併症などの胃腸の炎症性状態の治療処置のための一般式Iで示される請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項27】
アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、ハンティントン病、HIV誘発性認知症、頭部外傷などの神経変性疾患の治療処置のための一般式Iで示される請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項28】
結腸直腸ガン、乳ガン、肺ガン、膀胱ガン、前立腺ガン、頸ガンおよび皮膚ガンなどのガンの治療的予防および/または治療のための一般式Iで示される請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項29】
関節炎痛、術後疼痛、歯痛、筋肉痛、ガンに起因する痛みの治療のための請求項2〜9に記載の化合物の群から選ばれる化合物の使用。
【請求項30】
骨関節炎および関節リウマチなどの炎症性疾患の治療のための請求項2〜9に記載の化合物の群から選ばれる化合物の使用。
【請求項31】
喘息およびCOPDなどの呼吸器の炎症性疾患の治療のための請求項2〜9に記載の化合物の群から選ばれる化合物の使用。
【請求項32】
湿疹、乾癬および皮膚炎などの皮膚疾患の治療のための請求項2〜9に記載の化合物の群から選ばれる化合物の使用。
【請求項33】
炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、術後炎症性合併症などの胃腸の炎症性状態の治療のための請求項2〜9に記載の化合物の群から選ばれる化合物の使用。
【請求項34】
アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、ハンティントン病、HIV誘発性認知症、頭部外傷などの神経変性疾患の治療のための請求項2〜9に記載の化合物の群から選ばれる化合物の使用。
【請求項35】
結腸直腸ガン、乳ガン、肺ガン、膀胱ガン、前立腺ガン、頸ガンおよび皮膚ガンなどのガン治療的予防および/または治療のための一般式Iで示される請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項36】
-30℃〜+40℃の温度範囲にて、トリフルオロ酢酸およびトリエチルシランなどの還元剤を用いて、式IIのグリオキシレートを還元することを含む、R3がn-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルおよびイソブチルであり、その他の置換基が請求項1と同意義である請求項2に記載の式Iの化合物の製造方法。
【化1】

式IIの化合物 式Iの化合物
【請求項37】
-30℃〜+60℃の温度範囲にて、適当なアルコール(R3OH)の存在下、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を用いて、式IIのグリオキシレートを還元して、Xが-OR3である式Iの化合物を得ることを含む、請求項3に記載の式Iの化合物の製造方法。
【化2】

式IIの化合物 式Iの化合物
【請求項38】
-30℃〜+120℃の温度範囲にて、触媒(HOBT、DMAP)の存在または不在下、カルボジイミド(DCC、EDC)などの適当な縮合剤の存在下、アンモニア NH3または適当なアミンNH2R3、NHR2R3、NHR3Ar、NH2Arと式IIIのカルボン酸を縮合させることを含む、請求項4に記載の式Iの化合物の製造方法。
【化3】

式IIIの化合物 式Iの化合物
【請求項39】
-30℃〜+60℃の温度範囲にて、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルまたはジメトキシエタンなどの適当な不活性溶媒中、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム、ボランジメチルスルフィドなどの適当な還元剤と反応させることによって、請求項3に記載の式Iの化合物をR3が水素である式Iの化合物に変換することを含む、請求項5に記載の式Iの化合物の製造方法であって、任意に、相間移動触媒の存在または不在下、有機溶媒中または水性/有機溶媒中、NaOH、KOHなどの適当な塩基の存在下、適当なアルキルまたはベンジルハライドとの反応によって、R3が水素である式Iの化合物を、R3がアルコキシである式Iの化合物に変換することができ、任意に、不活性有機溶媒中、塩基として、水素化ナトリウムまたはナトリウムまたはカリウムアルコキシド(たとえば、カリウムtertブチレート)を用いることができる方法。
【化4】

式Iの化合物 式Iの化合物
【請求項40】
-25℃〜+50℃の温度範囲にて、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中、有機または無機塩基の存在下、適当な塩化アシル(R3COCl)との反応によって、R3が水素である請求項5に記載の式Iの化合物を式Iの化合物に変換することを含む、請求項6に記載の式Iの化合物の製造方法。
【化5】

式Iの化合物 式Iの化合物
【請求項41】
R3が水素である請求項5に記載の式Iの化合物を、対応するブロミドに変換し(ここで、置換基は、請求項1と同意義である)、さらに、-25℃〜+50℃の温度範囲にて、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中、有機または無機塩基の存在下、適当な塩化アシルとの反応によって、式IVのフタルイミドに変換し、式IVのフタルイミドを式Vのアミンに変換し、次いで、式Iの化合物に変換することを含む、請求項7に記載の式Iの化合物の製造方法。
【化6】

式Iの化合物 式IVの化合物 式Vの化合物
【請求項42】
式Iの化合物がカルバメートの場合、カルボニルジイミダゾールと反応させ、次いで、適当なアミンと反応させることによって、または別法として、式Igの化合物がカーボネートである場合、カルボニルジイミダゾールのアダクトを適当なアルコールと反応させ、次いで、式Iの化合物と反応させることによって、R3が水素である請求項5に記載の式Iの化合物を、式Ihの化合物に変換することを含む、請求項8に記載の式Iの化合物の製造方法であって、反応を不活性溶媒中、-30℃〜+120℃の温度範囲にて行う方法。
【化7】

式Ihの化合物 式Iの化合物 式Igの化合物
【請求項43】
式Iの化合物がウレアの場合、カルボニルジイミダゾールを適当なアミンNH2R3、NHR2R3と反応させることによって、または別法として、式Iの化合物がカルバメートの場合カルボニルジイミダゾールのアダクトを適当なアルコールと反応させ、次いで、式Vのアミンと反応させることによって、請求項41に記載の方法にしたがって製造した式Vのアミンを変換することを含む、請求項9に記載の式Iの化合物の製造方法であって、反応を不活性溶媒中、-30℃〜+120℃の温度範囲にて行う方法。
【化8】

式Ihの化合物 式Vの化合物 式Ihの化合物
【請求項44】
請求項36〜43に記載の式Iの化合物の製造方法。

【公表番号】特表2009−545539(P2009−545539A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522103(P2009−522103)
【出願日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際出願番号】PCT/EP2006/065011
【国際公開番号】WO2008/014821
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(598105824)ロッタファルム・ソシエタ・ペル・アチオニ (18)
【氏名又は名称原語表記】ROTTAPHARM S.p.A.
【Fターム(参考)】