説明

(メタ)アクリル変性シロキサン化合物及びそれを含有する硬化性組成物

【課題】皮膜形成剤や樹脂等の様々な熱又は光硬化性組成物に添加して用いられ、該組成物への相溶性が高く、かつ該組成物の硬化物が、撥水・防汚性、すべり性等のシロキサン本来の特性を充分に発揮させる、(メタ)アクリル変性シロキサン化合物及びそれを含有してなる硬化性組成物を提供する。
【解決手段】シロキサンの片末端を少なくとも1つの(メタ)アクリル基で変性した(メタ)アクリル変性シロキサン化合物であって、前記シロキサンと前記(メタ)アクリル基とのスペーサーが、エーテル結合を少なくとも3つ有する直鎖、又はエーテル結合を少なくとも1つ有する分岐構造である(メタ)アクリル変性シロキサン化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膜形成剤や樹脂等の様々な熱又は光硬化性組成物に添加して用いられ、該組成物への相溶性が高く、かつ該組成物の硬化物が、撥水性・防汚性、すべり性等のシロキサン本来の特性を充分に発揮させる、(メタ)アクリル変性シロキサン化合物及びそれを含有してなる硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、オルガノポリシロキサンは、塗料や樹脂等の組成物に混合することで、消泡性、撥水性、離型性、防汚性、すべり性、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性、難燃性等を向上させる効果がある。
疎水性のポリシロキサンに親水性のポリエーテルを結合させたポリエーテル変性シロキサンでは、塗料における樹脂成分の乳化性や分散性が向上させるという効果も得られる。
また、熱や光硬化性の(メタ)アクリル基をポリシロキサンに結合させた(メタ)アクリル変性シロキサンでは、化学結合により該シロキサンが硬化物中に組み込まれるため、硬化物でのポリシロキサンの特性を持続させることができる。
このため、ポリエーテル変性シロキサン、(メタ)アクリル変性シロキサンは、レベリング剤、ブロッキング防止剤、分散剤、消泡剤等の塗料添加剤として、或いは撥水性、熱安定性、潤滑性、柔軟性を付与する表面処理剤や樹脂改質剤として、塗料、インク、樹脂組成物等の様々な用途で使用されている。
【0003】
しかし、ポリエーテル変性シロキサンでは、親水基であるポリエーテルの含有率が高すぎると、疎水性の塗料に溶解しなかったり、防汚性などの機能発現や持続性が不十分な場合があった。また、硬化前にはポリエーテル変性シロキサンとの相溶性が高く十分に混合していた組成物であっても、塗料や樹脂が硬化中に含水率が変化したり、硬化反応の進行により高分子化が起きたりして、ポリエーテル変性シロキサンとの相溶性が低下し、硬化物の表面剥離や密着性の低下、色むら等の現象が生じる場合があった。
【0004】
一方、(メタ)アクリル変性シロキサンは塗料への溶解性が悪く分離を生じたり、他の硬化性成分と反応しにくかったり、消泡性や分散性が悪くなり保管性が低下したりする場合があった。
【0005】
また、前述のポリエーテル変性シロキサンと(メタ)アクリルシロキサンとの弱点を克服すべくポリエーテル基、(メタ)アクリル基双方を有するシロキサン化合物を含む組成物も報告されている。
【0006】
すなわち、特許第3963755号公報には、内部離型剤としてポリエーテル基とメタクリルカルボニルオキシ基双方を兼ね備えた変性シリコーンを構成物に含むポリウレタン組成物が示されている。しかし、メタクリル基をシロキサン結合の両末端に有する場合は架橋剤として作用するためシロキサンの離型性、防汚性、すべり性等の特性が発現しにくい問題があった。
【0007】
また、特開2004−149592号公報には、アクリロキシ基又はメタクリロキシ基及びポリオキシアルキレン基を有するポリエーテル変性シリコーンを構成物に含む化粧板用樹脂組成物が示されている。しかし、シロキサンの側鎖、両末端に(メタ)アクリル基を有する実施例しか示されておらず、やはり架橋剤として作用するためシロキサンの特性が発現しにくいばかりか、(メタ)アクリル基の分子内の数が多い場合にはゲル化する可能性があり、硬化物の物性コントロールが難しい問題があった。
【0008】
このように、(メタ)アクリロキシ基とポリエーテル基双方を結合させた変性シロキサンを含む硬化性組成物に関する報告はあるものの、いずれもシロキサンの特性を充分発揮する化合物及びそれを用いた組成物は得られていないのが実情である。
【0009】
【特許文献1】特許第3963755号公報
【特許文献2】特開2004−149592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、皮膜形成剤や樹脂等の様々な熱又は光硬化性組成物に添加して用いられ、該組成物への相溶性が高く、かつ該組成物の硬化物が、撥水性・防汚性、すべり性等のシロキサン本来の特性を充分に発揮させる、(メタ)アクリル変性シロキサン化合物及びそれを含有してなる硬化性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、シロキサンの片末端を少なくとも1つの(メタ)アクリル基で変性した(メタ)アクリル変性シロキサン化合物であって、前記シロキサンと前記(メタ)アクリル基とのスペーサーが、エーテル結合を少なくとも3つ有する直鎖、又はエーテル結合を少なくとも1つ有する分岐構造である(メタ)アクリル変性シロキサン化合物が、皮膜形成剤や樹脂等の様々な硬化性組成物に添加して用いられる際、該組成物への相溶性が高く、かつ該組成物の硬化物が、撥水性・防汚性、すべり性等のシロキサン本来の特性を充分に発揮させることを見出し、本発明をなすに至った。
【0012】
従って、本発明は、下記(メタ)アクリル変性シロキサン化合物及びそれを含有する硬化性組成物を提供する。
請求項1:
シロキサンの片末端を少なくとも1つの(メタ)アクリル基で変性した(メタ)アクリル変性シロキサン化合物であって、前記シロキサンと前記(メタ)アクリル基とのスペーサーが、エーテル結合を少なくとも3つ有する直鎖、又はエーテル結合を少なくとも1つ有する分岐構造である(メタ)アクリル変性シロキサン化合物。
請求項2:
下記構造式(1)で表される請求項1記載の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物。
【化1】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R2は炭素数2〜6のオキシアルキレン基である。R3はさらにスペーサーを有しても良く、末端に(メタ)アクリル基を1〜3個有する直鎖又は分岐構造の有機基である。iは1〜500の値である。jは直鎖構造の場合2〜60、分岐構造の場合0〜60の値である。)
請求項3:
下記構造式(2)又は(3)で表される請求項2記載の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物。
【化2】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R4は水素原子又はメチル基である。iは1〜500の値である。)
【化3】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R4は水素原子又はメチル基である。iは1〜500の値である。)
請求項4:
下記構造式(4)又は(5)で表される請求項2記載の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物。
【化4】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R2は炭素数2〜6のオキシアルキレン基である。R4は水素原子またはメチル基である。iは1〜500の値である。j,kは0〜60の値であり、同一でも異なっていても良いが、同時には0にならない。)
【化5】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R2は炭素数2〜6のオキシアルキレン基である。R4は水素原子またはメチル基である。iは1〜500の値である。j,kは0〜60の値であり、同一でも異なっていても良いが、同時には0にならない。)
請求項5:
親水性疎水性バランス(HLB)の値が12以下である請求項1〜4のいずれか1項記載の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物。
請求項6:
請求項1〜5記載のいずれか1項記載の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物を用いてなる硬化性組成物。
請求項7:
請求項6記載の硬化性組成物において、請求項1〜5記載のいずれか1項記載のシロキサン化合物が、反応に預からない成分を除く硬化性成分に対し0.5〜60質量%である硬化性組成物。
請求項8:
請求項6又は7記載の硬化性組成物が、防汚性塗料用又は電子材料用透明塗料用である硬化性組成物。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、皮膜形成剤や樹脂等の様々な硬化性組成物に添加して用いられ、該組成物への相溶性が高く、かつ該組成物の硬化物が、撥水性・防汚性、すべり性等のシロキサン本来の特性を充分に発揮させる、(メタ)アクリル変性シロキサン化合物及びそれを含有してなる硬化性組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
[(メタ)アクリル変性シロキサン化合物]
(A)(メタ)アクリル変性シロキサン化合物
本発明の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物は、シロキサンの片末端を少なくとも1つの(メタ)アクリル基で変性した(メタ)アクリル変性シロキサン化合物であって、前記シロキサンと前記(メタ)アクリル基とのスペーサーが、エーテル結合を少なくとも3つ有する直鎖、又はエーテル結合を少なくとも1つ有する分岐構造である(メタ)アクリル変性シロキサン化合物である。
【0015】
この場合、(メタ)アクリル基とは、
【化6】

(R4は水素原子又はメチル基)なる構造を有する基であり、シロキサン分子鎖の両末端及び/又は側鎖にこの(メタ)アクリル基が結合されていると、硬化物が架橋成分として働き、シロキサンが硬化物表面に出にくく、従ってシロキサン本来の消泡性、撥水性、親水性、離型性、防汚性、すべり性等の特性が発現されにくい。
【0016】
従って、シロキサン分子鎖の片末端に(メタ)アクリル基が結合されている必要がある。シロキサン分子鎖の片末端に結合される(メタ)アクリル基の数は少なくとも1つ、好ましくは1つ〜3つ、更に好ましくは1つ〜2つである。(メタ)アクリル基がないと、ポリエーテル変性シロキサンの特徴が強く現れる。すなわち、疎水性の溶剤に溶解しなかったり、硬化後の防汚性などの機能発現や持続性が不十分な場合がある。また、硬化物と化学的に結合しないため、硬化反応の進行により該組成物との相溶性が低下し、硬化物の表面剥離や密着性の低下、色むら等の現象が生じる場合がある。一方、3つよりも多いと架橋剤として働いて、シロキサン本来の特性が発現しない場合があるため好ましくない。
【0017】
また、シロキサン分子鎖と(メタ)アクリル基とのスペーサーにエーテル結合を含まない場合には、他の硬化に寄与するマクロモノマー成分やプレポリマー成分との相溶性が悪く、硬化物が白濁したり、変性シロキサン自体が反応しないことがある。
【0018】
従って、シロキサン分子鎖と(メタ)アクリル基とのスペーサーにエーテル結合を含んでいる必要がある。シロキサン分子鎖と(メタ)アクリル基とのスペーサーに含まれるエーテル結合の数は、直鎖構造のもので少なくとも3つ、分岐構造のもので少なくとも1つであるが、シロキサン鎖長や組成物の他の成分によって最適なエーテル結合数を選択することができる。スペーサーが直鎖構造のものでエーテル結合数が3つよりも少ないとスペーサーとしての効果が弱い場合があり、60個よりも多いと粘度が高すぎて作業性が低下する場合があるため好ましくなく、分岐構造のものでエーテル結合が1つもないとスペーサーとしての効果がない場合があり、連続して60個よりも多いとやはり粘度が高すぎて作業性が低下する場合があるため好ましくない。
【0019】
このような(メタ)アクリル変性シロキサン化合物は、下記構造式(12)で表すことができる。
【化7】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R2は炭素数2〜6のオキシアルキレン基である。R3はさらにスペーサーを有しても良く、末端に(メタ)アクリル基を1〜3個有する直鎖又は分岐構造の有機基である。iは1〜500の値である。jは直鎖構造の場合2〜60、分岐構造の場合0〜60の値である。)
【0020】
上記構造式(12)中、R1は同一でも異なっても良い1価の有機基であればよく、炭素数1〜30の1価の有機基、特に炭素数1〜8の1価炭化水素基であることが好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等が例示される。
製造のしやすさ、シロキサンの特長を発現しやすくなる点においてアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
【0021】
上記構造式(12)中、iは1〜500の整数であれば良いが、好ましくは5〜200、更に好ましくは10〜150である。iが1未満の場合はシロキサン本来の特性が発現されず、逆に500を超えると硬化性が悪く、また非シリコーンモノマーとの相溶性が悪くなる。
【0022】
上記構造式(12)中のR2は炭素数2〜6のオキシアルキレン基であり、具体的には、−CH2CH2O−,−CH2CH(CH3)O−,−CH2CH2CH2O−,−CH2C(CH32O−,−CH2C(CH32CH2O−,−CH2C(CH32CH2CH2O−等が例示される。製造のしやすさ、親水性の発現の点において、特に−CH2CH2O−(エチレンオキシ基),−CH2CH(CH3)O−,−CH2CHCH2O−(プロピレンオキシ基)が好ましい。
【0023】
上記構造式(12)中のR3はさらにスペーサを有していても良く、末端に(メタ)アクリル基を1〜3個有する直鎖又は分岐構造の有機基である。特に分岐構造があると、シロキサン本来の特徴を損なうことなく硬化組成物に化学結合できる(メタ)アクリル基を増加させることができる。さらに、分岐構造の末端側にスペーサーを有している場合は、(メタ)アクリル基末端の自由度が上がるため、硬化物中で、より化学結合しやすくなる。
このような分岐構造として、具体的には下記の構造を有するものが例示される。
【化8】

【0024】
以上の観点から、上記構造式(12)の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物の内、下記構造式(13)又は(14)並びに(15)又は(16)で表されるものが好ましい。
【0025】
【化9】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R4は水素原子又はメチル基である。iは1〜500の値である。)
【化10】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R4は水素原子又はメチル基である。iは1〜500の値である。)
【0026】
【化11】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R2は炭素数2〜6のオキシアルキレン基である。R4は水素原子又はメチル基である。iは1〜500の値である。j,kは0〜60の値であり、同一でも異なっていても良いが、同時には0にならない。)
【化12】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R2は炭素数2〜6のオキシアルキレン基である。R4は水素原子またはメチル基である。iは1〜500の値である。j,kは0〜60の値であり、同一でも異なっていても良いが、同時には0にならない。)
【0027】
このような(メタ)アクリル変性シロキサン化合物は、親水性疎水性バランス(HLB)の値が12以下、好ましくは1〜10である。HLBの値が12以下であれば、シロキサン本来の特性が失われることなく、後述する硬化性組成物に対する相溶性の向上が期待できる。
【0028】
なお、(メタ)アクリル変性シロキサン化合物の製造方法は、例えば片末端ハイドロジェンシロキサンにヒドロキシル基とアルケニル基を含有するポリエーテルを反応した後、(メタ)アクリル酸クロライドと脱塩酸する方法、(メタ)アクリル酸と酸触媒を使用し脱水縮合する方法等が挙げられるが、特に限定されない。
【0029】
[硬化性組成物]
このような(メタ)アクリル変性シロキサン化合物は、皮膜形成剤や樹脂等の様々な硬化性樹脂組成物に添加して用いられる。このような硬化性樹脂組成物としては、例えば、熱の印加によって硬化する熱硬化性樹脂組成物や、紫外線又は電子線の印加(照射)によって硬化する光硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
【0030】
この場合、該硬化性樹脂組成物において、反応に預かる成分は、(A)(メタ)アクリル変性シロキサン化合物と、(B1)重合性プレポリマー及び/又は(B2)重合性モノマーであり、また、反応に預からない成分は、必要に応じて添加される各種溶剤、レベリング剤、顔料、着色剤、消泡剤(但し、上記(メタ)アクリル変性シロキサン化合物は除く。)、固形添加剤等の添加剤である。また、該硬化性組成物には、光又は熱による硬化性を向上させるため、(C1)ラジカル重合開始剤及び/又は(C2)光重合開始剤を加えても良い。
【0031】
(B1)重合性プレポリマー
硬化性組成物中、(B1)成分の重合性プレポリマーは、(A)成分と反応するベース樹脂となるものである。このような重合性プレポリマーは、ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマー及び/又はカチオン重合性官能基を有するプレポリマーを用いることができる。
【0032】
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0033】
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、スピロ化合物等が挙げられる。
【0034】
これらのプレポリマーは、通常、分子量が10,000程度以下のものを用いることが好ましい。分子量が10,000を超えると硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の表面物性が不足することがあり好ましくない。
【0035】
(B2)重合性モノマー
硬化性組成物中、ベース樹脂となる成分として、(B2)成分の重合性モノマーを用いても良い。このような重合性モノマーとしては、ラジカル重合性不飽和基を有する単官能性及び/又は多官能性のラジカル重合性モノマーを用いることができる。
【0036】
ラジカル重合性モノマーとしては、<1>スチレン、ビニルピリジン、ビニルナフタレン等、またはそれらの誘導体からなる不飽和芳香族モノマー、<2>アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等、またはそれらの誘導体からなる不飽和カルボン酸、<3>アクリル酸/メタクリル酸のメチル/エチル/プロピル/ブチル/2−エチルヘキシル/シクロヘキシル/ドデシル/オクタデシル/グリシジルエステル類、マレイン酸、マレイン酸無水物、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸のモノエステル/ジエステル、ブテントリカルボン酸モノグリシジル/ジグリシジル/トリグリシジルエステル等の不飽和カルボン酸エステル類、<4>酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、<5>ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類、<6>アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、<7>塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン類、<8>ビニルアルコール、アリルアルコール等の不飽和アルコール類、<9>アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド等の不飽和アミド類、アミノアクリレート、アミノメタクリレート等の不飽和アミン類、<10>ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート等の不飽和イソシアネート類、<11>2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の不飽和環状イミニエーテル類、またはそれらの誘導体から選択されたラジカル重合性化合物が挙げられる。
【0037】
カチオン重合性官能基を有する単量体は、前述のカチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量体を用いることができる。
【0038】
末端基の相溶性の点から、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、及び又はメタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、無水マレイン酸等のアクリル酸/メタクリル酸およびこれらの誘導体、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等が好ましい。また、これらのモノマーは、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
【0039】
(C1)ラジカル重合開始剤
ラジカル重合開始剤は、硬化性組成物を熱硬化するに際し、加熱によりラジカル重合の引き金となるフリーラジカルを発生させるために用いられる。
【0040】
ラジカル開始剤としては、従来より使用されているものを使用することができる。具体的には、<1>過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化アセチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル、過酸化4−ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロキシペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過安息香酸tert−ブチル、過ギ酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過4−メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物、<2>2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、4,4−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2,−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルメタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタエート)及びポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物等、<3>その他、1,4−ビス(ペンタエチレン1−2−テトラゼン、ベンゼンスルホニルアジド及び1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
【0041】
(C1)成分の配合量は、用途により異なるが、(A),(B1)及び(B2)成分の総量100質量部に対して0〜50質量部、より好ましくは0〜10質量部である。
【0042】
(C2)光重合開始剤
光重合開始剤は、硬化性組成物を紫外線又は電子線硬化するに際し、紫外線又は電子線の照射によりラジカル重合の引き金となるフリーラジカルを発生させるために用いられる。
【0043】
光重合開始剤としては、従来より使用されているものを使用することができる。具体的には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、ベンジルメチルケタール(チバ・ガイギー社製「イルガキュア651」)、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン−1(チバ・ガイギー社製「イルガキュア907」)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワードブレキンソップ社製「クンタキュア・ITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物等が挙げられる。
【0044】
(C2)成分の配合量は、用途により異なるが、(A),(B1)及び(B2)成分の総量100質量部に対して0〜30質量部、より好ましくは0〜10質量部である。なお、電子線硬化の場合、光重合開始剤は必ずしも必要ないが、紫外線硬化の場合、0〜10質量部添加することが望ましい。
【0045】
このような硬化性組成物において、(A)成分の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物の配合量は、反応に預からない成分を除く硬化性成分、すなわち(A),(B1)及び(B2)成分の総量に対して、0.5〜60質量%であり、より好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。なお、このような硬化性組成物において、必要に応じて添加される(C1)又は(C2)成分は、厳密には反応に預かる成分であるが、本発明の場合これを除くものとする。
(A)成分の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物の配合量が、0.1質量%よりも少ないと該組成物の硬化物においてシロキサン本来の性質が出にくく、60質量%よりも多いと該硬化物の皮膜が軟らかくなり過ぎ、皮膜本来の性質を逸脱することがあるため好ましくない。
【0046】
硬化性組成物が皮膜である場合には、塗工方法は均一な厚さの層が形成される方法を選択すれば良く、スクリーン印刷、スプレー塗布、ディッピング塗布等公知の方法が使用できる。
【0047】
こうして上記(メタ)アクリル変性シロキサン化合物及びそれを用いた硬化性組成物を採用することにより、(メタ)アクリル変性シロキサン化合物の該硬化性組成物への相溶性が高め、かつその硬化物に撥水・防汚性、すべり性等のシロキサン本来の特性を充分に発揮させることができるようになる。
このような特性を有する硬化性組成物の用途としては、特にアクリル系、ウレタン系等の防汚性塗料用又はアクリル系、ポリカーボネート系等の電子材料用透明塗料用が好適である。
【実施例】
【0048】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0049】
[合成例1−1]
トルエン535g、下記一般式(17)で示されるジオール変性シリコーン(OH価約35mgKOH/g)700g、ジブチルヒドロキシトルエン0.80g、トリエチルアミン59gを仕込み、内温を60℃にてアクリル酸クロライド40g(0.44モル)を滴下した。滴下終了後、未反応のアクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して目的物を得た。
【化13】

(式中のi=60)
【0050】
得られた目的物を同定すべく、NMR及びIR測定を行った。
図1に1H−NMRスペクトルを示す。また、表1に1H−NMRスペクトルの帰属を示す。
さらに、図2にIRスペクトルを示す。
【0051】
【表1】

【0052】
NMR及びIR測定の解析結果から、得られた目的物は下記構造式(18)の化合物であることが確認された。
【化14】

(式中のi=60)
【0053】
[合成例1−2]
合成例1−1において上記一般式(17)で示されるポリエーテル変性シリコーンの重合度が30である以外は同様にして一般式(18)のi=30の化合物を得た。
【0054】
[合成例1−3,1−4]
合成例1−3では一般式(17)のi=5、合成例1−4では一般式(17)のi=300である以外は合成例1−1と同様にしてそれぞれ一般式(18)のi=5、i=300の化合物を得た。
【0055】
[合成例2−1]
トルエン350g、下記一般式(19)で示されるポリエーテル変性シリコーン(OH価約11mgKOH/g)500g、ジブチルヒドロキシトルエン0.52g、トリエチルアミン12gを仕込み、内温を60℃にてアクリル酸クロライド8.8g(0.10モル)を滴下した。滴下終了後、未反応のアクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して目的物を得た。
【化15】

(式中のi=60、j=10)
【0056】
得られた目的物を同定すべく、NMR及びIR測定を行った。
図3に1H−NMRスペクトルを示す。また、表2に1H−NMRスペクトルの帰属を示す。
さらに、図4にIRスペクトルを示す。
【0057】
【表2】

【0058】
NMR及びIR測定の解析結果から、得られた目的物は下記構造式(20)の化合物であることが確認された。
【化16】

(式中のi=60、j=10、HLB=約1.7)
【0059】
[合成例2−2]
合成例2−1において上記一般式(19)で示されるポリエーテル変性シリコーンの重合度が6である以外は同様にして一般式(20)のi=5の化合物(HLB=約8)を得た。
【0060】
[合成例2−3,2−4]
合成例2−3では一般式(19)のi=1、合成例2−4では一般式(19)のi=300である以外は合成例3−1と同様にしてそれぞれ一般式(20)のi=1(HLB=約12)、i=300(HLB=約0.4)の化合物を得た。
【0061】
[合成例3−1]
トルエン360g、下記一般式(21)で示されるポリエーテル変性シリコーン(OH価約22mgKOH/g)500g、ジブチルヒドロキシトルエン0.54g、トリエチルアミン24gを仕込み、内温を60℃にてアクリル酸クロライド18g(0.20モル)を滴下した。滴下終了後、未反応のアクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して目的物を得た。
【化17】

(式中のi=60、j=10)
【0062】
得られた目的物を同定すべく、NMR及びIR測定を行った。
図5に1H−NMRスペクトルを示す。また、表3に1H−NMRスペクトルの帰属を示す。
さらに、図6にIRスペクトルを示す。
【表3】

【0063】
NMR及びIR測定の解析結果から、得られた目的物は下記構造式(22)の化合物であることが確認された。
【化18】

(式中のi=60、j=10、HLB=約1.7)
【0064】
[合成例3−2]
合成例3−1において上記一般式(21)で示されるポリエーテル変性シリコーンの重合度が6である以外は同様にして一般式(22)のi=5の化合物(HLB=約7)を得た。
【0065】
[合成例3−3,3−4]
合成例3−3では一般式(21)のi=1、合成例3−4では一般式(21)のi=300である以外は合成例4−1と同様にしてそれぞれ一般式(22)のi=1(HLB=約10)、i=300(HLB=約0.4)の化合物を得た。
【0066】
[実施例1−1]
合成例1で得られたシロキサン10%、アクリル酸メチル45%、メタクリル酸メチル45%を混合し光開始剤としてダロキュア1173(チバガイギー社製)をこれら合計に対して2%加え混合後、ガラス板に塗布し、UV照射装置(照射量120w/cm×2本、塗工速度5m/min.、塗工時間1分)にて硬化させ皮膜物性を調べた。
【0067】
[実施例1−2〜3−4]
以下実施例1−2〜1−4、2−1〜2−4、3−1〜3−4では、合成例で得られたシロキサンを使用し表4に示す配合でアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、及び又はメタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)を加え実施例1−1の方法で硬化皮膜を得た。
【0068】
[比較例1]
下記構造式(23)で示されるメタクリル片末端変性シロキサンを使用し、表4に示す配合でアクリル酸メチル、メタクリル酸メチルを加え実施例1−1の方法で硬化皮膜を得た。
【0069】
【化19】

【0070】
[比較例2]
下記構造式(24)で示されるポリエーテル片末端変性シロキサンを使用し、表4に示す配合でアクリル酸メチル、メタクリル酸メチルを加え実施例1−1の方法で硬化皮膜を得た。
【化20】

【0071】
[比較例3]
下記構造式(25)で示されるメタクリル片末端変性シロキサンを使用し、表(1)に示す配合でアクリル酸メチル、メタクリル酸メチルを加え実施例1−1の方法で硬化皮膜を得た。
【化21】

【0072】
[比較例4、比較例5]
以下比較例4乃至5では、合成例1と同様にして得られるが、iの値が実施例の範囲を超えるシロキサンを使用し、表4に示す配合でアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、及び又はメタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)を加え実施例1−1の方法で硬化皮膜を得た。
【0073】
【表4】

【0074】
[評価方法]
〔透明性〕
硬化膜を形成した試験片を目視により観察し、以下の基準に従って判定した。
○:完全に透明
△:部分的に濁り有り
×:全面が白濁
〔マジックふき取り性〕
試験片上に赤マジックインキ(登録商標)で直線を引き、乾いた布で拭き取り、その状況により拭き取り性を評価した。
○:線を引き、拭き取りを10回以上繰り返しても、軽く擦っただけで拭き取
れる。
△:線を引き、拭き取りを繰り返しても拭き取れるが、かすかに跡が残る。
×:まったく拭き取れない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】合成例1−1で得られたシロキサン化合物のNMRスペクトルである。
【図2】合成例1−1で得られたシロキサン化合物のIRスペクトルである。
【図3】合成例2−1で得られたシロキサン化合物のNMRスペクトルである。
【図4】合成例2−1で得られたシロキサン化合物のIRスペクトルである。
【図5】合成例3−1で得られたシロキサン化合物のNMRスペクトルである。
【図6】合成例3−1で得られたシロキサン化合物のIRスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロキサンの片末端を少なくとも1つの(メタ)アクリル基で変性した(メタ)アクリル変性シロキサン化合物であって、前記シロキサンと前記(メタ)アクリル基とのスペーサーが、エーテル結合を少なくとも3つ有する直鎖、又はエーテル結合を少なくとも1つ有する分岐構造である(メタ)アクリル変性シロキサン化合物。
【請求項2】
下記構造式(1)で表される請求項1記載の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物。
【化1】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R2は炭素数2〜6のオキシアルキレン基である。R3はさらにスペーサーを有しても良く、末端に(メタ)アクリル基を1〜3個有する直鎖又は分岐構造の有機基である。iは1〜500の値である。jは直鎖構造の場合2〜60、分岐構造の場合0〜60の値である。)
【請求項3】
下記構造式(2)又は(3)で表される請求項2記載の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物。
【化2】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R4は水素原子又はメチル基である。iは1〜500の値である。)
【化3】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R4は水素原子又はメチル基である。iは1〜500の値である。)
【請求項4】
下記構造式(4)又は(5)で表される請求項2記載の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物。
【化4】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R2は炭素数2〜6のオキシアルキレン基である。R4は水素原子またはメチル基である。iは1〜500の値である。j,kは0〜60の値であり、同一でも異なっていても良いが、同時には0にならない。)
【化5】

(式中、R1は炭素数1〜30の一価の有機基で同一でも異なっていても良い。R2は炭素数2〜6のオキシアルキレン基である。R4は水素原子またはメチル基である。iは1〜500の値である。j,kは0〜60の値であり、同一でも異なっていても良いが、同時には0にならない。)
【請求項5】
親水性疎水性バランス(HLB)の値が12以下である請求項1〜4のいずれか1項記載の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物。
【請求項6】
請求項1〜5記載のいずれか1項記載の(メタ)アクリル変性シロキサン化合物を用いてなる硬化性組成物。
【請求項7】
請求項6記載の硬化性組成物において、請求項1〜5記載のいずれか1項記載のシロキサン化合物が、反応に預からない成分を除く硬化性成分に対し0.5〜60質量%である硬化性組成物。
【請求項8】
請求項6又は7記載の硬化性組成物が、防汚性塗料用又は電子材料用透明塗料用である硬化性組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−263527(P2009−263527A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115740(P2008−115740)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】