説明

(2−ヒドロキシフェニル)アルコールの使用及びこれらの化合物を含有する化粧用又は治療用配合物

本発明は、皮膚及び/又は頭髪の淡色化のための(2-ヒドロキシフェニル)アルコール及びその誘導体の群の化合物の使用、並びに(2-ヒドロキシフェニル)アルコールの群の該化合物を含有する化粧用又は治療用配合物に関する。本発明の第一の局面において、式(I)を有する化合物(式中、n=1〜10、R1は、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル又はアルケニル、置換又は未置換のアリールアルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換又は未置換のフェニル、置換又は未置換の単糖、SO3H、(CH2)1-10OH、COR、SiRR'R"、SR、PO3R R'、又は式(Ia)を含む群の置換基を表し、R、R'、R"は、H、C1-C14アルキル、C1-C14アルケニル、C1-C14アルキニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換又は未置換のフェニル、もしくはヘテロ環式環を独立して表し、並びにR2は、酵素により切断可能な置換基であるか、もしくは、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキルもしくはアルケニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換又は未置換のフェニルからなる群からのR1を独立して選択された置換基である。)は、皮膚及び/又は頭髪の淡色化に使用される。


(1)


(1a)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚及び/又は頭髪の淡色化のための(2-ヒドロキシフェニル)アルコール及びその誘導体の群に由来する化合物の使用、並びにそれらの化合物を含有する化粧用又は治療用配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚-淡色化活性成分は、メラニンの代謝又は異化においてひとつの形又は別の形で介在する。メラニン色素は、通常色は褐色から黒色であるが、これは皮膚のメラノサイトで形成され、ケラチノサイトに移動し、及び皮膚又は頭髪にその色を与える。哺乳類において、褐色-黒色のユーメラニンは、主にL-チロシン及びL-DOPAなどの、水酸基で置換された芳香族アミノ酸から形成され、加えて黄色から赤色のフェオメラニンは、イオウ-含有分子から形成される(Cosmetics & Toiletries, 111(5): 43-51 (1996))。L-チロシンから出発し、銅-含有する重要な酵素チロシナーゼにより、L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(L-DOPA)が生成され、次にチロシナーゼによりドパクロムに転換される。様々な酵素により触媒される一連の工程により、ドパクロムは酸化され、メラニンを生成する。
【0003】
皮膚-淡色化剤は、様々な理由で使用されている:何らかの理由で、ヒト皮膚内のメラニン-形成メラノサイトが均等に分布していない場合、周囲の皮膚区域よりもより明るい又はより暗いかのいずれかの色素斑が生じる。この問題点を克服するために、そのような色素斑との釣り合いを取ることを少なくとも部分的に補助する皮膚及び頭髪の淡色化剤が販売されている。加えて、多くのヒトが、自身の本来の暗い皮膚の色を淡色化すること又は皮膚の色素沈着を防ぐことを必要としている。これは、非常に安全かつ有効な皮膚及び頭髪の淡色化剤を必要としている。多くの皮膚及び頭髪の淡色化剤は、より強力な又はより弱いチロシナーゼインヒビターを含有している。しかしこのことは、唯一の皮膚及び頭髪の淡色化への可能性のある経路である。
【0004】
更に、UV-吸収物質も、UV光により引き起こされる皮膚の色素沈着の増加に対する保護のために使用される。これは、純粋に物理的に誘導された作用であるが、これは、UV光の非存在下でも検出することができる細胞のメラニン形成に対する皮膚-淡色化剤の生物学的作用からは区別されなければならない。更に、UV吸収剤は、皮膚の真の淡色化をもたらさず、UV光により引き起こされる皮膚の色素沈着の増加を阻害するのみである。
【0005】
ハイドロキノン、アルブチンのようなハイドロキノン誘導体、ビタミンC、アスコルビルパルミテートのようなアスコルビン酸誘導体、コウジ酸及びコウジ酸ジパルミテートのようなコウジ酸誘導体が、特に市販の化粧用又は治療用の皮膚及び頭髪の淡色化配合物において使用されている。
【0006】
最も一般的に使用されている皮膚及び頭髪の淡色化剤のひとつはハイドロキノンである。しかしこの化合物は、メラノサイトに対し細胞毒性作用を有し、及び皮膚を刺激する。その理由で、そのような調製物は、例えば、欧州、日本及び南アフリカにおいては最早化粧品用途には認可されていない。加えてハイドロキノンは、酸化に対し非常に感度が良く、及び化粧用配合物中で安定化することはわずかだが困難を伴う。
アルブチンは、グルコシド型ハイドロキノンであり、これはその場で加水分解され、ハイドロキノンを生成し、その後ハイドロキノンとして毒性学的観点において問題が多い。
【0007】
ビタミンC及びアスコルビン酸誘導体は、皮膚に対しわずかに不適切な作用を有する。更にこれらは、チロシナーゼインヒビターとして直接作用しないが、代わりに、メラニン生合成の着色した中間体段階を減少する。
コウジ酸(5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-4-ピラノン)は、その酵素内の銅原子のキレート形成によりその触媒作用を阻害する、チロシナーゼインヒビターであり;これは、市販の皮膚及び頭髪の淡色化剤において使用されているが、高い感作能を有し、及びアレルギーを引き起こす。
【0008】
サリシンは、化粧品において、皺、加齢、乾燥肌及びきめの粗い肌に対する活性物質として、並びに炎症に対する保護として及び創傷治癒の促進のために、広範に使用されている。
日本国特開2002-275060 A2において、サリチル酸及びサリチルアルコール誘導体が、皮膚褐色化を刺激する活性成分として開示されている。
Funayamaら(Seibutsu Kogaku Kaishi, 75(5): 333-337 (1997))は、2-ヒドロキシベンジルアルコール-α-D-グルコシド(α-サリシン)を含む様々なポリフェノールグルコシドによる、B16マウスメラノーマ細胞におけるメラニン産生の阻害について試験した。しかしB16細胞におけるメラニン産生の阻害は、この化合物では認められなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、先行技術の欠点を改善すること、特に優先的にチロシナーゼ又は他の細胞の色素沈着機構を阻害する高度に有効な皮膚淡色化剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の局面において、前述の特定された目的は、皮膚及び/又は頭髪の淡色化のための、式(I)を有する化合物の使用により実現される。
【0011】
【化1】

(1)
【0012】
(式中、n=1〜10、
R1は、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルケニル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルキニル、置換又は未置換のアリールアルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換又は未置換のフェニル、置換又は未置換の単糖類、SO3H、SO3Na、(CH2)1-10OH、COR、SiRR'R"、PO3HNa、PO3Na2、及び
【0013】
【化2】

【0014】
を含む群より選択され、
ここで、R、R'、R"は、H、C1-C14アルキル、C2-C14アルケニル、C2-C14アルキニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換又は未置換のフェニル及びヘテロ環式環を含む群より互いに独立して選択され、並びに
R2は、酵素により切断可能な置換基であるか、もしくは、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルケニル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルキニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換及び未置換のフェニル、もしくは置換又は未置換のアリールアルキルを含む群より選択される。)
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
式(I)を有する化合物は、それらの立体異性体又は互変異性体並びにこれらの異性体の混合物を含む。式(I)を有する化合物は、関連した塩、特にアルカリ金属及びアルカリ-土類金属の塩類も含む。
驚くべきことに、本発明者ら自身の研究において、本発明に従い使用するための式(I)を有する化合物は、メラノサイトの色素沈着を、特に効果的に阻害することがわかった。特に本発明の(2-ヒドロキシフェニル)アルコールは、コウジ酸よりも実質的により有効である。従ってこれらは、化粧品(皮膚科学を含む)用及び治療用の皮膚及び頭髪の淡色化剤中の活性成分として、極めて良好に使用することができる。
【0016】
皮膚及び頭髪の淡色化のために本発明に従い使用することができる、式(I)を有する化合物の群内で、式中:
R2が、SO3H、SO3Na、(CH2)1-10OH、COR、PO3HNa、及びPO3Na2を含む群からの酵素により切断可能な置換基であり、
ここでR、R'は、H、C1-C14アルキル、C2-C14アルケニル、C2-C14アルキニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換又は未置換のフェニル及びヘテロ環式環を含む群より互いに独立して選択されるか;又は
R2が、グルコース、マンノース又はガラクトースを含む群からの、酵素により切断可能な置換又は未置換の単糖類である;
化合物が好ましい。
【0017】
最後の単糖と称されるものは、ピラノース型が好ましい。置換された単糖類は、特に6'-O-アセチルピラノース、6'-O-ベンゾイルピラノース、2'-O-アセチルピラノース及び2'-O-ベンゾイルピラノースを含む。
【0018】
更に式(I)を有する化合物の群内で、特に先に説明された様式で酵素により切断可能な置換基R2の存在下で、式中:
n=1-4、
R1が、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルケニル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルキニル、置換又は未置換のアリールアルキル、置換又は未置換のフェニル、置換又は未置換の単糖類、(CH2)1-10OH、COR、SR、PO3RR'、及び
【0019】
【化3】

【0020】
を含む群より選択され、
ここで、R、R'は、H及びC1-C14アルキルを含む群より互いに独立して選択される;化合物が好ましい。
【0021】
同じく、式(I)を有する化合物で、式中:
n=1-4、
R1が、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルケニル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルキニル、置換又は未置換のアリールアルキル、置換又は未置換のフェニル、置換又は未置換の単糖類、(CH2)1-10OH、COR、SR、PO3RR'、及び
【0022】
【化4】

【0023】
を含む群より選択され、ここで、R、R'は、H及びC1-C14アルキルを含む群より互いに独立して選択され、並びに
R2が、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルケニル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルキニル、及び置換又は未置換のフェニルを含む群より選択される;化合物が好ましい。
【0024】
前述の好ましい化合物の選択の代わりに又は選択に加えて、皮膚及び頭髪の淡色化のために本発明に従い使用することができる式(I)を有する化合物の群内で、式中:
n=2〜10、特にn=2〜4である化合物が好ましい。
前述の特定された目的は、特に皮膚及び/又は頭髪の淡色化のための、サリゲニン(2-ヒドロキシベンジルアルコール)、フラジリン(6'-O-アセチルサリシン)、ポプリン(6'-O-ベンゾイルサリシン)、トレムロイジン(2'-ベンゾイルサリシン)、サリコルチン、2-O-アセチルサリコルチン又はトレムラシン(2-O-ベンゾイルサリコルチン)の使用により実現される。本発明の意味で最も特に好ましいのは、サリシン((ヒドロキシメチル)フェニル-β-D-グルコピラノシド)である。
【0025】
本発明の第二の局面は、1種又は複数の式(I)を有する化合物を皮膚及び/又は頭髪に対する淡色化作用を有する量含有する、化粧用又は治療用配合物、特に局所的化粧用配合物に関する。置換基の選択に関する先の陳述は全て、そのまま本観点にも適用される。
本発明の化粧用又は治療用配合物は、それ自身公知の常法により製造され、その結果本発明に従い使用される1種又は複数の(2-ヒドロキシフェニル)アルコールは、通常の組成を有し、並びに皮膚及び頭髪の淡色化作用に加えて、皮膚又は頭髪の治療、手入れ及び清浄化にも、及びメイクアップ化粧用の化粧品としても使用することができるような、化粧用又は皮膚科学配合物へ混入される。
【0026】
従って本発明は、有効量で本発明に従い使用するための(2-ヒドロキシフェニル)アルコールを、それ以外は従来の他の組成の構成成分に加えて含有する、(特に)局所的化粧用又は治療用配合物、特に化粧用(皮膚科学を含む)の皮膚及び頭髪の淡色化剤にも関する。本発明の配合物は好ましくは、本発明での使用のために(2-ヒドロキシフェニル)アルコールを配合物の総質量を基に0.01質量%〜30質量%、好ましくは0.01〜20質量%、しかし特に0.01質量%〜5質量%含有し、並びに「油中水型」、「水中油型」、「水中油中水型」、「油中水中油型」乳剤、PIT乳剤、ピカリング(Pickering)乳剤、低い油含量を有する乳剤、マイクロエマルション、ゲル、油、アルコールもしくはシリコーン油を溶媒とする液剤、スティック、セッケン、エアロゾル、噴霧剤又は発泡剤又は化粧用ふき取り布用浸透液の形であることができる。(2-ヒドロキシフェニル)アルコールの、例えばゼラチン、ワックス材、リポソーム又はセルロースなどの内部への封入型での投与も利点である。その他の従来の化粧用賦形剤及び添加剤は、配合物の総質量を基に、5〜99質量%、好ましくは10〜80質量%の量で含有することができる。配合物は、水を配合物の総質量を基に最大99.99質量%、好ましくは5〜80質量%の量で含有することもできる。
【0027】
式(I)を有する化合物の色素脱失作用又は皮膚及び頭髪の淡色化剤中でのそれらの使用は、先行技術において言及されていない。
本発明の式(I)を有する(2-ヒドロキシフェニル)アルコールは、例えば、ヤナギの樹皮(セウセウコレヨナユ(Salix purpurea)又はSalix daphinoides)から抽出され、並びにクロマトグラフィーもしくは2-相抽出により精製されるか、又は2-ヒドロキシベンジルアルコールから、例えばグリコシダーゼもしくはリパーゼなどの加水分解酵素により酵素的に生成される。
【0028】
本発明の化粧用又は治療用(特に局所用)配合物は、特に皮膚及び頭髪の淡色化剤の、そのような調製物において通常使用されるような化粧品用賦形剤及び添加剤を含有することができ、これは例えば日焼け止め剤、保存剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺ウイルス剤、冷却剤、防虫剤(例えば、DEET、IR 3225、Dragorepel)、植物抽出物、抗炎症剤、創傷治癒促進剤(例えば、キチン又はキトサン及びそれらの誘導体)、被膜形成物質(例えば、ポリビニルピロリドン又はキトサン又はそれらの誘導体)、通常の酸化防止剤、ビタミン(例えば、ビタミンC及び誘導体、トコフェロール及び誘導体、ビタミンA及び誘導体)、2-ヒドロキシカルボン酸(例えば、クエン酸、リンゴ酸、L-, D-又はdl-乳酸)、皮膚着色剤(例えば、クルミ抽出物又はジヒドロキシアセトン)、スキンケア剤(例えば、コレステロール、セラミド、シュードセラミド)、柔軟剤、湿潤剤及び/又は保湿剤(例えば、グリセロール又は尿素)、脂肪、油、飽和脂肪酸、単飽和又は多飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸又はそれらの誘導体(例えば、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸又はアラキドン酸及びそれらの天然もしくは合成エステル)、ワックスなど又は他の化粧用もしくは皮膚科学配合物の通常の構成成分、例えばアルコール、ポリオール、ポリマー、気泡安定剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体又はキレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸及び誘導体)、フケ防止剤(例えば、クリンバゾール、ケトコナゾール、ピロクトンオラミン、ジンクプリチオン)、ヘアケア製品、香料、発泡防止剤、染料、着色作用を有する顔料、増粘剤、界面活性剤、乳化剤、植物の一部及び植物体の抽出物(例えば、アルニカ、アロエ、ナガサルオガセ(beard lichen)、ツタ、イラクサ、朝鮮人参、ヘンナ、カモミール、マリーゴールド、ローズマリー、セージ、ツクシ又はタイム)、動物抽出物、例えばロイヤルゼリー、プロポリス、タンパク質、タンパク質加水分解産物、酵母抽出物、ホップ及びコムギ抽出物、ペプチド又は胸腺抽出物などである。
【0029】
各場合に使用される化粧用又は皮膚科学用の賦形剤及び添加剤及び香料の量は、特定の製品の性質に応じて、当業者により簡単な試行錯誤の上容易に決定することができる。
本発明の化粧用及び皮膚科学調製物中の前述の皮膚及び頭髪淡色化のための活性成分の例(1種又は複数の化合物)の量は、調製物の総質量を基に、0.01〜30質量%、好ましくは0.01〜20質量%、特に好ましくは0.01〜5質量%であることができる。
【0030】
本発明の配合物は、好ましくは、化学的又は天然の手段により皮膚及び頭髪の着色又は淡色化を刺激する他の活性成分を含有することもできる。相乗作用を基にしたより迅速な作用が、この方式で実現される。ここでは、チロシナーゼの基質又は基質アナログ、例えばL-チロシン、L-DOPA又はL-ジヒドロキシフェニルアラニンなど、チロシナーゼ活性又は発現の刺激剤、例えばテオフィリン、カフェインなど、プロオピオメラノコルチンペプチド、例えばACTH、α-MSH、それらのペプチドアナログ並びにメラノコルチン受容体に結合する他の物質など、プリン、ピリミジン、葉酸、フェニルアラニン誘導体、例えばウンデシルエノイルフェニルアラニン、ジアシルグリセロール、脂肪族又は環式ジオール、プソラレン、プロスタグランジン及びそれらのアナログ、アデニル酸シクラーゼのアクチベーター、及びメラノソームのケラチノサイトへの移行を活性化する化合物、例えばセリンプロテアーゼ又はPAR-2受容体のアゴニスト、キク科の植物体及び植物の一部の抽出物、クルミ抽出物、エリトルロース及びジヒドロキシアセトンが特に好ましい。
【0031】
本発明の配合物は加えて、UV-及び/又はUV-Bフィルター物質、例えば、Neo Heliopans(登録商標)も含有することができるが、しかしここでフィルター物質の総量は、調製物の総質量を基に0.1〜30質量%、特に好ましくは0.2〜10質量%、特に0.5〜5質量%であり、ここで例えば、皮膚及び頭髪用の日焼け止め剤が得られる。
【0032】
適当な光安定剤は、例えば、4-アミノ安息香酸及び誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート、3-イミダゾール-4-イルアクリル酸及びそれらのエステル、ベンゾフラン誘導体、マロン酸ベンジリデン誘導体、高分子UV吸収剤(1種又は複数のオルガノシリコンラジカルを含む)、桂皮酸誘導体、樟脳誘導体、トリアニリノ-s-トリアジン誘導体、2-ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸誘導体及びそれらの塩、アントラニル酸メンチルエステル、ベンゾトリアゾール誘導体、インドール誘導体を含むクラスの有機UV吸収剤である。
【0033】
本発明の意味において使用することができるUV吸収剤の下記のリストは、当然ながら限定されることを意図しない。
4-アミノ安息香酸、4-アミノ安息香酸エチルエステル、4-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシルエステル、4-アミノ安息香酸グリセロールエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル(ホモサレート)、サリチル酸-2-エチルヘキシルエステル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸4-イソプロピルベンジル、アントラニル酸メンチルエステル、ジイソプロピル桂皮酸エチルエステル、p-メトキシ桂皮酸-2-エチルヘキシルエステル、ジイソプロピル桂皮酸メチルエステル、p-メトキシ桂皮酸イソアミルエステル、p-メトキシ桂皮酸ジエタノールアミン塩、p-メトキシ桂皮酸イソプロピルエステル、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3,3'-ジフェニルアクリレート、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及びそれらの塩、3-(4'-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン-2-オン硫酸メチル、テレフタリデンジボルナンスルホン酸及び塩、4-t-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、β-イミダゾール-4(5)-アクリル酸(ウロカイン酸)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、3-(4'-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン及びそれらの塩、3-(4'-メチルベンジリデン)カンファー、3-ベンジリデンカンファー、3,3'-(1,4-フェニレンジメチン)-ビス-(7,7-ジメチル-2-オキソ-ビシクロ-[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸及びそれらの塩、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチルヘキシル-1'-オキシ)-1,3,5-トリアジン、フェニレン-1,4-ビス-(2-ベンズイミダジル)-3,3'-5,5'-テトラスルホン酸及びそれらの塩、特に対応するナトリウム、カリウムもしくはトリエタノールアンモニウム塩、特に二ナトリウム塩、2,2'-(1,4-フェニレン)-ビス-(1H-ベンズイミダゾール-4,6-ジスルホン酸)、一ナトリウム塩、N-[(2及び4)-[2-(オキソボルニ-3-リデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー、フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキサニル)プロピル)、4,4'-[(6-[4-(1,1-ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジアミノ]ビス-(安息香酸-2-エチルヘキシルエステル)、2,2'-メチレンビス-(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール)、2,4-ビス-[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-1,3,5-トリアジン、マロン酸ベンジリデンポリシロキサン、グリセリルヘキサン酸エチル桂皮酸ジメトキシ、ジナトリウム-2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシ-5,5'-ジスルホベンゾフェノン、サリチル酸ジプロピレングリコール、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、4,4',4-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)-トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシルエステル)、2,4-ビス-[{(4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{(4-(3-スルホナト)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジンナトリウム塩、2,4-ビス-[{(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-[4-(2-メトキシエチルカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-[4-(2-エチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(1-メチルピロール-2-イル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-トリス-(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-(2"-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-(1',1',1',3',5',5',5'-ヘプタメチルシロキシ-2"-メチルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル。
【0034】
更に任意に疎水性であることができる特定のUVフィルター又は無機顔料、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化マンガン(例えば、MnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化セシウム(例えば、Ce2O3)及び/又は混合物を使用することができる。
【0035】
本発明の配合物は、(追加的に)酸化防止剤又は保存剤も含有することができる。化粧用及び/又は皮膚科学の用途に適した又は通常使用される酸化防止剤は全て、酸化防止剤又は保存剤として使用することができる。
【0036】
本発明の意味に収まる酸化防止剤は、細胞及び組織中のフリーラジカルの量を低下する全ての物質である。酸化防止剤は都合がよいことに、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びそれらの誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカイン酸)及びそれらの誘導体、ペプチド、例えばD,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン及びそれらの誘導体(例えば、アンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えば、α-カロテン、β-カロテン、リコペン)及びそれらの誘導体、リポ酸及びそれらの誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン及びグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステロール、グリセリル及びオリゴグリセリル、それらのエステル)並びにそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、並びにスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシミン)を非常に少ない忍容量で(例えば、pmol〜μmol/kg)、同じく(金属)キレート剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、タンニン、ビリルビン、ビリベルディン、EDTA、EGTA及びそれらの誘導体、不飽和脂肪酸及びそれらの誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びそれらの誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びそれらの誘導体、ビタミンC及び誘導体(例えば、アスコルビルパルミテート、アスコルビルリン酸マグネシウム、アスコルビルアセテート)、トコフェロール及び誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンA及び誘導体(ビタミンAパルミテート)及び安息香酸樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸及びそれらの誘導体、フェルリック酸及びそれらの誘導体、カフェイン酸及びそれらの誘導体、シナピン酸及びそれらの誘導体、クルクミノイド及びそれらの誘導体、レチノイド、ウルソル酸、レブリン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク酸、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びそれらの誘導体、マンノース及びそれらの誘導体、亜鉛及びそれらの誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレン及びそれらの誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベン及びそれらの誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)、並びに本発明に適したこれらの列記された活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及び脂質)を含む群から選択される。例えば緑茶、藻類、グレープシード、コムギ胚芽、フィランサス・エンブリカ(Phyllantus emblica)、ローズマリーからの天然の抽出物;フラボノイド、グリコシル化されたそれらの前駆体、ケルセチン、フェノールベンジルアミンがある。
【0037】
同じく、補酵素、例えば、補酵素Q10、プラストキノン、メナキノン、ユビキノール1-10、ユビキノン1-10又はこれらの物質の誘導体も適している。
本発明の配合物中の酸化防止剤(1種又は複数の化合物)の量は、調製物の総質量を基に、好ましくは0.01〜20質量%、特に好ましくは0.05〜10質量%、特に0.2〜5質量%である。
【0038】
ビタミンE及び/又はそれらの誘導体が酸化防止剤(複数)として使用される場合、配合物の総質量を基に0.001〜10質量%の範囲からそれらの濃度を選択することは利点である。
ビタミンAもしくはビタミンA誘導体又はカロテンもしくはそれらの誘導体が酸化防止剤(複数)として使用される場合、配合物の総質量を基に0.001〜10質量%の範囲からそれらの濃度を選択することは利点である。
【0039】
本発明の配合物中の刺激防止剤の使用も利点である。これに関連した刺激防止剤は、全て抗炎症性の活性成分又は化粧用及び/もしくは皮膚科学用途において通常使用される発赤及び掻痒を緩和する活性成分であることができる。細胞及び組織中のサイトカイン、インターロイキン、プロスタグランジン及び/又はロイコトリエンの量を低下する全ての物質が、好ましい。
【0040】
例えば、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、メチルプレドニソロン又はコルチゾンなどの、コルチコステロイド型のステロイド性抗炎症剤は、抗炎症性の活性成分として又は発赤及び掻痒を緩和する活性成分として有利に使用され、このリストは他のステロイド系抗炎症剤の追加により拡大することができる。非-ステロイド系抗炎症剤も使用することができる。ここで列記することができる例は、ピロキシカム又はテノキシカムなどの、オキシカム;アスピリン、ジサルシド、ソルプリン又はフェンドサルなどの、サリチル酸塩;ジクロフェナック、フェンクロフェナック、インドメタシン、スリンダック、トルメチン又はクリンダナックなどの、酢酸誘導体;メフェナミック、メクロフェナミック、フルフェナミック又はニフルミックなどの、フェナム酸塩;イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェンなどの、プロピオン酸誘導体;もしくは、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾン又はアザプロパゾンなどの、ピラゾールである。あるいは、天然の抗炎症剤又は発赤及び掻痒を緩和する物質を使用することができる。植物抽出物、特に高活性のある植物抽出画分及び植物抽出物から単離された高純度の活性物質を、使用することができる。特に好ましいのは、カモミール、アロエ、コンミフォーラ種、アカネ種、エキナセア種、ヤナギ、ウィロウウェルブ(willowherb)、オートムギ、紅茶及び緑茶、ギンナン、コーヒー、胡椒、クロフサスグリ、トマト、バニラ、アーモンド由来の抽出物、画分及び活性物質、更にはとりわけビサボロール、アピゲニン-7-グルコシド、ボスベリア酸(boswellic acid)、フィトステロール、グリシリジン酸、グラブリジン又はリコチャロコン(licochalcone)Aなどの純物質である。
【0041】
本発明の配合物中の刺激防止剤(1種又は複数の化合物)の量は、調製物の総質量を基に好ましくは0.01〜20質量%、特に好ましくは0.03〜10質量%、特に0.05〜5質量%である。
【0042】
本発明の配合物(特に局所的化粧用配合物において)は、水分調節剤を含有することもできる。例えば以下の物質を、水分調節剤(湿潤剤)として使用することができる:乳酸ナトリウム、尿素、アルコール、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、コラーゲン、エラスチン又はヒアルロン酸、アジピン酸ジアシル、ワセリン、エクトイン、ウロカイン酸、レシチン、パンテオール、フィタネトリオール、リコペン、藻類抽出物、セラミド、コレステロール、糖脂質、キトサン、硫酸コンドロチン、ポリアミノ酸及び糖分、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)及びそれらの誘導体、糖(例えばイノシトール)、α-ヒドロキシ脂肪酸、フィトステロール、トリテルペン酸、例えばベツリン酸又はウルソル酸、藻類抽出物。
【0043】
本発明の配合物(特に局所的化粧用配合物)の油相は、以下の群の物質から都合よく選択することができる:鉱油(都合の良いのはパラフィン油)、無機ワックス、炭化水素(都合の良いのはスクアラン又はスクアレン)、合成又は半合成のトリグリセリド油(例えばカプリン酸又はカプリル酸のトリグリセリド)、天然油(例えば杏仁油、アボガド油、綿実油、ルリヂサ油、アザミ油、落花生油、γ-オリザノール、ローズヒップ種子油、大麻油、ヘーゼルナッツ油、クロフサスグリ種子油、ココナツ油、チェリー仁油、サーモン油、亜麻油、トウモロコシ油、マカデミアナッツ油、アーモンド油、月見草油、ミンク油、オリーブ油、ヤシ油、ピーカンナッツ油、モモ仁油、ピスタチオナッツ油、ナタネ油、米ぬか油、ヒマシ油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ティートリー油、グレープシード油又はコムギ胚芽油など)、天然エステル油(例えばホホバ油)、合成エステル油(好ましくは、3〜30個のC原子を有する飽和及び/又は不飽和の線状及び/又は分枝したアルコールを伴う、3〜30個のC原子を有する飽和及び/又は不飽和の線状及び/又は分枝したアルカンカルボン酸のエステル、並びに3〜30個のC原子を有する飽和及び/又は不飽和の線状及び/又は分枝したアルコールを伴う、芳香族カルボン酸のエステルであり、特にミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、ラウリン酸n-デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-エチルヘキシル、エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、ヘキサン酸セトアリール-2-エチル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、並びにそのようなエステルの合成又は天然の配合物を含む群から選択される)、脂肪、ワックス、並びに他の天然及び合成の脂肪体、好ましくはC-数の低いアルコール(例えば、イソプロパノール、プロピレングリコールもしくはグリセロール)を伴う脂肪アルコールのエステル、又はC-数の低いアルカノン酸もしくは脂肪酸を伴う脂肪アルコールのエステル、安息香酸アルキル(例えば、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル及びn-ペンタデシル安息香酸の混合物)並びに環式又は線状シリコーン油(例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン及びそれらの混合型など)。
【0044】
本発明の配合物(特に局所的化粧用配合物)の水相は、任意に都合良く、C-数の低いアルコール、ジオール又はポリオール、並びにそれらのエーテルを含み、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルもしくはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、モノエチルもしくはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル及び同様の生成物、同じくC-数の低いアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2-プロパンジオール、グリセロール、同じくα-もしくはβ-ヒドロキシ酸、好ましくは乳酸、クエン酸又はサリチル酸、更には都合がよいことににイオン性、非-イオン性、高分子、リン酸-含有及び双性イオン性の乳化剤の群から選択することができる乳化剤、並びに特に都合がよいことにに二酸化ケイ素、アルミニウムシリケート、例えばベントナイトなど、多糖又はそれらの誘導体、例えばヒアルロン酸、グアールガム、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はアルロース誘導体を含む群から選択することができる1種又は複数の増粘剤で、特に都合がよいことにポリアクリレート、好ましくはいわゆるカルボポールの群由来のポリアクリレートを含む群から、各々の場合、個別にもしくは組合せて、又はポリウレタンの群から選択されるものを含有する。
【0045】
本発明の配合物(例えば局所的化粧用配合物)は都合の良いことに、冷却剤を含有する。列記することができる冷却剤の例は以下である:L-メントール、メントングリセロールアセタール、乳酸メンチル、置換されたメンチル-3-カルボン酸アミド(例えばメンチル-3-カルボン酸-N-エチルアミド)、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換されたシクロヘキサンカルボン酸アミド、3-メトキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えば、メンチル-3-ヒドロキシ酪酸エステル)、モノメンチルコハク酸エステル、2-メルカプロシクロデカノン、メンチル-2-ピロリジン-5-オンカルボキシル酸エステル。
【0046】
本発明の配合物(例えば局所的化粧用配合物)は、都合の良いことに抗菌活性成分も含有する。列記することができる例は以下である:
鎖長C2〜C40を有する、アリール-もしくはアリールオキシ-置換された分枝していない又はモノアルキル-及びポリアルキル-分枝した飽和の又はモノ-からペンタ不飽和(最大5個の二重結合又は三重結合、同じく混合されたエン/イン化合物)の脂肪アルコール、脂肪アルデヒド及び脂肪酸。
鎖長C2〜C40、特に好ましくは鎖長C4〜C12を有する、アリール-もしくはアリールオキシ-置換された分枝していない又はモノアルキル-及びポリアルキル-分枝した飽和の又はモノ-からペンタ不飽和(最大5個の二重結合又は三重結合、同じく混合されたエン/イン化合物)のアルカンジオール、ジアルデヒド及びジカルボン酸。
【0047】
鎖長C2〜C40を有する、モノ-及びオリゴグリセリド(最大4グリセロール単位)の、アリール-もしくはアリールオキシ-置換された分枝していない又はモノアルキル-及びポリアルキル-分枝した飽和の又はモノ-からペンタ不飽和(最大5個の二重結合又は三重結合、同じく混合されたエン/イン化合物)の脂肪アルコール(モノ-及びオリゴグリセロールモノアルキルエーテル)、脂肪酸(モノ-及びオリゴグリセロールモノアルキルエステル)、アルカンジオール(モノ-及びオリゴグリセロールモノアルキルエーテル;ビス(モノ-/オリゴグリセリル)アルキルジエーテル)、並びにジカルボン酸(モノ-及びオリゴグリセロールモノアルキルエステル;ビス(モノ-/オリゴグリセリル)アルキルジエステル)。
【0048】
分枝していない又はモノアルキル-及びポリアルキル-分枝した飽和の又はモノ-からペンタ不飽和(最大5個の二重結合又は三重結合、同じく混合されたエン/イン化合物)の脂肪酸エステルであり、任意に同じく分枝していない又はモノアルキル-及びポリアルキル-分枝した飽和又はモノ-からペンタ不飽和(最大5個の二重結合又は三重結合、同じく混合されたエン/イン化合物)を伴う、鎖長C2〜C40を有する、アリール-もしくはアリールオキシ-置換のカルボン酸、任意に同じく鎖長C2〜C40を有する、アリール-もしくはアリールオキシ-置換された一水酸基から六水酸基の脂肪アルコール。
【0049】
鎖長C2〜C40を有する、分枝していない又はモノアルキル-及びポリアルキル-分枝した飽和の又はモノ-からペンタ不飽和(最大5個の二重結合又は三重結合、同じく混合されたエン/イン化合物)の脂肪アルコール、脂肪アルデヒド及び脂肪酸を含む、植物及び動物の脂肪酸留分(cut)(例えば、ココナツ脂肪酸、ヤシ仁脂肪酸、ウールワックス酸)。
【0050】
ラノリン、ラノリンアルコール及びラノリン酸のモノ-及びオリゴグリセリド(例えばラノリン酸グリセリル、ネオセライト)、グリシルレチン酸及び誘導体(例えば、グリシルレチニルステアレート)、天然及び合成のカルデノリド(例えばジギトキシン、ジゴキシン、ジゴキシゲニン、ギジトキシゲニン、ストロファンチン及びストロファンチジン)、天然及び合成のブファジエノリド(例えばシラレンA、シラレニン及びブフォタリン)、サポゲニン及びステロイド系サポゲニン(例えばアミリン、オレアノール酸、ジギトニン、ジトゲニン、チゴゲニン及びジオスゲニン)、植物及び動物起源のステロイド系アルカロイド(例えばトマチジン、ソラニン、ソラニジン、コネシン、バトラコトキシン及びホモバトラコトキシン)。
【0051】
モノ-及びポリハロゲン化されたニトリル、ジニトリル、トリニトリル又はテトラニトリル。
鎖長C2〜C40を有する、モノ-及びオリゴヒドロキシ脂肪酸(例えば乳酸、2-ヒドロキシパルミチン酸)、それらのオリゴマー及び/又はポリマー、並びにこれらを含有する植物及び動物原料。
【0052】
非環式テルペン:テルペン炭化水素(例えばオシメン、ミルセン)、テルペンアルコール(例えばゲラニオール、リナロール、シトロネロール)、テルペンアルデヒド及びケトン(例えばシトラール、シュードイオノン、β-イオノン);単環式テルペン:テルペン炭化水素(例えばテルピネン、テルピノレン、リモネン)、テルペンアルコール(例えばテルピネオール、チモール、メントール)、テルペンケトン(例えばプレゴン、カルボネ);二環式テルペン:テルペン炭化水素(例えばカラン、ピナン、ボルナン)、テルペンアルコール(例えばボルネオール、イソボルネオール)、テルペンケトン(例えば樟脳);セスキテルペン:非環式セスキテルペン(例えばファルネゾール、ネロリドール)、単環式セスキテルペン(例えばビサボロール)、二環式セスキテルペン(例えばカジネン、セリネン、ベチバズレン、グアジャズレン)、三環式セスキテルペン(例えばサンタレン)、ジテルペン(例えばフィトール)、三環式ジテルペン(例えばアビエチン酸)、トリテルペン(スクアレノイド;例えばスクアレン)、テトラテルペン。
【0053】
1〜150 E/O及び/又はP/O単位を伴う、鎖長C2〜C40を有する、エトキシル化された、プロポキシル化された又は混合エトキシル化/プロポキシル化された、化粧用脂肪アルコール、脂肪酸及び脂肪酸エステル。
【0054】
アミノ酸値4〜200を有する抗菌ペプチド及びタンパク質、例えば、皮膚抗菌ペプチド(SAP)、舌(Lingual)抗菌ペプチド(LAP)、ヒトβ-デフェンシン(特にh-BD1及びh-BD2)、ラクトフェリン及びそれらの加水分解産物及びそれらから得られたペプチド、殺菌/透過性増強タンパク質[BPI]、カチオン抗菌タンパク質[CAP]、リゾチーム。
【0055】
非常に適している炭水化物又は簡略にするために用語「炭水化物」に含むこともできる「炭水化物誘導体」は、糖及び置換された糖又は糖基を含む化合物である。糖は、特にデオキシ及びジデオキシ型、N-アセチルガラクトサミン-、N-アセチルグルコサミン-及びシアル酸-置換の誘導体、更には糖エステル及び糖エーテルも含む。好ましいものは以下である:
(a)単糖類、特にペントース及びヘキソースを含む、
(b)二糖類、特にスクロース、マルトース、ラクトビオースを含む、
(c)オリゴ糖、特に三糖類及び四糖類を含む、並びに
(d)多糖類、特にデンプン、グリコーゲン、セルロース、デキストラン、ツニシン、イヌリン、キチン、特にキトサン、キチン加水分解産物、アルギン酸及びアルギン酸塩、植物ガム、生体粘膜、ペクチン、マンナン、ガラクタン、キシラン、アラバン、ポリオース、硫酸コンドロイチン、ヘパリン、ヒアルロン酸及びグリコサミノグリカン、ヘミセルロース、置換されたセルロース及び置換されたデンプン、特に各場合に、ヒドロキシアルキル-置換された多糖。
【0056】
アミロース、アミロペクチン、キサンタン、α-、β-及びγ-デキストリンは、特に適している。多糖は、例えば4〜1,000,000、特に10〜100,000個の単糖からなることができる。鎖長は好ましくは、各場合において活性成分が、特定の調製物に可溶性であるか、又は混入され得ることを確実にするように選択される。
【0057】
スフィンゴ脂質、例えばスフィンゴシン;N-モノアルキル化されたスフィンゴシン;N,N-ジアルキル化されたスフィンゴシン;スフィンゴシン-1-リン酸;スフィンゴシン-1-硫酸;サイコシン(スフィンゴシン-β-D-ガラクトピラノシド);スフィンゴシルホスホリルコリン;リソスルファチド(スフィンゴシルガラクトシル硫酸;リソセレブロシド硫酸);レシチン;スフィンゴミエリン;スフィンガニン。
【0058】
いわゆる「天然」の抗菌活性成分も使用することができ、そのほとんどは、精油である、典型的抗菌作用を有する油分は、例えば、アニスシード、レモン、オレンジ、ローズマリー、ウインターグリーン、クローブ、タイム、ラベンダー、ホップ、シトロネラ、コムギ、レモングラス、セダーウッド、シナモン、ゼラニウム、白檀、スミレ、ユーカリ、ペパーミント、ガムベンゾイン、バジル、フェンネル、メントール及びオクメア・オリガナム(Ocmea origanum)、ヒダスチス・カラデンシス(Hydastis carradensis)、ベルベリダセアエ・ダセアエ(Berberidaceae daceae)、ラタンヒアエ(Ratanhiae)又はウコン(Curcuma longa)の油である。
【0059】
精油中に認めることができる抗菌作用を有する重要な物質は、例えば、アネソール、カテコール、カンフェン、カルバクロール、ユーゲノール、ユーカリプトール、フェルラ酸、ファルネソール、ヒノキトール、トロポロン、リモネン、メントール、サリチル酸メチル、チモール、テルピネオール、ベルベノン、ベルベリン、クルクミン、カリフィレンオキシド、ネロロドール、ゲラニオールである。
【0060】
列記された活性システム又は活性成分の混合物及びこれらの活性成分を含む活性成分の組合せも使用することができる。
調製物中の活性成分の量は、好ましくは調製物の総質量を基に0.01〜20質量%、特に好ましくは0.05〜10質量%である。
【0061】
本発明の配合物(特に化粧用配合物、皮膚科学配合物を含む)は、消臭剤、すなわち消臭作用及び発汗-抑制作用を有する活性成分を含有することができる。これらは、例えば、臭気マスキング剤、例えば一般的香料構成成分、アルミニウム、ジルコニウム又は亜鉛塩をベースにした制汗剤、脱臭剤、例えば、公開された特許明細書DE-P 40 09 347に開示された層状シリカ(layered silicate)、特にモントモリロナイト、カオリナイト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト、スメクタイト、並びに例えば、同じくリシノール酸の亜鉛塩がある。これらは、消臭剤、殺菌剤又は静菌性消臭物質、例えばヘキサクロロフェン、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(Irgasan)、1,6-ジ-(4-クロロフェニルビグアニド)ヘキサン(クロロヘキシジン)、3,4,4'-トリクロロカルバニリド、並びに公開された特許明細書DE-37 40 186、DE-39 38 140、DE-42 04 321、DE-42 29 707、DE-42 29 737、DE-42 37 081、DE-43 09 372、DE-43 24 219に開示された活性物質も含み、並びにカチオン-活性物質、例えば4級アンモニウム塩及び脱臭剤、例えばGrillocin(登録商標)(リシノール酸亜鉛と様々な添加剤の組合せ)又はクエン酸トリエチル、任意にイオン交換樹脂の組合せも含む。
配合物中の消臭及び/又は制汗作用の活性成分の量は、調製物の総質量を基に、好ましくは0.01〜20質量%、特に好ましくは0.05〜10質量%である。
【0062】
本発明の配合物は、保存剤も含有することができる。一方で、化粧用及び/又は皮膚科学用途に適している又は通常使用される全ての酸化防止剤を、保存剤として使用することができる。
伝統的な保存剤(例えばホルムアルデヒド、グルタルジアルデヒド、パラベン(例えばメチル、エチル、プロピル及びブチルパラベン)、ジブロモジシアノブタン、イミダゾーリジニル尿素("Germall")、イソチアゾリン("Kathon")、メチルクロロチアゾリジン、メチルチアゾリジン、有機酸(例えば安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸)並びにそれらの塩及びエステル、プロピオン酸及びギ酸並びにそれらの塩、グリコール(例えばプロピレングリコール、1,2-ジヒドロキシアルカン)、植物-ベースの保存助剤及びフラボノイド(例えば、ランタジンA、カリオフィレン、ヘスペリジン、ジオスミン、フェランドレン、ピゲニン、ケルセチン、ヒペリシン、アウクビン、ジオスゲニン、プルムバギン、コルリラギン(corlilagin)など)及びグリコシル化されたそれらの誘導体(例えばグリコシルルチン)。
【0063】
本発明の配合物、特に皮膚科学配合物は、それらがメイクアップ化粧品の領域で使用することが意図される場合に、都合がよいことに、染料及び/又は着色された顔料も含有することができる。染料及び着色された顔料は、独国化粧に関する条例の対応するポジティブリスト(配合可能成分リスト)又は化粧品着色剤のEUリストから選択することができる。ほとんどの場合において、これらは、食料品に関して承認された染料と同じである。都合の良い着色された顔料は、例えば、二酸化チタン、マイカ、酸化鉄(例えばFe2O3、Fe3O4、FeO(OH))及び/又は酸化スズである。都合の良い染料は、例えば、カルミン、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー及び/又はマンガンバイオレットである。
【0064】
本発明の皮膚科学配合物の顔面での使用が意図される場合、以下の群から1種又は複数の物質を染料として選択することが都合がよい:2,4-ジヒドロキシアゾベンゾール、1-(2'-クロロ-4'-ニトロ-1'-フェニルアゾ)-2-ヒドロキシナフタレン、セレス(Ceres)レッド、2-(4-スルホ-1-ナフチルアゾ)-1-ナフトール-4-スルホン酸、2-ヒドロキシ-1,2'-アゾナフタレン-1'-スルホン酸のカルシウム塩、1-(2-スルホ-4-メチル-1-フェニルアゾ)-2-ナフチルカルボン酸のカルシウム及びバリウム塩、1-(2-スルホ-1-ナフチルアゾ)-2-ヒドロキシナフタレン-3-カルボン酸のカルシウム塩、1-(4-スルホ-1-フェニルアゾ)-2-ナフトール-6-スルホン酸のアルミニウム塩、1-(4-スルホ-1-ナフチルアゾ)-2-ナフトール-3,6-ジスルホン酸のアルミニウム塩、1-(4-スルホ-1-ナフチルアゾ)-2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸、4-(4-スルホ-1-フェニルアゾ)-1-(4-スルホフェニル)-5-ヒドロキシピラゾロン-3-カルボン酸のアルミニウム塩、4,5-ジブロモフルオレセインのアルミニウム及びジルコニウム塩、2,4,5,7-テトラブロモフルオレセインのアルミニウム及びジルコニウム塩、3',4',5',6'-テトラクロロ-2,4,5,7-テトラブロモフルオレセイン及びそのアルミニウム塩、2,4,5,7-テトラヨードフルオレセインのアルミニウム塩、キノフタロンジスルホン酸のアルミニウム塩、インディゴジスルホン酸のアルミニウム塩、レッド及びブラック酸化鉄(CIN:77491(赤色)及び77499(黒色))、酸化鉄水和物(CIN:77492)、ジリン酸マンガンアンモニウム及び二酸化チタン。
【0065】
油溶性の天然染料、例えばパプリカ抽出物、β-カロテン又はコチニールなども都合がよい。
真珠光沢顔料を含有する皮膚科学配合物も、本発明の意味内において都合がよい。以下に列記された真珠光沢の顔料の種類は、特に好ましい:
1. 天然真珠光沢顔料、例えば
−「パールエッセンス」(魚の鱗から得られるグアニン/ヒポキサンチンの混合結晶)、及び
−「マザーオブパール」(グラウンド(ground)マッセルシェル)
2. 例えばビスマスオキシクロリド(BiOCl)のような、単結晶の真珠光沢顔料
3. 層状基材(substrate)顔料:例えばマイカ/金属酸化物
【0066】
真珠光沢顔料の基本は、例えば、粉末化された顔料又はマイカ上のビスマスオキシクロリド及び/もしくは二酸化チタン並びにビスマスオキシクロリド及び/もしくは二酸化チタンのヒマシ油分散液により形成される。例えばCIN 77163として記された艶だし顔料は、特に都合がよい。
【0067】
列記された真珠光沢顔料のリストは、当然、限定を意図されていない。本発明の意味内の都合がよい真珠光沢顔料は、それ自身公知の多くの方法で得ることができる。例えば、マイカ以外の基材を、他の金属酸化物、例えば、シリカなどで被覆することができる。例えばMerckから販売され及び特に細かいラインの光還元に適している、TiO2及びFe2O3で被覆されたSiO2粒子("Ronaspheres")は、都合がよい。
【0068】
マイカのような基材と一緒に調合する(dispense)ことも都合がよい。マイカを使用せずに製造される鉄の真珠光沢顔料は、特に好ましい。このような顔料は、BASFから、例えば商品名Sicoperal Copper 1000として入手される。
【0069】
同じく特に都合がよいのは、Flora Techから商品名Metasomes Standard / Glitterとして、様々な色(黄、赤、緑、青)で入手することができる特殊効果顔料である。ここで輝きのある(glitter)粒子は、様々な賦形剤及び染料(例えば、色指標(CI)番号19140、77007、77289、77491の染料)と混合される。
【0070】
これらの染料及び顔料は、単独で及び一緒に混合及び互いに被覆して存在することができ、ここで異なる色作用は一般に変動するコーティングの厚さにより得ることができる。染料及び着色顔料の総量は、各場合において化粧用配合物の総質量を基に、例えば0.1質量%〜30質量%、好ましくは0.5〜15質量%、特に1.0〜10質量%の範囲から都合良く選択される。
【0071】
列記された活性システムの混合物も使用することができる。
本発明の配合物中の活性成分の量は、好ましくは配合物の総質量を基に0.01〜20質量%、特に好ましくは0.05〜10質量%である。
本発明の局所用配合物は、特に皮膚及び頭髪の淡色化のための配合物は、使用のために、化粧品の通常の様式で適量で、皮膚及び/又は頭髪に塗布される。
【0072】
本発明の他の好ましい態様は、下記実施例及び添付された「特許請求の範囲」に認めることができる:
【実施例】
【0073】
実施例1:「水中油型」乳剤

【0074】
パートAを混合し、80℃に加熱した。パートBを混合し、90℃に加熱し、攪拌しながらパートAに添加した。パートCに関して、カルボポールを慎重に水中に分散し、水酸化ナトリウム溶液(pH6.9)で中和した。その後パートCをパートA及びBの混合物へ60℃で添加した。パートDを、パートA、B及びCの混合物へ室温で添加した。
【0075】
実施例2:UVA/B広帯域を保護する「油中水型」乳剤

【0076】
パートAについて、酸化亜鉛以外の全ての物質を、85℃に加熱し、この混合物へ酸化亜鉛を慎重に分散した。パートBの成分を一緒に混合し、85℃に加熱し、攪拌しながらパートAに添加した。パートCを、パートA及びBの混合物に添加し、その後この混合物を分散装置により均質とした。
【0077】
実施例3:UVA/B広帯域を保護する「水中油型」乳剤

【0078】
パートAについて、二酸化チタン以外の全ての物質を、85℃に加熱し、この混合物へ二酸化チタンを慎重に分散した。パートBについて、ビーガム(Veegum)及びナトロソル(Natrosol)以外の物質を全て一緒に混合し、90℃に加熱し、ビーガム及びナトロソルをこの混合物に分散し、この混合物を攪拌しながらパートAに添加した。パートCを、パートA及びBの混合物に添加し、その後この混合物を分散装置により均質とした。
【0079】
実施例4:UVA/B広帯域を保護する「水中油型」乳剤

【0080】
パートAを85℃に加熱した。カルボポール及びケルトロールを冷やして、残りの構成成分へ分散し、この混合物を85℃に加熱し、パートAへ添加した。パートCを直ぐに、パートA及びBの混合物へ80℃で添加し、分散装置により5分間均質とした。最後に、パートDを室温で添加し、この混合物を分散装置により均質とした。
【0081】
実施例5:UVA/B広帯域を保護する「水中油型」乳剤

【0082】
パートAを80℃に加熱した。全ての構成成分が溶解した後、この混合物を85℃に加熱し、ケルトロールを添加し、この混合物を5分間攪拌した。その後混合物を85℃へ加熱し、パートBを添加し、この混合物を80℃で10分間攪拌し、その後60℃で均質とした。最後に、パートCを室温で添加し、この混合物を分散装置により均質とした。
【0083】
実施例6:UVA/B広帯域を保護する油-非含有サンスプレー

【0084】
ケルトロール以外のパートAの全ての成分を一緒に混合した。攪拌しながらケルトロールを添加し、混合物が均質になるまで混合を継続した。パートBを添加し、均質になるまで攪拌した。
【0085】
実施例7:UVA/UVB保護する皮膚-淡色化香膏

【0086】
ケルトロール及びカルボポール以外のパートAの全ての原料を一緒に混合した。ケルトロール及びカルボポールを激しく攪拌しながら慎重に添加した。パートBの全ての原料を一緒に混合し、攪拌しながらパートAに添加した。パートCの全ての原料を完全に混合し、Neo Heliopan(登録商標) 357が溶解するまで徐々に加熱した。その後パートCをパートA/Bに添加し、均質になるまで攪拌した。パートDについて、ソルブロールP及びMをその他の原料中に溶解し、その後パートA/B/Cへゆっくり添加した。製品が均質になるまで攪拌した。最終生成物のpHを、7.2〜7.5とした。
【0087】
15% Neo Heliopan(登録商標)水溶液の作製:
82.85% 脱塩水
2.15% 99%水酸化ナトリウム
15.00% Neo Heliopan(登録商標) Hydro PN 103089
水酸化ナトリウムの2/3を水中に溶解し、その後Neo Heliopan(登録商標) Hydroを攪拌しながら添加する。残りの水酸化ナトリウムを、溶液が透明になり始めるまで添加する。最終Neo Heliopan(登録商標)水溶液のpHは7.5〜8.0とする。長期保存のために、保存剤の添加が推奨される。
【0088】
実施例8:UVB/UVA保護する皮膚-淡色化エアロゾル発泡体

【0089】
パートAを85℃に加熱した。パートBに関して、カルボポールを水中に均等に分散し、その後パートBの他の原料を全て添加し、85℃に加熱した。パートBをパートAに攪拌しながら添加した。パートCをパートA/Bへ直接添加し、冷却放置した。パートDをパートA/B/Cに添加し、エアロゾル容器へ入れた。最終製品のpHは、約7.5でなければならない。
【0090】
実施例9:皮膚-淡色化非-エアロゾル発泡体

【0091】
パートAの全ての原料を水に溶解した。パートBについて、Neo Heliopan(登録商標) MBC及びNeo Heliopan(登録商標) 357を、Neo Heliopan(登録商標) AV及びE 1000の中に加熱しながら溶解した。パートBの他の全ての構成成分を室温で添加した。Pemulenを激しく攪拌しながら均等に分散した。パートBをパートAに添加し、均質化した。パートCに関して、ソルブロール M及びPを、約50℃に加熱しながらフェノキシエタノール中に溶解し、並びにパートA/Bへ添加した。パートDをパートA/B/Cへ攪拌しながら添加し、均質とした。最終製品のpHは、約7.0でなければならない。
【0092】
実施例10:皮膚-淡色化特性を持つシャンプー

【0093】
Crinipan(登録商標) ADを、Dragocide Liquidへ、Crinipan(登録商標) ADが完全に溶解するまで、攪拌しながら添加した。パートBの全ての構成成分をパートAと、パートA/Bが均質になるまで、攪拌しながら混合した。ポリマー(パートC)を水へ添加し、完全に溶解するまで攪拌した。その後パートA/Bを添加した。パートDに関して、油分を可溶化剤へ溶解し、パートA/B/Cへ攪拌しながら添加した。最終のフケ防止シャンプーのpHは、約7.5でなければならない。
【0094】
実施例11:UVB/UVA保護する皮膚-淡色化ヘアコンディショナー

【0095】
パートAを70℃に加熱した。香油以外のパートBの原料を水中に溶解し、90℃に加熱し、この溶液をパートAへ攪拌しながら添加した。この乳液を40℃に冷却し、ゆっくり攪拌し、香油を攪拌しながら添加した。24時間貯蔵後、攪拌しながらPhenopipを添加した。最終製品のpHは、約3.5でなければならない。
【0096】
実施例12:皮膚-淡色化モイスチュアクリーム O/W

【0097】
カルボポールを水中で膨潤した。相A及びBを個別に80℃に加熱した。相Bを相Aに添加し、その後単に乳化した。パドル攪拌機で冷却攪拌した。温度が下がるにつれて、攪拌速度を遅くした。40℃で、相Cの原料を添加した。
【0098】
実施例13:皮膚-淡色化顔用クリーム O/W

【0099】
調製の指示:
相A及びBを個別に約80℃に加熱した。相Bを相Aへ、Ultra-Turrax攪拌機において添加し、乳化した。クリームを、パドル攪拌機で冷却攪拌し、温度が下がるにつれ、攪拌速度を250rpmから低下した。相Cを約40℃で添加した。
【0100】
実験1(色素脱失作用)
B16Vマウスメラノーマ細胞を、96-ウェルマイクロタイタープレートに濃度5x103個細胞/ウェルで播種した。10%ウシ胎仔血清で富栄養化したRPMI培地において37℃で24時間、5%CO2中で培養後、様々な濃度の被験物質及び0.3mMチロシン及び10nMα-MSH(α-メラノサイト刺激ホルモン)を添加し、更に96時間インキュベーションした。使用した最高濃度の被験物質は、細胞毒性アッセイのIC20値の0.1倍値に相当している。平行して、細胞を、対照としてコウジ酸濃度0.01mM、0.1mM及び1mMと共にインキュベーションした。インキュベーション後、SDS及びNaOH(最終濃度:各々、1mM及び1M)を、培養培地に添加し、吸光度(A)を3時間後に400nmで測定した。
【0101】
被験化合物又はコウジ酸の存在下における色素沈着の阻害を、下記式を用いて計算した:
色素沈着阻害(%)=100−[(A被験化合物/A対照)x100]
連続希釈した被験化合物の色素沈着阻害(%)から、各被験化合物に関するIC50を計算した。これは、色素沈着が50%阻害される被験化合物濃度である。
【0102】
表3

【0103】
このデータは、サリシン及びサリゲニンは、B16Vメラノーマ細胞に対し、コウジ酸よりも約3倍強力な色素脱失作用を有することを示している。フェニル環3位への追加のメトキシ置換は、色素脱失活性の喪失に繋がる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚及び/又は頭髪の淡色化のための、式(I)を有する化合物の使用。
【化1】

(1)
(式中、n=1〜10、
R1は、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルケニル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルキニル、置換又は未置換のアリールアルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換又は未置換のフェニル、置換又は未置換の単糖類、SO3H、SO3Na、(CH2)1-10OH、COR、SiRR'R"、PO3HNa、PO3Na2、及び
【化2】

を含む群より選択され、
ここで、R、R'、R"は、H、C1-C14アルキル、C2-C14アルケニル、C2-C14アルキニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換又は未置換のフェニル及びヘテロ環式環を含む群より互いに独立して選択され、並びに
R2は、酵素により切断可能な置換基であるか、もしくは、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルケニル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルキニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換及び未置換のフェニル、もしくは置換又は未置換のアリールアルキルを含む群より選択される。)
【請求項2】
式(I)を有する化合物について:
R2が、SO3H、SO3Na、(CH2)1-10OH、COR、PO3HNa、及びPO3Na2を含む酵素により切断可能な置換基の群から選択され、
ここでR、R'は、H、C1-C14アルキル、C2-C14アルケニル、C2-C14アルキニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換又は未置換のフェニル及びヘテロ環式環を含む群より互いに独立して選択される、請求項1記載の使用。
【請求項3】
式(I)において:
R2が、グルコース、マンノース又はガラクトースを含む、酵素により切断可能な、置換又は未置換の単糖類の群から選択される、請求項1記載の使用。
【請求項4】
式(I)において:
n=1-4、
R1が、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルケニル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルキニル、置換又は未置換のアリールアルキル、置換又は未置換のフェニル、置換又は未置換の単糖類、(CH2)1-10OH、COR、SR、PO3RR'、及び
【化3】

を含む群より選択され、
ここで、R、R'は、H及びC1-C14アルキルを含む群より互いに独立して選択される、請求項1〜3のいずれか1項記載の使用。
【請求項5】
式(I)において:
n=1-4、
R1が、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルケニル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルキニル、置換又は未置換のアリールアルキル、置換又は未置換のフェニル、置換又は未置換の単糖類、(CH2)1-10OH、COR、SR、PO3RR'、及び
【化4】

を含む群より選択され、ここで、R、R'は、H及びC1-C14アルキルを含む群より互いに独立して選択され、並びに
R2が、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルケニル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルキニル、及び置換又は未置換のフェニルを含む群より選択される、請求項1記載の使用。
【請求項6】
皮膚及び/又は頭髪の淡色化のための、サリゲニン、フラジリン、ポプリン、トレムロイジン、サリコルチン、2-O-アセチルサリコルチン又はトレムラシンの使用。
【請求項7】
皮膚及び/又は頭髪の淡色化のためのサリシンの使用。
【請求項8】
皮膚及び/又は頭髪の淡色化のための、式(I)を有する化合物を、皮膚及び/又は頭髪への淡色化作用を有する量を含有する、化粧用又は治療用配合物。
【化5】

(1)
(式中、n=1-10、
R1は、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルケニル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルキニル、置換又は未置換のアリールアルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換又は未置換のフェニル、置換又は未置換の単糖類、SO3H、SO3Na、(CH2)1-10OH、COR、SiRR'R"、PO3HNa、PO3Na2、及び
【化6】

を含む群より選択され、
ここで、R、R'、R"は、H、C1-C14アルキル、C2-C14アルケニル、C2-C14アルキニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換又は未置換のフェニル及びヘテロ環式環を含む群より互いに独立して選択され、並びに
R2は、酵素により切断可能な置換基であるか、もしくは、H、分枝した又は分枝していないC1-C14アルキル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルケニル、分枝した又は分枝していないC2-C14アルキニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、置換及び未置換のフェニル、もしくは置換又は未置換のアリールアルキルを含む群より選択される。)
【請求項9】
サリゲニン、サリシン、フラジリン、ポプリン、トレムロイジン、サリコルチン、2-O-アセチルサリコルチン又はトレムラシンを、皮膚及び/又は頭髪への淡色化作用を有する量含有する化粧用又は治療用配合物。

【公表番号】特表2007−523127(P2007−523127A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553575(P2006−553575)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050244
【国際公開番号】WO2005/079743
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(503236223)シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】