説明

1以上の薬剤を含む液体サプリメント組成物

本発明は、コンパニオンアニマルにおける疾患を治療及び予防するために有用である液体組成物、並びにそれらの使用方法に関する。より詳細には、本発明は、1以上の薬剤を含む液体組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパニオンアニマルにおける疾患を治療及び予防するために有用である液体組成物、並びにそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンパニオンアニマルの健康を危うくし得る疾患は多くある。これらの疾患を治療するために薬剤が使用でき、現在は、典型的に、薬剤の治療的な量が連続的に、又は少なくとも個々の期間の間、動物中に保持されることができるように、経口投与又は注入によって投与される。しかしながら、現在の用法は多くの問題点を提示する。例えば、コンパニオンアニマルへの丸薬の経口投与又は薬剤の注入には、動物が協力すること、又は少なくともじっとしたままでいることが必要である。コンパニオンアニマルは、そのコンパニオンアニマルの制御がほとんどきかないこうした治療を拒絶することがよくあるので、投薬の欠如又は不適切な投薬がそのコンパニオンアニマルの健康に危険をもたらすことがある。
【0003】
これまで、薬剤を含む一日糧食製品を提供するための試みがなされてきた。米国特許第4,702,914号は、ペットに与えられる他の食品上で又は他の食品と共に予防的成分を投与するためのケチャップソースとして記載される動物用ソース予防薬を記載している。’914特許におけるペットフード用ソースは、ケチャップソース、トマトベースのケチャップソースとして具体的に記載されている。しかし、このようなソースは、例えば過体重若しくは高齢の動物、又は前糖尿病若しくは糖尿病疾患になりやすい動物において、それ自体動物の健康を脅かし得る糖を非常に多く含む傾向にある。
【0004】
米国特許出願公開2002/00225325は、飲料水又はシロップ類を通して動物に経口ワクチン接種を与える方法を記載している。特に、鶏の餌用の水にワクチンを添加することについて議論されている。PCT国際公開特許WO/02/02139は、細菌抗原及びウイルス抗原を飲料水又はシロップのような水溶性媒体に混ぜるための方法及びサプリメントについて記載している。
【0005】
PCT国際公開特許WO/03/030653は、食肉を加工する際に押出成形機に薬剤を添加することについて議論している。しかしながら、こうした添加は、押出成形の特徴である高圧及び高温に曝された場合に、種々の薬剤が分解の影響を受けやすいので、特に制限される可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、コンパニオンアニマルに好適な組成物であって、次の特質を有する組成物を提供することが、当該技術分野において必要とされている:該組成物は、乾燥食品押出成形の条件の影響を通常受けやすい薬剤の一体性が維持できるように、低温で形成されることができ、該組成物は周囲温度において長時間にわたり安定であり、また該組成物は投与が容易であるようにコンパニオンアニマルにとって口当たりがよい。加えて、特定の疾患の治療のために提供される組成物は、消費者が、問題となっている疾患に基づいて具体的な組成物を選択することを可能にする。本発明の好ましい実施形態における液体サプリメント組成物を提供することにより、コンパニオンアニマルの所有者は、年齢、大きさ、若しくは種類に基づいて、又はペットに与えられる薬剤の量を制御するためにその液体サプリメント組成物と共に与えられる情報、例えば所望に応じて毎日、毎週、毎月など、に基づいて、動物にとって必要な薬剤の効果的な用量を選択することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、関連技術において言及される問題点を克服し、またペットフードに混合され、トッピングされ、又は他の方法で加えられる若しくは単独で摂取されることができる、液体組成物を提供し、その際、安全且つ有効な量の薬剤が安定な形態に維持され、種々の疾患を治療するための医学的効果をコンパニオンアニマルにもたらす。本発明の好ましい実施形態では、乾燥食品押出成形の影響を受けやすい薬剤は、グレービートッパー(gravy topper)に混合され、周囲温度に維持される。本発明のグレービートッパーは、口当たりを良くしペットへの投与を容易にするための風味剤をさらに含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
例えば刊行物及び特許を含む様々な文書が、本開示を通して引用される。このようなすべての文書は参考として本明細書に組み込まれる。所与のいかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの承認として解釈されるべきではない。
【0009】
百分率及び比率はすべて、特に指示しない限り、重量で計算される。百分率及び比率はすべて、特に指示しない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0010】
本発明で使用する様々な成分を含む構成成分の商品名が本明細書で参照される。本発明者らは本明細書において、ある特定の商品名の物質により限定されることは意図していない。商品名により引用されているものと同等の物質(例えば、異なる名称又は参照番号で異なる供給源から得られるもの)が、本明細書の記載において置き換えられて使用されてもよい。
【0011】
本発明の説明において、様々な実施形態又は個々の特徴が開示される。当業者には明らかであるが、これらの実施形態及び特徴のあらゆる組み合わせが可能であり、本発明の好ましい実施となり得る。
【0012】
本明細書の組成物は、本明細書に記載されるようないかなる特徴若しくは実施形態を含んでもよく、本質的にそれらから成ってもよく、又はそれらから成ってもよい。
【0013】
本発明の様々な実施形態及び個々の特徴を説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正が可能である。これも明らかになるであろうが、先行する開示で教示された実施形態及び特徴のあらゆる組み合わせが可能であり、本発明の好ましい実施となり得る。
【0014】
本発明はコンパニオンアニマルによる使用に適合された組成物及び方法を対象とする。本明細書で使用する時、「コンパニオンアニマル」は家畜を意味する。好ましくは、「コンパニオンアニマル」は、飼い犬、猫、ウサギ、フェレット、馬、牛、又は同様なものを意味する。より好ましくは、「コンパニオンアニマル」は、飼い犬又は猫、特に飼い犬を意味する。
【0015】
「疾患」という用語は、本明細書で使用する時、特徴的な一連の症状及び兆候によって明らかにされる、コンパニオンアニマルの任意の部分、臓器、又は系の、通常の構造又は機能からのいかなる逸脱又はその障害をも意味し、その病因、病理、及び予後は既知であっても既知でなくてもよい。
【0016】
さらに、本明細書で使用する時、「薬剤」とは、コンパニオンアニマルにおける疾患を治療するために使用される、いかなるものをも意味する。
【0017】
本明細書で使用する時、「治療する」、「治療すること」、「治療」などは、参照される組成物の投与が、疾患の1以上の症状若しくは疾患そのものを予防し、軽減し、改善し、阻害し、若しくは緩和すること、又はコンパニオンアニマルにおけるいかなる同様の効果をも意味する。
【0018】
(本発明の組成物)
本明細書の組成物は、コンパニオンアニマルによる使用に適合されている。この点で、当業者にはよく理解されるように、本明細書に記載の組成物の主な用途は、コンパニオンアニマル用であり、したがって、組成物は、そのように配合される。
【0019】
本発明は、動物における種々の疾患を治療するのに有用である液体サプリメント組成物に関する。任意に1以上の薬剤と混合され、又は別の方法で1以上の薬剤と共に投与されてよい安定な液体サプリメント組成物を調製することで、コンパニオンアニマルの所有者は、効果的な及び定量の薬剤を毎日、毎週、毎月、のように必要に応じて投与することが可能となる。加えて、そうでなければ乾燥食品の押出成形加工に関連する極限条件のために乾燥食品に組み込むことができない薬剤を、これらの薬剤の有効性を維持しながらペットへのその薬剤の投与を容易にできる、風味のよい液体サプリメント組成物に混合することができる。
【0020】
本発明は、以下を含む液体組成物を対象とし:
(a)薬剤;
(b)風味剤;
(c)水;及び、
前記組成物は糖類を本質的に含まず、該組成物はコンパニオンアニマルによる使用に適合されている。本明細書において提供される本発明の液体組成物は、比較的低い糖含有量を有する。例えば、糖類は、過体重若しくは高齢の動物、又は前糖尿病若しくは糖尿病疾患になりやすい動物など、種々のコンパニオンアニマルの健康にとって有害である可能性がある。本明細書で使用する時、用語「糖類」は、集合的に、例えば、グルコース、スクロース、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、ラクトース、マルトース及び他の甘味剤などの単糖類及び二糖類をいう。それに関して、本明細書で使用する時、用語「糖類を本質的に含まない」とは、本発明の目的のために、本明細書における液体組成物がその組成物の約10重量%未満の糖類、或いは約5重量%未満の糖類、或いは約2重量%未満の糖類、或いは約1重量%未満の糖類、或いは約0.5重量%未満の糖類しか含まないということを意味する。本明細書において定義されるように、所与の組成物中に存在する糖類の総量は、いかなる添加された糖類、並びに組成物の任意の構成成分中に天然に存在するいかなる糖類をも含む。
【0021】
本発明の他の実施形態では、組成物はトマト風味料を本質的に含まない。用語「トマト風味料」とは、本明細書で使用する時、フレッシュトマト、細切れのトマト、裏ごしトマト、トマトペースト並びにその他の天然及び人工のトマト風味剤を含む、トマト風味を添加する風味剤をいう。
【0022】
(薬剤)
本明細書の組成物は、1以上の薬剤を含む。薬剤は当業者には周知であり、選択される薬剤は、本明細書の教義に従って治療されるコンパニオンアニマルの必要性に基づく。本明細書の薬剤は、病気若しくは他の疾患の症状を治療、予防又は軽減するために動物の直接管理において使用される薬物、その構成成分、又は他の組成物である。本発明に従って治療されることができる疾患には、ノミ、ダニ、蚊、幼虫、犬糸状虫、鉤虫、線虫、鞭虫、パルボウイルス、及び他の寄生生物を含む、外部寄生虫及び内部寄生虫(endoprarasites)全般に関連するものが挙げられるが、これらに限定されない。これは単に例示を目的としており、当業者は所望の治療に必要な薬剤を選択できるであろう。
【0023】
さらなる例としては、犬糸状虫症の疾患は、次の薬剤の1以上の使用を通して治療されることができ、その際、この薬剤は本組成物の構成成分である:モキシデクチン、イベルメクチン、ピランテル、ミルベマイシンオキシム、ルフェヌロン、及びセラメクチン。イベルメクチンは本発明者らによって本明細書で特に有用な薬剤であるとみなされている。
【0024】
本発明のさらなる実施形態では、内部寄生虫及び外部寄生虫は、イベルメクチン、ドラメクチン、モキシデクチン、セラメクチンを単独で、互いに又は他の治療的及び非治療的化合物と組み合わせて用いて抑制することができる。
【0025】
別の例としては、ノミ又はダニの侵襲の疾患(幼虫殺虫又は予防を含む)は、次の薬剤の1以上を介して治療されることができ、その際この薬剤は本組成物の構成成分である:イミダクロプリド、ニテンピラム、ルフェヌロン、フィプロニル、及びミルベマイシンオキシム。これらの薬剤は、ノミ及びそれらの幼虫を予防及び殺虫するための本液体組成物中で安定に維持されることができる。
【0026】
サナダムシ、蟯虫、鉤虫、線虫及び鞭虫を含む寄生虫の感染を防ぐために駆虫薬を使用することができる。薬物ミルベマイシンオキシム及びルフェヌロンは、本発明において鉤虫、線虫、又は鞭虫を防ぐために、本発明中に混合することができる。さらに、サナダムシの予防のためにプラジカンテルを、線虫及びサナダムシの予防のためにフェンベンダゾールを使用することができ、並びに蟯虫感染の予防のためにパモ酸ピランテルを使用することができる。
【0027】
本発明の液体組成物と混合できるさらなる薬剤としては抗ヒスタミン剤が挙げられる。本組成物へと組み合わせることができる代表的な抗ヒスタミン剤としては、クロルフェニラミン、ヒドロキシジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミンが挙げられる。
【0028】
加えて、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)として作用する薬剤を、本発明の液体サプリメント組成物でペットに投与することができる。NSAIDSとして有用な薬剤としては、カルプロフェン、エトドラク、ピロキシカム、ケトプロフェン、デラコキシブ(deracoxib)、メロキシカム、アスプリン(asprin)、メクロフェナム酸などが挙げられる。
【0029】
抗菌及び抗生物質活性を示す化合物もまた、本明細書で有用な薬剤の例である。抗菌及び抗生物質活性を示す薬剤の例としては、アンピシリン、アモキシシリン、アモキシシリンクラブラネート(amoxicillin clavulanate)、セファドロキシル、セファレキシン、クリンダマイシン、ドキシサイクリン、エンロフロキサシン、エリスロマイシン、メトロニダゾール、オルメトプリム/スルファ、スルファジアジン、スルファジメトキシン、テトラサイクリン、トリメトプリム/スルファ、及びマルボフロキサシンが挙げられる。本発明に混合される抗生物質及び抗菌剤で治療することのできる一般的な細菌感染としては、歯周病、咬傷感染、混合上気道感染、膿瘍(abcesses)、膿皮症(pyoderman)、細菌性膀胱炎、細菌性外耳炎、大腸炎、前立腺炎(prostatis)、肛門嚢疾患、重度の(sever)潰瘍性角膜炎、子宮溜膿腫、化学療法に関連する感染、及びライム病が挙げられる。これらの疾患は、本発明に従って使用される多くの薬剤を用いて治療することができ、各疾患は、以下の具体例の表に示されるように必要とされる治療の継続期間が異なる;この表はいかなる形でも本発明を限定するものではない。
【表1】

【0030】
これらの抗菌剤の他の例としては、クロルヘキシジン、ヘキセチジン、アレキシジン、ミクソビレシン(myxovirescin)、塩化セチルピリジニウム、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、クロルテトラサイクリン及び他のテトラサイクリン抗菌剤などの、ビス−グアニジノ抗菌剤;トリクロサン、ナイシン及び他の抗生物質、マラバルコン(malabarcone)C及び他のアルギンギパイン阻害物質などの、アニオン性抗菌剤;オフロキサシン及び他のキノロン抗菌剤;スルファジアジン;アクチノボリン(actinobolin);ヒスタチン類;バクテニシン(bactenicin)及び他のペプチド抗菌剤が挙げられる。
【0031】
加えて、疾患に対しての一般的な予防的抗生物質の使用としては、例えば次のものを含む、本発明の液体組成物に混合することができる以下の抗生物質/抗菌剤が挙げられる:
【表2】

【0032】
原虫感染に対する治療計画、継続期間及び適切な薬剤もまた以下に例示する:
【表3】

【0033】
さらに、リケッチア感染症のための治療計画、継続期間及び適切な薬剤を以下に示す:
【表4】

【0034】
本発明の液体組成物に添加される薬剤を用いて治療できる、コンパニオンアニマルの一般的な慢性疾患は多くある。これらの疾患としては、心臓疾患、神経系疾患、内分泌腺疾患、胃腸疾患、便秘、大腸炎、泌尿器疾患、膀胱炎、ヘモリンパ障害(hemolymphatic disorders)/腫瘍、筋骨格疾患、皮膚疾患、慢性膿皮症、眼疾患、耳疾患、行動障害、栄養障害、食欲刺激薬、鎮痛剤、鎮静剤、解毒剤、及び下痢止め剤が挙げられるが、これらに限定されない。これらの一般的な疾患を予防するために使用できる具体的な薬剤を、以下の表に例示する:
【表5−1】

【表5−2】

【0035】
抗体もまた、本発明の組成物に従う薬剤の例である。その抗体は、特別に配合された抗体であるか、又は病原菌のような選択された抗原に対して免疫性を与えられた、他の具体的な伝達因子様の構成成分である。単一の抗原上の多くのエピトープと結合するポリクローナル抗体は、異質の巨大分子又は抗原の破壊及び除去のために使用することができる。ポリクローナル抗体は、選択された異質抗原を注入された動物から収集された血液からの抗体を精製することによって、収集できる。ポリクローナル抗体の精製に使用してもよい動物の例としては、鶏、ウサギ、羊、又はロバが挙げられる。加えて、抗原の単一のエピトープと結合するモノクローナル抗体もまた、精製されて、本発明の組成物に従う異質抗原に対する薬剤として使用されることができる。マウスは、モノクローナル抗体の精製に使用されてよい動物の一例である。
【0036】
剤が、デルモピノ(delmopino)、オクタピノール、及びカチオン性若しくはアニオン性界面活性剤の部類から誘導されるもののような他の界面活性化剤などの、モルホリノ−アミノアルコール類から誘導される、歯垢抗付着特性を有する他の薬剤を、本発明において使用することができる。一般に、感染症を治療するために用いられる抗菌剤及び抗真菌剤もまた使用してよい。
【0037】
さらに、動物における種々の障害のために使用されてよい他の活性成分としては、異化ステロイドとしてのプレドニゾン及びプレドニゾロン、発作を抑制するためのフェノバルビタール、利尿薬としてのフロセミド、尿失禁のためのフェニルプロパノールアミンが挙げられる。
【0038】
コンパニオンアニマルの治療では、そのコンパニオンアニマルの大きさ、年齢、種類又は他の具体的な特徴に応じて使用される薬剤の用量及び種類が異なっていてよい。一例として、下痢は、コンパニオンアニマルにおいて本発明の液体組成物で治療可能であるが、その動物にとって下痢に対して有益である薬剤は、下記の表において例示されるように、動物の年齢によって異なっていてよい:
【表6】

【0039】
単一の薬剤又は薬剤の組み合わせも含まれ、本発明の液体組成物において組み合わせることができる。
【0040】
(風味剤)
いかなる種々の動物肉、ブロス、又は脂肪も、本組成物の構成成分として使用してよい。例えば、鶏、豚、牛、子牛、魚などの動物肉を使用してよい。このような肉は、組成物が全体として液体の形態を維持するように、噴霧乾燥された動物肉のような粒子又は塊の形態であるのが有利である。いかなる動物肉のブロス及び脂肪も使用してよい。加えて、人工の、又は他の天然の風味剤を、本発明の組成物の美味性を増進させるために使用してよい。
【0041】
本発明の液体組成物は、その組成物の約0.00001重量%〜約99重量%の範囲の風味剤、約0.0001重量%〜約75重量%の範囲の風味剤、約0.001重量%〜約50重量%の範囲の風味剤、約0.01重量%〜約30重量%の範囲の風味剤、約0.1重量%〜約20重量%の範囲の風味剤、約1重量%〜約10重量%の範囲の風味剤、約2重量%〜約6重量%の範囲の風味剤、約3重量%〜約5重量%の範囲の風味剤を含んでいてよい。
【0042】
(水)
液体組成物は、その組成物の少なくとも約50重量%の水をさらに含む。組成物は典型的には、通常の栄養必要物に対するサプリメントとしてコンパニオンアニマルによって使用されるように意図されている。このように、これらの組成物は飲料水、グレービー、又は他のサプリメントとして提供されるのが有利である。飲料水は、そのコンパニオンアニマルに与えられる通常の飲料水と完全に若しくは部分的に置き換えられてよく、又はコンパニオンアニマル用食品と接触させ若しくは混合してもよい。本明細書で記載する時、グレービーは広義に定義される。グレービーは、いかなるグレービー、トッピング、ソース、又は他の液体混合物であってもよい。グレービーは周囲温度で蒸留水よりも高い粘度を有していてよい。グレービーは、コンパニオンアニマルに直接経口投与されてもよいが、経口投与する前に食品と接触させ又は混合するのが有利である。
【0043】
別の実施形態では、組成物は、その組成物の少なくとも約50重量%の水、少なくとも約60重量%の水、少なくとも約70重量%の水、少なくとも約80重量%の水、約50重量%〜約99重量%の水、約60重量%〜約97重量%の水、約70重量%〜約95重量%の水、約75重量%〜約90重量%の水を含んでいてよい。これらの濃度で含まれる水は、添加される全ての水、及び組み合わされた構成成分、例えばブロス中に存在するいかなる水をも含む。
【0044】
本組成物は、その組成物がコンパニオンアニマルによる使用、特に摂取に適合する限り、いかなるpHを有してもよい。本発明の任意の実施形態では、本組成物は約7未満、約6未満、約5未満、約4未満、約3.5未満、約2〜約7、約2.5〜約5、約2.5〜約4、又は約2.5〜約3.5のpHを有する。約3.5未満のpHを有するこれらの組成物は、これらの組成物が長期にわたる貯蔵安定性をもたらすように、空気に曝される際に冷蔵を必要としなくてもよく、また無菌の包装プロセスを必要としなくてもよいので、特に好ましい。
【0045】
必要ならば、本組成物は、所望のpHを達成し、それを維持するために、1つ以上の酸味料を含んでもよい。酸性度は、例えば、1以上の酸味料の使用等、既知及び従来の方法によって必要な範囲に調整され、その範囲内に維持されることができる。
【0046】
(本発明の組成物の任意成分)
本明細書の組成物は、例えば、特定の疾患を治療する場合のそれらの性能、所望の栄養特性、及び/又は感覚刺激特性を高めるために、追加の任意成分を含んでいてもよい。このような任意成分は、本組成物中に分散、可溶化、又は他の態様で混合されてよい。本明細書に用いるのに好適な任意成分の非限定的な例を以下に挙げる。
【0047】
(栄養素)
本明細書中のサプリメントは、所望により、しかし好ましくは、1つ以上の栄養素、特に1つ以上のビタミン類及び/又はミネラル類でさらに補強されてもよい。こうしたビタミン類及びミネラル類の非限定例としては、ナイアシン、チアミン、リボフラビン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA(ビタミンA(レチノール)、β−カロチン、パルミチン酸レチノール、又は酢酸レチノールを含む)、ビタミンC、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、鉄、亜鉛、銅、リン、カリウム、ヨウ素、クロム、モリブデン、フッ化物、カルシウム、マンガン、マグネシウム、又はホウ素が挙げられる。本発明のサプリメント中で安定に維持されることができ、ペットに健康上の利益を与えるために一般に当該技術分野において既知の他の治療薬としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されない:消化の健康を改善するためのフラクトオリゴ糖(FOS);ルテイン、消化の健康を改善するためのプロバイオティクス菌;関節及び骨の健康のためのグルコサミン、並びに体重減少の促進のためのクロム。
【0048】
(酸化防止剤)
所望により本発明に混合されてよい酸化防止剤の例としては、α−トコフェロール、アルキル没食子酸塩誘導体、ノルジヒドログアヤレト酸、アスコルビン酸、クエン酸、メタ重硫酸ナトリウム(sodium metabisuphate)、及び亜硫酸ナトリウムが挙げられる。ブチル化ヒドロキシアニソール及びブチル化ヒドロキシトルエンもまた本発明において酸化防止剤として使用してもよい。
【0049】
(ω−3−脂肪酸)
1以上のω−3−脂肪酸を本サプリメントに添加してもよい。本明細書において所望により使用されるω−3−脂肪酸は、いかなるω−3−脂肪酸又はω−3−脂肪酸の組み合わせであってもよい。本明細書で使用するのに好適なω−3−脂肪酸の非限定例としては、エイコサペンタエン酸(EPAとしても既知)、ドコサヘキサエン酸(DHAとしても既知)、及びこれらの混合物が挙げられる。ω−3−脂肪酸はしばしば、メンハーデン(ニシンに似た魚)を含む海産(魚)供給源、又は亜麻などの他の供給源から誘導される。
【0050】
(防腐剤)
さらに1以上の防腐剤を本明細書において使用してもよい。好ましい防腐剤としては、例えば、ソルベート、ベンゾエート、及びポリホスフェート防腐剤が挙げられる。pHが約3.5未満のレベルに操作される場合、防腐剤は任意に回避されてもよい。
【0051】
(乳化剤及び油)
1以上の乳化剤及び/又は油もまた、歯ごたえ及び不透明性の目的のために本サプリメント組成物に含まれてよい。本明細書で有用な典型的な乳化剤及び油としては、例えば、モノ−ジグリセリド類、レシチン、パルプ、綿実油、及び植物油が挙げられる。
【0052】
(懸濁剤)
粘稠な混合物又は組成物を生成するために1以上の懸濁剤を本サプリメント組成物中で使用してもよい。通常使用される懸濁剤としては、タラガム、ジェランガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、ガティゴム、トラガカントガム、イナゴマメゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギネートなどが挙げられる。特に好ましいガムとしては、キサンタンガム、タラガム、及びグアーガムが挙げられる。
【0053】
(本発明の方法)
本発明の方法は、コンパニオンアニマルにおける疾患を治療するために本発明の組成物をコンパニオンアニマルに経口投与(即ち摂食を通して)することを含む。本明細書の一実施形態では、組成物中の薬剤の投与は、次の疾患の任意の1つ以上の治療をもたらし得る:ノミ、ダニ、蚊、幼虫、犬糸状虫、鉤虫、線虫、鞭虫及び他の寄生生物を含む外部寄生虫並びに内部寄生虫全般。
【0054】
本発明の組成物は最も好ましくはコンパニオンアニマルによって摂取される。組成物は通常の栄養所要量に対するサプリメントとして摂取されてよい。
【0055】
本明細書で使用する時、コンパニオンアニマルに関する用語「経口投与」は、本明細書の1以上の組成物を動物が摂取すること、又は動物に与えるように人が指示されること若しくは人が実際に与えることを意味する。組成物を与えるように人が指示される場合には、そのような指示は、組成物を使用することで、言及された効果、例えばコンパニオンアニマルにおけるノミ及びダニの治療をもたらし得、並びに/又はもたらすことになることを、人に指導し及び/又は人に知らせるものであってよい。例えば、こうした指示は、口頭指示(例えば、獣医、若しくは他の保健専門家からの口頭指導を通じて)、ラジオ若しくはテレビ媒体(即ち、広告)、又は書面での指示(例えば、獣医、若しくは他の保健専門家からの書面での指示(例えば、手書きメモ)、専門販売員若しくは組織からの書面での指示(例えば、広告用チラシ、パンフレット、若しくは他の教育用品を通じて)、文字媒体(例えば、インターネット、電子メール、若しくは他のコンピュータ関連媒体)を通じて)、及び/又は、組成物に関連した包装(例えば、組成物を入れる容器上に存在するラベル)であってもよい。本明細書で使用する時、「書面の」は、言葉、絵、記号、及び/又はその他の視覚的記述子によることを意味する。このような情報は、本明細書で使用される実際の言葉、例えば「薬剤」、「コンパニオン」又は「使用に適合された」を使用する必要はなく、むしろそれと同一又は類似の意味を伝達する言語、絵、記号等の使用が本発明の範囲内で考えられる。
【0056】
本明細書に記載の組成物は、通常の栄養所要量に対するサプリメントとして使用してもよいし、又は固形食品を摂取するのが困難であるコンパニオンアニマルのために栄養的にバランスがとれていてもよい。投与は、必要な時又は望ましい時に応じたものであってよく、例えば、月1回、週1回、又は毎日(1日に複数回、又は給餌ごとを含む)であってよい。通常の栄養所要量に対するサプリメントとして利用される時には、組成物を、コンパニオンアニマルに直接投与してもよいし、さもなければ、コンパニオンアニマル用食品に接触させ又は混合してもよい。好ましい実施形態では、組成物は用量の指示を添付した、投与を簡単にするためのスクイーズボトル中に保持される。他の投与方法としては、コンパニオンアニマルの所有者がコンパニオンアニマル用食品上にその内容物を注いだあとその包材を処分できるように、1回限りの容器を提供することが挙げられる。液体組成物の複数サービング用のキットもまた提供される。加えて、液体組成物中で薬剤が安定に維持されないことがある場合には、給餌の直前に液体組成物及びコンパニオンアニマル用食品に別個に薬剤を加えることができるように、液体組成物を薬剤から分離するための区画化されたキットが提供される。使用される組成物の量は、薬剤の一致性、治療される疾患、その動物の健康状態、動物の飼い主又は組成物を投与するその他の人によって判断される動物の好み、コンパニオンアニマル用食品の質、及びコンパニオンアニマルの大きさ又は種類を含む、種々の要因によって決められてよい。
【0057】
(製造方法)
本明細書で記載した組成物は、当業者に周知の方法に従って製造される。本発明はコンパニオンアニマルに薬剤を投与する方法を提供する。例えば、本発明の組成物は、すべての成分が可溶化されるか又は十分に分散されるまで機械的攪拌器で攪拌して、すべての構成成分を、単独で又は好適な組み合わせにより一緒に、また適切な場合には水中で、溶解する、分散する、ないしは別の方法で混合することにより調製されてもよい。組成物を製造するための具体的な方法は次の工程を伴う:
1.槽に水を加える。
2.鶏脂肪に酸化防止剤を加え、よく混合する。
3.絶え間なく攪拌しながら、液体FOS及び鶏脂肪を水に加える。完全に混合する。
4.固形の肉粉末、ブロス粉末、キサンタンガム、ビタミン類とミネラル類とのプレミックス、及び酵母をプレミックスし、「肉プレミックス」を形成する。
5.絶え間なく攪拌しながら、肉プレミックスをゆっくり加えてよく混合し、粉末が確実によく分散されるようにする。(或いは、キサンタンガムは、そのガムの十分な分散を確実にするため、周知の高剪断技術を用いて加えることができる。他の固形物もまた、絶え間なく混合しながら個々に加えることができる。)
6.生成物のバッチを粉砕機又は他の高剪断分散装置に通し、すべての粉末(特にガム)が確実によく分散されて粉末の大きな塊が残らないようにする。
7.ビートパルプ、亜麻及び野菜を含む野菜成分をプレミックスし、「野菜プレミックス」とする。
8.絶え間なく攪拌しながら、野菜プレミックスをバッチにゆっくりと加える。よく混合する。
9.バッチを91℃(195°F)まで加熱し、5分間保持する。
10.バッチを少なくとも54℃(130°F)まで冷却する。
11.予測濃度のリン酸の1/2を加え、よく混合する。
12.ソルビン酸カリウムを加え、よく混合する。
13.風味料を加え、混合する。
14.さらなるリン酸を加えて目標のpHを達成する。よく混合する。
【0058】
本発明の実施形態では、乾燥食品押出成形に耐えることができない薬剤を含む薬剤が中に混合された、周囲温度において安定な組成物を得るために、グレービーを殺菌工程において約91℃(195°F)から約93℃(200°F)まで5分間加熱し、その後冷却する。その生成物は液体の形態であるので、添加される薬剤の具体的な必要性に応じて、活性成分を加熱前又は加熱後に添加できる。本発明の好ましい実施形態では、液体組成物は約3のpHに維持され、それによって押出成形プロセスにおいて現在使用されているものよりも過激ではない条件及び温度でグレービートッパーを熱処理することが可能となる。より低い熱条件により、そうでなければ押出成形プロセスにおいて添加することができなかった広範囲の薬剤の、グレービートッパー又は他の本発明の液体サプリメント組成物への混合が可能となる。本発明のさらなる実施形態では、約77℃(170°F)〜約115℃(240°F)の範囲の殺菌温度を使用して、コンパニオンアニマル向けの液体組成物サプリメントを製造することができる。本発明の他の実施形態において、使用してよい殺菌技術には放射線殺菌及び高圧殺菌が挙げられる。加えて、本発明の組成物に添加される風味剤が、ペットへの薬剤の投与をさらに容易にすることができる。
【0059】
本発明の液体サプリメント組成物の好ましい実施形態の組成物の実施例は、次の通りである。具体的には、ビーフ、チキン、及びベーコン風味のグレービートッパーの配合を以下に示す。
【実施例】
【0060】
(実施例1)
以下の構成成分を犬糸状虫症の予防及び治療のためのイベルメクチンと組み合わせることによって、ビーフ風味のグレービートッパーを調製する。
【表7】

【0061】
(実施例2)
以下の構成成分を口腔のノミ及びダニの予防及び治療のための薬剤、ルフェヌロンと組み合わせることによって、チキン風味グレービートッパーを調製する。
【表8】

【0062】
(実施例3)
以下の構成成分をノミの予防のための薬剤、(S)−メソプレンと組み合わせることによって、ベーコン風味のグレービートッパーを調製する。
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤;
風味剤;及び

によって特徴付けられる液体組成物であって、該組成物が糖類を本質的に含まず、コンパニオンアニマルによる使用に適合されたものである、液体組成物。
【請求項2】
薬剤;
風味剤;及び

によって特徴付けられる液体組成物であって、該組成物がトマト風味を本質的に含まず、コンパニオンアニマルによる使用に適合されたものである、液体組成物。
【請求項3】
組成物の少なくとも約50重量%の水を含む、請求項1又は請求項2に記載の液体組成物。
【請求項4】
組成物の約0.00001重量%〜約99重量%の薬剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項5】
約3〜約7のpHを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項6】
前記薬剤が、イミダクロプリド、ニテンピラム、ルフェヌロン、フィプロニル、ミルベマイシン オキシム、モキシデクチン、イベルメクチン、ピランテル、ミルベマイシン オキシム、ルフェヌロン、セラメクチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物をコンパニオンアニマルに経口投与することを含む、前記コンパニオンアニマルにおける疾患を治療する方法。
【請求項8】
前記疾患が、ノミ疾患、ダニ疾患、犬糸状虫疾患、細菌疾患、ウイルス疾患及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記液体組成物が毎日投与される、請求項7又は請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記液体組成物がペットフードと共に投与される、請求項7〜9のいずれか一項に記載の疾患を治療する方法。

【公表番号】特表2007−518741(P2007−518741A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549705(P2006−549705)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/001899
【国際公開番号】WO2005/072536
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(595056859)ザ・アイムス・カンパニー (52)
【氏名又は名称原語表記】The Iams Company
【Fターム(参考)】