200nm未満リソグラフィー用アダマンタン系分子性ガラスフォトレジスト
新規高性能フォトレジスト材料として、アセタール部分及び/又はエステル部分含有アダマンタン誘導体から生成される、ガラスフォトレジストを開示する。いくつかの本開示のアダマンタン系ガラスフォトレジストは三脚型構造を有しており、その他の開示のアダマンタン系ガラスフォトレジストは1個以上のコール酸基を含有している。本開示のアダマンタン誘導体は市販の出発材料から合成することができる。一例にすぎないが、多くの開示される非晶性ガラスフォトレジストの1つは下記の構造を有する:GR-5 アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリコーレート。
【化1】
【化1】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(技術分野)
200nm未満波長露光用のアセタール部分及び/又はエステル部分含有アダマンチン系非晶性ガラスフォトレジストが開示される。開示のフォトレジストによって、微細寸法におけるライン幅ラフネス(LWR)及びラインエッジラフネス(LER)のバラツキが減少する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
高速化性能の要求を満たすために、集積回路デバイスは益々小型化し続けている。より小さいという特徴を有する集積回路デバイスの製造は、半導体製造において従来使われている製造プロセスの多くに新たな難問をもたらしている。特に影響を受けている1つの製造プロセスがフォトリソグラフィーである。
【0003】
半導体フォトリソグラフィーにおいては、フォトレジストの形態をした感光フィルムが、基板に画像を転写するために使われる。フォトレジストの塗布層は基板上に形成され、次いでそのフォトレジスト層はフォトマスクを介して活性化放射線源に露出される。フォトマスクは、活性化放射線に対して不透明な領域と活性化放射線に対して透明な他の領域とを有する。活性化放射線を照射することによってフォトレジスト塗布膜の光誘起化学変換が生じ、それによってフォトマスクのパターンがフォトレジスト塗布基板に転写される。露光の後、フォトレジストは現像され、基板の選択的プロセッシングを可能にするレリーフ画像を提供する。
【0004】
フォトレジストはポジ型であってもネガ型であってもよい。ネガ型フォトレジストを用いると、活性化放射線に露光される塗布層部分は、フォトレジスト組成物の光活性化合物と重合性試薬との間の反応において重合又は架橋する。その結果、ネガ型フォトレジストの露光部分は、非露光部分に比べて現像液に対して溶解性が低下する。対照的に、ポジ型フォトレジストを用いると、非露光領域が現像液に対して溶解性が低いままであるのに対し、露光部分は現像液に対して溶解性が増大する。
【0005】
化学増幅型レジストは、サブミクロン画像形成用及びその他の高性能微細寸法用途に使われる。化学増幅型フォトレジストはネガ型であってもポジ型であってもよく、一般に、光生成酸(PGA)の単位当たりに多くの架橋事象(ネガ型レジストの場合)又は脱保護反応(ポジ型レジストの場合)を含む。ポジ型化学増幅型レジストの場合、ある種のカチオン性光重合開始剤は、フォトレジストバインダー由来のある種の「ブロック」基の開裂、又はフォトレジストバインダー主鎖を含むある種の基の開裂を誘起するために使われてきた。化学増幅型フォトレジスト層の露光によってブロック基が開裂するとただちに、極性官能基、例えばカルボキシル基又はイミド基が形成され、これによってフォトレジスト層の露光領域及び非露光領域において異なる溶解特性が生じることになる。
【0006】
現在入手可能なフォトレジストは多くの用途に好適であるが、重大な欠点を有しており、特に、0.5ミクロン未満(<0.5μm)パターン及び0.25ミクロン未満(<0.25μm)パターンの形成などの高性能用途において重大な欠点を有している。現在入手可能なフォトレジストは通常、G線(436nm)、I線(365nm)及びKrFレーザー(248nm)などの比較的長波長における画像形成用に設計されており、200nm未満などの短波長における画像形成には一般に不向きである。248nm露光で効果的なレジストなどの比較的短波長レジストでさえ、193nmなどの200nm未満の露光には概して不向きである。例えば、現時のフォトレジストは193nmなどの短い露光波長に対して非常に不透明であることがあり、そのため解像度の低い画像が得られることになる。
【0007】
また、より微細なパターン(<0.50又は<0.25)形成のためにさらに短い波長が必要とされているので、上記のような短い露光波長の使用が増していくことは必然的なことである。したがって、193nm露光で高解像度の画像を生じるようなフォトレジストがあれば、回路パターンの小型化、回路密度の増加及び回路性能向上の要求に応える小型フィーチャ(<0.25μm)の形成が可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
その結果、ArF露光ツール(193nm)と共に使用するための改良されたフォトレジストが必要であり、したがって、193nm波長(ArF露光ツールによって提供される)などの200nm以下の露光放射光を含めた短波長放射光を用いて光画像形成することができるフォトレジストを見出すべく研究が進行中である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(開示の要旨)
新規高性能フォトレジスト材料である、アセタール部分及び/又はエステル部分含有アダマンタン誘導体から生成されるガラスフォトレジストが開示される。用語「アセタール部分及び/又はエステル部分」とは、本明細書において(これ以後)、少なくとも1個のアセタール部分、又は少なくとも1個のエステル部分、又は少なくとも1個のアセタール部分と少なくとも1個のエステル部分との組合せ、又は1個以上のアセタール部分と1個以上のエステル部分との組合せを意味する。
【0010】
1つの改良において、アダマンタンをコアとする三脚型構造の誘導体も開示される。代替として、4分岐構造が開示され、且つ4を上回る分岐も視野にいれている。
開示のアダマンタン誘導体は、市販の出発材料から合成することができる。
1つの改良において、ガラスフォトレジストは、下記の一般構造並びにその他のアセタール部分及び/又はエステル部分含有アダマンタン系構造から選択することができる:
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
及び
【化10】
【0021】
また、その他のアセタール部分及び/又はエステル部分含有アダマンタン構造は当業者には明らかであろうし、上記リストがそれら全てを網羅しているということではない。
本開示のフォトレジストガラスは、下記物質から成る群から選択される前駆物質:
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
及び
【化17】
【0028】
並びにこれらに限らないが、下記物質を含めた市販の材料
【化18】
【0029】
【化19】
【0030】
【化20】
【0031】
及び
【化21】
から合成することができる。
【0032】
前記前駆物質を非晶性ガラスフォトレジストに変換するために使われる試薬としては、トリエチルアミン(TEA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びn-ブチルリチウムが挙げられる。
非市販品前駆物質(2.1.1〜2.1.7)の合成については後に説明する。また、アセタール部分及び/又はエステル部分含有アダマンタン系ガラスを合成するためのその他の可能な前駆物質は当業者には明らかであろうし、上記リストがそれら全てを網羅しているということではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(現在好ましい実施態様の詳細な説明)
本開示内容は、室温を上回る温度で安定なガラスを形成する低分子量フォトレジスト材料に関わる。本開示のフォトレジストは、パターン加工寸法が減少するにつれ、従来の線状ポリマーに比べて幾つかの長所を提供する。第1に、本開示の材料は非晶性であって低分子量である。その結果、それら材料には鎖のからみ合いがない。本開示の材料は、分子の大きさが比較的小さく立体的に嵩高い周辺分子の密度が比較的高いため、本開示のフォトレジストは、微細寸法におけるライン幅ラフネス(LWR)及びラインエッジラフネス(LER)のバラツキが減少することが期待される。
【0034】
さらに、分子の大きさが小さく均一であるため、加工性、柔軟性、透明性及び均一な解像特性に優れる。193nm露光又は193nm液浸露光用に使われるいかなるフォトレジスト材料も、高いプラズマエッチング耐性を有し、より高いリソグラフィー性能のための優れた光学特性及び材料特性を有していなければならない。レジスト中の炭素の水素に対する割合が高いこと及びレジスト中の非芳香族基が、エッチング耐性及び透明性を向上させる。結果として、本開示のアセタール部分及びエステル部分含有低分子量アダマンタン誘導体は、フォトレジスト材料として高い性能を付与する。特に、三脚型構造を有するアダマンタンコア誘導体が特に効果的であることを以下に示す。それらの幾つかの例は、120℃を上回る高いガラス転移温度(Tg)(図1)と、ポジ型リソグラフィーのラインアンドスペースパターンにおいて200nmという微細な画像加工寸法(図7)を示した。さらに、高いプラズマエッチング耐性と高い線量感度が確認された(図9〜11)。
【0035】
上記のように、非晶性ガラスフォトレジストはアダマンタン系である。これらフォトレジストの合成において使われる、式2.1.1〜2.1.7で表される非市販品である前駆物質は、以下のように順次、合成される。
【0036】
(分子性ガラスレジスト用前駆物質の合成)
【実施例】
【0037】
式2.1.1:
【化22】
【0038】
アダマンタントリオール[917mg、5.0mmol]を室温にて20%発煙硫酸[50mL]に溶解した。この溶液を攪拌し、50℃で加熱した。前記溶液にギ酸[10mL、265mmol]を50分掛けて滴下すると、激しく気体が発生し溶液は淡黄色に変化した。16時間攪拌した後、この溶液を水[400mL]に添加すると、徐々に白色の沈殿物が生じた。この混合物をガラスフィルターを通してろ過し、水[50mL]で3回洗浄した。洗浄した白色の沈殿物を真空内で乾燥すると、白色の粉末が得られた[679mg、2,5mmol、単離収率:50.9%]。1H-NMR: 1.70 (s, 6H), 1.76 (d, J=13.2Hz, 3H), 1.86 (d, J=12.6Hz, 3H), 2.17 (s, 1H), 12.3 (br-s, 3H). 13C-NMR: 27.54, 36.84, 39.07, 40.31, 177.37.
【0039】
式2.1.2:
【化23】
【0040】
窒素雰囲気下、1,3,5-アダマンタントリカルボン酸[4288mg、16.0mmol](式2.1.1)の粉末に塩化チオニル[30.0mL、411mmol]を添加した。生じたスラリーを徐々に溶解して褐色の溶液とした。次いで、この溶液を3時間加熱還流した。余分な塩化チオニルは、真空内90℃でバルブツーバルブ技術によって蒸発させた。これ以上の精製は行わずに生成物を真空内で乾燥すると、白褐色の結晶が得られた[4158mg、12.8mmol、単離収率:80.4%]。1H-NMR: 2.00 (d, J=1.8Hz, 6H), 2.18 (d, J=12.9Hz, 3H), 2.28 (d, J=12.7Hz, 3H), 2.56 (五重線, J=3.0Hz, 1H). 13C-NMR: 27.79, 36.73, 38.99, 51.29, 177.33.
【0041】
式2.1.3:
【化24】
【0042】
ジメチルスルホキシド[120mL、1691mmol]と無水酢酸[60mL、636mmol]との混合物に1,3,5-アダマンタントリオール[11.06g、60.0mmol]を溶解した。この溶液を20時間攪拌し、次いでNaOH水溶液[100mL、NaOHとして49.40g、1235mmol]に添加した。この混合物をジエチルエーテル[100mL]で4回抽出した。抽出した溶液を飽和NaCl水溶液[30mL]で3回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。真空内120℃で揮発分(volatility)を蒸留すると、残液として無色透明の油が得られた[8.09g、22.2mmol、単離収率:37.0%]。1H-NMR: 1.48〜1.55 (m, 3H), 1.56〜1.65 (m, 6H), 1.71〜1.76 (m, 3H), 2.11 (s, 9H), 2.16 (s, 1H), 4.52 (s, 6H). 13C-NMR: 14.19, 29.06, 42.76, 48.26, 66.28, 76.30.
【0043】
式2.1.4:
【化25】
【0044】
窒素雰囲気下、乾燥ジクロロメタン[30mL]に1,3,5-トリス(メチルチオメトキシ)アダマンタン[8.09g、22.2mmol]を溶解した。窒素雰囲気下、乾燥ジクロロメタン[20mL]で塩化チオニル[7.0mL、96.2mmol]を希釈し、次いでこの希釈液を前記溶液に5分掛けて滴下した。溶液は白黄色のスラリーとなって5分間発熱した。しばらくして、前記溶液は黄色の透明な溶液となり40分間気体を発生した。この溶液を合計3時間攪拌し、余分な塩化チオニルは真空内90℃でバルブツーバルブ技術によって蒸発させた。これ以上の精製は行わずに生成物を真空内で乾燥すると、粘性の高い黄色の油の生成物が得られた[7.40g、22.4mmol、単離収量]。1H-NMR: 1.81 (d, J=3.3Hz), 2.04 (s, 6H), 2.28 (s, 1H), 5.60 (s, 6H). 13C-NMR: 28.81, 39.09, 45.25, 75.67, 78.71.
式2.1.5:
【化26】
【0045】
窒素雰囲気下、コール酸[8.46g、20.7mmol]と2-(クロロメトキシ)アダマンタン(出光興産株式会社製「アダマンテートAOMC-2」)[4.57g、22.8mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[60mL]に溶解した。透明な溶液になった後、その溶液にトリエチルアミン[4.7mL、33.7mmol]を滴下すると、白色の沈殿物を形成し発熱を生じた。16時間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテル[100mL]で3回抽出した。抽出した溶液をただちに濃縮し、ジエチルエーテルを添加した。次いで、この溶液を水[50mL]で3回洗浄し、飽和NaCl水溶液[50mL]で1回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。真空内で乾燥すると、白色粉末の生成物が得られた[11.15g、19.5mmol、単離収率:94.0%]。1H-NMR: 0.67 (s, 3H), 0.88 (s, 3H), 0.98 (d, J=6.3Hz, 3H), 1.05〜2.45 (m, 36H), 2.65 (br-s, 3H), 3.39〜3.49 (m, 2H), 3.72〜3.76 (m, 2H), 3.84 (m, 1H), 3.96 (m, 1H), 5.35 (s, 2H). 13C-NMR: 12.40, 17.26, 22.46, 23.20, 25.58, 26.41, 27.09, 27.28, 27.45, 28.19, 30.40, 30.70, 31.35, 31.50, 32.37, 34.60, 34.71, 35.20, 36.46, 37.42, 39.47, 41.42, 41.72, 46.43, 47.07, 67.94, 68.43, 71.93, 73.03, 82.34, 87.70, 173.90.
【0046】
式2.1.6:
【化27】
【0047】
窒素雰囲気下、コール酸[8.17g、20.0mmol]と2-メチル-2-アダマンチルブロモアセテート(出光興産株式会社製「アダマンテートBRMM」)[6.32g、22.0mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[60mL]に溶解した。透明な溶液になった後、その溶液にトリエチルアミン[4.1mL、29.4mmol]を滴下すると、徐々に白色の沈殿物が生じた。沈殿が進行しているため、溶液をわずかに攪拌した。次いで、ジエチルエーテル[20mL]を添加した。16時間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をただちに濃縮し、ジエチルエーテルを添加した。この混合物をジエチルエーテル[50mL]で3回抽出した。抽出した溶液を水[50mL]で3回洗浄し、飽和NaCl水溶液[50mL]で1回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。次いで、この無色透明の油を、ジエチルエーテル/n-ヘキサン系の再沈殿により精製した。最後に、真空内で乾燥すると、白色の粉末が得られた[6.04g、9.8mmol、単離収率:49.1%]。1H-NMR: 0.66 (s, 3H), 0.87 (s, 3H), 0.97 (d, J=6.0Hz, 3H), 1.21〜1.57 (m, 10H), 1.61 (s, 3H), 1.69〜2.52 (m, 26H), 2.81 (br-s, 3H), 3.38〜3.48 (m, 1H), 3.71〜3.79 (m, 2H), 3.83 (m, 1H), 3.94 (m, 1H), 4.53 (s, 2H). 13C-NMR: 12.43, 17.29, 22.03, 22.26, 22.43, 23.18, 25.56, 26.35, 26.49, 27.19, 27.41, 27.50, 28.15, 30.35, 30.61, 30.78, 32.86, 34.44, 34.60, 34.71, 35.16, 35.21, 36.06, 36.16, 38.00, 39.45, 41.43, 41.64, 46.41, 46.92, 60.89, 67.92, 68.41, 71.94, 73.00, 89.08, 166.62, 173.58.
【0048】
式2.1.7:
【化28】
【0049】
窒素雰囲気下、2-アダマンタノン[9.01g、60mmol]とD-(+)-ガラクトース[5.41、30mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[90mL]に溶解した。この溶液に塩化亜鉛[16.41g、120mmol]を添加すると、わずかに発熱した。前記溶液に98%硫酸[1.5mL]を添加すると、徐々に白色のスラリーから透明な溶液になった。20時間攪拌した後、反応物をK2CO3水溶液[100mL、K2CO3として33.40g、242mmol]で急冷した。この混合物をテトラヒドロフラン[200mL]で3回抽出した。抽出した溶液を飽和NaCl水溶液[50mL]で3回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。テトラヒドロフランから再結晶化すると、白色の粉末が得られた[9.31g、20.9mmol、単離収率:69.8%]。1H-NMR: 1.52〜2.23 (m, 28H), 3.69〜3.81 (m, 2H), 3.82〜3.94 (m, 2H), 4.27 (dd, J=1.6Hz, 7.9Hz, 1H), 4.37 (dd, J=5.0Hz, 2.4Hz, 1H), 4.64 (dd, J=2.4Hz, 7.9Hz, 1H), 5.58 (d, J=5.0Hz, 1H). 13C-NMR: 26.59, 26.76, 26.84, 26.89, 34.06, 34.36, 34.55, 34.58, 34.83, 34.91, 34.96, 35.00, 35.27, 36.89, 36.96, 37.07, 37.23, 62.59, 67.94, 70.08, 70.43, 71.28, 95.79, 111.55, 112.39.
【0050】
首尾よく合成された非晶性ガラスフォトレジストとしては
【化29】
が挙げられる。
【0051】
(ガラスフォトレジストの合成)
GR-1からGR-10の合成手順は以下の通りである。
【0052】
トリ(2-アダマンチルオキシメチルコーレート)-3-イルアダマンタン-1,3,5-トリカルボキシレート(式GR-1):
【化30】
【0053】
窒素雰囲気下、1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリド[162mg、0.50mmol](式2.1.2)と(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレート[945mg、1.65mmol](式2.1.6)を、乾燥テトラヒドロフラン[10mL]に溶解した。トリエチルアミン[0.31mL、2.25mmol]を滴下すると、白色の沈殿物が生じた。20時間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物を酢酸エチル[30mL]で3回抽出した。抽出した溶液を飽和NaCl水溶液[30mL]で1回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。真空内で乾燥すると、白色の粉末である生成物が得られた[984mg、0.51mmol、単離収量]。1H-NMR: 0.66 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.97 (d, J=5.4Hz, 9H), 1.05〜2.45 (m, 121H), 2.95〜3.55 (m, 12H), 3.72 (m, 3H), 3.83 (m, 3H), 3.96 (m, 3H), 4.54 (m, 3H), 5.34 (s, 6H). 13C-NMR: 12.41, 14.14, 17.21, 21.00, 22.42, 23.17, 26.31, 26.57, 27.05, 27.24, 27.44, 28.09, 30.32, 30.66, 31.31, 31.47, 31.58, 32.33, 34.60, 34.68, 34.86, 35.20, 36.42, 36.55, 37.38, 37.52, 39.04, 39.40, 40.95, 41.17, 41.39, 41.62, 41.97, 46.37, 46.41, 47.01, 47.14, 60.35, 68.18, 68.26, 68.41, 71.85, 72.22, 72.88, 73.04, 82.34, 87.65, 173.92, 175.60, 175, 64, 175.87. MALDI/TOF-MS:1954 (78%, M+-H++Na+), 1400 (100%)。
【0054】
リ{[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチルコーレート}-3-イルアダマンタン-1,3,5-トリカルボキシレート(式GR-2):
【化31】
【0055】
窒素雰囲気下、1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリド[162mg、0.50mmol](式2.1.2)と[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチルコーレート[1015mg、1.65mmol](式2.1.6)を、乾燥テトラヒドロフラン[10mL]に溶解した。トリエチルアミン[0.31mL、2.25mmol]を滴下すると、白色の沈殿物が生じた。20時間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物を酢酸エチル[30mL]で3回抽出した。抽出した溶液を飽和NaCl水溶液[30mL]で1回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。真空内で乾燥すると、白色の粉末である生成物が得られた[569mg、0.28mmol、単離収率:55.2%]。1H-NMR: 0.69 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.99 (d, J=5.6Hz, 9H), 1.20〜1.61 (m, 91H), 1.63 (s, 9H), 1.64〜2.40 (m, 33H), 2.65 (br-s, 6H), 3.42〜3.52 (m, 3H), 3.86 (m, 3H), 3.99 (m, 3H), 4.02 (m, 3H), 4.55 (s, 6H). 13C-NMR: 12.41, 17.25, 22.13, 22.24, 22.42, 23.16, 26.47, 27.15, 27.39, 27.91, 28.11, 28.34, 30.24, 30.33, 30.57, 30.73, 32.86, 34.43, 34.67, 34.77, 35.12, 35.21, 36.03, 36.14, 37.93, 37.98, 39.36, 39.41, 40.93, 41.03, 41.16, 41.41, 41.66, 41.85, 46.39, 46.91, 47.04, 60.88, 68.15, 68.40, 71.91, 72.85, 73.01, 74.12, 89.10, 89.76, 166.63, 173.58, 175.54, 175.64, 175.89.
【0056】
1,2,3,4,6-ペンタ-O-(2-アダマンチルオキシメチル)-α-D-グルコース(式GR-3):
【化32】
【0057】
窒素雰囲気下、D-(+)-グルコース[180mg、1.0mmol]と2-(クロロメトキシ)アダマンタン(出光興産株式会社製「アダマンテートAOMC-2」)[1104mg、5.5mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[10mL]及びジメチルスルホキシド[5mL]に溶解した。この溶液にK2CO3[1037mg、7.5mmol]を添加した。18時間攪拌した後、前記溶液にトリエチルアミン[1.05mL、7.5mmol]を添加した。1日攪拌した後、生成した沈殿物をろ紙でろ過した。蒸発の後、溶液にジエチルエーテルを添加すると、溶液は2層に分離した。この溶液を合計6回水[50mL]で洗浄し、無水K2CO3で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。真空内で乾燥すると、白色の粉末である生成物が得られた[843mg、0.84mmol、単離収率:84.3%]。1H-NMR: 1.37〜2.18 (m, 70H), 3.27〜4.11 (m, 11H), 4.51〜5.40 (m, 11H). MALDI/TOF-MS: 787 (100%).
【0058】
1,2,3,4,6-ペンタ-O-{[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチル}-α-D-グルコース(式GR-4):
【化33】
【0059】
式GR-3用の上記条件と同じ条件で、2-(クロロメトキシ)アダマンタンの代わりに2-メチル-2-アダマンチルブロモアセテート(出光興産株式会社製「アダマンテートBRMM」)[1580mg、5.5mmol]を使った。最後に、高粘性の油である生成物が得られた[290mg、0.24mmol、単離収率:24.0%]。1H-NMR: 1.49〜2.35 (m, 70H), 1.64 (s, 15H), 3.69〜3.93 (m, 3H), 4.08 (s, 10H), 4.13〜4.24 (m, 2H), 4.53〜4.61 (m, 2H).
【0060】
アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリコーレート(式GR-5):
【化34】
【0061】
窒素雰囲気下、1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタン[1366mg、4.14mmol](式2.1.4)とコール酸[5079mg、12.4mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[40mL]に溶解した。トリエチルアミン[2.30mL、16.5mmol]を滴下すると、白色の沈殿物が生じた。5日間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテル[50mL]で3回抽出した。抽出した溶液を飽和NaCl水溶液[30mL]で3回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。この粗混合物をテトラヒドロフラン/ジエチルエーテル系から再沈殿させ、真空内で乾燥すると白色の粉末である生成物が得られた[2288mg、1.58mmol、単離収率:38.2%]。1H-NMR: 0.68 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 1.00 (br-s, 9H), 1.26〜2.55 (m, 79H), 3.41 (br-s, 15H), 3.84 (br-s, 3H), 3.97 (br-s, 3H), 4.89 (m, 3H), 5.37 (s, 6H). 13C-NMR: 12.27, 16.79, 22.55, 22.74, 26.14, 27.26, 28.46, 30.34, 30.51, 31.04, 34.32, 34.81, 34.92, 35.25, 38.59, 38.87, 39.15, 39.43, 39.71, 39.99, 40.27, 41.30, 41.45, 45.71, 46.12, 66.18, 70.37, 70.93, 76.59, 82.01, 172.64. MALDI/TOF-MS: 1169 (46%), 1139 (100%), 821 (50%), 791 (90%).
【0062】
アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリ-3-(2-アダマンチルオキシメトキシ)コーレート(式GR-6):
【化35】
【0063】
窒素雰囲気下、アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリコーレート(式GR-5)[723mg、0.50mmol]と2-(クロロメトキシ)アダマンタン(出光興産株式会社製「アダマンテートAOMC-2」)[1010mg、5.03mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[10mL]に溶解した。トリエチルアミン[1.90mL、13.6mmol]を滴下すると、ただちに白色の沈殿物が生じた。21時間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテルとテトラヒドロフランの混合物[50mL]で3回抽出した。抽出した溶液を飽和NaCl水溶液[30mL]で2回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。この粗混合物をテトラヒドロフラン/ジエチルエーテル系から再沈殿させ、真空内で乾燥すると白色の粉末である生成物が得られた[334mg、0.17mmol、単離収率:34.5%]。1H-NMR: 0.66 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.97 (d, J=3.7Hz, 9H), 1.24〜2.61 (m, 121H), 3.34 (br-s, 12H), 3.73 (br-s, 3H), 3.82 (br-s, 3H), 3.95 (br-s, 3H), 4.77 (s, 6H), 4.88 (m, 3H), 5.36 (s, 6H).
【0064】
トリ(2-メチル-2-アダマンチル)アダマンタン-1,3,5-トリカルボキシレート(式GR-7):
【化36】
【0065】
窒素雰囲気下、1.6Mのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液を、2-メチル-2-アダマンタノール[2494mg、15.0mmol]の乾燥テトラヒドロフラン[20mL]溶液に添加すると、溶液は徐々に白色のスラリーになった。1.5時間攪拌した後、この溶液に1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリド[1618mg、5.0mmol](式2.1.2)の乾燥テトラヒドロフラン[10mL]溶液をカニューレで滴下した。20時間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテル[50mL]で3回抽出した。抽出した溶液を水[50mL]で2回、飽和NaCl水溶液[30mL]で1回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。流出液としてジエチルエーテル/n-ヘキサン[1/1]を使い、該混合物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、真空内で乾燥すると白色の結晶である生成物が得られた[2498、3.50mmol、単離収率:70.1%]。1H-NMR: 1.52 (br, 3H), 1.56 (s, 10H), 1.69 (br, 9H), 1.71〜1.87 (m, 21H), 1.88 (br, 3H), 1.96 (br, 3H), 2.01 (br, 9H), 2.29 (br, 6H). 13C-NMR: 22.21, 26.70, 27.31, 28.24, 33.05, 34.49, 36.17, 37.41, 38.13, 39.73, 42.36, 86.70, 175.00.
【0066】
1,3,5-トリ[(2-アダマンチルオキシメチルコーレート)-3-オキシメチルオキシ]アダマンタン(式GR-8):
【化37】
【0067】
窒素雰囲気下、1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタン[665mg、2.02mmol](式2.1.4)と(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレート[3468mg、6.05mmol](式2.1.5)を、乾燥テトラヒドロフラン[30mL]に溶解した。トリエチルアミン[1.1mL、7.89mmol]を滴下すると、白色の沈殿物が生じた。2日間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテル[70mL]に添加し、有機層を分離した。水性層をジエチルエーテルとテトラヒドロフランの混合物[30mL]で2回抽出した。有機溶液の全部を飽和NaCl水溶液[30mL]で2回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。この粗混合物をテトラヒドロフラン/n-ヘキサン系から再沈殿させ、真空内で乾燥すると白色の粉末である生成物が得られた[2322mg、1.20mmol、単離収率:59.4%]。1H-NMR: 0.66 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.97 (d, J=5.9Hz, 9H), 1.18〜2.45 (m, 121H), 3.16〜3.68 (m, 12H), 3.68〜3.79 (m, 6H), 3.83 (m, 3H), 3.96 (m, 3H), 4.61〜4.98 (m, 6H), 5.35 (s, 6H).
【0068】
1,3,5-トリ{[1,2:3,4-ジ-O-(2,2-アダマンチリデン)-α-D-ガラクトピラノース]-6-オキシメチルオキシ}アダマンタン(式GR-9):
【化38】
【0069】
窒素雰囲気下、1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタン[2104mg、6.38mmol]と1,2:3,4-ジ-O-(2,2-アダマンチリデン)-α-D-ガラクトピラノース[8507mg、19.14mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[150mL]に溶解した。トリエチルアミン[3.5mL、25.1mmol]を滴下すると、徐々に白色の沈殿物が生じた。4日間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテル[50mL]とテトラヒドロフラン[50mL]に添加した。この混合物を飽和NaCl水溶液[30mL]で3回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。この粗混合物をクロロホルム/メタノール系から再沈殿させ、真空内で乾燥すると白色の粉末である生成物が得られた[2683mg、1.73mmol、単離収率:27.1%]。1H-NMR: 1.49〜2.25 (m, 97H), 3.52〜3.70 (m, 3H), 3.81〜4.01 (m, 6H), 4.24 (d, J=8.0Hz, 3H), 4.34 (d, J=2.4Hz, 3H), 4.64 (d, J=7.8Hz, 3H), 4.76 (d, J=7.6Hz, 3H), 4.91 (d, J=7.6Hz, 3H), 5.54 (d, J=4.9Hz, 3H). 13C-NMR: 26.62, 26.80, 26.91, 30.69, 34.04, 34.53, 34.60, 34.89, 35.08, 35.27, 36.92, 37.01, 37.06, 37.26, 39.50, 39.73, 40.33, 45.18, 45.75, 46.46, 51.18, 51.46, 65.82, 66.42, 66.50, 70.07, 70.33, 70.52, 75.74, 75.84, 89.28, 95.83, 111.32, 111.38, 112.02, 112.07.
【0070】
1,3,5-トリ(2-アダマンチルオキシメチル)アダマンタン(式GR-10):
【化39】
【0071】
1,3,5-アダマンタントリオール[372mg、2.0mmol]を乾燥ジメチルホルムアミド[10mL]に溶解した。2-(クロロメトキシ)アダマンタン(出光興産株式会社製「アダマンテートAOMC-2」)[1325mg、6.6mmol]をこの溶液に添加すると、溶液は白色のスラリーになった。トリエチルアミン[1.25mL、9.0mmol]を滴下すると、ただちに白色の沈殿物が生じた。4日間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテル[30mL]で3回抽出した。抽出した溶液を水[30mL]で3回、飽和NaCl水溶液[30mL]で1回洗浄した後、無水K2CO3で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。この粗混合物をクロロホルム/n-ヘキサン系から再沈殿させ、真空内で乾燥すると白色の粉末である生成物が得られた[261mg、0.39mmol、単離収率:19.1%]。1H-NMR: 1.39〜2.15 (m, 55H), 3.76 (s, 3H), 4.86 (s, 6H). 13C-NMR: 27.24, 27.33, 29.60, 31.53, 31.57, 31.93, 31.96, 32.11, 36.41, 36.57, 40.00, 42.73, 49.14, 51.89, 70.91, 75.89, 78.91, 86.41.
【0072】
(全般的特性)
本開示のフォトレジストの193nmリソグラフィーにおける性能を調べるために、GR-1からGR-10までの各ガラスレジストを評価し、その結果を図1に表で示す。図1に示すように、各材料は室温を上回る温度で安定なガラスを形成する。GR-1、GR-2、GR-5及びGR-9は、100℃を超える温度で安定なガラスを形成する。GR-3とGR-4は、グルコース又はガラクトースなどのモノサッカロースから合成した。その結果、それらの非対称型コア及び非コール酸的構造のために低いTgを示し、又は油状を呈する。GR-9もまたモノサッカロースから作ったが、このモノサッカロースは三脚型構造のサイドアームとして使った。その結果、GR-9は高いTgを示す。
【0073】
熱的特性を調べた後(以下の図2〜5の考察を参照のこと)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)及び乳酸エチル(EL)などの一般的なリソグラフィー用溶媒中における溶解性を評価し、図1に示す結果を得た。光酸発生剤(PAG)を含むガラスレジストの溶液を予備DUV露光テストで調べ、TMAH溶液で現像の後それらの基本的なパターン形成を観察した。パターン形成結果の観察情報も図1に示してある。
(熱的特性)
前記分子性ガラスレジストを、示差走査熱量測定(DSC)及び熱重量分析(TGA)によって調べた。典型的なDSC及びTGA曲線の一部を図2〜5に示す。保護基の分解によると思われる減量が、150℃を超える温度で認められる。2回目の加熱の間にTgは100℃を上回っていた。
【0074】
(リソグラフィーの評価)
GR-1からGR-10までの各ガラスレジストの予備評価条件を図6に記載する。各サンプルウェハは以下のように作成した。光酸発生剤(PAG)を含有するガラスレジストのろ過溶液を、下塗りしていないシリコンウェハに塗布した。スピンコーティングした後、前記ウェハをホットプレート上で事前ベーキング(PAB)し、次いでテストパターンマスクを介して深UV光源により露光した。露光ウェハを露光後ベーキング(PEB)し、現像した。
【0075】
PGMEA又はELなどの標準的溶媒に溶解するガラスレジストは、全て首尾よく膜形成できた。しかし、過剰なアダマンチル保護による分子間斥力のために、プライマーとしてヘキサメチルジシラザン(HMDS)を使っても、GR-3は膜形成が困難であった。0.26mol/LというTMHA溶液の標準的濃度は、一部のガラスレジストには強すぎた。GR-5の場合、1:16希釈TMAH溶液が最適な現像用濃度範囲であった。電子線リソグラフィーによって、GR-5はラインアンドスペースパターンにおいて200nmという微細な加工寸法を表示する、GR-5の画像を図7に示す。
【0076】
(露光感度)
GR-5の露光感度を図8に表す。GR-5膜を、アダマンタンコアと三脚型構造との間の開裂結合として、アセタール構造によって結合されていた。コール酸などの巨大な保護基のために、結果として、GR-5は、図8において明らかなような高い露光感度を示した。
(エッチング耐性)
本開示のガラスレジストは、からみ合ったかご型構造のために高いエッチング耐性が期待されてきた。GR-1及びGR-5のエッチング速度を、CHF3/O2雰囲気下で調べた。図9〜11はそれらの優れた性能を示している。また、エッチング速度とOhnishiパラメータとの間の相関関係を図11に示す。
【0077】
三脚型構造を有する又は有していない、アダマンタン並びにアセタール部分及び/又はエステル部分を含有する新規ガラスレジストは、193nmポジ型リソグラフィー用に設計され本研究において合成されたものである。幾つかのガラスレジストでは多くの特性のつり合いがうまくとれていた。アセタール保護基を有する三脚型構造は、高い露光感度、効果的なエッチング耐性及び優れた熱安定性を示した。これらガラスレジストは、DUV露光テスト及び電子線リソグラフィーにより高い解像度で画像を形成した。
本発明に関するこれまでの記載は単に本発明を説明しようとするものであって、上記の特許請求の範囲に記載されるような本発明の精神及び範囲を逸脱せずに変更及び改変を加えることが可能であることを理解されたい。構造改変及びプロセス条件の更なる可能性があり得ることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0078】
本開示のフォトレジスト、合成方法及びリソグラフィー法は、下記の図面と併せて以下にさらに詳しく説明する。
【図1】本開示の10のフォトレジストの物理的特性を示す表である。
【図2】式GR-1で説明されるフォトレジストの熱的特性を示すグラフである。
【図3】式GR-2で説明されるフォトレジストの熱的特性を示すグラフである。
【図4】式GR-5で説明されるフォトレジストの熱的特性を示すグラフである。
【0079】
【図5】式GR-9で説明されるフォトレジストの熱的特性を示すグラフである。
【図6】図7に示すパターン画像形成データの実験条件を示す表である。
【図7】2枚の光学顕微鏡画像と1枚の200nmラインアンドスペースSEM画像を含む、式GR-5で説明されるフォトレジストの3枚の露光画像である。
【図8】式GR-5で説明されるフォトレジストの露光感度を示すグラフである。
【0080】
【図9】式GR-1及び式GR-5で説明されるフォトレジストのエッチング速度を示す表である。
【図10】式GR-1及び式GR-5で説明されるフォトレジストのエッチング速度を示すグラフである。
【図11】式GR-1及び式GR-5で説明されるフォトレジストのエッチング速度とOhnishiパラメータ(NT/NC-NO)との相関関係を示すグラフである。 本開示が本明細書に例示される特定の実施態様に限定されるものでないことは、当然理解されたい。
【技術分野】
【0001】
(背景)
(技術分野)
200nm未満波長露光用のアセタール部分及び/又はエステル部分含有アダマンチン系非晶性ガラスフォトレジストが開示される。開示のフォトレジストによって、微細寸法におけるライン幅ラフネス(LWR)及びラインエッジラフネス(LER)のバラツキが減少する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
高速化性能の要求を満たすために、集積回路デバイスは益々小型化し続けている。より小さいという特徴を有する集積回路デバイスの製造は、半導体製造において従来使われている製造プロセスの多くに新たな難問をもたらしている。特に影響を受けている1つの製造プロセスがフォトリソグラフィーである。
【0003】
半導体フォトリソグラフィーにおいては、フォトレジストの形態をした感光フィルムが、基板に画像を転写するために使われる。フォトレジストの塗布層は基板上に形成され、次いでそのフォトレジスト層はフォトマスクを介して活性化放射線源に露出される。フォトマスクは、活性化放射線に対して不透明な領域と活性化放射線に対して透明な他の領域とを有する。活性化放射線を照射することによってフォトレジスト塗布膜の光誘起化学変換が生じ、それによってフォトマスクのパターンがフォトレジスト塗布基板に転写される。露光の後、フォトレジストは現像され、基板の選択的プロセッシングを可能にするレリーフ画像を提供する。
【0004】
フォトレジストはポジ型であってもネガ型であってもよい。ネガ型フォトレジストを用いると、活性化放射線に露光される塗布層部分は、フォトレジスト組成物の光活性化合物と重合性試薬との間の反応において重合又は架橋する。その結果、ネガ型フォトレジストの露光部分は、非露光部分に比べて現像液に対して溶解性が低下する。対照的に、ポジ型フォトレジストを用いると、非露光領域が現像液に対して溶解性が低いままであるのに対し、露光部分は現像液に対して溶解性が増大する。
【0005】
化学増幅型レジストは、サブミクロン画像形成用及びその他の高性能微細寸法用途に使われる。化学増幅型フォトレジストはネガ型であってもポジ型であってもよく、一般に、光生成酸(PGA)の単位当たりに多くの架橋事象(ネガ型レジストの場合)又は脱保護反応(ポジ型レジストの場合)を含む。ポジ型化学増幅型レジストの場合、ある種のカチオン性光重合開始剤は、フォトレジストバインダー由来のある種の「ブロック」基の開裂、又はフォトレジストバインダー主鎖を含むある種の基の開裂を誘起するために使われてきた。化学増幅型フォトレジスト層の露光によってブロック基が開裂するとただちに、極性官能基、例えばカルボキシル基又はイミド基が形成され、これによってフォトレジスト層の露光領域及び非露光領域において異なる溶解特性が生じることになる。
【0006】
現在入手可能なフォトレジストは多くの用途に好適であるが、重大な欠点を有しており、特に、0.5ミクロン未満(<0.5μm)パターン及び0.25ミクロン未満(<0.25μm)パターンの形成などの高性能用途において重大な欠点を有している。現在入手可能なフォトレジストは通常、G線(436nm)、I線(365nm)及びKrFレーザー(248nm)などの比較的長波長における画像形成用に設計されており、200nm未満などの短波長における画像形成には一般に不向きである。248nm露光で効果的なレジストなどの比較的短波長レジストでさえ、193nmなどの200nm未満の露光には概して不向きである。例えば、現時のフォトレジストは193nmなどの短い露光波長に対して非常に不透明であることがあり、そのため解像度の低い画像が得られることになる。
【0007】
また、より微細なパターン(<0.50又は<0.25)形成のためにさらに短い波長が必要とされているので、上記のような短い露光波長の使用が増していくことは必然的なことである。したがって、193nm露光で高解像度の画像を生じるようなフォトレジストがあれば、回路パターンの小型化、回路密度の増加及び回路性能向上の要求に応える小型フィーチャ(<0.25μm)の形成が可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
その結果、ArF露光ツール(193nm)と共に使用するための改良されたフォトレジストが必要であり、したがって、193nm波長(ArF露光ツールによって提供される)などの200nm以下の露光放射光を含めた短波長放射光を用いて光画像形成することができるフォトレジストを見出すべく研究が進行中である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(開示の要旨)
新規高性能フォトレジスト材料である、アセタール部分及び/又はエステル部分含有アダマンタン誘導体から生成されるガラスフォトレジストが開示される。用語「アセタール部分及び/又はエステル部分」とは、本明細書において(これ以後)、少なくとも1個のアセタール部分、又は少なくとも1個のエステル部分、又は少なくとも1個のアセタール部分と少なくとも1個のエステル部分との組合せ、又は1個以上のアセタール部分と1個以上のエステル部分との組合せを意味する。
【0010】
1つの改良において、アダマンタンをコアとする三脚型構造の誘導体も開示される。代替として、4分岐構造が開示され、且つ4を上回る分岐も視野にいれている。
開示のアダマンタン誘導体は、市販の出発材料から合成することができる。
1つの改良において、ガラスフォトレジストは、下記の一般構造並びにその他のアセタール部分及び/又はエステル部分含有アダマンタン系構造から選択することができる:
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
及び
【化10】
【0021】
また、その他のアセタール部分及び/又はエステル部分含有アダマンタン構造は当業者には明らかであろうし、上記リストがそれら全てを網羅しているということではない。
本開示のフォトレジストガラスは、下記物質から成る群から選択される前駆物質:
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
及び
【化17】
【0028】
並びにこれらに限らないが、下記物質を含めた市販の材料
【化18】
【0029】
【化19】
【0030】
【化20】
【0031】
及び
【化21】
から合成することができる。
【0032】
前記前駆物質を非晶性ガラスフォトレジストに変換するために使われる試薬としては、トリエチルアミン(TEA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びn-ブチルリチウムが挙げられる。
非市販品前駆物質(2.1.1〜2.1.7)の合成については後に説明する。また、アセタール部分及び/又はエステル部分含有アダマンタン系ガラスを合成するためのその他の可能な前駆物質は当業者には明らかであろうし、上記リストがそれら全てを網羅しているということではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(現在好ましい実施態様の詳細な説明)
本開示内容は、室温を上回る温度で安定なガラスを形成する低分子量フォトレジスト材料に関わる。本開示のフォトレジストは、パターン加工寸法が減少するにつれ、従来の線状ポリマーに比べて幾つかの長所を提供する。第1に、本開示の材料は非晶性であって低分子量である。その結果、それら材料には鎖のからみ合いがない。本開示の材料は、分子の大きさが比較的小さく立体的に嵩高い周辺分子の密度が比較的高いため、本開示のフォトレジストは、微細寸法におけるライン幅ラフネス(LWR)及びラインエッジラフネス(LER)のバラツキが減少することが期待される。
【0034】
さらに、分子の大きさが小さく均一であるため、加工性、柔軟性、透明性及び均一な解像特性に優れる。193nm露光又は193nm液浸露光用に使われるいかなるフォトレジスト材料も、高いプラズマエッチング耐性を有し、より高いリソグラフィー性能のための優れた光学特性及び材料特性を有していなければならない。レジスト中の炭素の水素に対する割合が高いこと及びレジスト中の非芳香族基が、エッチング耐性及び透明性を向上させる。結果として、本開示のアセタール部分及びエステル部分含有低分子量アダマンタン誘導体は、フォトレジスト材料として高い性能を付与する。特に、三脚型構造を有するアダマンタンコア誘導体が特に効果的であることを以下に示す。それらの幾つかの例は、120℃を上回る高いガラス転移温度(Tg)(図1)と、ポジ型リソグラフィーのラインアンドスペースパターンにおいて200nmという微細な画像加工寸法(図7)を示した。さらに、高いプラズマエッチング耐性と高い線量感度が確認された(図9〜11)。
【0035】
上記のように、非晶性ガラスフォトレジストはアダマンタン系である。これらフォトレジストの合成において使われる、式2.1.1〜2.1.7で表される非市販品である前駆物質は、以下のように順次、合成される。
【0036】
(分子性ガラスレジスト用前駆物質の合成)
【実施例】
【0037】
式2.1.1:
【化22】
【0038】
アダマンタントリオール[917mg、5.0mmol]を室温にて20%発煙硫酸[50mL]に溶解した。この溶液を攪拌し、50℃で加熱した。前記溶液にギ酸[10mL、265mmol]を50分掛けて滴下すると、激しく気体が発生し溶液は淡黄色に変化した。16時間攪拌した後、この溶液を水[400mL]に添加すると、徐々に白色の沈殿物が生じた。この混合物をガラスフィルターを通してろ過し、水[50mL]で3回洗浄した。洗浄した白色の沈殿物を真空内で乾燥すると、白色の粉末が得られた[679mg、2,5mmol、単離収率:50.9%]。1H-NMR: 1.70 (s, 6H), 1.76 (d, J=13.2Hz, 3H), 1.86 (d, J=12.6Hz, 3H), 2.17 (s, 1H), 12.3 (br-s, 3H). 13C-NMR: 27.54, 36.84, 39.07, 40.31, 177.37.
【0039】
式2.1.2:
【化23】
【0040】
窒素雰囲気下、1,3,5-アダマンタントリカルボン酸[4288mg、16.0mmol](式2.1.1)の粉末に塩化チオニル[30.0mL、411mmol]を添加した。生じたスラリーを徐々に溶解して褐色の溶液とした。次いで、この溶液を3時間加熱還流した。余分な塩化チオニルは、真空内90℃でバルブツーバルブ技術によって蒸発させた。これ以上の精製は行わずに生成物を真空内で乾燥すると、白褐色の結晶が得られた[4158mg、12.8mmol、単離収率:80.4%]。1H-NMR: 2.00 (d, J=1.8Hz, 6H), 2.18 (d, J=12.9Hz, 3H), 2.28 (d, J=12.7Hz, 3H), 2.56 (五重線, J=3.0Hz, 1H). 13C-NMR: 27.79, 36.73, 38.99, 51.29, 177.33.
【0041】
式2.1.3:
【化24】
【0042】
ジメチルスルホキシド[120mL、1691mmol]と無水酢酸[60mL、636mmol]との混合物に1,3,5-アダマンタントリオール[11.06g、60.0mmol]を溶解した。この溶液を20時間攪拌し、次いでNaOH水溶液[100mL、NaOHとして49.40g、1235mmol]に添加した。この混合物をジエチルエーテル[100mL]で4回抽出した。抽出した溶液を飽和NaCl水溶液[30mL]で3回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。真空内120℃で揮発分(volatility)を蒸留すると、残液として無色透明の油が得られた[8.09g、22.2mmol、単離収率:37.0%]。1H-NMR: 1.48〜1.55 (m, 3H), 1.56〜1.65 (m, 6H), 1.71〜1.76 (m, 3H), 2.11 (s, 9H), 2.16 (s, 1H), 4.52 (s, 6H). 13C-NMR: 14.19, 29.06, 42.76, 48.26, 66.28, 76.30.
【0043】
式2.1.4:
【化25】
【0044】
窒素雰囲気下、乾燥ジクロロメタン[30mL]に1,3,5-トリス(メチルチオメトキシ)アダマンタン[8.09g、22.2mmol]を溶解した。窒素雰囲気下、乾燥ジクロロメタン[20mL]で塩化チオニル[7.0mL、96.2mmol]を希釈し、次いでこの希釈液を前記溶液に5分掛けて滴下した。溶液は白黄色のスラリーとなって5分間発熱した。しばらくして、前記溶液は黄色の透明な溶液となり40分間気体を発生した。この溶液を合計3時間攪拌し、余分な塩化チオニルは真空内90℃でバルブツーバルブ技術によって蒸発させた。これ以上の精製は行わずに生成物を真空内で乾燥すると、粘性の高い黄色の油の生成物が得られた[7.40g、22.4mmol、単離収量]。1H-NMR: 1.81 (d, J=3.3Hz), 2.04 (s, 6H), 2.28 (s, 1H), 5.60 (s, 6H). 13C-NMR: 28.81, 39.09, 45.25, 75.67, 78.71.
式2.1.5:
【化26】
【0045】
窒素雰囲気下、コール酸[8.46g、20.7mmol]と2-(クロロメトキシ)アダマンタン(出光興産株式会社製「アダマンテートAOMC-2」)[4.57g、22.8mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[60mL]に溶解した。透明な溶液になった後、その溶液にトリエチルアミン[4.7mL、33.7mmol]を滴下すると、白色の沈殿物を形成し発熱を生じた。16時間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテル[100mL]で3回抽出した。抽出した溶液をただちに濃縮し、ジエチルエーテルを添加した。次いで、この溶液を水[50mL]で3回洗浄し、飽和NaCl水溶液[50mL]で1回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。真空内で乾燥すると、白色粉末の生成物が得られた[11.15g、19.5mmol、単離収率:94.0%]。1H-NMR: 0.67 (s, 3H), 0.88 (s, 3H), 0.98 (d, J=6.3Hz, 3H), 1.05〜2.45 (m, 36H), 2.65 (br-s, 3H), 3.39〜3.49 (m, 2H), 3.72〜3.76 (m, 2H), 3.84 (m, 1H), 3.96 (m, 1H), 5.35 (s, 2H). 13C-NMR: 12.40, 17.26, 22.46, 23.20, 25.58, 26.41, 27.09, 27.28, 27.45, 28.19, 30.40, 30.70, 31.35, 31.50, 32.37, 34.60, 34.71, 35.20, 36.46, 37.42, 39.47, 41.42, 41.72, 46.43, 47.07, 67.94, 68.43, 71.93, 73.03, 82.34, 87.70, 173.90.
【0046】
式2.1.6:
【化27】
【0047】
窒素雰囲気下、コール酸[8.17g、20.0mmol]と2-メチル-2-アダマンチルブロモアセテート(出光興産株式会社製「アダマンテートBRMM」)[6.32g、22.0mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[60mL]に溶解した。透明な溶液になった後、その溶液にトリエチルアミン[4.1mL、29.4mmol]を滴下すると、徐々に白色の沈殿物が生じた。沈殿が進行しているため、溶液をわずかに攪拌した。次いで、ジエチルエーテル[20mL]を添加した。16時間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をただちに濃縮し、ジエチルエーテルを添加した。この混合物をジエチルエーテル[50mL]で3回抽出した。抽出した溶液を水[50mL]で3回洗浄し、飽和NaCl水溶液[50mL]で1回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。次いで、この無色透明の油を、ジエチルエーテル/n-ヘキサン系の再沈殿により精製した。最後に、真空内で乾燥すると、白色の粉末が得られた[6.04g、9.8mmol、単離収率:49.1%]。1H-NMR: 0.66 (s, 3H), 0.87 (s, 3H), 0.97 (d, J=6.0Hz, 3H), 1.21〜1.57 (m, 10H), 1.61 (s, 3H), 1.69〜2.52 (m, 26H), 2.81 (br-s, 3H), 3.38〜3.48 (m, 1H), 3.71〜3.79 (m, 2H), 3.83 (m, 1H), 3.94 (m, 1H), 4.53 (s, 2H). 13C-NMR: 12.43, 17.29, 22.03, 22.26, 22.43, 23.18, 25.56, 26.35, 26.49, 27.19, 27.41, 27.50, 28.15, 30.35, 30.61, 30.78, 32.86, 34.44, 34.60, 34.71, 35.16, 35.21, 36.06, 36.16, 38.00, 39.45, 41.43, 41.64, 46.41, 46.92, 60.89, 67.92, 68.41, 71.94, 73.00, 89.08, 166.62, 173.58.
【0048】
式2.1.7:
【化28】
【0049】
窒素雰囲気下、2-アダマンタノン[9.01g、60mmol]とD-(+)-ガラクトース[5.41、30mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[90mL]に溶解した。この溶液に塩化亜鉛[16.41g、120mmol]を添加すると、わずかに発熱した。前記溶液に98%硫酸[1.5mL]を添加すると、徐々に白色のスラリーから透明な溶液になった。20時間攪拌した後、反応物をK2CO3水溶液[100mL、K2CO3として33.40g、242mmol]で急冷した。この混合物をテトラヒドロフラン[200mL]で3回抽出した。抽出した溶液を飽和NaCl水溶液[50mL]で3回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。テトラヒドロフランから再結晶化すると、白色の粉末が得られた[9.31g、20.9mmol、単離収率:69.8%]。1H-NMR: 1.52〜2.23 (m, 28H), 3.69〜3.81 (m, 2H), 3.82〜3.94 (m, 2H), 4.27 (dd, J=1.6Hz, 7.9Hz, 1H), 4.37 (dd, J=5.0Hz, 2.4Hz, 1H), 4.64 (dd, J=2.4Hz, 7.9Hz, 1H), 5.58 (d, J=5.0Hz, 1H). 13C-NMR: 26.59, 26.76, 26.84, 26.89, 34.06, 34.36, 34.55, 34.58, 34.83, 34.91, 34.96, 35.00, 35.27, 36.89, 36.96, 37.07, 37.23, 62.59, 67.94, 70.08, 70.43, 71.28, 95.79, 111.55, 112.39.
【0050】
首尾よく合成された非晶性ガラスフォトレジストとしては
【化29】
が挙げられる。
【0051】
(ガラスフォトレジストの合成)
GR-1からGR-10の合成手順は以下の通りである。
【0052】
トリ(2-アダマンチルオキシメチルコーレート)-3-イルアダマンタン-1,3,5-トリカルボキシレート(式GR-1):
【化30】
【0053】
窒素雰囲気下、1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリド[162mg、0.50mmol](式2.1.2)と(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレート[945mg、1.65mmol](式2.1.6)を、乾燥テトラヒドロフラン[10mL]に溶解した。トリエチルアミン[0.31mL、2.25mmol]を滴下すると、白色の沈殿物が生じた。20時間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物を酢酸エチル[30mL]で3回抽出した。抽出した溶液を飽和NaCl水溶液[30mL]で1回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。真空内で乾燥すると、白色の粉末である生成物が得られた[984mg、0.51mmol、単離収量]。1H-NMR: 0.66 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.97 (d, J=5.4Hz, 9H), 1.05〜2.45 (m, 121H), 2.95〜3.55 (m, 12H), 3.72 (m, 3H), 3.83 (m, 3H), 3.96 (m, 3H), 4.54 (m, 3H), 5.34 (s, 6H). 13C-NMR: 12.41, 14.14, 17.21, 21.00, 22.42, 23.17, 26.31, 26.57, 27.05, 27.24, 27.44, 28.09, 30.32, 30.66, 31.31, 31.47, 31.58, 32.33, 34.60, 34.68, 34.86, 35.20, 36.42, 36.55, 37.38, 37.52, 39.04, 39.40, 40.95, 41.17, 41.39, 41.62, 41.97, 46.37, 46.41, 47.01, 47.14, 60.35, 68.18, 68.26, 68.41, 71.85, 72.22, 72.88, 73.04, 82.34, 87.65, 173.92, 175.60, 175, 64, 175.87. MALDI/TOF-MS:1954 (78%, M+-H++Na+), 1400 (100%)。
【0054】
リ{[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチルコーレート}-3-イルアダマンタン-1,3,5-トリカルボキシレート(式GR-2):
【化31】
【0055】
窒素雰囲気下、1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリド[162mg、0.50mmol](式2.1.2)と[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチルコーレート[1015mg、1.65mmol](式2.1.6)を、乾燥テトラヒドロフラン[10mL]に溶解した。トリエチルアミン[0.31mL、2.25mmol]を滴下すると、白色の沈殿物が生じた。20時間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物を酢酸エチル[30mL]で3回抽出した。抽出した溶液を飽和NaCl水溶液[30mL]で1回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。真空内で乾燥すると、白色の粉末である生成物が得られた[569mg、0.28mmol、単離収率:55.2%]。1H-NMR: 0.69 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.99 (d, J=5.6Hz, 9H), 1.20〜1.61 (m, 91H), 1.63 (s, 9H), 1.64〜2.40 (m, 33H), 2.65 (br-s, 6H), 3.42〜3.52 (m, 3H), 3.86 (m, 3H), 3.99 (m, 3H), 4.02 (m, 3H), 4.55 (s, 6H). 13C-NMR: 12.41, 17.25, 22.13, 22.24, 22.42, 23.16, 26.47, 27.15, 27.39, 27.91, 28.11, 28.34, 30.24, 30.33, 30.57, 30.73, 32.86, 34.43, 34.67, 34.77, 35.12, 35.21, 36.03, 36.14, 37.93, 37.98, 39.36, 39.41, 40.93, 41.03, 41.16, 41.41, 41.66, 41.85, 46.39, 46.91, 47.04, 60.88, 68.15, 68.40, 71.91, 72.85, 73.01, 74.12, 89.10, 89.76, 166.63, 173.58, 175.54, 175.64, 175.89.
【0056】
1,2,3,4,6-ペンタ-O-(2-アダマンチルオキシメチル)-α-D-グルコース(式GR-3):
【化32】
【0057】
窒素雰囲気下、D-(+)-グルコース[180mg、1.0mmol]と2-(クロロメトキシ)アダマンタン(出光興産株式会社製「アダマンテートAOMC-2」)[1104mg、5.5mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[10mL]及びジメチルスルホキシド[5mL]に溶解した。この溶液にK2CO3[1037mg、7.5mmol]を添加した。18時間攪拌した後、前記溶液にトリエチルアミン[1.05mL、7.5mmol]を添加した。1日攪拌した後、生成した沈殿物をろ紙でろ過した。蒸発の後、溶液にジエチルエーテルを添加すると、溶液は2層に分離した。この溶液を合計6回水[50mL]で洗浄し、無水K2CO3で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。真空内で乾燥すると、白色の粉末である生成物が得られた[843mg、0.84mmol、単離収率:84.3%]。1H-NMR: 1.37〜2.18 (m, 70H), 3.27〜4.11 (m, 11H), 4.51〜5.40 (m, 11H). MALDI/TOF-MS: 787 (100%).
【0058】
1,2,3,4,6-ペンタ-O-{[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチル}-α-D-グルコース(式GR-4):
【化33】
【0059】
式GR-3用の上記条件と同じ条件で、2-(クロロメトキシ)アダマンタンの代わりに2-メチル-2-アダマンチルブロモアセテート(出光興産株式会社製「アダマンテートBRMM」)[1580mg、5.5mmol]を使った。最後に、高粘性の油である生成物が得られた[290mg、0.24mmol、単離収率:24.0%]。1H-NMR: 1.49〜2.35 (m, 70H), 1.64 (s, 15H), 3.69〜3.93 (m, 3H), 4.08 (s, 10H), 4.13〜4.24 (m, 2H), 4.53〜4.61 (m, 2H).
【0060】
アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリコーレート(式GR-5):
【化34】
【0061】
窒素雰囲気下、1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタン[1366mg、4.14mmol](式2.1.4)とコール酸[5079mg、12.4mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[40mL]に溶解した。トリエチルアミン[2.30mL、16.5mmol]を滴下すると、白色の沈殿物が生じた。5日間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテル[50mL]で3回抽出した。抽出した溶液を飽和NaCl水溶液[30mL]で3回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。この粗混合物をテトラヒドロフラン/ジエチルエーテル系から再沈殿させ、真空内で乾燥すると白色の粉末である生成物が得られた[2288mg、1.58mmol、単離収率:38.2%]。1H-NMR: 0.68 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 1.00 (br-s, 9H), 1.26〜2.55 (m, 79H), 3.41 (br-s, 15H), 3.84 (br-s, 3H), 3.97 (br-s, 3H), 4.89 (m, 3H), 5.37 (s, 6H). 13C-NMR: 12.27, 16.79, 22.55, 22.74, 26.14, 27.26, 28.46, 30.34, 30.51, 31.04, 34.32, 34.81, 34.92, 35.25, 38.59, 38.87, 39.15, 39.43, 39.71, 39.99, 40.27, 41.30, 41.45, 45.71, 46.12, 66.18, 70.37, 70.93, 76.59, 82.01, 172.64. MALDI/TOF-MS: 1169 (46%), 1139 (100%), 821 (50%), 791 (90%).
【0062】
アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリ-3-(2-アダマンチルオキシメトキシ)コーレート(式GR-6):
【化35】
【0063】
窒素雰囲気下、アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリコーレート(式GR-5)[723mg、0.50mmol]と2-(クロロメトキシ)アダマンタン(出光興産株式会社製「アダマンテートAOMC-2」)[1010mg、5.03mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[10mL]に溶解した。トリエチルアミン[1.90mL、13.6mmol]を滴下すると、ただちに白色の沈殿物が生じた。21時間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテルとテトラヒドロフランの混合物[50mL]で3回抽出した。抽出した溶液を飽和NaCl水溶液[30mL]で2回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。この粗混合物をテトラヒドロフラン/ジエチルエーテル系から再沈殿させ、真空内で乾燥すると白色の粉末である生成物が得られた[334mg、0.17mmol、単離収率:34.5%]。1H-NMR: 0.66 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.97 (d, J=3.7Hz, 9H), 1.24〜2.61 (m, 121H), 3.34 (br-s, 12H), 3.73 (br-s, 3H), 3.82 (br-s, 3H), 3.95 (br-s, 3H), 4.77 (s, 6H), 4.88 (m, 3H), 5.36 (s, 6H).
【0064】
トリ(2-メチル-2-アダマンチル)アダマンタン-1,3,5-トリカルボキシレート(式GR-7):
【化36】
【0065】
窒素雰囲気下、1.6Mのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液を、2-メチル-2-アダマンタノール[2494mg、15.0mmol]の乾燥テトラヒドロフラン[20mL]溶液に添加すると、溶液は徐々に白色のスラリーになった。1.5時間攪拌した後、この溶液に1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリド[1618mg、5.0mmol](式2.1.2)の乾燥テトラヒドロフラン[10mL]溶液をカニューレで滴下した。20時間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテル[50mL]で3回抽出した。抽出した溶液を水[50mL]で2回、飽和NaCl水溶液[30mL]で1回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。流出液としてジエチルエーテル/n-ヘキサン[1/1]を使い、該混合物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、真空内で乾燥すると白色の結晶である生成物が得られた[2498、3.50mmol、単離収率:70.1%]。1H-NMR: 1.52 (br, 3H), 1.56 (s, 10H), 1.69 (br, 9H), 1.71〜1.87 (m, 21H), 1.88 (br, 3H), 1.96 (br, 3H), 2.01 (br, 9H), 2.29 (br, 6H). 13C-NMR: 22.21, 26.70, 27.31, 28.24, 33.05, 34.49, 36.17, 37.41, 38.13, 39.73, 42.36, 86.70, 175.00.
【0066】
1,3,5-トリ[(2-アダマンチルオキシメチルコーレート)-3-オキシメチルオキシ]アダマンタン(式GR-8):
【化37】
【0067】
窒素雰囲気下、1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタン[665mg、2.02mmol](式2.1.4)と(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレート[3468mg、6.05mmol](式2.1.5)を、乾燥テトラヒドロフラン[30mL]に溶解した。トリエチルアミン[1.1mL、7.89mmol]を滴下すると、白色の沈殿物が生じた。2日間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテル[70mL]に添加し、有機層を分離した。水性層をジエチルエーテルとテトラヒドロフランの混合物[30mL]で2回抽出した。有機溶液の全部を飽和NaCl水溶液[30mL]で2回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。この粗混合物をテトラヒドロフラン/n-ヘキサン系から再沈殿させ、真空内で乾燥すると白色の粉末である生成物が得られた[2322mg、1.20mmol、単離収率:59.4%]。1H-NMR: 0.66 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.97 (d, J=5.9Hz, 9H), 1.18〜2.45 (m, 121H), 3.16〜3.68 (m, 12H), 3.68〜3.79 (m, 6H), 3.83 (m, 3H), 3.96 (m, 3H), 4.61〜4.98 (m, 6H), 5.35 (s, 6H).
【0068】
1,3,5-トリ{[1,2:3,4-ジ-O-(2,2-アダマンチリデン)-α-D-ガラクトピラノース]-6-オキシメチルオキシ}アダマンタン(式GR-9):
【化38】
【0069】
窒素雰囲気下、1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタン[2104mg、6.38mmol]と1,2:3,4-ジ-O-(2,2-アダマンチリデン)-α-D-ガラクトピラノース[8507mg、19.14mmol]を、乾燥テトラヒドロフラン[150mL]に溶解した。トリエチルアミン[3.5mL、25.1mmol]を滴下すると、徐々に白色の沈殿物が生じた。4日間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテル[50mL]とテトラヒドロフラン[50mL]に添加した。この混合物を飽和NaCl水溶液[30mL]で3回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。この粗混合物をクロロホルム/メタノール系から再沈殿させ、真空内で乾燥すると白色の粉末である生成物が得られた[2683mg、1.73mmol、単離収率:27.1%]。1H-NMR: 1.49〜2.25 (m, 97H), 3.52〜3.70 (m, 3H), 3.81〜4.01 (m, 6H), 4.24 (d, J=8.0Hz, 3H), 4.34 (d, J=2.4Hz, 3H), 4.64 (d, J=7.8Hz, 3H), 4.76 (d, J=7.6Hz, 3H), 4.91 (d, J=7.6Hz, 3H), 5.54 (d, J=4.9Hz, 3H). 13C-NMR: 26.62, 26.80, 26.91, 30.69, 34.04, 34.53, 34.60, 34.89, 35.08, 35.27, 36.92, 37.01, 37.06, 37.26, 39.50, 39.73, 40.33, 45.18, 45.75, 46.46, 51.18, 51.46, 65.82, 66.42, 66.50, 70.07, 70.33, 70.52, 75.74, 75.84, 89.28, 95.83, 111.32, 111.38, 112.02, 112.07.
【0070】
1,3,5-トリ(2-アダマンチルオキシメチル)アダマンタン(式GR-10):
【化39】
【0071】
1,3,5-アダマンタントリオール[372mg、2.0mmol]を乾燥ジメチルホルムアミド[10mL]に溶解した。2-(クロロメトキシ)アダマンタン(出光興産株式会社製「アダマンテートAOMC-2」)[1325mg、6.6mmol]をこの溶液に添加すると、溶液は白色のスラリーになった。トリエチルアミン[1.25mL、9.0mmol]を滴下すると、ただちに白色の沈殿物が生じた。4日間攪拌した後、反応物を水で急冷した。この混合物をジエチルエーテル[30mL]で3回抽出した。抽出した溶液を水[30mL]で3回、飽和NaCl水溶液[30mL]で1回洗浄した後、無水K2CO3で乾燥した。この溶液をろ紙でろ過し、濃縮した。この粗混合物をクロロホルム/n-ヘキサン系から再沈殿させ、真空内で乾燥すると白色の粉末である生成物が得られた[261mg、0.39mmol、単離収率:19.1%]。1H-NMR: 1.39〜2.15 (m, 55H), 3.76 (s, 3H), 4.86 (s, 6H). 13C-NMR: 27.24, 27.33, 29.60, 31.53, 31.57, 31.93, 31.96, 32.11, 36.41, 36.57, 40.00, 42.73, 49.14, 51.89, 70.91, 75.89, 78.91, 86.41.
【0072】
(全般的特性)
本開示のフォトレジストの193nmリソグラフィーにおける性能を調べるために、GR-1からGR-10までの各ガラスレジストを評価し、その結果を図1に表で示す。図1に示すように、各材料は室温を上回る温度で安定なガラスを形成する。GR-1、GR-2、GR-5及びGR-9は、100℃を超える温度で安定なガラスを形成する。GR-3とGR-4は、グルコース又はガラクトースなどのモノサッカロースから合成した。その結果、それらの非対称型コア及び非コール酸的構造のために低いTgを示し、又は油状を呈する。GR-9もまたモノサッカロースから作ったが、このモノサッカロースは三脚型構造のサイドアームとして使った。その結果、GR-9は高いTgを示す。
【0073】
熱的特性を調べた後(以下の図2〜5の考察を参照のこと)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)及び乳酸エチル(EL)などの一般的なリソグラフィー用溶媒中における溶解性を評価し、図1に示す結果を得た。光酸発生剤(PAG)を含むガラスレジストの溶液を予備DUV露光テストで調べ、TMAH溶液で現像の後それらの基本的なパターン形成を観察した。パターン形成結果の観察情報も図1に示してある。
(熱的特性)
前記分子性ガラスレジストを、示差走査熱量測定(DSC)及び熱重量分析(TGA)によって調べた。典型的なDSC及びTGA曲線の一部を図2〜5に示す。保護基の分解によると思われる減量が、150℃を超える温度で認められる。2回目の加熱の間にTgは100℃を上回っていた。
【0074】
(リソグラフィーの評価)
GR-1からGR-10までの各ガラスレジストの予備評価条件を図6に記載する。各サンプルウェハは以下のように作成した。光酸発生剤(PAG)を含有するガラスレジストのろ過溶液を、下塗りしていないシリコンウェハに塗布した。スピンコーティングした後、前記ウェハをホットプレート上で事前ベーキング(PAB)し、次いでテストパターンマスクを介して深UV光源により露光した。露光ウェハを露光後ベーキング(PEB)し、現像した。
【0075】
PGMEA又はELなどの標準的溶媒に溶解するガラスレジストは、全て首尾よく膜形成できた。しかし、過剰なアダマンチル保護による分子間斥力のために、プライマーとしてヘキサメチルジシラザン(HMDS)を使っても、GR-3は膜形成が困難であった。0.26mol/LというTMHA溶液の標準的濃度は、一部のガラスレジストには強すぎた。GR-5の場合、1:16希釈TMAH溶液が最適な現像用濃度範囲であった。電子線リソグラフィーによって、GR-5はラインアンドスペースパターンにおいて200nmという微細な加工寸法を表示する、GR-5の画像を図7に示す。
【0076】
(露光感度)
GR-5の露光感度を図8に表す。GR-5膜を、アダマンタンコアと三脚型構造との間の開裂結合として、アセタール構造によって結合されていた。コール酸などの巨大な保護基のために、結果として、GR-5は、図8において明らかなような高い露光感度を示した。
(エッチング耐性)
本開示のガラスレジストは、からみ合ったかご型構造のために高いエッチング耐性が期待されてきた。GR-1及びGR-5のエッチング速度を、CHF3/O2雰囲気下で調べた。図9〜11はそれらの優れた性能を示している。また、エッチング速度とOhnishiパラメータとの間の相関関係を図11に示す。
【0077】
三脚型構造を有する又は有していない、アダマンタン並びにアセタール部分及び/又はエステル部分を含有する新規ガラスレジストは、193nmポジ型リソグラフィー用に設計され本研究において合成されたものである。幾つかのガラスレジストでは多くの特性のつり合いがうまくとれていた。アセタール保護基を有する三脚型構造は、高い露光感度、効果的なエッチング耐性及び優れた熱安定性を示した。これらガラスレジストは、DUV露光テスト及び電子線リソグラフィーにより高い解像度で画像を形成した。
本発明に関するこれまでの記載は単に本発明を説明しようとするものであって、上記の特許請求の範囲に記載されるような本発明の精神及び範囲を逸脱せずに変更及び改変を加えることが可能であることを理解されたい。構造改変及びプロセス条件の更なる可能性があり得ることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0078】
本開示のフォトレジスト、合成方法及びリソグラフィー法は、下記の図面と併せて以下にさらに詳しく説明する。
【図1】本開示の10のフォトレジストの物理的特性を示す表である。
【図2】式GR-1で説明されるフォトレジストの熱的特性を示すグラフである。
【図3】式GR-2で説明されるフォトレジストの熱的特性を示すグラフである。
【図4】式GR-5で説明されるフォトレジストの熱的特性を示すグラフである。
【0079】
【図5】式GR-9で説明されるフォトレジストの熱的特性を示すグラフである。
【図6】図7に示すパターン画像形成データの実験条件を示す表である。
【図7】2枚の光学顕微鏡画像と1枚の200nmラインアンドスペースSEM画像を含む、式GR-5で説明されるフォトレジストの3枚の露光画像である。
【図8】式GR-5で説明されるフォトレジストの露光感度を示すグラフである。
【0080】
【図9】式GR-1及び式GR-5で説明されるフォトレジストのエッチング速度を示す表である。
【図10】式GR-1及び式GR-5で説明されるフォトレジストのエッチング速度を示すグラフである。
【図11】式GR-1及び式GR-5で説明されるフォトレジストのエッチング速度とOhnishiパラメータ(NT/NC-NO)との相関関係を示すグラフである。 本開示が本明細書に例示される特定の実施態様に限定されるものでないことは、当然理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アダマンチル基と少なくとも1個のエステル基又はアセタール基とを含んだガラスを含む、フォトレジスト材料。
【請求項2】
前記ガラスがさらに少なくとも1個のコール酸基を含む、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項3】
前記ガラスが複数のアダマンチル基を含む、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項4】
前記ガラスが複数のコール酸基を含む、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項5】
前記ガラスが複数のアダマンチル基及び複数のコール酸基を含む、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項6】
前記ガラスが:
トリ(2-アダマンチルオキシメチルコーレート)-3-イル アダマンタン-1,3,5-トリカルボキシレート;
トリ{[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチルコーレート}-3-イル アダマンタン-1,3,5-トリカルボキシレート;
1,2,3,4,6-ペンタ-O-(2-アダマンチルオキシメチル)-α-D-グルコース;
1,2,3,4,6-ペンタ-O-{[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチル}-α-D-グルコース;
アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリコーレート;
アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリ-3-(2-アダマンチルオキシメトキシ)コーレート;
トリ(2-メチル-2-アダマンチル)アダマンタン-1,3,5-トリカルボキシレート;
1,3,5-トリ[(2-アダマンチルオキシメチルコーレート)-3-オキシメチルオキシ]アダマンタン;
1,3,5-トリ{[1,2:3,4-ジ-O-(2,2-アアマンチリデン)-α-D-ガラクトピラノース]-6-オキシメチルオキシ}アダマンタン;
1,3,5-トリ(2-アダマンチルオキシメチル)アダマンタン; 及び
それらの混合物から成る群から選択される、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項7】
前記ガラスが:
1,3,5-アダマンタントリカルボン酸;
1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリド;
1,3,5-トリス(メチルチオメトキシ)アダマンタン;
1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタン;
(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレート;
[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチルコーレート;及び
1,2:3,4-ジ-O-(2,2-アダマンチリデン)-α-D-ガラクトピラノース
から成る群から選択される1つ以上の前駆物質から合成される、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項8】
前記アダマンチル基が三脚型構造の中心を構成し、前記三脚型構造の3つの脚が3個のエステル基又は3個のアセタール基によって中心のアダマンチル基に結合している、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項9】
前記エステル基又はアセタール基の中心アダマンチル基への結合が、中心アダマンチル基の1位、3位及び5位で生じている、請求項8記載のフォトレジスト材料。
【請求項10】
α-グルコース基が5脚分岐構造の中心を構成し、前記5つの脚が4個のアセタール基と、第5のアセタール基及び1個のオキシ基とによって中心のα-グルコース基に結合している、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項11】
α-グルコース基が5脚分岐構造の中心を構成し、前記5つの脚が4個のオキシカルボニルメチル基と第5のオキシカルボニルメチルオキシ基とによって中心のα-グルコース基に結合している、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項12】
前記ガラスが、下記式で表される中心アダマンチル基を有する三脚型構造である、請求項1記載のフォトレジスト材料:
【化1】
(式中、Rは
【化2】
及びそれらの組合せから成る群から選択される。)。
【請求項13】
2-アダマンチルオキシメチル、[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチル及びそれらの組合せから成る群から選択される5つの部分によって、1位、2位、3位、4位及び6位において結合する中心α-グルコース部分をさらに含む、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項14】
1,3,5-アダマンタントリオールを1,3,5-アダマンタントリカルボン酸に変換すること;
1,3,5-アダマンタントリカルボン酸を1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリドに変換すること;
1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリドを、
(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレート、
[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチルコーレート、及び
アダマンタノール
から成る群から選択される試薬と反応させることによって、1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリドを、中心アダマンチル基を有する三脚型構造に変換すること;
を含む、請求項1記載のアダマンタン系ガラスフォトレジスト材料の合成方法。
【請求項15】
前記(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレートが、コール酸を2-(クロロメトキシ)アダマンタンと反応させることによって合成される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチルコーレートが、コール酸を2-メチル-2-アダマンチルブロモアセテートと反応させることによって合成される、請求項14記載の方法。
【請求項17】
1,3,5-アダマンタントリオールを1,3,5-トリス(メチルチオメトキシ)アダマンタンに変換すること;
1,3,5-トリス(メチルチオメトキシ)アダマンタンを1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタンに変換すること;
1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタンを、
コール酸、
(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレート、及び
1,2:3,4-ジ-O-(2,2-アダマンチリデン-α-D-ガラクトピラノース
から成る群から選択される試薬と反応させることによって、1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタンを、中心アダマンチル基を有する三脚型構造に変換すること;
を含む、請求項1記載のアダマンタン系ガラスフォトレジスト材料の合成方法。
【請求項18】
前記(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレートが、コール酸を2-(クロロメトキシ)アダマンタンと反応させることによって合成される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記1,2:3,4-ジ-O-(2,2-アダマンチリデン-α-D-ガラクトピラノースが、2-アダマンタノンをD-(+)-ガラクトースと反応させることによって合成される、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記試薬が、アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリコーレートを形成するためのコール酸である、請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリコーレートをさらに1-(クロロメトキシ)アダマンタンと反応させて、アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリ-3-(-2-アダマンチルオキシメトキシ)コーレートを形成する、請求項20記載の方法。
【請求項22】
1,3,5-アダマンタントリオールを2-(クロロメトキシ)アダマンタンと反応させて、1,3,5-トリ(2-アダマンチルオキシメチル)アダマンタンを供給することによって合成される、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項23】
D-(+)-グルコースを2-メチル-2-アダマンチルブロモアセテート又は2-(クロロメトキシ)アダマンタンの1つと反応させることによって合成される、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項24】
請求項1記載のフォトレジスト材料を基板に塗布して膜を形成すること;
前記膜を波長200nm未満の光に露光すること;
前記露光フォトレジスト膜を現像すること;
を含む、フォトレジストパターンを形成するプロセス。
【請求項25】
前記光の波長が、ArFレーザーからの193nmである、請求項22記載のプロセス。
【請求項1】
アダマンチル基と少なくとも1個のエステル基又はアセタール基とを含んだガラスを含む、フォトレジスト材料。
【請求項2】
前記ガラスがさらに少なくとも1個のコール酸基を含む、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項3】
前記ガラスが複数のアダマンチル基を含む、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項4】
前記ガラスが複数のコール酸基を含む、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項5】
前記ガラスが複数のアダマンチル基及び複数のコール酸基を含む、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項6】
前記ガラスが:
トリ(2-アダマンチルオキシメチルコーレート)-3-イル アダマンタン-1,3,5-トリカルボキシレート;
トリ{[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチルコーレート}-3-イル アダマンタン-1,3,5-トリカルボキシレート;
1,2,3,4,6-ペンタ-O-(2-アダマンチルオキシメチル)-α-D-グルコース;
1,2,3,4,6-ペンタ-O-{[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチル}-α-D-グルコース;
アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリコーレート;
アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリ-3-(2-アダマンチルオキシメトキシ)コーレート;
トリ(2-メチル-2-アダマンチル)アダマンタン-1,3,5-トリカルボキシレート;
1,3,5-トリ[(2-アダマンチルオキシメチルコーレート)-3-オキシメチルオキシ]アダマンタン;
1,3,5-トリ{[1,2:3,4-ジ-O-(2,2-アアマンチリデン)-α-D-ガラクトピラノース]-6-オキシメチルオキシ}アダマンタン;
1,3,5-トリ(2-アダマンチルオキシメチル)アダマンタン; 及び
それらの混合物から成る群から選択される、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項7】
前記ガラスが:
1,3,5-アダマンタントリカルボン酸;
1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリド;
1,3,5-トリス(メチルチオメトキシ)アダマンタン;
1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタン;
(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレート;
[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチルコーレート;及び
1,2:3,4-ジ-O-(2,2-アダマンチリデン)-α-D-ガラクトピラノース
から成る群から選択される1つ以上の前駆物質から合成される、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項8】
前記アダマンチル基が三脚型構造の中心を構成し、前記三脚型構造の3つの脚が3個のエステル基又は3個のアセタール基によって中心のアダマンチル基に結合している、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項9】
前記エステル基又はアセタール基の中心アダマンチル基への結合が、中心アダマンチル基の1位、3位及び5位で生じている、請求項8記載のフォトレジスト材料。
【請求項10】
α-グルコース基が5脚分岐構造の中心を構成し、前記5つの脚が4個のアセタール基と、第5のアセタール基及び1個のオキシ基とによって中心のα-グルコース基に結合している、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項11】
α-グルコース基が5脚分岐構造の中心を構成し、前記5つの脚が4個のオキシカルボニルメチル基と第5のオキシカルボニルメチルオキシ基とによって中心のα-グルコース基に結合している、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項12】
前記ガラスが、下記式で表される中心アダマンチル基を有する三脚型構造である、請求項1記載のフォトレジスト材料:
【化1】
(式中、Rは
【化2】
及びそれらの組合せから成る群から選択される。)。
【請求項13】
2-アダマンチルオキシメチル、[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチル及びそれらの組合せから成る群から選択される5つの部分によって、1位、2位、3位、4位及び6位において結合する中心α-グルコース部分をさらに含む、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項14】
1,3,5-アダマンタントリオールを1,3,5-アダマンタントリカルボン酸に変換すること;
1,3,5-アダマンタントリカルボン酸を1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリドに変換すること;
1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリドを、
(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレート、
[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチルコーレート、及び
アダマンタノール
から成る群から選択される試薬と反応させることによって、1,3,5-アダマンタントリカルボン酸トリクロリドを、中心アダマンチル基を有する三脚型構造に変換すること;
を含む、請求項1記載のアダマンタン系ガラスフォトレジスト材料の合成方法。
【請求項15】
前記(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレートが、コール酸を2-(クロロメトキシ)アダマンタンと反応させることによって合成される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記[(2-メチル-2-アダマンチル)オキシ]カルボニルメチルコーレートが、コール酸を2-メチル-2-アダマンチルブロモアセテートと反応させることによって合成される、請求項14記載の方法。
【請求項17】
1,3,5-アダマンタントリオールを1,3,5-トリス(メチルチオメトキシ)アダマンタンに変換すること;
1,3,5-トリス(メチルチオメトキシ)アダマンタンを1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタンに変換すること;
1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタンを、
コール酸、
(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレート、及び
1,2:3,4-ジ-O-(2,2-アダマンチリデン-α-D-ガラクトピラノース
から成る群から選択される試薬と反応させることによって、1,3,5-トリス(クロロメトキシ)アダマンタンを、中心アダマンチル基を有する三脚型構造に変換すること;
を含む、請求項1記載のアダマンタン系ガラスフォトレジスト材料の合成方法。
【請求項18】
前記(2-アダマンチルオキシ)メチルコーレートが、コール酸を2-(クロロメトキシ)アダマンタンと反応させることによって合成される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記1,2:3,4-ジ-O-(2,2-アダマンチリデン-α-D-ガラクトピラノースが、2-アダマンタノンをD-(+)-ガラクトースと反応させることによって合成される、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記試薬が、アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリコーレートを形成するためのコール酸である、請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリコーレートをさらに1-(クロロメトキシ)アダマンタンと反応させて、アダマンタン-1,3,5-トリイルトリス(オキシメチレン)トリ-3-(-2-アダマンチルオキシメトキシ)コーレートを形成する、請求項20記載の方法。
【請求項22】
1,3,5-アダマンタントリオールを2-(クロロメトキシ)アダマンタンと反応させて、1,3,5-トリ(2-アダマンチルオキシメチル)アダマンタンを供給することによって合成される、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項23】
D-(+)-グルコースを2-メチル-2-アダマンチルブロモアセテート又は2-(クロロメトキシ)アダマンタンの1つと反応させることによって合成される、請求項1記載のフォトレジスト材料。
【請求項24】
請求項1記載のフォトレジスト材料を基板に塗布して膜を形成すること;
前記膜を波長200nm未満の光に露光すること;
前記露光フォトレジスト膜を現像すること;
を含む、フォトレジストパターンを形成するプロセス。
【請求項25】
前記光の波長が、ArFレーザーからの193nmである、請求項22記載のプロセス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2009−527019(P2009−527019A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555211(P2008−555211)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/005378
【国際公開番号】WO2007/094784
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(592035453)コーネル・リサーチ・ファンデーション・インコーポレイテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】CORNELL RESEARCH FOUNDATION, INCORPORATED
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/005378
【国際公開番号】WO2007/094784
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(592035453)コーネル・リサーチ・ファンデーション・インコーポレイテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】CORNELL RESEARCH FOUNDATION, INCORPORATED
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】
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