説明

3−置換−2(アリールアルキル)−1−アザビシクロアルカンおよびこれらの使用方法

本発明は、3−置換−2−(アリールアルキル)−1−アザビシクロアルカン、前記化合物の調製方法、および前記化合物を使用する治療方法に関する。前記アザビシクロアルカンは、一般に、アザビシクロヘプタン、アザビシクロオクタンまたはアザビシクロノナンである。前記アリールアルキル部分のアリール基は、5または6員環ヘテロ芳香族、好ましくは3−ピリジルおよび5−ピリジル部分であり、アルキル基は、典型的にはC1−4アルキルである。前記1−アザビシクロアルカンの3位の置換基は、カルボニル基含有部分、例えば、アミド、カルバメート、尿素、チオアミド、チオカルバメート、チオ尿素または類似の官能基である。前記化合物は、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)、特にa7 nAChRサブタイプにおいて活性を示し、ならびに神経伝達の調節および神経伝達に関与するリガンドの放出に有用である。正常な神経伝達の変化によって特徴づけられる中枢神経系(CNS)障害を含む状態および疾患を予防または治療するための方法も開示する。炎症、自己免疫疾患、疼痛および過剰血管新生(腫瘍成長に随伴するものなど)を治療するための方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチン性アセチルコリン作動性受容体(nAChR)に影響を与えることができる化合物が、例えば、特定のニコチン性受容体サブタイプ(具体的には、α7nAChRサブタイプ)のモジュレータとして組み込まれている医薬組成物に関する。本発明は、多種多様な状態および疾患、特に、中枢および自律神経系の機能障害に随伴するものを治療するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチンは多数の薬理作用を有することが提示されている。例えば、Pullanら,N.Engl.J.Med.330:811(1994)参照。これらの作用のうちのいくつかは、神経伝達物質放出に対する影響に関係し得る。例えば、ニコチンの神経保護作用が提示されている、Sjak−shieら,Braira Res.624:295(1993)参照。ニコチンの投与に基づく、ニューロンによるアセチルコリンおよびドーパミンの放出は、Rowellら,J.Neurochem.43:1593(1984);Rapierら,J.Neurochem.50:1123(1988);Sandorら,Brain Res.567:313(1991)およびVizi,Br.J.Pharenacol.47:765(1973)によって報告されている。ニコチンの投与に基づく、ニューロンによるノルエピネフリンの放出は、Hallら,Biochem.Pharmacol.21:1829(1972)によって報告されている。ニコチンの投与に基づく、ニューロンによるセロトニンの放出は、Heryら,Arch.Int.Pharmacodyn.Ther.296:91(1977)によって報告されている。ニコチンの投与に基づく、ニューロンによるグルタメートの放出は、Tothら,Neurochem Res.17:265(1992)によって報告されている。確認報告および最近の追加研究には、グルタメート、窒素酸化物、GABA、タキキニン、サイトカインおよびペプチドの中枢神経系(CNS)における調節が含まれている(Brioniら,Adv.Pharmacol.37:153(1997)に総説されている)。加えて、伝えられるところによると、ニコチンは、一定の疾患の治療に使用される一定の医薬組成物の薬理学的挙動を強化する。例えば、Sanbergら,Pharmacol.Biochem.& Behaviour 46:303(1993);Harsingら,J.Neurochem.59:48(1993)およびHughes,Proceedings from Intl.Symp.Nic.S40(1994)参照。さらに、ニコチンの様々な他の有益な薬理作用が提示されている。例えば、Decinaら,Biol.Psychiatry 28:502(1990);Wagnerら,Pharmacopsychiatry 21:301(1988);Pomerleauら,Addictive Behaviors 9:265(1984);Onaiviら,Life Sci.54(3):193(1994);Tripathiら,JPET 221:91(1982)およびHamon,Trends in Pharmacol.Res.15:36(1994)参照。
nAChRをターゲットにする様々な化合物が、多種多様な状態および疾患の治療に有用であると報告されている。例えば、Williamsら,DN&P 7(4):205(1994);Arnericら,CNS Drug Rev.1(1):1(1995);Arnericら,Exp.Opin.Invest.Drugs 5(1):79(1996);Bencherifら,JPET 279:1413(1996);Lippielloら,JPET 279:1422(1996);Damajら,J.Pharmacol.Exp.Ther.291:390(1999);Chiariら,Anesthesiology 91:1447(1999);Lavand’homme and Eisenbach,Anesthesiology 91:1455(1999);Holladayら,J.Med.Chem.40(28):4169(1997);Bannonら,Science 279:77(1998);PCT国際公開公報第94/08992号、同第96/31475号、同第96/40682号、ならびにBencherifらの米国特許第5,583,140号、Dullらの米国特許第5,597,919号、Smithらの米国特許第5,604,231号、およびCosfordらの米国特許第5,852,041号参照。ニコチン性化合物は、多種多様なCNS障害の治療に有用であると報告されている。実際、多種多様な化合物が、治療特性を有すると報告されている。例えば、Bencherif and Schmitt,Current Drug Targets:CNS and Neurological Disorders 1(4):349(2002);Levin and Rezvani,Current Drug Targets:CNS and Neurological Disorders 1(4):423(2002);O’Neillら,Current Drug Targets:CNS and Neurological Disorders 1(4):399(2002);Kikuchiらの米国特許第5,1871, 166号、Cignarellaの米国特許第5,672,601号、PCT国際公開公報第99/21834号および同第97/40049号、英国特許出願第2295387号、ならびに欧州特許出願第297,858号参照。
【0003】
CNS障害は、神経障害の1タイプである。CNS障害は、薬物誘発性であることがあり、遺伝的素因、感染もしくは外傷に帰するものであることがあり、または病因不明のものであることがある。CNS障害は、神経精神障害、神経病および精神病を構成し、神経変性病、行動障害、認知障害および認知情動障害を含む。臨床症状がCNS機能障害に帰するものとされたいくつかのCNS障害(すなわち、不適切な神経伝達物質放出レベル、不適切な神経伝達物質受容体特性、および/または不適切な神経伝達物質−神経伝達物質受容体間相互作用に起因する障害)がある。いくつかのCNS障害は、コリン、ドーパミン、ノルエピネフリンおよび/またはセロトニンの欠損に帰するものであり得る。比較的一般的なCNS障害には、初老期痴呆(早発性アルツハイマー病)、老年痴呆(アルツハイマー型の痴呆)、微小梗塞性痴呆、AIDS関連痴呆、クロイツフェルト−ヤコブ病、ピック病、パーキンソン病を含むパーキンソン症候群、レヴィー小体痴呆、進行性核上麻痺、ハンティングトン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、躁病、注意欠陥障害、不安、失語症、精神分裂病、うつ病、強迫性障害およびツレット症候群が挙げられる。
【0004】
CNS特有のnAChRは幾つかのサブタイプで発生することが証明されており、これらのうちの最も一般的なものは、α4β2およびα7サブタイプである。例えば、Schmitt,Current Med.Chem.7:749(2000)参照。α7 nAChRサブタイプと相互作用するリガンドは精神分裂病の治療の際に有用であることが提示されている。精神分裂病患者の死後の脳組織では海馬nAChRの数が減少している。また、喫煙していない精神分裂病患者に対し、喫煙している精神分裂病患者には、精神作用の改善がある。ニコチンは、動物および精神分裂病患者における感覚遮断障害を改善する。α7 nAChRサブタイプの遮断は、精神分裂病において見られるものに類似した遮断障害を誘発する。例えば、Leonardら,Schizophrenia Bulletin 22(3):431(1996)参照。P50聴覚誘発電位遮断障害を有する患者における感覚処理の生化学的、分子的および遺伝学的研究は、α7 nAChRサブタイプが、抑制性神経経路で機能し得ることを示唆している。例えば、Freedmanら,Biological Psychiatry 38(1):22(1995)参照。
【0005】
さらに最近、Hesschenら,J.Clin.Invest.100:527(2007)により記載されたように、α7 nAChRは脈管形成の媒介因子でであることが提案された。これらの研究において、前記α7サブタイプの阻害は炎症性脈管形成を減少させることが示された。また、α7 nAChRは、神経発生および腫瘍成長を制御するためのターゲットとして提案されている(Utsugisawaら,Molecular Brain Research 106(1−2):88(2002)および米国特許出願第2002/0016371号)。最後に、認知における前記α7サブタイプの役割(Levin and Rezvani,Current Drug Target:CNS and Neurological Disorders 1(4):423(2002))、神経保護における前記α7サブタイプの役割(O’Neillら,Current Drug Targets:CNS and Neurological Disorders 1(4):399(2002))およびJeyarasasingamら,Neuroscience 109(2:275(2002))、および神経障害性疼痛における前記α7サブタイプの役割(Xiaoら,Proc.Nat.Acad.Sci.(US)99(12):8360(2002))が、最近、認められた。
【0006】
様々な化合物が、α7 nAChRと相互作用すると報告されており、またこれを基づく治療法として提案されている。例えば、PCT国際公開公報第99/62505号、同第99/03859号、同第97/30998号、同第01/36417号、同第02/15662号、同第02/16355号、同第02/16356号、同第02/16357号、同第02/16358号、同第02/17358号、Stevensら,Psychopharm.136:320(1998)、Dolleら,J.Labelled Comp.Radiopharm.44:785(2001)およびMacorら,Bioorg.Med.Chem.Lett.11:319(2001)、ならびにこれらの中の参考文献、参照。これらの化合物の間に共通の構造テーマは、置換二環式第三アミン(例えば、キヌクリジン)のものである。類似の置換キヌクリジン化合物がムスカリン性受容体において結合するということも報告されている。例えば、Sabbの米国特許第5,712,270号ならびにPCT国際公開公報第02/00652号および同第02/051841号参照。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一定の状態または疾患になりやすい、または苦しんでいる患者にニコチン性化合物を投与することによる、こうした状態または疾患の予防および治療に有用な方法を提供することは、望ましいことだろう。一定の疾患(例えば、CNS障害)に苦しんでいる個体に、(例えば、CNSの機能化に基づく)有益な作用をもたらすが、有意な関連副作用を一切もたらさない、ニコチン様薬理作用をもたらす活性成分を含有する医薬組成物を投与することにより、これらの疾患の症状の中断をもたらすことは、非常に有益であろう。nAChRと相互作用する化合物、例えば、CNSの機能化に影響を与える可能性を有する化合物が組み込まれている医薬組成物を提供することは、非常に望ましいことであろう。こうした化合物が、CNSの機能化に影響を与えるために充分な量で使用されたとき、望ましくない副作用(例えば、心血管および骨格筋受容体部位での感知可能な活性)を誘発する可能性を有するnAChRサブタイプに有意には影響を与えないことは、非常に望ましいであろう。加えて、ニコチン性受容体と相互作用するが、ムスカリン性受容体とはしない化合物が組み込まれている医薬組成物を提供することは、非常に望ましいことであろう。後ろの方の受容体は、副交感神経系の機能に関連した副作用、例えば、過流涎、発汗、振戦、心血管および胃腸障害を随伴するからである(Caulfield,Pharmacol.Ther.58:319(1993)およびBroadley and Kelly,Molecules 6:142(2001)参照)。さらに、一定の状態または疾患(例えば、精神分裂病、認知障害および神経障害性疼痛)の治療用、組織損傷の予防用、および治癒の促進用(すなわち、神経保護および脈管形成制御用)の、α7 nAChRに選択的な医薬組成物を提供することは、非常に望ましいことであろう。本発明は、こうした化合物、組成物および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要約)
本発明は、3−置換−2−(アリールアルキル)−1−アザビシクロアルカン、前記化合物を含む医薬組成物、前記化合物の調製方法、および前記化合物を使用する治療方法に関する。より具体的には、本治療方法は、α7 nAChRサブタイプにより媒介される疾患を治療または予防するための化合物を1つ以上投与することによる、α7 nAChRの活性の調節を含む。
【0009】
前記アザビシクロアルカンは、一般にはアザビシクロヘプタン、アザビシクロオクタンまたはアザビシクロノナンである。前記アリールアルキル部分におけるアリール基は、5または6員環ヘテロ芳香族、好ましくは3−ピリジニルおよび5−ピリミジニル部分であり、アルキル基は、典型的にはC1〜4アルキルである。前記1−アザビシクロアルカンの3位の置換基は、カルボニル含有官能基、例えば、アミド、カルバメート、尿素、チオアミド、チオカルバメート、チオ尿素または類似の官能基である。
【0010】
本化合物は、一定のnAChRサブタイプでの選択的相互作用を必要とする治療用途に有益である。すなわち、本化合物は、一定のnAChRサブタイプ、特にα7 nAChRサブタイプの活性を調節するが、ムスカリン性受容体に対する感知可能な活性は有さない。本化合物は、望ましくない副作用を誘発する可能性を有する受容体サブタイプには有意な影響を与えることなく(例えば、神経節および骨格筋nAChR部位ならびにムスカリン性受容体において感知可能な活性を有すことなく)、中枢神経系(CNS)の機能化に影響を与えるために充分な量で投与することができる。従って、本化合物は、感知可能な副作用を伴わず神経伝達に関与するリガンドの放出を調節するために有用である。
【0011】
本化合物は、正常な神経伝達物質の放出の変化によって特徴づけられる疾患を治療および/または予防するための治療薬として使用することができる。こうした疾患の例には、一定のCNSの状態および疾患が挙げられる。本化合物は、神経保護をもたらすこと、痙攣を起こしやすい患者を治療すること、うつ病、自閉症および一定の神経内分泌障害を治療すること、ならびに卒中患者の管理を助長することができる。本化合物は、高血圧、II型糖尿病および新形成の治療ならびに減量の遂行にも有用である。本化合物は、α7 nAChRサブタイプに対して選択的であるので、一定の状態または疾患(例えば、精神分裂病、認知障害、および神経障害性疼痛)の治療、組織損傷の予防、および治癒の促進(すなわち、神経保護の提供および脈管形成の制御)に使用することができる。
【0012】
本医薬組成物は、こうした状態または疾患に苦しんでいる個体およびこうした状態または疾患の臨床症状を示している個体に治療の恩恵をもたらす。本医薬組成物とともに投与される本化合物は、(i)ニコチン様薬理作用を示し、関連nAChR部位に影響を与える(例えば、ニコチン性受容体において薬理学的作用薬として作用する)ために、ならびに(ii)神経伝達物質の分泌を調節する、従って、これらの疾病に随伴する症状を予防および抑制するために有効な量で使用することができる。加えて、本化合物は、(i)患者の脳のnAChRの数を増加させる、(ii)神経保護作用を示す、および(iii)有効量で使用されたとき、感知可能な有害副作用(例えば、血圧および心拍数の有意な増加、胃腸管に対する有意なマイナス作用、ならびに骨格筋に対する有意な作用))をもたらさない可能性を有する。本医薬組成物は、様々な状態または疾患の予防および治療に関して安全で有効であると考える。
【0013】
本発明の上記および他の側面は、下に記載する詳細な説明および実施例において詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
本明細書に記載の化合物は、式1および2によって表される構造を有する。
【0015】
【化2】

【0016】
式1および2において、mおよびnは、個別的に、1または2の値を有することができ、pは、1、2、3または4の値を有することができる。これらの式において、Xは、酸素または窒素(すなわち、NR’)のいずれかであり、Yは、酸素または硫黄のいずれかであり、Zは、窒素(すなわち、NR’)、共有結合またはリンカー化学種、Aのいずれかである。Aは、基−CR’R”−、−CR’R”−CR’R”−、−CR’=CR’−、および−C−(これらの式中のR’およびR”は、後で定義するとおりである)から選択される。Zが、共有結合またはAであるとき、Xは、窒素でなければなない。Arは、非置換であるか置換されている、炭素環式または複素環式いずれかの、単環式または融合多環式いずれかのアリール基であり;Cyは、非置換であるか、置換されている5または6員ヘテロ芳香族環である。波線は、これらの部位では相対立体化学と絶対立体化学の両方(例えば、シスまたはトランス、RまたはS)が可変的であることを示す。本発明は、さらに、これらの医薬適合性の塩を包含する。本化合物は、1個またはそれ以上の不斉炭素を有し、従って、ラセミ混合物、エナンチオマーおよびジアステレオマーの形態で存在することができる。加えて、本化合物の一部は、炭素−炭素二重結合についてのEおよびZ異性体として存在する。これらの個々の異性体化合物およびこれらの混合物もすべて、本発明の範囲に入ると考える。
【0017】
従って、本発明は、Arが、カルボニル基含有官能基、例えば、アミド、カルバメート、尿素、チオアミド、チオカルバメートまたはチオ尿素官能基によってアザビシクロ環に結合している化合物を包含する。加えて、アミドおよびチオアミド官能基の場合、Arは、カルボニル(またはチオカルボニル)基に直接結合していてもよいし、またはリンカーAによってカルボニル(またはチオカルボニル)基に結合していてもよい。さらに、本発明は、5、6または7員環を含有し、合計7、8または9個の環原子を有する1−アザビシクロ環(例えば、1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび1−アザビシクロ[3.2.2]ノナン)を含有する化合物を包含する。
【0018】
ここで用いる「アルコキシ」は、直鎖または分枝鎖形態の炭素原子1から8個のアルキル基を包含し、酸素原子に結合しているC3〜8シクロアルキルも包含する。
【0019】
ここで用いる「アルキル」は、直鎖および分枝鎖C1〜8アルキル、好ましくはC1〜6アルキルを包含する。「置換アルキル」は、ArおよびCyに関連して下で定義するような置換基1から3個を有するアルキル置換基を定義するものである。
【0020】
ここで用いる「アリールアルキル」は、式1または2の化合物において示されている位置に結合しているアルキルに芳香族炭化水素が結合している、ベンジルなどの部分を指す。「置換アリールアルキル」は、ArおよびCyに関連して下で定義するような置換基1から3個を有するアリールアルキル置換基を定義するものである。
【0021】
ここで用いる「芳香族炭化水素」は、3から10員、好ましくは5および6員の芳香族およびヘテロ芳香族環、ならびに5および/または6員芳香族および/またはヘテロ芳香族環を含む多環式芳香族炭化水素を指す。
【0022】
ここで用いる「アリール」は、単環式、融合多環式、両方の炭素環式芳香族環と複素環式芳香族環の両方を包含し、この場合の芳香族環は、5または6員環であり得る。代表的な単環式アリール基には、フェニル、フラニル、ピロリル、チエニル、ピリジニル、ピリミジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルなどが挙げられるが、これらに限定されない。融合多環式アリール基は、融合環構造の中の1つ以上の環として5または6員芳香族またはヘテロ芳香族環を含む芳香族基である。代表的な融合多環式アリール基には、ナフタレン、アントラセン、インドリジン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8−ナフチリジン、プテリジン、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジンおよびアズレンが挙げられる。
【0023】
ここで用いられる「カルボニル基含有部分」は、式−X−C(=Y)−Z−Arであり、この式中のX、C、Y、ZおよびArは、本明細書中で定義するとおりである。
【0024】
ここで用いる「Cy」基は、5および6員環ヘテロ芳香族基である。代表的なCy基には、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルなどが挙げられる。
【0025】
個別的に、ArおよびCyは、非置換であってもよいし、またはアルキル、アルケニル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ハロ(例えば、F、Cl、Br、又はI)、−OR’、−NR’R”、−CF、−CN、−NO、−CR’、−SR’、−N、−C(=O)NR’R”、−NR’C(=O)R”、−C(=O)R’、−C(=O)OR’、−OC(=O)R’、−O(CR’R”)C(=O)R’、−O(CR’R”)NR”C(=O)R’、−O(CR’R”)NR”SOR’、−OC(=O)NR’R”、−NR’C(=O)OR”、−SOR’、−SONR’R”、及び−NR’SOR”、などの置換基1、2または3個で置換されていてもよい。この場合のR’およびR”は、個別的に、水素、低級アルキル(例えば、C〜C、好ましくはC〜Cを含む直鎖または分枝鎖アルキル、例えばメチル、エチルもしくはイソプロピル)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはアリールアルキル(ベンジルなど)であり、rは、1から6の整数である。R’およびR”は、一体になって環状官能基を形成することがある。
【0026】
ここで用いるシクロアルキルラジカルは、炭素原子3から8個を含有する。適するシクロアルキルラジカルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。ここで用いるポリシクロアルキルラジカルは、アダマンチル、ボルナニル、ノルボルナニル、ボルネニルおよびノルボルネニルから選択される。
【0027】
ここで用いるハロゲンは、塩素、ヨウ素、フッ素または臭素である。
【0028】
ここで用いるヘテロアリールラジカルは、酸素、硫黄および窒素から選択されるヘテロ原子を1個またはそれ以上含む、3から10員、好ましくは5または6員を有する環である。適する5員環へテロアリール部分の例には、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、テトラゾリルおよびピラゾリルが挙げられる。適する6員環へテロアリール部分の例には、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルが挙げられ、これらの中でもピリジニルおよびピリミジニルが好ましい。
【0029】
ここで用いる「複素環式」または「ヘテロシクリル」ラジカルは、酸素、硫黄および窒素から選択されるヘテロ原子を1個またはそれ以上含む、3から10員の環を包含する。適する複素環式部分の例には、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロフラニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
適する医薬適合性の塩の例には、無機酸付加塩、例えば、塩化物、臭化物、硫酸塩、リン酸塩および硝酸塩;有機酸付加塩、例えば、酢酸塩、ガラクタル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびアルコルビン酸塩;アミノ酸との塩、例えば、アスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩;アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えば、マグネシウム塩およびカルシウム塩;アンモニウム塩;有機塩基塩、例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩およびN,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩;ならびに塩基性アミノ酸との塩、リシン塩およびアルギニン塩が挙げられる。これらの塩は、場合により、水和物またはエタノール溶媒和物であることもある。代表的な塩は、Dullらの米国特許第5,597,919号、およびDullらの同第5,616,716号、およびRuecroftらの同第5,663,356号に記載されているように提供される。
【0031】
ここで用いる、本明細書に記載の化合物により放出が調節される(すなわち、化合物が作動薬として機能するか、不完全作動薬として機能するか、または拮抗薬として機能するかによって増加されるか、減少される)神経伝達物質には、アセチルコリン、ドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニンおよびグルタメートが挙げられるが、これらに限定されない。および本明細書に記載の化合物は、1つ以上のニコチン性受容体のモジュレータとして機能する。
【0032】
ここで用いる「作動薬」は、この結合パートナー、すなわち、典型的には受容体を刺激する物質である。刺激は、特定のアッセイに関連して定義され、または、当業者には理解されるように、文献において実質的に同様の状況のもとで特定の結合パートナーの「作動薬」としてまたは「拮抗薬」として認められている因子または物質と比較する本明細書中での考察からわかることもある。刺激は、結合パートナーとこの作動薬または不完全作動薬の相互作用によって誘発される、およびアロステリック効果を包含し得る、特定の作用または機能の増加を基準にして定義することができる。
【0033】
ここで用いる「拮抗薬」は、この結合パートナー、すなわち典型的には受容体を阻害する物質である。阻害は、特定のアッセイに関連して定義され、または当業者には理解されるように、文献において実質的に同様の状況のもとでこの特定の結合パートナーの「作動薬」としてまたは「拮抗薬」として認められている因子または物質と比較する本明細書中での考察からわかることもある。阻害は、結合パートナーとこの拮抗薬の相互作用によって誘発される、およびアロステリック効果を包含し得る、特定の作用または機能の低下にを基準にして定義することができる。
【0034】
ここで用いる「不完全作動薬」は、全面的または完全な拮抗薬のものと作動薬活性に関するいずれかの公認基準によって定義された作動薬のものの中間のレベルの刺激をこの結合パートナーにもたらす物質である。刺激および従って阻害は、あらゆる物質について、または作動薬、拮抗薬もしくは不完全作動薬と定義することができる物質のカテゴリーについて、固有に定義されると理解されよう。ここで用いる「固有活性」または「有効度」は、結合パートナー複合体の生物学的有効性のなんらかの尺度に関する。受容体の薬理作用に関しては、固有活性または有効度を定義すべき状況は、結合パートナー(例えば、受容体/リガンド)複合体の状況、および特定の生物学的結果に関連した活性の問題に依存するであろう。例えば、環境によっては、固有活性が、含まれる特定の第二メッセンジャー系に依存して変化することもある。Hoyer,D and Boddeke,H.,Trends Pharmacol Sci.14(7):270−5(1993)参照。どのような場合にこうした状況特異的評価が妥当であるか、またいかにそれらが本発明の状況下で妥当であろうかは、当業者には明白であろう。
【0035】
一つの実施態様において、pの値は、1であり、Cyは、3−ピリジニルまたは5−ピリミジニルであり、XおよびYは、酸素であり、Zは、窒素であり、アザビシクロ環の2および3位の置換基の相対立体化学は、シスである。もう一つの実施態様において、pの値は、1であり、Cyは、3−ピリジニルまたは5−ピリミジニルであり、XおよびZは窒素であり、Yは、酸素であり、アザビシクロ環の2および3位の置換基の相対立体化学は、シスである。第三の実施態様において、pの値は、1であり、Cyは、3−ピリジニルまたは5−ピリミジニルであり、Xは、窒素であり、Yは、酸素であり、Zは、共有結合(カルボニルとArの間)であり、アザビシクロ環の2および3位の置換基の相対立体化学は、シスである。第四の実施態様において、pの値は、1であり、Cyは、3−ピリジニルまたは5−ピリミジニルであり、Xは、窒素であり、Yは、酸素であり、Zは、A(カルボニルとArの間のリンカー化学種)であり、アザビシクロ環の2および3位の置換基の相対立体化学は、シスである。
【0036】
本発明の代表化合物には、次のものが挙げられる:
N−フェニルカルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−フルオロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−クロロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−ブロモフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−フルオロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−クロロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−ブロモフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−フルオロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−クロロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−ブロモフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−メチルフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−ビフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−メチルフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−ビフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−メチルフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−ビフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−シアノフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−シアノフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−シアノフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−トリフルオロメチルフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−ジメチルアミノフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−メトキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−フェノキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−メチルチオフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−フェニルチオフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−メトキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−フェノキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−メチルチオフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−フェニルチオフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−メトキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−フェノキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−メチルチオフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−フェニルチオフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2,4−ジメトキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−チエニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−チエニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−ベンゾチエニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(1−ナフチル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、および
N−(2−ナフチル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル。
【0037】
本発明を代表する他の化合物には、次のものが挙げられる:
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−フェニル−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−フルオロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−クロロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−ブロモフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−フルオロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−クロロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−ブロモフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−フルオロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−クロロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−ブロモフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−メチルフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−ビフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−メチルフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−ビフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−メチルフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−ビフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−シアノフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−シアノフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−シアノフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−メトキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−フェノキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−メチルチオフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−フェニルチオフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−メトキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−フェノキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−メチルチオフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−フェニルチオフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−メトキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−フェノキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−メチルチオフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−フェニルチオフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2,4−ジメトキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−チエニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−チエニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−ベンゾチエニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(1−ナフチル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、および
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−ナフチル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素。
【0038】
本発明を代表する他の化合物には、次のものが挙げられる:
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−フルオロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−フルオロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−フルオロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−クロロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−クロロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−クロロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−ブロモベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−ブロモベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−ブロモベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3,4−ジクロロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−メチルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メチルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−メチルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−フェニルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−フェニルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−フェニルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−シアノベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−シアノベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−シアノベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−トリフルオロメチルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−ジメチルアミノベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−メトキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メトキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−メトキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−フェノキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−フェノキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−フェノキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−メチルチオベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メチルチオベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−メチルチオベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−フェニルチオベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−フェニルチオベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−フェニルチオベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2,4−ジメトキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−ブロモニコチンアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−クロロニコチンアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−フェニルニコチンアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)フラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)フラン−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)チオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−ブロモチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−メチルチオチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−フェニルチオチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−メチルチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メチルチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−ブロモチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−クロロチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−(2−ピリジニル)チオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−アセチルチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−エトキシチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メトキシチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−アセチル−3−メチル−5−メチルチオチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)チオフェン−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1−メチルピロール−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ピロール−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)インドール−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)インドール−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1−メチルインドール−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1−ベンジルインドール−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1−イソプロピル−2−トリフルオロメチル−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1−イソプロピル−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンゾフラン−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メチルベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−ニトロベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−メトキシベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−7−メトキシベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−7−エトキシベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メチル−5−クロロベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−ブロモベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−アセチル−7−メトキシベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−メチルベンゾフラン−4−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ナフト[2,1−b]フラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ナフタレン−1−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−アミノナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メトキシナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−メトキシナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−アセトキシナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−フェニルプロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−フルオロフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−メトキシフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−メチル−3−フェニルプロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(2−フルオロフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−メチルフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−フルオロフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−メチルフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(2−フリル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(2−メトキシフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−ブロモフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−メトキシフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−ヒドロキシフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−ブロモフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(2−チエニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−ピリジニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−ビフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(1−ナフチル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−チエニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−イソプロピルフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メチル−3−フェニルプロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−フリル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−エチル−3−フェニルプロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(2−ピリジニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3,4−ジメチルチエノ[2,3−b]チオフェン−2−イル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−メチルチエン−2−イル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(2−ナフチル)プロプ−2−エナミド、および
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−メチルチオフェニル)プロプ−2−エナミド。
【0039】
前述の代表化合物のカルボニル基含有部分のいずれにおいても、NHをNCHで置換した結果生じる化合物は、同じく本発明の代表化合物である。前述の代表化合物のいずれにおいても、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンを、1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1−アザビシクロ[3.2.1]オクタンまたは1−アザビシクロ[3.2.2]ノナンのいずれかで置換した結果生じる化合物は、同じく本発明の代表化合物である。
【0040】
より具体的には、式2の化合物は、下記一般式:
【0041】
【化3】

の化合物を含む。
【0042】
これらの各化合物において、これらの個々の異性体、これらの混合物(これらのラセミ混合物、エナンチオマー、ジアステレオマー互変異性体を含む。)、およびこれらの医薬適合性の塩は、本発明の範囲内であると考える。
【0043】
I.化合物の調製方法
2−(アリールアルキル)−1−アザビシクロアルカンの調製
式1および2の化合物は、3−置換2−(アリールアルキル)−1−アザビシクロアルカンである。本発明の化合物を調製することができる手法は、様々であり得るが、それらは、2−(アリールアルキル)−1−アザビシクロアルカンの合成中に生成する中間体(ケトンおよびアルコール)を使用して適便に調製され、このことを今から説明する。他の合成戦略は、当業者には明らかであろうが、2−(アリールアルキル)−1−アザビシクロアルカンは、アルデヒドおよび一定のアザ二環式ケトンから形成されるアルドール縮合生成物の還元によって製造することができる。従って、塩酸3−キヌクリジノンを水酸化カリウムメタノール溶液の存在下でピリジン−3−カルボキシアルデヒド(Aldrich Chemical Companyから入手できる)と反応させると、2−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンが結果として生じる。この共役エノン官能基の段階的還元を幾つかの異なる順序で遂行して、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンを生じさせることができる。例えば、前記エノンの触媒水素化(パラジウム触媒)によって、この飽和ケトン、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン、本発明の化合物の合成における中間体が生成する(「置換−2−(アリールアルキル)−1−アザビシクロアルカン」と題するセクションを参照のこと)。ケトンからアルコールへの還元は、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、アルミニウムイソプロポキシド、または同様の還元を行うための化学合成技術分野において公知である他の試薬を使用して、遂行することができる。このアルコール、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールは、シスジアステレオマーとトランスジアステレオマーの混合物(前のものが主)であり、本発明の化合物の合成における中間体でもある(「置換−2−(アリールアルキル)−1−アザビシクロアルカン」と題するセクションを参照のこと)。還元剤の選択は、このシス/トランス比に影響を及ぼす。次に、塩化チオニルまたは同様の試薬を使用して、このアルコールを3−クロロ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンに転化させることができる。次に、例えばラネーニッケルを使用して、この塩化物を2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンに還元することができる。前記クロロ中間体は、このアルカン、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−2−エンに転化させることもでき、次いで、触媒水素化により、これをこのアルカンに還元することができる。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンは、Wolkoff,J.Org.Chem.47:1944(1982)の方法に従って、脱ハロゲン化水素反応に使用することができる。また、次いで、この2−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンは、水素化ホウ素ナトリウムを使用して、先ず、このケトン官能基を還元することにより、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンに転化させることができる。得られた不飽和アルコール、2−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールを、塩化チオニルで処理して(クロロ化合物を作り)、続いてラネーニッケルで処理して(このクロロ部分を還元除去し)、次いで、例えばパラジウム触媒を用いて水素化して(二重結合を還元して)、アルカンを得る。この後の方の経路を利用したときにアリル転位が観察されることは、注目に値する。例えば、このクロロ化合物のラネーニッケル還元の結果生じる材料は、環外アルカンと環内アルカンの混合物(後のものが主)である。この経路は、2−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンと2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン、両方の入手手段となる。
【0044】
代替アプローチでは、アリール含有有機金属化合物をアザ二環式カルボニル化合物と反応させ、得られたアルコールを、次いで、上記の方法を使用してアルカンに還元することにより、2−(アリールアルキル)−1−アザビシクロアルカンを作ることができる。例えば、2−((3−ピリジニル)ヒドロキシメチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンは、3−ピリジニルリチウムをキノクリジン−2−カルボキシアルデヒドと反応させることによって生成させることができる。このアルコールを塩化チオニルと反応させて対応する塩化物を生成させ、次いで、ラネーニッケルで還元することにより、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンが得られるだろう。必要なキヌクリジン−2−カルボキシアルデヒドの合成は、Ricciardi and Doukas,Heterocycles 24:971(1986)により記載されており、この3−ピリジニルリチウムは、エーテルまたはトルエン中、低温で、n−ブチルリチウムを用いて処理することにより3−ブロモピリジンから生じさせることができる(Caiら,Tetrahedron Lett.43:4285(2002))。
【0045】
2−((4−、5−および6−置換−3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンを合成することができる手法は、様々であり得る。例えば、5−ブロモピリジン−3−カルボキシアルデヒドおよび塩酸3−キヌクリジノン(Aldrichから市販されている)は、Neilsen and Houlihan,Org.React.16:1(1968)に記載されているように、水酸化カリウムメタノール溶液の存在下で反応させることができる。次に、このアルドール縮合生成物、2−((5−ブロモ−3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンを水素化ホウ素ナトリウムで処理して、このアルコール、2−((5−ブロモ−3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールを結晶質固体として生じさせることができる。この中間体を室温でニートの塩化チオニルと反応させて、二塩酸3−クロロ−2−((5−ブロモ−3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンを純粋な結晶質固体として得る。Masamuneら,J.Am.Chem.Soc.95:6452(1973)によって記載されているように、水素化トリメトキシアルミニウムリチウムおよびヨウ化銅を使用してこの塩素の還元除去を遂行して、所望の生成物、2−((5−ブロモ−3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンを結晶質固体として得ることができる。次に、このメチレン中間体を、パラジウム触媒の存在下で水素化することにより、所望の生成物、2−((5−ブロモ−3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンに転化させることができる。この異性体化合物、2−((4−ブロモ−3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび2−((6−ブロモ−3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンは、上に与えた合成アプローチにおいて5−ブロモピリジン−3−カルボキシアルデヒドの代わりに4−ブロモピリジン−3−カルボキシアルデヒドまたは6−ブロモピリジン−3−カルボキシアルデヒドをそれぞれ用いることにより、同様の手法で調製することができる。
【0046】
必要なアルデヒド、5−ブロモピリジン−3−カルボキシアルデヒドは、5−ブロモニコチン酸(Aldrich Chemical CompanyおよびLancaster Synthesis,Inc.から市販されている)から調製することができる。Ashmoriら,Chem.Pharm.Bull.38(9):2446(1990)により報告されているように、5−ブロモニコチン酸をクロロ蟻酸エチルで処理して、混合無水物を形成することができ、次いで、これを、例えばテトラヒドロフラン(THF)中、−78℃で水素化アルミニウムリチウムで還元して、5−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)ピリジンを生じさせることができる。また、Nutaitisら,Org.Prep.and Proc.Int.24:143(1992)に報告されている技法に従って、5−ブロモニコチン酸を、例えば硫酸およびエタノールの存在下でエステル化し、この中間体エチルエステルを過剰な水素化ホウ素ナトリウムで還元して、5−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)ピリジンを生じさせることができる。得られた5−ブロモ−3−(ヒドロキシメチル)ピリジンは、次に、Stocksら,Tetrahedron Lett.36(36):6555(1995)およびMancusoら,J.Org.Chem.44(23):4148(1979)の方法に従って、塩化オキサリルおよびジメチルスルホキシドを使用するSwern酸化により5−ブロモ−3−ピリジンカルボキシアルデヒドに転化させることができる。このアルデヒド、4−ブロモピリジン−3−カルボキシアルデヒドは、ChinらによりPCT国際公開公報第94/29893号に記載された方法論に従って、またはOjeaら,Synlett.6:622(1995)により記載された方法論によって合成することができる。6−ブロモピリジン−3−カルボキシアルデヒドは、Windschief and Voegtle,Synthesis 1:87(1994)またはFeyらのドイツ特許第93/4320432号に記載されている手順に従って調製することができる。
【0047】
上記の方法は、常用の実験法以外一切使用せず、アルドール縮合のアルデヒド成分を変化させることにより、様々な2−(アリールメチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、2−(アリールメチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび2−(アリールメチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−2−エンの調製に適用することができる。置換および非置換、両方の炭素環式および複素環式芳香族アルデヒドを使用することができる。
【0048】
有機合成技術分野の技術者には、一部の置換基は、使用する反応条件により転位し得るので、アルデヒドが有する置換基の反応性を注意深く評価しなければならないことは、理解されるだろう。反応条件下で潜在的に反応性である基の例は、−OH、−SH、−NH、および−COHである。当業者には公知であるように、そうしなければアルドール縮合または後続の反応段階中に転位することがある置換基については、こうした置換基に適する保護基またはシントンを使用することができる。これらの「保護」基は、Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis 第2版,Wiley − Interscience Pub.(1991)により記載された方法に従って、選択し、導入し、切断することができる。適する合成シントンの例は、例えば、Hase,Umpoled Synthons:A Survey of Sources and Uses in Synthesis,Wiley,Europe(1987)に記載されている。これらの出版物の内容は、全体が本明細書に参照により組込まれる。
【0049】
リンカーの長さの変化
本発明の化合物は、ヘテロ芳香族環官能基とアザビシクロ環官能基の間のリンカーに1個またはそれ以上の炭素を含むことができる。2−(2−(3−ピリジニル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、2−(3−(3−ピリジニル)プロピル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、および2−(4−(3−ピリジニル)ブチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンのような化合物を調製することができる手法は、様々であり得る。例えば、2−(2−(3−ピリジニル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンは、異なる方法によって調製することができる。一つのアプローチでは、3−ピリジンアセトアルデヒド(2−(3−ピリジニル)エタナールとしても公知である)を、メタノール中の水酸化カリウムもしくは水酸化ナトリウムまたはエタノール中のナトリウムエトキシドなどの塩基を使用して、直接アルドール反応で、塩酸3−キヌクリジノン(Aldrich Chemical Companyから市販されている)と縮合させることができる。様々なエノールエーテルを利用する手順を含む反応の変更を伴うアルデヒドとケトンの間の直接アルドール縮合は、Smith and March,Advanced Organic Chemistry,Reactions,Hechanismss and Structure,第5版,Wiley−InterscieIlce Pubs.,pp.1220−1221(2001)に記載されている。反応条件に依存して、縮合生成物が自発的に脱水してエノンを与えることもあり、またはそうでないこともある。従って、当業者には公知の様々な脱水プロトコルのいずれかのもとで、2−(1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンなどの中間縮合生成物を処理して、この場合には2−(2−(3−ピリジニル)エチリデン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンを生じさせることが必要なことがある。この不飽和ケトンの炭素−炭素二重結合を水素化により還元して、ケトン、2−(2−(3−ピリジニル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンを得ることができ、これを、Wolff−Kishner条件下でさらに還元して、2−(2−(3−ピリジニル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンを生じさせることができる。Yaninaら,Khlim.− Farm.Zh.21(7):808(1987)により記載されたものに類似した方法を、後の方の還元に用いることができる。また、水素化ホウ素ナトリウムを使用してこのケトンをアルコールに還元し、次いで、このアルコールを、(塩化チオニルを使用する)クロロ中間体への転化、続くラネーニッケル還元により、アルカンに還元することができる。上の合成アプローチにおいて2−(3−ピリジニル)エタナールの代わりに3−(3−ピリジニル)プロパナールを用いることにより、2−(3−(3−ピリジニル)プロピル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび対応する合成中間体が導びかれる。上の合成アプローチにおいて、2−(3−ピリジニル)エタナールの代わりに4−(3−ピリジニル)ブタナールを用いることにより、2−(4−(3−ピリジニル)ブチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび対応する中間体が導かれる。すべての場合、この飽和ケトンおよびアルコール中間体は、本発明の化合物への合成アプローチとなる(「置換2−(アリールアルキル)−1−アザビシクロアルカン」と題するセクションを参考のこと)。
【0050】
上のアルドール縮合に必要なアルデヒドは、様々な方法により調製することができる。1つのアプローチでは、3−ピリジンアセトアルデヒド(2−(3−ピリジニル)エタナールとしても公知である)を、3−ピリジニル酢酸塩酸塩(Aldrich Chemical CompanyおよびLancaster Synthesis,Inc.から市販されている)から、エステルの中継を介して調製することができる。例えば、塩化トリメチルシリルおよびトリエチルアミンでの処理により、トリメチルシリルエステルが生じ、次いで、これを、Chandrasekharら,Tet.Lett.39:909(1998)の方法に従って水素化ジイソブチルアルミニウムで還元することができる。また、Heyら,J.Cliem.Soc.Part II:1678(1950)の方法を用いて、3−ピリジンアセトアルデヒドを3−(3−ピリジニル)アクリル酸(Aldrich Chemical CompanyおよびLancaster Synthesis,Inc.から市販されている)から調製することができる。この方法では、3−(3−ピリジニル)アクリル酸を、塩化チオニルでの処理により、この酸塩化物に転化させることができる。Panizza,Helv.Cliint.Acta 24:24E(1941)の方法に従ってこの酸塩化物をアンモニアで処理することにより、β−(3−ピリジニル)アクリルアミドが生じる。続くアミドを次亜塩素酸ナトリウムでの処理によりホフマン転位させることによって、2−(3−ピリジニル)ビニルカルバミン酸メチルを生じさせ、これを、エタノール中3Mの硫酸を還流させながら加水分解して、3−ピリジンアセトアルデヒドを得ることができ、これを硫酸2,4−ジニトロフェニルヒドラゾンとして単離することができる。
【0051】
2−(3−(3−ピリジニル)プロピル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび関連化合物の調製に使用することができるアルデヒド、3−(3−ピリジニル)プロパナールは、3−(3−ピリジニル)プロパノール(Aldrich Chemical CompanyおよびLancaster Synthesis,Inc.から市販されている)から調製することができる。Ratcliffeら,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1 8:1767(1985)の方法に従って、後ろの方のアルコールを、例えばピリジン中の酢酸鉛で、酸化することによって、3−(3−ピリジニル)プロパナールが生じる。また、3−(3−ピリジニル)プロパナールは、Stocksら,Tet.Lett.36(36):6555(1995)およびMancusoら,J.Org.Chem.44(23):4148(1979)の方法に従って、ジメチルスルホキシドおよびジクロロメタン中の塩化オキサリルを使用する3−(3−ピリジニル)プロパノールのSwern酸化によって調製することができる。
【0052】
2−(4−(3−ピリジニル)ブチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび関連化合物の調製に必要なアルデヒド、4−(3−ピリジニル)ブタナールは、Solladieら,Tetrahedron:Asymmetry 8(5):801(1997)の方法に従って、3−(3−ピリジニル)プロパノール(Aldrich Chemical CompanyおよびLancaster Synthesis,Inc.から市販されている)から同族体化法により調製することができる。3−(3−ピリジニル)プロパノールをトリブロモイミダゾールおよびトリフェニルホスフィンで処理することにより、1−ブロモ−3−(3−ピリジニル)プロパンを生じさせ、これを1,3−ジチアンのリチウム塩と縮合させることができる。得られた化合物のジチアニル基を塩化第二水銀水溶液および酸化水銀で加水分解することにより、4−(3−ピリジニル)ブタナールが生じる。
【0053】
2−(2−(3−ピリジニル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンの合成へのさらにもう一つのアプローチでは、3−ピコリンを、Fraserら,J.Org.Chem.50:3232(1985)により記載されたようにこのリチウム誘導体、3−(リチオメチル)ピリジンに転化させ、キヌクリジン−2−カルボキシアルデヒドと反応させることができる。得られたアルコール、2−(1−ヒドロキシ)−2−(3−ピリジニル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンを、次いで、前に説明した順序の一つ(すなわち、脱水、触媒水素化、塩化物への転化、脱ハロゲン化水素、触媒水素化、塩化物への転化、ラネーニッケル還元)により、2−(2−(3−ピリジニル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンに転化させることができる。キヌクリジン−2−カルボキシアルデヒドの合成は、Ricciardi and Doukas,Heterocycles 24:971(1986)によって記載されている。
【0054】
アザビシクロ環の変化
本発明の化合物は、アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンであるものを含む。2−((3−ピリジニル)メチル−1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンを合成することができる手法は、様々であり得る。一つのアプローチでは、ピリジン−3−カルボキシアルデヒドをアルドール縮合で1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンと反応させることができる。次に、このアルドール縮合生成物、2−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−オンは、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンの場合について前に記載した反応順序を使用して、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンに転化させることができる。様々な非置換または置換、炭素環式または複素環式芳香族アルデヒドをこの順序に利用することができる。必要な1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−オンは、例えば、Wadsworthら,米国特許第5,217,975号およびStreetら,J.Med.Chem.33:2690(1990)の方法に従って合成することができる。
【0055】
本発明は、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[3.2.1]オクタンなどの、アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[3.2.1]オクタンである化合物を含む。2−((3−ピリジニル)メチル−1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンの場合に関して記載したものに類似したアプローチを使用して、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを合成することができる。例えば、ピリジン−3−カルボキシアルデヒドと1−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オンのアルドール縮合(Sternbachら.J.Am.Chem.Soc.74:2215(1952)参照)によって、異性体生成物、2−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オンおよび4−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[3.2.1]オクタンが生じるだろう。次に、これらをクロマトグラフで分離し、前に記載したように2−((3−ピリジニル)メチレン−1−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オンを処理して、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを生成させることができる。様々な非置換または置換、炭素環式または複素環式芳香族アルデヒドをこの順序で利用することができる。必要な1−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オンは、例えば、Thill and Aaron,J.Org.Chem.33:4376(1969)の方法に従って合成することができる。すべての場合において、この飽和ケトンおよびアルコール中間体は、本発明の化合物の合成アプローチとなる。
【0056】
置換2−(アリールアルキル)−1−アザビシクロアルカン
記載した2−(アリールアルキル)−1−アザビシクロ環合成中に生じる中間体が、置換誘導体を合成する多くの機会をもたらすことは、当業者にはすぐにわかるだろう。例えば、2−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンなどの共役エノンは、銅塩の存在下で有機リチウムおよび有機マグネシウム試薬にさらされると、1,4−付加反応を受けることが公知である。こうした化学は、Org.React.19:1(1972)およびHouse,Acc.Chem.Res.9:59(1976)により総説されている。場合によっては、共役1,4−付加は、銅塩が不在の状態でさえ観察される。例えば、2−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンを、−10℃、エーテル中で、臭化フェニルマグネシウムで処理することにより、主生成物として2−(1−フェニル−1−(3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンが得られる。次に、このケトンを水素化ホウ素ナトリウムで処理して、このアルコール、2−(1−フェニル−1−(3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールを生じさせることができる。次に、このアルコールを室温で、ニートの塩化チオニルで処理して、3−クロロ−2−(1−フェニル)−1−(3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンを結晶質固体として得ることができる。この塩素を、Koning,Org.Prep.Proced.Int.7:31(1975)が記載しているように、ラネーニッケルの存在下での水素化により除去して、2−(1−フェニル)−1−(3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンを得ることができる。このアプローチの変形を用いて、多数のアルキルおよびアリール置換基を、ヘテロ芳香族(例えばピリジン)環とアザビシクロ(例えば、キヌクリジン)環の間のリンカー部分に取り付けることができる。
【0057】
2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンなどの飽和ケトン中間体も、誘導の機会をもたらす。一例は、アルケンを与える、リンイリド(WittgおよびHorner−Emmons試薬)との反応である。次に、これらのアルケンを触媒水素化によりアルカンに還元することができ、これは、このアザビシクロ環の3位にアルキルおよび置換アルキル置換基を有する2−((ヘテロアリール)アルキル)−1−アザビシクロ環を生成させる手段となる。従って、例として、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンは、メチレントリフェニルホスホランと反応して、3−メチレン−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンを与える。このアルカンの、例えば炭素担持パラジウム触媒での水素化によって、主としてシスジアステレオマーとして3−メチル−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンが生じる。
【0058】
飽和ケトン中間体の誘導のもう一つの説明は、アミンを与える還元アミノ化である。例えば、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンは、ギ酸アンモニウム、塩化亜鉛およびシアノ水素化ホウ素ナトリウムと反応して、3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンを主としてシスジアステレオマーとして与える。同様に、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンとメチルアミンおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムの反応によって、3−(メチルアミノ)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンが生じる。これらのアミン誘導体は、それらを様々なアシル化試薬(例えば、酸塩化物、酸無水物、活性エステル、およびカップリング試薬存在下でのカルボン酸)およびイソシアネートと反応させて、この1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンの3位にアミドおよび尿素置換基を有する2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(両方種類とも本発明の化合物である)を生成させることによる、ライブラリー形成のためのテンプレートとして使用することができる。
【0059】
市販されていないイソシアネートは、対応するアミンと、トリエチルアミン存在下でのトリホスゲンとから、インサイチューで調製することができる。こうした誘導体は、3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび3(メチルアミノ)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンの単一のエナンチオマーを出発原料として使用して、単一のエナンチオマーとして生成させることができる。例えば、(2R,3R)−および(2S,3S)−3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンは、例えばジアステレオマーアミドを使用する、シス3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンの分割により生成させることができる。従って、このシスアミンを、ジフェニルクロロホスフェートなどの適するカップリング試薬を使用して(S)−N−(t−ブトキシカルボニル)プロリンなどのキラル酸と反応させると、逆相クロマトグラフィーによって分離可能な一対のジアステレオマーアミドが生成する。次に、この分離プロリンアミドを、例えばトリフルオロ酢酸で処理によって脱保護する(t−ブトキシカルボニル保護基を除去する)ことができ、次いで、このプロリンを、例えばEdman分解条件(すなわち、フェニルイソチオシアネート、続いてトリフルオロ酢酸)を使用して、所望のアミンから切断することができる。
【0060】
また、3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンなどのラセミ還元アミノ化生成物は、ジ−O−p−トルイル酒石酸塩の分画結晶化により、これらのエナンチオマーに分離することができる。この酸のD(S,S)異性体とL(R,R)異性体の両方が市販されている(Aldrich Chemical Company)。例えば、ラセミ体シス3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンと0.5モル当量のジ−O−p−トルイル酒石酸のいずれかのエナンチオマーを併せることにより、ジアステレオマー塩混合物が生じ、この混合物からの単一のジアステレオマーをメタノール溶液から沈殿させる。
【0061】
2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールなどの飽和アルコール中間体も、化合物ライブラリのためのテンプレートとして役立つ。例えば、これらのアルコールからエーテルを、例えばMitsunobu条件またはWilliamson条件のいずれかを使用して、生じさせることができる。従って、一例として、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールを、ジエチルアジドカルボキシレートおよびトリフェニルホスフィンを用いるMitsunobuカップリング(Guthrieら,J.Chem.Soc.Perkin Trans I 45:2328(1998))により、フェノールと反応させると、3−フェノキシ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンが生じる。同様に、2−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールを水素化ナトリウムおよびヨウ化メチルで処理すると、不飽和エーテル、3−メトキシ−2−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンが形成される。これは、触媒水素化すると、飽和エーテル、3−メトキシ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(主としてシス)を与える。
【0062】
これらの飽和アルコール中間体は、またアシル化剤(例えば、酸塩化物および無水物)も反応させて、エステルおよびカルバメートをそれぞれ生成させる。従って、例として、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールは、フェニルイソシアネートと反応して、3−(N−フェニルカルバモイルオキシ)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンを生じさせる。こうしたカルバメート化合物は、本発明の化合物である。
【0063】
こうした誘導体は、2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールの単一のエナンチオマーを出発原料として使用して、単一のエナンチオマーとして生成させることができる。例えば、(2R,3R)−および(2S,3S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールは、ジアステレオマーエステルを使用するシス2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールの分割により、生成させることができる。従って、シスアルコールを(S)−2−メトキシ−2−フェニル酢酸およびN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドと反応させると、逆相クロマトグラフィーによって分離可能な一対のジアステレオマーエステルが生成する。次に、この分離エステルを、例えば、メタノール中の水酸化カリウムを使用して、エナンチオマー的に純粋なアルコールに加水分解することができる。また、(1S)−(−)−カンファン酸塩化物を使用して、シス2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールのジアステレオマーカンファネートエステルを生成させることができる。次に、これらのエステルを、Swaimら,J.Med.Chem.38:4793(1995)により記載された手順を使用して、分画結晶化する。
【0064】
ピリジン環の5位に置換基を有する多数の化合物を2−((5−ブロモ−3−ピリジニル)メチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンから調製することができ、この合成は、すでに記載している。例えば、5−アミノ置換化合物は、Zwartら,Recueil Trav.Chim.Pays−Bas 74:1062(1955)の一般法に従って、銅触媒の存在下でアンモニアを使用して、対応する5−ブロモ化合物から調製することができる。5−アルキルアミノ置換化合物は、同様の方法で調製することができる。5−アルコキシ置換類似体は、N,N−ジメチルホルムアミド中、ナトリウムアルコキシドとともに加熱することにより、またはCominsら,J.Org.Chem.55:69(1990)およびden Hertogら,Recueil Trav.Chim.Pays−Bas 74:1171(1955)により記載された一般技法に従って銅触媒を使用することにより、対応する5−ブロモ化合物から調製することができる。5−エチニル置換化合物は、Cosford,J.Med.Chem.39:3235(1996)により記載された一般技法に従って、2−メチル−3−ブチン−2−オールを使用するパラジウムを触媒としたカップリング、続く塩基(水素化ナトリウム)を触媒とした脱保護により、適切な5−ブロモ化合物から調製することができる。この5−エチニル類似体を、逐次的触媒水素化反応によって対応する5−エテニルに、続いて、対応する5−エチル類似体に転化させることができる。5−フェニル類似体は、フェニルボロン酸とのスズキカップリングにより、5−ブロモ化合物から調製することができる。置換フェニルボロン酸を使用することもできる。5−アジド置換類似体は、N,N−ジメチルホルムアミド中でのアジ化ナトリウムとの反応により、対応する5−ブロモ化合物から調製することができる。5−アルキルチオ置換類似体は、有機合成技術分野の技術者には公知の技法を使用して、ナトリウムの存在下で適切なアルキルメルカプタンと反応させることにより、対応する5−ブロモ化合物から調製することができる。
【0065】
前述の化合物の多数の5−置換類似体を、対応する5−アミノ化合物から、この5−ジアゾニウム塩中間体経由で合成することができる。5−ジアゾニウム塩中間体から生成させることができる他の5−置換類似体の中には、5−ヒドロキシ類似体、5−フルオロ類似体、5−クロロ類似体、5−ブロモ類似体、5−ヨード類似体、5−シアノ類似体および5−メルカプト類似体がある。これらの化合物は、Zwartら,Recueil Trav.Chim.Pays−Bas 74:1062(1995)に記載されている一般技法を使用して合成することができる。例えば、5−ヒドロキシ置換類似体は、対応する5−ジアゾニウム塩中間体と水の反応から調製することができる。5−フルオロ置換類似体は、この5−ジアゾニウム塩中間体とフルオロホウ酸の反応から調製することができる。5−クロロ置換類似体は、塩化銅の存在下での5−アミノ化合物と亜硝酸ナトリウムおよび塩酸との反応から調製することができる。5−シアノ置換類似体は、対応する5−ジアゾニウム塩中間体とシアン化カリウム銅との反応から調製することができる。5−アミノ置換類似体は、アミノピリジンをニトロピリジンに転化させるためのMorisawa,J.Med.Chem.20:129(1977)に記載されている一般技法に従って発煙硫酸と過酸化物を反応させることにより、対応する5−ニトロ類似体に転化させることもできる。適切な5−ジアゾニウム塩中間体を、Hoffmanら,J.Med.Chem.36:953(1993)に記載されている一般技法を使用するメルカプト置換類似体の合成に使用することもできる。次いで、今度はこの5−メルカプト置換類似体を、水素化ナトリウムおよび適切な臭化アルキルとの反応により、5−アルキルチオ置換類似体に転化させることができる。前述の化合物の5−アシルアミノ類似体は、有機合成技術分野の技術者には公知の技法を使用して、対応する5−アミノ化合物と適切な酸無水物または酸塩化物との反応により調製することができる。
【0066】
前述の化合物の5−ヒドロキシ置換類似体を使用して、適切な酸、酸塩化物または酸無水物との反応により、対応する5−アルカノイルオキシ置換化合物を調製することができる。同様に、この5−ヒドロキシ化合物は、電子不足の芳香族環(例えば、4−フルオロベンゾニトリルおよび2,4−ジクロロピリジン)での求核芳香族置換による5−アリールオキシ類似体と5−ヘテロアリールオキシ類似体の両方の前駆体である。こうした化学は、有機合成技術分野の当業者には公知である。エーテル誘導体も、ハロゲン化アルキルおよび適する塩基でのアルキル化により、またはトリアルキル−もしくはトリアリールホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルを一般に使用するMitsunobu化学により、5−ヒドロキシ化合物から調製することができる。典型的なMitunobu条件については、Hughes,Org.React.(N.Y.)42:335(1992)およびHughes,Org.Prep.Proced.Int.28:127(1996)を参照のこと。
【0067】
前述の化合物の5−シアノ置換類似体を加水分解して、対応する5−カルボキサミド置換化合物を生じさせることができる。さらなる加水分解により、対応する5−カルボン酸置換類似体が形成される。5−シアノ置換類似体の水素化アルミニウムリチウムでの還元により、対応する5−アミノメチル類似体が生じる。5−アシル置換類似体は、有機合成技術分野の技術者には公知の技法を使用して、適切なアルキルリチウム試薬との反応により対応する5−カルボン酸置換類似体から調製することができる。
【0068】
前述の化合物の5−カルボン酸置換類似体は、適切なアルコールと酸性触媒の反応により、対応するエステルに転化させることができる。5−ピリジニル位にエステルを有する化合物を、例えば水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化アルミニウムリチウムで還元して、対応する5−ヒドロキシメチル置換類似体を生成させることができる。および今度はこれらの類似体を、従来どおりの技法を使用して、例えば水素化ナトリウムおよび適切なハロゲン化アルキルと反応させることにより、5−ピリジニル位にアルコキシメチル部分を有する化合物に転化させることができる。また、この5−ヒドロキシメチル置換類似体を塩化トシルと反応させて、対応する5−トシルオキシメチル類似体を生じさせることができる。5−カルボン酸置換類似体は、塩化チオニルおよび適切なアルキルアミンで順次処理することにより、対応する5−アルキルアミノアシル類似体に転化させることもできる。これらのアミドのうちのいくつかは、容易に求核アシル置換を受けて、ケトンを形成することが公知である。例えば、いわゆるWeinrebアミド(N−メトキシ−N−メチルアミド)は、アリールリチウム試薬と反応して、対応するジアリールケトンを形成する。例えば、Selnickら,Tet.Lett.34:2043(1993)を参照のこと。
【0069】
前述の化合物の5−トシルオキシメチル置換類似体は、水素化アルミニウムリチウムとの反応により、対応する5−メチル置換化合物に転化させることができる。前述の化合物の5−トシルオキシメチル置換類似体を使用して、アルキルリチウム塩との反応により5−アルキル置換化合物を生成させることもできる。前述の化合物の5−ヒドロキシ置換類似体を使用して、N−アルキルイソシアネートとの反応により5−N−アルキルカルバモイルオキシ置換化合物を調製することができる。有機合成技術分野の技術者には公知の技法を使用し、上述の化合物の5−アミノ置換類似体を使用して、クロロ蟻酸アルキルエステルとの反応により、5−N−アルコキシカルボキサミド置換化合物を調製することができる。
【0070】
本発明の化合物の5−置換類似体の調製について上に記載したものに類似した化学を2−、4−および6−置換類似体の合成に利用することができる。これらの変換のための出発原料には、前述の2−((4−および6−ブロモ−3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンならびに2((2−、4−および6−アミノ−3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられ、これらは、Chichibabin反応(Lahtiら,J.Med.Chem.42:2227(1999))により2−((3−ピリジル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンから入手することができる。
【0071】
本化合物は、例えば、結晶化、クロマトグラフィーおよび/または抽出を含む、当業者には公知の方法を使用して、単離および精製することができる。
【0072】
式1および2の化合物は、通例の方法に従ってこれらのラセミ体を分離することにより、または光学的に純粋な出発原料を使用することにより、光学的に純粋な形態で得ることができる。
【0073】
式1および2の化合物は、無機酸または有機酸との付加塩に、場合により転換することができ、これは、適切な溶媒、例えばアルコール、ケトン、エーテルまたは塩素化溶媒などの有機溶媒中でのこうした酸の作用による。これらの塩も、本発明の一部を形成する。
【0074】
代表的な医薬適合性の塩には、ベンゼンスルホン酸塩、臭化物塩、塩化物塩、クエン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヨウ素酸塩、マレイン酸塩、イセチオン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチレンビス(β−オキシナフトエ酸塩)、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモエート(palmoate)、リン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、テオフィリン酢酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ヘミガラクタル酸塩およびガラクタル酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
イメージング剤
本発明の一定の化合物(例えば、3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンのアミド誘導体)は、画像診断法の際に有用な放射性核種を組み込むように合成することができる。特に興味深いものは、11C、18F、76Br、123I、125Iなどの放射性同位体部分を含む化合物である。本化合物は、様々な位置のいずれにおいても放射性標識することができる。例えば、ハロゲン系列の放射性核種をハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アリール部分または官能基の中に用いてもよいし、一方、11Cなどの放射性核種をアルキル(例えばメチル)部分または官能基とともに用いてもよい。
【0076】
例えば、Willstaetter and Kahn,Chem.Ber.37:406(1994)により記載されたように、市販のp−(ジメチルアミノ)安息香酸(Aldrich)をメタノール中のヨードメタンでの処理によりp−(トリメチルアンモニウム)安息香酸塩に転換する。フッ化物によるこのトリメチルアンモニウム基の置換は、類似の化合物において数人の研究者により報告されている(例えば、Machら,J.Med.Chem.36:3707(1993)およびJalalianら,J.Labelled Compd.Radiopharm.43:545(2000)参照)。一般に、これらの求核芳香族置換反応は、(水補助溶媒を伴う、または伴わない)ジメチルスルホキシド中で行われ、KFまたはCsFをフッ化物イオン源として使用する(KFを使用するときには、多くの場合、Kryptofix(登録商標)222が添加される)。こうした置換において18Fを使用すると、p−18フルオロ安息香酸が生じる。当業者には公知の様々な技法(これらのうちの一部は、前に記載した)のいずれかを使用して、このカルボン酸を迅速に3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンとカップリングさせて、N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−18フルオロベンズアミドを生じさせ、これを使用して特異的にα7 nAChRの画像を形成することができる。
【0077】
アミド官能基または尿素官能基を含む化合物(すなわち、Xおよび/またはZ=NR’、R’=H)は、塩基の存在下、このアミドまたは尿素基を、放射性標識ハロアルカンでアルキル化することにより、容易に放射性標識する(すなわち、R’が放射性標識低級アルキル、シクロアルキルまたはアリールアルキルである置換化合物を形成する)ことができる。こうした放射性標識ハロアルカンの一例は、11C標識ヨウ化メチルである。A.G.Hortiら,J.Med.Chem.41:4199−4206(1998)により記載されたものに類似した方法を使用することができる。得られたN−[11C]メチル含有化合物は、半分取または分取HPLCにより精製し、再構成のために簡単に単離することができる。11C標識ヨウ化メチルは、B.Langstromら,J.Nucl.Med.28(6):1037−1040(1987)により記載された一般法に従って調製することができる。例えば、窒素ガスを10MeVのプロトンで照射することにより、11C−二酸化炭素が生成する。4Åのモレキュラーシーブを使用して、この11C−二酸化炭素を捕捉し、次いで、これを鉛シールド内に保管する。この11C−二酸化炭素を〜250℃に加熱することにより、この4Åモレキュラーシーブから遊離させる。次に、この11C−二酸化炭素を窒素ガス流の中に持って行き、テトラヒドロフラン中の水素化アルミニウムリチウムを収容している容器内に捕捉する。加熱および窒素流によりこのテトラヒドロフランを除去し、次いで、ヨウ化水素酸での処理によりこの水素化アルミニウムリチウム錯体を加水分解することによって、11C標識ヨウ化メチルが生じる。この11C標識ヨウ化メチルは、メチル化すべき材料を収容している反応容器に、キャリアガスによって移送することができる。必要なアミド含有および尿素含有前駆化合物は、上に詳細に記載しており、得られた放射性標識化合物も、特異的にα7 nAChRの画像を形成するために使用することができる。
【0078】
II.医薬組成物
本明細書に記載する化合物は、医薬組成物に組み込むことができ、また一定の状態もしくは疾患を予防するためにこうした状態もしくは疾患になりやすい被験者において使用することができ、および/またはこの状態もしくは疾患に苦しんでいる被験者を治療するために使用することができる。本明細書に記載する医薬組成物は、式1および2の化合物の1つ以上ならびに/またはそれらの医薬適合性の塩を含む。キラル化合物をラセミ混合物として、または純粋なエナンチオマーとして利用することもできる。
【0079】
本化合物を投与する手法は、様々であり得る。本組成物は、好ましくは、(例えば、水性もしくは非水性液などの溶媒中、または固体担体中の液体の形態で)経口投与される。経口投与に好ましい組成物には、硬質ゼラチンカプセルおよび持効性カプセルを含む、ピル、錠剤、カプセル、カプレット、シロップおよび溶液が挙げられる。組成物は、単位用量形で、複数回量もしくは小単位量で調合することができる。好ましい組成物は、液体または半固体形態である。水などの液体医薬不活性担体または他の医薬適合性の液体もしくは半固体を含む組成物を使用することができる。こうした液体および半固体の使用は、当業者には公知である。
【0080】
本組成物は、注射により投与する、すなわち静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、動脈内、クモ膜下、および脳室内投与することもできる。静脈内投与は、好ましい注射方法である。注射に適する担体は、当業者によく知られており、5%デキストロース溶液、生理食塩水およびリン酸緩衝生理食塩水が挙げられる。本化合物は、輸液または注射剤として(例えば、医薬適合性の液体または液体の混合物中の懸濁液またはエマルジョンとして)投与することもできる。
【0081】
これらの調合物は、他の手段を使用して投与する、例えば直腸内投与することもできる。座薬などの直腸内投与に有用な調合物は、当業者には公知である。本化合物は、(例えば、経鼻的に、またはBrooksらの米国特許第4,922,901号(この開示は、この全文、本明細書に参照により組込まれる。)に記載されているタイプの送達物を使用して、エーロゾル形態で)吸入により投与;(例えば、ローション形態で)局所投与;または(経皮パッチを使用し、Novartis and Alza Corporationからの工業的に利用可能な技術を使用して)経皮投与することもできる。本化合物をバルク活性化学薬品の形態で投与することは可能であるが、効率的で有効な投与のために各化合物を医薬組成物または調合物の形態で提供するほうが好ましい。
【0082】
こうした化合物を投与するための方法の具体例は、熟練した技術者には明らかであろう。これらの調合物の有用性は、使用される個々の組成物および治療を受ける個々の被験者に依存する。これらの調合物は、油性であってもよく、水性であってもよく、乳化していてもよい液体担体を含有していてもよく、またはこの投与方式に適する溶媒を含有していてもよい。
【0083】
本組成物は、間欠的に、または漸進的、継続的、一定のもしくは制御された速度で、温血動物(例えば、マウス、ラット、ネコ、ウサギ、イヌ、ブタ、ウシまたはサル)に投与することができるが、有利には人間に投与する。加えて、本医薬調合物を投与する時刻および1日あたりの回数は、様々であり得る。
【0084】
好ましくは、投与し次第、活性成分は、この被験者体内の受容体部位と相互作用し、その結果、CNSの機能化に影響を与える。より具体的には、CNS障害を治療する際、好ましい投与は、CNSの機能化に対して効果がある関連ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)サブタイプに対する作用を最適にする一方で、筋肉型受容体サブタイプに対する作用を最少するように設計する。本発明の化合物の他の適する投与方法は、Smithらの米国特許第5,604,231号に記載されている。前記特許の内容は、本明細書に参照により組込まれる。
【0085】
ある状況下において、ここに記載の化合物は、特定の疾患を予防または治療することを目的とした他の化合物とともに医薬組成物の一部として利用することができる。本明細書に記載の化合物の有効量に加えて、本医薬組成物は、様々な他の成分を添加剤または補助剤として含むこともできる。該当環境で利用することができる医薬適合性成分または補助剤の具体例には、酸化防止剤、遊離ラジカル捕捉剤、ペプチド、成長因子、抗生物質、細菌発育阻止剤、免疫抑制剤、抗凝固薬、緩衝剤、抗炎症薬、解熱薬、時効性結合剤、麻酔薬、ステロイド、ビタミン、鉱物および副腎皮脂ホルモンが挙げられる。こうした成分は、追加の治療恩恵をもたらすことができ、医薬組成物の治療作用に影響を与えるように作用することができ、または医薬組成物の投与の結果として負わされることがあるあらゆる潜在的副作用を防止するように作用することができる。
【0086】
本化合物の適切な用量は、疾患の症状の発生を予防するために、または患者が苦しんでいる疾患の一部の症状を治療するために有効な量である。「有効量」、「治療量」又は「有効用量」とは、所望の薬理効果または治療効果を惹起する、従って、その結果としてこの疾患の有効な予防または治療をもたらすために充分な量を意味する。
【0087】
CNS障害を治療する場合、化合物の有効量は、被験者の血液脳関門を横断する、被験者の脳内の関連受容体部位に結合するために、および関連nAChRサブタイプの活性を調節する(例えば、神経伝達物質を分泌させ、従って、結果としてこの疾患の有効な予防または治療をもたらす)ために充分な量である。疾患の予防は、この疾患の症状の発現を遅らせることにより顕在化する。疾患の治療は、この疾患に随伴する症状の減少またはこの疾患の症状の再発の改善によって顕在化する。好ましくは、有効量は、所望の結果を得るために充分であるが、感知可能な副作用をもたらすには不充分な量である。
【0088】
有効用量は、患者の状態、疾患の症状の重症度、および医薬組成物を投与する手法などの因子に依存して、様々であり得る。人間の患者については、典型的な化合物の有効用量には、神経伝達物質(例えば、ドーパミン)の放出を生じさせるように関連nAChRの活性を調節するために充分な量での化合物の投与が一般に必要であるが、この量は、如何なる有意な程度にも骨格筋および神経節に対する作用を誘発するには不充分でなければならない。化合物の有効用量は、勿論、患者によって異なるが、一般に、CNSへの作用または他の望ましい治療効果の発生を開始させるが筋肉への作用が観察される量より低い量を包含する。
【0089】
本化合物は、本明細書に記載する方法に従って有効量で利用した場合、一定の関連nAChRに対して選択的であり、望ましくない副作用に関連した受容体を、ドーパミンまたは他の神経伝達物質の放出を惹起するために必要なものより少なくとも高い濃度で有意に活性化しない。これは、CNS障害の予防および/または治療に有効な化合物の個々の量が、神経伝達物質の放出の調節に必要なものより5倍高い、好ましくは100倍高い、さらに好ましくは1,000倍高い濃度で、ある神経節型nAChRの活性化の惹起に本質的に有効でないことを意味する。心臓血管性副作用の原因である神経節型受容体に対する本明細書に記載の化合物のこの選択性は、これらの化合物が、ドーパミン放出の活性化に必要なものより高い濃度で副腎クロム親和性組織のニコチン様機能を活性化することができないことにより示される。
【0090】
本明細書に記載する化合物は、本明細書に記載する方法に従って有効量で利用した場合、CNS障害の進行をある程度予防する、CNS障害の症状を改善する、およびCNS障害の再発をある程度改善することができる。これらの化合物の有効量は、感知可能なあらゆる副作用、例えば、骨格筋に関連する作用を惹起するために必要な閾値濃度より一般に低い。本化合物は、一定のCNS障害を治療する、および一定の副作用を回避する治療枠で投与することができる。理想的には、本明細書に記載する化合物の有効用量は、CNSに対して望ましい作用をもたらすために有効であるが、望ましくない副作用をもたらすには不充分である(すなわち、充分高いレベルでない)。好ましくは、本化合物は、CNS障害を治療するために充分な用量であるが、一定の副作用をあらゆる有意な程度に惹起するために必要な量の1/5未満、多くの場合1/10未満の用量で投与される。
【0091】
最も好ましくは、有効用量は、最大の効果の発生が最少の副作用とともに観察される、非常に低い濃度である。典型的に、こうした化合物の有効用量には、患者の体重のkgあたり5mg未満の量での化合物の投与が一般に必要である。多くの場合、本発明の化合物は、患者の体重のkgあたり約1mg未満、通常、患者の体重のkgあたり約100μg未満からの量であるが、多くの場合、患者の体重のkgあたり約10μgから100μg未満の間の量で投与される。低濃度で筋肉型ニコチン性受容体に対する作用を誘発しない化合物については、有効用量は、患者の体重のkgあたり5mg未満であり、多くの場合、こうした化合物は、患者の体重のkgあたり50μgから5mg未満の量で投与される。前述の有効用量は、1回分の用量として、または24時間の期間にわたって投与される1回以上分の用量として投与される量を一般に表す。
【0092】
人間の患者について典型的な化合物の有効用量には、患者1人につき24時間あたり少なくとも1mg、多くの場合少なくとも約10mg、しばしば少なくとも約100mgの量でのこの化合物の投与が一般に必要である。人間の患者について典型的な化合物の有効用量には、患者1人につき24時間あたり一般には約500mgを超えない、多くの場合約400mgを超えない、しばしば300mgを超えない化合物の投与が一般に必要である。加えて、本組成物は、患者の血漿中の化合物濃度が、通常は50ng/mLを超えない、多くの場合30ng/mLを超えない、しばしば10ng/mLを超えないような有効用量で有利には投与される。
【0093】
III.本化合物および/または医薬組成物の使用方法
本化合物は、他のタイプのニコチン性化合物が治療薬として提案されているタイプの状態および疾患の治療に使用することができる。例えば、Williamsら,Drug News Perspec.7(4):205(1994)、Arnericら,CNS Drug Rev.1(1):1(1995)、Arnericら,Exp.Opin.Invest.Drugs 5(1):79(1996)、Bencherifら,J.Pharmacol.Exp.Ther.279:1413(1996)、Lippielloら,J Pharmacol.Exp.Ther.279:1422(1996)、Damajら,J.Pharmacol.Exp.Layer.291:390(1999)、Chiariら,Anesthesiology 91:1447(1999)、Lavand’homme and Eisenbach,Anesthesiology 91:1455(1999)、Neuroscience(1997),Holladayら,J.Med.Chem.40(28):4169(1997)、Bannonら,Science 279:77(1998)、PCT国際公開公報第94/08992号、同第96/31475号、ならびにBencherifらの米国特許第5,583,140号、Dullらの同第5,597,919号、およびSmithらの同第5,604,231号、参照。これらの各々の開示は、それら全文、本明細書に参照により組込まれる。
【0094】
より詳細には、本化合物は、α7 nAChRサブタイプに対して選択性を有するニコチン性化合物が治療薬として提案されているタイプの状態および疾患の治療に使用することができる。例えば、Leonardら,Schizophrenia Bulletin 22(3):431(1996)、Freedmanら,Biological Psychiatry 38(1):22(1995)、Heeschenら,J.Clin.Invest.100:527(2002)、Utsugisawaら,Molecular Brain Research 106(1−2):88(2002)、米国特許出願第2002/0016371号、Levin and Rezvani,Current Drug Targets:CNS and Neurological Disorders 1(4):423(2002))、O’Neillら,Current Drug Targets:CNS and Neurological Disorders 1(4):399(2002)、Jeyarasasingamら,Neuroscience 109(2):275(2002))、Xiaoら,Proc.Nat.Acad.Sci.(US)99(12):8360(2002))、PCT国際公開公報第99/62505号、同第99/03859号、同第97/30998号、同第01/36417号、同第02/15662号、同第02/16355号、同第02/16356号、同第02/16357号、同第02/16358号、同第02/17358号、Stevensら,Psychopharm.136:320(1998)、Dolleら,J.Labelled Comp.Radiopharm.44:785(2001)およびMacorら,Bioorg.Med.Chem.Lett.11:319(2001)ならびにこれらの中の参考文献、参照。これらの各々の内容は、それら全文、本明細書に参照により組込まれる。
【0095】
本化合物は、前述のタイプの疾病および疾患の管理の際に、既存の治療薬と併用で補助治療薬として使用することもできる。こうした状況では、筋肉および神経節に関連するものなどのnAChRサブタイプに対する作用を最少にするような様式で活性成分を投与することが好ましい。これは、目標を定めた薬物送達により、および/または有意な副作用を達成するために求められる閾値投薬量を満たさず、望ましい効果が得られるように投薬量を調整することにより、達成することができる。本医薬組成物は、これらの状態、疾病および疾患に随伴するいずれかの症状を改善するために使用することができる。治療することができる疾患の代表的な種類は、下で詳細に論じる。
【0096】
CNS障害の治療
治療することができる状態および疾患の例には、神経疾患および神経変性疾患、特に、CNS障害が挙げられる。CNS障害は、薬物誘発性であることがあり、遺伝的素因、感染もしくは外傷に帰するものであることがあり、または病因不明のものであることがある。CNS障害は、神経精神障害、神経病および精神病を構成し、神経変性病、行動障害、認知障害および認知情動障害を含む。臨床症状がCNS機能障害に帰するものとされたいくつかのCNS障害(すなわち、不適切な神経伝達物質放出レベル、不適切な神経伝達物質受容体特性、および/または不適切な神経伝達物質−神経伝達物質受容体間相互作用に起因する障害)がある。いくつかのCNS障害は、コリン、ドーパミン、ノルエピネフリンおよび/またはセロトニンの欠損に帰するものであり得る。
【0097】
本発明に従って治療することができるCNS障害の例には、初老期痴呆(早発性アルツハイマー病)、老年痴呆(アルツハイマー型の痴呆)、レヴィー小体痴呆、微小梗塞性痴呆、AIDS関連痴呆、HIV痴呆、多発性脳梗塞、パーキンソン病を含むパーキンソン症候群、ピック病、進行性核上麻痺、ハンティングトン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、躁病、注意欠陥障害、不安、うつ病、失語症、精神分裂病性うつ病、強迫性障害、ツレット症候群、軽度認知障害(MCI)、加齢性記憶障害(AAMI)、若年性健忘症、ならびに加齢性であるかアルコール中毒もしくは免疫不全症候群の結果である、また血管疾患に関連する、遺伝子交代(例えば、トリソミー21)に関連する、または注意不全もしくは学習不全、急性もしくは慢性神経変性状態、例えば筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、末梢性神経栄養、および脳もしくは脊髄損傷に関連する認知障害が挙げられる。加えて、本化合物は、ニコチン嗜癖、および/または依存症につながる物質(例えば、アルコール、コカイン、ヘロインおよびアヘン剤、精神刺激薬、ベンゾジアゼピンならびにバルビツレート)に関連した他の行動障害を治療するために使用することができる。
【0098】
精神分裂病は、α7 nAChRサブタイプを調節することによる治療に特に適するCNS障害の一例である。本化合物を投与して、認知を改善することおよび/または神経保護をもたらすこともでき、これらの用途も、α7 nAChRサブタイプに特異的である化合物、例えば本発明の化合物での治療に特に適する。
【0099】
これらの疾患は、CNS障害の進行のある程度の予防をもたらす(すなわち、保護作用をもたらす)、前記障害の症状の改善をもたらす、および前記障害の再発の改善をもたらす化合物の有効な治療または予防量をこの治療または予防が必要な患者に投与することにより、治療および/または予防することができる。
【0100】
抗炎症用途
過剰な炎症および腫瘍壊死因子の合成は、様々な疾病における罹患率の、および死亡率までもの原因となる。これらの疾病には、内毒素血症、敗血症、関節リウマチおよび過敏性腸疾患が挙げられるが、それらに限定されない。神経系は、主として迷走神経を通じて、マクロファージ腫瘍壊死因子(TNF)の放出を抑制することにより先天的免疫反応の大きさを調節することが公知である。この生理学的メカニズムは、「コリン作用性抗炎症経路」として公知である(例えば、Tracey,「炎症性反射(The inflammatory reflex)」,Nature.420:853−9(2002)参照)。
【0101】
ニコチン性アセチルコリン受容体α7サブユニットは、マクロファージTNF放出のアセチルコリン抑制に必要であり、他のサイトカインの放出も抑制する。α7特異的受容体サブタイプでの作動薬(または高投薬量での不完全作動薬)は、TNF調節炎症反応を抑制することができる。従って、α7作動薬である本明細書に記載の化合物は、TNFの過剰合成によって特徴づけられる炎症性疾患を治療するために使用することができる(Wangら,「ニコチン性アセチルコリン受容体α7サブユニットは、炎症の本質的調節因子である(Nicotinic acetylcholine receptor α7 subunit is an essential regulator of inflammation)」,Nature,421:384−8(2003)も参照)。
【0102】
本明細書に記載する化合物を投与することにより治療または予防することができる炎症状態には、慢性および急性炎症、乾癬、痛風、急性偽性痛風、急性通風性関節炎、関節炎、関節リウマチ、変形性関節症、同種移植片拒絶反応、慢性移植片拒絶反応、喘息、アテローム性動脈硬化症、単核食細胞依存性肺損傷、特発性肺線維症、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸促迫症候群、鎌状赤血球症における急性胸部症候群、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、急性胆管炎、アフタ性口内炎、腎炎、ループス腎炎、血栓症、ならびに移植片対宿主反応が挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
細菌および/またはウイルス感染に随伴する炎症反応の最小化
多くの細菌および/またはウイルス感染は、毒素の形成、およびこの細菌もしくはウイルスおよび/または毒素に対する身体の自然反応によってもたらされるそれらに関する副作用を随伴する。こうした細菌感染の例には、炭疽、ボツリヌス中毒および敗血症が挙げられる。上で論じたように、感染に対する身体の反応は、多くの場合、有意な量のTNFおよび/または他のサイトカインの生成を含む。これらのサイトカインの過発現は、結果として、敗血症ショック(この細菌がセプシスである場合)、内毒素性ショック、尿路性敗血症および毒性ショック症候群などの有意な害をもたらすことがある。
【0104】
サイトカインの発現は、α7 nAChRによって媒介され、これらの受容体の作動薬または不完全作動薬の投与により抑制することができる。従って、これらの受容体の作動薬または不完全作動薬である、本明細書に記載する化合物を使用して、細菌感染ならびにウイルスおよび真菌感染に関連した炎症反応を最小にすることができる。本化合物のうちの幾つかは、それら自体、抗微生物特性を有することもある。
【0105】
これらの化合物は、抗生物質、抗ウイルス薬および抗真菌薬などの細菌、ウイルスおよび真菌感染を管理するための既存の治療薬と併用して補助治療薬として使用することもできる。抗毒素を使用して、感染因子により生じた毒素に結合させ、この結合した毒素が炎症反応を発生させることなく体内を通過できるようにすることもできる。抗毒素の例は、例えば、Bundleらの米国特許第6,310,043号に開示されている。前記特許は、本明細書に参照により組込まれる。細菌および他の毒素に対して有効な他の薬剤も、有効であり得、これらの治療効果は、本明細書に記載する化合物と共用投与することにより達成することができる。
【0106】
鎮痛用途
本化合物は、神経痛、神経障害性疼痛および/または慢性疼痛を含む疼痛を治療および/または予防するために投与することができる。本明細書に記載する化合物の鎮痛活性は、米国公開特許出願第2001/0056084 A1(Allgeierら)に記載されているように行われる持続性炎症性疼痛モデルおよび神経痛モデル(例えば、炎症性疼痛の完全フロイトアジュバントラットモデルにおける機械的痛覚過敏および神経障害性疼痛のマウス坐骨神経一部結紮における機械的痛覚過敏)で実証することができる。
【0107】
この鎮痛作用は、様々な起源および原因の疼痛を治療するために、特に、炎症性疼痛および関連痛覚過敏、神経障害性疼痛および関連痛覚過敏、慢性疼痛(例えば、重症慢性疼痛、術後疼痛、ならびに癌、アンギナ、腎または胆石仙痛、月経、偏頭痛および痛風を含む、様々な状態に随伴する疼痛)を治療する際に適する。炎症性疼痛は、関節炎およびリウマチ性疾患、腱鞘炎ならびに脈管炎を含む様々な起源のものであり得る。神経障害性疼痛には、三叉神経痛またはヘルペス性神経痛、糖尿病性神経障害性疼痛、灼熱痛、腰痛および求心路遮断症候群、例えば腕神経叢捻除が挙げられる。
【0108】
新血管形成の抑制
α7 nAChRは、新血管形成にも関連する。例えばα7 nAChRの拮抗薬(または一定の投薬量での不完全作動薬)の投与による新血管形成の抑制により、望ましくない新血管形成または脈管形成によって特徴づけられる状態を治療または予防することができる。こうした状態には、炎症性脈管形成および/または虚血誘発性脈管形成によって特徴付けられるものを挙げることができる。腫瘍成長に随伴する新血管形成も、α7 nAChRの拮抗薬または不完全作動薬として機能する、本明細書に記載する化合物の投与によって抑制することができる。
【0109】
α7 nAChR特異的活性の特定の拮抗薬は、炎症、虚血および新形成に対する脈管形成性反応を低下させる。本明細書に記載する化合物を評価するための適切な動物モデル系に関するガイダンスは、例えば、Heeschen,C.ら,「非神経性ニコチン性アセチルコリン受容体によって媒介される新規脈管形成経路(A novel angiogenic pathway mediated by non−neuronal nicotinic acetylcholinereceptors)」,J.Clin.Invest.110(4):527−36(2002)において見出すことができる。前記論文は、脈管形成のα7特異的抑制、ならびに人間の疾病に関連した脈管形成活性の動物モデリング、特にルイス肺腫瘍モデル(インビボ、マウスに関して − 特に、529頁および532〜533頁参照)に関し、参照により本明細書に組込まれる。
【0110】
本明細書に記載する化合物を使用して治療することができる代表的な腫瘍タイプには、NSCLC;卵巣癌;膵臓癌;乳癌;結腸癌;直腸癌;肺癌;中咽頭癌;下咽頭癌;食道癌;胃癌;膵臓癌腫;肝臓癌;胆嚢癌;胆管癌;小腸癌;尿路癌;腎臓癌;膀胱癌;尿路上皮癌;女性生殖器管癌;子宮頚癌;子宮癌;卵巣癌;絨毛癌;妊娠性絨毛疾患;男性生殖器管癌;前立腺癌;精嚢癌;睾丸癌;胚細胞腫瘍;内分泌腺癌;甲状腺癌;副腎癌;下垂体癌;皮膚癌;血管腫;黒色腫;肉腫;骨および軟部組織肉腫;カポジ肉腫;脳の腫瘍;神経の腫瘍;眼部の腫瘍;髄膜の腫瘍;星状細胞腫;神経膠腫;グリア芽細胞腫;網膜芽細胞腫;神経腫;神経芽細胞腫;神経鞘腫;髄膜腫;造血性悪性疾患(白血病、緑色腫、プラスマ細胞腫、ならびに菌状息肉腫および皮膚T細胞リンパ腫/白血病のプラークおよび腫瘍など)から生じる充実腫瘍;ならびに白血病から生じる充実性腫瘍が挙げられる。
【0111】
本化合物は、他の形態の抗癌治療と併用で投与することもでき、これには、シス−プラチン、アドリアマイシンなどの抗新生物抗腫瘍薬、および/またはそれ自体当該技術分野において公知である抗VEGF(血管内皮増殖因子)薬との共用投与を含む。
【0112】
本化合物は、腫瘍部位をターゲットにするような様式で投与することができる。例えば、本化合物は、微粒子を腫瘍部位に向ける様々な抗体に抱合させたマイクロスフェア、微粒子またはリポソームで投与することができる。加えて、本化合物は、動脈および静脈を通過するが、腫瘍周囲の毛細血管床に留まり、本化合物を局所的に腫瘍に投与するために適切なサイズに作られるマイクロスフェア、微粒子またはリポソームの中に存在することができる。こうした薬物送達装置は、当該技術分野では既知である。
【0113】
他の疾患
CNS障害、炎症性疾患および血管新生疾患の治療、ならびに疼痛反応の抑制に加えて、本化合物は、他のある状態、疾病および疾患を予防または治療するために使用することもできる。例には、狼瘡などの自己免疫疾患;サイトカイン放出関連疾患;感染に続発する(例えば、AIDS、AIDS関連複合症および新形成の際に発生するような)悪液質;ならびにPCT国際公開公報第98/25619号に記載の適応症が挙げられる。本化合物を投与して、癲癇の症候に基づくものなどの痙攣を治療する、ならびに梅毒およびクロイツフェルト−ヤコブ病などの状態を治療することもできる。
【0114】
診断用途
本化合物は、特に、適切な標識を含むように修飾されているとき、プローブなどの診断用組成物に使用することができる。これらのプローブを使用して、例えば、特異的受容体、特にα7受容体サブタイプの相対数および/または機能を判定することができる。本発明の化合物は、最も好ましくは、前で論じたような11C、18F、76Br、123I、125Iなどの放射性同位体部分で標識する。
【0115】
投与された化合物は、使用された標識に適する公知の検出方法を使用して検出することができる。検出方法の例には、陽電子放射形断層撮影法(PET)および単一光子放射形コンピュータ断層撮影法(SPECT)が挙げられる。上に記載した放射性標識は、11Cについては約20.4分、18Fについては約109分、123Iについては約13時間および76Brについては約16時間の半減期での、PET(例えば、11C、18Fまたは76Br)およびSPECT(例えば、123I)イメージングの際に有用である。選択した受容体サブタイプを非飽和濃度で視覚化するためには、高い特異的活性が望まれる。投与する用量は、典型的には毒性範囲より下であり、ハイコントラストイメージをもたらす量である。本化合物は、非毒性レベルで投与できることが求められる。用量の決定は、放射性標識イメージング技術分野の技術者には公知の手法で行う。例えば、Londonらの米国特許第5,969,144号参照。
【0116】
本化合物は、公知の技法を使用して投与することできる。例えば、Londonらの米国特許第5,969,144号参照。本化合物は、診断用組成物を調合する際に有用であるタイプのものなどの他の成分が組み込まれている調合組成物で投与することができる。本発明の実施に従って有用な化合物は、最も好ましくは、高純度の形態で利用する。例えば、Elmalchらの米国特許第5,853,696号参照。
【0117】
本化合物を被験者(例えば人間被験者)に投与すると、被験者体内のこの化合物の存在を適切な技法により画像化し、定量して、選択ニコチン性コリン作動性受容体サブタイプの存在、量および官能基を示すことができる。人間に加えて、本化合物は、マウス、ラット、イヌおよびサルなどの動物にも投与することができる。SPECTおよびPETイメージングは、適切な技法および装置を使用して行うことができる。代表的なイメージング技法の開示については、Villemagneら,In:Arnericら(編集),Neuronal Nicotinic Receptors:Pharmacology and Therapeutic Opportunities,235−250(1998)、およびElmalchらの米国特許第5,853,696号を参照のこと。
【0118】
放射性標識化合物は、選択的nAChRサブタイプ(例えば、α7)に対して高親和性で結合し、好ましくは、他のニコチン性コリン作動性受容体サブタイプ(例えば、筋肉および神経節に関連した受容体のサブタイプ)に対しては無視できるほどの非特異的結合を示す。従って、本化合物は、様々なCNS疾患および障害に関連した診断のための、被験者の体内、特に脳内のニコチン性コリン作動性受容体サブタイプの非侵襲的イメージング剤として使用することができる。
【0119】
一つの側面において、本診断用組成物は、人間患者などの被験者における疾病を診断するための方法に使用することができる。この方法は、本明細書に記載するような検出可能標識化合物を患者に投与すること、および選択ニコチン性受容体サブタイプ(例えば、α7受容体サブタイプ)に対するこの化合物の結合を検出することを含む。PETおよびSPECTなどの診断ツールの使用に関する技術分野の技術者は、本明細書に記載する放射性標識化合物を使用して、中枢および自律神経系の機能不全に随伴する状態および疾患を含む、多種多様な状態および疾患を診断することができる。こうした疾患には、アルツハイマー病、パーキンソン病および精神分裂病を含む多種多様なCNS疾患および障害が挙げられる。評価することができるこれらおよび他の代表的な疾病および疾患には、Bencherifらの米国特許第5,952,339号に記載されているものが挙げられる。この特許の内容は、本明細書に参照により組込まれる。
【0120】
もう一つの側面において、本診断用組成物は、人間患者などの被験者の選択的ニコチン性受容体サブタイプをモニターするための方法に使用することができる。この方法は、本明細書に記載するような検出可能標識化合物をこの患者に投与すること、および選択ニコチン性受容体サブタイプ(例えば、α7受容体サブタイプ)に対するこの化合物の結合を検出することを含む。
【0121】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するために提供するものであり、本発明の制限とみなすべきではない。
【0122】
IV.合成例
以下の合成例は、本発明を説明するために提供するものであり、本発明の範囲の制限とみなすべきではない。これらの例において、すべての部およびパーセントは、特に別様に言及しなければ、重量によるものである。反応収率は、モルパーセントで報告する。
【0123】
目的の化合物の合成の第一段階は、下に記載するような2−((3−ピリミジニル)メチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンの合成である:
2−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン
水酸化カリウム(56g、0.54mol)をメタノール(420mL)に溶解した。塩酸3−キヌクリジノン(75g、0.49mol)を添加し、この混合物を30分間、周囲温度で攪拌した。3−ピリジンカルボキシアルデヒド(58g、0.54mol)を添加し、この混合物を16時間、周囲温度で攪拌した。この反応混合物は、この期間に黄色になり、固体がフラスコの壁上にこびりついた。固体を壁からこすり落とし、これらのかたまりを粉砕した。急速攪拌しながら、水(390mL)を添加した。固体が溶解したら、この混合物を4℃で一晩冷却した。結晶を濾過により回収して、水で洗浄し、空気乾燥させて、80gの黄色の固体を得た。濾液をこの以前の量の〜10%に濃縮し、4℃で一晩冷却することにより、第二の収量(8g)を得た。両方の収量は、さらなる変換のために充分純粋であった(88g、82%)。
【0124】
2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン
2−((3−ピリジニル)メチレン)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン(20g、93mmol)をメタノール(200mL)に懸濁させ、46mLの6N HClで処理した。10%パラジウム/炭素(1.6g)を添加し、この混合物を25psiの水素のもとで16時間振盪した。混合物をCeliteに通して濾過し、回転蒸発により濾液から溶媒を除去して、粗製塩酸2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンを白色のゴム(20g)として得た。これを2NのNaOH(50mL)およびクロロホルム(50mL)で処理し、1時間攪拌した。クロロホルム層を分離し、水性相は、このpHを10に上げるために充分な(約5mLの)2NのNaOHと、NaCl飽和水溶液(25mL)とで処理した。これをクロロホルム(3x10mL)で抽出し、併せた抽出物を乾燥させ(MgSO)、回転蒸発により濃縮した。残留物(18g)を温エーテル(320mL)に溶解し、4℃に冷却した。白色の固体を濾過して取り出し、少量の冷エーテルで洗浄して、空気乾燥させた。濾液をこの以前の量の〜10%に濃縮し、4℃に冷却することにより、第二の収量を生じさせた。併せた収量16g(79%)を得た。
【0125】
次に、この2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オンを使用して、残りの実施例を合成する骨格を生じさせることができる。3つの骨格の合成および個々のエナンチオマーへのこれらの分離は、以下の手順によって遂行した。
【0126】
骨格1: 2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オール
Warawaら,J.Med.Chem.17(5):497(1974)により報告された手順に従って、250mLの三ツ口丸底フラスコにヴィグロウカラムおよび蒸留ヘッドを装着した。2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン(3.00g、13.9mmol)、イソプロパノール(165mL)、アルミニウムイソプロポキシド(10.4g、50.9mmol)および沸石4個をこのフラスコに添加した。この混合物を窒素下でゆっくりと蒸留し、留出物を3時間にわたって回収した。留出物が、(2,4−ジニトロフェニルヒドラゾンの形成による)アセトンの存在をもはや示さなくなったら、蒸留を停止し、この反応混合物を周囲温度に冷却した。回転蒸発により揮発成分を除去し、ゲル状の残留物をNaCl飽和水溶液(50mL)および50%NaOH水溶液(10mL)で希釈した。次に、この混合物をクロロホルム(3x25mL)で抽出し、抽出物を併せて、MgSOで乾燥させ、回転蒸発により濃縮した。得られたコハク色の油は、高圧処理すると、クリーム色の固体(3.02g、収率99.7%)になった。GCMS分析は、この生成物が、ジアステレオマーの93:7混合物であることを示した。2−[(ピリジン−3−イル)メチル]キヌクリジン−3−オールのシス相対立体配置が主ジアステレオマーであることは、この3−H化学シフトと、シス−およびトランス−2−(アリールメチル)キヌクリジン−3−オールの対応する化学シフトとの比較により示された(Warawa and Champbell,J.Org.Chem.39(24):3511(1974))。
【0127】
(R,R)および(S,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オール
(シス)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オール(1.97g、9.04mmol)、N,N−ジクロロヘキシルカルボジイミド(3.73g、18.1mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(55mg、0.40mmol)、(S)−2−メトキシ−2−フェニル酢酸(3.00g、18.1mmol)および無水ジクロロメタン(125mL)の混合物を、窒素下、周囲温度で24時間攪拌した。沈殿したN,N−ジシクロヘキシル尿素をこの反応混合物から濾過し、濾液を水(200mL)、NaHCO飽和水溶液(200mL)およびNaCl飽和水溶液(200mL)で順次洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、濃橙色の油(4.45g)を得た。このジアステレオマー混合物の一部(4.2g)をアセトニトリル(8.4mL)に溶解し、溶離剤として90:10:0.1のアセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸を使用する分取HPLCにより少しずつ分離した。これらのジアステレオマーは、3.8分と4.5分の保持時間を示した。様々な注入からの対応する画分を併せ、濃縮して、1.1g(収率56%)および0.70g(収率36%)それぞれを透明無色の油として得た。これらの溶媒非含有エステルのLCMS分析により、ジアステレオマー純度92%(3.8分の画分について)および95%(4.5分の画分について)を示すこれらの分離効率を確認した。
【0128】
別々のフラスコで、前記ジアステレオマー各々の一部(0.175g、0.477mmol)をメタノール(2.5mL)に溶解し、メタノール(3mL)中のKOH(0.20g、3.6mmol)の溶液で処理した。これらの混合物を一晩、周囲温度で攪拌した。蒸発によりメタノールを除去し、残留物をNaCl飽和水溶液(2mL)と50%NaOH(1mL)の混合物で希釈し、次いで、クロロホルム(3x5mL)で抽出した。前記加水分解各々について、有機層を併せ、乾燥させて(MgSO)、濾過し、濃縮した。これによって、3.8分ピーク由来のエナンチオマー0.061g(収率51%)および4.5分ピーク由来のエナンチオマー0.056g(収率54%)を得た。両方とも透明無色の油であった。
【0129】
骨格2: 3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
窒素下、乾燥メタノール(20mL)中の2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン(3.00g、13.9mmol)の攪拌溶液に、エーテル中のZnClの1M溶液(2.78mL、2.78mmol)を添加した。周囲温度で30分間攪拌した後、この混合物を固体ギ酸アンモニウム(10.4g、167mmol)で処理した。もう1時間、周囲温度で攪拌した後、固体シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.75g、27.8mmol)を少しずつ添加した。次に、この反応混合物を周囲温度で一晩攪拌し、水(〜5mL)の添加により反応を停止させた。この反応停止反応混合物を5MのNaOH(10mL)とクロロホルム(20mL)で分配した。水性層をクロロホルム(20mL)で抽出し、併せた有機層を乾燥させて(NaSO)、濾過し、濃縮した。これによって、2.97gの黄色のゴムが残った。GC/MS分析は、この生成物が、微量の対応するアルコールを伴うシスアミンとトランスアミンの90:10混合物であることを示した(質量回収率98%)。
【0130】
(R,R)および(S,S)−3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
ジ−p−トルオイル−D−酒石酸(5.33g、13.8mmol)を、メタノール(20mL)中の粗製3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(6.00g、27.6mmol、9:1 シス/トランスのもの)の攪拌溶液に添加した。完全に溶解したら、この透明な溶液を回転蒸発により固体の塊になるまで濃縮した。この固体を最少量の沸騰メタノール(〜5mL)に溶解した。この溶液を、最初は周囲温度に(1時間)、次に〜4時間にわたって5℃に、および最後に一晩にわたって−5℃に、ゆっくりと冷却した。沈殿した塩を吸引濾過により回収し、5mLのメタノールから再結晶させた。残った1.4gの白色固体を乾燥させ、これをクロロホルム(5mL)と2MのNaOH(5mL)とで分配した。クロロホルム層と、水性層のクロロホルム抽出物5mLを併せ、乾燥させ(NaSO)、濃縮して、無色の油(0.434g)を得た。この遊離塩基のエナンチオマー純度は、一部をこのN−(t−ブトキシカルボニル)−L−プロリンアミドに転化させることにより決定し、次いで、LCMSを使用してこれをジアステレオマー純度について分析した(98%)。
【0131】
最初の結晶化からの母液を2MのNaOHで塩基性(〜pH11)にし、クロロホルム(10mL)で二回抽出した。これらのクロロホルム抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮して、油を得た。このアミン(3.00g、13.8mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、ジ−p−トルオイル−L−酒石酸(2.76g、6.90mmol)で処理した。溶解を助長するためにこの混合物を温め、次いで、−5℃にゆっくりと冷却し、そのまま一晩置いた。吸引濾過により沈殿を回収し、再結晶させ、乾燥させた。これによって、1.05gの白色の固体が残った。この塩を他の異性体について上で説明したように遊離塩基に転化させ(収量=0.364g)、上で説明したプロリンアミド法を使用してこのエナンチオマー純度を評定した(97%)。
【0132】
骨格3: 3−アミノメチル−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン(2.16g、0.01mol)、メチルアミン(25mL、0.05mol)および塩化亜鉛(5mL、0.005mol)を乾燥メタノール(30mL)に添加し、室温で30分間攪拌した。次に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(30mL、THF中1.0M)を注意深く添加し、この混合物を室温で48時間攪拌した。2Nの水酸化カリウムを使用してこの混合物をpH10にし、次いで、回転蒸発により溶媒を蒸発させた。残留物をクロロホルム(3x50mL)で抽出し、乾燥させて(MgSO)、濾過し、回転蒸発により濃縮して、粗製の所望のアミンを淡黄色の油として得た(2.40g、83%)。この生成物は、さらに精製せずに次の段階に持ち越した。
【0133】
次の実施例は、骨格1を基に作られる、様々なN−アリールカルバミン酸2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルの合成を説明するものである。表1は、合成したこの実施例の中の様々な化合物のリストを示すものである。
【実施例1】
【0134】
N−アリールカルバミン酸2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル
様々なアリールイソシアネート(0.2mmol)を、無水トルエン(1mL)中の2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オール(0.2mmol)と併せた。これらの反応混合物を100℃で3時間加熱し、遠心蒸発により濃縮した。残留物をDMF(0.5mL)に溶解し、0.05%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリル/水の傾斜を溶離剤として使用するC18シリカゲルカラムでのHPLCにより精製した。化合物は、トリフルオロ酢酸塩として単離し、LCMSにより特性付けをした。すべての化合物は、適切な分子イオンおよびフラグメンテーションパターンを示した。純度90%以上のものを生物学的評価に付した。選択化合物をNMR分光法により分析し、これらの構造割当を確認した。
【0135】
【表1】

【0136】
(N−(4−ブロモフェニル)カルバミン酸2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル・塩酸塩(化合物1)のスケールアップ
2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オール(0.218g、1.00mmol)およびp−ブロモフェニルイソシアネート(0.198g、1.00mmol)を無水トルエン(2mL)に懸濁させ、180℃で5分間加熱した(マイクロ波反応器)。揮発成分を回転蒸発によって除去し、最初にクロロホルム/ヘキサン/メタノール/アンモニア(68:25:7:1)、次にクロロホルム/メタノール/アンモニア(90:10:1)を溶離剤として使用するフラッシュ(シリカゲル)カラムクロマトグラフィーにより残留物を精製した。選択画分の濃縮により、0.260g(収率62.5%)の無色の油を得、これを周囲温度で放置すると蝋様の白色固体になった。NMR分析により、この物質が主としてシスジアステレオマーであることを確認した。この物質をジオキサン中4MのHClに溶解し、濃縮乾固すると、吸湿性の白色固体が残った。
【0137】
次の実施例は、骨格2を基に作られる、様々なN−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)アリールカルボキサミドの合成を説明するものである。表2は、合成したこの実施例の中の様々な化合物のリストを示すものである。
【実施例2】
【0138】
N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)アリールカルボキサミド
ジフェニルクロロホスフェート(0.3mmol)を、乾燥ジクロロメタン(1mL)中の様々なアリールカルボン酸(0.3mmol)およびトリエチルアミン(0.3mmol)の溶液に一滴ずつ添加した。周囲温度で1時間攪拌した後、乾燥ジクロロメタン(0.5mL)中の3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.3mmol)およびトリエチルアミン(0.6mmol)の溶液を前記混合無水溶液の各々に添加した。これらの反応混合物を一晩、周囲温度で攪拌し、次いで、クロロホルム(2mL)で希釈して、5MのNaOH(2mL)で洗浄した。減圧下で有機層を濃縮し、残留物をメタノール(0.5mL)に溶解して、0.05%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリル/水の傾斜を溶離剤として使用するC18シリカゲルカラムでのHPLCにより精製した。化合物は、トリフルオロ酢酸塩として単離し、LCMSにより特性付けをした。すべての化合物は、適切な分子イオンおよびフラグメンテーションパターンを示した。純度90%以上のものを生物学的評価に付した。選択化合物をNMR分光法により分析し、これらの構造割当を確認した。
【0139】
【表2】


【0140】
N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド(化合物9)のスケールアップ
ジフェニルクロロホスフェート(0.35mL、0.46g、1.69mmol)を、乾燥ジクロロメタン(5mL)中のアリールカルボン酸(0.280g、1.73mmol)およびトリエチルアミン(0.24mL、0.17g、1.7mmol)の溶液に一滴ずつ添加した。周囲温度で30分間攪拌した後、乾燥ジクロロメタン(5mL)中の3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.337g、1.55mmol)およびトリエチルアミン(0.24mL、0.17g、1.7mmol)の溶液を添加した。この反応混合物を一晩、周囲温度で攪拌し、次いで、10%NaOH(1mL)で処理した。この二相混合物を相濾過により分離し、有機層をGenevac遠心蒸発器で濃縮した。残留物をメタノール(6mL)に溶解して、0.05%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリル/水の傾斜を溶離剤として使用するC18シリカゲルカラムでのHPLCにより精製した。選択画分の濃縮により、0.310g(収率42%)の白色の粉末(GCMSにより純度95%)を得た。
【0141】
次の実施例は、骨格2および3を基に作られる、様々なN−アリール−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素の合成を説明するものである。表3は、合成したこの実施例の中の様々な化合物のリストを示すものである。
【実施例3】
【0142】
N−アリール−N’−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素
様々なアリールイソシアネート(0.3mmol)を周囲温度で48時間、クロロホルム溶液(1mL)中の3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.3mmol)とともに攪拌した。これらの反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をメタノール(0.5mL)に溶解して、0.05%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリル/水の傾斜を溶離剤として使用するC18シリカゲルカラムでのHPLCにより精製した。化合物は、トリフルオロ酢酸塩として単離し、LCMSにより特性付けをした。すべての化合物は、適切な分子イオンおよびフラグメンテーションパターンを示した。純度90%以上のものを生物学的評価に付した。選択化合物をNMR分光法により分析し、これらの構造割当を確認した。
【0143】
【表3】


【0144】
次の実施例は、骨格2を基に作られる、様々なN−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)シンナムアミドの合成を説明するものである。表4は、合成したこの実施例の中の様々な化合物のリストを示すものである。
【実施例4】
【0145】
N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)シンナムアミド
乾燥ジクロロメタン(0.5mL)中のトリエチルアミン(25mL)の攪拌溶液に、3−アミノ−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.040g、0.18mmol)を添加した。この混合物を0℃に冷却し、30分間攪拌した。次に、様々な塩化シンナモイル(0.18mmol)を添加し、これらの混合物を0℃で30分間攪拌させておき、次いで、室温に温めて、一晩攪拌した。これらの混合物をNaHCO飽和溶液(25mL)とクロロホルム(25mL)とで分配した。有機層をブライン(3x5mL)で洗浄し、乾燥させて(NaSO)、回転蒸発により濃縮した。残留物をメタノール(0.5mL)に溶解し、0.05%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリル/水の傾斜を溶離剤として使用するC18シリカゲルカラムでのHPLCにより精製した。化合物は、トリフルオロ酢酸塩として単離し、LCMSにより特性付けをした。すべての化合物は、適切な分子イオンおよびフラグメンテーションパターンを示した。純度90%以上のものを生物学的評価に付した。選択化合物をNMR分光法により分析し、これらの構造割当を確認した。
【0146】
【表4】


【0147】
V.バイオアッセイ
【実施例5】
【0148】
CNS nAChRにおける放射リガンド結合
α4β2 nAChRサブタイプ
体重150から250gのラット(雌、Sprague−Dawley)を12時間の昼夜サイクルで維持し、水およびPMI Nutrition International,Inc.により供給された餌を自由に取れるようにした。動物たちを70%COで麻酔して、断頭した。脳を除去し、氷冷プラットホーム上に置いた。大脳皮質を除去し、20容量(重量:容量)の氷冷分取バッファ(137mM NaCl、10.7mM KCl、5.8mM KHPO、8mM NaHPO、20mM HEPES(酸非含有)、5mM ヨードアセトアミド、1.6mM EDTA、pH7.4)の中に置き、メタノールに溶解して最終濃度100μMにしたPMSFを添加して、この懸濁液をPolytronにより均質化した。このホモジネートを18,000xgで20分間、4℃で遠心分離し、得られたペレットを20容量の氷冷水に再び懸濁させた。氷上で60分間インキュベートした後、18,000xgで20分間、4℃での遠心分離により、新たなペレットを回収した。この最終ペレットを10容積のバッファに再び懸濁させ、−20℃で保管した。アッセイ当日、組織を解凍し、18,000xgで20分間遠心分離し、次いで、氷冷PBS(ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水、138mM NaCl、2.67mM KCl、1.47mM KHPO、8.1mM NaHPO、0.9mM CaCl、0.5mM MgCl、Invitrogen/Gibco、pH7.4)に再び懸濁させて、蛋白質約4mg/mLの最終濃度にした。標準物質としてウシ血清アルブミンを使用し、Lowryら,J.Biol.Chem.193:265(1951)の方法により、蛋白質を測定した。
【0149】
Romanoら,Science 210:674(1980)およびMarksら,Mol.Pharmacol.30:427(1986)の方法の変形を用いて、[H]ニコチンの結合を測定した。この[H]ニコチン(比放射能=81.5Ci/mmol)は、NEN Research Productsから入手した。[H]ニコチンの結合は、4℃での3時間のインキュベーションを用いて測定した。インキュベーションは、48ウエルのマイクロタイタープレート内で行い、最終インキュベーション容量300μLで1ウエルあたり約400μgの蛋白質を収容していた。インキュベーションバッファはPBSであり、[H]ニコチンの最終濃度は、5nMであった。結合反応は、4℃でBrandel Tissue Harvesterを使用するガラス繊維フィルタ(GF/B、Brandel)での蛋白質含有結合リガンドの濾過によって停止させた。0.33%ポリエチレンイミンを含有する脱イオン水にフィルタを浸漬して、非特異的結合を減少させた。各フィルタを氷冷バッファ(3x1mL)で洗浄した。非特異的結合は、選択ウエルに10μMの非放射性L−ニコチン(Acros Organics)を含めることにより測定した。
【0150】
試験化合物による[H]ニコチン結合の阻害は、選択ウエルに7つの異なる濃度の試験化合物を含めることにより判定した。各濃度は、三重に反復測定した。IC50値は、特異的[H]ニコチン結合の50パーセントを阻害する化合物の濃度として概算した。nMで報告する阻害定数(Ki値)は、Chengら,Biochem.Pharmacol.22:3099(1973)の方法を使用してIC50値から計算した。
【0151】
初期スクリーニングについては、単一濃度の試験化合物を、以下の変形を施した上記アッセイ形式で試験した。[H]エピバチジンの結合を測定した。この[H]エピバチジン(非放射能=48Ci/mmol)は、NEN Research Productsから入手した。[H]エピバチジンの結合は、21℃(室温)での2時間のインキュベーションを用いて測定した。インキュベーションは、最終インキュベーション容積150μLで1ウエルあたり約200μg分の蛋白質を収容している96ウエルのMilipore Multiscreen(MAFB)プレートで行った。インキュベーションバッファはPBSであり、[H]エピバチジンの最終濃度は、0.3nMであった。結合反応は、Multiscreenプレートのガラス繊維フィルタベースでの蛋白質含有結合リガンドの濾過によって停止させた。0.33%ポリエチレンイミンを含有する脱イオン水にフィルタを浸漬して、非特異的結合を減少させた。各フィルタを氷冷バッファ(3x0.25mL)で洗浄した。非特異的結合は、選択ウエルに10μMの非放射性L−ニコチン(Acros Organics)を含めることにより判定した。前記試験化合物の単一濃度は、5μMであり、試験は、三重で行った。「活性」化合物は、競合物質不在の状態での[H]エピバチジンの結合と比較して、受容体に対する[H]エピバチジンの結合を少なくとも50%阻害した化合物と定義した。単点スクリーニングにおいて活性であると判明した化合物についての阻害定数(Ki値)を、このセクションの前のパラグラフで説明したようにして測定した。
【0152】
α7 nAChRサブタイプ
体重150から250gのラット(雌、Sprague−Dawley)を12時間の昼夜サイクルで維持し、水およびPMI Nutrition International,Inc.により供給された餌を自由に取れるようにした。動物たちを70%COで麻酔して、断頭した。脳を除去し、氷冷プラットホーム上に置いた。海馬体を除去し、10容量(重量:容量)の氷冷分取バッファ(137mM NaCl、10.7mM KCl、5.8mM KHPO、8mM NaHPO、20mM HEPES(酸非含有)、5mM ヨードアセトアミド、1.6mM EDTA、pH7.4)の中に置き、メタノールに溶解して最終濃度100μMにしたPMSFを添加して、この組織懸濁液をPolytronにより均質化した。このホモジネートを18,000xgで20分間、4℃で遠心分離し、得られたペレットを10容量の氷冷水に再び懸濁させた。氷上で60分間インキュベートした後、18,000xgで20分間、4℃での遠心分離により、新たなペレットを回収した。この最終ペレットを10容積のバッファに再び懸濁させ、−20℃で保管した。アッセイ当日、組織を解凍し、18,000xgで20分間遠心分離し、次いで、氷冷PBS(ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水、138mM NaCl、2.67mM KCl、1.47mM KHPO、8.1mM NaHPO、0.9mM CaCl、0.5mM MgCl、Invitrogen/Gibco、pH7.4)に再び懸濁させて、蛋白質約2mg/mLの最終濃度にした。標準物質としてウシ血清アルブミンを使用し、Lowryら,J.Biol.Chem.193:265(1951)の方法により、蛋白質を測定した。
【0153】
Daviesら,Neuropharmcol.38:679(1999)の方法の変形を用いて、[H]MLAの結合を測定した。この[H]MLA(比放射能=25から35Ci/mmol)は、Tocrisから入手した。[H]MLAの結合は、21℃での2時間のインキュベーションを用いて測定した。インキュベーションは、48ウエルのマイクロタイタープレート内で行い、最終インキュベーション容量300μLで1ウエルあたり約200μgの蛋白質を収容していた。インキュベーションバッファはPBSであり、[H]MLAの最終濃度は、5nMであった。結合反応は、室温でBrandel Tissue Harvesterを使用するガラス繊維フィルタ(GF/B、Brandel)での蛋白質含有結合リガンドの濾過によって停止させた。0.33%ポリエチレンイミンを含有する脱イオン水にフィルタを浸漬して、非特異的結合を減少させた。各フィルタを室温のPBS(3x1mL)で洗浄した。非特異的結合は、選択ウエルに50μMの非放射性MLAを含めることにより測定した。
【0154】
試験化合物による[H]MLA結合の阻害は、選択ウエルに7つの異なる濃度の試験化合物を含めることにより判定した。各濃度は、三重に反復測定した。IC50値は、特異的[H]MLA結合の50パーセントを阻害する化合物の濃度として概算した。nMで報告する阻害定数(Ki値)は、Chengら,Biochem.Pharmacol.22:3099(1973)の方法を使用してIC50値から計算した。
【0155】
初期スクリーニングについては、単一濃度の試験化合物を、以下の変形を施した上記アッセイ形式で試験した。インキュベーションは、最終インキュベーション容積150μLで96ウエルプレート内で行った。ガラス繊維フィルタでの濾過により結合反応を停止させたら、濾液を室温、約250μLのPBSで4回洗浄した。非特異的結合は、選択ウエルに10μMの非放射性MLAを含めることにより測定した。前記試験化合物の単一濃度は、5μMであり、試験は、三重で行った。「活性」化合物は、競合物質不在の状態での[H]MLAの結合と比較して、受容体に対する[H]MLAの結合を少なくとも50%阻害した化合物と定義した。単点スクリーニングにおいて活性であると判明した化合物についての阻害定数(Ki値)を、このセクションの前のパラグラフで説明したようにして決定した。
【0156】
ドーパミン放出の測定
ドーパミン放出は、ラットの脳から得た線条体シナプトソームを使用し、Rapierら,J.Neurochem.54:973(1990)により記載された手順に従って測定した。体重150から250gのラット(雌、Sprague−Dawley)を12時間の昼夜サイクルで維持し、水およびPMI Nutrition International,Inc.により供給された餌を自由に取れるようにした。動物たちを70%COで麻酔して、断頭した。脳を迅速に除去し、線条体を解剖した。2匹のラット各々からの線条体組織をプールし、ガラス/ガラスホモジナイザーを使用して、5mM HEPES、pH7.4を含有する0.32Mの氷冷スクロース(5mL)中で均質化した。次に、この組織を1,000xgで10分間、遠心分離した。このペレットは廃棄し、上清を12,000xgで20分間遠心分離した。得られたペレットを、モノアミンオキシダーゼ阻害剤を含有する潅流バッファ(128mM NaCl、1.2mM KHPO、2.4mM KCl、3.2mM CaCl、1.2mM MgCl、25mM HEPES、1mM アスコルビン酸、0.02mM 塩酸パルジリンおよび10mM グルコース、pH7.4)に再び懸濁させ、15分間、25,000xgで遠心分離した。この最終ペレットを、早々使用するために潅流バッファ(1.4mL)に再び懸濁させた。
【0157】
このシナプトソーム懸濁液を10分間、37℃でインキュベートして、代謝活性を回復させた。[H]ドーパミン([H]DA、非放射能=28.0Ci/mmol、NEN Research Products)を最終濃度0.1μMで添加し、この懸濁液を37℃でもう10分間インキュベートした。組織のアリコート(50μL)および潅流バッファ(100mL)をBrandel Suprafusion System(シリーズ2500、メリーランド州、ゲーサーズバーグ)のスプラフージョンチャンバに充填した。8分間の洗浄時間の間、潅流バッファ(室温)をこのチャンバに3mL/分の速度でポンプ移送した。次に、試験化合物(10μM)またはニコチン(10μM)を40秒間、この潅流の流れにあてた。この実験を通して継続的に各チャンバから画分(各12秒)を回収して、基底放出および作動薬誘発ピーク放出を捕捉し、作動薬適用後に基線を再び設定した。潅流物をシンチレーションバイアルに直接回収し、それにシンチレーション液を添加した。[H]DA放出は、シンチレーション計数法により定量した。各チャンバについて、ピークの積分面積を、この基線に対して正規化した。
【0158】
放出は、等濃度のL−ニコチンで得られた放出のパーセンテージとして表した。各アッセイの中で、2から3のチャンバを使用して各試験化合物を反復測定し、反復測定値を平均した。適する場合には、試験化合物の用量反応曲線を決定した。個々の化合物についての最大活性化(Emax)は、L−ニコチンにより誘発された最大活性のパーセンテージとして決定した。特定のイオンフラックスの最大活性の半分が生じる化合物濃度(EC50)も定義した。
【実施例6】
【0159】
末梢性nAChRに対する選択性
ヒト筋肉nAChRサブタイプでの相互作用
筋肉型nAChRの活性化は、胎児性横紋筋肉腫から誘導されるヒトクローン系統TE671/RD(Strattonら,Carcinogen 10:899(1989))を用いて確立した。これらの細胞は、筋肉型nAChRに類似した薬理学的プロフィール(Lukas,J.Pharmacol.Exp.Ther.251:175(1989))、電気生理学的プロフィール(Oswaldら,Neurosci.Lett.96:207(1989))および分子生物学的プロフィール(Lutherら,J.Neurosci.9:1082(1989))を有する受容体を発現する。
【0160】
TE671/RD細胞は、常用のプロトコル(Bencherifら,Mol.Cell.Neurosci.2:52(1991)およびBencherifら,J.Pharmacol.Exp.Ther.257:946(1991))に従って、増殖成長期で維持した。10%ウシ血清(Gibco/BRL)5%ウシ胎仔血清(HyClone,ユタ州、ローガン)、1mM ピルビン酸ナトリウム、4mM L−グルタミンおよび50,000単位のペニシリン・ストレプトマイシン(Irvine Scientific)を含有するダルベッコの変性イーグル培地(Gibco/BRL)で細胞を培養した。細胞が、80%集密になったら、6ウエルのポリスチレンプレート(Costar)にプレーティングした。これらの細胞が100%集密に達したとき、実験を行った。
【0161】
ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の機能を、86Rb外向き流束を使用し、Lukasら,Anal.Biochem.175:212(1988)により記載された方法に従ってアッセイした。実験当日、増殖培地をウエルから穏やかに除去し、塩化86ルビジウム(10μCi/mL)を各ウエルに添加した。細胞を37℃で最低3時間インキュベートした。このローディング期間の後、過剰な86Rbを除去し、細胞を侵害しないように注意しながら、細胞を無標識のダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(138mM NaCl、2.67mM KCl、1.47mM KHPO、8.1mM NaHPO、0.9mM CaCl、0.5mM MgCl、Invitrogen/Gibco、pH7.4)で2回洗浄した。次に、100μMの試験化合物、100μMのL−ニコチン(Acros Organics)またはバッファのみのいずれかに4分間暴露した。暴露期間の後、放出された86Rbを含有する上清を除去し、シンチレーションバイアルに移した。シンチレーション液を添加し、放出された放射能を液体シンチレーション計数法により測定した。
【0162】
各アッセイの中で、各ポイントは、2回反復測定し、それらを平均した。86Rbの放出量を、陽性対照(100μMのL−ニコチン)と陰性対照(バッファのみ)の両方と比較して、L−ニコチンのものを基準とした放出率を決定した。
【0163】
適する場合には、試験化合物の用量反応曲線を決定した。個々の化合物についての最大活性化(Emax)は、L−ニコチンにより誘発された最大活性のパーセンテージとして決定した。特定のイオンフラックスの最大活性の半分が生じる化合物濃度(EC50)も決定した。
【0164】
ラット神経節nAChRサブタイプでの相互作用
ラット神経節nAChRの活性化は、ラット副腎髄質腫瘍から誘導される、神経堤由来の連続クローン細胞系統であるクロム親和性細胞腫クローン系統PC12を用いて確立した。これらの細胞は、神経節様nAChRを発現する(Whitingら,Nature 327:515(1987); Lukas,J.Pharmacol.Exp.Ther.251:175(1989); Whitingら,Mol.Brain Res.10:61(1990)参照)。
【0165】
ラットPC12細胞は、常用のプロトコル(Bencherifら,Mol.Cell.Neurosci.2:52(1991)およびBencherifら,J.Pharmacol.Exp.Ther.257:946(1991))に従って、増殖成長期で維持した。10%ウシ血清(Gibco/BRL)5%ウシ胎仔血清(HyClone,ユタ州、ローガン)、1mM ピルビン酸ナトリウム、4mM L−グルタミンおよび50,000単位のペニシリン・ストレプトマイシン(Irvine Scientific)を含有するダルベッコの変性イーグル培地(Gibco/BRL)で細胞を培養した。細胞が、80%集密になったら、6ウエルのNuncプレート(Nunclon)にプレーティングし、0.03%ポリ−L−リシン(Sigma、100mMのホウ酸に溶解したもの)で覆った。これらの細胞が80%集密に達したとき、実験を行った。
【0166】
ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の機能を、86Rb外向き流束を使用し、Lukasら,Anal.Biochem.175:212(1988)により記載された方法に従ってアッセイした。実験当日、増殖培地をウエルから穏やかに除去し、塩化86ルビジウム(10μCi/mL)を各ウエルに添加した。細胞を37℃で最低3時間インキュベートした。このローディング期間の後、過剰な86Rbを除去し、細胞を侵害しないように注意しながら、細胞を無標識のダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(138mM NaCl、2.67mM KCl、1.47mM KHPO、8.1mM NaHPO、0.9mM CaCl、0.5mM MgCl、Invitrogen/Gibco、pH7.4)で2回洗浄した。次に、100μMの試験化合物、100μMのニコチンまたはバッファのみのいずれかに4分間暴露した。暴露期間の後、放出された86Rbを含有する上清を除去し、シンチレーションバイアルに移した。シンチレーション液を添加し、放出された放射能を液体シンチレーション計数法により測定した。
【0167】
各アッセイの中で、各ポイントは、2回反復測定し、それらを平均した。86Rbの放出量を、陽性対照(100μMのニコチン)と陰性対照(バッファのみ)の両方と比較して、L−ニコチンのものを基準とした放出率を決定した。
【0168】
適する場合には、試験化合物の用量反応曲線を決定した。個々の化合物についての最大活性化(Emax)は、L−ニコチンにより誘発された最大活性のパーセンテージとして決定した。特定のイオンフラックスの最大活性の半分が生じる化合物濃度(EC50)も決定した。
【0169】
ヒト神経節nAChRサブタイプでの相互作用
細胞系統SH−SY5Yは、親細胞系統、SK−N−SH(元はヒト末梢神経芽腫から得られたもの)の逐次サブクローニングにより誘導される連続系統である。SH−SY5Y細胞は、神経節様nAChRを発現する(Lukasら,Mol.Cell.Neurosci.4:1(1993))。
【0170】
ヒトSH−SY5Y細胞は、常用のプロトコル(Bencherifら,Mol.Cell.Neurosci.2:52(1991)およびBencherifら,J.Pharmacol.Exp.Ther.257:946(1991))に従って、増殖成長期で維持した。10%ウシ血清(Gibco/BRL)5%ウシ胎仔血清(HyClone,ユタ州、ローガン)、1mM ピルビン酸ナトリウム、4mM L−グルタミンおよび50,000単位のペニシリン・ストレプトマイシン(Irvine Scientific)を含有するダルベッコの変性イーグル培地(Gibco/BRL)で細胞を培養した。細胞が、80%集密になったら、6ウエルのポリスチレンプレート(Costar)にプレーティングした。これらの細胞が100%集密に達したとき、実験を行った。
【0171】
ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の機能を、86Rb外向き流束を使用し、Lukasら,Anal.Biochem.175:212(1988)により記載された方法に従ってアッセイした。実験当日、増殖培地をウエルから穏やかに除去し、塩化86ルビジウム(10μCi/mL)を各ウエルに添加した。細胞を37℃で最低3時間インキュベートした。このローディング期間の後、過剰な86Rbを除去し、細胞を侵害しないように注意しながら、細胞を無標識のダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(138mM NaCl、2.67mM KCl、1.47mM KHPO、8.1mM NaHPO、0.9mM CaCl、0.5mM MgCl、Invitrogen/Gibco、pH7.4)で2回洗浄した。次に、100μMの試験化合物、100μMのニコチンまたはバッファのみのいずれかに4分間暴露した。暴露期間の後、放出された86Rbを含有する上清を除去し、シンチレーションバイアルに移した。シンチレーション液を添加し、放出された放射能を液体シンチレーション計数法により測定した。
【0172】
各アッセイの中で、各ポイントは、2回反復測定し、それらを平均した。86Rbの放出量を、陽性対照(100μMのニコチン)と陰性対照(バッファのみ)の両方と比較して、L−ニコチンのものを基準とした放出率を決定した。
【0173】
適する場合には、試験化合物の用量反応曲線を決定した。個々の化合物についての最大活性化(Emax)は、L−ニコチンにより誘発された最大活性のパーセンテージとして決定した。特定のイオンフラックスの最大活性の半分が生じる化合物濃度(EC50)も決定した。
【実施例7】
【0174】
非ニコチン性受容体ムスカリン性M3サブタイプでの結合の測定
胎児性横紋筋肉腫から誘導されるヒトクローン系統TE671/RD(Strattonら,Carcinogen 10:899(1989))を使用して、ムスカリン性M3受容体サブタイプに対する結合を定義した。薬理学的研究(Bencherifら,J.Pharmacol.Exp.Ther.257:946(1991)およびLukas,J.Pharmacol.Exp.Ther.251:175(1989))、電気生理学的研究(Oswaldら,Neurosci.Lett.96:207(1989))および分子生物学的研究(Lutherら,J.Neurosci.9:1082(1989))により証明されているように、これらの細胞は、ムスカリン様ニコチン性受容体を発現する。
【0175】
TE671/RD細胞は、常用のプロトコル(Bencherifら,Mol.Cell.Neurosci.2:52(1991)およびBencherifら,J.Pharmacol.Exp.Ther.257:946(1991))に従って、増殖成長期で維持した。それらを20から150mm組織培養処理プレートで集密になるまで増殖させた。次に、培地を除去し、80mLのPBS(ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水、138mM NaCl、2.67mM KCl、1.47mM KHPO、8.1mM NaHPO、0.9mM CaCl、0.5mM MgCl、Invitrogen/Gibco、pH7.4)を使用して細胞をこすり落として、1000rpmで10分間遠心分離した。次に、上清を吸引除去し、ペレット(複数を含む)を使用時まで−20℃で保管した。
【0176】
アッセイ当日、ペレットを解凍し、PBSで再び懸濁させて、18,000xgで20分間遠心分離し、次いで、PBSに再び懸濁させて、蛋白質約4mg/mLの最終濃度にし、Polytronにより均質化した。標準物質としてウシ血清アルブミンを使用し、Lowryら,J.Biol.Chem.193:265(1951)の方法により、蛋白質を測定した。
【0177】
Bencherifら,J.Pharmacol.Exp.Ther.257:946(1991)の方法の変形を用いて、[H]QNBの結合を測定した。この[H]QNB(比放射能=30から60Ci/mmol)は、NEN Research Productsから入手した。[H]QNBの結合は、4℃での3時間のインキュベーションを用いて測定した。インキュベーションは、48ウエルのマイクロタイタープレート内で行い、最終インキュベーション容量300μLで1ウエルあたり約400μgの蛋白質を収容していた。インキュベーションバッファはPBSであり、[H]QNBの最終濃度は、1nMであった。結合反応は、4℃でBrandel Tissue Harvesterを使用するガラス繊維フィルタ(GF/B、Brandel)での蛋白質含有結合リガンドの濾過によって停止させた。0.33%ポリエチレンイミンを含有する脱イオン水にフィルタを浸漬して、非特異的結合を減少させた。各フィルタを氷冷バッファ(3x1mL)で洗浄した。非特異的結合は、選択ウエルに10μMの非放射性アトロピンを含めることにより測定した。
【0178】
試験化合物による[H]QNB結合の阻害は、選択ウエルに7つの異なる濃度の試験化合物を含めることにより測定した。各濃度は、三重に反復測定した。IC50値は、特異的[H]QNB結合の50パーセントを阻害する化合物の濃度として概算した。nMで報告する阻害定数(Ki値)は、Chengら,Biochem.Pharmacol.22:3099(1973)の方法を使用してIC50値から計算した。
【実施例8】
【0179】
α7 nAChRサブタイプでの活性の測定
選択的α7作動薬は、市販の高処理能アッセイ(カリフォルニア州、サニーヴェールのMolecular Devices Corporation)であるFLIPRでの機能アッセイ(例えば、PCT国際公開公報第00/73431号A2参照。前記特許の内容は、本明細書に参照により組込まれる)を使用して見出すことができる。FLIPRは、96または384ウエルプレートの各ウエルからの蛍光シグナルを30分までの間、1秒に2回ほどの速さで読み取るように設計されている。このアッセイを用いて、α7 nAChRおよび5HTRサブタイプの機能薬理を正確に測定することができる。薬物ターゲットとしてα7/5−HTチャネルを使用して機能的形態のα7 nAChRサブタイプを発現する細胞系統、および/または機能的5−HTを発現する細胞系統を使用してこのアッセイを行う。両方の場合、リガンド依存性イオンチャネルが、SH−EP1細胞において発現される。両方のイオンチャネルが、FLIPRアッセイにおいて強いシグナルを生じさせることができる。FLIPRアッセイを使用して、本明細書に記載する化合物をα7 nAChRサブタイプにおいて作動薬、不完全作動薬または拮抗薬として機能するこれらの能力について評価することができる。
【実施例9】
【0180】
生物活性の要約
化合物1から34は、0.5から60nMの平行定数(Ki)値で、ラット脳海馬体α7 nAChRサブタイプに対する放射性標識MLAの結合を競合的に阻害した。これは、α7 nAChRサブタイプに対して非常に高い親和性を有することを示している。高処理能スクリーニングは、如何なる有意な親和性(Ki値>10μM)でもα4β2 nAChRサブタイプに結合する化合物がないことを示した。
【0181】
化合物1から34は、筋肉型受容体(ヒトTE671/RDクローン細胞におけるα1β1γδサブタイプ)または神経節型受容体(ラットクロム親和性細胞腫PC12細胞のShooterサブクローンにおける、およびヒトSHSY−5Yクローン細胞におけるα3β4サブタイプ)を有する機能的モデルにおいて、殆どまたは全く作動薬活性を示さず、これらのサブタイプにおいてニコチンの反応の1から12%(ヒト筋肉)、1から19%(ラット神経節)および1から15%(ヒト神経節)しか生じなかった。これらのデータは、PNS nAChRに勝るCNSに対する選択性を示している。類似化合物はムスカリン様活性を示すと他の者が記載していた(例えば、Sabbの米国特許第5,712,270号ならびにPCT国際公開公報第02/00652号および同第02/051841号参照)ため、代表化合物(#1、2、4、9および11)を、ヒトクローン系統TE671/RDにおけるムスカリン様部位で[H]QNB結合を阻害するこれらの能力について評価した。[H]QNB結合を阻害することができる化合物はなかった。これは、これらの化合物が、ヒトM3受容体に結合しないことを示している。従って、本発明の化合物は、これらの構造において1−アザビシクロ環の2位に3−ピリジニルメチル置換基を含めることにより、これらのインビトロでの薬理に関して参照化合物(例えば、Sabbの米国特許第5,712,270号ならびにPCT国際公開公報第02/00652号および同第02/051841号参照)とは区別される。
【0182】
この興味をそそる発見に関して追跡するために、α7 nAChRの結合親和性の比較に取り組んで、この2−(3−ピリジニル)メチル置換基の作用を測定した。結果を表5に示す。この構造に2−(3−ピリジニル)−C1〜4アルキル置換基、好ましくは2−(3−ピリジニル)メチル置換基を含めることにより、結合親和性が実質的に上昇することは、このデータから、明らかである。従って、本発明の化合物は、2−(3−ピリジニル)アルキル置換基、好ましくは2−(3−ピリジニル)メチル置換基が無い化合物より、α7 nAChRサブタイプにおける大きな親和性とα7 nAChRサブタイプに対する大きな選択性の両方を示す。
【0183】
【表5】

【0184】
このデータは、本発明の化合物が、α7 nAChRサブタイプにおいて選択的に結合する強力なα7ニコチン性リガンドであることを示している。対照的に、本発明の化合物は、末梢神経系の特徴であるnAChRのサブタイプでは、およびM3ムスカリン性受容体では充分に結合しない。従って、本発明の化合物は、末梢神経系との相互作用に関連した副作用をもたらすことなく中枢神経系障害を治療する、治療の可能性を有する。α7 nAChRサブタイプに対するこれらのリガンドの親和性は、多種多様なアリール(式1におけるAr)基およびそれらにある置換基に対して寛容である。さらに、この合成は、簡単であり、効率的であり、大規模並列プロトコルに適用できる。
【0185】
本発明の主題を開示したが、本発明についての多数の変更、置換および変型が、本発明に照らして可能であることは、はっきりと理解されるべきである。本発明は、具体的に記載した以外にも実施することができる。こうした変更、置換および変型は、本出願の範囲内であると考える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

(式中、
mおよびnは、個別的に、1または2であり;
pは、1、2、3または4であり;
Xは、酸素またはNR’であり;
Yは、酸素または硫黄であり;
Zは、NR’、共有結合またはリンカー化学種、Aであり;
Aは、基−CR’R”−、−CR’R”−CR’R”−、−CR’=CR’−、および−C−から選択され;
ここで、Zが、共有結合またはAであるとき、Xは、窒素でなければならず;
Arは、非置換または置換、炭素環式または複素環式、単環式または融合多環式のアリール基であり;
Cyは、非置換または置換5または6員ヘテロ芳香族環であり;
波線は、これらの部位では相対立体化学と絶対立体化学の両方が可変である(例えば、シスまたはトランス、RまたはS)ことを示し;ならびに
置換基は、アルキル、アルケニル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ハロ(例えば、F、Cl、BrまたはI)、−OR’、−NR’R”、−CF、−CN、−NO、−CR’、−SR’、−N、−C(=O)NR’R”、−NR’C(=O)R”、−C(=O)R’、−C(=O)OR’、−OC(=O)R’、−O(CR’R”)C(=O)R’、−O(CR’R”)NR”C(=O)R’、−O(CR’R”)NR”SOR’、−C(=O)NR’R”、−NR’C(=O)OR”、−SOR’、−SONR’R”、および−NR’SOR”から成る群より選択され;ここで、
R’およびR”は、個別的に、水素、直鎖または分枝鎖C〜Cアルキル、C3〜8シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはアリールアルキルであり、ならびにR’およびR”は、一体になって環状官能基を形成することがあり;および
rは、1から6の整数である。)
の構造を有する化合物。
【請求項2】
Cyが、3−ピリジニルまたは5−ピリミジニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
XおよびYが、Oであり、Zが、NR’である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Xが、Nであり、Yが、Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[3.2.1]オクタンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[3.2.2]ノナンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
N−フェニルカルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−フルオロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−クロロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−ブロモフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−フルオロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−クロロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−ブロモフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−フルオロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−クロロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−ブロモフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−メチルフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−ビフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−メチルフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−ビフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−メチルフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−ビフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−シアノフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−シアノフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−シアノフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−トリフルオロメチルフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−ジメチルアミノフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−メトキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−フェノキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−メチルチオフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−フェニルチオフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−メトキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−フェノキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−メチルチオフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−フェニルチオフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−メトキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−フェノキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−メチルチオフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(4−フェニルチオフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2,4−ジメトキシフェニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(2−チエニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−チエニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(3−ベンゾチエニル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、
N−(1−ナフチル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル、および
N−(2−ナフチル)カルバミン酸(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル
から成る群より選択される化合物。
【請求項10】
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−フェニル−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−フルオロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−クロロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−ブロモフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−フルオロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−クロロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−ブロモフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−フルオロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−クロロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−ブロモフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−メチルフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−ビフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−メチルフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−ビフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−メチルフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−ビフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−シアノフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−シアノフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−シアノフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−メトキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−フェノキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−メチルチオフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−フェニルチオフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−メトキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−フェノキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−メチルチオフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−フェニルチオフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−メトキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−フェノキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−メチルチオフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(4−フェニルチオフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2,4−ジメトキシフェニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−チエニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−チエニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(3−ベンゾチエニル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(1−ナフチル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素、および
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−(2−ナフチル)−N’−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)尿素
から成る群より選択される化合物。
【請求項11】
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−フルオロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−フルオロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−フルオロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−クロロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−クロロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−クロロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−ブロモベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−ブロモベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−ブロモベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3,4−ジクロロベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−メチルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メチルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−メチルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−フェニルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−フェニルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−フェニルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−シアノベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−シアノベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−シアノベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−トリフルオロメチルベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−ジメチルアミノベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−メトキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メトキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−メトキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−フェノキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−フェノキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−フェノキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−メチルチオベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メチルチオベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−メチルチオベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−フェニルチオベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−フェニルチオベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−フェニルチオベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2,4−ジメトキシベンズアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−ブロモニコチンアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−クロロニコチンアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−フェニルニコチンアミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)フラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)フラン−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)チオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−ブロモチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−メチルチオチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−フェニルチオチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−メチルチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メチルチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−ブロモチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−クロロチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−(2−ピリジニル)チオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−アセチルチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−エトキシチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メトキシチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−アセチル−3−メチル−5−メチルチオチオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)チオフェン−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1−メチルピロール−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ピロール−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)インドール−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)インドール−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1−メチルインドール−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1−ベンジルインドール−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1−イソプロピル−2−トリフルオロメチル−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1−イソプロピル−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンゾフラン−3−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メチルベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−ニトロベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−メトキシベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−7−メトキシベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−7−エトキシベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メチル−5−クロロベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−ブロモベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−アセチル−7−メトキシベンゾフラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−メチルベンゾフラン−4−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ナフト[2,1−b]フラン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ナフタレン−1−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−アミノナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メトキシナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−メトキシナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−アセトキシナフタレン−2−カルボキサミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−フェニルプロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−フルオロフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−メトキシフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−メチル−3−フェニルプロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(2−フルオロフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−メチルフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−フルオロフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−メチルフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(2−フリル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(2−メトキシフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−ブロモフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−メトキシフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−ヒドロキシフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−ブロモフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(2−チエニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−ピリジニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−ビフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(1−ナフチル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−チエニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−イソプロピルフェニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−メチル−3−フェニルプロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−フリル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−エチル−3−フェニルプロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(2−ピリジニル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3,4−ジメチルチエノ[2,3−b]チオフェン−2−イル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(3−メチルチエン−2−イル)プロプ−2−エナミド、
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(2−ナフチル)プロプ−2−エナミド、および
(R,R;R,S;S,R:およびS,S)−N−2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3−(4−メチルチオフェニル)プロプ−2−エナミド
から成る群より選択される化合物。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物および医薬適合性担体が組み込まれている医薬組成物。
【請求項13】
Cyが、3−ピリジニルまたは5−ピリミジニルである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
XおよびYが、Oであり、Zが、NR’である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項15】
Xが、Nであり、Yが、Oである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[3.2.1]オクタンである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[3.2.2]ノナンである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項20】
請求項9に記載の化合物および医薬適合性担体が組み込まれている医薬組成物。
【請求項21】
請求項10に記載の化合物および医薬適合性担体が組み込まれている医薬組成物。
【請求項22】
請求項11に記載の化合物および医薬適合性担体が組み込まれている医薬組成物。
【請求項23】
正常な神経伝達物質の放出の変化によって特徴づけられる疾患を有する被験者に、請求項1に記載の化合物の有効量を投与することを含む、中枢神経系障害の治療方法。
【請求項24】
Cyが、3−ピリジニルまたは5−ピリミジニルである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
XおよびYが、Oであり、Zが、NR’である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
Xが、Nであり、Yが、Oである、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンである、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[3.2.1]オクタンである、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンである、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[3.2.2]ノナンである、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
正常な神経伝達物質の放出の変化によって特徴づけられる疾患を有する被験者に、請求項9に記載の化合物の有効量を投与することを含む、中枢神経系障害の治療方法。
【請求項32】
正常な神経伝達物質の放出の変化によって特徴づけられる疾患を有する被験者に、請求項10に記載の化合物の有効量を投与することを含む、中枢神経系障害の治療方法。
【請求項33】
正常な神経伝達物質の放出の変化によって特徴づけられる疾患を有する被験者に、請求項11に記載の化合物の有効量を投与することを含む、中枢神経系障害の治療方法。
【請求項34】
前記中枢神経系障害が、コリン、ドーパミン、ノルエピネフリンおよび/またはセロトニンの欠損に随伴するものである、請求項23に記載の方法。
【請求項35】
前記中枢神経系障害が、初老期痴呆(早発性アルツハイマー病)、老年痴呆(アルツハイマー型の痴呆)、微小梗塞性痴呆、AIDS関連痴呆、クロイツフェルト−ヤコブ病、ピック病、パーキンソン病を含むパーキンソン症候群、レヴィー小体痴呆、進行性核上麻痺、ハンティングトン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、躁病、注意欠陥障害、不安、失語症、精神分裂病、うつ病、強迫性障害およびツレット症候群から成る群より選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項36】
請求項1に記載の化合物の有効量を治療が必要な患者に投与することを含む、疼痛を治療する、組織損傷を予防する、神経保護をもたらす、炎症を制御する、および/または脈管形成を制御するための方法。
【請求項37】
前記疼痛が、神経障害性疼痛、神経痛、慢性疼痛および炎症性疼痛から成る群より選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記疼痛が、神経痛である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
Cyが、3−ピリジニルまたは5−ピリミジニルである、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
XおよびYが、Oであり、Zが、NR’である、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
Xが、Nであり、Yが、Oである、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンである、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[3.2.1]オクタンである、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンである、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
前記アザビシクロ環が、1−アザビシクロ[3.2.2]ノナンである、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
請求項9に記載の化合物の有効量を治療が必要な患者に投与することを含む、疼痛を治療する、組織損傷を予防する、神経保護をもたらす、炎症を制御する、および/または脈管形成を制御するための方法。
【請求項47】
前記疼痛が、神経障害性疼痛、神経痛、慢性疼痛および炎症性疼痛から成る群より選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記疼痛が、神経痛である、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
請求項10に記載の化合物の有効量を治療が必要な患者に投与することを含む、疼痛を治療する、組織損傷を予防する、神経保護をもたらす、炎症を制御する、および/または脈管形成を制御するための方法。
【請求項50】
前記疼痛が、神経障害性疼痛、神経痛、慢性疼痛および炎症性疼痛から成る群より選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記疼痛が、神経痛である、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
請求項11に記載の化合物の有効量を治療が必要な患者に投与することを含む、疼痛を治療する、組織損傷を予防する、神経保護をもたらす、炎症を制御する、および/または脈管形成を制御するための方法。
【請求項53】
前記疼痛が、神経障害性疼痛、神経痛、慢性疼痛および炎症性疼痛から成る群より選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記疼痛が、神経痛である、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
細菌感染に随伴する炎症反応に苦しんでいる患者に、請求項1に記載の化合物の有効量を投与して、TNF生産を抑制することを含む、細菌感染に随伴する炎症反応を調停するための方法。
【請求項56】
前記細菌感染が、敗血症感染である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
抗生物質および/または抗毒素の共用投与をさらに含む、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
細菌感染に随伴する炎症反応に苦しんでいる患者に、請求項9に記載の化合物の有効量を投与して、TNF生産を抑制することを含む、細菌感染に随伴する炎症反応を調停するための方法。
【請求項59】
前記細菌感染が、敗血症感染である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
抗生物質および/または抗毒素の共用投与をさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
細菌感染に随伴する炎症反応に苦しんでいる患者に、請求項10に記載の化合物の有効量を投与して、TNF生産を抑制することを含む、細菌感染に随伴する炎症反応を調停するための方法。
【請求項62】
前記細菌感染が、敗血症感染である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
抗生物質および/または抗毒素の共用投与をさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
細菌感染に随伴する炎症反応に苦しんでいる患者に、請求項11に記載の化合物の有効量を投与して、TNF生産を抑制することを含む、細菌感染に随伴する炎症反応を調停するための方法。
【請求項65】
前記細菌感染が、敗血症感染である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
抗生物質および/または抗毒素の共用投与をさらに含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
腫瘍成長に苦しんでいる患者に、請求項1に記載の化合物の有効量を投与して、新生血管形成を抑制することを含む、腫瘍成長に随伴する脈管形成を抑制するための方法。
【請求項68】
抗腫瘍薬および/またはVEGF阻害剤の共用投与をさらに含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記化合物が、成長中の腫瘍または成長中の腫瘍周囲の毛細血管床に局所的に投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
腫瘍成長に苦しんでいる患者に、請求項9に記載の化合物の有効量を投与して、新生血管形成を抑制することを含む、腫瘍成長に随伴する脈管形成を抑制するための方法。
【請求項71】
抗腫瘍薬および/またはVEGF阻害剤の共用投与をさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記化合物が、成長中の腫瘍または成長中の腫瘍周囲の毛細血管床に局所的に投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
腫瘍成長に苦しんでいる患者に、請求項10に記載の化合物の有効量を投与して、新生血管形成を抑制することを含む、腫瘍成長に随伴する脈管形成を抑制するための方法。
【請求項74】
抗腫瘍薬および/またはVEGF阻害剤の共用投与をさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記化合物が、成長中の腫瘍または成長中の腫瘍周囲の毛細血管床に局所的に投与される、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
腫瘍成長に苦しんでいる患者に、請求項11に記載の化合物の有効量を投与して、新生血管形成を抑制することを含む、腫瘍成長に随伴する脈管形成を抑制するための方法。
【請求項77】
抗腫瘍薬および/またはVEGF阻害剤の共用投与をさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記化合物が、成長中の腫瘍または成長中の腫瘍周囲の毛細血管床に局所的に投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
a)請求項1に記載の組成物、
b)抗腫瘍薬および/またはVEGF阻害剤、ならびに
c)医薬適合性担体
を含む医薬組成物。
【請求項80】
媒介サイトカイン放出が必要な患者に、請求項1に記載の化合物を投与することを含む、α7媒介サイトカイン放出を抑制するための方法。

【公表番号】特表2006−518746(P2006−518746A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503737(P2006−503737)
【出願日】平成16年2月20日(2004.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/005044
【国際公開番号】WO2004/076449
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(501054735)ターガセプト,インコーポレイテッド (37)
【Fターム(参考)】