説明

3次元形状測定装置

【課題】低コストで複数の被測定物を測定することができる3次元形状測定装置を提供する。
【解決手段】3次元形状測定装置は、非線形媒質30を有し、該非線形媒質30に照射された第1偏光状態の複数の反射チャープ光102、104、106をポンプ光が照射された期間で切り出すシャッタ部を備え、非線形媒質30は、シャッタリング光が照射された期間に照射された反射チャープ光102、104、106の偏光状態を第2偏光状態に変化させるものであり、シャッタ部は、非線形媒質30によって偏光状態が変わった反射チャープ光102、104、106を抽出することで、所定のタイミングで反射チャープ光102、104、106を切り出し、複数の照射装置は、非線形媒質30におけるポンプ光の非線形効果の有効範囲100内に反射チャープ光102、104、106を集光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物の3次元形状を測定する3次元形状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被測定物(例えば、ワーク)の3次元情報を測定する方法として、下記に示す特許文献1に記載されているように、波長が規則的に経時変化するチャープ光を被測定物に照射してその反射光を所定のタイミングで切り出して撮像することで、3次元情報を計測する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2500379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に記載の技術では、1つの被測定物に対して、1つのパルス光源、シャッタが必要となるため、複数の被測定物の3次元情報を測定する場合は、複数のパルス光源及びシャッタが必要となり、高コストとなってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、低コストで複数の被測定物を測定することができる3次元情報測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、波長が規則的に経時変化する複数のチャープ光を被測定物に照射して反射された複数の反射チャープ光を非線形媒質に照射する複数の照射装置と、所定のタイミングでシャッタリング光を非線形媒質に照射するシャッタリング光照射手段と、前記非線形媒質を有し、該非線形媒質に照射された第1偏光状態の前記複数の反射チャープ光を前記シャッタリング光が照射された期間で切り出すシャッタ手段と、切り出された前記複数の反射チャープ光を用いて、前記被測定物の3次元情報を取得する3次元情報取得手段と、を備え、前記非線形媒質は、シャッタリング光が照射された期間に、照射された前記反射チャープ光の偏光状態を第2偏光状態に変化させるものであり、前記シャッタ手段は、前記非線形媒質によって偏光状態が変わった前記反射チャープ光を抽出することで、前記所定のタイミングで前記反射チャープ光を切り出し、前記複数の照射装置は、前記非線形媒質における前記シャッタリング光の非線形効果の有効範囲内に前記複数の反射チャープ光を集光させることを特徴とする。
【0007】
パルス光を前記チャープ光に変換する1つのチャープ光変換手段を備え、前記複数の照射装置は、前記1つのチャープ光変換手段によって変換された前記チャープ光を前記被測定物に照射する。
【0008】
前記複数の照射装置は、複数の前記被測定物に対して前記チャープ光を照射して、前記複数の被測定物からの前記複数の反射チャープ光を非線形媒質に照射し、前記3次元情報取得手段は、前記所定のタイミングで切り出されたそれぞれの前記反射チャープ光を用いて、前記複数の被測定物の3次元情報を取得する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の照射装置は、照射したチャープ光を被測定物に照射して反射された複数の第1偏光状態の反射チャープ光を、非線形媒質におけるシャッタリング光の非線形効果の有効範囲に集光させるので、1度のシャッタリングで、複数の照射装置が照射して得られた反射チャープ光を切り出すことができ、低コストで複数の被測定物を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態の3次元形状測定装置の全体構成図である。
【図2】照射装置及びポンプ光照射装置の具体的構成を示す図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】変形例3における複数の照射装置による反射チャープ光の非線形媒質への照射及びポンプ光照射装置によるパルス光の非線形媒質への照射の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明に係る3次元形状測定装置を、好適な実施の形態を掲げ添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0012】
図1は、実施の形態の3次元形状測定装置10の全体構成図である。3次元形状測定装置10は、レーザ装置12と、スプリッタ14と、チャープ機器16と、スプリッタ18と、3つの照射装置20(20a、20b、20c)と、シャッタ部22と、ミラー24と、ポンプ光照射装置26と、3つの撮像装置28(28a、28b、28c)とを備える。
【0013】
レーザ装置12は、パルスのレーザ光(以下、パルス光という)を発生して、チャープ機器(チャープ光変換手段)16に照射する。レーザ装置12が照射するパルス光は、高エネルギーのパルス光である。
【0014】
スプリッタ14は、レーザ装置12とチャープ機器16との間に介装されており、レーザ装置12が照射したパルス光の一部を透過し、残部を反射する。スプリッタ14を透過したパルス光はチャープ機器16に照射され、スプリッタ14を反射したパルス光は、ミラー24に照射される。なお、スプリッタ14は、ビームスプリッタであってもよく、透過率と反射率との比が1:1のビームスプリッタをハーフミラーという。
【0015】
チャープ機器16は、照射したパルス光を、波長が規則的に経時変化するチャープ光に変換して、スプリッタ18に照射する。チャープ機器16は、自己位相変調によりパルス光をチャープ光に変換する。チャープ光とは、波長が変化している光のことをいう。
【0016】
スプリッタ18は、照射されたチャープ光を3分割し、分割したそれぞれのチャープ光を照射装置20a、20b、20cに照射する。各照射装置20a、20b、20cは、照射されたチャープ光を図示しない被測定物Wに対して照射し、反射したチャープ光(以下、反射チャープ光という)を取得する。各照射装置20a、20b、20cは、取得した反射チャープ光のうち、第1偏光方向(第1偏光状態)の反射チャープ光をシャッタ部(シャッタ手段)22の非線形媒質30に照射する。つまり、照射装置20a、20b、20cから照射される反射チャープ光は、第1偏光方向に偏光した直線偏光の光である。
【0017】
ミラー24は、照射されたパルス光の光路を変えるものであり、照射されたパルス光を反射してポンプ光照射装置(シャッタリング光照射装置)26に照射する。ポンプ光照射装置26は、照射されたパルス光をポンプ光(シャッタリング光)として所定のタイミングで非線形媒質30に照射させるものであり、照射されたパルス光を一定時間遅延させてポンプ光として照射させる。
【0018】
シャッタ部22は、照射されたそれぞれの反射チャープ光を所定のタイミングで切り出し、切り出した該反射チャープ光を各撮像装置(3次元情報取得手段)28a、28b、28cに照射させる。非線形媒質30(非線形光学素子)は、CS、SrTiO等からなるものであり、ポンプ光が照射された期間に、照射された反射チャープ光の偏光状態を変化させる。詳しくは、照射された第1偏光方向の反射チャープ光を、第2偏光方向の反射チャープ光に変化させる。シャッタ部22の偏光フィルタ32は、非線形媒質30で偏光方向が変えられた反射チャープ光のみを透過(抽出)して撮像装置28a、28b、28cに照射させるものであり、詳しくは、第2偏光方向(第2偏光状態)の反射チャープ光を透過する。この第1偏光方向と第2偏光方向とは互いに直交する。つまり、偏光フィルタ32を透過した反射チャープ光は、第2偏光方向に偏光した直線偏光の光となる。
【0019】
ここで、照射装置20aが取得した反射チャープ光は、撮像装置28aに照射され、照射装置20bが取得した反射チャープ光は、撮像装置28bに照射され、照射装置20cが取得した反射チャープ光は、撮像装置28cに照射される。撮像装置28a、28b、28cは、撮像して得られた画像データから被測定物Wの3次元情報を求める。3次元情報の求め方は周知技術なので説明を省略する。
【0020】
なお、偏光フィルタ32に代えて、偏光ビームスプリッタを用いてもよい。偏光ビームスプリッタは、照射された光のうち、p波及びs波の一方の光を透過し、他方を反射する特性を有する。このp波とs波は偏光方向が互いに直交する。偏光ビームスプリッタを用いた場合は、第2偏光方向の反射チャープ光を反射又は透過することで、第2偏光方向の反射チャープ光を撮像装置28a、28b、28cに照射する。
【0021】
図2は、照射装置20a及びポンプ光照射装置26の具体的構成を示す図である。図2では、説明を簡単にするため、照射装置20aと同様の構成を有する照射装置20b及び照射装置20cの図示を省略している。なお、照射装置20aは、照射されたチャープ光を被測定物Waに照射し、反射した反射チャープ光を取得する。照射装置20b、照射装置20cは、照射されたチャープ光を図示しない被測定物Wb、Wcにそれぞれ照射して、被測定物Wb、Wcで反射した反射チャープ光を取得する。これにより、同時に複数の被測定物Wa、Wb、Wcの3次元情報を得ることができる。
【0022】
照射装置20aは、ミラー50と、ビームスプリッタ52と、拡大光学系54と、偏光フィルタ56と、集光光学系58とを有する。ミラー50は、スプリッタ18から照射されたチャープ光の光路を変更させるものであり、照射されたチャープ光を反射させてビームスプリッタ52に照射する。
【0023】
ビームスプリッタ52は、照射された光の一部を透過し、残部を反射させるものである。ビームスプリッタ52は、照射されたチャープ光を反射させて被測定物Waに対して照射するとともに、被測定物Waからの反射チャープ光を透過させる。拡大光学系54は、ビームスプリッタ52から被測定物Waに対して照射されるチャープ光を拡大させるものである。
【0024】
偏光フィルタ56は、ビームスプリッタ52を透過した被測定物Waからの反射チャープ光のうち、所定の偏光方向(前記第1偏光方向)の反射チャープ光を透過して集光光学系58に照射する。なお、偏光フィルタ56に代えて、偏光ビームスプリッタを設けてもよい。偏光ビームスプリッタを設ける場合であっても、前記第1偏光方向の反射チャープ光を透過又は反射して集光光学系58に照射するように偏光ビームスプリッタを設けることはいうまでもない。
【0025】
集光光学系58は、偏光フィルタ56を透過した反射チャープ光をシャッタ部22の非線形媒質30に照射する。このとき、集光光学系58は、非線形媒質30のある範囲内の一点に反射チャープ光を集光させる。照射装置20b及び照射装置20cの集光光学系58も非線形媒質30の前記範囲内の一点に反射チャープ光を集光させる。この集光光学系58の集光については後で詳しく説明する。
【0026】
ポンプ光照射装置26は、ミラー70と、三角ミラー72と、リトロリフレクタ74と、ミラー76と、集光光学系78とを有する。ミラー70は、スプリッタ14から照射されたパルス光の光路を変更させるものであり、照射されたパルス光を反射させて三角ミラー72に照射する。
【0027】
三角ミラー72は、ミラー70から照射された光をリトロリフレクタ74に照射し、リトロリフレクタ74は照射された光を三角ミラー72に照射する。三角ミラー72及びリトロリフレクタ74間の反射は予め決められた回数分だけ行われる。三角ミラー72及びリトロリフレクタ74間の反射が予め定められた回数分だけ行われると、三角ミラー72は、パルス光をミラー76に照射する。三角ミラー72及びリトロリフレクタ74間の反射回数は、三角ミラー72及びリトロリフレクタ74の設計によって定まる。
【0028】
ミラー76は、三角ミラー72から照射されたパルス光の光路を変更させるものであり、照射されたパルス光を反射させて集光光学系78に照射する。集光光学系78は、照射されたパルス光をポンプ光として非線形媒質30に照射する。このとき、集光光学系78は、ポンプ光を非線形媒質30の中で予め定められた1点でポンプ光が集光するようにポンプ光を照射する。
【0029】
ここで、各照射装置20a、20b、20cの集光光学系58は、非線形媒質30の前記範囲内の一点で反射チャープ光を集光するが、前記範囲は、ポンプ光照射装置26から照射される非線形媒質30におけるポンプ光の非線形効果の有効範囲のことである。
【0030】
図3は、図1のIII−III線断面図である。このIII−III線断面図は、ポンプ光に垂直な方向の非線形媒質30の断面であり、該断面で、ポンプ光と、反射チャープ光とが交わっている。なお、図3は、照射装置20a、20b、20cの集光光学系58、及び、集光光学系78により、反射チャープ光及びポンプ光が一箇所に集光された状態時の断面である。参照符号100は、ポンプ光の非線形効果の有効範囲を示すものであり、ポンプ光の大きさ(ポンプ光の径で表される大きさ)を示している。参照符号102、104、106は、それぞれ照射装置20a、20b、20cから照射された反射チャープ光を示しており、図3に示すように、反射チャープ光102、104、106は非線形効果の有効範囲100内の一点で集光されていることが諒解されよう。
【0031】
ポンプ光の非線形効果とは、反射チャープ光102、104、106の偏光方向を変えることをいい、その有効範囲100とは、反射チャープ光102、104、106の偏光方向を変えることができる範囲のことをいう。したがって、有効範囲100外にある反射チャープ光の偏光方向は変えることができない。
【0032】
また、エネルギー密度が一定値以上のポンプ光でなければ、反射チャープ光102、104、106の偏光方向を変えることができないので、エネルギー密度が一定値未満のポンプ光の大きさ中に反射チャープ光102、104、106があっても、反射チャープ光102、104、106の偏光方向を変えることができない。したがって、ポンプ光の非線形効果の有効範囲とは、エネルギー密度が一定値以上のポンプ光の大きさ(ポンプの径で表される大きさ)のことをいう。
【0033】
ポンプ光のエネルギー密度を高くするために、ポンプ光照射装置26の集光光学系78は、ポンプ光を非線形媒質30内で集光させる。したがって、照射装置20a、20b、20cは、エネルギー密度が一定値以上となるように集光されたポンプ光の非線形効果の有効範囲内に、反射チャープ光を集光させる。
【0034】
なお、ポンプ光照射装置26が非線形媒質30内においてポンプ光を集光させる位置は予め分かっているので、ポンプ光の非線形効果の有効範囲も予め分かっている。したがって、該有効範囲内で反射チャープ光が収まるように、照射装置20a、20b、20cが反射チャープ光を集光させれば、非線形媒質30は、反射チャープ光の偏光方向を変えることができる。
【0035】
このように、各照射装置20a、20b、20cは、照射したチャープ光を被測定物に照射して反射された複数の反射チャープ光102、104、106のうち第1偏光状態の反射チャープ光102、104、106を、シャッタ部22の非線形媒質30におけるポンプ光の非線形効果の有効範囲100内に集光させるので、1度のシャッタリングで、複数の照射装置20a、20b、20cが照射して得られた反射チャープ光102、104、106を切り出すことができ、低コストで複数の被測定物Wa、Wb、Wcを測定することができる。
【0036】
[変形例]上記実施の形態は、以下のように変形してもよい。
【0037】
(変形例1)上記実施の形態では、レーザ装置12とスプリッタ18との間にチャープ機器16を設け、チャープ機器16は、パルス光をチャープ光に変換してスプリッタ18に照射させ、スプリッタ18は照射されたチャープ光を3分割して各照射装置20a、20b、20cに照射させるようにしたが、レーザ装置12が照射したパルス光をそのままスプリッタ18に照射させ、スプリッタ18は、照射されたパルス光を3分割して各照射装置20a、20b、20cに照射するようにしてもよい。この場合は、照射装置20a、20b、20cに照射される光はパルス光なので、各照射装置20a、20b、20cがチャープ機器16を備え、各照射装置20a、20b、20cは、照射されたパルス光をチャープ光に変換し、変換した該チャープ光を被測定物Wa、Wb、Wcに照射させる。なお、この場合は、チャープ機器16が3つ必要になるので、上記実施の形態に比べ高コストになる。
【0038】
(変形例2)上記実施の形態では、3つの照射装置20a、20b、20cを有し、スプリッタ18は、チャープ光を3分割し、照射装置20a、20b、20cは被測定物Wa、Wb、Wcに対してチャープ光を照射するようにしたが、照射装置20は3つに限らず、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。要は、3次元形状を測定する測定対象に応じて異ならせればよい。例えば、測定対象が6つの被測定物である場合には、照射装置20を6つ設ければよい。また、1つの被測定物であるがその1つの被測定物の中に測定対象(測定領域)が4つある場合、照射装置20を4つ設ければよい。なお、照射装置20の数に応じて撮像装置28の数を変える事は言うまでもない。
【0039】
(変形例3)レーザ装置12が照射するエネルギーが高く、然程集光しなくても、ポンプ光照射装置26から照射されるポンプ光のエネルギー密度が前記一定値以上より高くなる場合は、図4に示すように、照射装置20a、20b、20cから照射される反射チャープ光を一箇所に集光させる必要はなく、単に、ポンプ光照射装置26は、ポンプ光が照射装置20a、20b、20cが照射された反射チャープ光を横切るようにポンプ光を照射すればよい。この場合であっても、反射チャープ光は、ポンプ光の非線形効果の有効範囲100に収まるからである。なお、この場合は、レーザ装置12は、上記実施の形態におけるパルス光に比べ、高エネルギーのパルス光を発生する必要があるため、レーザ装置12のコストが高くなる。
【0040】
(変形例4)上記実施の形態では、照射装置20a、20b、20cは、偏光フィルタ56を備え、偏光フィルタ56を透過した反射チャープ光(第1偏光方向の反射チャープ光)を照射するようにしたが、照射装置20a、20b、20cは、偏光フィルタ56を備えなくてもよい。この場合は、照射装置20a、20b、20cから照射される反射チャープ光は偏光していない光となるので、シャッタ部22が第1偏光方向の光を透過する偏光フィルタを備える。この場合は、照射装置20a、20b、20cから照射された反射チャープ光は、シャッタ部22に備えられた前記偏光フィルタを透過して非線形媒質30に照射する。これにより、各照射装置20a、20b、20cに偏光フィルタ56を設けなくてもよいので、上記実施の形態に比べ、3次元形状測定装置10のコストを低減させることができる。
【0041】
(変形例5)上記変形例1〜4を任意に組み合わせた態様であってもよい。
【0042】
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0043】
10…3次元形状測定装置 12…レーザ装置
14、18…スプリッタ 16…チャープ機器
20、20a、20b、20c…照射装置 22…シャッタ部
24、50、70、76…ミラー 26…ポンプ光照射装置
28、28a、28b、28c…撮像装置 30…非線形媒質
32、56…偏光フィルタ 52…ビームスプリッタ
54…拡大光学系 58、78…集光光学系
72…三角ミラー 74…リトロリフレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長が規則的に経時変化する複数のチャープ光を被測定物に照射して反射された複数の反射チャープ光を非線形媒質に照射する複数の照射装置と、
所定のタイミングでシャッタリング光を非線形媒質に照射するシャッタリング光照射手段と、
前記非線形媒質を有し、該非線形媒質に照射された第1偏光状態の前記複数の反射チャープ光を前記シャッタリング光が照射された期間で切り出すシャッタ手段と、
切り出された前記複数の反射チャープ光を用いて、前記被測定物の3次元情報を取得する3次元情報取得手段と、
を備え、
前記非線形媒質は、シャッタリング光が照射された期間に、照射された前記反射チャープ光の偏光状態を第2偏光状態に変化させるものであり、
前記シャッタ手段は、前記非線形媒質によって偏光状態が変わった前記反射チャープ光を抽出することで、前記所定のタイミングで前記反射チャープ光を切り出し、
前記複数の照射装置は、前記非線形媒質における前記シャッタリング光の非線形効果の有効範囲内に前記複数の反射チャープ光を集光させる
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の3次元形状測定装置であって、
パルス光を前記チャープ光に変換する1つのチャープ光変換手段を備え、
前記複数の照射装置は、前記1つのチャープ光変換手段によって変換された前記チャープ光を前記被測定物に照射する
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の3次元形状測定装置であって、
前記複数の照射装置は、複数の前記被測定物に対して前記チャープ光を照射して、前記複数の被測定物からの前記複数の反射チャープ光を非線形媒質に照射し、
前記3次元情報取得手段は、前記所定のタイミングで切り出されたそれぞれの前記反射チャープ光を用いて、前記複数の被測定物の3次元情報を取得する
ことを特徴とする3次元形状測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−154867(P2012−154867A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15980(P2011−15980)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】