説明

4−フェニルアミノ−キナゾリン−6−イル−アミド

【課題】増殖性障害に有効な新規化合物の提供。
【解決手段】式


(式中、R1はF等、R2はH又はF等、R3はアルキル基等、R4は-(CH2)m-Hetであり、mは1〜3の整数であり、XはO等である。)のキナゾリン化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
その開示が全体として本明細書に組み入れられる2004年5月6日に提出された米国出願番号第60/568,872が引用される。
【0002】
チロシンキナーゼの阻害剤として働き、そして癌、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、子宮内膜症及び乾癬を含む増殖性疾患を治療する、防止する又は抑制する方法において有用である、新規化合物に関する。特に、本発明はこうした障害の処置に有用な4−アニリノ−6−置換アルケノイルアミノ−キナゾリン化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
癌の治療に有用な置換4−フェニルアミノ−キナゾリン−6−イル−アミドが、米国特許第5,457,105号(Barker)、米国特許第5,760,041号(Wissner et al.)、米国特許第5,770,599号(Gibson)、米国特許第5,929,080号(Frost)、米国特許第5,955,464号(Barker)、米国特許第6,251,912号(Wissner et al.)、米国特許第6,344,455号(Bridges et al.)、米国特許第6,344,459号(Bridges et
al.)、米国特許第6,414,148号(Thomas et al.)、米国特許第5,770,599号(Gibson et al.)、米国特許出願第2002/0
173509号(Himmelsbach et al.)及び米国特許第6,323,209号(Frost)
のものを含む、当該技術分野で記述されている。
【0004】
増殖性障害の治療のための新規で有効な化合物が必要とされている。
【発明の開示】
【0005】
【発明の要旨】
【0006】
本発明は、式I:
【0007】
【化1】

【0008】
(式中:
は、F、Br、Cl又はIから選択され; Rは、H、F、Br、Cl又はIから選択され;
は、
a)C〜C直鎖又は分枝鎖アルキルであって、ハロゲンで置換されていてもよく;又は
b)−(CH−モルホリノ、−(CH−ピペリジン、−(CH−ピペラジン、−(CH−ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、−(CH−ピロリジン、又は−(CH−イミダゾール;から選択され;
nは、1〜4の整数であり;
は、−(CH−Hetであり;
Hetは、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、イミダゾール、ピロリジン、アゼパン、3,4−ジヒドロ−2H-ピリジン、又は3
,6−ジヒドロ−2H−ピリジンから選択されるヘテロ環式部分であって、各ヘテロ環式部分は、C〜Cアルキル、ハロゲン、OH、NH、NH(C〜Cアルキル)又はN(C〜Cアルキル)から選択される1〜3の基で置換されていてもよく;
mは、1〜3の整数であり;及び
Xは、O、S又はNHである)
のキナゾリン化合物、又はそれらの薬学的に許容できる塩を含んでなる。
【0009】
本発明はまた、癌、再狭窄、乾癬、アテローム性動脈硬化症又は子宮内膜症を含む増殖性疾患の進行を治療する、抑制する、防止する又は制御するために、本発明の化合物を使用する方法を含んでなり、本方法の各々は、それらを必要とする哺乳動物に本明細書の化合物の薬学的又は療法的有効量を投与することを含んでなる。本発明はさらに、本発明の化合物の薬学的有効量、及び一つ又はそれより多くの薬学的に許容できる賦形剤及び/又は担体を含んでなる医薬組成物を含んでなる。本発明はまた、本明細書の化合物の製造に有用な、合成経路及び中間体化合物も含んでなる。
【発明の詳細な説明】
【0010】
本発明の化合物の一つの群は、Rがハロゲンであり、そしてRが水素である上記の化合物を含んでなる。別の群は、Rがフッ素であり、そしてRが別のハロゲンである化合物を含んでなる。さらなる群は、Rが4−フルオロであり、そしてRが3−クロロである化合物を含んでなる。
【0011】
本発明の別の群は、式II:
【0012】
【化2】

【0013】
(式中:
は、
a)ハロゲンで置換されていてもよいC〜C直鎖又は分枝鎖アルキル;又は
b)−(CH−モルホリノ、−(CH−ピペリジン、−(CH−ピペラジン、−(CH−ピペラジン−N(C〜C アルキル)、−(CH−ピロリジン、又は−(CH−イミダゾール;から選択され;
qは、1〜2の整数であり;
は−(CH−Hetであり;
Hetは、ピペリジン、ピペラジン、ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、イミダゾール、ピロリジン、アゼパン又はジヒドロピリジン基であり;
mは、1〜3の整数であり;そして
Xは、O、S又はNHである)
の化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩を含んでなる。
【0014】
本発明のさらなる群は、式III:
【0015】
【化3】

【0016】
(式中:
は、C〜C直鎖又は分枝鎖アルキルであって、ハロゲンで置換されていてもよく;
及びRは、H、C〜Cアルキル、F、Br、I又はClから独立して選択され;
Xは、O、S又はNHであり;そして
a及びbで特定される点線は各々、存在してもよいを示し、但し、一つの化合物中には、一つの二重結合a又はbのみしか存在しない)
の化合物、又はそれらの薬学的に許容できる塩形態を含んでなる。
【0017】
本明細書に記載した化合物の各群の下位の組は、XがOである化合物を含んでなる。他の下位の組は、XがNH又はSである化合物を含んでなる。本明細書の各群の別の下位の組は、XがOであり、そしてRが、1〜3のハロゲン原子で置換されていてもよいC〜C直鎖又は分枝鎖アルキルである化合物を含んでなる。別の下位の組は、Rが、1、1,2,2−テトラフルオロエチル又は2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基のような多フッ素化C−Cアルキル、又はペンタフルオロエチル又はヘプタフルオ
ロプロピル基のような過フッ素化C〜Cアルキルである化合物を含んでいる。本明細書において、Rにおける基として定義されたC〜C直鎖又は分枝鎖アルキル基は、ペルハロゲン化、即ち、アルキル基の原子価制限により許容されるハロゲンの最大数を有する(即ち、Rは、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルその他である)を含む、一つまたはそれより多くのハロゲン基により置換されたものであってもよい。
【0018】
本発明の化合物は、特にerbB1、erbB2及びerbB4を含む、チロシンキナーゼの活性を阻害するために使用することができる。本発明の化合物は、癌、再狭窄、乾癬、アテローム性動脈硬化症又は子宮内膜症を含む、増殖性疾患の進行を治療する、抑制する、防止する又は制御する方法において使用することができる。これらの方法により治療することができる細胞増殖性障害には、癌、骨障害、血管新生又は血管増殖性障害、線維性障害及びメサンギウム細胞増殖傷害が含まれる。これらの化合物及び方法で治療することができる線維性増殖傷害、即ち、細胞外マトリックスの異常形成には、アテローム性動脈硬化症、肝硬変及びメサンギウム細胞増殖傷害(糸球体腎炎、糖尿病性腎症、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症症候群、移植片拒絶及び糸球体症のようなヒト腎疾患を含んで)が含まれる。本明細書に記載した各方法は、本発明の化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩形態の薬学的又は療法的有効量を、それらを必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる。
【0019】
本発明はまた、哺乳動物における腎嚢胞を治療する又は抑制するための方法も提供し、前記方法は、腎嚢胞にかかっている哺乳動物に、本発明の化合物の薬学的有効量を投与することを含んでなる。本方法は、常染色体劣性及び常染色体優性療法の腎嚢胞に適用される。
【0020】
加えて、本発明はまた、哺乳動物における大腸ポリープを治療する又は抑制するための方法も提供し、本方法は、腎嚢胞にかかっている哺乳動物に、本発明の化合物の薬学的有効量を投与することを含んでなる。大腸ポリープの抑制の方法は、大腸ポリープの成長の速度を減少させる方法を含むと理解されている。哺乳動物における大腸ポリープを治療する又は抑制するための方法はまた、セレコキシブ;ロフェコキシブ;バルデコキシブ;ルミラコキシブ(COX−189としても知られている);LAS−34475;UR−8880;2−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)−5−[4−メチルスルホニル)フェニル]−3(2H)−ピリダジノン(ABT−963);3−[(3−クロロフェニル)[4−(メチルスルホニル)フェニル]メチレン]ジヒドロ−2(3H)−フラノン(BMS−347070);チラコキシブ;化合物4−[5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]−ベンゼンスルホンアミド(E6087としても知られている);CS−502[Chemical Abstracts Service登録番号(「CAS Reg.No.」)176429−82−6];(6aR,10aR)−3−(1,1−ジメチルヘプチル)−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−1−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−9−カルボン酸(「CT−3」);CV−247;2(5H)−フラノン,5,5−ジメチル−3−(1−メチルエトキシ)−4−[4−(メチルスルホニル))フェニル]−(「DFP」);カルプロフェン;デラコキシブ;エトリコキシブ(MERCK & CO., Inc., Whitehouse Station, New Jersey による商標ARCOXIA);GW−406381;アスピリン;チラコキシブ;メロキシカム;ニメスリド;2−(アセチルオキシ)安息香酸、3−[(ニトロキシ)メチル]フェニルエステル(「NCX−4016」);パレコキシブ(G. D. Searle & Co., Skokie, Illinois によりDYNASTATとして商標出願中);N−アセチル−L−スレオニル−L
−プロリル−L−アルギニル−D−プロリル−L−グルタミニル−L−セリル−L−ヒスチジル−L−アスパラギニル−L−α−アスパルチルグリシル−L−α−アスパルチル− L−フェニルアラニル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−イソロイシル−L−プロリル−L−α−グルタミル−L−α−グルタミル−L−チロシル−L−ロイシル−L−グルタミン(P54としても知られている、CAS Reg.No.130996-28-0);ロフェコキシブ(MERCK &
CO., Inc., Whitehouse Station, New Jersey による商標VIOXX);RevlMiD;2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−[(E)−(2−エチル−1,1−ジオキソ−5−イソチアゾリジニリデン)メチル]フェノール(「S−2474」);5(R)−チオ−6−スルホンアミド−3(2H)−ベンゾフラノン(「SVT−2016」);及びN−[3−(ホルミルアミノ)−4−オキソ−6−フェノキシ−4H−1−ベンゾピラン−7−イル]−メタンスルホンアミド(「T−614」);又はそれらの薬学的に許容できる塩を含む、COX−2阻害剤のような、追加の薬学的に有効な剤を利用する、同時投与又は循環投与計画も含むことができる。
【0021】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における異常細胞増殖の治療のための方法にも関しており、前記方法は、異常細胞増殖の治療に有効である、前に定義した式1の化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩、溶媒和物又はプロドラッグの量を、前記哺乳動物に投与することを含んでなる。本方法の一つの態様において、異常細胞増殖は、限定されるわけではないが、肺癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭又は頚部癌、皮膚又は眼球内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、ファロピーオ管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頚部の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、ホジキン病、食道の癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺の癌、副腎の癌、軟組織の肉腫、尿道の癌、陰茎の癌、前立腺癌、慢性又は急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱の癌、腎臓または尿管の癌、腎細胞癌、腎盂の癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体腺腫、又は上記の癌の一つ又はそれより多くの組み合わせを含む癌である。一つの態様において、本方法は、前記癌固形腫瘍を治療することに有効である、式1の化合物の量を哺乳動物に投与することを含んでなる。一つの好ましい態様において、固形腫瘍は、乳癌、肺癌、結腸癌、脳腫瘍、前立腺癌、胃癌、膵臓癌、卵巣癌、皮膚癌(黒色腫)、内分泌腺癌、子宮癌、睾丸癌又は膀胱癌である。
【0022】
前記方法の別の態様において、前記異常細胞増殖は、限定されるわけではないが、乾癬、良性前立腺肥大症又は再狭窄を含む、良性増殖性疾患である。
【0023】
本発明はまた、哺乳動物における異常細胞増殖の治療のための方法にも関しており、前記方法は、異常細胞増殖の治療に有効である、前に定義した式1の化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩、溶媒和物又はプロドラッグを、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、インターカレーティング抗生物質、増殖因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾剤、抗体、細胞毒、抗ホルモン剤及び抗アンドロゲン剤、からなる群より選択される抗腫瘍剤と組み合わせて、前記哺乳動物に投与することを含んでなる。
【0024】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における異常細胞増殖の治療のための医薬組成物にも関しており、前記組成物は、異常細胞増殖の治療に有効である、前に定義した式1の化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩、溶媒和物又はプロドラッグの量、及び薬学的に許容できる坦体を含んでなる。前記組成物の一つの態様において、前記異常細胞増殖は、肺癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭又は頚部癌、皮膚又は眼球内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、ファロピーオ管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頚部の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、ホジキン病、食道の癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺の癌、副腎の癌、軟組織の肉腫、尿道の癌、陰茎の癌、前立腺癌、慢性又は急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱の癌、腎臓または尿管の癌、腎細胞癌、腎盂の癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体腺腫、又は上記の癌の一つ又はそれより多くの組み合わせを
含む癌である。前記医薬組成物の別の態様において、前記異常細胞増殖は、限定されるわけではないが、乾癬、良性前立腺肥大症又は再狭窄を含む、良性増殖性疾患である。
【0025】
本発明はまた、哺乳動物における異常細胞増殖の治療のための方法にも関しており、それは、異常細胞増殖の治療に有効である、前に定義した式1の化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩、溶媒和物又はプロドラッグを、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、インターカレーティング抗生物質、増殖因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾剤、抗体、細胞毒、抗ホルモン剤及び抗アンドロゲン剤からなる群より選択される別の抗腫瘍剤と組み合わせて、前記哺乳動物に投与することを含んでなる。本発明はまた、異常細胞増殖を治療するための医薬組成物も企図し、ここで組成物は、異常細胞増殖を治療することにおいて有効である、前に定義した式1の化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩、溶媒和物又はプロドラッグ、及び有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、インターカレーティング抗生物質、増殖因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾剤、抗体、細胞毒、抗ホルモン剤及び抗アンドロゲン剤からなる群より選択される別の抗腫瘍剤、を含んでいる。
【0026】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における血管新生に付随する障害の治療のための方法に関し、前記方法は、一つまたはそれより多くの前に列挙された抗腫瘍剤と組み合わされた、前記障害を治療することにおいて有効である、前に定義した式1の化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩、溶媒和物又はプロドラッグの量を、前記哺乳動物に投与することを含んでなる。こうした障害には、黒色種のような癌性腫瘍;年齢関連性黄斑変性症、推定眼ヒストプラスマ症候群及び増殖性糖尿病性網膜症からの網膜血管新生のような眼障害;慢性関節リューマチ;骨粗鬆症、ページェット病、悪性腫瘍による高カルシウム血症、骨への腫瘍転移からの高カルシウム血症及びグルココルチコイド治療により誘発された骨粗鬆症のような骨損失障害;冠動脈再狭窄;及びアデノウイルス、ハンタウイルス、ライム病菌、エルシニアspp.、百日咳菌及びグループA連鎖球菌から選択される微生物病原体に関連する感染を含む、特定の微生物感染、が含まれる。
【0027】
本発明はまた、哺乳動物における異常細胞増殖を治療する方法(及び医薬組成物)にも関し、前記方法は、抗血管新生剤、シグナル伝達阻害剤及び抗増殖剤から選択される、一つまたはそれより多くの物質の量と組み合わされた、式1又はそれらの薬学的に許容できる塩、溶媒和物又はプロドラッグの量を含んでなり、それらの量は共に前記異常細胞増殖を治療することにおいて有効である。
【0028】
MMP−2(マトリックス−メタロプロテイナーゼ2)阻害剤、MMP−9(マトリックス−メタロプロテイナーゼ9)阻害剤及びCOX−II(シクロオキシゲナーゼII)阻害剤のような抗血管新生剤は、本明細書に記載した方法及び医薬組成物において、式1の化合物と組み合わせて使用することが可能である。有用なCOX−II阻害剤には、CELEBREXTM(商標)(セレコキシブ)、ベクストラ(Bextra)(バルデコキシブ)、パラコキシブ、ビオックス(Vioxx)(ロフェコキシブ)及びアルコキシア(Acroxia)(エトリコキシブ)が含まれる。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤は、WO96/33172(1996年10月24日公開)、WO96/27583 (1996年3月7日公開)、欧州特許出願第97304971.1号(1997年7月8日提出)、欧州特許出願第99308617.2号(1999年10月29日提出)、WO98/07697(1998年2月26日公開)、WO98/03516(1998年1月29日公開)、WO98/34918(1998年8月13日公開)、WO98/34915(1998年8月13日公開)、WO98/33768(1998年8月6日公開)、WO98/30566(1998年7月16日公開)、欧州特許公開第606,046号(1994年7月13日公開)、欧州特許公開第931,788号
(1999年7月28日公開)、WO90/05719(1990年3月31日公開)、WO99/52910(1999年10月21日公開)、WO99/52889(1999年10月21日公開)、WO99/29667(1999年6月17日公開)、PCT国際出願第PCT/IB98/01113号(1998年7月21日提出)、欧州特許出願第99302232.1号(1999年3月25日提出)、英国特許出願第9912961.1号(1999年6月3日提出)、米国仮出願第60/148,464号(1999年8月12日提出)、米国特許第5,863,949号(1999年1月26日発行)、米国特許第5,861,510号(1999年1月19日発行)及び欧州特許公開第780,386号(1997年6月25日公開)に記載されている。これらのすべては全体が本明細書に組み入れられる。好ましいMMP−2及びMMP−9阻害剤は、MMP−1を阻害する活性をほとんど又は全く有していないものである。より好ましいものは、他のマトリックス−メタロプロテイナーゼ(即ち、MMP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−11、MMP−12及びMMP−13)に比べてMMP−2及び/又はMMP−9を選択的に阻害するものである。
【0029】
本発明の化合物との組み合わせにおいて有用なMMP阻害剤のいくつかの具体的例は、AG−3340、RO32−3555、RS13−0830及び以下のリストに列挙された化合物である:3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロペンチル)−アミノ]−プロピオン酸;3−エキソ−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;(2R,3R)1−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;4−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロブチル)−アミノ]−プロピオン酸;4−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;(2R,3R)1−[4−(4−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−1−メチル−エチル)−アミノ]−プロピオン酸;3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(4−ヒドロキシカルバモイル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ]−プロピオン酸;3−エキソ−3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−エンド−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;及び3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;及び、前記化合物の薬学的に許容できる塩、溶媒和物及びプロドラッグ。
【0030】
VEGF阻害剤、例えば、SU−11248、SU−5416及びSU−6668(Sugen
Inc. of South San Francisco, California, USA) もまた式1の化合物と組み合わせることが可能である。VEGF阻害剤は、例えば、WO99/24440(1999年5月20日提出)、PCT国際出願PCT/IB99/00797(1999年5月3日提出)、WO95/21613(1995年8月17日公開)、WO99/61422(1999年12月2日公開)、米国特許第5,834,504号(1998年11月10日
発行)、WO98/50356(1998年11月12日公開)、米国特許第5,883,113号(1999年3月16日発行)、米国特許第5,886,020号(1999年3月23日発行)、米国特許第5,792,783号(1998年8月11日発行)、米国特許第US6,653,308(2003年11月25日発行)、WO99/10349(1999年3月4日公開)、WO97/32856(1997年9月12日公開)、WO97/22596(1997年6月26日公開)、WO98/54093(1998年12月3日公開)、WO98/02438(1998年1月22日公開)、WO99/16755(1999年4月8日公開)及びWO98/02437(1998年1月22日公開)に記載されている。これらのすべては全体が本明細書に組み入れられる。他のいくつかの特異的VEGF阻害剤は、IM862(Cytran Inc. of Kirkland, Washington, USA );アバスチン(Avastin)、Genentech, Inc. of South San
Francisco, California の抗VEGFモノクローナル抗体;及びアンギオザイム、リボザイム(Ribozyme)
からの合成リボザイム(Boulder, Colorado )及びカイロン(Chiron)(Emeryville, California )である。
【0031】
GW−282974(Glaxo Wellcome plc )、CP−724,714(Pfizer Inc. )
及びモノクローナル抗体AR−209(Aronex Pharmaceuticals
Inc. of The Woodlands, Texas, USA )及び2B−1(Chiron )のようなErbB2受容体阻害剤もまた、式1の化合物と組み合わせて投与することができる。こうしたerbB2阻害剤にはまた、ヘルセプチン(Herceptin)、2C4及びペルツズマブが含まれる。こうしたerbB2阻
害剤には、WO98/02434(1998年1月22日公開)、WO99/35146(1999年7月15日公開)、WO99/35132(1999年7月15日公開)、WO98/02437(1998年1月22日公開)、WO97/13760(1997年4月17日公開)、WO95/19970(1995年7月27日公開)、米国特許第5,587,458号(1996年12月24日発行)及び米国特許第5,877,305号(1999年3月2日発行)に記載されているものが含まれる。これらの各々はその全体が本明細書に組み入れられる。本発明において有用なErbB2阻害剤はまた、1999年1月27日に提出された米国仮出願第60/117,341号、及び1999年1月27日に提出された米国仮出願第60/117,346号にも記載されている。両方ともその全体が本明細書に組み入れられる。他のerbb2受容体阻害剤には、TAK−165(Takeda )及びGW−572016(Glaxo-Wellcome )が含まれる。
【0032】
スチレン誘導体のような多様な他の化合物も、チロシンキナーゼ阻害特性を有していることが示されており、チロシンキナーゼ阻害剤のいくつかは、erbB2受容体阻害剤として同定されている。より最近、5つの欧州特許公開、即ち、EP0566226A1(1993年10月20日公開)、EP0602851A1(1994年6月22日公開)、EP0635507A1(1995年1月25日公開)、EP0635498A1(1995年1月25日公開)及びEP0520722A1(1992年12月30日公開)が、それらのチロシンキナーゼから生じる抗癌特性を所有しているとして、特定の二環式誘導体、特にキナゾリン誘導体について言及している。また、国際特許出願WO92/20642(1992年11月26日公開)は、異常細胞増殖を抑制することにおいて有用である、チロシンキナーゼ阻害剤としての、ビス−モノ及び二環式アリール及びヘテロアリール化合物について言及している。国際特許出願WO96/16960(1996年6月6日公開)、WO96/09294(1996年3月6日公開)、WO97/30034(1997年8月21日公開)、WO98/02434(1998年1月22日公開)、WO98/02437(1998年1月22日公開)及びWO98/02438(1998年1月22日公開)もまた、同一の目的に有用である、チロシンキナーゼ阻害剤としての置換二環式ヘテロ芳香族誘導体について言及している。抗癌化合物について言及している他の特許出願は、国際特許出願WO00/44728(2000年8月3日公開)、EP1029853A1(2000年8月23日公開)及びWO01/98277(20
01年12月13日公開)であり、それらのすべては、その全体が本明細書に組み入れられる。
【0033】
本発明の化合物とともに使用することができる他の抗増殖性剤には、以下の米国特許出願に開示されそして特許請求されている化合物を含む、酵素ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤及び受容体チロシンキナーゼPDGFrの阻害剤:09/221946(1998年12月28日提出);09/454058(1999年12月2日提出);09/501163(2000年2月9日提出);09/539930(2000年3月31日提出);09/202796(1997年5月22日提出);09/384339(1999年8月26日提出);及び09/383755(1999年8月26日提出);及び、以下の米国特許仮出願の化合物が含まれる:60/168207(1999年11月30日提出);60/170119(1999年12月10日提出);60/177718(2000年1月21日提出);60/168217(1999年11月30日提出)及び60/200834(2000年5月1日提出)。前述の特許出願及び仮特許出願の各々は、その全体が本明細書に組み入れられる。
【0034】
式1の化合物はまた、限定されるわけではないが、CTLA4(細胞毒性リンパ球抗原4)抗体のような、抗腫瘍免疫応答を増強できる剤、及びCTLA4を遮断できる他の剤;及び他のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤のような抗増殖剤、例えば、上記「背景技術」の節に引用した参照文献に記載されているようなファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を含む、異常細胞増殖又は癌を治療する際に有用な他の剤と使用することができる。本発明で使用することが可能な具体的CTLA4抗体には、本明細書に組み入れられる、米国仮出願60/113,647(1998年12月23日提出)に記載されているものが含まれる。
【0035】
式1の化合物は、単独療法として適用してもよいし、又は、例えば、有糸分裂阻害剤、例えば、ビンブラスチン;アルキル化剤、例えば、シス−プラチン、オキザリプラチン、カルボプラチン及びシクロホスファミド;代謝拮抗剤、例えば、5−フルオロウラシル、カペシタビン、シトシンアラビノシッド及びヒドロキシ尿素、又は例えば、N−(5−[N−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ]−2−テノイル)−L−グルタミン酸のような、欧州特許出願第239362号に開示されている好ましい代謝拮抗剤;増殖因子阻害剤;細胞周期阻害剤;インターカレーティング抗生物質、例えば、アドリアマイシン及びブレオマイシン;酵素、例えば、インターフェロン;及び抗ホルモン剤、例えば、ノルバデックス(Nolvadex)(タモキシフェン)のような抗エストロゲン剤、又は、例えば、カソデックス(Casodex)(4
’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド)のような抗アンドロゲン剤;から選択される、一つまたはそれより多くの他の抗腫瘍物質を含むことができる。
【0036】
本発明の化合物は、単独で、又は多様な抗癌剤又はサポーティブケア(supportive
care)剤の一つまたはそれより多くと組み合わせて使用することができる。例えば、本発明
の化合物は、細胞毒性剤、例えば、カンプトテシン、イリノテカンHCl(カンプトサル(Camptosar))、エドテカリン、SU−11248、エピルビシン(エレンス(Ellence))、ドセタキセル(タキソテール(Taxotere))、パクリタキセル、リツキシマブ(リツキサン(Rituxan))、ベバシズマブ(アバスチン(Avastin))、イマチニブメシレート(グリバック(Gleevac))、エルビタックス(Erbitux)、ゲフィチニブ(イレッサ(Iressa))及びそれらの組み合わせ、から成る群より選択される一つまたはそれより多くの剤とともに使用することができる。本発明はまた、ホルモン療法と一緒の本発明の化合物の使用も企図する、例えば、エキセメスタン(アロマシン(Aromasin))、リュ−プロン(Lupron)、アナストロゾール(アリミデクス(Arimidex))、クエン酸タモキシフェ ン(ノルバデックス(Nolvadex))、トレルスター(Trelstar)及びそれらの組み合わせ。さらに、本発明は、本発明の化合物単独、又は、一つまたはそれより多くのサポーティブケア製品、例えば、フィルグラスチム(Filgrastim)(ニューポジェン(Neupogen))、オンダンセトロン(ゾフラン(Zofran))、フラグミン(Fragmin)、プロクリット(Procrit)、アロキシ(Aloxi)、エメンド(Emend)又はそれらの組み合わせ、から成る群より選択される製品、と組み合わせて提供する。こうしたコンジョイント(conjoint)治療は、治療の個々の成分の同時、連続的又は別々の投薬により達成することができる。
【0037】
本発明の化合物は、抗腫瘍剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗生物質、植物由来抗腫瘍剤、カンプトテシン誘導体、チロシンキナーゼ阻害剤、抗体、インターフェロン及び/又は生物学的応答修飾剤と使用することができる。これに関して、以下は、本発明の化合物と使用することができる二次的剤の非制限的例である。
【0038】
・アルキル化剤には、限定されるわけではないが、ナイトロジェンマスタードN−オキシド、シクロフォスファミド、イホスファミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロマイド、AMD−473、アルトレタミン、AP−5280、アパジコン、ブロスタリシン、ベンダムスチン、カルムスチン、エストラムスチン、フォテムスチン、グルフォスファミド、イホスファミド、KW−2170、マホスファミド及びミトラクトールが含まれ;プラチナ配位アルキル化化合物には、限定されるわけではないが、シスプラチン、カルボプラチン、エプタプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン又はサトルプラチンが含まれ;
・代謝拮抗剤には、限定されるわけではないが、メトトレキサート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル(5−FU)単独であるいはロイコボリンと組み合わせて、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、エノシタビン、S−1、ゲムシタビン、フルダラビン、5−アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロフォラビン、デシタビン、エフロールニチン、エチニルシチジン、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素、TS−1、メルファラン、ネララビン、ノラトレキセド、オクホスファート、プリメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ペリトレキソール、ラルチトレキセド、トライアピン、トリメトレキセート、ビダラビン、ビンクリスチン、ビノレルビン;又は例えば、N−(5−[N−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ]−2−テノイル)−L−グルタミン酸のような欧州特許出願第239362号に開示されている好ましい代謝拮抗剤の一つ;
・抗生物質には、限定されるわけではないが、アクラルビシン、アクチノマイシンD、アムルビシン、アナマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、ガラルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ネモルビシン、ネオカルチノスタチン、ペプロマイシン、ピラルビシン、レベッカマイシン、スチマラマー、ストレプトゾシン、バルルビシン又はジノスタチンが含まれ;
・ホルモン療法剤には、例えば、エキセメスタン(アロマシン(Aromasin))、リュープロン(Lupron)、アナストロゾール(アリミデクス(Arimidex))、ドキセルカルシフェロール、ファドロゾール、フォルメスタン、クエン酸タモキシフェン(ノルバデクス(Nolvadex))及びフルベストラント、トレルスター(Trelstar)、トレミフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、レトロゾール(フェマラ(Femara))のような抗エストロゲン剤、又はビカルタミド、フルタミド、ミフェプリストーン、ニルタミド、カソデクス(Casodex(登録商標))(4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスフォニル)
−2−ヒドロキシ−2−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド)のような抗アンドロゲン剤、及びそれらの組み合わせ、が含まれ;
・植物由来抗腫瘍物質には、例えば、有糸分裂阻害剤、例えばビンブラスチン、ドセタキセル(タキソテール(Taxotere))及びパクリタキセルから選択されるものが含まれ; ・細胞毒性トポイソメラーゼ阻害剤には、アクラルビシン、アモナフィド、ベロテカン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、ジフロモテカン、イリノテカンHCl(カムプトサル(Camptosar))、エドテカリン、エピ
ルビシン(エレンス(Ellence))、エトポシド、エキサテカン、ギマテカン、ルルトテ
カン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピクサントロン、ルビテカン、ソブゾキサン、SN−38、タフルポシド及びトポテカン及びそれらの組み合わせ、から成る群より選択される一つまたはそれより多くの剤が含まれる。
【0039】
・免疫学剤には、インターフェロン及び多数の多の免疫増強剤が含まれる。インターフェロンには、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ−1a又はインターフェロンガンマ−n1が含まれる。他の剤には、フィルグラスチム、レンチナン、シゾフィラン、TheraCys、ウベニメクス、WF−10、アルデスロイキン、アレムツズマブ、BAM−002、ダカルバジン、ダクリズマブ、デニロイキン、ゲムツズマブオゾガミシン、イブリツモマブ、イミキモド、レノグラスチム、レンチナン、メラノーマワクチン(コリキサ(Corixa))、モルグラモスチム、OncoVAX−CL、サルグラモスチム、タソネルミン、テクロイキン、チマラシン、トシツモマブ、ビルリジン(Virulizin)、Z−100、エプラツズマブ、ミツモマブ、オレゴポマブ、ペムツモマブ、
プロベンジ(Provenge)が含まれ;
・生物学的応答修飾剤は、生きている生物体の防御機構、又は生存、成長又は組織細胞の分化のような生物応答を、抗腫瘍活性を有するように方向付けるように修飾する剤である。こうした剤には、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール又はウベニメクスが含まれる。
【0040】
・他の抗癌剤には、アリトレチノイン、アンプリジェン、アトラセンタンベキサロテン、ボルテゾミブ、ボセンタン、カルシトリオール、エキシスリンド、フィナステリド、フォテムスチン、イバンドロン酸、ミルテホシン、ミトキサントロン、l−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペグアスパルガーゼ、ペントスタチン、テザロトネ、TLK−286、ベルケード(Velcade)、タルセバ(Tarceva)又はトレチノインが含まれ;
・他の抗血管新生化合物には、アシトレチン、フェンレチニド、サリドマイド、ゾレドロン酸、アンギオスタチン、アプリジン、シレングチド、コンブレタスタチンA−4、エンドスタチン、ハロフジノン、レビマスタット、レモバブ、レブリミド(Revlimid)、スクアラミン、ウクライン及びバイタクシン(Vitaxin)が含まれ;
・白金配位化合物には、限定されるわけではないが、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン又はオキサリプラチンが含まれ;
・カンプトテシン誘導体には、限定されるわけではないが、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、イリノテカン、SN−38、エドテカリン及びトポテカンが含まれ;
・チロシンキナーゼ阻害剤は、イレッサ(Iressa)又はSU5416であり;
・抗体には、ハーセプチン(Herceptin)、エルビタックス(Erbitux)、アバスチン(Abastin)又はリツキシマブ(Rituximab)が含まれ;
・インターフェロンには、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ−1a又はインターフェロンガンマ−n1が含まれ;
・生物学的応答修飾剤は、生きている生物体の防御機構、又は生存、成長又は組織細胞の分化のような生物応答を、抗腫瘍活性を有するように方向付けるように修飾する剤である。こうした剤には、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール又はウベニメクスが含まれ;そして
他の抗腫瘍剤には、ミトキサントロン、l−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカ ルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン又はトレチノインが含まれる。
【0041】
本明細書で使用する「異常な細胞増殖」とは、特に断らない限り、正常な調節機構(例えば、接触阻害)に依存しない細胞増殖を指している。これには、(1)突然変異したチロシンキナーゼを発現することにより、又は受容体チロシンキナーゼの過剰発現により増殖する腫瘍細胞(腫瘍);(2)異常なチロシンキナーゼ活性化が起こっている、他の増殖性疾患の良性及び悪性細胞;(4)受容体チロシンキナーゼにより増殖するいずれかの腫瘍;(5)異常なセリン/スレオニンキナーゼ活性化により増殖するいずれかの腫瘍;及び(6)異常なセリン/スレオニンキナーゼ活性化が起こっている、他の増殖性疾患の良性及び悪性細胞;の異常な増殖が含まれる。
【0042】
本発明はまた、哺乳動物におけるチロシンキナーゼを阻害するための方法も提供し、前記方法は、それらを必要としている哺乳動物に、本発明の化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩形態の、薬学的に又は療法的に有効量を投与することを含んでなる。より特定的には、本発明はさらに、哺乳動物におけるチロシンキナーゼを不可逆的に阻害するための方法を提供する。
【0043】
本明細書の方法はまた、EGFR、PDGFR、c−src、erbB1、erbB2及びerbB4を含む、チロシンキナーゼを不可逆的に阻害するための方法も含む。本発明はまた、哺乳動物におけるVEGF分泌を抑制するための方法を含んでいるとして特徴付けることもできる。さらなる方法は、哺乳動物におけるerbB3のチロシンリン酸化の阻害を含んでなる。本明細書の化合物はまた、pan−erbB阻害剤としても有用である(即ち、各々の投与で多erbBキナーゼを阻害する)。
【0044】
当業者は、本明細書に記載した治療を必要とする患者を容易に同定することが可能である。例えば、再狭窄を発生する、より高いリスクの患者には、血管形成術、バイパス又は移植処置を受けた、又は他の血管処置又は外傷のレシピエントである個体が含まれる。アテローム性動脈硬化症を発生する最も高いリスクの個体には、肥満である、高脂肪食を摂取する、上昇したコレステロールレベルを有する、又は高血圧を有する個体が含まれる。本明細書の方法は、ヒトを含む哺乳動物、イヌ及びネコのようなコンパニオンアニマル及びウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシその他のような農場動物の治療において有用である。
【0045】
用語「癌」には、限定されるわけではないが、以下の癌が含まれる:乳癌;卵巣癌;頚部癌;前立腺癌;精巣癌;食道癌;グリア芽腫;神経芽細胞腫;胃癌;皮膚癌;角化棘細胞腫;肺癌;類表皮癌;大細胞癌;腺癌;小細胞肺癌;非小細胞肺癌(non-small sell lung cancer);骨癌;結腸、腺癌、腺腫;膵臓、腺癌;甲状腺、濾胞性癌、未分化癌、乳頭癌;精上皮腫;黒色腫;肉腫;膀胱癌;肝臓癌及び胆道癌;腎臓癌;脊髄性障害;リンパ性障害、ホジキン、有毛細胞の癌;口腔前庭及び咽頭(口腔)、唇、舌、口、咽頭の癌;小腸癌;結腸直腸、大腸、直腸の癌;脳及び中枢神経系の腫瘍;及び白血病。
【0046】
加えて、本発明の化合物は、血管内皮増殖因子(VEGF)分泌阻害を必要としている患者を治療するために使用することが可能である。VEGF分泌阻害を必要としている患者には、癌、糖尿病性網膜症、慢性関節リュウマチ、乾癬、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、骨粗鬆症、子宮内膜症を有する患者、胚移植を受けている人、又は血管新生又は新血管新生が役割を果たしている他の疾患を有している人が含まれる。
【0047】
本発明の化合物は、erbB1、erbB2及びerbB4のチロシンリン酸化を阻害するための方法で使用することが可能である。erbB1、erbB2及びerbB4のチロシンリン酸化の阻害を必要としている患者は、EGFRの阻害及びVEGF分泌の阻害に関して、本明細書で述べた疾患を有するリスクを有している患者である。
【0048】
本明細書の化合物は、経口的に、直腸的に、非経口的に(静脈内に、筋肉内に又は皮下に)、大槽内に、膣内に、腹腔内に、膀胱内に、局所的に(散剤、軟膏又はドロップ)、又は頬側又は経鼻スプレーとして、ヒト及び動物に投与することが可能である。化合物は、単独で、又は薬学的に許容できる賦形剤を含む、薬学的に許容できる組成物の一部として投与することが可能である。
【0049】
非経口注射に適した組成物は、生理学的に許容できる無菌水性又は非水性溶液、分散液、懸濁液又は乳化液、及び無菌注射可能溶液又は分散液に再構築するための無菌散剤を含んでなることができる。適した水性及び非水性坦体、希釈剤、溶剤又はビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなど)、それらの適した混合物、植物油(オリーブ油のような)及びオレイン酸エチルのような注射可能有機エステルが含まれる。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用により、分散液の場合には必要とされる粒子サイズの維持管理により、そして界面活性剤の使用により維持することが可能である。本発明の化合物は、容易に水性製剤に適応させることができる。例えば、4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミドは、pH6.3で、10μg/mLの水性溶解度を有しており、そして溶解度はより低いpHで増加する。
【0050】
これらの組成物はまた、保存、湿潤、乳化及び分散剤のような補助剤も含むことができる。微生物の活動の防止は、多様な抗菌及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などにより確実にすることが可能である。また、例えば、糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を含ませることも望ましい。吸収を遅延させる剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの使用により、注射可能薬剤の延長された吸収をもたらすことが可能である。
【0051】
経口投与のための固剤形には、カプセル、錠剤、ピル剤、散剤及び顆粒剤が含まれる。こうした固体剤形では、活性化合物を、クエン酸ナトリウム又はリン酸二ナトリウムのような少なくとも一つの不活性慣用的賦形剤(又は坦体)、又は(a)充填剤又は増量剤、例としては、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸;(b)結合剤、例としては、カルボキシメチルセルロース、アリグナート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及びアカシア;(c)保湿剤、例としては、グリセリン;(d)崩壊剤、例としては、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩及び炭酸ナトリウム;(e)溶液凝固遅延剤、例としては、パラフィン;(f)吸収促進剤、例としては、四級アンモニウム化合物;(g)湿潤剤、例としては、セチルアルコール及びグリセロールモノステアレート;(h)吸着剤、例としては、カオリン及びベントナイト;及び(i)滑沢剤、例としては、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム又はそれらの混合物;と混合する。カプセル、錠剤及びピル剤の場合、剤形はまた、緩衝化剤も含んでなることができる。
【0052】
類似の型の固体組成物はまた、ラクトース又は乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用する、軟及び硬充填ゼラチンカプセルにおける充填剤としても用いることができる。
【0053】
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ピル剤及び顆粒剤のような固体剤形は、当該技術分野でよく知られている腸溶コーティング及び他のもののような、コーティング及びシェルを伴って調製することが可能である。これらは、不透明化剤を含有することができ、そして遅延された様式で、腸管の特定の部分で活性成分を放出するような組成物であることが可能で
ある。使用することが可能な、包埋組成物の例は、多量体化物質及びワックスである。活性化合物はまた、適切ならば、上述の賦形剤の一つまたはそれより多くを伴った、マイクロカプセル化形であることができる。
【0054】
経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容できる乳液、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルが含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、又はこれらの物質の混合物など、のような当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含有することができる。
【0055】
こうした不活性希釈剤に加えて、組成物は、湿潤剤、乳化及び懸濁剤、甘味剤、着香剤及び芳香剤のごとき補助剤を含むことが可能である。
【0056】
懸濁液は、活性化合物に加え、懸濁剤、例としては、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天及びトラガカント、又はこれらの物質の混合物など、を含むことができる。
【0057】
直腸投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物と、カカオ脂、ポリエチレングリコール又は坐剤ワックス(これらは通常温度では固体であるが体温では液体であり、そしてそれ故、直腸又は膣腔中で融解し、そして活性成分を放出する)のような適した非刺激性賦形剤又は坦体を混合することにより調製することが可能である坐剤である。
【0058】
局所投与のための剤形には、軟膏、散剤、スプレー剤及び吸入剤が含まれる。活性成分は、無菌条件下、生理学的に受容可能な坦体、及び必要とされるような任意の保存剤、緩衝剤又は噴霧剤と混合する。眼処方、眼軟膏、散剤及び液剤もまた、本発明の範囲内であることが企図されている。
【0059】
本発明はまた、本発明の化合物の薬学的に又は療法的に許容できる塩、エステル、アミド及びプロドラッグ形も含んでなる。本明細書において、用語「薬学的に許容できる塩、エステル、アミド又はプロドラッグ」とは、適切な医学判断の範囲内で、過度の毒性、刺激作用、アレルギー応答などを起こすことなく患者の組織との接触に使用するために適しており、合理的に利点/リスク比が釣り合っており、そしてそれらの意図された使用に有効である、本発明の化合物のカルボン酸塩、アミノ酸付加塩、エステル、アミド及びプロドラッグ、ならびに、可能な場合、本発明の化合物の双性イオン形を指している。用語「塩」とは、相対的に無毒の、本発明の化合物の無機及び有機酸又は塩基付加塩を指している。これらの塩は、化合物の最終的な単離及び精製の間に、その場所で、あるいは、遊離形の精製化合物と適した有機又は無機酸又は塩基を別々に反応させ、そしてそのようにして形成された塩を単離することにより製造することが可能である。代表的塩には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩及びラウリル硫酸塩などが含まれる。これらは、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのごときアルカリ金属及びアルカリ土類金属に基づいたカチオン、ならびに、限定されるわけではないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアン
モニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含む、無毒性アンモニウム、四級アンモニウム及びアミンカチオンを含むことができる。(例えば、本明細書に組み入れられる、S.M. Berge,et al.,Pharmaceutical Salts, J. Pharm. Sci.,1977;66:1-19 、を参照されたい)。
【0060】
本発明の化合物の薬学的に許容できる無毒のエステルの例には、C−Cアルキルエステルが含まれ、アルキル基は直鎖又は分枝鎖である。許容できるエステルにはまた、C−Cシクロアルキルエステル、ならびに、限定されるわけではないが、ベンジルのようなアリールアルキルエステルも含まれる。C−Cアルキルエステルが好ましい。本発明の化合物のエステルは、慣用法に従って製造することができる。
【0061】
本発明の化合物の薬学的に許容できる無毒のアミドの例には、アンモニア、一級C〜Cアルキルアミン及び二級C〜Cジアルキルアミンから誘導されるアミドが含まれ、アルキル基は直鎖又は分枝鎖である。二級アミンの場合、アミンはまた、一つの窒素原子を含んでいる5−又は6−員のヘテロ環の形であることもできる。アンモニア、C〜Cアルキル一級アミン及びC〜Cジアルキル二級アミンから誘導されたアミドが好ましい。本発明の化合物のアミドは、慣用法に従って製造することができる。
【0062】
用語「プロドラッグ」は、例えば、血液中での加水分解により、インビボで迅速に変換されて前式の親化合物を得る化合物を指している。詳細な議論が、T. Higuchi and V. Stella, “Pro-drugs as Novel Delivery Systems”,
Vol. 14 of the A. C. S. Symposium
Series 、及びBioreversible
Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical
Association and Pergamon Press, 1987 に提供されている。両方が
本明細書に組み入れられる。
【0063】
本発明の化合物は、1日当たり約0.1〜約1,000mgの範囲の、薬学的に又は療法的に有効な用量レベルで患者に投与することが可能である。約70キログラムの体重を有している通常のヒト成人に対しては、1日当たり、体重キログラム当たりで約0.01〜約100mgの範囲の用量で十分である。しかしながら、使用される具体的用量は変化することが可能である。例えば、用量は、患者の要求、処置されている状態の重症度、そして使用されている化合物の薬理学的活性を含む、多数の因子に依存することが可能である。特定の患者に対する至適用量の決定は、当業者にはよく知られている。ヒトにおける一つの投与計画は、一回又は分割用量で、1日当たり約500mg〜約1,000mgの用量範囲での、4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド又はその薬学的に許容できる塩、エステル又はアミド形態のような本発明の化合物の投与を含んでなる。この投与計画で使用するための薬学的に有用な組成物は、100mg、200mg、250mg、500mg又は1,000mgの活性化合物及び一つまたはそれより多くの薬学的に許容できる坦体又は賦形剤を含有する、個々の剤形を含んでなることができる。
【0064】
本発明化合物は、経口、非経口(即ち、皮下、静脈内及び筋肉内)、経皮、例えば、徐放性皮膚パッチ又はクリーム、ならびに浸透圧ポンプのような徐放性送達デバイスによるもの、坐剤及び頬側シール、を含む、多様な経路により、哺乳動物に送達するための好都合な剤形を提供するための慣用法で製剤することが可能である。以下の非制限例は、どのようにして本発明の化合物が容易に製剤できるかをさらに例示している。
【0065】
100mg錠剤の製剤
【0066】
【表1】

【0067】
本発明の活性剤、ラクトース及びコーンスターチ(混合用)を、均一になるように混和する。コーンスターチ(ペースト用)を600mLの水に懸濁し、攪拌しながら加熱してペーストを形成させる。このペーストは、混合粉末を顆粒化するために使用する。湿潤顆粒をNo.8ハンドスクリーンを通過させ、80℃で乾燥させる。混合物を1%ステアリン酸マグネシウムで潤滑にし、慣用的錠剤成形機で錠剤に圧縮する。錠剤は、乳癌、前立腺癌、肺癌、卵巣癌、結腸癌、膵臓癌、黒色腫、食道癌、脳腫瘍、カポジ肉腫及びリンパ腫のような癌を治療するために有用である。
【0068】
経口懸濁剤の調製
【0069】
【表2】

【0070】
ソルビトール溶液を、40mLの蒸留水に加え、それの中へピロドピリミジンを懸濁した。サッカリン、安息香酸ナトリウム及び芳香剤を加えそして溶解させる。蒸留水で容量を100mLに合わせる。シロップの各ミリリットルは、5mgの発明化合物を含有する。
【0071】
非経口溶液の調製
700mLのプロピレングリコール及び200mLの注射用水の溶液に、攪拌しながら20.0gの4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミドを懸濁した。懸濁が完了した後、塩酸でpHを5.5に調整し、注射用水で容量を1000mLに合わせる。製剤を滅菌し、5.0mLアンプル内に、各々が2.0mLを含むように(40mgの発明化合物を意味している)充填し、窒素下で封じる。
【0072】
坐剤
400mgの4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド及び600mgのカカオ油を、60℃で均一になるまで攪拌する。混合物を冷却し、テーパー鋳型中で硬化させると、1gの坐剤を得る。
【0073】
徐放性製剤
500ミリグラムの4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミドを塩酸塩へ変換し、アテローム性動脈硬化症の治療のための、制御された放出のためにOros浸透圧ポンプ内に配置させる。
【0074】
皮膚パッチ製剤
100ミリグラムの4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミドを、ポリジメチルシロキサン接着剤中の100mgのプロピレングリコールモノラウレートと混合する。混合物を、ポリブテン、ポリイソブチレン及びプロピレングリコールモノラウレートの接着製剤で作製された弾性フィルム上に層積する。層はポリウレタンフィルムの2つの層の間に配置させる。剥離ライナーを接着表面へ付着させ、皮膚表面への適用に先だって除去する。プロピレングリコールモノラウレートは浸透増強剤として働く。
【0075】
本発明の化合物は、非溶媒和形、ならびに水、エタノールなどのような薬学的に許容できる溶媒との溶媒和形で存在することが可能である。一般に、本発明の目的には、溶媒和形は非溶媒和形と均等であると考えられる。問題とする化合物は、合成的に製造されるか、又は代謝を通してのように、生物学的に製造されることが意図されている。
【0076】
本明細書の化合物の薬学的な又は療法的ば有効量は、問題とする増殖性疾患又は他のチロシンキナーゼ仲介疾患の進行及び発症を制限する、抑制する又は防止する程度まで、哺乳動物における本明細書に記載したタンパク質の活性及びリン酸化機構を抑制するために十分な量であると理解されるであろう。細胞増殖性障害の治療、抑制、防止又は進行の制御に関した、薬学的に又は療法的に有効量もまた、細胞死を引き起こす、障害を起こしている細胞の増殖を抑制する、障害による不快感を救済する、又は障害を経験している患者の生存を延長させるのに十分な量であると理解することができる。
【0077】
本発明の範囲を代表する化合物の非制限的例には以下の化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩形態が含まれる:
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェ ニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルスルファニル−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルアミノ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−イソプロポキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−ブロモ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−エトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−プロポキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(3−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(2−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−モルホリン−4−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−アゼパン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−トリフルオロメトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−フルオロメトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−フルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(2−フルオロ−エチルスルファニル)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−トリフルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−ジフルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−エトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルスルファニル−キナゾリン−6−
イル]−アミド;
4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−フルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]アミド;
4−(3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−フルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルスルファニル−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペラジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−イミダゾール−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピロリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルスルファニル−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルアミノ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−イソプロポキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−ブロモ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−エトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−プロポキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ペンタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−(3−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ペンタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−(2−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ペンタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−モルホリン−4−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−アゼパン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フ ェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−トリフルオロメトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−フルオロメトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−フルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(2−フルオロ−エチルスルファニル)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−トリフルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−ジフルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
6−ピペリジン−1−イル−ヘキサ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
6−ピペリジン−1−イル−ヘキサ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルスルファニル−キナゾリン−6−イル]−アミド;
6−ピペリジン−1−イル−ヘキサ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルアミノ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
6−ピペリジン−1−イル−ヘキサ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−エトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;及び
6−ピペリジン−1−イル−ヘキサ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−フルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド。
【0078】
本発明の化合物は、当該技術分野では既知の方法及び材料を使用して製造することができる。Xが酸素である本発明の化合物は、4−位アニリン基が4−フルオロ−3−クロロアニリン基で表されている、下記スキーム1に例示されているように製造することができる。
【0079】
【化4】

【0080】
4−クロロ−7−フルオロ−6−ニトロキナゾリン(7)は、J.Med. Chem.
1996, 39,
918-928 、に記載されている方法と類似の方法により製造することが可能である。一般
には、2−アミノ−4−フルオロ−安息香酸(1)を、2−メトキシエタノール存在下、ホルムアミジン(2)及び酢酸(3)と反応させることが可能で、7−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン(4)を得る。7−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン(4)は次ぎに7−フルオロ−6−ニトロ−3H−キナゾリン−4−オン(5)へニトロ化可能であり、それを塩化チオニルで処理可能で、4−クロロ−6−ニトロ−7−フルオロ−3H−キナゾリン(6)を得る。4−クロロ−キナゾリン化合物(6)は、三級アミン及びイソプロパノール存在下、望ましく置換されているアニリン(上では4−フルオロ−3−クロロ−アニリンにより表されている)と結合させることが可能で、4−アニリノ−6−
ニトロ−7−フルオロ−キナゾリン(7)を得る。
【0081】
4−アニリノ−6−ニトロ−7−フルオロ−キナゾリン(7)は、式ROH(式中、Rは前に定義した通りである)のアルコールと反応させることができ、7−アルコキシル化化合物(8)を得る。6−ニトロ化合物(8)の還元は、6−アミノ類似体(9)を与える。
【0082】
6−位アミノ化合物(9)は、塩化4−ブロモ−ブタ−2−エノイル、塩化5−ブロモ−ペンタ−2−エノイル、塩化4−クロロ−ブタ−2−エノイル又は塩化5−クロロ−ペンタ−2−エノイルのような塩化ハロアルケノイル(12)と反応させることができて、アルケン酸[4−アニリノ]−7−アルコキシル化−キナゾリン−6−イル−アミド(13)を得る。このスキームで有用な塩化ハロアルケノイル剤は、関連するハロアルケン酸(ブロモアルケン酸エステル(10)により表されている)の一級アルコールでの処理ような当該技術分野では既知の方法により製造することができ、対応するハロアルケン酸(11)を得、それを順に、塩化オキサリルで処理して所望の塩化ハロアルケノイル(12)を得る。
【0083】
最後に、キナゾリン−6−アルカン酸化合物(13)を、ピペリジン、ピペラジンその他のような環状アミンで処理できて、所望の最終化合物(14)を得る。
【0084】
7−位アルコキシ基を有している本明細書の化合物は、Rが先に定義した通りのアルキル基である式ROHの、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、フルオロメタノール、クロロメタノール、ジフルオロメタノール、ジクロロメタノール、トリフルオロメタノール、トリクロロメタノール、1−フルオロエタノール、2−フルオロエタノール、2−クロロエタノール、2−ヨードエタノール、2−ブロモエタノール、1,1−ジフルオロエタノール、2,2−ジフルオロエタノール、2,2−ジクロロエタノール、1,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,2,2−テトラフルオロエタノール、ペンタフルオロエタノール、3−フルオロ−1−プロパノール、2,3−ジフルオロ−1−プロパノール、3,3−ジフルオロ−1−プロパノール、2,3,3−トリフルオロ1−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ1−プロパノール、1,1,3−トリフルオロ1−プロパノール、1,2,2,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2,3,3,3−テトラフルオロ−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、1,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、ヘプタフルオロ−1−プロパノール、2−フルオロ−2−プロパノール、1,1−ジフルオロ−2−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1−フルオロ−2−プロパノール、1,1,1−トリフルオロ2−プロパノール、1,1,3,3−テトラフルオロ−2−プロパノール、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−プロパノール、1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−プロパノール等を含むがそれらに限定されない当該技術分野で知られている、アルコールを使用して上記のように製造することが可能であることが理解されるであろう。
【0085】
式:
【0086】
【化5】

【0087】
(式中:
Yは、NO、NH又は部分ハロ−(CH−CH=CH−C(O)−NH−であり;
ハロは、F、Cl、Br又はIであり;
mは、1〜3の整数であり;
は、:
a)モノ−、ジ−又はトリ−ハロゲン化メチル基;
b)ハロゲンにより置換されていてもよいC〜C直鎖又は分枝鎖アルキル;又は
c)−(CH−モルホリノ、−(CH−ピペリジン、−(CH−ピペラジン、−(CH−ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、−(CH−ピロリジン、又は−(CH−イミダゾール;
から選択される)
の有用な中間体化合物は、本発明の範囲内である。
【0088】
これらの化合物には、特定的には、Rが、エタン、プロパン、イソプロパン、フルオロメタン、クロロメタン、ジフルオロメタン、ジクロロメタン、トリフルオロメタン、トリクロロメタン、1−フルオロエタン、2−フルオロエタン、2−クロロエタン、2−ヨードエタン、2−ブロモエタン、1,1−ジフルオロエタン、2,2−ジフルオロエタン、2,2−ジクロロエタン、1,2,2−トリフルオロエタン、2,2,2−トリフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、3−フルオロ−1−プロパン、2,3−ジフルオロ−1−プロパン、3,3−ジフルオロ−1−プロパン、2,3,3−トリフルオロ1−プロパン、3,3,3−トリフルオロ1−プロパン、1,1,3−トリフルオロ1−プロパン、1,2,2,3−テトラフルオロ−1−プロパン、2,3,3,3−テトラフルオロ−プロパン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパン、1,2,3,3,3−ペンタaフルオロ−1−プロパン、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパン、ヘプタフルオロ−1−プロパン,2−フルオロ−2−プロパン、1,1−ジフルオロ−2−プロパン、1,3−ジフルオロ−2−プロパン、1−フルオロ−2−プロパン、1,1,1−トリフルオロ2−プロパン、1,1,3,3−テトラフルオロ−2−プロパン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−プロパン、1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパン又は1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−プロパン基である、上記の式の化合物が含まれる。
【0089】
Xが硫黄である本発明の化合物は、(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−(7−ハロ−6−ニトロ−3,4−ジヒドロ−キノリン−4−イル)−アミン(化合物7)と反応させるアルコールROHを、式RSH(式中、Rは本明細書で定義した通りである)の適切なアルキルチオールに置き換えることにより、スキーム1に例示したように製造することができる。式RSHの有用なアルキルチオール化合物には、限定されるわけではないが、メタンチオール、エタンチオール、1−プロパンチオール、2−プロパンチオール、フルオロメタンチオール、2−フルオロエタンチオール、2,2−ジフルオロ−
エタンチオール、2,2,2−トリフルオロエタンチオールその他が含まれる。
【0090】
同様に、Xが−NH−である本発明の化合物は、(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−(7−ハロ−6−ニトロ−3,4−ジヒドロ−キノリン−4−イル)−アミン(化合物7)と反応させるアルコールROHを、式RNH(式中、Rは本明細書で定義した通りである)の適切なアルキルアミンに置き換えることにより、スキーム1に例示したように製造することができる。有用なアルキルアミンには、限定されるわけではないが、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、1−フルオロメチルアミン、1,1−ジフルオロメチルアミン、1,1,1−トリフルオロメチルアミン、2−フルオロエチルアミン、2,2−ジフルオロエチルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、3−フルオロプロピルアミン、3,3−ジフルオロプロピルアミン、3,3,3−トリフルオロプロピルアミン、2,3,3−テトラフルオロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロピルアミンその他が含まれる。
【0091】
本発明の化合物のR基を製造することにおいて有用なピペリジン化合物には、限定されるわけではないが、ピペリジン、2−フルオロ−ピペリジン、3−フルオロ−ピペリジン、4−フルオロ−ピペリジン、4−ブロモ−ピペリジン、4−クロロ−ピペリジン、2−ヒドロキシ−ピペリジン、3−ヒドロキシ−ピペリジン、2−メチル−ピペリジン、3−メチル−ピペリジン、4−メチル−ピペリジン、4−エチル−ピペリジン、4−プロピル−ピペリジン、2−アミノ−ピペリジン、3−アミノ−ピペリジン、4−アミノ−ピペリジン、2−メチル−ピペリジン、2,3−ジメチル−ピペリジン、3,3−ジメチル−ピペリジン、2,4−ジメチル−ピペリジン、2,5−ジメチル−ピペリジン、2,6−ジメチル−ピペリジン、3,5−ジメチル−ピペリジン、2−メチル−5−エチル−ピペリジン、3−メチル−4−ヒドロキシ−ピペリン、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン、2,3−ジメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン、3,3−ジフルオロ−ピペリジン、4,4−ジフルオロ−ピペリジン、4,4−ジヒドロキシ−ピペリジン、2,4,6−トリメチル−ピペリジンその他が含まれる。
【実施例】
【0092】
実施例1
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(2−フルオロ−エトキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミド
【0093】
【化6】

【0094】
150mLのイソプロパノール中、7−フルオロ−6−ニトロ−4−クロロキナゾリン(14.73g、65mmol)を3−クロロ−4−フルオロアニリン(9.49g、65mmol)及びトリエチルアミン(10mL、72mmol)と混合した。反応物を室温で1.5時間攪拌すると、黄色スラリーを生じた。固形物を濾過により集め、イソプロパノール及び水ですすいだ。固形物を、真空オーブン中、40℃で一夜乾燥させると、19.83g(91%)の生成物をオレンジ色の固形物として得た。MS
(APCI, m/z, M+1):
337.0 。
【0095】
2−フルオロエタノール(5.19g、80mmol)のTHF(200mL)溶液に、NaH(60%鉱油、3.55g、88mmol)を一部ずつ加えた。反応物は、室温で60分攪拌した。この反応液に、THFですすいだ固形物として、7−フルオロ−6−ニトロ−4−(3−クロロ−4−フルオロアニリン)キナゾリン(18.11g、54mmol)を加えた。反応物を65℃に、26時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、水でクエンチした。THFを真空下で除去した。生じた残渣は、水中で軽く超音波処理し、次ぎに濾過により固形物を集めた。固形物をMeOHで摩砕し、濾過し、真空オーブン中、40℃で一夜乾燥させると、12.63gの生成物を得た。追加の生成物が、MeOH濾液を濃縮乾固し、50%EtOAc/ヘキサンで溶離するクロマトグラフィーにより得られた。単離された物質を、MeOH(2X)で摩砕し、濾過して乾燥させた。3.90g。
【0096】
総収量:16.53g、81%。MS (APCI, m/z, M+1): 381.0 。
【0097】
7−(2−フルオロエトキシ)−6−ニトロ−4−(3−クロロ−4−フルオロアニリン)キナゾリン(0.845g、2.2mmol)のTHF(50mL)溶液を、触媒としてラネーニッケル(0.5g)を使用し、15時間にわたって水素化した。触媒を濾去し、濾液を蒸発させると、0.77gの生成物(99%)を得た。MS (APCI, m/z, M+1):
351.2 。
【0098】
J.Med.Chem. 2001, 44(17), 2729-2734 に記載されているように、EtOH/H0中、Ba(OH)で4−ブロモクロトン酸メチル(85%、20mL、144mmol)を加水分解した。MS (APCI, m/z, M-1): 163.0 。
【0099】
4−ブロモクロトン酸(4.17g、25mmol)のCHCl(20mL)溶液に塩化オキサリル(33mL、38mmoL)及び数滴のDMFを加えた。反応物を室温で1.5時間攪拌した。溶媒及び過剰の試薬を、真空下で除去した。生じた残渣を10mLのTHFに溶解し、6−アミノ−7−(2−フルオロエトキシ)−4−(3−クロロ−4−フルオロアニリン)キナゾリン(5.28g、15mmol)及びトリエチルアミン(5.2mL、37mmol)の0℃混合物へ加えた。反応物を0℃で1時間攪拌した。反応物へ水を加え、THFを真空下で除去した。生成物をCHCl(400mL)へ抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過して濃縮した。粗物質を、0〜4%MeOH/CHClで溶離するシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。金色の発泡物が単離された。収量:4.58g、61%。MS (APCI, m/z, M-1): 497.1 。
【0100】
上記化合物(3.35g、6.7mmol)及びTEA(2.80mL、20mmol)のDMA(10mL)溶液に、0℃で、ピペリジン(0.75mL、6.7mmol)を加えた。反応物を0℃で17時間攪拌した。沈殿が明白になるまで反応物へ水を加えた。反応物を40分間超音波処理し、液体をデカントした。残渣をCHClに溶解し、MgSOで乾燥し、濾過して濃縮した。物質を、0〜10%MeOH/CHClで溶離するシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。単離された残渣をアセトニトリル(2X)と摩砕し、濾過により集めた。不純物が観察された:ピペリジンのミカエル付加
(アセトニトリルの最初の摩砕において2.2%)。追加の物質をアセトニトリル濾液から得ることが可能であった。収量:0.95g、27%。MS (APCI, m/z, M+1): 502.3

【0101】
実施例2
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド(合成経路番号1)
【0102】
【化7】

【0103】
表題化合物及び本発明の他の7−メトキシ類似体は、実施例1で使用された2−フルオロエタノールを、化学量論量のメタノールに置き換えることにより、実施例1に記載したように製造することが可能である。
【0104】
実施例3
N−[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−3−ピペリジン−1−イル−アクリルアミド(合成経路番号2)
本発明の化合物の代替合成経路は、下記スキーム2に示したように、Het−アルケノイルクロリドとして6−位置換鎖を製造することを含む。
【0105】
【化8】

【0106】
本発明内の他の化合物を、式:
【0107】
【化9】

【0108】
(式中、Rは、本明細書において定義された通りであり、そして、ハロは、F、Cl、Br又はI、好ましくはCl又はBrを表す)
のHet−ブテノイルハライド、Het−ヘプテノイルハライド及びHet−ヘキセイルハライド基を使用して製造できることが理解されるであろう。これらHet−アルケノイルハライドの一つの特定的な群には、ハロがCl又はBrであり、Rが−(CH−Het(式中、mは1〜3の整数であり、Hetはピペリジン又は上記の置換ピペリジン部分である)である化合物が含まれる。
【0109】
実施例4
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド(合成経路番号3)
【0110】
【化10】

【0111】
500mlのIPA中、3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミン15(50.31、345.6mmole)及び3,4−ジメトキシ−ベンズアルデヒド16(57.43g、345.6mmole)を混合し、氷−水中で冷却した。氷酢酸(20.76g、345.6mole)、続いて水素化シアノホウ素ナトリウムを一度に加えた。反応物を室温(RT)で24時間攪拌した。反応完了後、RTで250mLの10%NaOHを滴加した。混合物を1/2時間攪拌した。スラリーを濾過し、IPAで洗浄し、真空下で乾燥
した。重量88.75g(17、87%)。
【0112】
化合物6(3g、13.18mmole)及び17(3.9g、13.18mmole)をCHCN(25mL)中で混合し、1時間加熱した。質量分光法は、出発物質を示さなかった。飽和KCOを加え、反応物をEtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、真空下で濃縮すると、6.48gの7(78.4%)を得た。
【0113】
化合物7(72.76g、149.4mmole)を、N下、1.5Lの乾燥MeOHに溶解したNaOMeの冷却溶液に加えた。冷却浴を除去し、混合物を加熱還流し、1時間攪拌した。反応物を室温まで冷却し、生成物が沈殿し終わるまで水でクエンチした。固形物を濾過し、水及びヘキサンで洗浄した。還流させたEtOAc中で生成物をスラリーとし、熱いうちに濾過すると、68.75gの黄色固形物8(73%)を得た。
【0114】
触媒としてラネー/Niを使用し、化合物8(63.62g、127.5mole)を水素化し、43.82gの9(100%)を得た。13(10.5g、51.2mmole)を、8滴のDMFを含有する200mlのジクロロメタンに懸濁した液に、塩化オキサリル(6.5g、51.18mmole)を徐々に加え、反応物が均一になった後、溶媒を除去し、残った淡黄色固体を、200mlのDMACでスラリーとし、そして9(20g、42.65mmole)を固体のまま徐々に加えた。反応物を15分攪拌し、1N
NaOHへ徐々に注いだ。混合物を3X EtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、濾過し、真空下で濃縮すると、28.4g(100%)の10を得た。
【0115】
化合物10(13.07g、21.08mmole)をトリフルオロ酢酸(TFA)(74g、649mmole)に溶解し、30℃に24時間加熱した。反応物をRTまで冷却し、冷却した1N NaOH−食塩水溶液へ徐々に注いだ。形成した沈殿を濾過し、水で3回洗浄し、乾燥させた。トルエンから再結晶すると、純粋なN−[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−3−ピペリジン−1−イル−アクリルアミド(9.90g、89%)を得た。
【0116】
上記の実施例から、本発明は、式:
【0117】
【化11】

【0118】
(式中、YはNH、NO又は部分R−(CH−CH=CH−C(O)−NH−であり;そしてmは、1〜3の整数であり;
は:
a)ハロゲンにより置換されていてもよいC〜C直鎖又は分枝鎖アルキル;又は
b)−(CH−モルホリノ、−(CH−ピペリジン、−(CH−ピペラジン、−(CH−ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、−(CH−ピロリジン、又は−(CH−イミダゾール;
から選択され;
nは、1〜3の整数であり;
は、−(CH−Hetであり; Hetは、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、イミダゾール、ピロリジン、アゼパン、3,4−ジヒドロ−2H-ピリジン、又は3
,6−ジヒドロ−2H−ピリジンから成る群より選択されるヘテロ環式部分であって、各ヘテロ環式部分は、C〜Cアルキル、ハロゲン、OH、NH、NH(C〜Cアルキル)又はN(C〜Cアルキル)から選択される1〜3の基により置換されていてもよく;
mは、1〜4の整数であり;そして
Xは、O、S又はNHである)
の有用な中間体化合物を含むことが理解されるであろう。
【0119】
実施例5
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド(合成経路番号4)
【0120】
【化12】

【0121】
(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル −(7−メトキシ−6−ニトロ−キナゾリン
−4−イル)−アミン(1)(17.26g、.0495mmol)を、窒素下、350mlの無水酢酸でスラリーとなし、温め、そして90℃に24時間維持し、RTまで徐々に冷却した。薄く色づいたスラリーが存在した。0℃に1時間冷却した。固形物を濾過し、フラスコ及びケーキを2x50mlのIPAで洗浄した。生成物、N−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−N−(7−メトキシ−6−ニトロ−キナゾリン−4−イル)
−アセトアミド(2)は、真空オーブン中、60℃で24時間乾燥させた。重量:17.97g(92.4%)。HPLC:99.45%、rt=13.705分。
【0122】
水を除去するため、ラネーNi(5.0g)をMeOH、続いてTHFでスラリーとした。N−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−N−(7−メトキシ−6−ニトロ−キナゾリン−4−イル)−アセトアミド(2)(19.2g、49mmol)をTHF(500ml)でスラリーとし、反応器へ充填した。反応物を60℃に加熱し、60psiに水素で加圧した。ほぼ17時間後、追加の10.0gの触媒を加え、反応は38時間後に完了した。反応物を濾過し、THFで洗浄した。固形物をrotavapで濃縮し、溶媒をヘキサンに交換した。ヘキサンの添加により、淡黄色固形物が沈殿した。残余THFを蒸留するため、真空下で溶媒を除去した。濾過し、多量のヘキサンで洗浄した。生成物、N−(6−アミノ−7−メトキシ−キナゾリン−4−イル)−N−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−アセトアミド(3)は、真空オーブン中、70℃で24時間乾燥させた。重量は16.75g(94.49%)である。HPLC:tm(100%)。
【0123】
DMF(60mg)、4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸のDCM(40ml)溶液に、室温で塩化オキサリルを加え、反応物を1時間攪拌した。真空下で溶媒を除去し、生じた固形物を150mlのDMACでスラリーとした。反応混合物に、固体のままN−(6−アミノ−7−メトキシ−キナゾリン−4−イル)−N−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−アセトアミド(3)を加えた。反応は、45分後に完了した。次に、混合物に、300mlの2N NaOHを滴加し、そして水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を100mlまで濃縮し、室温で2日間攪拌した。300mlのエチルエーテル及び100mlの2N NaOHを加え、沈殿した固形物を濾過により集めた。最終生成物を塩化エチレンから再結晶すると、5.5gの純粋な生成物を得た。
【0124】
上記のように、ラネーニッケル触媒は、使用に先だって、メタノール又はエタノールのようなアルコールで処理し、次に使用に先立ってTHFで洗浄することができる。
【0125】
本反応で使用するための追加の触媒には、好ましくは1〜4当量の酢酸存在下での、パラジウム炭素触媒が含まれる。
【0126】
化合物(6)を提供するための化合物(5)上のアセチル基の除去は、塩基性及び酸性条件の両方を含む、当該技術分野では既知の方法により達成できることが理解されるであろう。酸性条件下での除去は、当該技術分野で知られている酸の中でも、酢酸又はメタンスルホン酸を利用することにより達成することができる。
【0127】
式:
【0128】
【化13】

【0129】
(式中、Yは、NH、NO又は部分R−(CH−CH=CH−C(O)−NH−であり;そして、mは、1〜3の整数であり3;
は: a)ハロゲンにより置換されていてもよいC〜C直鎖又は分枝鎖アルキル;又は
b)−(CH−モルホリノ、−(CH−ピペリジン、−(CH−ピペラジン、−(CH−ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、−(CH−ピロリジン、又は−(CH−イミダゾール;
から選択され;
nは、1〜3の整数であり;
は、−(CH−Hetであり;
Hetは、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、イミダゾール、ピロリジン、アゼパン、3,4−ジヒドロ−2H-ピリジン、又は3
,6−ジヒドロ−2H−ピリジンから成る群より選択されるヘテロ環式部分であって、各ヘテロ環式部分は、C〜Cアルキル、ハロゲン、OH、NH、NH(C〜Cアルキル)又はN(C〜Cアルキル)から選択される1〜3の基により置換されていてもよく;
mは、1〜3の整数であり;そして
Xは、O、S又はNHである)
の有用な中間体化合物は本発明の範囲内である。
【0130】
これらの例には、N−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−N−(7−メトキシ−6−ニトロ−キナゾリン−4−イル)−アセトアミド、N−(6−アミノ−7−メトキシ−キナゾリン−4−イル)−N−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−アセトアミド及びN−{4−[アセチル−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−アミノ]−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル}−3−ピペリジン−1−イル−アクリルアミドが含まれる。
【0131】
実施例6
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミド
【0132】
【化14】

【0133】
0.6gの60%NaHを、1.23gの2,2−ジフルオロエタノールのTHF(20ml)溶液に一部ずつ加え、室温で15分攪拌した。2.02gの(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−(7−フルオロ−6−ニトロ−キナゾリン−4−イル)−アミンを固体として加え、混合物を65℃に1時間加熱し、次に室温まで冷却した。水を加え、THFを真空下で除去した。混合物を超音波処理し、生じた固形物を濾過により集め、真空下で一夜乾燥させると、2.93gの粗(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−[7−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−6−ニトロ−キナゾリン−4−イル]−アミンを得た。
【0134】
粗(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−[7−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−6−ニトロ−キナゾリン−4−イル]−アミンをTHFに溶解し、ラネーニッケル触媒を使用して還元すると、N−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−7−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−キナゾリン−4,6−ジアミンを得た。
【0135】
0.45gのブロモ−ブタ−2−エン酸を、2滴のDMFを含む10mlのCHClに溶解した。0.47mlの塩化オキサリルを、室温で加え、一夜攪拌した。混合物を蒸発乾固させると、塩化4−ブロモ−ブタ−2−エノイルを得た。
【0136】
0.5gのN−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−7−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−キナゾリン−4,6−ジアミンを10mlのTHF及び1.2mlのN,N−ジイソプロピル−エチルアミン(DIEA)に溶解し、0.48gの塩化4−ブロモ−ブタ−2−エノイルを加え、混合物を室温で2時間攪拌した。0.27mlのピペリジンを加え、室温で一夜攪拌した。追加の0.7mlのピペリジンを加え、混合物を70℃に加熱した。3時間後、反応混合物を水に注ぎ、固形物を酢酸エチルで抽出し、水及び食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、0〜4%のメタノールを含むクロロホルムでのフラッシュクロマトグラフィーを行うと、0.2gの4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミドを得た。MS (M+H)+ @520 。
【0137】
実施例7
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミド
【0138】
【化15】

【0139】
工程1:4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸メチルエステル
4−ブロモクロトン酸メチル(2g、11.2mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、0℃に冷却した。ピペリジン(1.11mL、11.2mmol)をゆっくりと加えた。混合物を0℃で1時間攪拌した。溶媒を真空下で除去した。粗物質はそのまま使用した。MS m/z 184 (M+1) 。
【0140】
工程2:4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸−HCl
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸メチルエステル(2.05g、11.2mmol)及び濃塩酸(10mL)を、ジオキサン(30mL)中で混合し、一夜加熱還流した。混合物を真空下で濃縮した。残渣をIPAから結晶化すると、所望の生成物を得た(390mg、17%)。400 MHz 1H NMR (DMSO-d6) δ 6.80 (dt, 1H, J =
15.6, 7.1 Hz), 6.14 (d, 1H, J = 15.6 Hz), 3.85 (d, 1H, J = 7.1 Hz), 2.89
(m,4H), 1.54 (m,6H) 。MS m/z 170 (M+1) 。
【0141】
工程3:塩化4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エノイル
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸(250mg、1.48mmol)のHCl塩をジクロロメタン(15mL)に溶解した。ジメチルホルムアミド(3滴)を加えた。塩化オキサリル(155μL、1.77mmol)をゆっくりと加え、反応物を室温で1時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣はそのまま使用した。
【0142】
工程4:4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミド
−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−7−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−キナゾリン−4,6−ジアミン(510mg、1.18mmol)及びDIPEA(620μL、3.55mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)中で混合し、0℃に冷却した。塩化4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エノイル(278mg、1.48mmol)を加え、反応物を0℃で2時間攪拌した。混合物を酢酸エチルでクエンチし、MgSOで乾燥させて濃縮した。残渣を、15%〜20%のMeOHを含有するCHClで溶離する、シリカゲルのクロマトグラフィーを使用して精製すると、所望の生成物を得た(20mg)。400 MHz 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.82 (s, 1H), 8.50
(s, 1H), 8.11 (dd, 1H, J = 6.9, 2.6 Hz), 7.77 (m, 1H), 7.40 (t, 1H, J = 9.0
Hz), 7.25 (s, 1H), 6.76 (m, 1H), 6.53 (m, 1H), 4.23 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 3.55
(m,
4H), 3.08 (m, 2H), 2.40 (m, 10H), 1.96 (m,
2H), 1.29 (m, 6H) 。MS m/z 584 (M+1)

【0143】
実施例8
4−(3−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド
【0144】
【化16】

【0145】
99mgの3−フルオロ−ピペリジン塩酸塩、300mgの4−クロロ−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド及び0.37mlのDIEAを5mlのTHFに溶解し、70℃で一夜攪拌した。混合物は次に酢酸エチルで希釈し、水及び食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた。生じた固形物を、0〜4%メタノール含有クロロホルムでのフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、275mgの4−(3−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミドを得た。(M+H)+ @ 488 。
【0146】
実施例9
4−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド
【0147】
【化17】

【0148】
131mgの4−フルオロ−ピペリジン臭化水素塩を、300mgの4−クロロ−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド及び0.37mlのDIEAを溶解した5mlのTHF溶液に加え、70℃で一夜攪拌した。混合物は次に酢酸エチルで希釈し、水及び食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた。生じた固形物を、0〜4%メタノール含有クロロホルムでのフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、189.4mgの4−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミドを得た。(M+H)+ @ 488

【0149】
実施例10
4−アゼパン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド
【0150】
【化18】

【0151】
(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−(7−フルオロ−6−ニトロ−キナゾリン−4−イル)−アミンを100mlのメタノールに懸濁し、2mlの50%NaOH水溶液を加え、70℃に2時間加熱した。次に混合物を水に注ぎ、30分間激しく攪拌し、濾過し、水で洗浄し、真空下、60℃で一夜乾燥させると、7.2gの(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−(7−メトキシ−6−ニトロ−キナゾリン−4−イル)−アミンを得た。
【0152】
7.1gの(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−(7−メトキシ−6−ニトロ−キナゾリン−4−イル)−アミンを、ラネーニッケル触媒を使用して、THF中で還元し、濾過し、蒸発させると6.4gのN−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−7−メトキシ−キナゾリン−4,6−ジアミンを得た(収率99%)。この生成物を、スキーム1に記載したように、塩化4−クロロ−ブタ−2−エノイルと反応させると、4−クロロ−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メ
トキシ−キナゾリン−6−イル]−アミドを得た。
【0153】
300gの4−クロロ−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド及び78mgのアゼパンを5mlのTHFに溶解し、窒素でパージした。0.25mlのDIEAを加え、混合物を70℃で2日間攪拌した。次に混合物を20mlの酢酸エチルで希釈し、水及び食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた。生じた固形物は、0〜4%メタノール含有クロロホルムでのフラッシュクロマトグラフィーを行った。生成物をCHClに溶解し、過剰のHCl及びエーテルで処理し、蒸発乾固すると、115mgの4−アゼパン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド(収率33%)を得た。(M+H)+ @484 。
【0154】
実施例11−ELISAに基づいたerbBキナーゼアッセイ
ErbB1、erbB2及びerbB4細胞質融合タンパク質は、erbB1配列(Met−668〜Ala1211)、erbB2(Ile−675〜Val−1256)及びerbB4配列(Gly−259〜Gly−690)を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、バキュロウイルスベクターpFastBac内へクローニングすることにより作製した。タンパク質はバキュロウイルス感染Sf9昆虫細胞中で、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質として発現させた。タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズを使用する、アフィニティークロマトグラフィーにより精製した。
【0155】
erbBチロシンキナーゼ活性の阻害は、ELISAに基づいた受容体チロシンキナーゼアッセイを使用して評価した。キナーゼ反応(50mM HEPES、pH7.4、125mM NaCl、10mM MgCl、100μMオルトバナジン酸、2mMジチオスレイトール、20μM ATP、試験化合物又はビヒクル対照及び1〜5nM GST−erbB 50μL反応液当たり)は、0.25mg/mlポリ−Glu−Tyr(Sigma )で被覆した96−ウェルプレートで行った。反応物を、振盪しながら、室温で6分インキュベートした。キナーゼ反応を反応混合物の除去により停止させ、ウェルを、リン酸緩衝食塩水(PBS)中に3%ウシ血清アルブミン及び0.1%ツイーン20を含んでなる洗浄緩衝液で洗浄した。リン酸化チロシン残基を、0.2μg/mlの西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とカップルされた抗ホスホチロシン抗体(Oncogene
Ab-4;
50μL/ウェル)を、室温で振盪しながら25分加えることにより検出した。抗体を除去し、プレートを洗浄した(PBS中、3%BSA及び0.1%ツイーン)。HRP基質、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジデン(SureBlueTMB,
Kirkegaard & Perry Labs )を加え(ウェル当たり50μL)、室温で振盪しながら10〜20分インキュベー
トした。TMB反応は、50μLの停止溶液(0.09N HSO)を加えることにより停止させた。シグナルは450nmでの吸光度を測定することにより定量した。マイクロソフトエクセルを使用し、試験化合物についてIC50値を決定した。
【0156】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

(式中:
は、F、Br、Cl又はIから選択され;
は、H、F、Br、Cl又はIから選択され;
は、
a)一つ又はそれより多くのハロゲンで置換されていてもよいC〜C直鎖又は分枝鎖アルキル;又は
b)−(CH−モルホリノ、−(CH−ピペリジン、−(CH−ピペラジン、−(CH−ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、−(CH−ピロリジン、又は−(CH−イミダゾール;から選択され;
nは、1〜4の整数であり;
は、−(CH−Hetであり;
Hetは、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、イミダゾール、ピロリジン、アゼパン、3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン、又は3,6−ジヒドロ−2H−ピリジンからなる群より選択されるヘテロ環式部分であって、各ヘテロ環式部分は、C〜Cアルキル、ハロゲン、OH、NH、NH(C〜Cアルキル)又はN(C〜Cアルキル)から選択される1〜3の基で置換されていてもよく;
mは、1〜3の整数であり;そして
Xは、O、S又はNHである)
の化合物、又はそれらの薬学的に許容できる塩。
【請求項2】
式:
【化2】

(式中:
は、
a)一つ又はそれより多くのハロゲンで置換されていてもよいC〜C直鎖又は分枝鎖アルキル;又は
b)−(CH−モルホリノ、−(CH−ピペリジン、−(CH−ピペラジン、−(CH−ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、−(CH−ピロリジン、又は−(CH−イミダゾール;から選択され;
qは、1〜2の整数であり;
は、−(CH−Hetであり;
Hetは、ピペリジン、ピペラジン、ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、イミダゾール、ピロリジン、アゼパン又はジヒドロピリジン基であって、ハロゲン又はC〜Cアルキルから選択される1又は2の基で置換されていてもよく;
mは、1〜3の整数であり;そして
Xは、O、S又はNHである)
の請求項1の化合物、又はそれらの薬学的に許容できる塩。
【請求項3】
式:
【化3】

(式中:
は、C〜C直鎖又は分枝鎖アルキルであって、一つ又はそれより多くのハロゲンで置換されていてもよく;
及びRは、独立して、H、C〜Cアルキル、F、Br、I又はClから選択され;
Xは、O、S又はNHであり;そして
a及びbで特定される点線は各々、存在してもよいを示し、但し、一つの化合物中には、一つの二重結合a又はbのみしか存在しない)
の請求項1又は2のいずれか一項に記載の化合物、又はそれらの薬学的に許容できる塩形態。
【請求項4】
XがOであり、そしてRが、1〜3のハロゲン原子で置換されていてもよいC〜C直鎖又は分枝鎖アルキルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
以下の群より選択される化合物、又はそれらの薬学的に許容できる塩形態:
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルスルファニル−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルアミノ −キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−イソプロポキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−ブロモ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−エトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−プロポキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(3−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(2−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−モルホリン−4−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−アゼパン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−トリフルオロメトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−フルオロメトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−フルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(2−フルオロ−エチルスルファニル)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−トリフルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−ジフルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェ ニルアミノ)−7−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピペラジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−イミダゾール−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−ピロリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルスルファニル−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルアミノ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−イソプロポキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−ブロモ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−エトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−プロポキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ペンタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−(3−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ペンタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−(2−フルオロ−ピペリジン−1−イル)−ペンタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−モルホリン−4−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−アゼパン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−トリフルオロメトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−フルオロメトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−フルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(2−フルオロ−エチルスルファニル)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−トリフルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−ジフルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
5−ピペリジン−1−イル−ペンタ−2−エン酸[4(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
6−ピペリジン−1−イル−ヘキサ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
6−ピペリジン−1−イル−ヘキサ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルスルファニル−キナゾリン−6−イル]−アミド;
6−ピペリジン−1−イル−ヘキサ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メチルアミノ−キナゾリン−6−イル]−アミド;
6−ピペリジン−1−イル−ヘキサ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−エトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド;又は
6−ピペリジン−1−イル−ヘキサ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−フルオロエトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド。
【請求項6】
薬学的に有効量の請求項1の化合物及び薬学的に許容できる担体を含んでなる医薬組成物。
【請求項7】
薬学的に有効量の4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド、又はその薬学的に許容できる塩、エステル又はアミド形態、及び薬学的に許容できる担体を含んでなる医薬組成物。
【請求項8】
哺乳動物における増殖性障害を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、薬学的有効量の請求項1の化合物、又はそれらの薬学的に許容できる塩、エステル又はアミド形態を投与することを含んでなる方法。
【請求項9】
哺乳動物における増殖性障害を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、薬学的有効量の4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド、又はその薬学的に許容できる塩、エステル又はアミド形態を投与することを含んでなる方法。
【請求項10】
哺乳動物における乳癌を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、薬学的有効量の4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド、又はその薬学的に許容できる塩、エステル又はアミド形態を投与することを含んでなる方法。
【請求項11】
哺乳動物における結腸癌を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、薬学的有効量の4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオ
ロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド、又はその薬学的に許容できる塩、エステル又はアミド形態を投与することを含んでなる方法。
【請求項12】
哺乳動物における非小細胞肺癌を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、薬学的有効量の4−ピペリジン−1−イル−ブタ−2−エン酸[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イル]−アミド、又はその薬学的に許容できる塩、エステル又はアミド形態を投与することを含んでなる方法。
【請求項13】
式:
【化4】

(式中、Rは、請求項1で定義された通りであり、そしてハロは、F、Cl、Br又はIを表す)の化合物。
【請求項14】
式:
【化5】

(式中:
Yは、NH、NO又は部分R−(CH−CH=CH−C(O)−NH−であり;そして、mは、1〜3の整数であり;
は:
a)ハロゲンで置換されていてもよいC〜C直鎖又は分枝鎖アルキル;
b)−(CH−モルホリノ、−(CH−ピペリジン、−(CH−ピペラジン、−(CH−ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、−(CH−ピロリジン、又は−(CH−イミダゾール;から選択され;
nは、1〜4の整数であり;
は、−(CH−Hetであり;
Hetは、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、イミダゾール、ピロリジン、アゼパン、3,4−ジヒドロ−2H-ピリジン、又は
3,6−ジヒドロ−2H−ピリジンからなる群より選択されるヘテロ環式部分であって、各ヘテロ環式部分は、C〜Cアルキル、ハロゲン、OH、NH、NH(C〜Cアルキル)又はN(C〜Cアルキル)から選択される1〜3の基で置換されていてもよく;
mは、1〜3の整数であり;そして
Xは、O、S又はNHである)
の化合物。
【請求項15】
式:
【化6】

(式中:
Yは、NO、NH又は部分ハロ−(CH−CH=CH−C(O)−NH−であり;
ハロは、F、Cl、Br又はIであり;
mは、1〜3の整数であり;
は:
a)モノ−、ジ−又はトリ−ハロゲン化メチル基;
b)ハロゲンにより置換されていてもよいC〜C直鎖又は分枝鎖アルキル;又は
c)−(CH−モルホリノ、−(CH−ピペリジン、−(CH−ピペラジン、−(CH−ピペラジン−N(C〜Cアルキル)、−(CH−ピロリジン、又は−(CH−イミダゾール;
から選択される)
の化合物。


【公開番号】特開2009−7363(P2009−7363A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180894(P2008−180894)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【分割の表示】特願2007−512544(P2007−512544)の分割
【原出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】