説明

7−(1,3−チアゾール−2−イル)チオ−クマリン誘導体およびそれのロイコトリエン生合成阻害薬としての使用

本発明は、ロイコトリエン生合成阻害薬である式(I)の化合物を提供する。式(I)の化合物は、抗喘息薬、抗アレルギー薬、抗炎症薬、細胞保護薬および抗アテローム性動脈硬化薬として有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明には、ロイコトリエン生合成の阻害薬として有用な新規な化合物が関与する。
【背景技術】
【0002】
ロイコトリエン生合成の阻害は、長年にわたって活発に行われてきた製薬上の研究分野であった。ロイコトリエンは、アラキドン酸から生体系で産生される局所作用性ホルモン群を構成している。ロイコトリエンは、5−リポキシゲナーゼによるアラキドン酸の酵素的酸素化によって誘導される強力な収縮介在物質および炎症介在物質である。ロイコトリエン生合成阻害薬の一つの種類として、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)の阻害によって作用することが知られているものがある。
【0003】
主要なロイコトリエンは、ロイコトリエンB4(LTB4と略される)、LTC4、LTD4およびLTE4である。これらのロイコトリエンの生合成は、先ずアラキドン酸に酵素5−リポキシケナーゼが作用してロイコトリエンA4(LTA4)と称されるエポキシドが生成し、そのエポキシドが、後続の酵素作用段階によって他のロイコトリエンに変換される。ロイコトリエンの生合成および代謝のさらなる詳細については、ロカハの編著(Leukotrienes and Lipoxygenases, ed. J. Rokach, Elsevier, Amsterdam (1989))に記載されている。生体系におけるロイコトリエンの作用および各種疾患へのロイコトリエンの寄与についても、ロカハによる前記著作に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に5−LO阻害薬は、アレルギー性鼻炎、喘息および関節炎などの炎症状態の治療について研究されてきた。5−LO阻害薬の1例は、喘息の治療を適応とする市販されている薬剤ジレウトン(ZYLOFT;登録商標)である。さらに最近では、5−LOが、アテローム発生プロセスに重要な寄与をしている可能性があることが報告されている(Mehrabian, M. et al., Circulation Research, 2002 Jul 26,91 (2): 120-126参照)。
【0005】
5−LO阻害が影響を与える状態の治療および予防においてはかなりの治療的進歩があったにも拘わらず、さらなる治療選択肢が必要とされている。本発明は、ロイコトリエン生合成の阻害において有用である新規な5−LO阻害薬を提供することによって、そのニーズに応えるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ロイコトリエン生合成阻害薬である式Iの化合物、それの製造方法、ならびに哺乳動物、特にヒトでそれら化合物を使用するための方法および医薬組成物に関するものである。
【0007】
【化6】

【0008】
式Iの化合物は、抗喘息薬、抗アレルギー薬、抗炎症薬および細胞保護薬として有用である。その化合物は、狭心症、大脳性痙攣、糸状体腎炎、肝炎、内毒素血症、ぶどう膜炎および同種移植片拒絶反応の治療においても有用である。本発明は、上記の治療を必要とする患者に対して、治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する治療方法を提供する。
【0009】
さらに本発明には、アテローム形成の遅延または停止を行う上での式Iの化合物の使用が関与する。従って本発明は、アテローム性動脈硬化が臨床的に明らかになった時点でその疾患の進行を停止または遅延させることを含むアテローム性動脈硬化の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する方法をも提供する。本発明はさらに、アテローム性動脈硬化およびアテローム性動脈硬化疾患事象の予防または発症リスク低減方法であって、アテローム性動脈硬化を発症するリスクがあるかアテローム性動脈硬化疾患事象を有する患者に対して予防上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する方法を提供する。本発明はさらに、治療上有効な他の薬剤との式Iの化合物の併用を提供する。別の実施形態については、下記の詳細な説明から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の新規なロイコトリエン生合成阻害薬は、構造式Iの化合物ならびにその化合物の製薬上許容される塩およびエステルである。
【0011】
【化7】

式中、
は、−H、−C1−6アルキルおよび−C3−6シクロアルキルからなる群から選択され;
は、−H、−OH、−OC1−3アルキル、−Fおよびテトラゾリルからなる群から選択され;ただし、Rがテトラゾリルである場合、RおよびRのいずれもZではなく;
は、−H、−CF、−CFCF、−C1−6アルキル、(−フッ素で置換された)C1−6アルキル、−C1−6アルキル−R、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、−C5−7シクロアルケニルおよび−Zからなる群から選択され;
は、−H、−CF、−CFCF、−C1−6アルキル、(−フッ素で置換された)C1−6アルキル、−C1−6アルキル−R、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、−C5−7シクロアルケニルおよび−Zからなる群から選択され;
あるいはRおよびRがそれらが結合している炭素と一体となって、−C3−6シクロアルキル環および−C5−7シクロアルケニル環からなる群から選択される環を形成しており;ただし、RおよびRがそれらが結合している炭素と一体となって、−C5−7シクロアルケニル環を形成している場合、その環のC1位には二重結合はなく;
あるいはRおよびRが一体となって=C1−6アルキルを形成しており;
あるいはR、RおよびRがそれらが結合している炭素と一体となって、
【0012】
【化8】

から選択されるシクロアルケニル環を形成しており;
は、−H、−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキルおよびハロからなる群から選択され;
は、−H、−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキルおよびハロからなる群から選択され;
は、−COOR、−C(O)H、−CN、−CR10H、−OR、−S−C1−6アルキルおよび−S−C3−6シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、
a)(i)1以上の炭素原子、(ii)酸素および硫黄から選択される1個のヘテロ原子および(iii)0、1、2もしくは3個の窒素原子を有する5員芳香環、
b)1以上の炭素原子および1〜4個の窒素原子を有する5員芳香環、
c)炭素原子および1、2もしくは3個の窒素原子を有する6員芳香環、
d)
【0013】
【化9】

から選択される6員芳香環、
e)ベンゾチエニル、インドリル、キノリニルおよびナフタレニルから選択される二環式芳香環系、
f)フェニル、
g)−CH(Rは、フェニルおよびジオキソラニルから選択される。)、
h)−C3−6シクロアルキル、
i)−C5−7シクロアルケニル、
j)−C1−6アルキルおよび
k)−C2−6アルケニル
からなる群から選択され、
Aは、各場合で(i)ハロ、(ii)−OH、(iii)例えば−CFのような1以上のハロで置換されていても良い−C1−3アルキル、(iv)1以上のハロで置換されていても良い−OC1−3アルキル、(v)−OC3−6シクロアルキル、(vi)−CHOH、(vii)−COOR、(viii)−CNおよび(ix)−NR10からなる群から独立に選択される置換基でモノ置換もしくはジ置換されていても良く;
は、−H、−C1−6アルキルおよび−C3−6シクロアルキルからなる群から選択され;
10は、−H、−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキルおよび−COORからなる群から選択され;
Xは、−S−、−SO−および−SO−からなる群から選択され;
Zは、
a)(i)1以上の炭素原子、(ii)酸素および硫黄から選択される1個のヘテロ原子および(iii)0、1、2もしくは3個の窒素原子を有する5員芳香環、
b)1以上の炭素原子および1〜4個の窒素原子を有する5員芳香環、
c)炭素原子および1、2もしくは3個の窒素原子を有する6員芳香環、
d)フェニルおよび
e)−CH−R
からなる群から選択され;Rは、フェニルおよびジオキソラニルから選択され、
Zは、各場合で(i)ハロ、(ii)−OH、(iii)例えば−CFのような1以上のハロで置換されていても良い−C1−3アルキル、(iv)1以上のハロで置換されていても良い−OC1−3アルキル、(v)−OC3−6シクロアルキル、(vi)−CHOH、(vii)−COOR、(viii)−CNおよび(ix)−NR10からなる群から独立に選択される置換基でモノ置換もしくはジ置換されていても良い。
【0014】
本発明の1実施形態では、Rは−Hおよび−C1−6アルキルから選択される。その実施形態の1群では、Rは−Hおよび−CHから選択される。
【0015】
本発明の第2の実施形態では、Rは−H、−OHおよび−Fからなる群から選択される。その実施形態の1群では、Rは−Hおよび−OHから選択される。
【0016】
本発明の第3の実施形態では、Rはフッ素で置換されていても良い−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−Rおよび−C3−6シクロアルキルからなる群から選択される。その実施形態の1群では、Rはフッ素で置換されていても良い−C1−2アルキル、特には−CF、−CHおよび−Cおよびシクロプロピルから選択される。
【0017】
本発明の第4の実施形態では、Rはフッ素で置換されていても良い−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−R、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキルおよび−Zからなる群から選択される。その実施形態の1群では、Rはフッ素で置換されていても良い−C1−2アルキル、特には−CF、−CHおよび−Cおよびシクロプロピルから選択される。
【0018】
第5の実施形態では、RおよびRがそれらが結合している炭素と一体となって、−C3−6シクロアルキル環を形成している。
【0019】
本発明の第6の実施形態では、Rは−Hおよび−CHから選択される。その実施形態の1群では、Rは−Hである。
【0020】
本発明の第7の実施形態では、Rは−Hおよび−CHからなる群から選択される。この実施形態の1群では、Rは−Hである。
【0021】
本発明の第8の実施形態では、Aは、式Iで説明したように未置換、モノ置換またはジ置換の、
a)(i)1以上の炭素原子、(ii)酸素および硫黄から選択される1個のヘテロ原子および(iii)0、1、2もしくは3個の窒素原子を有する5員芳香環、
b)1以上の炭素原子および1〜4個の窒素原子を有する5員芳香環、
c)炭素原子および1、2もしくは3個の窒素原子を有する6員芳香環;および
d)フェニル
からなる群から選択される。
【0022】
この実施形態の1群では、Aは未置換、モノ置換またはジ置換の、チエニル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、ピリジニルおよびフェニルからなる群から選択される。この実施形態の1小群では、Aはフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロ−フェニル、未置換またはモノ置換チアゾリルおよび未置換またはモノ置換ピリジニルから選択される。より詳細にはAは、4−フルオロ−フェニルである。
【0023】
本発明の第9の実施形態では、Zは、式Iで記載のように未置換、モノ置換またはジ置換の、フェニル、ベンジル、ピリジニル、チアゾリル、ジオキソラニルおよびテトラゾリルからなる群から選択される。この実施形態の1群では、Zは未置換、モノ置換またはジ置換であり、フェニル、ピリジニルおよびチアゾリルからなる群から選択される。
【0024】
本発明の第10の実施形態には、下記構造式Iaを有する式Iの化合物ならびにそれの製薬上許容される塩およびエステルがある。
【0025】
【化10】

式中、R、R、R、R、R、R、XおよびAの定義は、式Iで上記にて定義された通りであり、上記の実施形態1〜9のそれぞれを別個に包含するものである。
【0026】
本発明の第11の実施形態には、下記構造式Ibを有する式Iの化合物ならびにそれの製薬上許容される塩およびエステルがある。
【0027】
【化11】

式中、
は、−Hおよび−CHからなる群から選択され;
は、−Hおよび−OHからなる群から選択され;
は、−CFおよびフッ素で置換されていても良い−C1−6アルキルからなる群から選択され;
は、−CFおよびフッ素で置換されていても良い−C1−6アルキルからなる群から選択され;
あるいはRおよびRがそれらが結合している炭素と一体となって、C4−6シクロアルキルを形成している。
【0028】
本発明の化合物には、
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}スルホニル)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}スルフィニル)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−メチルフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−[(4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({4−メチル−5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−メトキシフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(3−チエニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−エチル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−フルオロ−7−{[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−エトキシフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−フェニル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−シクロプロピル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−ピリジン−3−イル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−{[5−(1−ヒドロキシシクロブチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン;
4−(2−メチルフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}スルホニル)−2H−クロメン−2−オン;
4−(3−メチルフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−ベンジル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−{[5−(1−ヒドロキシ−1−フェニルプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−{[5−(1−ヒドロキシ−1−ピリジン−2−イルエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)プロピル−1,3−チアゾール−2−イル}スルフィニル)−2H−クロメン−2−オン;
4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−メトキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−{[5−(1−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン;
4−(3−フルオロフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−シクロヘキシル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−{[5−(1−ヒドロキシシクロペンチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン;
4−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−{[5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン;
4−[2−オキソ−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[2−オキソ−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−4−イル]ベンゾニトリル;
4−(1−ベンゾチエン−2−イル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(1−エチルプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
4−(2−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−[2−オキソ−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−4−イル]安息香酸メチル;
7−{[5−(1−ベンジル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
4−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(3−イソプロピルフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシエチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−[2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2H−クロメン−2−オン;
4−(1,3−チアゾール−4−イル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(2−メチルフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}スルフィニル)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−[(5−イソプロピル−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−2H−クロメン−2−オン;
4−(2−メチルフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}スルホニル)−2H−クロメン−2−オン;
4−(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−プロピル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
N−{3−[2−オキソ−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−4−イル]フェニル}アセトアミド;
3−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(3−フリル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−3−メチル−2H−クロメン−2−オン;
4−(6−メチルピリジン−3−イル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[(1EおよびZ)−1−メチルプロプ−1−エン−1−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
7−[(5−sec−ブチル−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−{[5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン;
4−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−プロピルフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[4−(1−エチル−1−ヒドロキシプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
4−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−1−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(3,5−ジクロロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
(−)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
(+)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン;
7−{5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]スルフィニル}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]スルホニル}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(6−メチルピリジン−3−イル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]スルフィニル}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル}スルホニル}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1,3−チアゾール−2−イル}スルフィニル)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}スルホニル)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−[(4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
(3R)−4,4,4−トリフルオロ−3−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−クロメン−7−イル]チオ}−1,3−チアゾール−5−イル)−3−ヒドロキシブタナール;
3−(7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
5−(7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[ヒドロキシ(ジフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(ジシクロプロピルメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({[5−(1−エチルプロプ−1−エン−1−イル)−1,3−チアゾール−2−イル]アミノ}メチル)−4−(6−フルオロ−1−オキシドピリジン−3−イル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(ジシクロプロピルメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(3−メチルフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(3−メチルフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[シクロプロピル(ヒドロキシ)フェニルメチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(1−フルオロ−1−メチルプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1,3−チアゾール−2−イル]チオ)−4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(ジシクロプロピルメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(1−エチル−1−ヒドロキシプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[1−エチル−1−(2H−テトラゾール−2−イル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−{5−[1−エチル−1−(1H−テトラゾール−1−イル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(3−ヒドロキシフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(ジシクロプロピルメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(3−メチルフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(ジシクロプロピルメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(3,5−ジメチルフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリミジン−5−イル−2H−クロメン−2−オン;
4−(3,5−ジクロロフェニル)−7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(3−クロロフェニル)−7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(1−エチル−1−フルオロプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−[(5−シクロペント−1−エン−1−イル−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
3−[7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル]ベンゾニトリル;
7−({5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(3−メチルフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
(+)−(S)−4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
(−)−(R)−4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[1,3−ジヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[(1R)1,3−ジヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
(+)−(3R)−4,4,4−トリフルオロ−3−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−クロメン−7−イル]チオ}−1,3−チアゾール−5−イル)−3−ヒドロキシブタン酸;
(−)−(3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−クロメン−7−イル]チオ}−1,3−チアゾール−5−イル)−3−ヒドロキシブタン酸;
7−{[5−(1−メチルプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
(+)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
(−)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(3,5−ジフルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−[3−(シクロプロピルオキシ)フェニル]−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(3−メトキシフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ−2H−クロメン−2−オン;
7−{5−[(1R)−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(3−メトキシフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{5−[(1R)−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロプ−2−エン−1−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
7−{5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル}−1,3−チアゾール−2−イル}スルフィニル)−2H−クロメン−2−オン;および
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル}−1,3−チアゾール−2−イル}スルホニル)−2H−クロメン−2−オン
ならびに適宜にこれらの製薬上許容される塩およびエステルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
本発明の化合物を「式I」、「式Ia」および「式Ib」の化合物と称する場合、それは本明細書においては、塩およびエステルが可能である場合の製薬上許容される塩およびエステルを含むそれら各構造式の範囲に包含される化合物を含むものである。「製薬上許容される塩」という用語は、NaOHを用いて製造可能であると考えられる例えばナトリウム塩などの製薬上許容される無毒性塩基から製造される塩を指す。利用可能なヒドロキシ基またはカルボン酸基の製薬上許容されるエステルも、適宜に形成することができる。製薬上許容されるエステルの例には、フェニル−、ジメチルアミノ−およびアセチルアミノで置換された−C1−4アルキルおよび−C1−4アルキルなどがあるがこれらに限定されるものではない。
【0030】
本明細書に記載の化合物の中には、1以上の不斉中心を有するものがあり、従ってジアステレオマーおよび光学異性体を生じることがある。本発明は、そのような可能なジアステレオマーならびにそれらのラセミ体および分割されてエナンチオマー的に純粋な形およびそれらの製薬上許容される塩を包含するものである。さらに、本発明の化合物の結晶型の一部は、多形体として存在する場合があり、それ自体本発明に含まれるものである。さらに、本発明の化合物の一部は、水または一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成する場合がある。そのような溶媒和物および水和物も同様に、本発明の範囲内に包含される。本明細書に記載の化合物の中には、オレフィン性二重結合を有するものがある。本発明は、EおよびZの両方の幾何異性体を包含するものである。
【0031】
本発明の化合物は、例えば塩化メチレン/ヘキサンまたはEtOAc/ヘキサンなどの好適な溶媒からの分別結晶によって、あるいは光学活性な固定相を用いるキラルクロマトグラフィーによって個々のジアステレオマー異性体に分離することができる。絶対立体化学は、必要に応じて立体配置が既知である不斉中心を有する試薬で誘導体化した結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶解析によって決定することができる。あるいは、一般式Iの化合物のいずれの立体異性体も、絶対配置が既知である光学的に純粋な原料または試薬を用いる立体特異的合成によって得ることができる。
【0032】
本明細書で使用される場合の「アルキル」とは、特定数の炭素原子を有する分岐および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むものであり、例えばメチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル(Pr)、n−ブチル(Bu)、n−ペンチル、n−ヘキシルならびにイソプロピル(i−Pr)、イソブチル(i−Bu)、secブチル(s−Bu)、tertブチル(t−Bu)、イソペンチル、イソヘキシルなどのそれらの異性体などがある。「シクロアルキル」は、特定数の炭素原子、例えば3、4、5または6個の炭素原子を有する単環式飽和炭素環を意味する。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどがある。
【0033】
本明細書で使用される場合の「C2−6アルケニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分岐の2〜6炭素鎖を指す。アルケニルの例には、ビニル(−CH=CH)、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどがあるがこれらに限定されるものではない。本明細書で使用される場合の「C5−7シクロアルケニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有し、環に5〜7個の炭素原子を有する非芳香族系の単環式環を意味する。
【0034】
式Iにおける定義の範囲内で、RおよびRは、それらが結合している炭素と一体となって、−C5−7シクロアルケニル環を形成していても良く、その環においてはC1位に二重結合はない。C1とは、シクロアルケニル環が構造式Iにおける核のチアゾリル環に結合する環炭素とする。この状況において、C1はRにも結合している。それを、例を用いて下記に示した。その場合に、RおよびRはそれらが結合している炭素と一体となって3,4−シクロペンテニル環を形成している((a)参照)。
【0035】
【化12】

【0036】
式Iにおける定義の範囲内で、RおよびRが一体となって、=C1−6アルキルを形成していても良い。それは上記に示してある((b)参照)。
【0037】
「していて(されていて)良い」という用語の使用は、その属が、指定されたしていて(されていて)良い部分を有する化合物ならびにそのような部分を含まない化合物を包含することを意味するものとする。各可変因子は、式Iの定義の範囲内においてそれが使用される各場合で独立に定義される。例えば、Rが−CR10Hである場合、Rは各場合で独立に選択され、それらは同一であっても異なっていても良い。
【0038】
「置換(された)」という用語の使用は、具体的にモノ置換またはジ置換と指定されていない限り、特定部分でのモノ置換および多置換を包含するものである。モノ置換部分は1個の置換基を有するが、多置換部分は複数の置換基を有しており、その部分で置換に使用可能な各炭素原子は独立に未置換、モノ置換または多置換であることができ、それによって安定な構造が形成される。例えば「フッ素で置換されていても良い−C1−6アルキル」には、−CH、−CHF、−CHFおよび−CFなどがある。
【0039】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、別段の断りがない限り、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含むものである。フッ素および塩素が好ましく、フッ素が最も好ましい。
【0040】
AおよびZの定義の範囲内である5員芳香環の例には、下記構造式によって表されるチエニル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびテトラゾリルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
【化13】

【0042】
AおよびZの定義の範囲内である炭素および1、2もしくは3個の−N−からなる6員芳香環の例には、下記構造式によって表されるピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびトリアジニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
【化14】

【0044】
式Iの化合物はロイコトリエンの生合成を阻害することができることから、ヒト被験者でのロイコトリエンが誘発する症状を予防または回復させる上で有用である。ロイコトリエンの哺乳動物での生合成をそのように阻害するということは、その化合物およびそれの医薬組成物が、哺乳動物、特にはヒトにおいて1)喘息、慢性気管支炎および関連の気道閉塞疾患のような疾患を含む肺疾患、2)アレルギー性鼻炎、接触皮膚炎、アレルギー性結膜炎などのようなアレルギーおよびアレルギー性反応、3)関節炎または炎症性腸疾患のような炎症、4)疼痛、5)アトピー性皮膚炎などのような皮膚疾患、6)狭心症、アテローム性動脈硬化性プラークの形成、心筋虚血、高血圧症、血小板凝集などのような心血管障害、7)免疫的または化学的(シクロスポリン)病因により誘発される虚血に起因する腎不全、8)偏頭痛または群発頭痛、9)ぶどう膜炎のような眼の状態、10)化学的、免疫的または感染性の刺激に起因する肝炎、11)火傷、内毒素血症などのような外傷またはショック状態、12)同種移植片拒絶反応、13)インターロイキンIIおよび腫瘍壊死因子のようなサイトカインの治療的投与に関連する副作用の予防、14)膿胞性線維症、気管支炎および他の小気道および大気道疾患のような慢性の肺疾患、15)胆嚢炎、16)多発性硬化症、および17)骨髄芽球性白血病細胞の増殖の治療、予防または軽減に有用であることを示している。
【0045】
従って、本発明の化合物は、びらん性胃炎;びらん性食道炎;下痢;大脳性痙攣;早産;自然流産;月経困難症;虚血;肝臓、膵臓、腎臓または心筋組織での有害物質誘発の損傷または壊死;CClおよびD−ガラクトスアミンのような肝臓毒により引き起こされる肝臓の実質損傷;虚血性腎不全;疾患誘発の肝損傷;胆汁酸塩誘発性の膵臓または胃の損傷;外傷またはストレス誘発性の細胞損傷;およびグリセリン誘発腎不全のような哺乳動物(特にヒト)の病態の治療または予防にも用いることができる。それらの化合物は、腫瘍転移阻害剤としても作用し、細胞保護作用を示す。
【0046】
化合物の細胞保護活性は、強い刺激物の毒性作用、例えば、アスピリンまたはインドメタシンの潰瘍誘発効果に対する胃腸粘膜の抵抗が増進することにより、動物にもヒトにも認めることができる。非ステロイド系抗炎症剤が消化管に及ぼす作用を低減させることに加えて、動物実験から、細胞保護化合物が、強酸、強塩基、エタノール、高張性生理的食塩水溶液などの経口投与により誘発される胃病変をも予防することが明らかになっている。2種類のアッセイを用いて細胞保護能力を測定することができる。これらのアッセイは、(A)エタノール誘発病変アッセイおよび(B)インドメタシン誘発潰瘍アッセイであり、両アッセイともEP140684号に記載されている。
【0047】
特に、本発明の化合物は、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬および低用量アスピリンの同時投与によって引き起こされる胃びらんを低減する上で有用であると考えられる。シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、従来の非選択的非ステロイド系抗炎症薬と比較して消化管系の合併症が弱い勇往な抗炎症薬として広く使用されている。しかしながら、心臓保護におけるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬と低用量アスピリンの併用は、この種の化合物の消化管での安全性を低下させる可能性がある。5−リポキシゲナーゼ阻害薬としての活性を有することで、本発明の化合物は、この点において胃保護性を有すると予想されるものと考えられる(Fiorucci, et al. FASEB J. 17: 1171-1173, 2003参照)。本発明で使用されるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬には、ロフェコキシブ(VIOXX;登録商標))、エトリコキシブ(ARCOXIA;商標名)、セレコキシブ(CELEBREX;登録商標)およびバルデコキシブ(BEXTRA;商標名)などがあるが、これらに限定されるものではない。シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬との併用での本発明の化合物は、低用量アスピリン療法において患者に対して、単位製剤あるいは別個で投与することができると考えられる。あるいは、シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬は、低用量アスピリンとともに単位製剤で投与することができると考えられ、その場合には本発明の化合物は別個に投与されるものと考えられる。単位製剤中に3種類全ての有効成分が入っていることも包含される。シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬およびアスピリン(心臓保護用)における従来の用量を用いることが可能である。例えばロフェコキシブは、1日1回12.5mg、25mgまたは50mgで投与することが可能であると考えられる。アスピリンは、1日1回81mgで投与することができると考えられる。
【0048】
さらに本発明の化合物は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療においても使用可能である。キルフェザーの報告(S. Kilfeather, Chest, 2002, vol 121, 197)に記載のように、COPD患者での気道好中球増加が炎症の原因であると考えられており、気道の再構築を伴う。好中球の存在には部分的にLTB4が介在しており、本発明の化合物による治療を用いて、COPD患者での好中球性炎症を軽減することができると考えられる。
【0049】
式Iの化合物は、アテローム性動脈硬化の治療においても有用であることができ、そのような治療を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する。本発明の別の態様には、アテローム性動脈硬化の予防または発症リスク低減方法であって、そのような治療を必要とする患者に対して予防上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する方法が関与する。アテローム性動脈硬化は、大きい動脈および中等度の大きさの動脈の壁の最内層でのコレステロールおよび脂質を含むアテローム性プラークの沈着を特徴とする。アテローム性動脈硬化は、関連する医学分野に従事する医師が認識および理解する血管の疾患および状態を包含する。血管再開術後再狭窄などのアテローム性動脈硬化性心血管疾患、冠状動脈性心臓病(冠動脈疾患または虚血性心疾患とも称される)、多発梗塞性痴呆などの脳血管疾患および勃起不全などの末梢血管疾患はいずれも、アテローム性動脈硬化の臨床的顕れであることから、「アテローム性動脈硬化」および「アテローム性動脈硬化疾患」という用語に包含される。
【0050】
本発明の式Iの化合物を投与して、冠状動脈性心臓病(CHD)事象、脳血管疾患事象および/または間欠跛行の発生または可能性がある場合の再発の予防またはリスク低減することができる。冠状動脈性心臓病事象には、CHD死、心筋梗塞(すなわち心臓発作)および冠動脈再開術などがあるものとする。脳血管疾患事象には、虚血性または出血性卒中(脳血管発作とも称される)および一過性虚血発作などがあるものとする。間欠跛行は、末梢血管疾患の臨床的顕れである。本明細書で使用される「アテローム性動脈硬化疾患事象」という用語は、冠状動脈性心臓病事象、脳血管疾患事象および間欠跛行を包含するものである。1以上の非致死的アテローム性動脈硬化疾患事象を過去に経験したことがある人は、そのような事象が再発する可能性のある人であるとする。
【0051】
従って本発明は、アテローム性動脈硬化疾患事象の最初の発生または後の発生を予防またはリスク低減する方法であって、そのような事象のリスクを有する患者に対して、予防上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する方法をも提供する。その患者は、投与時点ですでにアテローム性動脈硬化疾患を有していても良く、あるいはそれを発症するリスクを有していても良い。
【0052】
本発明の方法は、新たなアテローム性動脈硬化性の病変またはプラーク形成を予防または遅延させ、そして既存の病変またはプラークの進行を予防または遅延させ、さらには既存の病変またはプラークの退行を生じさせる上で役立つ。従って、本発明の1態様には、アテローム性動脈硬化性プラーク進行の停止または遅延などのアテローム性動脈硬化進行の停止または遅延方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する方法が関与する。この方法には、その治療を開始する時点で存在するアテローム性動脈硬化性プラーク(すなわち、「既存アテローム性動脈硬化性プラーク」)の進行の停止または遅延、ならびにアテローム性動脈硬化患者での新たなアテローム性動脈硬化性プラーク形成の停止または遅延も含まれる。
【0053】
本発明の別の態様には、その治療を開始する時点で存在するアテローム性動脈硬化性プラークの退行などのアテローム性動脈硬化の退行方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する方法が関与する。
【0054】
本発明の別の態様には、アテローム性動脈硬化性プラークの破裂の予防またはリスク低減方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する方法が関与する。
【0055】
「患者」という用語は、医学的状態の予防または治療を目的として本発明の活性剤を使用する哺乳動物、特にはヒトを含むものである。患者への薬剤の投与は、自己投与および別の人物による患者への投与の両方を含む。患者は、既存の疾患もしくは医学的状態のために治療を必要としている場合があるか、あるいはロイコトリエン生合成の阻害によって影響される疾患および医学的状態を予防もしくはリスク低減するための予防的処置を望んでいる場合がある。
【0056】
「治療上有効量」という用語は、研究者、獣医、医師その他の臨床関係者が追求している組織、系、動物またはヒトの生体応答または医学的応答を誘発する薬剤または医薬の量を意味するものとする。「予防上有効量」という用語は、研究者、獣医、医師その他の臨床関係者が組織、系、動物またはヒトにおいて予防することを求めている生体事象または医学的事象の発生を予防またはリスク低減する医薬の量を意味するものとする。
【0057】
予防または治療に用いる際の式Iの化合物の用量範囲は、当然のことながら治療すべき状態の重篤度や、式Iの特定の化合物およびその投与経路に応じて変わる。さらに、その用量範囲は、個々の患者の年齢、体重および応答に応じても異なる。一般に、抗喘息、抗炎症、抗アレルギーまたは抗アテローム性動脈硬化用の使用および一般に細胞保護以外の用途での1日用量範囲は、哺乳動物の体重1kgにつき、約0.001〜約100mg、好ましくは0.01mg〜約10mg/kg、最も好ましくは0.1〜1mg/kgの範囲であり、単回投与または分割投与する。他方、その範囲外の用量を用いることが必要な場合もあり得る。
【0058】
静脈投与用組成物を用いる場合、抗喘息、抗炎症、抗アテローム性動脈硬化または抗アレルギーに好適な用量範囲は、1日当たり体重1kgにつき式Iの化合物約0.001〜約25mg(好ましくは、0.01〜約1mg)であり、細胞保護用には、1日当たり体重1kgにつき式Iの化合物約0.1〜約100mg(好ましくは、約1〜約100mg、より好ましくは、約1〜約10mg)である。
【0059】
経口組成物を用いる場合、抗喘息、抗炎症、抗アレルギーまたは抗アテローム性動脈硬化に好適な用量範囲は、例えば、1日当たり体重1kgにつき式Iの化合物約0.01〜約100mg、好ましくは約0.1〜約10mgであり、細胞保護用には、1日当たり体重1kgにつき式Iの化合物約0.1〜約100mg(好ましくは、約1〜約100mg、より好ましくは、約10〜約100mg)である。
【0060】
眼球疾患の治療の場合、許容される点眼製剤中に0.001〜1重量%の式Iの化合物の溶液または縣濁液を含む点眼用の眼科製剤を用いることができる。
【0061】
細胞保護剤として用いる場合の式Iの化合物の実際の量は、特に、損傷した細胞を治癒するために投与するか将来的な損傷を回避するために投与するかを問わず、損傷細胞の性質(例えば、消化管の潰瘍形成とネフローゼ性壊死)および原因物質の性質によって決まる。将来的な損傷を回避するための式Iの化合物の使用例としては、式Iの化合物と、他の場合では上記のような損傷を引き起こし得るNSAID(例えば、インドメタシン)とを同時投与するものが考えられる。そのような使用の場合、式Iの化合物を、NSAID投与の30分前から投与後30分までの間に投与する。好ましくは、式Iの化合物をNSAIDの投与前または同時に(例えば、組合せ製剤で)投与する。
【0062】
本発明の医薬組成物は、有効成分としての式Iの化合物ならびに製薬上許容される担体および適宜の他の治療成分を含む。
【0063】
哺乳動物、特にヒトに、有効な用量の本発明の化合物を投与する場合には、いずれか適当な投与経路を用いることができる。例えば、経口、直腸、局所、非経口、眼球、肺、経鼻などの経路などを用いることができる。製剤には、錠剤、トローチ、分散液、縣濁液、液剤、カプセル、クリーム、軟膏、エアロゾルなどがある。
【0064】
前記組成物には、経口、直腸、局所、非経口(皮下、筋肉および静脈を含む)、眼球(眼科)、肺(経鼻もしくは口腔吸入)または経鼻投与に適した組成物などがある。ただし、いずれの場合においても最も好適な経路は、治療を受ける症状の性質および重度ならびに有効成分の性質によって決まる。その組成物は、単位製剤で簡便に提供することができ、製薬業界において公知の方法によって製造することができる。
【0065】
吸入により投与する場合、本発明の化合物は、圧縮パックまたは噴霧器からエアロゾル噴霧剤の形態で簡便に投与される。その化合物は、製剤可能な粉剤として投与しても良く、その粉剤組成物は、通気用粉剤吸入装置を介して吸入することができる。好ましい吸入投与システムは、計量吸入(MDI)エアロゾルであり、そのエアロゾルは、フルオロカーボンまたは炭化水素のような好適な推進剤中の式Iの化合物の縣濁液または液剤として製剤することができる。
【0066】
式Iの化合物の好適な局所用製剤には、経皮装置、エアゾール、クリーム、軟膏、ローション、粉剤などがある。
【0067】
実際の使用に際して、式Iの化合物は、従来の医薬配合法に従って有効成分として医薬担体と十分に混合して組み合わせることができる。担体は、投与に望ましい製剤の形態、例えば、経口または非経口(静脈投与など)形態に応じて、非常に多様な形態をとり得る。経口製剤用組成物を製造する場合、例えば、縣濁液、エリキシル剤および液剤のような経口液体製剤の場合には、例えば水、グリコール類、オイル、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤などの通常の医薬媒体を用いることができ、あるいは、例えば粉剤、カプセルおよび錠剤のような経口固体製剤の場合には、デンプン、糖、微晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの担体を用いることができるが、液体製剤より固体経口製剤の方が好ましい。投与が容易であることから、錠剤およびカプセルが最も有利な経口単位製剤であり、その場合、固体医薬担体が用いられることは明らかである。所望に応じて、錠剤は、標準的な水系または非水系法に従ってコーティングすることができる。
【0068】
上記の一般的な製剤以外にも、式Iの化合物は、米国特許第3845770号;3916899号;3536809号;3598123号;3630200号;4008719号;および5366738号(これら開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれるものとする)に記載のものなどの徐放手段および/または投与機器を用いて投与することもできる。
【0069】
経口投与に適した本発明の医薬組成物は、それぞれが所定量の有効成分を含むカプセル、カシェ剤もしくは錠剤のような個別の単位として;粉末もしくは顆粒として;あるいは水系液体、非水系液体、水中油滴型乳濁液もしくは油中水滴型乳濁液として提供することができる。そのような組成物は、いずれの製薬法によっても製造可能であるが、いずれの方法も、有効成分と1種以上の必要な成分を構成する担体とを混合する段階を有する。一般に、その組成物は、有効成分と液体担体もしくは微粉砕固体担体またはその両方を均質かつ十分に混合し、次に必要であれば、その生成物を所望の剤形に成形することで製造される。例えば錠剤は、適宜に1種以上の補助成分を加えて、圧縮または成形して製造することができる。圧縮錠は、粉末または顆粒のような自由流動形態の有効成分を、適宜に結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤と混合して、好適な機械で圧縮して製造することができる。成形錠は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械で成型して製造することができる。望ましくは、各錠剤は有効成分約1〜約500mgを含み、各カシェ剤またはカプセルは有効成分約1〜約500mgを含む。
【0070】
以下は、式Iの化合物の代表的な医薬製剤の例である。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
【表3】

【0074】
【表4】

【0075】
本発明はまた、式Iの化合物と製薬上許容される担体とを組み合わせる段階を有する医薬組成物の製造方法をも包含する。式Iの化合物と製薬上許容される担体とを組み合わせることで製造される医薬組成物も包含される。
【0076】
治療上有効量の式Iの化合物は、本明細書に記載の用量で本明細書に記載の状態を治療または予防する上で有用な医薬の製造に用いることができる。例えば、式Iの化合物は、喘息、アレルギーおよびアレルギー状態、炎症、COPDまたはびらん性胃炎の治療において有用な医薬の製造で用いることができる。さらにその医薬は、アテローム性動脈硬化疾患発症の予防またはリスク低減、一旦臨床的に顕れた場合にはアテローム性動脈硬化疾患の進行の停止または遅延、さらにはアテローム性動脈硬化疾患事象の第1の発生またはその後の発生の予防またはリスク低減において有用であることができる。式Iの化合物を含む医薬は、下記に記載のものなどの1以上の別の活性薬剤を用いる製造することもできる。
【0077】
1以上の別の活性薬剤を単一の製剤で本発明の式Iの化合物と組み合わせて用いることができるか、あるいはその組合せの活性薬剤を別個の製剤で患者に投与することができ、それによって活性薬剤を同時または順次投与することができる。
【0078】
式Iの化合物以外に、本発明の医薬組成物は、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID類)、ゾメピラックジフルニサルのような末梢感覚脱失剤などの他の活性薬剤(すなわち有効成分)をさらに含むことができる。その第2の有効成分に対する式Iの化合物の重量比は、各成分の有効用量に応じて変わり得るものであり、それによって決まる。一般に、それぞれの有効用量を用いる。従って、例えば式Iの化合物をNSAIDと組み合わせる場合、NSAIDに対する式Iの化合物の重量比は、約1000:1〜約1:1000の範囲、好ましくは約200:1〜約1:200の範囲である。式Iの化合物と他の有効成分との組み合わせも上記範囲内であるが、いずれの場合も各有効成分の有効用量を用いるべきである。
【0079】
NSAIDは特性により、
(1)プロピオン酸誘導体;
(2)酢酸誘導体;
(3)フェナム酸誘導体;
(4)オキシカム類;および
(5)ビフェニルカルボン酸誘導体、あるいはこれらの製薬上許容される塩
という5種類の群に分類することができる。
【0080】
使用可能なプロピオン酸誘導体には、アミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキサン酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノ−プロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸およびチオキサプロフェンなどがある。同様の鎮痛性および抗炎症性を有する構造的に関連のあるプロピオン酸誘導体も、この群に包含されるものとする。
【0081】
従って、本明細書で定義の「プロピオン酸誘導体」とは、代表的には直接またはカルボニル官能基を介して環系、好ましくは芳香環系に結合した遊離の−CH(CH)COOHまたは−CHCHCOOH基(製薬上許容される塩の基の形態、例えば−CH(CH)COONaまたは−CHCHCOONaであっても良い)を有する非麻酔性鎮痛剤/非ステロイド系抗炎症剤である。
【0082】
使用可能な酢酸誘導体には、好ましいNSAIDであるインドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナック、クリダナック、ジクロフェナック、フェンクロフェナック、フェンクローズ酸、フェンチアザック、フロフェナック、イブフェナック、イソキセパック、オキシピナック、スリンダック、チオピナック、トルメチン、ジドメタシンおよびゾメピラックなどがある。同様の鎮痛性および抗炎症性を有する構造的に関連のある酢酸誘導体もこの群に包含されるものとする。
【0083】
従って、本明細書で定義の「酢酸誘導体」は、代表的には環系、好ましくは芳香環系またはヘテロ芳香環系に直接結合した遊離の−CHCOOH基(製薬上許容される塩の基の形態、例えば−CHCOONaであっても良い)を有する非麻酔性鎮痛剤/非ステロイド系抗炎症剤である。
【0084】
使用可能なフェナム酸誘導体には、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸およびトルフェナム酸が含まれる。同様の麻酔特性および抗炎症特性を有する構造的に関連のあるフェナム酸誘導体もこの群に包含されるものとする。
【0085】
従って、本明細書で定義の「フェナム酸誘導体」は、下記の基本構造:
【0086】
【化15】

を有し、各種置換基を有することができ、遊離−COOH基は製薬上許容される塩の基の形態、例えば−COONaであることができる非麻酔性鎮痛剤/非ステロイド系抗炎症剤である。
【0087】
使用可能なビフェニルカルボン酸誘導体には、ジフルニサルおよびフルフェニサルなどがある。同様の鎮痛性および抗炎症性を有する構造的に関連するビフェニルカルボン酸誘導体もこの群に包含されるものとする。
【0088】
従って、本明細書で定義の「ビフェニルカルボン酸誘導体」は、以下の基本構造:
【0089】
【化16】

を有し、各種置換基を有することができ、遊離−COOH基が製薬上許容される塩の基の形態、例えば−COONaであることができる非麻酔性鎮痛剤/非ステロイド系抗炎症剤である。
【0090】
本発明で使用可能なオキシカム類には、イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよびテノキシカムなどがある。同様の鎮痛性および抗炎症性を有する構造的に関連するオキシカムもこの群に包含されるものとする。
【0091】
従って、本明細書で定義の「オキシカム」は、下記一般式:
【0092】
【化17】

(式中、Rはアリールまたはヘテロアリール環系である)を有する非麻酔性鎮痛剤/非ステロイド系抗炎症剤である。
【0093】
以下のNSAID:アムフェナックナトリウム、アミノプロフェン、アニトラザフェン、アントラフェニン、アウラノフィン、ベンダザックリシネート、ベンジダニン、ベプロジン、ブロペラモール、ブフェゾラック、シンメタシン、シプロクアゾン、クロキシメート、ダジダミン、デボキサメット、デルメタシン、デトミジン、デキシンドプロフェン、ジアセレイン、ジ−フィサラミン、ジフェンピラミド、エモルファゾン、エンフェナム酸、エノリカム、エピリゾール、エテルサレート、エトドラック、エトフェナメート、ファネチゾールメシラート、フェンクロラック、フェンドサール、フェンフルミゾール、フェプラゾン、フロクタフェニン、フルニキシン、フルノキサプロフェン、フルプロクアゾン、フォピルトリン、フォスフォサール、フルクロプロフェン、グルカメタシン、グアイメサール、イブプロキサム、イソフェゾラック、イソニキシム、イソプロフェン、イソキシカム、レフェタミンHCl、レフルノミド、ロフェミゾール、ロナゾラックカルシウム、ロチファゾール、ロキソプロフェン、リシンクロニキシネート、メクロフェナメートナトリウム、メセクラゾン、ナブメトン、ニクチンドール、ニメスリド、オルパノキシン、オキサメタシン、オキサパドール、ペリソキサルシトレート、ピメプロフェン、ピメタシン、ピプロキセン、ピラゾラック、ピルフェニドン、プログルメタシン・マレエート、プロクアゾン、ピリドキシプロフェン、スドキシカム、タルメタシン、タルニフルメート、テノキシカム、チアゾリノブタゾン、チエラビンB、チアラミドHCl、チフラミゾール、チメガジン、トルパドール、トリプタミドおよびウフェナメートも用いることができる。
【0094】
社内コード番号(例えば、Pharmaprojects参照)で呼ばれる以下のNSAID類:480156S、AA861、AD1590、AFP802、AFP860、AI77B、AP504、AU8001、BPPC、BW540C、CHINOIN127、CN100、EB382、EL508、F1044、GV3658、ITF182、KCNTEI6090、KME4、LA2851、MR714、MR897、MY309、ONO3144、PR823、PV102、PV108、R830、RS2131、SCR152、SH440、SIR133、SPAS510、SQ27239、ST281、SY6001、TA60、TAI−901(4−ベンゾイル−1−インダンカルボン酸)、TVX2706、U60257、UR2301およびWY41770も用いることができる。
【0095】
最後に、使用可能なNSAIDには、サリチル酸化合物、特にはアセチルサリチル酸およびフェニルブタゾン、ならびにそれらの製薬上許容される塩などがある。
【0096】
インドメタシンに加えて、他の好ましいNSAIDには、アセチルサリチル酸、ジクロフェナック、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダックおよびトルメチンがある。式Iの化合物を含む医薬組成物は、EP138481号(1985年4月24日)、EP115394号(1984年8月8日)、EP136893号(1985年4月10日)およびEP140709号(1985年5月8日)(これらは、参照によって本明細書に組み込まれるものとする)に開示されているようなロイコトリエン生合成阻害剤を含むこともできる。
【0097】
式Iの化合物は、EP106565号(1984年4月25日)およびEP104885号(1984年4月4日)(これらは、参照によって本明細書に組み込まれるものとする)に開示されているものや、EP出願第56172号(1982年7月21日)および同61800号(1982年6月10日);および英国特許出願第2058785号(1981年4月15日)(これらは、参照によって本明細書に組み込まれるものとする)に開示されているもののような当業界で公知の他のものなどのロイコトリエン拮抗剤と併用することもできる。
【0098】
式Iの化合物を含む医薬組成物はまた、第2の有効成分として、EP11067(1980年5月28日)に開示のものなどのプロスタグランジン類縁体または米国特許第4237160号に開示のものなどのトロンボキサン拮抗薬を含むこともできる。その組成物はまた、米国特許第4325961号に記載されているα−フルオロメチルヒスチジンのようなヒスチジンデカルボキシラーゼ阻害剤をも含むことができる。さらに、式Iの化合物は、例えば、アセトアマゾール、EP40696号(1981年12月2日)に開示されているアミノチアジアゾール類、ベナドリル、シメチジン、ファモチジン、フラマミン、ヒスタジル、フェネルガン、ラニチジン、テルフェナジンならびに米国特許第4284408号、同4362736号および同4394508号に開示されているような類似化合物などのHまたはH受容体拮抗薬と有利に組み合わせるのも可能である。その医薬組成物は、米国特許第4255431号に開示されているオメプラゾールのようなK/HATPase阻害剤などをさらに含むことができる。また、式Iの化合物は、英国特許出願第1144905号および同1144906号に記載の1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパンおよび関連化合物のようなほとんどの細胞安定化剤と効果的に組み合わせることもできる。別の有用な医薬組成物は、メチセルギドのようなセロトニン拮抗剤、文献(Nature, 316, 126-131 (1985))に記載のセロトニン拮抗剤などとの組み合わせで式Iの化合物を含む。この段落で引用した各参考文献は、参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0099】
他の有利な医薬組成物は、抗コリン作働薬(例えば、臭化イプラトロピウム)、気管支拡張剤(例えば、β−作働薬サルブタモール、メタプロテレノール、テルブタリン、フェノテロールなど)、抗喘息剤(テオフィリン、コリンテオフィリネートおよびエンプロフィリン)、カルシウム拮抗剤(ニフェジピン、ジルチアゼム、ニトレンジピン、ベラパミル、ニモジピン、フェロジピンなど)およびコルチコステロイド類(ヒドロコルチゾン、メチルプレドニソロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ベクロメタゾン)などとの組み合わせで式Iの化合物を含む。
【0100】
さらに、抗アテローム性動脈硬化剤などの別の活性薬剤を、本発明の式Iの化合物と併用することができる。その別の活性薬剤または複数の活性薬剤は、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬などの脂質改変性化合物、または他の医薬活性を有する薬剤、または脂質改変効果と他の医薬活性の両方を有する薬剤であることができる。それに関して有用なHMG−CoAレダクターゼ阻害薬の例には、ラクトン型またはジヒドロキシ開環酸型でのスタチン類ならびにそれらの製薬上許容される塩およびエステルなどがあり、それにはロバスタチン(米国特許第4342767号参照);シンバスタチン(米国特許第4444784号参照);ジヒドロキシ開環酸であるシンバスタチン、特にはそれのアンモニウム塩またはカルシウム塩;プラバスタチン、特にはそれのナトリウム塩(米国特許第4346227号参照);フルバスタチン、特にはそれのナトリウム塩(米国特許第5354772号参照);アトルバスタチン、特にはそれのカルシウム塩(米国特許第5273995号参照);NK−104とも称されるニスバスタチン(PCT国際公開番号WO97/23200参照);およびロスバスタチン(ZD−4522とも称される、米国特許第5260440号参照)などがあるが、これらに限定されるものではない。式Iの化合物と併用可能な別の活性薬剤には、HMG−CoA合成酵素阻害薬;米国特許第Re.37721号および同5846966号に記載の1−(4−フルオロフェニル)−3(R)−[3(S)−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル)]−4(S)−(4−ヒドロキシフェニル)−2−アゼチジノンであるエゼチミベなどのコレステロール吸収阻害薬;例えばJTT−705およびCP529414などのコレステロールエステル転移タンパク質(CETP)阻害薬;スクアレンエポキシダーゼ阻害薬;スクアレンシンターゼ阻害薬(スクアレンシンターゼ阻害薬とも称される);ACAT−1またはACAT−2の選択的阻害薬ならびにACAT1および−2の二重阻害薬などのアシル−補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害薬;ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質(MTP)阻害薬;プロブコール;ナイアシン;胆汁酸封鎖剤;LDL(低密度リポタンパク質)受容体誘導物質;例えば糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体拮抗薬およびアスピリンなどの血小板凝集阻害薬;例えばグリタゾン、ピオグリタゾンおよびロシグリタゾンなどのグリタゾン類と一般に称される化合物そしてチアゾリジンジオン類と称される構造種に含まれる化合物ならびにチアゾリジンジオン構造種外のPPARγ作働薬などのヒトペルオキシゾーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)作働薬;クロフィブレート、微細化フェノフィブレートなどのフェノフィブレートおよびゲムフィブロジルなどのPPARα作働薬;KRP−297と称される5−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)メチル]−2−メトキシ−N−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−ベンズアミドなどのPPAR二重α/γ作働薬;ビタミンB6(ピリドキシンとも称される)およびHCl塩などのそれの製薬上許容される塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとも称される);葉酸あるいはナトリウム塩およびメチルグルカミン塩などのそれの製薬上許容される塩またはエステル;ビタミンCおよびEおよびβ−カロテンなどの抗酸化性ビタミン類;β−遮断薬;ロサルタンなどのアンギオテンシンII拮抗薬;エナラプリルおよびカプトプリルなどのアンギオテンシン変換酵素阻害薬;ニフェジピンおよびジルチアザム(diltiazam)などのカルシウムチャンネル遮断薬;エンドテリン拮抗薬;ABC1遺伝子発現を促進する薬剤;阻害薬および作働薬の両方を含むFXRおよびLXRリガンド;アレンドロネート・ナトリウムなどのビスホスホネート化合物;ならびにロフェコキシブおよびセレコキシブなどのシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0101】
式Iの化合物については、下記のアッセイを用いて試験を行い、それの哺乳動物ロイコトリエン阻害活性を確認することができる。代表的な式Iの被験化合物は、ロイコトリエン生合成阻害薬であることが明らかになっており、下記のヒト多形核白血球LTB4アッセイでそれぞれが500nM以下のIC50を有する。代表的な被験化合物は、いずれも下記に記載のヒト5−リポキシゲナーゼ酵素アッセイおよび5−リポキシゲナーゼヒト全血アッセイのいずれかまたは両方で5−LO阻害薬としての活性を有することも明らかになった。
【0102】
ヒト多形核(PMN)白血球LTB4アッセイ
過去7日間以内に医薬を服用していない同意を得ている志願者からの静脈穿刺によって、ヒト血液を採取した。得られた血液を直ちに、10%((体積比))クエン酸トリナトリウム(0.13M)に加えた。赤血球のデキストラン沈降とそれに続くヒストペーク(Histopaque)−1077(シグマ(Sigma))による遠心によって、抗凝固剤処理した血液からPMNを単離した。低張細胞溶解によって、混入している赤血球を除去した。Ca2+(1.4mM)およびMg2+(0.7mM)を含むHEPES(15mM)緩衝ハンクス液、pH7.4に2.5×10/mLでPMNを再懸濁させた。
【0103】
PMN(0.5mL;細胞1.25×10個)を、1.2mLプラスチック管(Marsch Biomedical Products)に入れ、所望濃度の被験化合物または対照としての媒体(DMSO)2μLとともにインキュベートした(37℃、2分間)。カルシウムイオノフォアA23187(シグマ、最終濃度10μM)または対照サンプルでは媒体を加えることでLTBの合成を開始し、37℃で5分間進行させた。冷メタノール(0.25mL)を加えることで反応停止した。
【0104】
LTB酵素イムノアッセイキットに入っているアッセイ・デザインズ(Assay Designs)のアッセイ緩衝液で、サンプルを4倍希釈した。LTB内容物の定量を、製造者のプロトコールに従って行った。4−パラメータアルゴリズムを用いて阻害用量−応答曲線を構築し、それからIC50値を求めた。
【0105】
ヒト5−リポオキシゲナーゼ酵素アッセイ
分光測光的アッセイおよび酵素源としての組換えヒト5−リポキシゲナーゼを用いて、5−リポキシゲナーゼの活性を測定した。パーシバルらの報告(Percival et al., Eur. J. Biochem 210, 109-117, 1992)に記載のヒト5−リポキシゲナーゼのコード配列を含む組換えバキュロウィルスrvH5LO(8−1)で感染させたSf9細胞から、ヒト5−リポキシゲナーゼを精製した。若干の変更を加えたリーンドーらの報告(Riendeau et al., Biochem, Pharmacol, 38, 2313-2321, 1989)に記載の手順を用いて、共役ジエン形成の至適速度(238nmでの吸光度)から分光測光アッセイを用いて酵素活性を測定した。インキュベーション混合物には、25mMリン酸カリウム、pH7.5、0.1mM EDTA、0.3mM CaCl、24μg/mLホスファチジルコリン、0.1mM ATP、0.5mM DTT、20μMアラキドン酸(100倍エタノール溶液から2μL)、阻害薬(100倍DMSO溶液から2μL量)および精製5−リポキシゲナーゼの少量サンプルを含有させた。精製5−リポキシゲナーゼを加えることで反応を開始し、室温で5分間にわたり、共役ジエン生成速度を追跡した。反応はコスター(Costar)UVプレート(カタログ番号3635)で行い、SOFTmaxPROソフトウェアを用いてモレキュラー・デバイシーズ(Molecular Devices)UV/VIS96ウェル分光光度計(Spectra Max 190)で238nmでの吸光度変化を記録した。36秒間にわたる238nmでの吸光度増加の直線回帰によって、反応の至適速度から酵素活性を計算した。ジエン形成速度が低い場合(<0.01吸光度単位/分)は、直線回帰を180秒間にわたって行う。結果は、DMSO媒体を含む対照と比較した反応速度の阻害パーセント(代表的には0.001〜0.005吸光度単位/分として表す。
【0106】
5−リポオキシゲナーゼヒト全血アッセイ
同意を得ている志願者から静脈穿刺によって、ヘパリン処理した管に新鮮な血液を採取した。その志願者には、外見的に炎症状態はなく、採血前の少なくとも4日間にわたって非ステロイド系抗炎症剤を服用していなかった。血液約10mLを遠心することによって、各個々の志願者の血液から血漿を分離した。50mMカルシウムイオノフォアA23187(Sigma, St Louis, Mo. USA)/DMSO原液を、各被験者の血漿で20倍希釈して、2.5mMの作業溶液を得た。各血液の小分けサンプル500μLを、媒体(DMSO)または被験化合物のDMSO溶液のいずれか1μLとともに37℃で15分間前インキュベートした。血漿または2.5mM作業溶液のいずれか5μL(各実験において、血液および血漿は同じ志願者からのものとした)を加えることでA23187の最終濃度を25μMとして、それを追跡した。血液混合物を37℃で30分間インキュベートしてから、1500gにて4℃で10分間遠心した。上清血漿を全てのサンプルから回収し、4℃で保存した。全ての上清サンプルについて、アッセイ・デザインズ(Ann Arbor, MI, USA)からのLTB酵素免疫吸着剤アッセイ(EIA)キットを用いて、製造者の説明に従ってロイコトリエンB(LTB)の産生を調べた。
【0107】
本発明の式Iの化合物は、下記の方法および後述の実施例に従って製造することができる。本明細書において使用される一部の略称には、Bu=ブチル;DAST=ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド;DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン;DME=エチレングリコールジメチルエーテル;DMF=N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO=ジメチルスルホキシド;EtOH=エタノール;EtO=ジエチルエーテル;EtN=トリエチルアミン;EtOAc=酢酸エチル;h=時間;HOAc=酢酸;KHMDS=カリウムビス(トリメチルシリル)アミド;LDA=リチウムジイソプロピルアミド;m−CPBA=3−クロロ過安息香酸;MeOH=メタノール;NMP=1−メチル−2−ピロリジノン;OTf=トリフルオロメタンスルホン酸エステル=トリフレート;O−THP=O−テトラヒドロピラン−2−イル;rt=室温;TFA=トリフルオロ酢酸;THF=テトラヒドロフランなどがある。
【0108】
7−ブロモ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシクマリン(構造v−a)を、下記図式1に示した方法に従って製造することができる。v−aの製造方法についての説明は、米国特許第5552437号において、それの第17〜18欄での図式1(構造V)に記載の手順において、そしてその明細書の第58欄で始まる「クマリン類の製造」というタイトルのセクションにおいても記載されている。ブロモフェノールiiを、塩化メチレンなどの溶媒中にてピリジンなどの塩基存在下にiiおよび塩化アセチルの混合物を処理することでアセチル化して相当する酢酸エステルを得ることができ、それを塩化アルミニウムなどのルイス酸とともに無希釈で加熱することで、アシル誘導体iiiが得られる。最初にベンゼンなどの有機溶媒中にて水素化ナトリウムなどの無機塩基とiiiを反応させ、次に炭酸ジエチルなどの炭酸エステルを加えることで、中間体ivを得る。次に、塩化メチレンなどの中性溶媒中、トリエチルアミンなどのアミンの存在下に無水トリフルオロメタンスルホン酸を用いて中間体ivを変換して、相当するトリフレートv−aを得る。
【0109】
【化18】

【0110】
構造v−bのブロモ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシクマリンも、の製造に関して前述した手順に従って製造することができる。
【0111】
【化19】

【0112】
図式2に示したように、トリフレートv−bは、AlClおよびアシルクロライドを用いたブロモフェノール(置換または未置換)のアシル化と、それに続くジクロロエタン中での加熱による転位によって製造することもできる。トルエン中にて炭酸エチルなどの炭酸エステルおよびNaHなどの水素化物で処理することで、フェノールの変換後にトリフレートv−bを得る。
【0113】
【化20】

【0114】
下記の図式において、下記構造式IIIIIIaおよびIIIbについて説明する。
【0115】
【化21】

【0116】
本発明の式Iの化合物は、下記に記載の方法および米国特許第5552437号(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載の方法などの当業界で公知の一般的合成手順を用いて製造することができる。図式A〜Eに示した合成経路を例示のために提供する。これらの図式および図式の説明において、「Ar」という用語は、式Iで定義の「A」と等価である。
【0117】
方法A:文献手順およびそこに引用されている参考文献(Charette, A. B., Giroux, A. J., Org. Chem. 1996, 61, 8718; Ishiyama, T., Murata, M., Miyaura, N., J. Org. Chem. 1995, 60, 7508; Miyaura, N., Suzuki, A., Chem. Rev, 1995, 95, 2457; Murata, M., Watanabe, S., Masuda, Y., J. Org. Chem. 1997, 62, 6458; Watanabe, T., Miyaura, N., Suzuki, A., Synlett, 1992, 207 ; Maddaford, S., Keay, B. A., J. Org. Chem. 1994, 59, 6501; Cristofoli, W. A., Keay, B. A., Tetrahedron Lett. 1991, 32, 5881; Passafaro, M. S., Keay, B. A., Tetrahedron Lett. 1996, 37, 429; Serafin, B., Makosza, M., Tetrahedron, 1963, 19, 821)に従って、ボロン酸およびエステルを相当するハライドから製造することができる。場合によっては、ボロン酸に代えて、トリフレート、スズ誘導体または亜鉛誘導体を用いることができる。
【0118】
図式Aに示したように、トリフレートv−b(米国特許第5552437号)を、DMEなどの不活性溶媒中にて80〜90℃で、適切なボロン酸またはエステル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムおよびフッ化セシウムもしくはNaCOなどの触媒または塩基」で処理してクマリンIIを得た。
【0119】
カップリング生成物IIを、80〜120℃にてDMFまたはNMPでチオールIIIおよびKCOなどの無機塩基で処理することで化合物IVを得る。別法として、チオールIIIを、数分間にわたってメタノール中KOHで処理することができ、溶媒除去して乾固させる。クマリンIIおよび溶媒を加え、混合物を加熱して80〜120℃として、IVを得る。
【0120】
合成のいずれかの時点で、R=OHである場合には、それをTFA/EtSiHで処理して、脱酸素生成物を得ることができる。脱酸素化は、相当するキサントゲンで行うラジカル反応からも行われる。
【0121】
合成のいずれかの時点で、R=OHである場合には、それをKCOもしくは水素化物などの塩基またはDBUなどの有機塩基とともにアルキルハライドと反応させて、エーテル付加物を得ることができる。それを、無水物またはアシルクロライドでアシル化することもできる。適切な基質上の無機酸または有機酸によって処理することで、脱離生成物アルケンが得られる。その変換は、脱離可能な1個のOH基があれば、いかなる方法にも適用可能である。
【0122】
合成のいずれかの時点で、R=OHである場合、CHCl中にて−78℃でDASTで処理し、反応混合物を徐々に昇温させて0℃とすることで、後処理後に、相当するフッ化物化合物が得られる。化合物v−bおよびIIにおいて、BrはF、ClまたはIに置き換えることができる。
【0123】
スルフィド製造のいずれかの時点で、過酸化水素、m−CPBAなどを用いてスルホキシドまたはスルホンを製造することができる。
【0124】
【化22】

【0125】
方法B:図式Bに示したように、AlClの塩素化溶媒(ジクロロエタンなど)懸濁液に、所望のアシルクロライドを室温で加える。同じ溶媒中の3−ブロモアニソール(置換または未置換)を滴下する。反応終了後、混合物を酸性水に投入する。シリカゲルで精製した後、固体を120〜170℃のピリジン塩酸塩またはCHCl中BBrで処理して、メトキシ基を脱離させる。後処理後、化合物IXが得られる。あるいは、3−ブロモアニソールに代えて3−ブロモフェノールを用いることができる。3−ブロモフェノールおよびAlClをアシルクロライドで処理し、次に塩素化溶媒中で加熱することでIXを得る。
【0126】
ジクロロベンゼンなどの高沸点溶媒中のN,N−ジアルキルアミドに室温で、オキシ塩化リンを加えることで化合物を製造する。30分後、IXを加え、10分後に混合物を適切な時間にわたり140℃で加熱する。あるいはトルエンおよびキシレンなどの高沸点溶媒中にて100〜140℃で、IXをトリフェニルホスホラニリデンで処理して、化合物を得ることができる。ピリジン中または不活性溶媒中にて、フェノールIXを塩基でアシル化してXIIとし、0℃にてKHMDSなどの塩基で処理してを得ることもできる。Xおよび化合物IIIを用いて方法Aに従って、化合物XIが得られる。
【0127】
Arがピリジンである場合、N−オキサイドの製造とそれに続いて無水酢酸での処理および塩基性条件下での加熱を行うことで、それをピリドンに変換することができる。
【0128】
【化23】

【0129】
方法C:図式Cに示したように、THFまたはEtOなどの不活性溶媒中−78℃でBuLiまたはLDAなどの強塩基でチアゾールXIIIを処理し、次にカルボニル誘導体を加えることでIIIを得る。あるいは、XIIIを−78℃にてLDAで処理することで形成されるビス−アニオンを、無水物、エステルまたはアシルクロライドで処理してケトンXIVを得る。ケトンXIVに、市販のグリニャル試薬または鎖の末端に臭素原子またはヨウ素原子を有する好適に保護された(O−THP、ジオキソランなど)脂肪族鎖から製造されるグリニャル試薬を加える。使用される保護基は、グリーンらの著作(″Protective groups in organic synthesis″, Greene, T. W.; Wuts, P. G. M.; 1999, third edition, Wiley and Sons)に記載されている。保護基を脱離させたら、ニトリル、エーテル、カルボン酸、エステルおよびスルフィドなどの他の官能基を導入する。
【0130】
THFまたはEtOなどの不活性溶媒中−78℃で、LDAなどの塩基によってエステルまたはニトリル(CH−X2)を処理し、次にXIVを加えることによっても、IIIを得た。
【0131】
【化24】

【0132】
方法D:図式Dに示したように、フォーティンらの報告(Fortin, R.; Brochu, C. Tetrahedron Lett., 1994, 35 (52), 9681)に従って、アルコールIIIまたはIVからテトラゾール誘導体を製造する。3級アルコールIVのアセトニトリル溶液に室温で、5当量の1H−テトラゾールおよび40%のルイス酸(トリフ酸亜鉛など)を加えた。反応混合物を終夜放置した。NHOAcでの反応停止および溶媒除去後、粗生成物を2/8トルエン:EAから100%EAを用いてシリカゲルで精製した。
【0133】
【化25】

【0134】
方法E:図式Eに示したように、ダミコらの報告(D′Amico and Bartram, J. Org. Chem., 1960, 25, 1336)およびそこに引用の参考文献に従ってチアゾールXVIを製造する。グリニャル試薬(またはリチウム化試薬)を低温で加えて、IIIbを得る。グリニャル試薬を用いると、通常は中間体ケトンが形成される。そのケトンを用いて、異なるグリニャル試薬を加えることができる。あるいは、MeOHまたはHOAc中臭素で(室温から80℃)、あるいはケトンに対してαのClまたはBrを付加させることができる他の方法によってXVIIをハロゲン化して、XVIIを得る。次にそれを、エタノール中アンモニウムジチオカーバメートで処理してIIIbを得る。
【0135】
【化26】

【実施例1】
【0136】
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
段階1:7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
【0137】
【化27】

【0138】
トリフレート(米国特許第5552437号での図式1の化合物)(3.0g、8.0mmol)の(27mL)THF溶液に、4−フルオロフェニルボロン酸(1.2g、8.8mmol)、(PhP)Pd(465mg、0.4mmol)およびNaCO水溶液(8.8mL、17.7mmol)を加えた。混合物を50℃で2時間加熱し、冷却し、NHCl水溶液とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水MgSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲル(トルエン:EtOAc;9:1)でクロマトグラフィー精製して、標題化合物を得た。
【0139】
段階2:1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オール
【0140】
【化28】

【0141】
ジイソプロピルアミン(4.32g、42.6mmol)の(50mL)THF溶液に−78℃で、BuLi(1.6Mヘキサン溶液、26.6mL、42.6mmol)を加えた。15分後、2−メルカプトチアゾール(2.0g、17.0mmol)のTHF(10mL)溶液を滴下した。5分後、1,1,1−トリフルオロ−2−ブタノン(1.07g、8.5mmol)を加えた。混合物を−78℃で3時間攪拌し、NHCl水溶液とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水MgSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲル(ヘキサン:EtOAc;1:1)でクロマトグラフィー精製して標題化合物を得た。
【0142】
段階3:4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
【0143】
【化29】

【0144】
7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン(829mg、2.6mmol)、チオールである1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オール(632mg、2.6mmol)および炭酸カリウム(1.08g、7.8mmol)の1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)(17mL)溶液を、120℃で終夜加熱した。混合物を冷却して室温とし、NHCl水溶液とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して(トルエン:アセトン;95:5)、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.76(s、1H)、7.56(d、1H)、7.44〜7.48(m、3H)、7.36(dd、1H)、7.25(m、2H)、6.39(s、1H)、2.93(brs、1H)、2.12(q、2H)、0.97(t、3H)。
【実施例2】
【0145】
4−(4−フルオロフェニル)−7−{[5−(1−ヒドロキシシクロペンチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン
段階1:1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)シクロペンタノール
【0146】
【化30】

【0147】
1,1,1−トリフルオロ−2−ブタノンに代えてシクロペンタノンを用いた以外は、チオールである1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オールについての実施例1段階2に記載の手順に従って、標題化合物を得た。
【0148】
段階2:4−(4−フルオロフェニル)−7−{[5−(1−ヒドロキシシクロペンチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン
【0149】
【化31】

【0150】
記載のチオールに代えて1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)シクロペンタノールを用いた以外は4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オンについての実施例1段階3に記載の手順に従って、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.78(s、1H)、7.66(m、2H)、7.52(d、1H)、7.45(d、1H)、7.37〜7.41(m、3H)、6.39(s、1H)、4.69(s、1H)、1.90〜2.10(m、6H)、1.80〜1.84(m、2H)。
【実施例3】
【0151】
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
段階1:1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)プロパン−2−オール
【0152】
【化32】

【0153】
1,1,1−トリフルオロ−2−ブタノンに代えてヘキサフルオロアセトンを用いた以外は、チオールである1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オールについての実施例1段階2に記載の手順に従って、標題化合物を得た、ヘキサフルオロアセトンはガスであることから、それは溶液に吹き込んだ。
【0154】
段階2:4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
【0155】
【化33】

【0156】
記載のチオールに代えて1,1,1,3,3、3−ヘキサフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)プロパン−2−オールを用いた以外は、4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オンについての実施例1段階3に記載の手順に従って、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ8.26(s、1H)、8.06(s、1H)、7.74(d、1H)、7.57〜7.70(m、4H)、7.40(t、2H)、6.47(s、1H)。
【実施例4】
【0157】
7−{[5−(1−エチルプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
段階1:3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ペンタン−3−オール
【0158】
【化34】

【0159】
1,1,1−トリフルオロ−2−ブタノンに代えて3−ペンタノンを用いた以外は、チオールである1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オールについての実施例1段階2に記載の手順に従って、標題化合物を得た。
【0160】
段階2:5−(1−エチルプロピル)−1,3−チアゾール−2−チオール
【0161】
【化35】

【0162】
3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ペンタン−3−オール(515mg、2.5mmol)のCHCl(30mL)溶液に0℃で、トリエチルシラン(2.0mL、12.5mmol)およびTFA(2.0mL、25.9mmol)を加えた。混合物を0℃で1時間攪拌し、次に昇温させて室温とした。1時間後、反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で反応停止した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、溶媒を留去した。得られた粗化合物は、アルケンと所望の生成物の混合物を示した。次に、その粗混合物を同じ反応条件で再度処理して、変換を完了させた。粗取得物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して(ヘキサン:EtOAc;95:5から80:20)、標題化合物を得た。
【0163】
段階3:7−{[5−(1−エチルプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
【0164】
【化36】

【0165】
記載のチオールに代えて5−(1−エチルプロピル)−1,3−チアゾール−2−チオールを用いた以外は4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オンについての実施例1段階3に記載の手順に従って、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.64〜7.69(m、3H)、7.51(d、1H)、7.45(d、1H)、7.34〜7.40(m、3H)、6.38(s、1H)、2.84(m、1H)、1.78(m、2H)、1.56(m、2H)、0.87(t、6H)。
【実施例5】
【0166】
7−{[5−(1−エチルプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オンの別途製造
段階1:7−{[5−(1−エチル−1−ヒドロキシプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
【0167】
【化37】

【0168】
記載のチオールに代えて3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ペンタン−3−オール(実施例4の段階1で製造)を用いた以外は、4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オンの製造についての実施例1段階3に記載の手順に従って、標題化合物を得た。
【0169】
H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.70(s、1H)、7.64〜7.67(m、2H)、7.50(d、1H)、7.35〜7.42(m、4H)、6.38(s、1H)、4.45(s、1H)、1.88(q、4H)、0.88(t、6H)。
【0170】
段階2:7−{[5−(1−エチルプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
【0171】
【化38】

【0172】
7−{[5−(1−エチル−1−ヒドロキシプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン(26mg、0.06mmol)のCHCl(1mL)溶液に0℃で、トリエチルシラン(100μL)およびTFA(100μL)を加えた。混合物を0℃で1時間攪拌し、追加のトリエチルシラン(250μL)とともに昇温させて室温とした。溶媒を減圧下に除去し、シリカゲルでクロマトグラフィー精製して(ヘキサン:EtOAc;90:10から80:20)、標題化合物を得た。
【実施例6】
【0173】
4−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
段階1:(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)(4−フルオロフェニル)メタノン
【0174】
【化39】

【0175】
AlCl(14.7g、110mmol)の(250mL)1,2−ジクロロエタン懸濁液に、4−フルオロベンゾイルクロライド(11.8mL、100mmol)を室温で加えた。得られた混合物を室温で15分攪拌した。3−ブロモアニソール(16.8g、90.0mmol)の1,2−ジクロロエタン(20mL)溶液を加えた。室温で1時間後、褐色溶液を氷に投入した。2N HClを水層に加え、次にCHClで抽出した。合わせた有機層を脱水し(MgSO)、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー精製して(EtOAc/ヘキサン5:95から7:93)、固体5.1gを得た。それをEtOAc/ヘキサン(10:90)20mLで磨砕した。濾過から標題化合物を得て、追加の生成物を母液から回収した。
【0176】
段階2:(4−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)(4−フルオロフェニル)メタノン
【0177】
【化40】

【0178】
(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)(4−フルオロフェニル)メタノン(1.60g、5.18mmol)およびピリジン塩酸塩(15.0g、130mmol)の混合物を、170℃で4.5時間加熱し、放冷して室温とした。得られた混合物をEtOで希釈し、2N HCl溶液で洗浄した。エーテル層を1N NaOH溶液で2回抽出した。合わせた水層を酸性とし、EtOで抽出し、合わせた有機を脱水し(MgSO)、濾過し、濃縮した。標題化合物を、若干の不純物を含む黄色固体として得た。それをそのまま次の段階で用いた。
【0179】
段階3:7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−2H−クロメン−2−オン
【0180】
【化41】

【0181】
N,N−ジエチルプロピオンアミド(146μL、1.02mmol)の1,2−ジクロロベンゼン(1mL)溶液に室温で、オキシ塩化リン(95.0μL、1.02mmol)を滴下した。30分後に室温で、(4−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)(4−フルオロフェニル)メタノン(300mg、1.02mmol)を全量一気に加えた。10分後、反応混合物を140℃で16時間加熱し、放冷して室温とした。それを5%NaHCO(20mL)に投入し、得られた混合物を60℃で20分間攪拌し、冷却して室温とし、6N HClで酸性とし(pH=1)、CHClで抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、濾過し、濃縮した。残留物についてシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って(EtOAc/トルエン1:100)、標題化合物を、不純物を約10%含む白色固体として得た。それをそのまま次の段階で用いた。
【0182】
段階4:4−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
【0183】
【化42】

【0184】
記載のチオールに代えて1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)プロパン−2−オールを用い、記載のアリールブロマイドに代えて7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−2H−クロメン−2−オンを用いた以外、4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オンについての実施例1段階3に記載の手順に従って、標題化合物を得た。
【0185】
H NMR(500−MHz、アセトン−d):δ8.24(s、1H)、8.02(s、1H)、7.74(d、1H)、7.47〜7.54(m、3H)、7.41〜7.44(m、2H)、7.15(d、1H)、1.98(s、3H)。
【実施例7】
【0186】
(+)−(S)および(−)−(R)−4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イルチオールクロメン−2−オン
段階1:1,1、1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オールの両方のエナンチオマーのキラルHPLCカラムでの分離
【0187】
【化43】

【0188】
実施例1段階2からの(±)−1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オール(1.2g)のEtOH/ヘキサン(20mL、1:4)溶液を、キラルパック(CHIRALPAK)AD分取(5cm×50cm)HPLCカラム(ヘキサン/EtOH4:1で溶離;流量75mL/分で280nmでのUV検出)に注入した(1.2gを1回)。エナンチオマーを分離し、先に溶出したエナンチオマーは約19分の保持時間を有しており(エナンチオマー#1、(2S)−1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オール)および遅く溶出したエナンチオマーは約34分の保持時間を有していた(エナンチオマー#2、(2R)−1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オール)。溶出液を濃縮して、エナンチオマー#1(0.468g、99%ee)およびエナンチオマー#2(0.426g、98%ee)を得た。
【0189】
段階2a:(+)−(S)−4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
【0190】
【化44】

【0191】
実施例1段階3の手順を用いて、NMP中にて7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン(0.307g、0.96mmol)、本実施例段階1からのチオールであるエナンチオマー#1(0.234g、0.96mmol)およびKCO(0.400g、2.9mmol)を用い、12時間加熱することで、標題化合物を得た。
【0192】
[α]25+16.2°(c=0.26、CHCl)。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.76(s、1H)、7.56(d、1H)、7.44〜7.48(m、3H)、7.36(dd、1H)、7.25(m、2H)、6.39(s、1H)、2.93(brs、1H)、2.12(q、2H)、0.97(t、3H)。
【0193】
段階2b:(−)−(R)−4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
【0194】
【化45】

【0195】
実施例1段階3の手順を用いて、NMP中にて7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン(0.307g、0.96mmol)、本実施例段階1からのチオールであるエナンチオマー#2(0.234g、0.96mmol)およびKCO(0.400g、2.9mmol)を用い、12時間加熱することで、標題化合物を得た。
【0196】
[α]25=−18°(c=0.25、CHCl)。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.76(s、1H)、7.56(d、1H)、7.44〜7.48(m、3H)、7.36(dd、1H)、7.25(m、2H)、6.39(s、1H)、2.93(brs、1H)、2.12(q、2H)、0.97(t、3H)。
【実施例8】
【0197】
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)2H−クロメン−2−オン
段階1:ジシクロプロピル(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)メタノール
【0198】
【化46】

【0199】
LDA(59mmol)のTHF溶液を−10℃で調製し、冷却して−78℃とした。そのLDAに、2−メルカプトチアゾール(3.00g、25.6mmol)のTHF(5mL)溶液を加えた。15〜20分間攪拌後、ジシクロプロピルケトン(3.67g、33.3mmol)の(5mL)THF溶液を滴下した。−78℃で15分後、昇温させて0℃とし、30〜60分間そのままにした。混合物をNHClで反応停止し、EtOAcで希釈した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水MgSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して(トルエン/アセトン;85:15)、標題化合物を得た。
【0200】
段階2:7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシル)メチル−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
【0201】
【化47】

【0202】
実施例1段階3の手順を用いて、7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン(0.300g、0.94mmol)、ジシクロプロピル(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)メタノール(0.214g、0.94mmol)およびKCO(0.390g、2.8mmol)を用い、NMP中で10時間加熱して、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.90(s、1H)、7.66(m、2H)、7.51(d、1H)、7.45(s、1H)、7.39(m、3H)、6.39、(s、1H)、4.29(s、1H)、1.34(m、2H)、0.4〜0.7(m、8H)。
【実施例9】
【0203】
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン
段階1:7−ブロモ−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン
【0204】
【化48】

【0205】
市販の7−ヒドロキシ−4−(3−ピリジル)クマリン(1.48g、6.19mmol)およびトリフェニルホスフィンジブロマイド(5.22g、12.4mmol)を、砂浴中320〜350℃にて1.5時間加熱した。冷却した固体をエタノール(200mL)およびシリカゲル(100g)で取り、溶媒留去して乾固させた。カラムクロマトグラフィー(トルエン/アセトン;80:20)によって、標題化合物0.56gを得た。
【0206】
段階2:7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシル)メチル}−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン
【0207】
【化49】

【0208】
実施例1段階3の手順を用いて、7−ブロモ−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン(0.531g、1.76mmol)、ジシクロプロピル(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)メタノール(0.400g、1.76mmol)およびKCO(0.730g、5.3mmol)のNMP溶液を用い、10時間加熱して、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ8.79(s、2H)、8.40(d、1H)、7.91(s、1H)、7.62(m、1H)、7.47(m、2H)、7.39(d、2H)、4.29(s、1H)、1.33(m、2H)、0.42〜0.68(m、8H)。
【実施例10】
【0209】
7−({5−[1,3−ジヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
段階1:2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)エタノン
【0210】
【化50】

【0211】
LDA(95.4mmol)のTHF溶液を−10℃で調製し、冷却して−78℃とした。そのLDAに、2−メルカプトチアゾール(10.00g、85.3mmol)のTHF(25mL)溶液を加えた。15〜30分間攪拌した後、トリフルオロ酢酸エチル(13.2mL、110.9mmol)のTHF(15mL)溶液を加えた。溶液を−10℃とし、NHClと次にHCl(10%)によって反応停止し、EtOAcで希釈した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水MgSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して(1%メタノールを含むトルエン/アセトン;8:2)、標題化合物を得た。
【0212】
段階2:3−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル−プロパン−2−オール
【0213】
【化51】

【0214】
マグネシウム(0.93g、38mmol)および2−(ブロモメチル)−1,3−ジオキソラン(6.34g、38mmol)の混合物を、THF中にて3時間加熱還流した。段階1のケトン(1.00g、4.69mmol)のTHF(10mL)溶液を加え、混合物を終夜還流下に放置した。それを冷却して室温とし、NHClと次にHCl(10%)によって反応停止した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水MgSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して(CHCl/CHOH;92:8)、標題化合物を得た。
【0215】
段階3:7−({5−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
【0216】
【化52】

【0217】
実施例1段階3の手順を用いて、NMP中の7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン(0.319g、1.0mmol)、3−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル−プロパン−2−オール(0.300g、1.0mmol)およびKCO(0.414g、3.0mmol)を用い、12時間加熱して、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.96(1H)、7.66(m、2H)、7.55(m、2H)、7.45(dd、1H)、7.39(m、2H)、6.42(s、1H)、6.14(s、1H)、5.01(t、1H)、3.96(m、2H)、3.81(m、2H)、2.57(dd、1H)、2.43(dd、1H)。
【0218】
段階4:7−({5−[1,3−ジヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
【0219】
【化53】

【0220】
段階3のジオキソラン(0.144g、0.26mmol)を、ジオキサン1.2mLおよび水0.6mL中にてp−トルエンスルホン酸(0.025g、0.13mmol)とともに18時間加熱して、アルデヒドを得た。得られた粗アルデヒドをNaBH(0.021g、0.56mmol)で処理して、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.90(s、1H)、7.68(m、2H)、7.62(s、1H)、7.56(dd、1H)、7.47(dd、1H)、7.38(t、2H)、6.67(s、lH)、6.41(s、1H)、4.68(t、1H)、3.85(m、2H)、2.45(m、1H)、2.37(m、1H)。
【実施例11】
【0221】
7−{5−[(1R)1,3−ジヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
段階1:(3R)−4,4,4−トリフルオロ−3−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−クロメン−7−イル]チオ}−1,3−チアゾール−5−3−ヒドロキシブタン酸メチル
【0222】
【化54】

【0223】
(3R)−4,4,4−トリフルオロ−3−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−クロメン−7−イル]チオ)−1,3−チアゾール−5−イル)−3−ヒドロキシブタン酸(実施例12段階4b参照)(0.140g、0.27mmol)のTHF溶液に、ガス発生が終了するまでジアゾメタンのエーテル溶液を加えた。溶媒を除去して、粗標題化合物0.120gを得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.96(s、1H)、7.77(m、2H)、7.58(m、2H)、7.48(d、1H)、7.39(t、2H)、6.53、(s、1H)、6.42(s、1H)、3.63(s、3H)、3.40(d、1H)、3.25(d、1H)。
【0224】
段階2:7−({5−[(1R)−1,3−ジヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
【0225】
【化55】

【0226】
(3R)−4,4,4−トリフルオロ−3−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−クロメン−7−イル]チオ}−1,3−チアゾール−5−イル)−3−ヒドロキシブタン酸メチル(0.120g)のTHF溶液に−90℃で、LAH 1.0Mのエーテル溶液(0.29mL)を滴下した。25分後、溶液をNHClで反応停止し、室温とした。EtOAcで抽出後、溶液をMgSOで脱水し、溶媒を減圧下に除去した。その粗混合物をNaBHのメタノール溶液で0℃にて15分間処置した。混合物をNHClで反応停止し、EtOAcで抽出した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc;55:45)によって、標題化合物を単離した。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.90(s、1H)、7.68(m、2H)、7.62(s、1H)、7.56(dd、1H)、7.47(dd、1H)、7.38(t、2H)、6.67(s、1H)、6.41(s、1H)、4.68(t、1H)、3.85(m、2H)、2.45(m、1H)、2.37(m、1H)。
【実施例12】
【0227】
(+)−(3R)および(−)−(3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−クロメン−7−イル]チオ}−1,3−チアゾール−5−イル)−3−ヒドロキシブタン酸
段階1:(±)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン酸メチル
【0228】
【化56】

【0229】
LDA(164mmol)のTHF溶液を−10℃で調製し、冷却して−78℃とした。15分後、酢酸メチル(13.1mL、164mmol)のTHF(20mL)溶液を反応液に加えた。5分後、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)エタノン(15.2g、71.2mmol)のTHF(70mL)溶液を加えた。反応混合物を−10℃とし、NHCl水溶液とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をHCl 10%、ブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水した。溶媒を留去し、生成物をヘキサン/エーテルで磨砕して、ラセミ体の標題化合物を得た。
【0230】
段階2:4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン酸メチルのキラルHPLCカラムでの分離
【0231】
【化57】

【0232】
4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン酸メチル(2.0g)のEtOH/ヘキサン(30mL、1:1)溶液を、キラルパックAD分取(5cm×50cm)HPLCカラム(ヘキサン/EtOH7:3で溶離;流量75mL/分で300nmでのUV検出)に注入した(2.0gを1回)。エナンチオマーを分離し、先に溶出したエナンチオマーは約18分の保持時間を有しており(エナンチオマー#1)、遅く溶出したエナンチオマーは約36分の保持時間を有していた(エナンチオマー#2)。溶出液を濃縮して、エナンチオマー#1(99%ee)およびエナンチオマー#2(99%ee)を得た。
【0233】
段階3a:(3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン酸
【0234】
【化58】

【0235】
(3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン酸メチル(エナンチオマー#1、7.54g、26.2mmol)のTHF(80mL)およびMeOH(40mL)溶液に、KOH溶液(39mL、2.67N、105mmol)を加えた。混合物を45℃で4時間加熱し、冷却して室温とした。反応混合物をEtOAcで希釈し、HCl 10%、ブラインで洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒を留去して、標題化合物を定量的収率で得た。
【0236】
段階3b:(3R)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン酸
【0237】
【化59】

【0238】
段階3aの手順に従い、(3R)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン酸メチル(エナンチオマー#2、6.74g、23.4mmol)、KOH(35mL、2.67N、93.8mmol)をTHFおよびMeOH中で用いて、標題化合物を定量的収率で得た。
【0239】
段階4a:(3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−クロメン−7−イル]チオ}−1,3−チアゾール−5−イル)−3−ヒドロキシブタン酸
【0240】
【化60】

【0241】
実施例1段階3の手順を用いて、7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン(0.467g、1.5mmol)、(3S)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン酸(エナンチオマー#1、0.400g、1.5mmol)および炭酸カリウム(0.708g、5.1mmol)をNMP中にて120℃で用いて、標題化合物を得た。シリカゲルで精製を行った(CHCl/MeOH/HOAc;90:10:0.5)。[α]25=−30°(c=0.5、CHCl)。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.99(s、1H)、7.68(m、2H)、7.58(m、2H)、7.48(dd、1H)、7.39(dd、2H)、6.43(s、1H)、3.33(dd、2H)。
【0242】
段階4b:(3R)−4,4,4−トリフルオロ−3−(2−{[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−クロメン−7−イル]チオ}−1,3−チアゾール−5−イル)−3−ヒドロキシブタン酸
【0243】
【化61】

【0244】
実施例1段階3の手順を用いて、7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン(0.488g、1.5mmol)、(3R)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン酸(エナンチオマー#2、0.420g、1.5mmol)および炭酸カリウム(0.740g、5.3mmol)をNMP中にて120℃で用いて、標題化合物を得た。シリカゲルで精製を行った(CHCl/MeOH/HOAc;90:10:0.5)。[α]25=+32°(c=1、CHCl)。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.99(s、1H)、7.68(m、2H)、7.58(m、2H)、7.48(dd、1H)、7.39(dd、2H)、6.43(s、1H)、3.33(dd、2H)。
【実施例13】
【0245】
7−{[5−(1−メチルプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
段階1:2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オール
【0246】
【化62】

【0247】
LDA(59mmol)のTHF溶液を−10℃で調製し、冷却して−78℃とした。そのLDAに、2−メルカプトチアゾール(3.00g、25.6mmol)のTHF(5mL)溶液を加えた。15〜20分間攪拌した後、2−ブタノン溶液(2.23mL、38.4mmol)を加え、反応混合物を−78℃で2時間攪拌した。反応混合物をエーテルで希釈し、2N HCl水溶液、HOおよびブラインの順で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮した。粗生成物をEtOで洗浄して、標題化合物を得た。
【0248】
段階2:4−(4−フルオロフェニル)−7−{[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン
【0249】
【化63】

【0250】
実施例1段階3に記載の手順を用いて、7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン、2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オールおよびKCOをNMP中で用い、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.72(s、1H)、7.63〜7.68(m、2H)、7.51(d、1H)、7.43(d、1H)、7.33〜7.41(m、3H)、6.38(s、1H)、1.93〜1.80(m、2H)、1.61(s、3H)、0.90(t、3H)。
【実施例14】
【0251】
7−[(5−sec−ブチル−1,3−チアゾール−2−イル)チオール−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
段階1:5−sec−ブチル−1,3−チアゾール−2−チオール
【0252】
【化64】

【0253】
記載のアルコールに代えて2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オールを用いた以外は、実施例4段階2に記載の手順に従って、標題化合物を得た。
【0254】
段階2:7−[(5−sec−ブチル−1,3−チアゾール−2−イル)チオール−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
【0255】
【化65】

【0256】
7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン、5−sec−ブチル−1,3−チアゾール−2−チオールおよびKCOを用いた以外、実施例1段階3に記載の手順を用いて、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.58〜7.67(m、3H)、7.52(d、1H)、7.46(d、1H)、7.32〜7.42(m、3H)、6.38(s、1H)、3.08(6重線、1H)、1.83〜1.67(m、2H)、1.32(d、3H)、0.89(t、3H)。
【実施例15】
【0257】
7−{[4−(1−エチル−1−ヒドロキシプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
段階1:3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)ペンタン−3−オール
【0258】
【化66】

【0259】
2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−カルボン酸エチル((参考文献:J. Am. Chem., Soc., 1935, 57, 1127)、0.694g、3.67mmol)のEtO(40mL)溶液に0℃で、EtMgBr(3M EtO溶液、2.7mL、8.07mmol)を加えた。反応混合物を15分間加熱還流し、NHClで反応停止し、EtOで3回抽出し、MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗取得物を追加のEtMgBr(3M EtO溶液、6mL、18mmol)で室温にて10分間処理し、反応停止し、抽出し、同様にして単離した。残留物をEtOおよびEtO/ヘキサンで洗浄して、標題化合物を得た。
【0260】
段階2:7−{[4−(1−エチル−1−ヒドロキシプロピル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
【0261】
【化67】

【0262】
実施例1段階3に記載の手順を用いて、7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オンおよび前述のチオールである3−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)ペンタン−3−オールを用い、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.67〜7.61(m、2H)、7.56(s、1H)、7.51(d、1H)、7.46〜7.30(m、4H)、6.37(s、1H)、2.04〜1.88(m、2H)、1.88〜1.70(m、2H)、0.78(t、6H)。
【実施例16】
【0263】
(+)および(−)7−{[5−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
段階1:(±)−1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)エタノール
【0264】
【化68】

【0265】
シクロプロピルマグネシウムブロマイド(0.5M THF溶液、7.00mL、3.52mmol)を、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)エタノン(0.300g、1.41mmol)のTHF(3mL)溶液に0℃で滴下した。1時間後、飽和NHCl水溶液を加え、水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製して(トルエン/アセトン;85:15)、標題化合物を得た。
【0266】
段階2:(−)−および(+)−1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)エタノールのキラルHPLCでの分離
(±)−1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)エタノール(8.00g)の25:75EtOH/ヘキサン(10mL)溶液を、キラルパックAD分取(5cm×50cm)HPLCカラム(ヘキサン/EtOH15:85で溶離;流量75mL/分で300nmでのUV検出)に注入した(0.600gを1回)。エナンチオマーを分離し、先に溶出したエナンチオマーは約28分の保持時間を有しており((−)−エナンチオマー#1)、遅く溶出したエナンチオマーは約38分の保持時間を有していた((+)−エナンチオマー#2)。溶出液を濃縮して、(−)−エナンチオマー#1{>99%ee、[α]=−79.3°(c=1、EtOH)}および(+)−エナンチオマー#2{>99%ee、[α]=+79.4°(c=1、EtOH)}を得た。
【0267】
段階3a:(+)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
実施例1段階3に記載の手順を用いて、7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン、(+)−1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)エタノールおよび炭酸カリウムをNMP中にて120℃で用いて、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ8.00(s、1H)、7.68(m、2H)、7.56〜7.60(m、2H)、7.48(dd、1H)、7.39(t、2H)、6.43(s、1H)、5.88(s、1H)、1.65(m、1H)、0.82(m、1H)、0.54〜0.71(m、3H);[α]=+29.4°(c=1、EtOH)。
【0268】
段階3b:(−)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン
実施例1段階3に記載の手順を用いて、7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オンおよび(−)−1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)エタノールを用い、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ8.00(s、1H)、7.68(m、2H)、7.56〜7.60(m、2H)、7.48(dd、1H)、7.39(t、2H)、6.43(s、1H)、5.88(s、1H)、1.65(m、1H)、0.82(m、1H)、0.54〜0.71(m、3H);[α]=−29.6°(c=1、EtOH)。
【実施例17】
【0269】
(−)および(+)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン
段階1a:(−)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン
【0270】
【化69】

【0271】
(−)−1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)エタノール(0.507g、1.98mmol)の脱水MeOH(2mL)溶液に、粉末KOH(0.111g、1.98mmol)を加えた。溶液が得られたら、反応混合物を濃縮して乾固させた。脱水トルエンを加え、再度混合物を濃縮して乾固させた。残留物をNMP(2mL)に溶かし、7−ブロモ−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン(0.500g、1.65mmol)を加え、得られた混合物を120℃で16時間攪拌した。冷却したら、混合物をシリカゲルカラムに直接入れ、クロマトグラフィー精製して(アセトン/トルエン5:95から20:80)、標題化合物を得た。H NMR(500MHz、CDCl):δ8.76(brd、1H)、8.68(d、1H)、7.85(s、1H)、7.79(brd、1H)、7.50(m、2H)、7.31〜7.36(m、2H)、6.39(s、1H)、3.05(brs、1H)、1.48(m、1H)、0.71(m、2H)、0.62(m、1H)、0.56(m、1H);[α]=−31.1°(c=1.05、EtOH)。
【0272】
段階1b:(+)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン
【0273】
【化70】

【0274】
本実施例の段階1aに記載の手順を用いて、(+)−1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)エタノールを用い、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ8.78〜8.80(m、2H)、8.04(dt、1H)、8.00(s、1H)、7.61〜7.64(m、2H)、7.54(d、1H)、7.49(dd、1H)、6.52(s、1H)、5.90(s、1H)、1.65(m、1H)、0.82(m、1H)、0.54〜0.71(m、3H);[α]=+30.1°(c=1、EtOH)。
【実施例18】
【0275】
7−({5−[(1Sおよび1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン
段階1:7−ヒドロキシ−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン
【0276】
【化71】

【0277】
レゾルシン(26.7g、242.4mmol)およびベンゾイル酢酸エチル(51.26g、266.7mmol)の混合物に0℃で、濃HSO(65mL)を加えた。得られた懸濁液を室温で24時間攪拌した。水(2リットル)を加え、混合物を1時間攪拌した。固体を濾過し、水(2リットル)で洗浄し、乾燥させて、標題化合物55.78gを得た。
【0278】
段階2:7−ブロモ−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン
【0279】
【化72】

【0280】
7−ヒドロキシ−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン(5.07g、21.3mmol)およびトリフェニルホスフィンジブロマイド(9.88g、23.4mmol)を、砂浴にて320〜350℃で3時間加熱した。冷却した混合物を塩化メチレンに溶かし、シリカゲル(150g)を加え、混合物を溶媒留去した。ヘキサン/EtOAc:70:30でのカラムクロマトグラフィーによって標題化合物を得た。
【0281】
段階3:7−({5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン
【0282】
【化73】

【0283】
実施例1段階3の手順を用いて、7−ブロモ−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン(0.331g、1.1mmol)、実施例7段階1のチオールエナンチオマー#1(0.243g、1mmol)および炭酸カリウム(0415g、3mmol)をNMP中で用い、120℃で20時間加熱して、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.88(s、1H)、7.45〜7.62(m、8H)、6.41(s、1H)、6.10(s、1H、OH)、2.19(q、2H)、0.94(t、3H)。
【0284】
段階4:7−{5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン
【0285】
【化74】

【0286】
本実施例の段階3の手順に従い、実施例7段階1のチオールエナンチオマーを用いて、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.88(s、1H)、7.45〜7.62(m、8H)、6.41(s、1H)、6.10(s、1H、OH)、2.19(q、2H)、0.94(t、3H)。
【実施例19】
【0287】
4−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
段階1:4−(4−フルオロフェニル)−7−ヒドロキシ−8−メチル−2−H−クロメン−2−オン
【0288】
【化75】

【0289】
メチルレゾルシン(12.41g、100mmol)および4−フルオロベンゾイル酢酸メチル(21.8g、110mmol)の混合物に0℃で、濃HSO(27mL)を加えた。得られた懸濁液を40時間経過させた。水(1リットル)を加え、混合物を1時間攪拌した。残留物を濾過し、水(2リットル)で洗浄し、乾燥させて、標題化合物を得た。
【0290】
段階2:7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−2H−クロメン−2−オン
【0291】
【化76】

【0292】
4−(4−フルオロフェニル)−7−ヒドロキシ−8−メチル−2−H−クロメン−2−オン、(4.47g、16.5mol)およびトリフェニルホスフィンジブロマイド(7.68g、18.2mmol)を砂浴にて320〜350℃で0.5時間加熱した。冷却した混合物を塩化メチレンに溶かし、シリカゲルを加え、混合物を溶媒留去した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc;90:10)によって標題化合物を得た。
【0293】
段階3:4−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル)]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2−クロメン−2−オン
【0294】
【化77】

【0295】
実施例1段階3の手順を用いて、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)プロパン−2−オール(0.332g、1.2mmol)、7−ブロモ−4−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−2H−クロメン−2−オン(0.430g、1.3mmol)および炭酸カリウム(0.404g、2.9mmol)をNMP中で用い、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ8.21(s、1H、OH)、7.97(s、1H)、7.36〜7.72(m、6H)、6.50(s、1H)、2.67(s、3H)。
【実施例20】
【0296】
4−(3,5−ジフルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
段階1:酢酸3−フルオロフェニル
【0297】
【化78】

【0298】
3−フルオロフェノール(100g、0.89mol)の脱水CHCl溶液に、ピリジン(79.4mL、0.98mol)を加え、次に塩化アセチル(88.4mL、0.94mol)を滴下した。反応混合物を50℃で2時間攪拌し、EtOAcおよびEtOで希釈した。有機相をHCl 1N(2回)、HO、ブラインの順で洗浄し、NaSOで脱水し、溶媒留去して、標題化合物を得た。
【0299】
段階2:1−(4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン
【0300】
【化79】

【0301】
酢酸3−フルオロフェニル122g(0.79mol)に、AlCl(137g、1.03mol)を加え、得られた混合物を160℃で1.5時間加熱し、冷却して0℃とした。HCl 1Nを注意深く加え、次にEtOを加えた。水相をEtOで抽出し(2回)、合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、溶媒留去して、標題化合物を得た。
【0302】
段階3:7−フルオロ−4−ヒドロキシ−2H−クロメン−2−オン
【0303】
【化80】

【0304】
NaH(オイル中60%品、65g、1.63mol)のトルエン中懸濁液に、1−(4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(50g、0.33mol)のトルエン溶液を30分間かけて加えた。次に、炭酸ジエチル(59mL、0.49mol)を15分間かけて加え、反応混合物を115℃で6時間攪拌した。混合物を冷却して室温とし、次にHCl 2Nを加え、EtOAcで希釈した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、溶媒留去した。残留物をヘキサンおよびEtO中での磨砕によって精製して、標題化合物を得た。
【0305】
段階4:トリフルオロメタンスルホン酸7−フルオロ−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル
【0306】
【化81】

【0307】
7−フルオロ−4−ヒドロキシ−2H−クロメン−2−オン(10g、55.5mmol)のCHCl溶液に−10℃で、EtN(10mL、71.7mmol)を加え、次に無水トリフルオロメタンスルホン酸(11.2mL、66.6mmol)を加え、2時間攪拌した。NHCl溶液を加え、反応混合物をEtOAcで希釈した。有機相をHO、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、溶媒留去した。残留物を、トルエン/CHCl1:1から100%CHClを用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た。
【0308】
段階5:4−(3,5−ジフルオロフェニル)−フルオロ−2H−クロメン−2−オン
【0309】
【化82】

【0310】
トリフルオロメタンスルホン酸7−フルオロ−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル(1.0g、3.2mmol)のジオキサン溶液に、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸(0.658g、4.2mmol)、PdCl(PPh(0.112g、0.16mmol)およびKF(0.744g、12.8mmol)を加えた。混合物を90℃で終夜加熱し、冷却し、NHCl水溶液とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して(トルエン/アセトン;95:5)、標題化合物を得た。
【0311】
段階6:4−(3,5−ジフルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
【0312】
【化83】

【0313】
4−(3,5−ジフルオロフェニル)−フルオロ−2H−クロメン−2−オン(0.258g、0.93mmol)、1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オール(0.250g、1.03mmol)および炭酸カリウム(0.387g、2.8mmol)のNMP溶液を、120℃で終夜加熱した。混合物を冷却して室温とし、NHCl水溶液とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して(トルエン/アセトン;95:5)、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.78(s、1H)、7.56(d、1H)、7.43(d、1H)、7.37(dd、1H)、7.00〜7.04(m、3H)、6.41(s、1H)、2.66(brs、1H)、2.12(q、2H)、0.98(t、3H)。
【実施例21】
【0314】
4−[3−(シクロプロピルオキシ)フェニル]−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
段階1:4−[3−(シクロプロピル)フェニル]−7−フルオロ−2H−クロメン−2−オン
【0315】
【化84】

【0316】
実施例20段階5の手順を用いて、[3−(シクロプロピルオキシ)フェニル]−ボロン酸を用い、標題化合物を得た。
【0317】
段階2:4−[3−(シクロプロピルオキシ)フェニル]−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
【0318】
【化85】

【0319】
4−[3−(シクロプロピルオキシ)フェニル]−7−フルオロ−2H−クロメン−2−オンを用いた以外は実施例1段階3の手順を用いて、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.76(s、1H)、7.52〜7.59(m、2H)、7.47(t、1H)、7.36(dd、1H)、7.22(dd、1H)、7.11(m、1H)、7.05(d、1H)、6.41(s、1H)、3.79(m、1H)、2.61(brs、1H)、2.12(q、2H)、0.98(t、3H)。
【実施例22】
【0320】
4−(3−メトキシフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ−2H−クロメン−2−オン
段階1:7−ブロモ−4−(3−メトキシフェニル)−2H−クロメン−2−オン
【0321】
【化86】

【0322】
実施例1段階1の手順に従って、3−メトキシフェニルボロン酸を用いて標題化合物を得た。
【0323】
段階2:4−(3−メトキシフェニル)−7−({5−[(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ−2H−クロメン−2−オン
【0324】
【化87】

【0325】
7−ブロモ−4−(3−メトキシフェニル)−2H−クロメン−2−オンを用いた以外は実施例1段階3の手順を用いて、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.95(s、1H)、7.63(d、1H)、7.59(d、1H)、7.47(t、1H)、7.42(dd、1H)、7.09(dd、1H)、7.03(d、1H)、6.98(s、1H)、6.45(s、1H)、4.35(s、1H)、3.89(s、3H)。
【実施例23】
【0326】
7−({5−[(1R)−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(3−メトキシフェニル)−2H−クロメン−2−オン
段階1:7−({5−[(1R)−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(3−メトキシフェニル)−2H−クロメン−2−オン
【0327】
【化88】

【0328】
7−ブロモ−4−(3−メトキシフェニル)−2H−クロメン−2−オンおよび実施例7段階1のチオールエナンチオマー#2を原料として用いた以外は実施例1段階3の手順を用いて、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.76(s、1H)、7.51〜7.59(m、2H)、7.48(t、1H)、7.36(dd、1H)、7.09(dd、1H)、7.03(d、1H)、6.98(m、1H)、6.41(s、1H)、3.89(s、3H)、2.60(brs、1H)、2.12(q、2H)、0.98(t、3H)。
【実施例24】
【0329】
(実施例24A)
7−({5−[(1R)−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン
【0330】
【化89】

【0331】
(2R)−1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オール(0.966g、3.97mmol)の脱水MeOH溶液に、KOH(0.223g、3.97mmol)を加えた。溶液が得られたら、反応混合物を濃縮して乾固させた。脱水トルエンを加え、混合物を濃縮して再度乾固させた。残留物を、7−ブロモ−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン(1.0g、3.31mmol)のNMP溶液に溶かし、得られた混合物を120℃で16時間攪拌した。冷却したら、混合物をシリカゲルカラム上に直接乗せ、クロマトグラフィー精製して(アセトン/トルエン;5:95から15:85)、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ8.81(dd、1H)、8.72(dd、1H)、7.82(dt、1H)、7.78(s、1H)、7.51〜7.59(m、2H)、7.33〜7.40(m、2H)、6.42(s、1H)、2.88(brs、1H)、2.12(q、2H)、0.99(t、3H)。
【0332】
(実施例24B)
7−({5−[(1S)−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン
段階1:7−フルオロ−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン
【0333】
【化90】

【0334】
3−ブロモピリジン(0.679mL、7.05mmol)のTHF溶液に−100℃で、ブチルリチウム(2.82mL、2.5M/ヘキサン、7.05mmol)を加えた。−100℃で10分後、ZnCl(7.05mL、1M/EtO、7.05mmol)を滴下し、反応混合物を昇温させて室温とした。トリフルオロメタンスルホン酸7−フルオロ−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル(2.0g、6.41mmol)およびPd(PPh(0.370g、0.32mmol)のTHF溶液を加え、混合物を室温で終夜攪拌した。混合物をNaHCO水溶液とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をCHClおよびアセトン中で磨砕して、標題化合物を得た。
【0335】
段階2:7−({5−[(1S)−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン
【0336】
【化91】

【0337】
7−フルオロ−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン(0.177g、0.73mmol)、(2S)−1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブタン−2−オール(0.214g、0.88mmol)およびKCO(0.203g、1.47mmol)のNMP中混合物を、120℃で終夜加熱した。混合物を冷却して室温とし、NHCl水溶液とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して(トルエン/アセトン;95:5から80:20)、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ8.81(dd、1H)、8.72(dd、1H)、7.82(dt、1H)、7.78(s、1H)、7.51〜7.59(m、2H)、7.33〜7.40(m、2H)、6.42(s、1H)、2.74(brs、1H)、2.12(q、2H)、0.99(t、3H)。
【実施例25】
【0338】
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロプ−2−エン−1−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン
段階1:1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブト−3−エン−2−オール
【0339】
【化92】

【0340】
ヨウ化ビニル(1.88g、12.2mmol)のEtO溶液に−78℃で、t−ブチルリチウム(14.3mL、1.7M/ペンタン、24.3mmol)を加えた。混合物を−78℃で1時間攪拌し、昇温させて−30℃として5分間経過させた。混合物を再度冷却して−78℃とし、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)エタノン(1.18g、5.53mmol)のEtO溶液を加えた。反応混合物を−78℃で30分間攪拌し、0℃とし、NHCl水溶液とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して(トルエン/アセトン;90:10)、標題化合物を得た。
【0341】
段階2:4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロプ−2−エン−1−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2−クロメン−2−オン
【0342】
【化93】

【0343】
1,1,1−トリフルオロ−2−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−5−イル)ブト−3−エン−2−オールを用いた以外は実施例1段階3の手順を用いて、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.80(s、1H)、7.56(d、1H)、7.44〜7.48(m、3H)、7.37(dd、1H)、7.24〜7.26(m、2H)、6.40(s、1H)、6.32(dd、1H)、5.75(d、1H)、5.64(d、1H)、2.90(brs、1H)。
【実施例26】
【0344】
7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2H−クロメン−2−オン
段階1:7−ブロモ−4−(1−エトキシビニル)−2H−クロメン−2−オン
【0345】
【化94】

【0346】
トリフレート(図式1の化合物)(5.1g、13.7mmol)のジオキサン溶液に、トリブチル(1−エトキシビニル)スズ(4.8mL、14.2mmol)、(PhP)Pd(0.790g、0.7mmol)およびLiCl(1.74g、41mmol)を加えた。混合物を4時間還流し、冷却し、NHCl水溶液とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製し(CHCl/EtOAc;95:5)、ヘキサン/EtO中で磨砕して、標題化合物を得た。
【0347】
段階2:7−ブロモ−4−(ブロモアセチル)−2H−クロメン−2−オン
【0348】
【化95】

【0349】
7−ブロモ−4−(1−エトキシビニル)−2H−クロメン−2−オン(2.0g、6.8mmol)のTHFおよびHO溶液に、N−ブロモコハク酸イミド(1.3g、14.2mmol)を加え、30分間攪拌した。トルエンを加え、溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルでクロマトグラフィー精製して(ヘキサン/EtOAc;80:20)、標題化合物を得た。
【0350】
段階3:7−ブロモ−4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2H−クロメン−2−オン
【0351】
【化96】

【0352】
7−ブロモ−4−(ブロモアセチル)−2H−クロメン−2−オン(0.605g、1.7mmol)のDMF溶液に、チオアセトアミド(0.138g、1.8mmol)を加えた。混合物を室温で24時間、100℃で終夜攪拌した。冷却して室温としてから、それをNHCl水溶液とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をヘキサン/EtO中で振り混ぜて、標題化合物を得た。
【0353】
段階4:7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2H−クロメン−2−オン
【0354】
【化97】

【0355】
7−ブロモ−4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2H−クロメン−2−オンを用いた以外は実施例1段階3の手順を用いて、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ8.18(d、1H)、7.76(s、1H)、7.53〜7.60(m、2H)、7.42(dd、1H)、6.67(s、1H)、2.85(s、3H)、2.69(brs、1H)、2.11(q、2H)、0.98(t、3H)。
【実施例27】
【0356】
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル}−1,3−チアゾール−2−イル}スルフィニル)−2H−クロメン−2−オン
【0357】
【化98】

【0358】
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン(0.100g、0.2mmol)のCHCl(7mL)およびMeOH(0.7mL)溶液に、モノ過フタル酸マグネシウム・6水和物(0.051g、0.1mmol)を加えた。混合物を室温で終夜攪拌し、水とCHClとの間で分配した。層を分離し、有機相をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、溶媒留去して乾固させた。残留物を、シリカゲルでクロマトグラフィー精製して(ヘキサン/EtOAc;8:2)、2種類のジアステレオマーを得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.9(s、1H)、7.85(s、1H)、7.67(dd、2H)、7.45(m、2H)、7.25(m、2H)、6.47(s、1H)、2.12(m、2H)、0.92(t、3H)。ジアステレオマー#2:H NMR(400MHz、CDCl):δ7.9(s、1H)、7.82(s、1H)、7.67(dd、2H)、7.45(m、2H)、7.25(m、2H)、6.47(s、1H)、2.15(m、2H)、0.95(t、3H)。
【実施例28】
【0359】
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル}−1,3−チアゾール−2−イル}スルホニル)−2H−クロメン−2−オン
【0360】
【化99】

【0361】
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン(0.050g、0.1mmol)のCHCl(4mL)およびMeOH(0.4mL)溶液に、モノ過フタル酸マグネシウム・6水和物(0.100g、0.2mmol)を加えた。混合物を室温で終夜攪拌し、水とCHClとの間で分配した。層を分離し、有機相をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、溶媒留去して乾固させた。残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して(ヘキサン/EtOAc;8:2)、標題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ8.12(s、1H)、7.98(d、1H)、7.9(s、1H)、7.68(d、1H)、7.45(m、2H)、7.27(m、2H)、6.53(s、1H)、2.15(m、2H)、0.95(t、3H)。
【0362】
以上、本発明のある種の特定の実施形態を参照しながら、本発明について説明および解説したが、本発明の精神および範囲から逸脱しない限りにおいて、各種の変更、修正および置き換えを本発明において行うことが可能であることは、当業者には明らかであろう。例えば、上記で示した本発明で使用される活性薬剤における適応の治療を受ける哺乳動物の応答に変動があるために、上記の本明細書で示した特定の用量以外の有効な用量が適用可能となる場合がある。同様に、認められる具体的な薬理応答は、選択される特定の活性化合物または医薬担体が存在するか否か、そして使用される製剤の種類に応じて変動し得るものであり、結果におけるそのような予想される変動または差は、本発明の目的および実務に従って予測されるものである。従って、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義され、そのような特許請求の範囲は妥当な限り広く解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造式Iの化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩およびエステル。
【化1】

[式中、
は、−H、−C1−6アルキルおよび−C3−6シクロアルキルからなる群から選択され;
は、−H、−OH、−OC1−3アルキル、−Fおよびテトラゾリルからなる群から選択され;ただし、Rがテトラゾリルである場合、RおよびRのいずれもZではなく;
は、−H、−CF、−CFCF、−C1−6アルキル、(−フッ素で置換された)C1−6アルキル、−C1−6アルキル−R、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、−C5−7シクロアルケニルおよび−Zからなる群から選択され;
は、−H、−CF、−CFCF、−C1−6アルキル、(−フッ素で置換された)C1−6アルキル、−C1−6アルキル−R、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、−C5−7シクロアルケニルおよび−Zからなる群から選択され;
あるいはRおよびRがそれらが結合している炭素と一体となって、−C3−6シクロアルキル環および−C5−7シクロアルケニル環からなる群から選択される環を形成しており;ただし、RおよびRがそれらが結合している炭素と一体となって、−C5−7シクロアルケニル環を形成している場合、その環のC1位には二重結合はなく;
あるいはRおよびRが一体となって=C1−6アルキルを形成しており;
あるいはR、RおよびRがそれらが結合している炭素と一体となって、
【化2】

から選択されるシクロアルケニル環を形成しており;
は、−H、−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキルおよびハロからなる群から選択され;
は、−H、−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキルおよびハロからなる群から選択され;
は、−COOR、−C(O)H、−CN、−CR10H、−OR、−S−C1−6アルキルおよび−S−C3−6シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、
a)(i)1以上の炭素原子、(ii)酸素および硫黄から選択される1個のヘテロ原子および(iii)0、1、2もしくは3個の窒素原子を有する5員芳香環、
b)1以上の炭素原子および1〜4個の窒素原子を有する5員芳香環、
c)炭素原子および1、2もしくは3個の窒素原子を有する6員芳香環、
d)
【化3】

から選択される6員芳香環、
e)ベンゾチエニル、インドリル、キノリニルおよびナフタレニルから選択される二環式芳香環系、
f)フェニル、
g)−CH(Rは、フェニルおよびジオキソラニルから選択される。)、
h)−C3−6シクロアルキル、
i)−C5−7シクロアルケニル、
j)−C1−6アルキルおよび
k)−C2−6アルケニル
からなる群から選択され、
Aは、各場合で(i)ハロ、(ii)−OH、(iii)1以上のハロで置換されていても良い−C1−3アルキル、(iv)1以上のハロで置換されていても良い−OC1−3アルキル、(v)−OC3−6シクロアルキル、(vi)−CHOH、(vii)−COOR、(viii)−CNおよび(ix)−NR10からなる群から独立に選択される置換基でモノ置換もしくはジ置換されていても良く;
は、−H、−C1−6アルキルおよび−C3−6シクロアルキルからなる群から選択され;
10は、−H、−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキルおよび−COORからなる群から選択され;
Xは、−S−、−SO−および−SO−からなる群から選択され;
Zは、
a)(i)1以上の炭素原子、(ii)酸素および硫黄から選択される1個のヘテロ原子および(iii)0、1、2もしくは3個の窒素原子を有する5員芳香環、
b)1以上の炭素原子および1〜4個の窒素原子を有する5員芳香環、
c)炭素原子および1、2もしくは3個の窒素原子を有する6員芳香環、
d)フェニルおよび
e)−CH−R
からなる群から選択され;Rは、フェニルおよびジオキソラニルから選択され、
Zは、各場合で(i)ハロ、(ii)−OH、(iii)1以上のハロで置換されていても良い−C1−3アルキル、(iv)1以上のハロで置換されていても良い−OC1−3アルキル、(v)−OC3−6シクロアルキル、(vi)−CHOH、(vii)−COOR、(viii)−CNおよび(ix)−NR10からなる群から独立に選択される置換基でモノ置換もしくはジ置換されていても良い。]
【請求項2】
が、−Hおよび−C1−6アルキルから選択され;
が、−H、−OHおよびFからなる群から選択され;
が、フッ素で置換されていても良い−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−Rおよび−C3−6シクロアルキルからなる群から選択され;
が、フッ素で置換されていても良い−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−R、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキルおよび−Zからなる群から選択され;
あるいはRとRがそれらが結合している炭素と一体となって、−C3−6シクロアルキル環を形成しており;
が、−Hおよび−CHから選択され;
が、−Hおよび−CHからなる群から選択され;
Aが、未置換、モノ置換またはジ置換の、
a)炭素、−O−および−S−から選択される1個のヘテロ原子および0、1、2もしくは3個の−N−からなる5員芳香環、
b)炭素および1〜4個の−N−からなる5員芳香環、
c)炭素および1、2もしくは3個の−N−からなる6員芳香環、および
d)フェニル
からなる群から選択され;
Zが未置換、モノ置換またはジ置換の、フェニル、ベンジル、ピリジニル、チアゾリル、ジオキソラニルおよびテトラゾリルからなる群から選択される請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩およびエステル。
【請求項3】
が、フッ素およびシクロプロピルで置換されていても良い−C1−2アルキルから選択され;
が、フッ素、シクロプロピルおよびZで置換されていても良い−C1−2アルキルから選択され;
Aが、未置換、モノ置換またはジ置換の、チエニル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、ピリジニルおよびフェニルからなる群から選択され;
Zが、未置換、モノ置換またはジ置換の、フェニル、ピリジニルおよびチアゾリルからなる群から選択される請求項2に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩およびエステル。
【請求項4】
が、−Hおよび−CHから選択され;
が、−Hおよび−OHから選択され;
が、−CF、−CHおよび−Cおよびシクロプロピルから選択され;
が、−CF、−CHおよび−Cおよびシクロプロピルから選択され;
が−Hであり;
が−Hであり;
Aが、フェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロ−フェニル、未置換もしくはモノ置換チアゾリルおよび未置換もしくはモノ置換ピリジニルから選択される請求項3に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩およびエステル。
【請求項5】
下記構造式Iaの請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩およびエステル。
【化4】

【請求項6】
下記構造式Ibの請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩およびエステル。
【化5】

[式中、
は、−Hおよび−CHからなる群から選択され;
は、−Hおよび−OHからなる群から選択され;
は、−CFおよびフッ素で置換されていても良い−C1−6アルキルからなる群から選択され;
は、−CFおよびフッ素で置換されていても良い−C1−6アルキルからなる群から選択され;
あるいはRとRがそれらが結合している炭素と一体となって、C4−6シクロアルキルを形成している。]
【請求項7】
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−フェニル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−ピリジン−3−イル−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−{[5−(1−ヒドロキシシクロペンチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン;
4−(2−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
4−(1,3−チアゾール−4−イル)−7−({5−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
(−)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
(+)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(ジシクロプロピルメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(ジシクロプロピルメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(3−メチルフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリミジン−5−イル−2H−クロメン−2−オン;
(−)−(R)−4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(3−メチルフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
(+)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
(−)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−{5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩およびエステル。
【請求項8】
(−)−(R)−4−(4−フルオロフェニル)−7−({5−[1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−2H−クロメン−2−オン;
(+)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
(−)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
4−(4−フルオロフェニル)−7−{[5−(1−ヒドロキシシクロペンチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−2H−クロメン−2−オン;
(−)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
(+)−7−{[5−(1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−(4−フルオロフェニル)−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−フェニル−2H−クロメン−2−オン;
7−{[5−(ジシクロプロピルメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2H−クロメン−2−オン;
7−{5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−{5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)プロピル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン;
7−({5−[ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−ピリジン−3−イル−2H−クロメン−2−オン
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩およびエステル。
【請求項9】
治療上有効量の請求項1に記載の化合物および製薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項10】
哺乳動物でのロイコトリエン類の合成、作用または放出を予防する方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物を該哺乳動物に投与する段階を有する方法。
【請求項11】
前記哺乳動物がヒトである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
哺乳動物での喘息の治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
【請求項13】
哺乳動物での炎症状態の治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
【請求項14】
アテローム性動脈硬化の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に対して、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
【請求項15】
アテローム性動脈硬化の発症を予防またはリスク低下させる方法であって、アテローム性動脈硬化発症のリスクがある患者に対して予防上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
【請求項16】
アテローム性動脈硬化疾患事象の予防またはリスク低下方法であって、アテローム性動脈硬化疾患事象を有するリスクのある患者に対して、予防上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
【請求項17】
アテローム性動脈硬化性プラーク進行を停止または遅延させる方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
【請求項18】
アテローム性動脈硬化性プラークの退行を行う方法であって、そのような処置を必要とする患者に対して治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
【請求項19】
アテローム性動脈硬化性プラーク破裂の予防またはリスク低下方法であって、アテローム性動脈硬化性プラークを有する患者に対して予防上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
【請求項20】
請求項1に記載の化合物および製薬上許容される担体からなる医薬組成物。
【請求項21】
請求項1に記載の化合物、脂質改変性化合物および製薬上許容される担体からなる医薬組成物。
【請求項22】
ロイコトリエン類の合成、作用または放出を予防するための医薬製造における、請求項1から8のいずれかに記載の式Iの化合物あるいは該化合物の製薬上許容される塩またはエステルの使用。
【請求項23】
ロイコトリエン類の合成、作用または放出の予防に使用される請求項1から8のいずれかに記載の式Iの化合物あるいは該化合物の製薬上許容される塩またはエステル。
【請求項24】
喘息、炎症状態およびアテローム性動脈硬化からなる群から選択される状態の治療で使用される請求項23に記載の化合物、塩またはエステル。
【請求項25】
製薬上許容される担体とともに、許容される阻害量の請求項1から8のいずれかに記載の式Iの組成物を含むロイコトリエン生合成阻害薬組成物。
【請求項26】
哺乳動物でのロイコトリエン類の合成、作用または放出を予防する上での、有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項27】
前記哺乳動物がヒトである請求項26に記載の使用。
【請求項28】
喘息を治療するための、治療上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項29】
炎症状態を治療するための、治療上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項30】
アテローム性動脈硬化を治療するための、治療上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項31】
アテローム性動脈硬化発症を予防またはリスク低下させるための、予防上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項32】
アテローム性動脈硬化疾患事象を予防またはリスク低下させるための、予防上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項33】
アテローム性動脈硬化性プラーク進行を改変または遅延させるための、治療上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項34】
アテローム性動脈硬化性プラークの退行を行う上での、治療上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項35】
アテローム性動脈硬化性プラーク破裂の予防またはリスク低下のための、予防上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項36】
喘息治療のための医薬製造における、治療上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項37】
炎症状態を治療するための医薬製造における、治療上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項38】
アテローム性動脈硬化を治療するための医薬製造における、治療上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項39】
アテローム性動脈硬化発症を予防またはリスク低下させるための医薬製造における、予防上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項40】
アテローム性動脈硬化疾患事象を予防またはリスク低下させるための医薬製造における、予防上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項41】
アテローム性動脈硬化性プラーク進行を改変または遅延させるための医薬製造における、治療上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項42】
アテローム性動脈硬化性プラークの退行を行う上での医薬製造における、治療上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項43】
アテローム性動脈硬化性プラーク破裂の予防またはリスク低下のための医薬製造における、予防上有効量の請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2006−527207(P2006−527207A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515589(P2006−515589)
【出願日】平成16年6月8日(2004.6.8)
【国際出願番号】PCT/CA2004/000861
【国際公開番号】WO2004/108720
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】