ACF貼付装置及びACF貼付方法
【課題】交換時間を低減した稼働率の高いACF貼付装置及びACF貼付方法、及びACFテープの貼付け位置での位置再現性の優れた信頼性の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供する。
【解決手段】搭載部品を表示基板の搭載位置に貼付けるACFを有するACFテープをACF供給リール160から引き回し前記ACFを前記搭載位置に貼付ける際に、前記ACF貼付装置20は前記ACF供給リール160を具備し前記ACFテープを引き回したACFカセット100と前記ACFカセット100を固定するカセット固定部200とを有し、前記ACFカセット100を前記カセット固定部200に対し所望の姿勢に固定する位置姿勢方向3軸と回転姿勢方向3軸の計6軸を規定する位置決め部材141〜143、241〜243を前記ACFカセット100と前記カセット固定部200に対に複数組設けたことを特徴とする。
【解決手段】搭載部品を表示基板の搭載位置に貼付けるACFを有するACFテープをACF供給リール160から引き回し前記ACFを前記搭載位置に貼付ける際に、前記ACF貼付装置20は前記ACF供給リール160を具備し前記ACFテープを引き回したACFカセット100と前記ACFカセット100を固定するカセット固定部200とを有し、前記ACFカセット100を前記カセット固定部200に対し所望の姿勢に固定する位置姿勢方向3軸と回転姿勢方向3軸の計6軸を規定する位置決め部材141〜143、241〜243を前記ACFカセット100と前記カセット固定部200に対に複数組設けたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ACF貼付装置及びACF貼付方法に関し、特に消費されていくACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)の補充を短時間で行なうことができるACF貼付装置及びACF貼付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ装置の製造工程には、TAB(Tape Automated Bonding)/COF(Chip on film)やCOG(Chip on glass)等の搭載部品をACFを介して加熱圧着することで、搭載部品をFPD(Flat panel display)表示基板またはプリント基板(以下、これ等を単に基板という)に搭載する工程がある。この搭載工程に先立って、その搭載位置にACFを貼り付ける。ACFは、粘着性のある電気絶縁物質からなるバインダ樹脂に導電粒子を分散させたものであり、基板において、このACFを貼り付けた上からTABを接合させ、その間に加熱下で圧着を行なうことによって、TAB側の電極と基板側の電極とが導電粒子を介して電気的に接続される。
【0003】
ACFは、これを保護するためのセパレータ上に積層されたACFテープの状態で、ACF供給リールに所定の長さ分だけ巻き付けられている。基板にACFを貼り付けるには、リールからACFテープを繰り出して、所定の長さ毎にACFの部分のみをカットする、所謂ハーフカットを行い、基板上に圧着して貼り付け、その後、セパレータをACFから剥離し、剥離されたセパレータを回収する。
【0004】
このように、ACFは順次消費されていくものであって、ACF供給リールに巻回された量を使い切ると新たなACF供給リール(ACF)に交換する必要がある。
【0005】
このような交換方法の従来技術としては特許文献1に開示されている方法がある。特許文献1には、予め交換用のACF供給リールを用意し、使用済みACF供給リールと交換し、その後貼付け処理をする貼付部に存在する複数のローラ間にACFテープを引き回す方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−298386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された方法は、基本的にはACF供給リールのみを交換するために引き回し作業に時間を要する課題ある。また、ACFテープを交換する際には交換した時にACFテープの貼付け位置へ正確に搬送することができることが重要である。特許文献1の方法では、ACFテープの貼付け位置での位置再現性を出すことが難しくACFテープを貼付け位置に正確に貼り付けできない課題がある。
【0008】
本発明は上記の点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、交換時間を低減した稼働率の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供することである。本発明の他の目的は、ACFテープの貼付け位置での位置再現性の優れた信頼性の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、搭載部品を表示基板やプリント基板の搭載位置に貼付けるACFを有するACFテープをACF供給リールから引き回し前記ACFを前記搭載位置に貼付けるACF貼付装置または方法に関するものであって、前記ACF貼付装置は前記ACF供給リールを具備し、前記ACFテープを引き回したACFカセットと前記ACFカセットを固定するカセット固定部とを有し、前記ACFカセットを前記カセット固定部に対し所望の姿勢に固定する位置姿勢方向3軸と回転姿勢方向3軸の計6軸を規定する位置決め部材を前記ACFカセットと前記カセット固定部に対に複数組設けることを第1の特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記複数組はそれぞれ前記6軸のうち1つ以上の軸を単独で位置決めすることを第2の特徴とする。
【0011】
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、第1または第2の特徴に加え、前記位置姿勢方向の3軸は前記表示基板やプリント基板の一辺側の方向をX方向、表示基板表面と垂直な方向をZ方向及び前記X及びZ方向に直交する方向をY方向とし、前記回転姿勢は前記各X方向、Y方向、Z方向の各軸を回転軸とするそれぞれの姿勢をθx方向、θy方向、θz方向とすることを第3の特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記目的を達成するために、第3の特徴に加え、前記複数組は3組であることを第4の特徴とする。
【0013】
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記複数組のうち1組は前記ACFを貼り付ける貼付け位置の側部に設けたことを第5の特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記目的を達成するために、第5の特徴に加え、前記側部に設けられた前記位置決め部材の対は前記6軸のうちの3軸を規定し、前記3軸はY方向、θx方向、θz方向であることを第6の特徴とする。
【0015】
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記複数組のうち1組は前記X、Z方向の位置を規定するXZ方向規定の位置決め部材の対であることを第7の特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記目的を達成するために、第7の特徴に加え、少なくとも前記X方向の位置を規定するために前記ACFカセットを前記X方向に移動させることを第8の特徴とする。
【0017】
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、第7の特徴に加え、前記位置決め部材の対のうちZ方向を規定するものであって、前記位置決め部材の対のうち前記固定部材との干渉を回避するために前記基準部材を退避することを第9の特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記複数組のうち1組は前記θy方向を規定するθy規定部材の対であることを第10の特徴とする。
【0019】
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記ACFカセットを前記カセット固定部と平行な面内で回転させることを第11の特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記ACFカセットの位置決め部材の位置を調整することを第12の特徴とする。
【0021】
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記ACFカセットを前記カセット固定部に搭載するACFカセット供給手段を有することを第13の特徴とする。
【0022】
最後に、本発明は、上記目的を達成するために、第3の特徴に加え、前記カセット固定部を前記θz方向にほぼ180度旋回させることを第14の特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、交換時間を低減した稼働率の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供することである。
【0024】
また、本発明によれば、ACFテープの貼付け位置での位置再現性の優れた信頼性の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態のACF貼付装置の構成及び動作を示した模式図である。
【図2A】図1に示したACF貼付装置の固定部にカセットを供給するACFカセット供給部を設けたときに、それらを上から見た図である。
【図2B】ACFカセット供給部の構成を示す斜視図である。
【図3】ACFカセット供給部を用いた処理フローを示した図である。
【図4】ACFカセットの表面側の構成と動作を模式的に示す図である。
【図5】図5(a)は固定部材を有するカセットの裏面に固定部に設けられた基準部材を重ね合わせて示した図である。図5(b)は図5(a)を矢印L方向から見たときの側面図である。
【図6】固定部のカセット側即ち図5(b)に示すD側を示した図である。
【図7】位置決め部材によるY、θz方向の位置決めを説明する図である。図7(a)は図5(a)に示すY、θz方向の位置決め部を拡大した図である。図7(b)は位置決め部材の側面図を示し、図7(c)は図7(a)のA−A断面図を示す。
【図8】図5(a)に示すX、Z方向の位置決め部の拡大図で、位置決め部材によるX、Z方向の位置決めを説明する図である。
【図9】図5(a)に示すθy方向の位置決め部の拡大図で、位置決め部材によるθy方向の位置決めを説明する図である。
【図10】固定部材の位置調整機構の構成図である。
【図11】カセットのセットフローを示す図である。
【図12】液晶パネルの要部外観を示した図である。
【図13】ACFテープの断面構造図を示した図である。
【図14】TAB搭載位置の断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説明する。図12に液晶パネルの要部外観を示し、図13にはACFテープの断面構造図を、さらに図14にはTAB搭載位置の断面をそれぞれ示す。
【0027】
図12において、基板1はそれぞれガラス等の透明基板を2枚重ね合わせ、その間にセルギャップを形成して、このセルギャップに液晶が封入される。この基板1を構成する2枚の透明基板2,3を、それぞれ下基板2,上基板3という。下基板2の上基板3との対向面には所定のリードパターンが印刷手段等により形成されており、このリードパターンは所定本数ずつ群としてまとめられてリード群4を形成している。そして、下基板2には少なくとも1辺にそれぞれ複数のリード群4が形成される。フレキシブル基板5に集積回路素子6を搭載し、この集積回路素子6の両側にそれぞれ所定数のリード群7及び8を設けたTAB9(実際に搭載する際は図の表裏を逆にする)が、そのリード群7が下基板2のリード群4を構成する各リードと確実に電気的に接続されるようにして搭載される。
【0028】
リード群7がリード群4に電気的に接続した状態でTAB9を下基板2に搭載するために用いられるのが図13に示すACF10である。ACF10はセパレータ11に積層されてACFテープ12を構成する。セパレータ11は、ACF10との積層面に剥離層を有している。これにより、ACFテープ12を下基板2に貼り付けた後、セパレータ11をACF10から剥離できる。なお、セパレータの幅は1mm〜3mm、厚さは50μm程度である。
【0029】
また、ACF10は、電気絶縁性を有し、かつ粘着力を持ったバインダ樹脂10a内に均一に導電粒子10bを分散させたものからなり、この導電粒子10bはリード群7及びリード群4におけるリード間間隔より十分に小さい粒子からなっている。そこで、バインダ樹脂10aを加熱し、軟化させた状態で、下基板2とTAB9との間に所定の押圧力を加えると、図14に示すように導電粒子10bの粒径とほぼ一致する状態にまで圧縮され、もって導電粒子10bがリード群4,7を構成する各リード4a,7aに当接して、その間を電気的に接続する。また、バインダ樹脂が硬化すると、TAB9が下基板2に固着されることになる。
【0030】
図1は、本実施形態のACF貼付装置20の構成を模式的に示した図である。ACF貼付装置は、大別して、ヘッド本体50と、ACFテープを装着するACFカセット100(以下、単にカセットという)及びカセットをヘッド本体に固定するカセット固定部(以下、単に固定部いう)200を有する。ヘッド本体と固定部200は共通の本体ベース21に載置されている。カセット100は後述する方法で固定部に保持されているが、説明の都合上図1では矢印A方向に180度回転させ離れた状態を示している。
【0031】
図1に示すカセットは、ACF供給リール160を装着しACFテープを引き回しする側を表面とすると、固定部に固定する後述するカセット側の位置決め部材141〜144を有する裏面を表している。固定部200はカセットを固定する固定部側の位置決め部材241〜244を有する面を示す。また、固定部は、カセットを図1の状態から矢印A´の方向に180度回転させた状態で前述した互いの位置決め部材を係合させたカセットを保持している。さらに、固定部200はカセット100を保持した状態で旋回軸211に固定され、エアシリンダ(図示せず)による当該旋回軸の回転により矢印Cに示すように約180度回転できる固定部駆動部210有する。固定部駆動部210はベース21に固定され、前記の旋回軸の他、固定部を上下に移動させる自由度を有する。ヘッド本体50は、圧着刃51と下刃52とACFを基板1に貼り付けるために圧着刃51を昇降(矢印B)させるシリンダ55とを有する。
【0032】
図2Aは、図1に上述したACF貼付装置20の固定部200にカセット100を供給するACFカセット供給部300を設けたときに、それらを上から見た図である。図2BはACFカセット供給部の構成を示す斜視図である。
図2Aに示すように、ACFのテープ切れが発生したときは、ACFカセット100aを保持した固定部200を旋回軸211により矢印Cに示すように180度回転し、ACFカセットを破線で示す100bの状態にし、ACFカセット供給部300に受け渡す。あるいは、逆に、ACFカセット供給部から新たなACFカセット100bを受取り、固定部200を旋回軸211に矢印C´方向に回転させACF貼付処理ができる状態にする。
【0033】
図2Bに示すように、ACFカセット供給部300は、使用済みのカセット及び新たなカセットを載置するカセット載置台322、カセット載置台を180度Q方向に回転させる回転テーブル323及び回転テーブルとカセット載置台を搭載しP方向に移動させる移動体320を有する。移動体は供給部ベース324に設置したレール321上を移動する。カセット載置台322は、表裏両面にカセットを装着できる構造を有し、新たなカセットを装着して図2Aに示すカセット交換位置Rに移動し、使用済みカセットを受取り、回転テーブル323により180度回転し、固定部200に新たなカセットを供給する。
【0034】
図3はACFカセット供給部300を用いたカセット交換処理フローを主体に示した図である。図3(a)はACFカセット供給部を主体にした自動交換処理フローを、図3(b)は作業員による作業処理フローを示す。以下、図2A、図2Bを参照しながら説明する。なお、図3において破線内の図は、図3(c)に示すように、各ステップにおけるカセット載置台に対するカセット、使用済みACFリール及び新たなACFリールの位置関係並びにカセット載置台のACFカセット供給部での位置を示す。
まず、現在ACF貼付装置20はACF貼付処理中である(Step1a)。Step1aの処理中に作業員は、前回の使用済みカセット100をカセット載置台322から取り外し(Step1b)、使用済みACFリールを新たなACFリールに交換し(Step2b)、新たなACFリールを装着したカセット100をカセット載置台にセットする(Step3b)。その後は、カセット載置台はその状態でACFテープ切れが発生するまで待機する。
【0035】
図3(a)の自動交換処理フローでは、ACF貼付装置20がACFテープ切れを検出する(Step2a)。ACFテープ切れを検出すると、ACF貼付装置はカセット載置台322を図2Aに示すカセット交換位置Rに移動させる(Step3a)。また、前記移動と並行して固定部200を旋回軸211により回転させ、カセット載置台のうちカセットを保持していない面に正対させる(Step4a)。次に、固定部が保持している使用済みのカセットをカセット載置台に受け渡す(Step5a)。次に、カセット載置台は回転テーブル323により180度回転し(Step6a)、固定部200に新たなカセットを受け渡す(Step7a)。その後、カセット載置台をACFリール交換位置T(図2A参照)に戻し(Step8a)、作業員によるACFテープの交換を待つ。Step8aに並行してACF貼付装置20は、後述するカセット100の各方向の位置決めを実施し(Step9a)、固定部200を旋回軸211により回転させ、ACF貼付処理の準備を完了させる(Step10a)。その後Step1aに戻り、ACF貼付処理を継続する。
上記実施形態では自動でカセット100を固定部200に載置したり取り外したりしたが、作業員が実際にカセットを載置したり取り外したりしても良い。
【0036】
図4はカセット100の表面側の構成と動作を模式的に示す図である。ACF供給リール160に巻き回されているACFテープ12は、複数のガイドローラ112にガイドされ、テンション機構113により適切な張力を維持しながら、ヘッド部50に設けられた圧着刃51の下部の所定位置まで引き回される。このとき左右の平行ガイドローラ115L、115RによりACFテープは下刃52に対して平行に維持される。そして、ハーフカットユニット104によりACFテープ12のACF10(図13参照)をカットする、所謂ハーフカットが行なわれる。ハーフカット後、圧着刃51を下刃52に保持された基板(図示せず)のところまで降下させ、ヒータブロック53により加熱された圧着刃51によりACFテープを所要時間加熱圧着する。その後圧着刃51を上昇させ、ACFを冷却する。次に、セパレータ11を基板に固定されたACF10から剥離する。剥離されたセパレータは平行ガイドローラ115R、ガイドローラ114及び巻取りローラ121,122によりセパレータ回収部120まで搬送される。なお、130はACFテープ切れを検出する光学センサである。
【0037】
次に、図5及び図6を用いてカセット100及び固定部200のより詳細な構成とカセットを固定部に固定する方法を説明する。本実施形態の基本的な考え方は固定部に設けられた位置決め部材を基準部材として、その基準部材にカセットの対応する位置に設けられた位置決め部材を固定部材として固定して位置決めをする。
【0038】
図5(a)は固定部材141〜143を有するカセットの裏面に固定部200に設けられた基準部材241〜243(下2桁が同じ番号はそれぞれ対応する部材を示し、百の桁が1の場合はカセットの固定部材を、2は固定部の基準部材を示す)を重ね合わせて示した図である。さらに、図5(a)には位置決め部材の他、位置決めをするため位置決め用補助部材として基準部材用補助部材244及び基準部材用補助部材244に対応する固定部材用補助部材144を示している。図5(b)は図5(a)を矢印L方向から見たときの側面図で、左から固定部200、カセット100そしてACF供給リール160である。図6は固定部200のカセット側、即ち図5(b)に示すD側を示した図で、図5(a)と折り重ねることによって機能を果たす配置となっている。以下、説明では単独で説明に用いるときは基準部材、固定部材、基準部材用補助部材及び固定部材用補助部材の用語を用い、後述するように対で用いるときは位置決め部材、位置決め用補助部材の用語を使用する。
【0039】
本実施形態ではカセット100を固定部200に固定するには、X、Y、Z方向の位置決めと、θx、θy、θz方向の回転防止(位置決め)をする必要がある。ここで、例えばθz方向とはZ軸回りの回転を示す。位置決め部材は固定部材、基準部材がそれぞれ3組(141、241)(142、242)(143、243)の対を構成し、上述した6軸の位置決めの役目を果たしている。また、見方によっては特に3つの組のそれぞれの対が1つ以上の軸を単独で位置決めする役目を果たしており、複数の対で1つの軸を分担して位置決めすることの無い構成となっている。本実施形態では、位置決め部材(141、241)がX、Z方向の位置決めを、位置決め部材(142、242)がθy方向の位置決めを、さらに位置決め部材(143、243)がY、θz、θx方向の位置決めの役割を果たす。位置決め用補助部材(144、244)は対になって位置決め部材(141、241)が位置決めするのを補助する。
【0040】
位置決め部材(143、243)の上側のカセット100には開口部247kがあり、その開口部を貫けた巻取りローラ121がローラ122をE方向に押付ける。この押し付け力により発生するカセットをθy、θz方向に回転させようとする力を利用し、位置決め部材(142、242)のθy方向、位置決め部材(143、243)のθz方向の位置決めを補助する。
図7は位置決め部材(143、243)によるY、θz、θx方向の位置決めを説明する図である。図7(a)は図5(a)に示すY、θz、θx方向の位置決め部を拡大した図である。図7(b)は位置決め部材(143、243)の側面図を示し、図7(c)は図7(a)のA−A断面図を示す。カセットを下から持ち上げ、カセット固定部材143を基準部材243に挿入する。基準部材243の断面は円弧状の形状を有し、その形状は固定部材143が挿入し易く且つ最終的にY方向に位置ズレが発生しないようにガイドし、Y方向の位置を規定している。また、基準部材243と固定部材143はX方向に長さを有しているので両者を係合することによりX軸を軸とするθx方向の回転ずれがないように規定している。
【0041】
図7(c)に示すように位置決め部材(143、243)はX方向に長くなっており、コ形状の143がバー形状の243を囲んで位置決めしている。このことによって、このθz方向に回転させようとする力が、カセット100と固定部200を平行に維持するように作用し、図7(c)の矢印Fに示すようなZ軸を軸とする回転を抑えている。この結果、先のθx方向の回転ずれ防止と合わせてカセットの全体姿勢は固定部200と平行面になるように規定される。
この回転力を発生している回転力発生機構247は図6に示す回転力発生シリンダ247sと巻取りローラ121(図4も参照)を有する。回転力発生シリンダ247sによってSを支点としてリンク247bを介し巻取りローラ121を矢印G(図6と図7(a)と見る方向が紙面の表裏となるので矢印Eとは反対になる)に旋回移動させ、巻取りローラ121と固定部200が有する巻取りローラ122でセパレータを挟み込み、巻取りローラ121を回転させることでセパレータを巻き取るものである。
この結果、前述したようにカセットは固定部から所望の距離ΔY離れ、固定部に対し平行な面を維持できるように位置決めされる。
【0042】
カセット100を固定部200に正確に位置決めする目的は、図4に示す圧着刃51で基板上の所望の位置にACFを正確に貼り付けることである。従って、ACFを貼り付ける位置におけるカセット100と固定部200の両者の位置関係を正確に規定することが重要である。このために、6軸のうち3軸の位置決めする位置決め部材(143、243)を図4の圧着刃51や下刃52などの圧着位置近くに配置する。この結果、圧着刃に対するACFテープの位置決めが正解にできるので、ACFを基板の所望の位置に貼り付けることがきる効果を奏する。
【0043】
図8は位置決め部材(141、241)による図5(a)に示すX、Z方向の位置決め部の拡大図で、X、Z方向の位置決めを説明する図である。基準部材241はX、Z方向を規定するL字状のブロック形状を有する。そこで、カセットを下から持ち上げ、固定部材141をL字状の基準部材241にセットする。カセット100の自重により固定部材141は基準部材241に乗ることになりZ方向の位置決めが完了する。そして、図6に示すシリンダ244sを有すX位置機構248によって基準部材用補助部材244が固定部材用補助部材144を矢印H方向に押付けると、固定部材141はL字状の基準部材241の側部に押付けられる。固定部材141は後述する位置を補正する機構を有する。
【0044】
図9は位置決め部材(142、242)による図5(a)に示すθy方向の位置決め部の拡大図で、θy方向の位置決めを説明する図である。固定部200の基準部材242は図5(b)に示すよう円柱状の形状を有している。一方、カセット100の固定部材142も円柱状の形状を有する。そこで、図6に示した回転力発生機構247によってカセットを矢印J方向に回転させようとすると、固定部材142によってY軸を軸とした回転が抑えられる。この結果、カセットのθy方向の位置決めがされる。
【0045】
しかしながら、カセットを下から持ち上げセットするときに、基準部材242が固定部材142の邪魔になる。そこで、基準部材242をK(X)方向に移動可能とし、セット時は邪魔にならないように破線で示す位置242Aに退避し、セット後にカセット側の位置決め部材位置242Bに移動する。この移動は図6に示すシリンダ242sによって行なわれる。なお、固定部200に付いている上の部材242uは、矢印J方向の回転力によりシリンダ242sのロッドの変形を防止する役目を果たす。
この結果、カセットは固定部200に対しθy方向の所定の位置に位置決めされる。
【0046】
次に、固定部材141、142の位置調整機構150を図10を用いて説明する。位置調整機構150の機能は、所定の位置に位置決めされたときに、製作時による相性の違いを補正しその位置に固定部材141、142がくるように調整するものである。位置調整機構150は、固定板151の左右に設けた調整部151L、151Rで固定部材の141、142を調整し、カセット100の傾きと高さ方向を調整することで、調整部は一端が位置決め部材141,142を支持し、他端がつまみ152L、152Rを有するネジ153L,153Rと固定板151とで上下方向に拘束される部位を有する。そこで、2つのネジ153R、153Lを調節して傾きと高さの位置決めをする。なお、固定板151には基準部材242が移動可能な切り欠き152がある。
【0047】
次に、カセットのセットフローの観点から図11を用いて説明する。まず、固定部側の位置決め部材242を退避位置に移動し、カセット載置台322から固定部にカセットを受け渡す(Step1)。その後、位置決め部材(142、242)によるθy方向の位置決め(Step2)、位置決め部材(141、241)によるX、Z方向の位置決めセットをする(Step3)。次に、回転力発生機構247を作動し、回転力発生シリンダ247sによりセパレータを保持(挟込)(Step4)すると共に、回転力発生機構による回転力と位置決め部材(143、243)によるY、θx及びθz方向の位置決めをする(Step5)。Step5で固定部200にカセット100をセットできたので、旋回軸211により固定部を回転する(Step6)。その後、ACFの貼付処理を実施する(Step7)。
【0048】
以上、本実施形態によれば、交換時間を低減した稼働率の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供することである。
【0049】
また、本実施形態によれば、ACFテープの貼付け位置での位置再現性の優れた信頼性の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供することである。
【符号の説明】
【0050】
1:表示基板(基板) 9:TAB
10:ACF 11:セパレータ
12:ACFテープ 20;ACF貼付装置
50:ヘッド本体 51:圧着刃
100:ACFカセット(カセット) 121、122:巻取りローラ
141〜143:固定部材(位置決め部材)
144:固定部材用補助部材 150:位置調整機構
160:ACF供給リール 200:カセット固定部(固定部)
211:旋回軸 241〜243:基準部材(位置決め部材)
244:基準部材用補助部材 247:回転力発生機構
247s:回転力発生シリンダ 248:X位置規定機構
300:ACFカセット供給部 322:カセット載置台
323:回転テーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ACF貼付装置及びACF貼付方法に関し、特に消費されていくACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)の補充を短時間で行なうことができるACF貼付装置及びACF貼付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ装置の製造工程には、TAB(Tape Automated Bonding)/COF(Chip on film)やCOG(Chip on glass)等の搭載部品をACFを介して加熱圧着することで、搭載部品をFPD(Flat panel display)表示基板またはプリント基板(以下、これ等を単に基板という)に搭載する工程がある。この搭載工程に先立って、その搭載位置にACFを貼り付ける。ACFは、粘着性のある電気絶縁物質からなるバインダ樹脂に導電粒子を分散させたものであり、基板において、このACFを貼り付けた上からTABを接合させ、その間に加熱下で圧着を行なうことによって、TAB側の電極と基板側の電極とが導電粒子を介して電気的に接続される。
【0003】
ACFは、これを保護するためのセパレータ上に積層されたACFテープの状態で、ACF供給リールに所定の長さ分だけ巻き付けられている。基板にACFを貼り付けるには、リールからACFテープを繰り出して、所定の長さ毎にACFの部分のみをカットする、所謂ハーフカットを行い、基板上に圧着して貼り付け、その後、セパレータをACFから剥離し、剥離されたセパレータを回収する。
【0004】
このように、ACFは順次消費されていくものであって、ACF供給リールに巻回された量を使い切ると新たなACF供給リール(ACF)に交換する必要がある。
【0005】
このような交換方法の従来技術としては特許文献1に開示されている方法がある。特許文献1には、予め交換用のACF供給リールを用意し、使用済みACF供給リールと交換し、その後貼付け処理をする貼付部に存在する複数のローラ間にACFテープを引き回す方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−298386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された方法は、基本的にはACF供給リールのみを交換するために引き回し作業に時間を要する課題ある。また、ACFテープを交換する際には交換した時にACFテープの貼付け位置へ正確に搬送することができることが重要である。特許文献1の方法では、ACFテープの貼付け位置での位置再現性を出すことが難しくACFテープを貼付け位置に正確に貼り付けできない課題がある。
【0008】
本発明は上記の点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、交換時間を低減した稼働率の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供することである。本発明の他の目的は、ACFテープの貼付け位置での位置再現性の優れた信頼性の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、搭載部品を表示基板やプリント基板の搭載位置に貼付けるACFを有するACFテープをACF供給リールから引き回し前記ACFを前記搭載位置に貼付けるACF貼付装置または方法に関するものであって、前記ACF貼付装置は前記ACF供給リールを具備し、前記ACFテープを引き回したACFカセットと前記ACFカセットを固定するカセット固定部とを有し、前記ACFカセットを前記カセット固定部に対し所望の姿勢に固定する位置姿勢方向3軸と回転姿勢方向3軸の計6軸を規定する位置決め部材を前記ACFカセットと前記カセット固定部に対に複数組設けることを第1の特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記複数組はそれぞれ前記6軸のうち1つ以上の軸を単独で位置決めすることを第2の特徴とする。
【0011】
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、第1または第2の特徴に加え、前記位置姿勢方向の3軸は前記表示基板やプリント基板の一辺側の方向をX方向、表示基板表面と垂直な方向をZ方向及び前記X及びZ方向に直交する方向をY方向とし、前記回転姿勢は前記各X方向、Y方向、Z方向の各軸を回転軸とするそれぞれの姿勢をθx方向、θy方向、θz方向とすることを第3の特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記目的を達成するために、第3の特徴に加え、前記複数組は3組であることを第4の特徴とする。
【0013】
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記複数組のうち1組は前記ACFを貼り付ける貼付け位置の側部に設けたことを第5の特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記目的を達成するために、第5の特徴に加え、前記側部に設けられた前記位置決め部材の対は前記6軸のうちの3軸を規定し、前記3軸はY方向、θx方向、θz方向であることを第6の特徴とする。
【0015】
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記複数組のうち1組は前記X、Z方向の位置を規定するXZ方向規定の位置決め部材の対であることを第7の特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記目的を達成するために、第7の特徴に加え、少なくとも前記X方向の位置を規定するために前記ACFカセットを前記X方向に移動させることを第8の特徴とする。
【0017】
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、第7の特徴に加え、前記位置決め部材の対のうちZ方向を規定するものであって、前記位置決め部材の対のうち前記固定部材との干渉を回避するために前記基準部材を退避することを第9の特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記複数組のうち1組は前記θy方向を規定するθy規定部材の対であることを第10の特徴とする。
【0019】
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記ACFカセットを前記カセット固定部と平行な面内で回転させることを第11の特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記ACFカセットの位置決め部材の位置を調整することを第12の特徴とする。
【0021】
さらに、本発明は、上記目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記ACFカセットを前記カセット固定部に搭載するACFカセット供給手段を有することを第13の特徴とする。
【0022】
最後に、本発明は、上記目的を達成するために、第3の特徴に加え、前記カセット固定部を前記θz方向にほぼ180度旋回させることを第14の特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、交換時間を低減した稼働率の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供することである。
【0024】
また、本発明によれば、ACFテープの貼付け位置での位置再現性の優れた信頼性の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態のACF貼付装置の構成及び動作を示した模式図である。
【図2A】図1に示したACF貼付装置の固定部にカセットを供給するACFカセット供給部を設けたときに、それらを上から見た図である。
【図2B】ACFカセット供給部の構成を示す斜視図である。
【図3】ACFカセット供給部を用いた処理フローを示した図である。
【図4】ACFカセットの表面側の構成と動作を模式的に示す図である。
【図5】図5(a)は固定部材を有するカセットの裏面に固定部に設けられた基準部材を重ね合わせて示した図である。図5(b)は図5(a)を矢印L方向から見たときの側面図である。
【図6】固定部のカセット側即ち図5(b)に示すD側を示した図である。
【図7】位置決め部材によるY、θz方向の位置決めを説明する図である。図7(a)は図5(a)に示すY、θz方向の位置決め部を拡大した図である。図7(b)は位置決め部材の側面図を示し、図7(c)は図7(a)のA−A断面図を示す。
【図8】図5(a)に示すX、Z方向の位置決め部の拡大図で、位置決め部材によるX、Z方向の位置決めを説明する図である。
【図9】図5(a)に示すθy方向の位置決め部の拡大図で、位置決め部材によるθy方向の位置決めを説明する図である。
【図10】固定部材の位置調整機構の構成図である。
【図11】カセットのセットフローを示す図である。
【図12】液晶パネルの要部外観を示した図である。
【図13】ACFテープの断面構造図を示した図である。
【図14】TAB搭載位置の断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説明する。図12に液晶パネルの要部外観を示し、図13にはACFテープの断面構造図を、さらに図14にはTAB搭載位置の断面をそれぞれ示す。
【0027】
図12において、基板1はそれぞれガラス等の透明基板を2枚重ね合わせ、その間にセルギャップを形成して、このセルギャップに液晶が封入される。この基板1を構成する2枚の透明基板2,3を、それぞれ下基板2,上基板3という。下基板2の上基板3との対向面には所定のリードパターンが印刷手段等により形成されており、このリードパターンは所定本数ずつ群としてまとめられてリード群4を形成している。そして、下基板2には少なくとも1辺にそれぞれ複数のリード群4が形成される。フレキシブル基板5に集積回路素子6を搭載し、この集積回路素子6の両側にそれぞれ所定数のリード群7及び8を設けたTAB9(実際に搭載する際は図の表裏を逆にする)が、そのリード群7が下基板2のリード群4を構成する各リードと確実に電気的に接続されるようにして搭載される。
【0028】
リード群7がリード群4に電気的に接続した状態でTAB9を下基板2に搭載するために用いられるのが図13に示すACF10である。ACF10はセパレータ11に積層されてACFテープ12を構成する。セパレータ11は、ACF10との積層面に剥離層を有している。これにより、ACFテープ12を下基板2に貼り付けた後、セパレータ11をACF10から剥離できる。なお、セパレータの幅は1mm〜3mm、厚さは50μm程度である。
【0029】
また、ACF10は、電気絶縁性を有し、かつ粘着力を持ったバインダ樹脂10a内に均一に導電粒子10bを分散させたものからなり、この導電粒子10bはリード群7及びリード群4におけるリード間間隔より十分に小さい粒子からなっている。そこで、バインダ樹脂10aを加熱し、軟化させた状態で、下基板2とTAB9との間に所定の押圧力を加えると、図14に示すように導電粒子10bの粒径とほぼ一致する状態にまで圧縮され、もって導電粒子10bがリード群4,7を構成する各リード4a,7aに当接して、その間を電気的に接続する。また、バインダ樹脂が硬化すると、TAB9が下基板2に固着されることになる。
【0030】
図1は、本実施形態のACF貼付装置20の構成を模式的に示した図である。ACF貼付装置は、大別して、ヘッド本体50と、ACFテープを装着するACFカセット100(以下、単にカセットという)及びカセットをヘッド本体に固定するカセット固定部(以下、単に固定部いう)200を有する。ヘッド本体と固定部200は共通の本体ベース21に載置されている。カセット100は後述する方法で固定部に保持されているが、説明の都合上図1では矢印A方向に180度回転させ離れた状態を示している。
【0031】
図1に示すカセットは、ACF供給リール160を装着しACFテープを引き回しする側を表面とすると、固定部に固定する後述するカセット側の位置決め部材141〜144を有する裏面を表している。固定部200はカセットを固定する固定部側の位置決め部材241〜244を有する面を示す。また、固定部は、カセットを図1の状態から矢印A´の方向に180度回転させた状態で前述した互いの位置決め部材を係合させたカセットを保持している。さらに、固定部200はカセット100を保持した状態で旋回軸211に固定され、エアシリンダ(図示せず)による当該旋回軸の回転により矢印Cに示すように約180度回転できる固定部駆動部210有する。固定部駆動部210はベース21に固定され、前記の旋回軸の他、固定部を上下に移動させる自由度を有する。ヘッド本体50は、圧着刃51と下刃52とACFを基板1に貼り付けるために圧着刃51を昇降(矢印B)させるシリンダ55とを有する。
【0032】
図2Aは、図1に上述したACF貼付装置20の固定部200にカセット100を供給するACFカセット供給部300を設けたときに、それらを上から見た図である。図2BはACFカセット供給部の構成を示す斜視図である。
図2Aに示すように、ACFのテープ切れが発生したときは、ACFカセット100aを保持した固定部200を旋回軸211により矢印Cに示すように180度回転し、ACFカセットを破線で示す100bの状態にし、ACFカセット供給部300に受け渡す。あるいは、逆に、ACFカセット供給部から新たなACFカセット100bを受取り、固定部200を旋回軸211に矢印C´方向に回転させACF貼付処理ができる状態にする。
【0033】
図2Bに示すように、ACFカセット供給部300は、使用済みのカセット及び新たなカセットを載置するカセット載置台322、カセット載置台を180度Q方向に回転させる回転テーブル323及び回転テーブルとカセット載置台を搭載しP方向に移動させる移動体320を有する。移動体は供給部ベース324に設置したレール321上を移動する。カセット載置台322は、表裏両面にカセットを装着できる構造を有し、新たなカセットを装着して図2Aに示すカセット交換位置Rに移動し、使用済みカセットを受取り、回転テーブル323により180度回転し、固定部200に新たなカセットを供給する。
【0034】
図3はACFカセット供給部300を用いたカセット交換処理フローを主体に示した図である。図3(a)はACFカセット供給部を主体にした自動交換処理フローを、図3(b)は作業員による作業処理フローを示す。以下、図2A、図2Bを参照しながら説明する。なお、図3において破線内の図は、図3(c)に示すように、各ステップにおけるカセット載置台に対するカセット、使用済みACFリール及び新たなACFリールの位置関係並びにカセット載置台のACFカセット供給部での位置を示す。
まず、現在ACF貼付装置20はACF貼付処理中である(Step1a)。Step1aの処理中に作業員は、前回の使用済みカセット100をカセット載置台322から取り外し(Step1b)、使用済みACFリールを新たなACFリールに交換し(Step2b)、新たなACFリールを装着したカセット100をカセット載置台にセットする(Step3b)。その後は、カセット載置台はその状態でACFテープ切れが発生するまで待機する。
【0035】
図3(a)の自動交換処理フローでは、ACF貼付装置20がACFテープ切れを検出する(Step2a)。ACFテープ切れを検出すると、ACF貼付装置はカセット載置台322を図2Aに示すカセット交換位置Rに移動させる(Step3a)。また、前記移動と並行して固定部200を旋回軸211により回転させ、カセット載置台のうちカセットを保持していない面に正対させる(Step4a)。次に、固定部が保持している使用済みのカセットをカセット載置台に受け渡す(Step5a)。次に、カセット載置台は回転テーブル323により180度回転し(Step6a)、固定部200に新たなカセットを受け渡す(Step7a)。その後、カセット載置台をACFリール交換位置T(図2A参照)に戻し(Step8a)、作業員によるACFテープの交換を待つ。Step8aに並行してACF貼付装置20は、後述するカセット100の各方向の位置決めを実施し(Step9a)、固定部200を旋回軸211により回転させ、ACF貼付処理の準備を完了させる(Step10a)。その後Step1aに戻り、ACF貼付処理を継続する。
上記実施形態では自動でカセット100を固定部200に載置したり取り外したりしたが、作業員が実際にカセットを載置したり取り外したりしても良い。
【0036】
図4はカセット100の表面側の構成と動作を模式的に示す図である。ACF供給リール160に巻き回されているACFテープ12は、複数のガイドローラ112にガイドされ、テンション機構113により適切な張力を維持しながら、ヘッド部50に設けられた圧着刃51の下部の所定位置まで引き回される。このとき左右の平行ガイドローラ115L、115RによりACFテープは下刃52に対して平行に維持される。そして、ハーフカットユニット104によりACFテープ12のACF10(図13参照)をカットする、所謂ハーフカットが行なわれる。ハーフカット後、圧着刃51を下刃52に保持された基板(図示せず)のところまで降下させ、ヒータブロック53により加熱された圧着刃51によりACFテープを所要時間加熱圧着する。その後圧着刃51を上昇させ、ACFを冷却する。次に、セパレータ11を基板に固定されたACF10から剥離する。剥離されたセパレータは平行ガイドローラ115R、ガイドローラ114及び巻取りローラ121,122によりセパレータ回収部120まで搬送される。なお、130はACFテープ切れを検出する光学センサである。
【0037】
次に、図5及び図6を用いてカセット100及び固定部200のより詳細な構成とカセットを固定部に固定する方法を説明する。本実施形態の基本的な考え方は固定部に設けられた位置決め部材を基準部材として、その基準部材にカセットの対応する位置に設けられた位置決め部材を固定部材として固定して位置決めをする。
【0038】
図5(a)は固定部材141〜143を有するカセットの裏面に固定部200に設けられた基準部材241〜243(下2桁が同じ番号はそれぞれ対応する部材を示し、百の桁が1の場合はカセットの固定部材を、2は固定部の基準部材を示す)を重ね合わせて示した図である。さらに、図5(a)には位置決め部材の他、位置決めをするため位置決め用補助部材として基準部材用補助部材244及び基準部材用補助部材244に対応する固定部材用補助部材144を示している。図5(b)は図5(a)を矢印L方向から見たときの側面図で、左から固定部200、カセット100そしてACF供給リール160である。図6は固定部200のカセット側、即ち図5(b)に示すD側を示した図で、図5(a)と折り重ねることによって機能を果たす配置となっている。以下、説明では単独で説明に用いるときは基準部材、固定部材、基準部材用補助部材及び固定部材用補助部材の用語を用い、後述するように対で用いるときは位置決め部材、位置決め用補助部材の用語を使用する。
【0039】
本実施形態ではカセット100を固定部200に固定するには、X、Y、Z方向の位置決めと、θx、θy、θz方向の回転防止(位置決め)をする必要がある。ここで、例えばθz方向とはZ軸回りの回転を示す。位置決め部材は固定部材、基準部材がそれぞれ3組(141、241)(142、242)(143、243)の対を構成し、上述した6軸の位置決めの役目を果たしている。また、見方によっては特に3つの組のそれぞれの対が1つ以上の軸を単独で位置決めする役目を果たしており、複数の対で1つの軸を分担して位置決めすることの無い構成となっている。本実施形態では、位置決め部材(141、241)がX、Z方向の位置決めを、位置決め部材(142、242)がθy方向の位置決めを、さらに位置決め部材(143、243)がY、θz、θx方向の位置決めの役割を果たす。位置決め用補助部材(144、244)は対になって位置決め部材(141、241)が位置決めするのを補助する。
【0040】
位置決め部材(143、243)の上側のカセット100には開口部247kがあり、その開口部を貫けた巻取りローラ121がローラ122をE方向に押付ける。この押し付け力により発生するカセットをθy、θz方向に回転させようとする力を利用し、位置決め部材(142、242)のθy方向、位置決め部材(143、243)のθz方向の位置決めを補助する。
図7は位置決め部材(143、243)によるY、θz、θx方向の位置決めを説明する図である。図7(a)は図5(a)に示すY、θz、θx方向の位置決め部を拡大した図である。図7(b)は位置決め部材(143、243)の側面図を示し、図7(c)は図7(a)のA−A断面図を示す。カセットを下から持ち上げ、カセット固定部材143を基準部材243に挿入する。基準部材243の断面は円弧状の形状を有し、その形状は固定部材143が挿入し易く且つ最終的にY方向に位置ズレが発生しないようにガイドし、Y方向の位置を規定している。また、基準部材243と固定部材143はX方向に長さを有しているので両者を係合することによりX軸を軸とするθx方向の回転ずれがないように規定している。
【0041】
図7(c)に示すように位置決め部材(143、243)はX方向に長くなっており、コ形状の143がバー形状の243を囲んで位置決めしている。このことによって、このθz方向に回転させようとする力が、カセット100と固定部200を平行に維持するように作用し、図7(c)の矢印Fに示すようなZ軸を軸とする回転を抑えている。この結果、先のθx方向の回転ずれ防止と合わせてカセットの全体姿勢は固定部200と平行面になるように規定される。
この回転力を発生している回転力発生機構247は図6に示す回転力発生シリンダ247sと巻取りローラ121(図4も参照)を有する。回転力発生シリンダ247sによってSを支点としてリンク247bを介し巻取りローラ121を矢印G(図6と図7(a)と見る方向が紙面の表裏となるので矢印Eとは反対になる)に旋回移動させ、巻取りローラ121と固定部200が有する巻取りローラ122でセパレータを挟み込み、巻取りローラ121を回転させることでセパレータを巻き取るものである。
この結果、前述したようにカセットは固定部から所望の距離ΔY離れ、固定部に対し平行な面を維持できるように位置決めされる。
【0042】
カセット100を固定部200に正確に位置決めする目的は、図4に示す圧着刃51で基板上の所望の位置にACFを正確に貼り付けることである。従って、ACFを貼り付ける位置におけるカセット100と固定部200の両者の位置関係を正確に規定することが重要である。このために、6軸のうち3軸の位置決めする位置決め部材(143、243)を図4の圧着刃51や下刃52などの圧着位置近くに配置する。この結果、圧着刃に対するACFテープの位置決めが正解にできるので、ACFを基板の所望の位置に貼り付けることがきる効果を奏する。
【0043】
図8は位置決め部材(141、241)による図5(a)に示すX、Z方向の位置決め部の拡大図で、X、Z方向の位置決めを説明する図である。基準部材241はX、Z方向を規定するL字状のブロック形状を有する。そこで、カセットを下から持ち上げ、固定部材141をL字状の基準部材241にセットする。カセット100の自重により固定部材141は基準部材241に乗ることになりZ方向の位置決めが完了する。そして、図6に示すシリンダ244sを有すX位置機構248によって基準部材用補助部材244が固定部材用補助部材144を矢印H方向に押付けると、固定部材141はL字状の基準部材241の側部に押付けられる。固定部材141は後述する位置を補正する機構を有する。
【0044】
図9は位置決め部材(142、242)による図5(a)に示すθy方向の位置決め部の拡大図で、θy方向の位置決めを説明する図である。固定部200の基準部材242は図5(b)に示すよう円柱状の形状を有している。一方、カセット100の固定部材142も円柱状の形状を有する。そこで、図6に示した回転力発生機構247によってカセットを矢印J方向に回転させようとすると、固定部材142によってY軸を軸とした回転が抑えられる。この結果、カセットのθy方向の位置決めがされる。
【0045】
しかしながら、カセットを下から持ち上げセットするときに、基準部材242が固定部材142の邪魔になる。そこで、基準部材242をK(X)方向に移動可能とし、セット時は邪魔にならないように破線で示す位置242Aに退避し、セット後にカセット側の位置決め部材位置242Bに移動する。この移動は図6に示すシリンダ242sによって行なわれる。なお、固定部200に付いている上の部材242uは、矢印J方向の回転力によりシリンダ242sのロッドの変形を防止する役目を果たす。
この結果、カセットは固定部200に対しθy方向の所定の位置に位置決めされる。
【0046】
次に、固定部材141、142の位置調整機構150を図10を用いて説明する。位置調整機構150の機能は、所定の位置に位置決めされたときに、製作時による相性の違いを補正しその位置に固定部材141、142がくるように調整するものである。位置調整機構150は、固定板151の左右に設けた調整部151L、151Rで固定部材の141、142を調整し、カセット100の傾きと高さ方向を調整することで、調整部は一端が位置決め部材141,142を支持し、他端がつまみ152L、152Rを有するネジ153L,153Rと固定板151とで上下方向に拘束される部位を有する。そこで、2つのネジ153R、153Lを調節して傾きと高さの位置決めをする。なお、固定板151には基準部材242が移動可能な切り欠き152がある。
【0047】
次に、カセットのセットフローの観点から図11を用いて説明する。まず、固定部側の位置決め部材242を退避位置に移動し、カセット載置台322から固定部にカセットを受け渡す(Step1)。その後、位置決め部材(142、242)によるθy方向の位置決め(Step2)、位置決め部材(141、241)によるX、Z方向の位置決めセットをする(Step3)。次に、回転力発生機構247を作動し、回転力発生シリンダ247sによりセパレータを保持(挟込)(Step4)すると共に、回転力発生機構による回転力と位置決め部材(143、243)によるY、θx及びθz方向の位置決めをする(Step5)。Step5で固定部200にカセット100をセットできたので、旋回軸211により固定部を回転する(Step6)。その後、ACFの貼付処理を実施する(Step7)。
【0048】
以上、本実施形態によれば、交換時間を低減した稼働率の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供することである。
【0049】
また、本実施形態によれば、ACFテープの貼付け位置での位置再現性の優れた信頼性の高いACF貼付装置及びACF貼付方法を提供することである。
【符号の説明】
【0050】
1:表示基板(基板) 9:TAB
10:ACF 11:セパレータ
12:ACFテープ 20;ACF貼付装置
50:ヘッド本体 51:圧着刃
100:ACFカセット(カセット) 121、122:巻取りローラ
141〜143:固定部材(位置決め部材)
144:固定部材用補助部材 150:位置調整機構
160:ACF供給リール 200:カセット固定部(固定部)
211:旋回軸 241〜243:基準部材(位置決め部材)
244:基準部材用補助部材 247:回転力発生機構
247s:回転力発生シリンダ 248:X位置規定機構
300:ACFカセット供給部 322:カセット載置台
323:回転テーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載部品を表示基板やプリント基板の搭載位置に貼付けるACFを有するACFテープをACF供給リールから引き回し前記ACFを前記搭載位置に貼付けるACF貼付装置において、
前記ACF貼付装置は前記ACF供給リールを具備し前記ACFテープを引き回したACFカセットと前記ACFカセットを固定するカセット固定部とを有し、前記ACFカセットを前記カセット固定部に対し所望の姿勢に固定する位置姿勢方向3軸と回転姿勢方向3軸の計6軸を規定する位置決め部材を前記ACFカセットと前記カセット固定部に対に複数組設けたことを特徴とするACF貼付装置。
【請求項2】
前記複数組はそれぞれ前記6軸のうち1つ以上の軸を単独で位置決めすることを特徴とする請求項1に記載のACF貼付装置。
【請求項3】
前記位置姿勢方向の3軸は前記表示基板やプリント基板の一辺側の方向をX方向、表示基板表面と垂直な方向をZ方向及び前記X及びZ方向に直交する方向をY方向とし、前記回転姿勢は前記X方向、Y方向、Z方向の各軸を回転軸とするそれぞれの姿勢をθx方向、θy方向、θz方向とすることを特徴とする請求項1または2に記載のACF貼付装置。
【請求項4】
前記複数組は3組であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のACF貼付装置。
【請求項5】
前記複数組のうち1組は前記ACFを貼り付ける貼付け位置の側部に設けたことを特徴とする請求項4に記載のACF貼付装置。
【請求項6】
前記側部に設けられた前記位置決め部材の対は前記6軸のうちの3軸を規定することを特徴とする請求項5に記載のACF貼付装置。
【請求項7】
前記3軸はY方向、θx方向、θz方向であることを特徴とする請求項6に記載のACF貼付装置。
【請求項8】
前記位置決め部材の対はX方向に長く、前記位置決め部材のうち前記ACFカセットに設けられた固定部材は前記カセット固定部に設けられた基準部材を嵌め込む構造を有することを特徴とする請求項7に記載のACF貼付装置。
【請求項9】
前記複数組のうち1組は前記X、Z方向の位置を規定するXZ方向規定部材の対であることを特徴とする請求項4に記載のACF貼付装置。
【請求項10】
少なくとも前記X方向の位置を規定するために前記ACFカセットを前記X方向に移動させ、前記XZ方向規定部材の対のうち前記ACFカセットの固定部材を前記カセット固定部の基準部材に押付けるX位置規定手段を有することを特徴とする請求項9に記載のACF貼付装置。
【請求項11】
前記X位置規定手段はさらに前記Z方向も規定するXZ位置規定手段であることを特徴とする請求項10に記載のACF貼付装置。
【請求項12】
前記位置決め部材の対のうちZ方向を規定するものであって、前記位置決め部材の対のうち前記固定部材との干渉を回避するために前記基準部材を退避する退避手段を有することを特徴とする請求項10に記載のACF貼付装置。
【請求項13】
前記複数組のうち1組は前記θy方向を規定するθy規定部材の対であることを特徴とする請求項4に記載のACF貼付装置。
【請求項14】
前記ACFカセットを前記カセット固定部と平行な面内で回転させる回転力発生手段を有することを特徴とする請求項4に記載のACF貼付装置。
【請求項15】
前記回転力発生手段は前記θy方向の回転力を発生させる手段であって、請求項8に記載の前記位置決め部材の対によって前記θz方向の回転を防止する手段であることを特徴とする請求項14に記載のACF貼付装置。
【請求項16】
前記回転力発生手段は請求項13に記載の前記θy方向の回転力を発生させる手段であって、前記θy規定部材の対のうち前記ACFカセットに設けられた固定部材をカセット固定部に設けられた基準部材に対してθy方向に押付ける手段であることを特徴とする請求項14に記載のACF貼付装置。
【請求項17】
前記位置決め部材の対のうち前記ACFカセットの位置決め部材の位置を調整する位置調整手段を有することを特徴とする請求項1に記載のACF貼付装置。
【請求項18】
前記ACFカセットを前記カセット固定部に搭載するACFカセット供給手段を有することを特徴とする請求項3に記載のACF貼付装置。
【請求項19】
前記カセット固定部を前記θz方向にほぼ180度旋回させる手段を有することを特徴とする請求項3に記載のACF貼付装置。
【請求項20】
搭載部品を表示基板やプリント基板の搭載位置に貼付けるACFを有するACFテープをACF供給リールから引き回し前記ACFを前記搭載位置に貼付けるACF貼付方法において、
前記ACF供給リールが装置され前記ACFテープを引き回した前記ACFカセットの位置決め用固定部材を前記ACFカセットを固定するカセット固定部の位置決め用基準部材に載置し、前記ACFカセットを前記カセット固定部に対し所望の姿勢に固定する位置姿勢方向3軸と回転姿勢方向3軸の位置決めをし、その後に前記ACFを前記表示基板に貼り付けることを特徴とするACF貼付方法。
【請求項21】
前記位置姿勢方向の3軸は前記表示基板やプリント基板の一辺側の方向をX方向、表示基板表面と垂直な方向をZ方向及び前記X及びZ方向に直交する方向をY方向とし、前記回転姿勢は前記各X方向、Y方向、Z方向の各軸を回転軸とするそれぞれの姿勢をθx方向、θy方向、θz方向とすることを特徴とする請求項20に記載のACF貼付方法。
【請求項22】
前記位置決めは前記ACFカセットを前記カセット固定部と平行な面内で回転させるステップを有することを特徴とする請求項20または21に記載のACF貼付方法。
【請求項23】
前記回転はθy方向に回転させることを特徴とする請求項22に記載のACF貼付方法。
【請求項24】
前記位置決めは前記ACFカセットを前記X方向に移動させるステップを有することを特徴とする請求項21に記載のACF貼付方法。
【請求項25】
前記載置する際に前記固定部材との干渉を回避するために前記基準部材を退避することを特徴とする請求項20に記載のACF貼付方法。
【請求項26】
前記位置決めをする前に前記ACFカセットの固定部材の位置を調整することを特徴とする請求項20に記載のACF貼付方法。
【請求項1】
搭載部品を表示基板やプリント基板の搭載位置に貼付けるACFを有するACFテープをACF供給リールから引き回し前記ACFを前記搭載位置に貼付けるACF貼付装置において、
前記ACF貼付装置は前記ACF供給リールを具備し前記ACFテープを引き回したACFカセットと前記ACFカセットを固定するカセット固定部とを有し、前記ACFカセットを前記カセット固定部に対し所望の姿勢に固定する位置姿勢方向3軸と回転姿勢方向3軸の計6軸を規定する位置決め部材を前記ACFカセットと前記カセット固定部に対に複数組設けたことを特徴とするACF貼付装置。
【請求項2】
前記複数組はそれぞれ前記6軸のうち1つ以上の軸を単独で位置決めすることを特徴とする請求項1に記載のACF貼付装置。
【請求項3】
前記位置姿勢方向の3軸は前記表示基板やプリント基板の一辺側の方向をX方向、表示基板表面と垂直な方向をZ方向及び前記X及びZ方向に直交する方向をY方向とし、前記回転姿勢は前記X方向、Y方向、Z方向の各軸を回転軸とするそれぞれの姿勢をθx方向、θy方向、θz方向とすることを特徴とする請求項1または2に記載のACF貼付装置。
【請求項4】
前記複数組は3組であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のACF貼付装置。
【請求項5】
前記複数組のうち1組は前記ACFを貼り付ける貼付け位置の側部に設けたことを特徴とする請求項4に記載のACF貼付装置。
【請求項6】
前記側部に設けられた前記位置決め部材の対は前記6軸のうちの3軸を規定することを特徴とする請求項5に記載のACF貼付装置。
【請求項7】
前記3軸はY方向、θx方向、θz方向であることを特徴とする請求項6に記載のACF貼付装置。
【請求項8】
前記位置決め部材の対はX方向に長く、前記位置決め部材のうち前記ACFカセットに設けられた固定部材は前記カセット固定部に設けられた基準部材を嵌め込む構造を有することを特徴とする請求項7に記載のACF貼付装置。
【請求項9】
前記複数組のうち1組は前記X、Z方向の位置を規定するXZ方向規定部材の対であることを特徴とする請求項4に記載のACF貼付装置。
【請求項10】
少なくとも前記X方向の位置を規定するために前記ACFカセットを前記X方向に移動させ、前記XZ方向規定部材の対のうち前記ACFカセットの固定部材を前記カセット固定部の基準部材に押付けるX位置規定手段を有することを特徴とする請求項9に記載のACF貼付装置。
【請求項11】
前記X位置規定手段はさらに前記Z方向も規定するXZ位置規定手段であることを特徴とする請求項10に記載のACF貼付装置。
【請求項12】
前記位置決め部材の対のうちZ方向を規定するものであって、前記位置決め部材の対のうち前記固定部材との干渉を回避するために前記基準部材を退避する退避手段を有することを特徴とする請求項10に記載のACF貼付装置。
【請求項13】
前記複数組のうち1組は前記θy方向を規定するθy規定部材の対であることを特徴とする請求項4に記載のACF貼付装置。
【請求項14】
前記ACFカセットを前記カセット固定部と平行な面内で回転させる回転力発生手段を有することを特徴とする請求項4に記載のACF貼付装置。
【請求項15】
前記回転力発生手段は前記θy方向の回転力を発生させる手段であって、請求項8に記載の前記位置決め部材の対によって前記θz方向の回転を防止する手段であることを特徴とする請求項14に記載のACF貼付装置。
【請求項16】
前記回転力発生手段は請求項13に記載の前記θy方向の回転力を発生させる手段であって、前記θy規定部材の対のうち前記ACFカセットに設けられた固定部材をカセット固定部に設けられた基準部材に対してθy方向に押付ける手段であることを特徴とする請求項14に記載のACF貼付装置。
【請求項17】
前記位置決め部材の対のうち前記ACFカセットの位置決め部材の位置を調整する位置調整手段を有することを特徴とする請求項1に記載のACF貼付装置。
【請求項18】
前記ACFカセットを前記カセット固定部に搭載するACFカセット供給手段を有することを特徴とする請求項3に記載のACF貼付装置。
【請求項19】
前記カセット固定部を前記θz方向にほぼ180度旋回させる手段を有することを特徴とする請求項3に記載のACF貼付装置。
【請求項20】
搭載部品を表示基板やプリント基板の搭載位置に貼付けるACFを有するACFテープをACF供給リールから引き回し前記ACFを前記搭載位置に貼付けるACF貼付方法において、
前記ACF供給リールが装置され前記ACFテープを引き回した前記ACFカセットの位置決め用固定部材を前記ACFカセットを固定するカセット固定部の位置決め用基準部材に載置し、前記ACFカセットを前記カセット固定部に対し所望の姿勢に固定する位置姿勢方向3軸と回転姿勢方向3軸の位置決めをし、その後に前記ACFを前記表示基板に貼り付けることを特徴とするACF貼付方法。
【請求項21】
前記位置姿勢方向の3軸は前記表示基板やプリント基板の一辺側の方向をX方向、表示基板表面と垂直な方向をZ方向及び前記X及びZ方向に直交する方向をY方向とし、前記回転姿勢は前記各X方向、Y方向、Z方向の各軸を回転軸とするそれぞれの姿勢をθx方向、θy方向、θz方向とすることを特徴とする請求項20に記載のACF貼付方法。
【請求項22】
前記位置決めは前記ACFカセットを前記カセット固定部と平行な面内で回転させるステップを有することを特徴とする請求項20または21に記載のACF貼付方法。
【請求項23】
前記回転はθy方向に回転させることを特徴とする請求項22に記載のACF貼付方法。
【請求項24】
前記位置決めは前記ACFカセットを前記X方向に移動させるステップを有することを特徴とする請求項21に記載のACF貼付方法。
【請求項25】
前記載置する際に前記固定部材との干渉を回避するために前記基準部材を退避することを特徴とする請求項20に記載のACF貼付方法。
【請求項26】
前記位置決めをする前に前記ACFカセットの固定部材の位置を調整することを特徴とする請求項20に記載のACF貼付方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−211034(P2011−211034A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78495(P2010−78495)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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