説明

ALK阻害剤に対する自然耐性または獲得耐性を有する癌の同定、評価および治療法

ALK突然変異陽性の癌を有する被験体がALK阻害剤を用いた治療に反応を示す可能性が高いか否か、および/または、このような癌を有する患者の疾患の進行が比較的遅くなる可能性が高いか否かを判定するための組成物、キット、および方法について説明する。さらには、このような癌を有する被験体における疾患の経時変化を予測する方法についても説明する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ALK阻害剤を用いた治療に対する無応答性のリスクが増加した、癌を有する被験体または癌を発現するリスクを有する被験体を同定する方法であって、
a.前記患者からサンプルを採取し、
b.前記サンプルを分析して1つ以上の突然変異ALKポリヌクレオチド分子の存在を検出する、
ことを含み、
前記1つ以上の突然変異ALKポリヌクレオチド分子の存在が、前記被験体の前記ALK阻害剤を用いた治療に対する無応答性のリスクが増加したことを示唆することを特徴とする、方法。
【請求項2】
ALK阻害剤を用いた治療に対する無応答性のリスクが増加した、癌を有する被験体または癌を発現するリスクを有する被験体を同定する方法であって、
a.前記患者からサンプルを採取し、
b.前記サンプルを分析して、1つ以上の突然変異ALKポリペプチドの発現量、構造、および/または活性を検出する
ことを含み、
前記1つ以上の突然変異ALKポリペプチドの存在が、前記被験体の前記ALK阻害剤を用いた治療に対する無応答性のリスクが増加したことを示唆することを特徴とする、方法。
【請求項3】
前記被験体が、ALK阻害剤を用いた治療を以前に受けていないか、またはALK阻害剤を用いた治療を以前に受けていて、前記ALK阻害剤に対して少なくとも部分耐性を発現していることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記癌が、未分化大細胞リンパ腫、神経芽細胞腫、乳癌、結腸直腸癌、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、および非小細胞肺癌からなる群より選択されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
前記ALK阻害剤が、PF−02341066、PDD、2−メチル−11−(2−メチルプロピル)−4−オキソ−4,5,6,11,12,13−ヘキサヒドロ−2H−インダゾロ[5,4−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−8−イル[4−(ジメチルアミノ)ベンジル]カルバメート、(1S,2S,3R,4R)−3−({5−クロロ−2−[(1−エチル―2,3,4,5−テトラヒドロ−6−メトキシ−2−オキソ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)アミノ]−4−ピリミジニル}アミノ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、およびNVP−TAE684からなる群より選択されることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記サンプルが、痰、気管支肺胞洗浄、胸水、組織、全血、血清、血漿、頬腔擦取物、唾液、脳脊髄液、尿、排泄物、循環腫瘍細胞、循環核酸、および骨髄からなる群より選択されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項7】
前記サンプルが組織であり、前記組織が腫瘍または癌の組織であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記サンプルが細胞を含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の突然変異ALKポリヌクレオチド分子またはポリペプチドが、表1記載の、突然変異ALKポリヌクレオチド分子またはポリペプチドからなる群より選択されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上のALK突然変異が核酸ハイブリダイゼーション分析によって評価されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上のALK突然変異がポリメラーゼ連鎖反応によって評価されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上のALKポリペプチドの発現量が、前記1つ以上のALKポリペプチドに特異的に結合する試薬を使用して検出されることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項13】
前記試薬が、抗体、抗体誘導体、および抗体フラグメントからなる群より選択されることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の突然変異ALKポリペプチドの量、構造および/または活性が対照サンプルと比較されることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上のALK突然変異が、第1の時点およびその後の少なくとも1つの時点において評価されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項16】
前記サンプルが、生殖細胞系または体細胞ゲノムDNAを含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項17】
癌を有する、または癌を発現するリスクのある患者を治療する方法であって、
a.前記患者からサンプルを採取し、
b.前記サンプルを分析して、表1記載の1つ以上の突然変異ALKポリヌクレオチド分子の存在を検出し、
c.ALK阻害剤を治療に有効な量で前記患者に投与する、
ことを含む、方法。
【請求項18】
前記ALK阻害剤が、PF−02341066、PDD、2−メチル−11−(2−メチルプロピル)−4−オキソ−4,5,6,11,12,13−ヘキサヒドロ−2H−インダゾロ[5,4−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−8−イル[4−(ジメチルアミノ)ベンジル]カルバメート、(1S,2S,3R,4R)−3−({5−クロロ−2−[(1−エチル―2,3,4,5−テトラヒドロ−6−メトキシ−2−オキソ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)アミノ]−4−ピリミジニル}アミノ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、およびNVP−TAE684からなる群より選択されることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記ALK阻害剤がPF−02341066であることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記被験体が、ALK阻害剤を用いた治療を以前に受けていないか、またはALK阻害剤を用いた治療を以前に受けていて、前記ALK阻害剤に対して少なくとも部分耐性を発現していることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項21】
ALK阻害剤を用いた治療に対する癌患者の化学的感受性を判定するキットであって、
1つ以上の突然変異ALKポリヌクレオチド分子またはポリペプチドに特異的に結合する試薬;および
使用説明書
を含む、キット。
【請求項22】
ALK阻害剤をさらに含むことを特徴とする請求項21記載のキット。
【請求項23】
前記試薬が、1つ以上のポリヌクレオチドプローブを含み、
前記プローブのそれぞれが、表1に記載されるヌクレオチド配列に相補的、または表1に記載されるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に相補的なポリヌクレオチド配列を含むことを特徴とする請求項21記載のキット。
【請求項24】
前記プローブが、約50〜107のヌクレオチド長を有するポリヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項23記載のキット。
【請求項25】
前記プローブが、オリゴヌクレオチド、cDNA分子、RNA分子、および核酸塩基を含む合成遺伝子プローブからなる群より選択されることを特徴とする請求項23記載のキット。
【請求項26】
前記試薬が、表1に記載される1つ以上のポリヌクレオチド配列によってコードされたポリペプチドに対する、抗体、および抗体誘導体、および抗体フラグメントを含むことを特徴とする請求項21記載のキット。
【請求項27】
試験化合物が1つ以上の突然変異ALKポリペプチドの活性を調節するか否かを判定する方法であって、
(a)前記1つ以上の突然変異ALKポリペプチドをコードする構成体をトランスフェクトされた哺乳動物細胞を前記試験化合物と接触させ、
(b)前記1つ以上の突然変異ALKポリペプチドの活性について前記哺乳動物細胞を評価する
ことを含み、
対照実験と比較して、前記試験化合物の存在下で顕著に調節された活性が、前記試験化合物を前記1つ以上の突然変異ALKポリペプチドとして同定することを特徴とする、方法。
【請求項28】
前記1つ以上の突然変異ALKポリヌクレオチド分子またはポリペプチドが、表1記載の、突然変異ALKポリヌクレオチド分子またはポリペプチドからなる群より選択されることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記対照が、表1記載のポリペプチドからなる群より選択される野生型ALKポリペプチドを発現する哺乳動物細胞を含むことを特徴とする請求項27または28記載の方法。
【請求項30】
前記1つ以上の突然変異ALKポリペプチドの活性が、ATP結合、チロシンキナーゼ活性、癌細胞増殖、腫瘍成長、腫瘍数、アポトーシス、および腫瘍転移からなる群より選択されることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記対照実験が、前記試験化合物の不存在下で、前記1つ以上の突然変異ALKポリペプチドを発現する哺乳動物細胞を含むことを特徴とする請求項27または28記載の方法。
【請求項32】
前記1つ以上の突然変異ALKポリペプチドの活性が、ATP結合、チロシンキナーゼ活性、癌細胞増殖、腫瘍成長、腫瘍数、アポトーシス、および腫瘍転移からなる群より選択されることを特徴とする請求項31記載の方法。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−518579(P2013−518579A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551704(P2012−551704)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【国際出願番号】PCT/IB2011/000382
【国際公開番号】WO2011/095894
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(505246789)学校法人自治医科大学 (49)
【Fターム(参考)】