説明

ATP−結合カセットトランスポーターのモジュレーター

4−アミド−ピリミジン化合物、その誘導体及び組成物、並びに本明細書に記載の合成方法は、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(「CFTR」)を含めた、ATP結合カセット(「ABC」)トランスポーター又はそのフラグメントを調節するのに有用である。本発明は又、このような調節因子を使用してABCトランスポーター媒介性疾患を処置する方法にも関する。本発明の化合物及び組成物によって処置される疾患としては、嚢胞性線維症、遺伝性肺気腫、遺伝性ヘモクロマトーシス、凝固−フィブリン溶解欠損症(例えば、タンパク質C欠損症)、1型遺伝性血管性水腫、および脂質処理欠損症(例えば、家族性高コレステロール血症)などが挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、米国特許法§119の下、2005年5月24日に出願され、「MODULATORS OF ATP−BINDING CASSETTE TRANSPORTERS」との表題の米国仮出願第60/683,982号に対する利益を主張する。上記優先権出願の内容全体は、参考として本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(「CFTR」)を含むATP−結合カセット(「ABC」)トランスポーター若しくはそのフラグメントのモジュレーター、その組成物、及びそれらを使用した方法に関する。本発明は又、このようなモジュレーターを使用してABCトランスポーター媒介性疾患を処置する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ABCトランスポーターは、広範囲の薬理学的物質、潜在的毒性薬物、及び生体異物、並びにアニオンの輸送を調節する膜トランスポータータンパク質の1ファミリーである。ABCトランスポーターは、それらの特異的活性のために細胞アデノシン三リン酸(ATP)に結合してそれを使用する相同膜タンパク質である。これらのトランスポーターの一部は、化学療法薬から悪性癌細胞を防衛する多剤耐性タンパク質(例えばMDR1−P糖タンパク質、又は多剤耐性タンパク質MRP1)であることが見出されている。現在までに、48種のABCトランスポーターが同定されており、それらの配列同一性及び機能に基づいて7つのファミリーに分類されている。
【0004】
ABCトランスポーターは、身体内の種々の重要な生理学的役割を調節し、有害な環境化合物からの防衛を提供する。このために、それらはトランスポーターの欠損に関連する疾患を処置、標的細胞からの薬物輸送の防止、及びABCトランスポーター活性の調節が有益な可能性があるその他の疾患における介入に重要な潜在的薬物標的である。
【0005】
疾患に一般的に関連するABCトランスポーターファミリーの1つのメンバーには、cAMP/ATP媒介性アニオンチャネルであるCFTRがある。CFTRは、吸収性及び分泌性上皮細胞を含む種々の細胞タイプにおいて発現し、そこで膜を越えるアニオン流動、並びにその他のイオンチャネル及びタンパク質の活性を調節する。上皮細胞中では、CFTRの正常な機能は、呼吸及び消化組織を含む身体全体への電解質輸送を維持するために極めて重要である。CFTRは、それぞれが6本の膜貫通ヘリックス及び1つのヌクレオチド結合ドメインを含有する膜貫通ドメインのタンデムリピートから構成されるタンパク質をコードする約1,480個のアミノ酸から構成される。2つの膜貫通ドメインは、チャネル活性及び細胞トラフィッキングを調節する複数のリン酸化部位を備える大きな極性の調節性(R)−ドメインによって連結されている。
【0006】
CFTRをコードする遺伝子は、既に同定され、配列が決定されている(非特許文献1;非特許文献2),(非特許文献3を参照)。この遺伝子における欠陥はCFTRの突然変異を引き起こし、結果としてヒトで最も一般的な致死性遺伝病である嚢胞性線維症(「CF」)を生じさせる。米国内では幼児2,500人につき約1人が嚢胞性線維症に罹患する。米国の一般的な集団内では、最高1,000万人が明白な病的影響を伴わない1コピーの欠陥遺伝子を有している。これとは対照的に、CF関連遺伝子を2コピー備える個体は、慢性肺疾患を含めたCFの消耗性及び致死性作用に苦しんでいる。
【0007】
嚢胞性線維症を有する患者においては、呼吸上皮中で内生的に発現したCFTRにおける突然変異は、肺尖アニオン分泌の減少をもたらし、イオン及び流体輸送の不均衡を誘発する。結果として生じたアニオン輸送の減少は、肺における粘液蓄積の増強、及び最終的にはCF患者における死亡を引き起こす付随性細菌感染症の原因となる。呼吸器疾患に加えて、一般的にCF患者は、消化器の問題、並びに処置されずに放置されると死に至る膵機能不全に苦しんでいる。更に、嚢胞性線維症を有する男性の大多数は無精子症であり、嚢胞性線維症を有する女性においては受胎能力が減少する。2コピーのCF関連遺伝子の重度の作用とは対照的に、1コピーのCF関連遺伝子を有する個体は、コレラ、並びに下痢による脱水に対する耐性の増加を示すが、これはおそらく集団内にCF遺伝子が比較的高頻度で存在することを説明している。
【0008】
CF染色体のCFTR遺伝子の配列分析では、種々の疾患誘発性突然変異が明らかにされている(非特許文献4;非特許文献5;及び非特許文献6;非特許文献7)。現在までに、CF遺伝子において1,000を超える疾患誘発性突然変異が同定されている(http://www.genet.sickkids.on.ca/cftr/)。最も優勢な突然変異は、CFTRアミノ酸配列の508位におけるフェニルアラニンの欠失であり、一般的にはΔF508−CFTRと呼ばれている。この突然変異は、嚢胞性線維症の症例の約70%において発生しており、重症疾患に関連している。
【0009】
ΔF508−CFTRにおける残基508の欠失によって、新生タンパク質の適切な折り畳みが妨害される。これにより、突然変異タンパク質のERからの退出、及び原形質膜への往来ができなくなる。結果として、膜内に存在するチャネルの数は、野生型CFTRを発現する細胞中で観察される数よりはるかに少ない。損傷したトラフィッキングに加えて、突然変異はチャネルゲーティングの欠陥を生じさせる。それと同時に、膜内のチャネル数の減少及びゲーティングの欠陥は、上皮を越えるアニオン輸送の減少を招き、イオン及び流体輸送の欠陥を生じさせる(非特許文献8)。しかし幾つかの試験では、膜内のΔF508−CFTR数の減少は、野生型CFTRより少ないとは言え、機能的であることが証明されている(非特許文献9;Denningら、上述;非特許文献10)。ΔF508−CFTRに加えて、トラフィッキング、合成及び/又はチャネルゲーティングの欠陥を生じさせるCFTRのその他の疾患誘発性突然変異を上方調節又は下方調節することで、アニオン分泌を変化させ、疾患の進行及び/又は重症度を修飾することができると考えられる。
【0010】
CFTRはアニオンに加えて種々の分子を輸送するが、この役割(アニオンの輸送)は、上皮を越えてイオン及び水を輸送する重要な機序における1要素であることは明らかである。その他の要素には、上皮Naチャネル、EnaC、Na/2Cl/Kコトランスポーター、Na−K−ATPaseポンプ、及び細胞内への塩化物の取り込みを担う側底膜Kチャネルが含まれる。
【0011】
これらの要素は、細胞内におけるそれらの選択的な発現及び局在化によって上皮を越える指向性輸送を達成するために協働する。塩化物の吸収は、頂端膜上に存在するEnaC及びCFTR、並びに細胞の側底膜面上で発現するNa−K−ATPaseポンプ及びClチャネルの協調した活性によって発生する。内腔側からの塩化物の二次活性輸送は、細胞内塩化物の蓄積を招き、これは次にClチャネルによって細胞から受動的に離れることができ、結果としてベクトル輸送を生じさせる。側底膜表面上のNa/2Cl/Kコトランスポーター、Na−K−ATPaseポンプ及び側底膜Kチャネル、並びに内腔側上のCFTRの配列は、内腔側上のCFTRを介した塩化物の分泌を調整する。水はおそらく自然には能動的に輸送されないため、上皮を越える水の流動は、ナトリウム及び塩化物のバルク流によって生成される極めて小さな経上皮浸透圧勾配に依存する。
【0012】
嚢胞性線維症に加えて、CFTR活性の調節は、例えば分泌性疾患等のCFTRにおける突然変異によって直接誘発されないその他の疾患、及びCFTRにより媒介されるその他のタンパク質折り畳み疾患にとって有益な場合がある。これらには、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ドライアイ疾患、及びシェーグレン症候群が含まれるが、これらに限定されない。
【0013】
COPDは、進行性で、完全には可逆性でない気流制限を特徴とする。気流の制限は、粘液分泌過多、気腫、及び細気管支炎に起因する。突然変異若しくは野生型CFTRの活性化因子は、粘液分泌過多、並びにCOPDに一般的な粘膜毛様体クリアランスの障害の潜在的な処置をもたらす。具体的には、CFTRを越えるアニオン分泌の増加は、粘液を水和させて毛様体周囲流体粘度を最適化するために気道表面液体内への流体輸送を促進することができる。これにより、粘膜毛様体クリアランスの強化、及びCOPDに関連する症状の減少がもたらされると考えられる。ドライアイ疾患は、涙水産生の減少、並びに涙液膜の脂質、タンパク質及びムチンのプロファイルの異常を特徴とする。ドライアイには多くの原因があるが、それらの一部には、年齢、眼のレーシック手術、関節炎、医薬品、化学火傷/熱傷、アレルギー、並びに嚢胞性線維症やシェーグレン症候群等の疾患が含まれる。CFTRを介したアニオン分泌の増加によって、角膜水和を増加させるために角膜内皮細胞及び眼を取り囲む分泌腺からの流体輸送が増強されると考えられる。これは、ドライアイ疾患に関連する症状を軽減するのに役立つとされる。シェーグレン症候群は、免疫系が眼、口、皮膚、呼吸組織、肝臓、膣、及び腸を含めた身体全体の水分生成腺を攻撃する自己免疫疾患である。症状には、ドライアイ、口及び膣、並びに肺疾患が含まれる。この疾患は又、慢性関節リウマチ、全身性狼瘡、全身性硬化症、及び多発性筋炎/皮膚筋炎にも関連する。タンパク質トラフィッキングの欠陥は、処置選択肢が限られている疾患を誘発すると考えられる。CFTR活性のモジュレーターは、疾患によって冒される種々の器官を水和させ、関連する症状を高めるために役立つ場合がある。
【0014】
上で考察した通り、ΔF508−CFTRにおける残基508の欠失によって、新生タンパク質の適切な折り畳みが妨害され、この突然変異タンパク質のERからの退出、及び原形質膜への往来ができなくなると考えられる。その結果、原形質膜に存在する成熟タンパク質の量が不十分となり、上皮組織内の塩化物輸送が有意に減少する。実際に、ER機構によりABCトランスポーターのER処理の欠陥を招くこの細胞現象は、CF疾患だけではなく、広範なその他の孤立性及び遺伝性疾患の原因ともなることが証明されている。ER機構が機能不全になる可能性がある方法には2つあり、これらは、分解を引き起こすタンパク質のER輸出への結合の消失、又はこれらの欠陥のある/誤って折り畳まれたタンパク質のER蓄積の何れかによる[非特許文献11;非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15]。第1クラスのER機能不全と関連する疾患には、(上で考察したような誤って折り畳まれたΔF508−CFTRに起因する)嚢胞性線維症、(α1−アンチトリプシン;非Piz変異体に起因する)遺伝性肺気腫、遺伝性血色素症、凝固−フィブリン溶解不全症(例えば、タンパク質C欠損症)、1型遺伝性血管性水腫、脂質処理不全症(例えば、家族性高コレステロール血症)、1型カイロクロミン血症、無βリポタンパク血症、リソソーム蓄積症(例えば、I細胞疾患/偽性ハーラー病)、(リソソーム処理酵素に起因する)ムコ多糖症、(β−ヘキソサミニダーゼに起因する)サンドホフ/テイ・ザックス病、(UDP−グルクロニル−シアリール−トランスフェラーゼに起因する)クリグラー・ナジャーII型病、多発性内分泌腺症/過インスリン症、(インスリン受容体に起因する)糖尿病、(成長ホルモン受容体に起因する)ラーロン型小人症、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、(プレプロ副甲状腺ホルモンに起因する)原発性副甲状腺機能低下症、(チロシナーゼに起因する)黒色腫がある。後者のクラスのER機能不全に関連する疾患には、Glycanosis CDG1型、(α1−アンチトリプシン(PiZ変異体)に起因する)遺伝性肺気腫、先天性甲状腺機能亢進症、(I、II、IV型プロコラーゲンに起因する)骨形成不全症、(フィブリノゲンに起因する)遺伝性低フィブリノゲン血症、(α1−アンチキモトリプシンに起因する)ACT不全症、尿崩症(DI)、(バソプレッシンホルモン/V2受容体に起因する)神経下垂体性DI、(アクアポリンIIに起因する)腎性DI、(末梢ミエリンタンパク質22に起因する)シャルコー・マリー・ツース症候群、ペリツェーウス・メルツバッヒャー病、(βAPP及びプレセニリンに起因する)神経変性病(例えば、アルツハイマー病)、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、ピック病、重度のポリグルタミン神経学障害(例えば、ハンチントン病)、脊髄小脳失調I型、脊髄延髄性筋萎縮症、歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症、及び筋緊張性ジストロフィー、並びに(プリオンタンパク質処理欠陥に起因する)海綿状脳症(例えば、遺伝性クロイツフェルト・ヤコブ病)、(リソソームα−ガラクトシダーゼAに起因する)ファブリー病、及び(Prp処理欠陥に起因する)シュトロイスラー・シャインカー症候群がある。
【0015】
CFTR活性の上方調節に加えて、CFTRモジュレーターによりアニオン分泌を減少させるプロセスは、分泌促進薬活性化塩化物輸送により上皮性水輸送が劇的に増加する分泌性下痢の処置に有益な場合がある。この機構は、cAMPの上昇及びCFTRの刺激を含む。
【0016】
下痢には極めて多くの原因があるが、過剰な塩化物輸送により生じる下痢疾患の主要な結果は、万国共通しており、これには、脱水、アシドーシス、成長障害及び死亡が含まれる。
【0017】
急性及び慢性の下痢は、世界中の多くの地域において重大な医学的問題となっている。下痢は、5歳未満の小児における栄養不良の重要な要素であり、死亡の主要な原因(年間5,000,000件)でもある。
【0018】
分泌性下痢は又、後天性免疫不全症候群(AIDS)及び慢性炎症性腸疾患(IBD)の患者における危険な病態でもある。毎年、旅行先の国や地域により下痢の重症度及び症例数は異なるものの、先進工業国から開発途上国への旅行者1,600万人が下痢を発症している。
【0019】
ウシ、ブタ及びウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ及びイヌ等の家畜及びペットにおける下痢は、scours(下痢)としても知られており、これらの動物における主要な死因となっている。下痢は、離乳若しくは物理的移動等の任意の主要な遷移、並びに種々の細菌若しくはウイルス感染に応答して発生することがあり、一般的には動物が生まれてから最初の数時間以内に発生する。
【0020】
最も一般的な下痢を引き起こす細菌は、K99ピルス抗原を有する腸管毒素原性大腸菌(ETEC)である。下痢の一般的なウイルス起源には、ロタウイルス及びコロナウイルスが含まれる。その他の感染性因子には、クリプトスポリジウム、ランブル鞭毛虫、及びサルモネラ等が含まれる。
【0021】
ロタウイルス感染の症状には、水状便の排泄、脱水及び衰弱が含まれる。コロナウイルスは、生まれたばかりの動物においてより重度の疾患を引き起こし、ロタウイルス感染よりも致死率が高い。しかし、若年動物は、1度に複数のウイルス、又はウイルスと細菌性微生物の組み合わせに感染することが多い。これにより、疾患の重症度が劇的に高くなる。
【非特許文献1】Gregory, R.J.ら (1990) Nature 347:382−386
【非特許文献2】Rich, D.P.ら (1990) Nature 347:358−362
【非特許文献3】Riordan, J.R.ら (1989) Science 245:1066−1073
【非特許文献4】Cutting, G.R.ら (1990) Nature 346:366−369
【非特許文献5】Dean, M.ら (1990) Cell 61:863:870
【非特許文献6】Kerem, B−S.ら (1989) Science 245:1073−1080
【非特許文献7】Kerem, B−S,ら (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:8447−8451
【非特許文献8】Quinton, P.M. (1990), FASEB J. 4:2709−2727
【非特許文献9】Dalemansら (1991), Nature Lond. 354:526−528
【非特許文献10】Pasyk and Foskett (1995), J. Cell. Biochem. 270:12347−50
【非特許文献11】Aridor Mら, Nature Med., 5(7), pp.745− 751 (1999)
【非特許文献12】Shastry, B.S.ら, Neurochem. International, 43, pp.1−7 (2003)
【非特許文献13】Rutishauser, J.ら, Swiss Med Wkly, 132, pp.211−222 (2002)
【非特許文献14】Morello, JPら, TIPS, 21, pp.466−469 (2000)
【非特許文献15】Bross P.ら, Human Mut, 14, pp.186−198 (1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
従って、哺乳動物の細胞膜中でABCトランスポーターの活性を調節するために使用できる、ABCトランスポーター活性のモジュレーター、及びその組成物が必要とされている。
又、ABCトランスポーター活性のこのようなモジュレーターを使用してABCトランスポーター媒介性疾患を処置する方法も必要とされている。
又、哺乳動物のex vivo細胞膜中でABCトランスポーターの活性を調節する方法も必要とされている。
又、哺乳動物の細胞膜中でABCトランスポーターの活性を調節するために使用できるABCトランスポーター活性のモジュレーターも必要とされている。
又、CFTR活性のこのようなモジュレーターを使用してCFTR媒介性疾患を処置する方法も必要とされている。
更に、哺乳動物のex vivo細胞膜中でCFTRの活性を調節する方法も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
現在のところ、本発明の化合物、及びその薬学的に許容される組成物は、CFTR活性等のABCトランスポーター活性のモジュレーターとして有用であることが見出されている。これらの化合物は、以下の一般式Iを有し:
【0024】
【化5】

式中、環A、並びに置換基Ra、Rb、Rc及びRdは、以下に記載されている。
【0025】
これらの化合物及び薬学的に許容される組成物は、嚢胞性線維症、遺伝性肺気腫、遺伝性ヘモクロマトーシス、凝固−フィブリン溶解欠損症(例えば、タンパク質C欠損症)、1型遺伝性血管性水腫、脂質処理欠損症(例えば、家族性高コレステロール血症)、1型カイロミクロン血症、無βリポタンパク血症、リソソーム性蓄積症(例えば、I細胞病/偽性ハーラー病)、ムコ多糖症、サンドホフ/テイ・ザックス病、クリグラー・ナジャーII型、多発性内分泌腺症/過インスリン血症、糖尿病、ラーロン型小人症、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、原発性副甲状腺機能低下症、黒色腫、Glycanosis CDG 1型、遺伝性肺気腫、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、遺伝性低フィブリノゲン血症、ACT欠損症、尿崩症(DI)、神経下垂体性DI、腎性DI、シャルコー・マリー・ツース症候群、ペリツェーウス・メルツバッヒャー病、神経変性病(例えば、アルツハイマー病)、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、ピック病、重症ポリグルタミン神経学障害(例えば、ハンチントン病)、脊髄小脳失調I型、脊髄性延髄性筋萎縮症、歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症、及び緊張性筋萎縮症、並びに海綿状脳症(例えば、遺伝性クロイツフェルト・ヤコブ病)、ファブリー病、シュトラウスラー・シャインカー症候群、COPD、ドライアイ病及びシェーグレン病を含むがこれらに限定されない、種々の疾患、障害若しくは病態を処置する又はその重症度を緩和するのに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(発明の詳細な説明)
I. 定義
本明細書では、特に指示がない限り、以下の定義が適用される。
【0027】
本明細書で使用される「ABCトランスポーター」という用語は、少なくとも1つの結合ドメインを含むABCトランスポータータンパク質若しくはそのフラグメントを意味しており、前記タンパク質若しくはそのフラグメントはin vivo若しくはin vitroに存在する。本明細書で使用される「結合ドメイン」という用語は、モジュレーターに結合できるABCトランスポーター上のドメインを意味する。例えば、Hwang, T.C.,ら, J. Gen. Physiol. (1998):111(3), 477−90を参照されたい。
【0028】
本明細書で使用される「CFTR」という用語は、ΔF508 CFTR及びG551D CFTRを含むがこれらに限定されない嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子又は活性を調節できる突然変異を意味する(CFTR突然変異については、例えば、http://www.genet.sickkids.on.ca/cftr/を参照)。
【0029】
本明細書で使用される「モジュレートする」という用語は、測定可能な量まで、例えば活性を増加又は減少させることを意味する。CFTR活性等のABCトランスポーター活性を、例えばCFTRアニオンチャネル等のABCトランスポーターの活性を増加させることによってモジュレートする化合物は、アゴニストと呼ばれている。CFTR活性等のABCトランスポーター活性を、例えばCFTRアニオンチャネル等のABCトランスポーターの活性を減少させることによってモジュレートする化合物は、アンタゴニストと呼ばれている。アゴニストは、CFTRアニオンチャネル等のABCトランスポーターと相互作用して、内因性リガンド結合における細胞内シグナルを変換する受容体の能力を増加させる。アンタゴニストは、CFTR等のABCトランスポーターと相互作用し、受容体上の結合部位に対して内因性リガンド若しくは基質と競合し、内因性リガンド結合に応答して細胞内シグナルを変換する受容体の能力を減少させる。
【0030】
「ABCトランスポーター媒介性疾患を処置する又はその重症度を減少させる」という語句は、ABCトランスポーター及び/又はCFTR活性によって直接的に誘発される疾患を処置及びABCトランスポーター及び/又はCFTRアニオンチャネル活性によって直接的に誘発されるのではない疾患の症状の緩和の両方を意味する。それらの症状がABCトランスポーター及び/又はCFTR活性によって影響を受ける可能性がある疾患の例には、嚢胞性線維症、遺伝性肺気腫、遺伝性ヘモクロマトーシス、凝固−フィブリン溶解欠損症(例えば、タンパク質C欠損症)、1型遺伝性血管性水腫、脂質処理欠損症(例えば、家族性高コレステロール血症)、1型カイロミクロン血症、無βリポタンパク血症、リソソーム性蓄積症(例えば、I細胞病/偽性ハーラー病)、ムコ多糖症、サンドホフ/テイ・ザックス病、クリグラー・ナジャーII型、多発性内分泌腺症/過インスリン血症、糖尿病、ラーロン型小人症、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、原発性副甲状腺機能低下症、黒色腫、Glycanosis CDG1型、遺伝性肺気腫、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、遺伝性低フィブリノゲン血症、ACT欠損症、尿崩症(DI)、神経下垂体性DI、腎性DI、シャルコー・マリー・ツース症候群、ペリツェーウス・メルツバッヒャー病、神経変性病(例えば、アルツハイマー病)、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、ピック病、重症ポリグルタミン神経学障害(例えば、ハンチントン病)、脊髄小脳失調I型、脊髄性延髄性筋萎縮症、歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症、及び緊張性筋萎縮症、並びに海綿状脳症(例えば、遺伝性クロイツフェルト・ヤコブ病)、ファブリー病、シュトラウスラー・シャインカー症候群、COPD、ドライアイ病、及びシェーグレン病が含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
本発明において、化学元素は、元素の周期表(the Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed)に従って同定されている。更に、有機化学の一般原理は、内容全体が参考として本明細書に組み入れられている“Organic Chemistry”, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausolito:1999, and “March’s Advanced Organic Chemistry”, 5th Ed., Ed.:Smith, M.B. and March, J., John Wiley & Sons, New York:2001に記載されている。
【0032】
本明細書で使用される「脂肪族」という用語は、それぞれ以下に記載の通りに場合により置換される、アルキル、アルケニル、アルキニルという用語を包含する。
【0033】
本明細書で使用される「アルキル」基は、1〜8(例、1〜6又は1〜4)個の炭素原子を含有する飽和脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は直鎖状又は分枝状であってよい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチル、又は2−エチルヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。アルキル基は、ハロ、脂環式[例、シクロアルキル若しくはシクロアルケニル]、ヘテロ脂環式[例、ヘテロシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルケニル]、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アシル[例、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、若しくは(ヘテロ脂環式)カルボニル]、ニトロ、シアノ、アミド[例、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、若しくはヘテロアリールアミノカルボニル]、アミノ[例、脂肪族アミノ、脂環式アミノ、若しくはヘテロ脂環式アミノ]、スルホニル[例、脂肪族−SO−]、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファミド、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、脂環式オキシ、ヘテロ脂環式オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、若しくはヒドロキシ等の1つ以上の置換基で置換(即ち、場合により置換)されてよい。制限なく、置換アルキルの一部の例には、カルボキシアルキル(HOOC−アルキル、アルコキシカルボニルアルキル、及びアルキルカルボニルオキシアルキル等)、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシルアルキル、アラルキル、(アルコキシアリール)アルキル、(スルホニルアミノ)アルキル((アルキル−SO−アミノ)アルキル等)、アミノアルキル、アミドアルキル、(脂環式)アルキル、又はハロアルキルが含まれる。
【0034】
本明細書で使用される「アルケニル」基は、2〜8(例、2〜6又は2〜4)個の炭素原子及び少なくとも1つの二重結合を含有する脂肪族炭素基を意味する。アルキル基と同様に、アルケニル基も直鎖状又は分枝状であってよい。アルケニル基の例には、アリール、イソプレニル、2−ブテニル、及び2−ヘキセニルが含まれるが、これらに限定されない。アルケニル基は、ハロ、脂環式[例、シクロアルキル若しくはシクロアルケニル]、ヘテロ脂環式[例、ヘテロシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルケニル]、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アシル[例、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、若しくは(ヘテロ脂環式)カルボニル]、ニトロ、シアノ、アミド[例、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、若しくはヘテロアリールアミノカルボニル]、アミノ[例、脂肪族アミノ、脂環式アミノ、若しくはヘテロ脂環式アミノ]、スルホニル[例、アルキル−SO−、脂環式−SO−、若しくはアリール−SO−]、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファミド、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、脂環式オキシ、ヘテロ脂環式オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、若しくはヒドロキシ等の1つ以上の置換基で場合により置換されてよい。制限なく、置換アルケニルの一部の例には、シアノアルケニル、アルコキシアルケニル、アシルアルケニル、ヒドロキシアルケニル、アラルケニル、(アルコキシアリール)アルケニル、(スルホニルアミノ)アルケニル(アルキル−SO−アミノ)アルケニル等)、アミノアルケニル、アミドアルケニル、(脂環式)アルケニル、又はハロアルケニルが含まれる。
【0035】
本明細書で使用される「アルキニル」基は、2〜8(例、2〜6又は2〜4)個の炭素原子及び少なくとも1つの三重結合を含有する脂肪族炭素基を意味する。アルキニル基は直鎖状又は分枝状であってよい。アルキニル基の例には、プロパルギル及びブチニルが含まれるが、これらに限定されない。アルキニル基は、アロイル、ヘテロアロイル、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、スルホ、メルカプト、スルファニル[例、脂肪族スルファニル若しくは脂環式スルファニル]、スルフィニル[例、脂肪族スルフィニル若しくは脂環式スルフィニル]、スルホニル[例、脂肪族−SO−、脂肪族アミノ−SO−、若しくは脂環式−SO−]、アミド[例、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、シクロアルキルカルボニルアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、若しくはヘテロアリールアミノカルボニル]、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アシル[例、(脂環式)カルボニル若しくは(ヘテロ脂環式)カルボニル]、アミノ[例、脂肪族アミノ]、スルホキシ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、(脂環式)オキシ、(ヘテロ脂環式)オキシ、若しくは(ヘテロアリール)アルコキシ等の1つ以上の置換基で場合により置換されてよい。
【0036】
本明細書で使用される「アミド」は、「アミノカルボニル」及び「カルボニルアミノ」の両方を含む。これらの用語は、単独又は他の基と結び付けて使用される場合は、末端に使用される場合は−N(R)−C(O)−R若しくは−C(O)−N(R等、及び内部で使用される場合は−C(O)−N(R)−若しくは−N(R)−C(O)−(式中、R及びRは以下に規定されている)等のアミド基を意味する。アミド基の例には、アルキルアミノ(アルキルカルボニルアミノ若しくはアルキルアミノカルボニル等)、(ヘテロ脂環式)アミド、(ヘテロアラルキル)アミド、(ヘテロアリール)アミド、(ヘテロシクロアルキル)アルキルアミド、アリールアミド、アラルキルアミド、(シクロアルキル)アルキルアミド、若しくはシクロアルキルアミドが含まれる。
【0037】
本明細書で使用される「アミノ」基は、−NR(式中、R及びRのそれぞれは独立して、それらのそれぞれが本明細書に規定されていて場合により置換される、水素、アルキル、脂環式、(脂環式)脂肪族、アリール、芳香脂肪族、ヘテロ脂環式、(ヘテロ脂環式)脂肪族、ヘテロアリール、カルボキシ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、アリールカルボニル(芳香脂肪族)カルボニル、(ヘテロ脂環式)カルボニル、(ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニル、(ヘテロアリール)カルボニル、若しくは(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニルを意味する。アミノ基の例には、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、若しくはアリールアミノが含まれる。「アミノ」という用語が末端基ではない場合は(例えば、アルキルカルボニルアミノ)、それはNR−で表される。Rは、上に定義した意味と同一の意味を有する。
【0038】
本明細書で使用される、単独又は「アラルキル」、「アラルコキシ」、若しくは「アリールオキシアルキル」におけるように大きな成分の一部として使用される「アリール」は、単環式(例、フェニル);二環式(例、インデニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフチル、テトラヒドロインデニル);及び三環式(例、フルオレニルテトラヒドロフルオレニル、若しくはテトラヒドロアントラセニル、アントラセニル)環系を意味しており、この時単環系は芳香族である、又は二環式若しくは三環式環系内の環の少なくとも1つは芳香族である。二環式及び三環式基には、ベンゾ縮合2〜3員の炭素環が含まれる。例えば、ベンゾ縮合基には、複数のC4−8炭素環成分と縮合したフェニルが含まれる。アリールは、脂肪族[例、アルキル、アルケニル、若しくはアルキニル];脂環式;(脂環式)脂肪族;ヘテロ脂環式;(ヘテロ脂環式)脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルコキシ;(脂環式)オキシ;(ヘテロ脂環式)オキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;(芳香脂肪族)オキシ;(ヘテロ芳香脂肪族)オキシ;アロイル;ヘテロアロイル;アミノ;オキソ(ベンゾ縮合二環式若しくは三環式アリールの非芳香族炭素環上の);ニトロ;カルボキシ;アミド;アシル[例、脂肪族カルボニル;(脂環式)カルボニル;((脂環式)脂肪族)カルボニル;(芳香脂肪族)カルボニル;(ヘテロ脂環式)カルボニル;((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニル;若しくは(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニル];スルホニル[例、脂肪族−SO−若しくはアミノ−SO−];スルフィニル[例、脂肪族−S(O)−若しくは脂環式−S(O)−];スルファニル[例、脂肪族−S−];シアノ;ハロ;ヒドロキシ;メルカプト;スルホキシ;尿素;チオ尿素;スルファモイル;スルファミド;若しくはカルバモイルを含む1つ以上の置換基で場合により置換される。或いは、アリールは未置換であってもよい。
【0039】
置換アリールの非限定的な例には、ハロアリール[例、モノ−、ジ(p,m−ジハロアリール等)、及び(トリハロ)アリール];(カルボキシ)アリール[例、(アルコキシカルボニル)アリール、((アラルキル)カルボニルオキシ)アリール、及び(アルコキシカルボニル)アリール];(アミノ)アリール[例、(アミノカルボニル)アリール、(((アルキルアミノ)アルキル)アミノカルボニル)アリール、(アルキルカルボニル)アミノアリール、(アリールアミノカルボニル)アリール、及び(((ヘテロアリール)アミノ)カルボニル)アリール];アミノアリール[例、((アルキルスルホニル)アミノ)アリール若しくは((ジアルキル)アミノ)アリール];(シアノアルキル)アリール;(アルコキシ)アリール;(スルファモイル)アリール[例、(アミノスルホニル)アリール];(アルキルスルホニル)アリール;(シアノ)アリール;(ヒドロキシアルキル)アリール;((アルコキシ)アルキル)アリール;(ヒドロキシ)アリール、((カルボキシ)アルキル)アリール;(((ジアルキル)アミノ)アルキル)アリール;(ニトロアルキル)アリール;(((アルキルスルホニル)アミノ)アルキル)アリール;((ヘテロ脂環式)カルボニル)アリール;((アルキルスルホニル)アルキル)アリール;(シアノアルキル)アリール;(ヒドロキシアルキル)アリール;(アルキルカルボニル)アリール;アルキルアリール;(トリハロアルキル)アリール;p−アミノ−m−アルコキシカルボニルアリール;p−アミノ−m−シアノアリール;p−ハロ−m−アミノアリール;又は(m−(ヘテロ脂環式)−o−(アルキル))アリールが含まれる。
【0040】
本明細書で使用される「アラルキル」等の「芳香脂肪族」基は、アリール基で置換される脂肪族基(例、C1−4アルキル基)を意味する。「脂肪族」、「アルキル」、及び「アリール」は、本明細書で規定されている。アラルキル基等の芳香脂肪族の例には、ベンジルがある。
【0041】
本明細書で使用される「アラルキル」基は、アリール基で置換されるアルキル基(例、C1−4アルキル基)を意味する。「アルキル」及び「アリール」は何れも、上に定義されている。アラルキル基の例は、ベンジルである。アラルキルは、脂肪族[例、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、若しくは例えばトリフルオロメチル等のハロアルキルを含むアルキル、アルケニル、アルキニル]、脂環式[例、シクロアルキル若しくはシクロアルケニル]、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミド[例、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ]、若しくはヘテロアラルキルカルボニルアミノ]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、若しくはカルバモイル等の1つ以上の置換基で場合により置換される。
【0042】
本明細書で使用される「二環式環系」には、2つの環を形成する8〜12(例、9、10、若しくは11)員の構造が含まれ、この時2つの環は少なくとも1個の原子を共有する(例、2個の原子を共有する)。二環式系には、二脂環式(例、ビシクロアルキル若しくはビシクロアルケニル)、ビシクロヘテロ脂肪族、二環式アリール、及び二環式ヘテロアリールが含まれる。
【0043】
本明細書で使用される「脂環式」という用語は、そのそれぞれが以下に記載するように場合により置換される「シクロアルキル」基及び「シクロアルケニル」基を含む。
【0044】
本明細書で使用される「シクロアルキル」基は、3〜10(例、5〜10)個の炭素原子の飽和炭素環式単環式若しくは二環式(縮合若しくは架橋)環を意味する。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、ノルボルニル、cubyl、オクタヒドロ−インデニル、デカヒドロ−ナフチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2.]デシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチル、アザシクロアルキル、若しくは((アミノカルボニル)シクロアルキル)シクロアルキルが含まれる。本明細書で使用される「シクロアルケニル」基は、1つ以上の二重結合を有する3〜10(例、4〜8)個の炭素原子の非芳香族炭素環を意味する。シクロアルケニル基の例には、シクロペンテニル、1,4−シクロヘキサ−ジ−エニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ヘキサヒドロ−インデニル、オクタヒドロ−ナフチル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、若しくはビシクロ[3.3.1]ノネニルが含まれる。シクロアルキル若しくはシクロアルケニル基は、脂肪族[例、アルキル、アルケニル、若しくはアルキニル]、脂環式、(脂環式)脂肪族、ヘテロ脂環式、(ヘテロ脂環式)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ(脂環式)オキシ、(ヘテロ脂環式)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(芳香脂肪族)オキシ、(ヘテロ芳香脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、アミド[例、(脂肪族)カルボニルアミノ、(脂環式)カルボニルアミノ、((脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(アリール)カルボニルアミノ、(芳香脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロ脂環式)カルボニルアミノ、((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロアリール)カルボニルアミノ、若しくは(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニルアミノ]、ニトロ、カルボキシ[例、HOOC−、アルコキシカルボニル、若しくはアルキルカルボニルオキシ]、アシル[例、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、(芳香脂肪族)カルボニル、(ヘテロ脂環式)カルボニル、((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニル、若しくは(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニル]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホニル[例、アルキル−SO−及びアリール−SO−]、スルフィニル[例、アルキル−SO−]、スルファニル[例、アルキルス−S−]、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、若しくはカルバモイル等の1つ以上の置換基で場合により置換されてよい。
【0045】
本明細書で使用される「環式成分」には、それらのそれぞれは上に定義されている脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールが含まれる。
【0046】
本明細書で使用される「ヘテロ脂環式」という用語は、そのそれぞれが以下に記載するように場合により置換されるヘテロシクロアルキル基及びヘテロシクロアルケニル基を含む。
【0047】
本明細書で使用される「ヘテロシクロアルキル」基は、1つ以上の環状原子がヘテロ原子(例、N、O、S、若しくはそれらの組み合わせ)である、3〜10員の単環式若しくは二環式(縮合若しくは架橋)(例、5〜10員の単環式若しくは二環式)飽和環構造を意味する。ヘテロシクロアルキル基の例には、ピペリジル、ピペラジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル、1,4−ジオキソラニル、1,4−ジチアニル、1,3−ジオキソラニル、オキサゾリジル、イソキサゾリジル、モルホリニル、チオモルホリル、オクタヒドロベンゾフリル、オクタヒドロクロロメニル、オクタヒドロチオクロメニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロピリンジニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロベンゾ[b]チオフェニル、2−オキサ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、及び2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルが含まれる。単環式ヘテロシクロアルキル基は、テトラヒドロイソキノリン等のフェニル成分と縮合されてよい。本明細書で使用される「ヘテロシクロアルケニル」基は、1つ以上の環状原子がヘテロ原子(例、N、O、若しくはS)である、1つ以上の二重結合を有する単環式若しくは二環式(例、5〜10員の単環式若しくは二環式)非芳香族環構造を意味する。単環式及びビシクロヘテロ芳香族は、標準化学命名法に従って番号付けされている。
【0048】
ヘテロシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルケニル基は、脂肪族[例、アルキル、アルケニル、若しくはアルキニル]、脂環式、(脂環式)脂肪族、ヘテロ脂環式、(ヘテロ脂環式)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(脂環式)オキシ、(ヘテロ脂環式)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(芳香脂肪族)オキシ、(ヘテロ芳香脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、アミド[例、(脂肪族)カルボニルアミノ、(脂環式)カルボニルアミノ、((脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(アリール)カルボニルアミノ、(芳香脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロ脂環式)カルボニルアミノ、((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロアリール)カルボニルアミノ、若しくは(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニルアミノ]、ニトロ、カルボキシ[例、HOOC−、アルコキシカルボニル、若しくはアルキルカルボニルオキシ]、アシル[例、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、(芳香脂肪族)カルボニル、(ヘテロ脂環式)カルボニル、((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニル、若しくは(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニル]、ニトロ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホニル[例、アルキルスルホニル若しくはアリールスルホニル]、スルフィニル[例、アルキルスルフィニル]、スルファニル[例、アルキルスルファニル]、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、若しくはカルバモイル等の1つ以上の置換基で場合により置換されてよい。
【0049】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」基は、4〜15個の環状原子を有する単環式、二環式、若しくは三環式環系を意味するが、この時1つ以上の環状原子はヘテロ原子(例、N、O、S、若しくはそれらの組み合わせ)であり、単環式環系は芳香族である、又は二環式若しくは三環式環系内の環の少なくとも1つは芳香族である。ヘテロアリール基には、2〜3つの環を有するベンゾ縮合環系が含まれる。例えば、ベンゾ縮合基には、1つ又は2つの4〜8員のヘテロ脂環式成分(例、インドリジル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、キノリニル、若しくはイソキノリニル)を備えるベンゾ縮合基が含まれる。ヘテロアリールの一部の例は、アゼチジニル、ピリジル、1H−インダゾリル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフリル、イソキノリニル、ベンズチアゾリル、キサンテン、チオキサンテン、フェノチアジン、ジヒドロインドール、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリル、シノリル、キノリル、キナゾリル、シノリル、フタラジル、キナゾリル、キノオキサリル、イソキノリル、4H−キノリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾリル、若しくは1,8−ナフチリジルが含まれる。
【0050】
制限なく、単環式ヘテロアリールには、フリル、チオフェニル、2H−ピロリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、2H−ピラニル、4−H−pranyl、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピラジル、若しくは1,3,5−トリアジルが含まれる。単環式ヘテロアリールは、標準化学命名法に従って番号付けされている。
【0051】
制限なく、二環式ヘテロアリールには、インドリジル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリジル、イソインドリル、インドリル、ベンゾ[bフリル、ベキソ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H−キノリジル、キノリル、イソキノリル、シノリル、フタラジル、キナゾリル、キノキサリル、1,8−ナフチリジル、若しくはプテリジルが含まれる。二環式ヘテロアリールは、標準化学命名法に従って番号付けされている。
【0052】
ヘテロアリールは、脂肪族[例、アルキル、アルケニル、若しくはアルキニル];脂環式;(脂環式)脂肪族;ヘテロ脂環式;(ヘテロ脂環式)脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルコキシ;(脂環式)オキシ;(ヘテロ脂環式)オキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;(芳香脂肪族)オキシ;(ヘテロ芳香脂肪族)オキシ;アロイル;ヘテロアロイル;アミノ;オキソ(二環式若しくは三環式ヘテロアリールの非芳香族炭素環若しくは複素環);カルボキシ;アミド;アシル[例、脂肪族カルボニル;(脂環式)カルボニル;((脂環式)脂肪族)カルボニル;(芳香脂肪族)カルボニル;(ヘテロ脂環式)カルボニル;((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニル;若しくは(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニル];スルホニル[例、脂肪族スルホニル若しくはアミノスルホニル];スルフィニル[例、脂肪族スルフィニル];スルファニル[例、脂肪族スルファニル];ニトロ;シアノ;ハロ;ヒドロキシ;メルカプト;スルホキシ;尿素;チオ尿素;スルファモイル;スルファミド;若しくはカルバモイル等の1つ以上の置換基で場合により置換される。或いは、ヘテロアリールは未置換であってよい。
【0053】
置換ヘテロアリールの非限定的な例には、(ハロ)ヘテロアリール[例、モノ−及びジ−(ハロ)ヘテロアリール];(カルボキシ)ヘテロアリール[例、(アルコキシカルボニル)ヘテロアリール];シアノヘテロアリール;アミノヘテロアリール[例、((アルキルスルホニル)アミノ)ヘテロアリール及び((ジアルキル)アミノ)ヘテロアリール];(アミド)ヘテロアリール[例、アミノカルボニルヘテロアリール、((アルキルカルボニル)アミノ)ヘテロアリール、((((アルキル)アミノ)アルキル)アミノカルボニル)ヘテロアリール、(((ヘテロアリール)アミノ)カルボニル)ヘテロアリール、((ヘテロ脂環式)カルボニル)ヘテロアリール、及び((アルキルカルボニル)アミノ)ヘテロアリール];(シアノアルキル)ヘテロアリール;(アルコキシ)ヘテロアリール;(スルファモイル)ヘテロアリール[例、(アミノスルホニル)ヘテロアリール];(スルホニル)ヘテロアリール[例、(アルキルスルホニル)ヘテロアリール];(ヒドロキシアルキル)ヘテロアリール;(アルコキシアルキル)ヘテロアリール;(ヒドロキシ)ヘテロアリール;((カルボキシ)アルキル)ヘテロアリール;(((ジアルキル)アミノ)アルキル]ヘテロアリール;(ヘテロ脂環式)ヘテロアリール;(脂環式)ヘテロアリール;(ニトロアルキル)ヘテロアリール;(((アルキルスルホニル)アミノ)アルキル)ヘテロアリール;((アルキルスルホニル)アルキル)ヘテロアリール;(シアノアルキル)ヘテロアリール;(アシル)ヘテロアリール[例、(アルキルカルボニル)ヘテロアリール];(アルキル)ヘテロアリール、及び(ハロアルキル)ヘテロアリール[例、トリハロアルキルヘテロアリール]が含まれる。
【0054】
本明細書で使用される「ヘテロ芳香脂肪族(ヘテロアラルキル基等)」は、ヘテロアリール基で置換される脂肪族基(例、C1−4アルキル基)を意味する。「脂肪族」、「アルキル」、及び「ヘテロアリール」は上に規定されている。
【0055】
本明細書で使用される「ヘテロアラルキル」基は、ヘテロアリール基で置換されるアルキル基(例、C1−4アルキル基)を意味する。「アルキル」及び「ヘテロアリール」は何れも上に規定されている。ヘテロアラルキルは、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、及びトリフルオロメチル等のハロアルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、若しくはカルバモイル等の1つ以上の置換基で場合により置換される。
【0056】
本明細書で使用される「アシル」基は、ホルミル基若しくはR−C(O)−(「アルキルカルボニル」とも呼ばれるアルキル−C(O)−等)(式中、R及び「アルキル」は上に定義されている)を意味する。アセチル及びピバロイルは、アシル基の例である。
【0057】
本明細書で使用される「アロイル」若しくは「ヘテロアロイル」は、アリール−C(O)−若しくはヘテロアリール−C(O)−を意味する。アロイル若しくはヘテロアロイルのアリール及びヘテロアリール部分は、上に定義されたように場合により置換される。
【0058】
本明細書で使用される「アルコキシ」基は、アルキル−O−基(式中、「アルキル」は上に定義されている)を意味する。
【0059】
本明細書で使用される「カルバモイル」基は、構造−O−CO−NR若しくは−NR−CO−O−R(式中、R及びRは上に定義されており、Rは脂肪族、アリール、芳香脂肪族、ヘテロ脂環式、ヘテロアリール、若しくはヘテロ芳香脂肪族であってよい)を有する基である。
【0060】
本明細書で使用される「カルボキシ」基は、末端基として使用された場合は−COOH、−COOR、−OC(O)H、−OC(O)R;又は内部基として使用された場合は−OC(O)−若しくは−C(O)O−を意味する。
【0061】
本明細書で使用される「ハロ脂肪族」基は、1〜3個のハロゲンで置換される脂肪族基を意味する。例えば、「ハロアルキル」という用語には基−CFが含まれる。
【0062】
本明細書で使用される「メルカプト」基は、−SHを意味する。
【0063】
本明細書で使用される「スルホ」基は、末端で使用された場合は−SOH若しくは−SO、又は内部で使用された場合は−S(O)−を意味する。
【0064】
本明細書で使用される「スルファミド」基は、末端で使用された場合は構造−NR−S(O)−NR、及び内部で使用された場合は−NR−S(O)−NR−(式中、R、Rを意味しており、並びにRは上に定義されている)を意味する。
【0065】
本明細書で使用される「スルホンアミド」基は、末端で使用された場合は構造−S(O)−NR若しくは−NR−S(O)−R、及び内部で使用された場合は−S(O)−NR−若しくは−NR−S(O)−(式中、R、R、及びRは上に定義されている)を意味する。
【0066】
本明細書で使用される「スルファニル」基は、末端で使用された場合は−S−R、及び内部で使用された場合は−S−(式中、Rは上に定義されている)を意味する。スルファニルの例には、脂肪族−S−、脂環式−S−、アリール−S−等が含まれる。
【0067】
本明細書で使用される「スルフィニル」基は、末端で使用された場合は−S(O)−R、及び内部で使用された場合は−S(O)−(式中、Rは上に定義されている)を意味する。典型的なスルフィニル基には、脂肪族−S(O)−、アリール−S(O)−、(脂環式(脂肪族))−S(O)−、シクロアルキル−S(O)−、ヘテロ脂環式−S(O)−、ヘテロアリール−S(O)−等が含まれる。
【0068】
本明細書で使用される「スルホニル」基は、末端で使用された場合は−S(O)−R、及び内部で使用された場合は−S(O)−(式中、Rは上に定義されている)を意味する。典型的なスルホニル基には、脂肪族−S(O)−、アリール−S(O)−、(脂環式(脂肪族))−S(O)−、脂環式−S(O)−、ヘテロ脂環式−S(O)−、ヘテロアリール−S(O)−、(脂環式(アミド(脂肪族)))−S(O)−等が含まれる。
【0069】
本明細書で使用される「スルホキシ」基は、末端で使用された場合は−O−SO−R若しくは−SO−O−R、及び内部で使用された場合は−O−S(O)−若しくは−S(O)−O−(式中、Rは上に定義されている)を意味する。
【0070】
本明細書で使用される「ハロゲン」若しくは「ハロ」基は、フッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素を意味する。
【0071】
本明細書で使用される、「カルボキシ」という用語に含まれる、単独又は他の基と結合して使用される「アルコキシカルボニル」は、アルキル−O−C(O)−等の基を意味する。
【0072】
本明細書で使用される「アルコキシアルキル」は、アルキル−O−アルキル−(式中、「アルキル」は上に定義されている)等のアルキル基を意味する。
【0073】
本明細書で使用される「カルボニル」基は、−C(O)−を意味する。
【0074】
本明細書で使用される「オキソ」基は、=Oを意味する。
【0075】
本明細書で使用される「アミノアルキル」は、構造(RN−アルキル−を意味する。
【0076】
本明細書で使用される「シアノアルキル」は、構造(NC)−アルキル−を意味する。
【0077】
本明細書で使用される「尿素」基は、構造−NR−CO−NRを意味しており、「チオ尿素」基は、末端で使用された場合は構造−NR−CS−NR、及び内部で使用された場合はNR−CO−NR−若しくは−NR−CS−NR−(式中、R、R、及びRは上に定義されている)を意味する。
【0078】
本明細書で使用される「グアニジン」基は、構造−N=C(N(R))N(R)若しくは−NR−C(=NR)NR(式中、R及びRは上に規定されている)を意味する。
【0079】
本明細書で使用される「アミジノ」基という用語は、構造−C=(NR)N(R)(式中、R及びRは上に定義されている)を意味する。
【0080】
一般的に、「ビシナル」という用語は、2個以上の炭素原子を含む基上の置換基の配置を意味しており、この時置換基は隣接炭素原子に付着している。
【0081】
一般的に、「ジェミナル」という用語は、2個以上の炭素原子を含む基上の置換基の配置を意味しており、この時置換基は同一炭素原子に付着している。
【0082】
「末端で」及び「内部で」という用語は、置換基内の基の場所に関する。基は、その基が化学構造の残部にそれ以上結合していない置換基の末端に存在する場合に末端である。カルボキシアルキル、即ちRO(O)C−アルキルは、末端で使用されるカルボキシ基の例である。基は、その基が化学構造の残部にそれ以上結合する置換基の末端に対して置換基の中央に存在する場合に内部である。アルキルカルボキシ(例、アルキル−C(O)O−若しくはアルキル−OC(O)−)及びアルキルカルボキシアリール(例、アルキル−C(O)O−アリール若しくはアルキル−O(CO)−アリール−)は、内部で使用されるカルボキシ基の例である。
【0083】
本明細書で使用される「環式基」には、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールを含む単環式、二環式、及び三環式環系が含まれ、それらのそれぞれは上に定義されている。
【0084】
本明細書で使用される「架橋二環式環系」は、環が架橋している二環式複素環脂肪族環系若しくは三環式脂環式環系を意味する。架橋二環式環系の例には、アダマンタニル、ノルボルナニル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.2.3]ノニル、2−オキサビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、及び2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルが含まれるが、これらに限定されない。架橋二環式環系は、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、及びトリフルオロメチル等のハロアルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、若しくはカルバモイル等の1つ以上の置換基で場合により置換されてよい。
【0085】
本明細書で使用される「脂肪族鎖」は、分枝状若しくは直鎖状脂肪族基(例、アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基)を意味する。脂肪族直鎖は、構造−[CH−(式中、vは1〜6である)を有する。脂肪族分枝鎖は、1つ以上の脂肪族基で置換される脂肪族直鎖である。脂肪族分枝鎖は、構造−[CHQ]−(式中、Qは水素若しくは脂肪族基である);しかし、Qは少なくとも1つの例では脂肪族基であるはずである)。「脂肪族鎖」という用語には、アルキル鎖、アルケニル鎖、及びアルキニル鎖が含まれるが、この時アルキニル、アルケニル、及びアルキニルは上に定義されている。
【0086】
「場合により置換される」という語句は、「置換又は未置換」という語句と互換的に使用される。上述の通り、本発明の化合物は、一般的に上に例示したような、又は本発明の特定のクラス、サブクラス、及び種によって例示されるような1つ以上の置換基で場合により置換されてよい。本明細書に記載のように、変量R、R、及びR、並びに式Iの中に含有される他の変量は、アルキル及びアリール等の特定の基を含む。他に特に言及しない限り、変量Ra、Rb、Rc、Rd、及び本明細書に含有される他の変量についての特定の基のそれぞれは、本明細書に記載の1つ以上の置換基で場合により置換されてよい。特定の基の核置換基は、更にハロ、シアノ、オキソ、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アリール、ハロアルキル、及びアルキルのうちの1〜3個で場合により置換される。例えば、アルキル基は、アルキルスルファニルで置換されてよく、そしてアルキルスルファニルはハロ、シアノ、オキソ、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アリール、ハロアルキル、及びアルキルのうちの1〜3個で場合により置換されてよい。追加の例として、(シクロアルキル)カルボニルアミノのシクロアルキル部分は、ハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロアルキル、及びアルキルのうちの1〜3個で場合により置換されてよい。2つのアルコキシ基が同一原子若しくは隣接原子に結合する場合は、2つのアルコキシ基は、それらが結合する原子と一緒なって、環を形成することができる。
【0087】
一般的に、「置換(された)」という用語は、「場合により」という用語が先行していてもいなくても、所定の構造内の水素ラジカルを指定の置換基のラジカルと置換することを意味する。特定の置換基は、上の用語の定義に、及び以下の化合物の説明及びその実施例に記載されている。特に指示がない限り、場合により置換される基は、基の各置換可能な位置で置換基を有していてよく、任意の所定構造内の複数の位置が規定された基から選択された複数の置換基で置換されてよい場合は、その置換基は各位置で同一であっても相違していてもよい。ヘテロシクロアルキル等の環状置換基は、スピロ二環式環系を形成するためにシクロアルキル等の別の環に結合してよく、例えば両方の環は1つの共通原子を共有する。当業者であれば理解するように、本発明によって想定される置換基の組み合わせは、安定性若しくは化学的に実現可能な化合物の形成を生じさせる組み合わせである。
【0088】
本明細書で使用される「安定性若しくは化学的に実現可能である」という語句は、それらの製造、検出、及び好ましくはそれらの回収、精製、並びに本発明に開示した1つ以上の目的で使用を可能にする条件下に置かれた場合は、実質的に変化しない化合物を意味する。一部の実施形態において、安定性化合物若しくは化学的に実現可能な化合物は、少なくとも1週間にわたり、水分若しくは他の化学的反応条件の不在下では、40℃以下の温度で維持された場合に実質的に変化しない化合物である。
【0089】
本明細書で使用される有効量は、処置された患者へ治療作用を付与するために必要とされる量として規定されており、一般的に患者の年齢、表面積、体重、及び病態に基づいて決定される。動物及びヒトのための用量の相互関係(身体表面の1平方メートルに付き1mgに基づく)は、Freireich,ら, Cancer Chemother. Rep., 50:219(1966)によって記載されている。身体表面積は、患者の身長及び体重から概算で決定される。例えば、Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticals, Ardsley, New York, 537(1970)を参照されたい。本明細書で使用される「患者」は、ヒトを含む哺乳動物を意味する。
【0090】
他に特別に言及しない限り、本明細書で記載する構造は、その構造の全ての異性体(例、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何(若しくは立体配座))形;例えば、各不斉中心に対するR及びS立体配置、(Z)及び(E)二重結合異性体、並びに(Z)及び(E)立体配座異性体を含むことも意図されている。このために、本化合物の単一立体化学異性体並びにエナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何(若しくは立体配座)異性体混合物は、本発明の範囲内に含まれる。他に特に言及しない限り、本発明の化合物の全ての互変異性体形は、本発明の範囲内に含まれる。更に、他に特に言及しない限り、本明細書に記載の構造は、1つ以上の同位体標識原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことも意図されている。例えば、水素の重水素若しくは三重水素による置換、又は炭素の13C−若しくは14C−標識炭素による置換を除く本構造を有する化合物は、本発明の範囲内に含まれる。このような化合物は、例えば、生物学的試験における分析ツール若しくはプローブとして有用である。
【0091】
II. 化合物
ABCトランスポーター及びCFTR活性を調節するのに有用な化合物は、以下の化学式Iの一般構造を有するか、又はその薬学的に許容される塩であり:
【0092】
【化6】

式中、
各Raは独立して、H、場合により置換される脂肪族、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるヘテロアラルキル、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換される脂環式、若しくは場合により置換されるシクロヘテロ脂肪族である。
【0093】
各Rbは独立して、場合により置換される脂肪族、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるヘテロアラルキル、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換される脂環式、場合により置換されるシクロヘテロ脂肪族、
【0094】
【化7】

(式中、wは1、2、3、4若しくは5であり、フェニルは1〜4個のReで置換される)である、又はRa及びRbは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されるヘテロ脂環式、場合により置換されるヘテロアリールを形成する。
【0095】
各Rcは独立して、H、場合により置換されるヘテロ脂環式、場合により置換される脂環式、又は未置換脂肪族である。
【0096】
各Rdは独立して、H、場合により置換される脂肪族、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるヘテロアラルキル、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換される脂環式、若しくは場合により置換されるシクロヘテロ脂肪族である、又はRc及びRdは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されるヘテロ脂環式を形成する。
【0097】
環Aは、それぞれが場合により1〜4個のReで置換されるアリール若しくはヘテロアリールである。
【0098】
各Reは独立して、カルボキシ、アミノ、ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、スルホニル、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、スルファモイル、スルファミド、ケタール、カルバモイル、シアノ、ハロ、尿素、チオ尿素、ハロアルキル、又は−Z−Rf(式中、Re置換基の各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール部分は1〜3個のRgで場合により置換される)である、又は隣接するA環状原子上の2個のReは、それらが結合するA環状原子と一緒になって、ヘテロ脂環式環を形成する。
【0099】
各Zは欠損しているか、−O−若しくは−S−である。
【0100】
各Rfは独立して、水素、アルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アロイル、ヘテロアロイル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、若しくはアシルであるが、この時Rf置換基の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール部分は1〜3個のRgで場合により置換される。
【0101】
各Rgは独立して、ハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロアルキル、及びアルキルである。
【0102】
しかし、幾つかの実施形態において、環Aは、Rdが4−メチル−1−ピペラジニルで置換されるアルキルである場合は3,4,5−トリメトキシフェニルではなく;環Aは、7−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル若しくは7−シクロペンチルアミノ−2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルではなく;Rdは、RcがHであり、Ra及びRbの両方がアルキルであり、環Aがオキサゾリルである場合は、{l−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル)]−2−ヒドロキシ−4−(1H−ピラゾール−3−イル)ブチル}ではない。
【0103】
ABCトランスポーター及びCFTR活性を調節するのに有用な化合物の副属性群は、以下の化学式IIの構造を有し:
【0104】
【化8】

式中、変量Ra、Rb、Rc、Rd、及びReは上に定義されているが、但し、Rdが4−メチル−1−ピペラジニルで置換されるアルキルである場合に、環Aは3,4,5−トリメトキシフェニルではないことを条件とする。
【0105】
ABCトランスポーター及びCFTR活性を調節するのに有用な化合物の別副属性群は、以下の化学式IIIの構造を有し:
【0106】
【化9】

式中、環Bは場合により置換されるヘテロ脂環式であり、変量Rc、Rd及びReは上に定義されている。
【0107】
化学式I、II及びIIIの化合物の実施形態は、以下の態様を含む。
【0108】
A. 環A
環Aの種々の態様は以下を含む。
【0109】
環Aは、フェニル等のアリールである。環Aは、ナフチル及びアズレニル等の二環式アリールである。特定の態様では、環Aはナフチルである。環Aはアリールである態様の実施形態には、以下が含まれる。環Aは、1〜4個のReで場合により置換されるアリールである。環Aは、少なくとも1個のRe置換基で置換されるアリールである。環Aは、環Aとピリミジンとの間の結合点に対してオルト若しくはメタである少なくとも1つのRe置換基で置換されるアリールである。環Aは、環Aとピリミジンとの間の結合点に対してオルト、パラ、若しくはメタである少なくとも1つのRe置換基で置換されるアリールである。環Aは、環Aとピリミジンとの間の結合点に対してオルトである少なくとも1つのRe置換基で置換されるアリールである。環Aは、環Aとピリミジンとの間の結合点に対してパラである少なくとも1つのRe置換基で置換されるアリールである。環Aは、環Aとピリミジンとの間の結合点に対してメタである少なくとも1つのRe置換基で置換されるアリールである。環Aは、少なくとも2つのRe置換基を含むアリールである。環Aは、その1つが環Aとピリミジンとの間の結合点に対してオルトである少なくとも2つのRe置換基を含むアリールである。
【0110】
環Aはヘテロアリールである。環Aは、ピロリル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、チオフェニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、若しくはピリジニル等の単環式ヘテロアリールである。環Aは、チオフェニル、フラニル、ピリミジニル、若しくはピリジニルである。環Aはチオフェニルである。環Aは、インドロジニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、プリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、キノリニル、ベンゾチオフェニル、若しくはベンゾジオキソラニル等の二環式ヘテロアリールである。環Aはベンゾチオフェニル、ベンゾジオキソラニルである。環Aは、1〜4個のReで場合により置換されるヘテロアリールである。環Aは、少なくとも1つのRe置換基で置換されるヘテロアリールである。環Aは、環Aとピリミジンとの間の結合点に対してオルト、パラ、若しくはメタである少なくとも1つのRe置換基で置換されるアリールである。環Aは、環Aとピリミジンとの間の結合点に対してオルトである少なくとも1つのRe置換基で置換されるアリールである。環Aは、環Aとピリミジンとの間の結合点に対してパラである少なくとも1つのRe置換基で置換されるアリールである。環Aは、環Aとピリミジンとの間の結合点に対してメタである少なくとも1つのRe置換基で置換されるアリールである。環Aは、少なくとも2つのRe置換基を含むヘテロアリールである。環Aは、その1つが環Aとピリミジンとの間の結合点に対してオルトである少なくとも2つのRe置換基を含むヘテロアリールである。
【0111】
B. 置換基Re
Re置換基の種々の態様は以下を含む。
【0112】
Re置換基は、存在する場合は独立して、カルボキシ、アミノ、ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、スルホニル、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、スルファモイル、スルファミド、ケタール、若しくはカルバモイル、シアノ、ハロ、尿素、チオ尿素、ハロアルキルであり、この時Re置換基の各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール部分は1〜3個のハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロアルキル、及びアルキルで場合により置換される。
【0113】
Re置換基は、存在する場合は、それぞれ独立してカルボキシ、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキルであり、この時Re置換基の各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール部分は1〜3個のハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロアルキル、及びアルキルで場合により置換される。
【0114】
Re置換基は、存在する場合は独立して、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、尿素、チオ尿素であり、この時Re置換基の各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール部分は1〜3個のハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロアルキル、及びアルキルで場合により置換される。
【0115】
Re置換基は、存在する場合は、それぞれ独立してアルキルスルファニル、スルホキシ、スルファモイル、スルファミド、ケタール、若しくはカルバモイルであり、この時Re置換基の各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール部分は1〜3個のハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロアルキル、及びアルキルで場合により置換される。
【0116】
Re置換基は、存在する場合は独立して、−Z−Rf(式中、各Zは欠損しているか、−O−若しくは−S−であり、各Rfは独立して水素、アルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アロイル、ヘテロアロイル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、若しくはアシルであるが、この時Rf置換基の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール部分は1〜3個のハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロアルキル、及びアルキルで場合により置換される。
【0117】
Re置換基は、存在する場合は独立して、−Z−Rf(式中、Zは不在であり、そして各Rfは独立して水素、アルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、(シクロアルキル)アルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アロイル、ヘテロアロイルであるが、この時Rf置換基の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール部分は1〜3個のハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロアルキル、及びアルキルで場合により置換される。
【0118】
Re置換基は、存在する場合は独立して、−Z−Rf(式中、各Zは不在であり、そして各Rfは独立してシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、若しくはアシルであるが、この時Rf置換基の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール部分は1〜3個のハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロアルキル、及びアルキルで場合により置換される。
【0119】
Re置換基は、存在する場合は独立して、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アリールオキシ、スルホキシ、カルボキシ、アシル、若しくはアルキルカルボニルである。環AのRe置換基は独立して、クロロ、ブロモ、フェノキシ、−CF、アルコキシ(メトキシ、エトキシ等)、−C(O)Oアルキル(−C(O)O−メチル、−C(O)O−エチル、−C(O)O−プロピル、及び−C(O)O−イソプロピル等)、アルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びイソプロピル等)、ハロアルコキシ(CFO−等)、ヒドロキシルアルキル(HO−メチル−、HO−エチル−、及びHO−プロピル等)、アルキルカルボニルアミノ(メチル−C(O)−NH−、エチル−C(O)−NH−、プロピル−C(O)−NH−、及びイソプロピル−C(O)−NH−等)、−S(O)アルキル(−S(O)メチル、−S(O)エチル、−S(O)ブチル、及び−S(O)プロピル等)、並びに−S(O)アリールである。
【0120】
2つのRe置換基は、隣接環状A原子上に存在する場合は、それらが結合する環状原子と一緒になって、ヘテロ脂環式(ジオキソラン環等)を形成する。
【0121】
C. 置換基Ra及びRb
Raの種々の態様は以下を含む。
【0122】
Raは、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、(シクロアルキル)アルキル、アルキルオキシカルボニルアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、(シクロアルキルオキシ)アルキル、(ヘテロシクロアルキルオキシ)アルキル、(アリールオキシ)アルキル、(ヘテロアリールオキシ)アルキル、(アラルキルオキシ)アルキル、(ヘテロアリールアルコキシ)アルキル、(アミノカルボニル)アルキル、(アルキルカルボニルアミノ)アルキル、(シクロアルキルカルボニルアミノ)アルキル、(シクロアルキル−アルキルカルボニルアミノ)アルキル、(アリールカルボニルアミノ)アルキル、(アラルキルカルボニルアミノ)アルキル、(ヘテロシクロアルキル−カルボニルアミノ)アルキル、(ヘテロアリールカルボニルアミノ)アルキル、(ヘテロアラルキルカルボニルアミノ)アルキル、(尿素)アルキル、(チオ尿素)アルキル、(スルファモイル)アルキル、(スルファミド)アルキル、(アルコキシカルボニル)アルキル、若しくは(アルキルカルボニルオキシ)アルキルである。
【0123】
RaはHである。
【0124】
Raは、場合により置換されるアルキル、場合により置換されるアルケニル、若しくは場合により置換されるアルキニル等の場合により置換される脂肪族である。Raは、場合により置換されるアルケニルである。Raは、アルケニルである。Raは、プロペニル、ブテニル、若しくはペンテニルである。Raは、1つ以上のヒドロキシル、アミノ、ハロ、シアノ、オキソで置換されるアルケニルである。Raは、場合により置換されるアルキルである。Raは、場合により置換されるメチル、場合により置換されるエチル、場合により置換されるプロピル、場合により置換されるブチル、及び場合により置換されるペンチルである。Raは、1つ以上のヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、オキソで置換されるアルキルである。Raは、1つ以上のヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、オキソで置換されるメチルである。Raは、1つ以上のヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、オキソで置換されるエチルである。Raは、1つ以上のヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、オキソで置換されるプロピルである。Raは、1つ以上のヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、オキソで置換されるブチルである。Raは、ヒドロキシルアルキル(HO−メチル、HO−エチル、HO−ブチル、及びHO−プロピル等)である。Raは、アルコキシアルキル(メトキシメチル−、メトキシエチル−、メトキシプロピル−、メトキシブチル−、エトキシメチル−、エトキシエチル−、エトキシプロピル−、エトキシブチル−、プロポキシメチル−、プロポキシエチル−、及びプロポキシプロピル−等)である。Raは、シアノアルキル(NC−メチル、NC−エチル、NC−プロピル、及びNC−ブチル等)である。Raは、カルボキシアルキル(メチル−O(O)C−メチル−、メチル−O(O)C−エチル−、メチル−O(O)C−プロピル−、メチル−O(O)C−ブチル−、エチル−O(O)C−メチル−、エチル−O(O)C−エチル−、エチル−O(O)C−プロピル、エチル−O(O)C−ブチル、プロピル−O(O)C−メチル−、プロピル−O(O)C−エチル、及びプロピル−O(O)C−プロピル等)である。
【0125】
Raは、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるヘテロアラルキル、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換される脂環式、若しくは場合により置換されるシクロヘテロ脂肪族である。Raは、場合により置換されるアラルキル(場合により置換されるベンジル及び場合により置換されるフェニチル等)である。Raは、場合により置換されるヘテロアラルキル(場合により置換されるフリルメチル、場合により置換されるピリジニルメチル、及び場合により置換されるピリジニルエチル等)である。
【0126】
Rbの種々の態様は以下を含む。
【0127】
Rbは、場合により置換されるアルキル、及び場合により置換されるアルケニル、若しくは場合により置換されるアルキニル等の場合により置換される脂肪族である。Rbは、場合により置換されるアルケニルである。Rbは、アルケニルである。Rbは、プロペニル、ブテニル、若しくはペンテニルである。Rbは、1つ以上のヒドロキシル、アミノ、ハロ、シアノ、及びオキソで置換されるアルケニルである。Rbは、場合により置換されるアルキルである。Rbは、場合により置換されるメチル、場合により置換されるエチル、場合により置換されるプロピル、場合により置換されるブチル、及び場合により置換されるペンチルである。Rbは、1つ以上のヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、オキソで置換されるアルキルである。Rbは、1つ以上のヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、及びオキソで置換されるメチルである。Rbは、1つ以上のヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、オキソで置換されるエチルである。Rbは、1つ以上のヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、オキソで置換されるプロピルである。Rbは、1つ以上のヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、オキソで置換されるブチルである。Rbは、ヒドロキシルアルキル(HO−メチル、HO−エチル、HO−ブチル、及びHO−プロピル等)である。Rbは、アルコキシアルキル(メトキシメチル−、メトキシエチル−、メトキシプロピル−、メトキシブチル−、エトキシメチル−、エトキシエチル−、エトキシプロピル−、エトキシブチル−、プロポキシメチル−、プロポキシエチル−、及びプロポキシプロピル−等)である。Rbは、シアノアルキル(NC−メチル、NC−エチル、NC−プロピル、及びNC−ブチル等)である。Rbは、カルボキシアルキル(メチル−O(O)C−メチル−、メチル−O(O)C−エチル−、メチル−O(O)C−プロピル−、メチル−O(O)C−ブチル−、エチル−O(O)C−メチル−、エチル−O(O)C−エチル−、エチル−O(O)C−プロピル、エチル−O(O)C−ブチル、プロピル−O(O)C−メチル−、プロピル−O(O)C−エチル、及びプロピル−O(O)C−プロピル等)である。
【0128】
Rbは、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるヘテロアラルキル、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換される脂環式、若しくは場合により置換されるシクロヘテロ脂肪族である。Rbは、場合により置換されるアラルキル(場合により置換されるベンジル及び場合により置換されるフェニチル等)である。Rbは、場合により置換されるヘテロアラルキル(場合により置換されるフリルメチル、場合により置換されるピリジニルメチル、及び場合により置換されるピリジニルエチル等)である。
【0129】
Rbは、
【0130】
【化10】

(式中、wは1、2、3、4若しくは5であり、フェニルは1〜4個のReで場合により置換される)である。Rbは、
【0131】
【化11】

(式中、wは1であり、フェニルは1〜4個のReで場合により置換される)である。Rbは、
【0132】
【化12】

(式中、wは3であり、フェニルは1〜4個のReで場合により置換される)である。
【0133】
Ra及びRbの種々の態様は以下を含む。
【0134】
Ra及びRbは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されるヘテロ脂環式若しくは場合により置換されるヘテロアリールを形成する。Ra及びRbは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されるヘテロ脂環式(場合により置換されるアザシクロオクタン、場合により置換されるアゼピニル、場合により置換されるピペリジン、場合により置換されるピロリジン、場合により置換されるテトラヒドロピリジン、場合により置換されるピロリン、場合により置換されるピペラジン、場合により置換されるアゼチジン、場合により置換されるモルホリノ、場合により置換されるチオモルホリノ、場合により置換されるペルヒドロキノリン、場合により置換されるテトラヒドロイソキノリン、及び場合により置換されるチアピロリジン等)を形成する。Ra及びRbは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換される8員のヘテロ脂環式を形成する。Ra及びRbは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換される7員のヘテロ脂環式を形成する。Ra及びRbは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換される6員のヘテロ脂環式を形成する。Ra及びRbは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換される5員のヘテロ脂環式を形成する。Ra及びRbは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1〜3個のハロ、ハロアルキル、アルキル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシアルキル、スルホキシ、スルファニル、スルホニル、スルフィニル、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアルコキシ、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるアロイル、場合により置換されるヘテロ脂環式、若しくは場合により置換されるヘテロアリールで場合により置換されるヘテロ脂環式を形成する。Ra及びRbは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1〜3個のアリール(フェニル等)、アセチル、アラルキル(ベンジル等)、ヒドロキシアルキル(HO−メチル及びHO−エチル等)、ヘテロ脂環式(ジオキソラニル若しくは2−オキソ−1,3−ジヒドロベンゾイミダゾール−1−イル等)、場合により置換されるヘテロアリール(2−オキソ−ベンズイミダゾリル等)、フェニル−C(O)−、4−ハロ−フェニル−C(O)−、場合により置換されるフェニル(4−シアノフェニル−、4−ヒドロキシフェニル等)、及びフェニルS(O)−で置換されるヘテロ脂環式を形成する。
【0135】
Ra及びRbは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されるヘテロアリール(イミダゾリン、ピロール、ピラゾール、テトラヒドロキノリン等)を形成する。
【0136】
Ra及びRbは何れも、場合により置換される脂肪族である。Ra及びRbは何れも、場合により置換されるアルキルである。Ra及びRbは何れもアルキルである。Ra及びRbは何れもエチルである。
【0137】
一部の実施形態において、Ra及びRbは何れもHである。
【0138】
D. 置換基Rc及びRd
Rdの種々の態様は以下を含む。
【0139】
Rdは、H又は場合により置換される脂肪族である。RdはHである。Raは、場合により置換されるアルキル(場合により置換されるメチル、場合により置換されるエチル、場合により置換されるプロピル、及び場合により置換されるブチル等)である。Rdは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチルである。
【0140】
Rdは、場合により置換されるアラルキル(場合により置換されるベンジル及び場合により置換されるフェニチル等)である。Rdは、場合により置換されるヘテロアラルキル(場合により置換されるフリルメチル、場合により置換されるピリジニルメチル、及び場合により置換されるピリジニルエチル等)である。Rdは、場合により置換されるヘテロアリール(場合により置換されるピリジニル、場合により置換されるピロリル、及び場合により置換されるフリル等)である。Rdは、場合により置換されるアリール(場合により置換されるフェニル等)である。Rdは、場合により置換される脂環式(場合により置換されるシクロペンチル及び場合により置換されるシクロヘキシル等)である。Rdは、場合により置換されるヘテロ脂環式(場合により置換されるピペリジン等)である。
【0141】
Rcの種々の態様は以下を含む。
【0142】
RcはHである。Rcは、場合により置換されるヘテロ脂環式(場合により置換されるピペリジン等)である。Rcは、場合により置換される脂環式(場合により置換されるシクロペンチル及び場合により置換されるシクロヘキシル等)である。Rcは未置換脂肪族である。Rcは未置換アルキルである。Rcは、メチル、エチル、プロピル、又はブチルである。
【0143】
Rc及びRdの種々の態様は以下を含む。
【0144】
Rc及びRdは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されるヘテロ脂環式を形成する。Rc及びRdは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されるピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリジン、モルホリン、及びチオモルホリンを形成する。
【0145】
Rc及びRdは何れもHである。
【0146】
ABCトランスポーター及び/又はCFTR活性を調節するのに有用な特定の化合物は、一般式Iに基づいており、副式II及びIIIには、上述の各態様及び実施形態の種々の組み合わせが含まれる場合がある。例えば、特定の化合物又は副属性群の化合物は、上述の態様の種々の組み合わせを含んでいてよい。
【0147】
特定の実施形態において、ABCトランスポーター及び/又はCFTR活性を調節するのに有用な化合物は、表1に列挙した構造を有する。
【0148】
(表1:特定の化合物)
【0149】
【化13】

【0150】
【化14】

【0151】
【化15】

【0152】
【化16】

【0153】
【化17】

【0154】
【化18】

【0155】
【化19】

【0156】
【化20】

【0157】
【化21】

【0158】
【化22】

【0159】
【化23】

【0160】
【化24】

【0161】
【化25】

【0162】
【化26】

【0163】
【化27】

【0164】
【化28】

【0165】
【化29】

【0166】
【化30】

【0167】
【化31】

【0168】
【化32】

III. 合成方法
化学式I、II及びIIIの化合物は、既知の合成方法によって生成できる。図式1及び2は、化学式Iの化合物を生成するために考えられる2つの方法である。
スキーム1:
【0169】
【化33】

a)EtONa、EtOH;b)EtONa、EtOH、チオ尿素、1/2 HSO;c)PyBOP若しくはEDC、NHRcRd;d)mCPBA若しくはH、CHCOH;HNRaRb、ジオキサン、85℃。
【0170】
図式1の手順aでは、ナトリウムエトキシド等の塩基及びエタノール等の有機溶媒の存在下で、ケトンとオキサル酢酸ジエチルとを反応させると、ジオキソブタン酸が生じる。手順bではEtONa等の塩基及び2−メチルイソチオ尿素の存在下でジオキソブタン酸を還流させ、その後に有機抽出及び酸洗いを行うと、2−(メチルチオ)ピリミジン−4−カルボン酸が生じる。手順cでは、カルボン酸が、適切なアミン、例えばNHRcRdの存在下でPyBOP若しくはEDC等の標準アミン結合方法を使用してアミドへ変換させられる。手順dでは、CHCOH中のm−CPBA若しくはH等の酸化剤を使用してチオールを酸化すると、スルフィニル若しくはスルホニル化合物が生じる。手順eでは、ジオキサン等の有機溶媒中でスルフィニル若しくはスルホニル化合物と適切なアミンであるHNRaRbとを反応させると、式Iの化合物が生じる。
スキーム2:
【0171】
【化34】

a)NaOH、HO;b)i)SOCl、PhMe 還流;ii)MeOH、DIEA、CHCl、0℃、c)NHRcRd、CHCl;d)A−B(OR)、PdCl(dppf)、KPO4、DMF/DME/HO、75℃、e)i)mCPBA、CHCl;ii)MeS;f)HNRaRb、NMM、DMSO、75℃。
【0172】
図式2の手順aでは、オキサル酢酸ジエチルジエチルとメチルイソチオ尿素とを反応させると、2−メチルチオ−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−4−イルカルボン酸が生じる。手順bでは、tolune等の有機溶媒中でカルボン酸をエンカチオニルと共に還流させ、次にメタノール処理を行うと、2−メチルチオ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルカルボン酸メチルエステルが生じる。手順cでは、メチルエステルは、NHRcRd等の適切なアミンを使用してアミドへ変換される。手順dでは、環Aのホウ酸誘導体([環A]−B(OR)等)は、PdCl(dppf)等の結合試薬を使用してピリミジン−4−カルボン酸アミドへ結合させられる。所望の化合物は、図式1における手順d及びeに類似する合成手順e及びfによって生成される。
【0173】
IV. 使用、投与経路、及び製剤
従って、本発明の別の態様では、薬学的に許容される組成物が提供されるが、この時これらの組成物は本明細書に記載の化合物の何れかを含み、そして任意で薬学的に許容される担体、アジュバント又はビヒクルを含む。特定の実施形態において、これらの組成物は1つ以上の追加の治療薬を場合により更に含む。
【0174】
本発明の所定の化合物は、治療のために自由形で、又は適切な場合は、それらの薬学的に許容される誘導体若しくはプロドラッグとして存在していてよいことも理解されるであろう。本発明によれば、薬学的に許容される誘導体若しくはプロドラッグには、薬学的に許容される塩、エステル、このようなエステルの塩、又は必要とする患者へ投与されると本明細書の他の場所で記載した化合物、又はそれらの代謝産物若しくは残留物を直接的若しくは間接的に提供することができる任意の他の付加物若しくは誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
【0175】
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、正確な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずにヒト及び下等動物の組織と接触させて使用するために適合する、そして合理的なベネフィット/リスク比で釣り合う塩を意味する。「薬学的に許容される塩」は、レシピエントに投与されると、本発明の化合物又はそれらの阻害性で活性の代謝産物若しくは残留物を直接的若しくは間接的の何れかで提供できる、本発明の化合物の任意の非毒性塩若しくはエステルの塩を意味する。
【0176】
薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M. Berge,らは、参考として本明細書に組み入れられているJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1−19の中で薬学的に許容される塩について詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、適切な無機及び有機の酸及び塩に由来する塩が含まれる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸等の無機酸を使用して、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸若しくはマロン酸等の有機酸を使用して、又はイオン交換等の当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。その他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳、スルホン酸樟脳、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタン硫酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が含まれる。適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及びN(C1−4アルキル)塩が含まれる。本発明は、本明細書に開示した化合物の任意の塩基性窒素含有基の四元化も更に想定している。水溶性若しくは油溶性又は分散性生成物は、このような四元化によって入手できる。代表的なアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が含まれる。その他の薬学的に許容される塩には、適切な場合は、非毒性アンモニウム、4級アンモニウム、並びにハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩及びアリールスルホン酸塩等の対イオンを使用して形成されるアミンカチオンが含まれる。
【0177】
上述の通り、本発明の薬学的に許容される組成物は、追加して、所望の特定の剤形に適合するように、本明細書で使用される任意及び全ての溶媒、希釈剤、又は他の液体ビヒクル、分散若しくは懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘若しくは乳化剤、保存料、固体結合剤、潤滑剤等を含む薬学的に許容される担体、アジュバント、若しくはビヒクルを含む。Remington’s Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E.W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980は、薬学的に許容される組成物を調製する際に使用される種々の担体及びそれらを調製するための既知の技術について開示している。任意の望ましくない生物学的作用若しくは他の点で有害な方法で薬学的に許容される組成物の任意の他の成分と相互作用させる手順による等の任意の従来型担体媒質が本発明の化合物と不適合である場合を除いて、その使用は本発明の範囲内で意図されている。薬学的に許容される担体として機能できる物質の一部の例には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、若しくはソルビン酸カリウム等の緩衝物質、例えば硫酸プロタミン等の飽和脂肪酸、水、塩若しくは電解質の部分グリセリド混合物、リン酸水素二ナトリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、羊毛脂、例えばラクトース、グルコース及びスクロース等の糖類;コーンスターチ及びジャガイモデンプン等のデンプン;セルロース並びにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及びセルロースアセテート等のその誘導体;粉末状トラガント;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオ脂及び坐剤用ワックス等の賦形剤;落花生油、綿実油等の油;ヒマワリ油;ゴマ油;オリーブ油;コーン油及び大豆油;プロピレングリコール若しくはポリエチレングリコール等のグリコール類;オレイン酸エチル及びラウリンエチル等のエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等の緩衝剤;アルギン酸;発熱物質無含有水;等張性食塩液;リンゲル液;エチルアルコール、及びリン酸緩衝液並びにラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム等のその他の非毒性適合潤滑剤、並びに着色剤、解除剤、コーティング剤、甘味料、フレーバー剤が含まれるが、これらに限定されない。そしてレーバー剤及び芳香剤、保存料及び酸化防止剤も又調剤者の判断に従って、本組成物中に存在してよい。
【0178】
更に別の態様では、本発明は、ABCトランスポーター活性に関係する病態、疾患、若しくは障害を処置する方法を提供する。特定の実施形態において、本発明は、ABCトランスポーター活性の欠損症に関与する病態、疾患又は障害を処置する方法であって、それを必要とする対象、好ましくは哺乳動物に化学式(I)の化合物を含む組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0179】
特定の好ましい実施形態において、本発明は、嚢胞性線維症、遺伝性肺気腫、遺伝性ヘモクロマトーシス、凝固−フィブリン溶解欠損症(例えば、タンパク質C欠損症)、1型遺伝性血管性水腫、脂質処理欠損症(例えば、家族性高コレステロール血症)、1型カイロミクロン血症、無βリポタンパク血症、リソソーム性蓄積症(例えば、I細胞病/偽性ハーラー病)、ムコ多糖症、サンドホフ/テイ・ザックス病、クリグラー・ナジャーII型、多発性内分泌腺症/過インスリン血症、糖尿病、ラーロン型小人症、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、原発性副甲状腺機能低下症、黒色腫、Glycanosis CDG1型、遺伝性肺気腫、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、遺伝性低フィブリノゲン血症、ACT欠損症、尿崩症(DI)、神経下垂体性DI、腎性DI、シャルコー・マリー・ツース症候群、ペリツェーウス・メルツバッヒャー病、神経変性病(例えば、アルツハイマー病)、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、ピック病、重症ポリグルタミン神経学障害(例えば、ハンチントン病)、脊髄小脳失調I型、脊髄性延髄性筋萎縮症、歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症、及び緊張性筋萎縮症、並びに(プリオンタンパク質処理欠損に起因する)海綿状脳症(例えば、遺伝性クロイツフェルト・ヤコブ病)、ファブリー病、シュトラウスラー・シャインカー病、分泌性下痢、多嚢胞性腎症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ドライアイ病、及びシェーグレン症候群を処置する方法であって、前記哺乳動物に、化学式(I)の化合物を含む有効量の組成物を前記哺乳動物に投与する手順を含む方法、又は上に規定したそれらの好ましい実施形態を提供する。
【0180】
別の好ましい実施形態によれば、本発明は、嚢胞性線維症を処置する方法であって、前記哺乳動物に組成物を投与する手順を含み、前記哺乳動物に化学式(I)の化合物を含む有効量の組成物を投与する手順を含む方法、又は上に規定したその好ましい実施形態を提供する。
【0181】
本発明によれば、「有効量」の化合物又は薬学的に許容される組成物は、嚢胞性線維症、遺伝性肺気腫、遺伝性ヘモクロマトーシス、凝固−フィブリン溶解欠損症(例えば、タンパク質C欠損症)、1型遺伝性血管性水腫、脂質処理欠損症(例えば、家族性高コレステロール血症)、1型カイロミクロン血症、無βリポタンパク血症、リソソーム性蓄積症(例えば、I細胞病/偽性ハーラー病)、ムコ多糖症、サンドホフ/テイ・ザックス病、クリグラー・ナジャーII型、多発性内分泌腺症/過インスリン血症、糖尿病、ラーロン型小人症、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、原発性副甲状腺機能低下症、黒色腫、Glycanosis CDG1型、遺伝性肺気腫、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、遺伝性低フィブリノゲン血症、ACT欠損症、尿崩症(DI)、神経下垂体性DI、腎性DI、シャルコー・マリー・ツース症候群、ペリツェーウス・メルツバッヒャー病、神経変性病(例えば、アルツハイマー病)、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、ピック病、重症ポリグルタミン神経学障害(例えば、ハンチントン病)、脊髄小脳失調I型、脊髄性延髄性筋萎縮症、歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症、及び緊張性筋萎縮症、並びに海綿状脳症(例えば、遺伝性クロイツフェルト・ヤコブ病)、ファブリー病、シュトラウスラー・シャインカー症候群、COPD、ドライアイ病、及びシェーグレン病の1つ以上を処置する又はその重症度を緩和するのに有効な量である。
【0182】
本発明の方法による化合物及び組成物は、嚢胞性線維症、遺伝性肺気腫、遺伝性ヘモクロマトーシス、凝固−フィブリン溶解欠損症(例えば、タンパク質C欠損症)、1型遺伝性血管性水腫、脂質処理欠損症(例えば家族性高コレステロール血症)、1型カイロミクロン血症、無βリポタンパク血症、リソソーム性蓄積症(例えば、I細胞病/偽性ハーラー病)、ムコ多糖症、サンドホフ/テイ・ザックス病、クリグラー・ナジャーII型、多発性内分泌腺症/過インスリン血症、糖尿病、ラーロン型小人症、ミエロペルオキシダーゼ欠損症、原発性副甲状腺機能低下症、黒色腫、Glycanosis CDG1型、遺伝性肺気腫、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、遺伝性低フィブリノゲン血症、ACT欠損症、尿崩症(DI)、神経下垂体性DI、腎性DI、シャルコー・マリー・ツース症候群、ペリツェーウス・メルツバッヒャー病、神経変性病(例えば、アルツハイマー病)、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、ピック病、重症ポリグルタミン神経学障害(例えば、ハンチントン病)、脊髄小脳失調I型、脊髄性延髄性筋萎縮症、歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症、及び緊張性筋萎縮症、並びに海綿状脳症(例えば、遺伝性クロイツフェルト・ヤコブ病)、ファブリー病、シュトラウスラー・シャインカー症候群、COPD、ドライアイ病及びシェーグレン病の1つ以上を処置する又はその重症度を緩和するのに有効な任意の量及び任意の投与経路を使用して投与できる。
【0183】
必要とされる正確な量は、対象の種、年齢、及び全身状態、感染症の重症度、特定物質、その投与様式等に依存して対象毎に変動するであろう。本発明の化合物は、好ましくは、投与の容易さ及び用量の均一性のために用量単位形で調製される。本明細書で使用される発現「単位用量形」は、処置される患者のために適切な物質の物理的個別単位を意味する。しかし、本発明の化合物及び組成物の総1日量は、着実な医学的判断の範囲内で担当医師によって決定されることは理解されるであろう。任意の特定の患者若しくは生物のために特に有効な用量レベルは、処置される障害及び障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全身状態、患者の性別及び食事;使用される特定の化合物の投与時点、投与経路、及び排泄速度;治療期間;使用される特定の化合物と組み合わせて、又は同時に使用される薬物、及び医学分野で周知の同様の因子を含む種々の因子に依存するであろう。本明細書で使用される「患者」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、及び最も好ましくはヒトを意味する。
【0184】
本発明の薬学的に許容される組成物は、処置される感染の重症度に依存して、ヒト及び他の動物へ経口、経直腸、非経口、脳槽内、膣内、腹腔内、局所的(散剤、軟膏剤、若しくはドロップ剤によるように)、口腔内、口腔若しくは鼻腔スプレー等によって投与できる。特定の実施形態において、本発明の化合物は、所望の治療作用を入手するために、1日1若しくは複数回、1日当たり対象の体重当たり約0.01mg/kg〜約50mg/kg及び好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kgの投与レベルで経口若しくは非経口投与されてよい。
【0185】
経口投与のための液体製剤には、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤が含まれるが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液体製剤は、例えば、水若しくは他の溶媒、可溶化剤及びエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(具体的には、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物等の当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有していてよい。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味料、フレーバー剤、及び調香剤等のアジュバントを更に含むことができる。
【0186】
注射用製剤、例えば、無菌注射用水性若しくは油性懸濁剤は、適切な分散剤若しくは湿潤剤及び懸濁化剤を使用して既知の技術によって調製できる。無菌注射用製剤は、更に又、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液として非毒性の非経口的に許容される希釈剤若しくは溶媒中の無菌注射液、懸濁液若しくはエマルジョンであってよい。特に使用できる許容されるビヒクル及び溶媒は、水、リンゲル液、米国薬局方及び等張性塩化ナトリウム液である。更に、無菌の不揮発性油は、従来法では溶媒若しくは懸濁化溶媒として使用されている。このためには、合成モノ−若しくはジグリセリドを含む任意の無刺激性の不揮発性油を使用できる。更に、オレイン酸等の脂肪酸が注射液の調製において使用される。
【0187】
注射用製剤は、例えば細菌保持フィルターを通しての濾過によって、又は無菌水若しくは他の無菌注射用溶媒中へ使用前に溶解若しくは分散させることのできる無菌固体組成物の形態にある滅菌剤を組み込むことによって滅菌できる。
【0188】
本発明の化合物の作用を延長させるために、皮下若しくは筋肉内注射からの本化合物の吸収を緩徐化することが望ましいことが多い。これは、難水溶性を備える結晶若しくは非晶質物質の液体懸濁液の使用によって遂行できる。そこで本化合物の吸収速度は、その分解速度に依存し、これは順に、結晶サイズ及び結晶形に依存する可能性がある。或いは、非経口投与された化合物形の遅延性吸収は、油ビヒクル中の化合物を分解若しくは懸濁させることによって遂行される。注射用デポー形は、ポリラクチド−ポリグリコライド等の生体分解性ポリマー中の化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。化合物対ポリマー比及び使用される特定ポリマーの性質に依存して、化合物放出速度は制御できる。その他の生体分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)及びポリ(アンヒドリド)が含まれる。デポー注射用製剤は、更に又本化合物を身体組織と適合するリポソーム若しくはマイクロエマルジョン内に取り込むことによって調製される。
【0189】
直腸若しくは膣投与のための組成物は、好ましくは本発明の化合物を、周囲温度では固体であるが体温では液体であるために直腸若しくは膣腔内では融解して活性化合物を遊離させるカカオ脂、ポリエチレングリコール若しくは坐剤用ワックス等の適切な非刺激性賦形剤若しくは担体と混合することによって調製できる。
【0190】
経口投与のための固体製剤には、カプセル剤、錠剤、ピル剤、散剤、及び顆粒剤が含まれる。このような固体製剤では、活性化合物は、クエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウム等の少なくとも1つの不活性の薬学的に許容される賦形剤若しくは担体及び/又はa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸等の充填剤若しくは増量剤、b)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、及びアカシア等の結合剤、c)グリセロール等の湿潤剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、所定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム等の崩壊剤、e)パラフィン等の溶液緩染剤、f)第4級アンモニウム化合物等の吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール等の湿潤剤、h)カオリン及びベントナイト粘土等の吸収剤、及びi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、並びにそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤及びピル剤の場合には、製剤は緩衝剤を更に含んでいてよい。
【0191】
類似タイプの固体組成物も又、ラクトース若しくは乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコール等の賦形剤を使用して軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル内の充填剤として使用することもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ピル剤、及び顆粒剤の固体製剤は、腸溶コーティング及び医薬品調製分野で周知のその他のコーティング等のコーティング及びシェルを使用して調製できる。それらは任意で乳白化剤を含有していてよく、更にそれらが有効成分だけを、又は選択的に、腸管の所定部分において、任意で遅延方法で遊離させる組成物であってよい。使用できる包埋組成物の例には、ポリマー物質及びワックスが含まれる。類似タイプの固体組成物も又、ラクトース若しくは乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコール等の賦形剤を使用して軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル内の充填剤として使用することもできる。
【0192】
活性化合物は、上述のような1つ以上の賦形剤を備えるマイクロカプセル化形にあってもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ピル剤、及び顆粒剤の固体製剤は、腸溶コーティング、放出制御コーティング及び医薬品調製分野で周知のその他のコーティング等のコーティング及びシェルを使用して調製できる。このような固体製剤中では、活性化合物は、スクロース、ラクトース若しくはデンプン等の少なくとも1つの不活性希釈剤と混合されてよい。このような製剤は、通常の実践と同様に、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、錠剤化潤滑剤並びにステアリン酸マグネシウム及び微結晶セルロース等の他の錠剤化助剤を更に含んでいてよい。カプセル剤、錠剤及びピル剤の場合には、製剤は緩衝剤を更に含んでいてよい。それらは任意で乳白化剤を含有していてよく、更にそれらが有効成分だけを、又は選択的に、腸管の所定部分において、任意で遅延方法で遊離させる組成物であってよい。使用できる包埋組成物の例には、ポリマー物質及びワックスが含まれる。
【0193】
本発明の化合物を局所的若しくは経皮的投与するための製剤には、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤若しくはパッチ剤が含まれる。活性化合物は、無菌条件下で、必要に応じて薬学的に許容される担体及び任意の必要な保存料若しくは緩衝剤と混合される。眼科用製剤、点耳剤、及び点眼剤も又、本発明の範囲内に含まれることが意図される。更に、本発明は、身体への化合物の制御された送達を提供するという追加の利点を有する、経皮パッチの使用を意図している。このような製剤は、適正な媒質中に本化合物を溶解又は分注することによって調製される。本化合物の皮膚を越える流入を増加させるために吸収強化剤も又使用できる。この速度は、速度制御膜を提供する、又はポリマーマトリックス若しくはゲル中に本化合物を分散させることの何れかによって制御できる。
【0194】
上に概説した通り、本発明の化合物は、ABCトランスポーターのモジュレーターとして有用である。そこで、任意の特定の理論によって結び付けようとしなくても、本化合物及び本組成物は、ABCトランスポーターの過剰活性若しくは不活性が疾患、病態若しくは障害に関係している疾患、病態、若しくは障害を処置する又はその重症度を緩和するのに特に有用である。ABCトランスポーターの過剰活性若しくは不活性が特定の疾患、病態若しくは障害に関係している場合は、その疾患、病態若しくは障害は「ABCトランスポーター媒介性疾患、病態若しくは障害」と言うこともできる。従って、別の態様では、本発明は、ABCトランスポーターの過剰活性若しくは不活性が疾患状態に関係している疾患、病態、若しくは障害を処置する又はその重症度を緩和する方法を提供する。
【0195】
本発明で利用されるABCトランスポーターのモジュレーターとしての化合物の活性は、当該技術分野及び本明細書の実施例において概説される方法によって試験できる。
【0196】
本発明の化合物及び薬学的に許容される組成物は、併用療法において使用できる、即ち本化合物及び薬学的に許容される組成物は1つ以上の他の所望の治療薬若しくは医学的方法と同時に、先行して、又は引き続いて投与できることも又理解されるであろう。併用レジメンにおいて使用するための療法(治療薬又は方法)の特定の組み合わせは、所望の治療薬及び/又は達成する所望の治療作用の適合性を考慮に入れるであろう。使用される療法は同一障害のために所望の作用を達成できる(例えば、本発明の化合物は同一障害を処置するために使用される別の物質と同時に投与されてよい)、又はそれらは異なる作用を達成できる(例えば、場合により副作用の制御)ことも又理解されるであろう。本明細書で使用される、特定の疾患、又は病態を処置又は予防するために通常投与される追加の治療薬は、「処置される疾患又は病態に適切」であると知られている。
【0197】
本発明の組成物中に存在する追加の治療薬の量は、唯一の活性物質としてその治療薬を含む組成物中で通常は投与されるであろう量を超えないであろう。好ましくは、本発明に開示した組成物中の追加の治療薬の量は、唯一の活性物質としてその治療薬を含む組成物中で通常は投与されるであろう量の約50%〜100%の範囲に及ぶであろう。
【0198】
本発明の化合物若しくはそれらの薬学的に許容される組成物は、プロテーゼ、人工弁、血管グラフト、ステント及びカテーテル等の植込み型医療器具をコーティングするための組成物中に組み込むこともできる。従って、本発明は、別の態様では、上に概説したような本発明の化合物を含む植込み型器具をコーティングするための組成物、及び本明細書のクラス及びサブクラスでは、前記植込み型器具をコーティングするために適合する担体を含む。更に別の態様では、本発明は、別の態様では、上に概説したような本発明の化合物を含む組成物でコーティングされた植込み型器具、及び本明細書のクラス及びサブクラスでは、前記植込み型器具をコーティングするために適合する担体を含む。適切なコーティング及びコーティングされた植込み型器具の一般的調製は、これにより参考として本明細書に組み入れられている、米国特許第6,099,562号;5,886,026号;及び5,304,121号に記載されている。コーティングは、一般的に例えばヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレン酢酸ビニル、及びそれらの混合物等の生体適合性ポリマー材料である。コーティングは、任意で更に、組成物に徐放性特性を付与するためにフルオロシリコーン、多糖類、ポリエチレングリコール、リン脂質若しくはそれらの組み合わせの適切なトップコートによって被覆されてよい。
【0199】
本発明の別の態様は、生物学的サンプル又は患者(例、in vitro若しくはin vivo)においてABCトランスポーター活性を調節することに関するが、この方法は、化学式Iの化合物又は前記化合物を含む組成物を患者に投与すること、又はこれらと前記生物学的サンプルを接触させることを含む。本明細書で使用される「生物学的サンプル」という用語には、細胞培養若しくはその抽出物;哺乳動物から入手した生検材料又はその抽出物;及び血液、唾液、尿、便、精液、涙、若しくはその他の体液又はそれらの抽出物が含まれるが、これらに限定されない。
【0200】
生物学的サンプル中のABCトランスポーター活性の調節は、当業者に既知の種々の目的のために有用である。このような目的の例には、生物学的及び病理学的現象におけるABCトランスポーターの研究;及びABCトランスポーターの新規モジュレーターの比較評価が含まれるが、これらに限定されない。
【0201】
更に別の実施形態においては、in vitro若しくはin vivoでアニオンチャネルの活性を調節する方法であって、前記チャネルを化学式(I)の化合物と接触させる手順を含む方法が提供される。好ましい実施形態において、アニオンチャネルは、塩化物チャネル又は重炭酸塩チャネルである。他の好ましい実施形態において、アニオンチャネルは、塩化物チャネルである。
【0202】
別の実施形態によれば、本発明は、細胞の膜内の機能的ABCトランスポーターの数を増加させる方法であって、前記細胞を化学式(I)の化合物と接触させる手順を含む方法を提供する。本明細書で使用される「機能的ABCトランスポーター」という用語は、輸送活性の能力があるABCトランスポーターを意味する。好ましい実施形態において、前記機能的ABCトランスポーターはCFTRである。
【0203】
別の好ましい実施形態によれば、ABCトランスポーターの活性は、膜貫通電位を測定することによって測定される。生物学的サンプル中の膜を越える電位を測定する手段は、光学膜電位試験又はその他の電気生理学的方法等の当該技術分野で既知の方法の何れかを使用する場合がある。
【0204】
光学膜電位試験は、Gonzalez and Tsienによって記載された電位感受性FRETセンサー(例えば、Gonzalez, J.E. and R.Y. Tsien(1995) “Voltage sensing by fluorescence resonance energy transfer in single cells” Biophys J 69(4):1272−80, and Gonzalez, J.E. and R.Y. Tsien(1997) “Improved indicators of cell membrane potential that use fluorescence resonance energy transfer” Chem Biol 4(4):269−77を参照)を、電位/イオンプローブリーダー(VIPR)(例えば、Gonzalez, J.E., K. Oades,ら (1999) “Cell−based assays and instrumentation for screening ion−channel targets” Drug Discov Today 4(9):431−439を参照)等の蛍光変化を測定するための機器と組み合わせて利用する。
【0205】
これらの電位感受性試験は、膜可溶性、電位感受性色素であるDiSBAC(3)と血漿膜の外葉に付着していてFRETドナーとして作用する蛍光性リン脂質CC2−DMPEとの間の蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)における変化に基づいている。膜電位における変化(V)は、負荷電のDiSBAC(3)が血漿膜を越えて再分配することを引き起こし、従ってCC2−DMPEからのエネルギー転移の量が変化する。蛍光発光における変化は、96若しくは384ウェルマイクロタイタープレート内でセルベーススクリーンを実施するために設計された統合型液体処理器及び蛍光検出器である、VIPRTMIIを使用して監視できる。
【0206】
別の態様では、本発明は、in vitro若しくはin vivoで生物学的サンプル中のABCトランスポーター若しくはそのフラグメントの活性を測定する際に使用するためのキットであって、(i)化学式(I)の化合物若しくは上の実施形態の何れかを含む組成物;並びに(ii)a)本組成物を生物学的サンプルと接触させる、及びb)前記ABCトランスポーター若しくはそのフラグメントの活性を測定する、ための取扱説明書を含むキットを提供する。一実施形態において、本キットは更に、a)追加の組成物を生物学的サンプルと接触させる;b)前記ABCトランスポーター若しくはそのフラグメントの活性の活性を前記追加の化合物の存在下で測定する;及びc)前記追加の化合物の存在下におけるABCトランスポーターの活性を、化学式(I)の組成物の存在下におけるABCトランスポーターの密度と比較する、ための取扱説明書を含む。好ましい実施形態において、本キットはCFTRの密度を測定するために使用される。
【0207】
本明細書に記載の本発明をより詳細に理解できるようにするため、以下の実施例を記載する。これらの実施例は単に例示を目的としたものであり、本発明を如何様にも限定するものとは見なされないことを理解するべきである。
【実施例】
【0208】
V. 調製物及び実施例
(実施例1):2−(ジメチルアミノ)−6−(2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−カルボキサミド
手順a:4−(2−メトキシフェニル)−2,4−ジオキソブタン酸
【0209】
【化35】

シュウ酸ジエチル(16g、110mmol)及びナトリウムエトキシド(100mL、エタノール中で21重量%、300mmol)の攪拌溶液に、エタノール(100mL)中の2−メトキシアセトフェノン(15g、100mmol)の溶液を滴下した。反応混合液を周囲温度で一晩攪拌し続けた。生じた溶液をロータリー・エバポレーター上で約50mLへ濃縮させ、次にジエチルエーテル(100mL)と水(250mL)との間に分配させた。水相を濃HClによりpH=3へ調整すると微細な白色沈殿物を含む懸濁液が生じ、これを100℃にて5〜10分間にわたり加熱し、次に氷浴中で1時間冷却した。沈殿物を濾過し、水(20mL)で洗浄し、高真空下で一晩乾燥させると4−(2−メトキシフェニル)−2,4−ジオキソブタン酸が得られた。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 7.96 (q, J = 9.0, 3.0 Hz, 1H), 7.53 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 7.47 (s, 0.9H ケト体), 7.24 (s, 1.1H エノール体), 7.06 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H). ESI−MS m/z 220.9 (M − H)
【0210】
手順b:6−(2−メトキシフェニル)−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−カルボン酸
【0211】
【化36】

エタノール(200mL)中の2,4−ジオキソ−4−(2−メトキシフェニル)酪酸(15.6g、70mmol)、2−メチル−イソチオ尿素スルフェート(10.4g、73.5mmol)及びナトリウムエトキシド(26mL、エタノール中で21重量%、70mmol)を一晩加熱して還流させた。生じた溶液はロータリー・エバポレーターを使用して約50mLへ減少させ、水(200mL)を加えると懸濁液が得られたので、10% NaOHを使用してこれをpH>9へ調整した。この混合液をジエチルエーテル(100mL)で抽出した。水相を濃HClによりpH=3に調整すると懸濁液が得られるので、これを10分間にわたり90℃へ加熱した。氷浴中で1時間冷却すると、沈殿物が形成されたので、これを濾過し、水(20mL)で洗浄し、真空下で一晩乾燥させると6−(2−メトキシフェニル)−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−カルボン酸が得られた。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 8.45 (s, 1H), 8.10 (dd, J = 7.5, 1.8 Hz, 1H), 7.48 (m, 1H), 7.09 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H), 2.67 (s, 3H). HPLC ret. time 2.02 min, 10−100 % CHCN, 5 min gradient; ESI−MS m/z 277.1 (M + H)
【0212】
手順c:6−(2−メトキシフェニル)−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−カルボキサミド
【0213】
【化37】

DMF(40mL)中の6−(2−メトキシフェニル)−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−カルボン酸(9.8g、40mmol)、トリエチルアミン(33mL、240mmol)、及び塩化アンモニウム(11g、200mmol)の攪拌懸濁液にPyBOP(21.9g、42mmol)を5回に分けて加えた。この反応は、LCMS分析によって決定したように2時間で完了した。この反応混合液を水(1.5L)中に注入し、10分間にわたり攪拌した。沈殿物を濾過によって収集し、高真空下で一晩乾燥させると6−(2−メトキシフェニル)−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−カルボキサミドが得られた。H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.40 (s, 0.7H), 8.05 (m, 1.3H), 7.74 (bs, 1H), 7.44 (m, 1H), 7.05 (m, 2H), 5.78 (bs, 1H), 3.92 (s, 3H); 2.65 (s, 3H). HPLC ret. time 2.71 min, 10 − 100 % CHCN, 5 min gradient; ESI−MS m/z 245.9 (M + H)
【0214】
手順d:6−(2−メトキシフェニル)−2−(メチルスルフィニル)ピリミジン−4−カルボキサミド及び6−(2−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)ピリミジン−4−カルボキサミド
【0215】
【化38】

5mLのDCM中に6−(2−メトキシフェニル)−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−カルボキサミド(2.75g、8.5mmol)を含有するフラスコにmCPBA(2.3g、10.2mmol、77重量%、残余は3−クロロ安息香酸及び水)を加えた。室温にて3時間攪拌した後に沈殿物が形成されたので、これを濾過すると、白色固体[スルホンとスルホキシドの混合物]として6−(2−メトキシフェニル)−2−(メチルスルフィニル)ピリミジン−4−カルボキサミド及び6−(2−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)ピリミジン−4−カルボキサミドが得られた。HPLC保持時間1.97分間、10〜100% CHCN、5分間の勾配;ESI−MS m/z 308.1(M+H).粗生成物は、それ以上精製せずに次の手順で使用した。
【0216】
スルホンは、過剰の酸化剤mCPBAを使用した場合には一次生成物として得られる。
【0217】
手順e:2−(ジメチルアミノ)−6−(2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−カルボキサミド(192)
【0218】
【化39】

6−(2−メトキシフェニル)−2−(メチルスルフィニル)ピリミジン−4−カルボキサミド(46mg、0.15mmol)、1,4−ジオキサン(2mL)、DIPEA(80μL、0.45mmol)、及び塩酸ジメチルアミン(26mg、0.3mmol)をバイアル(8mL)に加えた。バイアルを密封し、2日間にわたり85℃にて加熱した。反応溶液を室温へ冷却した後、溶媒をSavant SpeedVac中の真空下で除去した。生じた残留物は分取的HPLCによって精製した。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 7.95 (q, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.77 (bs, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.04 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.78 (bs, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.26 (s, 6H). HPLC ret. time 2.76 min, 10−100 % CHCN, 5 min gradient; ESI−MS m/z 273.1 (M + H)
【0219】
(実施例2) 2−(N−メチルフェネチルアミノ)−6−フェニルピリミジン−4−カルボキサミド
【0220】
【化40】

手順a:2,4−ジオキソ−4−フェニルブタン酸
シュウ酸ジエチル(21.9g、150mmol)及びナトリウムエトキシド(168mL、21重量%溶液、450mmol)の攪拌溶液に、エタノール(120mL)中のアセトフェノン(18g、150mmol)の溶液を滴下した。反応混合液を周囲温度で15時間攪拌し続けた。反応混合液を約70mLへ濃縮し、ジエチルエーテル(50mL)及び水(200mL)の間に分配させた。相を分離し、水相を濃HClによりpH=1へ調整し、その後ジエチルエーテル(3×100mL)により抽出した。結合エーテル抽出液をMgSOの上方に通して乾燥させ、蒸発させると2,4−ジオキソ−4−フェニルブタン酸が得られた。H NMR (DMSO−d, 300 MHz) δ 8.05 (d, J = 7.2 Hz, 1.8H エノール体), 7.96 (d, J = 6.9 Hz, 0.2H ケト体), 7.69 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.56 (t, J = 8.1 Hz, 2H), 7.08 (s, 0.9H エノール体), 4.56 (s, 0.1H ケト体). 13C NMR (DMSO−d, 75 MHz) δ 190.7, 170.7, 163.6, 135.1, 134.6, 129.7, 128.4, 98.5。
【0221】
手順b:2−メチルスルファニル−6−フェニルピリミジン−4−カルボン酸
【0222】
【化41】

エタノール(200mL)中の2,4−ジオキソ−4−フェニルブタン酸(19.2g、100mmol)、2−メチル−イソチオ尿素スルフェート(27.8g、100mmol)及びナトリウムエトキシド(37mL、21重量%溶液、100mmol)を一晩加熱して還流させた。揮発物質を除去した後、水(200mL)を加えると懸濁液が得られるので、これを10% NaOHによりpH>9へ調整した。この混合液をジエチルエーテル(2×100mL)で抽出した。水相は濃HClによりpH=2へ調整し、ジエチルエーテル(4×100mL)により抽出した。結合エーテル抽出液を蒸発させ、残留物を一晩インバキュオで乾燥させると22.0gの2−メチルスルファニル−6−フェニルピリミジン−4−カルボン酸が黄色固体として得られた。H NMR (DMSO−d, 300 MHz) δ 8.24 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 8.12 (s, 1H), 7.58 (m, 3H), 2.64 (s, 3H). 13C NMR (DMSO−d, 75 MHz) δ 172.8, 165.7, 165.6, 157.9, 135.8, 132.5, 129.8, 128.0, 14.6. HPLC ret. time 1.95 min, 10−100 % CHCN, 5 min run. ESI−MS m/z 247.1 (M + H)
【0223】
手順c:2−(メチルチオ)−6−フェニルピリミジン−4−カルボキサミド
【0224】
【化42】

N−メチルモルホリン(2.31mL、21mmol)をシリンジによってDMF(40mL)中の2−メチルスルファニル−6−フェニルピリミジン−4−カルボン酸(3.45g、14mmol)、塩化アンモニウム(4.27g、80mmol)、HOBt(2.84g、21mmol)、及びEDC(4.0g、21mmol)の混合液に室温にて滴下した。この反応液を室温にて3時間攪拌し、その後にロータリー・エバポレーションによってDMFを除去した。カラムクロマトグラフィー(SiO、DCM/EtOAc 5:1)により白色固体として3.23gの2−(メチルチオ)−6−フェニルピリミジン−4−カルボキサミドが得られた。H NMR (DMSO−d, 300 MHz) δ 8.25 (m, 2H), 8.13 (s, 1H), 7.59 (m, 3H), 2.62 (s, 3H). HPLC ret. time 2.71 min, 10−100 % CHCN, 5 min gradient. ESI−MS m/z 246.1 (M + H)
【0225】
手順d:2−(メタンスルホニル)−6−フェニルピリミジン−4−カルボキサミド
【0226】
【化43】

100mLのDCM中に2−メチルスルファニル−6−フェニルピリミジン−4−カルボキサミド(2.0g、8.2mmol)を含有するフラスコにmCPBA(30mmol、5.18g、77重量%、残余は3−クロロ安息香酸及び水)を加えた。室温にて3時間攪拌した後に白色沈殿物が形成されたので、これを濾過で取り除き、低温DCM(20mL)によりフィルター上で洗浄すると、白色固体として2−(メタンスルホニル)−6−フェニルピリミジン−4−カルボキサミドが得られた。H NMR (DMSO−d, 300 MHz) δ 8.67 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 8.34 (dd, J = 7.8, 1.5 Hz, 2H), 8.18 (s, 1H), 7.63 (m, 3H), 3.60 (s, 3H). HPLC ret. time 2.10 min, 10−100 % CHCN, 5 min run. ESI−MS m/z 278.1 (M + H)
【0227】
手順e:2−(N−メチルフェネチルアミノ)−6−フェニルピリミジン−4−カルボキサミド(標題化合物)
【0228】
【化44】

2−メタンスルホニル−6−フェニルピリミジン−4−カルボキサミド(70mg、0.25mmol)、1,4−ジオキサン(4mL)、DIPEA(0.3mL、2.0mmol)及びN−メチルフェネチルアミン(82mg、0.6mmol)を8mLバイアルに加えた。バイアルを密封し、2日間にわたり85℃にて加熱した。この反応混合液を室温へ冷却させ、次に溶媒を遠心蒸発によって除去した。残留物を分取HPLCによって精製すると、43mgの2−(N−メチルフェネチルアミノ)−6−フェニルピリミジン−4−カルボキサミドが得られた。H NMR (CDCl 300 MHz) δ 8.14 (m, 2H), 7.74 (s, 1H), 7.67 (br s, 1H), 7.47 (m, 3H), 7.25 (m, 5H), 5.79 (br s, 1H), 3.95 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.21 (s, 3H), 2.97 (t, J = 6.9 Hz, 2H). HPLC ret. time 3.25 min, 10−100 % CHCN, 5 min run. ESI−MS m/z 333.3 (M + H)
【0229】
(実施例3) 2−ジエチルアミノ−6−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸アミド
手順a:2−メチルスルファニル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸
【0230】
【化45】

純オキサル酢酸ジエチル(23.5g、125mmol)を水(150mL)中の水酸化ナトリウム(15g、0.375mol、3当量)の溶液に加えると、黄色溶液が得られた。固体S−メチルイソチオ尿素スルフェート(17.4g、62.5mmol、0.5当量)を攪拌溶液に加えた。この混合液を15時間攪拌した。濃HCl(40mL、0.48mol)を加えてpHを1へ調整し、生じた淡橙色がかったピンクの懸濁液を2時間強力に攪拌し、次に濾過した。濾過ケーキを水(100mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させるとオフホワイトの固体として2−メチルスルファニル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸が得られた。H NMR (500 MHz, DMSO−d) δ 13.22 (br s, 1H), 6.60 (s, 1H), 3.37 (br s, 1H), 2.53 (s, 3H); ESI−MS m/z 186.9 (M+H)
【0231】
手順b:6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル
【0232】
【化46】

250mLのフラスコに2−メチルスルファニル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸(11.6g、62.5mmol)、トルエン(60mL)、塩化チオニル(60mL、0.8mol、13当量)、DMF(0.3mL)、及びピリジン(1mL)を装填し、生じた攪拌懸濁液を加熱して還流させた。懸濁液は30分後に透明化した。還流させて3時間後、混合液をインバキュオで濃縮し、追加のトルエン(30mL)を使用して共蒸発させた。二相の褐色残留物をクロロホルム(100mL)中に溶解させ、0℃へ冷却し、DIEA(56mL、0.31mol、5当量)を20分間かけて滴下し、次に5分間をかけてメタノール(12.7mL、0.31mol、5当量)を滴下した。この混合液を室温へ加温し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(350mL)中へ注入した。有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液(350mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、インバキュオで褐色の半固体へ濃縮させた。高真空下で一晩乾燥させると6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルが得られたので、これをそれ以上精製せずに次の手順で使用した。H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.60 (s, 1H), 3.98 (s, 3H), 2.60 (s, 3H); ESI−MS m/z 218.9 (M+H)
【0233】
手順c:6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−カルボン酸アミド
【0234】
【化47】

500mLのフラスコに6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(4.37g、20mmol)、及びクロロホルム(30mL)を装填した。アンモニア(57mL、メタノール中で7M、0.4mol、20当量)を攪拌しながら加えた。20分後のHPLC分析は、出発メチルエステルが残留していないことを証明した。混合液に窒素を30分間散布し、次にインバキュオで濃縮させ、高真空下で乾燥させると、次の手順で使用するために十分な純度で6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−カルボン酸アミド(4.21g、定量的)が得られた。H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.76 (s, 1H), 7.60 (br s, 1H), 5.97 (br s, 1H), 2.61 (s, 3H); ESI−MS m/z 204.1 (M+H)
【0235】
手順d:6−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−カルボン酸アミド
【0236】
【化48】

7mLのテフロン(登録商標)仕上げのスクリューキャップ付きバイアルに2,6−ジメトキシフェニル−ボロン酸(218mg、1.2mmol、2当量)及びジクロロ−ビス−(ジフェニルホスフィノフェロセン)−パラジウム−ジクロロメタン付加物(49mg、60μmol、10mol%)を装填した。窒素大気(O含量<=0.5%)下のグローブ・ボックス内で、バイアルに脱気したDMF/DME(1/1、4.5mL)中の6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−カルボン酸アミド(122mg、0.6mmol)、及びリン酸カリウムの脱気した1M水溶液(1.0mL、1mmol、1.7当量)の溶液を装填した。バイアルを密閉し、グローブ・ボックスから抜去し、75℃にて16時間培養攪拌器中で攪拌した。冷却した混合液を次にクロロホルム(15mL)で希釈し、食塩液(20mL、2×10mL)及び1M炭酸カリウム水溶液(10mL)で洗浄した。次に有機相(クロロホルム中の6−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−カルボン酸アミドの溶液)を次の手順で直接的に使用した。
【0237】
手順e:6−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−カルボン酸アミド
【0238】
【化49】

クロロホルム(15mL)中の先行手順からの6−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−カルボン酸アミドの溶液(推定0.6mmol)を含有する50mLのFalcon遠心チューブに固体mCPBA(0.57g、70%純度、残り30%は水と安息香酸(2.4mmol、4当量、水の重量で約25重量)を装填し、混合液を室温にて一晩攪拌した。硫化ジメチル(0.22mL、3mmol、5当量)を生じた淡褐色−橙色懸濁液に加えて残りのMCPBAをクエンチし、混合物を2時間攪拌した。この混合液を1M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)、食塩液(10mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、遠心エバポレーター内で乾燥するまで濃縮させた。次に残留物の6−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−カルボン酸アミドをDMSO(1.8mL)中に溶解させ、次の反応で直接的に使用した。
【0239】
手順f:2−ジエチルアミノ−6−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸アミド
【0240】
【化50】

4mLのスクリューキャップ付きバイアルにDMSO(0.9mL)中の6−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−カルボン酸アミド(推定0.3mmol)の溶液を装填した。DMSO中のジエチルアミン及びN−メチル−モルホリン(NMM)の溶液(0.3mL、何れも3M、0.9mmol、3当量)を加え、密閉したバイアルを75℃にて22時間加熱した。この混合液を次に分取HPLCによって精製すると、18mg(18%)の2−ジエチルアミノ−6−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸アミドが得られた。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 7.79 (br s, 1H), 7.30 (t, J = 8.3Hz, 1H), 7.26 (s, 1H), 6.61 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.16 (br s, 1H), 3.74 (s, 6H), 3.66 (q, J = 6.9 Hz, 4H), 1.22 (t, J = 6.9 Hz, 6H); HPLC ret. time 2.85 min., 10-100 % CHCN, 5 min gradient; ESI−MS m/z 330.2 (M+H)
【0241】
(実施例4) 追加の化合物
表1に記載した残りの化合物は、知られている合成方法に沿って本明細書に記載の方法を使用して生成した。表2は、各合成された化合物を特徴付ける物理的データを含む。
【0242】
(表2)
【0243】
【化51】

【0244】
【化52】

【0245】
【化53】

【0246】
【化54】

【0247】
【化55】

【0248】
【化56】

【0249】
【化57】

VI. 試験
化合物のΔF508−CFTR補正特性を検出及び測定する試験
A. 化合物のΔF508−CFTR調節特性を試験するための光学的膜電位計測法
光学的膜電位試験は、Gonzalez and Tsienによって記載されたFRET電位感受性センサー(Gonzalez, J.E. and R.Y. Tsien(1995) “Voltage sensing by fluorescence resonance energy transfer in single cells” Biophys J 69(4):1272−80, and Gonzalez, J.E. and R.Y. Tsien(1997) “Improved indicators of cell membrane potential that use fluorescence resonance energy transfer” Chem Biol 4(4):269−77を参照)を、電位/イオンプローブリーダー(VIPR)(Gonzalez, J.E., K. Oades,ら(1999) “Cell−based assays and instrumentation for screening ion−channel targets” Drug Discov Today 4(9):431−439を参照)等の蛍光変化を測定するための機器と組み合わせて利用した。
【0250】
これらの電位感受性試験は、膜可溶性の電位感受性色素であるDiSBAC(3)と血漿膜の外葉に付着していて蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)ドナーとして作用する蛍光性リン脂質であるCC2−DMPEとの間のFRETにおける変化に基づいている。膜電位(V)における変化は、負荷電のDiSBAC(3)が血漿膜を越えて再分配することを引き起こすので、従ってCC2−DMPEからのエネルギー転移の量が変化する。蛍光発光における変化は、96若しくは384ウェルマイクロタイタープレート内でセルベーススクリーニングを実施するために設計された統合型液体処理器及び蛍光検出器である、VIPR(商標)IIを使用して監視した。
【0251】
1. 補正化合物の同定
ΔF508−CFTRに関連するトラフィッキング欠損を補正する小分子を同定するために、単一添加HTS試験フォーマットを開発した。細胞は、試験化合物の存在下若しくは不在下(陰性対照)で37℃にて16時間血清無含有培地中で培養した。陽性対照として、384ウェルプレート内でプレーティングした細胞は、ΔF508−CFTRを「温度補正」するために27℃にて16時間へインキュベートした。細胞は引き続いてKrebsリンゲル液を使用して3回すすぎ洗いし、電位感受性色素を負荷した。ΔF508−CFTR、10μMのホルスコリン及びCFTR増強剤を活性化するために、ゲニステイン(20μM)を各ウェルにCl無含有培地と一緒に加えた。Cl無含有培地の添加は、ΔF508−CFTR活性化に応答してCl流出を促進し、生じた膜脱分極はFRETに基づく電位センサー色素を使用して光学的に監視した。
【0252】
2. 増強剤化合物の同定
ΔF508−CFTRの増強剤を同定するために、二重添加HTS試験フォーマットを開発した。最初の添加中に、試験化合物を含む、又は含まないCl-無含有培地を各ウェルに加えた。22秒間後、ΔF508−CFTRを活性化するために2〜10μMのホルスコリンを含有するCl-無含有培地の第2添加を実施した。両方の添加後の細胞外Cl濃度は28mMであり、これはΔF508−CFTR活性化に応答してCl流出を促進し、生じた膜脱分極はFRETに基づく電位センサー色素を使用して光学的に監視した。
【0253】
3. 溶液
浴溶液#1:(単位、mM)NaCl 160、KCl 4.5、CaCl 2、MgCl 1、HEPES 10、NaOHを使用してpH7.4。
【0254】
塩化物無含有浴溶液:浴溶液#1中の塩化物塩はグルコン酸塩で置換した。
【0255】
CC2−DMPE:DMSO中の10mMストック液として調製し、−20℃にて保存した。
【0256】
DiSBAC(3):DMSO中の10mMストックとして調製し、−20℃にて保存した。
【0257】
4. 細胞培養
膜電位の光学的測定のために、ΔF508−CFTRを安定性で発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を使用した。細胞は、175cmのフラスコ中の2mMグルタミン、10%ウシ胎児血清、1×NEAA、β−ME、1×pen/strepを補給したダルベッコの改良イーグル培地中で、37℃の5% CO及び湿度90%で維持した。全ての光学試験のために、細胞は384ウェルのマトリゲルをコーティングしたプレート中で30,000/ウェルで播種し、37℃にて2時間培養し、その後に増強剤試験のために27℃にて24時間培養した。補正試験のためには、細胞は化合物を含めて、及び含めずに27℃又は37℃にて16〜24時間培養する。
【0258】
B. 化合物のΔF508−CFTR調節特性を試験するための電気生理学的試験
1. チャンバー試験の使用
チャンバー実験は、光学的試験において同定されたΔF508−CFTRモジュレーターを詳細に特性付けるためにΔF508−CFTRを発現する極性上皮細胞上で実施した。Costar Snapwell細胞培養インサート上で増殖させたFRTΔF508−CFTR上皮細胞をUssingチャンバー(Physiologic Instruments[米国カリフォルニア州サンディエゴ])内に装填し、Voltage−clampシステム(Department of Bioengineering, University of Iowa, IA、及びPhysiologic Instruments[米国カリフォルニア州サンディエゴ])を使用して単層を継続的に短絡させた。経上皮抵抗は2−mVのパルスを印加することによって測定した。これらの条件下で、FRT上皮は4KΩ/cm以上の抵抗を示した。溶液を27℃にて維持し、空気を使用して気泡化した。電極オフセット電位及び流体抵抗は、細胞無含有インサートを使用して補正した。これらの条件下で、電流は頂端膜内で発現したΔF508−CFTRを通るClの流れを反映する。Iscは、MP100A−CEインターフェース及びAcqKnowledgeソフトウェア(v3.2.6;BIOPAC Systems[米国カリフォルニア州サンタバーバラ])を使用してデジタル取得した。
【0259】
2. 補正化合物の同定
典型的なプロトコールは、側底膜から頂端膜へのCl濃度勾配を利用した。この勾配を設定するために、側底膜上では通常のリンゲル液を使用したが、頂端膜NaClは、上皮を越える大きなCl濃度勾配を得るために等モルのグルコン酸ナトリウム(NaOHを使用してpH7.4へ滴定した)で置換した。全実験は、無傷単層を使用して実施した。ΔF508−CFTRを十分に活性化させるために、ホルスコリン(10μM)及びPDE阻害剤であるIBMX(100μM)を適用し、次にCFTR増強剤であるゲニステイン(50μM)を添加した。
【0260】
その他の細胞タイプで観察された通り、ΔF508−CFTRを安定性に発現するFRT細胞の低温でのインキュベーションは、血漿膜中でのCFTRの機能的密度を増加させる。補正化合物の活性を決定するために、細胞は37℃にて24時間10μMの試験化合物と共にインキュベートし、引き続いて3回洗浄し、その後に記録した。化合物処理細胞中でのcAMP−及びゲニステイン−媒介性ISCは、27℃及び37℃の対照へ標準化し、活性率(%)として表示した。細胞と補正化合物とのプレインキュベーションは、37℃の対照に比べてcAMP−及びゲニステイン−媒介性ISCを増加させた。
【0261】
3. 増強剤化合物の同定
典型的なプロトコールは、頂端膜から測定膜へのCl濃度勾配を利用した。この勾配を設定するために、側底膜上では通常のリンゲル液を使用してナイスタチン(360μg/mL)で透過化したが、頂端膜NaClは、上皮を越える大きなCl濃度勾配を得るために等モルのグルコン酸ナトリウム(NaOHを使用してpH7.4へ滴定した)で置換した。全実験は、ナイスタチン透過化の30分後に実施した。ホルスコリン(10μM)及び全試験化合物は、細胞培養インサートの両側へ加えた。推定されるΔF508−CFTR増強剤の有効性を既知の増強剤であるゲニステインの有効性と比較した。
【0262】
4. 溶液
側底膜溶液(単位、mM):NaCl(135)、CaCl(1.2)、MgCl(1.2)、KHPO(2.4)、KHPO(0.6)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)(10)、及びデキストロース(10)。この溶液はNaOHを使用してpH7.4へ滴定した。
【0263】
頂端膜溶液(単位、mM):NaClをグルコン酸ナトリウム(135)と交換した以外は側底膜溶液と同一であった。
【0264】
5. 細胞培養
本発明者等の光学的試験から同定された推定ΔF508−CFTRモジュレーターについてのUssingチャンバー実験のためにΔF508−CFTRを発現するFisherラット上皮(FRT)細胞(FRTΔF508−CFTR)を使用した。細胞は、Costar Snapwell細胞培養インサート上で培養し、5%ウシ胎児血清、100U/mLペニシリン、及び100μg/mLストレプトマイシンを補給したCoonの改良Ham F−12培地中において37℃及び5% COで5日間培養した。化合物の増強剤活性を特性付けるために使用する前に、細胞はΔF508−CFTRについて補正するために27℃にて16〜48時間インキュベートした。化合物の補正活性を決定するため、細胞は化合物を含めて、及び含めずに27℃又は37℃にて24時間培養した。
【0265】
6. 全細胞の記録
温度及び試験化合物について補正した、ΔF508−CFTRを安定性に発現するNTH3T3細胞中での肉眼的ΔF508−CFTR電流(IΔF508)は、穿孔パッチ全細胞記録を使用して監視した。手短には、IΔF508の電位クランプ記録は、Axopatch 200Bパッチクランプ増幅器(Axon Instruments[米国カリフォルニア州フォスターシティ])を使用して室温にて実施した。全記録は、10kHzのサンプリング周波数で取得し、1kHzで低域濾波した。ピペットは、細胞内溶液が充填された場合に5〜6MΩの抵抗を有した。これらの記録条件下では、Clについての室温にての計算逆転電位(ECl)は−28mVであった。全記録は、>20GΩのシール抵抗及び<15MΩの直列抵抗を有していた。パルス発生、データ取得、及び分析は、Clampex 8(Axon Instruments)と結合したDigidata 1320 A/Dインターフェースを装備したPCを使用して実施した。浴は、<250μLの食塩液を含有しており、重力駆動灌流システムを使用して2mL/分の速度で持続的に洗い流した。
【0266】
7. 補正化合物の同定
血漿膜中の機能的ΔF508−CFTRの密度を増加させることについての補正化合物の活性を決定するために、本発明者等は上述の穿孔パッチ記録技術を使用して補正化合物を使用した24時間処理後の電流密度を測定した。ΔF508−CFTRを十分に活性化させるために、10μMのホルスコリン及び20μMのゲニステインを細胞に加えた。本発明者等の記録条件下では、27℃にての24時間のインキュベーション後の電流密度は、37℃にての24時間のインキュベーション後に観察された電流密度より高かった。これらの結果は、血漿膜中でのΔF508−CFTRの密度に低温インキュベーションが及ぼす既知の作用と一致している。補正化合物の活性がCFTR電流密度に及ぼす作用を決定するために、細胞は37℃にて24時間10μMの試験化合物と共にインキュベートし、引き続いて27℃及び37℃の対照と比較した(活性率(%))。記録前に、細胞は残留している試験化合物を除去するために細胞外記録培地を使用して3回洗浄した。10μMの補正化合物とのプレインキュベーションは、37℃の対照に比べてcAMP−及びゲニステイン−依存性電流を有意に増加させた。
【0267】
8. 増強剤化合物の同定
ΔF508−CFTR増強剤がΔF508−CFTRを安定性に発現するNIH3T3細胞中での肉眼的ΔF508−CFTR Cl電流(IΔF508)を増加させる能力も又穿孔パッチ記録技術を使用して調査した。光学的試験から同定した増強剤は、光学的試験において観察された類似の効力及び有効性を備えるIΔF508における用量依存性増加を引き起こした。試験した全細胞中では、増強剤適用前及び適用中の逆転電位は、ECl計算値(−28mV)であるほぼ−30mVであった。
【0268】
9. 溶液
細胞内溶液(単位、mM):Cs−アスパラギン酸塩(90)、CsCl(50)、MgCl(1)、HEPES(10)、及び240μg/mLのアムホテリシン−B(CsOHを使用してpHを7.35へ調整した)。
【0269】
細胞外溶液(単位、mM):N−メチル−D−グルカミン(NMDG)−Cl(150)、MgCl(2)、CaCl(2)、HEPES(10)(HClを使用してpHを7.35へ調整した)。
【0270】
10. 細胞培養
全細胞記録のためにΔF508−CFTRを安定性で発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を使用した。細胞は、175cmフラスコ中の2mMグルタミン、10%ウシ胎児血清、1×NEAA、β−ME、1×pen/strepを補給したダルベッコの改良イーグル培地中で、37℃の5% CO及び湿度90%で維持した。全細胞記録のために、2,500〜5,000cellsをポリ−L−リシン−コーティングしたガラス製カバースリップ上に播種し、27℃にて27〜48時間培養し、その後増強剤の活性を試験するために使用した;そして補正化合物を含めて、又は含めずに補正剤の活性を測定するために37℃にてインキュベートした。
【0271】
11. 単一チャネル記録
NIH3T3細胞中で安定性に発現した温度補正ΔF508−CFTRの単一チャネル活性及び増強剤化合物の活性は、切り取った裏返しの膜パッチを使用して観察された。手短には、単一チャネル活性の電位クランプ記録は、Axopatch 200Bパッチクランプ増幅器(Axon Instruments[米国カリフォルニア州フォスターシティ])を使用して室温にて実施した。全記録は、10kHzのサンプリング周波数で取得し、400Hzで低域濾波した。パッチピペットは、Corning Kovar Sealing #7052ガラス(World Precision Instruments[米国フロリダ州サラソータ])から作製し、細胞外溶液を充填した場合に5〜8MΩの抵抗を有していた。ΔF508−CFTRは、切除後に、1mM Mg−ATP、及び75nMのcAMP−依存性タンパク質キナーゼ、触媒サブユニット(PKA;Promega[米国ワイオミング州マディソン])を加えることによって活性化した。チャネル活性を安定化させた後、パッチは重力駆動マイクロ灌流システムを使用して表面を洗い流した。流入液はパッチに隣接させて配置し、1〜2秒間以内に完全溶液交換を生じさせた。迅速な洗い流し中にΔF508−CFTR活性を維持するために、非特異的ホスファターゼ阻害剤F(10mM NaF)を浴溶液に加えた。これらの記録条件下で、チャネル活性はパッチ記録の期間(60分間まで)を通して一定に維持された。細胞内から細胞外溶液へ移動する正電荷(反対方向に移動するアニオン)によって産生する電流は正の電流として示されている。ピペット電位(V)は、80mVで維持した。
【0272】
チャネル活性は、≦2の活性チャネルを含有する膜パッチから分析した。同時開口の最高数が実験の経過中の活性チャネルの数を決定した。単一チャネル電流振幅を決定するために、120secのΔF508−CFTR活性から記録したデータを100Hzで「オフライン」で濾波し、次にBio−Patch Analysisソフトウェア(Bio−Logic Comp.[フランス])を使用して多重ガウス関数に当てはめた全ポイント振幅ヒストグラムを構築した。総微視的電流及び開確率(P)は120秒間のチャネル活性から決定した。Pは、Bio−Patchソフトウェアを使用して、又は関係式P=I/i(N)(式中、I=平均電流、i=単一チャネル電流密度、及びN=パッチ内の活性チャネル数)から決定した。
【0273】
12. 溶液
細胞外溶液(単位、mM):NMDG(150)、アスパラギン酸(150)、CaCl(5)、MgCl(2)、及びHEPES(10)(Tris塩基を使用してpHを7.35へ調整した)。
【0274】
細胞内溶液(単位、mM):NMDG−Cl(150)、MgCl(5)、EGTA(5)、TES(10)、及びTris塩基(14)(HClを使用してpHを7.35へ調整した)。
【0275】
13. 細胞培養
切除した膜パッチ−クランプ記録のためにΔF508−CFTRを安定性で発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を使用した。細胞は、175cmのフラスコ中の2mMグルタミン、10%ウシ胎児血清、1×NEAA、β−ME、1×pen/strepを補給したダルベッコの改良イーグル培地中で、37℃の5% CO及び湿度90%で維持した。単一チャネル記録のために、2,500〜5,000cellsをポリ−L−リシンコーティングしたガラス製カバースリップ上に播種し、使用前に27℃にて27〜48時間培養した。
【0276】
表3は、表1内の化合物についての試験結果を含有している。表3内の効力範囲は以下のとおりに決定した:+++は1.0μM未満のEC50効力に対応し、++は1.0μM〜5.0μMのEC50効力に対応し、そして+は5.0μMより高いEC50効力に対応する。表3内の効力範囲は以下のとおりに決定した:+++は100より大きい有効性に対応し、++は100〜50の有効性に対応し、そして+は50未満の有効性に対応する。
【0277】
(表3)
【0278】
【化58】

【0279】
【化59】

【0280】
【化60】

VII. その他の実施形態
以上において、本発明をその詳細な説明と共に記載してきたが、上記の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の適用範囲を例示するためのものであり、限定するためのものではないことが理解されたい。その他の態様、利点、及び変形は、以下の特許請求の範囲内に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の化学式の化合物であって:
【化1】

式中、
各Raが独立して、H、場合により置換される脂肪族、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるヘテロアラルキル、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換される脂環式、若しくは場合により置換されるシクロヘテロ脂肪族であり;
各Rbが独立して、場合により置換される脂肪族、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるヘテロアラルキル、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換される脂環式、場合により置換されるシクロヘテロ脂肪族、
【化2】

(式中、wが1、2、3、4若しくは5であり、フェニルが1〜4個のReで置換される)であるか、又はRa及びRbは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されるヘテロ脂環式、場合により置換されるヘテロアリールを形成し;
各Rcが独立して、H、場合により置換されるヘテロ脂環式、場合により置換される脂環式、又は未置換脂肪族であり;
各Rdが独立して、H、場合により置換される脂肪族、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるヘテロアラルキル、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換される脂環式、若しくは場合により置換されるシクロヘテロ脂肪族であるか、又はRc及びRdは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されるヘテロ脂環式を形成し;
環Aが、それぞれが場合により1〜4個のReで置換されるアリール若しくはヘテロアリールであり;
各Reが独立して、カルボキシ、アミノ、ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、スルホニル、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、スルファモイル、スルファミド、ケタール、カルバモイル、シアノ、ハロ、尿素、チオ尿素、ハロアルキル、又は−Z−Rf(式中、該Re置換基の各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール部分は1〜3個のRgで場合により置換される)であるか;又は
隣接するA環状原子上の2個のReが、それらが結合するA環状原子と一緒になって、ヘテロ脂環式環を形成し;
各Zは存在しないか、−O−若しくは−S−であり;
各Rfが独立して、水素、アルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アロイル、ヘテロアロイル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、若しくはアシルであるが、この時、該Rf置換基の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール部分が1〜3個のRgで場合により置換され;
各Rgが独立して、ハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロアルキル、及びアルキルであるが;
但し、
Rdが4−メチル−1−ピペラジニルで置換されるアルキルである場合に、環Aは3,4,5−トリメトキシフェニルではなく;
環Aは、7−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルでも、7−シクロペンチルアミノ−2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルでもなく;
RcがHであり、Ra及びRbの両方がアルキルであり、環Aがオキサゾリルである場合に、Rdは{1−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル)]−2−ヒドロキシ−4−(1H−ピラゾール−3−イル)ブチル}ではなく;及び
環Aがフェニルであり、Ra及びRbが、それらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジンを形成し、Rdが置換アルキルである場合に、RcはHではないことを条件とする、化合物。
【請求項2】
環Aが、1〜4個のReで場合により置換されるアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記アリールが、1〜4個のアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシ、S(O)アルキル、シアノ、アルキルカルボニルアミノ、メチレンジオキシ、若しくはアシルで場合により置換される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記アリールがフェニルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
環Aがヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記ヘテロアリールが、1〜4個のアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシカルボニル、アリールオキシ、スルホキシ、若しくはアシルで場合により置換される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
環Aが、チオフェン、ピリミジニル、ベンゾチオフェン、若しくはピリジニル、フラニルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
RaがHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Raが、場合により置換される脂肪族である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Raが、場合により置換されるアルキルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
Raが、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、(シクロアルキル)アルキル、若しくはアルキルオキシカルボニルアルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Raが、場合により置換されるアルケニル、若しくは場合により置換されるアルキニルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項13】
Raが、場合により置換されるアラルキル、若しくは場合により置換されるヘテロアラルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
Rbが、場合により置換される脂肪族である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Rbが、場合により置換されるアルキルである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
Rbが、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、(シクロアルキル)アルキル、若しくはアルキルオキシカルボニルアルキルである、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
Rbが、場合により置換されるアルケニル、若しくは場合により置換されるアルキニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
Rbが、場合により置換されるアラルキル、若しくは場合により置換されるヘテロアラルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
Ra及びRbが一緒になって、場合により置換されるヘテロ脂環式、若しくは場合により置換されるヘテロアリールを形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
Ra及びRbが一緒になって、場合により置換されるヘテロ脂環式を形成する、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
Ra及びRbが、場合により置換されるヘテロシクロアルキルを形成する、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
前記ヘテロシクロアルキルが、1〜3個のハロ、ハロアルキル、アルキル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、スルホニル、スルフィニル、アミノカルボニル、シアノ、スルホキシ、アセタール、ケタール、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアルコキシ、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるアロイル、若しくは場合により置換されるヘテロアリールで場合により置換される、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
前記ヘテロシクロアルキルが、ピペリジン、ピペラジン、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピリジニル、デカヒドロイソキノリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、若しくはアゼチジニル環であり、各環が1〜3個のハロ、ハロアルキル、アルキル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、スルホニル、スルフィニル、アミノカルボニル、シアノ、スルホキシ、アセタール、ケタール、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアルコキシ、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるアロイル、若しくは場合により置換されるヘテロアリールで場合により置換される、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
Ra及びRbが、場合により置換されるヘテロアリールを形成する、請求項20に記載の化合物。
【請求項25】
前記ヘテロアリールが、1〜3個のハロ、ハロアルキル、アルキル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、スルホニル、スルフィニル、アミノカルボニル、シアノ、スルホキシ、アセタール、ケタール、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアルコキシ、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるアロイル、若しくは場合により置換されるヘテロアリールで場合により置換される、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
前記ヘテロアリールが、テトラヒドロイソキノリニル、ペルヒドロイソキノリン、イミダゾリル、若しくはピラゾリル環であり、各環が1〜3個のハロ、ハロアルキル、アルキル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、スルホニル、スルフィニル、アミノカルボニル、シアノ、スルホキシ、アセタール、ケタール、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアルコキシ、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるアロイル、若しくは場合により置換されるヘテロアリールで場合により置換される請求項24に記載の化合物。
【請求項27】
RdがH、又は場合により置換される脂肪族である、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
RdがHである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
Ra及びRbが脂肪族である、請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
Ra及びRbがアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
Ra及びRbのそれぞれが独立して、メチル、エチル、プロピル、又はブチルである、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
Ra及びRbの両方が、メチル、エチル、プロピル又はブチルである、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
Ra及びRbの両方がエチルである、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
環Aが少なくとも1個のReで置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
環Aが、環Aと前記ピリミジンとの結合に対してオルトである1個のReで置換される、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
環Aが、環Aと前記ピリミジンとの結合に対してメタである1個のReで置換される、請求項34に記載の化合物。
【請求項37】
環Aが、環Aと前記ピリミジンとの結合に対してパラである1個のReで置換される、請求項34に記載の化合物。
【請求項38】
環Aが2個のReで置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項39】
前記2個のReが、環Aと前記ピリミジンとの結合に対してオルト及びメタである、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
RcがHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項41】
RdがHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項42】
Rc及びRdが何れもHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項43】
2−アゼパン−1−イル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(4−アセチル−4−フェニル−1−ピペリジル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(シクロプロピルメチルアミノ)−N−メチル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(4−メチル−1−ピペリジル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−メトキシフェニル)−2−モルホリノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(2−フリルメチルアミノ)−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(ブチル−プロピル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
N−メチル−2−メチルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−1−ピペリジル]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−エチルアミノ−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3,5−ジクロロフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(6−メトキシ−3−ピリジル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジイソブチルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−フリル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(2−フリルメチルアミノ)−6−(4−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(メチル−ペンチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2,3−ジクロロフェニル)−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
3−(6−カルバモイル−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−イル)安息香酸イソプロピルエステル
6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−アゼパン−1−イル−N,N−ジメチル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−フェニル−2−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2,5−ジメトキシフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[4−ヒドロキシ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−ピペリジル]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(4−メトキシフェニル)−2−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2,5−ジクロロフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−ベンゾチオフェン−3−イル−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(シクロプロピルメチルアミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(2,6−ジメトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(3−エトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(アリル−メチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル−[2−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−6−フェニル−ピリミジン−4−イル]−メタノン
2−(シクロプロピルメチル−プロピル−アミノ)−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジベンジルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(ブチル−エチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−フルオロフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(3,5−ジフルオロフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(5−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−N−エチル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[(4−カルバモイル−6−フェニル−ピリミジン−2−イル)−メチル−アミノ]酢酸エチルエステル
2−(エチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(2−フルオロフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(1−ピペリジル)−6−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[4−(4−メトキシフェニル)スルホニルピペラジン−1−イル]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2−メトキシフェニル)−2−(テトラヒドロフラン−2−イルメチルアミノ)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(4−エトキシフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−シクロペンチルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジプロピルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
(2−ジエチルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−イル)−(1−ピペリジル)メタノン
6−(4−メトキシフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジメチルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(5−メチル−2−チエニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−アリルアミノ−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[[1−(3,4−ジメトキシフェニル)シクロペンチル]メチルアミノ]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(2−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−アゼパン−1−イル−N−メチル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(1−ピペリジル)−6−(p−トリル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(5−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−メトキシフェニル)−2−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(シクロプロピルメチルアミノ)−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(4−イソブチルフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(5−イソプロピル−2−メトキシ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−フェニル−2−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(3,4−ジメチルフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−クロロフェニル)−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(3,4−ジメトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3,4−ジクロロフェニル)−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2−メトキシフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−フェニル−2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(m−トリル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−フェニル−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(2,5−ジメトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−フェニル−2−(4−プロピル−1−ピペリジル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(4−イソプロピルフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジメチルアミノ−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(p−トリル)ピリミジン−4−カルボキサミド
N,N−ジメチル−6−フェニル−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(4−エチルフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(エチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−6−(2−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−フェニル−2−チアゾリジン−3−イル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロイソキノリン−2−イル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[4−(4−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(4−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−アリルアミノ−6−(4−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(2−フリルメチルアミノ)−N−メチル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(2−フェノキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−ベンゾチオフェン−3−イル−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(シクロプロピルメチル−プロピル−アミノ)−6−(2−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−フェニル−2−(1,4−チアジナン−4−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]dec−8−イル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−シクロヘキシルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(メチル−フェネチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−フェニル−2−プロピルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2,3−ジメチルフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(メチル−プロプ−2−イニル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2−フルオロフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(2−フリルメチル−メチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ベンジルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2,5−ジクロロフェニル)−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
3−(6−カルバモイル−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−イル)安息香酸メチルエステル
6−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−フェニル−2−tert−ブチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(1−ピペリジル)−6−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(ベンジル−エチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(2−フリルメチルアミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(6−メトキシ−3−ピリジル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[エチル−[2−(2−ピリジル)エチル]アミノ]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(2−ヒドロキシエチル−プロピル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−モルホリノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2−エトキシフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−メトキシフェニル)−2−メチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(4−シアノ−4−フェニル−1−ピペリジル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[3−(ジエチルカルバモイル)−1−ピペリジル]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−エチルアミノ−6−(4−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3,4−ジクロロフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(4−シアノフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(1−ピペリジル)−6−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(エチル−(2−メチルプロプ−2−エニル)アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[bis(2−エトキシエチル)アミノ]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド
4−(6−カルバモイル−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−イル)安息香酸メチルエステル
6−ベンゾチオフェン−2−イル−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2−フェノキシフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(シクロプロピルメチル−プロピル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−アゼパン−1−イル−6−(4−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(4−エチルスルホニルフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(4−メチル−2−チエニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(4−クロロフェニル)−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
3−[6−カルバモイル−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−イル]安息香酸イソプロピルエステル
2−ジエチルアミノ−6−(4−エトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(2,3−ジメチルフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(m−トリル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(1−ピペリジル)−6−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(シクロプロピルメチル−プロピル−アミノ)−N,N−ジメチル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(エチル−メチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[4−(4−フルオロベンゾイル)−1−ピペリジル]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジブチルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−イソプロピルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(5−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−エトキシフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(メチル−(3−ピリジルメチル)アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(4−フルオロフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(4−メチル−2−チエニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
N−メチル−6−フェニル−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(2−エトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−イソブチルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジイソペンチルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(シアノメチル−メチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−メチルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジル]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3,5−ジクロロフェニル)−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(エチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−N−メチル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(4−ベンジル−1−ピペリジル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−N,N−ジエチル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(ベンジル−ブチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[4−(4−クロロベンゾイル)−1−ピペリジル]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
1−(4−カルバモイル−6−フェニル−ピリミジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボン酸エチルエステル
2−(6,7−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2,3−ジクロロフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−メトキシフェニル)−2−プロプ−2−イニルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[3−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジル]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(4−イソプロピルフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−メトキシフェニル)−2−(3−メトキシプロピルアミノ)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−N−メチル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−シアノフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(4−ベンジル−4−ヒドロキシ−1−ピペリジル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
N−ベンジル−2−ジエチルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(ベンジル−メチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(3−フルオロフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
1−(4−カルバモイル−6−フェニル−ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル
2−(1H−イミダゾール−1−イル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−アゾカン−1−イル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2,4−ジメトキシフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジメチルアミノ−6−(4−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−アゼパン−1−イル−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[4−(2−オキソ−1,3−ジヒドロベンゾイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジル]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(1−ピペリジル)−6−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジメチルアミノ−6−(2−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−アリルアミノ−6−(2−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(エチル−プロピル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−フェニル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジアリルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(ヘキシル−メチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(2,4−ジメトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−フェニル−2−プロプ−2−イニルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(3−メチル−1−ピペリジル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−アゼチジン−1−イル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(3,5−ジメチル−1−ピペリジル)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(ブチル−(シアノメチル)アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−ベンゾチオフェン−2−イル−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル)−メチル−アミノ]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[[1−(3,4−ジメトキシフェニル)シクロプロピル]メチルアミノ]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(ブチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(2−メトキシフェニル)−2−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−メトキシフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
N−メチル−6−フェニル−2−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(シクロプロピルメチルアミノ)−6−(4−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(2−フリルメチルアミノ)−N,N−ジメチル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−フェニル−2−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(エチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル−メチル−アミノ]−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−アセチルアミノフェニル)−2−ジエチルアミノ−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−エチルアミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−[bis(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−(2−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−N,N−ジメチル−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3−メトキシフェニル)−2−(テトラヒドロフラン−2−イルメチルアミノ)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(3,4−ジメチルフェニル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
6−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(o−トリル)ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(シクロプロピルメチル−プロピル−アミノ)−6−(4−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(イソペンチル−メチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−(イソブチル−メチル−アミノ)−6−フェニル−ピリミジン−4−カルボキサミド
2−ジエチルアミノ−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド
6−(o−トリル)−2−(1−ピペリジル)ピリミジン−4−カルボキサミドから選択される化合物。
【請求項44】
ABCトランスポーターの活性を調節するための方法であって、細胞を以下の化学式の化合物と接触させることを含み:
【化3】

式中、
各Raが独立して、H、場合により置換される脂肪族、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるヘテロアラルキル、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換される脂環式、若しくは場合により置換されるシクロヘテロ脂肪族であり;
各Rbが独立して、H、場合により置換される脂肪族、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるヘテロアラルキル、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換される脂環式、若しくは場合により置換されるシクロヘテロ脂肪族、若しくは
【化4】

(式中、wが1、2、3、4若しくは5であり、フェニルが1〜4個のReで場合により置換される)であるか;
又はRa及びRbが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されるヘテロ脂環式、若しくは場合により置換されるヘテロアリールを形成し;
各Rcが独立して、H、場合により置換される脂肪族、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるヘテロアラルキル、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換される脂環式、若しくは場合により置換されるシクロヘテロ脂肪族であり;
各Rdが独立して、H、場合により置換される脂肪族、場合により置換されるアリール、場合により置換されるアラルキル、場合により置換されるヘテロアラルキル、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換される脂環式、若しくは場合により置換されるシクロヘテロ脂肪族であるか、又はRc及びRdは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されるヘテロ脂環式を形成し;
環Aが、それぞれが場合により1〜4個のReで置換されるアリール若しくはヘテロアリールであり;
各Reが独立して、カルボキシ、アミノ、ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、スルホニル、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、スルファモイル、スルファミド、ケタール、若しくはカルバモイル、シアノ、ハロ、尿素、チオ尿素、ハロアルキルもしくは−Z−Rfであり、ここで、該Re置換基の各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール部分が1〜3個のRgで場合により置換され;
各Zは存在しないか、−O−若しくは−S−であり;
各Rfが独立して、水素、アルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アロイル、ヘテロアロイル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、若しくはアシルであり、ここで、該Rf置換基の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール部分が1〜3個のRgで場合により置換され;
各Rgが独立して、ハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロアルキル、及びアルキルである、方法。
【請求項45】
前記化合物が、2−アミノ−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミドであるか、又は請求項1〜43の何れかに記載の構造を有する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記ABCトランスポーターがCFTRである、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記化合物が、2−アミノ−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミドであるか、又は請求項1〜43の何れかに記載の構造を有する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
2−アミノ−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド及び薬学的担体、又は請求項1〜43の何れかに記載の化合物及び薬学的担体を含む薬学的組成物。
【請求項49】
哺乳動物におけるABCトランスポーター媒介性疾患を処置する又はその重症度を減少させる方法であって、該哺乳動物に2−アミノ−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド又は請求項1〜43の何れかに記載の化合物を投与する手順を含む、方法。
【請求項50】
哺乳動物におけるCFTR媒介性疾患を処置する又はその重症度を減少させる方法であって、該哺乳動物に2−アミノ−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド又は請求項1〜43の何れかに記載の化合物を投与する手順を含む、方法。
【請求項51】
哺乳動物における嚢胞性線維症を処置する又はその重症度を減少させる方法であって、該哺乳動物に2−アミノ−6−(3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミド又は請求項1〜43の何れかに記載の化合物を投与する手順を含む、方法。

【公表番号】特表2008−542279(P2008−542279A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513583(P2008−513583)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/019712
【国際公開番号】WO2006/127588
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】