説明

AlInGaN層の成長方法、光電子装置、光電池装置、および電子装置

【課題】材料品質が高く、電子装置、光電子装置、光電池装置への使用に好適なIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を成長させる方法を提供する
【解決手段】In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層(なお、xは0より大きく1以下であり、yは0以上1以下であり、xとyとの和は1以下である)を成長させる成長方法である。上記成長方法は、上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層の窒素源として、プラズマ活性窒素原子を成長表面に供給し、インジウム原子と窒素含有分子とを同時に上記成長表面に供給し、上記成長表面に供給される上記プラズマ活性窒素原子のフラックスは、上記成長表面に供給されるアルミニウム原子のフラックスとガリウム原子のフラックスとの合計値の少なくとも4倍以上であり、上記アルミニウム原子のフラックスまたは上記ガリウム原子のフラックスとの何れかが0であってもなくてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置内における高品質な層の成長に関する。特に、本発明は、インジウムを含有したIII−N族の材料であって、光電子学または電子学分野において使用されるIII−N族の材料の成長に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化インジウムアルミニウムガリウムであるIII-V族第4化合物半導体(以下In(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nと称し、xは0より大きく1以下であり、yは0以上1以下であり、xとyとの和は1以下である)の直接禁制帯(direct band-gap)は、含有されるインジウム、アルミニウム、およびガリウム各々の寄与を変化させることで電磁スペクトルの全可視域に及ぶよう変化させることができ、こうした直接禁制帯の特性のため、上記第4化合物半導体は重要な材料である。このような特性により、In(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nは、発光または吸収される光の波長が理想的には可視域の範囲にあるようなエピタキシャル光電子装置への使用に好適な材料となる。そのような装置の例として、発光ダイオード、レーザーダイオード、およびフルスペクトルの光電池装置セルが存在し、工業的な要求が向上している。
【0003】
理論上、広範のデバイス応用場面におけるIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nの使用には明確な利点があるが、In(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nを成長させる既存の方法では十分に高い材料品質が得られず、上記利点は十分に享受されていない。これは、インジウム比がx>0.2のIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nにおいて特に顕著である。アルミニウム比がy=0であり、インジウム比(x)については幅をもって示されたIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N材料(以下、In(x)Ga(1-x)Nと称す)の成長は、従来技術において広く研究されてきた。これら研究の結果は、異なるインジウム比のIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N材料系のより広範な性質の好例を提供している。
【0004】
通常、III-N系内の材料は、有機金属化学蒸着(MOCVD)および分子線エピタキシー(MBE)などの様々な方法により成長される。これらの方法により成長されたIn(x)Ga(1-x)N層の品質は、インジウム比(x)が高くなるほど、低くなる傾向がある。この傾向は、In(x)Ga(1-x)N発光活性層を設けた発光ダイオード(LEDs)の効率に多大な影響を与える。In(x)Ga(1-x)N発光活性層を設けたLEDsは、上記活性層の上記インジウム比に応じて、可視域の任意の波長の光を発するように作製することができる。例えば、青色発光LEDs(発光波長は約450nm)には、通常、インジウム比が0.15〜0.20のIn(x)Ga(1-x)N活性層が設けられている。緑色発光LEDs(発光波長は約520nm)には、通常、インジウム比が0.20〜0.30のIn(x)Ga(1-x)N活性層が設けらている。そして、黄色または赤色発光LEDs(発光波長は約600nm〜約800nm)には、通常、インジウム比が0.25〜0.5のIn(x)Ga(1-x)N活性層が設けられている。上記緑色発光LEDsの電力変換効率(wall plug efficiency)は、上記青色発光LEDsの電力変換効率と比較して大幅に低い傾向がある。上記黄色および赤色発光LEDsの電力変換効率は、上記緑色発光LEDsの電力変換効率と比較して大幅に低い傾向がある。放射波長が長いIn(x)Ga(1-x)N LEDsの電力変換効率が低くなるのは、In(x)Ga(1-x)N活性層の品質が低いことに著しく起因する。
【0005】
特に、インジウム比(x)が約0.2より高い場合、従来技術のIn(x)Ga(1-x)N層の品質が顕著に低下する傾向がある。上記層の品質が低下することにより、緑色、黄色、および赤色発色レーザダイオードのような放射波長の長いIn(x)Ga(1-x)Nレーザダイオードの電力変換効率が抑制されたり、あるいは、それらのIn(x)Ga(1-x)Nレーザダイオードが作製できなくなる。また、上記層の品質が低下することにより、In(x)Ga(1-x)Nが設けられた光電池セル(太陽電池としても知られる)の効率が抑制される。効率的に作用するために、このようなIn(x)Ga(1-x)N系の太陽電池は、太陽スペクトラルの光をできるだけ多く吸収し、使用可能な電流に変換することが求められる。こうした問題は、LEDsが抱える問題と同様のものである;実際、短波長の太陽幅射を効率的に吸収し、使用可能な電流に変換するために、狭域バンドギャップ層(すなわち、インジウム比が高い層)の品質は、従来技術に通常見られる品質よりも高いことが求められる。LEDsのケースと同様に、上記インジウム比が0.20を超える場合、材料品質が低下するので、電気キャリアの抽出効率が低下し、上記太陽電池の効率が低下する。
【0006】
高インジウム比のIn(x)Ga(1-x)Nの品質が低下するのは、従来技術において十分に立証されてきた要因の組み合わせに起因する。高インジウム比のIn(x)Ga(1-x)Nの品質低下を引き起こす主な要因として、上記In(x)Ga(1-x)N層の成長温度を低温にする必要が明らかである点と、上記In(x)Ga(1-x)N層と成長層(通常、緩和GaN)との間の格子定数における不整合が増大することにより発生する結晶欠陥の存在と、上記In(x)Ga(1-x)N合金における相分離の可能性の増大とがある。
【0007】
高インジウム比のIn(x)Ga(1-x)N層を成長させるために、比較的低温の成長温度を使用することが必要であることは特に重要である。これは、成長中の上記In(x)Ga(1-x)N層の表面からインジウムが脱離する傾向に起因する。インジウムが脱離することにより、上記成長させられたIn(x)Ga(1-x)N層に取り込まれるインジウムの量が減少する。脱着量は、インジウム付着係数により好適に定量化される。上記インジウム付着係数は、成長中の上記基板表面に作用し、成長の結果得られる上記In(x)Ga(1-x)N層に取り込まれたインジウム原子の比率である。
【0008】
上記インジウム付着係数は、上記成長表面の温度に関係する。上記成長表面の温度が上昇した場合、インジウム脱離率が増大するので、上記インジウム付着係数は低下する。この作用により実際に生じる結果として、従来技術では、In(x)Ga(1-x)Nの成長には比較的低温の成長温度を使用する必要があった。通常、MOCVD法によりIn(x)Ga(1-x)Nを成長させる場合の成長温度は800℃より低く、MBE法によりIn(x)Ga(1-x)Nを成長させる場合の成長温度は650℃より低い。これらの温度は、GaNなどの他のIII-窒化材料を高品質に成長させる場合に使用する1000℃付近の温度と比較して大幅に低い。さらに、上記In(x)Ga(1-x)N層において望ましいとされる上記インジウム比が増加するにつれ、使用可能な上記成長温度の最大値がさらに低下する。一般的に、低温の成長温度を使用した場合、成長中の上記In(x)Ga(1-x)N結晶内への点欠陥(例えば格子空孔または不純物原子)の取り込みの増加や、他の要因により、In(x)Ga(1-x)N材料の品質が低下する。
【0009】
In(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nを成長させる手法のひとつでは、アンモニアガス(NH)を使用する。MBE法によりIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nを成長させる場合と、MOCVD法によりIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nを成長させる場合との何れの場合でも、アンモニアを窒素源として使用することができる。この場合アンモニアは、上記基板温度が高温になることにより、上記基板表面において熱分解される。上記アンモニア分子が分解されると、成長中の上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nに後に取り込まれる窒素となる活性窒素が放出される。上記基板温度が上昇するほど、上記アンモニアの分解の効率が高まる。こうしたアンモニア分解の効率は、In(x)Ga(1-x)Nを成長させる成長温度では低く、このような低分解効率では、上記In(x)Ga(1-x)N層の品質が比較的低くなる。アンモニアを使用してIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nを成長させる場合、アンモニアの分解効率および材料の品質を高める観点から好ましい高温の温度と、高インジウム比を実現するのに必要とされる低温の温度との間で調整を行う必要がある。青色/緑色発光材料に対応するインジウム比が0.2のIn(x)Ga(1-x)N、または、これよりもインジウム比が高いIn(x)Ga(1-x)Nの材料品質は比較的低い。これは、従来技術(例えば、Keller et al, Growth and characterization of N-polar InGaN/GaN multiquantum wells, Appl. Phys. Lett., 90, 191908 (2007年))にも記載された周知の問題である。
【0010】
In(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nを成長させる場合に窒素を供給するように使用される代替手法では、プラズマ源が使用されており、上記プラズマ源では、窒素を含む分子(例えば、窒素ガス(N)分子)を解離させて、活性窒素原子を放出させ(例えば、高周波(RF)プラズマセルを使用して放出させる)、上記放出させた活性窒素原子は、上記基板に向けられ、基板温度と実質的に無関係に、III群種と結合することが可能である。MBE法によりIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nを成長させる時に上記方法を使用した場合、上記方法は、一般的に、PAMBE法(プラズマ支援MBE法)と呼ばれる。アンモニアを使用して上記層を成長させた場合と対照的に、上記活性窒素の量は、上記基板温度にそれほど強く依存しない。一方で、低温の成長温度を使用しない場合、上記インジウム付着係数は比較的低くなる(例えば、Okamoto et al, Effects of Atomic Hydrogen on the Indium Incorporation in InGaN Grown by RF-Molecular Beam Epitaxy, Jpn. J. Appl. Phys. 39(Pt. 2, 4b) L343, (2000年))。これにより、上記成長させたIn(x)Ga(1-x)N層(例えば、x>0.2)にインジウムを高レベルで取り込めるよう、低温の成長温度を使用することが求められる。しかし、これに必要とされる上記低温の成長温度では、高品質のIn(x)Ga(1-x)Nが得られない。
【0011】
あらゆる周知の技術を使用してより高温で材料を成長させることは、より高品質のIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nを得るために望ましい。高インジウム比かつ高品質のIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nを作製するためには、インジウムを脱離させることなく、より高温でのIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N成長を可能とする新しい方法が必要とされる。
【0012】
従来技術では、高品質な2次元成長を保持しつつ、付着係数を著しく高められる方法は報告されていない。窒素のRFプラズマ源を使用したMBE法による成長時の(窒素)/(ガリウムフラックス)比率を変化させることで、上記インジウム付着係数を微増させることが可能であることが、SteenらによるMBE法の研究(Steen et al, Effect of substrate temperature and V/III flux ratio on In incorporation for InGaN/GaN heterostructures grown by plasma-assisted molecular-beam epitaxy, Appl. Phys. Lett. 75(15), 2280, (1999年、10月11日))に以前より示されていた。上記Steenらの研究では、上記(窒素)/(ガリウム)比を小さな範囲(0.9〜1.1)で変化させた。上記上記(窒素)/(ガリウム)比を上記範囲の最大値で変化させた場合、上記変化により、インジウム付着係数は適度に増加し、超格子インジウム組成が、675℃で、平均してx=0.002からx=0.009へと増大する。
【0013】
RFプラズマ窒素源を使用してIII-窒素材料を成長させる場合、高材料品質が得られるように、上記(活性窒素)/(ガリウムフラックス)比は1.0に近い値である必要がある点が、上記従来技術ではよく記載されている。上記比は、常に0.8〜1.2の範囲内に維持されている。上記比の値を大幅に増加または減少させた場合、品質の悪い材料(欠陥を数多く含む材料および/または三次元の広がりを持つ材料。すなわち、効率的な光電子学的な応用に好適でない材料(例えば、Zywietz et al, Adatom diffusion at GaN (0001) and (0001) surfaces, Appl. Phys. Lett., 73 (4) 487 (27 July 1998), and Koblmuller et al, High electron mobility GaN grown under N-rich conditions by plasma-assisted molecular beam epitaxy, Appl. Phys. Lett., 91, 221905 (2007)))が産出されることが、一般的に見出されている。
【0014】
インジウムを多く含有したIn(x)Ga(1-x)Nを高温で産出するためにインジウム付着係数を増加する必要がある。しかし、O’Steenらの方法では、上記(窒素)/(ガリウム)比を1.0を超えて大幅に増加すべきではないので、上記O’Steenらの方法は、上記インジウム付着係数を増加させるのには不適当であると思われる。
【0015】
上記成長温度を低下させることで、上記インジウム付着係数を増大させることができる。Iliopoulos et al., InGaN(0001) alloys grown in the entire composition range by plasma assisted molecular beam epitaxy (Physica Status Solidi (a) 203 pp102-105 (2006))では、非常に低い温度(〜435℃)を使用した場合、付着係数が100%に近づくことを報告している。しかし、このように非常に低い温度で成長させたIn(x)Ga(1-x)N層の品質は、光電子デバイスまたは光電池装置への使用に対して、十分に高いものではない。
【0016】
Bottcher et al, Incorporation of indium during molecular beam epitaxy of InGaN, Appl. Phys. Lett, 73 (22), 3232 (1998年10月30日)に示される典型例では、PAMBEを行った場合、650℃で得られる上記インジウム付着係数率は16%である。この付着係数は、上記In(x)Ga(1-x)N層のインジウム比が2.0より大きくなった場合、減少する。
【0017】
MBEに関しては、通常、窒素源はアンモニアあるいはプラズマ源からの活性窒素の何れか一方であり、これら2つを組み合わせて使用することは稀である。しかし、従来技術では、上記2つの手法により成長させた層を含むことで、上記2つの手法の各々の特性を利用した単一エピタキシャル装置の例が記載されている(例えば、Tang et al, “Effect of template morphology on the efficiency of InGaN/GaN quantum wells and light emitting diodes grown by molecular-beam epitaxy” Appl. Phys. Lett., 86, 121110 (2005年)。なお、Tang et al,では、In(x)Ga(1-x)N量子井戸は、NH-MBEにより成長させたGaN上に成長させている。)。また、MBE成長装置内の活性領域を成長させるために、上記アンモニアと上記プラズマ源からの活性窒素との両方を同時に供給する可能性は、米国特許出願(US20090256165A1号):‘Method of growing an active region in a semiconductor device using molecular beam epitaxy’ by Smith et al.,’(公開日:2009年10月15日)に記載されている。
【発明の目的】
【0018】
本発明の目的は、材料品質が高く、電子装置、光電子装置、光電池装置への使用に好適なIn(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層を成長させる方法を提供することである。本発明は、特に、0.2より大きなインジウム比(x)を持つIn(x) Al(y)Ga(1-x-y)Nに対して有益であり、上記In(x) Al(y)Ga(1-x-y)Nの例は、0.2より大きなインジウム比(x)を持つIn(x)Ga(1-x)N(InN(x=1.0)以下)を含む。本発明は、従来の技術と比べて大幅に上昇した成長温度でIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nを成長させる方法を提供する。上記方法によれば、上記成長表面に供給されるプラズマ活性窒素原子のフラックスが、上記成長表面に供給されるアルミニウム原子のフラックスとガリウム原子のフラックスとの合計フラックス(アルミニウム原子とガリウム原子の何れかのフラックスは0であってもよい)の少なくとも4倍以上となるように、且つ、インジウム原子と窒素含有分子とを上記成長表面に同時に供給するように、プラズマ活性窒素原子を上記成長層の窒素供給源として使用して、In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を成長させる。好ましくは、上記成長表面に供給されるプラズマ活性窒素原子の上記フラックスは、上記成長表面に供給されるアルミニウム原子のフラックスとガリウム原子との合計フラックスの6倍以上である。
【発明の概要】
【0019】
本発明の一態様によれば、In(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層(なお、xは0より大きく1以下であり、yは0以上1以下であり、xとyとの和は1以上である。)の成長方法が提供される。上記成長方法は、In(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層の窒素源としてのプラズマ活性窒素原子を成長表面に供給し、インジウム原子と窒素含有分子とを同時に上記成長表面に供給し、上記成長表面に供給される上記プラズマ活性窒素原子のフラックスは、上記成長表面に供給されるアルミニウム原子のフラックスとガリウム原子のフラックスとの合計よりも少なくとも4倍より大きく、上記アルミニウム原子または上記ガリウム原子のうちの何れかは、0であってもなくてもよい成長方法である。
【0020】
本発明の他の態様によれば、上記アルミニウム原子のフラックスとガリウム原子のフラックスの合計値に対する上記プラズマ活性窒素原子のフラックスの比率は、少なくとも6である。
【0021】
本発明の他の態様によれば、上記アルミニウム原子のフラックスと上記ガリウム原子のフラックスとの合計値に対する上記プラズマ活性窒素原子のフラックスの比率は、少なくとも10である。
【0022】
本発明の他の態様によれば、上記アルミニウム原子のフラックスと上記ガリウム原子のフラックスとの合計値に対する上記プラズマ活性窒素原子のフラックスの比率は、少なくとも20である。
【0023】
本発明の他の態様によれば、上記アルミニウム原子のフラックスと上記ガリウム原子のフラックスとの合計値に対する上記プラズマ活性窒素原子のフラックスの比率は、少なくとも100である。
【0024】
本発明の他の態様によれば、上記In(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層の上記インジウムの比率(x)は、0.2より大きい。
【0025】
本発明の他の態様によれば、上記In(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層の上記インジウムの比率(x)は、0.5より大きい。
【0026】
本発明の他の態様によれば、上記In(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層の上記インジウムの比率(x)は、1.0より大きい。
【0027】
本発明の更に他の態様によれば、上記In(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層は、2次元成長モードで成長される。
【0028】
本発明の更に他の態様によれば、上記方法は、分子線エピタキシー(MBE)を使用する。
【0029】
本発明の更に他の態様によれば、上記方法は、有機金属化学蒸着法(MOCVD)を使用する。
【0030】
本発明の更に他の態様によれば、上記方法は、遠隔プラズマ化学蒸着法(RPCVD)を使用する。
【0031】
本発明の更に他の態様によれば、上記方法のインジウム付着係数は、50%より大きい。
【0032】
本発明の更に他の態様によれば、上記窒素含有分子として、アンモニアを単独で使用する。
【0033】
本発明の更に他の態様によれば、上記窒素含有分子は、アンモニアとNとの混合体を含む。
【0034】
本発明の更に他の態様によれば、上記方法の成長温度は、600℃より高い。
【0035】
本発明の更に他の態様によれば、上記方法の成長温度は、800℃より高い。
【0036】
本発明の更に他の態様によれば、上記ガリウム原子、上記インジウム原子、および/または上記アルミニウム原子は、上記成長表面またはその近傍において解離する分子の構成要素として供給され、上記分子が解離した場合、上記ガリウム原子、上記インジウム原子、および/または上記アルミニウム原子は上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N 層に取り込まれる。
【0037】
本発明の他の態様によれば、上記アルミニウムの比率(y)は、0である。
【0038】
本発明の他の態様によれば、x+y=1である。
【0039】
本発明の他の態様によれば、上記の方法によって成長させたIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を発光領域として含む光電子装置が設けられる。
【0040】
本発明の更に他の態様によれば、上記の方法によって成長させたIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を発光領域として含む光電池装置が設けられる。
【0041】
本発明の更に他の態様によれば、上記の方法によって成長させたIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を光吸収領域として含む電子装置が設けられる。
【0042】
本発明の更に他の態様によれば、装置に設けられた上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層は、x=1かつy=0である。
【0043】
本発明は、上述の目的および関連する目的を達成するために、以下に詳細に説明し、請求の範囲で特に指し示す特徴を備える。以下の記載と添付の図面とに、本発明の特定の実施形態を詳細に説明する。なお、上記実施形態は、本発明の原理を採用する様々な方法のうちの幾つかを示すものにすぎない。本発明の他の目的、利点、および新規な点は、添付図面を参照して、以下に示す詳細な記載から明白になるであろう。
【発明の効果】
【0044】
本発明は、材料品質が高く、電子装置、光電子装置、および光電池装置での使用に好適なIn(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層を成長させる方法を提供する。上記方法によれば、高温下で、インジウム脱離を増加させずに上記In(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層を成長させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
添付の図面において、同様の部材番号は、同様の部材または特徴を示している。
【図1】本発明と従来技術を使用して成長させたサンプルの各々について、基板温度に対するインジウム比(上側のグラフ)とインジウム付着係数率(下側のグラフ)とを示す図である。
【図2】異なる条件下で成長させた発光ダイオードの波長に対する、エレクトロルミネセンス強度のグラフを示す。
【図3】上記プラズマ活性窒素フラックスと上記ガリウムフラックスとの比率を変化させて得られた上記In(x) Al(y)Ga(1-x-y)N層の上記インジウム比(x)をプロットしたグラフを示す。
【図4】インジウム比が約x=0.20である量子井戸のV/III比率(または、これに同等なプラズマ出力)に応じた、インジウム付着係数率のグラフを示す。
【図5】本発明を用いて成長させた層を含む典型的な装置構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明は、材料品質が高く、電子装置、光電子装置、および光電池装置への使用に適したIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を成長させる成長方法である。本発明は、特に、インジウム比(x)が0.2より大きいIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層にとって有用である。例えば、本発明は、インジウム(x)が0.2より大きいIn(x)Ga(1-x)N層(アルミニウム比がy=0のIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層)にとって有用である。また、本発明は、インジウム比が最大で1.0に達する(InN)ような、インジウム比が著しく高いIn(x)Ga(1-x)N層にとっても有益である。このような高インジウム比のIn(x)Ga(1-x)N層の成長に関しては、上述の問題と同様の問題が生ずるものの、本発明を使用することにより解決できる。本発明は、従来技術で使用される成長温度に比べて著しく高い成長温度下でIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を成長させる成長方法を提供する。
【0047】
以下に、分子線エピタキシー(MBE)を使用してIn(x)Ga(1-x)N(アルミニウム比がy=0のIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N)を成長させる場合について、本発明を説明する。なお、これに限らず、本発明は、プラズマ活性窒素原子を窒素源として使用してIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を成長させる他の方法によりIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を成長させる場合にも適用可能である。
【0048】
本発明の一実施形態では、上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層の上記アルミニウム比(y)は0に等しい。本発明の他の実施形態では、上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層の上記アルミニウム比(y)は0以上0.5以下である。本発明の更に他の実施形態では、上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層の上記アルミニウム比(y)は0以上1以下である。
【0049】
上記成長方法は、上記成長層への窒素源としてプラズマ活性窒素原子を使用して上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を成長させる工程を含み、成長表面に供給される上記プラズマ活性窒素原子のフラックスが、上記成長表面に供給されるガリウム原子のフラックスとアルミニウム原子のフラックスとの合計値の少なくとも4倍以上であるように、且つ、インジウム原子と窒素含有分子とが同時に上記成長表面に供給されるように、上記プラズマ活性窒素原子が使用される。なお、上記ガリウム原子のフラックスと上記アルミニウム原子のフラックスのうちの何れかは、0または0より他の値であってもよい。
【0050】
好ましくは、上記成長表面に供給される上記プラズマ活性窒素原子のフラックスは、上記成長表面に供給される上記ガリウム原子のフラックスとアルミニウム原子のフラックスとの合計の少なくとも6倍以上である。
【0051】
なお、上述の原子のフラックスは、単位時間中に上記成長表面に達する原子の単位面積あたりの数として定義される。
【0052】
上記ガリウム原子、上記アルミニウム原子、および上記インジウム原子は、互いに独立した原子として上記成長層に到達すればよく、これら互いに独立した原子は、成長中の上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層の結晶格子部位に取り込まれることが可能な原子であればよい。また、上記ガリウム原子と、上記アルミニウム原子と、上記インジウム原子との各々は、分子を構成している原子として上記成長表面に到達すればよく、上記分子が上記成長表面またはその近傍において解離することで、上記ガリウム原子と、上記アルミニウム原子と、上記インジウム原子との各々が、成長中の上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層の結晶格子部位に取り込まれることが可能であればよい。
【0053】
プラズマ活性窒素原子は、成長中の上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層の結晶格子部位に窒素原子として取り込まれるのに十分なエネルギーを保って上記成長表面に到達する任意の窒素原子である。第1の例として、プラズマ活性窒素原子は、正の電子電荷を帯電した個別窒素原子、負の電子電荷を帯電した個別窒素原子、または、原子全体として正の電子電荷および負の電子電荷の何れの電子電荷も帯電していない個別窒素原子としてよい。第2の例として、プラズマ活性窒素原子は、プラズマによって電子励起状態まで高められた個別窒素原子としてよい。第3の例として、プラズマ活性窒素原子は、プラズマによって電子励起状態まで高められた窒素分子(N)を構成する2つの窒素原子のうちの何れか一方、または、両方としてよい。なお、プラズマ活性窒素原子の種類は多様であり、上記第1〜3の例は何れも、これら多様な種類のプラズマ活性窒素原子の一部を示すものに過ぎない。
【0054】
成長中の上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層の結晶格子部位に窒素原子として取り込まれるのに不十分なエネルギーで上記成長表面に到達する窒素原子は、プラズマ活性窒素原子として分類されない。例えば、基底状態の窒素分子(N)(電子励起されていない窒素分子)は、プラズマ活性原子を含んでいない。
【0055】
プラズマ活性原子は、様々な方法によって発生させてもよい。第1の例として、窒素ガス(N)流を高周波(RF)プラズマ源に通過させて、プラズマ活性窒素原子を発生させてよい。なお、好適なRFプラズマ源は、例えば、Veeco Instruments 社製の“Unibulb”RFプラズマ源である。第2の例として、窒素ガス(N)流を電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ源に通過させて、プラズマ活性窒素原子を発生させてよい。第3の例として、アンモニアガス(NH)流れをRFプラズマ源に通過させて、プラズマ活性窒素原子を発生させてよい。なお、プラズマ活性窒素原子を発生させる方法は多様な方法を含み、上記第1〜3の例は何れも、これら多様なプラズマ活性窒素原子の発生方法のうちの幾つかを示すものにすぎない。
【0056】
上記ガリウム原子のフラックスと上記プラズマ活性原子のフラックスとの相対値は、これら2つのフラックスが互いに等しくなるような“化学量論的”状態を決定することで、適宜測定することができる。GaNを比較的低い温度(例えば、MBEによる成長の場合では、〜700℃)で成長させたことにより、ガリウムの脱離がごく僅かである場合、上記ガリウムのフラックスが上記プラズマ活性窒素のフラックスより高いと、過剰ガリウム(例えば、ガリウム金属からなる小滴)が上記成長表面上に形成される。こうしたガリウム小滴の形成を生じさせないガリウムのフラックスの最大値では、上記ガリウムのフラックスと上記プラズマ活性窒素のフラックスとの相対値は互いに等しくなる。
【0057】
上記成長表面に供給される上記窒素含有分子は、少なくとも1つの窒素原子を含むものであれば特に限定されない。好適な窒素含有分子は、例えば、アンモニア(NH)、ヒドラジン(NH)、ジメチルヒドラジン(CHN)、フェニルヒドラジン(CHN)、第3級ブチルアミン(CH11N)、イソプロピルアミン(CHN)、アジ化水素(HN)、およびエチレンジアミン(CNH)である。これら窒素含有分子のうちの一種類(例えば、アンモニアのみ)を単独で使用してもよいし、異なる種類の窒素含有分子の混合体を使用してもよい。
【0058】
ただし、ひとつの例外として、上記成長表面に供給される上記窒素含有分子は、窒素ガス(N)分子を単独で使用したものでないことが好ましい。本発明者らは、上記成長表面に供給される上記窒素含有分子として窒素ガス(N)分子を単独で使用した場合、この方法により得られるIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N材の品質が他の場合に得られる品質ほど高くないことを、実験を通じて見出した。
【0059】
上記成長表面に供給される上記窒素含有分子は、アンモニア分子(NH)と窒素ガス分子(N)との混合体であることが好ましい。
【0060】
上記成長表面が成長を通じて略平坦であり続けるように、上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層が2次元(2D)成長モードで成長することが好ましい。
【0061】
次に、従来技術の方法を使用するMBEにより成長させたIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層の実験結果と、本発明によって成長させたIn(x) Al(y)Ga(1-x-y)N層の実験結果とを比較することで、本発明の利点を説明する。
【0062】
次に、従来技術の方法を使用するMBEによりIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を成長させた場合の実験結果と、本発明によりIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を成長させた場合の実験結果とを比較して、本発明の利点を説明する。
【0063】
上記従来技術に記載されたプラズマ支援MBE(PAMBE)を使用してIn(x)Ga(1-x)Nを成長させる場合、上記基板を加熱し、ガリウム原子のフラックスおよびインジウム原子のフラックスとプラズマ活性窒素とを上記基板に照射する。通常、上記基板はGaN面(例えば、サファイア基板上に成長させたGaN層)であり、上記ガリウム原子のフラックスおよび上記インジウム原子のフラックスは元素蒸着セルによって発生させ、上記プラズマ支援窒素は窒素ガス(N2)を高周波プラズマセルに通過させて発生させる。In(x)Ga(1-x)Nからなる高品質で平坦な層は、上記化学量論的状態に近い状態でIn(x)Ga(1-x)Nを成長させた場合にのみ得られるため、プラズマ活性窒素のフラックスは、上記フィルムに組み込まれる上記ガリウム原子のフラックスおよび上記インジウム原子のフラックスに比べて大幅に増加または減少したものではない。通常、上記フィルムに組み込まれる上記ガリウム原子のフラックスおよび上記インジウム原子のフラックスに対する上記プラズマ活性窒素のフラックスの比率は、0.8〜1.2であればよい。
【0064】
本発明者らは、ガリウムフラックスと、インジウムフラックスと、プラズマ活性化窒素フラックスと、基板温度とが、従来技術の方法を使用した場合のIn(x)Ga(1-x)N層の成長に対してどのような影響を及ぼすかについて幅広く研究を行った。この実験的研究の結果では、特定の成長温度下では、高品質のInxGa1-xN層にて得られるインジウムの最大比率があることが一貫して確認された。図1では、この現象を三角形のプロットで示した。680℃の成長温度では、最も高いインジウム比xはほぼ0.15に等しかった。なお、ほぼ0.20に等しいインジウム比xを得る場合、上記成長温度を580℃まで下げる必要がある。しかし、成長温度を680℃から580℃まで低下させた場合、In(x)Ga(1-x)N層の質が大きく毀損した。580℃の低温下で成長させた場合、In(x)Ga(1-x)N層の質は、高性能の光電子装置または光電池装置において使用できる程に十分高いものではなかった。一方で、従来技術において一般的に報告されているように、インジウム比率を増加させるためには、より低温で成長させる必要がある。
【0065】
本発明はこうした制約を克服するものである。図1において丸印で示したインジウム比は、本発明を使用して得られたインジウム比を示している。この場合、In0.20Ga0.80N層は、上記ガリウム原子のフラックスの約8倍にあたるプラズマ活性化窒素原子のフラックスを使用し、且つ、上記成長表面にインジウム原子と窒素含有分子とを同時に供給することで成長させた。上記の方法により、630℃の基板温度で、x=0.20のインジウム比が得られた。この方法により、図1の矢印で示すように、In0.20Ga0.80N層の成長を可能とする成長温度を(580℃から630℃へと)50℃上昇させた。このように上記ガリウム原子のフラックスの8倍より大きなプラズマ活性化窒素原子のフラックスの使用は、III−窒素材料を成長させる従来技術の通常の範囲と本質的に一線を画するものである。上記成長表面に窒素含有分子を同時に供給しない場合、例えばアンモニア(NH3)を使用する場合、このように高いフラックスのプラズマ活性化窒素を用いると、成長対象は3次元に大きく成長し、材料の質が低下する。
【0066】
本発明により、In(x)Ga(1-x)N層の質を大幅に改善することが可能になるので、上記In(x)Ga(1-x)N層を含む光電子装置および光電池装置の性能を改善することが可能となる。図2に、上記装置の性能の改善の一例を示す。図2のプロットは、電流密度が0.45kAcm-2の注入電流に対して緑色光エレクトロルミネセンスを発光する2組のLEDの発光効率を示す。上記どちらの場合においても、上記LEDの発光活性領域は、単一のIn(x)Ga(1-x)N量子井戸である。上記In(x)Ga(1-x)N量子井戸中の上記インジウムの比率は、x=0.20からx=0.25の範囲である。上記装置および上記電気的注入条件に関して、量子井戸のインジウムの比率がx=0.20の場合、発光波長が500nmである:なお、上記インジウムの比率が0.25に増加した場合、上記発光波長が約560nmに増加する。
【0067】
上記LEDのうちの第1の組(図2に示すデータのうち、低い値のデータ(丸印で示すデータ))では、従来技術に記載のPAMBE法を慎重に最適化した方法によりIn(x)Ga(1-x)N量子井戸が成長されている。図示した結果は、100を超える個別サンプルの成長因子を広範に最適化させて電界発光効率を最大化した場合に得られた電界発光結果のうちの最も良い結果を示す。プロットにおける縦軸の目盛りは対数尺である。上記装置の電界発光は、長波長のLEDでは大幅に低下する:LEDの波長が560nmの場合に得られる電界発光は、LEDの波長が500nmの場合に得られる電界発光に比べて、約100倍低くなる。
【0068】
上記LEDの第2の組(図2に示すデータのうち、高い方の値を示すデータ(三角形の印で示すデータ))は、本発明を使用して成長させたIn(x)Ga(1-x)N活性層を使用した。このIn(x)Ga(1-x)N量子井戸は、ガリウムのフラックスに対するプラズマ活性化窒素のフラックスの比率を8をとして成長させた。上記装置における上記電界発光効率は、従来技術のIn(x)Ga(1-x)N成長方法を使用して作製した上記第1の組のLEDにおける上記電界発光効率と比較して、大幅に増加している。540nmの波長では、本発明を使用して成長させた上記LEDにおける上記電界発光は、上記従来の方法を使用して成長させたLEDの電界発光と比較して6倍高くなっている(図2では、この6倍の増加を矢印で示す)。
【0069】
次に、上記ガリウムのフラックスよりも大幅に高いプラズマ活性化窒素のフラックスを使用することの利点について、図3および図4に示した結果を参照して更に説明する。図3は、上記プラズマ活性化窒素のフラックスと上記ガリウムのフラックスとの比率を変化させて成長させたIn(x)Ga(1-x)N層のインジウム比(x)をプロットしたグラフを示す。図4は、上記サンプルの成長中のインジウム付着係数率をプロットしたグラフを示す。上記インジウム付着係数率は、上記In(x)Ga(1-x)N層の成長中に上記In(x)Ga(1-x)N層の表面に作用するインジウム原子のフラックスを慎重に較正しながら測定されたた測定値と、このように成長させた上記In(x)Ga(1-x)N層の上記インジウム比(x)の測定値と、を使用して算出した。
【0070】
上記In(x)Ga(1-x)N層の何れも、基板温度が630℃で、同一のガリウムのフラックスにおいて成長させた。上記In(x)Ga(1-x)N層は、LED構造の上記活性領域内の単一量子井戸(厚さ2.5nm)として成長させた。プラズマ活性化窒素のフラックスの各値に対して、インジウムのフラックスを変化させて、一組のサンプルをIn(x)Ga(1-x)N層の成長中に成長させた。上記インジウムのフラックスの最適値は、上記LEDの電界発光効率の最大値に応じて決定された。なお、図3および図4に示す結果は、上記インジウムのフラックスの最適値に対応している。図3は、上記プラズマ活性化窒素のフラックスが増加するにつれて、上記In(x)Ga(1-x)N層の上記インジウム比が大幅に増加する様子を示している。図4は、上記プラズマ活性化窒素のフラックスが増加するにつれて、上記インジウム付着係数比率が大幅に増加する様子を示している。使用されるプラズマ活性化窒素のフラックスの値が低い範囲では、付着係数が、従来技術において得られる値により近くなった。
【0071】
50%(具体的には75%)より大きなインジウム付着係数率は、上記プラズマ活性化窒素のフラックスが上記ガリウムのフラックスよりも8倍大きい場合に得られる。75%のインジウム付着係数率は、上記温度(すなわち、高品質の材料を産出するのに十分高い温度)におけるIn(x)Ga(1-x)Nの成長にとって非常に高く、従来技術と大きく異なる特徴である。
【0072】
使用するプラズマ活性化窒素のフラックスを更に増加させて、上記プラズマ活性化窒素のフラックスが上記ガリウムのフラックスの8倍より高くなるようにすることで、付着係数の更なる増加、および、これに伴うIn(x)Ga(1-x)Nの利用可能な成長温度の上昇を実現することが可能である。
【0073】
本発明の上記例は、アルミニウムのフラックスを使用せず、そのため、アルミニウム比がy=0であるIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nの成長に関するものである。上記アルミニウムのフラックスの値が0以外のIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nの場合、上記プラズマ活性化窒素のフラックスは、アルミニウム原子のフラックスとガリウム原子のフラックスとの合計の少なくとも4倍の値に保持される。
【0074】
次に、LED構造の上記発光活性領域を製造する本発明の方法の代表的な実施形態を説明する。
【0075】
本発明を使用して成長させた層を含む基本構造の一例を図5に示す。当該例では、In(x)Ga(1-x)N層は、n型にドープされたGaN層とp型にドープされたGaN層との間に挟まれている。そして、これらドープされたGaN層を接触させた装置は、例えばLED、レーザダイオード、または、光電池セルとして、光を発光または吸光するように適合または精緻化することができる。
【0076】
MBE機械内において、任意の従来の方法を使用して成長させるために、好適な基板が調製される。こうした基板の調製は、通常、汚染要因物を除去するために真空状態で基板を高温に加熱する(例えば、1 x 10−7 mbarよりも低い真空状態で、500℃まで加熱する)工程を含んでいる。その後、脱ガスがより高温で行われる(なお、分解を抑制するために、例えばアンモニアなどの材料を供給する必要がある)。上記基板は、好ましくは自立性の単結晶窒化ガリウム、または、例えばサファイアなどの好適な基板上に形成された窒化ガリウムからなるエピタキシャル層である(サファイアは、GaN鋳型として一般的に知られ、市販されている)。なお、上記基板は、その上にIn(x)Ga(1-x)Nを成長させられるものであればよく、上記基板の表面は2次元または3次元的な広がりを持つものであってもよい。上記基板は単一の材料からなるものであればよく、例えば、自立性の単結晶窒化ガリウムまたはエピタキシャル層であればよく、上記エピタキシャル層は、例えば、窒化ガリウム鋳型(この場合、サファイア上にガリウムが形成される)、または、本発明に使用される機器または他の機器上に成長させたエピタキシャル層などである。使用可能な他の基板の例として、シリコン、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、および酸化亜鉛が挙げられる。しかし、表面にIn(x)Ga(1-x)Nを成長させた材料であれば、その表面形状(二次元形状または三次元形状)および構造(結晶構造または非結晶構造)に関係無く、本発明を使用することで得られる高品質の材料を含ませることが可能である。実際には、先ず、上記活性In(x)Ga(1-x)N層を形成する前に他の層を成長させることが適当である;例えば、LED構造では、上記In(x)Ga(1-x)Nを成長させる前に、n型ドープ領域を成長させることが適当である。従来、上記層はMBE機械内に予め成膜したエピタキシャル層の上に成長させていたが、例えばMOCVDによって、他の場所に成長させた層の上に成長させることも可能である。理想的には、上記層はアンモニア流の下で加熱される;これは、高温で低圧の状態によって発生する材料の分解を防ぐためのものである。800℃を大きく下回る温度では、通常、こうした材料の分解は最小限になることが知られている;しかし、基板をアンモニア流の下で加熱・冷却するという従来の慣習を踏襲することが賢明であると考えられている。
【0077】
エピタキシーが満たされている好適な表面を調製した後、特定の組成を持つIn(x)Ga(1-x)Nの成長に好適な温度まで基板を加熱する;この場合、インジウム比が約x=0.2の高品質材料を得るために、加熱温度として630℃の温度が採用される。しかし、上記加熱温度は、上記材料の向上を得るために、適宜変更してもよい。上記層の加熱は、温度ムラを生じさせるような急激なものではない;これは、その後の成長の質に弊害をもたらす可能性のある熱応力を防ぐためである。
【0078】
上記基板の状態が元素ガリウム源である間に、インジウムが成長のために調製され、同時に、サイズが0.1mmの開口を506個備えたUnibulb RF―プラズマソース(Veeco Instruments社製)を介して流れるNガスを使用して窒素プラズマが形成される。
【0079】
通常の状態として、約1×10−4mbarの窒素のビーム等価圧(beam-equivalent pressure)と500Wのプラズマ出力が採用される。上記プラズマと上記基板温度とが安定した後、RF-プラズマセルからのプラズマ活性化窒素を上記サンプルに照射し、同時に、ビーム等価圧が5×10−3mbarのアンモニアガス流と、元素ガリウムのフラックスと、元素インジウムのフラックスとを上記サンプルに照射する。そして、これらの成分を、従来の蒸着セルを使用したチャンバへと導入する。上記ガリウムフラックスは2.5×1019原子m−2min−1であり、上記インジウムフラックスは8.3×1018原子m−2min−1である。これらの状態により、ガリウムフラックスに対するプラズマ活性化窒素の比率が8になる。
【0080】
一実施形態では、上記アンモニアガス流のビーム等価圧は6×10−3mbarである。他の実施形態では、上記アンモニアガス流のビーム等価圧は6.5×10−3mbarである。
【0081】
規定時間(例えば、厚さ約3nmの量子井戸層を作製する場合では4分間)経過後、上記窒素プラズマとインジウムセルとを上記チャンバから閉め出す。一方、アンモニアは上記基板へと流し続ける;上記ガリウムについては、インジウムの脱離を抑制するよう設計されたGaNキャッピング薄層を成長させるために、上記基板に向けて供給し続けてもよい。また、アルミニウムについても、成長させる構造に応じて、上記基板に向けて供給してもよい。その後、分類される上記装置構造の種類に応じて、後段の層を成長させる(例えばLEDの場合、p型にドープさせる領域を成長させる)。この手法を使用して成長させることのできるエピタキシャル層の数は限定されず、上記エピタキシャル層の厚さも限定されない。
【0082】
上述の実施例では元素ガリウムと元素インジウムとを使用したが、上記ガリウム原子と上記インジウム原子とは、例えばトリメチルガリウムおよびトリメチルインジウムなどの金属有機化合物として供給されてもよい。
【0083】
また、上述の実施例では、上記プラズマ活性化窒素フラックスのガリウムフラックスに対する比率は8であった。好ましくは、上記比率は8より大きい。例えば、上記比率は、In(x)Ga(1-x)Nを高温または高インジウム比(x)で成長させられるように、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも100とすることができる。上記比率が少なくとも10の場合、上記方法は、インジウム比(x)が0.2より大きな高品質のIn(x)Ga(1-x)Nを成長させる効果的な方法を提供する。また、上記比率が少なくとも20の場合、上記方法は、インジウム比(x)が0.3および0.5より大きな高品質のIn(x)Ga(1-x)Nを成長させる効果的な方法を提供する。これら方法により作製したIn(x)Ga(1-x)N層は、光電池セルの光吸収層として使用するのに好適である。
【0084】
In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を成長させる本発明のより広い態様では、上記成長表面に供給されるアルミニウム原子のフラックスとガリウム原子のフラックスとの上記合計に対するプラズマ活性化窒素フラックスの上記比率は、少なくとも4である。好ましくは、上記比率は、少なくとも6以上である。例えば、上記比率は、より高温でのIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nの成長、または、より高いインジウム比(x)でのIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nの成長を可能とするように、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50、または少なくとも100とすることができる。本発明に係る上記方法では、例えば、上記インジウム比が0.2より大きい高品質なIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N、0.3より大きい高品質なIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N、0.5より大きい高品質なIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N、1.0に等しい高品質なIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nの成長が実現できる。上記方法は、50%より大きなインジウム付着係数を実現することができ、上記窒素含有分子は、例えば、アンモニアを単独に使用したものでもよく、アンモニアとNとの混同体でもよい。ガリウム原子、インジウム原子、および/またはアルミニウム原子は、上記成長表面またはその近傍において解離する分子の構成要素として供給され、上記分子が解離した場合、上記ガリウム原子、上記インジウム原子、および/または上記アルミニウム原子は上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N 層に取り込むことができる。
【0085】
アルミニウムのフラックスとガリウムのフラックスとの合計値に対する上記プラズマ活性窒素のフラックスの比率を高くするために、同一のエピタキシー成長系において複数の窒素プラズマセルを使用することが望ましい。各窒素プラズマセルの出力を組み合わせることで、望ましい程度に高い比率の上記プラズマ活性窒素のフラックスを発生させてもよい。
【0086】
In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層の成長について、より広範な態様では、上記プラズマ活性窒素のフラックスの上記成長表面に供給される上記窒素含有分子の上記フラックスに対する比率は、1:1から15:1の範囲である。一実施形態では、上記プラズマ活性窒素のフラックスの上記窒素含有分子の上記フラックスに対する比率は、5:1から12:1の範囲である。好ましくは、上記比率は、10:1である。
【0087】
上で述べた説明は、MBE成長に本発明を使用する場合に関するものであるが、本発明に係る全ての態様は、プラズマ活性化窒素が使用できる他の成膜方法を使用した成長にも適用可能である。これら他の成膜方法は、例えば、有機金属化学蒸着(MOCVD)法、遠隔プラズマ化学蒸着(RPCVD)法などである。CVD法を使用したIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)Nの成長の実現可能な成長温度は、MBEを使用した場合の成長温度より高い。したがって、MOCVD法を使用する場合の好ましい成長温度は、上述の実施例の成長温度よりも高い。しかし、ガリウム原子のフラックスに対する比率が少なくとも4倍以上のプラズマ活性化窒素のフラックスを導入することで、使用可能な成長温度を上昇させることができ、したがって材料品質を向上させることができる。本発明では、600℃より高い成長温度、および、さらに高温な800℃より高い成長温度が実現可能である。
【0088】
以上、本発明を特定の実施形態について説明したが、当業者が、本明細書および添付の図面の開示内容に基づき、これら実施形態に同等な範囲で変更および修正を行ってもよい。上述の要素(構成部品、組立部、装置、組成など)により実施される多種の機能に関して、これら要素を示すのに使用されるターム(なお、“手段”の参照タームも含まれる)は、特に断りのない限り、上述の本発明の典型的な実施形態において上記機能を果たす開示構造と構造上同等でなくとも、上記要素の上記特定の機能を実施する要素(すなわち、上記要素と機能的に同等の他の要素)に対応するものである。さらに、本発明に特有の特徴について、複数の実施形態のうちの1つまたは幾つかにおいて説明したが、これら特徴は、本発明の特定の用途において望ましいように、または、有益なように、他の実施形態における1つまたは複数の特徴と組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、材料品質が高く、電子装置、光電子装置、および光電池装置への使用に好適なIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を成長させる成長方法である。上記成長方法によれば、高温下において、インジウム脱離を生じさせずにIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を成長させることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層(xは0より大きく1以下であり、yは0以上1以下であり、xとyとの和は1以下である)を成長させる成長方法であって、
上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層の窒素源として、プラズマ活性窒素原子を成長表面に供給し、
インジウム原子と窒素含有分子とを同時に上記成長表面に供給し、
上記成長表面に供給される上記プラズマ活性窒素原子のフラックスは、上記成長表面に供給されるアルミニウム原子のフラックスとガリウム原子のフラックスとの合計の少なくとも4倍より大きく、上記アルミニウム原子のフラックスまたは上記ガリウム原子のフラックスとの何れかが0であってもなくてもよいことを特徴とする成長方法。
【請求項2】
上記アルミニウム原子のフラックスと上記ガリウム原子のフラックスとの合計値に対する上記プラズマ活性窒素原子のフラックスの比率が、少なくとも6であることを特徴とする請求項1に記載の成長方法。
【請求項3】
上記アルミニウム原子のフラックスと上記ガリウム原子のフラックスとの合計値に対する上記プラズマ活性窒素原子のフラックスの比率が、少なくとも10であることを特徴とする請求項1に記載の成長方法。
【請求項4】
上記アルミニウム原子のフラックスと上記ガリウム原子のフラックスとの合計値に対する上記プラズマ活性窒素原子のフラックスの比率が、少なくとも20であることを特徴とする請求項1に記載の成長方法。
【請求項5】
上記アルミニウム原子のフラックスと上記ガリウム原子のフラックスとの合計値に対する上記プラズマ活性窒素原子のフラックスの比率が、少なくとも100であることを特徴とする請求項1に記載の成長方法。
【請求項6】
上記In(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層の上記インジウムの比率(x)が、0.2より大きいことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の成長方法。
【請求項7】
上記In(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層の上記インジウムの比率(x)が、0.5より大きいことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の成長方法。
【請求項8】
上記In(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層の上記インジウムの比率(x)が、1.0より大きいことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の成長方法。
【請求項9】
上記In(x) Al(y)Ga(1-x-y)N 層が、2次元成長モードで成長されることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の成長方法。
【請求項10】
分子線エピタキシー(MBE)を使用することを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
有機金属化学蒸着法(MOCVD)を使用することを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の成長方法。
【請求項12】
遠隔プラズマ化学蒸着法(RPCVD)を使用することを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の成長方法。
【請求項13】
インジウム付着係数が50%より大きいことを特徴とする、請求項1から12の何れか1項に記載された成長方法。
【請求項14】
上記窒素含有分子として、アンモニアを単独で使用することを特徴とする請求項1から13の何れか1項に記載の成長方法。
【請求項15】
上記窒素含有分子は、アンモニアとNとの混合体を含むことを特徴とする請求項1から13の何れか1項に記載の成長方法。
【請求項16】
600℃より高い成長温度を用いることを特徴とする、請求項1から15に記載の何れか1項に記載の成長方法。
【請求項17】
800℃より高い成長温度を用いることを特徴とする、請求項1から15の何れか1項に記載の成長方法。
【請求項18】
上記ガリウム原子、上記インジウム原子、および/または上記アルミニウム原子は、上記成長表面またはその近傍において解離する分子の構成要素として供給され、上記分子が解離した場合、上記ガリウム原子、上記インジウム原子、および/または上記アルミニウム原子は上記In(x)Al(y)Ga(1-x-y)N 層に取り込まれることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の成長方法。
【請求項19】
上記アルミニウムの比率(y)が0であることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の成長方法。
【請求項20】
x+y=1であることを特徴とする請求項1から19の何れか1項に記載の成長方法。
【請求項21】
請求項1から20の何れか1項に記載の成長方法によって成長させたIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を発光領域として含む光電子装置。
【請求項22】
請求項1から20の何れか1項に記載の成長方法によって成長させたIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を光吸収領域として含む光電池装置。
【請求項23】
請求項1から20の何れか1項に記載の成長方法によって成長させたIn(x)Al(y)Ga(1-x-y)N層を含む電子装置。
【請求項24】
x=1かつy=0であることを特徴とする、請求項21から23の何れか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−169621(P2012−169621A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−25557(P2012−25557)
【出願日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】