説明

CCDカメラを使用した測定装置、及びその応答時間の短縮方法

【課題】CCDカメラの飽和露光量を超える過大な入力光量に対して、最短時間で測定可能なCCDカメラ信号を得ることが可能な測定装置、及びその応答時間の短縮方法を提供することを目的とする。
【解決手段】CCDカメラ1aの露光時間を制御する測定装置100の応答時間の短縮方法であって、CCDカメラは、異なる透過率の2つ以上のフィルタ出力を同時に使用し、入力光量の最小値を検出する第1の透過率の大きいフィルタ出力の測定範囲の最大値(飽和値)と、第2の透過率の低い第2のフィルタ出力の測定範囲の(最小値)とがラップするような透過率とし、第1のフィルタ出力が飽和している場合には、前記第2のフィルタ出力から、前記第1の透過率と前記第2の透過率との比率から、前記第1のフィルタ出力に換算した露光時間の補正ゲインを求め、一回の制御周期(測定周期)で入力光量を検知し、次の制御周期で第1のフィルタの露光時間を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物にレーザ光線を照射し、被測定物からの反射光の位置変化をCCDカメラで検出し、被測定物の形状等を測定するCCDカメラを使用した測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼板などの各種素材の形状の測定装置として、鋼板にレーザ光線を照射し、その反射光の位置変化をCCDカメラで検出し、被測定物の形状等を測定するCCDカメラを使用した測定装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一般に、鋼板などの製造プロセスで使用される測定装置は、搬送される鋼板の先端部から尾端(後端)部までを測定し、測定量の良否で製品の歩留まりを判定するので、測定可能となる先端部の位置が重要である。
【0004】
例えば、特許文献1に開示された距離測定装置を使用した厚さ測定装置の場合には、鋼板先端部のどの位置からが製品規格を満足する厚さであるかを測定できることが重要な機能である。この先端から正しい測定が可能となる位置までの応答時間を先端応答とも言う。
【0005】
しかしながら、鋼板からのレーザ光線の反射光を受光して距離を測定する距離測定装置の場合には、反射光の状態が鋼板先端部での反射特性が多様に変化するため、CCDカメラの出力が飽和したり、または、雑音レベル以下となったりして安定せず、先端応答が遅くなる問題がある。
【0006】
従来からの光学式の距離測定装置の場合、CCDカメラ出力が一定になるような制御回路を備え、検出信号の安定化を図っている。ラインスキャン形のCCDカメラを備えた距離測定装置の場合、CCDカメラの出力が一定の範囲内に安定化されるように、CCDカメラの露光時間(CCDの場合、蓄積時間、シャッタ時間とも言うが、以後、ここでは露光時間と言う。)を制御して信号レベルを制御するAGC(Automatic Gain Control)機能を備える。
【0007】
一般に、ラインスキャン形のCCDカメラのAGCの応答は、図12に示すように、予め設定される測定装置の制御周期(測定周期、演算周期とも言う)の3倍の時間を要する。即ち、予め設定された制御周期において、その露光時間の変更は、CCDカメラ信号の検出・記憶する第1の制御周期SP1、記憶したCCDカメラデータの読み出しを行う第2の制御周期SP2、読み出したカメラデータから予め設定されたCCDカメラ信号のレベルを求める露光時間を決定するための第3の制御周期SP3の、制御周期Sの3倍の時間を要する。読み出し、演算を同じ制御周期内に終える条件が可能な場合には、2倍の制御周期とすることも可能である。
【0008】
露光時間は予め設定された制御周期の時間の範囲において、制御周期単位で更新して、CCDカメラ出力を制御するものである。しかしながら、CCDカメラの雑音レベルを受光光量が最小の状態、例えば、CCDカメラの飽和露光量の10%で測定が可能な露光時間に設定してある場合、この10%に対するCCDカメラの出力は10倍以上の入力光量で飽和状態となるので、10倍以上の入力光量がある場合には、露光時間を制御することが出来ない。
【0009】
例えば、予測では鋼板の先端部での受光光量は、反射率とその拡散特性の変化から少なくとも最小入力光量の200倍程度は必要であるので、飽和状態を避けることができない。
【0010】
そのため、CCDカメラに受光光量を減量するフィルタを機械的に設定して受光光量を検知して露光時間を変更する方法が考えられる。しかし、その場合にはフィルタの設定時間が必要となり、著しく応答が遅くなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3966804号公報(図1、第1頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したように、ラインスキャン形CCDカメラを備えた測定装置の場合、予め設定された制御周期における露光時間の設定において、CCDカメラの飽和露光量を超える過大な入力光量があった場合、その入力光量の強さの程度を検知するための手段が必要となり、最短時間で露光時間を更新する制御が出来ない。そのため、測定装置の応答時間が遅くなる問題がある。
【0013】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、予め設定された制御周期における露光時間を制御するCCDカメラにおいて、このCCDカメラの飽和露光量を超える過大な入力光量に対して、最短時間で測定可能なCCDカメラ信号を得ることが可能な測定装置、及びその応答時間の短縮方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本実施形態のCCDカメラを使用した測定装置は、被測定物の表面に対してレーザビームを照射する光源部と、当該レーザビームの反射光を検出するラインスキャン形のCCDカメラとを備える検出部と、前記CCDカメラの出力から当該測定物の形状等の測定量を求める制御部とを備える測定装置であって、前記制御部は、前記CCDカメラからのカメラ出力信号を記憶するメモリと、記憶した前記カメラ出力信号のカメラデータと予め設定されるカメラ出力レベルの設定値とを比較して、当該カメラ出力が一定になるように前記CCDカメラの露光時間を制御するAGC回路部と、前記AGC回路部で制御された前記CCDデータから前記測定量を求める演算部と、を備え、前記CCDカメラは、ラインスキャン形の複数の異なる透過率のNDフィルタ毎の出力を得られるカメラとし、前記NDフィルタは、透過率εND0の第1のNDフィルタ、透過率εND1の第2のNDフィルタ、透過率εND2の第3のNDフィルタで構成され、前記透過率の大きさは、εND0>εND1>εND2、且つ、前記第1のNDフィルタのカメラ出力の飽和値(上限値)と前記第2のNDフィルタの測定範囲の下限値、また、前記第2のNDフィルタの飽和値と前記第3のNDフィルタの測定範囲の下限値とが夫々ラップするような透過率とし、前記AGC回路部は、前記第1のNDフィルタのカメラ出力が飽和しているか否かを判定し、不飽和の場合、前記カメラ出力レベルの設定値Vrと当該第1のNDフィルタの出力Dとの比率を求め第1の補正ゲインα1を求め、さらに、求めた第1の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間に更新し、前記第1のNDフィルタのカメラ出力が飽和している場合、さらに、前記第2のNDフィルタのカメラ出力の飽和・不飽和を判定し、前記第2のNDフィルタのカメラ出力が不飽和の場合、当該第2のNDフィルタ2カメラ出力Dに対して、前記設定値と、前記第1のNDフィルタの出力Dとの比率から第2の補正ゲインを求め、さらに、求めた第2の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間に更新し、前記第2のNDフィルタのカメラ出力が飽和している場合、当該第3のNDフィルタのカメラ出力Dに対して、前記設定値Vrと、前記第1のNDフィルタの出力との比率から第3の補正ゲインを求め、さらに、求めた第3の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間に更新し、前記CCDカメラの前記第1のNDフィルタのカメラ出力を飽和させるような過大な入力光量があった場合、その程度を前記第2のNDフィルタのカメラ出力、または前記第3のNDフィルタのカメラ出力から前記第1のNDフィルタに対する補正ゲインを求め、一回の蓄積時間の変更で測定が可能となるようにしたことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するために本実施形態のCCDカメラを使用した測定装置は、被測定物の表面に対してレーザビームを照射する光源部と、当該レーザビームの反射光の位置を検出するラインスキャン形のCCDカメラとを備える検出部と、前記CCDカメラの出力から当該測定物の形状等の測定量を求める制御部とを備える測定装置であって、前記制御部は、前記CCDカメラからのカメラ出力信号を記憶するメモリと、記憶した前記カメラ出力信号のカメラデータと予め設定されるカメラ出力レベルの設定値とを比較して、当該カメラ出力が一定になるように前記CCDカメラの露光時間を制御するAGC回路部と、前記AGC回路部で制御された前記CCDカメラから測定量を求める演算部と、を備え、前記CCDカメラは、ラインスキャン形のRGBフィルタを備えるカラーカメラとし、前記レーザビームの波長のピーク値は、前記Rフィルタの透過率εが90%以上となる波長を選択し、前記AGC回路部は、前記Rフィルタのカメラ出力が飽和しているか否かを判定し、不飽和の場合、前記カメラ出力設定値Vrと当該Rフィルタの出力Dの比率を求め第1の補正ゲインとし、さらに、求めた第1の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間に更新し、前記Rフィルタのカメラ出力が飽和している場合、さらに、前記Bフィルタのカメラ出力の飽和・不飽和を判定し、前記Bフィルタのカメラ出力が不飽和、且つ、測定範囲の下限値以下の場合、当該Bフィルタのカメラ出力に対して、前記設定値と、前記Bフィルタと前記Rフィルタの透過率の比率を乗じた値を求めて第2の補正ゲインを求め、さらに、求めた第2の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間に更新し、不飽和、且つ、測定範囲にある場合、Rフィルタのカメラ出力に換算した場合に測定範囲の出力レベルとなる予め設定する第3の補正ゲインを選択し、当該第3の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間更新し、前記Bフィルタのカメラ出力が飽和している場合、Rフィルタのカメラ出力に換算した場合に測定領域となる予め設定する第4の補正ゲインを選択し、当該第4の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間に更新し、前記CCDカメラの入力光量が、前記Rフィルタのカメラ出力を飽和させるような過大な入力の場合、前記Bフィルタのカメラ出力に対して、前記Bフィルタと前記Rフィルタの透過率の比率から前記第1〜第4の補正ゲインを求め、前記Rフィルタのカメラ出力が予め設定した設定値となるような露光時間求めるようにしたことを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するために本実施形態のCCDカメラを使用した測定装置の応答時間の短縮方法は、CCDカメラを使用した測定装置の応答時間の短縮方法であって、前記CCDカメラは、異なる透過率の2つ以上のフィルタ出力を同時に使用し、入力光量の最小値を検出する第1の透過率の大きいフィルタ出力の測定範囲の最大値(飽和値)と、第2の透過率の低い第2のフィルタ出力の測定範囲の(最小値)とがラップするような透過率とし、前記第1のフィルタ出力が飽和している場合には、前記第2のフィルタ出力から、前記第1の透過率と前記第2の透過率との比率から、前記第1のフィルタ出力に換算した露光時間の補正ゲインを求め、一回の制御周期(測定周期)で入力光量を検知し、次の制御周期で第1のフィルタの露光時間を更新するようにしたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1のCCDカメラを使用した測定装置の構成図。
【図2】実施例1のAGC回路部の構成図。
【図3】カメラフィルタの分光特性図。
【図4】実施例1のカメラのフィルタ出力毎の測定範囲を説明する図。
【図5】実施例1のAGC動作を説明するフローチャート。
【図6】実施例1のAGC動作を説明するタイムチャート。
【図7】実施例1のAGC動作を説明するタイムチャート。
【図8】実施例1のAGC動作を説明するタイムチャート。
【図9】実施例1のAGC動作を説明するタイムチャート。
【図10】実施例2のカメラのフィルタ出力毎の測定範囲を説明する図。
【図11】実施例2のAGC動作を説明するフローチャート。
【図12】従来のCCDカメラのAGC動作を説明するタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0019】
図1乃至図9を参照して、実施例1のCCDカメラを使用した測定装置100について説明する。図1に示す測定装置100は、検出部1と、制御部2とを備える。検出部1は、被測定物3についての測定量を検出するためのCCDカメラ1aとレーザビーム等を照射する光源部1bとで構成され、検出部1は、予め測定量に応じた光学系が設定される。
【0020】
制御部2は、測定量を求めるための制御周期を設定する制御回路2aと、CCDカメラからのカメラ出力を記憶するメモリ2bと、予め設定される制御周期内で制御される露光時間でカメラ信号を安定化するAGC回路部2cと、記憶した安定化されたカメラ出力のカメラデータから測定量を求める演算部2dとを備える。
【0021】
CCDカメラ1aを備えた測定装置100は、検出器1の光学条件の設定と、制御部2で実行する演算アルゴリズムとが、求める測定量により変わるが、CCDカメラからのカメラ出力を安定化するAGC回路部2cの露光時間の制御は同じ機能での対応が可能である。
【0022】
ここでは、測定量が距離で、鋼板との距離を求める距離測定装置を例にして、そのAGCの応答時間の短縮について説明する。
【0023】
図1において、距離測定装置100は、被測定物3の表面に対してレーザビームを照射する光源部1bと、当該レーザビームの反射光の位置を検出するラインスキャン形のCCDカメラ1aとを備える検出部1と、CCDカメラ1aのカメラ出力から被測定物3との距離を求める制御部2とを備える。
【0024】
また、制御部2は、CCDカメラ1aからのカメラ出力を記憶するメモリ2bと、記憶したカメラ出力のカメラデータと予め設定されるカメラ出力レベルの設定値とを比較して、カメラ出力が一定になるようにCCDカメラ1aの露光時間を制御するAGC回路部2cと、AGC回路部2cで制御されたカメラデータから測定量を求める演算部2dとを備える。
【0025】
次に、各部の詳細について説明する。CCDカメラ1aは、ラインスキャン形でRGB(赤、緑、青)フィルタの出力が同時に、独立に取り出せるカメラであって、RGBフィルタ、CCD素子とその周辺回路を含むCCD1a1と、CCD1a1の出力をデジタル信号に変換するADC1a2と、制御部2から送信される露光時間設定信号に基づき受光光量を調整する露光時間制御回路1a3と、を備える。
【0026】
また、光源部1bは、被測定物3の表面で所定のレーザビーム形状に成形するコリメータ等の光学系を含むレーザダイオード(LD)1b1と、その電源駆動回路1b2と、レーザダイオード1b1の出力光量を設定する出力設定回路1b3と、を備える。
【0027】
また、制御部2は、CCDカメラ1aからのRフィルタ、Gフィルタ、及びBフィルタのカメラ出力信号SR、G、を記憶するメモリ2bと、記憶したカメラ出力のカメラデータD、D、Dと予め設定されるカメラ出力レベルの設定値Vrとを比較して、カメラ出力が一定になるようにCCDカメラ1aの露光時間を制御するAGC回路部2cと、AGC回路部2cで制御されたカメラデータDから測定量を求める演算部2dとを備える。
【0028】
また、制御回路2aは、制御部2で求める測定量の制御周期信号Spを生成し、制御部2内の各部に供給するとともに、CCDカメラ1aからのカメラ出力信号をメモリ2bに転送するための制御を実行する。
【0029】
次に、図2、図3を参照してAGC系統の系に関する各部の詳細設定について説明する。レーザダイオード(LD)1b1で生成するレーザビームの波長のピーク値は、Rフィルタの透過率εが90%以上となる波長、例えば,650nmを発振できるものを選択する。このときのGフィルタ、Bフィルタの透過率εG、εは、図3に示すように5%程度である。
【0030】
AGC回路部2cの詳細構成は、メモリ2bからのカメラデータD、D、Dと予め設定される判定パラメータを判定パラメータ設定部2c2から読み出して、詳細を後述する露光時間を補正する補正ゲインαを図5に示す演算フローに基づき求める補正ゲイン演算部2c1と、前回の制御周期で設定されていた露光時間CTに補正ゲイン演算部2c1で求めた補正ゲインαを乗じて、更新された露光時間設定信号SCTを生成する露光時間演算部2c3と、被測定物3から反射される入力光量の条件から予め設定されるレーザ出力を指定するレーザ出力演算部2c4と、を備える。
【0031】
ここで、このように構成されたAGC回路部2cを用いた距離測定装置のAGCの動作原理について説明し、次に、その詳細動作を説明する。
【0032】
本実施例の動作原理は、入力光量の測定範囲を拡大するために、CCDカメラ1aの異なる透過率の2つのフィルタ出力を同時に使用し、最小入力光量を検出する透過率の高いフィルタ出力の測定範囲と、透過率の低いフィルタ出力の測定範囲とを組み合わせて測定範囲を拡大し、1つの制御周期(測定周期)で入力光量を検知し、次の制御周期で露光時間を変更して、透過率の高いフィルタの出力を測定範囲に制御するようにして、露光時間の更新時間を短縮するものである。
【0033】
この原理を上述したRGBの(カラー)フィルタを備えるCCDカメラ1aに適用した場合について、図4を参照して説明する。図4は縦軸に入力光量の強度を相対値で示し、Rフィルタの測定範囲Mと、Bフィルタの測定範囲Mとを矢印付直線でその範囲を示したものである。
【0034】
光源部1bのレーザビームの波長が650nmの場合、Rフィルタの透過率εとBフィルタの透過率εは、図3に示したように18倍(=ε/ε=90%/5%)であるので、図4に示すようにRフィルタの測定範囲の上限(100%)は、Bフィルタの下限(12%)に一致する。
【0035】
また、入力光量の最小値PminがRフィルタの20%相当で、この最小入力光量の200倍が最大値Pmaxだとすると、Bフィルタの上限値までは、入力光量を知ることが出来るが、これを超える入力光量に対しては、超えたか否かしか判別できないことを示している。
【0036】
また、Bフィルタの測定範囲内であれば、その入力光量をRフィルタの値に換算した入力光量として求めることが出来るので、Rフィルタの露光時間はBフィルタの入力光量を知ることで同時に求めることが出来る。
【0037】
尚、Rフィルタの入力光量の測定範囲Mは、検出器1の光学設定条件により予め設定されるもので、例えば、被測定物3の反射特性と受光可能な検出器1の光学系の明るさ(効率)を予め設定し、CCDカメラ1aの検出感度と測定値を求める制御周期とから、被測定物3から受光可能な入力光量の最小値と最大値を予測しておく。
【0038】
そして、最小の入力光量に対するレーザ出力とCCDカメラ1aの露光時間CTとを設定する。ここでは、入力光量の最小値Pminは、CCDカメラ1aのRフィルタの出力が雑音レベルの2倍以上の20%、また、最大値は、最小入力光量の200倍の、相対値で40と予測したものであるとする。
【0039】
次に、この様な原理に基づくAGC回路部2cの動作について、図5乃至図9を参照して説明する。図5は、AGC回路部2cの露光時間CTを更新するための補正ゲインαを求める演算動作をフロー図にしたものである。
【0040】
図5において、カメラデータD、Dは、夫々Rフィルタ、Bフィルタの出力を示し、そのカメラデータDR(B)の比較値が測定範囲Mの80%の場合には、DR80のように記述することにする。
【0041】
また、図5に示す設定値や判定パラメータは、図2に示す判定パラメータ設定部2c2に予め記憶しておく。
【0042】
先ず、露光時間演算部2c3、レーザ出力演算部2c4からCCDカメラ1aと光源部1bに対して、夫々、露光時間CTとレーザ出力の初期値が設定される(s1)。
【0043】
次に、メモリ2bからカメラデータD、Dを読み出し(s2)、カメラデータDが飽和しているか否かを判定する(s3)。飽和していないと判定された場合、さらにそのカメラデータが所定の設定値(制御目標値)の範囲内(DR80≧D≧DR70)にあるか否かを判定し(s4)、そうである場合には、露光時間を更新せず次の演算に入る(s4―Y)。
【0044】
範囲外(s4−N)と判定された場合には、設定値Vrに対する補正ゲインα1(=Vr/D)を求める(s5)。そして、求めた補正ゲインα1に対応する露光時間CT1(=CTi×α1、CTi=更新前の露光時間)を露光時間演算部2c3で求め、露光時間設定信号SCTをCCDカメラ1aに送る(s6)。
【0045】
次に、カメラデータDが飽和している(s3−Y)と判定された場合、カメラデータDが飽和しているか否かを判定する(s7)。カメラデータDが飽和していない場合、さらに、カメラデータDが測定範囲の下限値(例えば、カメラデータDの10%)以下であるか否かを判定し(s8)、そうでなければ(s8−N)、カメラデータDの値をカメラデータD換算して、カメラデータDに対する補正ゲインα2(=Vr/(D・ε/ε))を求める(s9)。
【0046】
さらに求めた補正ゲインα2に対応する露光時間CT2(=CTi×α2、CTi=更新前の露光時間)を露光時間演算部2c3で求め、露光時間設定信号SCTをCCDカメラ1aに送る(s6)。
【0047】
そうであれば(s8−Y)、即ち、カメラデータDが測定範囲の下限値以下であれば、この時のカメラデータDが測定範囲となる、予め設定される補正ゲインα3、例えば.1/2を選択して(s10)、選択した補正ゲインα2に対応する露光時間CT3(=CTi×α3、CTi=更新前の露光時間)を露光時間演算部2c3で求め、露光時間設定信号SCTをCCDカメラ1aに送り(s6)、さらに、更新された露光時間設定信号SCTでの制御周期におけるカメラデータDを確認して、設定値の範囲を超えていれば、次の制御周期で露光時間設定信号SCTを更新する(s3−s4−s5)。
【0048】
次に、カメラデータDが飽和している場合(s7−Y)、この時のカメラデータDが測定範囲となる、予め設定される補正ゲインα4、例えば、1/50を選択して(s11)、選択した補正ゲインα4に対応する露光時間CT4(=CTi×α4、CTi=更新前の露光時間)を露光時間演算部2c3で求め、露光時間設定信号SCTをCCDカメラ1aに送り(s6)、さらに、更新された露光時間設定信号SCTでの制御周期におけるカメラデータDを確認して、設定値の範囲を超えていれば、次の制御周期で露光時間設定信号SCTを更新する(s3−s4−s5)。
【0049】
選択した補正ゲインα3、α4は、ここでは、夫々1/2及び1/50を選択したが、カメラデータDが測定範囲の下限値、または、上限値を超えた場合、想定される入力光量がカメラデータDの範囲内となる値であれば、この値は何れでも良い。
【0050】
次に、図5のフローについて、4種の補正ゲインの演算動作の例について、そのタイムチャートを用いて説明する。図6は、CCDカメラ1aのRフィルタの出力が飽和していない場合の補正ゲインα1を求める場合の演算のタイムチャートである。
【0051】
制御周期SP0で検出したカメラデータは、次の制御周期SP1で読み出され、さらに、次の制御周期SP2でその補正ゲインα1を求め、制御周期の3倍を要して、更新された露光時間CT1でのカメラデータDR1が得られる様子を示しいている。
【0052】
また、この時のカメラデータDR0が図4に示し相対光量で30%である場合、設定値Vrが75%である場合、その補正ゲインα1は2.5となり、この入力光量が変らなければ、露光時間を補正されたカメラデータDR1出力は制御周期の3倍後に75%となる。
【0053】
また、図7は、CCDカメラ1aのRフィルタの出力が飽和した場合の補正ゲインα2を求める場合の演算のタイムチャートである。
【0054】
制御周期SP0で検出したカメラデータは、次の制御周期SP1で読み出され、さらに、次の制御周期SP2でその補正ゲインα2を求め、制御周期の3倍を要して、更新された露光時間CT1でのカメラデータDR2が得られる様子を示しいている。
【0055】
また、カメラデータDが図4に示し相対光量で540%である場合(s8、s9)、その補正ゲインα2は0.139となり、この入力光量が変らなければ、露光時間を補正されたカメラデータDR2出力は、制御周期の3倍後に75%となる。
【0056】
また、図8は、CCDカメラ1aのRフィルタの出力が飽和し、Bフィルタの出力が下限値いかとなった場合の補正ゲインα3、α1を求める場合の演算のタイムチャートである。
【0057】
制御周期SP0で検出したカメラデータは、次の制御周期SP1で読み出され、さらに、次の制御周期SP2でその補正ゲインα3を求め、制御周期の3倍を要して、更新された露光時間CT31でのカメラデータDR31が、さらに、カメラデータDR31は測定範囲に無いので、もう3倍の制御周期を要して、更新された露光時間CT32で補正されたカメラデータDR32が得られる様子を示しいている。
【0058】
この場合のカメラデータD図4に示した相対光量で100%、カメラデータDが相対光量で5.6%である場合(s8、s10)、その補正ゲインα3は0.5となり、この入力光量が変らなければ、さらに、露光時間CT31を露光時間CT32に更新し、補正されたカメラデータDR32を制御周期の6倍を要した後に得ることができる。
【0059】
また、図9は、CCDカメラ1aのRフィルタの出力が飽和し、さらにBフィルタの出力が飽和した場合の補正ゲインα4、α1を求める場合の演算のタイムチャートである。
【0060】
制御周期SP0で検出したカメラデータは、次の制御周期SP1で読み出され、さらに、次の制御周期SP2でその補正ゲインα4を求め、制御周期の3倍を要して、更新された露光時間CT41でのカメラデータDR41が、さらに、カメラデータDR41が測定範囲に無いので、もう3倍の制御周期を要して、更新された露光時間CT42で補正されたカメラデータDR42が得られる様子を示しいている。
【0061】
この場合のカメラデータDは、図4に示した相対光量で1800%、カメラデータDが相対光量で100%である場合(s8、s11)、その補正ゲインα4は0.02となり、この入力光量が変らなければ、さらに、露光時間CT41を露光時間CT42に更新して、補正されたカメラデータDR42を制御周期の6倍を要した後に得ることが出来る。
【0062】
尚、本実施例では、異なる透過率の一方のフィルタとしてBフィルタを選択して説明したが、Gフィルタを使用しても選択したレーザビームの波長が650nmの場合には、同様の効果が得られる。
【0063】
以上説明したように、本実施例によれば、入力光量の測定範囲を拡大するために、CCDカメラ1aの異なる透過率の2つのフィルタ出力を同時に使用し、入力光量の最小値を検出する透過率の高いフィルタ出力の測定範囲と、透過率の低いフィルタ出力の測定範囲とを組み合わせて測定範囲を拡大し、1つの制御周期で入力光量を検知し、次の制御周期で透過率の高いフィルタ出力の露光時間を更新しているので、入力光量の変化範囲が大きくても露光時間の更新を早くすることが出来る。
【0064】
即ち、本実施例によれば、予め設定された制御周期における蓄積時間において、CCDカメラの飽和露光量を超える過大な入力光量に対して、最短時間で測定可能なCCDカメラ信号を得ることが可能な測定装置、及びその応答時間の短縮方法を提供することができる。
【実施例2】
【0065】
図10、図11を参照して、実施例2について説明する。実施例2について、実施例1と同一部分は同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
実施例2が実施例1と異なる点は、実施例1においては、入力光量の測定範囲を拡大するためのフィルタとして、RGBのカラーフィルタを使用したが、実施例2ではRGBのカラーフィルタに変えて、分光透過率が平坦な3種の異なる透過率のニュートラルデンシティフィルタ、フィルタND0、ND1,ND2を使用するようにした点が異なる。
【0067】
詳細には、図10に示すように、CCDカメラ1aは、ラインスキャン形の複数の異なる透過率のNDフィルタ毎の出力を得られるカメラとし、NDフィルタは、透過率εND0のフィルタND0、透過率εND1のフィルタND1、透過率εND2のフィルタND2で構成し、且つ、夫々の透過率の大きさは、εND0>εND1>εND2、且つ、フィルタND0の測定範囲の最大値(飽和値)とフィルタのND1の測定範囲の下限値、また、フィルタND1の測定範囲の最大値とフィルタND2の測定範囲の下限値とが夫々ラップするような透過率とする。
【0068】
例えば、透過率の大きさは、εND0=1.0、εND1=1/8、εND2=1/8の値を選択したとすると、フィルタND0では、減光することなく入力光の最小値を受光できる。また、フィルタ間の測定範囲のラップ量は、各フィルタでの測定範囲を最大値100%〜最小値10%とすると、フィルタND0の測定範囲の最大値とフィルタND1の測定範囲の下限値、フィルタND1の測定範囲の最大値とフィルタND2の測定範囲の下限値の夫々のラップ長は2%となり、3つのフィルタで入力光量(相対地)の測定範囲を0.2〜64間で拡大可能である。
【0069】
このように構成されたCCDカメラ1aの設定条件によれば、図11に示すように、入力光量の変化が320倍(=64/0.2)あった場合でもいずれかのフィルタの出力からその値が検知出来るので、AGC回路部2cでの補正ゲインの演算は、3種類で、且つ補正ゲインの演算は一回の制御周期のみで可能となる。
【0070】
以下そのAGC回路部2cの制御動作を、図11の補正ゲインを求める演算フローを参照して説明する。図11において、カメラデータD、D、D、は、夫々メモリ2bから読み出した、フィルタND0、フィルタND1,フィルタND2の出力を示し、そのカメラデータD0(〜2)の比較値が測定範囲MND0の80%の場合には、D080のように記述することにする。
【0071】
また、図11に示す設定値や判定パラメータは、図2に示す判定パラメータ設定部2c2に予め記憶しておく。
【0072】
先ず、露光時間演算部2c3、レーザ出力演算部2c4からCCDカメラ1aと光源部1bに対して、露光時間CTとレーザ出力の初期値とが夫々設定される(s1)。
【0073】
次に、メモリ2bからカメラデータD、D、Dを読み出し(s2)、カメラデータDが飽和しているか否かを判定する(s3)。飽和していないと判定された場合、さらにそのカメラデータが所定の設定値Vr(制御目標値)の範囲内(D080≧D≧D070)にあるか否かを判定し(s4)、そうである場合には、露光時間を更新せず次の演算に入る(s4―Y)。
【0074】
範囲外(s4−N)と判定された場合には、AGC回路部2c1は、カメラ出力レベルの設定値VrとNDフィルタの出力Dとの比率を求め補正ゲインα11(=Vr/D)を求め、さらに、求めた補正ゲインα11に対応する露光時間CT11(=CTi×α11)を求め、補正前の露光時間CTiを露光時間CT11に更新する(s6)。
【0075】
フィルタND0のカメラ出力が飽和している場合、さらに、フィルタND1のカメラ出力の飽和・不飽和を判定し(s7)、フィルタND1のカメラ出力が不飽和の場合、フィルタND1のカメラ出力Dに対して、設定値VrとフィルタND0の出力Dとの比率(εND0/εND1)から、補正ゲインα12(=Vr/(D・εND0/εND1))を求め、さらに、求めた補正ゲインα12に対応する露光時間CT12(=CTi×α12)を求め(s8)、補正前の露光時間CTiを前記露光時間CT12に更新する(s6)。
【0076】
また、フィルタND1のカメラ出力が飽和している場合、フィルタND2のカメラ出力Dに対して、設定値Vrと、フィルタND0の出力Dとの比率(εND0/εND2)から補正ゲインα13(=Vr/(D・εND0/εND2))を求める(s9)。
【0077】
さらに、求めた補正ゲインα13に対応する露光時間CT13(=CTi×α13)を求め、補正前の露光時間CTiを露光時間CT13に更新する(s6)。
【0078】
即ち、CCDカメラのフィルタND0のカメラ出力を飽和させるような過大な入力光量があった場合、その程度をフィルタND1のカメラ出力、またはフィルタND2のカメラ出力からフィルタND0に対する補正ゲインを求め、一回の蓄積時間の変更で測定が可能となるので、入力光量の測定範囲が大きく急変する場合でも、応答時間が短縮できる。
【0079】
尚、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明と均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1 検出部
1a CCDカメラ
1a1 CCD
1a2 ADC
1a3 露光制御回路
1b 光源部
1b1 LD
1b2 電源駆動回路
1b3 出力設定回路
2 制御部
2a 制御回路
2b メモリ
2c AGC回路
2c1 補正ゲイン演算部
2c2 判定パラメータ設定部
2c3 露光時間演算部
2c4 レーザ出力演算部
2d 演算部
3 被測定物
100 測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物の表面に対してレーザビームを照射する光源部と、当該レーザビームの反射光を検出するラインスキャン形のCCDカメラとを備える検出部と、前記CCDカメラの出力から当該測定物の形状等の測定量を求める制御部とを備える測定装置であって、
前記制御部は、前記CCDカメラからのカメラ出力信号を記憶するメモリと、記憶した前記カメラ出力信号のカメラデータと予め設定されるカメラ出力レベルの設定値とを比較して、当該カメラ出力が一定になるように前記CCDカメラの露光時間を制御するAGC回路部と、前記AGC回路部で制御された前記CCDデータから前記測定量を求める演算部と、
を備え、
前記CCDカメラは、ラインスキャン形の複数の異なる透過率のNDフィルタ毎の出力を得られるカメラとし、前記NDフィルタは、透過率εND0の第1のNDフィルタ、透過率εND1の第2のNDフィルタ、透過率εND2の第3のNDフィルタで構成され、
前記透過率の大きさは、εND0>εND1>εND2、且つ、前記第1のNDフィルタのカメラ出力の飽和値(上限値)と前記第2のNDフィルタの測定範囲の下限値、また、前記第2のNDフィルタの飽和値と前記第3のNDフィルタの測定範囲の下限値とが夫々ラップするような透過率とし、
前記AGC回路部は、前記第1のNDフィルタのカメラ出力が飽和しているか否かを判定し、不飽和の場合、前記カメラ出力レベルの設定値Vrと当該第1のNDフィルタの出力Dとの比率を求め第1の補正ゲインα1を求め、さらに、求めた第1の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間に更新し、
前記第1のNDフィルタのカメラ出力が飽和している場合、さらに、前記第2のNDフィルタのカメラ出力の飽和・不飽和を判定し、前記第2のNDフィルタのカメラ出力が不飽和の場合、当該第2のNDフィルタ2カメラ出力Dに対して、前記設定値と、前記第1のNDフィルタの出力Dとの比率から第2の補正ゲインを求め、さらに、求めた第2の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間に更新し、
前記第2のNDフィルタのカメラ出力が飽和している場合、当該第3のNDフィルタのカメラ出力Dに対して、前記設定値Vrと、前記第1のNDフィルタの出力との比率から第3の補正ゲインを求め、さらに、求めた第3の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間に更新し、前記CCDカメラの前記第1のNDフィルタのカメラ出力を飽和させるような過大な入力光量があった場合、その程度を前記第2のNDフィルタのカメラ出力、または前記第3のNDフィルタのカメラ出力から前記第1のNDフィルタに対する補正ゲインを求め、一回の蓄積時間の変更で測定が可能となるようにしたことを特徴とするCCDカメラを使用した測定装置。
【請求項2】
被測定物の表面に対してレーザビームを照射する光源部と、当該レーザビームの反射光の位置を検出するラインスキャン形のCCDカメラとを備える検出部と、前記CCDカメラの出力から当該測定物の形状等の測定量を求める制御部とを備える測定装置であって、
前記制御部は、前記CCDカメラからのカメラ出力信号を記憶するメモリと、記憶した前記カメラ出力信号のカメラデータと予め設定されるカメラ出力レベルの設定値とを比較して、当該カメラ出力が一定になるように前記CCDカメラの露光時間を制御するAGC回路部と、前記AGC回路部で制御された前記CCDカメラから測定量を求める演算部と、
を備え、
前記CCDカメラは、ラインスキャン形のRGBフィルタを備えるカラーカメラとし、
前記レーザビームの波長のピーク値は、前記Rフィルタの透過率εが90%以上となる波長を選択し、
前記AGC回路部は、前記Rフィルタのカメラ出力が飽和しているか否かを判定し、不飽和の場合、前記カメラ出力設定値Vrと当該Rフィルタの出力Dの比率を求め第1の補正ゲインとし、さらに、求めた第1の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間に更新し、
前記Rフィルタのカメラ出力が飽和している場合、さらに、前記Bフィルタのカメラ出力の飽和・不飽和を判定し、前記Bフィルタのカメラ出力が不飽和、且つ、測定範囲の下限値以下の場合、当該Bフィルタのカメラ出力に対して、前記設定値と、前記Bフィルタと前記Rフィルタの透過率の比率を乗じた値を求めて第2の補正ゲインを求め、さらに、求めた第2の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間に更新し、
不飽和、且つ、測定範囲にある場合、Rフィルタのカメラ出力に換算した場合に測定範囲の出力レベルとなる予め設定する第3の補正ゲインを選択し、当該第3の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間更新し、
前記Bフィルタのカメラ出力が飽和している場合、Rフィルタのカメラ出力に換算した場合に測定領域となる予め設定する第4の補正ゲインを選択し、当該第4の補正ゲインに対応する露光時間を求め、補正前の露光時間を前記露光時間に更新し、
前記CCDカメラの入力光量が、前記Rフィルタのカメラ出力を飽和させるような過大な入力の場合、前記Bフィルタのカメラ出力に対して、前記Bフィルタと前記Rフィルタの透過率の比率から前記第1〜第4の補正ゲインを求め、前記Rフィルタのカメラ出力が予め設定した設定値となるような露光時間求めるようにしたことを特徴とするCCDカメラを使用した測定装置。
【請求項3】
前記Bフィルタの出力に変えて、Gフィルタの出力とした請求項2に記載のCCDカメラを使用した測定装置。
【請求項4】
CCDカメラを使用した測定装置の応答時間の短縮方法であって、
前記CCDカメラは、異なる透過率の2つ以上のフィルタ出力を同時に使用し、
入力光量の最小値を検出する第1の透過率の大きいフィルタ出力の測定範囲の最大値(飽和値)と、第2の透過率の低い第2のフィルタ出力の測定範囲の(最小値)とがラップするような透過率とし、
前記第1のフィルタ出力が飽和している場合には、前記第2のフィルタ出力から、前記第1の透過率と前記第2の透過率との比率から、前記第1のフィルタ出力に換算した露光時間の補正ゲインを求め、
一回の制御周期(測定周期)で入力光量を検知し、次の制御周期で第1のフィルタの露光時間を更新するようにしたことを特徴とするCCDカメラを使用した測定装置の応答時間の短縮方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−220207(P2012−220207A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82947(P2011−82947)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】