説明

CETP阻害剤としてのベンジルアミン誘導体

本発明は、式(I):
【化1】


の化合物を提供し、該化合物はCETPの阻害剤であり、したがってCETPが介在する、または、CETPの阻害に応答する障害または疾患の処置のために使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I):
【化1】

〔式中、
XおよびYは、独立して、CHまたはNであり;
Vは、CまたはNであり、ただし、VがNであるとき、Rは水素であり;
は、それぞれが所望により、1個から3個のアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、カルボキシ、チオール、シアノ、HSO−、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルコキシカルボニル、カルバムイミドイル、アルキル−S−、アルキル−SO−、アルキル−SO−、アミノ、HN−SO−、アルカノイル、ヘテロシクリルから選択される置換基で置換されている、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール、アルコキシカルボニル、アルカノイルまたはアルキルであり;
は、水素、アルキル、ハロゲン、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル−、アリール、アルコキシまたは(R)(R)N−であり;
ここで、RおよびRは、独立して、それぞれが所望により、1個から3個のアルキル、アルカノイル、ヒドロキシ、アルコキシまたはハロゲンから選択される置換基により置換されている、アルキル、シクロアルキル、アルカノイル、シクロアルキル−C(O)−またはR−アルキル−であり;
ここで、Rは、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはR10−C(O)−であり;
ここで、R10は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ヘテロシクリル、(R)(R)N−またはシクロアルキルであり;
ここで、RおよびRは、アルキル、シクロアルキル、アルカノイルまたはシクロアルキル−C(O)−であり、
およびRは、それらが結合している窒素と一体となって、所望により、3員から8員環を形成するか;または、
は、所望により、1個から3個のアルキル、ヒドロキシ、アリール、アリール−アルキル−、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロゲン、カルボキシ、アミド、SONH−、アルキル−SO−NH−、アルキル−NH−SO−またはR10−C(O)−から選択される置換基により置換されているヘテロシクリルであり、ここで、R10は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ヘテロシクリル、(R)(R)N−またはシクロアルキルであり;
は、それぞれが所望により、1個から2個のハロゲン、アルキル、アルコキシまたはアルキル−SO−から選択される置換基により置換されている、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、それぞれが、1個から2個のハロゲン、アルキル、アルコキシまたはアルキル−SO−から選択される置換基により置換されている、置換アリールまたはヘテロアリールであるか;または、
およびRは、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロシクリル、アルキル−S−、アルキル−SO−、アリールオキシ、シアノ、ニトロ、HO−C(O)−またはヒドロキシであるか;または、
およびRは、独立して、(R11)(R12)N−C(O)−、(R13)(R14)N−であり、ここで、R11およびR12は、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアリール−アルキル−であり;R13およびR14は、独立して、水素、アルキル、アルキル−C(O)−またはアルキル−SO−であり;
13およびR14は、それらが結合している窒素と一体となって、所望により、3員から8員環を形成し;
およびRは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシまたはアルコキシであるか;または、
は、アリールまたはヘテロアリールである〕
で示される新規化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【発明の概要】
【0002】
1つの態様において、本発明は、
XおよびYが、独立して、CHまたはNであり;
VがCまたはNであり、ただし、VがNであるとき、R4が水素であり;
が、それぞれが所望により、1個の(C−C)アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、カルボキシ、チオール、シアノ、HSO−、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、カルバムイミドイル、(C−C)アルキル−S−、(C−C)アルキル−SO−、(C−C)アルキル−SO−、アミノ、HN−SO−、(C−C)アルカノイル、(5−9)−員ヘテロシクリルから選択される置換基で置換されている、(5−9)員ヘテロアリール、(5−9)員ヘテロシクリル、(C−C10)アリールまたは(C−C)アルキルであり;
が、水素、(C−C)アルキル、ハロゲン、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルコキシ、(5−9)員ヘテロシクリルまたは(R)(R)N−であり、ここで、RおよびRが、独立して、(C−C)アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、(C−C)アルキル−C(O)−、(C−C)シクロアルキル−C(O)−またはR−(C−C)アルキル−であり、ここで、Rが(C−C)シクロアルキル、(C−C10)アリール、(5−9)員ヘテロシクリルまたはR10−C(O)−であり、ここで、R10が(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルキル、(5−9)員ヘテロシクリル、(R)(R)N−、ヒドロキシまたは水素であり;
ここで、RおよびRが、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルカノイル、(C−C)シクロアルキル−C(O)−であり、
およびRが、それらが結合している窒素と一体となって、所望により3員から8員環を形成するか;または
が、所望により、1個から2個の(C−C)アルキル、ヒドロキシ、(C−C10)アリール、(C−C10)アリール−(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、(5−9)員ヘテロアリール、カルボキシ、アミド、SO−NH−、(C−C)アルキル−SO−NH−、(C−C)アルキル−NH−SO−、ハロゲンまたはR10−C(O)−から選択される置換基により置換されている(5−9)員ヘテロシクリルであり、ここで、R10が(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルキル、ヒドロキシまたは水素であり;
が、それぞれが所望により、1個から2個のハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシまたは(C−C)アルキル−SO−から選択される置換基により置換されている、(C−C10)アリールまたは(5−9)員ヘテロアリールであり;
が、それぞれが所望により、1個から2個のハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシまたは(C−C)アルキル−SO−から選択される置換基により置換されている、置換(C−C10)アリールまたは(5−9)−員ヘテロアリールであるか;または、
およびRが、独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、(5−9)員ヘテロシクリル、(C−C)アルキル−S−、(C−C)アルキル−SO−、(C−C10)アリールオキシ、シアノ、ニトロ、HO−C(O)−またはヒドロキシであるか;または、
およびRが、独立して、(R10)(R11)N−C(O)−、(R12)(R13)N−であり、ここで、R10およびR11が、独立して、水素または(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C10)アリール−(C−C)アルキル−であり;R12およびR13が、独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−C(O)−または(C−C)アルキル−SO−であり;
12およびR13が、それらが結合している窒素と一体となって、所望により3員から8員環を形成し;
およびRが、独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシまたは(C−C)アルコキシであるか;または、
が、(C−C10)アリールまたは(5−9)員ヘテロアリールである、
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0003】
本明細書を解釈する目的のために、下記定義を適当なときはいつでも適用でき、単数形で使用されている用語は複数形も含み、逆も同様である。
【0004】
本明細書で使用される、“アルキル”なる用語は完全飽和分岐または非分岐炭化水素部分を意味する。好ましくは、アルキルは1個から20個の炭素原子、より好ましくは1個から16個の炭素原子、1個から10個の炭素原子、1個から7個の炭素原子または1個から4個の炭素原子を含む。アルキルの代表例は、限定はしないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどを含む。アルキル基が1個以上の不飽和結合を含むとき、それはアルケニル(二重結合)またはアルキニル(三重結合)基を意味することができる。
【0005】
“アリール”なる用語は、環部に6−20個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香族性炭化水素基を意味する。好ましくは、アリールは(C−C10)アリールである。非限定の例は、フェニル、ビフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチルを含み、これらそれぞれは、所望により1−4個のアルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アルキル−C(O)−O−、アリール−O−、ヘテロアリール−O−、アミノ、チオール、アルキル−S−、アリール−S−、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキル−O−C(O)−、カルバモイル、アルキル−S(O)−、スルホニル、スルホンアミド、ヘテロシクリルなどのような置換基により置換されていてもよく、ここで、Rが、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル−、ヘテロアリール−アルキル−などである。
【0006】
さらに、本明細書で使用される、“アリール”なる用語は、単一の芳香環、または一緒に縮合しているか、共有結合しているか、もしくはメチレンまたはエチレン部分のような共通の基に結合している複数の芳香環であり得る芳香族性置換基を意味する。共通の結合する基は、また、ベンゾフェノンなどでのカルボニル、またはジフェニルエーテルなどでの酸素またはジフェニルアミンなどでの窒素であり得る。
【0007】
本明細書で使用される、“アルコキシ”なる用語は、アルキル−O−を意味し、ここで、アルキルは上記に定義されている。アルコキシの典型的な例は、限定はしないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ−、シクロヘキシルオキシ−などを含む。好ましくは、アルコキシ基は、約1個−7個の、より好ましくは約1個−4個の炭素を有する。
【0008】
本明細書で使用される、“アシル”なる用語は、カルボニル官能性を介して親構造に結合している、直鎖、分岐鎖または環状配置またはそれらの組合せの1個から10個の炭素原子の基R−C(O)−を意味する。このような基は、飽和または不飽和、および、脂肪族または芳香族性であってよい。好ましくは、アシル残基のRは、アルキルまたはアルコキシまたはアリールまたはヘテロアリールである。また、好ましくは、アシル残基中の1個以上の炭素は、親構造への結合点がカルボニルを維持する限り、窒素、酸素または硫黄により置換され得る。例は、限定はしないが、アセチル、ベンゾイル、プロピオニル、イソブチリル、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含む。低級アシルは、1個から4個の炭素を含むアシルを意味する。
【0009】
本明細書で使用される、“アシルアミノ”なる用語は、アシル−NH−を意味し、ここで、“アシル”は本明細書に定義されている。
【0010】
本明細書で使用される、“カルバモイル”なる用語は、HNC(O)−、アルキル−NHC(O)−、(アルキル)NC(O)−、アリール−NHC(O)−、アルキル(アリール)−NC(O)−、ヘテロアリール−NHC(O)−、アルキル(ヘテロアリール)−NC(O)−、アリール−アルキル−NHC(O)−、アルキル(アリール−アルキル)−NC(O)−などを意味する。
【0011】
本明細書で使用される、“スルホニル”なる用語は、Rが水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、アリール−O−、ヘテロアリール−O−、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである、R−SO−を意味する。
【0012】
本明細書で使用される、“スルホンアミド”なる用語は、アルキル−S(O)−NH−、アリール−S(O)−NH−、アリール−アルキル−S(O)−NH−、ヘテロアリール−S(O)−NH−、ヘテロアリール−アルキル−S(O)−NH−、アルキル−S(O)−N(アルキル)−、アリール−S(O)−N(アルキル)−、アリール−アルキル−S(O)−N(アルキル)−、ヘテロアリール−S(O)−N(アルキル)−、ヘテロアリール−アルキル−S(O)−N(アルキル)−などを意味する。
【0013】
本明細書で使用される、“アルコキシカルボニル”なる用語は、アルコキシ−C(O)−を意味し、ここで、アルコキシは本明細書に定義されている。
本明細書で使用される、“アルカノイル”なる用語は、アルキル−C(O)−を意味し、ここで、アルキルは本明細書に定義されている。
本明細書で使用される、“アルケニル”なる用語は、2個から20個の炭素原子を有し、少なくとも1個の二重結合を有する直鎖または分岐鎖炭化水素基を意味する。アルケニル基は、好ましくは約2個から8個の炭素原子を含む。
本明細書で使用される、“アルケニルオキシ”なる用語は、アルケニル−O−を意味し、ここで、アルケニルは本明細書に定義されている。
本明細書で使用される、“シクロアルコキシ”なる用語は、シクロアルコキシ−O−を意味し、ここで、シクロアルキルは本明細書に定義されている。
本明細書で使用される、“カルバムイミドイル”なる用語は、HNC(NH)−を意味する。
【0014】
本明細書で使用される、“ヘテロシクリル”または“ヘテロシクロ”なる用語は、所望により置換された、完全飽和または不飽和の、芳香族性または非芳香族性環状基であって、例えば、少なくとも1つのヘテロ原子を少なくとも1つの炭素原子含有環に有する、4員から7員の単環式、7員から12員の二環式または10員から15員の三環式環状系を意味する。ヘテロ原子を含むヘテロ環基のそれぞれの環は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子(窒素および硫黄ヘテロ原子はまた、所望により酸化され得る)から選択される、1、2または3個のヘテロ原子を有し得る。ヘテロ環基はヘテロ原子または炭素原子で結合し得る。
【0015】
例示的な単環式ヘテロ環基は、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、トリアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、1,1,4−トリオキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イルなどを含む。
【0016】
例示的な二環式ヘテロ環基は、インドリル、ジヒドロインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアジニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、デカヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えば、フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]−ピリジニル]またはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドル−2−イル、ジヒドロキナゾリニル(例えば、3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル)、フタラジニルなどを含む。
【0017】
例示的な三環式ヘテロ環基は、カルバゾリル、ジベンゾアゼピニル、ジチエノアゼピニル、ベンズインドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、キサンテニル、カルボリニルなどを含む。
【0018】
“ヘテロシクリル”なる用語は、さらに1、2または3個の下記からなる群から選択される置換基で置換されている本明細書で定義のヘテロ環式基を意味する:
(a)アルキル;
(b)ヒドロキシ(または保護されたヒドロキシ);
(c)ハロ;
(d)オキソ、すなわち=O;
(e)アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ;
(f)アルコキシ;
(g)シクロアルキル;
(h)カルボキシ;
(i)ヘテロシクロオキシ(ここで、ヘテロシクロオキシは酸素架橋を介して結合しているヘテロ環式基を意味する);
(j)アルキル−O−C(O)−;
(k)メルカプト;
(l)ニトロ;
(m)シアノ;
(n)スルファモイルまたはスルホンアミド;
(o)アリール;
(p)アルキル−C(O)−O−;
(q)アリール−C(O)−O−;
(r)アリール−S−;
(s)アリールオキシ;
(t)アルキル−S−;
(u)ホルミル、すなわちHC(O)−;
(v)カルバモイル;
(w)アリール−アルキル−;および
(x)アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル−C(O)−NH−、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはハロゲンで置換されているアリール。
【0019】
本明細書で使用される、“シクロアルキル”なる用語は、3−12個の炭素原子の所望により置換されている飽和または不飽和単環式、二環式または三環式炭化水素基を意味し、これらそれぞれは1個以上のアルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル−C(O)−、アシルアミノ、カルバモイル、アルキル−NH−、(アルキル)N−、チオール、アルキルチオ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキル−O−C(O)−、スルホニル、スルホンアミド、スルファモイル、ヘテロシクリルなどのような置換基により置換されていてもよい。典型的な単環式炭化水素基は、限定はしないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルなどを含む。典型的な二環式炭化水素基はボルニル、インジル、ヘキサヒドロインジル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルなどを含む。典型的な三環式炭化水素基はアダマンチルなどを含む。
【0020】
本明細書で使用される、“スルファモイル”なる用語は、HNS(O)−、アルキル−NHS(O)−、(アルキル)NS(O)−、アリール−NHS(O)−、アルキル(アリール)−NS(O)−、(アリール)NS(O)−、ヘテロアリール−NHS(O)−、アラルキル−NHS(O)−、ヘテロアラルキル−NHS(O)−などを意味する。
【0021】
本明細書で使用される、“アリールオキシ”なる用語は、−O−アリールおよび−O−ヘテロアリール基の両方を意味し、ここで、アリールおよびヘテロアリールは本明細書で定義されている。
【0022】
本明細書で使用される、“ヘテロアリール”なる用語は、1個から8個のN、OまたはSから選択されるヘテロ原子を有する5−14員単環式−もしくは二環式−または縮合多環状−環系を意味する。好ましくは、ヘテロアリールは5−10員環系である。典型的なヘテロアリール基は、2−もしくは3−チエニル、2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−ピロリル、2−、4−もしくは5−イミダゾリル、3−、4−もしくは5−ピラゾリル、2−、4−もしくは5−チアゾリル、3−、4−もしくは5−イソチアゾリル、2−、4−もしくは5−オキサゾリル、3−、4−もしくは5−イソオキサゾリル、3−もしくは5−1,2,4−トリアゾリル、4−もしくは5−1,2、3−トリアゾリル、テトラゾリル、2−、3−もしくは4−ピリジル、3−もしくは4−ピリダジニル、3−、4−もしくは5−ピラジニル、2−ピラジニル、2−、4−もしくは5−ピリミジニルを含む。
【0023】
“ヘテロアリール”なる用語は、またヘテロ芳香環が1個以上のアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環に縮合し、ラジカルまたは結合点がヘテロ芳香環上である基を意味する。非限定例は、限定はしないが、1−、2−、3−、5−、6−、7−、もしくは8−インドリジニル、1−、3−、4−、5−、6−もしくは7−イソインドリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インドリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インダゾリル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−プリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−もしくは9−キノリジニル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリニル、1−、4−、5−、6−、7−もしくは8−フタラジニル、2−、3−、4−、5−もしくは6−ナフチリジニル、2−、3−、5−、6−、7−もしくは8−キナゾリニル、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリニル、2−、4−、6−もしくは7−プテリジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−4aHカルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−カルバゾリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−カルボリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−もしくは10−フェナントリジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−アクリジニル、1−、2−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−ペリミジニル、2−、3−、4−、5−、6−、8−、9−もしくは10−フェナンスロリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−もしくは9−フェナジニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−もしくは10−フェノチアジニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−もしくは10−フェノキサジニル、2−、3−、4−、5−、6−もしくはl−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−もしくは10−ベンズイソキノリニル、2−、3−、4−もしくはチエノ[2,3−b]フラニル、2−、3−、5−、6−、7−、8−、9−、10−もしくは11−7H−ピラジノ[2,3−c]カルバゾリル,2−、3−、5−、6−もしくは7−2H−フロ[3,2−b]−ピラニル、2−、3−、4−、5−、7−もしくは8−5H−ピリド[2,3−d]−o−オキサジニル、1−、3−もしくは5−1H−ピラゾロ[4,3−d]−オキサゾリル、2−、4−もしくは54H−イミダゾ[4,5−d]チアゾリル、3−、5−もしくは8−ピラジノ[2,3−d]ピリダジニル、2−、3−、5−もしくは6−イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、1−、3−、6−、7−、8−もしくは9−フロ[3,4−c]シンノリニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、8−、9−、10もしくは11−4H−ピリド[2,3−c]カルバゾリル、2−、3−、6−もしくは7−イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジニル、7−ベンゾ[b]チエニル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾオキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾイミダゾリル、2−、4−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾリル、1−、2−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−ベンゾキサピニル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−ベンゾオキサジニル、1−、2−、3−、5−、6−、7−、8−、9−、10−もしくは11−1H−ピロロ[1,2−b][2]ベンザピニルを含む。典型的な縮合ヘテロアリール基は、限定はしないが、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリニル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インドリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾ[b]チエニル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾオキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾイミダゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾリルを含む。
【0024】
ヘテロアリール基は、単−、二−、三−または多環状、好ましくは単−、二−または三環式、より好ましくは単−または二環式であり得る。
本明細書で使用される、“ハロゲン”または“ハロ”なる用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0025】
本明細書で使用される、“ハロアルキル”なる用語は、1個以上の本明細書に定義のとおりのハロ基により置換されている、本明細書に定義されているアルキルを意味する。好ましくは、ハロアルキルは、パーハロアルキルを含む、モノハロアルキル、ジハロアルキルまたはポリハロアルキルであり得る。モノハロアルキルは、アルキル基内に1個のヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロを有することができる。ジハロアルキルおよびポリハロアルキル基は、アルキル基内に2個以上の同じ原子または異なるハロ基の組合せを有することができる。好ましくは、ポリハロアルキルは、12個まで、10個まで、または8個まで、または6個まで、または4個まで、または3個まで、または2個までのハロ基を含む。ハロアルキルの非限定的な例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルを含む。パーハロアルキルは、全ての水素原子をハロ原子で置換されているアルキルを意味する。
【0026】
本明細書で使用される、“異性体”なる用語は、同じ分子式を有する異なる化合物を意味する。また、本明細書で使用される、“光学異性体”なる用語は、得られる本発明の化合物に対して存在し得る様々な立体異性の立体配置を意味し、幾何異性体を含む。置換基はキラル中心の炭素原子に結合すると理解される。したがって、本発明は化合物のエナンチオマー、ジアステレオ異性体またはラセミ体を含む。“エナンチオマー”は、互いの鏡像を重ね合わせることができない一対の立体異性体である。1:1の一対のエナンチオマーの混合物が“ラセミ体”混合物である。該用語は適当なときラセミ混合物を示すために使用する。“ジアステレオ異性体”は少なくとも2個の不斉原子を有し、互いの鏡像を重ね合わせることができない立体異性体である。絶対立体化学はCahn−lngold−Prelog R−S系にしたがって特定される。化合物が、純粋なエナンチオマーであるとき、それぞれのキラル炭素での立体化学は、RまたはSのいずれかによって特定され得る。絶対的立体配置が未知である分離された化合物は、ナトリウムD線波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)に依存して、(+)または(−)と示すことができる。本明細書に記載されている特定の化合物は、1個以上の不斉中心を含み、したがって、絶対立体化学の用語において、エナンチオマー、ジアステレオマー、および(R)−または(S)−として定義され得る他の立体異性体形態を生じ得る。本発明は、全てのこのような可能性のある異性体(ラセミ混合物、光学的に純粋な形態および中間的混合物を含む)を含むことを意味する。光学的に活性な(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製できるか、または慣用の技術を使用して分離できる。化合物が二重結合を含むとき、置換基はEまたはZ立体配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含むとき、シクロアルキル置換基はシス−またはトランス−立体配置を有し得る。すべての互変異性体形態が、また含むことを意図する。
【0027】
本明細書で使用される、“薬学的に許容される塩”なる用語は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持する塩であり、生物学的にもその他でも有害でない塩を意味する。塩の非制限的な例は、本発明の化合物の非毒性、無機および有機塩基または酸付加塩を含む。多くの場合、本発明の化合物は、アミノおよび/もしくはカルボキシル基またはそれらに類似の基の存在により、酸および/または塩基との塩を形成できる。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸とで形成できる。塩を誘導し得る無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。塩を誘導し得る有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基で形成できる。塩を誘導し得る無機塩基は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含み;特に好ましくは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。塩を誘導し得る有機塩基は、例えば、一級、二級および三級アミン、天然に存在する置換されているアミンを含む置換されているアミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などを含み、具体的には、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンである。本発明の薬学的に許容される塩は、慣用の化学方法により親化合物、塩基性または酸性部分から合成できる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸形態と化学量論量の適当な塩基(例えば、水酸化、炭酸または重炭酸Na、Ca、MgまたはKなど)を反応させることによるか、またはこれらの化合物の遊離塩基形態と化学量論量の適当な酸を反応させることにより製造できる。このような反応は、一般的に水もしくは有機溶媒または2つの混合物中で実施する。一般に、実施できるとき、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。さらなる適当な塩の一覧は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985)(出典明示により本明細書に包含させる)で見ることができる。
【0028】
本明細書で使用される、“薬学的に許容される担体”なる用語は、当業者に既知であるような、あらゆるすべての溶媒、分散媒体、コーティング剤、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、防腐剤、薬剤、安定化剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑剤、甘味剤、香味剤、色素、これらの複数の物質および組合せ(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289- 1329参照、出典明示により本明細書に包含させる)を含む。慣用の担体が活性成分と不適合である場合を除いて、治療または医薬組成物におけるその使用が考慮される。
【0029】
本発明の化合物の“治療有効量”なる用語は、対象の生物学的または薬学的応答を誘導するか、症状を改善するか、疾患の進行を減速もしくは遅延するか、または疾患を予防する等であろう本発明の化合物の量を意味する。好ましい態様において、“有効量”はCETPの発現または活性を阻害するか、または減少させる量を意味する。
【0030】
本明細書で使用される、“対象”なる用語は、動物を意味する。好ましくは、動物は哺乳動物である。対象は、また、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サカナ、トリなどを意味する。好ましい態様において、対象はヒトである。
【0031】
本明細書で使用される、“障害”または“疾患”なる用語は、なんらかの機能の混乱または異常;病的身体または精神状態を意味する。Dorland's Illustrated Medical Dictionary, (W.B. Saunders Co. 27th ed. 1988)参照。
【0032】
本明細書で使用される、“阻害”または“阻害する”なる用語は、得られる状態、症状もしくは障害もしくは疾患の減少または抑制、または生物学的活性もしくは処理の基準活性における有意な減少を意味する。好ましくは、状態または症状または障害または疾患は、CETP活性が介在するか、またはCETPの阻害に応答する。
【0033】
本明細書で使用される、すべての疾患または障害における“処置”または“処置する”なる用語は、1つの態様において、疾患または障害を改善する(すなわち、疾患またはその少なくとも1つの臨床症状の進行を阻止または減少する)ことを意味する。他の態様において、“処置”または“処置する”なる用語は、患者が認識していなくてもよい少なくとも1つの物理的パラメーターを改善することを意味する。さらなる他の態様において、“処置”または“処置する”は、物理的に(例えば、認識できる症状の安定)、生理学的に(例えば、物理的パラメーターの安定)のいずれか、または両方で、疾患または障害を調節することを意味する。他の態様において、“処置”または“処置する”なる用語は、発症または疾患もしくは障害の進行または発達の予防または遅延を意味する。
【0034】
本明細書で使用される、本発明において(とりわけ特許請求の範囲において)使用される単数表現および同様の用語は、本明細書に示されていないか、文脈で明らかな矛盾がない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈すべきである。本明細書の値の範囲の列挙は、単に範囲内の個々それぞれの値を示す簡略した方法として使用することを意図する。本明細書に記載のない限り、それぞれの個々の値は、個々に本明細書に示されているのと同程度に明細書に包含される。本明細書に記載されているすべての方法は、本明細書に示されているか、文脈で明らかな矛盾がない限り、任意の適当な順序で実施できる。本明細書で提供される、ありとあらゆる例または例示的用語(例えば“のような”)の使用は、単に本発明の理解をより容易にすることを意図し、他に請求されていない限り、特許請求の範囲を制限することを意図しない。明細書の用語は、本発明の実施に不可欠である請求されていない要素を示すと解釈すべきでない。
【0035】
本発明の化合物のすべての不斉炭素原子で(R)−、(S)−または(R,S)−立体配置、好ましくは(R)−または(S)−立体配置が存在できる。不飽和結合を有する原子での置換基は、可能なとき、シス−(Z)−またはトランス−(E)−形態で存在できる。したがって、本発明の化合物は、例えば、実質的に純粋な幾何(シスまたはトランス)異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体(アンチポード)、ラセミ体またはそれらの混合物またはそれらの混合物のような可能な異性体またはそれらの混合物の形態であり得る。
【0036】
すべての得られる異性体混合物を、成分の物理化学的差異に基づき、純粋な幾何または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別結晶により分離できる。
【0037】
最終産物または中間体の得られたすべてのラセミ体を、光学的なアンチポードに、既知の方法により、例えば、光学的に活性な酸または塩基化合物により得たそのジアステレオ異性体塩を分離し、該光学的に活性な酸または塩基化合物を遊離することにより分割できる。特に、したがって、イミダゾリル部分を、本発明の化合物をそれらの光学アンチポードに、例えば、光学的に活性な酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O’−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファー−10−スルホン酸で形成される塩の分別結晶により分割するために使用できる。ラセミ体産物も、キラルクロマトグラフィー、例えば、キラル吸着剤を使用した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、分割できる。
【0038】
最後に、本発明の化合物を、遊離形、それらの塩またはそれらのプロドラッグ誘導体のいずれかで得られる。
【0039】
塩基性基が本発明の化合物中に存在するとき、該化合物はその酸付加塩、特に、構造のイミダゾリル部分との酸付加塩、好ましくはその薬学的に許容される塩に変換され得る。これらは、無機酸または有機酸と形成される。適当な無機酸は、限定はしないが、塩酸、硫酸、リン酸または塩酸を含む。適当な有機酸は、限定はしないが、例えば、非置換またはハロゲンにより置換されている、例えば、(C)アルカンカルボン酸、例えば、飽和または不飽和ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸またはフマル酸、例えば、ヒドロキシカルボン酸、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸、例えば、アミノ酸、例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸、有機スルホン酸、例えば、(C−C)アルキルスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸;または非置換またはハロゲンにより置換されている、アリールスルホン酸を含む。好ましいのは、塩酸、メタンスルホン酸およびマレイン酸と形成される塩である。
【0040】
酸性基が本発明の化合物中に存在するとき、該化合物はその薬学的に許容される塩基との塩に変換され得る。このような塩は、ナトリウム、リチウムおよびカリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウムおよびマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;有機塩基とのアンモニウム塩、例えば、トリメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩およびN−メチル−D−グルカミン塩;アルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含む。塩は、有利にはエーテル性またはアルコール性溶媒、例えば、低級アルカノールの存在下で、慣用的方法を使用して形成され得る。後者の溶液から、塩をエーテル、例えばジエチルエーテルで沈澱させてもよい。得られた塩を、酸での処理により遊離化合物に変換し得る。これらまたは他の塩は、また、得られた化合物の精製のために使用され得る。
【0041】
塩基性基および酸性基の両方が同じ分子内に存在するとき、本発明の化合物は、また内部塩を形成し得る。
【0042】
本発明は、また、インビボで本発明の化合物に変化する本発明の化合物のプロドラッグを提供する。プロドラッグは、プロドラッグの対象への投与後、化学的にインビボで生理的作用、例えば、加水分解、代謝などを介して本発明の化合物に修飾される活性または不活性化合物である。プロドラッグの製造および使用に関する適合性および技術は当業者に既知である。プロドラッグは、概念的に生体前駆体プロドラッグおよび担体プロドラッグの2つの非限定的なカテゴリーに分けることができる。The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32 (Ed. Wermuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001)参照。一般に、生体前駆体プロドラッグは、不活性であるか、または対応する活性薬剤化合物と比較して低い活性を有し、1個以上の保護基を含み、そして代謝または加溶媒分解により活性型に変化する化合物である。活性薬剤型およびすべての放出代謝産物の両方は許容できる低い毒性であるべきである。一般的に、活性薬剤化合物の形成は下記型の1つである代謝過程または反応に関連する:
【0043】
1.酸化反応、例えば、アルコール、カルボニルおよび酸機能の酸化、脂肪族炭素のヒドロキシル化、脂環式炭素原子のヒドロキシル化、芳香族性炭素原子の酸化、炭素−炭素二重結合の酸化、窒素−含有官能基の酸化、シリコン、リン、ヒ素および硫黄の酸化、酸化N−脱アルキル化、酸化O−およびS−脱アルキル化、酸化脱アミノ化、ならびに他の酸化反応。
2.還元反応、例えば、カルボニル基の還元、アルコール基および炭素−炭素二重結合の還元、窒素−含有官能基の還元および他の還元反応。
3.酸化状態における変化しない反応、例えば、エステルおよびエーテルの加水分解、炭素−窒素一重結合の加水分解、非芳香族性ヘテロ環の加水分解、多重結合での水和および脱水、脱水反応による新たな原子結合、加水分解脱ハロゲン化、ハロゲン化水素分子の除去および他のこのような反応。
【0044】
担体プロドラッグは輸送部分を含む、例えば、吸収および/または作用部位への局所的輸送を改良する薬剤化合物である。このような担体プロドラッグに関して望ましくは、薬剤部分と輸送部分の結合が共有結合であり、プロドラッグが不活性または薬剤化合物より低い活性であり、そしてすべての放出輸送部分が許容できる非毒性である。輸送部分が吸収を増強することを意図するプロドラッグにおいて、一般的に輸送部分の放出は迅速であるべきである。他の場合、持続放出を提供する部分、例えば、特定のポリマーまたは他の部分、例えば、シクロデキストリンを利用することが望ましい、Cheng et al., US20040077595, application Ser. No. 10/656,838参照(出典明示により本明細書に包含させる)。このような担体プロドラッグは、しばしば、経口投与薬剤に対して有利である。担体プロドラッグは、例えば、1種以上の下記特性を改良するために使用できる:親油性の増加、薬理学的効果の持続時間の増加、部位特異性の増加、毒性および副作用の減少、および/または薬剤製剤の改良(例えば、安定性、水溶解性、望ましくない感覚刺激または生理学特性の抑制)。例えば、親油性はヒドロキシル基と親油性カルボン酸、またはカルボン酸基とアルコール、例えば、脂肪族アルコールのエステル化により増加できる。Wermuth, The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32, Ed. Werriuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001。
【0045】
典型的なプロドラッグは、例えば、遊離カルボン酸ならびにチオール、アルコールまたはフェノールのS−アシルおよびO−アシル(ここで、アシルは本明細書に定義のとおりの意味を有する)誘導体のエステルである。好ましくは、当分野で慣用に使用されている、生理学的条件下で加溶媒分解により親カルボン酸に変換できる薬学的に許容されるエステル誘導体、例えば、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、低級アルケニルエステル、ベンジルエステル、モノ−もしくはジ−置換低級アルキルエステル、例えば、ω−(アミノ、モノ−もしくはジ−低級アルキルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル)−低級アルキルエステル、α−(低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニルまたはジ−低級アルキルアミノカルボニル)−低級アルキルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチルエステルなどである。加えて、アミンはがエステラーゼによりインビボで開裂し遊離薬剤およびホルムアルデヒドを放出するアリールカルボニルオキシメチル置換誘導体でマスクされている(Bundgaard, J. Med. Chem. 2503 (1989))。さらに、酸性NH基を含む薬剤、例えば、イミダゾール、イミド、インドールなどが、N−アシルオキシメチル基でマスクされている(Bundgaard, Design of Prodrugs, Elsevier (1985))。ヒドロキシ基はエステルおよびエーテルでマスクされる。EP039,051(Sloan and Little)はマンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、その製造および使用を記載している。
【0046】
本化合物、その塩形態の化合物およびプロドラッグの間の密接な関係を考慮して、本発明の化合物は、適当および便利なとき、対応する本発明の化合物のプロドラッグも意味すると理解すべきである。
【0047】
さらに、それらの塩を含む本発明の化合物はまた、それらの水和物の形で得ることができるか、またはそれらの結晶化のために使用した他の溶媒を含んでいてよい。
【0048】
本発明の化合物は、価値ある薬理学的特性を有する。本発明の化合物は、コレステリールエステル転送タンパク質(CETP)に対する阻害剤として有用である。CETPは74KDのグリコペプチドであり、肝臓により分泌され、血漿中の様々なリポタンパク質間の脂質の転送を促進するための重要な働き手である。CETPの第1の機能は、リポタンパク質間のコレステリールエステル(CE)およびトリグリセリドの再配分である。Assmann, G et al., “HDL cholesterol and protective factors in atherosclerosis,” Circulation, 109: 1118-1114 (2004)参照。血漿中の多数のトリグリセリドはVLDLに由来し、多数のCEをレシチン:コレステロールアシルトランスフェラーゼにより触媒される反応において、HDL粒子で形成されるため、CETPの活性がトリグリセリドのVLDLからLDLおよびHDLへの正味の物質転送ならびにCEのHDLからVLDLおよびLDLへの正味の物質転送を生じる。したがって、CETPは、HDL−Cレベルを減少、LDL−コレステリル(LDL−C)レベルを増加およびHDLおよびLDL粒子サイズを減少させる可能性があり、CETPの阻害は、HDL−コレステリル(HDL−C)を上げるための治療的戦略であり、リポタンパク質プロファイルにおいて有利に影響し、そして心血管疾患の危険性を減少させる。したがって、CETP阻害剤としての本発明の化合物は、CETPが介在する、または、CETPの阻害に応答する障害または疾患の進行の遅延および/または処置するために有用である。本発明の化合物で処置できる障害、状態および疾患は、限定はしないが、脂質異常症、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、末梢血管障害、脂質異常症、高ベータリポタンパク血、低アルファリポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心疾患、冠状動脈性心臓病、冠動脈疾患、冠血管疾患、狭心症、虚血、心臓虚血、血栓症、心臓の梗塞、例えば、心筋梗塞、卒中、末梢血管障害、再かん流傷害、血管形成術再狭窄、高血圧、うっ血性心不全、糖尿病、例えば、II型糖尿病、糖尿病性血管合併症、肥満、感染症または住血吸虫属の胚形成卵または内毒素血症などを含む。
【0049】
さらに、本発明は、
−薬剤として使用するための上記本発明の化合物;
−CETPが介在する、または、CETPの阻害に応答する、障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための医薬組成物の製造のための上記本発明の化合物の使用
−脂質異常症、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、末梢血管障害、脂質異常症、高ベータリポタンパク血、低アルファリポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心疾患、冠状動脈性心臓病、冠動脈疾患、冠血管疾患、狭心症、虚血、心臓虚血、血栓症、心臓の梗塞、例えば、心筋梗塞、卒中、末梢血管障害、再かん流傷害、血管形成術再狭窄、高血圧、うっ血性心不全、糖尿病、例えば、II型糖尿病、糖尿病性血管合併症、肥満または内毒素血症などから選択される障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための医薬組成物の製造のための上記本発明の化合物の使用
を提供する。
【0050】
式(I)の化合物は下記の部に記載されている製造法により製造できる。
一般に、式(I)の化合物は、下記の一般製造法およびスキームにしたがって製造できる。
一般製造法A
【化2】

化合物A−5の合成は、市販の2−クロロ−ピリジン−3−カルバルデヒド(CAS:36404−88−3)から出発して、スキームAに示される製造法にしたがって実施できる。出発物質を適当な溶媒、例えば、トルエン中で塩基、例えば、KCOおよびNaCOを使用して適当に置換されたアミンと反応させ、化合物A−1を得る。得られた化合物A−1を適当な溶媒、例えば、MeOH中の還元剤、例えば、NaBHと反応させ、化合物A−2を得る。化合物A−2を次に、適当な溶媒、例えば、トルエン中でMsClおよび塩基、例えば、iPrEtNで処理後、適当な溶媒、例えば、DMF中で塩基、例えば、KOtBuを使用して適当に置換されたアミンと縮合し、化合物A−3を得る。化合物A−4をN−ハロゲノスクシンイミドによる化合物A−3のハロゲン化により得ることができる。
【0051】
化合物A−4を、適当な溶媒、例えば、トルエンおよびEtOH中で塩基、例えば、NaOtBuおよびNaCOの存在下で、Pd触媒とリガンド、例えば、Pd(PPh、PdCl(dppf)およびFibreCat(登録商標)1001(CAS:457645−05−5)を使用して、適当に置換されたボロン酸またはエステルとカップリングし、化合物A−5を得る。あるいは、化合物A−5を、上記反応と同様のPd介在カップリング反応を介して、化合物A−6ならびに対応する適当に置換されたハロ芳香族性およびヘテロ芳香族性誘導体から製造できる。
【0052】
一般製造法B
【化3】

化合物A−4を、適当な溶媒、例えば、トルエン中で塩基、例えば、NaOtBuの存在下で、Pd触媒とリガンド、例えば、Pd(dba)と2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル(CAS:224311−51−7)またはrac−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(CAS:98327−87−8)を使用して、適当に置換されたアミンおよびエステルとカップリングできる。
化合物A−4を、適当な溶媒、例えば、DMF中で塩基、例えば、EtNの存在下で、Pd触媒とリガンド、例えば、Pd(dba)とトリス(o−トリル)ホスフィン(CAS:6163−58−2)を使用して、適当に置換されたアルケンで、または、CuIおよび塩基、例えば、EtNおよびiPrNHの存在下で、Pd触媒とリガンド、例えば、PdCl(PPhおよびPd(PPhを使用して、適当に置換されたアルキンで変換できる。化合物A−4を、また、適当な溶媒、例えば、THF中でPd触媒、例えば、PdCl(dppf)を使用して、適当に置換されたグリニャール試薬でカップリングし、化合物A−5を得ることができる。
【0053】
一般製造法C
【化4】

上記スキームCに示すとおり、化合物A−4を適当な溶媒、例えば、DMF中でCuCNと反応させ、化合物C−1を得ることができる。得られた化合物C−1を適当な溶媒系、例えば、MeOH/HO中で塩基、例えば、LiOH、NaOHおよびKOHで加水分解し、化合物C−2を得ることができる。化合物C−2を次に、適当な溶媒、例えば、DMF中でヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールおよび塩基、例えば、EtNの存在下で、カップリング試薬、例えば、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを使用して、適当に置換されたアミンと縮合し、化合物A−5を得ることができる。
【0054】
一般製造法D
【化5】

化合物A−3をHSO中でHNO(発煙)で処理し、化合物D−1を得る。化合物D−1のニトロ基をH雰囲気下でPd触媒を使用して還元し、化合物D−2を得ることができる。得られた化合物D−2を次に、適当な溶媒、例えば、CHCl中で塩基、例えば、EtNの存在下で、適当に置換された酸クロライドまたはスルホニルクロライドと縮合し、化合物D−3またはA−5を得ることができる。化合物A−5を、適当な溶媒、例えば、DMF中で塩基、例えば、NaHの存在下で、適当に置換されたハロゲン化アルキルでの化合物D−3のアルキル化により得ることができる。
【0055】
一般製造法E
【化6】

化合物A−6を、適当な溶媒、例えば、CHCl中で酸化剤、例えば、Hを使用して、化合物E−1または化合物A−5に変換できる。化合物E−1のアルキル化を、適当な溶媒、例えば、アセトン中で塩基、例えば、KCOの存在下で、適当に置換されたハロゲン化アルキルで実施し、化合物A−5を得ることができる。化合物A−4を、Pd介在反応を介して、適当に置換されたチオールで化合物E−2または化合物A−5に変換できる。得られた化合物E−2を、適当な溶媒、例えば、CHCl中で酸化剤、例えば、m−CPBAと反応させ、化合物A−5を得る。
【0056】
得られたラセミ体およびジアステレオマー混合物を、成分の物理化学的差異に基づく既知の方法、例えば、分別結晶またはキラル固定相を使用するキラルクロマトグラフィーもしくはHPLC分離で、純粋な異性体またはラセミ体に分離できる。得られたラセミ体をさらに、既知の方法、例えば、適当な微生物の補助でキラル吸着剤でのクロマトグラフィーで光学的に活性な溶媒からの再結晶、例えば、キラルクラウンエーテルを使用して、包接化合物の形成を介する特異的な固定化酵素で、錯体であるエナンチオマーのみの開裂、または、例えば、塩基性の最終物質のラセミ体の光学的に活性な酸、例えば、カルボン酸、例えば、酒石酸またはリンゴ酸、またはスルホン酸、例えば、カンファースルホン酸との反応によるジアステレオマー塩への変換、および、この方法で得られたジアステレオマー混合物の、例えば、異なる溶解性に基づいて、所望のエナンチオマーが適当な薬剤の作用で遊離し得るジアステレオマーへの分離により、光学的なアンチポードに分割できる。さらに活性なエナンチオマーを有利に単離する。
【0057】
本明細書に記載の方法で本発明の化合物に変換する出発化合物および中間体において、存在するアミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基のような官能基は、所望により、調製用有機化学において一般的な慣用の保護基で保護する。保護されたアミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基は、緩和な条件下で、分子骨格が破壊されるかまたは他の望ましくない副次反応が起こることなく、遊離アミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基に変換できるものである。
【0058】
保護基を挿入する目的は、所望の化学的変換を行うために使用する条件下で、反応成分との望ましくない反応から官能基を守るためである。特定の反応のための保護基の必要性および選択は、当業者に既知であり、保護すべき官能基の性質(ヒドロキシ基、アミノ基など)、該置換基がその一部である分子の構造および安定性、および反応条件に依存する。
【0059】
これらの条件に合う既知の保護基それらの挿入および除去は、例えば、McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London, NY (1973);およびGreene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley and Sons, Inc., NY (1999)に記載されている。
【0060】
上記の反応は、標準法にしたがって、好ましくは試薬に不活性であり、それらの溶媒である希釈剤、触媒、縮合剤または他の試薬各々の存在下または非存在下および/または不活性雰囲気中、低温、室温または高温、好ましくは使用する溶媒の沸点または付近で、および大気圧または超大気圧で行う。好ましい溶媒、触媒および反応条件は、下記の説明的実施例に明示する。
【0061】
本発明は、さらに、任意の段階で得られる中間体生成物を出発物質として使用して残りの段階を行うか、または出発物質を反応条件下インサイチュで製造するか、または反応成分をその塩または光学的に純粋なアンチポードの形で使用する、本発明の方法のすべての変法を含む。
【0062】
本発明の化合物および中間体はまた一般的にそれ自体既知の方法にしたがい互いに変換できる。
【0063】
他の局面において、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。該医薬組成物は、例えば、経口投与、非経腸投与および経直腸投与などのような特定の投与形路に対して処方できる。加えて、本発明の医薬組成物は、カプセル、錠剤、丸薬、顆粒、粉末または坐薬を含む固体形態、または、溶液、懸濁液またはエマルジョンを含む液体形態で製造され得る。医薬組成物は、慣用の製薬工程、例えば滅菌に付す、および/または慣用の不活性希釈剤、平滑剤または緩衝剤、ならびにアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤などを含み得る。
【0064】
好ましくは、医薬組成物は、該活性成分を
a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;
b)滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤に関してはまた
c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;所望により
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または起沸性混合物;および/または
e)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤と一緒に含む錠剤およびゼラチンカプセルである。
錠剤は、当分野で既知の方法にしたがって、フィルムコーティングまたは腸溶コーティングのいずれかであってよい。
【0065】
経口投与用の適当な組成物は、有効量の錠剤、トローチ、水性もしくは油性懸濁液、分散粉末もしくは顆粒、エマルジョン、硬もしくは軟カプセル、またはシロップ剤またはエリキシル剤の形態の本発明の化合物を含む。経口使用用組成物は医薬組成物の製造のための当分野で既知のなんらかの方法で製造し、このような組成物は、薬学的に上品な口当たりの良い製剤を提供するために甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含み得る。錠剤は活性成分と錠剤の製造のために適当である非毒性の薬学的に許容される賦形剤を一緒に含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒剤および崩壊剤、例えば、コーンデンプン、またはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;および滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクを含む。錠剤は非被覆であるか、または胃腸管における分解および吸収を遅らせ、それにより長期間にわたって持続作用を提供するために既知の技術により被覆されている。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を使用できる。経口使用用製剤は、活性成分を不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合した硬ゼラチンカプセル、または、活性成分を水または油媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油と混合した軟ゼラチンカプセルとして保存できる。
【0066】
注射用組成物は、好ましくは水性等張性溶液または懸濁液であり、坐薬は有利には脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造する。該組成物は滅菌してよくおよび/または防腐剤、安定化剤、湿潤剤また乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤のような、アジュバントを含んでいてよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値のある物質を含んでいてよい。該組成物は、各々慣用の混合、造粒または被覆方法にしたがい製造し、約0.1−75%、好ましくは約1−50%の本活性成分を含む。
【0067】
経皮適用のための適当な組成物は、有効量の本発明の化合物と担体を含む。有利な担体は、宿主の皮膚を通した移動を助ける、吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、本化合物を所望により担体と共に含む貯蔵部、所望により、化合物を宿主の皮膚に制御されたおよび予定された速度で長期間にわたり送達するための速度制御バリア、および、皮膚にデバイスを固定させるための手段を含む、バンデージの形である。
【0068】
例えば、皮膚および眼への局所投与用の適当な組成物は、水性溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲルまたは、例えば、エアロゾルにより送達するスプレー製剤などを含む。このような局所送達系は、特に皮膚適用、例えば、皮膚癌の処置、例えば、日焼け止めクリーム、ローション、スプレーなどにおける予防使用に対して適当である。したがって、これらは特に化粧品を含む局所的使用に適当であり、当分野で既知の製剤である。このようなものは可溶化剤、安定化剤、張性増強剤、緩衝剤および防腐剤を含み得る。
【0069】
本発明は、さらに、水がいくつかの化合物の分解を促進するので、活性成分として本発明の化合物を含む無水医薬組成物および投与形態を提供する。例えば、水の添加(例えば、5%)が、長期の保存寿命または製剤の安定性のような特性を測定するための長期保存をシミュレートする方法として、広く医薬分野で受け入れられている。例えば、Jens T. Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 2d. Ed., Marcel Dekker, NY, N.Y., 1995, pp. 379-80参照。事実、水および加熱はいくつかの化合物の分解を加速する。したがって、製剤における水の効果は、水分および/または湿気が製造、処理、パッケージング、保存、出荷、および製剤の使用中に通常不可避であるため、重要な意味を有し得る。
【0070】
本発明の無水医薬組成物および投与形態は、無水または少ない低い水分を含む成分および少ない水分または少ない湿気条件を使用して製造できる。製造、パッケージング、および/または保存中に水分および/または湿気との実質的な接触が予想されるとき、ラクトースおよび一級または二級アミンを含む少なくとも1種の活性成分を含む医薬組成物および投与形態が好ましくは無水である。
【0071】
無水医薬組成物はその無水状態を維持するように製造および保存されるべきである。したがって、無水組成物は、好ましくは水への暴露を防止するため既知の物質を使用して、適当な形式的なキットに包含されるように包装される。適当な包装の例は、限定はしないが、密閉ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスター・パックおよびストリップ・パックを含む。
【0072】
本発明は、さらに、活性成分としての本発明の化合物が崩壊する割合を減少させる1種以上の薬剤を含む、医薬組成物および投与形態を提供する。本明細書で“安定剤”と称されるこのような薬剤は、限定はしないが、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、pH緩衝液または塩緩衝液などを含む。
【0073】
本発明は、同様に、式(I)、(IA)または(IB)の化合物各々またはその薬学的に許容される塩とさらなる活性成分の組合せに関する。
【0074】
組合せは、例えば:
(i)HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(ii)アンギオテンシンII受容体アンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩、
(iii)アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(iv)カルシウムチャネルブロッカーまたはその薬学的に許容される塩、
(v)アルドステロン合成酵素阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(vi)アルドステロンアンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩、
(vii)二重アンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(viii)エンドセリンアンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩、
(ix)レニン阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(x)利尿剤またはその薬学的に許容される塩、および、
(xi)ApoA−I模倣剤
からなる群から選択される活性成分と製造できる。
【0075】
アンギオテンシンII受容体アンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩は、アンギオテンシンII受容体のAT1−受容体サブタイプに結合するが、受容体の活性化を生じない活性成分であると理解する。AT受容体阻害の結果として、これらのアンタゴニストは、例えば、抗高血圧として、またはうっ血性心不全処置するために使用できる。
【0076】
AT受容体アンタゴニスト群は異なる構造特性を有する化合物を含み、本質的に好ましいのは非ペプチド化合物である。例えば、バルサルタン、ロサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、下記式の名称E−1477の化合物
【化7】

下記式の名称SC−52458の化合物
【化8】

および下記式の名称ZD−8731の化合物
【化9】

からなる群から選択される化合物、
または、それぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。
【0077】
好ましいAT−受容体アンタゴニストは、市販されている薬剤であり、もっとも好ましくはバルサルタンまたはその薬学的に許容される塩である。
HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤(□−ヒドロキシ−□−メチルグルタリル−コエンザイム−Aレダクターゼ阻害剤とも呼ばれる)は、血中のコレステロールを含む脂質濃度を低下するために使用できる活性薬剤であると理解する。
【0078】
HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤群は、異なる構造特性を有する化合物を含む。例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、コンパクチン、ダルバスタチン、ジヒドロコンパクチン、フルインドスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、メバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、シンバスタチンおよびベロスタチンからなる群から選択される化合物、またはそれぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。
【0079】
好ましいHMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤は、市販されている薬剤であり、もっとも好ましくはフルバスタチンおよびピタバスタチン、またはそれぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。
いわゆるACE−阻害剤(アンギオテンシン変換酵素阻害剤とも呼ばれる)でのアンギオテンシンIのアンギオテンシンIIへの酵素分解の妨害は、血圧の調節に対して成功した変法であり、したがって、また、うっ血性心不全の処置のために治療方法で利用できる。
【0080】
ACE阻害剤群は、異なる構造特性を有する化合物を含む。例えば、アラセプリル、ベナゼプリル、ベナゼプリレート、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モベルトプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリルおよびトランドラプリルからなる群から選択される化合物、またはそれぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。
好ましいACE阻害剤は、市販されている薬剤であり、もっとも好ましくはベナゼプリルおよびエナラプリルである。
【0081】
CCB群は、本質的にジヒドロピリジン(DHP)および非DHP、例えば、ジルチアゼム型およびベラパミル型のCCBを含む。
該組合せにおいて有用であるCCBは、好ましくは、アムロジピン、フェロジピン、リョシジン、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピンおよびニバルジピンからなる群から選択される典型的なDHP、好ましくはフルナジリン、プレニラミン、ジルチアゼム、フェンジリン、ガルパミル、ミベフラジル、アニパミル、ティアパミルおよびベラパミルからなる群から選択される典型的な非DHP化合物、およびそれぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。全てのこれらのCCBが、例えば、抗高血圧、抗狭心症または抗不整脈剤として、治療的に使用される。
【0082】
好ましいCCBは、アムロジピン、ジルチアゼム、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピンおよびベラパミル、または、例えばある種のCCBによっては、それらの薬学的に許容される塩を含む。とりわけDHPとして好ましいものは、アムロジピンまたはその薬学的に許容される塩、とりわけベシル酸塩である。とりわけ好ましい典型的な非DHPは、ベラパミルまたはその薬学的に許容される塩、とりわけ塩酸塩である。
【0083】
アルドステロン合成酵素阻害剤は、コルチコステロンのヒドロキシル化によりコルチコステロンを18−OH−コルチコステロンに変換し、18−OH−コルチコステロンを形成し、そして18−OH−コルチコステロンをアルドステロンに変換する酵素である。アルドステロン合成酵素阻害剤群は高血圧および原発性アルドステロン症の処置のために使用されることが既知であり、ステロイド性および非ステロイド性アルドステロン合成酵素阻害剤の両方を含み、後者が特に好ましい。
【0084】
好ましいのは市販のアルドステロン合成酵素阻害剤または保健機関により承認されたアルドステロン合成酵素阻害剤である。
アルドステロン合成酵素阻害剤群は、異なる構造特性を有する化合物を含む。例えば、非ステロイドアロマターゼ阻害剤、アナストロゾール、ファドロゾール(その(+)−エナンチオマーを含む)、ならびにステロイドアロマターゼ阻害剤、エキセメスタンからなる群から選択される化合物、またはそれぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。
【0085】
もっとも好ましい非ステロイド性アルドステロン合成酵素阻害剤は、式
【化10】

の塩酸ファドロゾール(米国特許4617307および4889861)の(+)−エナンチオマーである。
好ましいステロイドアルドステロンアンタゴニストは、式
【化11】

のエプレレノンまたはスピロノラクトンである。
【0086】
好ましいデュアルアンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤は、例えば、オマパトリレート(cf.EP629627)、ファシドトリルまたはファシドトリレート、または適当なとき、それぞれの薬学的に許容される塩である。
好ましいエンドセリンアンタゴニストは、例えば、ボセンタン(cf.EP526708A)、さらに、テゾセンタン(cf.WO96/19459)、またはそれぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。
【0087】
レニン阻害剤は、例えば、非ペプチドレニン阻害剤、例えば、化学的に2(S),4(S),5(S),7(S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−di(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシ−プロポキシ)フェニル]−オクタンアミドとして定義される式
【化12】

の化合物である。この典型的なものは、具体的にEP678503Aに記載されている。とりわけ好ましくは、それらのヘミフマレート塩である。
【0088】
利尿剤は、例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、メチルクロチアジドおよびクロロサリドンからなる群から選択されるチアジド誘導体である。もっとも好ましくはヒドロクロロチアジドである。
ApoA−I模倣剤は、例えば、とりわけ式D−W−F−K−A−F−Y−D−K−V−A−E−K−F−K−E−A−FのD4Fペプチドである。
【0089】
好ましくは、本発明の組合せにしたがって複合治療有効量の活性剤を、同時にまたは任意の順番で連続に、別々にまたは固定された組合せで投与できる。
【0090】
一般名または商標名により特定される活性化剤の構造は、標準概論“The Merck Index”の現版またはデータベース、例えば、IMS LifeCycle(例えば、IMS World Publications)から得ることができる。対応するそれらの内容は、出典明示により本明細書の一部とする。当業者は、容易にこれらの参考文献に基づいて活性成分を同定でき、そして同様に製造し、インビトロおよびインビボ両方の標準試験モデルにおいて、医薬適応および特徴を試験できる。
【0091】
さらに、上記組合せは同時の、別々のまたは連続の投与(使用)を介して対象に投与できる。同時の投与(使用)は、2種以上の活性成分で1個の固定された組合せの形態で、または独立して製剤される2種以上の化合物を同時に投与することにより実施できる。連続の投与(使用)は、好ましくは組合せの1種(または1種以上)の化合物または活性成分をある時点で、他の化合物または活性成分を異なる時点で投与すること、すなわち、長期間ずらす様式で、好ましくは組合せが独立して単一の化合物を投与するよりも有効性を示す(とりわけ相乗効果を示す)ように投与することを意味する。別々の投与(使用)は、好ましくは異なる時点で互いに独立して組合せの化合物または活性成分を投与すること、好ましくは2種の化合物が両方の化合物の測定できる血中濃度の重複が重複する様式で(同時に)存在しないように投与することを意味する。
【0092】
また、2種以上の連続した、別々の、および同時の投与の組合せは、好ましくは組合せ化合物−薬剤は、組合せ化合物−薬剤をそれらの治療効果において相互作用が見ることができないくらい大きい時間間隔で独立して使用するときに見られる効果を超える複合治療効果を示すこと、とりわけ好ましくは相乗効果を示すことが可能である。
【0093】
さらに、本発明は、以下を提供する:
−薬剤として使用するための本発明の医薬組成物または組合せ;
−CETPが介在する、またはCETPの阻害に応答する障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための本発明の医薬組成物または組合せの使用;
−脂質異常症、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、末梢血管障害、脂質異常症、高ベータリポタンパク血、低アルファリポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心疾患、冠状動脈性心臓病、冠動脈疾患、冠血管疾患、狭心症、虚血、心臓虚血、血栓症、心臓の心筋梗塞、例えば、心筋梗塞、卒中、末梢血管障害、再かん流傷害、血管形成術再狭窄、高血圧、うっ血性心不全、糖尿病、例えば、II型糖尿病、糖尿病性血管合併症、肥満または内毒素血症などから選択される障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための本発明の医薬組成物または組合せの使用。
【0094】
本発明の医薬組成物または組合せは、約50−70kgの対象に対して約1−1000mgの活性成分、好ましくは約5−500mgの活性成分の単位用量であり得る。化合物、医薬組成物またはそれらの組合せの治療有効用量は、対象の種、体重、年齢および個々の状態、処置される障害もしくは疾患またはそれらの重症度に依存する。医師、臨床医または獣医は容易に障害または疾患の進行の予防、処置または阻害のために必要なそれぞれの活性成分の有効量を決定できる。
【0095】
上記用量特性は、インビトロおよびインビボ試験で、有利には哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、サルまたは単離した臓器、組織およびそれらの調製物を使用して証明できる。本発明の化合物を、インビトロで溶液、例えば、好ましくは水溶液の形態で、および、インビボで経腸的、非経腸的いずれかで、有利には、静脈内に、例えば、懸濁液または水溶液として適用できる。インビトロの用量は約10−3モルから10−9モル濃度の範囲であり得る。インビボの治療有効量は、投与経路に依存して、約0.1−500mg/kg、好ましくは約1−100mg/kgであり得る。
【0096】
本発明の化合物のCETP阻害効果を、当分野で既知の試験モデルまたはアッセイを使用することにより測定できる。例えば、EP1115695B1(この内容を出典明示により本明細書に包含させる)はインビトロおよびインビボ両方でのCETP活性アッセイを記載している。特に、以下のアッセイを使用する。
【0097】
インビトロおよびインビボでのCETP活性を検出するため、ヒトの前アポリポタンパク質AI(pro−apoAI)およびドナーマイクロエマルジョンを下記のとおりに製造する。ヒトのpro−apoAIのcDNA(NCBIアクセッション番号:NM_000039)をヒトの肝臓Quick−CloneTMcDNA(Clontech、CA)からクローニングし、細菌発現のためにpET28aベクター(Novagen, Germany)に挿入する。BL−21Gold(DE3)(Strategene, CA)においてN−末端で6×His−タグを有する融合タンパク質として発現したタンパク質をHiTrap Chelating(GE Healthcare, CT)を使用して精製する。ドナー粒子としてマイクロエマルジョンを含むPro−apoAIを以下の以前の報告(J. Biol. Chem., 280:14918-22)で製造する。トレオレイン酸グリセリル(62.5ng、Sigma、MO)、3−sn−ホスファチジルコリン(583ng、和光純薬工業、日本)およびコレステリルBODIPY(登録商標)FL C12(250ng、Invitrogen、CA)を1mLのクロロホルムに溶解する。溶液を蒸発させ、次に残った溶媒を1時間以上、真空除去する。乾燥させた脂質混合物を500μLのアッセイバッファー(150mMのNaClおよび2mMのEDTAを含む50mMのTris−HCl(pH7.4))に溶解し、50℃でマイクロチップ(MICROSONTM ULTRASONIC CELL DISRUPTOR, Misonix, Farmingdale, NY)で出力006で2分超音波処理する。超音波処理後、溶液を40℃に冷却し、100μgのヒトのpro−apoAIに加え、出力004で5分40℃で超音波処理する。ドナー分子として溶液、BODIPY−CEマイクロエマルジョンである溶液を、0.45μmのPVDFフィルターを介する濾過後、4℃で保存する。
【0098】
インビトロでCETP活性を検出するため、健康体のヒトのEDTA血漿サンプルをNew Drug Development Research Center, Incから購入する。ドナー溶液をアッセイバッファーでのドナーマイクロエマルジョンの希釈により製造する。ヒトの血漿(50μL)、アッセイバッファー(35μL)およびジメチルスルホキシド(1μL)に溶解した試験化合物を半域黒色平底96ウェルプレートのそれぞれのウェルに加える。反応を各ウェルへのドナー溶液(14μL)の添加により開始する。蛍光強度を30分ごとに37℃で励起波長485nmおよび発光波長535nmで測定する。CETP活性(FI/分)を30から90分の蛍光強度の変化として定義する。IC50値をOriginソフトウェア、バージョン7.5 SR3を使用して、記号方程式(Y=Bottom+(Top)−Bottom/(1+(x/IC50)^Hill slope)により得る。
【0099】
ハムスターにおいてHDL−コレステロール濃度に対する化合物の効果を、いくつかの変法を有する以前に報告された方法(Eur. J. Phamacol., 466 (2003) 147-154)により研究する。簡潔に、雄シリアンハムスター(SLC、静岡、日本)に高コレステロール規定食を2週間与える。次に、動物に5%のメチルセルロース溶液中で懸濁した化合物を個々に投与する。HDL−コレステロール濃度を、13%のポリエチレングリコール6000を有するアポリポタンパク質B(apoB)−含有リポタンパク質の沈殿後、市販のキット(和光純薬工業、日本)を使用して測定する。
【0100】
エキソビボでCETP活性を検出するため、ヘパリン血漿サンプルを化合物処理ハムスターから製造する。ドナー溶液をアッセイバッファーでのドナーマイクロエマルジョンの希釈により製造する。ハムスター血漿(50μL)およびドナー溶液(10μL)を半域黒色平底96ウェルプレートのそれぞれのウェルに加える。次に蛍光強度を15分ごとに37℃で励起波長485nmおよび放出波長535nmで測定する。CETP活性(FI/分)を30から90分の蛍光強度の変化として定義する。化合物の有効性をビヒクル処理ハムスター血漿においてCETP活性の阻害%として計算する。
【0101】
表1 化合物の阻害活性
【表1】

【0102】
略語
Ac:アセチル
dba:ジベンジリデンアセトン
DMAP:N,N−ジメチルアミノピリジン
DME:ジメトキシエタン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
dppf:1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
ESI:エレクトロスプレーイオン化
EtOAc:酢酸エチル
h:時間
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
IPA:2−プロパノール
iPr:イソプロピル
LC:液体クロマトグラフィー
LHMDS:リチウムヘキサメチルジシルアミド
min:分
MS:質量分析
NMR:核磁気共鳴
THF:テトラヒドロフラン
tol:トリル
【実施例】
【0103】
実施例
以下の実施例は本発明を説明することを意図し、それらに限定して解釈されるものではない。温度は摂氏である。他に記載のない限り、すべての蒸発は減圧条件で、好ましくは約15mmHgから100mmHg(=20−133mbar)の間で実施する。最終産物、中間体および出発物質の構造は、標準的な分析方法、たとえば微量分析および分光学的特徴、たとえばMS、IRおよびNMRにより確認する。使われる略語は当該技術分野において慣用のものである。下記実施例の化合物が、CETPに対して約0.1nMから約100,0.00nMの範囲におけるIC50値を有することを見いだした。
【0104】
実施例1:3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−(2−メチルチオフェン−3−イル)ピリジン−2−イル]シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化13】

DME/HO(10:1、1.7mL)中の3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]シクロペンチルメチルエチルアミン(110mg、0.16mmol)、KPO(105mg、0.50mmol)、2−メチル−3−ブロモチオフェン(44mg、0.24mmol CAS:30319−05−2)およびPdCl(dppf)(13mg、0.016mmol)の混合物を80℃で一晩加熱する。室温に冷却後、HOを反応混合物に加える。混合物をEtOAcで抽出する。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]シクロペンチルメチルエチルアミンを薄い黄色の油状物として得る(756mg、0.88mmol;98%);ESI−MS m/z:638[M+1]、保持時間2.12分。
【0105】
実施例2:[3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−(4−メチルチオフェン−3−イル)ピリジン−2−イル]シクロペンチルメチルエチルアミン
【化14】

EtOH/HO(10:1、1.2mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ブロモピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(156mg、0.24mmol)、KCO(52mg、0.38mmol)およびFibre Cat(登録商標)1001(77mg、0.024mmol、CAS:457645−05−5)の混合物を80℃で一晩加熱する。室温に冷却後、反応混合物を濾過する。HOを混合物に加える。混合物をEtOAcで抽出する。濾液をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、[3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−(4−メチルチオフェン−3−イル)ピリジン−2−イル]シクロペンチルメチルエチルアミンを薄い黄色の油状物として得る(93mg、0.089mmol;39%);ESI−MS m/z:638[M+1]、保持時間:2.12分。
【0106】
実施例3:以下の化合物を実施例1−2の製造法にしたがって製造する。
【表2】

【0107】
実施例4:(5’−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−6’−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化15】

トルエン(1.0mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ブロモピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(130mg、0.21mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(30mg、0.31mmol)、ピペリジン(27mg、0.31mmol)、Pd(dba)(19mg、0.021mmol)および2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル(6.3mg、0.021mmol、CAS:224311−51−7)の混合物を80℃で2時間加熱する。シリカゲルを反応混合物に加える。濾過後、濾液を減圧下濃縮する。得られた残渣を逆相分取により精製し、(5’−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−6’−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンを薄い黄色の油状物として得る(71mg、0.11mmol;54%);ESI−MS m/z:625[M+1]、保持時間:2.04分。
【0108】
実施例5:1−[5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−イル]ピロリジン−2−オンの合成
【化16】

ジオキサン(1.0mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ブロモピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(136mg、0.22mmol)、炭酸セシウム(107mg、0.33mmol)、2−ピロリジノン(28mg、0.33mmol)、Pd(dba)(10mg、0.011mmol)および2−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(13mg、0.022mmol、CAS:161265−03−8)の混合物を100℃で一晩加熱する。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcでCerite(登録商標)を介して濾過する。濾液を塩水で洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残渣を逆相分取により精製し、1−[5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−イル]ピロリジン−2−オンを薄い黄色の油状物として得る(12mg、0.019mmol;9%);ESI−MS m/z:625[M+1]、保持時間:1.99分。
【0109】
実施例6:3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−N−シクロペンチルメチル−N−エチル−N−イソブチルピリジン−2,5−ジアミンの合成
【化17】

トルエン(1.0mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ブロモピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(134mg、0.22mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(31mg、0.33mmol)、イソブチルアミン(24mg、0.33mmol)、Pd(dba)(20mg、0.022mmol)およびrac−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(13mg、0.022mmol、CAS:98327−87−8)の混合物を100℃で一晩加熱する。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcでCerite(登録商標)を介して濾過する。濾液をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残渣を逆相分取により精製し、3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−N−シクロペンチルメチル−N−エチル−N−イソブチルピリジン−2,5−ジアミンを薄い黄色の油状物として得る(50mg、0.082mmol;38%);ESI−MS m/z:613[M+1]、保持時間:2.06分。
【0110】
実施例7:以下の化合物を実施例4−6の製造法にしたがって製造する。
【表3】

【0111】
実施例8:(E)−3−[5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−イル]アクリル酸メチルエステルの合成
【化18】

DMF(1.0mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ブロモピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(155mg、0.25mmol)、EtN(51mg、0.50mmol)、アクリル酸メチルエステル(43mg、0.50mmol)、Pd(OAc)(6.0mg、0.050mmol)およびトリス(o−トリル)ホスフィン(8.0mg、0.050mmol、CAS:6163−58−2)の混合物を90℃で一晩加熱する。反応混合物を室温に冷却する。HOの添加後、反応混合物をCHClで抽出する。有機層を乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残渣を逆相分取により精製し、(E)−3−[5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−イル]アクリル酸メチルエステルを黄色の油状物として得る(32mg、0.051mmol;20%);ESI−MS m/z:626[M+1]、保持時間:2.13分。
【0112】
実施例9:(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]メチル}−5−トリメチルシラニルエチニルピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化19】

EtN(1.5mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ブロモピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(155mg、0.25mmol)、トリメチルシリルアセチレン(32mg、0.33mmol)、PdCl(PPh(15mg、0.021mmol)およびCuI(4.0mg、0.021mmol)の混合物を80℃で一晩加熱する。反応混合物にPd(PPh(25mg、0.021mmol)およびiPrNH(1.0mL)を加える。80℃で8時間撹拌後、HOを反応混合物に室温で加える。混合物をEtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]メチル}−5−トリメチルシラニルエチニルピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンを無色の油状物として得る(96mg、0.14mmol;70%);ESI−MS m/z:638[M+1]、保持時間:2.48分。
【0113】
実施例10:(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]−メチル}−5−エチニル−ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化20】

THF(1.5mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]メチル}−5−トリメチルシラニルエチニルピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(96mg、0.14mmol)の溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム(0.19mL、0.19mmol、THF中1.0M)を加える。室温で5分撹拌後、HOを反応混合物に加える。混合物をEtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]−メチル}−5−エチニル−ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンを無色の油状物として得る(81mg、0.14mmol;>99%);ESI−MS m/z:566[M+1]、保持時間:2.30分。
【0114】
実施例11:5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ニコチノニトリルの合成
【化21】

DMF(1.0mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ブロモピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(100mg、0.16mmol)およびCuCN(42mg、0.48mmol)の混合物を180℃で12時間加熱する。室温に冷却後、28%のNH溶液を反応混合物に加える。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ニコチノニトリルを無色の油状物として得る(62mg、0.11mmol;73%);ESI−MS m/z:567[M+1]、保持時間:2.43分。
【0115】
実施例12:5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ニコチン酸の合成
【化22】

EtOH(2.0mL)中の5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]−メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ニコチノニトリル(60mg、0.10mmol)および2MのLiOH(1.0mL、2.0mmol)の混合物を還流温度で5時間加熱する。室温に冷却後、反応混合物を1MのHClで酸性化し、EtOAcで抽出する。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮し、5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ニコチン酸を薄い黄色の油状物として得る(58mg、0.099、99%);ESI−MS m/z:586[M+1]、保持時間:2.09分。
【0116】
実施例13:5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)−N−メチルニコチンアミドの合成
【化23】

DMF(1.0mL)中の5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ニコチン酸(30mg、0.050mmol)、メチルアミンヒドロクロライド(10mg、0.15mmol)、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(17mg、0.080mmol)、Et3N(32mg、0.30mmol)およびヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(10mg、0.050mmol)の混合物を室温で一晩撹拌する。濾過後、濾液残渣を逆相分取により精製し、5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)−N−メチルニコチンアミドを薄い黄色の油状物として得る(15mg、0.025mmol;50%);ESI−MS m/z:599[M+1]、保持時間:1.99分。
【0117】
実施例14:以下の化合物を実施例14の製造法にしたがって製造する。
【表4】

【0118】
実施例15:(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチル−ベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化24】

SO(0.5mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(100mg、0.18mmol)の溶液に発煙HNO(23mg、0.36mmol)を0℃で加える。同じ温度で0.5時間撹拌後、発煙HNO(7mg、0.12mmol)を再び0℃で加える。反応混合物を室温まで温め、同じ温度で1時間撹拌する。反応混合物を氷冷HOに注ぎ、8MのNaOH溶液により塩基状態にする。抽出したEtOAc層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチル−ベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンを薄い黄色の油状物として得る(73mg、0.12mmol、69%)。ESI−MS m/z:587[M+1]、保持時間:2.45分。
【0119】
実施例16:3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−N−シクロペンチルメチル−N−エチルピリジン−2,5−ジアミンの合成
【化25】

MeOH/EtOAc(1:1、3.0mL)中のPd活性化炭素エチレンジアミン複合体(100mg、0.033〜0.061mmol、3.5〜6.5%Pd、和光純薬工業)を有する(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチル−ベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(360mg、0.61mmol)の混合物をH2雰囲気下で室温で8時間撹拌する。濾過後、濾液残渣を逆相分取により精製し、3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−N−シクロペンチルメチル−N−エチルピリジン−2,5−ジアミンを薄い黄色の油状物として得る(280mg、0.50mmol;83%);ESI−MS m/z:557[M+1]、保持時間:1.97分。
【0120】
実施例17:N−[5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−イル]アセトアミドの合成
【化26】

CHCl(1.0mL)中の3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−N−シクロペンチルメチル−N−エチルピリジン−2,5−ジアミン(100mg、0.18mmol)およびEtN(31mg、0.29mmol)の溶液に酢酸無水物(27mg、0.26mmol)を室温で加える。反応混合物を同じ温度で6時間撹拌する。少量のHOの添加後、反応混合物を減圧下濃縮する。得られた残渣を逆相分取により精製し、N−[5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−イル]アセトアミドを薄い黄色の油状物として得る(23mg、0.034mmol;21%);ESI−MS m/z:599[M+1]、保持時間:1.94分。
【0121】
実施例18:N−[5−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチルベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−イル]アセトアミドの合成
【化27】

DMF(2.0mL)中のN−[5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−イル]アセトアミド(197mg、0.32mmol)の溶液にNaH(60%の油懸濁液、17mg、0.43mmol)を0℃で加える。反応混合物を室温まで温める。反応混合物を同じ温度で1時間撹拌し、NHCl溶液によりクエンチする。得られた残渣を逆相分取により精製し、N−[5−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチルベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−イル]アセトアミドを薄い黄色の油状物として得る(130mg、0.21mmol;65%);ESI−MS m/z:613[M+1]、保持時間:2.03分。
【0122】
実施例19:N−[5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−イル]メタンスルホンアミドの合成
【化28】

CHCl(1.0mL)中の3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−N−シクロペンチルメチル−N−エチルピリジン−2,5−ジアミン(100mg、0.18mmol)およびEtN(31mg、0.29mmol)の溶液にメタンスルホニルクロライド(30mg、0.26mmol)を室温で加える。反応混合物を同じ温度で6時間撹拌する。少量のHOの添加後、反応混合物を減圧下濃縮する。得られた残渣を逆相分取により精製し、N−[5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−イル]メタンスルホンアミドを薄い黄色の油状物として得る(32mg、0.050mmol;28%);ESI−MS m/z:635[M+1]、保持時間:2.05分。
【0123】
実施例20:5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−オールの合成
【化29】

CHCl(5.0mL)中の3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]シクロペンチルメチルエチルアミン(593mg、0.88mmol)の溶液にH(0.082mL、2.6mmol、35%の溶液)を室温で加える。同じ温度で一晩撹拌後、HOを反応混合物に加える。CHCl層を減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−オールを薄い黄色の油状物として得る(296mg、0.47mmol;60%);ESI−MS m/z:558[M+1]、保持時間:1.91分。
【0124】
実施例21:(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−エトキシピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化30】

アセトン(2.0mL)中の薄い黄色の油状物としての5−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−6−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−オール(86mg、0.15mmol)の溶液にヨードエタン(29mg、0.18mmol)を室温で加える。50℃で一晩撹拌後、反応混合物を室温に冷却し、HOで処理する。混合物をEtOAcで抽出する。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−エトキシピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンを薄い黄色の油状物として得る(53mg、0.084mmol;45%);ESI−MS m/z:586[M+1]、保持時間:2.05分。
【0125】
実施例22:(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化31】

CHCl(2.0mL)中の3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]シクロペンチルメチルエチルアミン(103mg、0.18mmol)、フェニルボロン酸(34mg、0.27mmol)、Cu(OAc)(50mg、0.27mmol)、EtN(94mg、0.92mol)およびモレキュラー・シーブ4Åの混合物を室温で一晩撹拌する。HOおよび飽和NaHCO溶液の添加後、分離した有機層を減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンを得る。ESI−MS m/z:234[M+1]、保持時間:2.23分。
【0126】
実施例23:(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化32】

DMSO(2.0mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ブロモピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(200mg、0.16mmol)、ナトリウムチオメトキシド(14mg、0.48mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(92mg、0.96mmol)およびPd(PPhの混合物を100℃で4時間加熱する。室温に冷却後、HOを反応混合物に加える。混合物をEtOAcで抽出する。濾液を逆相分取シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンを薄い黄色の油状物として得る(3.0mg、0.0035mmol;2.2%);ESI−MS m/z:588[M+1]、保持時間:2.12分。
【0127】
実施例24:3−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチルベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−メタンスルホニルピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化33】

CHCl(1.0mL)中の上記実施例24の粗溶液(100mg)にm−CPBA(35mg、0.20mmol)を加える。室温で3時間撹拌後、Na溶液を反応混合物に加える。混合物をCHClで抽出する。有機層を乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残渣を逆相分取により精製し、3−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチルベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−メタンスルホニルピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンを薄い黄色の油状物として得る(18mg、0.020mmol);ESI−MS m/z:620[M+1]、保持時間:2.33分。
【0128】
実施例25:以下の化合物を実施例21−25の製造法にしたがって製造する
【表5】

【0129】
実施例26:(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−エチルピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化34】

THF(2.0mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ブロモピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(152mg、0.25mmol)およびPdCl(dppf)(20mg、0.025mmol)の溶液にエチルマグネシウムブロマイド(0.86mL、0.74mmol、THF中0.86M)を0℃で加える。80℃で3時間撹拌後、HOを反応混合物に加える。混合物をEtOAcで抽出する。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−エチルピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンを薄い黄色の油状物として得る(42mg、0.074mmol;30%);ESI−MS m/z:570[M+1]、保持時間:2.01分。
【0130】
実施例27:以下の化合物を実施例26の製造法にしたがって製造する
【表6】

【0131】
一般UPLC条件
カラム:Waters ACQUITY UPLC BEH C18、1.7μM
移動相:CHCN/HO(0.1%のTFA)
【0132】
実施例29、出発物質の製造は以下のとおりに実施できる
1)2−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−カルバルデヒドの合成
【化35】

トルエン中のシクロペンチルメチルエチルアミン(2.7g、19mmol、CAS:4492−37−9)および2−クロロ−ピリジン−3−カルバルデヒド(3.0g、24mmol、CAS:36404−88−3)およびKCO(3.3g、24mmol)の混合物を130℃で24時間加熱する。濾過および減圧下濃縮後、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−カルバルデヒドを薄い黄色の油状物として得る(3.5g、15mmol、79%の収率)。
ESI−MS m/z:233[M+1]、保持時間:1.64分。
【0133】
2)(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化36】

MeOH中の2−(シクロペンチルメチルエチルアミノ)ピリジン−3−カルバルデヒド(500mg、2.1mmol)の溶液にNaBH(80mg、2.1mmol)を室温で加える。同じ温度で1時間撹拌後、反応混合物をNHCl溶液によりクエンチし、CHClで抽出し、トルエンで減圧下濃縮する。トルエン中の得られた残渣、メタンスルホニルクロライド(285mg、2.5mmol)およびジイソプロピル−エチルアミン(361mg、2.8mmol)の混合物を室温で1時間撹拌する。氷冷NaHCO溶液を加えた後、混合物をEtOAcで抽出する。抽出した有機層を洗浄し、乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮する。得られた残渣を、あらかじめ−5℃で0.5時間で製造したDMF(2.0mL)中の[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミン(683mg、2.1mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(256mg、2.1mmol)の溶液に加える。同じ温度で2.5時間撹拌後、反応混合物を氷冷水でクエンチし、EtOAcで抽出する。抽出した有機層を洗浄し、乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンを薄い黄色の油状物として得る(830mg、1.5mmol、71%の収率)。ESI−MS m/z:542[M+1]、保持時間:1.93分。
【0134】
3)(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ブロモ−ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化37】

DMF(0.5mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}ピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(100mg、0.18mmol)の溶液にN−ブロモスクシンイミド(38mg、0.21mmol)を0℃で加える。同じ温度で1時間撹拌後、反応混合物を室温まで温め、EtOAcで希釈する。抽出した有機層を洗浄し、乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ブロモピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミンを薄い黄色の油状物として得る(90mg、0.14mmol、81%)ESI−MSm/z:619[M+1]、保持時間:2.47分。
【0135】
4)3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]シクロペンチルメチルエチルアミンの合成
【化38】

DMSO(5.0mL)中の(3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−ブロモピリジン−2−イル)シクロペンチルメチルエチルアミン(716mg、1.15mmol)、KOAc(340mg、3.46mmol)、ビス(ピナコレート)ジボラン(440mg、1.73mmol)およびPdCl(dppf)(94mg、0.11mmol)の混合物を80℃で3時間加熱する。室温に冷却後、HOを反応混合物に加える。混合物をEtOAcで抽出する。有機層をHOで洗浄し、乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、3−{[(3,5−ビストリフルオロメチルベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]シクロペンチルメチルエチルアミンを薄い黄色の油状物として得る(756mg、0.88mmol;98%);ESI−MS m/z:586[M−82]、保持時間:1.87分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、
XおよびYは、独立して、CHまたはNであり;
Vは、CまたはNであり、ただし、VがNであるとき、Rは水素であり;
は、それぞれが所望により、1個から3個のアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、カルボキシ、チオール、シアノ、HSO−、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルコキシカルボニル、カルバムイミドイル、アルキル−S−、アルキル−SO−、アルキル−SO−、アミノ、HN−SO−、アルカノイル、ヘテロシクリルから選択される置換基で置換されている、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール、アルコキシカルボニル、アルカノイルまたはアルキルであり;
は、水素、アルキル、ハロゲン、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル−、アリール、アルコキシまたは(R)(R)N−であり;
ここで、RおよびRは、独立して、それぞれが所望により、1個から3個のアルキル、アルカノイル、ヒドロキシ、アルコキシまたはハロゲンから選択される置換基により置換されている、アルキル、シクロアルキル、アルカノイル、シクロアルキル−C(O)−またはR−アルキル−であり;
ここで、Rは、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはR10−C(O)−であり;
ここで、R10は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ヘテロシクリル、(R)(R)N−またはシクロアルキルであり;
ここで、RおよびRは、アルキル、シクロアルキル、アルカノイルまたはシクロアルキル−C(O)−であり、
およびRは、それらが結合している窒素と一体となって、所望により、3員から8員環を形成するか;または、
は、所望により、1個から3個のアルキル、ヒドロキシ、アリール、アリール−アルキル−、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロゲン、カルボキシ、アミド、SONH−、アルキル−SO−NH−、アルキル−NH−SO−またはR10−C(O)−から選択される置換基により置換されているヘテロシクリルであり、ここで、R10は、水素、ヒドロキシ、アルキル、ヘテロシクリル、(R)(R)N−またはシクロアルキルであり;
は、それぞれが所望により、1個から2個のハロゲン、アルキル、アルコキシまたはアルキル−SO−から選択される置換基により置換されている、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、それぞれが、1個から2個のハロゲン、アルキル、アルコキシまたはアルキル−SO−から選択される置換基により置換されている、置換アリールまたはヘテロアリールであるか;または、
およびRは、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロシクリル、アルキル−S−、アルキル−SO−、アリールオキシ、シアノ、ニトロ、HO−C(O)−またはヒドロキシであるか;または、
およびRは、独立して、(R11)(R12)N−C(O)−、(R13)(R14)N−であり、ここで、R11およびR12は、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアリール−アルキル−であり;R13およびR14は、独立して、水素、アルキル、アルキル−C(O)−またはアルキル−SO−であり;
13およびR14は、それらが結合している窒素と一体となって、所望により、3員から8員環を形成し;
およびRは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシまたはアルコキシであるか;または、
は、アリールまたはヘテロアリールである〕
で示される化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項2】
XおよびYが、独立して、CHまたはNであり;VがCまたはNであり、ただし、VがNであるとき、R4が水素であり;
が、それぞれが所望により、1個の(C−C)アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、カルボキシ、チオール、シアノ、HSO−、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルコキシ、(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、カルバムイミドイル、(C−C)アルキル−S−、(C−C)アルキル−SO−、(C−C)アルキル−SO−、アミノ、HN−SO−、(C−C)アルカノイル、(5−9)−員ヘテロシクリルから選択される置換基で置換されている、(5−9)員ヘテロアリール、(5−9)員ヘテロシクリル、(C−C10)アリールまたは(C−C)アルキルであり;
が、水素、(C−C)アルキル、ハロゲン、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルコキシ、(5−9)員ヘテロシクリルまたは(R)(R)N−であり、ここで、RおよびRが、独立して、(C−C)アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、(C−C)アルキル−C(O)−、(C−C)シクロアルキル−C(O)−またはR−(C−C)アルキル−であり、ここで、Rが(C−C)シクロアルキル、(C−C10)アリール、(5−9)員ヘテロシクリルまたはR10−C(O)−であり、ここで、R10が(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルキル、(5−9)員ヘテロシクリル、(R)(R)N−、ヒドロキシまたは水素であり;
ここで、RおよびRが、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルカノイル、(C−C)シクロアルキル−C(O)−であり、
およびRが、それらが結合している窒素と一体となって、所望により3員から8員環を形成するか;または
が、所望により、1個から2個の(C−C)アルキル、ヒドロキシ、(C−C10)アリール、(C−C10)アリール−(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、(5−9)員ヘテロアリール、カルボキシ、アミド、SO−NH−、(C−C)アルキル−SO−NH−、(C−C)アルキル−NH−SO−、ハロゲンまたはR10−C(O)−から選択される置換基により置換されている(5−9)員ヘテロシクリルであり、ここで、R10が(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルキル、ヒドロキシまたは水素であり;
が、それぞれが所望により、1個から2個のハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシまたは(C−C)アルキル−SO−から選択される置換基により置換されている、(C−C10)アリールまたは(5−9)員ヘテロアリールであり;
が、それぞれが所望により、1個から2個のハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシまたは(C−C)アルキル−SO−から選択される置換基により置換されている、置換(C−C10)アリールまたは(5−9)−員ヘテロアリールであるか;または、
およびRが、独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、(5−9)員ヘテロシクリル、(C−C)アルキル−S−、(C−C)アルキル−SO−、(C−C10)アリールオキシ、シアノ、ニトロ、HO−C(O)−またはヒドロキシであるか;または、
およびRが、独立して、(R10)(R11)N−C(O)−、(R12)(R13)N−であり、ここで、R10およびR11が、独立して、水素または(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C10)アリール−(C−C)アルキル−であり;R12およびR13が、独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−C(O)−または(C−C)アルキル−SO−であり;
12およびR13が、それらが結合している窒素と一体となって、所望により3員から8員環を形成し;
およびRが、独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシまたは(C−C)アルコキシであるか;または、
が、(C−C10)アリールまたは(5−9)員ヘテロアリールである、
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項3】
対象に治療有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物を投与することを含む、対象におけるCETPの活性を阻害する方法。
【請求項4】
対象におけるCETPが介在する、または、CETPの阻害に応答する障害または疾患を処置する方法であって、対象に治療有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物を投与することを含む方法。
【請求項5】
障害または疾患が、脂質異常症、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、末梢血管障害、脂質異常症、高ベータリポタンパク血、低アルファリポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心疾患、冠状動脈性心臓病、冠動脈疾患、冠血管疾患、狭心症、虚血、心臓虚血、血栓症、心臓の梗塞、例えば、心筋梗塞、卒中、末梢血管障害、再かん流傷害、血管形成術再狭窄、高血圧、うっ血性心不全、糖尿病、例えば、II型糖尿病、糖尿病性血管合併症、肥満または内毒素血症などから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
治療有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物および1種以上の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項7】
治療有効量の請求項1の化合物および1種以上の、
(i)HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(ii)アンギオテンシンII受容体アンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩、
(iii)アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(iv)カルシウムチャネルブロッカーまたはその薬学的に許容される塩、
(v)アルドステロン合成酵素阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(vi)アルドステロンアンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩、
(vii)二重アンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(viii)エンドセリンアンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩、
(ix)レニン阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(x)利尿剤またはその薬学的に許容される塩、
(xi)ApoA−I模倣剤、および
(Xii)DGAT阻害剤
からなる群から選択される治療有効剤を含む医薬組成物。
【請求項8】
薬剤として使用するための請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
対象におけるCETPが介在する、または、CETPの阻害に応答する障害または疾患の処置のための医薬組成物の製造のための請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項10】
対象におけるCETPが介在する、または、CETPの阻害に応答する障害または疾患の処置のための薬剤の製造のための請求項6または7に記載の医薬組成物の使用。

【公表番号】特表2009−536609(P2009−536609A)
【公表日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552571(P2008−552571)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際出願番号】PCT/JP2007/060086
【国際公開番号】WO2007/132906
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】