説明

ERβ−選択物質のプロドラッグ類、それらの製造方法、及びそれらの化合物を含む医薬組成物

本発明は、基Zがステロイド結合される、下記一般式(I):
で表される8β−置換されたエストラトリエンのプロドラッグ類、それらの製造方法、それらの化合物を含む医薬組成物、及びそれらの使用に関する。
本発明の一般式(I)の化合物は、エストロゲン受容体α及び/又はβに結合しない。それらは、カルボアンヒドラーゼに結合し、そしてそれらの酵素を阻害する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記一般式(I):
【化1】

【0002】
で表されるERβ−選択物質のプロドラッグ類、それらの製造方法、それらの化合物を含む医薬組成物、及び医薬剤の製造のためへのそれらの使用に関する。
【0003】
エストロゲンは、両性別の生物において重要な役割を演じる。成熟生物においては、エストロゲンは、性別特徴の刻印付けに関与される。両性別において、エストロゲンは、性成熟の間、生物における変化、例えば成長瞬間、及び次に、骨成長の完結を調節する。生命のすべての相において、エストロゲンは、両性別において骨代謝において中心的役割(1,4)を演じる。それらの損失は、骨物質の分解をもたらし、そして骨の高められた脆性の危険性に関与する。
【0004】
女性においては、卵巣により分泌されるエストロゲンは生物において卓越する。妊娠において、胎盤が多量のエストロゲンを形成する。男性においては、エストロゲンは、種々のエフェクター器官、例えば中枢神経系(CNS)、骨又は腸上皮においてテストステロン又は副腎アンドロゲンの芳香族化により主に“末梢的に”生成される。この適合は、血液における非常に低いエストラジオールレベルで生理学的にエストロゲン効果を可能にする。アロマターゼ又は、エストロゲン受容体の遺伝的欠陥を有する男性及び女性においては、骨は、増殖及び成長に関して重度に破壊される(2)。
【0005】
天然のエストロゲンに関して、経口投与(10)は、その低い経口生物学的利用能のために問題があるが、改良された生物学的利用能を有する従来の化学的に変性されたエストロゲン(例えば、エチニルエストラジオール)はしばしば、肝臓における相当に高められたエストロゲン作用を生成する欠点を有する(3,9,10)。この肝性エストロゲン性は、多くの機能、例えば輸送タンパク質、脂肪代謝、血圧調節及び凝固因子に関連している(5,7,11, 12, 14)。また、筋肉及び骨の保護のためにIGF-I(8)の特に重要な分泌は、肝性エストロゲン作用により消極的に影響される(12, 13, 16)。
【0006】
WO01/77139号においては、新規8β−置換されたエストラトリエンが記載されており、これにより、8β−置換基は、5個までの炭素原子を有する、直鎖又は枝分かれ鎖の、任意に部分的に又は完全にハロゲン化されたアルキル又はアルケニル基、エチニル又はプロプ−1−イニル基であり得、後者の基は、医薬活性成分として、ラット子宮のエストロゲン受容体調製物に対してよりも、ラット前立腺のエストロゲン受容体調製物に対してより高いインビトロ親和性を示し、そして子宮に比較して、骨に対しての選択的作用及び/又は5HT2a−受容体及び−トランスポーターの発現の刺激に関して著しい作用を有する。それらの化合物は好ましくは、エストロゲン欠乏により引起される疾病の処理のために使用され得る。
【0007】
それらの8β−置換されたエストラトリエンの欠点は、それらの不十分な経口生物学的利用能、及び代謝不安定性である。
【0008】
WO01/91797号から、基−SO2NR1R2を通して赤血球に結合され、そしてそこに蓄積するステロイド化合物が知られている。赤血球と血漿との間での化合物の濃度比は、10〜1000:1、好ましくは30〜1000:1であり、その結果、赤血球におけるデポット形成が言及されている。赤血球への化合物の強い結合により、代謝が、肝臓通過の間、回避される。不都合なことには、示される用量での低められた代謝にもかかわらず、治療に適切な活性成分レベルが与えられていない。
【0009】
従って、ERβ−選択的化合物を経口的に生物学的利用性にする、ERβ−選択的化合物のプロドラッグを供給することが、本発明の目的である。
【0010】
この目的は、下記一般式(I):
【化2】

【0011】
[式中、nは、0〜4であり得、
R1は、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2を意味し、これにより、R2、 R3及びX、X1はお互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5−アルキル基、CpF2P+1基(p=1〜3)、基OC(O)-R20 、COOR20、OR20、C(O)NHR20 又はOC(O)NH-R21を表し、ここでR20及びR21は、C1-5−アルキル基、C3-8−シクロアルキル基、アリール基、C1-4−アルキレンアリール基、C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基、又はC3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基であり、そしてR20はさらに、水素原子を意味することができ;あるいは、
【0012】
R2は、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2を意味し、これにより、R1、 R3及びX、 X1はお互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5−アルキル基、CpF2P+1基(p=1〜3)、基OC(O)-R20 、COOR20、OR20、C(O)NHR20 又はOC(O)NH-R21を表し、ここでR20及びR21は、C1-5−アルキル基、C3-8−シクロアルキル基、アリール基、C1-4−アルキレンアリール基、C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基、又はC3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基であり、そしてR20はさらに、水素原子を意味することができ;あるいは
【0013】
R3は、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2を意味し、これにより、R1、 R2及びX、 X1はお互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5−アルキル基、CpF2P+1基(p=1〜3)、基OC(O)-R20 、COOR20、OR20、C(O)NHR20 又はOC(O)NH-R21を表し、ここでR20及びR21は、C1-5−アルキル基、C3-8−シクロアルキル基、アリール基、C1-4−アルキレンアリール基、C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基、又はC3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基であり、そしてR20はさらに、水素原子を意味することができ、そして
【0014】
「ステロイド」は、下記式(A):
【化3】

【0015】
(式中、R3は、Zであり得、そして
R17は、OH基、トリ(C1-C4−アルキル)シリルオキシ基又は基OC(O)−R20であるか、又は
R3は、OH, OMe, トリ(C1-C4-アルキル)シリルオキシ基又は基OC(O)−R20であり得、そして
R17は、Zであり得、そして
R8は、枝分かれ鎖又は直鎖の、任意には部分的に又は完全にハロゲン化された、3個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、
R16は、水素原子、ハロゲン原子、又はメチル基であり、これにより、置換基R16及びR17は個々の場合、α−及びβ−位置で存在することができる)で表されるステロイドABCD−環系を表す]
で表される8β−置換されたエストラトリエンのスルファモイル化合物類及びそれらの医薬的に許容できる塩により達成される。
【0016】
さらに、本発明は、医薬活性成分としての新規化合物類、それらの生成、それらの治療的適用、及び新規化合物を含む医薬分散形を包含する。
【0017】
本発明は、それら自体、エストロゲン受容体に結合できず、そしてそれから、含まれる母エストロゲンが身体において開放されるエストロゲン誘導体類、それらの生成方法、及びそれらの化合物を含む医薬組成物に関する。本発明の化合物は、エステル基Zの鹸化の後、ERβ−選択的エストロゲン(母エストロゲン)を開放するプロドラッグである。
【0018】
ERαを通しての絶対的及び比較的高く弱体化された作用により、子宮、乳腺及び肝臓に対するいずれかの標的エストロゲン療法の所望しないエストロゲン効果が、それらは解離されていないエストロゲンのために典型的であるので、回避される。本発明の化合物は、それらが特に中枢神経系、循環系及び骨におけるERβにより介在される場合、治療的に好都合なエストロゲン活性を有する。
【0019】
本発明の物質は好ましくは、経口療法のために使用される。それらの母エストロゲンに比較して、本発明の化合物は、明白に高められた経口生物学的利用能、すなわち高められた全身性、但し一般的に低められた肝臓エストロゲン性を有する。所望の及び所望しないホルモン効果のこの解離により、同時に、より治療的に効果的であり、且つ従来技術に比較して、より適合できる医薬剤が可能にされる。
【0020】
本発明の物質は身体において酵素的に又は加水分解的に分解され、ここでエストラジオール−3−スルファメートの分解のためには、ステロイドスルファターゼ(STS)が必要とされない。従って、エストロゲン−3−スルファメートのために典型的であり、そして強いエストロゲン性効果を達成するために好都合ではないステロイドスルファターゼの阻害がまた回避され、これはヒトにおけるエストロゲンスルファメートのために典型的である。天然のエストロゲン(エストラジオール、吉草酸エストラジオール、硫酸エストロン、接合されたエストロゲン)による経口療法の場合、但しまた、エストラジオールスルファメートによる経口療法の場合、高レベルのエストロンが血液において優位を占める(10)。従って、これは好都合ではない。なぜならば、エストロンはエストラジオールよりも低い効果のエストロゲンであるからである。
【0021】
従来技術におけるそれらの物質に比較して、本発明の物質の利点は、それぞれの母エストロゲン、例えば不活性エストロン誘導体の代わりに、8β−エチルエストラジオール、8β−メチルエストラジオール、8β−ビニルエストラジオール及び8β−ジフルオロビニルエストラジオールの開放である。
【0022】
本発明の一般式(I)の化合物類又はそれらの医薬的に許容できる塩は、医薬製剤において個々の成分として、又は特に抗エストロゲン又はゲスタゲンと結合して使用され得る。ERα−選択的抗エストロゲン又は周囲的−選択的に活性であり、すなわち血液−脳バリヤーを通して通過しない抗エストロゲンとの組合わせが特に好ましい。
【0023】
前記物質類及びそれらを含む医薬剤は、閉経近く及び閉経後症状、特にのぼせ、睡眠障害、被刺激性、気分変動、失禁、膣萎縮症、及びホルモン−欠乏誘発された精神障害の処理のために、特に適切である。前記物質はまた、ホルモン置換のために、及び手術、投薬、等により引起される卵巣機能不全におけるホルモン欠乏誘発された症状の処理のために適切である。閉経後女性及びアンドロポーザル(andropausal)男性、子宮摘出を受けた女性、又はLHRHアンタゴニスト又はアゴニストにより処理された女性における骨質量損失の予防もまた、この一部である。
【0024】
本発明のERβ−選択的アゴニストのプロドラッグは、単独で、又は抗エストロゲン、アロマターゼインヒビター又は選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)と組合して、エストロゲン消耗を回避し、又はその効果を低めるために前立腺過形成の処理のために使用され得る。
抗エストロゲンとして、好ましくは7α−[9−[(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)スルフィニル]ノニル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール(フルベストラント)が使用される。
【0025】
使用されるべきアロマターゼインヒビターとして、次のものが考慮される:アナストロゾル、アタメスタン、ファドロゾル、ホルメスタン及びレトロゾル。
SERMとして、次の群から選択される化合物が考慮される:ラロキシフェン、タモキシフェン及び5−(4−{5−[(RS)−(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)−スルフィニル]ペンチル}フェニル)−6−フェニル−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾシクロヘプテン−2−オール(WO00/03979号)。
【0026】
前記化合物はまた、アンドロポーズ及び閉経の症状の緩和のために、すなわち男性及び女性ホルモン置換療法(HRT)のために、すなわち月経困難症により付随する病状の処理及びアクネの処理のために適切である。
さらに、前記物質は、ホルモン−欠乏誘発された骨質量損失及びオステオポローシスに対する予防のために、心血管疾患、特に血管性疾患、例えば動脈硬化の予防のために、動脈平滑筋細胞の増殖を阻害するために、及び腫瘍肺高血圧の処理のために使用され得る。
【0027】
さらに、前記物質は、炎症性疾患、及び免疫系の疾患、特に自己免疫疾患、例えばリウマチ様間接炎、多発性硬化症、クローン病及び子宮内膜症の処理のために使用され得る。
前記化合物は、エストロゲン消耗をもたらす治療、例えばアロマターゼインヒビター又はGnRHアンタゴニスト又はアゴニストによる処理の後、関節炎症状の処理のために使用され得る。
【0028】
さらに、前記化合物は、男性受精能障害及び前立腺疾患の処理のために使用され得る。本発明の化合物は、前立腺癌のエストロゲン処理のために適切である。
前記化合物はまた、骨構築のための、又は骨質量損失を引起す療法(例えば、グルココルチコイド、アロマターゼインヒビター、GnRHアゴニスト又はアンタゴニスト、又は化学療法による療法)に対する支持療法として、天然のD3又はカルシトリオール類似体と組合して使用され得る。
【0029】
最終的に、プロゲステロン受容体モジュレーター、例えばメソプロゲスチン、例えばアソプリスニルと共に一般式(I)の化合物は、特にホルモン置換療法への使用のために、及び婦人科学的障害の処理のために使用され得る。
さらに、本発明の一般式(I)の化合物は、例えば化学療法により引起される脱毛症の処理のために使用され得る。
【0030】
閉経近くか又は閉経後状態の選択的エストロゲン療法のためへの同時、連続的又は別々の使用のためにエストロゲン及び純粋な抗エストロゲンを含む治療生成物はすでに、EP−A0346014号に記載されている。
本発明においては、“C1-5−アルキル基”とは、例えば、ハロゲン、OH又はCNにより置換され得る、5個までの炭素原子を有する、枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基として定義される。例として、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル又はn−ペンチルが言及され得る。
【0031】
本発明の上記“C3-8−シクロアルキル基”とは、例えばハロゲン、例えば弗素、塩素又は臭素、OH又はCNにより置換され得る単環式又は二環式基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はヒドロキシシクロヘキシル基を意味する。
本出願において、用語“アリール基”とは、6−15個の炭素原子を有する、置換された又は置換されていないアリール基、例えばフェニル基、置換されたフェニル基、例えばハロフェニル基又はニトロフェニル基、又はナフチル基として定義される。
【0032】
本出願において、用語“C1-4−アルキレンアリール基”とは、少なくとも1つのアリール基により置換される、二置換されたアルキル基として定義される。両基は共に、7〜15個の炭素原子を有し、それにより、アリール基は追加の置換基、例えばハロゲン原子を担持することができる。例としては、ベンジル基又はハロベンジル基である。
【0033】
本出願において、用語“C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基”とは、C3-8−シクロアルキル基により置換される、二置換されたアルキル基として定義される。両基は共に、4〜12個の炭素原子を有し、それにより、シクロアルキル基は、追加の置換基、例えばハロゲン原子を担持することができる。例としては、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル又はシクロヘキシルエチル基である。
【0034】
本出願においては、用語“C3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基”とは、C1-4−アルキル基により置換される、二置換されたC3-8−シクロアルキレン基として定義される。両基は共に、4−12個の炭素原子を有し、それにより、前記基は追加の置換基、例えばハロゲン原子を担持することができる。例としては、プロピルシクロヘキシル又はブチルシクロヘキシル基である。
【0035】
トリアルキルシリルオキシ基は例えば、トリメチルシリルオキシ基又はtert−ブチルジメチルシリルオキシ基である。
本発明の範囲内で、用語“ハロゲン原子”とは、弗素、塩素、臭素又はヨウ素原子として定義される。弗素、塩素及び臭素が好ましい。
数字“n”は好ましくは、0,1又は2である。
【0036】
R1は、好ましくは基-SO2NH2を意味し、ここでR2, R3, X1及びXは、お互い独立して、好ましくはH、F又はCl原子、又はOH又はメトキシ基である。
R2は、好ましくは基-SO2NH2を意味し、ここでR1, R3, X1及びXは、お互い独立して、好ましくはH、F又はCl原子、又はOH又はメトキシ基である。
R3は、好ましくは基-SO2NH2を意味し、ここでR1, R2, X1及びXは、お互い独立して、好ましくはH、F又はCl原子、又はOH又はメトキシ基である。
X1は好ましくは、H原子である。
【0037】
X8は好ましくは、メチル、エチル、ビニル、ジフルオロビニル、エチニル又はプロプ−1−イニルである。
メチル、エチル、ビニル又はジフルオロビニルが特に、R8のために好ましい。
Yは好ましくは、OH, OMe, トリメチルシリルオキシ、tert−ブチルジメチルシリルオキシ、ベンゾエート、スルファモイルベンゾエート、アセテート、プロピオネート、ハレレート、ブトシクレート又はシクロペンチルプロピオネート基である。
R17は好ましくは、OH、トリメチルシリルオキシ、アセテート、プロピオネート、バレレート、ベンゾエート、又は任意にハロゲン化されたスルファモイルベンゾエート基を意味する。
【0038】
本発明においては、特に好ましい化合物は、下記に引用される:
1) (3'-ヒドロキシ-8'β-メチル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
2) (3'-ヒドロキシ-8'β-エチル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
3) (3'-ヒドロキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
4) (3'-ヒドロキシ-8'β-メチル-エストラ-1’,3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
5) (3'-ヒドロキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
【0039】
6) (3'-ヒドロキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
7) (3'-アセトキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
8) (3'-アセトキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
9) (3'-アセトキシ-8'β-ビニル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
10) (3'-アセトキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
【0040】
11) (3'-アセトキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5' (10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
12) (3'-アセトキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
13) (3'-ベンゾイルオキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
14) (3'-ベンゾイルオキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')トリエン'β-イル)4-スルファモイルベンゾエート,
15) (3'-ベンゾイルオキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
【0041】
16) (3'-ベンゾイルオキシ-8'β-エチル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
17) (3'-ベンゾイルオキシ-8'β-ビニル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
18) (3'-ベンゾイルオキシ-8'β-ビニル-エストラ-1 ', 3', 5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
19) (3'-ヒドロキシ-8'β-ビニル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 2-クロロ-5-スルファモイルベンゾエート,
20) (3'-ヒドロキシ-8'β-ビニル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイル-4-クロロ-ベンゾエート,
【0042】
21) (3'-ヒドロキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 2-クロロ-5-スルファモイルベンゾエート,
22) (3'-ヒドロキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイル-4-クロロ-ベンゾエート,
23) (3'-ヒドロキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 2-クロロ-5-スルファモイルベンゾエート,
24) (3'-ヒドロキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイル-4-クロロ-ベンゾエート,
【0043】
25) (17'β-(n-ペンタノイルオキシ)-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
26) (17'β-(n-ペンタノイルオキシ)-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
27) (17'β-(n-ペンタノイルオキシ)-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
28) (17'β-ベンゾイルオキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
29) (17'β-ベンゾイルオキシ-8'β-メチル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
30) (17'β-ベンゾイルオキシ-8'β-エチル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
【0044】
31) (17'β-(n-ペンタノイルオキシ)-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
32) (17'β-(n-ペンタノイルオキシ)-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
33) (17'β-(n-ペンタノイルオキシ)-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
34) (17'β-ベンゾイルオキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
35) (17'β-ベンゾイルオキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
【0045】
36) (17'β-ベンゾイルオキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
37) (17'β-アセトキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
38) (17'β-アセトキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
39) (17'β-アセトキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
40) (17'β-アセトキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
【0046】
41) (17'β-アセトキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
42) (17'β-アセトキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
43) (3'--8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
44) (3'-メトキシ-8'β-エチル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
45) (3'-メトキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
【0047】
46) (3'-メトキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
47) (3'-メトキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
48) (3'-メトキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート。
【0048】
インビボ試験
試験の原理及び試験の説明:
成熟Wistarラットを、本発明の物質の研究のために、この操作の14日後、卵巣摘出した。処理は3日間に及び(日1〜3)、そして4日目、動物を殺害した。次に、ホルモン分析及び臨床−化学的決定のための血漿の回収、及び子宮重量の決定を行った。付随試験において、相応じて条件付けされた動物を殺害し、そして1度の処理の後、及び他時点で、それらの血液のサンプルを採取した(表1及び2を参照のこと)。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
ラットにおけるインビボ実験において、本発明の化合物の経口投与の後、母エストロゲンの思いがけなく高い上昇が注目され得ることが見出された。これは例えば、8β−ビニル−エストラジオールの17−ベンゾエート及び17−アセテートにおける場合ではない。
従来のエストロゲンとは異なって、本発明の物質は、子宮、及び肝臓に対していずれの作用も有さない。
【0052】
インビトロ試験
a)血液血漿濃度比−試験原理及び試験の説明
本発明の物質のSO2-NH2基は、カルボニックアンヒドラーゼへの結合により赤血球における濃度を導くことができる。赤血球結合からのエストラジオール−3−スルファメートの置換を、試験物質により測定する。
【0053】
試験調製物:ヒト血液を、14C−ラベルされた及びラベルされていないエストラジオールスルファメートから成る混合物と共に混合する。選択された作業時点で、赤血球を飽和し、そして血漿/赤血球における分布は40:60である。第2血液サンプルを、14C−ラベルされたエストラジオールスルファメート及びラベルされていない試験物質から成る混合物と共に混合する。相対的結合親和性を、血漿における14C−エストラジオールスルファメートの部分から計算する:高い割合=試験物質による赤血球からの14C−エストラジオールスルファメートの強い置換=高い結合親和性。
【0054】
WO01/91797号において公開された結果に比較して、赤血球及び血漿間での本発明の化合物の濃度比は、10〜1000:1の範囲内ではなく、しかしむしろ<10:1の範囲内である。(3’−ヒドロキシ8β’−ビニル−エストラ−1’, 3’, 5’(10’)トリエン−17’βイル)3−スルファモイルベンゾエートの場合、その比は例えば、約1.4:1である。
【0055】
b)カルボニックアンヒドラーゼ阻害−試験原理及び試験の説明
カルボニックアンヒドラーゼは、CO2水和化を触媒する。
試験調製物:一定のCO2蒸気を、カルボニックアンヒドラーゼI又はカルボニックアンヒドラーゼIIと共に混合された緩衝液を通して方向づける。測定パラメーターは、定義される限界内でpHを低めるために必要とされる時間である。このパラメーターは、媒体におけるH2CO3の形成に影響を及ぼす。IC50−阻害値を、試験調製物中にピペットで入れられる試験物質により決定する。試験される濃度領域においては、試験物質は、上記酵素の完全な阻害を引起さない。
【0056】
【表3】

【0057】
低い血液−血漿濃度比にかかわらず、赤血球における2種のイソ酵素カルボニックアンヒドロラーゼCAI及びCAIIへの結合(阻害)がすべての場合において示され得る。カルボニックアンヒドラーゼへの親和性により誘発される、赤血球への結合は、エストロゲンとしての性質のために重要である。この結合は、最初の肝臓通過における経口投与される物質の低められた抽出のために必須である。赤血球性カルボニックアンヒドラーゼへの親和性が高いか又は低いほど、このデポットからの開放は早いか又は遅延され、そして続く加水分解が、本発明の物質の治療適用能力を決定する。従って、本発明の化合物は、投与される等モル量の物質で、高く、短期間の又は均等に低く且つ長期持続するホルモンレベルの達成の可能性を表す。結果として、活性強度及び作用の持続期間は変化し、そして生物に適合される治療を可能にする。
【0058】
それらの試験結果は、ホルモン置換療法(HRT)のための本発明の一般式(I)の化合物における、及び男性及び女性におけるホルモン誘発された疾病における多くの可能性ある適用を表す。
従って、本発明の目的はまた、少なくとも1つの一般式(I)の化合物、及び任意には、医薬的に適合できるアジュバント及びビークルを含む医薬組成物でもある。
それらの母エストロゲンに比較して、本発明の物質は、低められた肝性抽出、及び開放されるエストロゲンのより均等で且つ長期持続する血液レベルに基づかれる、薬理学的に及び薬力学的に改良された性質を有する。
【0059】
投薬
一般式(I)のErβ−選択的化合物は、本発明の使用のために経口投与される。
閉経近く及び閉経後症状、ホルモン−欠乏誘発された症状、婦人科学的障害、例えば卵巣機能不全及び子宮内膜症、男性及び女性受精能障害、ホルモン誘発された腫瘍疾患の処理のための、及び男性及び女性のホルモン置換療法への使用のためのヒトにおける本発明の化合物の適切な投与量は、患者の年齢及び構成に依存して、1日当たり5μg〜2000mgであり、ここで必要な毎日の用量は1又は複数回、投与され得る。
【0060】
婦人科学的障害、例えば卵巣機能不全及び子宮内膜症に関しては、0.5〜100mgの投与量が考慮され;男性及び女性受精能障害の処理に関しては、5μg〜50mgの投与量が考慮され;ホルモン誘発された腫瘍疾患に関しては、5〜500mgの投与量が考慮され;そして男性又は女性ホルモン置換療法に関しては、5μg〜100mgの投与量が考慮される。
【0061】
通常使用されるビークル及び/又は希釈剤の他に、医薬組成物は、少なくとも1つの一般式Iの化合物を含む。本発明の物質はまた、ゲスタゲン、抗ゲスタゲン又はイソプロゲスチンと組合して治療的に使用され得る。本発明の物質は好ましくは、医薬製剤において活性成分として、個々に使用される。
【0062】
本発明の医薬剤は、通常使用される固体又は液体ビークル又は希釈剤、及び適切な投与量での所望する型の投与に対応する、通常使用される医薬−技法アジュバントを伴って、既知手段で生成される。好ましい製剤は、経口投与のために適切である、分散のための形で存在する。そのような分散のための形は例えば、錠剤、フィルム錠剤、被覆された錠剤、カプセル、ピル、粉末、溶液又は懸濁液、又は他のデポット形である。
【0063】
対応する錠剤は例えば、活性成分と、既知アジュバント、例えば不活性希釈剤、例えばデキストロース、糖、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン、爆薬、例えばトウモロコシ澱粉又はアルギン酸、結合剤、例えば澱粉又はセラチン、滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、又はタルク、及び/又はデポット効果を達成するための剤、例えばカルボキシポリメチレン、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート又はポリビニルアセテートとを混合することにより得られる。錠剤はまた、いくつかの層から成る。
【0064】
錠剤被覆に通常使用される剤、ポリビニルポロリドン又はセラック、アラビアガム、タルク、酸化チタン又は糖による、錠剤に類似して生成されるコアーの被覆が、被覆された錠剤を生成することができる。この場合、被覆された錠剤のシェルはまた、いくつかの層から成り、ここで錠剤において上記で言及されたアジュバントが使用され得る。
本発明の一般式Iの化合物を含む溶液又は懸濁液はさらに、味覚増強剤、例えばサッカリン、シクラメート又は糖、及びまた、例えば風味剤、例えばバニラ又はオレンジ抽出物を含んで成る。それらはさらに、懸濁アジュバント、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、又は保護剤、例えばp-ヒドロキシベンゾエートを含んで成る。
【0065】
一般式Iの化合物を含んで成るカプセルは例えば、一般式Iの化合物と、不活性ビークル、例えばラクトース又はソルビトールとを混合し、そしてそれをゼラチンカプセルに封入することにより製造され得る。
適切な坐薬は例えば、この目的のために供給されるビークル、例えば中性脂肪又はポリエチレングリコール、又はそれらの誘導体を混合することにより生成され得る。
下記例は、本発明を説明するものであり、本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0066】
例1(3'-ヒドロキシ-8'-ビニルエストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル)- 3-スルファモイルベンゾエート
3,17β−ビス−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−ビニル−エストラ−1,3,5(10)−トリエン
1.0gの8−ビニル−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールを、18mlのDMFに添加し、そして2.8gのイミダゾール及び3.6gンtert−ブチルジメチルクロロシランと共に混合した。
【0067】
その溶液を室温で2時間、撹拌し、そして次に、n−ヘキサンにより抽出した。有機相を、飽和食塩水溶液及び水により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下での蒸発により濃縮した。この手段においては、2.0gの粗3,17β−ビス−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−ビニル−エストラ−1,3,5(10)−トリエンが得られる。
1H-NMR (CDCl3): 0.01 , 0.03 (s, 3H, SiMe2t-Bu), 0.17 (s, 6H, SiMe2t-Bu), 0.73 (s, 3H, H18), 0.88 (s, 9H, SiMe2t-Bu), 0.96 (s, 9H, SiMe2t-Bu), 3.54 (t, 1 H, H-17), 6.49 (d, 1 H, H-4), 6.58 (dd, 1 H, H-2), 7.08 (d, 1 H, H-1)。
【0068】
3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−ビニルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17β−オール
変法1
最後の段階からの3.79gの粗3,17β−ビス−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−ビニル−エストラ−1,3,5(10)−トリエンを、室温で245mlのTHF及び145mのアセトニトリルに溶解した。次に、240mlのアセトニトリル、0.4mlの水及び1.2mlのクロロトリメチルシランから成る溶液を生成し、そしてこの溶液140mlを、ステロイド溶液に滴下した。21時間後、それを塩化メチレンと共に混合し、水により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下での蒸発により濃縮した。
【0069】
このように得られた2.84gの粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(シクロへキサン/酢酸エチル8:2)により精製した。この手段においては、640mg(22%)の3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−ビニルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17β−オールを得た。
1H-NMR (CDCl3): 0.17 (s, 6H, SiMe2t-Bu), 0.78 (s, 3H, H-18), 0.96 (s, 9H, SiMe2t-Bu), 3.63 (t, 1 H, H-17), 6.49 (d, 1 H, H-4), 6.58 (dd, 1 H, H-2), 7.08 (d, 1 H, H-1 )。
【0070】
変法2
100mgの3,17β−ビス−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−ビニル−エストラ−1,3,5(10)−トリエンを、30mlのアセトンに溶解し、3.5mlの5%塩酸と共に混合し、そして室温で2時間、撹拌した。次に、それを水及び酢酸エチルと共に混合し、有機相を分離し、水により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして回転蒸発器における蒸発により濃縮した。シリカゲル上での粗生成物のクロマトグラフィー精製(シクロへキサン/酢酸エチル9:1)の後、31mg(40%)の無色の3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−ビニルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17β−オールを得た。
【0071】
(3’−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8’−ビニルエストラ−1’, 3’, 5’(10’)−トリエン−17’β−イル)−3−クロロスルホニルベンゾエート
300mgの3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−ビニルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17β−オールを、15mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、そして150mgの水素化ナトリウムと共に混合した。次に、3mlのTHF中、0.3mlの3−(クロロスルホニル)−ベンゾイルクロリドから成る溶液を滴下し、そして4時間、還流した。冷却された反応溶液を、氷水上に注ぎ、塩化メチレンにより抽出し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして回転蒸発器における蒸発により濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー精製(シクロへキサン)の後、198mg(44%)の(3’−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8’−ビニルエストラ−1’, 3’, 5’(10’)−トリエン−17’β−イル)−3−クロロスルホニルベンゾエートを、この手段において得た。
【0072】
(3’−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8’−ビニルエストラ−1’, 3’, 5’(10’)−トリエン−17’β−イル)−3−スルファモイルベンゾエート
198mgの(3’−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8’−ビニルエストラ−1’, 3’, 5’(10’)−トリエン−17’β−イル)−3−クロロスルホニルベンゾエートを、20mlの塩化メチレン及び20mlの25%アンモニア水溶液と共に混合し、そして室温で撹拌した。2時間後、それを水及び塩化メチレンと共に混合し、相を分離し、そして有機相を水により洗浄し、中性にした。硫酸ナトリウム上での乾燥の後、それを回転蒸発器における蒸発により濃縮した。従って、144mg(75%)の(3’−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8’−ビニルエストラ−1’, 3’, 5’(10’)−トリエン−17’β−イル)−3−スルファモイルベンゾエートを得た。
1H-NMR (CDCl3): 0.15 (s, 6H, SiMe2t-Bu), 0.93 (s, 9H, SiMe2t-Bu), 0.93 (s, 3H, H-18), 4.83 (t, 1 H, H-17), 6.47 (d, 1 H, H-4), 6.56 (dd, 1 H, H-2), 7.09 (d, 1 H, H-1)。
【0073】
(3'−ヒドロキシ−8'−ビニルエストラ−1',3',5'(10')−トリエン−17'β−yl) −3−スルファモイルベンゾエ−ト
90mgのテトラブチルアンモニウムフルオリドを、10mlテトラヒドロフラン中、144mgの(3’−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8’−ビニルエストラ−1’, 3’, 5’(10’)−トリエン−17’β−イル)−3−スルファモイルベンゾエートに添加し、室温で2時間、撹拌し、そして次に、水及び塩化メチレンと共に混合した。
【0074】
有機相を水により洗浄し、中性にし、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして回転蒸発器における蒸発により濃縮した。発泡性粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(シクロへキサン/酢酸エチル8:2)により精製した。従って、36mg(31%)の(3'−ヒドロキシ−8'−ビニルエストラ−1',3',5'(10')−トリエン−17'β−yl) −3−スルファモイルベンゾエ−トを得た。
1H-NMR (CDCl3): 0.92 (s, 3H, H-18), 4.82 (t, 1 H, H-17), 6.39 (d, 1 H, H-4), 6.48 (dd, 1 H, H-2), 7.00 (d, 1 H, H-1)。
【0075】
例2(3'-ヒドロキシ-8'-ビニルエストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル)- 4-スルファモイルベンゾエート
(3’−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8’−ビニルエストラ−1’, 3’, 5’(10’)−トリエン−17’β−イル)−4−スルファモイルベンゾエート
750mg(2.6mモル)の4−スルファミド−ベンゾイルクロリド及び28mgの4−ジメチルアミノピリジンを、4mlのピリジン中、300mgの3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−ビニルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17β−オールに添加し、そして室温で2時間、撹拌した。その反応混合物を氷水中に注ぎ、沈殿物を濾過し、そしてこのようにして得られた粗生成物(913mg)を、さらに精製しないで、次の段階に使用した。
【0076】
(3'-ヒドロキシ-8'-ビニルエストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル)- 4-スルファモイルベンゾエート
278mgのテトラブチルアンモニウムフルオリドを、30mlのテトラヒドロフラン中、913mgの粗(3’−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8’−ビニルエストラ−1’, 3’, 5’(10’)−トリエン−17’β−イル)−4−スルファモイルベンゾエートに添加し、そしてそれを、室温で2時間、撹拌した。次に、反応溶液を、塩化メチレン及び水に取り、有機相を水により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下での蒸発により濃縮した。
【0077】
粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(シクロへキサン、酢酸エチル1:1)により精製し、そしてメタノールから再結晶化した。この手段においては、147mg(42%)の(3'-ヒドロキシ-8'-ビニルエストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル)- 4-スルファモイルベンゾエートを得た。
1H-NMR (CDCl3): 0.96 (s, 3H, H-18), 4.87 (t, 1 H, H-17), 6.51 (d, 1 H, H-4), 6.60 (dd, 1 H, H-2), 7.10 (d, 1 H, H-1 )。
【0078】
さらなる労力を伴わないで、当業者は、前述の記載を用いて、本発明をその十分な程度まで利用できることと思われる。従って、前述の好ましい特定の態様は、単なる例示であり、本発明の範囲を制限するものではない。
前述及び実施例においては、すべての温度は、特にことわらない限り、℃であり、そしてすべての部及び%は重量によってである。
【0079】
前記例は、遺伝学的に又は特異的に記載される本発明の反応体及び/又は操作条件を、前記例に使用されるそれらにより置換することにより類似する好結果を伴って反復され得る。
前述の記載から、当業者は、本発明の必須特徴を容易に確かめることができ、そして本発明の範囲内で、本発明の種々の変更及び修飾を行うことができ、種々の使用法及び条件にそれを適合することができる。
【0080】
文献
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】

[式中、nは、0〜4であり得;
R1は、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2を意味し、これにより、R2、 R3及びX、X1はお互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5−アルキル基、CpF2P+1基(p=1〜3)、基OC(O)-R20 、COOR20、OR20、C(O)NHR20 又はOC(O)NH-R21を表し、ここでR20及びR21は、C1-5−アルキル基、C3-8−シクロアルキル基、アリール基、C1-4−アルキレンアリール基、C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基、又はC3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基であり、そしてR20はさらに、水素原子を意味することができ;あるいは、
R2は、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2を意味し、ここで、R1、 R3及びX、 X1はお互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5−アルキル基、CpF2P+1基(p=1〜3)、基OC(O)-R20 、COOR20、OR20、C(O)NHR20 又はOC(O)NH-R21を表し、ここでR20及びR21は、C1-5−アルキル基、C3-8−シクロアルキル基、アリール基、C1-4−アルキレンアリール基、C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基、又はC3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基であり、そしてR20はさらに、水素原子を意味することができ;あるいは、
R3は、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2を意味し、ここで、R1、 R2及びX、 X1はお互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5−アルキル基、CpF2P+1基(p=1〜3)、基OC(O)-R20 、COOR20、OR20、C(O)NHR20 又はOC(O)NH-R21を表し、ここでR20及びR21は、C1-5−アルキル基、C3-8−シクロアルキル基、アリール基、C1-4−アルキレンアリール基、C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基、又はC3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基であり、そしてR20はさらに、水素原子を意味することができ;そして
「ステロイド」は、下記式(A):
【化2】

(式中、R3は、Zであり得、そして
R17は、OH基、トリ(C1-C4−アルキル)シリルオキシ基又は基OC(O)−R20であるか、又は
R3は、OH, OMe, トリ(C1-C4-アルキル)シリルオキシ基又は基OC(O)−R20であり得、そして
R17は、Zであり得、そして
R8は、枝分かれ鎖又は直鎖の、任意には部分的に又は完全にハロゲン化された、3個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、
R16は、水素原子、ハロゲン原子、又はメチル基であり、ここで、置換基R16及びR17は個々の場合、α−及びβ−位置で存在することができる)で表されるステロイドABCD−環系を表す]
で表される8β−置換されたエストラトリエンのスルファモイル化合物類及びそれらの医薬的に許容できる塩。
【請求項2】
nが0,1又は2であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項3】
個々の場合、基R1, R2又はR3が基−SO2NH2を表す請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
R1が、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2を表す請求項1又は2記載の化合物。
【請求項5】
R1が、基-SO2NH2を表す請求項4記載の化合物。
【請求項6】
基R1, R2及びR3の1つが-SO2NH2 又は-NHSO2NH2を意味しない場合、個々の場合、他の2つの基R1, R2及びR3、並びにX及びX1はお互い独立して、水素、弗素又は塩素原子、ヒドロキシ基又はメトキシ基を表す請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
R8が、メチル、エチル、ビニル又はジフルオロビニル基である請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
1) (3'-ヒドロキシ-8'β-メチル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
2) (3'-ヒドロキシ-8'β-エチル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
3) (3'-ヒドロキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
4) (3'-ヒドロキシ-8'β-メチル-エストラ-1’,3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
5) (3'-ヒドロキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
6) (3'-ヒドロキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
7) (3'-アセトキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
8) (3'-アセトキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
9) (3'-アセトキシ-8'β-ビニル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
10) (3'-アセトキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
11) (3'-アセトキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5' (10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
12) (3'-アセトキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
13) (3'-ベンゾイルオキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
14) (3'-ベンゾイルオキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')トリエン'β-イル)4-スルファモイルベンゾエート,
15) (3'-ベンゾイルオキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
16) (3'-ベンゾイルオキシ-8'β-エチル-エストラ-1 ',3',5'(1O')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
17) (3'-ベンゾイルオキシ-8'β-ビニル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
18) (3'-ベンゾイルオキシ-8'β-ビニル-エストラ-1 ', 3', 5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
19) (3'-ヒドロキシ-8'β-ビニル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 2-クロロ-5-スルファモイルベンゾエート,
20) (3'-ヒドロキシ-8'β-ビニル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイル-4-クロロ-ベンゾエート,
21) (3'-ヒドロキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 2-クロロ-5-スルファモイルベンゾエート,
22) (3'-ヒドロキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイル-4-クロロ-ベンゾエート,
23) (3'-ヒドロキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 2-クロロ-5-スルファモイルベンゾエート,
24) (3'-ヒドロキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイル-4-クロロ-ベンゾエート,
25) (17'β-(n-ペンタノイルオキシ)-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
26) (17'β-(n-ペンタノイルオキシ)-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
27) (17'β-(n-ペンタノイルオキシ)-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
28) (17'β-ベンゾイルオキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
29) (17'β-ベンゾイルオキシ-8'β-メチル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
30) (17'β-ベンゾイルオキシ-8'β-エチル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
31) (17'β-(n-ペンタノイルオキシ)-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
32) (17'β-(n-ペンタノイルオキシ)-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
33) (17'β-(n-ペンタノイルオキシ)-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
34) (17'β-ベンゾイルオキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
35) (17'β-ベンゾイルオキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
36) (17'β-ベンゾイルオキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(1O')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
37) (17'β-アセトキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
38) (17'β-アセトキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
39) (17'β-アセトキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
40) (17'β-アセトキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
41) (17'β-アセトキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
42) (17'β-アセトキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-3'-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
43) (3'-メトキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
44) (3'-メトキシ-8'β-エチル-エストラ-1 ',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
45) (3'-メトキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 3-スルファモイルベンゾエート,
46) (3'-メトキシ-8'β-ビニル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
47) (3'-メトキシ-8'β-エチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエート,
48) (3'-メトキシ-8'β-メチル-エストラ-1',3',5'(10')-トリエン-17'β-イル) 4-スルファモイルベンゾエートである請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
少なくとも1つの請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物、及び医薬的に適合できるビークルを含む医薬組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの追加のステロイド化合物が含まれる請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記追加のステロイド化合物が、ゲスタゲン、抗ゲスタゲン又はメソプロゲスチンである請求項10記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記ゲスタゲンがドロスピレノン、ジエノゲスト、ノルエチステロン又はレボノルゲストレルであり、前記抗ゲスタゲンがオナプリストン又はミフェプリストンであり、又は前記メソプロゲスチンがアソプリスニルである請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
医薬剤の製造のためへの請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項14】
エストロゲン欠乏により引起される、女性及び男性における疾病及び病状を処理するためへの請求項13記載の使用。
【請求項15】
閉経近く及び閉経後症状の処理のためへの請求項13記載の使用。
【請求項16】
男性不妊症のインビトロ処理のためへの請求項13記載の使用。
【請求項17】
男性不妊症のインビボ処理のためへの請求項13記載の使用。
【請求項18】
女性不妊症のインビトロ処理のためへの請求項13記載の使用。
【請求項19】
女性不妊症のインビボ処理のためへの請求項13記載の使用。
【請求項20】
手術、投薬、等により引起される卵巣機能不全におけるホルモン−欠乏誘発された症状の治療のためへの請求項13記載の使用。
【請求項21】
ホルモン置換療法(HRT)のためへの請求項13記載の使用。
【請求項22】
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、例えばラロキシフェンと組合せての請求項20記載の使用。
【請求項23】
ホルモン−欠乏誘発された骨質量損失の予防及び治療のためへの請求項13記載の使用。
【請求項24】
オステオポローシスの予防及び治療のためへの請求項13記載の使用。
【請求項25】
骨構築のための、又は骨質量損失を引起す療法(例えば、グルココルチコイド、アロマターゼインヒビター、GnRHアゴニスト又はアンタゴニスト、又は化学療法による療法)に対する支持療法として、天然のビタミンD3又はカルシトリオール類似体と組合せての請求項23記載の使用。
【請求項26】
心血管疾患に対する予防及びその治療のためへの請求項13記載の使用。
【請求項27】
炎症性疾患及び免疫系の疾患を処理するためへの請求項13記載の使用。
【請求項28】
リウマチ様関節炎の処理のためへの請求項27記載の使用。
【請求項29】
多発性硬化症、クローン病又は子宮内膜症の処理のためへの請求項27記載の使用。
【請求項30】
良性前立腺過形成(BPH)の予防及び処理のためへの請求項13記載の使用。
【請求項31】
良性前立腺過形成(BPH)の予防及び処理のために抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体モジュレーターと組合せての請求項30記載の使用。
【請求項32】
7α−[9−[(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)スルフィニル]ノニル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール(フルベストラント)が抗エストロゲン、ラロキシフェン、又はタモキシフェンとして使用され、又は5−(4−{5−[(RS)−(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)−スルフィニル]ペンチル}フェニル)−6−フェニル−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾシクロヘプテン−2−オールがSERMとして使用される請求項31記載の使用。
【請求項33】
特にエストロゲン消耗をもたらす治療の後、例えばアロマターゼインヒビター又はGnRHアンタゴニスト又はアゴニストによる処理の後、関節炎症状を処理するためへの請求項13記載の使用。
【請求項34】
カルボニックアンヒドラーゼ活性の阻害により陽性的に影響され得る疾病の処理のための医薬剤の製造のためへの請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項35】
脱毛症の処理のための医薬剤の製造のためへの請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項36】
請求項13〜35のいずれか1項記載の3'−ヒドロキシ−8'β−ビニル−エストラ−1',3',5'(10')−トリエン−17'β−イル) 3−スルファモイルベンゾエ−ト;(3'−ヒドロキシ−8'β−ビニル−エストラ−1',3',5'(10')−トリエン−17'β−イル) 4−スルファモイルベンゾエ−ト;3'− ヒドロキシ−8'β−ビニル−エストラ−1',3',5'(10')−トリエン−17'β−イル) 3−スルファモイル−4−クロロ−ベンゾエ−ト;(3'− メトキシ−8'β−ビニル−エストラ−1 ',3',5'(10')−トリエン−17'β−イル) 3−スルファモイルベンゾエ−ト 及び (3'−メトキシ−8'β−ビニル−エストラ−1 ',3',5'(10')−トリエン−17'β−イル) 4−スルファモイルベンゾエ−トの使用。
【請求項37】
請求項1〜8のいずれか1項記載の下記一般式(I):
【化3】

で表される化合物の製造方法であって、式(A)の8β−置換されたエストラトリエンと、対応するスルファモイルフェニルカルボン酸又はその誘導体との反応により、又はスルファミド、塩化スルファモイル又はアミノスルホニルイソシアネートと対応する化合物との反応による方法。

【公表番号】特表2009−517426(P2009−517426A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542680(P2008−542680)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/011728
【国際公開番号】WO2007/062876
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】