説明

GPR119活性の調節剤としての化合物および組成物

本発明は、化合物、このような化合物を含む医薬組成物およびGPR119の活性と関連する疾患または障害を処置または予防するためにこのような化合物を使用する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2007年3月8日出願の米国仮出願番号60/893,854の優先権の利益を主張する。この出願の全ての記載は、引用により、それらの全体として、かつすべての目的に関して、本出願に包含される。
【0002】
発明の背景
技術分野
本発明は、化合物、このような化合物を含む医薬組成物およびGPR119の活性と関連する疾患または障害を処置または予防するためにこのような化合物を使用する方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景
GPR119は膵臓、小腸、大腸および脂肪組織で主に発現するG−タンパク質共役受容体(GPCR)である。ヒトGPR119受容体の発現プロフィールは、肥満および糖尿病の処置のための標的として潜在的有用性を示す。新規の本発明の化合物はGPR119の活性を調節し、したがって、GPR119関連疾患または障害、例えば、限定はされないが糖尿病、肥満および関連代謝障害の処置において有用であることが期待される。
【発明の概要】
【0004】
発明の概要
第1の局面において、本発明は、式I:
【化1】

〔式中:
nは0、1、2および3から選択され;
Lは−Y−;−OX−;−OXOX−;−OXC(O)X−;−OXC(O)OX−;および−OC(O)NR−から選択され;ここで、YはO、NおよびSから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から8員ヘテロ環式であり;XおよびXは独立して結合、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、C3−8シクロアルキルおよびC1−5ヘテロアリーレンから選択され;Rは水素およびC1−6アルキルから選択され;そして、Xは1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、オキサゾール、チアゾールおよびテトラゾールから選択され;
はC1−4アルキル、ハロ−置換−C1−4アルキル、C6−10アリール、−XS(O)0−25a、−XC(O)OR5a、−XOR5a、−XC(O)R5a、−XC(O)NR5a5b、−XNR5cS(O)0−25a、−XNR5cC(O)OR5a、−XNR5cC(O)R5aおよび−XNR5cC(O)NR5a5bから選択され;ここで、R5aおよびR5bは独立して水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシおよびC1−10ヘテロアリールから選択され、ここで、Xは結合、C1−3アルキレンおよびC3−6シクロアルキレンから選択され;R5cは水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC1−10ヘテロアリールから選択され;ここで、R5cの任意のアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは所望により独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1から3個のラジカルで置換されていてもよく;
はハロ、シアノ、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、ハロ−置換−C1−8アルキル、ハロ−置換−C1−8アルコキシおよびニトロから選択され;
はC1−10ヘテロアリール、−C(O)OR6a、−C(O)R6a、−S(O)0−26a、−C(O)Rおよび−C(O)XNR6aC(O)OR6bから選択され;ここで、Xは結合およびC1−6アルキレンから選択され;R6aおよびR6bは独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;RはC3−8シクロアルキルおよびC6−10アリールから選択され;ここで、Rの該ヘテロアリールは所望により独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C3−8ヘテロシクロアルキルおよびC1−10ヘテロアリールから選択される1から3個のラジカルで置換されており;そして、
はCRおよびNから選択され;ここで、Rは水素およびC1−6アルキルから選択される〕
で示される化合物を提供する。
【0005】
第2の局面において、本発明は、式Iの化合物またはそのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体の混合物;またはその薬学的に許容される塩を1種以上の適当な賦形剤と共に含む医薬組成物を提供する。
【0006】
第3の局面において、本発明は、GPR119活性の調節が疾患の病状および/または総体症状を予防、阻止または改善できる動物の疾患を処置する方法であって、治療有効量の式Iの化合物またはそのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体の混合物またはその薬学的に許容される塩を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0007】
第4の局面において、本発明は、GPR119活性が疾患の病状および/または総体症状に関与する動物の疾患を処置するための薬剤の製造における式Iの化合物の使用を提供する。
【0008】
第5の局面において、本発明は、式Iの化合物ならびにそのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、保護された誘導体、個々の異性体および異性体の混合物ならびにその薬学的に許容される塩の製造法を提供する。
【0009】
発明の詳細な説明
定義
基および他の基、例えばハロ−置換−アルキルおよびアルコキシの構造要素としての“アルキル”は、直鎖、分岐鎖または環状であり得る。C1−6−アルコキシはメトキシ、エトキシなどを含む。ハロ−置換−C1−6アルキルはトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどを含む。ハロ−置換−C1−6アルキルは、いくつか、またはすべての水素がハロ基で置換されている1から6個の炭素原子の直鎖または分岐鎖アルキル、例えば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどを含む。C1−4アルキレンは、1から4個の炭素原子を含む二価直鎖または分岐鎖アルキルである。
【0010】
“アリール”は6から10個の環炭素原子を含む単環式または縮合二環式芳香環集合体を意味する。例えば、アリールはフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。“アリーレン”はアリール基から生じる二価のラジカルを意味する。“ヘテロアリール”は1個以上の環員がヘテロ原子であるときのアリールについて定義するとおりのものである。例えば、C1−10ヘテロアリールはピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾ−イミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニル、1H−ピリジン−2−オニル、6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イルなどを含む。“C6−10アリールC0−4アルキル”はアルキレン基を介して結合している上記のとおりのアリールを意味する。例えば、C6−10アリールC0−4アルキルはフェネチル、ベンジルなどを含む。ヘテロアリールは、また、N−オキシド誘導体、例えば、下記構造:
【化2】

を有するピリジン−N−オキシド誘導体を含む。
【0011】
“シクロアルキル”は示された環原子の数を含む飽和または部分的に不飽和、単環式、縮合二環式または架橋多環式環集合体を意味する。例えば、C3−10シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。“ヘテロシクロアルキル”は本明細書に定義のとおりのシクロアルキルを意味するが、ただし、示された1個以上の環炭素は−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−(ここで、Rは水素、C1−4アルキルまたは窒素を保護する基である)から選択される部分により置換されている。例えば、本発明の化合物を記載するために本明細書で使用されるC3−8ヘテロシクロアルキルはモルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン(piperidinylone)、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカ−8−イル、2−オキソ−ピロリジン−1−イル、2−オキソ−ピペリジン−1−イルなどを含む。
【0012】
GPR119は、Gタンパク質−共役受容体119(GenBank(登録商標)登録番号AAP72125)を意味し、RUP3およびGPR116としても文献において言及される。本明細書で使用するGPR119なる用語は、GeneBank登録番号AY288416で示されるヒト配列、その天然対立遺伝子多型、哺乳動物のオルソログおよび組み換え変異体を含む。
【0013】
“ハロゲン”(またはハロ)は好ましくはクロロまたはフルオロを示すが、またブロモまたはヨードであり得る。
【0014】
“処置”、“処置し”および“処置する”は、疾患および/または附随する症状を軽減する、または無くす方法を意味する。
【0015】
好ましい態様の記載
本発明は、化合物、組成物ならびにGPR119活性の調節が疾患の病状および/または総体症状を予防、阻止または改善できる疾患を処置する方法であって、治療有効量の式Iの化合物を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0016】
1つの態様において、式Iの化合物に関して、nが0、1および2から選択され;
Lが−Y−および−OX−から選択され;ここで、YはO、NおよびSから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から8員ヘテロ環式であり;Xは結合、C1−6アルキレンおよびC2−6アルケニレンから選択され;そして、Xは1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、オキサゾール、チアゾールおよびテトラゾールから選択され;
がハロ、シアノ、C1−4アルキル、ハロ−置換−C1−4アルキル、C6−10アリール、−S(O)0−25a、−C(O)OR5a、−C(O)R5aおよび−C(O)NR5a5bから選択され;ここで、R5aおよびR5bは独立して水素、C1−4アルキルおよびハロ−置換−C1−4アルキルから選択され;
がハロおよびニトロから選択され;
がC1−10ヘテロアリール、−C(O)OR6a、−C(O)R6a、−S(O)0−26a、−C(O)Rおよび−C(O)XNR6aC(O)OR6bから選択され;ここで、Xは結合およびC1−4アルキレンから選択され;R6aおよびR6bは独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;RはC3−8シクロアルキルおよびC6−10アリールから選択され;ここで、Rの該ヘテロアリールは所望により3個までのC1−6アルキルラジカルで置換されており;そして、
がCRおよびNから選択され;ここで、Rは水素およびC1−4アルキルから選択される。
【0017】
他の態様において、Lが−Y−および−OX−から選択され;ここで、Yはピロリジンであり;Xはメチレン、プロピレン、ブチレンおよびペンチレンから選択され;そして、Xは1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、オキサゾール、チアゾールおよびテトラゾールから選択される。
【0018】
他の態様において、Rがハロ、シアノ、トリフルオロメチル、メチル−スルホニル、メトキシ−カルボニル、フェニル、メチル−カルボニル、アミノ−カルボニルおよびトリフルオロメチル−スルホニルから選択される。
【0019】
他の態様において、Rがt−ブトキシ−カルボニル、イソプロポキシ−カルボニル、t−ブチル−カルボニル、t−ブチル−メチル−カルボニル、t−ブトキシ−カルボニル−アミノメチル−カルボニル、フェニル−カルボニル、シクロヘキシル−カルボニル、t−ブチル−スルフィニル、ピリジニル、イソプロピル−スルホニルおよびエチル−ピリミジニルから選択される。
【0020】
他の態様において、tert−ブチル4−(3−(1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−イソプロピル4−(3−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−tert−ブチル4−(5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−イソプロピル4−(5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−3−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)−5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール;(S)−1−メチルシクロプロピル4−(5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−tert−ブチル4−(5−(1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−1−メチルシクロプロピル4−(5−(1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−3−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)−5−(1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール;(S)−イソプロピル4−(5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−イソプロピル4−(4−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)オキサゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−イソプロピル4−(4−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)チアゾル−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;4−{2−[1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−ピロリジン−3−イル]−S−オキサゾール−4−イル}−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル;4−{2−[1−(2−フルオロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ピロリジン−3−イル]−S−チアゾル−4−イル}−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル;(S)−イソプロピル4−(2−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;イソプロピル4−(5−((4−(メチルスルホニル)フェノキシ)メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;イソプロピル4−(5−(3−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)プロピル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;イソプロピル4−(3−(4−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)ブチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;およびイソプロピル4−(3−(5−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)ペンチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートから選択される。
【0021】
さらなる式Iの化合物は下記実施例および表において記載されている。
【0022】
薬理学および有用性
本発明の化合物は、GPR119の活性を調節し、それ自体、GPR119の活性が疾患の病状および/または総体症状に関与する疾患または障害の処置に有用である。本発明は、さらにGPR119活性が疾患の病状および/または総体症状に関与する、疾患または障害を処置するための薬剤の製造において使用するための本発明の化合物を提供する。
【0023】
II型糖尿病の結果として起こる病理は、標的組織でのインスリンシグナル伝達障害および膵臓のインスリン産生細胞が高血糖シグナルに応答して適当な程度のインスリンを分泌できないことである。後者を処置するための現在の治療は、内因性インスリン貯蔵の放出を引き起こすためのβ細胞ATP−感受性カリウムチャネルの阻害剤、または外因性インスリンの投与を含む。これらのいずれも血中グルコース濃度の正確な正常化を達成できず、両方とも低血糖を誘発する危険性を有する。これらの理由のため、グルコース依存性作用に機能する医薬、すなわちグルコースシグナル伝達の増強剤の開発の強い関心がもたれている。この様式で機能する生理学的シグナル伝達系はよく特徴付けられており、GLP−l、GIPおよびPACAPの消化管ペプチドを含む。これらのホルモンはそれらの同族G−タンパク質共役受容体を介して作用し、膵臓β細胞においてcAMPの産生を刺激する。増加したcAMPは空腹時または食前状態のインスリン放出の刺激をもたらさないようである。しかしながら、ATP−感受性カリウムチャネル、電圧−感受性カリウムチャネルおよび開口分泌機構を含む、一連のcAMPシグナル伝達の生化学的標的は、食後のグルコース刺激に対するインスリン分泌反応が著しく高くなる方法で修飾される。したがって、新規の同様に機能するアゴニストであるGPR119を含むβ細胞GPCRは、また、内因性インスリンの放出を刺激し、その結果、II型糖尿病において正常血糖を促進する。例えば、GLP−l刺激の結果として増加したcAMPはβ細胞増殖を促進し、β細胞死を阻止し、したがって膵島集団を改善することも確立されている。β細胞集団におけるこの良い結果は、インスリン産生が不十分であるII型糖尿病およびβ細胞が不適当な自己免疫応答により破壊されるI型糖尿病の両方において有益であることが期待される。
【0024】
GPR119を含むいくつかのβ細胞GPCRは、また、視床下部に存在し、そこで空腹、満腹、摂食量の減少、体重の調節および減少ならびにエネルギー消費を調節する。したがって、視床下部の回路内のこれらの機能を考慮すると、これらの受容体のアゴニストまたは逆アゴニストは空腹感を弱め、満腹感を促進し、したがって体重を調節する。
【0025】
代謝疾患が他の生理系に悪影響を与えることもよく確立されている。したがって、しばしば、多数の疾患状態(例えば、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能異常、インスリン抵抗性、高血糖、脂質異常症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質異常症、肥満または“シンドロームX”における心血管疾患)または明らかに糖尿病に二次的に発症する二次疾患(例えば、腎臓疾患、末梢神経障害)が同時発症する。したがって、糖尿病状態の有効な処置が今度はこのような相互関連疾患状態に有益であることが期待される。
【0026】
1つの態様において、本発明は個体の代謝疾患および/または代謝関連障害を処置する方法であって、治療有効量の本発明の化合物またはその医薬組成物をこのような処置を必要とする個体に投与することを含む方法である。代謝疾患および代謝関連障害は、脂質異常症、1型糖尿病、2型糖尿病、特発性1型糖尿病(Ib型)、成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)、早期発症型2型糖尿病(EOD)、若年発症型非定型糖尿病(YOAD)、若年発生成人型糖尿病(MODY)、栄養不良関連糖尿病、妊娠性糖尿病、冠状動脈心疾患、虚血性卒中、血管形成術後の再狭窄、末梢血管障害、間欠性跛行、心筋梗塞(例えば、壊死およびアポトーシス)、脂質異常症、食後脂質異常症、耐糖能異常の状態(IGT)、空腹時血漿グルコース異常の状態、代謝性アシドーシス、ケトーシス、関節炎、肥満、骨粗鬆症、高血圧、鬱血性心不全、左心室肥大、末梢動脈疾患、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、白内障、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、慢性腎不全、糖尿病性神経障害、メタボリック症候群、シンドロームX、月経前症候群、冠状動脈心疾患、狭心症、血栓症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、一過性虚血性発作、卒中、血管再狭窄、高血糖、高インスリン血症、脂質異常症、高トリグリセリド血症、インスリン抵抗性、グルコース代謝の障害、耐糖能異常の状態、空腹時血漿グルコース異常の状態、肥満、勃起機能障害、皮膚および結合組織障害、足潰瘍および潰瘍性大腸炎、内皮機能障害および異常血管伸展性から選択されるが、これらに限定はされない。
【0027】
前記によって、本発明は、さらに、処置を必要とする対象における上記のいずれかの疾患または障害の症状を予防または改善するための方法であって、該対象に治療的有効量(下記“投与および医薬組成物”参照)の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。上記の何らかの使用に関して、必要な投与量は、投与経路、処置すべき特定の状態および所望の効果に依存して変化する。
【0028】
投与および医薬組成物
一般的に、本発明の化合物は単独でまたは1種以上の治療剤との組合せのいずれかで当分野で既知の通常のおよび許容される形式のいずれかを介して、治療有効量を投与される。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康度、使用される化合物の有効性および他の要素に依存して広く変化し得る。一般的に、満足な結果は体重あたり約0.03から2.5mg/kgの1日投与量で全身に得られることが示される。大型哺乳動物、例えばヒトにおいて指示される1日投与量は、例えば1日に4回までの分割用量でまたは遅延形で都合良く投与される約0.5mgから約100mgの範囲である。経口投与のための適当な単位用量形は約1から50mgの活性成分を含む。
【0029】
本発明の化合物は任意の慣用の経路で、特に経腸的に、例えば経口的に、例えば錠剤形もしくはカプセル形で、または非経腸的に、例えば注射溶液形もしくは懸濁液形で、局所的に、例えばローション形、ゲル形、軟膏形もしくはクリーム形で、または経鼻形もしくは坐薬形で医薬組成物として投与できる。少なくとも1種の薬学的に許容される担体もしくは希釈剤と一緒に遊離形または薬学的に許容される塩形の本発明の化合物を含む医薬組成物を、混合、造粒または被覆方法による慣用の方法で製造できる。例えば、経口組成物は、活性成分とa)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤のために、また、c)結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン;所望により、d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩または起沸性混合物;および/またはe)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤を一緒に含む錠剤またはゼラチンカプセルと共に含む錠剤またはゼラチンカプセルであり得る。注射組成物は、等張水溶液または懸濁液であり得、そして座薬は脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造し得る。該組成物は滅菌し得そして/またはアジュバント、例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤もしくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩および/またはバッファーを含み得る。加えて、それらはまた、治療に有効な他の物質を含み得る。適当な経皮投与用製剤は有効量の本発明の化合物を担体と含む。担体は宿主の皮膚を介する輸送を助けるために、薬理学的に許容される吸収性溶媒を含み得る。例えば、経皮デバイスは裏当て部分、化合物と所望により担体を含む貯蔵部、所望により長時間にわたって制御されたおよび予定された速度で宿主の皮膚に化合物を送達するための速度制御バリア、および皮膚にデバイスを固定するための手段を含む、バンデージ形である。マトリックス経皮製剤もまた使用され得る。例えば、皮膚および眼への、適当な局所投与用製剤は、当分野で既知の好ましくは水溶液、軟膏、クリームまたはゲルである。このような製剤は、可溶化剤、安定化剤、等張増加剤、バッファーおよび保存剤を含み得る。
【0030】
本発明の化合物は、治療有効量の1種以上の治療剤との組合せ(医薬組合せ)で投与され得る。
【0031】
例えば、相乗効果が、他の抗肥満剤、食欲減衰剤、食欲抑制剤および関連剤とで起こり得る。食事療法および/または運動も相乗効果をもたらすことができる。抗肥満剤は、アポリポタンパク質−B分泌/ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(アポ−B/MTP)阻害剤、MCR−4アゴニスト、コレシストキニン−A(CCK−A)アゴニスト、セロトニンおよびノルエピネフリン再摂取阻害剤(例えば、シブトラミン)、交感神経様作用剤、β3アドレナリン受容体アゴニスト、ドーパミンアゴニスト(例えば、ブロモクリプチン)、メラニン細胞刺激ホルモン受容体類似体、カンナビノイド1受容体アンタゴニスト[例えば、WO2006/047516に記載されている化合物)、メラニン凝集ホルモンアンタゴニスト、レプトン(OBタンパク質)、レプチン類似体、レプチン受容体アゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、リパーゼ阻害剤(例えば、テトラヒドロリプスタチン、すなわち、オーリスタット)、食欲減衰剤(例えば、ボンベシンアゴニスト)、神経ペプチド−Yアンタゴニスト、甲状腺ホルモン剤(thyromimetic agent)、デヒドロエピアンドロステロンまたはその類似体、グルココルチコイド受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、オレキシン受容体アンタゴニスト、ウロコルチン結合タンパク質アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1受容体アゴニスト、毛様体の神経栄養因子(例えば、アキソキンTM)、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)、グレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニストまたは逆アゴニスト、ニューロメジンU受容体アゴニスト、ノルアドレナリン食欲減衰剤(例えば、フェンテルミン、マジンドールなど)および食欲抑制剤(例えば、ブプロピオン)を含むが、これらに限定されない。
【0032】
本発明の化合物が他の治療と一緒に投与されるとき、共投与される化合物の用量は、もちろん、使用される共薬剤の型、使用される特定の薬剤、処置される状態などに依存して変化する。
【0033】
組合せ製剤または医薬組成物は、上記定義の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩および下記から選択される少なくとも1個の活性成分を含み得る:
【0034】
a)インスリン、インスリン誘導体および摸倣体;スルホニルウレア、例えば、グリピジド、グリブリドおよびアマリールのようなインスリン分泌促進剤;メグリチニド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニドのようなインスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド;PTP−112のようなタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤のようなインスリン増感剤;SB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441およびNN−57−05445のようなGSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤;GW−0791およびAGN−194204のようなRXRリガンド;T−1095のようなナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤;BAY R3401のようなグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤;メトホルミンのようなビグアナイド;アカルボースのようなアルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、エキセンディン−4のようなGLP−1類似体およびGLP−1摸倣体;DPP728、LAF237(ビルダグリプチン−WO00/34241の実施例1)、MK−0431、サクサグリプチン、GSK23AのようなDPPIV(ジペプチヂジルペプチダーゼIV)阻害剤;AGE破壊剤;ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または実施例4の化合物19として特許出願WO03/043985に記載の(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾル−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、非グリタゾン型PPARガンマアゴニスト、例えばGI−262570のようなチアゾリドン誘導体(グリタゾン)のような抗糖尿病剤;WO2005044250、WO2005013907、WO2004094618およびWO2004047755に記載されているもののようなジアシルグリセロールアセチルトランスフェラーゼ(DGAT)阻害剤;
【0035】
b)3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリールコエンザイムA(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えば、ロバスタチンおよび米国特許第4,231,938号に記載されているもののような関連化合物、ピタバスタチン、シンバスタチンおよび米国特許第4,448,784および4,450,171号に記載されているもののような関連化合物、プラバスタチンおよび米国特許第4,346,227号に記載されているもののような関連化合物、セリバスタチン、メバスタチンおよび米国特許第3,983,140号に記載されているもののような関連化合物、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよび米国特許第5,753,675号に記載されているもののような関連化合物、リバスタチン、米国特許第4,613,610号に記載されているメバロノラクトン誘導体のピラゾール類似体、PCT出願WO86/03488に記載されているメバロノラクトン誘導体のインデン類似体、米国特許第4,647,576号に記載されている6−[2−(置換−ピロール−1−イル)−アルキル)ピラン−2−オンおよびその誘導体、Searle’s SC−45355(3−置換ペンタン二酸誘導体)ジクロロアセテート、PCT出願WO86/07054に記載されているメバロノラクトンのイミダゾール類似体、仏特許第2,596,393号に記載されている3−カルボキシ−2−ヒドロキシ−プロパン−ホスホン酸誘導体、2,3−置換ピロール、欧州特許出願第0221025号に記載されているフランおよびチオフェン誘導体、米国特許第4,686,237号に記載されているメバロノラクトンのナフチル類似体、米国特許第4,499,289号に記載されているもののようなオクタヒドロナフタレン、欧州特許出願第0,142,146号A2に記載されているメビノリン(ロバスタチン)のケト類似体、ならびに米国特許第5,506,219および5,691,322号に記載されているキノリンおよびピリジン誘導体のような脂質低下剤。加えて、GB2205837に記載されている本明細書で使用するために適当なHMG CoAレダクターゼを阻害するために有用なホスフィン酸化合物;スクアレンシンターゼ阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミンミン;フィブラート;ニコチン酸およびアスピリン;
【0036】
c)CB1活性調節剤、メラノコルチン受容体(MC4R)アゴニスト、メラニン凝集ホルモン受容体(MCHR)アンタゴニスト、成長ホルモン分泌促進因子受容体(GHSR)アンタゴニスト、ガラニン受容体モジュレーター、オレキシンアンタゴニスト、CCKアゴニスト、GLP−1アゴニストおよび他のプレプログルカゴン由来ペプチド;NPY1またはNPY5アンタゴニスト、NPY2およびNPY4モジュレーター、コルチコトロピン放出因子アゴニスト、ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター、aP2阻害剤、PPARガンマモジュレーター、PPARデルタモジュレーター、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、11−β−HSD−1阻害剤、アディポネクチン(adinopectin)受容体モジュレーター;AJ9677(武田/大日本)、L750355(Merck)またはCP331648(Pfizer)のようなベータ3アドレナリンアゴニストまたは米国特許第5,541,204、5,770,615、5,491,134、5,776,983および5,488,064号に記載されている他の既知のベータ3アゴニスト、WO97/21993(U.CalSF)、WO99/00353(KaroBio)およびGB98/284425(KaroBio)に記載されている甲状腺受容体リガンドのような甲状腺受容体ベータモジュレーター、WO2005011655に記載されているSCD−1阻害剤、オーリスタットまたはATL−962(Alizyme)のようなリパーゼ阻害剤、セロトニン受容体アゴニスト(例えば、BVT−933(Biovitrum))、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フルボキサミン、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、クロルフェンテルミン、クロフォレックス、クロルテルミン、ピシロレックス、シブトラミン、デキサンフェタミン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミンまたはマジンドールのようなモノアミン再取り込み阻害剤または放出剤、トピラメート(Johnson & Johnson)、CNTF(毛様体神経栄養因子)/Axokine(登録商標)(Regeneron)、BDNF(脳由来神経栄養因子)、レプチンおよびレプチン受容体モジュレーター、フェンタミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキストロアンフェタミン(dexamphetamine)、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミンミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラマート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパム(ecopipam)のような食欲抑制剤、エフェドリン、プソイドエフェドリンのような抗肥満剤または食欲調節剤;
【0037】
d)エタクリン酸、フロセミドおよびトルセミドのようなループ利尿剤;チアジド誘導体、クロロチアジド(chlorithiazide)、ヒドロクロロチアジド、アミロライドのような利尿剤;ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル(perinodopril)、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルのようなアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤;ジゴキシンのようなNa−K−ATPase膜ポンプ阻害剤;チオルファン、terteo−チオルファン、SQ29072のような中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;SLV306のようなECE阻害剤;オマパトリラート、サムパトリラート(sampatrilat)およびファシドトリルのようなACE/NEP阻害剤;カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特にバルサルタンのようなアンギオテンシンIIアンタゴニスト;アリスキレン、テルラキレン(terlakiren)、ジテキレン(ditekiren)、RO−66−1132、RO−66−1168のようなレニン阻害剤;アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロールのようなベータアドレナリン受容体ブロッカー;ジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノンのような変力剤;アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミルのようなカルシウムチャネルブロッカー;アルドステロン受容体アンタゴニスト;アルドステロンシンターゼ阻害剤;およびWO00/01389に記載されているもののようなデュアルET/AIIアンタゴニストのような抗高血圧剤;
【0038】
e)HDL増加性化合物;
f)Zetia(登録商標)およびKT6−971のようなコレステロール吸収モジュレーター;
g)Apo−A1類似体および摸倣体;
h)キシメラガトランのようなトロンビン阻害剤;
【0039】
i)アナストロゾール(anastrazole)、ファドロゾール(fadrazole)、エプレレノンのようなアルドステロン阻害剤;
j)アスピリン、重硫酸クロピドグレルのような血小板凝集阻害剤;
k)エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター;
【0040】
l)フェマラのようなアロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性化剤、アルキル化剤、抗新生物代謝拮抗剤、白金化合物、PDGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、好ましくは欧州特許出願EP−A−0564409に実施例21として記載のイマチニブ({N−{5−[4−(4−メチル−ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミン})または特許出願WO04/005281に実施例92として記載の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドのようなタンパク質キナーゼ活性を低下させる化合物のような化学療法剤;および
【0041】
m)米国特許第5510353号に実施例13として記載のテガセロド、マレイン酸水素テガセロド、シサプリド、シランセトロン(cilansetron)のような5−HT受容体と相互作用する薬剤および/または5−HT受容体と相互作用する薬剤;
【0042】
n)タバコ濫用、例えば、ニコチン受容体部分的アゴニスト、ブプロピオン塩酸塩(商標名Zyban(登録商標)としても既知)を処置するための薬剤およびニコチン置換療法のための薬剤;
【0043】
o)勃起機能障害を処置するための薬剤、例えば、ドーパミン作用薬、例えば、アポモルヒネ)、ADD/ADHD剤(例えば、Ritalin(登録商標)、Strattera(登録商標)、Concerta(登録商標)およびAdderall(登録商標));
【0044】
p)オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン(商標名ReVia(登録商標)としても既知)およびナルメフェン)、ジスルフィラム(商標名Antabuse(登録商標)としても既知)およびアカンプロセート(商標名Campral(登録商標)としても既知)のような、アルコール依存症を処置するための薬剤(加えて、アルコール禁断症状を減少させる薬剤は、また、例えば、ベンゾジアゼピン、ベータブロッカー、クロニジン、カルバマゼピン、プレガバリンおよびガバペンチン(Neurontin(登録商標))と共投与され得る);
【0045】
q)抗炎症剤(例えば、COX−2阻害剤);抗鬱剤(例えば、塩酸フルオキセチン(Prozac(登録商標)));認知機能改善剤(例えば、塩酸ドネペジル(Aircept(登録商標))および他のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤);神経保護剤(例えば、メマンチン);抗精神病剤(例えば、ジプラシドン(Geodon(登録商標))、リスペリドン(Risperdal(登録商標))およびオランザピン(Zyprexa(登録商標)))を含む有用な他の薬剤;
または、それぞれの場合にその薬学的に許容される塩;および所望により薬学的に許容される担体。
【0046】
本発明はまたa)遊離形または薬学的に許容される塩形のここに記載の本発明の化合物である第一の薬剤、およびb)少なくとも1個の併用剤を含む、医薬組合せ、例えばキットを提供する。本キットは、その投与のための指示書を含み得る。
【0047】
ここで使用する用語“併用投与”または“組合せ投与”などは、選択した複数治療剤を単独の患者に投与することを含むことを意味し、複数薬剤を必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与するものではない処置レジメンを含むことを意図する。
【0048】
本明細書で使用する“医薬組合せ”なる用語は、1個を超える活性成分の混合または組合せによりもたらされる製品を意味し、複数活性成分の固定されたおよび固定されていない組合せの両方を含む。用語“固定された組合せ”は、複数活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤が、両方とも患者に、同時に、一つの物または用量の形態で投与することを意味する。用語“固定されていない組合せ”は、複数活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤を、両方とも患者に、別々の物として、同時に、一緒にまたは具体的時間制限なしに連続して投与することを意味し、ここで、このような投与は患者体内で2種の化合物の治療的有効濃度を提供する。後者はまたカクテル療法、例えば3種以上の活性成分の投与にも適用される。
【0049】
本発明の化合物の製造方法
本発明はまた、本発明の化合物の製造方法を含む。記載されている反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基を、これらが最終産物において望ましいとき、これらの望ましくない反応の参加を避けるために保護することが必要であり得る。慣用の保護基は、標準的技法にしたがって使用し得る、例えばT.W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley and Sons, 1991参照。
【0050】
下記スキームにおいて、本発明の化合物のいくつかの製造法を説明する。当業者には、これらの方法は代表例であり、本発明の化合物を製造するためのすべての方法を含んでいないと理解できる。スキームのラジカルは式Iに記載されているとおりである。スキームの出発化合物は、すべて当分野でよく知られている標準反応により製造することができるか、または市販されている。
【0051】
反応スキームI
【化3】

式Ixの化合物は式3のヒドロキシアミジンを製造するために、式2aの化合物をヒドロキシルアミンと適当な溶媒、例えば、エタノールなどの中で高温で、例えば、80℃で反応させることにより、反応スキームIのとおりに製造することができる。次に、式4の化合物(ここで、Arは後に除去し、適当なアリール基で官能基化させることができるヘテロ原子の保護基を意味し得る)を脱水剤、例えば、カルボニルジイミダゾール(CDI)で処理し、次に最大3時間まで撹拌し、次に式3の化合物で処理し、最大12時間まで撹拌し、次にCDIを加え、高温(約110℃)で適当な溶媒、例えば、ジオキサン、DMFなどの中で撹拌することができる。あるいは、式Ixの化合物は、式4の化合物を式3の化合物とカルボジイミドの存在下で適当な溶媒(例えば、DMFなど)中で反応させ、次に同様の溶媒中で中間体を単離して、またはせずに最大12時間まで加熱する(約110℃)ことにより製造することができる。さらに、式4の単離できる活性なエステル化合物を、この化合物を脱水剤、例えば、適当な脱離基、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドなどを含むカルボジイミドなどと適当な溶媒中で反応させることにより形成させ、次に単離された活性なエステルを式3の化合物を適当な溶媒、例えば、DMFまたはジオキサン中で60℃から120℃の温度で最大12時間まで加熱してもよい。記載の方法に加えて、任意のオキサジアゾール合成の分野で既知の合成方法(例えば、Science of Synthesis 2004, 13, 127, Tetrahedron Lett. 2006, 47, 3629 and J. Med. Chem. 2004, 47, 5821)を使用してもよい。
【0052】
反応スキームII
【化4】

式Ixの化合物は反応スキームIにおいてニトリルおよびカルボン酸の順序を逆にすることにより、反応スキームIIのとおりに製造することができる。式5の化合物(ここで、Arは後に除去し、適当なアリール基で官能基化させることができるヘテロ原子の保護基を意味し得る)をヒドロキシルアミンと適当な溶媒、例えば、エタノールなどの中で高温、例えば、80℃で反応させ、式6の化合物を得ることができる。次に、所望の化合物Ixは反応スキームIに記載されている任意の方法を使用することにより式7の化合物を式6の化合物と反応させることにより形成することができる。
【0053】
反応スキームIII
【化5】

式Ixの化合物は式9の化合物を製造するために、式8の化合物をヒドラジンと適当な溶媒、例えば、エタノールなどの中で高温で反応させることにより、反応スキームIIIのとおりに製造することができる。次にこの中間体を式2bの化合物(ここで、Arは後に除去し、適当なアリール基で官能基化させることができるヘテロ原子の保護基を意味し得る)とカップリング剤、例えば、カルボジイミドなどと共に適当な溶媒、例えば、DCM、DMFなどの中で反応させ、式10の中間体(ここで、Arは後に適当なアリール基で除去し、官能基化させることができるヘテロ原子の保護基を意味する)を製造することができる。次にこの中間体を脱水剤、例えば、TsClなどと共に適当な溶媒、例えば、ピリジンなどの中で高温で、例えば、90℃で加熱することにより脱水し、所望の生成物を得ることができる。
【0054】
反応スキームIV
【化6】

式Ixの化合物(ここで、YはOまたはSであり得る)は式2bの化合物(ここで、Arは後に除去し、適当なアリール基で官能基化させることができるヘテロ原子の保護基を意味し得る)を活性化剤、例えば、塩化オキサリルおよび触媒DMFと適当な溶媒、例えば、トルエンなどの中で、またはイソブチルクロロホルメートを適当な塩基、例えば、N−メチルモルホリンなどと適当な溶媒、例えば、THFなどの中で反応させることにより、反応スキームIVのとおりに製造することができる。次に得られた活性な酸をTMS−ジアゾメタンまたはジアゾメタンの溶液と適当な溶媒、例えば、ジエチルエーテルなどの中で処理し、次に最大12時間まで撹拌し、適当な溶媒、例えば、ジオキサン中の溶液として鉱酸、例えば、HClまたはHBrの溶液でクエンチし、式11のハロケトンを製造することができる。次にこのハロケトンをYがOまたはSのいずれかであり得る式12の化合物とそのままで、または溶媒、例えば、エタノール、DMFなどの中のいずれかで60℃から250℃の範囲の高温で反応させ、所望の生成物を得ることができる。
【0055】
反応スキームV
【化7】

式Ixの化合物は、式12のハロケトン中間体が式7の化合物から製造され、所望の物質を製造するために式13の化合物と反応させることを除いて、反応スキームIVと同じ一連の工程にしたがうことにより、反応スキームVのとおりに製造することができる。
【0056】
反応スキームVI
【化8】

式Ixの化合物は、式16の化合物を製造するために、式14のアルキルまたはアリールスルホニルエステルを式15の化合物と適当な塩基、例えば、CsCO、KCOなどの存在下で適当な溶媒、例えば、NMPなどの中で60から200℃の高温で1分から24時間で反応させることにより、反応スキームVIのとおりに製造することができる。次に式16の中間体を文献において既知の方法のいずれかにより、例えば、化学量論量の強酸、例えば、TFAなどの存在下でAcOH中のPtOでの水素化によりピペリジンに還元し、次に適当な求電子剤を導入し、Ixを製造することができる。
【0057】
本発明の化合物の合成の詳細は下記実施例に記載している。
【0058】
本発明の化合物のさらなる製造方法
本発明の化合物を、遊離塩基形の化合物を薬学的に許容される無機酸または有機酸と反応させることにより薬学的に許容される酸付加塩として製造できる。あるいは、本発明の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩を、遊離塩基形の化合物を薬学的に許容される無機塩基または有機塩基と反応させることにより製造できる。あるいは、塩形の本発明の化合物を出発物質または中間体の塩を使用して製造できる。
【0059】
遊離酸形または遊離塩基形の本発明の化合物を、対応する塩基付加塩形または酸付加塩形、各々から製造できる。例えば酸付加塩形の本発明の化合物は、適当な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)と処理することにより対応する遊離塩基に変換できる。塩基付加塩形の本発明の化合物は、適当な酸(例えば、塩酸など)と処理することにより対応する遊離酸に変換できる。
【0060】
非酸化形の本発明の化合物を、適当な不活性有機溶媒(例えば、アセトニトリル、エタノール、ジオキサン溶液など)中で、0から80℃で還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウムなど)と処理することにより本発明の化合物のN−オキシドから製造できる。
【0061】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体を当業者に既知の方法で製造できる(例えばさらなる詳細のためにSaulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985参照のこと)。例えば、適当なプロドラッグを本発明の非誘導化化合物を適当なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリデート、パラ−ニトロフェニルカーボネートなど)と反応させることにより製造できる。
【0062】
本発明の化合物の保護された誘導体を当業者に既知の方法で製造できる。保護基の創造およびその除去に適用できる技術の詳細な説明はT. W. Greene, “Protecting Groups in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999において見ることができる。
【0063】
本発明の化合物を、本発明の工程中に溶媒和物(例えば、水和物)として都合良く製造または形成できる。本発明の化合物の水和物を、有機溶媒、例えばジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールを使用し、水性/有機溶媒混合物から再結晶することにより都合良く製造できる。
【0064】
本発明の化合物を、化合物のラセミ混合物を光学的に活性な分割剤と反応させ、一組のジアステレオマー化合物を形成し、該ジアステレオマーを分離し、そして光学的に純粋なエナンチオマーを回収することにより、それらの個々の立体異性体として製造できる。エナンチオマーの分離は本発明の化合物の共有結合ジアステレオマー誘導体を使用して行い得るが、分離できる複合体(例えば、結晶のジアステレオマー塩)が好ましい。ジアステレオマーは異なる物理的性質(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を有し、そしてこれらの相違を利用して容易に分離できる。ジアステレオマーをクロマトグラフィー、または好ましくは溶解度の差異に基づく分割/分離技術により分割できる。次いで光学的に純粋なエナンチオマーを、ラセミ化をもたらさないであろう実用的手段により分割剤と一緒に回収する。ラセミ混合物から化合物の立体異性体の分離に適用できる技術のより詳細な説明はJean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981において見ることができる。
【0065】
手短に言えば、式Iの化合物を下記の工程を含む方法により製造できる:
(a)反応スキームI−VIの工程;ならびに
(b)所望により本発明の化合物の薬学的に許容される塩への変換;
(c)所望により塩形の本発明の化合物の非塩形への変換;
(d)所望により非酸化形の本発明の化合物の薬学的に許容されるN−オキシドへの変換;
(e)所望によりN−オキシド形の本発明の化合物の非酸化形への変換;
(f)所望により異性体の混合物からの本発明の化合物の個々の異性体への分離;
(g)所望により本発明の非誘導化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ誘導体への変換;および
(h)所望により本発明の化合物のプロドラッグ誘導体のその非誘導形への変換。
【0066】
出発物質の製造が特に記載されていない限り、その化合物は既知であるか、または当分野で既知の方法に準じてもしくは下記の実施例に記載のとおりに製造できる。
【0067】
当業者は、上記変換は本発明の化合物の製造法の代表例のみであり、そして他の既知の方法を同様に使用できることを理解できよう。
【実施例】
【0068】
実施例
本発明は、本発明の化合物の製造法を説明する、下記実施例によりさらに例示するが、これらに限定されない。
【0069】
実施例1
tert−ブチル4−(3−(1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化9】

【0070】
中間体1a:1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−カルボニトリル
【化10】

ジクロロメタン(1mL)中のtert−ブチル3−シアノピロリジン−1−カルボキシレート(449mg、2.3mmol)の溶液をTFA(1mL)で処理し、1時間撹拌する。次に揮発物を回転蒸発により除去し、残渣を1−フルオロ−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(332mg、1.9mmol)、KCO(790mg、5.7mmol)およびDMF(5mL)で処理する。次に反応物を一晩100℃に加熱する。反応物を酢酸エチルで希釈し、1MのHClおよび水で抽出し、MgSOで乾燥させ、溶媒を除去する。該物質を次の反応にそのまま使用する;ESIMS m/z (M−Boc+H)1825S 計算値:197.1 実測値:197.1.
【0071】
中間体1b:N’−ヒドロキシ−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−カルボキシミドアミド
【化11】

エタノール(2mL)中の1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−カルボニトリル(90.3mg、0.36mmol)の溶液をヒドロキシルアミン水溶液(23μL、0.38mmol)で処理し、エタノール中で3時間80℃に加熱する。反応物を室温に冷却し、溶媒を除去する。残渣を凍結乾燥させ、次の工程にそのまま使用する。
DMF(0.5mL)中の1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸(67.9mg、0.30mmol)の溶液をDMF(0.5mL)中のカルボニルジイミダゾール(52.8mg、0.33mmol)の溶液で処理し、30分撹拌する。次に、DMF中のN’−ヒドロキシ−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−カルボキシミドアミド(92.3mg、0.33mmol)の溶液を加え、反応物を一晩撹拌する。次に反応物をDMF(0.5mL)中のカルボニルジイミダゾール(52.8mg、0.33mmol)の溶液で処理し、6時間115℃に加熱する。室温に冷却後、反応物を質量駆動(triggered)分取HPLCにより精製し、39.6mgの表題物質を得る。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.75 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.60 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.10 (m, 1H), 3.68 (m, 5H), 3.09 (m, 1H), 3.00 (s, 3H), 2.96 (m, 2H), 2.47 (m, 2H), 2.07 (m, 2H), 1.82 (m, 2H), 1.47 (s, 9H);ESIMS m/z (M−Boc+H)1825S 計算値:377.5 実測値:377.2
【0072】
実施例2
(S)−イソプロピル4−(3−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化12】

【0073】
中間体2a:(R)−1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−オール
【化13】

DMF(13mL)中の1,2−ジフルオロメチルスルホニルベンゼン(2.484g、12.92mmol)、3−(R)−ヒドロキシピロリジンヒドロクロライド(1.917g、15.51mmol)およびKCO(4.47g、32.31mmol)の混合物を100℃に加熱し、一晩維持する。反応物をHOに注ぎ、EtOAcで抽出する。有機部を貯め、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。粗物質をSiOクロマトグラフィー(ISCO、0−80%、ヘキサン中のEtOAc)を介して精製し、表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.49 (m, 2H), 6.63 (dd, J = 8.6, 8.5 Hz, 1H), 4.59 (m, 1H), 3.73 (m, 2H), 3.52 (m, 2H), 3.00 (s, 3H), 2.08 (m, 2H); LC/MS 計算値 [M+H]1115FNOS:260.3、実測値:260.0.
【0074】
中間体2b:(R)−1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イルメタンスルホネート
【化14】

中間体2a(1g、3.9mmol)のサンプルをジクロロメタン(30mL)およびピリジン(915mg、11.6mmol)で処理する。次に反応物をメタンスルホニルクロライド(663mg、5.8mmol)で処理し、一晩撹拌する。反応物を酢酸エチルで希釈し、1MのHClで2回抽出する。有機部をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、ヘキサン中の0から100%の酢酸エチルの直線勾配を使用するシリカゲルで精製し、表題物質を得る;ESIMS m/z (M+H) C1216FNO 計算値338.1、実測値338.2.
【0075】
中間体2c:(S)−1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−カルボニトリル
【化15】

中間体2bのサンプル(11g、33mmol)をDMF(25mL)、テトラブチルアンモニウムシアニド(1.75g、6.5mmol)およびナトリウムシアニド(1.60g、32mmol)で処理する。反応物を一晩80℃に加熱する。さらにテトラブチルアンモニウムシアニド(2g、7.5mmol)を加え、加熱を2時間続ける。さらに2gのテトラブチルアンモニウムシアニドを加え、反応物をさらに2時間加熱する。反応物を室温に冷却し、水および酢酸エチルで希釈する。水性層を単離し、さらに2回以上の酢酸エチルで抽出し、捨てる。合わせた有機部を1MのNaOHで3回抽出し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残渣を酢酸エチルおよびトルエンの混合物から結晶化し、ニトリルを得る。結晶化の母液を使用して中間体3aを製造する:LC/MS [M+H]1213FNS:計算値269.1、実測値:269.1.
ニトリルとして中間体2cおよび酸等価物としてピペリジン−1,4−ジカルボン酸モノイソプロピルエステルを使用することを除いて実施例1と同じ製造法にしたがうことにより、所望のオキサジアゾール付加物を得る。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.52 (m, 2H), 6.67 (dd, J = 8.5, 8.4 Hz, 1H), 4.93 (sept., J = 6.2 Hz, 1H), 4.14 (m, 2H), 3.95 (m, 1H), 3.84 (m, 1H), 3.73-3.65 (m, 3H), 3.11 (m, 1H), 3.02 (m, 1H), 3.01 (s, 3H), 2.41 (m, 2H), 2.08 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 1.25 (d, J = 6.3 Hz, 6H);ESIMS m/z (M+H)2230FNS 計算値:481.6 実測値:481.2.
【0076】
実施例3
(S)−tert−ブチル4−(5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化16】

【0077】
中間体3a:(S)−1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−カルボン酸
【化17】

中間体2bの結晶化の母液を乾燥蒸発させ、濃塩酸(20mL)で処理する。次に反応物を1時間還流温度に加熱し、室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出する。水性層を捨て、有機部を1MのNaOHで2回抽出し、捨てる。塩基性水性抽出物を濃HClで酸性にし、酢酸エチルで2回抽出し、捨てる。最終有機部をMgSOで乾燥させ、蒸発させ、酢酸エチルおよびトルエンの熱混合物から結晶化し、表題物質を得る;LC/MS 計算値 [M+H]1214FNOS:288.1、実測値:288.1.
【0078】
中間体3b:(S)−2,5−ジオキソピロリジン−1−イル1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−カルボキシレート
【化18】

DMF(3mL)中の中間体3a(300mg、1.2mmol)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(186mg、1.6mmol)の溶液をEDCI(288mg、1.5mmol)で処理し、一晩室温で撹拌する。次に反応物を酢酸エチルおよび水で希釈する。有機部を単離し、水、塩水で抽出し、MgSOで乾燥させ、蒸発させる。該物質を次の変換にそのまま使用する。LC/MS [M+H]1617FNS:計算値384.1、実測値:384.1.
ジオキサン(2.5mL)中の前記工程の中間体3bおよびtert−ブチル4−(N’−ヒドロキシカルバムイミドイル)ピペリジン−1−カルボキシレート(281mg、1.2mmol)の溶液を密閉し、85℃に4時間加熱する。次に溶媒を除去させ、残渣をヘキサン中の0から100%の酢酸エチルの直線勾配を使用するシリカゲルで精製し、表題物質を得る;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.55 (m, 2H), 6.67 (dd, J = 8.5, 8.5 Hz, 1H), 4.12 (m, 2H), 3.95 (m, 1H), 4.01 (m, 1H), 3.92 (m,1), 3.74 (m, 3H), 3.02 (s, 3H), 2.91 (m, 3H), 2.48 (m, 2H), 1.98 (m, 2H), 1.47 (s, 9H);ESIMS m/z (M+H)2331FNS 計算値:495.2 実測値:495.2.
【0079】
実施例4
(S)−イソプロピル4−(5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化19】

【0080】
中間体4a:(S)−5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−3−(ピペリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール
【化20】

実施例3のサンプル(210mg、0.43mmol)をジオキサン中の4MのHCl溶液(3mL)で処理し、反応物を2時間放置(aged)する。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルと1MのNaOHに分割する。有機部を単離し、MgSOで乾燥させ、蒸発させる。該物質を次に使用する。ESIMS m/z (M+H)1823FNS 計算値:395.2 実測値:395.2.
DCM(4mL)中の中間体4a(168mg、0.43mmol)の溶液を氷/水浴中で冷却し、トリエチルアミン(85mg、0.85mmol)、次にトルエン中の1Mのイソプロピルクロロホルメート溶液(426μL、0.43mmol)で処理する。反応物を室温に温め、1時間撹拌する。溶媒を除去し、残渣を質量指向性(mass-directed)分取HPLCにより精製し、表題物質を得る;1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.54 (m, 2H), 6.68 (dd, J = 8.5, 8.4 Hz, 1H), 4.92 (sept., J = 6.3 Hz, 1H), 4.17 (m, 2H), 4.00 (m, 1H), 3.92 (m, 1H), 3.80-3.70 (m, 3H), 3.01 (s, 3H), 2.95 (m, 3H), 2.48 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 1.78 (m, 2H), 1.24 (d, J = 6.2 Hz, 6H);ESIMS m/z (M+H)2230FNS 計算値:481.6 実測値:481.2.
【0081】
実施例5
(S)−3−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)−5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール
【化21】

中間体4a(42mg、1.1mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(45mg、0.35mmol)および2−クロロ−5−エチルピリミジン(30.4mg、0.21mmol)の混合物を80℃に5分加熱する。次に反応物をCuI(0.7mg、0.04mmol)で処理し、加熱を一晩維持する。次に反応物を質量指向性分取HPLCにより精製し、表題物質を得る;
【0082】
適当な出発物質を使用して、実施例3−5の製造法または実施例1のカップリング条件を繰り返すことにより、表1に特定される下記式Iの化合物を得る。
表1
【表1】

【表2】

【0083】
実施例10
(S)−イソプロピル4−(5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化22】

【0084】
中間体10a:(S)−イソプロピル4−(2−(1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−カルボニル)ヒドラジンカルボニル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化23】

DMF(2.3mL)中の(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸(90.6mg、0.42mmol)の冷(水/氷浴)溶液をHOBt(77.4mg、0.57mmol)、EDCI(79.9mg、0.42mmol)で処理する。30分撹拌後、イソプロピル4−(ヒドラジンカルボニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(99.4mg、0.43mmol)および4−メチルモルホリン(64mg、0.54mmol)を反応物混合物に加え、反応物を一晩室温で撹拌する。反応物を酢酸エチルで希釈し、5%のNaHSO水溶液、飽和NaHCO水溶液および塩水で抽出し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、表題物質を得、これを次の工程にそのまま使用した。ESIMS m/z (M+H)2034 計算値:426.3 実測値:326.3 (M+H−Boc).
【0085】
中間体10b:(S)−イソプロピル4−(5−(1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化24】

ピリジン(1.5mL)中の中間体10a(127mg、0.30mmol)およびTsCl(113.5mg、0.60mmol)の溶液を還流温度に72時間加熱する。溶媒を除去し、残渣を質量指向性分取HPLCにより精製し、表題物質を得る。ESIMS m/z (M+H)2032 計算値:408.2 実測値:308.2 (M+H−Boc).
中間体10bのサンプル(36.1mg、0.088mmol)をジオキサン中の4MのHCl溶液で処理し、1.5時間撹拌する。次に溶媒を除去し、残渣を1,2−ジフルオロ−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(17mg、0.88mmol)、KCO(36.6mg、0.27mmol)およびDMF(1mL)で処理し、100℃に一晩加熱する。反応物を水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機部をMgSOで乾燥させ、蒸発させ、分取質量指向性HPLCにより精製し、(S)−イソプロピル4−(5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートを得る。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.54 (m, 2H), 6.68 (dd, J = 8.5, 8.4 Hz, 1H), 4.93 (sept., J = 6.2 Hz, 1H), 4.16 (d, J = 10.6 Hz, 2H), 3.96 (m, 1H), 3.89 (m, 1H), 3.72 (m, 3H), 3.09 (m, 1H), 3.02 (s, 3H), 2.98 (m, 2H), 2.47 (m, 2H), 2.07 (m, 2H), 1.82 (m, 2H), 1.25 (d, J = 6.2 Hz, 6H);ESIMS m/z (M+H)2230FNS 計算値:481.6 実測値:481.2.
【0086】
実施例11
(S)−イソプロピル4−(4−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)オキサゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化25】

【0087】
中間体11a:(S)−1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−カルボン酸
【化26】

中間体3aのサンプル(350mg、1.22mmol)をジオキサン(3mL)、次に塩化オキサリル(464mg、3.7mmol)および1滴のDMFで処理する。反応物を1時間撹拌し、溶媒を除去する。残渣をジオキサン(3mL)およびトリメチルシリルジアゾメタン(1.5mLの2M溶液、3mmol)で処理し、3時間撹拌する。次に反応物をジオキサン中の4MのHCl溶液(2mL)で処理する。泡立ちが収まったら、溶媒を除去し、残渣をヘキサン中の0から100%の酢酸エチルの直線勾配を使用するシリカゲルで精製し、表題物質を固体として得る;LC/MS [M+H]1315ClFNOS:計算値319.0、実測値:319.1.
中間体10aのサンプル(50mg、0.16mmol)およびイソプロピル4−カルバモイルピペリジン−1−カルボキシレート(100mg、0.47mmol)を、反応物が褐色になるまで(〜1.5分)、ヒートガンで共に加熱する。次に反応物を溶媒として酢酸エチルを使用するシリカゲル栓を通過させ、質量誘導HPLCで精製し、表題物質を得る;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.54 (m, 2H), 7.41 (m, 1H), 6.67 (dd, J = 8.5, 8.5 Hz, 1H), 4.93 (m, 1H), 4.16 (m, 2H), 3.87 (m, 1H), 3.67 (m, 3H), 3.47 (m, 1H), 3.04 (s, 3H), 2.97 (m, 2H), 2.46 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 2.21 (m, 1H), 2.03 (m, 2H), 1.80 (m, 2H), 1.27 (d, J = 6.4 Hz, 6H);LC/MS [M+H]2330FNS:計算値480.2、実測値:480.2.
【0088】
実施例12
(S)−イソプロピル4−(4−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)チアゾル−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化27】

中間体11aのサンプル(10mg、0.031mmol)をイソプロピル4−カルバモチオイルピペリジン−1−カルボキシレート(37mg、0.162mmol)およびエタノール(1.5mL)で処理し、160℃に5分加熱する。次に反応物を質量誘導HPLCで精製し、1.8mg(収率12%)の表題物質を得る;LC/MS [M+H]2330FN:計算値496.2、実測値:496.2.
【0089】
実施例13
4−{2−[1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−ピロリジン−3−イル]−S−オキサゾール−4−イル}−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化28】

【0090】
中間体13a:イソプロピル4−(2−クロロアセチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化29】

カルボン酸として1−(イソプロポキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸を使用することを除いて中間体11aと同じ製造法にしたがって、表題物質を得る。LC/MS [M+H]1118ClNO:計算値248.1、実測値:248.0.
【0091】
中間体13b:(S)−1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−カルボキサミド
【化30】

DMSO(3mL)中の中間体2c(492.9mg、1.97mmol)の溶液をKCO(0.20g、0.14mmol)で処理し、室温の水浴に浸す。次に反応物を注意深く30%のH水溶液(500μL、4.4mmol)で処理する。反応物を30分撹拌し、水に注ぐ。得られた固体を回収し、乾燥させ、表題物質を得る。LC/MS [M+H]1215FNS:計算値287.1、実測値:287.1.
カップリングパートナーとして中間体13aおよび中間体13bを使用することを除いて実施例11と同じ製造法にしたがって、表題物質を得る;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.75 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.30 (s, 1H), 6.60 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.92 (sept., J = 6.2 Hz, 1H), 4.20 (bs, 2H), 3.74 (m, 3H), 3.57 (m, 1H), 3.50 (m, 1H), 3.01 (s, 3H), 2.86 (m, 2H), 2.68 (m, 1H), 2.46 (m, 2H), 1.97 (m, 2H), 1.52 (m, 2H), 1.24 (d, J = 6.2 Hz, 6H);ESIMS m/z (M+H)2332S 計算値:462.6 実測値:462.2.
【0092】
実施例14
4−{2−[1−(2−フルオロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ピロリジン−3−イル]−S−チアゾル−4−イル}−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化31】

【0093】
中間体14a:(S)−1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−カルボチオアミド
【化32】

中間体2c(1.01g、3.76mmol)、チオアセトアミド(720mg、9.6mmol)、DMF(1.8mL)およびジオキサン中の4MのHCl(3.6mL)の混合物を100℃に2時間加熱する。次に反応物を水に注ぎ、固体を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で抽出し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、表題物質を得る。ESIMS m/z (M+H)1215FN 計算値:303.1 実測値:303.2
エタノール(2mL)中の中間体13a(55.7mg、0.23mmol)および中間体14a(68.0mg、2.3mmol)の混合物を80℃に一晩加熱する。反応物を濃縮し、質量指向性分取HPLCにより精製し、表題物質を得る.1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.56 (m, 2H), 6.95 (s, 1H), 6.71 (dd, J = 8.5, 8.4 Hz, 1H), 4.93 (sept., J = 6.3 Hz, 1H), 4.28 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.17 (m, 1H), 4.00 (m, 1H), 3.80 (m, 2H), 3.67 (m, 1H), 3.07 (m, 1H), 3.03 (s, 3H), 2.90 (m, 2H), 2.60 (m, 1H), 2.29 (m, 1H), 2.06 (d, J = 12.6 Hz, 2H), 1.60 (m, 2H), 1.26 (d, J = 6.2 Hz, 6H);ESIMS m/z (M+H)2331FN 計算値:496.6 実測値:496.2.
【0094】
実施例15
(S)−イソプロピル4−(2−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化33】

中間体2bのサンプル(50mg、0.15mmol)を4−(2H−テトラゾール−5−イル)ピリジン(26mg、0.18mmol)、CsCO(72mg、0.22mmol)およびNMP(0.8mL)で処理し、160℃に5分マイクロ波反応器で加熱する。次に反応物を酢酸エチルで希釈し、水で1回抽出する。次に有機部を1MのHClで2回抽出し、捨てる。酸性洗浄水を50%のNaOH水溶液で塩基性にし、酢酸エチルで2回抽出し、捨てる。合わせた有機部をMgSOで乾燥させ、蒸発させる。残渣をTFA(25mg、0.22mmol)を含む1mLのAcOH、MeOH(1mL)およびPtO(20mg)で処理する。反応物を1気圧の水素で72時間水素化し、セライトを介して濾過し、蒸発させる。残渣を酢酸エチルで処理し、1MのNaOHで抽出し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残渣をDCM(2mL)、トリエチルアミン(0.2mL、xs)およびイソプロピルクロロホルメート(0.25mLのトルエン中の1Mの溶液)で処理する。反応物を30分撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1MのHClで抽出する。次に有機部をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、ヘキサン中の0−100%の酢酸エチルの直線勾配を使用するシリカゲルで精製し、表題物質を得る;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.54 (m, 2H), 6.70 (dd, J = 8.5, 8.5 Hz, 1H), 5.48 (m, 1H), 4.92 (m, 1H), 4.16 (m, 4H), 3.86 (m, 1H), 3.73 (m, 1H), 3.11 (m, 1H), 3.02 (s, 3H), 2.96 (m, 2H), 2.79 (m, 1H), 2.62 (m, 1H), 2.05 (m, 2H), 1.78 (m, 2H), 1.24 (d, J = 6.2 Hz, 6H);LC/MS [M+H]2129FNS:計算値481.2、実測値:481.2.
【0095】
実施例16
イソプロピル4−(5−((4−(メチルスルホニル)フェノキシ)メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化34】

【0096】
中間体16a:メチル2−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)アセテート
【化35】

MeCN(8mL)中の4−メチルスルホニルフェノール(600mg、3.5mmol)の溶液にCsCO(1.7g、5.2mmol)およびメチルブロモアセテート(0.4mL、4.3mmol)を加える。得られた混合物を60℃に4時間加熱する。次に混合物をセライトを介して濾過し、MeCNで洗浄する。濾液を真空濃縮し、851mg(定量)の表題物質を白色の固体として得る。化合物を更なる精製なしに次の工程に使用する;1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ = 7.90 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.74 (s, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.05 (s, 3H);MS [M+H]1013S:計算値245.0、実測値245.0.
【0097】
下記表2に示される化合物は適当なエステル誘導体から類似の方法により合成される:
表2
【表3】

【0098】
中間体16b:(Z)−イソプロピル4−(N’−ヒドロキシカルバムイミドイル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化36】

4−シアノピペリジン(1.36g、12.3mmol)をEtOAcに溶解し、NEt(2.3mL、16mmol)で処理する。得られた懸濁液を0℃に冷却し、イソプロピルクロロホルメート(トルエン中で1M、15mL、15mmol)を滴下する。添加完了後、混合物を一晩室温で撹拌する。次に混合物をセライトを介して濾過し、EtOAcで洗浄する。濾液を濃縮し、表題化合物を白色の固体として得る;1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.87 (br s, 1H), 4.93 (sept., J = 6.4 Hz, 1H), 4.51 (s, 2H), 4.23 (br s, 2H), 2.79 (t, J = 12.4 Hz, 2H), 2.33-2.26 (m, 1H), 1.85 (d, J = 12.4 Hz, 2H), 1.62-1.53 (m, 2H), 1.26 (d, J = 6.0 Hz, 6H);MS [M+H]1020:計算値230.1、実測値230.1.
中間体16aのサンプル(73.3mg、0.30mmol)およびアミドオキシム16b(68.8mg、0.30mmol)を3:1のトルエン/DMA(2mL)に懸濁し、110℃に3日間加熱する。次に反応物を溶媒としてDMAを使用するシリンジフィルターを介して濾過し、質量誘導HPLCで精製し、表題物質を得る;1H-NMR (400 MHz, CD3CN) δ = 7.91 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 5.45 (s, 2H), 4.86 (sept., J = 6.4 Hz, 1H), 4.12-4.05 (m, 2H), 3.06 (s, 3H), 3.1-2.92 (m, 4H), 2.25-2.00 (m, 2H), 1.72-1.60 (m, 2H), 1.23 (d, J = 6.4 Hz, 6H);MS [M+H]1926S:計算値423.1、実測値:423.1.
【0099】
実施例17
イソプロピル4−(5−(3−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)プロピル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化37】

中間体16bのサンプル(68.8mg、0.30mmol)をTHF(3mL)に溶解し、NaH(鉱油中に60%分散、12mg、0.3mmol)を室温で加える。得られた懸濁液を60℃に2.5時間加熱する。次に反応混合物を室温に冷却し、活性化4Åモレキュラー・シーブ(粉末、250mg)、次にTHF(0.7mL)中のエステル17aの溶液を加える。反応混合物の撹拌を60℃で一晩続ける。次に反応物を溶媒としてMeCNを使用するシリンジフィルターを介して濾過し、質量誘導HPLCで精製し、表題物質を得る;1H-NMR (400 MHz, CD3CN) δ = 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.07 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.85 (sept., J = 6.4 Hz, 1H), 4.19 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 4.11-4.02 (m, 2H), 3.07 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.04 (s, 3H), 3.01-2.93 (m, 2H), 2.32-2.25 (m, 2H), 1.63 (dq, J = 11.6, 4.0 Hz, 2H), 1.23 (d, J = 6.4 Hz, 6H);MS [M+H]2130S:計算値452.2、実測値:452.0.
【0100】
下記表3に示される化合物は中間体16bおよび適当なエステルから類似の方法により合成される:
表3
【表4】

【0101】
生物学的アッセイ
安定な細胞系の製造
Flp−In−CHO細胞(Invitrogen, Cat.# R758-07)を10%のウシ胎児血清、1%の抗生物質混合物および2mMのL−グルタミンを補ったHam’s F12培地に維持する。細胞を、製造業者の指示にしたがってFugene6(Roche)を使用して、pcDNA5/FRTベクターおよびpOG44ベクター(1:9)においてヒトGPR119を含むDNA混合物でトランスフェクトする。48時間後、培地400μg/mlのハイグロマイシンBを補った培地に変え、安定なトランスフェクト細胞の選択を始める。
【0102】
安定な細胞系における環状AMPアッセイ
本発明の化合物の活性を試験するため、Flp−In−CHO−hGPR119細胞を回収し、DMEMプラス3%の脱脂ウシ胎児血清に再懸濁する。4μlの細胞を15,000細胞/ウェルの密度で384ウェルプレートに播種する。IBMX(3−イソブチル−1−メチル−キサンチン)を細胞へ最終濃度1mMで加え、次に500nlの試験される化合物を加える。細胞を37℃で30分インキュベートする。等量(20μl)のHTRF試薬、抗cAMP−クリプテートおよびcAMP−XL665を細胞に加える。プレートを室温で1時間インキュベートし、製造業者の指示にしたがってHTRFリーダーで読む。
【0103】
遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物は細胞内cAMP濃度の濃度−依存増加を引き起こした。本発明の化合物は1×10−5から1×10−10M、好ましくは500nM未満、より好ましくは100nM未満のEC50を示す。
【0104】
ここに記載の実施例および態様は、説明の目的のためだけであり、それらに照らして種々の修飾または変化が、当業者には示唆され、本発明の精神および権限および添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることは理解されるべきである。ここに引用する全ての刊行物、特許および特許出願は、全ての目的のために引用して包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

〔式中:
nは0、1、2および3から選択され;
Lは−Y−;−OX−;−OXOX−;−OXC(O)X−;−OXC(O)OX−;および−OC(O)NR−から選択され;ここで、YはO、NおよびSから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から8員ヘテロ環式であり;XおよびXは独立して結合、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、C3−8シクロアルキルおよびC1−5ヘテロアリーレンから選択され;Rは水素およびC1−6アルキルから選択され;そして、Xは1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、オキサゾール、チアゾールおよびテトラゾールから選択され;
はC1−4アルキル、ハロ−置換−C1−4アルキル、C6−10アリール、−XS(O)0−25a、−XC(O)OR5a、−XOR5a、−XC(O)R5a、−XC(O)NR5a5b、−XNR5cS(O)0−25a、−XNR5cC(O)OR5a、−XNR5cC(O)R5aおよび−XNR5cC(O)NR5a5bから選択され;ここで、R5aおよびR5bは独立して水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシおよびC1−10ヘテロアリールから選択され、ここで、Xは結合、C1−3アルキレンおよびC3−6シクロアルキレンから選択され;R5cは水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC1−10ヘテロアリールから選択され;ここで、R5cの任意のアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは所望により独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1から3個のラジカルで置換されていてもよく;
はハロ、シアノ、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、ハロ−置換−C1−8アルキル、ハロ−置換−C1−8アルコキシおよびニトロから選択され;
はC1−10ヘテロアリール、−C(O)OR6a、−C(O)R6a、−S(O)0−26a、−C(O)Rおよび−C(O)XNR6aC(O)OR6bから選択され;ここで、Xは結合およびC1−6アルキレンから選択され;R6aおよびR6bは独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;RはC3−8シクロアルキルおよびC6−10アリールから選択され;ここで、Rの該ヘテロアリールは所望により独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C3−8ヘテロシクロアルキルおよびC1−10ヘテロアリールから選択される1から3個のラジカルで置換されており;そして、
はCRおよびNから選択され;ここで、Rは水素およびC1−6アルキルから選択される〕
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
nが0、1および2から選択され;
Lが−Y−および−OX−から選択され;ここで、YはO、NおよびSから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から8員ヘテロ環式であり;Xは結合、C1−6アルキレンおよびC2−6アルケニレンから選択され;そして、Xは1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、オキサゾール、チアゾールおよびテトラゾールから選択され;
がハロ、シアノ、C1−4アルキル、ハロ−置換−C1−4アルキル、C6−10アリール、−S(O)0−25a、−C(O)OR5a、−C(O)R5aおよび−C(O)NR5a5bから選択され;ここで、R5aおよびR5bは独立して水素、C1−4アルキルおよびハロ−置換−C1−4アルキルから選択され;
がハロおよびニトロから選択され;
がC1−10ヘテロアリール、−C(O)OR6a、−C(O)R6a、−S(O)0−26a、−C(O)Rおよび−C(O)XNR6aC(O)OR6bから選択され;ここで、Xは結合およびC1−4アルキレンから選択され;R6aおよびR6bは独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;RはC3−8シクロアルキルおよびC6−10アリールから選択され;ここで、Rの該ヘテロアリールは所望により3個までのC1−6アルキルラジカルで置換されており;そして、
がCRおよびNから選択され;ここで、Rは水素およびC1−4アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Lが−Y−および−OX−から選択され;ここで、Yはピロリジンであり;Xはメチレン、プロピレン、ブチレンおよびペンチレンから選択され;そして、Xは1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、オキサゾール、チアゾールおよびテトラゾールから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
がハロ、シアノ、トリフルオロメチル、メチル−スルホニル、メトキシ−カルボニル、フェニル、メチル−カルボニル、アミノ−カルボニルおよびトリフルオロメチル−スルホニルから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
がt−ブトキシ−カルボニル、イソプロポキシ−カルボニル、t−ブチル−カルボニル、t−ブチル−メチル−カルボニル、t−ブトキシ−カルボニル−アミノメチル−カルボニル、フェニル−カルボニル、シクロヘキシル−カルボニル、t−ブチル−スルフィニル、ピリジニル、イソプロピル−スルホニルおよびエチル−ピリミジニルから選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
tert−ブチル4−(3−(1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−イソプロピル4−(3−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−tert−ブチル4−(5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−イソプロピル4−(5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−3−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)−5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール;(S)−1−メチルシクロプロピル4−(5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−tert−ブチル4−(5−(1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−1−メチルシクロプロピル4−(5−(1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−3−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)−5−(1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール;(S)−イソプロピル4−(5−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−イソプロピル4−(4−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)オキサゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;(S)−イソプロピル4−(4−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)チアゾル−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;4−{2−[1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−ピロリジン−3−イル]−S−オキサゾール−4−イル}−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル;4−{2−[1−(2−フルオロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ピロリジン−3−イル]−S−チアゾル−4−イル}−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル;(S)−イソプロピル4−(2−(1−(2−フルオロ−4−(メチルスルホニル)フェニル)ピロリジン−3−イル)−2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;イソプロピル4−(5−((4−(メチルスルホニル)フェノキシ)メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;イソプロピル4−(5−(3−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)プロピル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;イソプロピル4−(3−(4−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)ブチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;およびイソプロピル4−(3−(5−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)ペンチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
治療有効量の請求項1に記載の化合物を薬学的に許容される賦形剤と共に含む医薬組成物。
【請求項8】
GPR119活性を調節する方法であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩または医薬組成物を処置を必要とする系または対象に投与し、該GPR119活性を調節することを含む方法。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物がGPR119と直接接触する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
接触がインビトロまたはインビボで起こる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
GPR119活性の調節が疾患または状態の病状および/または総体症状を予防、阻止または改善できる疾患または状態を処置する方法であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは医薬組成物を対象に投与することを含む方法。
【請求項12】
該疾患または状態が肥満、1型糖尿病、2型糖尿病、脂質異常症、特発性1型糖尿病、成人潜在性自己免疫性糖尿病、早期発症型2型糖尿病、若年発症型非定型糖尿病、若年発生成人型糖尿病、栄養不良関連糖尿病および妊娠性糖尿病から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該疾患または状態が冠状動脈心疾患、虚血性卒中、血管形成術後の再狭窄、末梢血管障害、間欠性跛行、心筋梗塞、脂質異常症、食後脂質異常症、耐糖能異常の状態、空腹時血漿グルコース異常の状態、代謝性アシドーシス、ケトーシス、関節炎、骨粗鬆症、高血圧、鬱血性心不全、左心室肥大、末梢動脈疾患、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、白内障、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、慢性腎不全、糖尿病性神経障害、メタボリック症候群、シンドロームX、月経前症候群、冠状動脈心疾患、狭心症、血栓症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、一過性虚血性発作、卒中、血管再狭窄、高血糖、高インスリン血症、脂質異常症、高トリグリセリド血症、インスリン抵抗性、グルコース代謝の障害、耐糖能異常の状態、空腹時血漿グルコース異常の状態、肥満、勃起機能障害、皮膚および結合組織障害、足潰瘍および潰瘍性大腸炎、内皮機能障害および異常血管伸展性から選択される、請求項11に記載の方法。

【公表番号】特表2010−520878(P2010−520878A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552870(P2009−552870)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/055958
【国際公開番号】WO2008/109702
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】