説明

HMG−CoA還元酵素阻害剤の調節放出製剤

経口投与の際、肝臓バイオアベイラビリティを増加させ、全身アベイラビリティを減少させることによって、横紋筋融解症、腎臓毒性および他の副作用の発生率を低下させるHMG−CoA還元酵素阻害剤の調節放出製剤。経口投与の際、即時放出型製剤と比べたときに副作用の発生率を低下させ、有効性を改善し、前記調節放出医薬製剤は、治療上有効量のHMG−CoA還元酵素阻害剤またはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野
本発明はHMG−CoA還元酵素阻害剤の調節放出製剤に関し、それらは経口投与の際、肝臓バイオアベイラビリティを増加させ、全身アベイラビリティを減少させることによって、横紋筋融解症、腎臓毒性および他の副作用の発生率を低下させる。
【0002】
さらに詳しくは、本発明はロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグまたは代謝物の調節放出製剤に関し、それらは経口投与の際、横紋筋融解症および腎臓毒性の発生率を低下させる。
【背景技術】
【0003】
背景技術
アテローム性動脈硬化、ならびに冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患および他の症状のようなそれの様々な臨床所見は西側諸国における主な死亡原因である。高コレステロール血症はこれらの症状による死についての主なリスクファクターである。
【0004】
HMG−CoA還元酵素阻害剤またはスタチンは3−ヒドロキシ‐3‐メチルグルタリル−コエンザイム A(HMG−CoA)還元酵素を競争的に阻害する化合物のクラスであり、それらはコレステロールの生合成における初期の律速段階である、HMG−CoAのメバロン酸塩への変換を触媒する。
【0005】
HMG−CoA還元酵素の阻害剤は、高コレステロール血症と正常コレステロール血症の両方を患う患者において、コレステロールの血漿中レベルを低下させるのに最も効果があると立証されている。
【0006】
これらの医薬はコレステロールの生成を抑制し、血液中に既に存在するLDL−コレステロールを除去する肝機能を高めることによってコレステロールを減少させる。これらの医薬によってもたらされる全体およびLDL−コレステロールの大幅な減少は、心臓発作および心疾患死の大幅な減少をもたらした。
【0007】
HMG−CoA還元酵素阻害剤はHDL−コレステロールの適度な増加ももたらし、上昇したトリグリセリドのレベルも低下させる。例えば臨床試験において、シムバスタチンはコレステロールおよびLDL−コレステロールをそれぞれ25%および35%減少させた。
【0008】
試験において、シムバスタチンは主な冠動脈イベントのリスクを34%減少させると報告されている。心臓病を患う人がコレステロール低下剤を必要とするときに、スタチンは最もよく処方される医薬になっている。
【0009】
臨床試験において、40mg/日のロスバスタチンは他のスタチンと比べてLDL−Cを最も大きく低減する(63%まで)と示された。
【0010】
市場で入手可能なHMG−CoA還元酵素阻害剤は、アトルバスタチン(Atorvastatin)(リピトール(Lipitor)(商標))、フルバスタチン(Fluvastatin)(レスコール(Lescol)(商標)およびレスコールXL(商標))、ロバスタチン(Lovastatin)(アルトプレブ(Altoprev)(商標))、プラバスタチン(Pravastatin)(プラバコール(Pravachol)(商標))、ロスバスタチン(Rosuvastatin)(クレストール(Crestor)(商標))、シムバスタチン(Simvastatin)(ゾコール(Zocor)(商標))、およびピタバスタチン(Pitvastatin)である。
【0011】
しかしながら、スタチンのようなHMG−CoA還元酵素の阻害剤による患者の治療は悪い副作用を伴い、それらは不快感を引き起こし、投薬の中止を必要とすることもある。HMG−CoA還元酵素阻害剤は、他の点では健康な患者の心疾患の予防のための長期的な医薬として頻繁に使用されるため、HMG−CoA還元酵素阻害剤の関連する副作用を伴わない高コレステロール血症の治療方法についての必要性がある。
【0012】
HMG−CoA還元酵素阻害剤の使用に関連して知られる副作用には、筋痙攣、筋肉痛、筋疾患のリスクの増加、骨格筋に由来するクレアチンホスホキナーゼのレベルの一時的な上昇および横紋筋融解症さえもが含まれる。横紋筋融解症は血液循環中への筋繊維の内容物の放出をもたらす筋繊維の分解である。これらのいくつかは腎臓に対して毒性であり、頻繁に腎臓損傷を引き起こす。
【0013】
クレストール(商標)、リピトール、ゾコール、メバコール、プラバコールおよびレスコールは、横紋筋融解症のリスクを増大させると信じられている。前記リスクはHMG−CoA還元酵素阻害剤の代謝を阻害する医薬との併用によって著しく増大する。その結果、HMG−CoA還元酵素阻害剤の全身レベルは増大し、より毒性となる。
【0014】
いくつかの他の脂質低下薬、例えばゲムフィブリゾール(gemfibrizol)が共に処方されたとき、これらの副作用のリスクはさらに増大する。時には、HMG−CoA還元酵素阻害剤の使用は肝酵素の増加を引き起こす。肝臓障害は兆候なく進展し得るため、HMG−CoA還元酵素阻害剤を摂取する人々は、定期的に肝機能の検査を受けるべきである。
【0015】
HMG−CoA還元酵素阻害剤は筋肉痛および圧痛(スタチンの筋疾患)を引き起こすこともある。重症例においては、筋細胞が分解し(横紋筋融解症)、血流中にミオグロビンと呼ばれる蛋白質を放出し得る。ミオグロビンは腎機能を害し、腎不全を引き起こし得る。
【0016】
HMG−CoA還元酵素阻害剤と共に摂取したとき、ある医薬は横紋筋融解症のリスクを増大させ得る。これらには、ゲムフィブロジル(gemfibrozil)、エリスロマイシン(erythromycin)(エリスロシン(Erythrocin))、抗真菌性薬剤(anti fungal medications)、ネファゾドン(nefazodone)(サーゾーン(Serzone))、シクロスポリン(cyclosporine)およびナイアシン(niacin)が含まれる。
【0017】
最も一般的な副作用には、吐き気、下痢、便秘、筋肉痛が含まれる。前記に挙げた副作用に加えて、HMG−CoA還元酵素阻害剤の投薬に関連する、横紋筋融解症(致命的になり得る)および腎臓機能障害のような深刻な副作用がある。
【0018】
さらに、HMG−CoA還元酵素阻害剤の使用は心臓機能を悪化させ、まれに心不全をより悪化させるとも報告されている。骨格筋と心臓の両方におけるこれらの副作用は一般的ではないが、ユビキノンの合成の阻害に関連する共通の経路を有すると考えられる。
【0019】
骨格筋および心筋内のコエンザイムQ10の欠乏は、骨格筋疾患と心筋症の両方の進展、疲労の進展に関連し、スタチンにより誘発される筋肉疾患の作用メカニズムとして提案されてきた。疲労は、その多くが高コレステロール血症の治療のためにHMG−CoA還元酵素阻害剤を摂取する、心臓血管系疾患を患う患者において幅広く報告されている兆候であるが、これらの医薬による疲労の原因に対する寄与は正しくは評価されておらず、それ故に現在診断中であろう。
【0020】
ロスバスタチンは肝臓内で徐々に代謝され、そこではシトクロムP450イソ酵素による代謝が制限される。(CYP2C9およびCYP2C19によって主に形成される)ある主要なN−デスメチル代謝物が特定されているにもかかわらず、HMG−CoA還元酵素の阻害については、親化合物の7分の1の活性の低さである。
【0021】
さらに、ロスバスタチンの阻害活性の90%は親化合物のためであると信じられている。ロスバスタチンは、肝臓によって抽出された吸収量の90%まで、担体が仲介する機構に基づいて肝細胞内に選択的に取り込まれる。食物の存在は吸収速度を低下させるが、全体の吸収量は一定のままである。
【0022】
ピーク血漿中濃度(Cmax)は、AUCと同様に5〜80mgの範囲の服用と3〜5時間の範囲のTmaxとの間に相対的な直線関係を示す。さらに、ロスバスタチンは20時間の長期に亘る排泄半減期(t1/2)を有する。ロスバスタチンのクリアランスは主に胆汁への排泄を介して起こるが(90%)、10%は尿中に排泄される。
【0023】
プラバスタチンとは異なって(しかしながらアトルバスタチンのように)、ロスバスタチンは胃中で見られるような酸性環境中で安定である。ロスバスタチンは胃を一旦通過すると、小腸内で担体が仲介する輸送機構を介して血液循環に入ると信じられている。
【0024】
吸収に続いて、ロスバスタチンは担体が仲介する輸送機構を介して肝細胞に入る。肝細胞内で高レベルで発現される有機アニオン輸送ポリペプチド−Cは、肝臓内でのHMG−CoA還元標的酵素へのロスバスタチンの選択的な配達について鍵となる役割を演じると思われている。
【0025】
従って、肝臓によって最終的には吸収され、HMG−CoA還元酵素に結合するのに使用可能なロスバスタチンの量は、腸および肝臓内での吸収速度に依存する。ロスバスタチンの場合、IV水和のための入院を必要とする深刻な筋疾患または横紋筋融解症の進展は、たった80mgの服用範囲で起こった。
【0026】
研究者は1%〜5%の間のスタチン使用者が副作用として筋肉痛および脱力感を経験すると推定している。
【0027】
臨床試験において、ロスバスタチン5mg〜40mgでの筋疾患の発生率は0.1%〜0.2%であり、それらは他の現在認可されているスタチンでみられる割合と類似する。筋肉および腎臓毒性のリスクは投与量に関連して認められ、80mgの投与量で明白である。血漿中の50ng/mlより高いロスバスタチンレベルは筋肉および/または腎臓の毒性を進展させる。
【0028】
40mgのロスバスタチンで治療されたほんの数人の患者(2%)がこの範囲内の薬物レベルを有し、80mgで治療された患者のより多くの割合(33%)が50ng/mlより高い薬物レベルを得た。さらに、薬物レベルを増大させ得るある臨床状況においては、これらの状況にある患者は、典型的な20mgおよび40mgの服用より高い薬物レベルに暴露されこともあるため熟慮が必要である。
【0029】
いくつかの研究が筋疾患イベントにおけるスタチンの効果を研究するために行われた。
あるそのような研究は筋疾患イベント、特に筋肉痛、筋炎およびおよび横紋筋融解症の有病率を推定するための研究において特定された患者32,225人のうち10,247人が糖尿病患者、21,978人が非糖尿病患者であったことを示す。
【0030】
糖尿病のコホート(7.9%対5.5%;P<0.001)と非糖尿病のコホート(9.0%対3.7%;P<0.001)の両方におけるスタチンのイニシエーターのより大きな割合が筋疾患イベントを経験した。深刻な筋炎の有病率は糖尿病を患うイニシエーターであるか、または糖尿病を患わないイニシエーターについて、それぞれ1000人年当たり0.4(95% CI,0.2−0.7)、1000人年当たり0.8(95% CI,0.6−1.1)であった。
【0031】
もう1つの研究はスタチンおよびフィブラート系医薬に関連する筋炎のリスクを定量した。筋炎はスタチンの単剤療法(RR 2.8[95% 信頼区間、CI=1.3−5.9])、スタチン−フィブラート併用療法(9.1[95% CI=3.5−23])、合併肝疾患(4.3[95%、CI=1.5−13])、および/または腎疾患(2.5[95% CI=1.3−5.0])と顕著に関連していた。
【0032】
さらにもう1つの研究は、患者への所定の単剤療法またはスタチン−フィブラート併用療法における横紋筋融解症に対するリスクファクターを特定し、特徴付けるために行われた。65歳以上のスタチンの使用者は65歳未満の者より横紋筋融解症のための入院について4倍のリスクファクターを有していた(オッズ比(OR)=4.36、95% 信頼区間(CI):1.5、14.1)。
【0033】
全体で866の例が報告されたもう1つのある研究では、482例(56%)が単剤療法と関連しており、384例(44%)がフィブリン酸での併用療法と関連していた。各々の医薬の報告例の80%より多くが腎不全および透析のための入院となっていた。セリバスタチンを除いて、全てのスタチンについての報告比率は100,000処方当たり1ぐらいか、または1よりかなり低かった。
【0034】
US 2005/0119331(出願人 Butler等)に記載されている遅延放出スタチン製剤は、酸に安定なバイオアベイラビリティを担体が仲介するスタチンで増加させる方法に関する。前記製剤は、組成物が胃から消え去るまで、スタチンの実質的な量の遅延放出をもたらし、その結果、腸および肝細胞の機構を飽和しないような速度でスタチンを放出する。
【0035】
US 2002/0160044(出願人 Howard J Smithとその共同者)は、肝臓または門脈内での循環が主な治療標的である医薬の治療方法、特に肝臓に対して選択的であり、その結果、副作用を最小限とする疾患の治療または予防の方法に関する。前記方法は、肝臓によってそれ自体が代謝される、少量のHMG−CoA還元酵素阻害剤の徐放製剤の使用を含む。
【0036】
US 2005/0239884(出願人 Novartis)は、活性成分であるHMG−CoA還元酵素阻害剤または医薬的に許容される塩を含む持続放出のための医薬組成物に関し、前記組成物は内部相と外部相とを含む(ここで、少なくとも外部相は少なくとも1つのマトリックス形成材を含む。)。
【0037】
US 2005/0203186(出願人 Ratio harm)は、血中のコレステロールを低下させる少なくとも1つの活性成分を含む薬剤に関し、前記薬剤が、活性成分が少なくとも2つの異なった放出速度で放出される、活性成分についての放出特性をもたらすための手段を有することを特徴とする。
【0038】
即時放出型スタチンに関連する副作用を回避する/低減する1つの方法は調節放出製剤の使用である。本発明はある意味では肝臓に対して選択的であり、コエンザイム Q10が全身で減少することなく高コレステロール血症を低減させるスタチンの投与を提供する。
【0039】
摂取後に、スタチンは肝門静脈中に腸を介して吸収され、肝臓中へ分配され、前記肝臓は主な作用部位であり、コレステロールの合成の主な部位である。製剤は、HMG−CoA還元酵素阻害剤の臨床的に効果的なレベルが肝臓内で得られようにHMG−CoA還元酵素阻害剤をゆっくりと放出するが、全身の血流レベルは低く、その結果、副作用を低減し、有効性を改善する。
【0040】
このため、腸内でおよび肝臓内でスタチンのより好適な吸収を可能とする新規な製剤についての必要性が当該技術分野において存在する。そのような調節放出製剤は腸および肝臓内でのスタチンの吸収を最大とすることを助け、その結果、全身暴露および関連する副作用を制限する。
【0041】
前記のいくつかの特許出願はスタチンの持続放出製剤について開示しているが、これらのいずれもが即時放出型製剤と比べるとスタチンの体内血漿中濃度を低く維持することの必要性については説明していない。このことは体循環におけるロスバスタチンの全身暴露を低減することによって得られる。
【0042】
本発明の製剤は即時放出型製剤と比べてCmaxおよびAUCを低下させるとも考えられる。このことはさらに副作用の低減をもたらし、有効性を改善する。
【0043】
さらに、本発明の製剤は肝臓バイオアベイラビリティを増加させ、HMG−CoA還元酵素阻害剤の全身暴露を低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0044】
発明の課題
本発明の1つの課題は、治療上有効量のHMG−CoA還元酵素阻害剤またはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、調節放出製剤が、経口投与の際、即時放出型製剤と比べたときに副作用の発生率を低下させ、有効性を改善する調節放出医薬製剤である。
【0045】
本発明のもう1つの課題は、治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、調節放出製剤のCmaxが、経口投与の際、即時放出型製剤より統計的に低い調節放出医薬製剤である。
【0046】
本発明のもう1つの課題は、治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、調節放出製剤のTmaxが、経口投与の際、即時放出型製剤より統計的に長い調節放出医薬製剤である。
【0047】
本発明のもう1つの課題は、治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、調節放出製剤のAUCが、経口投与の際、即時放出型製剤より低い調節放出医薬製剤である。
【0048】
本発明のもう1つの課題は、治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、調節放出医薬製剤が、経口投与の際、即時放出型製剤と比べたときに肝臓バイオアベイラビリティの増加と全身バイオアベイラビリティの減少をもたらす調節放出医薬製剤である。
【0049】
本発明のもう1つの課題は、治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、ロスバスタチンの全身暴露が、経口投与の際、即時放出型製剤と比べたときに低減している調節放出医薬製剤である。
【0050】
本発明のもう1つの課題は、治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、組成物が、それを必要とする哺乳類への経口投与の際、制御下にロスバスタチンを放出し、その結果、即時放出型製剤について観察される2つのピークと比べると最初のピークを最小とするかまたは削除する調節放出医薬製剤である。
【0051】
本発明のもう1つの課題は、治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、医薬の約10〜50%が約2時間で放出され、医薬の約20〜70%が約4時間で放出され、医薬の約40〜90%が約8時間で放出され、医薬の約75%より多くが約24時間で放出される調節放出医薬製剤である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施例4およびクレストールのインビボでの生物学的同等性の研究を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
発明の詳細な説明
本発明のために、HMG−CoA還元酵素阻害剤とスタチンとが区別なく用いられる。
【0054】
HMG−CoA還元酵素阻害剤は長期に亘ってコレスルテロールのレベルを低下させるための最も一般的な処方薬である。HMG−CoA還元酵素阻害剤の副作用は頭痛、吐き気および発熱であり、主な作用は筋肉痛、筋肉疾患および深刻な肝臓疾患についてである。
【0055】
スタチンは肝臓内でコレステロールの生合成を低減することによって血中脂質レベルを低下させる。それ故に、スタチンは全コレステロールおよび低密度リポタンパク質コレステロールのレベルの低下を助けるその特性のためによく知られ、それらは冠動脈性心疾患を回避するのに最も重要である。
【0056】
非肝組織における潜在的な不要な効果のために、スタチンの全身アベイラビリティは好ましくないとみなされている。さらに、HMG−CoA還元酵素阻害剤のレベルを増加させるのに、肝臓バイオアベイラビリティを最大にすることが望ましい。
【0057】
ロスバスタチンは、その吸収が担体が仲介する輸送機構によって支配される、スタチン群のもう1つの新規なメンバーである。(最近、CRESTOR(商標)の名でFDAの認可を受けた)ロスバスタチンは全合成される1つの鏡像異性ヒドロキシ酸であり、それはN−メタンスルホンアミドピリミジンおよびN−メタンスルホニルピロール置換3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテノエート(Cheng-Lai(2003)Heart Disease 5:72)の新規なシリーズに属する。
【0058】
ロスバスタチンは一般的なスタチンの活性基を共有するが、それはその親水性を増加させる付加的なメタン−スルホンアミド基を有する。その増加した親水特性およびその大きな分子サイズ(ビスカルシウム塩としてMW1001;遊離酸としてMW480)のために、ロスバスタチンは生体膜を通過するのが困難である。
【0059】
ロスバスタチンは酸性と塩基性の両方の条件下で相対的に貧水溶性でもある。例えば、U.S.Pharmacopeia(2002)によって定義されているように、ロスバスタチンは「やや溶けにくい」とみなされる。さらに、多重ピークが、最初のピークが血漿中で医薬の迅速な放出によって生じ、さらにもう1つのピークが腸肝再循環後に生じることを表すことを、血漿中濃度対時間のプロフィルが示すため、HMG−CoA還元酵素阻害剤は腸肝再循環を受けることが見出されている。
【0060】
驚くべきことに、我々は、本発明の調節放出製剤が経口投与の際、即時放出型製剤と比べたときに体循環におけるロスバスタチンの全身暴露の総量を低減させることを見出した。
【0061】
かくして、本発明の調節放出製剤は即時放出型製剤におけるような多重ピークを排除し、その結果、肝臓バイオアベイラビリティを増加させ、次いで即時放出型製剤と比べたときに副作用を低減させる。
【0062】
本発明は摂取後24時間に亘って血漿中レベルをもたらし、治療上有効量のスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含む、調節放出HMG−CoA還元酵素阻害剤製剤にも関する。
【0063】
調節放出製剤は経口投薬後、即座に活性な薬物物質を放出せず、服用回数の低減を可能とする製剤について記載する。調節放出製剤には、以下のものに限定されることなく、持続放出、遅延放出、徐放もしくは制御または時限放出製剤が含まれる。
【0064】
さらに、胃保持型または生体接着性製剤も本発明の範囲内に含まれる。制御放出製剤も1日に1度投与されてよい。本発明による放出調節ポリマーは、製剤からの医薬の放出を制御する作用剤を含む。
【0065】
「治療上有効量」とは、治療を受ける状態の進行を停止するかもしくは軽減するか、またさもなければその状態を完全にもしくは部分的に、治療するかもしくは一時的に作用する活性薬剤の量を意味する。当業者は通常の実験により過度の負担なくそのような量を容易に決定できる。
【0066】
「任意の」または「任意に」とは、以下に記載される状況が起こり得るかまたは起こり得ないことを意味し、つまり記載にはその状況が起こる事例とそれが起こらない事例とが含まれる。
【0067】
「医薬的に許容される」によって、生物学的かあるいはそうでない、望ましい物質からなる担体が意味される。
【0068】
本願で用いられる「Cmax」は、本発明の組成物または市販のクレストール(商標)の製剤の摂取によってもたらされるスタチンの最大血漿中濃度を意味する。Cmaxまたはピーク濃度は区別なく用いられてよい。医薬は1以上のピークを有することができ;1つは全身吸収によってであってよく、他のものは腸肝再循環によってであってよい。ロスバスタチンは、1つは全身吸収により、もう1つのものは腸肝再循環による2つのピークを示すことが知られている。
【0069】
本願で用いられる「Tmax」は最大血漿中濃度が確認されるまでの時間を意味する。
【0070】
本願で用いられる「ACU」は血漿中濃度−時間の曲線下の面積を意味する。
【0071】
本願で用いられる「副作用」は体内の様々なシステムに対する生理学的な効果を意味し、それらは個々の対象に不快感をもたらす。
【0072】
「生体接着性」は、長時間に亘って生体組織に接着する物質の特性によって定義される。
生体接着性は胃内容排出および腸ぜん動運動、ならびに繊毛運動による置換がもたらす不十分な滞留時間の問題に対する1つの解決法である。十分な生体接着が起こるためには、強固な接触が生体接着剤とレセプター組織との間に存在しなければならず、生体接着剤は組織表面および/または粘膜の隙間の中に浸透しなければならず、機械的、静電気的または化学的な結合が形成しなければならない。ポリマーの生体接着特性はポリマーの特質と周囲媒質の特質の両方によって影響される。生体接着性と粘膜接着性とは区別なく用いられ得る。
【0073】
本発明の目的のために、滞留時間とは、医薬剤形が胃を通過して直腸に到るのに必要な時間である。即ち、本発明の医薬剤形は、胃および/または小腸ならびに/もしくは大腸の内で、あるいは医薬剤形中に含まれる医薬を吸収する胃腸管の部分周辺での保持時間を増加させ得る。
【0074】
例えば、本発明の医薬剤形は小腸(または、十二指腸)内で保持され得る。これらの医薬剤形は概して剤形の少なくとももう1つの表面に適用される生体接着性ポリマーコーティングを含んでいてもよい。
【0075】
本発明において用いられ得る、HMG−CoA還元酵素阻害剤またはスタチンには、以下のものに限定されることなく、ロバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、ニバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチン等が含まれる。最も好ましいスタチンはロスバスタチンである。
【0076】
本発明の製剤において用いられる放出調節ポリマーは親水性ポリマー、疎水性ポリマーまたは親水性ポリマーと親水性ポリマーとの組み合わせを含み得る。
【0077】
好適な親水性ポリマーの例には、以下のものに限定されることなく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸ビニル共重合体、アルギネート、キサンタンガム、キトサン、カラギーナン、デキストラン等のような多糖類、ポリエチレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド、メタクリル酸共重合体、無水マレイン酸/メチルビニルエーテル共重合体等が含まれる。疎水性ポリマーにはアクリレート、エチルセルロース、セルロースアセテート等のセルロース誘導体、メタアクリレート、ポリマー量のポリビニルアルコール、ワックス等が含まれる。
【0078】
用いられるポリマーは腐食するものもしくは腐食しないものまたは両方の組み合わせであってもよい。
【0079】
生体接着のために用いられ得るポリマーは以下に記載する。
【0080】
天然ポリマーには、以下のものに限定されることなく、ペクチン、ゼイン、修飾ゼイン、カゼイン、ゼラチン、グルテン、血清アルブミンまたはコラーゲンのようなタンパク質(例えば、親水性タンパク質);キトサン;セルロース、デキストラン、タマリンド種子多糖類、ジェラン、カラギーナン、キサンタンガム、アラビアガムのようなオリゴ糖および多糖類;ヒアルロン酸、ポリヒアルロン酸、アルギン酸、アルギン酸ナトリウムが含まれる。
【0081】
生体接着性ポリマーが合成ポリマーであるとき、合成ポリマーは、以下のものに限定されることなく、ポリアミド、ポリカルボネート、ポリアルキレン、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルハライド、ポリビニルピロリドン、ポリグリコライド、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリルおよびメタクリル酸エステルのポリマー、ポリラクチド、ポリ酪酸、ポリ吉草酸、ラクチド−グリコライド共重合体、ポリアンハイドライド、ポリオルトエステル、ポリフマル酸、ポリマレイン酸、ならびにそれらのブレンドおよび共重合体または混合物から典型的には選択される。
【0082】
本発明において使用に好適な他のポリマーには、以下のものに限定されることなく、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースピロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルセルロース、セルローストリアセテート、セルロースサルフェートナトリウム塩、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリイソデシルメタクリレート、ポリラウリルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリイソプロピルアクリレート、ポリイソブチルアクリレート、ポリオクタデシルアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルフェノール、ポリビニルラクチド、ポリグリコライドおよびその共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリ酪酸、ポリ吉草酸、ラクチド−カプロラクトン共重合体、ラクチド−グリコライド共重合体、ポリアンヒドライド(例えば、ポリ無水アジピン酸)、ポリオルトエステル、それらのブレンドおよび共重合体が含まれる。
【0083】
生体接着性ポリマーとして使用に好適なポリマーのもう1つの群には、必ずしも以下のものに限定されることなく、主鎖から少なくとも1つの疎水性基のペンダントを含む疎水性主鎖を有するポリマーが含まれる。好適な疎水性基は一般に非極性の基である。そのような疎水性基の例には、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基が含まれる。好ましくは、疎水性基はポリマーの生体接着性を阻害せず、その代わりにそれらを高めるのに選択される。
【0084】
生体接着性ポリマーとして使用に好適なポリマーのさらなる群には、必ずしも以下のものに限定されることなく、主鎖から少なくとも1つの親水性基のペンダントを含む疎水性主鎖を有するポリマーが含まれる。好適な親水性基には別の官能基に対し水素結合または静電気的な結合をし得る基が含まれる。そのような親水性基の例には、カルボン酸、スルホン酸およびリン酸のような負に帯電した基、(水素化した)アミンのような正に帯電した基ならびにアミドおよびイミンのような極性基が含まれる。
【0085】
好ましくは、親水性基はポリマーの生体接着性を阻害せず、その代わりにそれらを高めるのに選択される。本発明の態様においては、医薬組成物には活性薬剤および少なくとも1つの膨潤性ポリマーが含まれる。
【0086】
膨潤性ポリマーには、以下のものに限定されることなく、架橋ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタンハイドロゲル、無水マレイン酸共重合体のようなポリ無水マレイン酸系ポリマー、セルロース系ポリマーまたはその誘導体、多糖類、デンプンおよびデンプンをベースとするポリマーが含まれる。
【0087】
ポリマーは生分解の間に利用し易いカルボキシ基の数を増加させることによって、またはポリマー表面上にカルボキシ基の数を増加させることによって修飾され得る。ポリマーはアミノ基をポリマーに結合させることによっても修飾され得る。ポリマーは、生体接着特性を有する配位分子をポリマーマイクロスフェアーの表面に暴露した分子に共有結合させるために、当該技術分野において利用可能な多くの異なった結合化学(coupling chemistries)のいずれかを用いて修飾され得る。
【0088】
レクチンは、ムチンおよび粘膜細胞層が固有の標的となるようにポリマーに共有結合させることができる。ポリマーへのポリエチレンイミンまたはポリリジンのようないずれかの正に帯電した配位子の結合は、粘液の正味の負電荷への生体接着を、ビーズをコーティングするカチオン基の静電気引力によって改善し得る。ムチン層のムコ多糖類およびムコタンパク質、特にシアル酸残基は、負電荷のコーティングに関与する。
【0089】
ムチンに対する高い結合親和性を有するいずれかの配位子は、カルボジイミダゾール(CDI)を用いるような好適な化学で最も多くのポリマーに共有結合することもでき、腸への結合に影響することも期待できる。例えばムチンまたは他の無傷のムチンの成分に対して生じるポリクローナル抗体は、ポリマーに共有結合するとき、生体接着性の増加をもたらすであろう。
【0090】
同様に、好適な化学を用いてポリマーに結合したときに、腸管の内腔面に暴露した特定の細胞表面のレセプターに対する抗体は滞留時間を延ばすであろう。配位子の親和性は、ムチン内の溶解性またはカルボハイドレート基への特異的な親和性のような他の有用な物理的パラメーターを除いて、静電気的な電荷のみをベースとすることを必要としない。
【0091】
ポリマーへの純粋かまたは部分的に精製したいずれかの形態の、ムチンの天然成分のいずれかの共有結合は、一般的にムチン層内のポリマーの溶解度を増大させる。有用な配位子の例には、以下のものに限定されることなく、シアル酸、ノイラミン酸、n−アセチル−ノイラミン酸、n−グリコリルノイラミン酸、4−アセチル−n−アセチルノイラミン酸、ジアセチル−n−アセチルノイラミン酸、グルクロン酸、イズロン酸、ガラクトース、グルコース、マンノース、フコース、天然ムチンの化学処理によって製造される部分的に精製したもののいずれか、例えばムコタンパク質、ムコ多糖類およびムコ多糖類−タンパク質複合体、ならびに粘膜表面上のタンパク質または糖構造に対する免疫反応性の抗体が含まれる。
【0092】
ポリアスパラギン酸およびポリグルタミン酸のような特殊なペンダントカルボン酸側基を含むポリアミノ酸の結合も生体接着性を増加させ得る。ポリアミノ鎖はカルボン酸の電荷を増大させるのと同様に、ムチンのストランド内で鎖がもつれることによって生体接着性を増加させるであろう。
【0093】
製剤は一般に1以上の賦形剤を含む。医薬的に許容される賦形剤には、以下のものに限定されることなく、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、流動化剤、バインダー、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、湿潤剤、キレート剤、安定化剤、アルカリ化剤またはアミノ酸が含まれる。
【0094】
賦形剤の組み合わせも用いられてよい。用いられる賦形剤の量は活性化剤がどれだけ用いられるかによる。ある賦形剤は1よりも大くの機能を発揮することができる。
【0095】
バインダーには、以下のものに限定されることなく、馬鈴薯デンプン、小麦デンプン、トウモロコシデンプンのようなデンプン;アヴィセル(Avicel)、フィルトラック(Filtrak)、ヒューテン(Hewten)またはファーマセル(Pharmacel)の登録商標で知られる製品のような微結晶性セルロース;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース;アカシア、アルギン酸、グアガムのような天然ゴム;液体グルコース、デキストリン、ポビドン、シロップ、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルアミド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ポリプロピレングリコール、トラガント、それらの組み合わせ、当業者によく知られる他の化合物およびそれらの混合物が含まれる。
【0096】
以下のものに限定されることなく、粉砂糖、圧縮糖、デキストラート、デキストリン、デキストロース、フルクトース、ラクチトール、マニトール、サッカロース、スターチ、ラクトース、キシリトール、ソルビトール、タルク、微結晶性セルロース、炭酸カルシウム、2塩基または3塩基のリン酸カルシウム、硫酸カルシウム等を含む充填剤または希釈剤が使用され得る。
【0097】
潤滑剤は、以下のものに限定されることなく、Mg、Al、CaまたはZnのステアリン酸塩、ポリエチレングリコール、グリセリルベヘネート、鉱物油、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油およびタルクのような当該技術分野において従来公知ものから選択される。
【0098】
流動化剤には、以下のものに限定されることなく、シリコンジオキサイド、マグネシウムトリシリケート、粉末化セルロース、スターチ、タルクならびに3塩基のリン酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、コロイダルシリコンジオキサイド、シリコンハイドロゲルおよび当業者によく知られた他の化合物が含まれる。
【0099】
本発明の製剤は任意に界面活性剤を含んでいてもよい。非限定的な界面活性剤の例には、水溶性もしくは水分散性のノニオン性、半極性のノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性もしくは双性の界面活性剤;またはそれらのいずれかの組み合わせが含まれ、これらには、以下のものに限定されることなく、ポロアクスマー(poroaxmer)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(DSS)、トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ポリオキシエチレンソルビタンおよびポロキサルコール(poloxalkol)誘導体、4級アンモニウム塩または当業者に知られた他の医薬的に許容される界面活性剤が含まれる。
【0100】
本発明による医薬製剤には、以下のものに限定されることなく、錠剤(一層の錠剤、多層の錠剤、小さな錠剤、生体接着性錠剤、カプレット、マトリックス錠剤、錠剤内の錠剤、粘膜粘着性錠剤、調節放出錠剤、拍動放出錠剤、時限放出錠剤)、ペレット、ビーズ、顆粒、徐放製剤、カプセル、マイクロカプセル、カプセル中の錠剤およびマイクロスフェア、マトリックス製剤、マイクロカプセル化剤ならびに懸濁液のための粉末/ペレット/顆粒が含まれる。
【0101】
本発明の医薬剤形は、任意に当該技術分野において知られたフィルムコーティング、糖コーティング、腸溶性コーティング、生体接着性コーティングおよび他のコーティングのような1以上のコーティングを有していてもよい。これらのコーティングは、医薬製剤が作用の必要な部位で医薬を放出するのを助ける。ある例においては、付加的なコーティングは剤形が口または食道と接触するのを防ぐ。
【0102】
もう1つの例においては、付加的なコーティングは小腸に達するまで無傷のままである(例えば、腸溶性コーティング)。口腔内での生体接着層の早期の暴露または医薬剤形の溶解はHPMCまたはゼラチンのような親水性ポリマーの層またはコーティングによって回避され得る。任意に、ユードラギット(Eudragit)FS 30Dまたは他の好適なポリマーが、医薬の放出を遅らせ、結腸内での薬物の放出を確実とするためにコーティング組成物内に組み込まれていてもよい。
【0103】
これらのコーティング層にはコーティング剤、乳白剤、テーストマスキング(taste-masking)剤、充填剤、研磨剤、着色剤、アンチタッキング剤等を含む群から選択される1以上の賦形剤が含まれる。
【0104】
コーティング工程において有用なコーティング剤には、以下のものに限定されることなく、マルトデキストリンのような多糖類、メチルまたはエチルセルロースのようなアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、アカシア、コーン、サッカロース、ゼラチン、シェラック、セルロースアセテートフタレート、脂質、合成樹脂、アクリルポリマー、オパドライ(opadry)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルピロリドンとビニルアセテートとの共重合体(例えばプラスドーン(Plasdone)の商標で市販されている)およびユードラギットの商標で市販されているもののようなメタクリル酸をベースとするポリマーが含まれる。これらは必要に応じて、水系もしくは非水系または水系と非水系との組み合わせに適用され得る。
【0105】
添加剤が満足のいくフィルムを得るのにフィルム形成剤と共に含まれ得る。これらの添加剤には、ジブチルフタレート、トリエチルシトレート、ポリエチレングリコール(PEG)等のような可塑剤、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムおよびコロイダルシリコンジオキサイド等のようなアンチタッキング剤、ポリソルベートならびにラウリル硫酸ナトリウムのような界面活性剤、タルク、沈降炭酸カルシウムのような充填剤、蜜ろう、カルナウバワックス、合成塩素化ワックスのような研磨剤および酸化チタンのような乳白剤等を含むことができる。これら全ての賦形剤は当業者によく知られたレベルで使用され得る。
【0106】
本発明の医薬剤形は幅広い様々な方法でコーティングされ得る。好適な方法には、圧縮コーティング、流動床またはパン中でのコーティングおよびホットメルト(押出)コーティングが含まれる。そのような方法は当業者によく知られている。
【0107】
不溶性ポリマー、例えばセルロースアセテート、エチルセルロースの非透水性のコーティングは、コーティング中の溶解性ポア形成剤の含有物、例えばPEG、PVA、糖、塩、洗剤、トリエチルシトレート、トリアセチン等による遅延/調節放出(DR/MR)のための腸溶性コーティング剤として用いられ得る。多層または勾配錠剤はいくつかの異なった方法で製造され得る。
【0108】
ある態様においては、錠剤は少なくとも1つの固体の核と2つの外層を含み、各々が1以上の医薬ポリマーおよび/または医薬賦形剤を含む。核は活性成分および放出調節ポリマーを含む。2つの外層は生体接着性である。
【0109】
もう1つの態様においては、錠剤は少なくとも1つの核と2つの外層を含み、各々が医薬ならびに1以上の医薬ポリマーおよび/または医薬賦形剤を含む。そのような錠剤は別々の層内の異なった医薬含有物によって、異なった時間に異なった医薬の放出を開始するのにも用いられ得る。
【0110】
もう1つの態様においては、多層錠剤は1つの核と2つの外層とからなり、各々が医薬および1以上の医薬ポリマーまたは医薬賦形剤を含む(ここで、少なくとも1つのポリマーまたは賦形剤は疎水性である。)。
【0111】
もう1つの好ましい態様においては、本発明は多層錠剤からなる製剤に関し、少なくとも1つの層が制御放出ポリマーおよび活性成分からなり、少なくとも1つの層が生体接着性ポリマーからなる(ここで、各層は1以上の賦形剤を含む。)。
【0112】
もう1つの態様においては、本発明は多層錠剤からなる製剤に関し、少なくとも1つの層が制御放出ポリマーからなり、少なくとも1つの層が生体接着性ポリマーからなる(ここで、各層は1以上の賦形剤および医薬を含む。)。
【0113】
さらに、スタチンの調節放出製剤は即時放出層を含んでいてもよい。また、スタチンと、他のスタチンのような他の脂質低下剤、フィブリル酸誘導体、胆汁酸抑制剤、ナイアシン、オメガ3脂肪酸のようなHDL上昇剤、または降圧剤もしくはシリデナフィルのようなPDE−5阻害剤、アスピリンのような血小板阻害剤および他の作用剤との組合せも本発明の範囲内である。スタチンとの組合せに用いられるこれらの他の作用剤は即時放出または調節放出製剤中に存在し得る。本発明のために、組合せには、連続、同時、併用または組み合わせの投与が含まれる。
【0114】
本発明の医薬組成物は、乾式造粒、湿式造粒、溶融造粒、直接圧縮、二重圧縮、押出球状化、層化等によるような当該技術分野において公知の様々な方法によって形成され得る。
【0115】
本発明の調節放出製剤は全身濃度の低下と肝臓バイオアベイラビリティの増加とを伴うスタチンのインビボ血漿中濃度を提供する。全身濃度の低下と肝臓バイオアベイラビリティの増加はスタチンの主要な副作用を低減する。
【0116】
ロスバスタチンは10〜80mgの範囲の服用量で市場に最初に提供されたことが知られている。しかしながら、元々の適用は80mgの服用量の対する安全性への懸念を示していた。スポンサーによって提供されるデータは、IV水和のための入院を必要とする深刻な筋疾患または横紋筋融解症の進展はたった80mgの服用量の範囲で起こっていたことを示していた。
【0117】
ロスバスタチン5〜40mgの臨床試験における、CK上昇>10xULNおよび筋疾患の発生率は、それぞれ0.2〜0.4%および0.1〜0.2%であった。この適用における臨床試験のデータは、ロスバスタチンを摂取した患者については血尿を伴うかまたは伴わずにタンパク尿の進行速度が増加した。タンパク尿は80mgの服用量で最も認められた。
【0118】
臨床試験におけるロスバスタチン5〜40mgの筋疾患の発生率は0.1〜0.2%の間であり、それらは他の最近認証されたスタチンで見られる割合に類似する。筋肉および肝臓に対する毒性のリスクは投与量に関連して認められ、80mgの服用量で明白である。血漿中での50ng/mlより高いロスバスタチンのレベルは筋肉および肝臓に対する毒性を進展させた。40mgのロスバスタチンで治療されたほんの数人の患者(2%)がこの範囲内の医薬レベルを有し、80mgで治療された患者のより多くの割合(33%)が50ng/mlより高い医薬レベルとなった。
【0119】
さらに、薬物レベルを増加させてもよいある臨床状況においては、深刻な腎疾患を患う患者または高齢患者における薬物相互作用または使用の結果として、これらの状況にある患者は、典型的な20mgおよび40mgより高い薬物レベルに暴露され得るので熟慮が必要である。
【0120】
かくして、1日1回与えられたとき、本発明の調節放出製剤はインビボで調節放出スタチン、最も好ましくはロスバスタチンを提供する。スタチン、最も好ましくはロスバスタチンの血漿中最大濃度(Cmax)は、経口投与の際、即時放出型製剤より統計的に低い。
【0121】
本発明の医薬組成物の経口投与の後、血漿中濃度対時間のプロフィルは、血漿中濃度が深刻な好ましくない副作用を引き起こすことなく、治療濃度域(即ち、血漿中濃度が治療効果をもたらす)内で維持されるという長期に亘る時間を示すと考えられる。このため、全身暴露の低減が観察される。
【0122】
特定の態様において、血漿中濃度対時間の曲線においてピーク数を減少させ、その結果、全体の全身暴露が低減することを示す、1以上の医薬的に許容される賦形剤と一緒に、ロスバスタチンまたはその誘導体もしくは類似物を含む医薬組成物を提供することは興味深いことであろう(ここで、組成物は、それを必要とする哺乳類への経口投与の際、制御下にロスバスタチンまたはその誘導体もしくは類似物を放出し、即時放出型製剤よりも低いCmaxを示す。)。さらに、本発明の製剤は即時放出型製剤と比べてより優れた有効性を有するであろうと考えられる。
【0123】
前記の例は本発明の具体例であり、単なる例示にすぎない。当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、変更と改良をなし得る。そのような全ての変更と改良は本発明の範囲内に含まれると意図される。
【実施例】
【0124】
実施例1
【表1】

【0125】
手順
1)ロスバスタチンカルシウムを篩分けした。
2)HPMC、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロースおよびラクトースを一緒に篩分けした。
3)工程1のものを工程2のものと15分間で混合した。
4)ステアリン酸マグネシウムを篩でろ過し、工程3のものをステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑した。
a)工程4の潤滑したブレンドを圧縮した。
5)圧縮した錠剤をフィルムコーティングした。
【0126】
実施例2
【表2】

【0127】
手順
1)ラクトース(所定のAmtの75%)をロスバスタチンカリシウムと一緒に篩分けする。
2)ステアリン酸マグネシウムを篩分けする。
3)工程1のブレンドを工程2のものを用いて5分間で潤滑する。
4)工程のブレンドのスラグを製造する。
5)工程4のスラグを所望の篩で粉砕することによって脱スラグする。
6)HPMC、クロスカルメロースナトリウムおよびマンニトールを篩分けし、MCCとラクトースの残りのqtyを工程5のものとよく混合し、一緒に篩分けする。
7)ステアリン酸マグネシウムを篩分けする。
8)工程7のブレンドを潤滑する。
9)工程8のブレンドを圧縮する。
【0128】
コーティング:
十分な量のIPAとDCM(1:1)を取り、必要量のユードラギットを加え、連続して攪拌しながら所定の溶媒中にTECを溶解させる。核の錠剤をコーティングする。
【0129】
実施例3
【表3】

【0130】
手順
1)ロスバスタチンカリシウムを85%のラクトースと一緒に篩分けする。
2)ステアリン酸マグネシウムを篩分けし、工程1の前記ブレンドをそれと共に潤滑する。
3)前記ブレンドを圧縮する。
4)前記スラグを粉砕し、好適な篩でそれを通過させる。
5)ラクトースの残りのqty、MCC、キサンタンガム、エアロジルを篩分けする。
6)工程4のブレンドを工程5のブレンドと混合する。
7)ステアリン酸マグネシウムを篩分けし、工程6のブレンドをそれで潤滑する。
8)工程7のブレンドを好適なパンチで圧縮し、錠剤をフィルムコーティングした。
【0131】
実施例4
【表4】

【0132】
手順
1)ロスバスタチンカルシウムを85%のラクトースと一緒に篩分けする。
2)ステアリン酸マグネシウムを篩分けし、工程1の前記ブレンドをそれと共に潤滑する。
3)前記ブレンドを圧縮する。
4)前記スラグを粉砕し、好適な篩を通過させる。
5)ラクトースの残りのqty、微結晶性セルロース、HPMC、エアロジルを篩分けする。
6)工程4のブレンドを工程5のブレンドと共に混合する。
7)ステアリン酸マグネシウムを篩分けし、工程6のブレンドをそれと共に潤滑する。
8)工程7のブレンドを好適なパンチで圧縮し、錠剤をフィルムコーティングした。
【0133】
インビトロでの溶解性の研究
以下のインビトロでの溶解方法を用いた。0.001NのHClの溶液900ml(pH3.5)を溶解媒質として用いた。装置はバスケット(USP1)を含み、100rpmの速度で回転させた。錠剤の製剤を装置内に置き、溶液を定期的に測定した。実施例4のインビトロでの溶解性の研究は以下のとおりである:
【0134】
【表5】

【0135】
インビボでの生物学的同等性の研究
処方された条件下の10人の健康で、成人で、男性で、ヒトの対象における、Astrazeneca Pharmacuticals LP のために製造されたクレストール(商標)20mg(ロスバスタチン20mgIR)の錠剤(1日1回)と比較した、実施例4に従って製造された、ロスバスタチンカルシウムSRの錠剤20mg(1日1回)の、非盲検で、平衡化した、無作為化した、2つの治療の、2つの期間の、2つのシーケンスの、単回投与の、クロスオーバーの、相対的なバイオアベイラビリティの研究を行った。
【0136】
インビボでの生物学的同等性の研究は以下の表および図1に示されるようにような結果を示す。
【0137】
【表6】

【0138】
これらの結果は、市販の製剤、クレストール(商標)と比べたときにロスバスタチンの製剤のCmaxが統計的により低いことを示している。さらに、本発明の調節放出製剤およびクレストール(商標)についての医薬の血漿中濃度対時間のプロフィルは、クレストール(商標)において、最初のピークが医薬の全身吸収によるものであり、第2のピークが腸肝再循環によるものであることを示す2つのシャープなピークを明白に描いている。
【0139】
しかしながら、本発明の製剤は唯一のシャープなピークを示し、それは腸肝再循環によるものであろう。このことは即効放出性のクレストール(商標)と比べると体循環におけるロスバスタチンの全体の全身暴露が低減していることを示す。おそらく、このことはロスバスタチンの全身吸収に関連する副作用を低減する。それは本発明の調節放出ロスバスタチン製剤は、より高い肝臓バイオアベイラビリティおよびより低い全身バイオアベイラビリティを示し、その結果、副作用を低下することを示している。さらに、即時放出型製剤、クレストール(商標)と比べるとロスバスタチンの調節放出製剤についての統計的に低いCmaxが存在する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療上有効量のHMG−CoA還元酵素阻害剤またはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、
調節放出製剤が、経口投与の際、即時放出型製剤と比べたときに副作用の発生率を低下させ、有効性を改善する調節放出医薬製剤。
【請求項2】
調節放出製剤が、経口投与の際、即時放出型組成物と比べると横紋筋融解症、筋疾患および腎臓毒性の発生率を低下させる請求項1に記載の調節放出医薬製剤。
【請求項3】
HMG−CoA還元酵素阻害剤が、ロバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、ニバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチンおよびシムバスタチンから選択される請求項1に記載の調節放出医薬製剤。
【請求項4】
放出調節ポリマーが、親水性もしくは疎水性またはその組み合わせである請求項1に記載の調節放出医薬製剤。
【請求項5】
治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、
ロスバスタチンの最大ピーク濃度が、経口摂取の際、即時放出型医薬組成物によってもたらされるものより統計的に低くなるような調節放出医薬製剤。
【請求項6】
治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、
ロスバスタチンの最大ピーク濃度に達するための時間が、経口摂取の際、即時放出型医薬組成物によってもたらされるものより統計的に長くなるような調節放出医薬製剤。
【請求項7】
治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、
ロスバスタチンの濃度−時間曲線下の面積が、経口摂取の際、即時放出型医薬組成物によってもたらされるものより統計的に小さくなるような調節放出医薬製剤。
【請求項8】
治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、
調節放出製剤が、経口投与の際、即時放出型製剤と比べたときに肝臓バイオアベイラビリティの増加と全身バイオアベイラビリティの減少をもたらす調節放出医薬製剤。
【請求項9】
治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、
体循環におけるロスバスタチンの全身暴露の総量が、経口投与の際、即時放出型製剤と比べたときに低減される調節放出医薬製剤。
【請求項10】
治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、
組成物が、それを必要とする哺乳類への経口投与の際、制御下にロスバスタチンを放出し、その結果、即時放出型製剤について観察される2つのピーク濃度と比べると最初のピーク濃度を最小とするかまたは削除する調節放出医薬製剤。
【請求項11】
最初のピーク濃度が、即時放出型製剤における2つのピーク濃度と比べると削除されている請求項10に記載の調節放出医薬製剤。
【請求項12】
治療上有効量のロスバスタチンまたはその医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは代謝物、1以上の放出調節剤および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含み、
医薬の約10〜50%が約2時間で放出され、医薬の約20〜70%が約4時間で放出され、医薬の約40〜90%が約8時間で放出され、医薬の約75%より多くが約24時間で放出される調節放出医薬製剤。

【図1】
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【公表番号】特表2011−510974(P2011−510974A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544844(P2010−544844)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【国際出願番号】PCT/IN2009/000069
【国際公開番号】WO2009/095934
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(504265031)ルピン・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】