説明

KSP阻害剤としての置換ピラゾールおよびトリアゾール化合物

記載されているのは、新規置換ピラゾールおよびトリアゾール式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩、エステルまたはプロドラッグ、薬学的に許容される担体と一緒になった該誘導体の組成物、およびその使用である:
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
関連出願への相互参照
本出願は、引用によりその全体を本明細書に包含させる、2006年11月13日出願の米国仮出願番号60/858,964に対する35 U.S.C. §119(e)の下の利益を請求する。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般に、置換ピラゾールおよびトリアゾール化合物およびその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグに関する。本発明は、さらに、このような化合物と薬学的に許容される担体の組成物、そのような化合物の使用、それらの製造、および関連中間体に関する。
【背景技術】
【0003】
技術水準
キネシン類は、微小管に結合し、運動力を生じるためにアデノシン三リン酸を使用する、モータータンパク質である。キネシン類は、約350個のアミノ酸残基を有する運動ドメインにより特徴付けられる。数種のキネシン運動ドメインの結晶構造は解析されている。
【0004】
現在、約100個のキネシン関連タンパク質(KRP)が同定されている。キネシン類は、小器官および小胞の輸送および小胞体の維持を含む、種々の細胞生物学的過程に関与する。数種のKRPは、紡錘体の微小管とまたは染色体と直接相互作用し、細胞周期の有糸分裂段階中に中心的な役割を有するように見える。これらの有糸分裂KRPは、癌治療剤の開発のために特に興味深い。
【0005】
キネシン紡錘体タンパク質(KSP)(Eg5、HsEg5、KNSL1、またはKIF11としても既知)は、紡錘体に局在化し、双極性紡錘体の形成および/または機能に必須であることが知られている、数種のキネシン様運動性タンパク質の一つである。
【0006】
1995年に、KSPのC末端に対する抗体を使用したKSPの涸渇が、HeLa細胞の有糸分裂を、一星状体微小管配列(monoastral microtubule arrays)で停止させることが示された(Blangy et al., Cell 83:1159-1169, 1995)。KSPの相同体であると考えられるbimCおよびcut7遺伝子における変異は、アスペルギルス・ニデュランス(Enos, A.P., およびN.R. Morris, Cell 60:1019-1027, 1990)およびシゾサッカロミセス・ポンベ(Hagan, I., およびM. Yanagida, Nature 347:563-566, 1990)における中心体分離を失敗させる。細胞の、タンパク質レベルでKSP発現を低下させるATRA(全trans−レチノイン酸)での処理、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用したKSP涸渇のいずれかでの処理は、DAN−G膵臓癌腫細胞の顕著な増殖阻害を示し、KSPが全trans−レチノイン酸の抗増殖作用に関与することを示す(Kaiser, A., et al., J. Biol. Chem. 274, 18925-18931, 1999)。興味深いことに、アフリカツメガエルオーロラ関連タンパク質キナーゼpEg2が、XlEg5と関連し、リン酸化することが示された(Giet, R., et al., J. Biol. Chem. 274:15005-15013, 1999)。オーロラ関連キナーゼの可能性のある基質は、癌医薬開発に特に興味深い。例えば、オーロラ1および2キナーゼは、結腸癌患者においてタンパク質およびRNAレベルで過発現しており、遺伝子が増幅されている。
【0007】
KSPの最初の細胞透過性小分子阻害剤である、“モナストロール”は、タキサン類およびビンカアルカロイドのような慣用の化学療法剤と同様に微小管重合化への影響なく、単極性紡錘体で細胞を停止させることが示された(Mayer, T.U., et al., Science 286:971-974, 1999)。モナストロールは、表現型ベースのスクリーニングで阻害剤として同定され、この化合物が抗癌剤の先達として働き得ることを示唆した。本阻害は、アデノシン三リン酸に関しては競合的ではなく、即可逆性であることが決定された(DeBonis, S., et al., Biochemistry, 42:338-349, 2003; Kapoor, T.M., et al., J. Cell Biol., 150:975-988, 2000)。
【0008】
改善された化学療法剤の重要性に鑑み、KSPおよびKSP関連タンパク質の有効なインビボ阻害剤であるKSP阻害剤に対する要請がある。
【発明の概要】
【0009】
発明の要約
一つの態様において、本発明は、置換ピラゾールおよびトリアゾール化合物およびその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグ、その製造、医薬組成物、およびKSP仲介疾患の処置のための使用に関し、ここで、該化合物は、式(I):
【化1】

〔式中:
は、アルキルおよび置換アルキルから成る群から選択され;
は、水素、アルキル、および置換アルキルから成る群から選択され;
は、−L−Aから成る群から選択され、ここで、Lは、−C(O)−、−C(S)−、−S(O)−、および−S(O)−から成る群から選択され、そしてAは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、およびNRから成る群から選択され;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから成る群から選択され;
またはRおよびRは、それぞれが結合している原子と一体となって、5〜7員ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキル基を形成し、ここで、所望により1個の付加的環原子は、O、S、またはNR11から成る群から選択され;
Xは、CRまたはNであり;
は、水素、ハロ、アルキル、および置換アルキルから成る群から選択され;
は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールから成る群から選択され、その全ては、所望により−(R10)で置換されていてよく、ここで、R10は、ここで定義のとおりであり、mは1、2、3、または4であり、そして各R10は、mが2、3、または4であるとき同じでも異なってもよく;
は−L−Aであり、ここで、LはC−Cアルキレンであり、そして、Aは、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルから成る群から選択される。ただし、RはXに結合しておらず;
は、水素およびアルキルから成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルから成る群から選択され;
またはRおよびRは結合している窒素原子と一体となって、ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルを形成し;
10は、シアノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、−CF、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロ、およびヒドロキシから成る群から選択され;そして
11は、水素、アルキル、置換アルキル、−SOアルキル、および−SO置換アルキルから成る群から選択される。〕
により示される。
【0010】
発明の詳細な記載
A. 本発明の化合物
本発明の化合物は、式(I):
【化2】

〔式中:
は、アルキルおよび置換アルキルから成る群から選択され;
は、水素、アルキル、および置換アルキルから成る群から選択され;
は、−L−Aから成る群から選択され、ここで、Lは、−C(O)−、−C(S)−、−S(O)−、および−S(O)−から成る群から選択され、そして、Aは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、およびNRから成る群から選択され;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから成る群から選択され;
またはRおよびRは、それぞれが結合している原子と一体となって、5〜7員ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキル基を形成し、ここで、所望により1個の付加的環原子(RおよびRが結合している窒素ヘテロ原子に加えて)は、O、S、またはNR11から成る群から選択され;
Xは、CRまたはNであり;
は、水素、ハロ、アルキル、および置換アルキルから成る群から選択され;
は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールから成る群から選択され、その全ては、所望により−(R10)で置換されていてよく、ここで、R10は、ここで定義のとおりであり、mは、1、2、3、または4であり、そして各R10は、mが2、3、または4であるとき同じでも異なってもよく;
は、−L−Aであり、ここで、LはC−Cアルキレンであり、そして、Aは、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルから成る群から選択される。ただし、RはXに結合しておらず;
は、水素およびアルキルから成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルから成る群から選択され;
またはRおよびRは結合している窒素原子と一体となって、ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルを形成し;
10は、シアノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、−CF、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロ、およびヒドロキシから成る群から選択され;そして
11は、水素、アルキル、置換アルキル、−SOアルキル、および−SO置換アルキルから成る群から選択される。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグを含む。
【0011】
一つの態様において、Rがアルキルである。一つの局面において、Rがメチルである。他の局面において、RおよびRがメチルである。
【0012】
一つの態様において、提供されるのは、式(Ia)−(Ie):
【化3】

〔式中、R、R、R、X、R、およびRは、式(I)について定義のとおりである。〕
を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグである。
【0013】
式(I)および(Ia)−(Ie)の化合物のいくつかの態様において、XがNである。
式(I)および(Ia)−(Ie)の化合物の他の態様において、XがCRである。ある局面において、Rが水素である。
【0014】
一つの態様において、本発明の化合物は、式(II):
【化4】

〔式中:
は、アルキルおよび置換アルキルから成る群から選択され;
は、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、ハロ、窒素含有ヘテロシクロアルキル、置換窒素含有ヘテロシクロアルキル、窒素含有ヘテロアリール、および置換窒素含有ヘテロアリールから成る群から選択される1〜5個の置換基で置換されたアルキルであり;
は、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、およびNRから成る群から選択され;
またはAおよびRは、それぞれが結合している原子と一体となってヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキル基を形成し、ここで、所望により1個の付加的環原子は、O、S、またはNR11から成る群から選択され;
Xは、CRまたはNであり;
は、水素、ハロ、アルキル、および置換アルキルから成る群から選択され;
は、−L−Aであり、ここで、LはC−Cアルキレンであり、そしてAは、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルから成る群から選択され;
は、水素およびアルキルから成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルから成る群から選択され;
またはRおよびRは、結合している窒素原子と一体となって、ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルを形成し;
mは1、2、3、または4であり、そして各R10は、mが2、3、または4であるとき同じでも異なってもよく;そして
10は、シアノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、−CF、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロ、およびヒドロキシから成る群から選択され;そして
11は、水素、アルキル、置換アルキル、−SOアルキル、および−SO置換アルキルから成る群から選択される。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグにより示される。
【0015】
式(II)の化合物のいくつかの態様において、XがNである。
式(II)の化合物の他の態様において、XがCRである。ある局面において、Rが水素である。
【0016】
一つの態様において、提供されるのは、式(IIa):
【化5】

を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグである。
【0017】
一つの態様において、提供されるのは、式(IIb):
【化6】

を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグである。
【0018】
式(I)、(Ia)−(Ie)、(II)、および(IIa)−(IIb)の化合物の一つの態様において、Rがアルキルである。他の態様において、Rが、イソプロピル、t−ブチル、およびプロピルから成る群から選択される。
【0019】
一つの態様において、Lが−CO−である。
一つの態様において、Aがアリールまたは置換アリールである。ある局面において、Aが置換または非置換フェニルである。
【0020】
一つの態様において、Aがヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。ある局面において、Aが置換または非置換ピリジルである。
一つの態様において、Aがシクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。
【0021】
一つの態様において、Aがヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。ある局面において、Aが置換または非置換モルホリノである。
一つの態様において、Aがアルキルまたは置換アルキルである。ある局面において、Aが、アルコキシまたはヒドロキシで置換されたアルキルである。
【0022】
一つの態様において、Aが1,3−ベンゾチアジアゾール−4−イル、t−ブトキシ、ブトキシ、n−ブトキシ、シクロヘキシル、2,2−ジメチルプロポキシ、エトキシ、フラン−3−イル、イソキサゾール−3−イル、メトキシ、メチル、2−メチルプロポキシ、フェニル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、n−プロポキシ、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピラジン−2−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル、1H−テトラゾール−1−イル、2H−テトラゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,3−ベンゾチアジアゾール−6−イル、3,3−ジヒドロベンゾ[1,2,3]チアジアゾール−4−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−6−イル、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール、ベンズオキサジアゾール−4−イル、シクロペンチル、イミダゾール−4−イル、インダゾル−6−イル(y)、イソオキサゾール−5−イル、モルホリン−2−イル、モルホリノ、チアジアゾール−4−イル、ピロリジン−N−イル、ピラゾール−3−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、オキサゾール−4−イル、テトラゾール−5−イル、またはピペリジン−N−イルである。
【0023】
一つの態様において、Aが、5−メチル−2H−イミダゾール−4−イル、2−アミノチアゾール−4−イル、4−t−ブチルフェニル、2−クロロフェニル、2−クロロ−6−メチルピリド−4−イル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、6−クロロピリジン−3−イル、3,4−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル、2,4−ジメチルチアゾール−5−イル、1−エチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル、2−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルイソキサゾール−3−イル、5−メチルイソキサゾール−4−イル、4−メチルフェニル、1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−5−クロロ−1H−ピラゾール−4−イル、5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、6−メチルピリジン−3−イル、2−ピロリジン−3−イルフェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル、2,5−ジメチルオキサゾール−4−イル、2−アミノチアゾール−4−イル、4−メチルピラゾール−5−イル、3−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル、2−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−5−イル、4−クロロ−1,3−ジメチルピラゾロ[3,4]ピリジン、および1−メチルベンズイミダゾール−2−イルから成る群から選択される、置換アリールまたはヘテロアリール基である。
【0024】
一つの態様において、Aが、3−[(アミノアセチル)アミノ]シクロヘキシル、1−メチルピペラジン−4−イル、3−(2−アミノエチルスルホニルアミノ)シクロヘキシル、1−メチルカルボニルピペリジン−4−イル、1−メトキシカルボニルピペリジン−4−イル、キヌクリジン−3−イル、2−オキソピロリジン−5−イル、2−オキソピロリジン−4−イル、2−オキソ−ジヒドロフラン−5−イル、2−オキソチアゾリジン−4−イル、および3−ヒドロキシピロリジン−5−イルから成る群から選択される、置換ヘテロ環またはシクロアルキルである。
一つの態様において、Aが2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イルである。
【0025】
一つの態様において、Aが、3−アミノ−2−オキソ−1(2H)−ピリジニルメチル、シアノメチル、(N,N−ジメチルアミノ)メチル、エトキシメチル、p−フルオロフェノキシメチル、ヒドロキシメチル、1H−イミダゾール−1−イルメチル、メトキシメチル、(N−メチルアミノ)メチル、メチルスルホニルメチル、(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)メチル、(5−メチル−2H−テトラゾール−2−イル)メチル、モルホリン−4−イルメチル、1H−ピラゾール−1−イルメチル、1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル、2H−1,2,3−トリアゾール−2−イルメチル、1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル、2H−1,2,4−トリアゾール−2−イルメチル、4H−1,2,4−トリアゾール−4−イルメチル、1H−テトラゾール−1−イルメチル、1H−テトラゾール−5−イルメチル、2H−テトラゾール−2−イルメチル、イミダゾール−4−イルメチル、1−メチルピラゾール−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、トリフルオロメチル、ジメチルアミノエチル、および2−オキソ−3−アミノピロリジン−1−イルメチルから成る群から選択される、置換アルキルである。
【0026】
一つの態様において、AがNRである。
一つの態様において、Rが水素である。
【0027】
一つの態様において、RおよびRが水素である。
一つの態様において、RおよびRがアルキルである。ある局面において、RおよびRがメチルである。
【0028】
一つの態様において、Rがアルキル、置換アルキル、およびシクロアルキルから成る群から選択される。ある局面において、Rが、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、メトキシエチル、フラン−2−イルメチル、2−ヒドロキシエチル、シクロプロピルおよびイソプロピルから成る群から選択される。
【0029】
一つの態様において、Rが、アリールまたは置換アリールである。ある局面において、Rが、4−シアノフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、3,5−ジニトロフェニル、およびフェニルから成る群から選択される。
【0030】
一つの態様において、Rがヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。いくつかの局面おいて、Rが、チオフェン−2−イル、3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル、および2,6−ジクロロピリジン−4−イルから成る群から選択される。
【0031】
一つの態様において、Rが、ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキル基である。ある局面において、Rがテトラヒドロピラン−4−イルまたは4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルである。
一つの態様において、Rがヒドロキシである。
【0032】
一つの態様において、RおよびRが、結合している窒素原子と一体となって、ヘテロ環または置換ヘテロ環を形成する。ある局面において、−NRが、チアモルホリン−N−イル、1,1−ジオキソチアモルホリン−N−イル、1−オキソチアモルホリン−1−イル、2−(アミノメチレン)ピロリジン−N−イル、2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−N−イル、2,6−ジメチルモルホリン−N−イル、3−ヒドロキシピペリジン−N−イル、3−ヒドロキシピロリジン−N−イル、4−(ブチルスルホニル)ピペラジン−N−イル、4−(シクロプロピルスルホニル)ピペラジン−N−イル、4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−N−イル、4−(エトキシカルボニル)ピペラジン−N−イル、4−(エチルスルホニル)ピペラジン−N−イル、4−(イソプロピルスルホニル)ピペラジン−N−イル、4−(メチルカルボニル)ピペラジン−N−イル、4−(メチルスルホニル)ピペリジン−N−イル、4−(メチル(methy)スルホニル)ピペラジン−N−イル、4−(モルホリン−N−イル)ピペリジン−N−イル、4−(ピペリジン−N−イル)ピペリジン−N−イル、4−(プロピルスルホニル)ピペラジン−N−イル、4−シクロヘキシルピペラジン−N−イル、4−ヒドロキシピペリジン−N−イル、4−イソプロピルピペラジン−4−イル、4−メチルピペリジン−N−イル、イソキサゾリジン−2−イル、モルホリン−N−イル、ピペラジン−N−イル、ピペリジン−N−イル、2−(ヒドラジノカルボニル)ピロリジン−N−イル、およびピロリジン−N−イルから成る群から選択される。
【0033】
ある態様において、Rが置換アルキルである。ある局面において、Rが、アミノ、置換アミノ、ハロ、アルコキシ、置換アルコキシ、およびヒドロキシから成る群から選択される1〜5個の置換基で置換されたアルキルである。
【0034】
ある態様において、Rが:水素、ピペリジン−4−イル、−(CH)−NH2、−CH−アゼチジン−3−イル、−CH−(2,5−ジヒドロピロール−3−イル)、−(CH)−イミダゾール−1−イル、−CH−(1H−イミダゾール−4−イル)、−CH−ピリジン−3−イル、−CH−(2−ヒドロキシピリジン−4−イル)、−CH−(6−ヒドロキシピリジン−3−イル)、−CH−モルホリン−2−イル、−CH−ピロリジン−3−イル、−CH−(3−フルオロピロリジン−3−イル)、−CH−(3−ヒドロキシピロリジン−3−イル)、−CH−(4−フルオロピロリジン−3−イル)、−CH−(4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)、−CH−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−3−イル)、−CH−ピペリジン−3−イル、−CH−[1H−(1,2,3−トリアゾール−4−イル)]、−CHCH(NH)CHOH、−(CH)−OH、−(CH)−O(CO)−フェニル、−(CH)−NH、−(CH)−NHCH、−(CH)−N(CH)、−(CH)−NHOCH、−(CH)−NHSOCH、−(CH)NH−(5−シアノピリジン−2−イル)、−(CH)NH−シクロプロピル、−(CH)NH−シクロブチル、−(CH)−(1H−イミダゾール−2−イル)、−(CH)−(2−ヒドロキシエチルピペリジン−1−イル)、−(CH)NH(2−ヒドロキシメチルフェニル)、−(CH)NH−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)、−(CH)NHCH−シクロプロピル、−(CH)NHCH−{5−(ピリジン−3−イルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル}、−(CH)NHCH−(5−メトキシ−1H−インダゾル−3−イル)、−(CH)NHCH−(6−フルオロ−1H−インダゾル−3−イル)、−CHCHOHCHNH、−CHCH(CHOH)CHNH、−CHC(CH)CH−N(CH)、−CHC(CH)CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−(CH)C(O)NH、−(CH)CH(NH)C(O)NH、−(CH)CH(NH)C(O)OH、−(CH)CH(NH)CHC(O)NH、−(CH)CH(NH)CHOH、−(CH)CH(NH)CH、−(CH)NHC(O)CHNH、−(CH)NHC(O)CH(NH)CH(CH)、−CHCHFCHNH、−(CH)NHC(O)CHNH、−(CH)−NHCHCHOH、−(CH)−NHCHCOH、−(CH)−NHCHCOCHCH、−(CH)−N(CHCHOH)、−CH)−NHCH(CHOH)、−(CH)CH、−(CH)CH(NH)CHOH、−(CH)C(CH)NH、−(CH)CH(NH)CHOCH、−(CH)CH(NH)CHF、−CHCHFCH(NH)CHOH、および−(CH)スピロシクロ(cylco)プロピル−NHから成る群から選択される。
【0035】
一つの態様において、Rは、−(CH)NH、−(CH)CH(CHOH)NH、−CHCH(F)CHNH、−CH−[2−(CHOH)ピロリジン−3−イル]、−CH−[4−(OH)ピロリジン−3−イル]、−CH−C(F)(スピロピロリジン−3−イル)、−(CH)CH(CHF)NH、−(CH)C(CH)NH、−(CH)CH(CH)NH、および−(CH)CH(CHOCH)NHから成る群から選択される。
【0036】
ある態様において、RおよびRまたはAおよびRが、それぞれが結合している原子と一体となって、5〜7員ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキル基を形成する。ある局面において、置換ヘテロシクロアルキルは、ハロ、アルキル、またはアミノ、置換アミノ、ハロ、アルコキシ、置換アルコキシ、およびヒドロキシから成る群から選択される1〜5個の置換基で置換されたアルキルで置換されている。ある局面において、ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキル基は:
【化7】

から成る群から選択される。
【0037】
一つの態様において、Rがアリールまたは置換アリールである。ある態様において、Rが、フェニル、3−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、および2,3,5−トリフルオロフェニルから成る群から選択される。
一つの態様において、Rがヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
【0038】
一つの態様において、Rが、フェニル、3−ブロモフェニル、2−フルオロ−5−クロロフェニル、2−クロロ−5−フルオロフェニル、3,5−ジクロロ(dicholor)フェニル、3−クロロフェニル、4−シアノフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、3−フルオロフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、ピラジン−2−イル、ピリジン−2−イル、チアゾール−2−イル、2−トリフルオロメチルフェニル、および3−トリフルオロメチルフェニルから成る群から選択される。
【0039】
一つの態様において、Rが、5−クロロ−2−フルオロフェニル、2−フルオロ−5−クロロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、および3,5−ジクロロフェニルから成る群から選択される。
【0040】
一つの態様において、Aが、フェニル、6−アミノピリジン−2−イル、3−クロロフェニル、3−シアノフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3−ヒドロキシフェニル、3−メトキシフェニル、1−(5−メチル)−イソキサゾール−3−イル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、チアゾール−4−イル、および5−トリフルオロメチルフラン−2−イルから成る群から選択される。
【0041】
一つの態様において、Aが3−ブロモフェニル、または3−トリフルオロメチルフェニルである。
一つの態様において、Lがメチレンであり、そしてAが、フェニル、3−フルオロフェニル、または3−ヒドロキシフェニルから成る群から選択される。ある局面において、Rがベンジルである。
【0042】
一つの態様において、Rがt−ブチルであり、Lがメチレンであり、Aがフェニルであり、そしてRがフェニルまたは置換フェニルである。
他の態様において、Rがt−ブチルであり、Lがメチレンであり、Aがフェニルであり、Rが1〜2個のハロ置換基、例えばクロロまたはフルオロで置換されたフェニルである。
【0043】
一つの態様において、Rがt−ブチルであり、Rが水素であり、Lがメチレンであり、Aがフェニルであり、Rが置換アルキルである。いくつかのこのような態様において、Rが−(CH)NH、−CHCH(F)CHNH、−(CH)CH(CHF)NH、−(CH)CH(CHOCH)NH、−(CH)CH(CH)NH、−(CH)C(CH)NHまたは−(CH)CH(CHOH)NHである。
【0044】
代表的本発明の化合物
本発明の範囲内の特異的化合物を、実験部分の表1に例示する。
【0045】
本発明の方法および組成物
また提供されるのは、式(I)、(Ia)−(Ie)、(II)、および(IIa)−(IIb)の化合物(その混合物および/または塩を含む)および薬学的に許容される賦形剤または担体を含む、組成物である。
【0046】
他の局面において、本発明は、少なくとも一部KSPにより仲介される障害を有する哺乳動物患者の処置方法を提供する。それ故に、本発明は、処置を必要とする哺乳動物患者の処置方法であって、該患者に、治療的有効量の式(I)、(Ia)−(Ie)、(II)、および(IIa)−(IIb)の化合物(その混合物を含む)を、単独で、または他の抗癌剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
【0047】
B. 定義および概観
上記の通り、本発明は、一部新規置換ピラゾールおよびトリアゾール化合物に関する。
【0048】
ここで使用する用語は、特定の態様のみを記載する目的で使用され、本発明の範囲を限定する意図はないことは理解すべきである。ここでおよび特許請求の範囲で使用する単数表現は、文脈から他のことが明らかに示されない限り、複数も含む。本明細書および添付の特許請求の範囲においては、以下の意味を有すると定義される多数の用語を使用している:
【0049】
ここで使用する“アルキル”は、1〜6個の炭素原子およびより好ましくは1〜3個の炭素原子を有し、一価飽和脂肪族ヒドロカルビル基を意味する。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルなどのような群により例示される。
【0050】
“置換アルキル”は、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、スピロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、−SO−アルキル、および−SO−置換アルキルから成る群から選択される1〜3個、および好ましくは1〜2個の置換基を有し、アルキル基を意味する。
【0051】
“アルキレン”は、好ましくは1〜5個およびより好ましくは1〜3個の炭素原子を有する二値飽和脂肪族ヒドロカルビル基を意味し、それは直鎖または分枝鎖である。この用語は、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、n−プロピレン(−CHCHCH−)、イソプロピレン(−CHCH(CH)−)または(−CH(CH)CH−)などのような群により例示される。
【0052】
“アルコキシ”は、基“アルキル−O−”を意味し、それは、単なる例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシなどを含む。
“置換アルコキシ”は、基“置換アルキル−O−”を意味する。
【0053】
“アシル”は、基H−C(O)−、アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、置換アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、置換アルキニル−C(O)−シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)−、ヘテロ環−C(O)−、および置換ヘテロ環−C(O)−を意味し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環および置換ヘテロ環は、ここで定義のとおりである。
【0054】
“アミノアシル”は、基−C(O)NRRを意味し、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環から成る群から選択され、そして、ここで、各Rは窒素原子と一体となってヘテロ環または置換ヘテロ環を形成し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環および置換ヘテロ環は、ここで定義のとおりである。
【0055】
“アシルオキシ”は、基アルキル−C(O)O−、置換アルキル−C(O)O−、アルケニル−C(O)O−、置換アルケニル−C(O)O−、アルキニル−C(O)O−、置換アルキニル−C(O)O−、アリール−C(O)O−、置換アリール−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、置換シクロアルキル−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−、置換ヘテロアリール−C(O)O−、ヘテロ環−C(O)O−、および置換ヘテロ環−C(O)O−を意味し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環および置換ヘテロ環は、ここで定義のとおりである。
【0056】
“オキシアシル”または“カルボキシルエステル”は、基−C(O)O−アルキル、−C(O)O−置換アルキル、−C(O)O−アルケニル、−C(O)O−置換アルケニル、−C(O)O−アルキニル、−C(O)O−置換アルキニル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−置換アリール、−C(O)O−シクロアルキル、−C(O)O−置換シクロアルキル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)O−置換ヘテロアリール、−C(O)O−ヘテロ環、および−C(O)O−置換ヘテロ環を意味し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環および置換ヘテロ環は、ここで定義のとおりである。
【0057】
“アルケニル”は、2〜6個の炭素原子および好ましくは2〜4個の炭素原子を有し、少なくとも1個所および好ましくは1〜2個所のアルケニル不飽和を有し、アルケニル基である。このような基は、ビニル、アリル、ブト−3−エン−1−イルなどにより例示される。
【0058】
“置換アルケニル”は、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、および置換ヘテロ環から成る群から選択される、1〜3個の置換基、および好ましくは1〜2個の置換基を有するアルケニル基を意味するが、ただし、ヒドロキシ置換はビニル(不飽和)炭素原子に結合していない。
【0059】
“アルキニル”は、2〜6個の炭素原子および好ましくは2〜3個の炭素原子を有し、少なくとも1個所および好ましくは1〜2個所のアルキニル不飽和を有する、アルキニル基を意味する。
【0060】
“置換アルキニル”は、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、および置換ヘテロ環から成る群から選択される1〜3個の置換基、および好ましくは1〜2個の置換基を有するアルキニル基を意味するが、ただし、全てのヒドロキシ置換は、アセチレン炭素原子に結合していない。
【0061】
“アミノ”は、基−NHを意味する。
“シアノ”は、基−CNを意味する。
【0062】
“置換アミノ”は、基−NR’R”を意味し、ここで、R’およびR”は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、−SO−アルキル、−SO−置換アルキルから成る群から選択され、そして、ここで、R’およびR”は、それらが結合している窒素と一体となって、ヘテロ環または置換ヘテロ環基を形成できるが、ただし、R’およびR”は両方とも水素ではない。R’が水素であり、そしてR”がアルキルであるとき、置換アミノ基は、ここでアルキルアミノと呼ばれることもある。R’およびR”がアルキルであるとき、置換アミノ基は、ここでジアルキルアミノと呼ばれることもある。一置換アミノに言及するとき、R’またはR”の両方ではなく、いずれかが水素であることを意味する。二置換アミノに言及するとき、R’もR”も水素ではないことを意味する。
【0063】
“アシルアミノ”は、基−NRC(O)アルキル、−NRC(O)置換アルキル、−NRC(O)シクロアルキル、−NRC(O)置換シクロアルキル、−NRC(O)アルケニル、−NRC(O)置換アルケニル、−NRC(O)アルキニル、−NRC(O)置換アルキニル、−NRC(O)アリール、−NRC(O)置換アリール、−NRC(O)ヘテロアリール、−NRC(O)置換ヘテロアリール、−NRC(O)ヘテロ環、および−NRC(O)置換ヘテロ環を意味し、ここで、Rは水素またはアルキルであり、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環および置換ヘテロ環は、ここで定義のとおりである。
【0064】
“ニトロ”は、基−NOを意味する。
“アリール”または“Ar”は、単環(例えば、フェニル)または多縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する6〜14個の炭素原子の一価芳香族性炭素環基を意味し、ここで、縮合環は芳香族性であってもなくてもよいが(例えば、2−ベンズオキサゾリノン、2H−1,4−ベンズオキサジン−3(4H)−オン−7−イルなど)、ただし、結合点は芳香族性炭素原子にある。好ましいアリールは、フェニルおよびナフチルを含む。
【0065】
“置換アリール”は、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、チオール、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリールチオ、置換アリールチオ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、ヘテロ環チオ、置換ヘテロ環チオ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノスルホニル(NH−SO−)、および置換アミノスルホニルから成る群から選択される1〜3個の置換基、および好ましくは1〜2個の置換基で置換されたアリール基を意味する。
【0066】
“アリールオキシ”は、基アリール−O−を意味し、それは、単なる例として、フェノキシ、ナフトキシなどを含む。
“置換アリールオキシ”は、置換アリール−O−基を意味する。
“カルボキシル”は、−COOHまたはその塩を意味する。
【0067】
“シクロアルキル”は、単なる例として、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどを含む、3〜10個の炭素原子の、単または多環状環を有し、環状アルキル基を意味する。
【0068】
“スピロシクロアルキル”は、下記構造式:
【化8】

により例示される、スピロ結合(唯一の共通環員である原子により形成される結合)を有するシクロアルキル環を有し、3〜10個の炭素原子の環状基を意味する。
【0069】
“置換シクロアルキル”は、アルキル、置換アルキル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、−SO−アルキルおよび−SO−シクロアルキルから成る群から選択される、1〜5個の置換基を有する、シクロアルキル基を意味する。
【0070】
“ハロ”または“ハロゲン”はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味し、好ましくはフルオロまたはクロロである。
“ヒドロキシ”は、基−OHを意味する。
【0071】
“ヘテロアリール”は、環内に1〜10個の炭素原子および酸素、窒素および硫黄から成る群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、芳香族基を意味する。このようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジニルまたはフリル)または多縮合環(例えば、インドーリジニルまたはベンゾチエニル)を有してよく、ここで、縮合環は芳香族性であってもなくてもよく、および/またはヘテロ原子を含んでも含まなくてもよいが、ただし、結合点は芳香族性ヘテロアリール基の原子を介する。一つの態様において、ヘテロアリール基の窒素および/または硫黄環原子は、所望により酸化されて、N−オキシド(N→O)、スルフィニル、またはスルホニル部分を提供する。好ましいヘテロアリールは、ピリジニル、ピロリル、インドリル、チオフェニル、およびフラニルを含む。
【0072】
“置換ヘテロアリール”は、置換アリールについて定義した置換基と同じ群から選択される1〜3個の置換基で置換されたヘテロアリール基である。
【0073】
“窒素含有ヘテロアリール”および“窒素含有置換ヘテロアリール”は、少なくとも1個の窒素環原子を含み、所望により他の硫黄、酸素などのような非窒素ヘテロ環原子を含む、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基を意味する。
【0074】
“ヘテロアリールオキシ”は、基−O−ヘテロアリールを意味し、“置換ヘテロアリールオキシ”は、基−O−置換ヘテロアリールを意味し、ここで、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールは、ここで定義のとおりである。
【0075】
“ヘテロ環”または“ヘテロ環”または“ヘテロシクロアルキル”または“ヘテロシクリル”は、1〜10個の炭素原子および1〜4個の窒素、硫黄または酸素から成る群から選択されるヘテロ原子を環内に含む、単環または縮合架橋およびスピロ環系を含む、多縮合環を有し、飽和または不飽和(しかし芳香族性ではない)基であり、ここで、縮合環系において、1個以上の環は、結合点がヘテロ環を介する限り、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであってよい。一つの態様において、ヘテロ環基の窒素および/または硫黄原子は、所望により酸化されて、N−オキシド、スルフィニル、およびスルホニル部分を提供する。
【0076】
“置換ヘテロ環”または“置換ヘテロシクロアルキル”または“置換ヘテロシクリル”は、置換シクロアルキルについて定義したものと同じ置換基の1〜3個で置換されている、ヘテロシクリル基を意味する。
【0077】
ヘテロシクリルおよびヘテロアリールの例は、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナンスロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも呼ぶ)、1,1−ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニルなどを含み、これに限定されない。
【0078】
“窒素含有ヘテロ環”および“窒素含有置換ヘテロ環”は、少なくとも1個の窒素環原子を含み、所望により硫黄、酸素などのような他の非窒素ヘテロ環原子を含む、ヘテロ環基および置換ヘテロ環基を含む。
【0079】
“チオール”は、基−SHを意味する。
“アルキルチオ”または“チオアルコキシ”は、基−S−アルキルを意味する。
“置換アルキルチオ”または“置換チオアルコキシ”は、基−S−置換アルキルを意味する。
【0080】
“アリールチオ”は、基−S−アリールを意味し、ここで、アリールは上記で定義のとおりである。
“置換アリールチオ”は、基−S−置換アリールを意味し、ここで、置換アリールは上記で定義のとおりである。
【0081】
“ヘテロアリールチオ”は、基−S−ヘテロアリールを意味し、ここで、ヘテロアリールは上記で定義のとおりである。
“置換ヘテロアリールチオ”は、基−S−置換ヘテロアリールを意味し、ここで、置換ヘテロアリールは上記で定義のとおりである。
【0082】
“ヘテロ環チオ”は、基−S−ヘテロ環を意味し、そして“置換ヘテロ環チオ”は、基−S−置換ヘテロ環を意味し、ここで、ヘテロ環および置換ヘテロ環は上記で定義のとおりである。
【0083】
“ヘテロシクリルオキシ”は、基ヘテロシクリル−O−を意味し、そして“置換ヘテロシクリルオキシは、基置換ヘテロシクリル−O−を意味し、ヘテロシクリルおよび置換ヘテロシクリルは上記で定義のとおりである。
【0084】
“シクロアルキルチオ”は、基−S−シクロアルキルを意味し、“置換シクロアルキルチオ”は、基−S−置換シクロアルキルを意味し、ここで、シクロアルキルおよび置換シクロアルキルは上記で定義のとおりである。
【0085】
ここで使用する“生物学的活性”は、実施例12−14のいずれかに略記のアッセイの少なくとも1種で試験したときの、そしてその少なくとも1個の例において定義したとおりの、阻害濃度を意味する。
【0086】
ここで使用する用語“薬学的に許容される塩”は、式(I)、(Ia)−(Ie)、(II)、および(IIa)−(IIb)の化合物の非毒性酸またはアルカリ土類金属塩を意味する。これらの塩は、式(I)、(Ia)−(Ie)、(II)、および(IIa)−(IIb)の化合物の最終単離または精製中にインサイチュで、または塩基または酸官能基と適当な有機または無機酸または塩基の各々を、別に反応させることにより、製造できる。代表的塩は、以下を含み、これに限定されない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸、カンファースルホン酸塩、二グルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアネート、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩を含み、これに限定されない。また、塩基性窒素含有基は、アルキルハライド、例えばメチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物;ジアルキル硫酸塩、例えばジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミルの硫酸塩、長鎖ハライド、例えばデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルクロライド、ブロマイドおよびアイオダイド、アラルキルハライド、例えばベンジルおよびフェネチルブロマイド、およびその他のような試薬と4級化できる。それにより、水または油可溶性または分散性生成物が得られる。
【0087】
薬学的に許容される酸付加塩を形成するために用い得る酸の例は、塩酸、硫酸およびリン酸のような無機酸およびシュウ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、コハク酸およびクエン酸のような有機酸を含む。塩基付加塩は、式(I)、(Ia)−(Ie)、(II)、および(IIa)−(IIb)の化合物の最終単離または精製中にインサイチュで、カルボン酸部分と薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩のような適当な塩基、またはアンモニア、または有機1級、2級または3級アミンを、別に反応させることにより、製造できる。薬学的に許容される塩は、アルカリおよびアルカリ土類金属に基づくカチオン、例えばナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム塩など、ならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含み、これに限定されないアンモニウム、4級アンモニウム、およびアミンカチオンを含み、これに限定されない。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的有機アミンは、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどを含む。
【0088】
ここで使用する用語“薬学的に許容されるエステル”は、インビボで加水分解するエステルを意味し、ヒト体内で分解されて、親化合物、その塩、または薬学的に活性な代謝物を放出するものを含む。適当なエステル基は、例えば、薬学的に許容される脂肪族カルボン酸、特にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカンジオイック酸を含み、ここで、各アルキルまたはアルケニル部分は、有利に6個を超えない炭素原子を有する。特定のエステルの代表例は、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステルおよびエチルコハク酸エステルを含み、これに限定されない。
【0089】
ここで使用する用語“薬学的に許容されるプロドラッグ”は、正常な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答などがなくヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適当であり、合理的な利益/危険比を有し、その使用される意図において有効である本発明の化合物のプロドラッグ、ならびに、可能であれば、本発明の化合物の双性イオン形態を意味する。用語“プロドラッグ”は、インビボで急速に変換され、例えば、血中の加水分解により、上記の式の親化合物または薬学的に活性な代謝物を生じる化合物である。T. Higuchi and V. Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium SeriesおよびEdward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987に記載されており、その両方とも引用により本明細書に包含させる。
【0090】
ここで使用する“抗癌剤”または“癌の処置剤”は、単なる例示として、アポトーシスを誘発する薬剤;ポリヌクレオチド(例えば、リボザイム);ポリペプチド(例えば、酵素);医薬;生物学的模倣剤;アルカロイド;アルキル化剤;抗腫瘍抗生物質;代謝拮抗剤;ホルモン;白金化合物;抗癌剤、毒素、および/または放射性核種と接合したモノクローナル抗体;生物学的応答修飾剤(例えばインターフェロンおよびインターロイキンなど);養子免疫療剤;造血増殖因子;腫瘍細胞分化誘発剤(例えば全trans−レチノイン酸など);遺伝子治療剤;アンチセンス治療剤およびヌクレオチド;腫瘍ワクチン;血管形成阻害剤などを含む。多くの他の薬剤が当業者の範囲内である。
【0091】
上記で定義した全置換基について、置換基のそれらに対するさらなる置換基を定義することにより到達される重合体は、ここに包含することを意図しないことは理解されるべきである。このような場合、そのような置換基の最大数は3個である。例えば、2個の他の置換アリール基での置換アリール基の置換は、−置換アリール−(置換アリール)−置換アリールに限定される。
【0092】
同様に、上記定義は、許容されない置換パターンを含むことを意図しないことは理解されるべきである(例えば、5個のフルオロ基で置換されたメチルまたはエテニルもしくはアセチル不飽和にアルファのヒドロキシ基)。このような許容されない置換パターンは、当業者に既知である。
【0093】
本発明の化合物は、本化合物中の1個以上の不斉またはキラル中心の存在により、立体異性を示し得る。本発明は、種々の立体異性体およびその混合物を意図する。式(I)、(Ia)−(Ie)、(II)、および(IIa)−(IIb)の化合物の記載は、特定の立体中心の立体化学が他に示されない限り、その立体異性体を含む。本発明の化合物のいくつかは、不斉に置換された炭素原子を含む。そのように不斉に置換された炭素原子は、特定の不斉に置換された炭素原子で立体異性体の混合物または一立体異性体を含む、本発明の化合物をもたらし得る。その結果、本発明の化合物のラセミ混合物、ジアステレオマー混合物、一エナンチオマー、ならびに一ジアステレオマーは本発明に包含される。ここで使用する用語“S”および“R”配置は、IUPAC 1974 “RECOMMENDATIONS FOR SECTION E, FUNDAMENTAL STEREOCHEMISTRY,” Pure Appl. Chem. 45:13 30, 1976により定義される。望むエナンチオマーを、市販のキラル出発物質から、当分野で既知の方法によるキラル合成により得ることができ、またはエナンチオマー混合物から、既知技術を使用した望むエナンチオマーの分離により得ることができる。
【0094】
本発明の化合物はまた幾何異性も示し得る。幾何異性体は、アルケニルまたはアルケニレニル部分を有する本発明の化合物のcisおよびtrans形態を含む。本発明は、個々の幾何異性体および立体異性体およびその混合物を含む。
【0095】
C. 化合物製造
本発明の化合物は、容易に入手可能な出発物質から、以下の一般的方法および工程を使用して製造できる。特記しない限り、出発物質は市販されており、当業者に既知である。典型的なまたは好ましい工程条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力)が示されているところでも、特記しない限り他の工程条件も使用できることは認識されよう。最適反応条件は、使用する特定の反応物または溶媒と共に変わり得るが、そのような条件は、慣用の最適化工程により当業者により決定できる。
【0096】
加えて、当業者には認識されるとおり、慣用の保護基が、ある官能基を望まない反応を受けることから保護するために必要であるかもしれない。種々の官能基について適当な保護基ならびに特定の官能基の保護および脱保護の適当な条件は当業者に既知である。例えば、多くの保護基が、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protecting Groups in Organic Synthesis, Second Edition, Wiley, New York, 1991およびその中で引用されている文献に記載されている。
【0097】
さらに、本発明の化合物は、1個以上のキラル中心を含み得る。したがって、望むならば、そのような化合物は、純粋立体異性体として、すなわち、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして、または立体異性体富化混合物として製造または単離できる。全てのそのような立体異性体(および富化混合物)は、特記しない限り本発明の範囲内である。純粋立体異性体(または富化混合物)は、例えば、当分野で既知の光学活性出発物質または立体選択的試薬を使用して製造できる。あるいは、そのような化合物のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィー、キラル分割剤などを使用して分離できる。
【0098】
一つの態様において、XがNである式(I)の化合物:
【化9】

の製造方法が提供される。
【0099】
本方法は:
a)式(III)の化合物と式(IV)の化合物を、アシル化条件下で反応させて、R、R、およびRが先に定義のとおりであり、そしてPGが窒素保護基である式(V)の化合物を形成させ
【化10】

【0100】
b)式(V)の化合物を加熱して式(VI)の化合物を形成させ
【化11】

【0101】
c)式(VI)の化合物とR−Xを反応させて、Rが先に定義のとおりであり、そしてXが脱離基である式(VIIa)または(VIIb)の化合物を形成させ
【化12】

【0102】
d)式(VIIa)または(VIIb)の化合物を脱保護条件に曝して、保護基PGを除去して、(VIIIa)または(VIIIb)を形成させ
【化13】

【0103】
e)式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物を、R−Xとカップリング条件で、またはR4aCHOと還元的アミノ化条件で反応させ(ここで、Rが先に定義のとおりであり、そしてR4aCH−がRおよびXが脱離基である)、式(IXa)または(IXb)の化合物を形成させ
【化14】

【0104】
f)式(IXa)または(IXb)の化合物とR−Xをカップリング条件で反応させ(ここで、Rが先に定義のとおりであり、そしてXが脱離基である)、XがNである式(I)の化合物を形成させ
【化15】

【0105】
g)所望により式(IXa)または(IXb)の化合物を、Wが−C(Y)−X(ここで、Xが脱離基であり、そしてYが=Oまたは=Sである)である式(Xa)または(Xb)の化合物に変換し、Wが−C(Y)−Xである該化合物とHNRを反応させて、Rが−C(Y)NRである式(I)の化合物を形成させ
【化16】

【0106】
h)所望によりXがNである式(I)の化合物を、そのエステル、プロドラッグ、または薬学的に許容される塩に変換することを含む。
【0107】
一つの態様において、式(III)の化合物を、Rが先に定義のとおりであるニトリル(XI)とスルフィドおよび有機塩基を反応させて、チオアミド(XII)を形成させることにより製造する。
【化17】

【0108】
適当なスルフィドは(NH)Sを含み、そして適当なアミンはトリエチルアミンおよび/またはピリジンを含む。次いで、チオアミド(XII)を1〜2当量のヒドラジンとエタノールのような極性溶媒中で反応させて、(III)を得る。Rが2,5−ジフルオロベンゾニトリルであるこの方法の例は、実施例1の工程Aに示す。
【0109】
他の態様において、(III)と(IV)をアシル化条件下で反応させることにより、式(V)の化合物を製造する方法が提供される。
【化18】

【0110】
このような条件は、(IV)と(IV)とアルキルクロロホルメート、例えばクロロギ酸エチルを反応させることにより混合無水物に変換し、得られた無水物をヒドラジド(III)で処理して、(V)を形成させることを含む。ある局面において、アミン保護基はt−ブトキシカルボニルオキシ(Boc)である。Rが2,5−ジフルオロベンゾニトリルであり、PGがBocであり、Rがt−ブチルであり、そしてRが水素である(V)を形成するためのこの方法の例を、実施例1の工程Bに示す。
【0111】
一つの態様において、100℃より高い沸点を有する溶媒、例えばキシレン中で(V)を加熱することにより、式(VI)の化合物を製造する方法が提供される。
【化19】

【0112】
典型的に、(V)を、キシレン中、約150℃に加熱し、低沸点水副産物を除去するのに、ディーン・スターク・トラップを使用する。
【0113】
一つの態様において、式(VIIa)または(VIIb)の化合物の製造方法が提供される。式(VI)の化合物を、R−X(ここで、Rが先に定義のとおりであり、そしてXが脱離基である)と反応させる。ある局面において、Rがベンジルである。他の局面において、Xがハロゲンである。さらに他の局面において、R−Xが臭化ベンジルである。本反応は、アルキル化条件下で実施できる。このような条件は、極性溶媒、例えばジメチルホルムアミドおよび塩基、例えばCsCOの使用を含む。本反応は、(VIIa)と(VIIb)の混合物をもたらし得て、各々を、この段階でまたはこれらの化合物を出発物質で用いるときは後の段階で、クロマトグラフィーにより個々に単離してよい。Rがベンジルであるときの(VIIa)および(VIIb)の形成の例は、実施例1の工程Eに示す。
【化20】

【0114】
一つの態様において、R、R、R、およびRが、式(I)について定義のとおりである中間体式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物が提供される。
【化21】

【0115】
他の態様において、式(VIIa)または(VIIb)の化合物を脱保護条件に曝すことによる中間体式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物の製造方法が提供される。一つの局面において、PGがBocであるとき、本保護基は、トリフルオロ酢酸での処理のような酸性条件に曝すことにより除去する。脱保護の例は、実施例1の工程Fに示す。
【0116】
他の態様において、中間体式(IXa)または(IXb)の化合物の製造方法が提供される。
【化22】

【0117】
式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物を、R−X(ここで、Xがハロゲン原子のような脱離基である)と、またはR4aCHOと、還元的アミノ化条件で反応させ(ここで、RおよびR4aは先に定義の通りである)、式(IXa)または(IXb)の化合物を形成させる。適当な還元的アミノ化条件は、イミン形成を行うための(VIIIa)および(VIIIb)を含む溶液の、弱酸での処理、続く還元剤の添加を含む。ある局面において、酸は有機酸、例えばカンファー(camphro)スルホン酸または鉱酸、例えば酢酸であり、そして還元剤がボロハイドライド、例えばトリアセトキシボロハイドライドである。
【0118】
他の態様において、XがNである式(I)の化合物
【化23】

の、式(IXa)または(IXb)の化合物を、適当なカップリング条件にR−X(ここで、Rが先に定義のとおりであり、そしてXが脱離基、例えばハロゲン原子である)と反応させることによる製造方法が提供される。ある局面において、R−Xがアシルハライドであり、本反応を、有機塩基、例えばトリエチルアミンの存在下に行う。
【0119】
XがNである式(I)の化合物は、所望により式(IXa)または(IXb)の化合物を、Wが−C(Y)−X(ここで、Xが脱離基であり、そしてYが=Oまたは=Sである)である式(Xa)または(Xb)の化合物に変換することにより製造できる。一例として、(IXa)または(IXb)を、トリホスゲンと反応させて、Wが−C(O)−Clである(Xa)または(Xb)を形成させる。次いで、得られた中間体をHNRと反応させて、Rが−C(O)NRである式(I)のウレア化合物を形成させる。
【化24】

【0120】
(Xa)および(Xb)の、WおよびRが一体となってヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキル環を形成する式(I)の化合物を形成するための変換は、当業者には明白である。このような修飾の例は、実施例5に示す。
【0121】
他の態様において、Xがスキーム1に示す通りCRであり、ここで、R、R、R、R、およびRが先に定義のとおりであり、そしてPGが窒素保護基である式(I)の化合物を製造する方法が提供される。
【化25】

【0122】
酸(XIV)を、LGが適当な脱離基、例えばハロまたはイミダゾールである(XVに変換し、その後者は、例えば、(XIV)とカップリング剤、例えばカルボニルジイミダゾールの反応により製造できる。ケトンRCOCHの、有機塩基、例えばリチウムヘキサメチル(methy)ジシラジドでの処理により対応するエノラートを形成させ、続いて(XV)との反応により、ベータ−ケト化合物(XVI)を得る。次いで、化合物(XVI)をアジドRNHNHと反応させて、ピラゾール(XVII)および(XVIIb)を形成させる。あるいは、(XVI)をヒドラジンで処理して、窒素原子が置換されていないピラゾールを形成させ、続いて適当なR化合物でアルキル化して、上記の化合物(VIIa)および(VIIb)の合成に関して記載の通り(XVII)および(XVIIb)を形成させる。(XVIIa)および(XVIIb)の脱保護により、対応するアミン(XVIIIa)および(XVIIIb)を得る。中間体化合物(XVIIIa)および(XVIIIb)を、さらに、上記の方法および式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物についての実施例に記載の方法に従い、官能化してよい。
【0123】
一つの態様において、式(XVIIIa)および(XVIIIb)の中間体化合物(ここで、R、R、R、R、およびRが、式(I)について定義のとおりである)が提供される。
【化26】

【0124】
他の態様において、式(I)、(Ia)−(Ie)、(II)、または(IIa)−(IIb)の化合物の遊離塩基の製造方法であって、該化合物の酸付加塩と塩基を反応させて、対応する遊離塩基を形成させることを含む、方法が提供される。
【0125】
他の態様において、式(I)、(Ia)−(Ie)、(II)、または(IIa)−(IIb)の化合物の塩の製造方法であって:
a)式(I)、(Ia)−(Ie)、(II)、または(IIa)−(IIb)の化合物の遊離塩基と酸を反応させて、酸付加塩を得るか;または
b)式(I)、(Ia)−(Ie)、(II)、または(IIa)−(IIb)の化合物の塩を、式(I)、(Ia)−(Ie)、(II)、または(IIa)−(IIb)の化合物の他の塩に変換する
ことを含む、方法を提供する。
【0126】
D. 医薬製剤
医薬として使用するとき、本発明の化合物は、通常医薬組成物の形で投与する。これらの組成物は、経口、非経腸、経皮、局所、直腸、および鼻腔内を含む種々の経路で投与できる。これらの化合物は、例えば、注射用および経口組成物の両方として有効である。このような組成物は、医薬分野で既知の方法により製造し、少なくとも1種の活性化合物を含む。
【0127】
本発明はまた、活性成分として、上記の本発明の化合物の1種以上を薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物も含む。本発明の組成物の製造において、活性成分を通常賦形剤と混合し、賦形剤で希釈するか、または、カプセル、サシェット、紙または他の容器の形であり得る担体内に封入する。用いる賦形剤は、典型的にヒト対象または他の哺乳動物への投与に適当な賦形剤である。賦形剤が希釈剤として作用するとき、それは固体、半固体、または液体物質であり得て、それは活性成分用の媒体、担体または媒質として働く。それ故に、本組成物は、例えば、10重量%までの活性化合物を含む錠剤、ピル剤、粉末剤、ロゼンジ剤、サシェット剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒体中)、軟膏、軟および硬ゼラチンカプセル、坐薬、滅菌注射溶液、および滅菌包装粉末の形であり得る。
【0128】
製剤の製造において、他の成分と混合する前に、適当な粒子径を得るために活性化合物を挽く必要があるかもしれない。活性化合物が、実質的に不溶性であるならば、通常200メッシュ未満の粒子径まで挽く。活性化合物が実質的に水可溶性であるならば、粒子径は、通常、製剤中への実質的に均一な分散を提供するために挽くことにより調整し、例えば、約40メッシュである。
【0129】
適当な賦形剤のいくつかの例は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースを含む。本製剤は、加えて:平滑剤、例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油;湿潤剤;乳化および懸濁化剤;防腐剤、例えばメチル−およびプロピルヒドロキシ−ベンゾエート;甘味剤;および香味剤を含み得る。本発明の組成物は、当分野で既知の方法を用いることにより、患者に投与後に、活性成分の迅速な、持続したまたは遅延した放出を提供するように製剤できる。
【0130】
活性成分、すなわち本発明の化合物の、医薬組成物中の量およびその単位投与形態は、特定の適用、特定の化合物の効果および望む濃度に広く依存して、変わっても調節してもよい。
【0131】
本組成物は、好ましくは単位投与形態に製剤し、各投与量は、約1〜約500mg、通常約5〜約100mg、時折約10〜約30mgの活性成分を含む。用語“単位投与形態”は、ヒト対象および他の哺乳動物のための単位投与量として適する物理的に分かれた単位を意味し、各単位は、適当な医薬賦形剤と共に、望む治療効果を生じるために計算した予定量の活性物質を含む。好ましくは、上記の本発明の化合物は、薬学的に不活性担体であるバランスを含み、医薬組成物の約20重量%を超えず、より好ましくは約15重量%を超えない。
【0132】
本活性化合物は、広い投与量範囲にわたり有効量であり、一般に薬学的または治療的有効量で投与される。しかしながら、実際に投与する化合物の量は、処置すべき状況、処置する状態の重症度、選択した投与経路、投与する実際の化合物、個々の患者の年齢、体重および応答、患者の症状の重症度などを含む、関連する状況に鑑みて、医師により決定されるであろうことは理解されよう。
【0133】
哺乳動物における癌を処置するまたは闘うための治療的使用において、本化合物またはその医薬組成物は、任意の適当な経路、例えば経口、局所、経皮、および/または非経腸で、処置に付されている哺乳動物において、活性成分の治療的に有効である濃度、すなわち、量、または血中レベルを得るまたは維持するための投与量で投与される。一般に、このような治療的有効量の投与量の活性成分(すなわち、有効量)は、約0.1〜約100、より好ましくは約1.0〜約50mg/体重kg/日である。
【0134】
錠剤のような固体組成物を製造するために、主要活性成分を医薬賦形剤と混合して、本発明の化合物の均一混合物を含む固体予備処方組成物を形成させる。このような予備処方組成物を均質であると述べているとき、組成物が、等しく有効な錠剤、ピルおよびカプセルのような単位投与形態に容易に細分できるように、活性成分が組成物中に等しく分散していることを意味する。次いで、この固体予備処方を、例えば、0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含む、上記のタイプの単位投与形態に細分する。
【0135】
本発明の錠剤またはピルは、コーティングしてよく、または、他の方法で有利な長時間作用を可能にする投与形態を提供するために製剤してよい。例えば、錠剤またはピルは、内部投与成分と外部投与成分、後者が前者で覆われている形である。この2成分を、内部成分が無傷のままで十二指腸まで通過するために胃での分解を阻止するように、または放出を遅延させるように作用し、腸溶性層により分離されていてよい。種々の物質を、腸溶性層またはコーティングに使用でき、このような物質は、多くのポリマー酸およびポリマー酸と、セラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースのような物質の混合物を含む。
【0136】
本発明の新規組成物が経口でまたは注射で投与するために包含され得る液体形態は、水性溶液、適当な風味付けされたシロップ、水性または油性懸濁液、および、コーン油、綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油との風味付けされたエマルジョン、ならびにエリキシルおよび類似の医薬媒体を含む。
【0137】
吸入または吹き入れ(insufflation)用組成物は、薬学的に許容される水性または有機溶媒、またはその混合物中の溶液および懸濁液、および粉末を含む。本液体または固体組成物は、上記の通りの適当な薬学的に許容される賦形剤を含み得る。好ましくは、本組成物は、局所または全身作用のために経口または鼻呼吸器経路で投与する。好ましくは薬学的に許容される溶媒中の組成物は、不活性ガスの使用により噴霧し得る。噴霧溶液は、噴霧デバイスから直接吸入するか、または噴霧デバイスをフェイスマスクテントに接続するか、または間欠性陽圧人工呼吸器に接続してよい。溶液、懸濁液、または粉末組成物を、好ましくは経口的たは経鼻的に、適当な方法で製剤を送達するデバイスから投与し得る。
【0138】
以下の製剤例は、本発明の代表的医薬組成物を説明する。
【0139】
製剤例1
以下の成分を含む硬ゼラチンカプセルを製造する:
【表1】

上記成分を混合し、340mg量で硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0140】
製剤例2
錠剤製剤を、以下の成分を使用して製造する:
【表2】

成分を混合し、圧縮して錠剤を形成し、各々240mg重量である。
【0141】
製剤例3
以下の成分を含む、乾燥粉末吸入器製剤を製造する:
【表3】

活性成分をラクトースと混合し、混合物を乾燥粉末吸入器(appliance)に入れる。
【0142】
製剤例4
各々30mgの活性成分を含む錠剤を、下記の通り製造する。
【表4】

活性成分、デンプンおよびセルロースを、20番メッシュU.S.篩を通し、徹底的に混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を、得られた粉末と混合し、次いで、それを16メッシュU.S.篩を通す。そうして製造した顆粒を50℃〜60℃で乾燥させ、16メッシュU.S.篩を通す。予め30番メッシュU.S.篩を通したナトリウムカルボキシメチルデンプン、ステアリン酸マグネシウム、およびタルクを、次いで顆粒に添加し、混合後、錠剤機で圧縮して、各々120mg重量の錠剤を得る。
【0143】
製剤例5
各々40mgの医薬を含むカプセルを、以下の通り製造する:
【表5】

活性成分、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、20番メッシュU.S.篩を通し、硬ゼラチンカプセルに150mg量で充填する。
【0144】
製剤例6
各々25mgの活性成分を含む坐薬を、以下の通り製造する:
【表6】

活性成分を60番メッシュU.S.篩を通し、必要最低限の加熱を使用して予め融解させた飽和脂肪酸グリセリドに懸濁させる。次いで、混合物を公称2.0g容量の坐薬鋳型に注ぎ、冷却する。
【0145】
製剤例7
各々5.0mL投与量あたり50mgの医薬を含む懸濁液を、以下の通り製造する:
【表7】

活性成分、スクロースおよびキサンタンガムを混合し、10番メッシュU.S.篩を通し、次いで、予め製造した微晶性セルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースの水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、香味剤、および着色剤を幾分かの水で希釈し、撹拌しながら添加する。次いで、必要量を得るために充分量の水を添加する。
【0146】
製剤例8
【表8】

活性成分、デンプン、およびステアリン酸マグネシウムを混合し、20番メッシュU.S.篩を通し、硬ゼラチンカプセルに425.0mg量で充填する。
【0147】
製剤例9
皮下製剤を、以下の通り製造する:
【表9】

【0148】
製剤例10
局所製剤を、以下の通り製造できる:
【表10】

白色軟パラフィンを溶解するまで加熱する。液体パラフィンおよび乳化蝋を入れ、溶解するまで撹拌する。活性成分を添加し、分散するまで撹拌を続ける。次いで、混合物を固化するまで冷却する。
【0149】
製剤例11
静脈内製剤を、以下の通り製造する:
【表11】

【0150】
本発明の方法に用いるのに他の好ましい製剤は、経皮送達デバイス(“パッチ”)を用いる。このような経皮パッチは、制御された量での本発明の化合物の連続的なまたは断続的な注入を提供するために使用し得る。薬剤の送達用経皮パッチの構成および使用は当分野で既知である。例えば、本明細書に引用により包含させる、1991年6月11日発行の米国特許5,023,252を参照。このようなパッチは、薬剤の連続的、パルス様、またはオンデマンド送達用に構築し得る。
【0151】
しばしば、医薬組成物を直接的または間接的に脳に挿入することが望ましいか、必要である。直接技術は、通常血液−脳関門を迂回するための、宿主脳室系への薬剤送達カテーテルの設置を含む。体内の特異的な解剖学的領域に生物学的因子を送達するための一つのこのようなインプラント可能送達系は、引用により本明細書に包含させる米国特許5,011,472に記載されている。
【0152】
一般に好ましい間接技術は、通常、親水性薬を脂質可溶性薬に変換することによる薬剤潜在化(latentiation)を提供するための組成物の製剤を含む。潜在化は、一般に医薬上に存在するヒドロキシ、カルボニル、スルフェート、および1級アミン基をブロックして薬剤をより脂質可溶性し、血液−脳関門を通る輸送を可能とすることを介して達成する。あるいは、親水性医薬の送達を、一過性に血液−脳関門を開放できる高張溶液の動脈内輸液により増強し得る。
【0153】
本発明において使用するための他の適当な製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Philadelphia, PA, 17th ed. (1985)に見ることができる。
【0154】
E. 投与量および投与
上記の通り、ここに記載の化合物は、上記の種々の医薬送達系において使用するのに適当である。加えて、投与した化合物のインビボ血清半減期を向上するために、本化合物をカプセル化し、リポソームの内腔に入れ、コロイドとして製造してよく、または化合物の血清半減期を伸長する他の慣用の技術を用いてよい。例えば、各々引用により本明細書に包含させるSzoka, et al.、米国特許4,235,871、4,501,728および4,837,028に記載のような、リポソームを製造するための種々の方法が利用可能である。
【0155】
本発明の化合物は、少なくとも一部、KSPの活性により介在される障害の阻止または処置に有用である。一つの局面において、少なくとも一部、KSPにより介在される障害は、細胞性増殖性障害である。用語“細胞性増殖性障害”または“細胞増殖性障害”は、例えば、癌、腫瘍、過形成、再狭窄、心肥大、免疫障害および炎症を含む、疾患を意味する。本発明は、処置を必要とするヒトまたは哺乳動物対象の処置方法であって、該対象に治療的有効量の式IまたはIIの化合物を単独で、または他の抗癌剤と組み合わせて投与することを含む、方法に関する。
【0156】
本発明の化合物は、インビトロまたはインビボで癌細胞増殖の阻害に有用である。用語“癌”は、例えば、肺および気管支;前立腺;乳房;膵臓;結腸および直腸;甲状腺;胃;肝臓および肝内胆管;腎臓および腎盂;泌尿器膀胱;子宮体;子宮頸;卵巣;多発性骨髄腫;食道;急性骨髄性(myelogenous)白血病;慢性骨髄性(myelognous)白血病;リンパ球性白血病;骨髄性(myeloid)白血病;脳;口腔および咽頭;喉頭;小腸;非ホジキンリンパ腫;黒色腫;および絨毛結腸腺腫を含む、癌疾患を意味する。
【0157】
癌はまた、癌腫、腺癌、肉腫、および血液系腫瘍からなる群から選択される腫瘍または新生物も含む。
【0158】
加えて、癌のタイプは、固形腫瘍/悪性腫瘍、粘液様および円形細胞癌腫、局所進行性腫瘍、ヒト軟組織癌腫、癌転移、扁平細胞癌腫、食道扁平細胞癌腫、口腔癌腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、副腎皮質の癌、ACTH産生腫瘍、非小細胞癌、乳房癌、消化器癌、泌尿器科癌、女性生殖管の悪性腫瘍、男性生殖管の悪性腫瘍、腎臓癌、脳癌、骨の癌、皮膚癌、甲状腺癌、網膜芽細胞腫、神経芽腫、腹水、悪性胸水、中皮腫、ウィルムス腫瘍、胆嚢癌、栄養芽細胞新生物、血管周囲細胞腫、およびカポジ肉腫の増殖から成る群から選択できる。
【0159】
本発明の化合物または組成物は、哺乳動物に適当な経路により、例えば、経口、静脈内、非経腸、経皮、局所的、直腸、または鼻腔内に投与してよい。
【0160】
哺乳動物は、例えば、ヒトおよび他の霊長類、イヌおよびネコのようなペットまたはコンパニオン・アニマル、ラット、マウスおよびウサギのような実験動物、ウマ、ブタ、ヒツジおよびウシのような家畜を含む。
【0161】
腫瘍または新生物は、細胞の複製が制御されず、進行性である、組織細胞の増殖を含む。このような増殖の幾分かは良性であるか、他は“悪性”と呼ばれ、生物の死をもたらし得る。悪性新生物または“癌”は、攻撃的な細胞性増殖を示すことに加えて、周囲組織を侵襲し、そして転移できる点で、良性増殖と区別される。さらに、悪性新生物は、それらが分化のより大きな損失(より大きな“脱分化”)および互いにそして周囲組織に関連した組織化を示すことより特徴付けられる。この特性は、“退形成”と呼ばれる。
【0162】
望む生物学的活性を有する化合物を、改善された薬理学的特性(例えば、インビボ安定性、生物学的利用能)、または診断適用における検出能のような所望の特性を提供するために、必要に応じて修飾してよい。適性は、ペプチダーゼまたはヒト血漿または血清とのインキュベーション中の化合物の半減期の測定のような種々の方法でアッセイできる。
【0163】
診断目的で、広範囲のラベルを化合物に結合でき、それは、直接的または間接的に、検出可能なシグナルを提供し得る。それ故に、本発明の化合物および/または組成物は、生物学的活性を残しながら、種々の最終目的のために種々の方法で修飾してよい。加えて、種々の反応部位を、粒子、固体基質、高分子などとの結合のために挿入してよい。
【0164】
標識化合物を、種々のインビボまたはインビトロ適用において使用できる。放射性核種(例えば、テクネチウム−99またはインジウム−111のようなガンマ放出放射線各種)、蛍光物質(fluorescer)(例えば、フルオレセイン)、酵素、酵素基質、酵素補因子、酵素阻害剤、化学発光化合物、生物発光化合物などのような広範な標識を用い得る。当業者は、複合体に結合するための他の適当な標識を知っているか、または日常的な実験でこのような使用を確認できる。これらの標識の結合は、当業者には一般的な標準技術を使用して達成される。
【0165】
本発明の医薬組成物は、種々の医薬送達系において使用するために適当である。本発明において使用するための適当な製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mace Publishing Company, Philadelphia, Pa., 17th ed. (1985)に見ることができる。
【0166】
患者に投与する量は、何を投与するか、予防または治療のような投与の目的、患者の状態、投与方法などにより変わる。治療適用において、組成物を、既に疾患を有する患者に、該疾患およびその合併症を治癒するまたは少なくとも一部進行または症状を阻止するのに充分量で投与する。これを達成するのに適当な量は、“治療的有効量”として定義される。この使用に有効な量は、処置する疾患状態により、ならびに、疾患、障害または状態の重症度、患者の年齢、体重および一般的状態などのような種々の因子によって、担当医により判断される。
【0167】
患者に投与される化合物は、典型的に上記の医薬組成物の形である。これらの組成物を、慣用の滅菌技術で滅菌してよく、または滅菌濾過してよい。得られた水性溶液をそのまま使用するために包装するか、または凍結乾燥し、凍結乾燥調製物を投与前に滅菌水性担体と混合してよい。本化合物調製物のpHは、典型的に約3〜11、より好ましくは約5〜9および最も好ましくは約7〜8である。ある種の前記の賦形剤、担体、または安定化剤の使用は、医薬塩の形成をもたらすことは理解されよう。
【0168】
本発明の化合物および/または組成物の治療投与量は、例えば、処置が成される特定使用、化合物の投与方法、患者の健康および状態、および処方医の判断に従い変わる。例えば、経口投与に関して、投与量は、典型的に約5μg〜約50mg/体重kg/日、好ましくは約1mg〜約10mg/体重kg/日の範囲である。別法として、静脈内投与に関して、投与量は、典型的に約5μg〜約50mg/体重kg、好ましくは約500μg〜約5000μg/体重kgの範囲である。意図される別の投与経路は、鼻腔内、経皮、吸入、皮下および筋肉内を含み、これに限定されない。有効量は、インビトロまたは動物モデル試験系由来の用量−応答曲線から外挿できる。
【0169】
一般に、本発明の化合物および/または組成物を、治療的有効量で、類似の効用に役立つ医薬の許容される投与形態のいずれかにより治療的有効量を投与する。このような化合物の毒性および治療効果は、例えば、LD50(集団の50%に致死的量)およびED50(集団の50%に治療的有効な量)を決定するための、細胞培養または実験動物における標準医薬工程により決定できる。毒性および治療効果の用量比は治療域であり、LD50/ED50の比として示すことができる。大きな治療域を示す化合物が好ましい。
【0170】
細胞培養アッセイおよび動物試験から得たデータを、ヒトで使用するための投与量の範囲の計算に使用できる。このような化合物の投与量は、好ましくは毒性が僅かであるかまたはない、ED50を含む循環濃度の範囲内である。投与量は、この範囲内で、用いる投与形態および利用する投与経路によって変わり得る。本発明の方法において使用する全ての化合物および/または組成物について、治療的有効量は、最初細胞培養アッセイから概算できる。投与量を、細胞培養において決定したIC50(活性の最大の半分の阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む、循環血漿濃度範囲を達成するために、動物モデルにおいて計算し得る。このような情報を、ヒトでの有用な投与量をより正確に決定するために使用できる。血漿レベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより測定し得る。
【0171】
以下の合成および生物学的実施例は、本発明を説明するために提供し、如何なる意味でも本発明の範囲を限定すると解釈してはならない。
【実施例】
【0172】
下記の実施例を参照して、本発明の化合物は、ここに記載の方法、または当分野で既知の他の方法を使用して、合成した。製造していないまたは分析していない化合物は、ここに記載の方法、または、当分野で既知の他の方法を使用して製造または分析できることは理解すべきである。
【0173】
化合物および/または中間体は、2690 Separation Module(Milford, MA)を備えたWaters Milleniumクロマトグラフィー系を使用した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により特徴付けした。分析カラムは、Alltech(Deerfield, IL)のAlltima C-18逆相、4.6×250mmであった。典型的に5%アセトニトリル/95%で開始し、40分間にわたり100%アセトニトリルまで進む勾配溶出を使用した。全溶媒は0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含んだ。化合物は、220または254nmでの紫外光(UV)吸収により検出した。HPLC溶媒は、BurdickおよびJackson(Muskegan, MI)またはFisher Scientific(Pittsburgh, PA)からであった。数例で、純度を、例えば、Baker-Flexシリカゲル1B2−Fフレキシブルシートのようなガラスまたはプラスチック裏面シリカゲルプレートを使用した薄層クロマトグラフィー(TLC)により評価した。TLCの結果は、紫外光下で、または、既知のヨウ素蒸気および他の種々の染色技術を用いることにより可視により容易に検出できた。
【0174】
質量分光分析は、2種のLC/MS装置:Waters System(Alliance HT HPLCおよびMicromass ZQ質量分光計;カラム:Eclipse XDB-C18、2.1×50mm;溶媒系:0.05%TFAを含む5−95%(または35−95%、または65−95%または95−95%)アセトニトリル水溶液;流速0.8mL/分;分子量範囲500−1500;コーン電圧20V;カラム温度40℃)またはHewlett Packard系(Series 1100 HPLC;カラム:Eclipse XDB-C18、2.1×50mm;溶媒系:0.05%TFAを含む1−95%アセトニトリル水溶液;流速0.4mL/分;分子量範囲150−850;コーン電圧50V;カラム温度30℃)の一方で行った。全ての質量は、プロトン化親イオンのものとして報告した。
【0175】
GC/MS分析は、Hewlett Packard装置(質量選択的検出器5973を備えたHP6890シリーズガスクロマトグラフ;注入量:1mL;初期カラム温度:50℃;最終カラム温度:250℃;ランプタイム:20分間;ガス流速:1mL/分;カラム:5%フェニルメチルシロキサン、Model No. HP 190915-443、寸法:30.0m×25m×0.25m)で行う。
【0176】
核磁気共鳴(NMR)分析を、いくつかの化合物で、Varian 300 MHz NMR(Palo Alto, CA)で行った。スペクトル参照値は、TMSまたは溶媒の既知化学シフトであった。化合物サンプルのいくつかを高温(例えば、75℃)で流し、増加したサンプル溶解性を促進した。
本発明化合物のいくつかの純度を元素分析により評価する(Desert Analytics, Tucson, AZ)。
融点は、Laboratory Devices Mel-Temp装置(Holliston, MA)で測定する。
【0177】
予備分離は、Flash 40クロマトグラフィー系およびKP-Sil, 60A(Biotage, Charlottesville, VA)、またはシリカゲル(230−400メッシュ)充填材を使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して、またはC−18逆相カラムを使用したHPLCにより行った。Flash 40 Biotage系およびフラッシュカラムクロマトグラフィーに用いた典型的溶媒は、ジクロロメタン、メタノール、EtOAc、ヘキサン、アセトン、水性ヒドロキシアミンおよびトリエチルアミンであった。逆相HPLCに用いた典型的溶媒は、種々の濃度のアセトニトリルおよび0.1%トリフルオロ酢酸含有水であった。
【0178】
特記しない限り全ての温度は摂氏度である。また、これらの実施例および他の場所の略語は以下の意味を有する:
【表12】

【表13】

【0179】
実施例1
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)ニコチンアミド
【化27】

工程A:チオ−アミド合成:
【化28】

撹拌している適当なベンゾニトリル、例えば、2,5−ジフルオロベンゾニトリル(1−1)、(15mmol)のピリジン(10mL)溶液を、スルフィド(20%wt水溶液、16.5mmol)およびトリエチルアミン(16.5mmol)で処理した。反応混合物を、50℃で5時間、反応が完了するまで撹拌した。RTに冷却後、混合物を冷水で希釈した。EtOAcで抽出し、有機物を分離し、次いでHO(x3)、飽和塩水(x3)で洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、粗物質を得た。シリカゲルカラム(20%酢酸エチル/ヘキサン)での精製により、チオ−アミド、1−2(収率88.5%)を黄色固体として得た。1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.12(m, 2 H), 7.90(br, 2 H), 8.08(m, 1 H)。
【0180】
工程B:ヒドラジド形成:
【化29】

撹拌しているチオ−アミド1−2、(5.0mmol)のEtOH(5mL)溶液に、ヒドラジン(7.5mmol)を添加した。RTで30分間撹拌後、反応はLC−MSにより完了しており、白色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、ヘキサンで洗浄して、ヒドラジド1−3(収率94%)を得た。
【0181】
工程C:ヒドラジドのアシル化:
【化30】

N−Boc−D−tert−ブチルグリシン1−3(2mmol)を、−5℃〜0℃でクロロギ酸エチル(2.4mmol)、EtN(3mmol)の乾燥THF溶液を添加することにより混合無水物に変換した。混合物を−5℃で30分間撹拌した。得られた固体を濾取した。さらに乾燥THFを洗浄沈殿に添加した。得られた反応溶液を、ヒドラジド(1−3、2mmol)のTHF溶液に−5℃で添加した。次いで反応を撹拌し、一晩RTに徐々に温めた。反応が完了したら、混合物をEtOAcおよびHOに分配した。有機層を分離し、HO(x3)、飽和塩水(x3)で洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得て、それをシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、1−5を得た。(収率67%)
【0182】
工程D:フェニル−トリアゾール形成:
【化31】

化合物1−5(2.86mmol)をキシレン(5.7mL)に溶解した。ディーン・スターク・トラップを付加し、反応を150℃に加熱した。反応が完了したら、混合物をRTに冷却し、次いでEtOAcおよび飽和水性NaHCOに分配した。有機物を分離し、次いで飽和水性NaHCO(x2)、HO(x3)、飽和塩水(x3)で洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、フェニルトリアゾール6を得て、それは次工程に直接使用するのに充分純粋であった。
【0183】
工程E:フェニルトリアゾールのベンジル化:
【化32】

撹拌しているトリアゾール(2.0mmol)およびCsCO(4.0mmol)のDMF(5mL)溶液/懸濁液にベンジル化剤、例えば、臭化ベンジル(2.2mmol)を添加した。反応が完了したら、混合物をEtOAcおよびHOに分配した。有機層を分離し、HO(x3)、飽和塩水(x3)で洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、粗ベンジル化フェニルトリアゾール混合物を得た。位置異性体1−7aおよび1−7bをシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル)で分離した。位置化学結果を、1H NMR nOe実験で確認した。
1−7a:結晶、MS(m/z):457.3 [MH+], rt = 4.00分;1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.78(m, 1 H), 7.29 -7.39(m, 5 H), 7.00 -7.18(m, 2 H), 5.53(s, 2 H), 5.20(d, 2 H), 4.83(d, 2 H, J = 9.9 Hz), 1.41(s, 9 H), 0.91(s, 9H)。
1−7b:無色油状物、MS(m/z):457.3 [MH+], rt = 3.66分;1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.25(m, 5 H), 7.15(m, 2 H), 7.05(m, 1 H), 5.45(d, 2 H), 5.28(s, 2 H), 4.85(d, 2 H), 1.43(s, 9 H), 0.97(s, 9H)。
【0184】
工程F:遊離アミンへの脱保護:
【化33】

Boc保護アミン(1.0mmol)を、10%TFAでCHCl(5ml)中処理した。反応が完了したら、反応を真空で濃縮し、次いでEtOAcおよび飽和水性NaHCOに分配した。有機物を分離し、次いで飽和水性NaHCO(x2)、HO(x2)、飽和塩水(x2)で洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、フェニルトリアゾール遊離アミンを得て、それは次工程に直接使用するのに充分純粋であった。
【0185】
工程G:側鎖を挿入するための還元的アミノ化:
【化34】

撹拌しているトリアゾールアミン(1.0mmol)および適当なアルデヒド、例えば、(S)−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−4−フルオロブタナール(1.0mmol)のCHCl(7mL)溶液に、AcOH(1.0mmol)を添加した。混合物を5分間撹拌し、その後ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(1.10mmol)を添加した。反応が完了したら、混合物を真空で濃縮し、EtOAcおよび2M水性NaCOに分配した。有機物を分離し、次いで2M水性NaCO(x2)、HO(x2)、飽和塩水(x2)で洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、生成物を得て、それをシリカゲルカラムで精製するか、または、より一般的には次工程に直接使用するのに充分純粋であった。
【0186】
工程H:アシル化:
【化35】

撹拌しているアミン1−9(1.0mmol)のCHCl(6mL)溶液に、EtN(2.0mmol)、続いて適当な酸クロライド、例えば、ニコチニルクロライド(1.0mmol)を添加した。反応が完了したら、混合物をCHClおよび飽和水性NaHCOに分配した。有機物を分離し、HO(x2)、飽和塩水(x2)で洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、生成物を得た。
【0187】
工程I:Eg5阻害剤への最終脱保護:
【化36】

撹拌しているフタルイミド化合物1−10(0.3mmol)のEtOH(1.5mL)溶液に、無水ヒドラジン(1.5mmol)を添加した。反応が完了したら、反応を減圧下で蒸発させて、表題化合物を得て、それを逆相分取HPLCで精製した。
【0188】
実施例2
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)ニコチンアミド
【化37】

工程A:カルバミンクロライド形成:
【化38】

アミン9(0.154mmol)のDCM(2mL)溶液に、EtN(0.615mmol)、続いてトリホスゲン(0.184mmol)を添加した。反応が完了したら、反応混合物を真空で濃縮し、EtOAcおよび飽和水性NaHCOに分配した。有機物を分離し、次いで飽和水性NaHCO(x2)、HO(x1)、塩水(x2)で洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、粗カルバミンクロライドを得て、それを次工程に直接使用した。
【0189】
工程B:ウレア形成:
【化39】

撹拌しているカルバミンクロライド(0.032mmol)のDCM(1mL)溶液に、EtN(0.161mmol)、続いて適当なアミン、例えば、モルホリン(0.097mmol)を添加した。反応が完了したら、混合物を真空で濃縮し、EtOAcおよび飽和水性NaHCOに分配した。有機物を分離し、次いで飽和水性NaHCO(x2)、HO(x1)、塩水(x2)で洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。
【0190】
工程C:脱保護
【化40】

実施例1の方法に従ったフタルイミド保護基の除去により、N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)ニコチンアミドを得た。1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.80(m, 1 H), 7.43(m, 2 H), 7.35(m, 3 H), 7.1(m, 2 H), 5.85(d, 1H), 5.50(d, 1 H), 5.25(s, 1H), 3.98 -4.30(m, 2 H), 3.45-3.80(m, 8 H), 3.0-3.2(m, 3 H), 1.25(m, 2 H), 0.8(s, 9 H)。
【0191】
実施例3
(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−メタノールの合成
【化41】

トリオール3−1(1当量)を、DMFに約0.5Mの濃度で溶解し、2,2−ジメトキシプロパン(1.16当量)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.03当量)を添加した。溶液を1日以上撹拌し、TEA(0.5当量)でクエンチした。できるだけ多くの溶媒を真空で除去し、残りを減圧下上流により精製した。
【0192】
実施例4
2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−カルバルデヒド
【化42】

雰囲気下、塩化オキサリル(1.4当量)をDCMに溶解し、次いで−78℃に冷却した。DMSO(2.2当量)を滴下した。この溶液を約10分間撹拌し、次いでトリオール3−2(1当量)を、さらなるDCMに溶解して、0.2Mの総濃度とした。5分間反応後、TEA(5当量)を添加した。この混合物を10分間−78℃で、次いでさらに10分間室温で撹拌した。この反応をTLCで、1:1比のヘキサン対酢酸エチルを展開溶媒として使用してベストモニターし、結果をCAM染色で可視化した。反応混合物をさらに後処理せずに使用した。
【0193】
実施例5
(R)−6−(アミノメチル)−4−((R)−1−(1−ベンジル−3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−1,4−オキサゼパン−3−オン
【化43】

工程A:還元的アミノ化
【化44】

DCMに溶解したアミン5−1(1当量)を、アルデヒド4−2に総濃度0.1−0.15Mまで添加する。5分後、反応を0℃に冷却し、Na(OAc)BH(1.5当量)および氷酢酸(1当量)を添加する。反応をLCMSで完了についてモニターする。反応を酢酸エチルで希釈し、次いで飽和重炭酸ナトリウム水溶液で3回洗浄する。最後に、生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去する。
【0194】
工程B:アセチル化
【化45】

アミン5−2をDCMに溶解して0.2M溶液を製造し、0℃に冷却する。TEA(5当量)をゆっくり添加し、5分間撹拌する。クロロアセチルクロライド(3当量)を滴下する。反応を、反応完了後、酢酸エチルで希釈し、次いで3回飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄することにより後処理する。最後に、生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去する。生成物を、ヘキサン中約0−70%酢酸エチルの勾配を使用したクロマトグラフィーで精製する。
【0195】
工程C:ジオール脱保護
【化46】

クロライド5−3をアセトニトリルに溶解し、0℃に冷却する。3N HClを滴下し、反応をLCMSでモニターし、脱保護が完了するまでHClをさらに添加する。溶液を真空で濃縮し、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で3回洗浄する。最後に、生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去する。
【0196】
工程D:環化
【化47】

脱保護アルコールをDMFに溶解して、0.1M溶液を製造する。1当量のCsCOおよび触媒量のTBAI(テトラブチルアンモニウムアイオダイド)を添加する。反応を約40−55℃で4−6時間加熱する。完了したら、反応を真空で濃縮し、EtOAcで希釈し、飽和ビカーボネートで洗浄する。EtOAc層を真空で濃縮し、ヘキサン中約0−75%酢酸エチルの勾配を使用したクロマトグラフィーで精製する。
【0197】
工程E:アルコールのラセミ化のためのアルデヒド形成
【化48】

ガス下、塩化オキサリル(1.4当量)をDCMに溶解し、次いで−78℃に冷却する。DMSO(2.2当量)を滴下する。この溶液を約10分間撹拌し、次いでアルコール5−5(1当量)を、0.2Mの総濃度となるためにさらにDCMに溶解する。5分間反応後、TEA(5当量)を添加する。この混合物を−78℃で10分間、次いでさらに10分間、室温で撹拌する。反応を酢酸エチルで希釈し、次いで飽和重炭酸ナトリウム水溶液で3回洗浄する。最後に、生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去する。
【0198】
工程F:(R)および(S)アルコールへの変換
【化49】

アルデヒド5−6をメタノールに溶解して、0.2M溶液を形成し、0℃に冷却する。水素化ホウ素ナトリウム(1.5当量)を添加し、反応を5〜10分間維持する。溶液を真空で濃縮し、EtOAcで希釈し、飽和ビカーボネートで洗浄する。EtOAc層を真空で濃縮し、クロマトグラフィーで精製する。この工程で、アルコールの2個のジアステレオマーが逆相HPLCにより分離される。
【0199】
工程F:アミンへの変換
【化50】

乾燥THFに溶解させた各々の分解したアルコールジアステレオマーに、5当量の樹脂結合PPh、5当量のフタルイミド、および5当量DIADを添加する。反応を約55℃で30分間温める。フタルイミド誘導体への変換完了後、反応をEOAcで希釈し、セライトで濾過し、飽和NaHCOで洗浄する。EtOAc層を無水NaSOで乾燥させ、真空で濃縮し、HPLCで精製した。精製フタルイミド(phthalimdo)誘導体を、2M MeNHのメタノール溶液(溶媒として使用)で60℃で約1時間最終脱保護工程に付した。粗生成物を逆相HPLCで精製する。
【0200】
実施例6
β−フルオロアルデヒド側鎖(6−7)製造のための中間体
【化51】

工程A:アミン保護
【化52】

撹拌している無水KCO(46.53g、0.3371mol)のDMF(500mL)溶液に、D−セリンメチルエステル塩酸塩(35.0g、0.2250mol)、KI(18.66g、0.1124mol)および臭化ベンジル(96.18g、0.5623mol)を一度に添加した。反応混合物を5時間、RTで激しく撹拌した。反応完了後、内容物を氷水に注ぎ、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物6−2を得た。精製をカラムクロマトグラフィーで行い、純粋(61.7g、91.7%)を薄黄色油状物として得た。
【0201】
工程B:フッ素化
【化53】

撹拌しているジエチルアミン硫黄トリフルオライド(32.3mL、0.2006mol)のTHF(400mL)溶液に、化合物6−2を3時間の間、RTで添加した。添加完了後、撹拌をさらに1時間続けた。混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相をNaHCOの飽和溶液で洗浄した。溶媒の減圧下での除去により粗生成物を得て、それをヘキサンから3%EtOAcのヘキサン溶液の勾配を使用したカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物6−3(70.4g、69.9%)を薄黄色油状物として得た。
【0202】
工程C:還元
【化54】

機械的に撹拌しているLiBH(230.8mL、0.4651mol)のTHF(2.0L)溶液に、メチルエステル(100.0g、0.3322mol)のTHF(1.0L)、6−3を3時間に渡り、−15℃でN下添加用漏斗を介して滴下した。添加完了後、撹拌を4時間、RTで続けた。NHClの飽和溶液(500mL)を上記混合物に滴下し、EtOAcで抽出した。合わせた有機相を水、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残留油状物を1N HCl(200mL)に溶解し、ジエチルエーテルで抽出し、NHOH(50%、300mL)により水性層のpHを〜10に合わせた。得られた物をEtOAcで抽出し、合わせた抽出物を真空下で濃縮して、生成物6−4(86.2g、95.0%)を薄褐色油状物として得た。
【0203】
工程D:脱保護
【化55】

アルコール6−4(50.g、0.18315mol)およびPd(OH)/炭素(20%、6.26g、0.04395mol)の無水エタノール(500mL)中の混合物を、7時間、50−60psiの水素圧下に撹拌した。反応後、炭を濾過により除去し、残渣をロータリーエバポレーター(rota evaporator)で濃縮して、生成物6−5(15.8g、92.7%)を薄褐色油状物として得た。
【0204】
工程E:Boc保護
【化56】

撹拌しているアミノアルコール6−5(15.0g、0.16129mol)およびKCO(33.39g、0.24195mol)の水性ジオキサン(約25%、125mL水中375mLジオキサン)中の混合物に、(Boc)O(38.66g、0.17733mol)を0℃で滴下した。反応混合物を添加後一晩、RTで撹拌した。KHSOの飽和溶液を上記混合物に添加し、pH3−4に調節し、EtOAcで抽出した。有機相を真空下で濃縮して、純粋生成物6−6(27.7g、89.0%)を薄褐色油状物として得た。
【0205】
工程F:アルデヒドへの酸化
【化57】

冷却した(−78℃)、撹拌している塩化オキサリル(84mmol)のCHCl(180mL)溶液に、DMSO(168mmol)のCHCl(90mL)溶液を添加した。1時間後、アルコール6−6(56mmol)のCHCl(90mL)溶液を添加した。1時間後、トリエチルアミン(281mmol)を添加し、さらに1時間撹拌した。次いで飽和水性NHClを添加し、RTに温めた。有機物を分離し、HO(x2)、飽和塩水(x2)で洗浄し、次いで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、粗アルデヒドを得た。カラムクロマトグラフィーによる精製により、純粋(S)−アルデヒド6−7を得た。
【0206】
他のエナンチオマーから出発して、(L)−セリンメチルエステルは(R)−エナンチオマー(6−8)に至る。
【化58】

【0207】
実施例7−A
β−フルオロメチル側鎖を有する中間体の製造
【化59】

工程A:形成(S)−3−((ベンジルオキシ)カルボニル)−2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)プロパン酸の形成
【化60】

撹拌している化合物7−1(10.0mmol)の20mLのDCM溶液に、10mLのTFAを添加した。混合物をRTで24時間撹拌した。反応進行をLC/MSでモニターした。完了後、溶媒およびTFAを減圧下の蒸発により除去し、凍結乾燥して、白色固体をTFA塩として得た。粗固体を50mLのTHFおよびN−カルボエトキシフタルイミド(10.5mmol)に懸濁し、EtN(10mmol)を添加した。混合物をN下、18時間還流した。反応を冷却し、溶媒を蒸発させた。DCMを添加し、水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルカラム(ヘキサン/EtOAc)でのクロマトグラフィーによる精製により、2.68gの無色油状物、化合物7−2を得た。
【0208】
工程B:(S)−ベンジル4−ヒドロキシ−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ブタノエートの形成
【化61】

撹拌している(S)−3−((ベンジルオキシ)カルボニル)−2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)プロパン酸(化合物7−2、6.07mmol)の30mLの乾燥THF溶液に、−15℃で、N−メチルモルホリン(6.07mmol)、イソブチルクロロホルメート(6.07mmol)を連続的に添加した。5分間、−15℃で撹拌後、NaBH(689mg、18.21mmol)の2.73mLの水溶液を一度に添加した。反応を−15℃で2分間撹拌し、次いで水(30mL)で加水分解した。EtOAcで抽出し(x3)、水(x3)、塩水(x1)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルカラム(ヘキサン/EtOAc)でのクロマトグラフィーによる精製により、1.9gの無色油状物、化合物7−3を得た。
【0209】
工程C:(S)−ベンジル4−フルオロ−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ブタノエートの形成
【化62】

撹拌している(S)−ベンジル4−ヒドロキシ−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ブタノエート(7−3、5.6mmol)のアセトニトリル(28mL)溶液に、ペルフルオロ−1−ブタンスルホニルフルオライド(44.8mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(44.8mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(aminie)トリヒドロフルオライド(134mmol)を添加した。混合物を50℃で一晩撹拌した。反応進行をLC/MSでモニターした。完了後、反応をRTに冷却し、次いで減圧下蒸発させた。次いで混合物をDCMで分配し、水(x3)、塩水(x2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルカラム(ヘキサン/EtOAc)でのクロマトグラフィーによる精製により、明黄色油状物、化合物7−4を得た。
【0210】
工程D:(S)−4−フルオロ−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ブタナールの形成
【化63】

撹拌している(S)−ベンジル4−フルオロ−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ブタノエート(化合物7−4、0.5mmol)の乾燥エーテル(5mL)溶液に、ジイソブチルアルミニウムハイドライド(トルエン中1.0M、1.5mmol)を−78℃で滴下した。反応を−78℃で約30分間、LC/MSでモニターしながら撹拌した。完了後、反応を水(10mL)を−78℃で添加することによりクエンチした。酢酸エチルで抽出し、水(x3)、塩水(x2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物、化合物7−5を次工程に使用した。
【0211】
実施例7−B
化合物7−5製造の別経路
工程A:化合物7−6の製造
【化64】

(S)−4−フルオロ−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ブタン酸を製造するために、化合物7−4(0.20mmol)をエタノール(5mL)に溶解した。この溶液を窒素で10分間パージし、次いで10%パラジウム/炭素(0.02mmolのパラジウム)を窒素雰囲気下添加した。次いで水素を、溶液を通して、撹拌しながら急速に、約1時間バブリングした。反応進行をLC/MSで追跡した。
反応混合物をセライトで濾過して、パラジウムを除去した。セライトを2回塩化メチレンで濯いだ。次いで濾液を濃縮して、粗生成物、化合物7−6を得た。粗生成物を次反応工程に使用した。
【0212】
工程B:(S)−S−エチル4−フルオロ−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ブタンチオエートの形成
【化65】

化合物7−5(0.20mmol)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.30mmol)、エタンチオール(0.6mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(0.10mmol)をDMF(5mL)に溶解した。混合物を一晩、室温で撹拌した。反応をLC/MSでモニターした。
EtOAcを反応混合物に添加した。次いでこれを水(2x)および塩水(2X)で洗浄した。次いでEtOAc層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。次いで粗生成物、化合物7−7をフラッシュクロマトグラフィーで精製した。
【0213】
工程C:(S)−4−フルオロ−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ブタナールの形成。
【化66】

化合物7−7(0.20mmol)を乾燥アセトン(10mL)に溶解した。次いで10%パラジウム(0.02mmol)/炭素を窒素雰囲気下添加した。次いでトリエチルシラン(0.5mmol)を添加した。約10秒後に発泡が起こり、反応を発泡が止むまで続けた(30分間)。反応をLC/MSを使用してモニターした。
反応混合物をセライトプラグを通して濾過した。プラグを2回塩化メチレンで洗浄し、次いで濾液を濃縮して、粗生成物、化合物7−5を得た。粗生成物を次反応に使用した。
【0214】
他の(R)エナンチオマー、(R)−3−((ベンジルオキシ)カルボニル)−2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)プロパン酸で開始して、以下の化学構造式:
【化67】

を有する(R)エナンチオマー(7−8)を得る。
【0215】
実施例7−C
β−フルオロメチルアルデヒド側鎖を有する中間体の他の製造法
【化68】

工程A:化合物7−10の製造
メタノール(300mL)を1000mL丸底フラスコに入れ、系を氷浴で冷却した。アセチルクロライド(89.3mL;1251mmol)を15分間にわたり滴下した。得られた溶液を環境温度に温め、(S)−2−アミノ−4−ペンテン酸(7−9)(6.0g;139mmol)を一度に添加した。反応混合物を2時間加熱還流し、次いで環境温度に冷却した。次いで混合物を真空で濃縮して、薄黄色油状物を得た。生成物を酢酸エチル(150mL)に分散させ、再び真空で濃縮した。この連続工程を4回繰り返した。生成物7−10は油状物であり、それは一晩真空下での静置により固化した。H NMR分析は、本生成物がさらに精製しなくとも使用するのに充分に純粋であることを示した。
TLC:R=7.1(シリカ;溶離剤5:3:1 CHCl:MeOH:(7:3 HO:AcOH);ニンヒドリンで可視化)。
1H NMR(400MHz, CD3OD):δ 5.84-5.73(m, 1H), 5.32-5.26(m, 2H), 4.17(dd, 1H, J=7.0, 1.6MHz), 3.84(s, 3H), 2.73-2.65(m, 2H);(400MHz, d6-DMSO):δ 8.7(br s, 3H), 5.81-5.73(m, 1H), 5.21-5.14(m, 2H), 4.11(t, 1H, J=6.1 Hz), 3.72(s, 3H), 2.60(dd, 2H, J=7.1, 0.9 Hz)。
13C NMR(101MHz, d6-DMSO):δ 169.33, 131.37, 119.88, 52.65, 51.65, 34.22。
【0216】
工程B:化合物7−11の製造
先の工程からの粗(S)−メチル−2−アミノ−4−ペンテノエート塩酸塩(7−10)をTHF(190mL)に穏やかに加熱しながら溶解した。得られた溶液をLiAlHのTHF溶液(280mLの1.0M溶液)に、内部温度が約5℃を維持する速度で添加した。定期的に、僅かな加熱を使用して、(S)−メチル−2−アミノ−4−ペンテノエート塩酸塩溶液を含む添加用漏斗を温め、結晶化アミノエステルを再溶解した。添加が完了したら、添加用漏斗をさらに20mL分のTHFで濯いだ。次いで混合物をジエチルエーテル(500mL)で希釈し、過剰のLiAlHを、内部温度が10℃未満のままであるような速度で添加したHO(11mL)、15%(w/v)水性NaOH(11mL)およびHO(33mL)の連続添加により破壊した。混合物を濾過し、濾過ケーキをさらにジエチルエーテルで洗浄した。濾液をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、黄色液体を得た(7−11;13.4g;139.0mmolの(S)−2−アミノ−4−ペンテン酸に基づいて95%質量回収)。アミノアルコール(7−11)を蒸留により精製してよい(110℃;20torr)。しかしながら、次工程でほとんど改善が見られないため、一般にさらに精製せずに粗物質を使用した。
1H NMR(400MHz, d6-DMSO):δ 5.87-5.77(m, 1H), 5.05-4.97(m, 2H), 3.26(dd, 1H, J=10.3, 5.1 Hz), 3.14(dd, 1H, J=10.3, 6.7 Hz), 2.69-2.63(m, 1H), 2.15-2.09(m, 1H), 1.92-1.86(m, 1H)。
13C NMR(101MHz, d6-DMSO):δ 136.49, 116.31, 66.13, 52.53, 38.51。
【0217】
工程C:化合物7−12の製造
(S)−2−アミノ−4−ペンテノール(7−11;13.4g;132.5mmol)およびNaCO(70.8g;668.0mmol)をHO(400mL)に溶解した。CHCN(700mL)およびメチル−2−[(スクシンイミドオキシ)カルボニル]ベンゾエート(33.1g;119.4mmol)を添加し、得られた混合物を環境温度で激しく撹拌した。2時間後、TLC分析は、メチル−2−[(スクシンイミド(succimimido)オキシ)カルボニル]ベンゾエートの消費を示した。CHCNの大部分をロータリーエバポレーターで除去し、残った物質を分液漏斗に移し、EtOAcで抽出した(3x100mL)。合わせたEtOAc抽出物を0.5M HCl(2x250mL)および塩水(250mL)で洗浄した。EtOAc相をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、黄色油状物を得て(7−12;19.3g;70%)、それをさらに精製せずに次工程に使用した。
1H NMR(400MHz, d6-DMSO):δ 7.90-7.83(m , 4H), 5.74-5.64(m, 1H), 4.99-4.91(m, 3H), 4.27-4.20(m, 1H), 3.90-3.84(m, 1H), 3.63-3.58(m, 1H), 2.64-2.44(m, 2H)。
13C NMR(101MHz, d6-DMSO):δ 168.25, 134.86, 134.42, 131.37, 122.94, 117.41, 60.63, 53.47, 32.59。
【0218】
工程D:化合物7−13の製造
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(215mL;1240mmol)、トリエチルアミントリヒドロフルオライド(81mL;496mmol)およびペルフルオロ−1−ブタンスルホニルフルオライド(15.0mL;83.5mmol)を7−12(19.1g;82.7mmol)のPhCF(310mL)溶液に添加し、得られた混合物を環境温度で撹拌した。さらにペルフルオロ−1−ブタンスルホニルフルオライド(7.5mL;41.8mmol)をそれぞれ60、90、120、150、および180分後に添加した。合計18時間後、反応混合物を分液漏斗に移し、2回1.0N HCl、2回飽和水性NaHCOおよび1回HOで洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、オレンジ色油状物を得た。粗物質をシリカのパットに載せ、4:1 ヘキサン:EtOAcで溶出して、生成物(7−13)を黄色油状物として得た(15.4g;80%)。
1H NMR(400MHz, d6-DMSO):δ 7.88-7.81(m, 4H), 5.77-5.66(m, 1H), 5.04-4.88(m, 2.5H), 4.80-4.73(m, 1H), 4.65-4.61(m, 0.5H), 4.60-4.49(m, 1H), 2.68-2.47(m, 2H)。
13C NMR(101MHz, d6-DMSO):δ 167.87, 134.79, 133.77, 130.94, 123.26, 118.21, 81.82(d, J=170 Hz), 50.47(d, J=19 Hz), 31.40(d, J=6 Hz)。
【0219】
工程E:化合物7−8の製造
化合物7−13(15.3mmol)を2:1 CHOH:HO(1500mL)に溶解し、OsOのHO溶液(29.3mLの4%w/v溶液)を添加した。次いでNaIO(42.2g;197.2mmol)を一度に添加し、得られた混合物を環境温度で撹拌した。3時間後、混合物を濾過して沈殿した固体を除去し、濾過ケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を真空で濃縮して、有機溶媒の大部分を除去した。残渣を3回分のEtOAcで抽出し、合わせたEtOAc抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をCHClに溶解し、シリカゲルのパッドに載せ、20%、30%、40%、50%、および100%EtOAcのヘキサン溶液で連続的に溶出した。化合物7−8は30%−50%フラクションに存在したが、より極性の不純物が混ざっていた。フラクションを合わせ、濃縮した残渣をシリカの第2のパッドに載せ、30%EtOAcのヘキサン溶液で溶出して、化合物7−8を明黄色固体として得た(11.1g;72%):
1H NMR(400MHz, d6-DMSO):δ 9.61(s, 1H), 7.91-7.83(m, 4H), 4.97-4.94(m, 1H), 4.78(t, 0.5H, J=9.3Hz), 4.69-4.64(m, 1H), 4.57-4.53(m, 0.5H), 3.28-3.02(m, 2H)。
13C NMR(101MHz, d6-DMSO):δ 200.14, 167.65, 134.73, 131.15, 123.24, 81.80(d, J=171Hz), 44.81(d, J=21Hz), 40.64(d, J=6Hz)。
【0220】
実施例7−D
化合物7−12の別の合成法
【化69】

工程A:化合物7−14の製造
化合物7−9を2.2当量のフタル酸無水物と、2.2当量トリエチルアミンの酢酸エチル存在下、反応が完了するまで還流した。溶媒を圧力下に除去した。残渣をpH4の水に溶解し、次いで酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を2回pH4を有する水で洗浄した。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去し、7−14を白色固体として得た。
【0221】
工程B:化合物7−12の製造
化合物7−14および1.2当量のDIEAおよび1.1当量のBOPのTHF溶液を、室温で透明溶液が形成されるまで撹拌した。溶液を0℃に冷却し、次いで1.0当量のNaBHを添加した。反応混合物を0℃でN下、反応が完了するまで撹拌した。溶媒をDCMに変え、反応を1回水で洗浄した。DCM相をシリカゲルプラグに載せ、5%EtOAcのヘキサン溶液で流して、化合物7−12を無色油状物として得た。
【0222】
実施例8
中間体(S)−tert−ブチル4−オキソブタン−2−イルカルバメートの合成
【化70】

(S)−エチル3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタノエート8−1(1当量)およびトルエン(x=3)の共沸混合物をジクロロメタンに溶解し、−78℃に冷却した。次いでDIBALの1Mトルエン溶液(2当量)をN雰囲気下に滴下し、−78℃で2時間撹拌した。
反応をメタノールでクエンチし、濃縮した。濃縮した残渣に、2M 酒石酸カリウムナトリウム溶液を0℃で添加し、室温で30分間激しく撹拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび水に分配した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、蒸発させ、減圧下乾燥させて、化合物8−2を明黄色粘性液体として得た。MS:MH=188.2
【0223】
実施例9
(R)−tert−ブチル4−オキソブタン−2−イルカルバメートの合成
工程A:(R)−((ベンジル)3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタノエートの合成
【化71】

(R)−ベンジル3−アミノブチレート硫酸塩9−1(1当量)のTHF溶液に、Boc−無水物(2当量)およびジイソプロピルエチルアミン(4当量)を添加した。反応混合物を室温で72時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルおよび水に分配した。有機層を分離し、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、減圧下乾燥させて、化合物9−2を白色固体として得た。MS:MH=294.0
【0224】
工程B:(R)−tert−ブチル4−オキソブタン−2−イルカルバメートの合成
【化72】

(R)−((ベンジル)3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタノエート9−2(1当量)およびトルエン(x=3)の共沸混合物をジクロロメタンに溶解し、−78℃に冷却した。DIBALの1Mトルエン溶液(2当量)を、N雰囲気下に滴下し、−78℃で2時間撹拌した。反応をメタノールでクエンチし、次いで濃縮した。濃縮した残渣に、2M 酒石酸カリウムナトリウム溶液を0℃で添加し、室温で30分間激しく撹拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび水に分配した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、減圧下乾燥させて、化合物9−3を無色粘性液体として得た。MS:MH=188.2
【0225】
実施例10
tert−ブチル2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバメートの合成
工程A:メチル3−アミノ−3−メチルブタノエートの合成
【化73】

3−アミノ−3−メチル−酪酸10−1(1当量)のメタノール溶液に、0℃で2当量の塩化チオニルを添加した。反応混合物を室温に温め、一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて、10−2およびトルエン(x=3)の共沸混合物を得て、それを工程Bに使用した。MS:MH=132.1
【0226】
工程B:メチル3−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノエートの合成
【化74】

メチル3−アミノ−3−メチルブタノエートHCl塩10−2(1当量)のTHF溶液に、Boc無水物(2当量)およびジイソプロピルエチルアミン(4当量)を添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルおよび水に分配した。有機層を分離し、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、減圧下乾燥させて、生成物10−3を白色固体として得た。MS:MH=232.1
【0227】
工程C:tert−ブチル2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバメートの合成
【化75】

メチル3−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノエート10−3(1当量)およびトルエン(x=3)の共沸混合物をジクロロメタンに溶解し、−78℃に冷却した。これに、DIBALの1Mトルエン溶液(2当量)をN雰囲気下に滴下し、−78℃で2時間撹拌した。反応をメタノールでクエンチし、濃縮した。濃縮した残渣に、2M 酒石酸カリウムナトリウム溶液を0℃で添加し、室温で30分間激しく撹拌した。混合物を酢酸エチルおよび水に分配した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、減圧下乾燥させて、生成物10−4を無色粘性液体として得た。MS:MH=202.1
【0228】
実施例11
Boc保護ジフルオロメチルアルデヒドの製造
工程A:還元的アミノ化
【化76】

エチル4,4−ジフルオロ−3−ケトブチレート(11−1、25g、15mmol)をジクロロエタン(300mL)に溶解した。次いでベンジルアミン(49mL、45.2mmol)およびトリエチルアミン(83mL、60.2mmol)を添加し、溶液を1分間撹拌した。次いでTiCl溶液(DCM中1M、60mL、60.2mmol)を滴下した。混合物を一晩、rtで撹拌した。反応進行をTLCで追跡した。次いでMeOHに溶解したナトリウムシアノボロハイドライドを1時間にわたり滴下した。反応をさらに1時間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液に分配した。反応をフード中に維持し、シアン化物検出器を使用することに注意。次いで反応を水(2X)および塩水(2X)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、焼結フィルターを通して濾過し、真空下で濃縮した。精製をIsco(0〜100%EtOAcで45分間)で行って、11−2を得た。収量:36.3g(68%)。
【0229】
工程B:2級アミンの脱ベンジル化
【化77】

化合物11−2(1当量)を酢酸に溶解した。パラジウム/炭素(0.25当量)および1,4−シクロヘキサジエン(10当量)を添加し、反応混合物を60℃に加熱した。撹拌を60度で3時間続けた。反応をLCMSで追跡した。次いで反応をrtに冷却し、セライトのプラグを通して濾過した。セライトをメタノールで濯いだ。次いで濾液を真空下で濃縮して、粗生成物を得た。粗物質11−3を次反応に精製せずに直接使用した。
【0230】
工程C:2級アミンのBocでの保護
【化78】

化合物11−3(1当量)、tert−ブチルジカーボネート(1.3当量)、炭酸カリウム(1.3当量)およびジオキサンを全てフラスコに入れた。反応をrtで窒素下10時間撹拌した。反応進行をLCMSで追跡した。次いで反応を蒸発乾固した。残った物質を水およびEtOAcに分配した。層を分離し水性層をさらに2回EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、焼結フィルターを通して濾過し、真空下で濃縮した。精製をISCOカラム(0%〜30%EtOAcで35分間、30%〜100%で5分間、100%で5分)で行った。
【0231】
工程D:エチルエステルのアルデヒドへの還元
【化79】

化合物11−4(2.8g、10.48mmol)をDCMに溶解し、窒素雰囲気下に置いた。この溶液を−78℃に、アセトン/ドライアイス浴中で冷却した。DIBAL溶液(トルエン中1M、20.97mL、20.97mmol)を滴下した。次いで反応をさらに2時間撹拌した。反応をLCMSで追跡した。次いで、反応をメタノールでクエンチし、5分間撹拌した。次いでメタノールを減圧下蒸発させた。残った水性相をEtOAcで抽出した(3X)。回収したEtOAc抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、焼結フィルターを通して濾過し、真空下で濃縮した。精製をIsco((0%〜40%EtOAcで35分間、40%〜100%で5分間、100%で10分)で行い、11−5を得た。収量:1.8g(77.0%)。
【0232】
工程E:還元的アミノ化
【化80】

化合物11−5(31mg、0.14mmol)をDCMに溶解した。トリアゾール(65mg、0.14mmol)、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(44mg、0.21mmol)、および酢酸(.013mL、0.21mmol)を添加し、反応混合物をrtで一晩撹拌した。反応をLCMSで追跡した。完了後、反応を水(2X)で洗浄した。次いでDCM層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、焼結フィルターで濾過し、真空下で濃縮した。精製をIscoカラム(0%〜30%EtOAcで25分間、30%〜100%で10分間、100%で5分)行った。収量:58.0mg(77.0%)。
【0233】
工程F:アシル化
【化81】

化合物11−6(58.0mg、0.11mmol)を、ネジ蓋付バイアル中DCMに溶解した。次いで(S)−2−アセトキシプロパノイルクロライド(0.042mL、0.33mmol)およびトリエチルアミン(0.046mL、0.33mmol)を添加した。バイアルを密閉し、40℃に加熱した。反応を40℃で一晩撹拌した。反応完了後、溶媒を真空下除去した。反応混合物をアセトニトリルおよび水に取り込み、異性体を逆相クロマトグラフィーを使用して分離した。S異性体は、LCMSで1.29分の保持時間を示した;R異性体は1.33分の保持時間を示した。S異性体の収量:15.4mg(20.7%)。R異性体の収量:15.9mg(21.4%)。
【0234】
以下の表中の化合物1−15、および18−86は、先の実施例および方法に記載中の方法を使用して製造した。化合物16および17は、予測的化合物であり、類似の方法でまた製造できる。合成に使用した出発物質は当業者には認識可能であり、市販されているか、または既知方法を使用して製造できる。表1の化合物は、IUPAC標準命名法を行う、ISIS/BaseのためのAutoNom 2000(Automatic Nomenclature)を使用して命名した。一つの態様において、提供されるのは、表1の化合物のいずれか一つの立体異性体である。一つの局面において、立体異性体はエナンチオマーである。他の局面において、立体異性体はジアステレオマーである。
【0235】
【表14】

【表15】

【0236】
【表16】

【表17】

【0237】
【表18】

【表19】

【0238】
【表20】

【表21】

【0239】
【表22】

【表23】

【0240】
【表24】

【表25】

【0241】
【表26】

【表27】

【0242】
【表28】

【表29】

【0243】
【表30】

【表31】

【0244】
実施例12
KSP活性測定のためのアッセイ
この実施例は、インビトロでKSP活性を測定するための代表的インビトロアッセイを提供する。ウシ脳から得た精製微小管をCytoskeleton Inc. (Denver, Colorado, USA)から購入した。ヒトKSPのモータードメイン(Eg5、KNSL1)をクローン化し、発現させ、95%を超える均一性まで精製した。Biomol Greenを、Affinity Research Products Ltd.(Matford Court, Exeter, Devon, United Kingdom)から購入した。微小管およびKSPモータータンパク質(すなわち、KSPモータードメイン)を、35μg/mL 微小管および45nM KSPの最終濃度までアッセイ緩衝液(20mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM MgCl、10mM DTTおよび0.25mg/mL BSA)で希釈した。次いで微小管/KSP混合物を37℃で10分間プレインキュベートし、KSPの微小管への結合を促進させた。
【0245】
1.25μLの阻害剤または試験化合物びDMSO溶液(またはコントロールの場合DMSO)を含む試験プレート(384ウェルプレート)の各ウェルに、25μLのATP溶液(アッセイ緩衝液で300μM濃度まで希釈されたATP)および25μLの上記微小管/KSP溶液を添加した。プレートをRTで1時間インキュベートした。インキュベートに続き、65μLのBiomol Green(無機ホスフェートの遊離を検出するマラカイトグリーン・ベースの色素)を各ウェルに添加した。プレートをさらに5−10分間インキュベートし、次いで630nmでの吸光度をVictor IIプレートリーダーで決定した。630nmでの吸光度の量がサンプル中のKSP活性の量に対応した。次いで各阻害剤または試験化合物のC50を、各濃度での630nmの吸光度の減少に基づき、XLFit for ExcelまたはPrism data analysis software by GraphPad Software Inc.のいずれかを使用した非線形回帰を介して、決定した。
【0246】
好ましい本発明の化合物は、実施例12に記載のアッセイプロトコールで、IC50で測定して、約1mM未満の未満の生物学的活性を有し、好ましい態様は、約25μM未満の生物学的活性、特に好ましい態様は、約1000nM未満の生物学的活性、および最も好ましい態様は、約100nM未満の生物学的活性を有する。
【0247】
本アッセイで試験したとき、表1の化合物71、85および86は、1μMを超えるIC50値を示した。化合物77、78、および80は、100nMを超え、1μM以下のIC50値を示した。表1の化合物1−15、18−70、72−76、79、および81−84は、100nM以下のIC50値を示した。
【0248】
実施例13
KSP阻害剤で処理した腫瘍細胞株における細胞性増殖の阻害
細胞を、96ウェルプレートに、96ウェルプレートあたり約500細胞/ウェルの密度で播種し、24時間増殖させる。次いで細胞を、種々の濃度の化合物で72時間処理する。次いで、100μlのCellTiter Gloを添加する。CellTiter Gloは、試薬3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム(MTS)(米国特許5,185,450)(Promega product catalog #G3580, CeIITiter 96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assay参照)を使用する、テトラゾリウム・ベースのアッセイである。次いで細胞を暗所で30分間インキュベートする。Walloc Triluxプレートリーダーを使用して、各ウェルの発行の量を決定し、それをウェルあたりの細胞数で補正する。DMSO(0.5%)のみを投与されたウェルあたりの可視細胞数は、0%阻害の指標として働き、一方細胞なしのウェルは細胞増殖の100%阻害として働く。50%増殖阻害をもたらす化合物濃度(GI50)を、72時間連続化合物暴露で、ログ変換した用量値対細胞計数(コントロールのパーセント)のシグモイド用量−応答曲線からグラフ的に決定する。
【0249】
使用した細胞株を以下に列記する。
細胞増殖アッセイを上記の通り行う。
【表32】

【0250】
好ましい本発明の化合物は、GI50で測定して、記載のアッセイプロトコールにおいて約1mM未満の生物学的活性を有し、ある態様は、約25μM未満の生物学的活性を有し、他の態様は約1000nM未満の生物学的活性を有し、さらに別の態様は、約100nM未満のGI50を有する。
【0251】
実施例14
クローン原性軟寒天アッセイプロトコール
ヒト癌細胞を、3x10細胞/ウェルの密度で6ウェルプレートに播種する。翌日、一定濃度の目的化合物を各ウェルに添加する。インキュベーション24および48時間後、細胞を採取し、洗浄し、計測する。以下の工程を、Multimek 96 robotで行う。次いで、500可視細胞/ウェルを、細胞のウェルの底への付着を防止するためにPolyHemaでコートされた96ウェルプレートにプレーティングする。アガロース(3%ストック)を融解し、温培地で希釈し、細胞に0.5%の最終濃度まで添加する。軟寒天固化後、プレートを37℃で6日間インキュベートする。Alamar blue色素を細胞に添加し、プレートをさらに6時間インキュベートする。光学密度変化をTecanプレートリーダーで測定し、軟寒天に形成されたコロニー数と相関すると見なされる。癌性細胞は寒天上で増殖でき、故に、光学密度の増加を示す。減少した光学密度の読み取りは、癌細胞が阻害されていることを意味する。本発明の化合物は、光学密度の減少を示すことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中:
は、アルキルおよび置換アルキルから成る群から選択され;
は、水素、アルキル、および置換アルキルから成る群から選択され;
は、−L−Aから成る群から選択され、ここで、Lは、−C(O)−、−C(S)−、−S(O)−、および−S(O)−から成る群から選択されおよびAは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、およびNRから成る群から選択され;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから成る群から選択され;
またはRおよびRは、それぞれが結合している原子と一体となって、5〜7員ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキル基を形成し、ここで、所望により1個の付加的環原子は、O、S、またはNR11から成る群から選択され;
Xは、CRまたはNであり;
は、水素、ハロ、アルキル、および置換アルキルから成る群から選択され;
は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールから成る群から選択され、その全ては、所望により−(R10)で置換されていてよく、ここで、R10は、ここで定義のとおりであり、mは1、2、3、または4であり、そして各R10は、mが2、3、または4であるとき同じでも異なってもよく;
は−L−Aであり、ここで、LはC−Cアルキレンであり、そして、Aは、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルから成る群から選択される。ただし、RはXに結合しておらず;
は、水素およびアルキルから成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルから成る群から選択され;
またはRおよびRは結合している窒素原子と一体となって、ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルを形成し;
10は、シアノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、−CF、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロ、およびヒドロキシから成る群から選択され;そして
11は、水素、アルキル、置換アルキル、−SOアルキル、および−SO置換アルキルから成る群から選択される。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグ。
【請求項2】
がアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がメチルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
およびRがメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式(Ia)−(Ie):
【化2】

を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグ。
【請求項6】
XがNである、請求項1または5に記載の化合物。
【請求項7】
XがCRである、請求項1または5に記載の化合物。
【請求項8】
が水素である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が−CO−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
式(II):
【化3】

〔式中:
は、アルキルおよび置換アルキルから成る群から選択され;
は、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、ハロ、窒素含有ヘテロシクロアルキル、置換窒素含有ヘテロシクロアルキル、窒素含有ヘテロアリール、および置換窒素含有ヘテロアリールから成る群から選択される1〜5個の置換基で置換されたアルキルであり;
は、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、およびNRから成る群から選択され;
またはAおよびRは、それぞれが結合している原子と一体となってヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキル基を形成し、ここで、所望により1個の付加的環原子は、O、S、またはNR11から成る群から選択され;
Xは、CRまたはNであり;
は、水素、ハロ、アルキル、および置換アルキルから成る群から選択され;
は−L−Aであり、ここで、LはC−Cアルキレンであり、そしてAは、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルから成る群から選択され;
は、水素およびアルキルから成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルから成る群から選択され;
またはRおよびR結合している窒素原子と一体となって、ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルを形成し;
mは1、2、3、または4であり、そして各R10は、mが2、3、または4であるとき同じでも異なってもよく;そして
10は、シアノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、−CF、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロ、およびヒドロキシから成る群から選択され;そして
11は、水素、アルキル、置換アルキル、−SOアルキル、および−SO置換アルキルから成る群から選択される。〕
を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグ。
【請求項11】
XがNである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
XがCRである、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
が水素である、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
式(IIa):
【化4】

を有する請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグ。
【請求項15】
式(IIb):
【化5】

を有する請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグ。
【請求項16】
がアルキルである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項17】
がイソプロピル、t−ブチル、およびプロピルから成る群から選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
がアリールまたは置換アリールである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項19】
が置換または非置換フェニルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
がヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項21】
が置換または非置換ピリジルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
がヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項23】
が置換または非置換モルホリノである、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
がアルキルまたは置換アルキルである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項25】
該置換アルキルがアルコキシまたはヒドロキシで置換されている、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
が1,3−ベンゾチアジアゾール−4−イル、t−ブトキシ、ブトキシ、n−ブトキシ、シクロヘキシル、2,2−ジメチルプロポキシ、エトキシ、フラン−3−イル、イソキサゾール−3−イル、メトキシ、メチル、2−メチルプロポキシ、フェニル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、n−プロポキシ、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピラジン−2−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル、1H−テトラゾール−1−イル、2H−テトラゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,3−ベンゾチアジアゾール−6−イル、3,3−ジヒドロベンゾ[1,2,3]チアジアゾール−4−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−6−イル、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール、ベンズオキサジアゾール−4−イル、シクロペンチル、イミダゾール−4−イル、インダゾル−6−イル(y)、イソオキサゾール−5−イル、モルホリン−2−イル、モルホリノ、オキサゾール−4−イル、ピペリジン−N−イル、ピラゾール−3−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリジン−N−イル、テトラゾール−5−イル、またはチアジアゾール−4−イルである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項27】
が5−メチル−2H−イミダゾール−4−イル、2−アミノチアゾール−4−イル、4−t−ブチルフェニル、2−クロロフェニル、2−クロロ−6−メチルピリド−4−イル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、6−クロロピリジン−3−イル、3,4−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル、2,4−ジメチルチアゾール−5−イル、1−エチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル、2−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルイソキサゾール−3−イル、5−メチルイソキサゾール−4−イル、4−メチルフェニル、1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−5−クロロ−1H−ピラゾール−4−イル、5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、6−メチルピリジン−3−イル、2−ピロリジン−3−イルフェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル、2,5−ジメチルオキサゾール−4−イル、2−アミノチアゾール−4−イル、4−メチルピラゾール−5−イル、3−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル、2−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−5−イル、4−クロロ−1,3−ジメチルピラゾロ[3,4]ピリジン、および1−メチルベンズイミダゾール−2−イルから成る群から選択される置換アリールまたはヘテロアリール基である、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項28】
が、3−[(アミノアセチル)アミノ]シクロヘキシル、3−(2−アミノエチルスルホニルアミノ)シクロヘキシル、1−メチルピペラジン−4−イル、1−メチルカルボニルピペリジン−4−イル、1−メトキシカルボニルピペリジン−4−イル、キヌクリジン−3−イル、2−オキソピロリジン−5−イル、2−オキソピロリジン−4−イル、2−オキソ−ジヒドロフラン−5−イル、2−オキソチアゾリジン−4−イル、および3−ヒドロキシピロリジン−5−イルから成る群から選択される置換ヘテロ環またはシクロアルキルである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項29】
が3−アミノ−2−オキソ−1(2H)−ピリジニルメチル、シアノメチル、(N,N−ジメチルアミノ)メチル、エトキシメチル、p−フルオロフェノキシメチル、ヒドロキシメチル、1H−イミダゾール−1−イルメチル、メトキシメチル、(N−メチルアミノ)メチル、メチルスルホニルメチル、(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)メチル、(5−メチル−2H−テトラゾール−2−イル)メチル、モルホリン−4−イルメチル、1H−ピラゾール−1−イルメチル、1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル、2H−1,2,3−トリアゾール−2−イルメチル、1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル、2H−1,2,4−トリアゾール−2−イルメチル、4H−1,2,4−トリアゾール−4−イルメチル、1H−テトラゾール−1−イルメチル、1H−テトラゾール−5−イルメチル、2H−テトラゾール−2−イルメチル、イミダゾール−4−イルメチル、1−メチルピラゾール−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、トリフルオロメチル、ジメチルアミノエチル、および2−オキソ−3−アミノピロリジン−1−イルメチルから成る群から選択される置換アルキルである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項30】
ここで、AがNRである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項31】
が水素である、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
およびRが水素である、請求項30に記載の化合物。
【請求項33】
がアルキル、置換アルキル、およびシクロアルキルから成る群から選択される、請求項30に記載の化合物。
【請求項34】
がメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、メトキシエチル、フラン−2−イルメチル、2−ヒドロキシエチル、シクロプロピルおよびイソプロピルから成る群から選択される、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
がアリールまたは置換アリールである、請求項30に記載の化合物。
【請求項36】
が4−シアノフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、3,5−ジニトロフェニル、およびフェニルから成る群から選択される、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
がヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである、請求項30に記載の化合物。
【請求項38】
がチオフェン−2−イル、3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル、および2,6−ジクロロピリジン−4−イルから成る群から選択される、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
がヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキル基である、請求項30に記載の化合物。
【請求項40】
がテトラヒドロピラン−4−イルまたは4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルである、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
がヒドロキシである、請求項30に記載の化合物。
【請求項42】
およびRが、結合している窒素原子と一体となって環化し、チアモルホリン−N−イル、1,1−ジオキソチアモルホリン−N−イル、1−オキソチアモルホリン−1−イル、2−(アミノメチレン)ピロリジン−N−イル、2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−N−イル、2,6−ジメチルモルホリン−N−イル、3−ヒドロキシピペリジン−N−イル、3−ヒドロキシピロリジン−N−イル、4−(ブチルスルホニル)ピペラジン−N−イル、4−(シクロプロピルスルホニル)ピペラジン−N−イル、4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−N−イル、4−(エトキシカルボニル)ピペラジン−N−イル、4−(エチルスルホニル)ピペラジン−N−イル、4−(イソプロピルスルホニル)ピペラジン−N−イル、4−(メチルカルボニル)ピペラジン−N−イル、4−(メチルスルホニル)ピペリジン−N−イル、4−(メチル(methy)スルホニル)ピペラジン−N−イル、4−(モルホリン−N−イル)ピペリジン−N−イル、4−(ピペリジン−N−イル)ピペリジン−N−イル、4−(プロピルスルホニル)ピペラジン−N−イル、4−シクロヘキシルピペラジン−N−イル、4−ヒドロキシピペリジン−N−イル、4−イソプロピルピペラジン−4−イル、4−メチルピペリジン−N−イル、イソキサゾリジン−2−イル、モルホリン−N−イル、ピペラジン−N−イル、ピペリジン−N−イル、2−(ヒドラジノカルボニル)ピロリジン−N−イル、およびピロリジン−N−イルから成る群から選択されるヘテロ環または置換ヘテロ環−NRを形成する、請求項30に記載の化合物。
【請求項43】
が置換アルキルである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項44】
が、アミノ、置換アミノ、ハロ、アルコキシ、置換アルコキシ、およびヒドロキシから成る群から選択される1〜5個の置換基で置換されたアルキルである、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
が、水素、ピペリジン−4−イル、−(CH)−NH2、−CH−アゼチジン−3−イル、−CH−(2,5−ジヒドロピロール−3−イル)、−(CH)−イミダゾール−1−イル、−CH−(1H−イミダゾール−4−イル)、−CH−ピリジン−3−イル、−CH−(2−ヒドロキシピリジン−4−イル)、−CH−(6−ヒドロキシピリジン−3−イル)、−CH−モルホリン−2−イル、−CH−ピロリジン−3−イル、−CH−(3−フルオロピロリジン−3−イル)、−CH−(3−ヒドロキシピロリジン−3−イル)、−CH−(4−フルオロピロリジン−3−イル)、−CH−(4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)、−CH−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−3−イル)、−CH−ピペリジン−3−イル、−CH−[1H−(1,2,3−トリアゾール−4−イル)]、−CHCH(NH)CHOH、−(CH)−OH、−(CH)−O(CO)−フェニル、−(CH)−NH、−(CH)−NHCH、−(CH)−N(CH)、−(CH)−NHOCH、−(CH)−NHSOCH、−(CH)NH−(5−シアノピリジン−2−イル)、−(CH)NH−シクロプロピル、−(CH)NH−シクロブチル、−(CH)−(1H−イミダゾール−2−イル)、−(CH)−(2−ヒドロキシエチルピペリジン−1−イル)、−(CH)NH(2−ヒドロキシメチルフェニル)、−(CH)NH−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)、−(CH)NHCH−シクロプロピル、−(CH)NHCH−{5−(ピリジン−3−イルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル}、−(CH)NHCH−(5−メトキシ−1H−インダゾル−3−イル)、−(CH)NHCH−(6−フルオロ−1H−インダゾル−3−イル)、−CHCHOHCHNH、−CHCH(CHOH)CHNH、−CHC(CH)CH−N(CH)、−CHC(CH)CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)、−(CH)C(O)NH、−(CH)CH(NH)C(O)NH、−(CH)CH(NH)C(O)OH、−(CH)CH(NH)CHC(O)NH、−(CH)CH(NH)CHOH、−(CH)CH(NH)CH、−(CH)NHC(O)CHNH、−(CH)NHC(O)CH(NH)CH(CH)、−CHCHFCHNH、−(CH)NHC(O)CHNH、−(CH)−NHCHCHOH、−(CH)−NHCHCOH、−(CH)NHCHCOCHCH、−(CH)−N(CHCHOH)、−(CH)−NHCH(CHOH)、−(CH)CH、−(CH)CH(NH)CHOH、−(CH)C(CH)NH、−(CH)CH(NH)CHOCH、−(CH)CH(NH)CHF、−CHCHFCH(NH)CHOH、および−(CH)スピロシクロ(cylco)プロピル−NHから成る群から選択される、請求項1、5または10に記載の化合物。
【請求項46】
が−(CH)NH、−(CH)CH(CHOH)NH、−CHCH(F)CHNH、−CH−[2−(CHOH)ピロリジン−3−イル]、−CH−[4−(OH)ピロリジン−3−イル]、−CH−C(F)(スピロピロリジン−3−イル)、−(CH)CH(CHF)NH、−(CH)C(CH)NH、−(CH)CH(CH)NH、および−(CH)CH(CHOCH)NHから成る群から選択される、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項47】
とRまたはAとRが、それぞれが結合している原子と一体となって、5〜7員ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキル基を形成する、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項48】
ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキル基が:
【化6】

から成る群から選択される、請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
がアリールまたは置換アリールであり、フェニル、3−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、および2,3,5−トリフルオロフェニルから成る群から選択される、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項50】
がフェニル、3−ブロモフェニル、3−クロロフェニル、4−シアノフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3−フルオロフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、ピラジン−2−イル、ピリジン−2−イル、チアゾール−2−イル、2−トリフルオロメチルフェニル、および3−トリフルオロメチルフェニルから成る群から選択される、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項51】
がフェニル、6−アミノピリジン−2−イル、3−クロロフェニル、3−シアノフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3−ヒドロキシフェニル、3−メトキシフェニル、1−(5−メチル)−イソキサゾール−3−イル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、チアゾール−4−イル、および5−トリフルオロメチルフラン−2−イルから成る群から選択される、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項52】
がメチレンであり、そしてAがフェニル、3−フルオロフェニル、または3−ヒドロキシフェニルから成る群から選択される、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項53】
がベンジルである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項54】
がt−ブチルであり、Lがメチレンであり、Aがフェニルであり、そしてRがフェニルまたは置換フェニルである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項55】
がt−ブチルであり、Lがメチレンであり、Aがフェニルであり、Rが1〜2個のハロ置換基で置換されたフェニルである、請求項54に記載の化合物。
【請求項56】
がt−ブチルであり、Rが水素であり、Lがメチレンであり、Aがフェニルであり、Rが置換アルキルである、請求項1、5、または10のいずれかに記載の化合物。
【請求項57】
が−(CH)NH、−CHCH(F)CHNH、−(CH)CH(CHF)NH、−(CH)CH(CHOCH)NH、−(CH)CH(CH)NH、−(CH)C(CH)NHまたは−(CH)CH(CHOH)NHである、請求項56に記載の化合物。
【請求項58】
治療的有効量の請求項1に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項59】
さらに少なくとも1個の付加的な癌の処置剤を含む、請求項58に記載の組成物。
【請求項60】
付加的な癌の処置剤がイリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、イマチニブ、トラスツマブ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、カルボプラチン、シスプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、テザシタビン、シクロホスファミド、ビンカアルカロイド、アントラサイクリン、リツキシマブ、およびトラスツマブから成る群から選択される、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
哺乳動物患者における少なくとも一部KSPにより仲介される障害の処置方法であって、そのような処置を必要とする哺乳動物患者に、治療的有効量の請求項58に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項62】
障害が細胞性増殖性疾患である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
細胞性増殖性疾患が癌である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
癌が肺および気管支;前立腺;乳房;膵臓;結腸および直腸;甲状腺;胃;肝臓および肝内胆管;腎臓および腎盂;泌尿器膀胱;子宮体;子宮頸;卵巣;多発性骨髄腫;食道;急性骨髄性(myelogenous)白血病;慢性骨髄性(myelognous)白血病;リンパ球性白血病;骨髄性(myeloid)白血病;脳;口腔および咽頭;喉頭;小腸;非ホジキンリンパ腫;黒色腫;および絨毛結腸腺腫から成る群から選択される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
さらに哺乳動物患者に1種の付加的な癌の処置剤を投与することを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
付加的な癌の処置剤が、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、イマチニブ、トラスツマブ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、カルボプラチン、シスプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、テザシタビン、シクロホスファミド、ビンカアルカロイド、アントラサイクリン、リツキシマブ、およびトラスツマブから成る群から選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
哺乳動物患者におけるKSPキネシンを阻害する方法であって、該患者に有効なKSP阻害量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項68】
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)ニコチンアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)モルホリン−4−カルボキサミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−メトキシアセトアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシアセトアミド;
N−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
N−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)モルホリン−4−カルボキサミド;
(2S,6R)−N−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2,6−ジメチルモルホリン−4−カルボキサミド;
1−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−1−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−3,3−ジメチルウレア;
1−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−1−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−3−メチルウレア;
(2S,6R)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2,6−ジメチルモルホリン−4−カルボキサミド;
1−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−1−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−3,3−ジメチルウレア;
1−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−1−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−3−メチルウレア;
N−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)チオモルホリン−4−カルボキサミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)チオモルホリン−4−カルボキサミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)ピペリジン−1−カルボキサミド;
(R)−6−(アミノメチル)−4−((R)−1−(1−ベンジル−3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−1,4−オキサゼパン−3−オン;および
(S)−6−(アミノメチル)−4−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−1,4−オキサゼパン−3−オン;
から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグ。
【請求項69】
N−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシアセトアミド;
N−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)ニコチンアミド;
N−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−1,1−ジオキソチオモルホリン−4−カルボキサミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−1,1−ジオキソチオモルホリン−4−カルボキサミド;
(2R)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキサミド;
(2S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキサミド;
(2R)−N−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキサミド;
(2S)−N−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキサミド;
(2S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
N−(3−アミノプロピル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)ニコチンアミド;
(2S)−N−(3−アミノプロピル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
N−(3−アミノプロピル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシアセトアミド;
(2S)−N−(3−アミノプロピル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキサミド;
N−(3−アミノプロピル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)モルホリン−4−カルボキサミド;
(2S,6R)−N−(3−アミノプロピル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2,6−ジメチルモルホリン−4−カルボキサミド;
N−(3−アミノプロピル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−カルボキサミド;
(2S)−N−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(2S)−N−((S)−3−アミノ−2−フルオロプロピル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキサミド;
(2S,6R)−N−((S)−3−アミノ−2−フルオロプロピル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2,6−ジメチルモルホリン−4−カルボキサミド;
N−((S)−3−アミノ−2−フルオロプロピル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシアセトアミド;
(2S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−テトラヒドロフラン−2−カルボキサミド;
(2S)−N−((R)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−テトラヒドロフラン−2−カルボキサミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−6−メチルピリジン−3−カルボキサミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)イソニコチンアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)ピコリンアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−(メチルスルホニル)アセトアミド;
N−((S)−3−アミノ−2−フルオロプロピル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)ニコチンアミド;
(2S)−N−((S)−3−アミノ−2−フルオロプロピル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
N−((R)−1−(2−(3−ブロモベンジル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−2−ヒドロキシアセトアミド;
(2S)−N−((R)−1−(2−(3−ブロモベンジル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
N−((R)−1−(2−(3−ブロモベンジル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)ニコチンアミド;
N−((R)−1−(2−(3−ブロモベンジル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)ベンズアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−メトキシアセトアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(2−ベンジル−5−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−2H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシアセトアミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)ベンズアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−4−メチルベンズアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)ニコチンアミド;
(R)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−(3−ブロモベンジル)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)テトラヒドロフラン−2−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−(3−ブロモベンジル)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)テトラヒドロフラン−2−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)テトラヒドロフラン−2−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−(3−シアノベンジル)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)モルホリン−4−カルボキサミド;
(2S,6R)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2,6−ジメチルモルホリン−4−カルボキサミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2−メチルプロピル)ベンズアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2−メチルプロピル)−4−メチルベンズアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2−メチルプロピル)−2−メトキシアセトアミド;
N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2−メチルプロピル)−2−ヒドロキシアセトアミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2−メチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−メトキシプロパンアミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−(3−メチルベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(2S,6R)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−(3−メチルベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2,6−ジメチルモルホリン−4−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(3,5−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(2S,6R)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2,6−ジメチルモルホリン−4−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4,4−ジフルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((R)−3−アミノ−4,4−ジフルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((R)−3−アミノ−4,4−ジフルオロブチル)−N−((R)−1−(3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−(3−メチルベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4,4−ジフルオロブチル)−N−((R)−1−(1−(3−シアノベンジル)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((R)−3−アミノ−4,4−ジフルオロブチル)−N−((R)−1−(1−(3−シアノベンジル)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((R)−3−アミノ−4,4−ジフルオロブチル)−N−((R)−1−(3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−(3−(トリフルオロメチル)ベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4,4−ジフルオロブチル)−N−((R)−1−(3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−(3−メチルベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4,4−ジフルオロブチル)−N−((R)−1−(3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−(3−(トリフルオロメチル)ベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4,4−ジフルオロブチル)−N−((R)−1−(1−(3−ブロモベンジル)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((R)−3−アミノ−4,4−ジフルオロブチル)−N−((R)−1−(1−(3−ブロモベンジル)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4−フルオロブチル)−N−((R)−1−(1−ベンジル−3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2−メチルプロピル)−3−(ヒドロキシメチル)モルホリン−4−カルボキサミド;
(S)−N−((S)−3−アミノ−4,4−ジフルオロブチル)−N−((R)−1−(3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−(3−イソプロピルベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;および
(S)−N−((R)−3−アミノ−4,4−ジフルオロブチル)−N−((R)−1−(3−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−(3−イソプロピルベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド;
から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグ。

【公表番号】特表2010−509365(P2010−509365A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536490(P2009−536490)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/084154
【国際公開番号】WO2008/063912
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】