説明

MDPSの自動フルターン作動制御方法

【課題】Uターンまたはフルターン時に操舵力を最小にすることができ、自動フルターンによってユーザの便宜性を増大することができるMDPSの自動フルターン作動制御方法を提供する。
【解決手段】本発明のMDPSの自動フルターン作動制御方法は、MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階、MDPSの自動フルターン作動条件を満たす場合、MDPSをフルターンで操向する段階、MDPSの自動フルターン解除条件を満たすか否かを判断する段階、およびMDPSの自動フルターン解除条件を満たす場合、MDPSの自動フルターンを解除する段階を含み、MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、MDPSの作動が正常であるかを判断する段階を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はMDPSの自動フルターン(Full−Turn)作動制御方法に係り、より詳しくは、Uターン(U−turn)など操向ホイールをフルターンする場合に運転手の操作を最小にすることができるMDPSの自動フルターン作動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリングホイールを操作するときの操作感覚の程度は、ユーザによって相違する。
車両の特性に合わせて操舵力を調整してはいるが、フィールドで操舵力が大きく必要とされる問題によって発生するクレームが指摘されている。
最近、高齢化社会への進入や女性運転手および障害者運転手の増加に伴い、全世界的な自動車開発の動向は、安全が保障される範囲内で運転手の操作力および体力消費を最小にする傾向にある。
現在、各自動車メーカーでは、多様な操舵力を提供しながら消費者の不満を解消してはいるが、ユーザはより簡便にF/TURNができる状況を要求している。
特に、車両操向において、運転手の最大の力を必要とする条件が、停車時のフルターン状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−167880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、Uターンまたはフルターン時に操舵力を最小にすることができるMDPSの自動フルターン作動制御方法の提供を目的とする。
また、Uターン時またはフルターン時に自動フルターンによってユーザの便宜性を増大することができるMDPSの自動フルターン作動制御方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的を達成するために、本発明の実施形態に係るMDPSの自動フルターン作動制御方法は、MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階、MDPSの自動フルターン作動条件を満たす場合、MDPSをフルターンで操向する段階、MDPSの自動フルターン解除条件を満たすか否かを判断する段階、およびMDPSの自動フルターン解除条件を満たす場合、MDPSの自動フルターンを解除する段階を含むことを特徴とする。
【0006】
MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、MDPSの作動が正常であるかを判断する段階を含むことを特徴とする。
【0007】
MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、MDPSフルターン作動スイッチがオン(on)であるかを判断する段階を含むことを特徴とする。
【0008】
MDPSフルターン作動スイッチは、方向指示などに統合されて備えられることを特徴とする。
【0009】
MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、車両の速度が「0」であるかを判断し、車両の速度が「0」である時間が設定された基準時間を超過したかを判断する段階を含むことを特徴とする。
【0010】
MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、変速段が走行段であるかを判断する段階を含むことを特徴とする。
【0011】
MDPSの自動フルターン解除条件は、操向角、操向角速度、ステアリングホイールトルクを含む操向情報のうち、設定された少なくともいずれか1つ以上の条件を満たせば、MDPSの解除条件を満たすことを特徴とする。
【0012】
MDPSの自動フルターン解除条件は、車速、車速変化、エンジンrpm、エンジンrpm変化を含む走行情報のうち、設定された少なくともいずれか1つ以上の条件を満たせば、解除条件を満たすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態に係るMDPSの自動フルターン作動制御方法によれば、Uターン待機などの場合に自動的にフルターンを実行することにより、Uターンなどの場合にハンドルを回す行為がなくなり、ユーザの便宜性が増大する。
特に、女性および体の不自由な者が迅速かつ安全に車線変更することができ、交通事故予防の効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るMDPSの自動フルターン作動制御システムを示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るMDPSの自動フルターン作動制御方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るMDPSの自動フルターン作動制御システムを示す構成図である。
図1に示す通り、本発明のMDPSの自動フルターン作動制御システムは、ECU(electric control unit)10、ECU10によって制御されるMDPS(Motor Driving Power Steering)20、ECU10にMDPSフルターン作動信号を伝達するMDPSフルターン作動スイッチ30、各種操向情報40をECUに伝達する各種センサまたはマップなど、および各種走行情報50をECUに伝達する各種センサまたはマップなどを含む。
【0016】
図2は、本発明のMDPSの自動フルターン作動制御方法を説明するためのフローチャートである。
図1および図2に示す通り、本発明のMDPSの自動フルターン作動制御方法は、MDPS20の自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階、MDPS20の自動フルターン作動条件を満たす場合、MDPS20を自動的に操向する段階S50、MDPS20の自動フルターン解除条件を満たすか否かを判断する段階S70、およびMDPSの自動フルターンを解除する段階S80を含む。
【0017】
MDPS20を自動的に操向する段階S50は、MDPS20の作動モータ(図示せず)を制御してステアリングホイールの操向角を最大にする作動を意味する。
MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、MDPS20の作動が正常であるかを判断する段階S10を含む。
すなわち、MDPS20の作動が正常である場合にのみ、MDPSを自動的に操向する段階S50を実行し、操向不能などによる事故を防ぐ。
【0018】
MDPS20の自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、MDPSフルターン作動スイッチ30がオンであるかを判断する段階S20を含む。
MDPSフルターン作動スイッチ30は、方向指示などに統合されて備えられてもよい。
すなわち、MDPSフルターン作動スイッチは、別途のスイッチ(図示せず)に備えられてもよく、方向指示などを2段階で操作する構成を適用することもできる。この場合、例えば、方向指示などを2段階で操作する構成を適用する場合、方向指示などの1段階は一般的な方向指示などによって作動し、方向指示などの2段階はUターンや急激な操向が必要な状況に設定してもよい。
【0019】
MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、車両の速度が「0」であるかを判断し、車両の速度が「0」である時間が設定された基準時間を超過したかを判断する段階S30を含む。
すなわち、車両が走行している場合には、本発明のMDPSの自動フルターン作動制御方法を実行せず、操向不能などを予防する。
車両の速度が「0」である時間が設定された基準時間、例えば2秒を超過した場合にのみ、Uターンなどのために車両が待機しているものと判断し、MDPSの自動フルターン作動制御方法を実行する。
MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、変速段が走行段であるかを判断する段階S40を含んでもよい。
【0020】
ここで、変速段が走行段である場合は、変速段がN段またはP段である場合を除いたものであって、変速段が走行段である場合にのみ、運転手がUターンなどを準備しているものとして設定する。
MDPSの自動フルターン解除条件は、操向角、操向角速度、ステアリングホイールトルクを含む操向情報のうち、設定された少なくともいずれか1つ以上の条件を満たせば(S70)、MDPSの自動フルターンを解除(S80)する。
すなわち、運転手がUターンなどを行う過程において、操向ホイールを作動するなど運転手の意志が介入されれば、Uターンなどが終了したり運転手がフルターンを解除しようとしているものと判断し、MDPSの自動フルターンを解除(S80)する。
【0021】
MDPSの自動フルターン解除条件は、車速、車速変化、エンジンrpm、エンジンrpm変化を含む走行情報のうち、設定された少なくともいずれか1つ以上の条件を満たせば(S70)、MDPSの自動フルターンを解除(S80)する。
すなわち、運転手がUターンなどを行う過程において、車両を設定された速度以上に加速するなど運転手の意志が介入されれば、Uターンなどが終了したり運転手がフルターンを解除しようとしているものと判断し、MDPSの自動フルターンを解除(S80)する。
前記操向情報および走行情報は、車両の種類や道路状況、運転手の運転習慣を考慮して設定されてもよい。
上記の通り、MDPSの自動フルターン作動制御方法によれば、車両の速度が0(zero)であり、レバーや別途のスイッチの信号によって制御されて必要な場合にのみ作動するため車両の運行安全に寄与し、Uターンや駐車などの急激な車両操向が必要な場合に運転手の負担を減らすことができる。
【0022】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0023】
10:ECU
20:MDPS
30:MDPSフルターン作動スイッチ
40:操向情報
50:走行情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーター駆動パワーステアリング(MDPS)の自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階、
前記MDPSの自動フルターン作動条件を満たす場合、前記MDPSをフルターンで操向する段階、
前記MDPSの自動フルターン解除条件を満たすか否かを判断する段階、および
前記MDPSの自動フルターン解除条件を満たす場合、前記MDPSの自動フルターンを解除する段階、
を含むことを特徴とするMDPSの自動フルターン作動制御方法。
【請求項2】
前記MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、
前記MDPSの作動が正常であるかを判断する段階、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のMDPSの自動フルターン作動制御方法。
【請求項3】
前記MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、
MDPSフルターン作動スイッチがオンであるかを判断する段階、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のMDPSの自動フルターン作動制御方法。
【請求項4】
前記MDPSフルターン作動スイッチは、方向指示などに統合されて備えられることを特徴とする請求項3に記載のMDPSの自動フルターン作動制御方法。
【請求項5】
前記MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、
車両の速度が「0」であるかを判断し、前記車両の速度が「0」である時間が設定された基準時間を超過したかを判断する段階、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のMDPSの自動フルターン作動制御方法。
【請求項6】
前記MDPSの自動フルターン作動条件を満たすか否かを判断する段階は、
変速段が走行段であるかを判断する段階、を含むことを特徴とする請求項1に記載のMDPSの自動フルターン作動制御方法。
【請求項7】
前記MDPSの自動フルターン解除条件は、操向角、操向角速度、ステアリングホイールトルクを含む操向情報のうち、設定された少なくともいずれか1つ以上の条件を満たせば、前記MDPSの解除条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載のMDPSの自動フルターン作動制御方法。
【請求項8】
前記MDPSの自動フルターン解除条件は、車速、車速変化、エンジンrpm、エンジンrpm変化を含む走行情報のうち、設定された少なくともいずれか1つ以上の条件を満たせば、前記MDPSの解除条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載のMDPSの自動フルターン作動制御方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−121548(P2012−121548A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133819(P2011−133819)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】(500518050)起亞自動車株式会社 (449)
【Fターム(参考)】