説明

MPEGビデオストリーム内の動きを検出する方法及び装置

ビデオ画像中の動きを検出する方法であって、ビデオ画像を与えるビデオソースにMPEG準拠エンコーダを接続する工程と、ビデオ画像中のビデオデータを圧縮して、動き補償成分を有した圧縮ビデオ画像ビットストリームを発生する工程と、発生された圧縮ビデオ画像ビットストリームを受ける工程と、動き補償成分をしきい値と比較する工程と、動き補償成分がしきい値より大きい場合に、動きが起きたことを示す工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビデオ監視に関し、特にビデオ監視システム内にビデオデータを記憶する方法及び装置に関する。
【0002】
「発明の背景」
今日の警備システムでは、典型的に1以上の監視者が一連のカメラをモニタして、正常に期待されるシーンの一部でない状況を探す。多くの場合、異常な行動は、人の走行、車の疾走、人の奇行等の動きを包含する。最近のテロリスト爆破に関する新聞記事によると、警備の注目は、空港やカフェのような公共場所で放棄されることのある対象を含むように拡張されている。放棄された対象は、可能な限り迅速に検出され、取り組まれるべき潜在的な脅威である。加えて、注意されていない犯行現場からの財産の窃盗犯は、今日の警備システム及び警備員にとって、もう1つの重要な任務である。この場合、価値のある対象の除去は、無許可の除去が防止されるべき場合には、迅速に検出されなければならない。これらの任務の全ては、長期間にわたり視覚的にモニタすることが極めて困難である。ある種の従来技術のビデオレコーダには、記録されたビデオを分析して、対象の放棄や除去を検出するソフトウエアが設けられている。しかしながら、これらの分析は、一般に実時間でなされない。更には、典型的に警備員によってモニタされる多数のカメラを用いても、集中型装置、例えばデジタルビデオレコーダや他の計算システムは、分析されるべきビデオデータの量を実際に扱うことができない。よって、動き、対象放棄及び対象除去を実時間で検出するための経済的な手法に対する必要性が長いこと感じられていた。
【0003】
[発明の要約]
本発明により、ビデオ画像中の動きを検出する方法が提供される。この方法は、ビデオ画像を与えるビデオソースにMPEG準拠エンコーダを接続する工程と、ビデオ画像中のビデオデータを圧縮して、動き補償成分を有した圧縮ビデオ画像ビットストリームを発生する工程と、発生された圧縮ビデオ画像ビットストリームを受ける工程と、動き補償成分をしきい値と比較する工程と、動き補償成分がしきい値より大きい場合に、動きが起きたことを示す工程とを備える。
【0004】
また本発明により、ビデオ画像中の放棄された対象を検出する方法が提供される。この方法は、ビデオ画像を与えるビデオソースにMPEG準拠エンコーダを接続する工程と、基準ビデオフレームを記憶する工程と、現ビデオ画像フレームを得る工程と、現ビデオ画像フレームに対する動き補償を、基準ビデオフレームを基に決定する工程と、動き補償をしきい値と比較する工程と、現ビデオ画像を圧縮する工程と、動き補償がしきい値より大きい場合に、放棄された対象が検出されたことを示す表示を、圧縮されたビデオ画像内に記憶する工程とを備える。
【0005】
本発明の別の形態では、ビデオ画像中の対象の除去を検出する方法が提供される。この方法は、ビデオ画像を与えるビデオソースにMPEG準拠エンコーダを接続する工程と、モニタされる対象を含む基準ビデオフレームを記憶する工程と、モニタされる対象の回りで関心のあるゾーンを規定する工程と、現ビデオ画像フレームを得る工程と、関心のあるゾーン内の現ビデオ画像フレームに対する動き補償を、関心のある基準ビデオフレームゾーンを基に決定する工程と、動き補償をしきい値と比較する工程と、現ビデオ画像を圧縮する工程と、動き補償がしきい値より大きい場合に、モニタされる対象の除去が検出されたことを示す表示を、圧縮ビデオ画像内に記憶する工程とを備える。
【0006】
本発明のもう1つの形態では、ビデオ画像中の動きを検出するための装置が提供される。この装置は、ビデオ画像ソースに接続されるように適用されて、2つのビデオ画像間のMPEG準拠動き補償を含む圧縮ビデオ画像を与えるエンコーダと、このエンコーダに接続されて、動き補償を所定のしきい値と比較し、動き補償が前記所定のしきい値より大きいかを決定し、動き補償が前記所定のしきい値より大きい場合に表示を与える比較器とを備える。
【0007】
本発明の更にもう1つの形態では、ビデオ画像中の放棄された対象を検出するための装置が提供される。この装置は、ビデオ画像ソースに接続されるように適用されて、2つのビデオ画像間のMPEG準拠動き補償を含む圧縮ビデオ画像を与えると共に、現ビデオ画像フレームを記憶するための第1のメモリ及びプロセッサを有するエンコーダと、基準ビデオ画像を記憶するための第2のメモリとを備え、前記プロセッサは、前記第1のメモリに記憶されている現ビデオ画像に対する動き補償を、前記第2のメモリに記憶されている基準ビデオ画像を用いて決定し、そして前記動き補償をしきい値と比較し、前記動き補償が前記しきい値より大きい場合に、放棄された対象が検出されたことを示す表示を、現フレーム用の圧縮画像内に与える。
【0008】
本発明の別の1つの形態では、ビデオ画像中の対象の除去を検出するための装置が提供される。この装置は、ビデオ画像ソースに接続されるように適用されて、2つのビデオ画像間のMPEG準拠動き補償を含む圧縮ビデオ画像を与えると共に、現ビデオ画像フレームを記憶するための第1のメモリ及びプロセッサを有するエンコーダと、モニタされる対象を含んだ基準ビデオ画像を記憶するための第2のメモリとを備え、前記プロセッサは、関心のあるゾーンが基準画像内の対象の回りで規定されることを可能にすると共に、前記第1のメモリに記憶されている現ビデオ画像内の関心のあるゾーンに対する動き補償を、前記第2のメモリに記憶されている基準ビデオ画像の関心のあるゾーンを用いて決定し、そして前記動き補償をしきい値と比較し、前記動き補償が前記しきい値より大きい場合に、対象の除去が検出されたことを示す表示を、現フレーム用の圧縮画像内に与える。
【0009】
本発明は、動き、放棄された対象、及び対象の除去を実時間で検出する方法及び装置を、MPEG準拠システムに与える。それは、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイのような追加の回路を必要とせずに、あまり高価でない小型な加工時間の少ないシステムを提供する。代替実施形態では、動き補償は、MPEG規格ビットストリーム内の動きベクターである。他の実施形態では、動き補償は、動きベクターか、2フレーム間歪みの絶対値の合計か、両者であって、MPEG規格ビットストリームのメタデータ部分に記憶されている。ここで使用されているように、フレームは、ビデオフレーム全体か、ビデオ画像からなるブロックの一部だけを含んだビデオフレームの一部を意味する。
本発明の他の利点及び応用は、以下の発明の好ましい実施形態の詳細な説明によって明かにされるであろう。
【0010】
[発明の詳細な説明]
動画用のMPEGビデオ符号化規格、例えばMPEG−1、MPEG−2、及びMPEG−4は、ピクチャ内容を過去の再構築された画像から符号化前に予測し、そして再構築されたピクチャとの差、及び予測するために必要な余分な情報だけが符号化される。MPEG規格は、エンコーダによって圧縮ビデオ画像に対して発生されたビットストリームフォーマットを特定する。この標準ビットストリームはそれから、デコーダによって復号され、圧縮画像から元のビデオ画像を再生する。MPEGストリームは通常、ピクチャを符号化した一連のデータフレームからなる。データフレームの3タイプは、Iフレームと、Pフレームと、Bフレームとである。Iフレームは、過去又は未来のフレームを参照することなく、単一画像として符号化される。Pフレーム(予測)は、PフレームかIフレームである過去の基準フレームに関連して符号化される。過去の基準フレームは、最近接の先行基準フレームである。Bフレーム(双方向予測)は、過去の基準フレームか、未来の基準フレームか、又は双方のフレームに関連して符号化される。未来の基準フレームは、最近接の後続基準フレームであり、IフレームかPフレームのいずれかである。フレームのシリーズは、この技術分野ではグループオブピクチャ(GOP)と呼ばれるが、多くの異なる構成をとることができる。Iフレーム、Pフレーム、及びBフレームの比は、ビデオストリームの性質と、ネットワーク及びシステムの帯域幅の制約と、ビデオストリームを符号化するに必要な時間とによって決定される。Iフレームは、直接符号化され得るが、Pフレーム及びBフレームは、動き補償プロセスに導入される。Pフレーム及びBフレームは、時間的冗長性について符号化される。Pフレーム又はBフレーム内の各マクロブロックは、エンコーダによって、それと良好に相関付けられた前又は次フレーム内のエリアに関連付けられる。エンコーダは、動きベクターを使用する。動きベクターは、マクロブロックをその相関付けられたエリアに対してマッピングする。動き補償は、過去のピクチャからのピクセルのブロックを再配置することによって、ピクセルの値を予測することに使用される。この動きは、2次元ベクター又はその最後の位置からの移動によって既述される。この動きベクター及び2つのエリア間の差は、それから符号化される。
【0011】
多数の市販エンコーダチップがある。例えば、WISchipインターナショナル社から市販されているGO7007SB型ストリーミングメディア・エンコーダチップは、未処理のデジタルビデオをMPEG−4又はMPEG−2フォーマットに圧縮できる。ビデオ圧縮は、空間的及び時間的冗長性を除去することによって達成される。時間的冗長性を除去するために、動き補償と呼ばれるプロセスが予め形成される。このプロセスでは、各到来画像が16×16又は8×8のブロックに分割される。各ブロックに対して最も良く適合するものは、前フレームから見出される。時間的冗長性は、最良適合ブロックを前フレームに使用して、現フレーム内のブロックを表すことによって低減される。動き補償のプロセスは、前フレームの所定範囲のエリアを通してサーチすることによって、現フレーム内の各ブロックに対する最良適合を見出すことである。現フレーム内のブロックと前フレーム内のブロックとの間の絶対歪みの合計が計算される。最小歪みを持つものが最良適合になる。本発明の1つの実施形態では、MPEG準拠エンコーダチップによって標準MPEGビットストリーム内に記憶された動きベクターは、ビデオフレーム内の動きを検出することに使用される。もう1つの実施形態では、MPEG準拠エンコーダチップは、例えばそのファームウエアにおいて変形され、動きベクターか、フレーム間歪みの絶対値の合計か、あるいは双方を与え、またそれらをシンタックスのメタデータ部分に記憶する。
【0012】
図1は、本発明の1つの実施形態を描いている。カメラ10は、エンコーダ12に接続されている。このエンコーダは、フレーム用の動きベクターを与える工業基準MPEGエンコーダチップか、ビットストリームのメタデータ部分におけるフレーム間歪みの絶対値の合計と動きベクターとを与える変形MPEGエンコーダチップである。エンコーダ12は、処理ユニット14に接続されている。この処理ユニットは、警備システムの中央プロセッサか、ネットワーク中にログされたユーザのパーソナルコンピュータか、デジタルデコーダ等である。処理ユニット14は、閉ネットワークか、ローカルエリアネットワークか、ワイドエリアネットワーク、例えばインターネットによってエンコーダ12に接続される。処理ユニット14は、本発明の技術を実施するためのソフトウエア、ファームウエア、又はハードウエアを持つことができる。エンコーダ12は、カメラ10からビデオ画像を受信して、それらをMPEG規格に従って圧縮する。
【0013】
図2を参照すると、本発明を実施する方法についてのフローチャートが示されている。このフローチャートは、図1の処理ユニット14で実施可能である。ブロック16において、しきい値が選択される。このしきい値は、デコーダ14からの圧縮ビデオ信号の動き補償成分において検出された変化に対するシステムの感度を決定する。動き補償成分は、MPEG規格ビットストリームの動きベクターか、あるいは上述した変形MEPGエンコーダチップ内のメタデータに記憶された動きベクター又は2フレーム間歪みの絶対値の合計である。このしきい値はそれから、未来の基準用にメモリに記憶される。ブロック20において、処理ユニット14は、現ビデオフレームに対する動き補償を得、そしてブロック22において、その動き補償をしきい値と比較する。それから処理ユニット14は、判断点24において、動き補償がしきい値より大きいか否かを決定する。現ビデオフレームに対する動き補償がしきい値より大きくない場合、処理ユニット14はブロック20に戻って、次の現ビデオフレームに対する動き補償を得る。現ビデオフレームに対する動き補償がしきい値より大きい場合、ブロック26において、処理ユニット14は、動きが検出されたことを示す。この表示は、それから、警報を鳴らしたり、ビデオレコーダや他の適切な行動をスタートさせることに使用できる。
【0014】
図3は、本発明のもう1つの実施形態を描いている。この実施形態では、付加的メモリ又はバッファが標準MPEGエンコーダチップに追加され、付加的機能性を与えて、放棄された対象又はモニタされている対象の除去を検出する。現フレームバッファ28と、前フレームバッファ30と、基準フレームバッファ32は、プロセッサ34に接続され、このプロセッサは、その出力にMPEG準拠圧縮ビデオ信号を与える。加えて、所定長の時間を示すユーザからの入力を記憶するための時間バッファ36が示されている。この所定長の時間は、放棄されたものと示されるために、対象が存在しなければならない時間であるか、あるいは除去されたものと示されるために、モニタされている対象が行方不明でなければならない時間である。時間をモニタするためのタイマ38は、明瞭化のために独立して示されているが、これは、プロセッサ34内で又は他の好適な手段によって実施され得る。しきい値バッファ39もまたプロセッサ34に接続され、所望のシステム感度をユーザから受ける。
【0015】
図3及び4を参照すると、放棄された対象の検出を実施する方法が開示されている。ブロック40では、基準ビデオフレームが、その中の意図された対象だけ、即ち、正常に期待される背景と他の要素だけを伴って捕捉される。ブロック42で、この基準ビデオフレームは、基準バッファ32に記憶される。しきい値又は感度は、ブロック44でユーザによって選択され、そしてブロック46で記憶される。ユーザはそれから、ブロック48で所定長の時間を選択し、そしてブロック50において、この所定長の時間は、時間バッファ36に記憶される。タイマ38は、ブロック52において、プロセッサ34によってゼロにセットされる。それからブロック54において、プロセッサ34は、現ビデオフレームを現フレームバッファ28から得る。プロセッサ34はそれから、ブロック58において、現ビデオフレームに対する動き補償を、基準バッファ32内の基準ビデオフレームを基にブロックで決定し、そして動き補償としきい値バッファ39からのしきい値を比較する。上記で論じられたように、動き補償は、動きベクターであるか、又はフレーム間歪みの絶対値の合計であり得る。判断点60において、プロセッサ34は、動き補償がしきい値より大きいかを決定する。動き補償がしきい値より大きくない場合、プロセッサ34はブロック52に戻って、タイマ38をゼロにセットする。動き補償がしきい値より大きい場合、プロセッサ34は判断点62に進んで、タイマ38がスタートされているかを決定する。タイマ38がスタートされていない場合、プロセッサ34はタイマ38をスタートさせ、それからブロック54に戻って、次の現ビデオフレームを得る。タイマ38がスタートされている場合、プロセッサ34は、判断点66において、タイマ38上の時間が時間バッファ36に記憶されている所定時間より大きいかを決定する。タイマ38上の時間が所定時間より大きくない場合、プロセッサ34はブロック54に戻って、次の現ビデオフレームを得る。タイマ38上の時間が所定時間より大きい場合、プロセッサ34はブロック68に進んで、放棄された対象が検出されたことを示す表示を、圧縮された現フレームに記憶する。この表示は、例えばシンタックスのメタデータ部分に記憶され得る。
【0016】
同様に図5では、対象が除去されたかを検出する方法が示されている。ブロック70において、モニタされる対象を持つ基準フレームが捕捉され、そしてブロック72において、ユーザによって、モニタされる対象の回りで関心のあるゾーンが規定される。ブロック74において、基準ビデオフレーム及び関心のあるゾーンが基準フレームバッファ32に記憶される。しきい値は、ブロック76で選択され、そしてブロック78で記憶される。ブロック80及び82では、所定の期間が選択され、そして記憶される。プロセッサ34は、ブロック84でタイマ38をゼロにセットし、そしてブロック86で現ビデオフレームを得る。ブロック88において、プロセッサ34は、関心のあるゾーンにおける現ビデオフレームに対する動き補償を、基準ビデオフレームの関心のあるゾーンを基に決定する。プロセッサ34は、それからブロックで、動き補償をしきい値と比較し、そして判断点92において、動き補償がしきい値より大きいかを決定する。動き補償がしきい値より大きくない場合、プロセッサ34はブロック84に戻り、そしてタイマ38をゼロにセットする。動き補償がしきい値より大きい場合、プロセッサ34は判断点94に進んで、タイマ38がスタートされたかを決定する。タイマ38がスタートされてない場合、それはブロック96でスタートされ、そしてプロセッサ34はブロック86に戻って、次の現ビデオフレームを得る。タイマ38がスタートされていた場合、プロセッサ34は、判断点98において、タイマ38上の時間が所定期間より大きいかを決定する。その時間が所定期間より大きくない場合、プロセッサ34はブロック86に戻って、次の現ビデオフレームを得る。その時間が所定期間より大きい場合、プロセッサ34はブロック100に進み、そしてモニタされている対象の除去が検出されたことを示す表示を、圧縮された現フレームに記憶する。この表示は、例えばシンタックスのメタデータ部分に記憶され得る。
【0017】
各ブロックに対して1ブロック歪み計算がなされるように、基準フレームが設けられている。ビデオ圧縮におけるブロック歪み計算の数は、サーチ範囲に依存する。例えば、サーチ範囲は、水平及び垂直方向の双方について−7から8である。各ブロックに対するブロック歪み計算の数は、16×16又は256である。計算の増加は非常に小さく、この例については0.5%未満である。
動き補償用のステップに加えて、基準フレーム用に包含された計算ステップは、以下に示される。
【0018】
仮定:
(16×16)はブロックサイズであり、
サーチ範囲は水平及び垂直方向の双方について−7から8である。
フレームPからのブロック(m,n)={p(i,j)|m<i≦m+16及び n<j≦n+16}であり、
ここでp(i,j)は(i,j)位置におけるピクセルに対するピクセル強度値であり、
I及びJは水平及び垂直方向のブロックの数である。
【0019】
動き補償は、以下のように説明できる。
【0020】

【0021】
放棄された対象あるいは行方不明の対象の検出を達成するための余分な計算は、次の通りである。
【0022】

【0023】
前述の方法は、フレーム全体に対する動きベクター又はフレーム間歪みの絶対値の合計に関して説明されたが、これらの方法は、フレームの部分だけ、即ちフレームが分割されるブロックの一部だけに関して使用され得る。ここで使用されているように、フレームという用語は、フレーム全体又はフレームの一部に言及しているものと理解されるべきである。フレームの一部だけを選択することによって、これら方法の性能を、例えば放棄された対象や、モニタされた対象の除去を検出することに関して、強化することができる。
【0024】
本発明の変形例及び修正例が、この発明の範囲を逸脱することなく、なされることは理解されるべきである。また、この発明の範囲は、ここに開示された特定の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、前述の開示に照らして解読したときに、添付された請求の範囲に従ってのみ解釈されるべきものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の1つの実施形態を描いたブロック図である。
【図2】本発明を実施する方法を描いたフローチャートである。
【図3】本発明のもう1つの実施形態を描いたブロック図である。
【図4】本発明を実施する方法を描いたフローチャートである。
【図5】本発明を実施する方法を描いたフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ画像中の放棄された対象を検出する方法であって、
ビデオ画像を与えるビデオソースにMPEG準拠エンコーダを接続する工程と、
基準ビデオフレームを記憶する工程と、
現ビデオ画像フレームを得る工程と、
現ビデオ画像フレームに対する動き補償を、基準ビデオフレームを基に決定する工程と、
動き補償をしきい値と比較する工程と、
現ビデオ画像を圧縮する工程と、
動き補償がしきい値より大きい場合に、放棄された対象が検出されたことを示す表示を、圧縮されたビデオ画像内に記憶する工程と
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
動き補償がしきい値より大きいときに、タイマーをスタートする工程と、
しきい値より大きい動き補償を有する各々の現ビデオフレームに対してタイマーをインクリメントし続ける工程と、
現ビデオフレームがしきい値より小さい動き補償を有する場合に、タイマーをリセットする工程と、
タイマーを所定の期間と比較する工程と、
タイマーが所定の期間より大きい場合に、放棄された対象が検出されたことを示す工程と
を更に備えた請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ビデオ画像中の対象の除去を検出する方法であって、
ビデオ画像を与えるビデオソースにMPEG準拠エンコーダを接続する工程と、
モニタされる対象を含む基準ビデオフレームを記憶する工程と、
モニタされる対象の回りで関心のあるゾーンを規定する工程と、
現ビデオ画像フレームを得る工程と、
関心のあるゾーン内の現ビデオ画像フレームに対する動き補償を、関心のある基準ビデオフレームゾーンを基に決定する工程と、
動き補償をしきい値と比較する工程と、
現ビデオ画像を圧縮する工程と、
動き補償がしきい値より大きい場合に、モニタされる対象の除去が検出されたことを示す表示を、圧縮ビデオ画像内に記憶する工程と
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項4】
動き補償がしきい値より大きいときに、タイマーをスタートする工程と、
しきい値より大きい動き補償を有する各々の現ビデオフレームに対してタイマーをインクリメントし続ける工程と、
現ビデオフレームがしきい値より小さい動き補償を有する場合に、タイマーをリセットする工程と、
タイマーを所定の期間と比較する工程と、
タイマーが所定の期間より大きい場合に、モニタされる対象の除去が検出されたことを示す工程と
を更に備えた請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ビデオ画像中の放棄された対象を検出するための装置であって、
ビデオ画像ソースに接続されるように適用されて、2つのビデオ画像間のMPEG準拠動き補償を含む圧縮ビデオ画像を与えると共に、現ビデオ画像フレームを記憶するための第1のメモリ及びプロセッサを有するエンコーダと、
基準ビデオ画像を記憶するための第2のメモリとを備え、
前記プロセッサは、前記第1のメモリに記憶されている現ビデオ画像に対する動き補償を、前記第2のメモリに記憶されている基準ビデオ画像を用いて決定し、そして前記動き補償をしきい値と比較し、前記動き補償が前記しきい値より大きい場合に、放棄された対象が検出されたことを示す表示を、現フレーム用の圧縮画像内に与えることを特徴とする装置。
【請求項6】
タイマーを更に備え、前記プロセッサは、動き補償がしきい値より大きいときに、前記タイマーをスタートし、また各後続の現ビデオ画像に対する動き補償がしきい値より大きい動き補償を有する場合に、タイマーを継続して増加させると共にタイマーを所定の時間と比較し、そしてタイマーが所定の時間より大きい場合に、放棄された対象が検出されたことを示す表示を、現フレーム用の圧縮画像に与えるように適用される請求項5に記載の装置。
【請求項7】
ビデオ画像中の対象の除去を検出するための装置であって、
ビデオ画像ソースに接続されるように適用されて、2つのビデオ画像間のMPEG準拠動き補償を含む圧縮ビデオ画像を与えると共に、現ビデオ画像フレームを記憶するための第1のメモリ及びプロセッサを有するエンコーダと、
モニタされる対象を含んだ基準ビデオ画像を記憶するための第2のメモリとを備え、
前記プロセッサは、関心のあるゾーンが基準画像内の対象の回りで規定されることを可能にすると共に、前記第1のメモリに記憶されている現ビデオ画像内の関心のあるゾーンに対する動き補償を、前記第2のメモリに記憶されている基準ビデオ画像の関心のあるゾーンを用いて決定し、そして前記動き補償をしきい値と比較し、前記動き補償が前記しきい値より大きい場合に、対象の除去が検出されたことを示す表示を、現フレーム用の圧縮画像内に与えることを特徴とする装置。
【請求項8】
タイマーを更に備え、前記プロセッサは、動き補償がしきい値より大きいときは、前記タイマーをスタートし、また各後続の現ビデオ画像に対する動き補償がしきい値より大きい動き補償を有する場合に、タイマーを継続して増加させると共にタイマーを所定の時間と比較し、そしてタイマーが所定の時間より大きい場合は、対象の除去が検出されたことを示す表示を、現フレーム用の圧縮画像に与えるように適用される請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記動き補償は、動きベクターである請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記動き補償は、フレーム間歪みの絶対値の合計である請求項5に記載の装置。
【請求項11】
前記動き補償は、動きベクターである請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記動き補償は、フレーム間歪みの絶対値の合計である請求項7に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−505562(P2008−505562A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519515(P2007−519515)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/023694
【国際公開番号】WO2006/017058
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(505363455)ペルコ (5)
【氏名又は名称原語表記】Pelco
【住所又は居所原語表記】3500 Pelco Way,Clovis,California 93612,U.S.A.
【Fターム(参考)】