説明

PI3K活性を有する治療剤としての3−アリールオキシ置換ベンゾ(b)チオフェンおよび3−ヘテロアリールオキシ置換ベンゾ(b)チオフェン

本発明は、式(I)
【化1】


[式中、R1、R2、R3、R4、R5、およびLは、明細書中でそれについて規定された意義のいずれかを有する]のベンゾ[b]チオフェン、およびその薬学的に許容しうる塩を提供し、これらは、炎症性疾患、心臓血管疾患、および癌を含む疾患および状態の処置における薬剤として有用である。1つまたはそれ以上の式(I)の化合物を含む医薬組成物もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許仮出願番号60/475,970(2003年6月5日出願、その教示は、本明細書に参照によって加入する)の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
ホスホイノシチド−3−キナーゼ(PI3K)は、ホスホイノシトールを3’−OHにおいてリン酸化してPI−3−P(ホスファチジルイノシトール3−リン酸)、PI−3,4−P2およびPI−3,4,5−P3を生成する脂質キナーゼのファミリーである。成長因子により刺激されるPI3Kの1つのクラス。PI3Kの別のクラスは、Gタンパク質共役レセプターにより活性化され、PI3Kγを含む。成長因子に刺激されるPI3K(例えば、PI3Kα)は、細胞増殖および癌への関与が示唆されてきた。PI3Kγは、シグナル伝達カスケードに関与することが示されてきた。例えば、PI3Kγは、C5a、fMLP、ADPおよびIL−8のようなリガンドに応じて活性化される。さらに、PI3Kγは、免疫疾患への関与が示唆されてきた(Hirschら、Science 2000;287:1049−1053)。PI3Kγを無効にしたマクロファージは、低下した走化性応答および炎症に対する低下した抵抗力を示す(Hirschら、2000、前出)。さらに、PI3Kγはまた、血栓崩壊性疾患(例えば、血栓塞栓症、虚血性疾患、心臓発作、および卒中)への関与が示唆されてきた(Hirschら、FASEB J.2000;15(11):2019−2021;およびHirschら、FASEB J.,2001年7月9日;10.1096/fj.00−0810fje(本明細書中にHirschら,2001として引用される)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
PI3Kのメンバーの阻害剤は、ヒト疾患の処置のために開発されている(例えば、WO01/81346;WO01/53266;およびWO01/83456を参照のこと)。薬剤として使用するためにPI3Kを阻害することができるさらなる化合物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一局面において、本発明は、式I:
【化1】

[式中、R2およびR3は、
(i)R2がメトキシであり、そしてR3が、H、メチル、およびメトキシからなる群より選択される;
(ii)R2がメチルであり、そしてR3がメトキシである;
(iii)R2が−O−CHF2であり、そしてR3がメチルである;
(iv)R2が−OHであり、そしてR3がメチルである;
(v)R2がシクロプロピルオキシであり、そしてR3が、H、メチル、およびメトキシからなる群より選択される;
(vi)R2が−O−CHF2であり、そしてR3がシクロプロピルオキシである;ならびに
(vii)R2がエトキシであり、そしてR3がメチルである;
からなる群より選択され、
式中、R4は、HまたはCH3であり;
式中、R5は、HまたはCH3であり;
式中、Lは、存在しないか、C1−C4アルキレンまたはC1−C4アルキレン−C(O)−であり;
式中R1は、基(a)、(b)、(c)、もしくは(d)で置換される置換フェニルであるか;または
1は、ナフタレニル、5員ヘテロアリール、6員ヘテロアリール、ピリミジニル、ピリジニル、キノリニル、およびインダニルからなる群より選択される場合により置換された基であり、ここで該場合により置換された基は、(a)、(b)、(c)、もしくは(d)で置換され得;
【0005】
ここで該基(a)、(b)、(c)、もしくは(d)は、
(a)Br、F、Cl、−CN、−NO2、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、−CH2CH2−Br、−CH2CH2−S−(t−ブチル)、O−C1−C6アルキル、−C(NH)(NH2)、−NH−C(O)−CH3、NH2、N(CH32、−CH2−C(O)−O−CH2CH3、C(O)−C1−C4アルキル、およびC(O)Hからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基;
(b)J−R8である1個の置換基
[ここでJは、存在しないか、−O−、C1−C4−アルキレン、O−C1−C4−アルキレン、C1−C4−アルキレン−C(O)−、もしくはC1−C4−アルキレン−S−であり、
ここで、R8は、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラニル、5員ヘテロシクロアルキル、もしくは6員ヘテロシクロアルキルからなる群より選択される場合により置換される基であり、該基は、Br、F、Cl、−CN、−NO2、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C(NH)(NH2)、NH−C(O)−CH3、NH2、N(CH32、−C(O)−NH2、C(O)−CH3、−C(O)−C1−C4アルキル、C(O)H、およびC(O)−C(CH32−NH−C(O)−O−t−ブチルからなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換される];
(c)Z−R9である1個の置換基
[ここで、Zは、存在しないか、−O−、−C1−C6アルキレン、−O−C1−C6アルキレン、−C(O)−、もしくは−CH(OH)−、−C1−C4アルキレン−S−、−C1−C6アルキレン−O−、もしくはC1−C4−アルキレン−C(O)−であり;
ここで、R9は、4個のメチル基、もしくは=O、Br、F、Cl、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、−C(O)−NH2、CH2−O−CH3、ピペリジニル、および1,3−ジオキソラン−2−イルからなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されるC4−C7シクロアルキルである];ならびに
(d)(a)より独立して選択される1もしくは2個の置換基、および(b)もしくは(c)の1個の置換基;である]
のベンゾ[b]チオフェンまたはその薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0006】
式Iの特定の実施態様において、R2はメトキシであり、そしてR3はメチルである−式II:
【化2】

の化合物。
【0007】
式IIの特定の実施態様において、R1は、置換フェニルである。式IIの特定の実施態様において、R1は、基(a)、(b)、(c)、または(d):
(a)Br、F、Cl、−CN、−NO2、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、−CH2CH2−Br、−CH2CH2−S−(t−ブチル)、O−C1−C6アルキル、−CH2−C(O)−O−CH2CH3、およびC(O)−C1−C4アルキルからなる群より独立して選択される、1〜3個の置換基;
(b)J−R8である1個の置換基
[ここで、Jは、存在しないか、−O−、C1−C4−アルキレン,O−C1−C4−アルキレン、C1−C4−アルキレン−C(O)−、またはC1−C4−アルキレン−S−であり、
ここでR8は、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラニルからなる群より選択される場合により置換された基であり、該基は、Br、F、Cl、−CN、−NO2、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、−O−C1−C6アルキル、および−C(O)−NH2からなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換される];
(c)Z−R9である1個の置換基
[ここで、Zは、存在しないか、−O−、−C1−C6アルキレン、−O−C1−C6アルキレン、−C1−C6アルキレン−O−、またはC1−C4−アルキレン−C(O)−であり;
ここでR9は、=O、Br、F、Cl、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、および−C(O)−NH2からなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されるC4−C7シクロアルキルである];ならびに
(d)(a)より独立して選択される1または2個の置換基、および(b)または(c)の1個の置換基;
で置換される置換フェニルである。
【0008】
式IIの化合物の例としては、
{4−[5−メトキシ−6−メチル−2−(2H−テトラゾール−5−イルカルバモイル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]−フェニル}−酢酸エチルエステル;
3−(4−イソプロピル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−(4−シクロペンチルオキシ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−(4−ブロモ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−(4−フルオロ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−(4−クロロ−2−フルオロ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ
[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
5−メトキシ−6−メチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−[4−(1−カルバモイル−シクロペンチル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
5−メトキシ−6−メチル−3−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−[4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
5−メトキシ−6−メチル−3−(2−ニトロ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−(2−クロロ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;および
3−(2−シアノ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;が挙げられるが、これらに限定されない。
【0009】
式Iの特定の実施態様において、R2はメトキシであり、そしてR3はメトキシである−式III:
【化3】

の化合物。
【0010】
式IIIの特定の実施態様において、R1は置換フェニルである。式IIIの化合物の例は、3−(2−シクロヘキシルメトキシ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミドである。
【0011】
式Iの特定の実施態様において、R2は、メチルであり、そしてR3はメトキシである−式IV:
【化4】

の化合物。
【0012】
式IVの特定の実施態様において、R1は、置換フェニルである。式IVの化合物の例は、3−(3−シアノ−フェノキシ)−6−メトキシ−5−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドである。
【0013】
式Iの特定の実施態様において、R2は、−O−CHF2であり、そしてR3は、メチルである−式V:
【化5】

の化合物。
【0014】
式Vの特定の実施態様において、R1は、置換フェニルである。式Vの化合物の例は、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ジフルオロメトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドである。
【0015】
式Iの特定の実施態様において、R2は−OHであり、そしてR3はメトキシである−式VI:
【化6】

の化合物。
【0016】
式VIの特定の実施態様において、R1は、置換フェニルである。式VIの化合物の例は、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ヒドロキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドである。
【0017】
式Iの特定の実施態様において、R2はメトキシであり、そしてR3はHである−式VII:
【化7】

の化合物。
【0018】
式VIIの特定の実施態様において、R1は、置換フェニルである。式VIIの化合物の例は、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドである。
【0019】
式Iの特定の実施態様において、R2は、シクロプロピルオキシであり、そしてR3は、H、メチル、メトキシからなる群より選択される;−式VIII:
【化8】

の化合物。
【0020】
式Vの特定の実施態様において、R1は、置換フェニルである。式Vの化合物の例は、3−(4−シクロヘキシル−フェニル)−5−シクロプロピル−6−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドである。
【0021】
式Iの特定の実施態様において、R2は、−O−CHF2であり、そしてR3はシクロプロピルオキシである−式IX:
【化9】

の化合物。
【0022】
式IXの特定の実施態様において、R1は、置換フェニルである。式IXの化合物の例は、3−(4−シクロヘキシル−フェニル)−6−シクロプロピル−5−ジフルオロメチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドである。
【0023】
式Iの特定の実施態様において、R2はエトキシであり、そしてR3はメチルである−式X:
【化10】

の化合物。
【0024】
式Xの特定の実施態様において、R1は置換フェニルである。式Xの化合物の例は、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−エトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミドである。
【0025】
式Iの特定の実施態様において、R1は置換フェニルである−式XI:
【化11】

[式中、R6は、上述した基(a)、(b)、(c)、および(d)より選択される基である]の化合物。式XIの特定の実施態様において、R2またはR3はメトキシである。式XIの他の実施態様において、Lは、C1−C4アルキレンまたはC1−C4アルキル−C(O)−である。式XIの化合物の例は、3−(2−シアノ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドである。
【0026】
特定の実施態様において、R1は、非置換フェニルである−式XII:
【化12】

[式中、Lは、C2−C4アルキレンまたはC2−C4アルキル−C(O)−である]の化合物。
【0027】
式XIIの特定の実施態様において、R2はメトキシでありそしてR3はメトキシである。式IIの化合物の例としては、
5,6−ジメトキシ−3−((S)−1−メチル−2−フェニル−エトキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
5,6−ジメトキシ−3−(3−フェニル−プロポキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド;および
5,6−ジメトキシ−3−(2−メチル−2−フェニル−プロポキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド、
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
別の局面において、本発明は、治療有効量の式I〜XIIの化合物および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、これらの組成物は、PI3K媒介障害または状態の処置において有用である。本発明の化合物はまた、癌、血栓崩壊性疾患、心臓疾患、卒中、炎症性疾患(例えば、慢性関節リウマチ)、または別のPI3K媒介障害の処置に有用である化合物をさらに含む医薬組成物に配合され得る。
【0029】
別の局面において、本発明は、PI3K媒介障害または状態に罹患している被験体に、治療有効量の式I〜XIIの化合物および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物を投与することを含む、PI3K媒介障害または状態に罹患している被験体を処置する方法を提供する。特定の実施態様において、PI3K媒介状態または障害は、慢性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患、および自己免疫疾患からなる群より選択される。他の実施態様において、PI3K媒介状態または障害は、心臓血管疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、深静脈血栓症、卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、血栓塞栓症、肺塞栓症、血栓崩壊性疾患、急性動脈虚血、末梢血栓性閉塞、および冠動脈疾患からなる群より選択される。さらに他の実施態様において、PI3K媒介状態または障害は、癌、結腸癌、神経膠芽細胞腫、子宮内膜腫、肝細胞癌、肺癌、黒色腫、腎細胞癌、甲状腺癌、細胞リンパ腫、リンパ増殖性障害、小細胞肺癌、扁平上皮肺癌、神経膠腫、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頸癌、および白血病からなる群より選択される。なお別の実施態様において、PI3K媒介状態または障害は、II型糖尿病からなる群より選択される。さらに他の実施態様において、PI3K媒介状態または障害は、呼吸疾患、気管支炎、ぜん息、および慢性閉塞性肺疾患からなる群より選択される。特定の実施態様において、被験体はヒトである。
【0030】
定義
本明細書中で使用される場合、以下の用語は、他に指定がなければそれが有するとされる意味を有する。
【0031】
「PI3K媒介障害または状態」は、障害または状態の、開始、1つもしくはそれ以上の症状もしくは疾患マーカーの発現、重篤度または進行における1つまたはそれ以上のPI3KまたはPI3Pホスファターゼ(例えば、PTEN)の関与により特徴づけられる。PI3K媒介障害および状態としては、慢性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患、肺線維症、自己免疫疾患、心臓血管疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、深静脈血栓症、卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、血栓塞栓症、肺塞栓症、血栓崩壊性疾患、急性動脈虚血、末梢血栓性閉塞、冠動脈疾患、癌、乳癌、神経膠芽細胞腫、子宮内膜腫、肝細胞癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、腎細胞癌、甲状腺癌、小細胞肺癌、扁平上皮肺癌、神経膠腫、前立腺癌、卵巣癌、子宮頸癌、白血病、細胞リンパ腫、リンパ増殖性障害、II型糖尿病、呼吸疾患、気管支炎、ぜん息、および慢性閉塞性肺疾患が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
PI3Kは、ホスホイノシトールの3’−OHをリン酸化してPI3Pを生成することができる酵素である。PI3Kとしては、PI3Kα、P13Kβ、PI3Kγ、およびPI3Kδが挙げられるがこれらに限定されない。PI3Kは、典型的には、少なくとも1つの触媒サブユニット(例えば、p110γ)を含み、そして調節サブユニット(例えば、pl01など)をさらに含み得る。
【0033】
用語「アルキル基」または「アルキル」は、直鎖および分枝鎖の炭素鎖ラジカルを含む。用語「アルキレン」とは、非置換アルカンまたは置換アルカンのジラジカルをいう。例えば、「C1-6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である。直鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。分枝鎖アルキル基の例としては、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルキレン基の例としては、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH2−CH(CH3)−CH2−、および−(CH21-6が挙げられるがこれらに限定されない。アルキレン基は、アルキルについて以下に述べる基で置換され得る。
【0034】
さらに、用語アルキルは、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含み、後者は、炭化水素骨格の1つまたはそれ以上の炭素上の水素と置き換わる(例えば、1、2、3、4、5または6個の炭素上の水素と置き換わる)置換基を有するアルキル部分を指す。このような置換基としては、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、ハロ、I、Br、Cl、F、−OH、−COOH、スルフヒドリル、(C1−C6−アルキル)S−、C1−C6−アルキルスルフィニル、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、−NH2、=O、=S、=N−CN、=N−OH、−OCH2F、−OCHF2、−OCF3、−SCF3、−SO2−NH2、C1−C6−アルコキシ、−C(O)O−(C1−C6アルキル)、−O−C(O)−(C1−C6アルキル)、−C(O)−NH2、−C(O)−N(H)−C1−C6アルキル、−C(O)−N(C1−C6アルキル)2、−OC(O)−NH2、−C(O)−H、−C(O)−(C1−C6アルキル)、−C(S)−(C1−C6アルキル)、−NR7072を挙げることができるがこれらに限定されず、ここでR70およびR72は、H、C1−C6−アルキル、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、およびC(O)−C1−C6−アルキルよりそれぞれ独立して選択される。
【0035】
従って、典型的な置換アルキル基は、アミノメチル、2−ニトロエチル、4−シアノブチル、2,3−ジクロロペンチル、および3−ヒドロキシ−5−カルボキシヘキシル、2−アミノエチル、ペンタクロロエチル、トリフルオロメチル、2−ジエチルアミノエチル、2−ジメチルアミノプロピル、エトキシカルボニルメチル、メタニルスルファニルメチル、メトキシメチル、3−ヒドロキシペンチル、2−カルボキシブチル、4−クロロブチル、およびペンタフルオロエチルである。
【0036】
「アルコキシ」とは、酸素を介して結合している上述のアルキル基をいい、その例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシなどが挙げられる。さらに、アルコキシとは、O−(CH22−O−CH3などのようなポリエーテルを指す。用語「アルコキシ」は、置換アルコキシ基および非置換アルコキシ基の両方を含むことが意図される。アルコキシ基は、アルキルについて上述される基のような基で炭素原子上を置換され得る。典型的な置換アルコキシ基としては、アミノメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−ジエチルアミノエトキシ、2−エトキシカルボニルエトキシ、3−ヒドロキシプロポキシなどが挙げられる。
【0037】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含む。
【0038】
「アルケニル」は、2つまたはそれ以上の炭素原子を有しそして少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む直鎖および分枝鎖の炭化水素ラジカルを意味し、エテニル、3−ブテン−1−イル、2−エテニルブチル、3−ヘキセン−1−イルなどが挙げられる。用語「アルケニル」は、置換アルケニル基および非置換アルケニル基の両方を含むことを意図される。「C2−C6−アルケニル」は、2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基である。アルケニル基は、アルキルについて上述した基のような基で置換され得る。用語「アルケニレン」とは、置換または非置換のアルケンのジラジカルをいう。アルケニレン基の例としては、−CH=CH−、−CH=CH−CH2−、および−(CH21-6−CH=CH−CH2−が挙げられるがこれらに限定されない。
【0039】
「アルキニル」は、2個またはそれ以上の炭素原子を有しそして少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む直鎖炭化水素ラジカルおよび分枝鎖炭化水素ラジカルを意味し、そしてエチニル、3−ブチン−1−イル、プロピニル、2−ブチン−1−イル、3−ペンチン−1−イルなどが挙げられる。用語「アルキニル」は、置換アルキニル基および非置換アルキニル基の両方を含むことが意図される。アルキニル基は、アルキルについて上述した基のような基で置換され得る。特定の実施態様において、直鎖または分枝鎖のアルキニル基は、6個以下の炭素原子をその骨格に有する(例えば、直鎖についてはC2−C6、分枝鎖についてはC3−C6)。用語C2−C6は、2〜6個の炭素原子を含有するアルキニル基を含む。用語「アルキニレン」とは、置換または非置換のアルキンのジラジカルをいう。アルキニレン基の例としては、−CH≡CH−、−C≡C−CH2−、および−(CH2l-6−C≡C−CH2−が挙げられるがこれらに限定されない。
【0040】
「炭素環」または「シクロアルキル」は、単環式または二環式の炭素環式環官能基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、およびビシクロ[5.2.0]ノナニルが挙げられるがこれらに限定されず;ここでシクロアルキル基は、1つまたは2つの二重結合を場合により含有し得(すなわち、シクロアルキレニル)、これらとしてはシクロペンテニル、シクロヘキセニル、およびシクロヘプテニルが挙げられるがこれらに限定されない。用語「シクロアルキル」は、置換シクロアルキル基および非置換シクロアルキル基の両方を含むことが意図される。シクロアルキル基およびシクロヘキシル基は、アルキルについて上述した基のような基で置換され得る。他に指示がなければ、用語「(C3−C8)シクロアルキル」とは、3〜8個の炭素を含有するシクロアルキル基をいう。従って、用語「(C3−C8)シクロアルキル」は、3〜8個の炭素を含有する単環式シクロアルキル基、および6〜8個の炭素を含有する二環式シクロアルキル基を包含する。置換シクロアルキル基の例としては、2−メチル−シクロヘキシル、3−メチル−シクロヘキシル、および4−メチル−シクロヘキシルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0041】
語句「3〜8員ヘテロシクロアルキル」は、炭素原子、およびS、NまたはOより独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する安定な環式基を意味し、ここで2個のO原子、または1個のO原子および1個のS原子が存在する場合、2個のO原子、または1個のO原子および1個のS原子はそれぞれ互いに結合していない。場合により、3〜8員ヘテロシクロアルキルは、1つまたは2つの炭素−炭素二重結合または炭素−窒素二重結合を含有し得る。3〜8員ヘテロシクロアルキルの具体例としては、アジリジン−1−イル、1−オキサ−シクロブタン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、モルホリン−4−イル、2−チアシクロヘキサ−1−イル、2−オキソ−2−チアシクロヘキサ−1−イル、2,2−ジオキソ−2−チアシクロヘキサ−1−イル、および4−メチル−ピペラジン−2−イルが挙げられる。
【0042】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、置換ヘテロシクロアルキル基および非置換ヘテロシクロアルキル基の両方を含むことが意図される。ヘテロシクロアルキル基は、アルキルについて上述された基のような1〜4個の基で置換され得る。置換3〜8員ヘテロシクロアルキルの具体例としては、2−ヒドロキシ−アジリジン−1−イル、3−オキソ−1−オキサシクロブタン−2−イル、2,2−ジメチル−テトラヒドロフラン−3−イル、3−カルボキシ−モルホリン−4−イル、および1−シクロプロピル−4−メチル−ピペラジン−2−イルが挙げられる。
【0043】
他に指示がなければ、前述のヘテロシクロアルキルは、可能でありそして安定な構造を結果として生じる場合、Cで結合されてもNで結合されてもよい。例えば、ピペリジニルは、ピペリジン−1−イル(Nで結合)またはピペリジン−4−イル(Cで結合)であり得る。
【0044】
用語「ヘテロシクロアルキル」には、1つの炭素−炭素二重結合または1つの炭素−窒素二重結合を環中に有する5員環(例えば、2−ピロリニル、3−ピロリニルなど)および1つの炭素−炭素二重結合または1つの炭素−窒素二重結合を環中に有する6員環(例えば、ジヒドロ−2H−ピラニル、1,2,3,4−テトラヒドロピリジン、3,4−ジヒドロ−2H[1,4]オキサジンなど)が包含される。
【0045】
「3員ヘテロシクロアルキル」は、2個の炭素原子ならびに1O;1S;および1Nからなる群より選択される1個のヘテロ原子を有する安定な3員の単環式シクロアルキル環である。安定な3員ヘテロシクロアルキルの具体例としては、オキシラニル、アジリジニル、およびチイラニルが挙げられる。
【0046】
「4員ヘテロシクロアルキル」は、3個の炭素原子ならびに1O;1S;および1Nからなる群より選択される1個のヘテロ原子を有する安定な4員の単環式シクロアルキル環である。安定な4員ヘテロシクロアルキルの具体例としては、オキセタニル、アゼチジニル、およびチエタニルが挙げられる。
【0047】
「5員ヘテロシクロアルキル」は、2〜4個の炭素原子と1O;1S;1N;2N;3N;1Sおよび1N;1Sおよび2N;1Oおよび1N;ならびに1Oおよび2Nからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子とを有する安定な5員の単環式シクロアルキル環である。安定な5員ヘテロシクロアルキルの具体例としては、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチエニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリニル、イソオキサゾリジニル、ピロリジニル、2−ピロリニル、および3−ピロリニルが挙げられる。
【0048】
「6員ヘテロシクロアルキル」は、3〜5個の炭素原子と1O;2O;1S;2S;1N;2N;3N;1S、1O、および1N;1Sおよび1N;1Sおよび2N;1Sおよび1O;1Sおよび2O;1Oおよび1N;ならびに1Oおよび2Nからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子とを有する安定な6員の単環式シクロアルキル環である。安定な6員ヘテロシクロアルキルの具体例としては、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジチアニル、ヘキサヒドロピリミジン、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチオピラニル、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラニル、1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリニル、チオモルホリニル、チオキサニル、およびトリチアニルが挙げられる。
【0049】
「7員ヘテロシクロアルキル」は、4〜6個の炭素原子と、1O;2O;1S;2S;1N;2N;1S、1O、および1N;1Sおよび1N;1Sおよび2N;1Sおよび1O;1Sおよび2S;1Oおよび1N;ならびに1Oおよび2Nからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子とを有する安定な7員の単環式シクロアルキル環である。安定な7員ヘテロシクロアルキルの具体例としては、アゼパニル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−アゼピニル、オキセパニル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−オキセピニル、チエパニル、および2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−チエピニルが挙げられる。
【0050】
「8員ヘテロシクロアルキル」は、5〜7個の炭素原子と1O;2O;3O;1S;2S;3S;1N;2N;3N;1S、1O、および1N;1Sおよび1N;1Sおよび2N;1Sおよび1O;1Sおよび2O;1Oおよび1N;ならびに1Oおよび2Nからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子とを有する安定な8員の単環式シクロアルキル環である。安定な8員ヘテロシクロアルキルの具体例としては、アゾカニル、チオカニル、オキソカニル、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−オキソシニルなどが挙げられる。
【0051】
用語「3〜8員ヘテロシクロアルキル」は、飽和「3〜8員ヘテロシクロアルキル」および不飽和「3〜8員ヘテロシクロアルキル」を含む。「3〜8員ヘテロシクロアルキル」は、アルキルについて上述したように置換されてもよい。
【0052】
用語「6〜12員二環式ヘテロシクロアルキル」とは、飽和または不飽和のいずれかであり、そして5員、6員、もしくは7員のヘテロシクロアルキルと3員、4員、5員、6員、もしくは7員のヘテロシクロアルキル;または5員、6員、もしくは7員のヘテロシクロアルキルとC3-7−シクロアルキルとの縮合の結果である(ここで、縮合連結部は、隣接する環原子である)、安定な環構造をいう。用語「6〜12員二環式ヘテロシクロアルキル」は、飽和「6〜12員二環式ヘテロシクロアルキル」および不飽和「6〜12員二環式ヘテロシクロアルキル」を含む。「6〜12員二環式ヘテロシクロアルキル」は、アルキルについて上述したように置換されてもよい。「6〜12員二環式ヘテロシクロアルキル」の例としては、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、および3−アザビシクロ[4.1.0]−ヘプタニルが挙げられる。
【0053】
用語「6〜11員橋かけ二環式ヘテロシクロアルキル」とは、飽和または不飽和のいずれかであり、そして5員、6員、もしくは7員のヘテロシクロアルキルと4員、もしくは5員のヘテロシクロアルキル;または5員、6員、もしくは7員のヘテロシクロアルキルとC5-7−シクロアルキルとの縮合の結果である(ここで、縮合連結部は、1〜3個の介在する環原子を有する)、安定な環構造をいう。用語「6〜11員橋かけ二環式ヘテロシクロアルキル」は、飽和「6〜11員橋かけ二環式ヘテロシクロアルキル」および不飽和「6〜11員橋かけ二環式ヘテロシクロアルキル」を含む。「6〜11員橋かけ二環式ヘテロシクロアルキル」は、アルキルについて上述されるように置換されてもよい。「6〜11員橋かけ二環式ヘテロシクロアルキル」の例としては、3−アザビシクロ[4.2.1]ノナニルおよび7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。
【0054】
アリール基は、芳香族炭化水素ラジカルである。さらに、用語「アリール」は、多環式アリール基、例えば、ナフチルのような二環式アリール基を含む。典型的なアリール基としては、フェニル、およびナフチルが挙げられる。フェニルは、非置換でも、アルキルについて上で記載した置換基のような置換基(ただしこれに限定されない)で1つまたはそれ以上の位置で置換されてもよい。典型的な置換フェニル基としては、3−クロロフェニル、2,6−ジブロモフェニル、2,4,6−トリブロモフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3−アミノ−4−ニトロフェニル、3,5−ジヒドロキシフェニル、3−メチル−フェニル、4−メチル−フェニル、3,5−ジメチル−フェニル、3,4,5−トリメトキシ−フェニル、3,5−ジメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、4−tert−ブチル−フェニル、4−ヘキシル−フェニル、4−シアノ−フェニル、3,5−ジ−トリフルオロメチル−フェニル、3,5−ジフルオロ−フェニル、4−クロロ−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、4−メトキシカルボニル−フェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、2−メトキシ−5−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メチル−フェニル、4−フェノキシ−フェニル、4−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニルなどが挙げられるがこれらに限定されない。ナフタレニルのような多環式アリール基は、非置換でも、アルキルについて上で記載した置換基のような置換基(ただしこれらに限定されない)で1つまたはそれ以上の位置で置換されてもよい。用語「アリール」は、置換フェニル基および非置換フェニル基の両方を含むことが意図される。
【0055】
「9〜12員二環式アリール」は、ベンゼン環と:
(1)C5-8単環式シクロアルキル(例えば、インダニル;1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレニル;6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテニルなどを生じる);
(2)5〜7員ヘテロシクロアルキル(例えば、ベンゾオキサジン、ベンズチアジン、クロマニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリニルなどを生じる);または
(3)別のベンゼン環(例えば、ナフタレニルなどを生じる);
との縮合により形成される安定環構造であって、ここで、縮合連結部は、ベンゼン環上の隣接する炭素である。
【0056】
「5員ヘテロアリール」は、1〜4個の炭素原子と1O;1S;1N;2N;3N;4N;1Sおよび1N;1Sおよび2N;1Oおよび1N;ならびに1Oおよび2Nからなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子とを有する安定な5員の単環式芳香族環ラジカルである。安定な5員ヘテロアリールの具体例としては、フラニル、2−フラニル、3−フラニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、2−、3−、または4−ピリジニル、ピリミジニル、2−、4−、または5−ピリミジニル、ピラゾリル、ピロリル、2−または3−ピロリル、ピラジニル、ピリダジニル、3−または4−ピリダジニル、2−ピラジニル、チエニル、2−チエニル、3−チエニル、テトラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアジニルおよびトリアゾリルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0057】
「6員ヘテロアリール」は、3〜5個の炭素原子と1N;2N;および3Nからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子とを有する安定な6員の単環式芳香族環ラジカルである。安定な6員ヘテロアリールの具体例としては、ピリジン−2−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリダジン−4−イル、およびピラジン−2−イルが挙げられる。
【0058】
「8〜12員二環式ヘテロアリール」は、5員もしくは6員ヘテロアリールと:
(1)独立して選択される5員ヘテロアリール;
(2)独立して選択される6員ヘテロアリール(例えば、ナフチリジニル、プテリジニル、フタラジニル、プリニルなどを生じる);
(3)C5-8単環式シクロアルキル;
(4)5〜7員ヘテロシクロアルキル;または
(5)ベンゼン環(例えば、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、2H−1−ベンゾピラニル、ベンゾチアジアジン、ベンゾチアジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、シンノリニル、フロピリジニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、または2−、3−、4−、5−、6−、もしくは7−インドリル、3H−インドリル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、イソインドリル、およびイソキノリニルを生じる)、
との縮合により形成される安定環構造であって、ここで、縮合結合部は、隣接する環原子である。縮合結合部は、5〜6員ヘテロアリール中の窒素原子(例えば、インドリジン)でも炭素原子でもよい。
【0059】
ヘテロアリールはまた、環炭素上を1つまたはそれ以上の−OH官能基(互変異性化して環C=O基を生じ得る)で置換され、そして/または環硫黄原子上を1または2個の酸素原子(それぞれ、S=O基またはSO2基を生じる)により置換される環系を含み得る。
【0060】
本発明における化合物のいくつかは、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何異性体を含む立体異性体として存在し得る。幾何異性体は、アルケニル基を有する本発明の化合物を含み、これらは、entgegen配座またはzusammen配座として存在し得、この場合、全てのその幾何形態、即ちentgegenおよびzusammenの両方、cisおよびtrans、ならびにその混合物が、本発明の範囲内である。本発明のいくつかの化合物は、シクロアルキル基を有し、1より多くの炭素原子において置換されてもよく、この場合、その全てのその幾何形態、即ちcisおよびtransの両方、ならびにその混合物が、本発明の範囲内である。これらの形態の全て((R)、(S)、エピマー、ジアステレオマー、cis、trans、syn、anti、(E)、(Z)、互変異性体、およびその混合物を含む)が、本発明の化合物と考えられる。
【0061】
発明の詳細な説明
I.導入
本発明は、式I〜XII[式中、R1、R2、R3、R4、R5、およびLは、明細書中でそれについて定義された意義のいずれかを有する]のベンゾ[b]チオフェン、およびその薬学的に許容しうる塩に関し、これらは、炎症性疾患、心臓血管疾患、および癌を含む疾患および状態の処置における薬剤として有用である。式I〜XIIの1つまたはそれ以上の化合物を含む医薬組成物もまた提供される。
【0062】
II.化合物の製造
本発明の化合物(例えば、式I〜XIIの化合物)は、当該分野で公知の合成方法論および以下に記載されるスキームにおいて概説される合成方法論を適用することにより製造することができる。
【0063】
【化13】

【0064】
スキーム1において、酸塩化物4(例えば、3−クロロ−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニルクロリド)を、CH2Cl2中のRa−OH(例えば、フェノール、イソプロピルアルコール、メタノールなど)、ピリジンまたはトリエチルアミン(TEA)、および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)と反応させて、エステル6(例えば、3−クロロ−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルエステル)を得る。Ra−OHは、任意の適切なアルコールであり得、ここでRaは、C1−C4アルキル、フェニル、ベンジル、イソプロピル、メチルなどであり、カルボン酸基を保護し、そして塩基加水分解により後で除去することができる。式4の酸塩化物は、当該分野で周知の方法を使用して合成することができる(例えば、PakrayおよびCastle(1986)J.Heterocyclic Chem.23:1571−1577;Boschelliら(1995)J.Med.Chem.38:4597−4614;Connorら(1992)J.Med.Chem.35:958−965を参照のこと)。
【0065】
次いでエステル6を、トリフルオロ酢酸(TFA)、CH2Cl2、および過酸化水素(H22)を使用して酸化し、1−オキソ化合物8(例えば、3−クロロ−5−メトキシ−1−オキソ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルエステル)とする。次いで、水素化ナトリウム処理した10(R1−L−OH)をジオキサン中の8の不均一混合物に加えて、12(例えば、5−メトキシ−1−オキソ−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルエステル)を得る。別法として、8を、THFまたはジエチルエーテル中でブチル−リチウム処理した10と反応させて、12を得ることができる。R1およびLは、本明細書中で定義されるとおりである。種々のR1−L−OH化合物を使用することができ、フェノール、ビフェニル−3−オール、3−メチル−フェノール、3−ニトロ−フェノール、3−アセチルアミノ−フェノール、ナフタレン−2−オール、3−エチル−フェノール、3−モルホリン−4−イル−フェノール、3−イソプロピル−フェノール、3−イソプロピル−5−メチル−フェノール、2−エチル−フェノール、4−シクロヘキシル−フェノール、およびフェニルメタノールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
次いで、アセトニトリル中の12を、ヨウ化ナトリウム(NaI)続いてクロロトリメチルシラン(TMSCl)で処理して、14(例えば、5−メトキシ−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルエステル)を得る。次いで14を、MeOHおよびTHF;ジオキサンおよび水;またはメタノールおよび水の溶液中、LiOHまたはNaOHのような無機塩基で鹸化して、16(例えば、5−メトキシ−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸)を得る。次いでカルボン酸16を、THF(テトラヒドロフラン)のような非プロトン性溶媒中、カルボニルジイミダゾール(CDI)で処理し、続いて5−アミノテトラゾールを加えて、カルボキサミド18(例えば、5−メトキシ−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)を得る。
【0067】
別法として、無水CH2Cl2中の16(例えば、5−メトキシ−6−メチル−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸)を触媒量のDMF、続いて塩化オキサリルで処理することができる。次いで、アセトニトリルをこの混合物に加え、続いて5−アミノテトラゾールおよびトリエチルアミンを加えて、18(例えば、5−メトキシ−6−メチル−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)を得る。
【0068】
【化14】

【0069】
スキーム2において、化合物4(例えば、3−クロロ−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニルクロリド)を、アセトニトリル(CH3CN)中5−アミノテトラゾールおよびトリエチルアミン(TEA)と共に還流して20(例えば、3−クロロ−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)を得る。次いで20を、CH2Cl2およびトリフルオロ酢酸(TFA)中で水性H22を使用して酸化し、22(例えば、3−クロロ−5−メトキシ−1−オキソ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)を得る。
【0070】
22を、ジオキサン中10と混合し、次いで2当量のNaHと反応させて、24(例えば、3−(3,5−ジメチル−フェノキシ)−5−メトキシ−1−オキソ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)を得る。次いで24を、アセトニトリル中ヨウ化ナトリウムと混合し、続いてクロロトリメチルシラン(TMSCl)を加えて、26(例えば、3−(3,5−ジメチル−フェノキシ)−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)を得る。
【0071】
【化15】

【0072】
スキーム3において、アセトニトリル中の30(例えば、3−ヒドロキシ−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル)を、ジ−イソプロピルエチルアミン(Hunig塩基)続いて31(例えば、3−ブロモベンジルブロミド)で処理して、32(例えば、3−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル)を得る。式30の化合物(例えば、3−ヒドロキシ−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル)を、米国特許第3,954,748号に記載される手順のような手順に従って製造することができる。31(Rc−Br)の例としては、3,4−ジフルオロ−ベンジルブロミド、4−ブロモメチル−ビフェニル、1−ブロモメチル−3−トリフルオロメチル−ベンゼン、1−ブロモメチル−3,5−ジメトキシ−ベンゼン、1−ブロモメチル−4−tert−ブチル−ベンゼン、2−ブロモメチル−1,3,4−トリフルオロ−ベンゼン、および2−ブロモメチル−ナフタレンが挙げられるが、これらに限定されない。Rc−Brは、式R1−L−Br[ここで、Lは、C1−C4アルキレンまたはC1−C4−アルキレン−C(O)−であり、そしてR1は、本明細書中で定義される意義のいずれか1つを有する]の化合物である。
【0073】
次いで32を、スキーム1に記載されるような無機塩基を用いて鹸化し、カルボン酸34(例えば、3−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸)を得る。次いでDMF中の34を、EDAC.HCl(N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩)、HOBT(1−ヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾトリアゾール)および5−アミノテトラゾールで処理して、カルボキサミド36(例えば、3−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド)を得る。
【0074】
【化16】

【0075】
スキーム4において、PS−トリフェニルホスフィン(ポリスチレン−トリフェニルホスフィン)を、40(例えば、3−ヒドロキシ−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル)のTHF溶液に、窒素ガス下で加える。アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)を加え、続いてRb−OHを加えて、42(例えば、5,6−ジメトキシ−3−フェネチルオキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル)を得る。3−ヒドロキシ−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルのような化合物を、米国特許第3,954,748号に記載される方法により製造することができる。Rb−OHは、式R1−L−OH[式中、Lは、C1−C4アルキレンまたはC1−C4−アルキレン−C(O)−であり、そしてR1は、本明細書中で定義される意義のいずれか1つを有する]の化合物である。
【0076】
メタノール中のエステル42を、水酸化カリウムのような無機塩基を使用して加水分解して、対応するカルボン酸44(例えば、5,6−ジメトキシ−3−フェネチルオキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸)を得る。44を、スキーム1における16から18への変換と類似の様式で、カルボキサミド46(例えば、5,6−ジメトキシ−3−フェネチルオキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド)に変換する。
【0077】
【化17】

【0078】
スキーム5において、5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン50(例えば、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸)を、無水CH2Cl2中の三臭化ホウ素を使用して、対応する5−ヒドロキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン 52(例えば、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ヒドロキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸)に変換する。
【0079】
5−ジフルオロメチル−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン54は52から得ることができる。ジオキサンおよび水中の無機塩基(例えば、NaOH)およびクロロジフルオロメタン(CF2ClH)で52を処理することにより、54(例えば、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ジフルオロメトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸)を得る。次いで、52または54を、スキーム1に記載されるように5−アミノテトラゾールとカップリングさせて、それぞれ52の対応するアミノテトラゾール誘導体(例えば、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ヒドロキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)または54の対応するアミノテトラゾール誘導体(例えば、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ジフルオロメトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)を得る。
【0080】
【化18】

【0081】
スキーム6において、62の2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル−アミドを、式60の2H−テトラゾール−5−イル−アミドから生成することができる。ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド60(例えば、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)を、ジクロロメタン中、Hunig塩基(ジイソプロピルエチルアミン)で処理し、続いてハロゲン化メチル(例えば、ヨウ化メチル)を加えて62(例えば、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミド)を得る。
【0082】
【化19】

【0083】
スキーム7において、ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸70を、スキーム1における16から18への変換と類似の様式でオキサリルクロリドを使用して処理し、酸塩化物を形成し、続いて5−アミノ−テトラゾールの代わりにシアナミドを加えて式72の化合物(例えば、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−N−シアノ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド)を形成する。
【0084】
次いで72を、DMF中で水素化ナトリウム(NaH)のような水素化物塩基およびハロゲン化メチル(例えば、ヨウ化メチル(MeI))で処理して、74(例えば、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−N−シアノ−N−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド)を得る。次いでトルエン中74をアジド(例えば、アジ化ナトリウム、アジ化トリ−n−ブチルすず、またはトリメチルシリルアジドなど)、および塩化トリエチルアンモニウム(TEACl)または塩化アンモニウムと反応させて、ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチル−(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド76を得る。
【0085】
【化20】

【0086】
スキーム8において、5−シクロプロピルオキシ置換ベンゾ[b]チオフェン88を、示されるように生成することができる。6−シクロプロピルオキシベンゾ[b]チオフェンはまた、類似の様式で生成することができる。5−ヒドロキシ−ベンゾ[b]チオフェン80を、米国特許出願第20010029297号に記載される手順のような当該分野で公知のシクロプロパン化手順に付すことができる。ベンゾチオフェン80を、(1−ヨード−シクロプロパ−1−イル)フェニルスルフィドおよび炭酸銀のような塩基と反応させて82を得ることができる。次いで82を、THFまたはエーテルのような非プロトン性溶媒中、金属ナフタレニド(例えば、リチウムナフタレニド)とおよそ−80℃の温度で反応させて、式84の化合物を得ることができる。別法として、82のフェニルチオ基を、塩素化炭化水素溶媒(例えば、クロロホルム)中で、酸化アルミニウムの存在下におけるオゾンのような試薬を用いて室温で酸化することができる。結果として得られたフェニルスルホニル基は、メタノールのようなアルコール溶媒中、オルトリン酸水素二ナトリウムの存在下ナトリウムアマルガムを用いて除去し、84を得ることができる。次いでエステル84を、スキーム1に記載されるように鹸化して酸86とする。86を、スキーム1に記載されるようにアミノテトラゾールとカップリングして88を得ることができる。
【0087】
III.化合物の評価
本発明の化合物(例えば、式I〜XIIの化合物およびその薬学的に許容しうる塩)を、PI3Kを阻害するそれらの能力についてアッセイすることができる。これらのアッセイの例は、以下に記載され、PI3K活性のインビトロアッセイおよびインビボアッセイを含む。
【0088】
本発明の特定の実施態様において、1つまたはそれ以上の酵素(環状ヌクレオチド依存性プロテインキナーゼ、PDGF、チロシンキナーゼ、MAPキナーゼ、MAPキナーゼキナーゼ、MEKK、サイクリン依存性プロテインキナーゼが挙げられるがこれらに限定されない)と比較した場合に1つまたはそれ以上のPI3Kを選択的に阻害する化合物である。本発明の他の実施態様において、別のPI3Kと比較した場合に1つのPI3Kを選択的に阻害する化合物である。例えば、特定の実施態様において、本発明の化合物は、PI3KαまたはPI3Kβと比較した場合にPI3Kγを選択的に阻害する能力を示す。第1の酵素に対するその化合物のIC50が、第2の化合物に対するその化合物のIC50より低い場合、化合物は、第2の酵素と比較した場合に第1の酵素を選択的に阻害する。IC50は、例えば、インビトロPI3Kアッセイで測定することができる。
【0089】
現在好ましい実施態様において、本発明の化合物は、PI3K活性を阻害するそれらの能力についてインビトロまたはインビボアッセイ(以下を参照のこと)で評価することができる。
【0090】
PI3Kアッセイは、PI3K阻害性化合物の存在下または不在下で実行され、そして酵素活性の量は、そのPI3K阻害性化合物の阻害活性の決定のために比較される。
【0091】
PI3K阻害性化合物を含有しないサンプルは、相対的PI3K活性値を100とされる。PI3K活性の阻害は、PI3K阻害性化合物の存在下におけるPI3K活性が、コントロールサンプル(すなわち、阻害性化合物無し)より低い場合に達成される。化合物のIC50は、コントロールサンプルの活性の50%を示す化合物の濃度である。特定の実施態様において、本発明の化合物は、約100μMより低いIC50を有する。他の実施態様において、本発明の化合物は、約1μM以下のIC50を有する。さらに他の実施態様において、本発明の化合物は、約200nM以下のIC50を有する。
【0092】
PI3Kγアッセイは、当該分野において記載されている(例えば、Leopoldtら J.Biol.Chem.、1998;273:7024−7029を参照のこと)。典型的には、p101およびp110γタンパク質の複合体を含有するサンプルは、Gβタンパク質およびGγタンパク質(例えば、Gタンパク質β1/γ2サブユニット)と混合される。次いで、放射標識ATP(例えば、γ−32P−ATP)をこの混合物に添加する。PIP2含有脂質ミセルを作成することにより脂質基質が形成される。次いで、この脂質と酵素の混合物を加えることにより反応を開始し、そしてH3PO4を加えて停止する。次いで脂質産物をグラスファイバーフィルタープレートに移し、そしてH3PO4で数回洗浄する。放射活性脂質産物(PIP3)の存在は、当該分野で周知の放射分析法を使用して測定することができる。
【0093】
成長因子により調整されるPI3Kの活性はまた、脂質キナーゼアッセイを使用して測定することができる。例えば、PI3Kαは、調節サブユニットおよび触媒サブユニットを含むサンプルを使用してアッセイすることができる。活性化ペプチド(例えば、pYペプチド、SynPep Corp.)を、放射標識ATPを含むサンプルに加える。次いで、PIP2含有脂質ミセルをこのサンプルに加えて反応を開始する。反応を後処理し、そして直前に記載したPI3Kγアッセイについて記載されたように分析する。アッセイはまた、細胞抽出物を使用して実行することができる(Susaら J.Biol.Chem.、1992;267:22951−22956)。
【0094】
IV.薬学的に許容しうる塩および溶媒和物
本発明において使用されるべき化合物は、非溶媒和形態でも水和形態を含む溶媒和形態でも存在することができる。一般的に、水和形態を含む溶媒和形態は、非溶媒和形態と等価であり、そして本発明の範囲内に包含されることを意図される。
【0095】
本発明の化合物(例えば、式I〜XIIの化合物)は、酸付加塩および/または塩基性塩(ただしこれらに限定されない)を含む両方の薬学的に許容しうる塩をさらに形成することができる。式(I)の化合物の薬学的に許容しうる塩は、その酸付加塩および塩基性塩(二塩(disalts)を含む)を含む。適切な塩の例は、例えばStahlおよびWermuth、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,Wiley−VCH、Weinheim、Germany(2002);ならびにBergeら、「Pharmaceutical Salts」J.of Pharmaceutical Science、1977;66:1−19に見ることができる。
【0096】
式I〜XIIの化合物の薬学的に許容しうる酸付加塩としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸(phosphorus)などのような無機酸から誘導される非毒性塩、ならびに脂肪族一カルボン酸および脂肪族二カルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族スルホン酸および芳香族スルホン酸などのような有機酸から誘導される塩が挙げられる。従って、このような塩としては、式I〜XIIの化合物の、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩(ベンゼンスルホン酸塩)、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩、カプリル酸塩、カンシル酸塩(カンファスルホン酸塩)、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、エジシラート(1,2−エタン二スルホン酸塩)、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、エシラート(エタンスルホン酸塩)、フマル酸塩、グルセプタート、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物塩、臭化水素酸塩/臭化物塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物塩、イソ酪酸塩、リン酸一水素塩、イセチオン酸塩、D−乳酸塩、L−乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシラート(メタンスルホン酸塩)、メタリン酸塩、メチル安息香酸塩、メチル硫酸塩、2−ナプシラート(2−ナフタレンスルホン酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、蓚酸塩、パモ酸塩(palmoate)、フェニル酢酸塩、リン酸塩、フタル酸塩、プロピオン酸塩、ピロリン酸塩、ピロ硫酸塩、サッカラート、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、スベリン酸塩、コハク酸塩 硫酸塩、亜硫酸塩、D−酒石酸塩、L−酒石酸塩、トシラート(トルエンスルホン酸塩)、およびキシナホ酸塩などが挙げられる。アルギナート、グルコン酸塩、ガラクツロン酸塩などのようなアミノ酸の塩も意図される。
【0097】
塩基性化合物の酸付加塩は、遊離塩基形態を、従来の様式で十分な量の所望の酸と接触させて塩を生成することにより製造される。遊離塩基形態は、従来の様式で塩形態を塩基と接触させて遊離塩基を単離することにより再生され得る。遊離塩基形態は、極性溶媒中の溶解度のような特定の物理的特性においていくらかそれぞれの塩形態とは異なるが、その他の点では、塩は、本発明の目的のためにはそれぞれの遊離塩基と等価である。
【0098】
薬学的に許容しうる塩基付加塩は、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物のような金属もしくはアミンを用いて、または有機アミンから形成される。カチオンとして使用される金属の例は、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどである。適切なアミンの例としては、アルギニン、コリン、クロロプロカイン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジオラミン、エチレンジアミン(エタン−1,2−ジアミン)、グリシン、リジン、メグルミン、N−メチルグルカミン、オラミン、プロカイン(ベンザチン)、およびトロメタミンが挙げられる。
【0099】
酸性化合物の塩基付加塩は、従来の様式で遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させて塩を生成することにより製造される。遊離酸形態は、従来の様式で、塩形態を酸と接触させ、そして遊離酸を単離することにより再生され得る。遊離酸形態は、極性溶媒中の溶解度のような特定の物理的特性においていくらかそれぞれの塩形態とは異なるが、その他の点では、塩は、本発明の目的のためにはそれぞれの遊離酸と等価である。
【0100】
V.医薬組成物および投与方法
本発明はまた、治療有効量の式I〜XIIの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩を、それらのための薬学的に許容しうる担体、希釈剤、または賦形剤と共に含む医薬組成物を提供する。語句「医薬組成物」とは、医療用途または獣医学用途における投与に適切な組成物をいう。語句「治療有効量」は、特定の被験体または被験体集団において、単独かまたは別の薬剤または処置と共に投与される場合に、処置される障害もしくは状態を抑制するか、停止するかまたは障害もしくは状態における改善を可能にするのに十分な、化合物またはその薬学的に許容しうる塩の量を意味する。例えば、ヒトまたは他の哺乳動物において、治療有効量は、特定の疾患および処置される被験体について、実験室もしくは臨床環境において実験的に決定することができるか、または米国食品医薬品局もしくは等価な外国の機関のガイドラインにより定められた量であり得る。
【0101】
投与の適切な投薬形態、投薬量、および投与経路の決定は、医薬および医療分野における通常の技術レベル内であり、以下に記載される。
【0102】
本発明の化合物を、シロップ剤、エリキシル、懸濁剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル、ロゼンジ、トローチ剤、水溶液、クリーム、軟膏、ローション剤、ゲル、乳剤などの形態で医薬組成物として処方することができる。好ましくは、本発明の化合物は、定量的または定性的に測定した場合に、PI3K媒介障害に関連する症状または疾患の徴候の減少を生じる。
【0103】
本発明の化合物から医薬組成物を製造するために、薬学的に許容しうる担体は、固体または液体のいずれでもあり得る。固形製剤としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒が挙げられる。固形担体は、希釈剤、矯味矯臭剤、結合剤、保存薬、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材としても作用し得る1つまたはそれ以上の物質であり得る。
【0104】
散剤において、担体は微細に分割された固体であり、微細に分割された活性成分との混合物の状態である。錠剤において、活性成分は、必要な結合特性を有する担体と適切な比率で混合され、そして所望の形状および大きさに成形される。
【0105】
散剤および錠剤は、1%〜95%(w/w)の活性化合物を含有する。特定の実施態様において、活性化合物は、5%〜70%(w/w)の範囲である。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、低融点ろう、カカオ脂などである。用語「製剤」は、カプセルを提供する担体としてカプセル化材を用いた活性化合物の処方を含むことを意図され、このカプセルにおいて、他の担体と共にまたは他の担体無しで活性成分は、担体に取り囲まれており、それ故担体と結合している。同様に、カシェ剤およびロゼンジが含まれる。錠剤、散剤、カプセル、丸剤、カシェ剤、およびロゼンジは、経口投与に適切な固体投薬形態として使用することができる。
【0106】
坐剤を製剤するために、脂肪酸グリセリドまたはカカオ脂の混合物のような低融点ろうは、まず融解され、そして例えば撹拌により活性成分がその中に均一に分散される。次いで溶融均一混合物を、都合のよい大きさの鋳型に注ぎ、放冷して、それにより凝固させる。
【0107】
液体形態製剤としては、液剤、懸濁剤、および乳剤、例えば、水または水/プロピレングリコール溶液が挙げられる。非経口注入のために、液体製剤は、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液に処方することができる。
【0108】
経口用途に適切な水溶液は、活性成分を水に溶解し、そして所望の場合、適切な着色剤、矯味矯臭剤、安定薬、および増粘剤を加えることにより製造することができる。経口用途に適切な水性懸濁剤は、微細に分割した活性成分を、天然ゴムまたは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムのような粘性物質、および他の周知の懸濁化剤と共に水に分散することにより製造することができる。
【0109】
使用の少し前に経口投与用の液体形態製剤へと変えられることを意図される固形製剤もまた含まれる。このような液体形態としては、液剤、懸濁剤、および乳剤が挙げられる。これらの製剤は、活性成分に加えて、着色剤、矯味矯臭剤、安定薬、緩衝剤、人工甘味料および天然甘味料、分散剤、濃厚剤、可溶化剤などを含有し得る。
【0110】
医薬製剤は、好ましくは単位投薬形態である。このような形態において、製剤は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分される。単位投薬形態は、パッケージングされた製剤であり得、そのパッケージは、小さな包みにされた錠剤、カプセル、およびバイアルまたはアンプル中の散剤のような、個別の量の製剤を含む。また、単位投薬形態は、カプセル、錠剤、カシェ剤、もしくはロゼンジ自体であり得、または適切な数のこれらのいずれかのパッケージ形態であり得る。
【0111】
単位用量製剤中の活性成分の量は、特定の適用および活性成分の効力に従って、0.1mg〜1000mg、好ましくは1.0mg〜100mg、または単位用量の1%〜95%(w/w)に変動しても調整されてもよい。組成物はまた、所望の場合、他の適合性治療剤を含有することができる。
【0112】
薬学的に許容しうる担体は、投与される特定の組成物により部分的に、さらにその組成物を投与するために使用される特定の方法により決定される。従って、本発明の医薬組成物の多種多様の適切な処方が存在する(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Gennaroら編、Lippincott WilliamsおよびWilkins、2000を参照のこと)。
【0113】
本発明の化合物は、単独かまたは他の適切な成分と組み合わせて、吸入により投与されるエアロゾル処方物(すなわち、これらは「噴霧され得る」)に製造することができる。エアロゾル処方物は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン 窒素などのような加圧許容噴射剤中に入れることができる。
【0114】
例えば、静脈内経路、筋内経路、皮内経路、および皮下経路のような非経口投与に適した処方としては、水性および非水性の等張性滅菌注入液剤(抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および意図されるレシピエントの血液とその処方物を等張性にする溶質を含有することができる)、ならびに水性および非水性の滅菌懸濁剤(懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定薬および保存薬を含むことができる)が挙げられる。本発明の実施において、組成物を、例えば、静脈内輸液、経口、局所的、腹腔内、膀胱内または髄腔内に投与することができる。化合物の処方物を、アンプルおよびバイアルのような、単回用量または複数回用量の密封容器で提示することができる。注入液剤および注入懸濁剤を、以前に記載した種類の滅菌散剤、顆粒剤、および錠剤から製造することができる。
【0115】
本発明の状況において、被験体に投与される用量は、長期にわたってその被験体において有益な治療応答を引き起こすのに十分であるべきである。用語「被験体」とは、哺乳類綱のメンバーをいう。哺乳動物の例としては、ヒト、霊長類、チンパンジー、げっ歯動物、マウス、ラット、ウサギ、ウマ、家畜、イヌ、ネコ、ヒツジ、およびウシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
用量は、使用される特定の化合物の効力および被験体の状態、さらに処置される被験体の体重または表面積により決定される。用量範囲はまた、特定の被験体における特定の化合物の投与に伴う任意の有害な副作用の存在、性質、および程度により決定される。処置される障害の処置または予防において投与される化合物の有効量を決定する際に、医師は、化合物の循環血漿レベル、化合物毒性、および/または疾患の進行などのような因子を評価することができる。一般的に、化合物の線量当量は、典型的な被験体について約1μg/kg〜100mg/kgである。多くの異なる投与方法が、当業者に公知である。
【0117】
投与に関して、本発明の化合物は、被験体の質量および全体の健康に適用した場合の、化合物のLD50、化合物の薬物動態プロフィール、禁忌薬物、および種々の濃度における化合物の副作用を挙げることができるがこれらに限定されない因子により決定される速度で投与され得る。投与は、単回用量または分割した用量で達成され得る。
【0118】
典型的な錠剤、非経口およびパッチの処方例は、以下を含む:
錠剤処方例1
錠剤処方
成分 量
式I〜XIIの化合物 50mg
ラクトース 80mg
コーンスターチ(混合用) 10mg
コーンスターチ(ペースト用) 8mg
ステアリン酸マグネシウム(1%) 2mg
150mg
【0119】
本発明の化合物(例えば、式I〜XIIの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩)を、ラクトースおよびコーンスターチ(混合用)と混合し、そして均一にブレンドして粉末にすることができる。コーンスターチ(ペースト用)を、6mLの水に懸濁し、そして撹拌しながら加熱してペーストを形成する。このペーストを混合した粉末に添加し、そしてこの混合物を顆粒化する。湿性顆粒をNo.8の硬質篩に通し、そして50℃で乾燥する。この混合物に1%ステアリン酸マグネシウムの滑沢剤を入れ、そして圧縮して錠剤とする。錠剤は、PI3K媒介障害または状態の処置のために1日に1〜4個の速度で患者に投与される。
【0120】
非経口液剤処方例1
700mLのプロピレングリコールおよび200mLの注射用水の溶液中に、20.0gの本発明の化合物を添加することができる。この混合物を撹拌し、そして塩酸を用いてpHを5.5に調整する。体積を注射用水で1000mLに調整する。この溶液を滅菌し、5.0mLのアンプルに満たし(それぞれ、2.0mL(40mgの本発明の化合物)を含有する)、そして窒素下で密封する。この液剤を、PI3K媒介障害または状態に罹患し、そして処置を必要とする被験体に注射により投与する。
【0121】
パッチ処方例1
10ミリグラムの本発明の化合物を、1mLのプロピレングリール、および樹脂架橋剤を含有する2mgのアクリル系ポリマー接着剤と混合することができる。この混合物を、不透過性裏材(30cm2)に塗布し、そしてPI3K媒介障害または状態の徐放性処置のために患者の上背部に貼り付ける。
【0122】
V.PI3K媒介障害および状態を処置するための方法
本発明の化合物、および本発明の化合物を含む医薬組成物を、PI3K媒介障害または状態に罹患した被験体に投与することができる。PI3K媒介障害および状態は、その障害または状態の性質に応じて、本発明の化合物を使用して予防的、急性および慢性的に処置され得る。典型的には、これらの各方法における宿主または被験体は、ヒトであるが、他の哺乳動物も、本発明の化合物の投与から利益を得る。
【0123】
治療適用において、本発明の化合物を、多種多様な経口および非経口の投薬形態で製造し、投与することができる。用語「投与する」とは、化合物を被験体と接触させる方法をいう。従って、本発明の化合物を、注射により、すなわち、静脈内、筋内、皮内、皮下、十二指腸内、腸管外に(parentally)、または腹腔内に投与することができる。また、本明細書中に記載される化合物を、吸入により、例えば、鼻腔内に投与することができる。さらに、本発明の化合物を、経皮的に、局所的に、および移植物を介して投与することができる。特定の実施態様において、本発明の化合物は、経口的に送達される。また化合物を、直腸に、口腔内に、膣内に、眼に、食事で(andially)、またはガス注入により、送達することができる。
【0124】
本発明の薬学的方法において利用される化合物を、1日あたり約0.001mg/kg〜約100mg/kgの初期投薬量で投与することができる。特定の実施態様において、日用量範囲は、約0.1mg/kg〜約10mg/kgである。しかし、投薬量は、被験体の要求、処置される状態の重篤度、および使用される化合物に依存して変動し得る。特定の状況についての適切な投薬量の決定は、開業医の技術範囲内である。一般的に、処置は、より少ない投薬量から始められ、これは、化合物の最適な用量より少ない。その後、投薬量は、状況下で最適の効果が達成されるまで少量ずつ増加される。便宜上、1日の総投薬量は、所望の場合、その日の間に数回に分割して投与される。用語「処置」は、処置される障害に関連するかまたは処置される障害により引き起こされる少なくとも1つの症状または特徴の、急性、慢性または予防的な縮小または軽減を含む。例えば、処置は、障害のいくつかの症状の縮小、障害の病理学的進行の抑制、または障害の完全な根絶を含むことができる。本発明の化合物を、被験体に同時投与することができる。用語「同時投与」は、同じ医薬組成物または別々の医薬組成物で組み合わせて被験体に投与される、2つまたはそれ以上の異なる薬剤または処置(例えば、放射線治療)の投与を意味する。従って、同時投与は、2つまたはそれ以上の薬剤を含む単一の医薬組成物を同時に投与すること、または同じ被験体に同時かまたは異なる時に2つまたはそれ以上の異なる組成物を投与することを含む。例えば、本発明の化合物を含む第1の投薬を午前8時に受け、次いで同日の1〜12時間後(例えば、午後6時)にCELEBREX(登録商標)を投与される被験体は、本発明の化合物とCELEBREX(登録商標)とを同時投与されている。あるいは、例えば、被験体に、本発明の化合物およびCELEBREX(登録商標)を午前8時に1回で投与することができ、ここで該被験体は、本発明の化合物およびCELEBREX(登録商標)を同時投与されている。
【0125】
従って、本発明の化合物はまた、癌の処置に有用な化合物(例えば、TAXOL(登録商標)、タキソテール、GLEEVEC(登録商標)(細胞傷害性薬物、例えばイマチニブメシレート)、アドリアマイシン、ダウノマイシン、シスプラチン、エトポシド、ビンカアルカロイド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、メトトレキサート、またはアドリアマイシン、ダウノマイシン、シスプラチン(cis−platinum)、エトポシド、およびビンクリスチンのようなアルカロイド、ファルネシル転移酵素阻害薬、エンドスタチンおよびアンジオスタチン、VEGF阻害薬、およびメトトレキサートのような代謝拮抗物質)と同時投与することができる。本発明の化合物はまた、タキサン誘導体、白金配位錯体、ヌクレオシドアナログ、アントラサイクリン、トポイソメラーゼ阻害薬、またはアロマターゼ阻害薬と組み合わせて使用され得る。放射線治療もまた、癌の処置のために本発明の化合物と同時投与することができる。
【0126】
本発明の化合物はまた、血栓崩壊性疾患、心臓疾患、卒中などの処置に有用な化合物(例えば、アスピリン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲン賦活剤、ウロキナーゼ、抗凝固薬、抗血小板薬(例えば、PLAVIX(登録商標);クロピドグレルビスルフェート)、スタチン(例えば、LIPITOR(登録商標);(アトルバスタチンカルシウム)、ZOCOR(登録商標)(シンバスタチン)、CRESTOR(登録商標)(ロスバスタチン)など)、β遮断薬(例えば、アテノロール)、NORVASC(登録商標)(ベシル酸アムロジピン)、およびACE阻害薬(例えば、Accupril(登録商標)(塩酸キナプリル)、リシノプリルなど)と同時投与することができる。
【0127】
本発明の化合物はまた、ACE阻害薬、スタチン、LIPITOR(登録商標)(アトルバスタチンカルシウム)のような脂質低下剤、NORVASC(登録商標)(ベシル酸アムロジピン)のようなカルシウムチャネル遮断薬のような化合物と、高血圧の処置のために同時投与することができる。本発明の化合物はまた、フィブラート、β遮断薬、NEPI阻害薬、アンギオテンシン−2レセプターアンタゴニストおよび血小板凝集阻害薬と組み合わせて使用され得る。
【0128】
慢性関節リウマチを含む炎症性疾患の処置のために、本発明の化合物は、抗TNFαモノクローナル抗体(例えば、REMICADE(登録商標)、CDP−870およびHUMIRATM(アダリムマブ))のようなTNF−α阻害薬、およびTNFレセプター−免疫グロブリン融合分子(例えば、ENBREL(登録商標))、IL−1阻害薬、レセプターアンタゴニストまたは可溶性IL−IRα(例えばKINERETTMまたはICE阻害薬)、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDS)、ピロキシカム、ジクロフェナク、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン イブプロフェン、フェナメート、メフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アパゾン、ピラゾロン、フェニルブタゾン、アスピリン、COX−2阻害薬(例えば、CELEBREX(登録商標))(セレコキシブ)、VIOXX(登録商標)(ロフェコキシブ)、BEXTRA(登録商標)(バルデコキシブ)およびエトリコキシブ、メタロプロテアーゼ阻害薬(好ましくはMMP−13選択的阻害薬)、NEUROTIN(登録商標)、プレガバリン、低用量メトトレキサート、レフルノミド、ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、オーラノフィンまたは非経口もしくは経口金のような薬剤と同時投与され得る。
【0129】
本発明の化合物は、変形性関節症の処置のための既存の治療剤と同時投与され得る。組み合わせて使用されるのに適切な薬剤としては、ピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸(例えば、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン)、フェナメート(例えば、メフェナム酸)、インドメタシン、スリンダク、アパゾン、ピラゾロン(例えば、フェニルブタゾン)、サリチレート(例えば、アスピリン)、COX−2阻害薬(例えば、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブおよびエトリコキシブ)のような標準的な非ステロイド性抗炎症剤(本明細書中では以後NSAIDという)、鎮痛薬および関節内治療(例えば、コルチコステロイド)およびヒアルロン酸(例えば、ヒアルガン(hyalgan)およびシンビスク)が挙げられる。
【0130】
本発明の化合物はまた、抗ウイルス剤(例えば、ビラセプト、AZT、アシクロビルおよびファムシクロビル)、および防腐化合物(例えば、Valant)と同時投与され得る。
【0131】
本発明の化合物はさらに、抗うつ薬(例えば、セルトラリン)、抗パーキンソン病薬(例えば、デプレニール、L−ドパ、レキップ、ミラペックス、セレジリン(selegine)およびラサジリンのようなMAOB阻害薬、タスマーのようなcomP阻害薬、A−2阻害薬、ドーパミン再摂取阻害薬、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニストおよび神経性一酸化窒素シンターゼの阻害薬)、ならびに抗アルツハイマー薬、例えばドネペジル、タクリン、NEUROTIN(登録商標)、プレガバリン、COX−2阻害薬、プロペントフィリンまたはメトリホナート(metryfonate)のようなCNS薬と同時投与され得る。
【0132】
本発明の化合物はさらに、骨粗しょう症薬(例えば、EVISTA(登録商標)(塩酸ラロキシフェン)、ドロロキシフェン、ラソフォキシフェンまたはフォソマックス)および免疫抑制剤(例えば、FK−506およびラパマイシン)と同時投与され得る。
【実施例】
【0133】
実施例A.1〜A.16
【表1】

【0134】
【表2】

【0135】
【表3】

【0136】
【表4】

【0137】
中間体1 3−クロロ−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニルクロリド
メトキシ桂皮酸(15.0g、84.3mmol)を、還流冷却器を備えたアルゴンパージした丸底フラスコ中のピリジン(0.643mL、7.96mmol)、DMF(6.16mL、80.0mmol)、およびクロロベンゼン(105mL)の混合物に溶解した。塩化チオニル(31.4mL、430mmol)を、シリンジでこの混合物に加えた。反応系を撹拌し、そして48時間激しく加熱還流させた。反応系を室温まで放冷させ、次いで真空で濃縮した。残留物をCH2Cl2(約40mL)に溶解し、次いで過剰のヘキサンで希釈した。希釈物を約2分の1の体積まで濃縮して沈殿物を得た。固体沈殿物を濾過し、集め、そして真空乾燥して3−クロロ−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニルクロリド(中間体1、9.8g、収率45%)を橙色固体として得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.71(d,J=8.9Hz,1H)、7.33(d,J=2.2,11H)、7.26(dd,J=8.2,2.4Hz,1H)、3.93(s,3H)。
【0138】
中間体2 3−クロロ−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルエステル
中間体1(9.8g、38mmol)を、フェノール(17.7g、189mmol)、ピリジン(約6mL)、および4−ジメチルアミノピリジン(400mg、3.3mmol)と共にCH2Cl2(47mL)中室温で周囲大気下で6時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。残留物をEtOAc(酢酸エチル)に溶解し、5%クエン酸水溶液で洗浄し、続いてブライン洗浄し、ついでNa2SO4で乾燥し、濃縮した。生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー[CH2Cl2/ヘキサン(1:4)]で生成して、3−クロロ−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルエステル(中間体2、7.879g、収率66%)を固体として得た。MS:M+1=319.1(APCI)。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.73(d、J=9.0Hz,1H)、7.45(m,2H)、7.38(d,J=2.4Hz,1H)、7.26(m,4H)、3.94(s,3H)。
【0139】
中間体3 3−クロロ−5−メトキシ−1−オキソ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルエステル
CH2Cl2(20mL)およびトリフルオロ酢酸(20mL)中の中間体2(6.00g、18.9mmol)の0℃の撹拌溶液に、30%H22水溶液(6.4mL、56.6mmol)をシリンジで滴下して加えた。反応系を0℃で15分間撹拌し、次いで室温で90分間撹拌した。この混合物を0℃に再び冷やし、次いで0℃の飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液に滴下して加えた。クエンチした混合物をEtOAcで数回抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮した。生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー[EtOAc/ヘキサン(1:4次いで2:3)]で精製して、3−クロロ−5−メトキシ−1−オキソ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルエステル(中間体3、3.01g、収率48%)を固体として得た。MS:M+1=335.1(APCI)。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.89(d,J=8.5Hz,1H)、7.44(m,2H)、7.28(m,4H)、7.22(dd、2.44、8.5Hz,1H)、3.96(s,3H)。微量分析(C16114SCl):計算値:C,57.40;H,3.31;N,0.00.実測値:C,57.39;H,3.16、N,<0.05。
【0140】
中間体4 5−メトキシ−1−オキソ−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルエステル
フェノール(0.102g、1.09mmol)のジオキサン(2mL)撹拌溶液に、水素化ナトリウム(0.0237g、0.988mmol)を加えた。反応系を室温で15分間撹拌し、次いでジオキサン(2mL)中の中間体3(0.300g、0.898mmol)の不均一混合物に滴下して加えた。この混合物は均一になった。反応系を室温で30分間撹拌し、次いで水でクエンチした。この混合物をEtOAcで数回抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、セライト濾過し、そして濃縮した。生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー[EtOAc/CH2Cl2(1:49次いで1:20)]で精製して、5−メトキシ−1−オキソ−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルエステル(中間体4、0.167g、収率47%)を透明なガラス状物質として得た。MS:M+1=393.2(APCI)。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.90(d,J=8.3Hz,1H)、7.28(m,9H)、6.95(m,3H)、3.80(s,3H)。元素分析計算値C22165S:C,67.33;H,4.11;N,0.00。実測値:C,67.02;H,4.14、N,<0.05。
【0141】
中間体5 5−メトキシ−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルエステル
中間体4(0.157g、0.400mmol)のアセトニトリル(2mL)撹拌溶液に、ヨウ化ナトリウム(0.180g、1.20mmol)を加えた。この混合物を室温で5分間撹拌し、次いで氷−水浴で0℃に冷やした。クロロトリメチルシラン(0.101mL、0.800mmol)をシリンジで加えた。氷−水浴を外し、そして反応系を室温で10分間撹拌した。反応混合物を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(約40mL)で希釈し、そしてEtOAcで数回抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、セライト濾過し、そして濃縮した。生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー[5%EtOAc−ヘキサン]で精製して、5−メトキシ−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルエステル(中間体5、0.126g、収率84%)を得た。MS:M+1=377.2(APCI)。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.73(d,J=9.0、1H)、7.31(m,5H)、7.20(m,2H)、7.06(m,2H)、6.99(m,3H)、3.70(s,3H)。
【0142】
中間体6 5−メトキシ−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸
中間体5(0.120g、0.319mmol)を、1.0M LiOH水溶液(0.638mL、0.638mmol)、MeOH(0.25mL)、およびTHF(2.25mL)と共に室温で16時間撹拌した。この混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、そしてジエチルエーテルで2回洗浄した。水性部分を1N HClを用いて酸性化した。次いで、酸性化した水性部分をEtOAcで数回抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、セライト濾過し、そして濃縮して、5−メトキシ−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(中間体6、0.091g、収率95%)を得た。MS:M+1=301.1(APCI)。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.67(d,J=8.8Hz,1H)、7.29(m,2H)、7.09(m,2H)、6.97(m,2H)、6.84(d,J=2.4Hz,1H)、3.66(s,3H)。
【0143】
実施例A.1. 5−メトキシ−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
中間体6(0.086g、0.29mmol)を、カルボニルジイミダゾール(0.097g、0.60mmol)と共に、アルゴンパージしたフラスコ中の蒸留したばかりのTHF(6mL)中室温で16時間撹拌した。5−アミノテトラゾール(0.056g、0.66mmol)を加え、そして反応系を激しく還流して5時間撹拌した。反応系を室温まで放冷させ、次いでH2O(約15mL)で希釈した。1N HClを、固体が沈殿するまで滴下して加えた。この固体を濾過し、そしてH2Oで洗浄した。このケーキ物質を集め、そして分取スケールHPLCクロマトグラフィーで精製して、5−メトキシ−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド(実施例A.1、中間体7、0.0062g、収率6%)を得た。MS:M+1=368.2(APCI)。1H−NMR(400MHz,DMSO)δ 16.10(s,lH)、11.70(s,1H)、8.01(d,J=9.0Hz,1H)、7.34(m,2H)、7.22(m,1H)、7.07(m,3H)、6.81(d,J=2.2Hz,1H)、3.64(s,3H)。
【0144】
実施例A.2〜A.8の表題化合物を、中間体4の合成におけるフェノールを適切に置換されたフェノールまたは他のアルコール(例えば、ピリジン−オール)と置き換えることにより実施例A.1と同様の様式で合成した。
【0145】
実施例A.2. 3−(ビフェニル−3−イルオキシ)−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0146】
実施例A.3. 5−メトキシ−3−m−トリルオキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0147】
実施例A.4. 5−メトキシ−3−(3−ニトロ−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0148】
実施例A.5. 5−メトキシ−3−(ピリジン−3−イルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0149】
実施例A.6. 3−(3−アセチルアミノ−フェノキシ)−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0150】
実施例A.7. 3−(3−アセチル−フェノキシ)−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0151】
実施例A.8. 3−(3−ジメチルアミノ−フェノキシ)−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0152】
中間体8 3−クロロ−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
中間体1(2.00g、7.69mmol)を、5−アミノテトラゾール(0.719g、8.46mmol)およびトリエチルアミン(1.22mL、8.80mmol)と共にアセトニトリル(38mL)中で90分間還流させた。反応系を室温まで放冷させて、固体を沈殿させた。この混合物を濾過し、そしてケーキをアセトニトリルおよびジエチルエーテルですすいだ。このケーキを真空乾燥して、3−クロロ−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド(中間体8、1.72g、収率72%)を得た。MS:M+1=310.1(APCI)。1H−NMR(400MHz,DMSO)δ 16.29(s,1H)、12.59(s,1H)、8.06(d,J=8.8Hz,1H)、7.34(d,J=2.4Hz,1H)、7.28(dd,J=2.4、8.8Hz,1H)、3.89(s,3H)。
【0153】
中間体9 3−クロロ−5−メトキシ−1−オキソ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
中間体8(5.12 16.6mmol)のCH2Cl2(26mL)およびトリフルオロ酢酸(26mL)中の0℃の撹拌溶液に、30%H22水溶液(3.75mL、33.1mmol)をシリンジで滴下して加えた。反応系を0℃で10分間撹拌し、次いで室温で60分間撹拌した。この混合物を再び0℃に冷やし、次いで0℃の飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液に滴下して加えた。固体が沈殿し、これを濾過した。ケーキをH2Oですすぎ、次いで真空乾燥して、3−クロロ−5−メトキシ−1−オキソ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド(中間体9、4.89g、収率91%)を得た。MS:M+1=326.1(APCI)。1H−NMR(400MHz,DMSO)δ 16.31(s,1H)、12.95(s,1H)、8.10(d,J=8.4Hz,1H)、7.34(m,2H)、3.93(s,3H)。
【0154】
中間体10 3−(3,5−ジメチル−フェノキシ)−5−メトキシ−1−オキソ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
中間体9(0.200g、0.615mmol)を、3,5−ジメチルフェノール(0.090g、0.738mmol)とジオキサン(6mL)中で混合した。水素化ナトリウム(0.0389g、1.62mmol)を加えた。反応系を室温で1時間撹拌し、次いで真空で濃縮した。濃縮物を、ジエチルエーテル(約15mL)および酢酸(約0.5mL)中のスラリーにし、次いで濾過した。ケーキをジエチルエーテルですすいだ。ケーキを集め、最小量のアセトニトリルに溶解し、そしてH2Oでトリチュレーションした。得られた固体を濾過し、H2Oでリンスし、そして真空乾燥して3−(3,5−ジメチル−フェノキシ)−5−メトキシ−1−オキソ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド(中間体10、0.093g、収率37%)を得た。MS:M+1=412.1(APCI)。1H−NMR(400MHz,DMSO)δ 15.71(s,1H)、12.26(s,1H)、8.03(d,J=8.4Hz,1H)、7.29(d,J=8.4Hz,1H)、7.08(s,1H)、6.89(s,2H)、6.61(s,1H)、3.85(s,3H)、2.11(s,6H)。
【0155】
実施例A.9 3−(3,5−ジメチル−フェノキシ)−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
3−(3,5−ジメチル−フェノキシ)−5−メトキシ−1−オキソ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド(0.089g、0.22mmol)を、アセトニトリル(1.0mL)中、ヨウ化ナトリウム(0.098g、0.65mmol)と室温で2分間混合撹拌した。クロロトリメチルシラン(0.051mL、0.43mmol)をシリンジで加えた。反応系を室温で2分間撹拌し、次いで10%チオ硫酸ナトリウム水溶液で赤色が消えるまでクエンチした。クエンチした反応系を固体が沈殿するまでH2Oで希釈した。この固体を濾過し、そして真空乾燥して、3−(3,5−ジメチル−フェノキシ)−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド(実施例A.9、中間体11)を定量的収率で得た。MS:M+1=396.1(APCI)。1H−NMR(400MHz,DMSO)δ 16.08(s,1H)、11.71(s,1H)、8.01(d,J=.8.8Hz,1H)、7.22(dd、J=2.0、9.2Hz,1H)、6.85(s,1H)、6.73(s,1H)、6.66(s,2H)、3.66(s,3H)、2.18(s,6H)。
【0156】
実施例A.10〜A.16の表題化合物を、3,5−ジメチルフェノールを適切に置換されたフェノールまたは他のアルコール(例えば、ナフタレン−2−オール)と置き換えることにより実施例A.9と類似の様式で合成した。
【0157】
実施例A.10. 5−メトキシ−3−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0158】
実施例A.11. 3−(3−エチル−フェノキシ)−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0159】
実施例A.12. 5−メトキシ−3−(3−モルホリン−4−イル−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0160】
実施例A.13. 3−(3−イソプロピル−フェノキシ)−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0161】
実施例A.14. 3−(3−イソプロピル−5−メチル−フェノキシ)−5−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0162】
実施例A.15. 3−(2−エチル−フェノキシ)−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0163】
実施例A.16. 3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0164】
実施例B.1〜B.75
【表5】

【0165】
【表6】

【0166】
【表7】

【0167】
【表8】

【0168】
【表9】

【0169】
【表10】

【0170】
【表11】

【0171】
【表12】

【0172】
【表13】

【0173】
【表14】

【0174】
【表15】

【0175】
実施例B.1. 5−メトキシ−6−メチル−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドを、以下の例外を除いて実施例A.1と類似の様式で合成した:
3−メトキシ−4−メチル桂皮酸を、メトキシ−桂皮酸(上記の中間体1の合成を参照)の代わりに用いた。3−メトキシ−4−メチル桂皮酸を、以下のように合成した:
【0176】
中間体12 3−メトキシ−4−メチル桂皮酸
3−(3−メトキシ−4−メチル−フェニル)−アクリル酸出発物質を、以下の反応に従って製造した:3−メトキシ−4−メチルベンズアルデヒド(20.0mL、137mmol)を、マロン酸(27.2g、206mmol)と共にピペリジン(6mL)およびピリジン(200mL)の混合物中で2.5時間還流させた。この混合物を半分の体積まで濃縮した。H2O(約20mL)および1N HCl(約6mL)を加えて固体沈殿物を得た。この固体を濾過し、そして1N HClですすぎ、次いでH2Oですすぎ、次いで真空乾燥して3−メトキシ−4−メチル桂皮酸(中間体12)を定量的収率で得た。MS:M+1=193.1(APCI)。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.72(d,J=16Hz,1H)、7.37(m,2H)、6.83(d,J=8.8Hz,1H)、6.31(d,J=15.6Hz,1H),3.87(s,3H),2.23(s,3H)。
【0177】
中間体2の合成と類似の反応において、イソプロパノールおよびトリエチルアミンを、それぞれフェノールおよびピリジンの代わりに用いて、中間体2のフェニルエステルの代わりにイソプロピルエステルを得た。
【0178】
B.1の合成における工程の残りを、5−アミノ−テトラゾールカップリング工程まで実施例A.1と類似のやり方で実行した。最終工程の5−アミノテトラゾールカップリングを、以下の条件下で実行した:5−メトキシ−6−メチル−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(0.379g、1.21mmol)を、アルゴンパージしたフラスコ中の無水CH2Cl2(6mL)に溶解した。触媒量のDMF、続いてオキサリルクロリド(0.158mL、1.82mmol)をシリンジで滴下して加えた。反応系を室温で30分間撹拌した。アセトニトリル(6mL)次いで5−アミノテトラゾール(0.155g、1.82mmol)およびトリエチルアミン(0.506mL、3.64mmol)を加えた。反応系を30分間還流させ、次いで室温まで放冷させた。この反応系をH2Oで希釈し、そして固体が沈殿するまで1N HClで酸性化した。固体を濾過し、そしてH2Oですすいだ。フィルターケークを最小量のMeOH中のスラリーにし、そして再度濾過し、そして真空乾燥して5−メトキシ−6−メチル−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド(実施例B.1、中間体13、0.299g、収率65%)を得た。MS:M+1=382.1(APCI).1H−NMR(400MHz,DMSO)δ 16.12(s,1H)、11.66(s,1H)、7.86(s,1H)、7.33(t、J=8.4Hz,2H)、7.08(t、J=7.4Hz,1H)、7.03(d,J=8.8Hz,2H)、6.74(s,1H)、3.59(s,3H)、2.24(s,3H)。
【0179】
実施例B.2. 3−(3−エチル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドを、中間体12から開始し、そして3,5−ジメチルフェノールを3−エチル−フェノールに置き換えて実施例A.9と類似の様式で合成した。
【0180】
実施例B.3およびB.5〜B.35の表題化合物を、3−エチル−フェノールを適切に置換されたフェノールまたは他のアルコールに置き換えて実施例B.2と類似の様式で合成した。
【0181】
実施例B.4、およびB.36〜B.75の表題化合物を、R1−L−OHとしてのフェノールを適切に置換されたフェノールまたは他のアルコールに置き換えて実施例B.1と類似の様式で合成した。
【0182】
実施例B.3. 5−メトキシ−6−メチル−3−(ナフタレン−2−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0183】
実施例B.4. 3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0184】
実施例B.5. 3−(6−ブロモ−ナフタレン−2−イルオキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0185】
実施例B.6. {4−[5−メトキシ−6−メチル−2−(2H−テトラゾール−5−イルカルバモイル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]−フェニル}−酢酸エチルエステル
【0186】
実施例B.7. 5−メトキシ−6−メチル−3−[4−(2−オキソ−2−ピペリジン−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0187】
実施例B.8. 5−メトキシ−6−メチル−3−[4−(3−オキソ−3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0188】
実施例B.9. 3−(3−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0189】
実施例B.10. 3−[4−(2−ブロモ−エチル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0190】
実施例B.11. 5−メトキシ−6−メチル−3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0191】
実施例B.12. 3−(4−イソプロピル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0192】
実施例B.13. 3−(4−ブチル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0193】
実施例B.14. 3−(4−ヘキシルオキシ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0194】
実施例B.15. 3−(4−ベンジルオキシ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0195】
実施例B.16. 3−(4−シクロヘキシルメトキシ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0196】
実施例B.17. 3−(4−シクロペンチルオキシ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0197】
実施例B.18. 3−(3−tert−ブチル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0198】
実施例B.19. 3−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0199】
実施例B.20. 3−(ビフェニル−4−イルオキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0200】
実施例B.21. 3−(4−シクロヘプチルオキシ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0201】
実施例B.22. 3−(4−シクロヘキシルオキシ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0202】
実施例B.23. 3−(3,4−ジ−tert−ブチル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0203】
実施例B.24. 5−メトキシ−6−メチル−3−(4−フェノキシ−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0204】
実施例B.25. 3−[4−(2−tert−ブチルスルファニル−エチル)−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0205】
実施例B.26. 5−メトキシ−6−メチル−3−[4−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0206】
実施例B.27. 3−[4−(1,4−ジメチル−シクロヘキシル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0207】
実施例B.28. 3−(4−シクロヘキシル−2−メチル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0208】
実施例B.29. 3−(4−シクロヘキシル−3−メチル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0209】
実施例B.30. 5−メトキシ−6−メチル−3−[4−(1−フェニル−エチル)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0210】
実施例B.31. 5−メトキシ−6−メチル−3−(4−ピペリジン−1−イル−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0211】
実施例B.32. 3−(4−シクロペンチルメチル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0212】
実施例B.33. 3−(4−シクロブトキシ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0213】
実施例B.34. 3−(3−シクロペンチルオキシ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0214】
実施例B.35. 3−(4−ベンゾイル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
(中間体14)
【0215】
実施例B.36. 3−[(4−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
水素化ホウ素ナトリウム(0.0055g、0.146mmol)を、中間体14(0.058g、0.12mmol)のメタノール(0.6mL)およびTHF(0.1mL)中の溶液に加えた。反応系を室温で10分間撹拌し、次いで1N HCl水溶液(約1mL)でクエンチした。クエンチした反応系をH2O(約5mL)で希釈した。得られた固体沈殿物を濾過し、H2Oでリンスし、そして真空乾燥して3−[(4−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド(0.057g、収率98%)を得た。
【0216】
実施例B.37. 5−メトキシ−6−メチル−3−(4−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0217】
施例B.38. 3−(4−ブロモ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0218】
実施例B.39. 3−(4−フルオロ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0219】
実施例B.40. 3−(4−クロロ−2−フルオロ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0220】
実施例B.41. 3−(4−クロロ−3−フルオロ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0221】
実施例B.42. 5−メトキシ−6−メチル−3−(3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0222】
実施例B.43. 5−メトキシ−6−メチル−3−(4−ニトロ−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0223】
実施例B.44. 3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド。
【0224】
実施例B.45. 5−メトキシ−6−メチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0225】
実施例B.46. 5−メトキシ−6−メチル−3−(ピリジン−3−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0226】
実施例B.47. 3−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0227】
実施例B.48. 3−[4−(シクロヘキシル−ピペリジン−1−イル−メチル−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0228】
実施例B.49. 5−メトキシ−6−メチル−3−[4−(3−メチル−シクロペンチル)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0229】
実施例B.50. 5−メトキシ−6−メチル−3−[4−(3−メチル−シクロペンチルオキシ)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0230】
実施例B.51. 3−(4−クロロ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0231】
実施例B.52. 3−[4−(3−ブチル−シクロヘキシル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0232】
実施例B.53. 5−メトキシ−6−メチル−3−(4−ピペリジン−4−イル−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0233】
実施例B.54. 5−メトキシ−6−メチル−3−[4−(3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキシル)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5イル)−アミド
【0234】
実施例B.55. 3−[4−(4,4−ジメチル−シクロヘキシル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5イル)−アミド
【0235】
実施例B.56. 5−メトキシ−6−メチル−3−(2−フェニル−プロポキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0236】
実施例B.57. 3−(4−シクロヘプチル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)アミド
【0237】
実施例B.58. 3−(4−シクロペンチル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)アミド
【0238】
実施例B.59. 5−メトキシ−3−[4−(1−メトキシメチル−シクロペンチル)−フェノキシ]−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0239】
実施例B.60. 5−メトキシ−6−メチル−3−[4−(4−オキソ−シクロヘキシル)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミ。
【0240】
実施例B.61. [2−(4−{4−[5−メトキシ−6−メチル−2−(2H−テトラゾール−5−イルカルバモイル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]−フェニル}−ピペリジン−1−イル)−1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0241】
実施例B.62. 3−[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)アミド
【0242】
実施例B.63. 3−[4−(1−イソブチリル−ピペリジン−4−イル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0243】
実施例B.64. 3−[4−(1−カルバモイル−シクロペンチル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0244】
実施例B.65. 5−メトキシ−6−メチル−3−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0245】
実施例B.66. 3−[4−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0246】
実施例B.67. 5−メトキシ−6−メチル−3−[4−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イル)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0247】
実施例B.68. 3−[4−(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−8−イル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0248】
実施例B.69. 3−[4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0249】
実施例B.70. 5−メトキシ−6−メチル−3−(2−ニトロ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0250】
実施例B.71. 3−(2−アミノ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0251】
実施例B.72. 3−(2−メトキシ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0252】
実施例B.73. 3−(2−クロロ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0253】
実施例B.74. 3−(2−ブロモ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0254】
実施例B.75. 3−(2−シアノ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0255】
実施例C.1〜C.35
【表16】

【0256】
【表17】

【0257】
【表18】

【0258】
【表19】

【0259】
【表20】

【0260】
中間体16 5,6−ジメトキシ−3−フェネチルオキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
3−ヒドロキシ−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体15、0.2g、0.75mmol)(米国特許第3,954,748号に記載されるように製造した)のTHF(28mL)溶液に、N2下、PS−トリフェニルホスフィン(ポリスチレン−トリフェニルホスフィン)(1.38g、2.23mmol)を加え、そして懸濁液を15分間撹拌し、次いで0℃に冷却した。アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)(0.37mL、2.35mmol)を加え、そして反応混合物を25分撹拌し、続いてフェネチルアルコール(0.25mL、2.09mmol)を加えた。反応系を5分間撹拌し、次いで室温まで温め、そして2.5時間撹拌した。樹脂を濾過し、そしてジエチルエーテルおよび塩化メチレン(それぞれ3×50mL)で交互に洗浄した。得られたろ液を濃縮して、表題生成物の粗製明黄色ペースト(1.04g)とし、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0261】
中間体17. 5,6−ジメトキシ−3−フェネチルオキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸
水酸化カリウム(0.746g、13.32mmol)を、中間体16(1.48mmol)のメタノール(42ml)溶液に加えた。反応混合物を加熱還流して橙色溶液を形成し、そして終夜撹拌した。室温まで冷却した後、溶液をpH約3まで濃HClで酸性化し、次いで過剰の水で希釈して、ベージュ色沈殿物を得た。固体を濾過し、水ですすぎ、そして乾燥して0.489gの表題生成物を得た。
【0262】
実施例C.1. 5,6−ジメトキシ−3−フェネチルオキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
中間体17を、中間体7の合成と類似の様式で表題生成物(0.0449g、収率73%)に変換した。
【0263】
中間体18. 3−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
アセトニトリル(8ml)中の中間体15(0.2g、0.75mmol)に、ジ−イソプロピルエチルアミン(Hunig塩基)(0.097g、0.75mmol)、続いて1−ブロモ−3−ブロモメチル−ベンゼン(0.19g、0.76mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で終夜撹拌した。この混合物を冷却し、そしてEt2OとH2Oとの間で分配した。これらの層を分離し、そして有機相を飽和Na2CO3水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。Et2Oで再結晶して、0.08g(24%)の表題生成物を得た。MS:M+1=437.0(APCI)。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.71(s,1H)、7.46(m,2H)、7.38−7.0(m,3H)、5.51(s,2H)、3.98(s,3H)、3.96、(s,3H)、3.87、(s,3H)。
【0264】
中間体19. 3−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸
中間体18(0.0.07g、0.16mmol)を、1.0M NaOH水溶液(0.48mL、0.48mmol)、MeOH(5.0mL)と共に室温で16時間撹拌した。この混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、そしてジエチルエーテルで2回洗浄した。水性部分を6N HClで酸性化した。酸を1:1EtOAc/Et2Oで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Mg2SO4で乾燥して、表題生成物(0.03g、43%収率)を得た。MS:M−CO2=375.9(APCI)。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.62(s,1H)、7.36 6.89(m,5H)、5.22(s,2H)、3.85(s,3H)、3.76。
【0265】
実施例C.2. 3−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
DMF(5mL)中の中間体19(0.02g、0.05mmol)を、EDAC.HCl(0.011g、0.055mmol)、HOBT(0.0074g、0.055mmol)および5−アミノテトラゾール(0.006g、0.055mmol)で処理した。得られた混合物を室温で終夜撹拌した。水を加え、そして生成物を1:1Et2O/EtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和NaCl水溶液で3回洗浄し、次いで乾燥した。表題生成物を、メタノールから再結晶して0.005g(20%)を得た。微量分析:計算値:C,46.54;H,3.29;N,14.28.実測値:C,46.36;H,3.26;N,13.88。MS:M+1=492.1(APCI)。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.62(s,1H)、7.36 6.89(m,H)、5.22(s,2H)、3.85(s,3H)、3.76。
【0266】
実施例C.10〜C.35の表題化合物を、適切に置換されたアルコールを中間体17の合成におけるフェネチルアルコールの代わりに用いることにより実施例C.1と類似の様式で合成した。
【0267】
実施例C.3〜C.9を、適切に置換されたブロモメチルベンゼンまたはブロモメチルナフタレンを1−ブロモ−3−ブロモメチル−ベンゼンの代わりに用いることにより実施例C.2と類似の様式で合成した。
【0268】
実施例C.3. 3−(3,4−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0269】
実施例C.4. 3−(ビフェニル−4−イルメトキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0270】
実施例C.5. 5,6−ジメトキシ−3−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0271】
実施例C.6. 3−(3,5−ジメトキシ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0272】
実施例C.7. 3−(4−tert−ブチル−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0273】
実施例C.8. 5,6−ジメトキシ−3−(2,3,6−トリフルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0274】
実施例C.9. 5,6−ジメトキシ−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0275】
実施例C.10. 5,6−ジメトキシ−3−((R)−1−メチル−2−フェニル−エトキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0276】
実施例C.11. 5,6−ジメトキシ−3−(ピリジン−3−イルメトキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0277】
実施例C.12. 5,6−ジメトキシ−3−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0278】
実施例C.13. 3−(2,2−ジフェニル−エトキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0279】
実施例C.14. 5,6−ジメトキシ−3−(ピリジン−2−イルメトキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0280】
実施例C.15. 5,6−ジメトキシ−3−(2−キノリン−5−イル−エトキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0281】
実施例C.16. 3−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エトキシ]−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0282】
実施例C.17. 5,6−ジメトキシ−3−(2−ナフタレン−1−イル−エトキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0283】
実施例C.18. 5,6−ジメトキシ−3−(ピリジン−4−イルメトキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0284】
実施例C.19. 3−(3−ジメチルアミノ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0285】
実施例C.20. 3−(2−シクロヘキシルメトキシ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0286】
実施例C.21. 5,6−ジメトキシ−3−[2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エトキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0287】
実施例C.22. 5,6−ジメトキシ−3−(ナフタレン−1−イルメトキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0288】
実施例C.23. 5,6−ジメトキシ−3−((S)−2−フェニル−プロポキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0289】
実施例C.24. 5,6−ジメトキシ−3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメトキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0290】
実施例C.25. 3−(3−シクロペンチルオキシ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0291】
実施例C.26. 3−(3−シクロヘキシルメトキシ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0292】
実施例C.27. 3−[2−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−エトキシ]−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0293】
実施例C.28. 5,6−ジメトキシ−3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルメトキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0294】
実施例C.29. 5,6−ジメトキシ−3−((S)−1−メチル−2−フェニル−エトキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0295】
実施例C.30. 3−(4−シクロヘキシル−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0296】
実施例C.31. 3−(3,5−ジ−tert−ブチル−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0297】
実施例C.32. 3−[2−(3,5−ジメチル−フェニル)−エトキシ]−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0298】
実施例C.33. 5,6−ジメトキシ−3−(3−フェニル−プロポキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0299】
実施例C.34. 5,6−ジメトキシ−3−(2−メチル−2−フェニル−プロポキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0300】
実施例C.35. 5,6−ジメトキシ−3−((R)−2−フェニル−プロポキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0301】
実施例D.1〜D.9
【表21】

【0302】
【表22】

【0303】
実施例D.1. 6−メトキシ−5−メチル−3−フェノキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドを、以下の例外を除いて、実施例A.1と類似の様式で合成した:
3−(3−メチル−4−メトキシ−フェニル)−アクリル酸(中間体20)出発物質を、中間体12の合成と類似の様式で3−メチル−4−メチルオキシベンズアルデヒドから製造した。MS:M+1=193.1(APCI)。1H−NMR(400MHz,CDC13)δ 7.72(d,J=16Hz,1H)、7.37(m,2H)、6.83(d,J=8.8Hz,1H)、6.31(d,J=15.6Hz,1H)、3.87(s,3H)、2.23(s,3H)。
【0304】
実施例D.2〜D.9を、R1−L−OHとしてのフェノールを適切に置換されたフェノールまたは他のアルコールと置き換えて実施例D.1と類似の様式で合成した。
【0305】
実施例D.2. 3−(3−ホルミル−フェノキシ)−6−メトキシ−5−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0306】
実施例D.3. 3−(3−シアノ−フェノキシ)−6−メトキシ−5−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0307】
実施例D.4. 3−(3−カルバムイミドイル−フェノキシ)−6−メトキシ−5−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
無水HClガスを、実施例D.3(0.034g、0.084mmol)の無水エタノール(4mL)中の冷却(−78℃)溶液に5分間通気した。次いで反応系を室温で16時間撹拌し、次いで濃縮した。次いで残留物を2.0MのNH3エタノール溶液(4mL)中で室温にて16時間撹拌した。この混合物を濃縮して、表題化合物(0.024g、収率69%)を得た。MS:M−1=422.1(APCI)。
【0308】
実施例D.5. 3−(4−エトキシ−フェノキシ)−6−メトキシ−5−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0309】
実施例D.6. 3−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−6−メトキシ−5−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0310】
実施例D.7. 3−(3−tert−ブチル−フェノキシ)−6−メトキシ−5−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
【0311】
実施例D.8. 3−{4−[3−(4−クロロフェニル(chlorophenenyl))スルファニルプロピル]フェノキシ}−6−メトキシ−5−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾリル)アミドトリフルオロ酢酸塩
中間体20を、中間体1を製造するために使用した条件と同じ条件下で3−クロロ−6−メトキシ−5−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニルクロリド(中間体21)に変換した。3−{4−[3−(4−クロロフェニル)スルファニルプロピル]フェノキシ}−6−メトキシ−5−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾリル)アミドトリフルオロ酢酸塩(実施例D.8)を、4−[2−(4−クロロ−フェニルスルファニル)−エチル]−フェノールをフェノールの代わりに用いて実施例A.9と類似の様式で中間体21から製造した。
【0312】
実施例D.9. 3−{4−[3−(4−シクロヘキシル)スルファニルプロピル]フェノキシ}−5−メトキシ−6−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾリル)アミドトリフルオロ酢酸塩を、4−(2−シクロヘキシルスルファニル−エチル)−フェノールを4−[2−(4−クロロ−フェニルスルファニル)−エチル]−フェノールの代わりに用いて実施例D.8と類似の様式で合成した。
【0313】
実施例H.1およびH.2
【表23】

【0314】
実施例H.1. 3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ヒドロキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
三臭化ホウ素(0.837mL、8.85mmol)を、−78℃の3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(実施例B.4の合成のように製造された、0.700g、1.77mmol)の無水CH2Cl2(9mL)撹拌溶液に滴下して加えた。反応系を、−78℃で10分間撹拌し、次いで室温で45分間撹拌した。さらなる三臭化ホウ素(0.800mL、8.46mmol)を加え、そして反応系を室温で40分間撹拌した。反応系を、1:1MeOH−H2Oを滴下して注意深くクエンチした。クエンチした混合物を1N HClで希釈し、そして室温で1時間撹拌した。この混合物をCH2Cl2で抽出した。抽出物を濾過し、そして濃縮した。残留物を最小量のCH2Cl2に溶解し、そしてヘキサンでトリチュレーションして(titurate)、固体沈殿物を得た。固体を濾過し、そして乾燥して3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ヒドロキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(中間体21、0.510g、収率75%)を得た。MS:M+l=383.1(APCI)。中間体13の合成のように、中間体21を5−アミノテトラゾールとカップリングさせて表題生成物を得た。
【0315】
実施例H.2. 3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ジフルオロメトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
NaOH(1.6mLのH2Oに1.6gを溶解した)を、−78℃に冷却したコールドフィンガーを備えた三ツ口フラスコ中の中間体21(0.310g、0.811mmol)の0℃ジオキサン(8mL)溶液に加えた。クロロジフルオロメタン(約10mL)を、フラスコ中に凝縮した。反応系を(コールドフィンガーを−78℃に維持しながら)75℃に4時間加熱した。この反応系を室温まで放冷させ、次いで1N HClで酸性化した。反応系をEtOAcで数回抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、セライト濾過し、そして濃縮した。生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(0〜100%アセトン−CH2Cl2勾配溶出)で精製して、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ジフルオロメトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(0.202mg、収率57%)を得た。MS:M+l=433.0(APCI)。3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ジフルオロメトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸を、中間体13の合成におけるように5−アミノテトラゾールとカップリングして表題生成物を得た。
【0316】
実施例K.1〜K.2
【表24】

【0317】
実施例K.1. 3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド(0.400g、0.863mmol、実施例B.4)を、ジクロロメタン(6mL)中、ジイソプロピルエチルアミン(0.420mL、2.41mmol)と共に室温で1時間撹拌した。この混合物を0℃に冷却し、そしてヨウ化メチル(0.096mL、1.90mmol)を加えた。冷浴を外し、そして反応系を室温で3.5時間撹拌した。ジイソプロピルエチルアミン(0.060mL)およびヨウ化メチル(0.020mL)を加え、そしてこの混合物を室温で18時間撹拌した。さらにジイソプロピルエチルアミン(0.060mL)およびヨウ化メチル(0.020mL)を加え、そして反応系を室温でさらに18時間撹拌した。反応を1M HClでクエンチし、そして酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物をH2Oで洗浄し、次いでブラインで洗浄し、次いで濃縮した。粗製生成物を、45%ジエチルエーテル/ヘキサンを用いてシリカゲルカラムに通した。集めた物質を濃縮し、そしてジエチルエーテルでトリチュレーションして表題生成物(0.070g、収率37%)を得た。
【0318】
実施例K.2. 3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチル−(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド
3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(実施例B.4において製造されたとおり)を、シアナミドをアミノ−テトラゾールの代わりに用いたことを除いて実施例B.1の5−アミノ−テトラゾールカップリング反応と類似の様式で、3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−N−シアノ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミドに変換した。
【0319】
3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−N−シアノ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド(0.115g、0.273mmol)を、水素化ナトリウム(0.008g、0.273mmol)およびヨウ化メチル(0.069mL、1.37mmol)と共にDMF中で2時間還流させた。反応系を、一定の窒素気流下で16時間送風乾燥した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、10%Et2O−ヘキサン→20%Et2O−ヘキサン)で精製して3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−N−シアノ−N−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド(0.110g、収率93%)を得た。
【0320】
3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−N−シアノ−N−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド(0.158g、0.364mmol)を、トルエン(5mL)に溶解した。アジ化ナトリウム(0.071g、1.09mmol)、次いで塩化トリエチルアンモニウム(0.150g、1.09mmol)を加えた。反応系を2.5時間加熱還流した。この混合物を室温まで放冷させ、そしてH2Oで希釈した。数滴の濃HClを加え、そして混合物を酢酸エチルで2回抽出した。有機抽出物をH2Oで洗浄し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。分析は、未反応の出発物質が残留していることを示していた。粗製生成物を、再度同一の反応条件に付して、次いで前のように後処理した。この粗製生成物を、最小量のMeOH中でスラリーにし、そして濾過した。フィルターケーキをMeOHで控えめにリンスした。固体フィルターケーキ物質を集め、そして高真空下で乾燥して、白色固体として表題化合物を得た(0.075g、収率43%)。
【0321】
実施例L.1:
【化21】

【0322】
中間体22 3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ヒドロキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸
3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(0.25g、0.630mmol)のCH2Cl2(70mL)氷冷溶液に、BBr3をシリンジで滴下して加えた。この混合物を0℃で撹拌し、そして周囲温度まで昇温させた。12時間後、水(10mL)を加えて反応をクエンチした。溶液を0℃に冷却し、そして固体が析出した。この固体を濾過し、水で洗浄し、高真空ポンプ下で乾燥して、表題生成物(0.22g、収率95%)をオフホワイト固体として得た。MS:M+1=365.1(−OH)(APCI).H1−NMR(400MHz,DMSO)δ 10.15(s,1H)、7.99(s,1H)、7.85(s,1H)、7.78(s,3H)、7.50(s,1H)、2.71(m,1H)、2.32(s,3H)、1.93−1.68(m,4H)、1.56−1.12(m,6H)。
【0323】
中間体23 3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−エトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸エチルエステル
中間体22(0.22g、0.57mmol)のDMF(20mL)撹拌溶液、および炭酸セシウム(0.47g、1.43mmol)に、ヨードエタン(0.50mL、5.70mmol)を加えた。この反応混合物を室温で撹拌した。12時間後、水(20mL)を加えて反応をクエンチした。この溶液を0℃に冷却し、そして固体が沈殿した。この固体を濾過し、水で洗浄し、高真空下で乾燥させて、表題生成物(0.24g、収率95%)をオフホワイトとして得た。MS:M+1=439.1(APCI)。H1−NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.14(s,1H)、7.58(d,4H)、7.41(s,1H)、4.17(q、2H)、2.62(m,1H)、2.38(s,3H)、2.32(s,3H)、1.96−1.72(m,6H)、1.38−1.20(m,9H)。
【0324】
中間体24 3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−エトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸
中間体23(0.24g、0.55mmol)およびKOH(0.30g、5.50mmol)のEtOH(40mL)溶液を、2時間加熱還流した。この混合物を周囲温度まで冷却し、そして減圧下で濃縮した。残留物を水(10mL)で希釈し、そしてジエチルエーテルで洗浄した。水性部分を1N HClで酸性化した。冷却すると固体が析出し、これを濾過し、そして水で洗浄し、高真空ポンプ下で乾燥して、表題生成物(0.21g、95%)を得た。MS:M+1=411.1(APCI)。H1−NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.56(s,1H)、7.06(d,2H)、6.06(d,2H)、6.73(s,1H)、3.83(q、2H)、2.41(m,1H)、2.27(s,3H)、1.82−1.66(m,5H)、1.39−1.17(m,8H)。
【0325】
実施例L.1 3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−エトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド
中間体24(0.15g、0.365mmol)および塩化オキサリル(0.13mL、1.46mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液に、1滴のDMFを加えた。この混合物を周囲温度で2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。得られた残留物をCH2Cl2(20mL)で希釈し、次いでトリエチルアミン(0.13mL、0.91mmol)および5−アミノテトラゾール(0.08g、0.91mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で撹拌した。12時間後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(100mL)に溶解し、次いで1N HCl(30mL)で洗浄し、次いでブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で乾燥するまでエバポレートしてオイルを得、これは放置していると固化した。この固体を分取HPLC(勾配20%H2O〜60%CH3CN、1%TFAを含む)により精製して、表題生成物を白色固体(30mg、17%)として得た。MS:M+1=478.1(APCI)。H1−NMR(400MHz,CDCl3)δ 10.35(s,1H)、7.65(s,1H)、7.21(d,2H)、7.05(d,2H)、6.39(s,1H)、3.63(q、2H)、2.51(m,1H)、2.29(s,3H)、1.82−1.71(m,5H)、1.53−1.21(m,8H)。
【0326】
生物学的実施例1
PI3Kγタンパク質発現および精製プロトコル
ESF921培地中で増殖させたSpodtera frugiperda細胞に、バキュロウイルス発現glu−タグ化p101およびバキュロウイルス発現HA−タグ化p110γを、3:1のp101バキュロウイルス対p110γバキュロウイルスの比で同時感染させた。Sf9細胞を、10Lのバイオリアクター中、1×107個の全細胞/mLまで増殖させ、そして感染後48〜72時間で採取した。次いで、感染した細胞のサンプルを、p101/p110γPI3キナーゼの発現について、免疫沈降法およびウエスタンブロット分析法(以下を参照のこと)により試験した。
【0327】
PI3Kγを精製するために、細胞ペースト1グラムあたり4容量の室温低張性溶解緩衝液(1mM MgCl2、1mM DTT、5mM EGTA、1mM Pefabloc、0.5μM アプロチニン、5μM ロイペプチン、2μM ペプスタチン、5μM E64、pH 8)を、凍結細胞ペレット上に撹拌しながら注ぎ、次いで窒素「ボム(bomb)」で400psiにて溶解した(599HCT316、Parr Instrument Co、Moline、IL)。NaClを150mMまで加え、そしてコール酸ナトリウムを1%まで加え、そしてさらに45分間混合した。溶解物を、25分間14,000rpmで遠心分離することにより清澄化した。次いで溶解物を、50gの細胞ペーストあたり20mLの樹脂を使用して、抗glu連結タンパク質−Gセファロースビーズ(Covance Research Products、Richmond、CA)上にローディングした。カラムを15容量の洗浄緩衝液(1mM DTT、0.2mM EGTA、1mM Pefabloc、0.5μM アプロチニン、5μM ロイペプチン、2μM ペプスタチン、5μM E64、150mM NaCl、1% コール酸ナトリウム、pH8)で洗浄した。PI3Kγを、gluタグの結合に関して競合するペプチドを100μg/mL含有する、6カラム容量の洗浄緩衝液で溶出した。溶出したタンパク質(OD280読み取りにより決定した)を含むカラム画分を集め、そして0.2mM EGTA、1mM DTT、1mM Pefabloc、5μM ロイペプチン、0.5%コール酸ナトリウム、150mM NaCl、および50% グリセロール(pH8)中で透析した。画分を、さらに使用するまで−80℃で保存した。
【0328】
生物学的実施例2
Gタンパク質サブユニット発現
Spodtera frugiperda細胞に、バキュロウイルス発現glu−タグ化Gタンパク質β1およびバキュロウイルス発現Gタンパク質β2を、1:1のglu−タグ化Gタンパク質β1バキュロウイルス対Gタンパク質β2バキュロウイルスの比で同時感染させた。Sf9細胞を、10Lのバイオリアクターで増殖させ、そして感染後48〜72時間で採取した。感染した細胞のサンプルを、以下に記載されるように、ウェスタンブロット分析によりGタンパク質β1/β2発現について試験した。細胞溶解物を均一化し、そして生物学的実施例1のようにglu−タグ化ビーズのカラム上にローディングし、そしてカラムをgluペプチドを用いて競合させ、そして生物学的実施例1に記載されるように処理した。
【0329】
生物学的実施例3
ウエスタンブロット分析
タンパク質サンプルを、8%Tris−グリシンゲル上で展開し、そして45μMニトロセルロース膜に移した。次いで、ブロットを、TBST(50mM Tris、200mM NaCl、0.1% Tween20、ph 7.4)中の5%ウシ血清アルブミン(BSA)および5%オボアルブミンで1時間室温でブロックし、そして0.5%のBSAを含むTBSTで1:10,000希釈された一次抗体と共に4℃で終夜インキュベートした。p110γ、p110α、p110β、p85α、Gタンパク質β1、およびGタンパク質γ2サブユニットについての一次抗体を、Santa Cruz Biotechnology、Inc.、Santa Cruz、CAから購入した。p101サブユニット抗体は、p101ペプチド抗原に基づいてResearch Genetics、Inc.、Huntsville、ALにおいて開発された。
【0330】
一次抗体と共にインキュベーション後、ブロットをTBST中で洗浄し、そして0.5%のBSAを含むTBSTで1:1000希釈されたヤギ−抗−ウサギHRP結合体(Bio−Rad Laboratories、Inc.、Hercules、CA、製品番号170−6515)と共に、2時間室温でインキュベートした。抗体を、ECLTM検出試薬(Amersham Biosciences Corp.、Piscataway、New Jersey)を用いて検出し、そしてKodak ISO400Fスキャナーで定量した。
【0331】
生物学的実施例4
免疫沈降法
生物学的実施例1または2からの100μLの細胞ペーストを解凍し、そして400μLの低張性溶解緩衝液(25mM tris、1mM DTT、1mM EDTA、1mM Pefabloc、5μM ロイペプチン、5μM E−64(Roche)、1% Nonidet P40、pH7.5〜8)を用いて氷上で溶解させた。溶解物をglu−タグ化ビーズ(Covance Research Products、Cambridge、England、製品番号AFC−115P)と共に2時間室温でインキュベートした。このビーズを洗浄緩衝液(20mM Tris、pH7.8〜8、150mM NaCl2、0.5% NP40)で3回洗浄し、そして2倍のサンプル緩衝液(Invitrogen Corporation、Carlsbad、CA、製品番号LC1676)中で加熱することによりタンパク質をビーズから溶出した。
【0332】
生物学的実施例5
PI3Kγインビトロキナーゼアッセイ
表1の化合物の阻害特性を、インビトロPI3Kアッセイでアッセイした。96−ウェルポリプロピレンプレートにおいて、各ウェルにDMSO中の所望の最終濃度の50倍の化合物を2μLスポッティングした。各反応について精製された組み換えp101/p110γタンパク質(0.03μg;約2.7nM)およびGタンパク質β1/γ2サブユニット(0.09μg;約57.7nM)を、アッセイ緩衝液中(30mM HEPES、100mM NaCl、1mM EGTA、および1mM DTT)で混合した。ATPおよび[γ−32P−ATP](0.09μCi)を、反応系の最終ATP濃度が20Mになるようにこの混合物に加えた。アッセイ緩衝液中のホスファチジルイノシトール−4,5−二リン酸(PIP2)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、およびNa−コール酸を10分間超音波処理し、MgCl2を加え、そして氷上で20分間インキュベートすることにより、脂質ミセルを形成した。ここで、反応系の最終濃度は25μM PIP2、300μM PE、0.02% Na−コール酸、および10mM MgCl2であった。総容量50μL中、等容量の脂質および酵素混合物を加えることにより反応を開始させ、20分間室温で放置し、そして100μLの75mM H3PO4で停止させた。脂質産物をグラスファイバーフィルタープレートに移し、そして75mM H3PO4で数回洗浄した。放射性脂質産物(PIP3)の存在を、Wallac Optiphase混合物を各ウェルに加え、そしてWallac 1450 Triluxプレートリーダー(PerkinElmer Life Sciences Inc.、Boston、MA 02118)で計数することにより測定した。試験した各化合物についてのIC50を、μMで表1に報告する:
【0333】
【表25】

【0334】
【表26】

【0335】
【表27】

【0336】
【表28】

【0337】
本明細書中に記載される実施例および実施態様は、例示目的のみであり、そしてそれを考慮した種々の改変または変更が、当業者により示唆され得、そして本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に包含されるべきであることが理解される。本明細書中で引用される全ての刊行物、特許、および特許出願は、それらの全体があらゆる目的のために本明細書に参考として援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
式中、R2およびR3は、
(i)R2がメトキシであり、そしてR3が、H、メチル、およびメトキシからなる群より選択される;
(ii)R2がメチルであり、そしてR3がメトキシである;
(iii)R2が−O−CHF2であり、そしてR3がメチルである;
(iv)R2が−OHであり、そしてR3がメチルである;
(v)R2がシクロプロピルオキシであり、そしてR3が、H、メチル、およびメトキシからなる群より選択される;
(vi)R2が−O−CHF2であり、そしてR3がシクロプロピルオキシである;そして
(vii)R2がエトキシであり、そしてR3がメチルである;
からなる群より選択され、
式中、R4は、HまたはCH3であり;
式中、R5は、HまたはCH3であり;
式中、Lは、存在しないか、C1−C4アルキレンまたはC1−C4アルキレン−C(O)−であり;
式中R1は、基(a)、(b)、(c)、もしくは(d)で置換される置換フェニルであるか;または
1は、ナフタレニル、5員ヘテロアリール、6員ヘテロアリール、ピリミジニル、ピリジニル、キノリニル、およびインダニルからなる群より選択される場合により置換された基であり、ここで該場合により置換された基は、(a)、(b)、(c)、もしくは(d)で置換されることができ;
ここで該基(a)、(b)、(c)、もしくは(d)は、
(a)Br、F、Cl、−CN、−NO2、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、−CH2CH2−Br、−CH2CH2−S−(t−ブチル)、O−C1−C6アルキル、−C(NH)(NH2)、−NH−C(O)−CH3、NH2、N(CH32、−CH2−C(O)−O−CH2CH3、C(O)−C1−C4アルキル、およびC(O)Hからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基;
(b)J−R8である1個の置換基
[ここでJは、存在しないか、−O−、C1−C4−アルキレン、O−C1−C4−アルキレン、C1−C4−アルキレン−C(O)−、もしくはC1−C4−アルキレン−S−であり、
ここで、R8は、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラニル、5員ヘテロシクロアルキル、もしくは6員ヘテロシクロアルキルからなる群より選択される場合により置換される基であり、該基は、Br、F、Cl、−CN、−NO2、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、−O−C1−C6アルキル、−C(NH)(NH2)、NH−C(O)−CH3、NH2、N(CH32、−C(O)−NH2、C(O)−CH3、−C(O)−C1−C4アルキル、C(O)H、およびC(O)−
C(CH32−NH−C(O)−O−t−ブチルからなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換される];
(c)Z−R9である1個の置換基
[ここで、Zは、存在しないか、−O−、−C1−C6アルキレン、−O−C1−C6アルキレン、−C(O)−、もしくは−CH(OH)−、−C1−C4アルキレン−S−、−C1−C6アルキレン−O−、もしくはC1−C4−アルキレン−C(O)−であり;
ここで、R9は、4個のメチル基、もしくは=O、Br、F、Cl、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、−C(O)−NH2、CH2−O−CH3、ピペリジニル、および1,3−ジオキソラン−2−イルからなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されるC4−C7シクロアルキルである];ならびに
(d)(a)より独立して選択される1もしくは2個の置換基、および(b)もしくは(c)の1個の置換基;
である。
【請求項2】
2が、メトキシ、エトキシ、または−O−CHF2であり、そしてR3がメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1が、基(a)、(b)、(c)、または(d)で置換される置換フェニルであり;ここで該基(a)、(b)、(c)、または(d)が、
(a)Br、F、Cl、−CN、−NO2、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、−CH2CH2−Br、−CH2CH2−S−(t−ブチル)、O−C1−C6アルキル、−CH2−C(O)−O−CH2CH3、およびC(O)−C1−C4アルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基;
(b)J−R8である1個の置換基
[ここで、Jは、存在しないか、−O−、C1−C4−アルキレン、O−C1−C4−アルキレン、C1−C4−アルキレン−C(O)−、またはC1−C4−アルキレン−S−であり、
ここで、R8は、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラニルからなる群より選択される場合により置換された基であり、該基は、Br、F、Cl、−CN、−NO2、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、−O−C1−C6アルキル、および−C(O)−NH2からなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換される];
(c)Z−R9である1個の置換基
[ここで、Zは、存在しないか、−O−、C1−C6アルキレン、−O−C1−C6アルキレン、−C1−C6アルキレン−O−、またはC1−C4−アルキレン−C(O)−であり;
ここで、R9は、=O、Br、F、Cl、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、および−C(O)−NH2からなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されるC4−C7シクロアルキルである];ならびに
(d)(a)より独立して選択される1または2個の置換基および(b)または(c)からの1個の置換基;
である、請求項3に記載の化合物。
【請求項4】
{4−[5−メトキシ−6−メチル−2−(2H−テトラゾール−5−イルカルバモイル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]−フェニル}−酢酸エチルエステル;
3−(4−イソプロピル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−(4−シクロペンチルオキシ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−(4−ブロモ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−(4−フルオロ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−(4−クロロ−2−フルオロ−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
5−メトキシ−6−メチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−[4−(1−カルバモイル−シクロペンチル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
5−メトキシ−6−メチル−3−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−[4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェノキシ]−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
5−メトキシ−6−メチル−3−(2−ニトロ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;
3−(2−クロロ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;および
3−(2−シアノ−4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−メトキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミド;からなる群より選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
2が、メトキシ、メチル、または−OHであり、そしてR3が、メトキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
1が、基(a)、(b)、(c)、または(d)で置換される置換フェニルであり、ここで該基(a)、(b)、(c)、または(d)は、
(a)Br、F、Cl、−CN、−NO2、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、−CH2CH2−Br、−CH2CH2−S−(t−ブチル)、O−C1−C6アルキル、−CH2−C(O)−O−CH2CH3、およびC(O)−C1−C4アルキルからなる群より独立して選択される、1〜3個の置換基;
(b)J−R8である1個の置換基
[ここで、Jは、存在しないか、−O−、C1−C4−アルキレン、O−C1−C4−アルキレン、C1−C4−アルキレン−C(O)−、またはC1−C4−アルキレン−S−であり、
ここでR8は、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラニルからなる群より選択される場合により置換された基であり、該基は、Br、F、Cl、−CN、−NO2、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、−O−C1−C6アルキル、および−C(O)−NH2からなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換される];
(c)Z−R9である1個の置換基
[ここで、Zは、存在しないか、−O−、−C1−C6アルキレン、−O−C1−C6アルキレン、−C1−C6アルキレン−O−、またはC1−C4−アルキレン−C(O)−であり;
ここでR9は、=O、Br、F、Cl、−CF3、−OH、−OCF3、−SO2−CH3、C1−C4アルキル、および−C(O)−NH2からなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されるC4−C7シクロアルキルである];ならびに
(d)(a)より独立して選択される1または2個の置換基、および(b)または(c)からの1個の置換基;
である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
3−(2−シクロヘキシルメトキシ−ベンジルオキシ)−5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド;または
3−(4−シクロヘキシル−フェノキシ)−5−ヒドロキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(2H−テトラゾール−5−イル)−アミドである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
2がメトキシであり、そしてR3がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
慢性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患、自己免疫疾患、呼吸疾患、気管支炎、ぜん息、および慢性閉塞性肺疾患からなる群より選択される疾患に罹患している被験体に、治療有効量の請求項1に記載の化合物および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物を投与することを含む、該被験体の治療方法。
【請求項10】
癌、結腸癌、神経膠芽細胞腫、子宮内膜腫、肝細胞癌、肺癌、黒色腫、腎細胞癌、甲状腺癌、細胞リンパ腫、リンパ増殖性障害、小細胞肺癌、扁平上皮肺癌、神経膠腫、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頸癌、および白血病からなる群より選択される疾患に罹患している被験体に、治療有効量の請求項1に記載の化合物および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物を投与することを含む、該被験体の治療方法。
【請求項11】
心臓血管疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧、深静脈血栓症、卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、血栓塞栓症、肺塞栓症、血栓崩壊性疾患、急性動脈虚血、末梢血栓性閉塞、冠動脈疾患、呼吸疾患、気管支炎、ぜん息、および慢性閉塞性肺疾患からなる群より選択される疾患に罹患している被験体に、治療有効量の請求項1に記載の化合物および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物を投与することを含む、該被験体の治療方法。
【請求項12】
化合物が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物である、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
治療有効量の請求項1に記載の化合物および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物。
【請求項14】
治療有効量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2006−526611(P2006−526611A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508429(P2006−508429)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001823
【国際公開番号】WO2004/108715
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミティド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】