説明

PLK1阻害剤および抗腫瘍剤を含む治療組合せ

本発明は、(a)式(I)の化合物、ならびに(b)代謝拮抗剤、アルキル化剤またはアルキル化様薬剤、挿入剤、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤、抗有糸分裂剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤および成長因子またはその受容体を阻害する抗体からなる群から選択される1つ以上の抗腫瘍剤を含む組合せであって、その組合せの活性成分が、それぞれの場合、腫瘍の治療に有用な遊離形態あるいは薬学的に許容されるその塩または任意の水和物もしくは溶媒和物の形態で存在する組合せを提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、癌治療の分野に関し、より具体的にはPLK1阻害剤および良好な抗腫瘍効果をもつ1つ以上の抗腫瘍剤を含む抗腫瘍組合せを提供する。
【背景技術】
【0002】
癌はヒトにおける主要な死亡原因であり、外科手術、放射線療法および化学療法は癌と戦う有用な手段である。特に、2つ以上の薬物を組み合わせてまたは関連させて使用することによって癌を治療するように設計された併用化学療法は、癌などの腫瘍性疾患の治療のための一般に認められている様式である。癌に苦しむ患者に投与するのにずっと活性であり安全である抗腫瘍組合せを選択するためにいくつかの取り組みがなされてきており、また今なお検討されている。単独で使用した場合の個別薬剤の毒作用を低減させるために、また、場合によって、その併用がどちらかの薬剤を単独で使用した場合より高い効能を有するので、公知の抗腫瘍化合物を1つ以上の異なる抗腫瘍薬と併用することによってその化合物の抗腫瘍効能を増大させることは抗癌治療の分野において非常に必要とされている。
【0003】
PLK1の発現はすべての増殖性正常組織において見られるが、過剰発現は乳癌、前立腺癌、卵巣癌、肺癌、胃癌および結腸癌を含む一連の腫瘍において観察される。RNAiによって癌細胞におけるPLK1が欠乏すると、増殖の阻害および4NのDNA量で細胞周期停止をもたらす生存能力の低下、続くアポトーシスが観察される。ヒトにおいて、4つの異なるPLKファミリーメンバーが記載されているが、酵素活性の阻害またはPLK1の欠乏は、異種移植モデルにおいて、腫瘍細胞系におけるG2/M細胞周期遮断およびアポトーシス、ならびに腫瘍退縮を誘発するのに十分である。さらに、他のPLKについて、腫瘍抑制機能が記載されており、PLK2およびPLK3(PLK1ではない)は、ニューロンのような非増殖性の分化した分裂終了細胞において発現することが報告されており、これは、PLK1特異性化合物のためのより良好な安全性プロフィールの可能性を指し示している(例えば:Strebhardt Kら、Nat Rev Cancer 2006年;6(4):321−30頁を参照されたい)。
【0004】
癌治療における分裂阻害剤の使用は、広範なヒト癌を治療するための広く受け入れられている臨床戦略である(例えば:Jackson JRら、Nature Reviews Cancer 2007年;7、107−117頁を参照されたい)。タキサン(パクリタキセルおよびドセタキセル)およびビンカアルカロイド(ビンクリスチンおよびビンブラスチン)は、有糸分裂による細胞進行において、微小管を安定化させるかまたは破滅的結末を伴って微小管を不安定化させることによって作用する。これらは、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、睾丸癌、神経芽細胞腫およびウィルムス腫瘍(ビンカアルカロイド)を含むいくつかの腫瘍型のための一次治療であり、シスプラチン難治性の卵巣癌、乳癌、肺癌および食道癌(タキサン)における二次治療である。しかし、細胞移動、食作用および軸索輸送などの過程における微小管の役割のため、これらの薬剤において末梢性ニューロパシーなどの特定の有害性がしばしば認められる。
【0005】
WO2008074788(Nerviano Medical Sciences SrI.)に記載され特許請求されているピラゾロキナゾリンはPLK1の強力な阻害剤であり、したがって増殖性疾患、特に癌の治療に有用である。
【0006】
式(I)の化合物は、上記特許出願に記載され特許請求されている化合物の1つである。その調製、それを含む医薬組成物および医学的用途もそこに説明し特許請求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2008074788号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Strebhardt Kら、Nat Rev Cancer 2006年;6(4):321−30頁
【非特許文献2】Jackson JRら、Nature Reviews Cancer 2007年;7、107−117頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
驚くべきことに、公知の抗腫瘍剤と併用して投与すると、式(I)の化合物の抗腫瘍効果が著しく増進することを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、(a)式(I)の化合物および(b)1つ以上の公知の抗腫瘍剤を含む新規な組合せを提供する。これらの組合せは増殖性疾患、特に癌の治療に特に適している。
【0011】
より具体的には、本発明の組合せは、抗腫瘍薬として治療に有用であり、現在利用できる抗腫瘍薬に付随する欠点である毒性と副作用の両方が少ない。
【0012】
したがって、本発明の目的は、(a)式(I)の化合物
【0013】
【化1】

ならびに(b)代謝拮抗剤、アルキル化剤またはアルキル化様薬剤(alkylating−like agent)、挿入剤、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤、抗有糸分裂剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤および成長因子またはその受容体を阻害する抗体からなる群から選択される1つ以上の抗腫瘍剤を含む組合せであって、その組合せの活性成分が、それぞれの場合、遊離形態あるいは薬学的に許容されるその塩または任意の水和物もしくは溶媒和物の形態で存在する組合せである。
【0014】
他の態様は、同時、別個または逐次使用のための本発明による組合せに関する。
【0015】
他の態様は、増殖性疾患を治療するまたはその進行を遅延させるのに使用するための本発明による組合せに関する。
【0016】
本発明の他の態様は、増殖性疾患を治療するまたはその進行を遅延させるための医薬品の調製における本発明による組合せの使用であって、それを必要とする患者にその治療組合せを同時、逐次または別個に投与することを含む使用に関する。
【0017】
さらに、本発明は、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合された本発明による組合せを含む医薬組成物に関する。
【0018】
他の態様は、増殖性疾患を治療するまたはその進行を遅延させるのに使用するための本発明による医薬組成物に関する。
【0019】
本発明の他の態様は、増殖性疾患を治療するまたはその進行を遅延させる医薬品の調製における本発明による医薬組成物の使用であって、それを必要とする患者に医薬組成物を同時、逐次または別個に投与することを含む方法に関する。
【0020】
さらに、本発明は、それを必要とする患者に本発明の組合せを、同時、逐次または別個に投与することを含む増殖性疾患を治療する方法に関する。
【0021】
他の態様は、それを必要とする患者に本発明の医薬組成物を、同時、逐次または別個に投与することを含む増殖性疾患を治療する方法に関する。
【0022】
他の態様は、それを必要とするヒトを含む哺乳動物において、抗腫瘍剤を用いた抗腫瘍治療によって引き起こされる副作用を低減させるための方法であって、(a)請求項1に記載の式(I)の化合物、ならびに(b)代謝拮抗剤、アルキル化剤またはアルキル化様薬剤、挿入剤、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤、抗有糸分裂剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤および成長因子またはその受容体を阻害する抗体からなる群から選択される1つ以上の抗腫瘍剤を含む組合せ製剤(combined preparation)を、相乗的抗腫瘍効果をもたらすのに有効な量で前記哺乳動物に投与することを含む方法に関する。
【0023】
本発明は、適切な容器手段中に、(a)上記に定義した式(I)の化合物、ならびに(b)代謝拮抗剤、アルキル化剤またはアルキル化様薬剤、挿入剤、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤、抗有糸分裂剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤および成長因子またはその受容体を阻害する抗体からなる群から選択される1つ以上の抗腫瘍剤を含む市販用キットをさらに提供する。
【0024】
本発明によるキットにおいて、(a)上記に定義した式(I)の化合物、ならびに(b)代謝拮抗剤、アルキル化剤またはアルキル化様薬剤、挿入剤、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤、抗有糸分裂剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤および成長因子またはその受容体を阻害する抗体からなる群から選択される1つ以上の抗腫瘍剤は、単一の容器手段中または区別できる容器手段中に存在する。
【0025】
本発明の他の実施形態は、上記したような医薬組成物を含む市販用キットである。
【0026】
本発明によるキットは、抗腫瘍治療における同時、別個または逐次使用を対象とする。
【0027】
本発明によるキットは、抗癌治療での使用を対象とする。
【0028】
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明の組合せは、式(I)の化合物、ならびに5−フルオロウラシル、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、メトトレキサート、エダトレキサート、ヒドロキシウレア、フルダラビンおよびメルカプトプリンからなる群から選択される代謝拮抗剤を含む。
【0029】
好ましくは、本発明で使用される代謝拮抗剤はゲムシタビンまたはシタラビンである。
【0030】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、本発明の組合せは、式(I)の化合物、ならびにナイトロジェンマスタード(メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランおよびクロラムブシル)、アジリジン(チオテパ)、ニトロソウレア(カルムスチン、ロムスチン、セムスチン)、トリアゼン(ダカルバジンおよびテモゾロマイド)および白金誘導体(シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチンおよびサトラプラチン)からなる群から選択されるアルキル化剤またはアルキル化様薬剤を含む。
【0031】
より好ましくは、本発明で使用されるアルキル化剤またはアルキル化様薬剤はシスプラチンである。
【0032】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、本発明の組合せは式(I)の化合物および挿入剤を含む。好ましくは、挿入剤はブレオマイシンである。
【0033】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、本発明の組合せは式(I)の化合物、ならびにトポテカン、SN−38、CPT11および9−ニトロカンプトテシンからなる群から選択されるトポイソメラーゼI阻害剤を含む。
【0034】
より好ましくは、トポイソメラーゼI阻害剤はSN−38またはCPT11である。
【0035】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、本発明の組合せは、式(I)の化合物、ならびにドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、ミトキサントロン、エトポシドおよびテニポシドからなる群から選択されるトポイソメラーゼII阻害剤を含む。
【0036】
好ましくは、トポイソメラーゼII阻害剤はドキソルビシンである。
【0037】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、本発明の組合せは、式(I)の化合物、ならびにパクリタキセル、ドセタキセル、イクサベピロン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビンからなる群から選択される抗有糸分裂剤を含む。
【0038】
より好ましくは、抗有糸分裂剤はパクリタキセルである。
【0039】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、本発明の組合せは、式(I)の化合物、ならびにソラフェニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、スニチニブ、イマチニブ、ニロチニブおよびラパチニブからなる群から選択されるキナーゼ阻害剤を含む。
【0040】
他の好ましい実施形態によれば、キナーゼ阻害剤はソラフェニブまたはダサチニブである。
【0041】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、本発明の組合せは式(I)の化合物およびプロテアソーム阻害剤を含む。好ましくは、プロテアソーム阻害剤はボルテゾミブである。
【0042】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、本発明の組合せは、式(I)の化合物、ならびにベバシズマブ(血管内皮成長因子に対する抗体)、セツキシマブ、パニツムマブ、マツズマブ、ニモツズマブ(表皮成長因子受容体に対する抗体)、トラスツズマブおよびペルツズマブ(ErbB2に対する抗体)からなる群から選択される成長因子またはその受容体を阻害する抗体を含む。
【0043】
他の好ましい実施形態によれば、その抗体はベバシズマブである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本明細書で用いる「相乗的抗腫瘍効果」という用語は、上記定義の式(I)の化合物、ならびに代謝拮抗剤、アルキル化剤またはアルキル化様薬剤、挿入剤、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤、抗有糸分裂剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤および成長因子またはその受容体を阻害する抗体からなる群から選択される1つ以上の抗腫瘍剤の組合せを、ヒトを含む哺乳動物に有効量を投与することによって腫瘍の増殖を抑制する、好ましくは腫瘍を完全に退縮させることを意味する。
【0045】
本明細書で用いる「組合せ製剤」という用語は、上記定義の組合せパートナー(a)および(b)を独立に投与できる、または、区別された量の組合せパートナー(a)および(b)での異なった固定組合せの使用による、すなわち同時または異なる時点で投与できるという意味で「パーツのキット」と特に定義される。次いでパーツキットのパーツを、例えば、同時に、または時間的にずらしてすなわち異なる時点で、パーツキットの任意のパーツについて等しいかまたは異なる間隔で投与することができる。非常に好ましくは、その時間間隔は、そのパーツの組合せ使用で治療される疾患に対する効果が、組合せパートナー(a)および(b)のいずれか1つだけを用いた場合に得られる効果より大きくなるように選択される。治療を受ける患者亜母集団(patient sub−population)の必要性、またはその異なるニーズが患者の具体的な疾患、年齢、性別、体重等に起因する可能性がある単独患者の必要性に対処するために、組合せ製剤で投与される組合せパートナー(a)の全量と組合せパートナー(b)の全量の比は変えることができる。好ましくは、少なくとも1つの有益な効果、例えば組合せパートナー(a)および(b)の効果の相互増進、具体的には相乗効果、例えば相加効果を超える効果、追加的に有利な効果、より少ない副作用、組合せパートナー(a)および(b)のうちの1つまたはその両方の非有効投薬量での組合せ治療効果、ならびに非常に好ましくは組合せパートナー(a)および(b)の強力な相乗効果があることが好ましい。
【0046】
本明細書で用いる「投与する(administered)」または「投与する(administering)」という用語は、非経口および/または経口投与を意味する。「非経口」という用語は、静脈内、皮下および筋肉内投与を意味する。
【0047】
式(I)の化合物の投与のためには、一般に用いられる治療コースは、用量当たり約5mgから約500mg、日に1回から5回である。
【0048】
式(I)の化合物は、様々な剤形、例えば、錠剤、カプセル剤、糖もしくは膜コーティング錠剤、液剤または懸濁剤の形態で経口により;坐剤の形態で経直腸により;非経口、例えば筋肉内または静脈内および/または髄腔内および/または脊髄内の注射または注入により投与することができる。
【0049】
対象発明の方法では、代謝拮抗剤、好ましくはシタラビンまたはゲムシタビンの投与のためには、一般に用いられる治療コースは、週1回投与で200mg/mから5000mg/m体表面積である。より好ましくは、一般に用いられる治療コースは、21日サイクルの1日目および8日目での約500mg/mから1250mg/m、または28日サイクルの1日目、8日目および15日目または21日サイクルの1日目である。
【0050】
アルキル化剤、好ましくはテモゾロマイドの投与のためには、一般に用いられる治療コースは日に1回15mg/mから300mg/m体表面積である。より好ましくは、一般に用いられる治療コースは、最大で連続して42日間、日に約50mg/mから150mg/mである。
【0051】
白金誘導体、好ましくはシスプラチンの投与のためには、一般に用いられる治療コースは、2−3週間ごとに日に10mg/mから100mg/m体表面積である。より好ましくは、一般に用いられる治療コースは、2週間に1回1日目に約30mg/mから85mg/mである。
【0052】
挿入剤、好ましくはブレオマイシンの投与のためには、一般に用いられる治療コースは、毎週または週に2回1U/m2から100U/m2体表面積である。
【0053】
トポイソメラーゼI阻害剤、好ましくはCPT−11の投与のためには、一般に用いられる治療コースは、連続して2−10日間1日に1mg/mから500mg/m体表面積である。より好ましくは、一般に用いられる治療コースは、毎週、2週間ごとまたは3週間ごとに約50mg/mから350mg/mである。
【0054】
トポイソメラーゼII阻害剤、好ましくはドキソルビシンの投与のためには、一般に用いられる治療コースは、連続して2−10日間1日に0.1mg/mから500mg/m体表面積である。より好ましくは、一般に用いられる治療コースは、21日サイクルで連続して3−5日間1日に約0.5mg/mから100mg/mである。
【0055】
抗有糸分裂剤、好ましくはパクリタキセルの投与のためには、一般に用いられる治療コースは、3週間ごとに約50mg/mから100mg/m体表面積または週に30mg/mである。
【0056】
キナーゼ阻害剤、好ましくはソラフェニブの投与のためには、一般に用いられる治療コースは1mgから5000mgであってよい。より好ましくは、用いられる治療コースは約10mgから2000mgである。
【0057】
プロテアソーム阻害剤、好ましくはボルテゾミブの投与のためには、一般に用いられる治療コースは、3週間ごとに0.1mg/mから30mg/m体表面積である。
【0058】
最後に、成長因子またはその受容体を阻害する抗体、好ましくはベバシズマブの投与のためには、一般に用いられる治療コースは0.1mg/kgから100mg/kgであってよい。より好ましくは、用いられる治療コースは3週間サイクルの1日目に1mg/kgから20mg/kgである。
【0059】
本発明による組合せ製剤の活性成分を薬学的に許容される担体または賦形剤と一緒に供給すると医薬組成物が形成される。そうした医薬組成物は本発明の他の実施形態を構成する。
【0060】
薬学的に許容される担体および賦形剤は、その医薬化合物による副作用が最少化され、その化合物の性能が、治療効果が無効になる程度に無くなるまたは阻害されることのないように選択される。
【0061】
本発明による医薬組成物の調製において使用される薬学的に許容される担体または賦形剤は、医薬組成物の形態で化合物を処方する技術分野の技術者に周知である。例えば、「薬学的に許容される担体」は、ヒトを含む哺乳動物に投与するのに適した、1つ以上の適合する固体または液体フィラー、希釈剤またはカプセル化物質を指す。例えば、「薬学的に許容される賦形剤」は、剤形の処方のために意図的に添加される活性物質のための希釈剤または媒体として用いられる任意の不活性物質を指す。この用語は、結合剤、フィラーの崩壊剤および滑沢剤を含む。
【0062】
それでも、本発明の組合せは、持続放出補助剤をまったく用いることなく使用することができる。
【0063】
薬物の処方および投与のための手法は、「Remington’s Pharmacological Sciences」;Mack Publishing Co.、Easton、PA.、latest editionに見ることができる。
【0064】
非経口投与に適した医薬組成物は滅菌した形態で処方される。したがって滅菌組成物は、非毒性の経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌溶液または懸濁液であってよい。
【0065】
本発明による医薬組成物中に含まれる活性成分の量は、例えば投与経路や媒体などの多くの因子に応じて広範に変えることができる。
【0066】
本発明による組合せおよび医薬組成物は抗癌治療において有用である。
【0067】
本発明の抗腫瘍治療は、これらに限定されないが:膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、小細胞肺癌を含む肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓、胃癌、頸癌、甲状腺癌、前立腺癌および扁平上皮癌腫を含む皮膚癌などの癌腫;白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫を含むリンパ系の造血器腫瘍;急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ならびに前骨髄球性白血病を含む骨髄細胞系の造血器腫瘍;線維肉腫および横紋筋肉腫を含む間葉由来の腫瘍;中皮腫;星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫を含む中枢および末梢神経系の腫瘍;中皮腫、黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞腺癌およびカポジ肉腫を含む他の腫瘍を含むすべての形態の癌を治療するのに特に適している。
【0068】
細胞増殖の調節におけるPLK1の重要な役割のため、本発明の組合せおよび医薬組成物は、例えば良性前立腺過形成、家族性腺腫症、ポリープ症、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症に伴う血管平滑増殖、肺線維症、関節炎、糸球体腎炎、ならびに術後の狭窄および再狭窄などの様々な細胞増殖性疾患の治療にも有用である。
【0069】
本発明の組合せおよび医薬組成物は、アポトーシスの修飾因子として、癌、ウイルス感染症の治療、HIV感染者におけるAIDSの発症の予防、自己免疫疾患および神経変性障害にも有用である。
【0070】
本発明の組合せ製剤の抗腫瘍効果は、例えば、本発明を限定することなく本発明を例示しようとする以下のインビトロでの試験によって示される。
【0071】
(実施例)
【0072】
材料および方法:指数関数的に成長するヒト膵臓癌腫(Mia−PaCa、Capan−1)、ヒト結腸癌腫(HCT−116)、白血病(HL60)および多発性骨髄腫(KMS11)細胞系を、播種し、加湿した5%CO雰囲気下、37℃でインキュベートした。薬物を実験培地に加え、インキュベーションを暗所で、37℃で72時間実施した。MCF7乳癌細胞系を播種し、加湿した5%CO雰囲気下、37℃でインキュベートした。薬物を実験培地に加え、インキュベーションを暗所で、37℃で120時間実施した。スカラー用量の式(I)の化合物および抗腫瘍剤を、播種24時間後に培地に加えた。2つの治療スケジュール、すなわち:同時投与(両方の薬物を細胞に72/120時間投与した)および逐次投与(他の薬剤の後、24時間で式(I)の化合物を投与した)を試験した。薬物溶液は使用直前に調製した。最後の時点で、細胞増殖を、Envision(PerkinElmer)リーダーを用いた細胞内アデノシン三リン酸モニタリングシステム(CellTiterGlo−Promega)により判定した。阻害活性を、Assay Explorer(MDL)プログラムを用いて治療データ対対照データを比較して評価した。細胞増殖の50%を阻止する用量を、S字形補間曲線を用いて算出した。併用指数(C.I.)を、相互に非排他的な薬物(mutually nonexclusive drug)についてのChou−Talalayの式(Adv Enzyme Regul 1984;22:27−55頁)をもとにした多剤効果分析用の専用コンピュータープログラムを用いて算出した。この式で、<1のC.I.は相加効果を超える効果を表し:C.I.:>3は強い拮抗作用;1.3−3は拮抗作用;1.2−0.8は加算性;0.8−0.3は相乗効果;<0.3は強い相乗効果を表す。
【実施例1】
【0073】
式(I)の化合物とゲムシタビンの併用のインビトロでの細胞毒性活性。
【0074】
表1では、Capan−1ヒト膵臓癌腫細胞系について、式(I)の化合物とゲムシタビンの相乗効果(すなわち、0.3<C.I.<0.8)を示す結果を報告する。
【0075】
【表1】

【実施例2】
【0076】
式(I)の化合物とシスプラチンの併用のインビトロでの細胞毒性活性。
【0077】
表2では、HCT−116ヒト結腸癌腫細胞系について、式(I)の化合物とシスプラチンの相乗効果(すなわち、0.3<C.I.<0.8)を示す結果を報告する。
【0078】
【表2】

【実施例3】
【0079】
式(I)の化合物とSN−38の併用のインビトロでの細胞毒性活性。
【0080】
表3では、HCT−116ヒト結腸癌腫細胞系について、式(I)の化合物とSN−38の相乗効果(すなわち、0.3<C.I.<0.8)を示す結果を報告する。
【0081】
【表3】

【実施例4】
【0082】
式(I)の化合物とドキソルビシンの併用のインビトロでの細胞毒性活性。
【0083】
表4では、HL−60ヒト白血病細胞系について、式(I)の化合物とドキソルビシンの相乗効果(すなわち、0.3<C.I.<0.8)を示す結果を報告する。
【0084】
【表4】

【実施例5】
【0085】
式(I)の化合物とパクリタキセルの併用のインビトロでの細胞毒性活性。
【0086】
表5では、HCT−116ヒト結腸癌腫、HL60ヒト白血病およびKMS11ヒト多発性骨髄腫細胞系について、式(I)の化合物とタキソールの相乗効果(すなわち、0.3<C.I.<0.8)を示す結果を報告する。
【0087】
【表5】

【実施例6】
【0088】
式(I)の化合物とソラフェニブの併用のインビトロでの細胞毒性活性。
【0089】
表6では、HCT−116ヒト結腸癌腫およびMia−PaCaヒト膵臓癌腫細胞系について、式(I)の化合物とソラフェニブの相乗効果(すなわち、0.3<C.I.<0.8)を示す結果を報告する。
【0090】
【表6】

【実施例7】
【0091】
式(I)の化合物とダサチニブの併用のインビトロでの細胞毒性活性。
【0092】
表7では、120時間治療後でのMCF7乳癌細胞系について、式(I)の化合物とダサチニブの相乗効果(すなわち、0.3<C.I.<0.8)を示す結果を報告する。
【0093】
【表7】

【実施例8】
【0094】
式(I)の化合物とボルテゾミブの併用のインビトロでの細胞毒性活性。
【0095】
表8では、KMS11ヒト多発性骨髄腫およびMia−PaCaヒト膵臓癌腫細胞系について、式(I)の化合物とボルテゾミブの相乗効果(すなわち、0.3<C.I.<0.8)を示す結果を報告する。
【0096】
【表8】

【実施例9】
【0097】
式(I)の化合物とシタラビンの併用のインビトロでの細胞毒性活性。
【0098】
表9では、HL−60ヒト前骨髄球性白血病細胞系について、式(I)の化合物とシタラビンの相乗効果(すなわち、0.3<C.I.<0.8)を示す結果を報告する。
【0099】
【表9】

【実施例10】
【0100】
式(I)の化合物とCPT11の併用のインビボでの細胞毒性活性。
【0101】
欧州共同体理事会ディレクティブ(European Communities Council Directive)no.86/609/EECにしたがって、Harlan(Italy)からのBalb、Nu/Nuオスのマウスを、ろ紙カバー、餌、滅菌した寝床(bedding)、酸性化した水を備えたケージ中に保持した。HT29ヒト結腸癌腫瘍の断片を皮下に埋め込んだ。腫瘍が触診可能になったら治療を開始した。式(I)の化合物を、2日、3日、4日、6日、7日および8日目に日に45および60mg/kgの用量で経口経路により投与した。CPT11を、1日、5日、9日目に45mg/kgの用量で静注経路により投与した。併用の場合、式(I)の化合物を2日、3日、4日、6日、7日および8日目に投与し、CPT11を1日、5日、9日目に投与した。腫瘍成長および体重を3日ごとに測定した。腫瘍成長をノギスで評価した。2つの直径を記録し、腫瘍重量を、以下の式:長さ(mm)×幅/2にしたがって算出した。抗腫瘍治療の効果を、腫瘍の指数関数的成長の開始の遅れで評価した(例えばAnticancer drugs7:437−60頁、1996年を参照されたい)。この遅れ(T−C値)を、治療群(T)と対照群(C)の腫瘍が所定サイズ(1g)に到達するのに要する時間の差(日で)と定義した。薬物併用のT−Cが、単一薬剤のT−C値を加算したものより大きいとき、相乗性が確認された。体重減少をもとにして毒性を評価した。結果を表10に報告する。
【0102】
【表10】

【0103】
CPT11と併用した式(I)の化合物は明らかな相乗効果をもたらした。式(I)の化合物をCPT11と併用したとき観察されたT−Cは、単独治療により得られたT−Cを単純加算して期待される値より高かった。治療群のいずれにおいても毒性は認められなかった。
【実施例11】
【0104】
式(I)の化合物と5FUの併用のインビボでの細胞毒性活性
欧州共同体理事会ディレクティブno.86/609/EECにしたがって、Harlan(Italy)からのBalb、Nu/Nuオスのマウスを、ろ紙カバー、餌、滅菌した寝床、酸性化した水を備えたケージ中に保持した。HT29ヒト結腸癌腫瘍の断片を皮下に埋め込んだ。腫瘍が触診可能になったら治療を開始した。式(I)の化合物を、2日、3日、4日、6日、7日および8日目に日に45mg/kgの用量で経口経路により投与し、5FUを、1日、5日および9日目に50mg/kgの用量で静注経路により投与した。併用の場合、式(I)の化合物を2日、3日、4日、6日、7日および8日目に投与し、5−FUを1日、5日および9日目に投与した。腫瘍成長および体重を3日ごとに測定した。腫瘍成長をノギスで評価した。2つの直径を記録し、腫瘍重量を、以下の式:長さ(mm)×幅/2にしたがって算出した。抗腫瘍治療の効果を、腫瘍の指数関数的成長の開始の遅れで評価した(例えばAnticancer drugs 7:437−60頁、1996年を参照されたい)。この遅れ(T−C値)を、治療群(T)と対照群(C)の腫瘍が所定サイズ(1g)に到達するのに要する時間の差(日で)と定義した。薬物併用のT−Cが単一薬剤のT−C値を加算したものより大きいとき相乗性が確認され、薬物併用のT−C値が単一薬剤のT−C値の加算値と等しいとき加算性が確認された。体重減少をもとにして毒性を評価した。結果を表11に報告する。
【0105】
【表11】

【0106】
式(I)の化合物を5FUと併用したとき観察されたT−Cは、単独治療により得られたT−Cを単純加算して期待される値と同等であり、これは加算性を示している。
【実施例12】
【0107】
式(I)の化合物とベバシズマブの併用のインビボでの細胞毒性活性。
【0108】
欧州共同体理事会ディレクティブno.86/609/EECにしたがって、Harlan(Italy)からのBalb、Nu/Nuオスのマウスを、ろ紙カバー、餌、滅菌した寝床、酸性化した水を備えたケージ中に保持した。HT29ヒト結腸癌腫瘍の断片を皮下に埋め込んだ。腫瘍が触診可能になったら治療を開始した。式(I)の化合物を、2日、3日、4日、6日、7日、8日、10日、11日および12日目に日に45および60mg/kgの用量の10ml/kgの容量で経口経路により投与した。ベバシズマブを、1日、5日、9日および13日目に20mg/kgの用量で腹腔内経路により投与した。併用の場合、式(I)の化合物を2日、3日、4日、6日、7日、8日、10日、11日および12日目に投与し、ベバシズマブを1日、5日、9日および13日目に投与した。腫瘍成長および体重を3日ごとに測定した。腫瘍成長をノギスで評価した。2つの直径を記録し、腫瘍重量を、以下の式:長さ(mm)×幅/2にしたがって算出した。抗腫瘍治療の効果を、腫瘍の指数関数的成長の開始の遅れで評価した(例えばAnticancer drugs7:437−60頁、1996年を参照されたい)。この遅れ(T−C値)を、治療群(T)と対照群(C)の腫瘍が所定サイズ(1g)に到達するのに要する時間の差(日で)と定義した。薬物併用のT−Cが単一薬剤のT−C値を加算したものより大きいとき相乗性が確認され、薬物併用のT−C値が単一薬剤のT−C値の加算値と等しいとき加算性が確認された。体重減少をもとにして毒性を評価した。結果を表12に報告する。
【0109】
【表12】

【0110】
式(I)の化合物をベバシズマブと併用したとき観察されたT−Cは、単独治療により得られたT−Cを単純加算して期待される値と同等であった。治療群のいずれにおいても毒性は認められなかった。
【実施例13】
【0111】
式(I)の化合物とシタラビンの併用のインビボでの細胞毒性活性。
【0112】
欧州共同体理事会ディレクティブno.86/609/EECにしたがって、Harlan(Italy)からのSCIDメスのマウスを、ろ紙カバー、餌、滅菌した寝床、酸性化した水を備えたケージ中に保持した。マウスに、0.2ml AML−PS中に5×10の急性骨髄性白血病細胞を静脈内注射した。式(I)の化合物を、2日、3日、14日、15日、26日、27日、38日、39日目に120mg/kgの用量で経口経路により投与した。シタラビンを、2日、3日、4日、5日、6日、14日、15日、16日、17日、18日、26日、27日、28日、29日、30日、38日、39日、40日、41日、42日目に75mg/kgの用量で腹腔内経路により投与した。併用の場合、式(I)の化合物を2日、3日、14日、15日、26日、27日、38日、39日目に投与し、シタラビンを2日、3日、4日、5日、6日、14日、15日、16日、17日、18日、26日、27日、28日、29日、30日、38日、39日、40日、41日、42日目に投与した。体重を3日ごとに測定した。抗腫瘍治療の効果を、対照群に対する治療動物のメディアン生存時間を測定して評価した。結果を表13に報告する。併用群における抗腫瘍効能は単一治療群に対して統計的に有意であり、これは、式(I)の化合物とシタラビンの併用治療の相乗効果の可能性を示している。毒性は認められなかった。
【0113】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式(I)の化合物
【化1】

ならびに(b)代謝拮抗剤、アルキル化剤またはアルキル化様薬剤、挿入剤、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤、抗有糸分裂剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤および成長因子またはその受容体を阻害する抗体からなる群から選択される1つ以上の抗腫瘍剤を含む組合せであって、前記組合せの活性成分が、それぞれの場合、遊離形態あるいは薬学的に許容されるその塩または任意の水和物もしくは溶媒和物の形態で存在する組合せ。
【請求項2】
代謝拮抗剤が、5−フルオロウラシル、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、メトトレキサート、エダトレキサート、ヒドロキシウレア、フルダラビンおよびメルカプトプリンからなる群から選択される、請求項1に記載の組合せ。
【請求項3】
代謝拮抗剤が、ゲムシタビンまたはシタラビンである、請求項2に記載の組合せ。
【請求項4】
アルキル化剤またはアルキル化様薬剤が、ナイトロジェンマスタード(メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランおよびクロラムブシル)、アジリジン(チオテパ)、ニトロソウレア(カルムスチン、ロムスチン、セムスチン)、トリアゼン(ダカルバジンおよびテモゾロマイド)および白金誘導体(シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチンおよびサトラプラチン)からなる群から選択される、請求項1に記載の組合せ。
【請求項5】
アルキル化剤またはアルキル化様薬剤がシスプラチンである、請求項4に記載の組合せ。
【請求項6】
挿入剤がブレオマイシンである、請求項1に記載の組合せ。
【請求項7】
トポイソメラーゼI阻害剤が、トポテカン、SN−38、CPT11および9−ニトロカンプトテシンからなる群から選択される、請求項1に記載の組合せ。
【請求項8】
トポイソメラーゼI阻害剤がSN−38またはCPT11である、請求項7に記載の組合せ。
【請求項9】
トポイソメラーゼII阻害剤が、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、ミトキサントロン、エトポシドおよびテニポシドからなる群から選択される、請求項1に記載の組合せ。
【請求項10】
トポイソメラーゼII阻害剤がドキソルビシンである、請求項9に記載の組合せ。
【請求項11】
抗有糸分裂剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、イクサベピロン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビンからなる群から選択される、請求項1に記載の組合せ。
【請求項12】
抗有糸分裂剤がパクリタキセルである、請求項11に記載の組合せ。
【請求項13】
キナーゼ阻害剤が、ソラフェニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、スニチニブ、イマチニブ、ニロチニブおよびラパチニブからなる群から選択される、請求項1に記載の組合せ。
【請求項14】
キナーゼ阻害剤がソラフェニブまたはダサチニブである、請求項13に記載の組合せ。
【請求項15】
プロテアソーム阻害剤がボルテゾミブである、請求項1に記載の組合せ。
【請求項16】
成長因子またはその受容体を阻害する抗体が、ベバシズマブ(血管内皮成長因子に対する抗体)、セツキシマブ、パニツムマブ、マツズマブ、ニモツズマブ(表皮成長因子受容体に対する抗体)、トラスツズマブおよびペルツズマブ(ErbB2に対する抗体)からなる群から選択される、請求項1に記載の組合せ。
【請求項17】
成長因子またはその受容体を阻害する抗体がベバシズマブである、請求項16に記載の組合せ。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の組合せを薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項19】
同時、別個または逐次使用するための、請求項1から17のいずれか一項に記載の組合せまたは請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
請求項1から17のいずれか一項に記載の組合せの治療有効量を、それを必要とする患者に同時、逐次または別個に投与することを含む、増殖性疾患を治療するまたはその進行を遅延させる方法。
【請求項21】
(a)請求項1に記載の式(I)の化合物、ならびに(b)代謝拮抗剤、アルキル化剤またはアルキル化様薬剤、挿入剤、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤、抗有糸分裂剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤および成長因子またはその受容体を阻害する抗体からなる群から選択される1つ以上の抗腫瘍剤を、それを必要とする患者に、同時、逐次または別個に投与することを含む増殖性疾患の治療方法。
【請求項22】
請求項1に記載の式(I)の化合物、ならびに代謝拮抗剤、アルキル化剤またはアルキル化様薬剤、挿入剤、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤、抗有糸分裂剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤および成長因子またはその受容体を阻害する抗体からなる群から選択される1つ以上の抗腫瘍剤を含む組合せ製剤を、相乗的抗腫瘍効果をもたらすのに有効な量でそれを必要とする、ヒトを含む哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物において抗腫瘍剤を用いて抗腫瘍治療することによって引き起こされる副作用を低減させる方法。
【請求項23】
同時、別個または逐次使用のための、請求項1に記載の組合せまたは請求項18に記載の医薬組成物を適切な容器手段中に含む市販用キット。
【請求項24】
増殖性疾患を治療するまたはその進行を遅延させるのに使用するための、請求項1に記載の組合せまたは請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項25】
増殖性疾患を治療するまたは遅延させるための、医薬品の調製における請求項1に記載の組合せまたは請求項18に記載の医薬組成物の使用。

【公表番号】特表2012−528099(P2012−528099A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512317(P2012−512317)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057027
【国際公開番号】WO2010/136394
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(307012403)ネルビアーノ・メデイカル・サイエンシーズ・エツセ・エルレ・エルレ (55)
【Fターム(参考)】