説明

RF駆動増幅器送信機における利得制御の直線性

入力信号電圧を複数の入力信号電流に変換するための複数の電圧−電流トランスデューサとカスコード段とを備える例示的装置が開示される。カスコード段は、増幅器利得制御を実現するように電圧−電流トランスデューサに結合される。カスコード段は、薄ゲート酸化膜トランジスタと厚ゲート酸化膜トランジスタとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条の下での優先権主張
本特許出願は、2009年6月30日に出願され、本発明の譲受人に譲渡され、これによって参照により本明細書に明示的に組み込まれている、「TC DA LINEARITY IMPROVEMENT」という名称の仮出願第61/222,061号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
増幅器は、一般に、信号増幅を実現するために様々な電子デバイスにおいて使用される。様々なタイプの増幅器が様々な用途に利用可能である。例えば、セルラ電話などのワイヤレス通信デバイスは、双方向通信のために送信機と受信機とを含むことができる。送信機は、駆動増幅器(DA)と電力増幅器(PA)とを利用することができ、受信機は、低雑音増幅器(LNA)を利用することができ、送信機および受信機は、可変利得増幅器(VGA)を利用することができる。
【0003】
コストを低減し、集積度を上げるために、しばしば、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)がワイヤレスデバイスおよび他の応用例における無線周波数(RF)回路において使用される。具体的には、しばしば、MOSFETがワイヤレスデバイス用の駆動増幅器において使用される。
【発明の概要】
【0004】
現在のワイヤレスデバイス用の駆動増幅器は、高品質の直線性性能を必要とし、同時に非常に強固な信頼性を必要とする。残念ながら、現在のワイヤレスデバイス用の駆動増幅器において使用されるMOSFETなどのトランジスタは、しばしば、非直線性性能と不十分な信頼性とをもたらす。したがって、当技術分野では、高品質の直線性と信頼性を共に有する増幅器が求められている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】ワイヤレス通信デバイスの例示的設計のブロック図。
【図2】高電力を送信するために増幅器利得制御の直線性をもたらすための駆動増幅器送信機の概略図。
【図3】低電力を送信するために増幅器利得制御の直線性をもたらすための駆動増幅器送信機の別の概略図。
【図4A】駆動増幅器送信機によって利用され得る高電力モードの利得制御テーブルを例示する図。
【図4B】駆動増幅器送信機によって利用され得る低電力モードの利得制御テーブルを例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書では、用語「例示的」は、「例、実例、または例示として役立つ」ということを意味するために使用される。本明細書に「例示的」として記載されているいかなる実施形態も、必ずしも他の実施形態より好ましい、または有利であると解釈されるべきであるとは限らない。
【0007】
添付の図面に関連して下記で説明される詳細な説明は、本発明の例示的実施形態の説明を意図するものであり、本発明が実施され得る実施形態だけを表すことを意図するものではない。この説明全体にわたって使用される用語「例示的」は、「例、実例、または例示として役立つ」ということを意味し、必ずしも他の例示的実施形態より好ましい、または有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明は、本発明の例示的実施形態の徹底的な理解を提供するために具体的な詳細を含む。本発明の例示的実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの実例では、本明細書に提示されている例示的実施形態の新規性を分かりにくくすることを回避するために、よく知られている構造およびデバイスはブロック図形式で示されている。本明細書に記載の例示的駆動増幅器は、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドデバイス、ワイヤレスモデム、ラップトップコンピュータ、コードレス電話、ブルートゥースデバイス、家庭用電子デバイスなど、様々な電子デバイスのために使用され得る。分かりやすくするために、セルラ電話または他の何らかのデバイスでよいワイヤレスデバイスにおける例示的駆動増幅器の使用が以下で説明される。
【0008】
図1は、ワイヤレス通信デバイス100の例示的設計のブロック図を示す。この例示的設計では、ワイヤレスデバイス100は、データプロセッサ110とトランシーバ120とを含む。トランシーバ120は、双方向ワイヤレス通信をサポートする送信機130と受信機150とを含む。一般に、ワイヤレスデバイス100は、任意の数の通信システムおよび任意の数の周波数帯のために任意の数の送信機と任意の数の受信機とを含むことができる。
【0009】
送信経路では、データプロセッサ110が、送信されるべきデータを処理し、アナログ出力信号を送信機130に提供する。送信機130の中では、アナログ出力信号が、増幅器(Amp)132によって増幅され、デジタル−アナログ変換によって生じたイメージを除去するためにローパスフィルタ134によってフィルタリングされ、VGA136によって増幅され、ミクサ138によってベースバンドからRFにアップコンバートされる。アップコンバートされた信号は、周波数アップコンバージョンによって生じたイメージを除去するためにフィルタ140によってフィルタリングされ、駆動増幅器(DA)142および電力増幅器(PA)144によってさらに増幅され、送受切換器/スイッチ146によってルーティングされ、アンテナ148を介して送信される。駆動増幅器142は、図2における駆動増幅器200としてさらに詳細に説明される。
【0010】
受信経路では、アンテナ148が基地局から信号を受信し、受信された信号を提供し、この受信された信号は、送受切換器/スイッチ146によってルーティングされ、受信機150に提供される。受信機150の中では、受信された信号が、LNA152によって増幅され、バンドパスフィルタ154によってフィルタリングされ、ミクサ156によってRFからベースバンドにダウンコンバートされる。ダウンコンバートされた信号は、データプロセッサ110に提供されるアナログ入力信号を取得するために、VGA158によって増幅され、ローパスフィルタ160によってフィルタリングされ、増幅器162によって増幅される。
【0011】
図1は、周波数がRFとベースバンドとの間の信号を1つの段で変換する、直接変換アーキテクチャを実行する送信機130と受信機150とを示す。送信機130および/または受信機150はまた、周波数がRFとベースバンドとの間の信号を複数の段で変換するスーパヘテロダインアーキテクチャを実装することができる。局部発振器(LO)ジェネレータ170は、送信LO信号および受信LO信号を生成し、それぞれミクサ138および156に提供する。位相同期ループ(PLL)172は、データプロセッサ110から制御情報を受信し、適切な周波数において送信LO信号および受信LO信号を生成するために制御信号をLOジェネレータ170に提供する。
【0012】
図1は例示的トランシーバ設計を示す。一般に、送信機130および受信機150における信号のコンディショニングは、増幅器、フィルタ、ミキサーなどの1つまたは複数の段によって実行されてもよい。これらの回路ブロックは、図1に示されている構成とは異なるように配置されてもよい。さらに、図1に示されていない他の回路ブロックが、送信機および受信機において信号をコンディショニングするために使用されてもよい。図1におけるいくつかの回路ブロックは省略されてもよい。トランシーバ120のすべてまたは一部分が、アナログ集積回路(IC)、RF IC(RFIC)、ミックスドシグナルICなどに実装されてもよい。例えば、送信機130内の増幅器132から駆動増幅142までは、RFIC上に実装されてもよいが、電力増幅器144は、RFICの外部に実装されてもよい。
【0013】
データプロセッサ110は、ワイヤレスデバイス100用の様々な機能、例えば送受信データの処理を実行することができる。メモリ112は、データプロセッサ110のためにプログラムコードとデータとを記憶することができる。データプロセッサ110は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または他のIC上に実装されてもよい。
【0014】
図1に示されているように、送信機および受信機は、様々な増幅器を含むことができる。各増幅器は、様々な設計で実装されてもよい。各増幅器は、直線性および/または他のパラメータに関するいくつかの要件を有してもよい。
【0015】
図2は、増幅器利得制御の直線性をもたらすための駆動増幅器送信機200の概略図を示す。増幅器200は、図1に関連して前述したように駆動増幅器142のために使用されてもよい。増幅器200は、デバイス信頼性を維持しながら改善された駆動増幅器直線性をもたらす。
【0016】
増幅器200は、入力信号電圧205を複数の入力信号電流210に変換するための複数の電圧−電流トランスデューサ202を含む。
【0017】
カスコード段220は、増幅器利得制御を実現するように電圧−電流トランスデューサ202に結合される。カスコード段220は、薄ゲート酸化膜トランジスタ222と、第1のおよび第2の厚ゲート酸化膜トランジスタ226と228とを含む。任意の数の厚ゲート酸化膜トランジスタがカスコード段において利用されてもよいこと、およびこれは1つの例にすぎないことを理解されたい。
【0018】
例示的実施形態では、複数の電圧−電流トランスデューサ202はトランジスタである。例えば、複数のトランジスタは、MOSFET(M1、M2、およびM3)230、232、および234でよい。さらに、カスコード段220の薄ゲート酸化膜トランジスタ222ならびに厚ゲート酸化膜トランジスタ226および228も、MOSFET(M5、M6、およびM7)でよい。薄ゲートMOSFET222は、カスコード段220の最上位(MS)トランジスタであり得る。
【0019】
MOSFET230、232、および234は、それらのゲートにおいて印加された入力信号電圧205をそれらのドレインにおいて等価電流210に変換する。次いで、MOSFET230、232、および234のドレイン電流210が、カスコード段220のカスコードMOSFET222、226、および228の電源に供給される。
【0020】
駆動増幅器(DA)200利得制御は、MOSFETの電源をオンにするためにカスコードデバイス(M5、M6、M7)222、226、228のゲート電圧を電源電圧(Vs)240に引くこと、または、MOSFETの電源をオフにするためにゲート電圧をアース242に引くことのいずれかによって実行される。
【0021】
例示的実施形態では、MOSFET222、226、および228のそれぞれは、カスコード段220の関連するMOSFETの電源のオンまたはオフを制御するために複数のスイッチ260と262とを含む。例えば、下記でより詳細に説明されるように、一例示的実施形態では、デジタル利得制御テーブルが複数のスイッチを制御するために利用され得る。
【0022】
通常、薄ゲート酸化膜MOSFETは、厚ゲート酸化膜MOSFETに比べて優れた直線性性能を有するが、高電力レベルでは信頼性の問題を有する可能性がある。他方では、厚ゲート酸化膜MOSFETは、通常、それより不十分な直線性性能を有するが、優れた信頼性をもたらす。
【0023】
本発明の一例示的実施形態では、信頼性と直線性性能との間の良好なトレードオフを実現するように、駆動増幅器200が高電力にある時は、最上位(MS)MOSFETトランジスタ222の電源がオンにされる(例えば、スイッチ262の電源がVs240に対してオンにされる)。
【0024】
さらに、高電力において、厚ゲート酸化膜MOSFETの電源がオンにされてもよく(例えば、スイッチ262の電源がVsに対してオンにされ)、MOSFET226および228が利得制御のために使用される。このようにして、出力信号電流280が、例示的実施形態において電力増幅器144、送受切換器スイッチ146、およびアンテナ148(図1参照)に関連する整合285として示されているシステムの残りの部分に印加される。しかし、MOSFET226および228のいくつかはその電源が高電力モードでは利得制御中はオフにされることを理解されたい。
【0025】
本発明のこの実施形態を利用すると、出力信号電流280が高電力において最上位(MS)薄ゲートMOSFET222のために非常に良好な直線性性能でアンテナに印加され得るように、低インピーダンス経路が入力信号電圧205に適用されるが、厚ゲート酸化膜MOSFET226および228によって信頼できる利得制御が適用される。具体的には、厚ゲート酸化膜MOSFET226および228は、高電力において信頼性問題を有せず、適切な利得制御を実現する。
【0026】
したがって、一例示的実施形態では、高電力では、最上位(MS)MOSFET222は常にオンである。このようにして、薄ゲート酸化膜MOSFET222は非常に良好な直線性性能を適用する。一方、厚ゲート酸化膜MOSFET226および228は、良好な信頼性によって適切な利得制御を実現する。
【0027】
駆動増幅器(DA)システム200は、グローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))のためのセル帯域(例えば約13dBm出力電力)、ならびに符号分割多元接続(CDMA)、広帯域CDMA、およびロングタームエボリューション(LTE)のセル帯域(例えば約7dBm出力電力)など、高電力出力信号電流280のために優れた直線性性能を可能にする。
【0028】
図3は、低電力モードにおいて増幅器利得制御の直線性をもたらすための駆動増幅器送信機200の別の概略図を示す。低電力モードでは、駆動増幅器送信機200は、高いインピーダンスを提供し、入力信号電圧205が増幅器への出力信号電流280にならないようにすることができる。低電力モードにある時は、MOSFET222、226、および228のすべては、アースされることによってオフに設定されることが可能であり、単に出力電力を0dBmまたは別の関連する低電力レベルに低減するべく利得制御のために利用されるだけである。しかし、MOSFET222、226、および228のいくつかは、低電力モードにおいて利得制御のために電源がオンにされてもよいことを理解されたい。利得制御のために設計考慮事項に応じて任意の数の厚ゲート酸化膜MOSFETが利用されてもよいことを理解されたい。
【0029】
前述のように、一例示的実施形態では、複数のスイッチを制御し、カスコードデバイス222、226、および228の電源をオンおよびオフにし、利得制御を実行するために、デジタル制御テーブルが利用されてもよい。
【0030】
図4Aは、駆動増幅器送信機200によって使用され得る高電力モードの利得制御テーブル400を例示する図である。図4Aに示されているように、最上位(MS)カスコードデバイス1 222が列401に示され、カスコードデバイス2 226が列402に示され、カスコードデバイス3 228が列403に示されている。例えば、カスコードデバイスのすべての電源がオンにされている第1の利得制御設定(利得1)が示されている(行405)。他の例として、行410では、MSカスコードデバイス1 222がオンであり、カスコードデバイス2 226がオフであり、カスコードデバイス3 228がオンである第2の利得設定(利得2)が示されている。他の例では、第3の利得制御設定(利得3)では、MSカスコードデバイス1 222がオンであり、カスコードデバイス2 226がオンであり、カスコードデバイス3 228がオフである(行415)。利得設定の他の例(利得N)では、MSカスコードデバイス1 222がオンであり、カスコードデバイス2 226およびカスコードデバイス3 228がオフに設定されている(行420)。
【0031】
駆動増幅器送信機200において任意の数の様々な利得制御設定が任意の数のカスコードデバイスと共に実行され得ること、および前述の利得制御テーブルによる3つのカスコードデバイスの利用は単に一例としてのみ提供されることを理解されたい。さらに、前述のように、カスコードデバイスがオンに切り換えられた時は、スイッチ262は電源電圧(Vs)240に設定され、カスコードデバイスがオフに設定された時は、スイッチ260はアース242に設定される。高電力モードにおいて気づかれるはずであるように、MSカスコードデバイス1は、常にオンに設定されている。
【0032】
図4Bは、駆動増幅器送信機200によって利用され得る低電力モードの利得制御テーブル450を例示する図である。図4Bに示されているように、最上位(MS)カスコードデバイス1 222が列451に示され、カスコードデバイス2 226が列452に示され、カスコードデバイス3 228が列453に示されている。例として、第1の利得制御設定(利得1)では、すべてのカスコードデバイスの電源がオンにされている(行455)。他の例として、行460では、MSカスコードデバイス1 222がオンであり、カスコードデバイス2 226がオフであり、カスコードデバイス3 228がオンである第2の利得設定(利得2)が示されている。他の例では、第3の利得制御設定(利得3)では、MSカスコードデバイス1 222がオンであり、カスコードデバイス2 226がオンであり、カスコードデバイス3 228がオフである(行465)。利得設定の他の例(利得M)では、MSカスコードデバイス1 222がオンであり、カスコードデバイス2 226および3 228がオフに設定される(行480)。
【0033】
駆動増幅器送信機200において任意の数の様々な利得制御設定が任意の数のカスコードデバイスと共に実行され得ること、および前述の利得制御テーブルによる3つのカスコードデバイスの利用は単に一例としてのみ提供されることを理解されたい。さらに、前述のように、カスコードデバイスがオンに切り換えられた時は、スイッチ262が電源電圧(Vs)240に設定され、カスコードデバイスがオフに設定された時は、スイッチ260がアース242に設定される。
【0034】
低電力モードでは、最大出力電力値は、MS薄ゲート酸化膜デバイス222の電源がオフにされた時にその信頼性要件に違反しないように設定され得ることをさらに理解されたい。さらに、動作の低電力モードと高電力モードとの間の境界は、MS薄ゲート酸化膜デバイスの信頼性条件に依存するように設定されることが可能であり、したがって、境界はプロセス依存である。
【0035】
本発明の例示的実施形態によれば、薄ゲート酸化膜MOSFETを高電力モードにおいて永続的にオンである最上位(MS)デバイスとして利用することにより、非常に良好な直線性性能が提供されるが、残りの部分のカスコードデバイスは、最小信頼性問題を保証する利得制御のために使用される厚ゲート酸化膜MOSFETである。他方では、低電力モードにおいて、MOSFETデバイスのすべてが利得制御のために利用され得る。したがって、信頼性を犠牲にすることなく優れた直線性性能が提供される。
【0036】
情報および信号は、任意の様々な異なる技術および技法を使用して表され得ることを当業者は理解するであろう。例えば、上記の説明全体にわたって言及されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界もしくは磁性粒子、光場もしくは光粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0037】
本明細書で開示された実施形態に関連して述べた様々な例示的論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実施され得ることを当業者はさらに理解するであろう。このハードウェアおよびソフトウェアの互換性を明瞭に例示するために、様々な例示的構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが上記で全体的にそれらの機能の点から説明されてきた。そのような機能がハードウェアとして実施されるか、ソフトウェアとして実施されるかは、特定の応用例およびシステム全体に課される設計制約に依存する。当業者は、特定の応用例ごとに異なるように、記載の機能を実施することができるが、そのような実施の決定は本発明の例示的実施形態の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。
【0038】
本明細書で開示された実施形態に関連して述べた様々な例示的論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブルロジックデバイス、個別ゲートもしくはトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素、または本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せによって実施または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサでよいが、代替形態では、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンでよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または他の任意のそのような構成として実装されてもよい。
【0039】
本明細書で開示された実施形態に関連して述べた方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで、またはプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、あるいはそれら2つの組合せで、直接実施されることが可能である。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野で知られている他の任意の形態の記憶媒体に常駐してもよい。例示的記憶媒体は、プロセッサが情報を記憶媒体から読み出し、情報を記憶媒体に書き込むことができるようにプロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサに組み込まれていてもよい。プロセッサおよび記憶媒体はASICに常駐してもよい。ASICはユーザ端末に常駐してもよい。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末に個別構成要素として常駐してもよい。
【0040】
1つまたは複数の例示的実施形態では、前述の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実施されてもよい。ソフトウェアで実施される場合は、機能は1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ読取り可能媒体上に記憶されてもコンピュータ読取り可能媒体を介して送信されてもよい。コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータプログラムの1つの場所から別の場所への伝送を容易にする任意の媒体を含めて、コンピュータ記憶媒体と通信媒体を共に含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体でよい。例として、限定としてではなく、そのようなコンピュータ読取り可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または命令もしくはデータの形の所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用されることが可能でありコンピュータによってアクセスされることが可能である他の任意の媒体を含むことができる。さらに、任意の接続は、コンピュータ読取り可能媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、対より線、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、対より線、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)(disc)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(DVD)(disc)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、この場合、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、一方、ディスク(disc)は、データをレーザによって光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ読取り可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0041】
開示された例示的実施形態の上記説明は、当業者が誰でも本発明を作成または使用することができるようにするために提供されている。これらの例示的実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義されている一般的原理は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に示されている実施形態に限定されるのではなく、本明細書で開示された原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号電圧を複数の入力信号電流に変換するための複数の電圧−電流トランスデューサと、
増幅器利得制御を実現するように前記電圧−電流トランスデューサに結合され、薄ゲート酸化膜トランジスタと厚ゲート酸化膜トランジスタとを備えるカスコード段とを備える装置。
【請求項2】
前記複数の電圧−電流トランスデューサが複数のトランジスタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数のトランジスタがMOSFETを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記カスコード段の前記薄ゲート酸化膜トランジスタがMOSFETを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記カスコード段の前記厚ゲート酸化膜トランジスタがMOSFETを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記薄ゲート酸化膜トランジスタが前記カスコード段の最上位(MS)トランジスタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記カスコード段の前記薄ゲート酸化膜トランジスタおよび厚ゲート酸化膜トランジスタの電源のオフおよびオンを制御するために複数のスイッチをさらに備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記複数のスイッチを制御するためにデジタル利得制御テーブルをさらに備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
入力信号電圧を複数の入力信号電流に変換することと、
薄ゲート酸化膜トランジスタと厚ゲート酸化膜トランジスタとを備えるカスコード段に前記複数の入力信号電流を結合することにより増幅器利得制御を実現することとを備える方法。
【請求項10】
前記カスコード段の前記薄ゲート酸化膜トランジスタがMOSFETを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記カスコード段の前記厚ゲート酸化膜トランジスタがMOSFETを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記薄ゲート酸化膜トランジスタが前記カスコード段の前記最上位(MS)トランジスタを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
複数のスイッチによって前記薄ゲート酸化膜トランジスタおよび厚ゲート酸化膜トランジスタの電源のオフまたはオンを制御することをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
デジタル利得制御テーブルが前記複数のスイッチを制御するために使用される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
入力信号電圧を複数の入力信号電流に変換する手段と、
薄ゲート酸化膜トランジスタと厚ゲート酸化膜トランジスタとを備え、前記複数の入力信号電流に増幅器利得制御を実現する手段とを備える装置。
【請求項16】
前記入力信号電圧を前記複数の入力信号電流に変換する前記手段が複数のトランジスタを備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記複数のトランジスタがMOSFETである、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記複数の入力信号電流に増幅器利得制御を実現する前記手段がカスコード段を備える、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記カスコード段の前記薄ゲート酸化膜トランジスタがMOSFETを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記カスコード段の前記厚ゲート酸化膜トランジスタがMOSFETを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記薄ゲート酸化膜トランジスタが前記カスコード段の前記最上位(MS)トランジスタを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記カスコード段の前記薄ゲート酸化膜トランジスタおよび厚ゲート酸化膜トランジスタの電源のオフまたはオンを制御する手段をさらに備える、請求項21に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2012−532511(P2012−532511A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517902(P2012−517902)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/040682
【国際公開番号】WO2011/002942
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】