説明

Rhoキナーゼ阻害剤としてのヘタリールオキシ置換フェニルアミノピリミジン化合物

本発明は、ヘタリールオキシ置換フェニルアミノピリミジン化合物、それらの製造方法、並びに、ヒトおよび動物における、疾患、特に心血管疾患の処置および/または予防に利用する医薬を製造するための、それらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘタリール(hetaryl)オキシ置換フェニルアミノピリミジン化合物、それらの製造方法、並びに、ヒトおよび動物における、疾患、特に心血管障害の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞内カルシウム濃度の上昇は、血管の筋系の収縮の引き金となる主要因の1つである (Somlyo, A.P. and Himpens, B. FASEB J. 1989, 3, 2266-2276)。これは、主として、例えばフェニレフリンまたはトロンボキサンA2などのアゴニストによりもたらされ、それらは、ホスファチジルイノシトールカスケードの刺激の後に、小胞体からのカルシウムの放出を引き起こす。細胞内カルシウムの上昇は、ミオシン分子のMLCサブユニットをリン酸化するMLCキナーゼ(ミオシン軽鎖キナーゼ)を活性化する(Kamm, K.H. and Stull, J.T., Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 1985, 25, 593-603)。MLCのリン酸化は平滑筋の収縮を誘導し、細胞内カルシウム濃度の減少後のMLCの脱リン酸化は、血管の弛緩をもたらす。
【0003】
カルシウム依存性MLCリン酸化に加えて、中心的であるがカルシウム非依存性である、血管の緊張の調節メカニズムがさらに存在する。これは、Rho/Rhoキナーゼシグナル経路である(Noda, M. et al., FEBS Lett. 1995, 367, 246-250; Uehata, M. et al., Nature 1997, 389, 990-994; Fukata, Y. et al., Trends in Pharmacological Sciences 2001, 22, 32-39)。例えばフェニレフリンまたはトロンボキサンA2などのアゴニストのそれらの受容体への結合は、低分子Gタンパク質Rhoの活性化をもたらし、次いで、それは、Rhoキナーゼと相互作用し活性化する。活性化Rhoキナーゼは、ミオシンホスファターゼのサブユニットのリン酸化の後にこの酵素を阻害する。同時に、Rhoキナーゼは、MLCキナーゼによってもリン酸化される位置で、MLCをリン酸化する。ミオシンホスファターゼの阻害およびMLCのリン酸化は、血管筋系の収縮を誘導する。対照的に、Rhoキナーゼの阻害は、血管の弛緩を導く。従って、Rhoキナーゼの阻害剤は、血圧を下げ、冠血管の灌流を増加させる。
【0004】
加えて、Rhoキナーゼの阻害剤は、腫瘍細胞の増殖および転移の阻害を引き起こし (Itoh et al. Nat. Med. 1999, 5, 221; Somlyo et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 2000, 269, 652) 、血管新生を阻害する (Uchida et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 2000, 269, 633; Gingras et al. Biochem. J. 2000, 348 Vol. 2, 273)。
【0005】
本発明による化合物に類似の構造は、他の効能から知られている。かくして、例えば、US2001/0020030A1は、炎症性障害の処置用の置換チエノピリジン類およびチエノピリミジン類を開示しており、WO02/32872は、窒素性芳香族性環状化合物を新血管新生の阻害剤として開示している。
【0006】
本発明による化合物に類似の構造は、さらに、WO03/062225、WO03/062227、WO03/106450およびWO04/039796に、癌および心血管障害の処置用のRhoキナーゼ阻害剤として記載されている。しかしながら、これらの化合物は、それらのインビボ特性、例えば、それらの肝臓における作用、それらの薬理作用およびそれらの代謝経路に関して、不利益があることが明らかになってきた。
【発明の開示】
【0007】
従って、本発明の目的は、Rhoキナーゼ阻害剤として作用するが、上述の先行技術の不利益を有さない、さらなるヘタリールオキシ置換フェニルアミノピリミジン類を提供することであった。
【0008】
本発明は、式
【化1】

式中、
は、塩素、臭素、シアノ、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチルまたはシクロプロピルを表し、
は、水素またはフッ素を表し、
は、水素、塩素、トリフルオロメチルまたはペンタフルオロエチルを表す、
の化合物、およびそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物を提供する。
【0009】
本発明による化合物は、式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物;下記で与えられ、式(I)に包含される化合物が、まだ塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でないならば、式(I)に包含される下記式の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、並びに、実施態様として与えられ、式(I)に包含される下記の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0010】
それらの構造に依存して、本発明による化合物のいくつかは、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在できる。従って、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの各々の混合物に関する。立体異性的に均一な成分は、そのようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から、既知のやり方で単離できる。
本発明による化合物が互変異性体として生じ得る限り、本発明は、全互変異性体を包含する。
【0011】
本発明に関して、好ましいは、本発明による化合物の生理的に許容し得る塩である。しかしながら、それら自体は医薬適用に適さないが、例えば本発明による化合物の単離または精製に使用できる塩も含まれる。
【0012】
本発明による化合物の生理的に許容し得る塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
【0013】
本発明による化合物の生理的に許容し得る塩には、また、常套の塩基の塩、例えば、そして好ましくは、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)、および、アンモニアもしくは1個ないし16個の炭素原子を有する有機アミン(例えば、そして好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジン)から誘導されるアンモニウム塩も含まれる。
【0014】
本発明に関して、溶媒和物は、固体または液体状態で、溶媒分子との配位により錯体を形成する本発明による化合物の形態である。水和物は、配位が水とのものである、溶媒和物の特別な形態である。
【0015】
好ましいのは、式中、
が、塩素、シアノ、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチルまたはシクロプロピルを表し、
が、水素またはフッ素を表し、
が、水素、塩素、トリフルオロメチルまたはペンタフルオロエチルを表す、
式(I)の化合物、およびそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物である。
【0016】
好ましいのは、また、式中、
が、塩素、シアノ、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチルまたはシクロプロピルを表し、
が、水素またはフッ素を表し、
が、水素、塩素またはトリフルオロメチルを表す、
式(I)の化合物、およびそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物である。
【0017】
特に好ましいのは、式中、
が、シアノ、メチルまたはヒドロキシエチルを表し、
が、水素またはフッ素を表し、
が、塩素またはトリフルオロメチルを表す、
式(I)の化合物、およびそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物である。
【0018】
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造方法を提供し、それは、
式(II)
【化2】

(式中、RおよびRは、上記定義の通りである)
の化合物を、式(III)
【化3】

(式中、Rは、上記定義の通りである)
の化合物と反応させることを特徴とする。
【0019】
この反応は、一般的に、水性塩酸溶液中、好ましくは70℃ないし110℃の温度範囲で、大気圧で実施する。
【0020】
式(II)の化合物を製造するために、例えば、さらなる基Rを、式(IV)
【化4】

(式中、Rは、上記定義の通りであり、そして、Xは、ハロゲン、好ましくは臭素または塩素を表す)
の化合物に、有機金属反応、例えば、鈴木もしくは根岸反応、または当業者に知られている他のパラジウム触媒反応を介して、導入する。様々な基Rのための合成経路は、実験の部の実施例で詳細に記載する。続いて、当業者に知られている常套の方法を使用して、アシルおよびトシレート保護基を除去する。
【0021】
式(IV)の化合物を製造するために、例えば、式(V)
【化5】

(式中、Rは、上記定義の通りである)
の化合物を、第1段階で、パラジウム/炭を用いて、エタノール中、50℃、2バールの水素圧下で水素化し、塩素置換基を除去する。
【0022】
第2段階で、塩化アセチルと、ジクロロメタン中、トリエチルアミンの存在下、0℃ないし室温の温度範囲で、大気圧で反応させることにより、アセチル保護基をアニリンに導入する。
【0023】
第3段階で、次いで、基Xを導入する:
=臭素の場合、氷酢酸とジクロロメタンの混合物中、臭素を添加することにより、−10℃ないし10℃の温度範囲で、大気圧で反応を実施する。
=塩素の場合、N−クロロスクシンイミドを使用して、THF中、水性塩酸を添加することにより、室温ないし溶媒の還流の温度範囲で、大気圧で反応を実施する。
【0024】
続く第4段階で、ブチルリチウム溶液を用いて、THF中、−78℃ないし−50℃の温度範囲で、大気圧で脱プロトン化し、続いてトルエンスルホニルクロリドと、THF中、室温に温めて反応させることにより、トシレート保護基をピロロピリジンのピロールの窒素に導入する。
【0025】
式(V)の化合物を製造するために、例えば、式(VI)
【化6】

(式中、Rは、上記定義の通りである)
の化合物を、式(VII)
【化7】

の化合物と反応させる。
【0026】
反応は、溶媒無しで、塩基としての水酸化カリウムの存在下、融解状態で、200℃ないし280℃の温度で、または、好ましくは、不活性溶媒中、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドまたはニトロベンゼン中、塩基、例えば炭酸カリウム、水酸化カリウム、カリウムtert−ブトキシドまたは水素化ナトリウムの存在下、120℃ないし280℃の温度で実施する。
【0027】
式(III)、(VI)および(VII)の化合物は、それ自体が当業者に知られているか、または文献から分かる常套の方法により製造できる。
【0028】
本発明による化合物の製造は、以下の合成スキームにより例示説明できる。
【化8】

【0029】
本発明による化合物は、予見できない有用な薬理スペクトルおよび薬物動態学的作用を有する。
従って、それらは、ヒトおよび動物における疾患の処置および/または予防用の医薬としての使用に適する。
本発明による化合物の医薬活性は、それらのRhoキナーゼ阻害剤としての作用により説明できる。
本発明はまた、障害、好ましくは心血管障害の処置および/または予防のための、本発明による化合物の使用も提供する。
【0030】
本発明による化合物は、例えば、高血圧および心不全、安定および不安定狭心症、末梢および冠血管の障害、不整脈、血栓性障害および虚血、例えば心筋梗塞、卒中、一過性虚血発作、末梢循環の閉塞症、くも膜下出血などの心血管障害の予防および/または処置、例えば血栓溶解治療、経皮経管的血管形成術(PTA)、経皮経管的冠動脈形成術(PTCA)、バイパス術後の再狭窄の予防、および、動脈硬化症、アルツハーマー病、腎不全、緑内障、喘息性障害、COPDおよび泌尿器系の疾患、例えば、前立腺肥大、勃起不全、女性の性機能不全、骨粗鬆症、胃不全麻痺および失調症の予防および/または処置に適する。
【0031】
本発明による化合物は、さらに、癌、特に腫瘍の予防および/または処置に使用できる。
本発明に関して、腫瘍の定義には、良性および悪性の腫瘍の両方が、従って、例えば、良性新形成、異形性、過形成および転移形成を伴う新形成も含まれる。さらなる腫瘍の例は、癌腫、肉腫、癌肉腫、造血器官起源の腫瘍、神経組織、例えば脳の腫瘍、または、皮膚細胞の腫瘍である。腫瘍形成では、制御されない、または不適切に制御された細胞分裂が起こる。腫瘍は、局所的に限定され得るが、周囲の組織に浸潤し、次いでリンパ系または血流により、新しい場所に移ることもできる。従って、原発腫瘍および二次腫瘍がある。原発腫瘍は、それらが発見される器官で元々形成されたものである。二次腫瘍は、転移形成により他の器官に移り、次いで、それらの新しい場所で広がったものである。
【0032】
本発明はまた、障害、特に上述の症候群の予防および/または処置のための、本発明による化合物の使用も提供する。
本発明はまた、障害、特に上述の症候群の予防および/または処置用の医薬を製造するための、本発明による化合物の使用も提供する。
【0033】
本発明は、心血管的に有効な量の本発明による化合物を使用する、障害、特に上述の障害の予防および/または処置の方法も提供する。
本発明はまた、特に上述の障害の予防および/または処置のための、1種またはそれ以上のさらなる活性化合物と組み合わせた本発明による化合物を含む医薬も提供する。
【0034】
本発明による化合物は、全身的かつ/または局所的に作用できる。この目的のために、例えば、経口で、非経腸で、肺に、鼻腔に、舌下に、舌に、頬側に、直腸に、経皮で、結膜に、耳に、ステントとして、またはインプラントとしてなど、適するやり方で投与できる。
これらの投与経路のために、本発明による化合物は、適する投与形で投与できる。
【0035】
経口投与に適するのは、本発明による化合物を迅速かつ/または修飾された形態で放出し、本発明による化合物を結晶形および/または無定形および/または溶解形で含有する、先行技術に準じて働く投与形、例えば、錠剤(非被覆または被覆錠剤、例えば、本発明による化合物の放出を制御する、腸溶性、遅延溶解性または不溶性の被覆で被覆されたもの)、口腔中で迅速に崩壊する錠剤、またはフィルム(film)/ウエハー(wafer)、カプセル剤、糖衣錠剤、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エアゾル剤または液剤である。
【0036】
非経腸投与は、吸収段階を回避して(静脈内、動脈内、心臓内、脊椎内または腰椎内)、または、吸収を含めて(筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)行うことができる。非経腸投与には、適する投与形は、なかんずく、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤および滅菌散剤の形態の、注射および点滴製剤である。
【0037】
他の投与経路に適するのは、例えば、吸入用医薬形(なかんずく、粉末吸入器、噴霧器)、点鼻薬/液、スプレー;舌に、舌下にまたは頬側に投与すべき錠剤またはカプセル剤、坐剤、耳および眼製剤、膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、震盪ローション)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、ミルク、ペースト、散布剤、ステントまたはインプラントである。
【0038】
本発明による化合物は、それ自体知られているやり方で、上述の投与形に変換できる。これは、不活性、非毒性の、医薬的に許容し得る補助剤を使用して行う。これらには、なかんずく、担体(例えば微結晶セルロース)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール)、乳化剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム)、分散剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然バイオポリマー(例えばアルブミン)、安定化剤(例えばアスコルビン酸などの抗酸化剤)、着色剤(例えば酸化鉄などの無機色素)、または、味および/または臭気の矯正剤が含まれる。
【0039】
本発明はまた、少なくとも1種の本発明による化合物を、好ましくは1種またはそれ以上の不活性、非毒性、医薬的に許容し得る補助剤と共に含む医薬および上述の目的のためのそれらの使用も提供する。
【0040】
一般に、ヒトの医学および獣医学の両方において、24時間につき、全量で約0.01ないし約700、好ましくは0.01ないし100mg/体重kgの本発明による化合物を、必要に応じて複数の個別用量の形態で投与するのが、所望の結果を得るために有利であると判明した。個別用量は、本発明による化合物を、好ましくは約0.1ないし約80、特に0.1ないし30mg/体重kgの量で含有する。
【0041】
これにも関わらず、必要に応じて、即ち、体重、投与経路、活性化合物への個体の応答、製剤のタイプおよび投与を行う時間または間隔に応じて、上述の量から離れることが必要であり得る。従って、上述の最小量より少なく使用しても十分な場合があり得、一方上述の上限を超えなければならない場合もある。比較的大量に投与する場合、これらを1日かけて数回の個別投与に分割するのが望ましいことがある。
【0042】
下記の試験および実施例中のパーセントは、断りのない限り、重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度は、各場合で体積をベースとする。
【実施例】
【0043】
A.実施例
略号:
【表1】

【0044】
HPLC、LCMSおよびGCMSの方法:
方法1(LC/MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度蟻酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm
【0045】
方法2(LC/MS):装置:HPLC Agilent series 1100 を有する Micromass Quattro LCZ;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度蟻酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208−400nm
【0046】
方法3(LC/MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:HP 1100 series; UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度蟻酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分、2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm
【0047】
方法4(HPLC):装置:DAD 検出を有するHP 1100;カラム:Kromasil 100 RP-18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;移動相A:過塩素酸(70%強度)5ml/水1l、移動相B:アセトニトリル;勾配:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、6.5分90%B、6.7分2%B、7.5分2%B;流速:0.75ml/分;オーブン:30℃;UV検出:210nm
【0048】
方法5(LC−MS):装置:HPLC Agilent series 1100 を有する Micromass Platform LCZ;カラム:Thermo HyPURITY Aquastar 3μ 50 mm x 2.1 mm;移動相A:水1l+50%強度蟻酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸0.5ml;勾配:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→5.5分10%A;オーブン:50℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm
【0049】
方法6(LC/MS):装置:HPLC Agilent series 1100 を有する Micromass Platform LCZ;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度蟻酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm
【0050】
分取HPLC:カラム:YMC Gel ODS-AQ S-5 / 15 μM, 250 mm x 30 mm;移動相A:水、移動相B:アセトニトリル;勾配:0.00分30%B→3.00分30%B→34.0分95%B→38.0分30%B;温度:室温;流速:50ml/分;UV検出
【0051】
出発物質
実施例1A
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド
【化9】

(Antonini, Ippolito; Claudi, Francesco; Cristalli, Gloria; Franchetti, Palmarisa; Grifantini, Mario; Martelli, Sante; J. Med. Chem. 1982, 25(10), 1258-1261)3−クロロ過安息香酸540g(2.35mol)を、ジクロロメタン6.11lに溶解し、分離する水を除去する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、0℃に冷却する。ジクロロメタン1.00l中の1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(Hands, D.; Bishop, B.; Cameron, M.; Edwards, T.S.; Cottrell, I.F.; Wright, S.H.B.; Synthesis 1996 (7), 877-882)163g(1.38mol)の溶液を、次いで添加し、温度を室温に上昇させる。2時間後、形成された沈殿が再溶解するような量のメタノールを添加する。混合物をシリカゲル(移動相:ジクロロメタン/メタノール95:5)を通して濾過する。濃縮後、生成物画分を高真空下で乾燥する。
収量:145g(理論値の75%)
HPLC(方法4):R=2.02分
MS (ESI pos.): m/z = 135 (M+H)+, 152 (M+NH4)+, 269 (2M+H)+.
1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ = 6.58 (d, 1H), 7.07 (dd, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.65 (d, 1H), 8.17 (d, 1H), 12.42-12.64 (br. s, 1H).
【0052】
実施例2A
4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド
【化10】

示差熱分析の結果に基づき、記載する量の大きさの5倍より大きいスケールで反応を実施することは推奨されない。
トリフルオロ酢酸160ml中の1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド20.0g(149mmol)の溶液を、室温に冷却する。次いで、65%強度の硝酸69.3mlを、ゆっくりと滴下して添加し、混合物を室温で2時間撹拌しておく。混合物を氷に注ぎ、45%強度水酸化ナトリウム溶液を使用してpHを8−9に合わせる。沈殿を吸引濾過し、水で洗浄する。記載したサイズの4つのバッチの粗生成物および同様に実施した13gのバッチを合わせ、一緒に精製する。粗生成物を水に懸濁し、2N水酸化ナトリウム溶液を使用してpHを8−9に合わせる。10分間撹拌した後、沈殿を吸引濾過し、高真空下で乾燥する(Schneller, Stewart W.; Luo, Jiann-Kuan; J. Org. Chem. 1980, 45, 4045-4048.)。
収量:29.7g(理論値の24%)
HPLC(方法4):R=3.02分
MS(ESIpos.):m/z=180(M+H)、197(M+NH、359(2M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ = 7.03 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 8.03 (d, 1H), 8.31 (d, 1H), 13.22-13.41 (br. s, 1H).
【0053】
実施例3A
6−クロロ−4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化11】

アルゴン雰囲気下、4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド5.00g(27.9mmol)およびヘキサメチルジシラザン11.8ml(55.8mmol)を、最初にTHF290mlに加える。室温で、クロロ蟻酸メチル10.8ml(140mmol)を添加する。溶液を室温で終夜撹拌する。シリカゲルカートリッジを通して反応溶液を濾過し、カートリッジをジクロロメタン/メタノール10:1で洗浄する。
収量:2.8g(理論値の70%)
LC−MS(方法3):R=2.15分
MS(ESIpos.):m/z=198(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ = 7.00 (mc, 1H), 7.97 (s, 1H), 8.00 (t, 1H), 12.79 (s, 1H).
【0054】
実施例4A
4−[(6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロアニリン
【化12】

6−クロロ−4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン664mg(3.36mmol)、粉末状炭酸カリウム1.39g(10.1mmol)および亜ジチオン酸ナトリウム877mg(5.04mmol)をDMSO10mlに懸濁する。混合物を脱気し、4−アミノ−2,6−ジフルオロフェノール塩酸塩915mg(5.04mmol)を添加する。混合物を120℃で4時間加熱する。酢酸エチルの添加後、セライトを通して混合物を吸引濾過し、セライトを酢酸エチルで洗浄する。濾液を飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で3回震盪する。濾液を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製する。
収量:356mg(理論値の36%)
LC−MS(方法1):R=2.05分
MS(ESIpos.):m/z=296(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 5.84 (s, 2H), 6.28 (mc, 1H), 6.38-6.41 (m, 3H), 7.42 (mc, 1H), 12.02 (s, 1H).
【0055】
実施例5A
3,5−ジフルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)アニリン
【化13】

3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)アニリンと同様に、4−[(6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロアニリン408mg(1.38mmol)の触媒的水素化により、表題化合物を得る。
収量:360mg(理論値の100%)
LC−MS(方法1):R=1.46分
MS(ESIpos.):m/z=262(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 5.77 (br. s, 1H), 6.28 (dd, 1H), 6.34-6.40 (m, 3H), 7.37 (dd, 1H), 8.06 (d, 1H), 11.76 (br. s, 1H).
【0056】
実施例6A
N−[3,5−ジフルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アセトアミド
【化14】

3,5−ジフルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)アニリン1.60g(6.14mmol)を、ジクロロメタン45mlに懸濁し、0℃に冷却する。トリエチルアミン2.57ml(18.4mmol)および塩化アセチル0.87ml(12.3mmol)を滴下して添加し、撹拌を0℃で2.5時間継続する。さらなるトリエチルアミン0.86ml(6.14mmol)および塩化アセチル0.44ml(6.14mmol)を添加し、混合物をさらに1時間反応させる。次いで、飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加し、混合物を室温で10分間撹拌する。混合物をジクロロメタンで2回抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をエタノール45mlに取る。5.4Mナトリウムメトキシド溶液1.14ml(6.14mmol)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌する。混合物を濃縮し、生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Nアンモニア)100:1から100:5)により精製する。
収量:1.05g(理論値の56%)
LC−MS(方法2):R=1.76分
MS(ESIpos.):m/z=304(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.10 (s, 3H), 6.28 (dd, 1H), 6.41 (d, 1H), 7.41 (dd, 1H), 7.53 (m, 2H), 8.08 (d, 1H), 10.40 (s, 1H), 11.83 (br. s, 1H).
【0057】
実施例7A
N−{4−[(3−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}アセトアミド
【化15】

N−[3,5−ジフルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アセトアミド1.05g(3.45mmol)を、氷酢酸35mlに溶解し、氷浴を使用して、約10℃に冷却する。1M臭素のジクロロメタン溶液4.8ml(4.8mmol)を添加し、混合物を20℃で約30分間撹拌し、固体の沈殿を得る。固体を吸引濾過し、酢酸エチルで洗浄する。濃水酸化ナトリウム水溶液を使用して母液を中和し、酢酸エチルで抽出する。吸引濾過した結晶をDMF3mlに溶解する。混合物を酢酸エチルで希釈し、1N水酸化ナトリウム溶液で3回抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減圧下で除去する。生成物をこれ以上精製せずに反応させる。
収量:1.32g(理論値の100%)
LC−MS(方法2):R=2.10分
MS(ESIpos.):m/z=382、384(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.10 (s, 3H), 6.33 (d, 1H), 7.55 (d, 2H), 7.65 (d, 1H), 8.10 (d, 1H), 10.43 (s, 1H), 12.22 (br. s, 1H).
【0058】
実施例8A
N−[4−({3−ブロモ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3,5−ジフルオロフェニル]アセトアミド
【化16】

N−{4−[(3−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}アセトアミド1.37g(3.58mmol)を、THF200mlに溶解し、−78℃に冷却する。2.5Mn−ブチルリチウム溶液1.6ml(4.0mmol)を滴下して添加し、混合物を15分間撹拌する。次いで、p−トルエンスルホニルクロリド752mg(3.94mmol)をTHF7.5ml中の溶液として滴下して添加する。反応溶液を室温に温まらせ、1時間撹拌する。次いで、混合物を酢酸エチルと0.1N水酸化ナトリウム水溶液に分配する。水相を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。生成物をシリカゲル(移動相:ジクロロメタン/アセトン20:1ないし10:1)のカラムクロマトグラフィーにより精製する。
収量:851mg(理論値の44%)
LC−MS(方法1):R=2.61分
MS(ESIpos.):m/z=536、538(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.09 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 6.64 (d, 1H), 7.45 (d, 2H), 7.50-7.57 (m, 2H), 8.03 (d, 2H), 8.13 (s, 1H), 8.25 (d, 1H), 10.40 (s, 1H).
【0059】
実施例9A
N−[3,5−ジフルオロ−4−({3−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]アセトアミド
【化17】

N−[4−({3−ブロモ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3,5−ジフルオロフェニル]アセトアミド895mg(1.67mmol)を、ジオキサン(20ml)に溶解する。混合物を脱気し、アルゴンを通す。2Mジメチル亜鉛のトルエン溶液2.5ml(5.0mmol)および[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド/二塩化メチレン錯体68mg(0.08mmol)を添加し、混合物を100℃で2時間加熱する。混合物を室温に冷却させ、酢酸エチルおよび1M塩酸を添加し、水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/アセトン20:1ないし10:1)により精製する。
収量:702mg(理論値の89%)
LC−MS(方法1):R=2.49分
MS(ESIpos.):m/z=472(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.09 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 6.52 (d, 1H), 7.42 (d, 2H), 7.52 (m, 2H), 7.66 (s, 1H), 7.97 (d, 2H), 8.17 (d, 1H), 10.43 (s, 1H).
【0060】
実施例10A
3,5−ジフルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]アニリン
【化18】

N−[3,5−ジフルオロ−4−({3−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]アセトアミド690mg(1.46mmol)を、エタノール25mlに溶解する。20%強度水酸化ナトリウム水溶液12.5mlを添加し、反応混合物を90℃で4.5時間加熱する。反応溶液を酢酸エチルと水とに分配する。水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。これ以上精製せずに生成物を反応させる。
収量:402mg(理論値の100%)
LC−MS(方法1):R=1.53分
MS(ESIpos.):m/z=276(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.42 (s, 3H), 5.72 (br. s, 2H), 6.15 (d, 1H), 6.33-6.45 (m, 2H), 7.11 (s, 1H), 7.97 (d, 1H), 11.32 (br. s, 1H).
【0061】
実施例11A
2,2,2−トリフルオロ−N−[3,5−ジフルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アセトアミド
【化19】

0℃で、トリフルオロ酢酸無水物0.16ml(1.14mmol)を、3,5−ジフルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)アニリン200mg(0.76mmol)およびトリエチルアミン0.21ml(1.53mmol)の無水ジクロロメタン溶液に滴下して添加する。混合物を0℃で20分間撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(10ml)を滴下して添加することにより、反応を停止させる。懸濁液を室温に温まらせ、相を分離する。水相をtert−ブチルメチルエーテル(10ml)で抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。これにより固体を得、これ以上精製しない。
収量:270mg(理論値の98%)
HPLC(方法3):R=2.21分
MS(ESIpos.):m/z=358(M+H)
【0062】
実施例12A
N−{4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化20】

N−クロロスクシンイミド204mg(1.54mmol)および1M水性塩酸50μlを、無水テトラヒドロフラン(5ml)中の2,2,2−トリフルオロ−N−[3,5−ジフルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アセトアミド250mg(0.70mmol)の溶液に添加する。溶液を室温で終夜撹拌する。表題化合物が反応混合物から沈殿する。吸引濾過および乾燥により固体を得る。
収量:90mg(理論値の33%)
HPLC(方法3):R=2.45分
MS(ESIpos.):m/z=392、394(M+H)
【0063】
実施例13A
4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロアニリン
【化21】

1N水酸化ナトリウム溶液3mlを、エタノール(5ml)中のN−{4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド90mg(0.23mmol)の溶液に添加する。反応を終夜撹拌する。溶液をtert−ブチルメチルエーテルで抽出する(2回、10ml)。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。これにより、固体を得、これ以上精製しない。
収量:65mg(理論値の96%)
HPLC(方法2):R=2.13分
MS(ESIpos.):m/z=296、298(M+H)
【0064】
実施例14A
4−[(6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロアニリン
【化22】

4−アミノ−2−フルオロフェノール0.77g(6.07mmol)を、DMFに溶解する。カリウムtert−ブトキシド0.68g(6.07mmol)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌する。次いで、粉末状炭酸カリウム0.35g(2.53mmol)および6−クロロ−4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン1.00g(5.06mmol)を、連続的に添加する。混合物を120℃で12時間撹拌する。冷却後、混合物を酢酸エチル(200ml)で希釈する。セライト(登録商標)を通して懸濁液を吸引濾過し、セライトを酢酸エチルで洗浄する。重炭酸ナトリウム水溶液および塩化ナトリウム溶液で溶液を連続的に抽出する。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:ジクロロメタン/アセトン5:1)により精製する。
収量:0.95g(理論値の67%)
【0065】
代替的製造方法:
DMSO26ml中の6−クロロ−4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン1.80g(9.11mmol)、炭酸カリウム3.78g(27.3mmol)および亜ジチオン酸ナトリウム3.17g(18.2mmol)の混合物を脱気する。4−アミノ−2−フルオロフェノール2.32g(18.2mmol)を添加し、混合物を120℃で4時間加熱する。次いで、混合物を酢酸エチルで希釈し、セライト(登録商標)を通して吸引濾過する。濾液を炭酸ナトリウムで2回、塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール100:2)により精製する。
LC−MS(方法2):R=2.09分
MS(ESIpos):m/z=278(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ = 5.52 (br. s, 2H), 6.21-6.30 (m, 2H), 6.44 (dd, 1H), 6.53 (dd, 1H), 7.07 (dd, 1H), 7.39 (dd, 1H), 11.96 (br. s, 1H).
【0066】
実施例15A
3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)アニリン
【化23】

4−[(6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロアニリン3.2g(11.5mmol)を、エタノールに50℃で溶解する。次いで、溶液を室温に冷却させ、10%パラジウム/炭2.45g(2.30mmol)を添加する。混合物を2バールの水素圧下で終夜水素化する。次いで、珪藻土を通して混合物を吸引濾過し、珪藻土をエタノールで洗浄し、濾液を濃縮する。
収量:2.5g(理論値の89%)
LC−MS(方法1):R=1.18分
MS(ESIpos.):m/z=244(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ = 5.45 (mc, 2H), 6.25 (mc, 2H), 6.40-6.55 (br. 2H), 7.05 (t, 1H), 7.33 (mc, 1H), 8.25 (d, 1H), 11.69 (s, 1H).
【0067】
実施例16A
N−[3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アセトアミド
【化24】

3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)アニリン塩酸塩5.00g(17.9mmol)をジクロロメタン100mlに懸濁し、0℃に冷却する。トリエチルアミン9.97ml(71.5mmol)および塩化アセチル3.81ml(53.6mmol)を滴下して添加し、混合物を0℃でさらに2時間撹拌する。飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加し、混合物を室温で10分間撹拌する。次いで、混合物をジクロロメタンで2回抽出する。少量のアセトンを使用して不溶性成分を溶解し、混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をエタノール100mlに取る。5.4Mナトリウムメトキシド溶液3.31ml(17.9mmol)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌する。混合物を濃縮し、生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Nアンモニア)100:1から100:5)により精製する。
収量:3.92g(理論値の77%)
LC−MS(方法3):R=1.56分
MS(ESIpos.):m/z=286(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.08 (s, 3H), 6.22 (dd, 1H), 6.35 (d, 1H), 7.28-7.38 (m, 3H), 7.80 (dd, 1H), 8.07 (d, 1H), 10.21 (br. s, 1H), 11.72 (br. s, 1H).
【0068】
実施例17A
N−{4−[(3−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}アセトアミド
【化25】

[3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アセトアミド4.00g(14.0mmol)を氷酢酸200mlに溶解し、氷浴を使用して、約10℃に冷却する。1M臭素のジクロロメタン溶液21.0ml(21.0mmol)を添加し、混合物を10℃で約15分間撹拌し、固体の沈殿を得る。固体を吸引濾過し、酢酸エチルで洗浄する。吸引濾過した結晶をDMF30mlに溶解する。溶液を酢酸エチル500mlで希釈し、1M水酸化ナトリウム溶液300mlで3回抽出する。混合物を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。
収量:3.44g(理論値の66%)
LC−MS(方法6):R=2.03分
MS(ESIpos.):m/z=364、366(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.08 (s, 3H), 6.27 (dd, 1H), 7.28-7.38 (m, 2H), 7.60 (d, 1H), 7.82 (dd, 1H), 8.09 (d, 1H), 10.21 (br. s, 1H), 12.11 (br. s, 1H).
【0069】
実施例18A
3−フルオロ−4−({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)アニリン
【化26】

3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)アニリン998mg(4.10mmol)を、THF50mlに溶解し、水素化ナトリウム(THF中)230mg(5.74mmol)を添加し、次いで、混合物を室温で1時間撹拌する。さらなるp−トルエンスルホニルクロリド860mg(4.51mmol)を添加し、反応溶液を60℃でさらに1時間撹拌する。セライト(登録商標)を通して懸濁液を濾過し、セライトをTHFおよび少量のジクロロメタン/メタノール10:1で洗浄し、溶媒を減圧下で除去する。残渣をさらに粗生成物として反応させる。
収量:1.65g(理論値の86%)
LC−MS(方法1):R=2.39分
【0070】
実施例19A
N−[3−フルオロ−4−({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]アセトアミド
【化27】

3−フルオロ−4−({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)アニリン3.02g(7.60mmol)を、無水酢酸30mlに溶解し、50℃で1時間撹拌する。次いで、揮発性成分を減圧下で除去し、トルエンを使用して共沸的に、過剰の試薬を繰り返し除去する。粗生成物をシリカゲルカラム(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)で精製する。
収量:2.04g(理論値の58%)
LC−MS(方法3):R=2.50分
MS(ESIpos.):m/z=440(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.07 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 6.55 (m, 1H), 6.66 (m, 1H), 7.34 (mc, 2H), 7.43 (d, 2H), 7.80 (m, 2H), 8.01 (d, 2H), 8.20 (d, 1H), 10.26 (s, 1H).
【0071】
実施例20A
N−[4−({3−ブロモ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3−フルオロフェニル]アセトアミド
【化28】

N−[3−フルオロ−4−({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]アセトアミド490mg(1.11mmol)を、ジクロロメタン35mlに溶解し、0℃に冷却する。次いで、臭素114μl(2.23mmol)を添加する。1時間後、10%強度チオ硫酸ナトリウム溶液中の氷を添加する。ジクロロメタンで抽出後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン:アセトン:10:1)により精製する。
収量:360mg(理論値の62%)
【0072】
代替的製造方法:
N−{4−[(3−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}アセトアミド3.23g(8.87mmol)を、THF500mlに溶解し、−78℃に冷却する。2.5Mn−ブチルリチウム溶液3.90ml(9.76mmol)を添加し、混合物を15分間撹拌する。次いで、p−トルエンスルホニルクロリド1.86g(9.76mmol)をTHF20ml中の溶液として滴下して添加する。反応溶液を室温に温まらせ、1時間撹拌する。次いで、重炭酸ナトリウム溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。
収量:4.22g(理論値の92%)
LC−MS(方法1):R=2.53分
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.07 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 6.50 (m, 1H), 7.34 (m, 2H), 7.44 (d, 2H), 7.80 (m, 1H), 8.02 (d, 2H), 8.08 (s, 1H), 8.23 (d, 1H), 10.23 (s, 1H).
【0073】
実施例21A
N−[3−フルオロ−4−({3−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]アセトアミド
【化29】

N−[4−({3−ブロモ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3−フルオロフェニル]アセトアミド200mg(0.39mmol)および重炭酸ナトリウム97mg(1.16mmol)をジメトキシエタン(10ml)および水(3ml)の混合物に懸濁し、混合物を脱気する。[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド/二塩化メチレン錯体15.7mg(0.02mmol)およびトリメチルボロキシン107μl(0.77mmol)を添加し、混合物を85℃で2時間加熱する。後処理に、Extrelut シリカゲルカートリッジを通して、2mlのジクロロメタン/メタノール10:1を使用して、反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で減らす。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:83mg(理論値の47%)
【0074】
代替的製造方法:
N−[4−({3−ブロモ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3−フルオロフェニル]アセトアミド100mg(0.19mmol)を、ジオキサン(2.5ml)に溶解する。溶液を脱気し、アルゴンを通気する。2Mジメチル亜鉛のトルエン溶液0.29ml(0.58mmol)および[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド/二塩化メチレン錯体7.9mg(0.01mmol)を添加し、混合物を100℃で2.5時間加熱する。混合物を室温に冷却させ、酢酸および1M塩酸を添加し、水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:77mg(理論値の86%)
LC−MS(方法3):R=2.60分
MS(ESIpos.):m/z=454(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.08 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 2.39 (s, 3H), 6.40 (d, 1H), 7.34 (m, 2H), 7.41 (d, 2H), 7.62 (m, 1H), 7.78 (m, 1H), 7.95 (d, 2H), 8.14 (d, 1H), 10.22 (s, 1H).
【0075】
実施例22A
3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド
【化30】

1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシドと同様に、3−クロロ過安息香酸24.2g(108mmol)を使用する3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(Hands, D.; Bishop, B.; Cameron, M.; Edwards, T.S.; Cottrell, I.F.; Wright, S.H.B.; Synthesis 1996 (7), 877-882)11.0g(54.1mmol)の酸化により、表題化合物を得る。
収量:5.4g(理論値の67%)
LC−MS(方法3):R=1.19分
MS(ESIpos.):m/z=149(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.25 (m, 3H), 7.05 (m, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.59 (m, 1H), 8.10 (s, 1H), 12.06 (s, 1H).
【0076】
実施例23A
4−クロロ−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化31】

3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド1.00g(6.75mmol)を、塩化ホスホリル5mlに懸濁する。次いで、クロロホルム2mlを添加し、混合物を還流温度で終夜加熱する。混合物を室温に冷却させ、酢酸エチル/氷水に注ぐ。次いで、固体の炭酸ナトリウムを添加する。相を分離し、水相を酢酸エチルで洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:シクロヘキサン/メタノール=4:1)により精製する。
収量:200mg(理論値の18%)
LC−MS(方法3):R=2.05分
1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ = 2.41 (m, 3H), 7.10 (d, 1H), 7.31 (s, 1H), 8.07 (d, 1H), 12.44 (s, 1H).
【0077】
実施例24A
4−クロロ−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド
【化32】

3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシドと同様に、3−クロロ過安息香酸2.42g(10.78mmol)を使用する4−クロロ−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(実施例23Aより)898mg(5.39mmol)の酸化により、表題化合物を得る。
収量:688mg(理論値の70%)
LC−MS(方法3):R=1.75分
MS(ESIpos.):m/z=183(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ = 2.41 (m, 3H), 7.10 (d, 1H), 7.30 (s, 1H), 8.07 (d, 1H), 12.44 (s, 1H).
【0078】
実施例25A
メチル4,6−ジクロロ−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−カルボキシレート
【化33】

6−クロロ−4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンと同様に、4−クロロ−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド688mg(3.77mmol)およびクロロ蟻酸メチル1.78g(18.84mmol)およびヘキサメチルジシラザン0.61g(3.77mmol)から、表題化合物を得る。
収量:215mg(理論値の22%)
LC−MS(方法3):R=2.44分
MS(ESIpos.):m/z=259(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ = 2.40 (m, 3H), 3.99 (s, 3H), 7.61 (s, 1H), 7.77 (d, 1H).
【0079】
実施例26A
4−[(6−クロロ−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロアニリン
【化34】

メチル−4,6−ジクロロ−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−カルボキシレート300mg(1.16mmol)および粉末状炭酸カリウム320mg(2.32mmol)を、DMSO9mlに懸濁する。混合物を脱気し、4−アミノ−2−フルオロフェノール442mg(3.48mmol)を添加する。混合物を120℃で4時間加熱する。酢酸エチルの添加後、セライト(登録商標)を通して混合物を吸引濾過し、セライトを酢酸エチルで洗浄する。濾液を飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で3回震盪する。濾液を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、移動相:ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製する。
収量:142mg(理論値の42%)
LC−MS(方法3):R=2.32分
MS(ESIpos.):m/z=292(M+H)
【0080】
実施例27A
3−フルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]アニリン
【化35】

3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)アニリンと同様に、4−[(6−クロロ−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロアニリン142mg(0.49mmol)の触媒的水素化により表題化合物を得る。
収量:125mg(理論値の100%)
【0081】
代替的製造方法:
N−[3−フルオロ−4−({3−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]−ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]アセトアミド267mg(0.59mmol)を、エタノール10mlに溶解する。20%強度水性水酸化ナトリウム溶液5mlを添加し、反応混合物を90℃で終夜加熱する。溶媒の殆どを減圧下で除去する。残渣を酢酸エチルに取り、炭酸ナトリウム溶液と共に震盪する。有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。
収量:170mg(理論値の97%)
LC−MS(方法3):R=1.52分
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.41 (s, 3H), 5.38 (s, 2H), 6.08 (d, 1H), 6.40-6.56 (m, 2H), 7.00 (t, 1H), 7.08 (s, 1H), 7.93 (d, 1H), 11.26 (s, 1H).
【0082】
実施例28A
2,2,2−トリフルオロ−N−[3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アセトアミド
【化36】

0℃で、トリフルオロ酢酸無水物(3.48mmol)0.5mlを、無水ジクロロメタン(40ml)中の3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)アニリン650mg(2.34mmol)およびトリエチルアミン0.65ml(4.64mmol)の溶液に滴下して添加する。混合物を0℃で20分間撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(20ml)を滴下して添加することにより、反応を停止させる。懸濁液を室温に温まらせ、相を分離する。水相を酢酸エチル(20ml)で抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。これにより固体を得、これ以上精製しない。
収量:830mg(理論値の96%)
HPLC(方法3):R=2.15分
MS(ESIpos.):m/z=340(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 6.24 (m, 1H), 6.40 (d, 1H), 7.39 (dd, 1H), 7.46 (t, 1H), 7.59 (m, 1H), 7.82 (dd, 1H), 8.09 (d, 1H), 11.57 (s, 1H), 11.82 (br. s, 1H).
【0083】
実施例29A
N−{4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化37】

N−クロロスクシンイミド233mg(1.75mmol)を、無水テトラヒドロフラン(20ml)中の2,2,2−トリフルオロ−N−[3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アセトアミド540mg(1.59mmol)の溶液に添加する。溶液を終夜撹拌する。飽和重炭酸ナトリウム溶液20mlを添加し、混合物を酢酸エチルで抽出する(2回、20ml)。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。これにより固体を得、これ以上精製しない。
収量:639mg(定量)
HPLC(方法1):R=2.20分
MS(ESIpos.):m/z=374、376(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.34 (d, 1H), 7.43 (t, 1H), 7.59 (m, 2H), 7.83 (dd, 1H), 8.12 (d, 1H), 11.54 (s, 1H), 12.12 (br. s, 1H).
【0084】
実施例30A
4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロアニリン
【化38】

1N水酸化ナトリウム水溶液8mlを、テトラヒドロフラン(10ml)中のN−{4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド637mg(1.70mmol)の溶液に添加する。反応を終夜撹拌する。溶液を酢酸エチルで抽出する(2回、20ml)。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。これにより固体を得、それ以上精製しない。
収量:396mg(理論値の81%)
HPLC(方法1):R=1.78分
MS(ESIpos.):m/z=278、280(M+H)
【0085】
実施例31A
N−[4−({3−シクロプロピル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3−フルオロフェニル]アセトアミド
【化39】

N−[4−({3−ブロモ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3−フルオロフェニル]アセトアミド500mg(0.96mmol)および炭酸カリウム400mg(2.89mmol)を、DMF(5ml)に懸濁する。溶液を脱気し、アルゴンで通気する。次いで、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド/二塩化メチレン錯体39mg(0.05mmol)およびシクロプロピルボロン酸(Wallace, Debra J.; Chen, Cheng-yi; Tetrahedron Lett. 2002, 43(39), 6987-6990) 207mg(2.41mmol)を添加する。混合物を110℃で終夜加熱する。次いで、反応混合物をジクロロメタン/メタノール10:1に溶解し、Extrelut カートリッジを通して濾過する。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:194mg(理論値の39%)
LC−MS(方法1):R=2.54分
MS(ESIpos.):m/z=480(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 0.73-0.78 (m, 2H), 0.85-0.91 (m, 2H), 2.07 (s, 3H), 2.15 (tt, 1H), 2.34 (s, 3H), 6.43 (d, 1H), 7.32-7.37 (m, 2H), 7.41 (d, 2H), 7.46 (s, 1H), 7.78-7.84 (m, 1H), 7.96 (d, 2H), 8.14 (d, 1H), 10.24 (br. s, 1H).
【0086】
実施例32A
4−[(3−シクロプロピル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロアニリン
【化40】

N−[4−({3−シクロプロピル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]−ピリジン−4−イル}オキシ)−3−フルオロフェニル]アセトアミド192mg(0.40mmol)をエタノール7mlに溶解する。20%強度水性水酸化ナトリウム溶液3.5mlを添加し、反応混合物を90℃で終夜撹拌する。反応混合物を酢酸エチルと水とに分配する。水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をこれ以上精製せずに反応させる。
収量:99mg(理論値の87%)
LC−MS(方法1):R=1.57分
MS(ESIpos.):m/z=284(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 0.57-0.64 (m, 2H), 0.77-0.85 (m, 2H), 2.12-2.23 (m, 1H), 5.37 (br. s, 2H), 6.11 (d, 1H), 6.44 (dd, 1H), 6.52 (dd, 1H), 6.95-7.05 (m, 2H), 7.94 (d, 1H), 11.28 (br. s, 1H).
【0087】
実施例33A
N−[3−フルオロ−4−({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−3−ビニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]アセトアミド
【化41】

N−[4−({3−ブロモ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3−フルオロフェニル]アセトアミド1.00g(1.93mmol)および炭酸カリウム800mg(5.79mmol)をDMF(6ml)に懸濁する。溶液を脱気し、アルゴンで通気する。次いで、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド/二塩化メチレン錯体79mg(0.10mmol)およびジ−n−ブチルビニルボロネート0.85ml(3.86mmol)を添加し、混合物を90℃で3時間撹拌する。重炭酸ナトリウム溶液の添加後、混合物をジクロロメタンで3回抽出する。合わせた有機相を濃縮し、粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/アセトン20:1から10:1)により精製する。
収量:801mg(理論値の89%)
LC−MS(方法3):R=2.69分
MS(ESIpos.):m/z=466(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.07 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 5.31 (d, 1H), 5.98 (d, 1H), 6.45 (d, 1H), 7.00 (dd, 1H), 7.33-7.40 (m, 2H), 7.44 (d, 2H), 7.79-7.85 (m, 1H), 8.02 (d, 2H), 8.14 (s, 1H), 8.18 (d, 1H), 10.27 (br. s, 1H).
【0088】
実施例34A
N−[4−({3−エチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3−フルオロフェニル]アセトアミド
【化42】

N−[3−フルオロ−4−({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−3−ビニル−1H−ピロロ[2,3−b]−ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]アセトアミド82mg(0.18mmol)をエタノール25mlに溶解する。10%パラジウム/炭19mg(0.02mmol)を添加し、1.5気圧の水素雰囲気下で混合物を終夜水素化する。次いで、セライト(登録商標)を通して混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。生成物をこれ以上精製せずにさらに反応させる。
収量:60mg(理論値の73%)
LC−MS(方法1):R=2.54分
MS(ESIpos.):m/z=468(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 1.27 (t, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 2.81 (dq, 2H), 6.40 (dd, 1H), 7.33-7.36 (m, 2H), 7.41 (d, 2H), 7.58 (s, 1H), 7.77-7.84 (m, 1H), 7.98 (d, 2H), 8.14 (d, 1H), 10.24 (br. s, 1H).
【0089】
実施例35A
4−[(3−エチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロアニリン
【化43】

N−[4−({3−エチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3−フルオロフェニル]アセトアミド50mg(0.11mml)を、エタノール3mlに溶解する。1N水酸化ナトリウム水溶液1mlを添加し、混合物を90℃で終夜撹拌する。反応溶液を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム溶液とに分配する。水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。得られた粗生成物を、これ以上精製せずに反応させる。
収量:24.8mg(理論値の85%)
LC−MS(方法1):R=1.53分
MS(ESIpos.):m/z=272(M+H)
【0090】
実施例36A
N−[3−フルオロ−4−({3−(2−ヒドロキシエチル)−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]アセトアミド
【化44】

0℃で、N−[3−フルオロ−4−({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−3−ビニル−1H−ピロロ[2,3−b]−ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]アセトアミド890mg(1.91mmol)を、最初にTHF28mlに入れる。1MボランのTHF溶液7.65ml(7.65mmol)を滴下して添加し、混合物を室温で1時間撹拌する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液14mlおよび30%強度過酸化水素溶液14mlを、注意深く反応混合物に添加する。混合物を60℃で1時間加熱する。後処理に、反応溶液を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム溶液とに分配する。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧下で除去する。生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/アセトン20:1から6.5:1)により精製する。
収量:473mg(理論値の51%)
LC−MS(方法1):R=2.00分
MS(ESIpos.):m/z=484(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.07 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 2.95 (t, 2H), 3.72 (q, 2H), 4.69 (t, 1H), 6.39 (d, 1H), 7.32-7.39 (m, 2H), 7.42 (d, 2H), 7.63 (s, 1H), 7.79-7.83 (m, 1H), 7.98 (d, 2H), 8.14 (d, 1H), 10.26 (br. s, 1H).
【0091】
実施例37A
2−[4−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]エタノール
【化45】

N−[3−フルオロ−4−({3−(2−ヒドロキシエチル)−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ−[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]アセトアミド470mg(0.97mmol)を、エタノール25mlに溶解する。20%強度水性水酸化ナトリウム溶液10mlを添加し、反応混合物を90℃で終夜撹拌する。溶媒の殆どを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルに取り、酢酸エチルと1N水酸化ナトリウム水溶液とに分配し、抽出する。有機相を1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。
収量:248mg(理論値の89%)
LC−MS(方法6):R=1.13分
MS(ESIpos.):m/z=288(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.95 (t, 2H), 3.69 (q, 2H), 4.55 (t, 1H), 5.43 (br. s, 2H), 6.08 (d, 1H), 6.44 (dd, 1H), 6.52 (dd, 1H), 7.01 (t, 1H), 7.13 (d, 1H), 7.94 (d, 1H), 11.37 (br. s, 1H).
【0092】
実施例38A
2−{4−[4−(アセチルアミノ)−2−フルオロフェノキシ]−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル}エチル4−メチルベンゼンスルホネート
【化46】

N−[3−フルオロ−4−({3−(2−ヒドロキシエチル)−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ−[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]アセトアミド50mg(0.10mmol)を、最初にジクロロメタン2.0mlに加える。ピリジン25μl(0.31mmol)およびp−トルエンスルホニルクロリド19.7mg(0.10mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌する。もう2回、同量のピリジンおよびp−トルエンスルホニルクロリドを、2時間の間隔で添加する。反応が完了したら、反応溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液で2回抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:26mg(理論値の38%)
LC−MS(方法3):R=2.68分
MS(ESIpos.):m/z=638(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.08 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 3.08 (t, 2H), 4.35 (t, 2H), 6.28 (dd, 1H), 6.97 (d, 2H), 7.22 (t, 1H), 7.33-7.39 (m, 1H), 7.40-7.47 (m, 4H), 7.65 (s, 1H), 7.79 (dd, 1H), 8.01 (d, 2H), 8.11 (d, 1H), 10.24 (br. s, 1H).
【0093】
実施例39A
N−(3−フルオロ−4−{[3−(2−メトキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)アセトアミド
【化47】

2−{4−[4−(アセチルアミノ)−2−フルオロフェノキシ]−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル}エチル4−メチルベンゼンスルホネート150mg(0.24mmol)を、メタノール6mlに溶解する。5.4Mナトリウムメトキシド溶液0.17ml(0.94mmol)を添加し、混合物を45℃で終夜撹拌する。反応溶液を1N水酸化ナトリウム水溶液と酢酸エチルとに分配する。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減圧下で除去する。得られた生成物をこれ以上精製せずに反応させる。
収量:55mg(理論値の68%)
LC−MS(方法2):R=1.57分
MS(ESIpos.):m/z=344(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.08 (s, 3H), 3.02 (t, 2H), 3.23 (s, 3H), 3.62 (t, 2H), 6.15 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.30-7.38 (m, 2H), 7.79-7.84 (m, 1H), 7.99 (d, 1H), 10.24 (s, 1H), 11.49 (br. s, 1H).
【0094】
実施例40A
3−フルオロ−4−{[3−(2−メトキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]オキシ}アニリン
【化48】

N−(3−フルオロ−4−{[3−(2−メトキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)アセトアミド63mg(0.18mmol)を、エタノール5mlに溶解する。20%強度水酸化ナトリウム水溶液2mlを添加し、混合物を90℃で終夜撹拌する。次いで、反応混合物を酢酸エチルと1N水酸化ナトリウム水溶液とに分配する。水性溶液を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。生成物をこれ以上精製せずに反応させる。
収量:49mg(理論値の89%)
LC−MS(方法1):R=1.27分
MS(ESIpos.):m/z=302(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 3.03 (t, 2H), 3.24 (s, 3H), 3.63 (t, 2H), 5.39 (br. s, 2H), 6.10 (d, 1H), 6.44 (dd, 1H), 6.53 (dd, 1H), 7.02 (t, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.95 (d, 1H), 11.37 (br. s, 1H).
【0095】
実施例41A
N−[4−({3−シアノ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3−フルオロフェニル]アセトアミド(A)およびN−{4−[(3−シアノ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}アセトアミド(B)
【化49】

N−[4−({3−ブロモ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3−フルオロフェニル]アセトアミド150mg(0.29mmol)、酢酸亜鉛21.2mg(0.12mmol)、亜鉛粉末7.6mg(0.12mmol)、シアン化亜鉛18.4mg(0.16mmol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン4.8mg(0.087mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム2.65mg(0.029mmol)を、スクリューキャップの付いた試験管に最初に入れる。アルゴン下で、DMF1mlおよび水0.01mlの脱気混合物を添加し、密封した容器を100℃で15時間加熱する。粗製の混合物を分取HPLCにより精製する。これにより、トシレート化(A)および脱トシレート化化合物(B)の混合物を得、これ以上精製せずに反応させる。
収量:101mg(理論値の17%A、理論値の82%B)
LC−MS(方法1):R=1.47分(B);2.29分(A)
MS(ESIpos.):m/z=311(M+H)(B)、465(M+H)(A)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz, 化合物 A): δ = 2.08 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 6.61 (d, 1H), 7.35-7.44 (m, 2H), 7.48 (d, 2H), 7.83 (dd, 1H), 8.08 (d, 2H), 8.31 (d, 1H), 8.95 (s, 1H), 10.29 (s, 1H).
【0096】
実施例42A
4−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化50】

N−[4−({3−シアノ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3−フルオロフェニル]アセトアミド30mg(0.065mmol)を、エタノール3mlおよびTHF3mlの混合物に溶解する。20%強度水酸化ナトリウム水溶液1.5mlを添加し、混合物を90℃で終夜加熱する。次いで、さらに1mlの20%強度水酸化ナトリウム水溶液を添加し、さらに1mlを6時間後に添加する。混合物を再度終夜撹拌する。次いで、反応混合物を酢酸エチルと水とに分配する。水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をさらに精製せずに反応させる。
収量:19mg(理論値の100%)
LC−MS(方法3):R=1.70分
MS(ESIpos.):m/z=269(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 5.48 (br. s, 2H), 6.30 (d, 1H), 6.45 (dd, 1H), 6.54 (dd, 1H), 7.07 (t, 1H), 8.14 (d, 1H), 8.31 (s, 1H), 12.7 (br. s, 1H).
【0097】
実施例43A
N−[4−({3−シアノ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3,5−ジフルオロフェニル]アセトアミド(A)およびN−{4−[(3−シアノ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}アセトアミド(B)
【化51】

N−[4−({3−ブロモ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3,5−ジフルオロフェニル]アセトアミド2.90g(5.41mmol)、酢酸亜鉛397mg(2.16mmol)、酢酸粉末141mg(2.16mmol)、シアン化亜鉛343mg(2.92mmol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン89.9mg(0.16mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム49.5mg(0.05mmol)を、最初に加える。アルゴン下、DMF33mlおよび水0.33mlの脱気混合物を添加し、混合物を100℃で20時間加熱する。粗製混合物を短いシリカゲルカラム(移動相:ジクロロメタン:メタノール=3:1)を通して濾過する。(A)37%および(B)31%を含む5gの油状物である得られる生成物を、これ以上精製せずにさらに反応させる。分析量を分取HPLCにより精製する。
LC−MS(方法3):R=1.86分(B);2.61分(A)
MS(ESIpos.):m/z=329(M+H)(B)、483(M+H)(A)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz, 化合物 A): δ = 2.10 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 6.78 (d, 1H), 7.48 (d, 2H), 7.55 (d, 2H), 8.09 (d, 2H), 8.34 (d, 1H), 8.98 (s, 1H), 10.45 (s, 1H).
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz, 化合物 B): δ = 2.11 (s, 3H), 6.54 (d, 1H), 7.57 (d, 2H), 8.23 (d, 1H), 8.45 (s, 1H), 10.45 (s, 1H), 12.99 (s, 1H).
【0098】
実施例44A
4−(4−アミノ−2,6−フルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化52】

N−[4−({3−シアノ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3,5−ジフルオロフェニル]アセトアミドおよびN−{4−[(3−シアノ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}アセトアミドへの変換の粗生成物4.8gを、THF40mlおよびエタノール150mlに懸濁する。20%強度水酸化ナトリウム水溶液50mlを添加し、混合物を90℃で20時間撹拌する。冷却後、混合物を減圧下で濃縮し、水および酢酸エチルを添加する。有機相を分離し、活性炭で澄ませる。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、結晶性残渣を得、これ以上精製せずに反応させる。分析サンプルをHPLCにより精製する。
収量:1.60g(理論値の61%)
LC−MS(方法3):R=1.89分
MS(ESIpos.):m/z=287(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 5.84 (s, 2H), 6.41 (d, 2H), 6.47 (d, 1H), 8.22 (d, 1H), 8.41 (s, 1H), 12.92 (s, 1H).
【0099】
実施例45A
N−[4−({3−シクロプロピル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3,5−ジフルオロフェニル]アセトアミド
【化53】

N−[4−({3−ブロモ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}オキシ)−3,5−ジフルオロフェニル]アセトアミド1.00g(1.86mmol)、シクロプロピルボロン酸(Wallace, Debra J.; Chen, Cheng-yi; Tetrahedron Lett. 2002, 43(39), 6987-6990)1.12g(13.1mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン52.3mg(0.19mmol)およびリン酸カリウム1.39g(6.53mmol)を、トルエン10mlおよび水0.5mlに懸濁する。溶液を脱気し、酢酸パラジウム(II)20.9mg(0.09mmol)を添加する。混合物を100℃で1.5時間加熱する。冷却後、酢酸エチルを添加し、有機相を分離し、水で2回洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:666mg(理論値の72%)
LC−MS(方法1):R=2.59分
MS(ESIpos.):m/z=498(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 0.73-0.80 (m, 2H), 0.86-0.94 (m, 2H), 2.09 (s, 3H), 2.10-2.21 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 6.55 (d, 1H), 7.41 (d, 2H), 7.51 (s, 1H), 7.53 (d, 2H), 7.97 (d, 2H), 8.17 (d, 1H), 10.43 (s, 1H).
【0100】
実施例46A
4−[(3−シクロプロピル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロアニリン
【化54】

N−[4−({3−シクロプロピル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]−ピリジン−4−イル}オキシ)−3,5−ジフルオロフェニル]アセトアミド624mg(1.25mmol)をエタノール17mlに溶解する。半ば濃縮した(semiconcentrated)水酸化ナトリウム水溶液10mlを添加し、反応混合物を90℃で15時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルと水とに分配する。有機相を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。これにより、結晶性の残渣を得る。
収量:360mg(理論値の92%)
LC−MS(方法1):R=1.73分
MS(ESIpos.):m/z=302(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 0.59-0.65 (m, 2H), 0.79-0.87 (m, 2H), 2.12-2.22 (m, 1H), 5.76 (br. s, 2H), 6.18 (d, 1H), 6.34-6.43 (m, 2H), 7.03 (d, 1H), 7.98 (d, 1H), 11.39 (s, 1H).
【0101】
実施例47A
N−{4−[(3−ブロモ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化55】

0℃で、1M臭素のジクロロメタン溶液485μl(490μmol)を、ジクロロメタン10ml中のN−{3,5−ジフルオロ−4−[(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド215mg(440μmol)の溶液に、滴下して添加する。15分間0℃で撹拌した後、反応混合物を10%強度チオ硫酸ナトリウム溶液と氷の混合物に注ぎ、混合物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で濃縮した後、残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:246mg(理論値の98%)
LC−MS(方法1):R=3.05分
MS(ESIpos.):m/z=568(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = -0.01 (s, 9H), 0.82 (t, 2H), 3.53 (t, 2H), 5.60 (s, 2H), 6.48 (d, 1H), 7.70 (d, 2H), 7.88 (s, 1H), 8.17 (d, 1H), 11.72 (s, 1H).
【0102】
実施例48A
4−[(3−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロアニリン
【化56】

ジオキサン(4N)中の塩化水素の混合物4.00mlの中の、N−{4−[(3−ブロモ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド201mg(280μmol)の溶液を、室温で終夜撹拌し、沈殿した結晶を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄する。固体残渣(131mg)をTHF20mlに溶解する。次いで、5%強度水酸化リチウム水溶液2.7ml(5.62mmol)を添加し、混合物を室温で60時間撹拌する。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出する。硫酸マグネシウムで乾燥後、合わせた有機相を濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:51mg(理論値の51%)
LC−MS(方法3):R=2.50分
MS(ESIneg.):m/z=338(M−H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 5.79 (s, 2H), 6.28 (d, 1H), 6.39 (d, 2H), 7.58-7.63 (m, 1H), 8.08 (d, 1H), 12.12 (s, 1H).
【0103】
実施例
実施例1
6−クロロ−N−{3,5−ジフルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化57】

3,5−ジフルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]アニリン415mg(1.51mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン321mg(1.96mmol)を水8mlに懸濁する。1N塩酸1.96mlを添加し、混合物を還流で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、pHを10に合わせ、結晶の沈殿を得る。結晶を吸引濾過し、水で洗浄する。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Nアンモニア)100:1ないし100:5)により精製する。
収量:575mg(理論値の95%)
LC−MS(方法2):R=2.14分
MS(ESIpos.):m/z=403(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.44 (s, 3H), 6.04 (s, 1H), 6.20 (d, 1H), 7.00 (br. s, 2H), 7.16 (s, 1H), 7.70-7.78 (m, 2H), 7.99 (d, 1H), 9.78 (s, 1H), 11.44 (br. s, 1H).
【0104】
実施例2
−{3,5−ジフルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化58】

6−クロロ−N−{3,5−ジフルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン50mg(0.12mmol)を、エタノール10mlに溶解する。トリエチルアミン35μl(0.25mmol)および10%パラジウム/炭26mg(0.02mmol)を添加し、混合物を大気圧下、水素雰囲気中で終夜水素化する。次いで、セライト(登録商標)を通して混合物を濾過し、セライトをメタノールで洗浄する。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:31mg(理論値の68%)
LC−MS(方法3):R=1.42分
MS(ESIpos.):m/z=369(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.44 (s, 3H), 6.02 (d, 1H), 6.20 (d, 1H), 6.42 (br. s, 2H), 7.15 (s, 1H), 7.73-7.80 (m, 2H), 7.89 (d, 1H), 7.99 (d, 1H), 9.53 (s, 1H), 11.39 (br. s, 1H).
【0105】
実施例3
−{3,5−ジフルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化59】

3,5−ジフルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]アニリン160mg(0.58mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン138mg(0.70mmol)を、水3.5mlに懸濁する。1N塩酸0.76ml(0.76mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpHを10に合わせ、結晶の沈殿を得る。結晶を吸引濾過し、シリカゲルのクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Nアンモニア)100:1ないし100:3)により精製する。得られる生成物を分取HPLCによりさらに精製する。
収量:112mg(理論値の44%)
LC−MS(方法1):R=2.16分
MS(ESIpos.):m/z=437(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.44 (s, 3H), 6.22 (d, 1H), 6.37 (s, 1H), 7.11 (br. s, 2H), 7.17 (s, 1H), 7.75-7.82 (m, 2H), 8.00 (d, 1H), 10.03 (s, 1H), 11.44 (br. s, 1H).
【0106】
実施例4
−{4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化60】

3,5−ジフルオロ−4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]アニリン65mg(0.22mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン47mg(0.24mmol)を、4mlの水/エタノール1:1に懸濁する。37%強度塩酸25μl(0.29mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを7に合わせ、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:40mg(理論値の39%)
HPLC(方法1):R=2.22分
MS(ESIpos.):m/z=439、441(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.28 (d, 1H), 6.38 (s, 1H), 6.99 (br. s, 2H), 7.33 (t, 1H), 7.40 (dd, 1H), 7.58 (s, 1H), 8.10 (d, 1H), 8.25 (dd, 1H), 9.91 (s, 1H), 12.05 (br. s, 1H).
【0107】
実施例5
6−クロロ−N−{3−フルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化61】

3−フルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]アニリン35mg(0.14mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン24.5mg(0.15mmol)を、水2.5mlに懸濁する。37%強度塩酸17μl(0.18mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを10に合わせ、結晶の沈殿を得る。結晶を吸引濾過し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン:メタノール(7Nアンモニア)100:5)により精製する。
収量:37mg(理論値の67%)
LC−MS(方法1):R=1.73分
MS(ESIpos.):m/z=385(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.40 (d, 3H), 6.03 (s, 1H), 6.17 (dd, 1H), 6.84 (br. s, 2H), 7.12 (m, 1H), 7.23-7.36 (m, 2H), 7.98 (d, 1H), 8.14 (dd, 1H), 9.57 (s, 1H), 11.34 (br. s, 1H).
【0108】
実施例6
−{3−フルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化62】

6−クロロ−N−{3−フルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン50mg(0.13mmol)をエタノール10mlに溶解する。トリエチルアミン36μl(0.26mmol)および10%パラジウム/炭28mg(0.03mmol)を添加し、混合物を大気圧下、水素雰囲気中、終夜水素化する。次いで、セライト(登録商標)を通して混合物を濾過し、セライトをメタノールで洗浄する。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:24mg(理論値の53%)
LC−MS(方法6):R=1.48分
MS(ESIpos.):m/z=351(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.41 (d, 3H), 6.02 (d, 1H), 6.16 (dd, 1H), 6.30 (br. s, 2H), 7.12 (s, 1H), 7.21-7.40 (m, 2H), 7.85 (d, 1H), 7.97 (d, 1H), 8.18 (dd, 1H), 9.36 (s, 1H), 11.33 (br. s, 1H).
【0109】
実施例7
−{3−フルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化63】

3−フルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]アニリン184mg(0.72mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン170mg(0.86mmol)を、水3.5mlに懸濁する。1N塩酸0.93ml(0.93mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿を得る。結晶を吸引濾過し、水で洗浄し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Nアンモニア)100:1ないし100:3)により精製する。
収量:212mg(理論値の71%)
LC−MS(方法1):R=1.97分
MS(ESIpos.):m/z=419(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.41 (s, 3H), 6.17 (d, 1H), 6.38 (s, 1H), 7.00 (br. s, 2H), 7.14 (s, 1H), 7.30 (t, 1H), 7.38 (dd, 1H), 7.98 (d, 1H), 8.23 (dd, 1H), 9.87 (s, 1H), 11.38 (br. s, 1H).
【0110】
実施例8
6−クロロ−N−{4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化64】

3−フルオロ−4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]アニリン67mg(0.24mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン40mg(0.24mmol)を、4mlの水/エタノール1:1に懸濁する。37%強度塩酸25μl(0.29mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを7に合わせ、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:54mg(理論値の53%)
HPLC(方法1):R=2.07分
MS(ESIpos.):m/z=405、407(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.05 (s, 1H), 6.27 (dd, 1H), 6.84 (br. s, 2H), 7.29 (t, 1H), 7.36 (m, 1H), 7.56 (s, 1H), 8.09 (d, 1H), 8.16 (dd, 1H), 9.62 (s, 1H), 12.03 (br. s, 1H).
【0111】
実施例9
−{4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化65】

3−フルオロ−4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]アニリン67mg(0.24mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン47mg(0.24mmol)を4mlの水/エタノール1:1に懸濁する。37%強度塩酸25μl(0.29mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを7に合わせ、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:40mg(理論値の36%)
HPLC(方法1):R=2.22分
MS(ESIpos.):m/z=439、441(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.28 (d, 1H), 6.38 (s, 1H), 6.99 (br. s, 2H), 7.33 (t, 1H), 7.40 (dd, 1H), 7.58 (s, 1H), 8.10 (d, 1H), 8.25 (dd, 1H), 9.91 (s, 1H), 12.05 (br. s, 1H).
【0112】
実施例10
−{4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化66】

4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロアニリン100mg(0.36mmol)および4−クロロピリミジン−2−アミン60mg(0.46mmol)を、4mlの水/エタノール1:1に懸濁する。37%強度塩酸36μl(0.43mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを7に合わせ、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:68mg(理論値の51%)
HPLC(方法1):R=1.42分
MS(ESIpos.):m/z=371、373(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.05 (d, 1H), 6.26 (dd, 1H), 6.83 (br. s, 2H), 7.28 (t, 1H), 7.37 (m, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.89 (d, 1H), 8.09 (d, 1H), 8.15 (dd, 1H), 9.12 (s, 1H), 12.07 (br. s, 1H).
【0113】
実施例11
−{4−[(3−シクロプロピル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化67】

4−[(3−シクロプロピル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロアニリン114mg(0.40mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン95mg(0.48mmol)を、水3.5mlに懸濁する。1N塩酸0.52ml(0.52mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。次いで、さらに30mg(0.15mmol)の4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミンを添加し、混合物をさらに6時間加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpHを10に合わせ、結晶の沈殿を得る。結晶を吸引濾過し、シリカゲルのクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Nアンモニア)100:1ないし100:3)により精製する。
収量:94mg(理論値の53%)
LC−MS(方法6):R=2.31分
MS(ESIpos.):m/z=445(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 0.59-0.65 (m, 2H), 0.77-0.85 (m, 2H), 2.10-2.20 (m, 1H), 6.21 (dd, 1H), 6.38 (s, 1H), 6.95 (br. s, 2H), 7.04 (d, 1H), 7.25-7.41 (m, 2H), 7.99 (d, 1H), 8.21 (dd, 1H), 9.83 (s, 1H), 11.38 (br. s, 1H).
【0114】
実施例12
6−クロロ−N−{4−[(3−エチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化68】

4−[(3−エチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロアニリン50mg(0.18mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン32mg(0.19mmol)を、水5mlに懸濁する。37%強度塩酸27μlを添加し、混合物を還流で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを10に合わせ、結晶の沈殿を得る。結晶を吸引濾過し、分取HPLCにより精製する。
収量:26mg(理論値の33%)
LC−MS(方法1):R=1.93分
MS(ESIpos.):m/z=399(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 1.27 (t, 3H), 2.83 (q, 2H), 6.04 (s, 1H), 6.16 (d, 1H), 6.83 (br. s, 2H), 7.14 (m, 1H), 7.24-7.37 (m, 2H), 7.98 (d, 1H), 8.14 (dd, 1H), 9.57 (s, 1H), 11.36 (br. s, 1H).
【0115】
実施例13
−{4−[(3−エチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化69】

4−[(3−エチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3−フルオロアニリン45mg(0.17mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン34mg(0.17mmol)を、水5mlに懸濁する。37%強度塩酸24μlを添加し、混合物を還流で終夜加熱する。次いで、さらに70mg(0.35mmol)の4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミンおよび37%強度塩酸40μlを添加し、混合物を還流でさらに一夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを10に合わせる。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール100:1から10:1)により精製する。得られる生成物を分取HPLCによりさらに精製する。
収量:9.6mg(理論値の13%)
LC−MS(方法3):R=2.12分
MS(ESIpos.):m/z=433(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 1.28 (t, 3H), 2.83 (q, 2H), 6.17 (d, 1H), 6.38 (s, 1H), 7.00 (br. s, 2H), 7.15 (br. s, 1H), 7.28-7.40 (m, 2H), 7.99 (d, 1H), 8.23 (dd, 1H), 9.88 (s, 1H), 11.40 (br. s, 1H).
【0116】
実施例14
2−(4−{4−[(2−アミノ−6−クロロピリミジン−4−イル)アミノ]−2−フルオロフェノキシ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)エタノール
【化70】

2−[4−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]エタノール50mg(0.17mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン30mg(0.18mmol)を、水5mlに懸濁する。37%強度塩酸25μlを添加し、混合物を還流で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを10に合わせ、結晶の沈殿を得る。混合物を濃縮し、シリカゲルを通して濾過する。生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:16mg(理論値の22%)
LC−MS(方法3):R=1.52分
MS(ESIpos.):m/z=415(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.97 (t, 2H), 3.70 (dt, 2H), 4.52 (t, 1H), 6.04 (s, 1H), 6.15 (d, 1H), 6.84 (br. s, 2H), 7.17 (d, 1H), 7.25-7.37 (m, 2H), 7.98 (d, 1H), 8.15 (dd, 1H), 9.58 (s, 1H), 11.41 (br. s, 1H).
【0117】
実施例15
2−[4−(4−{[2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]アミノ}−2−フルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]エタノール
【化71】

2−[4−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]エタノール130mg(0.45mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン107mg(0.54mmol)を、水6mlに懸濁する。1N塩酸0.6ml(0.6mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿を得る。結晶を吸引濾過し、水で洗浄し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Nアンモニア)100:1ないし100:3)により精製する。
収量:170mg(理論値の80%)
LC−MS(方法1):R=1.54分
MS(ESIpos.):m/z=449(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.97 (t, 2H), 3.70 (dt, 2H), 4.58 (t, 1H), 6.16 (d, 1H), 6.38 (s, 1H), 7.10 (br. s, 2H), 7.18 (d, 1H), 7.29-7.41 (m, 2H), 7.98 (d, 1H), 8.24 (dd, 1H), 9.89 (s, 1H), 11.46 (br. s, 1H).
【0118】
実施例16
2−(4−{4−[(2−アミノピリミジン−4−イル)アミノ]−2−フルオロフェノキシ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)エタノール
【化72】

2−[4−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]エタノール135mg(0.47mmol)および4−クロロピリミジン−2−アミン79mg(0.61mmol)を、水6mlに懸濁する。1N塩酸0.6ml(0.6mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿を得る。結晶を吸引濾過し、水で洗浄し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Nアンモニア)100:1ないし10:1)により精製する。
収量:158mg(理論値の88%)
LC−MS(方法1):R=0.88分
MS(ESIneg.):m/z=379(M−H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.97 (t, 2H), 3.70 (dt, 2H), 4.58 (t, 1H), 6.02 (d, 1H), 6.14 (d, 1H), 6.36 (br. s, 2H), 7.17 (d, 1H), 7.24-7.40 (m, 2H), 7.86 (d, 1H), 7.98 (d, 1H), 8.22 (dd, 1H), 9.41 (s, 1H), 11.44 (br. s, 1H).
【0119】
実施例17
−(3−フルオロ−4−{[3−(2−メトキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化73】

3−フルオロ−4−{[3−(2−メトキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]オキシ}アニリン53mg(0.18mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン42mg(0.21mmol)を、水4mlに懸濁する。1N塩酸0.23ml(0.23mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。次いで、さらに22mg(0.11mmol)の4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミンを添加し、混合物を再度終夜加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpHを10に合わせ、結晶の沈殿を得る。結晶を吸引濾過し、水で洗浄する。生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:45mg(理論値の55%)
LC−MS(方法1):R=1.88分
MS(ESIpos.):m/z=463(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 3.04 (t, 2H), 3.25 (s, 3H), 3.64 (t, 2H), 6.19 (d, 1H), 6.38 (s, 1H), 6.96 (br. s, 2H), 7.20 (d, 1H), 7.28-7.42 (m, 2H), 8.00 (d, 1H), 8.22 (dd, 1H), 9.85 (s, 1H), 11.46 (br. s, 1H).
【0120】
実施例18
4−(4−{[2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]アミノ}−2−フルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化74】

4−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル19.0mg(0.071mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン19.6mg(0.099mmol)を、水5mlに懸濁する。1N塩酸0.1ml(0.1mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。次いで、エタノール3mlおよびさらなる4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン19.6mg(0.099mmol)を添加する。混合物を100℃でさらに6時間撹拌する。混合物を僅かに濃縮し、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを10に合わせ、結晶の沈殿を得る。結晶を吸引濾過し、水で洗浄し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Nアンモニア)100:1ないし10:1)により精製する。
収量:24mg(理論値の77%)
LC−MS(方法1):R=1.93分
MS(ESIpos.):m/z=430(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.39 (s, 1H), 6.44 (d, 1H), 7.04 (br. s, 2H), 7.40-7.43 (m, 2H), 8.22 (d, 1H), 8.29 (d, 1H), 8.43 (s, 1H), 9.93 (s, 1H), 12.93 (br. s, 1H).
【0121】
実施例19
4−(4−{[2−アミノ−6−クロロピリミジン−4−イル]アミノ}−2−フルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化75】

4−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル49.0mg(0.18mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン33.0mg(0.20mmol)を、水5mlに懸濁する。2N塩酸0.12ml(0.24mmol)を添加し、混合物を還流で終夜加熱する。濃縮した水酸化ナトリウム水溶液を使用して、混合物をアルカリ性にし、生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:40mg(理論値の54%)
LC−MS(方法3):R=2.05分
MS(ESIpos.):m/z=396(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 6.05 (s, 1H), 6.41 (d, 1H), 6.89 (br. s, 2H), 7.37 (m, 2H), 8.18-8.24 (m, 2H), 8.38 (s, 1H), 9.68 (s, 1H), 13.00 (br. s, 1H).
【0122】
実施例20
4−{4−[(2−アミノピリミジン−4−イル)アミノ]−2−フルオロフェノキシ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化76】

4−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル200mg(0.66mmol)および4−クロロピリミジン−2−アミン104mg(0.72mmol)を水9mlおよびエタノール4.5mlに懸濁する。4N塩酸0.33ml(1.31mmol)を添加し、混合物を還流で2時間加熱する。濃縮した水酸化ナトリウム水溶液を使用して混合物をアルカリ性にし、水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。有機相を分離し、濃縮する。粗生成物を分取HPLCにより精製する。これにより、表題化合物を結晶として得る。
収量:81mg(理論値の34%)
LC−MS(方法1):R=1.24分
MS(ESIpos.):m/z=362(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 6.03 (d, 1H), 6.36 (br. s, 2H), 6.42 (d, 1H), 7.32-7.43 (m, 2H), 7.86 (d, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.26 (dd, 1H), 8.41 (s, 1H), 9.44 (s, 1H), 12.90 (s, 1H).
【0123】
実施例21
4−{4−[(2−アミノピリミジン−4−イル)アミノ]−2,6−ジフルオロフェノキシ}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化77】

4−(4−アミノ−2,6−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル250mg(0.65mmol)および4−クロロピリミジン−2−アミン92mg(0.71mmol)を、水10mlおよびエタノール5mlに懸濁する。4N塩酸0.32ml(1.29mmol)を添加し、混合物を還流で2時間加熱する。濃縮した水酸化ナトリウム水溶液を使用して混合物をアルカリ性にし、水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。有機相を分離し、濃縮する。粗生成物を分取HPLCにより精製する。これにより、表題化合物を結晶として得る。
収量:138mg(理論値の56%)
LC−MS(方法2):R=1.48分
MS(ESIpos.):m/z=380(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 6.03 (d, 1H), 6.49 (br. s, 2H), 6.54 (d, 1H), 7.82 (d, 2H), 7.91 (d, 1H), 8.24 (d, 1H), 8.45 (s, 1H), 9.61 (s, 1H), 12.98 (br. s, 1H).
【0124】
実施例22
−{4−[(3−シクロプロピル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}−6−(トリフルオロメチル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
【化78】

4−[(3−シクロプロピル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロアニリン330mg(1.10mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン320mg(1.64mmol)を、水4mlおよびエタノール2mlに懸濁する。4N塩酸0.55ml(2.2mmol)を添加し、混合物を還流で1時間加熱する。次いで、さらなる4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン107mg(0.55mmol)を添加し、混合物をさらに2時間加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液の添加により混合物をアルカリ性にし、酢酸エチルで抽出し、有機相を水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:340mg(理論値の65%)
LC−MS(方法2):R=2.45分
MS(ESIpos.):m/z=463(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 0.61-0.68 (m, 2H), 0.81-0.89 (m, 2H), 2.14-2.25 (m, 1H), 6.25 (d, 1H), 6.38 (s, 1H), 7.09 (d, 1H), 7.12 (br. s, 2H), 7.79 (d, 2H), 8.01 (d, 1H), 10.05 (br. s, 1H), 11.48 (br. s, 1H).
【0125】
実施例23
6−クロロ−N−{4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化79】

3,5−ジフルオロ−4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]アニリン162mg(0.55mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン90mg(0.55mmol)を6mlの水/エタノール1:1に懸濁する。37%強度塩酸56μl(0.65mmol)を添加し、混合物を還流で3時間加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを7に合わせ、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:79mg(理論値の34%)
HPLC(方法3):R=2.38分
MS(ESIpos.):m/z=405,407(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.04 (s, 1H), 6.35 (d, 1H), 7.00 (br. s, 2H), 7.61 (s, 1H), 7.75 (d, 2H), 8.10 (d, 1H), 9.80 (s, 1H), 12.13 (br. s, 1H).
【0126】
実施例24
−{4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化80】

3,5−ジフルオロ−4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]アニリン200mg(0.67mmol)および4−クロロピリミジン−2−アミン88mg(0.67mmol)を6mlの水/エタノール1:1に懸濁する。37%強度塩酸69μl(0.81mmol)を添加し、混合物を還流で3時間加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを7に合わせ、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:93mg(理論値の35%)
HPLC(方法2):R=1.63分
MS(ESIpos.):m/z=405、407(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.02 (d, 1H), 6.35 (d, 1H), 6.47 (br. s, 2H), 7.61 (s, 1H), 7.79 (d, 2H), 7.90 (d, 1H), 8.10 (d, 1H), 9.58 (s, 1H), 12.12 (br. s, 1H).
【0127】
実施例25
−{4−[(3−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロフェニル}−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化81】

4−[(3−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]−3,5−ジフルオロアニリン47mg(0.14mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン35mg(0.18mmol)を、水5mlおよびエタノール1mlの混合物に懸濁する。1M塩酸0.18mlを添加し、混合物を100℃で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿を得る。固体を濾過し、水で洗浄する。粗生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:18mg(理論値の26%)
LC−MS(方法2):R=2.50分
MS(ESIneg.):m/z=499(M−H)
1H-NMR (CD3OD/CD2Cl2 1:1, 400 MHz): δ = 5.48 (s, 2H), 6.36 (d, 1H), 6.42 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.68 (d, 2H), 8.06 (d, 1H).
【0128】
B.生理活性の評価
酵素の阻害を、組換えRhoキナーゼIIを用いてインビトロアッセイで調べる。血管弛緩作用は、単離したウサギの伏在動脈の輪のフェニレフリン誘導収縮を使用して測定する。本発明による化合物の心血管障害の処置への適合性は、麻酔したラットに対する降圧効果を調べることにより立証できる。
【0129】
組換えRhoキナーゼII(ROKα)の阻害
基質ペプチドへの33Pホスフェートの取込みにより、Rhoキナーゼの活性を測定する。このために、購入できるRhoキナーゼII(Upstate Biotechnology)を、37℃で、S6ホスフェート−アクセプターペプチドの存在下、試験物質または溶媒対照と共に、10分間予めインキュベートする。次いで、33P標識化ATPの添加によりキナーゼ反応を開始させる。37℃で20分後、HPOの添加により反応を停止させる。アリコートを濾紙にピペットで載せ、濾紙を洗浄し、次いでシンチレーターで覆う。濾紙に結合した33P標識化ペプチドの放射能を、Micro-Beta カウンターで測定する。IC50値は、Rho−キナーゼに触媒されるペプチドへの33Pの取込みが、溶媒対照と比較して50%まで阻害される試験物質の濃度に相当する。実験データを下記の表Aにまとめる。
【0130】
表A:
【表2】

【0131】
インビトロの血管弛緩作用
単離したウサギの伏在動脈の個々の3mm幅の環を、クレブス−ヘンゼライト(Krebs-Henseleit)溶液と共に5mlの器官浴に導入する(37℃、カルボゲン(carbogen)でガス供給)。血管の緊張を等尺的にモニターし、記録する。フェニレフリン3x10−8g/mlの添加により収縮を誘導し、4分後に再度洗浄する。数回の対照サイクルの後、環を調べようとする物質で予めインキュベートし、用量は各々のさらなるサイクルで増加するようにし、その後の収縮を最後の対照収縮の強度と比較する。対照値の強度を50%まで低下させるのに必要な濃度(IC50)を算出する。実験データを下記の表Bにまとめる。
【0132】
表B:
【表3】

【0133】
麻酔したラットにおける血圧の測定
体重300−350gの雄の Wistar ラットを、チオペンタール(100mg/kg i.p.)で麻酔する。気管切開に続き、カテーテルを大腿動脈に導入し、血圧を測定する。試験しようとする物質を、胃管を介して経口で、または大腿静脈を介して静脈内に、液剤として投与する。
【0134】
チトクロムP−450酵素の阻害(CYPアッセイ)
代謝的に重要なP450イソ酵素(1A2、2C9、2D6および3A4)を阻害する潜在能力を、自動化されたやり方で、96ウェル形式で調べる。使用する酵素供給源はヒト肝臓ミクロソームであり、CYPアイソフォーム選択的基質は、フェナセチン(CYP1A2)、ジクロフェナク(CYP2C9)、デキストロメトルファン(CYP2D6)およびミダゾラム(CYP3A4)である。各標準物質からの問題の代謝物の形成を、LC−MS/MSにより、阻害剤濃度の関数として測定し、IC50値を算出する。定めた物質濃度および潜在的阻害剤の6種の濃度での、代謝物形成に対する効果を調べる。正の対照として、調べる各々のCYPアイソフォームの既知の阻害剤も各マイクロタイタープレートで試験する。加えて、CYP3A4アッセイの場合、阻害は、潜在的阻害剤をヒト肝臓ミクロソームとNADPHの存在下で予めインキュベートした後に行う。
【0135】
実験の詳細を表Cにまとめる:
表C:
【表4】

【0136】
マイクロタイタープレート(96ウェル、容積200μl)中のリン酸バッファー(100mM、pH7.4)の中でインキュベーションを実施する。各インキュベーションのインキュベーション時間およびタンパク質含有量は、使用する基質により左右され、表Cにまとめる。アセトニトリル(各々の内部標準を含む)100μlの添加に続き、沈殿したタンパク質をフィルタープレート上で遠心分離により除去する。上清を合わせ、サンプルをLC−MS/MSにより分析する。
【0137】
C.医薬組成物の実施例
本発明による化合物を、以下の通りに医薬製剤に変換できる:
錠剤:
組成:
実施例1の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、トウモロコシデンプン(天然)50mg、ポリビニルピロリドン (PVP 25) (BASF, Ludwigshafen, Germany より)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg、直径8mm、球面半径12mm。
製造:
本発明の化合物、ラクトースおよびスターチの混合物を、5%強度PVP水溶液(w/w)で造粒する。乾燥後、顆粒をステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を常套の打錠機で打錠する(錠剤の寸法:上記参照)。打錠に使用する標準値は、打錠力15kNである。
【0138】
経口投与用の懸濁液:
組成:
実施例1の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel (FMC, Pennsylvania, USA のキサンタンゴム)400mgおよび水99g。
本発明による化合物100mgの単回用量は、経口懸濁液10mlに相当する。
製造:
Rhodigel をエタノールに懸濁し、活性化合物を懸濁液に添加する。撹拌しながら水を添加する。Rhodigel が完全に膨潤するまで、混合物を約6時間撹拌する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

式中、
は、塩素、臭素、シアノ、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチルまたはシクロプロピルを表し、
は、水素またはフッ素を表し、
は、水素、塩素、トリフルオロメチルまたはペンタフルオロエチルを表す、
の化合物、またはその塩、その溶媒和物、もしくはその塩の溶媒和物。
【請求項2】
式中、
が、塩素、シアノ、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチルまたはシクロプロピルを表し、
が、水素またはフッ素を表し、
が、水素、塩素またはトリフルオロメチルを表す、
請求項1に記載の化合物、またはその塩、その溶媒和物、もしくはその塩の溶媒和物。
【請求項3】
式中、
が、シアノ、メチルまたはヒドロキシエチルを表し、
が、水素またはフッ素を表し、
が、塩素またはトリフルオロメチルを表す、
請求項1または請求項2に記載の化合物、またはその塩、その溶媒和物、もしくはその塩の溶媒和物。
【請求項4】
請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、
式(II)
【化2】

(式中、RおよびRは、請求項1で定義する通りである)
の化合物を、式(III)
【化3】

(式中、Rは、請求項1で定義する通りである)
の化合物と反応させることを特徴とする、方法。
【請求項5】
障害の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
心血管障害の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項7】
勃起不全の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項8】
心血管的に有効な量の請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物を使用する、心血管障害の処置および/または予防方法。
【請求項9】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物を、さらなる活性化合物と組み合わせて含む、医薬。
【請求項10】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物を、不活性、非毒性の医薬的に許容し得る補助剤と組み合わせて含む、医薬。
【請求項11】
心血管障害の処置および/または予防のための、請求項9または請求項10に記載の医薬。
【請求項12】
勃起不全の処置および/または予防のための、請求項9または請求項10に記載の医薬。

【公表番号】特表2007−532502(P2007−532502A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506696(P2007−506696)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003294
【国際公開番号】WO2005/097790
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】